JP3278543B2 - アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミナセメント組成
物及びそれを用いた不定形耐火物、詳しくは、従来のア
ルミナセメント組成物に比べて、高温施工時に、高流動
性、高強度発現性、耐食性、及び耐スポーリング性等が
良好なアルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形
耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、アルミナセメントやア
ルミナセメント組成物として、特定割合のCaO・Al
2O3、12CaO・7Al2O3、及び非晶質からなり、α-Al2O3
ヒドロオキシカルボン酸、及び無機炭酸塩を含有してな
るアルミナセメント組成物(特願昭45-129562号公報、特
開昭49-32921号公報、特開昭50-102617号公報、及び特
開昭55-121933号公報等)、水溶性のポリアクリル酸類
及び/又はメタクリル酸−アクリル酸共重合体とアルカ
リ金属炭酸塩を含有してなるアルミナセメント(特開昭5
5-75947号公報や特開昭55-75948号公報など)、並びに、
カルシウムアルミネート、ポリアクリル酸類、ホウ酸
類、及び炭酸塩又はカルボン酸類からなるアルミナセメ
ント組成物(特開平6-157097号公報)等が知られている。
また、アルミナセメントの鉱物組成と添加剤の種類のア
ルミナセメントの流動性、硬化性、及び強度発現性にお
よぼす影響についても公知である(HIGH ALUMINA CEMENT
S AND CONCRETES T.D. ROBSON 1962年発行)。
【0003】これらのアルミナセメント又はアルミナセ
メント組成物は、常温施工時に高強度発現性、高耐火
性、及び高流動性等の特性改善を目的としたものであ
り、高温施工時には物性の低下が生じて好ましくなかっ
た。
【0004】そして、従来のアルミナセメントの鉱物組
成は、流動性確保と強度発現性付与の面でCaO・Al2O3
主体とするものに限定されていた。このCaO・Al2O3の硬
化速度調整に、12CaO・7Al2O3のような早硬性カルシウム
アルミネートやCaO・2Al2O3のような硬化遅延のカルシウ
ムアルミネートを配合するものが提案されている(特公
昭44-4220号公報や特開昭54-139639号公報など)。しか
しながら、12CaO・7Al2O3は急硬性を示す特徴があり、添
加剤等で硬化調整を行っても、CaO・Al2O3を主体とする
アルミナセメントには、強度発現性の面で劣っており、
また、CaO・2Al2O3を配合すると、硬化遅延や強度発現性
が低下するなどの課題があった。
【0005】また、高温施工用には、水溶性無機フッ化
物を含有してなるアルミナセメント組成物があるが、水
溶性無機フッ化物は医薬外劇物で実用には適さないとい
う課題があった(特開昭61-86454号公報)。
【0006】従来のアルミナセメントで流動性の高いも
のや、アルミナセメントに添加剤を加えて流動性を高め
たものでも、高温施工時には高流動性を得ることはでき
なかった。
【0007】このように、特許や文献にアルミナセメン
ト又はアルミナセメント組成物は多数記載されているも
のの、実際に工業化されているアルミナセメントの組成
は、CaO・Al2O3を主体にするものに限定され、アルミナ
セメントの硬化調整の目的で、また、高耐火性や強度発
現性付与の目的で、12CaO・7Al2O3、α-Al2O3、及び各種
添加剤を含有したものであり、高耐火性を確保する目的
でクリンカー中のCaO含有率を減少させた結果、5重量
%程度以下の若干量のCaO・2Al2O3を含有するものはあっ
ても、本発明のようにCaO・2Al2O3を積極的に使用したア
ルミナセメントはなかった。
【0008】また、これらアルミナセメント又はアルミ
ナセメント組成物は、流動性、強度発現性、硬化性、及
び耐火性が良好であるが、現在、耐火物分野、特に、製
銑設備や製鋼設備を始めとする鉄鋼分野で要求される不
定形耐火物としては、流動性、強度発現性、耐火性、及
び耐食性等が不十分であるという課題があった。
【0009】このため、不定形耐火物を構成する耐火物
骨材の組み合わせで、これらアルミナセメントの課題を
解決すべく検討されたが、十分ではなかった。
【0010】また、鉄鉱分野で製造するメタルや、その
製造時に発生するスラグに対する耐食性をさらに向上さ
せるためには、マグネシア等の塩基性骨材を配合するこ
とが好ましく、混練水により硬化体が消化してクラック
が発生したり、アルミナセメントの硬化促進剤として機
能する、塩基性骨材から溶出するMgイオン等の可溶性成
分のために混練り時の流動性が低下し、施工時の可使時
間が短くなり、ミキサーやホッパー内で硬化する等のト
ラブルが発生しやすいという課題があった。特に、スラ
グライン、取り鍋の敷き部、鋼溶部、及び高炉内等の高
温施工時の補修等のように、高強度発現性、耐食性、及
び耐スポーリング性が要求される箇所に施工する不定形
耐火物には、従来のアルミナセメント又はアルミナセメ
ント組成物では、流動性と強度発現性が不足するという
課題があった。
【0011】また、耐用性向上には、従来のアルミナセ
メントや従来技術では、多少の優劣はあるものの、大幅
な性能向上は期待できなかった。
【0012】本発明者は、これらの課題を解決するた
め、種々検討を重ねた結果、特定の鉱物組成と化学成分
からなる水硬性のクリンカー、α-Al2O3、及び特定の添
加剤を配合したアルミナセメント組成物を使用すること
によって前記課題が解消できる知見を得て本発明を完成
するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、鉱物組
成がCaO・Al2O3とCaO・2Al2O3であり、化学成分がCaO25〜
33重量%で、Al2O375〜67重量%であるクリンカー70〜5
0重量部と、α-Al2O330〜50重量部とからなる混合物100
重量部と、100〜400℃で熱履歴のあるカルボン酸類、ア
ルカリ金属炭酸塩類、ホウ酸類、ポリアクリル酸類又は
ポリメタクリル酸類の少なくとも3種以上の添加剤0.5
〜2.5重量部を配合してなるアルミナセメント組成物と
耐火骨材を含有してなる不定形耐火物である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明で使用するクリンカーは、鉱物組成
としてCaO・Al2O3とCaO・2Al2O3であり、その化学成分
が、CaO25〜33重量%で、Al2O375〜67重量%であり、こ
の鉱物組成と化学成分とを両立させることが重要であ
る。
【0016】本発明のクリンカーは、赤ボーキサイト等
の天然原料をバイヤープロセス等の精製法により得られ
た高純度アルミナや、ボーキサイトなどのAl2O3原料
と、石灰石や生石灰などのCaO原料を、所定の成分割合
になるように配合し、電気炉、反射炉、縦型炉、平炉、
シャフトキルン、及びロータリーキルン等の設備で、溶
融及び/又は焼成して得られるものである。本発明で
は、溶融法に比べて、カルシウムアルミネート鉱物の生
成割合が本発明の範囲で製造しやすい焼成法でクリンカ
ーを製造することが好ましい。
【0017】ここで、CaOをC、Al2O3をAとすると、本発
明の鉱物組成を得るには、CA−CA2の鉱物組成を一時に
合成する方法、CAの鉱物組成とCA2の鉱物組成を所定の
割合に配合する方法などがある。
【0018】本発明における鉱物組成の含有割合は、Cu
−Kα線を用いたX線回折分析によって分析可能であ
り、X線回折法による鉱物組成の定量方法として、回折
線の強度比測定法、内部標準法、Zevine法、及びX線回
折ピーク分離法等があり、本発明においては、いずれの
方法でも定量可能である。
【0019】回折線の強度比測定法とは、各鉱物の回折
強度を相対的に現した値で示す方法であり、内部標準法
とは、内部標準物質と試料を一定の割合で混合し、成分
濃度と回折線強度比との間には直線関係が得られること
を利用して、濃度が既知の標準試料で検量線を作成し分
析する方法である。また、Zevine法とは、試料の平均質
量吸収係数と回折線強度比を測定し、n次の連立方程式
を解くことにより各結晶相を定量する方法であり、平均
質量吸収係数は蛍光X線分析法又は化学分析によって、
試料の成分を定量し、算出することができる。さらに、
X線回折ピーク分離法とは、試料の結晶やガラス相から
測定する方法である。
【0020】本発明においてはいずれの方法を使用して
も、鉱物組成やガラス化率を定量することが可能である
が、測定が簡単で、精度が良いZevine法又は回折線の強
度比測定法の使用が好ましい。例えば、Zevine法による
本発明のクリンカー中の水硬性の鉱物組成比は、CA20〜
90重量部、CA280〜10重量部の範囲であることが好まし
く、CA40〜80重量部、CA260〜20重量部の範囲のものが
より好ましい。クリンカーの鉱物組成比がこの範囲外で
は、流動性、強度発現性、耐食性、及び耐スポーリング
性が悪化する場合がある。また、例えば、回折線強度比
にて測定した本発明のアルミナセメント組成物の鉱物組
成比は、CAの回折線に対するCA2の回折強度比CA2/CAが
0.1〜10.0になるように製造したものが好ましく、不定
形耐火物に配合した際の流動性、可使時間、硬化性、及
び強度発現性のバランスの面で、0.5〜5.0がより好まし
い。0.1未満では、高強度発現性、耐摩耗性、及び耐ス
ポーリング性等が悪くなり、10を越えると流動性や硬化
性が悪化する場合がある。ここでいう鉱物組成比とは、
CAのdが4.67Å、CA2のdが4.45Åの回折線の強度比で
ある。
【0021】本発明で使用するクリンカーの化学成分比
は、CaO25〜33重量%、Al2O375〜67重量%であり、CaO2
7〜32重量%、Al2O373〜68重量%が好ましい。クリンカ
ーの化学成分がこの範囲外では、流動性、強度発現性、
耐食性、及び耐スポーリング性が不良となる場合があ
る。
【0022】本発明のアルミナセメント組成物には、目
的とする鉱物組成のCAやCA2、α-Al 2O3の他に、2CaO・Al
2O3・SiO2、CaO・TiO2、及び4CaO・Al2O3・Fe2O3等の不純物
を含有しているものも使用可能である。アルミナセメン
ト組成物中の不純物は少ない方が好ましく、SiO2が0.5
重量%以下、TiO2が0.5重量%以下、及びFe2O3が0.5重
量%以下であることが好ましく、特に、SiO2、TiO2、Fe
2O3、Na2O、K2O、及びMgO等の化学成分は、各成分とも
0.1重量%以下でより少ないものが好ましい。これら不
純物が多いと不定形耐火物に使用した際、該アルミナセ
メント組成物を使用した硬化体の高温での体積変化が大
きくなり、また、スラグ等への耐食性が低下するため好
ましくない。
【0023】また、アルミナセメント組成物の特性を損
なわない範囲で、未反応のCaOやAl2O3を少量含有するこ
とも可能である。未反応のCaOは2重量%以下が、ま
た、未反応のAl2O3は10重量%以下が好ましく、CaOが1.
0重量%以下、Al2O3が5.0重量%以下がより好ましい。
未反応原料がクリンカー中に存在すると、混練り時にCa
イオンが溶出したり、フィラーとして存在することで、
流動性が悪化したり、可使時間が短縮したりして、硬化
が早くなったり、そのアルミナセメントを使用した不定
形耐火物の強度発現性の低下や高温下での体積安定性が
悪くなる場合がある。
【0024】焼成法でクリンカーを製造する場合、Al2O
3原料とCaO原料を所定の割合で混合及び/又は混合粉砕
し、ロータリーキルンにて1,000℃以上の高温で焼成す
るのが好ましく、1,450℃以上で焼成することがより好
ましい。また、溶融法でクリンカーを製造する場合、Al
2O3/CaOモル比が2〜6の範囲であり、溶融後、得られ
る鉱物組成がCA−CA2組成であることが重要であって、
溶融法ではCAとCA2の鉱物組成の成分比が熱力学的に決
定されるため、CaOが21.5〜35.4重量%、Al2O3が78.5〜
64.6重量%になるように原料配合することが好ましく、
CaOが25.0〜33.0重量%で、Al2O3が75.0〜67.0重量%の
成分比になるように原料配合することがより好ましい。
【0025】配合した原料を、電気炉や平炉などの溶融
装置によって、1,500℃以上、より好ましくは1,700℃以
上の高温で溶融後、高圧空気や水に接触させて冷却した
クリンカーとするのが好ましい。
【0026】本発明においては、目的の鉱物組成になる
ように、CAとCA2からなる組成を一度に合成したり、あ
るいは、CAやCA2を所定の配合比で混合したり、組成比
の異なるCAとCA2からなるクリンカーを目的の鉱物組成
比になるように組み合わせることも可能である。
【0027】これらのクリンカーの粉砕・混合は、クリ
ンカー同士を混合後、粉砕しても良く、あるいは、各々
粉砕したものを混合しても良く、特に目的の鉱物組成比
にする手段は制限されるものではない。クリンカーの粉
砕機としては、通常、粉塊物の微粉砕に使用される粉砕
機が使用できる。例えば、ローラーミル、ジェットミ
ル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミル等が使用
可能である。
【0028】本発明におけるクリンカーのガラス化率
は、特に限定されるものではないが、一般にガラス化率
が高いと水硬性が強くなり、該クリンカーを用いた硬化
体は高強度発現性が得られる。このガラス化率は、溶融
及び/又は焼成した高温のクリンカーの冷却方法により
調整可能である。ガラス化率の程度は、粉末X線回折法
による鉱物組成の分析にて、回折線の強度が弱いもの
程、ガラス化率が大きいことを示す。
【0029】クリンカーの粒度は、流動性、硬化性、及
び強度発現性に影響し、ブレーン法による比表面積で、
3,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ま
しく、4,500〜8,000cm2/gが最も好ましい。3,000cm2/g
未満では強度発現性や流動性が低下したり、適切な硬化
性が得られない場合がある。また、クリンカーの平均粒
子径としては、10μ以下に微粉砕したものが流動性と高
温での可使時間に優れるため好ましく、1〜7μがより
好ましい。1μ未満では強度発現性や流動性が低下する
場合があり、7μを越えると流動性が低下したり、硬化
遅延する場合がある。
【0030】ここでいう平均粒子径とは、レーザー回折
法やレーザー散乱法、あるいは沈降天秤法等の一般的に
使用されている粒度分布測定機による測定結果の値であ
って、50%平均径である。
【0031】本発明で使用するα-Al2O3とは、アルミナ
セメント組成物を用いた不定形耐火物の、高耐火性、高
温強度発現性、及び体積安定性付与の面で有効であっ
て、その種類によって、アルミナセメント組成物の高流
動性、高強度発現性、早硬性、及び高耐火性などの特性
が大きく変わり、組み合わせるクリンカーとの相互作用
によって、初めて従来品に無い特性が発揮するもので、
バイヤープロセス等によって高純度化処理された水酸化
アルミニウムをロータリーキルン等で焼成して得られる
精製アルミナであって、Al2O3を90重量%以上含有する
高純度アルミナである。一般には、高純度アルミナ、バ
イヤーアルミナ、易焼結アルミナ、又は軽焼アルミナと
呼ばれるものである。
【0032】α-Al2O3は、粉砕前の一次粒子径が平均粒
子径(Dp50)で、40〜100μ程度のものが好ましく、焼成
度は、BET法による比表面積であるBET比表面積0.
5〜100m2/gの範囲のものが好ましい。ここで、焼成度と
は、アルミナセメントの焼成度合いを表すものであり、
その程度は焼成物のBET比表面積で決められる。焼成
度が高くなると、α化率が高くなり、BET比表面積が
小さくなり、焼成度が低くなるとα化率が低くなり、B
ET比表面積が大きくなる。通常、この一次粒子径は、
バイヤープロセスにおける水酸化アルミニウムの析出速
度を遅くすると大径になり、逆に早くすると小径にな
る。
【0033】本発明では、α-Al2O3の一次粒子径が30〜
60μで、アルミナの焼成度が、BET比表面積で2〜10
m2/gであることが好ましく、40〜50μで、6〜8m2/gが
より好ましい。α-Al2O3の焼成度は、比表面積が大きい
ものほど軽焼タイプであり、それを用いたアルミナセメ
ント組成物は、高温下で焼結性に優れるが収縮が大きく
なる。また、比表面積が大きいとそのアルミナセメント
組成物の流動性が低下し、逆に小さいと流動性が向上す
る。さらに、比表面積が大きいとその不定形耐火物の高
温での焼結性は向上するものの、過焼結により、耐スポ
ーリング性が低下し、収縮も大きくなる場合があり、比
表面積が小さいと逆になる。このため、本発明に配合す
るアルミナの選択は、アルミナセメント組成物の特性を
大きく左右するため、慎重に行うべきであり、不定形耐
火物に配合した際の要求品質に応じて、適宜決定すべき
ものであるが、流動性、硬化性、強度発現性、収縮率、
及び耐スポーリング性の面から、一次粒子径が30〜60μ
であり、焼成度がBET比表面積で2〜10m2/gのアルミ
ナの使用が好ましい。
【0034】また、α-Al2O3の純度は、高ければ高いほ
ど好ましく、通常のバイヤープロセスによって製造され
たアルミナであれば、Al2O398重量%以上の純度の確保
が可能である。本発明では、Al2O3純度の他に不純物と
してのNa2O量が問題であって、Na2Oが多いとそのアルミ
ナセメント組成物の流動性や耐火性が低下したり、高温
で収縮したりする場合があるため、Na2O量は少ない方
が、例えば、0.5重量%以下が好ましく、0.35重量%以
下の低ナトリウムのα-Al2O3がより好ましい。
【0035】本発明においては、このα-Al2O3とクリン
カーとを配合し、粉砕機で混合粉砕するか、α-Al2O3
単独でアルミナセメント相当の粒度まで粉砕後、クリン
カー粉砕物と混合することも可能である。α-Al2O3を単
独で粉砕する場合は、Dp501〜10μ程度まで粉砕するこ
とが好ましい。本発明では、α-Al2O3をクリンカーと混
合粉砕した方がセメント粒子との馴染みが良く、アルミ
ナセメント組成物中で均一に混合することができ、それ
を用いた不定形耐火物の硬化体組織が均一になり、耐食
性が向上する。
【0036】α-Al2O3の配合割合は、クリンカーとα-A
l2O3からなるアルミナセメント100重量部に対し、30〜5
0重量部であり、35〜45重量部が好ましい。α-Al2O3
割合を増加させると耐火性や高温での焼結強度は増加す
るが、養生強度や乾燥強度が低下し、流動性も低下する
場合がある。特に好ましくは、配合するクリンカーの成
分組成との兼ね合いがあるが、α-Al2O3を配合した段階
での成分比がCaO10〜25重量%、Al2O390〜75重量%の割
合になるように調合することが好ましく、CaO15〜20重
量%、Al2O385〜80重量%が、流動性が良好で、高強度
が得られることからより好ましい。特に、マグネシア質
骨材配合の不定形耐火物では、アルミナセメント組成物
中のα-Al2O3が多いと、高温下でα-Al2O3とマグネシア
が反応し、マグネシアスピネルを生成する過程におい
て、体積膨張をする場合を示すため、アルミナセメント
中のα-Al2O3が90重量%を越えるように多量にα-Al2O3
を配合することは、目的とする不定形耐火物の配合骨材
の種類と添加量によっては好ましくない。なお、アルミ
ナセメント組成物を使用する不定形耐火物の目的特性に
よって、この成分範囲に限られるものではなく、流動的
に配合割合を変えることも可能である。
【0037】本発明では、アルカリ金属炭酸塩類、カル
ボン酸類、ホウ酸類、ポリアクリル酸類のうち少なくと
も3種以上を添加剤として使用する。
【0038】本発明で使用するアルカリ金属炭酸塩類と
しては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、及び炭酸水素カリウム等の炭酸アルカリ金属塩
類の使用が好ましく、その含水塩や無水塩のいずれの使
用も可能である。これらのうち、炭酸ナトリウムの使用
が好ましく、JIS K 1201、JIS K 8625で規定される炭酸
ナトリウムを使用することが可能である。アルカリ金属
炭酸塩類の粒度は、アルミナセメントと混和した際、水
に溶解しやすいように、細かいもの程好ましく、100メ
ッシュ以下、特に、200メッシュ以下がより好ましい。
アルカリ金属炭酸塩類の純度は、特に限定されるもので
はなく、現在、工業的に精製されているアルカリ金属炭
酸塩の使用が可能であって、純度が80重量%程度以上の
ものの使用が好ましい。
【0039】本発明で使用するカルボン酸類とは、オキ
シカルボン酸又はそのアルカリ塩である。オキシカルボ
ン酸としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、コハク
酸、乳酸、リンゴ酸、及びサリチル酸等が挙げられ、そ
のアルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及
びカルシウム塩等が挙げられる。これらのうち、クエン
酸又はそのアルカリ塩、中でもクエン酸ナトリウムやク
エン酸カリウムの使用が好ましい。カルボン酸類の粒度
は、アルミナセメントとの混和時、水に溶解しやすいよ
うに細かい程好ましく、100メッシュ以下、特に、200メ
ッシュ以下が好ましい。カルボン酸類の純度は、特に限
定されるものではないが、現在、工業的に精製されてい
るカルボン酸類の使用が可能であって、80重量%程度以
上が好ましい。中でも、不純物として硫酸塩が0.05重量
%以下のクエン酸又はその塩や、20℃における1重量%
濃度の水溶液のpHが7〜10の範囲のクエン酸又はその
塩を使用することは、可使時間に優れるため好ましい。
【0040】本発明で使用するホウ酸類とは、ホウ酸又
はそのアルカリ塩である。ここで、ホウ酸とは、別名ボ
ール酸、正ホウ酸、又はオルソホウ酸と呼ばれるもの
で、H3BO4と表され、ピロホウ酸、テトラホウ酸、及び
メタホウ酸を含有するものである。ホウ酸の製造方法
は、特に限定されるものではなく、通常、ホウ酸の原鉱
石に硫酸を加えて加熱分解し、ホウ酸を遊離させて分離
抽出後精製して得られる。ホウ酸のアルカリ塩として
は、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が
挙げられ、そのうち、ナトリウム塩又はカリウム塩の使
用が好ましく、その含水化合物や無水化合物のいずれの
使用も可能である。ホウ酸類の粒度は、アルミナセメン
トに混和した際、水に溶解しやすい様に小さいほど好ま
しい。また、ホウ酸類の純度は、特に限定されるもので
はないが、現在、工業的に精製されているホウ酸の使用
が可能であって、ホウ酸中のBO4分が80重量%以上のも
のの使用が好ましい。
【0041】本発明で使用するポリアクリル酸類は、ポ
リアクリル酸やポリメタクリル酸又はその塩類で、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、及び
ポリアクリル酸アンモニウム等、又は、ポリメタクリル
酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、及びポリメ
タクリル酸アンモニウム等が挙げらるが、これらの中
で、性能、価格、入手し易さ、及び取扱い易さ等からポ
リアクリル酸ナトリウム又はポリメタクリル酸ナトリウ
ムの使用が最も好ましい。
【0042】添加剤の使用量は、クリンカーとα-Al2O3
の混合物であるアルミナセメント100重量部に対して、
0.5〜2.5重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより好ま
しい。0.5重量部未満では作業性が低下する場合があ
り、2.5重量部を越えると硬化が遅延したり強度が低下
する場合がある。特に、アルカリ金属炭酸塩類、カルボ
ン酸類、及びホウ酸類を添加剤として用いる場合は、ア
ルカリ金属炭酸塩類100重量部に対して、カルボン酸類2
40〜290重量部とホウ酸類10〜60重量部の配合割合が好
ましく、アルカリ金属炭酸塩類、カルボン酸類、及びポ
リアクリル酸類を添加剤として用いる場合は、アルカリ
金属炭酸塩類100重量部に対して、カルボン酸類10〜50
重量部とポリアクリル酸類100〜150重量部の配合割合が
好ましく、アルカリ金属炭酸塩類、ホウ酸類、及びポリ
アクリル酸類を添加剤として用いる場合は、アルカリ金
属炭酸塩類100重量部に対して、ホウ酸類10〜60重量部
とポリアクリル酸類100〜150重量部の配合割合が好まし
く、カルボン酸類、ホウ酸類、及びポリアクリル酸類を
添加剤として用いる場合は、カルボン酸類100重量部に
対して、ホウ酸類10〜60重量部とポリアクリル酸類100
〜150重量部の配合割合が好ましく、アルカリ金属炭酸
塩類、カルボン酸類、ホウ酸類、及びポリアクリル酸類
を添加剤として用いる場合は、アルカリ金属炭酸塩類10
0重量部に対して、カルボン酸類5〜55重量部とホウ酸
類25〜75重量部とポリアクリル酸類125〜175重量部の配
合割合が好ましい。
【0043】本発明における添加剤の配合方法は、特に
規定されるものではなく、各添加剤を所定の割合になる
ように配合し、あらかじめ粉砕したクリンカーとα-Al2
O3と、V型ブレンダ コーンブレンダー、ナウタミキサ
ー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を
用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合でクリン
カーとα-Al2O3に配合後、振動ミル、チューブミル、ボ
ールミル、及びローラーミル等の粉砕機で混合粉砕する
ことが可能である。
【0044】本発明では、添加剤を100〜400℃の温度で
加熱したものをクリンカーとα-Al2O3の混合物と混合す
るか、クリンカー、α-Al2O3、及び添加剤を一緒に混合
したものを加熱して使用する。添加剤の加熱温度は100
〜400℃であり、150〜350℃が好ましい。この範囲外で
は流動性が悪くなり、適切な硬化時間が取れず、強度発
現性が低下する場合がある。
【0045】加熱方法としては、粉砕と同時に加熱する
方法、輸送時の熱風加熱、輸送機の加熱、及び貯蔵時の
加熱等が可能である。
【0046】本発明のアルミナセメント組成物は、IC
P、ICPA、GC−MS、C13−NMR、HPLC、
及びFT−IR等の機器分析、キレート分析、並びに、
放射化分析法等で種類と量比を特定化することが可能で
ある。
【0047】本発明で使用する耐火骨材とは、通常、不
定形耐火物に使用されている耐火骨材が使用可能であっ
て、具体的には、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天
然マグネシア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶
融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどの
マグネシアスピネル、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽
焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、シリカ
ヒューム、コロイダルシリカ、軽焼アルミナ、及び易焼
結アルミナ等の超微粉、その他、溶融シリカ、焼成ムラ
イト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シ
リマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジル
コン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキ
ュライト、煉瓦葛、陶器葛、窒化珪素、窒化ホウ素、炭
化珪素、並びに、窒化珪素鉄等の使用が可能であり、こ
れらのうち、耐食性、耐用性、及び耐火性の面から、マ
グネシア、マグネシアスピネル、アルミナ、及び超微粉
の中から選ばれた一種又は二種以上の耐火骨材を使用す
ることが好ましい。
【0048】また、スラグ浸透抑制の面から、マグネシ
アとアルミナの組み合わせ、又は、マグネシアスピネル
とアルミナの組み合わせが好ましい。ここで、マグネシ
アとは、海水法により海水から抽出されたMg(OH)2、炭
酸マグネシア、天然MgOであるマグネサイト、又は天然
炭酸マグシアをロータリーキルン等で焼成して得られる
焼結マグネシアクリンカー、及び/又はその焼結マグネ
シアクリンカーを電気炉等で溶融して得られる電融マグ
ネシアクリンカーを、所定のサイズに粉砕し、篩い分け
したものであって、MgOの純度が80重量%以上のもの
が、耐食性に優れる面で好ましく、SiO2やTiO2等の不純
物が少ないものが好ましく、MgOの純度が95重量%以上
であり、CaOの含有率が2重量%以下、SiO2の含有率が
0.5重量%以下、B2O3の含有率が0.5重量%以下のマグネ
シアが、耐食性に優れる面から好ましい。
【0049】この他、スピネルコーティングしたマグネ
シア、粒界にチタン酸マグネシウムを含有させたマグネ
シア、マグネシア粒子表面にカルシウムアルミネートを
生成させたマグネシア、及び塩基性煉瓦に使用される、
特開平4-357110号公報に記載のような、高純度、高嵩密
度、及び粗大結晶粒の特殊なマグネシアクリンカー、並
びに、耐熱スポーリング性を向上させたマグネシア・ジ
ルコニアクリンカー等の特殊なマグネシアも使用可能で
ある。
【0050】また、マグネシアスピネルとは、水酸化マ
グネシウムや仮焼マグネシア等のMgO源と、水酸化アル
ミニウムや仮焼アルミナ等のAl2O3源を、所定の割合に
なる様に調合し、ロータリーキルン等の焼成装置を用い
て、約1,800〜1,900℃の温度で反応・焼結させてスピネ
ルクリンカーとしたもの、電気炉などの溶融装置にて溶
融した溶融マグネシアスピネルを、所定のサイズに粉砕
し、篩い分けしたもの、並びに、これらの焼成したもの
と溶融したものを混合したもの等である。マグネシアク
リンカーにおけるMgO/Al2O3の重量比は、0.1〜1が好
ましく、0.2〜0.4が不定形耐火物に配合した際、耐用性
に優れる面からより好ましい。
【0051】さらに、アルミナとは、水酸化アルミニウ
ムや仮焼アルミナなどのAl2O3源を、ロータリンキルン
等の焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結及び
/又は溶融したものを、所定のサイズに粉砕し、篩い分
けしたものであって、鉱物組成としては、α-Al2O3やβ
-Al2O3などと示される酸化アルミニウムであり、焼結ア
ルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれ
るものであって、通常、Al2O3を90重量%以上含有する
α-Al2O3の使用が最も好ましい。また、アルミナとジル
コニアクリンカーを溶融して得られる、耐熱スポーリン
グ性が向上したアルミナ・ジルコニアクリンカー等の使
用も可能である。
【0052】耐火骨材の粒度は、通常、5〜3mm、3〜
1mm、1〜0mm、200メッシュ下、及び325メッシュ下等
のサイズのものを、要求物性に応じて配合する。耐火骨
材の粒度調整は、不定形耐火物の目的物性によって決定
されるものであり特に限定されるものではないが、不定
形耐火物100重量部中、アルミナセメント組成物が2〜1
5重量部、粒径1mm以下の焼結マグネシアが5〜20重量
部、残部が粒径1〜10mmの電融アルミナ及び/又は焼結
アルミナ、並びに、アルミナセメント組成物が2〜15重
量部、粒径1mm以下のマグネシアスピネルが5 〜20重量
部、残部が粒径1〜10mmの電融アルミナ及び又は焼結ア
ルミナを使用したものが、流動性がよく、強度発現性が
高く、スラグによる侵食が少ないので好ましい。耐火骨
材として、さらに粒径が微小の粉体である超微粉を使用
することが可能である。
【0053】ここで、超微粉とは、粒径10μ以下の粒子
が80重量%以上占める耐火性微粉末であって、平均粒子
径が1μ以下で、BET比表面積が10m2/g以上のもの
が、不定形耐火物の流動性が確保でき、高強度発現性を
有するため好ましい。具体的には、シリカヒューム、コ
ロイダルシリカ、易焼結アルミナ、非晶質シリカ、ジル
コン、炭化珪素、窒化珪素、酸化クロム、及び酸化チタ
ン等の無機微粉が使用可能であり、このうち、シリカヒ
ューム、コロイダルシリカ、及び易焼結アルミナが好ま
しい。
【0054】耐火骨材の使用量は、施工場所によって適
宜決定すべきものであり、特に限定されるものではない
が、アルミナセメント組成物と耐火骨材からなる不定形
耐火物100重量部中、耐火骨材99.5〜50重量部が好まし
く、耐食性と強度発現性の面から98〜85重量部が好まし
い。
【0055】本発明の不定形耐火物の製造方法は、特に
規定されるものでは無いが、通常の不定形耐火物の製造
方法に準じ、各構成原料を所定の割合になるように配合
し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウターミキ
サー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機
を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練
り施工する際、混練り機に直接秤込むことも可能であ
る。
【0056】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。
【0057】実施例1 Al2O3原料とCaO原料を用いて、生成物中の鉱物組成が所
定の割合になるように各原料を配合し、キルンによる焼
成法によって1,500℃で表1に示すクリンカーを製造し
た。製造したクリンカーとα-Al2O3とを、アルミナセメ
ント中のCaO量が約18重量%になるように配合して、こ
のアルミナセメント100重量部に対して、添加剤a100重
量部、添加剤b260重量部、及び添加剤c30重量部から
なる添加剤1.5重量部を配合して振動ボールミルを用い
て粉砕すると同時に200℃で加熱してアルミナセメント
組成物を得た。このアルミナセメント組成物20重量部と
耐火骨材α80重量部とを配合し、水/不定形耐火物比8.
7%で混練して、不定形耐火物を作製した。この不定形
耐火物の30℃のフロー値Iと発熱時間I、並びに、60℃
のフロー値IIと発熱時間IIを測定した。結果を表1に併
記する。
【0058】<使用材料> Al2O3原料 :高純度アルミナ、石津製薬社製試薬 CaO原料 :高純度炭酸カルシウム、石津製薬社製試薬 添加剤a :炭酸ナトリウム、石津製薬社製試薬 添加剤b :クエン酸ナトリウム、石津製薬社製試薬 添加剤c :ホウ砂、石津製薬社製試薬 耐火骨材α:焼結アルミナ、昭和電工社製、粒度3〜1
mm28重量部、1〜0.5mm17重量部、0.5〜0.3mm15重量
部、0.3mm下14重量部、45μ下6重量部の混合品 クリンカーJ:試作品、CA−C12A7系クリンカー
【0059】<測定方法> 化学成分 :CaOとAl2O3はJIS R 2522に準じて分析 鉱物組成 :リガク社製X線回折分析装置「RADII
B」による回折強度比d値、CA=4.67Å、CA2=4.45Å、C
12A7=4.89Åの回折線の強度 フロー値 :JIS R 2521に準じて、フローテーブル中央
の所定の位置にフローコーンを置きその中に不定形耐火
物を詰めて表面を平滑にし、フローコーンを上方に取り
去り、不定形耐火物の広がりの、最長と認められる径
と、これに直角の径との2方向の直径を測定し、その平
均をmm単位で表しフロー値とする。 発熱時間 :不定形耐火物を入れたポリビーカーを断熱
容器に入れ、測温抵抗体を差し込み、記録計により発熱
時間を測定し、混練を開始してから発熱曲線が発熱ピー
ク時間になるまでの時間を測定し発熱時間とした。
【0060】
【表1】
【0061】実施例2 クリンカーE60重量部とα-Al2O340重量部とを混合した
アルミナセメント100重量部に対して、添加剤a100重量
部と表2に示すような添加剤とを配合して表2に示す量
の添加剤を配合したこと以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表2に併記する。
【0062】<使用材料> 添加材d :ポリアクリル酸ナトリウム、日本純薬社製
【0063】
【表2】
【0064】実施例3 アルミナセメント100重量部に対して、添加剤a100重量
部、添加剤b260重量部、及び添加剤c30重量部からな
る添加剤1.5重量部を配合し加熱温度を表3に示すよう
にしたこと以外は実施例2と同様に行った。結果を表3
に併記する。
【0065】
【表3】
【0066】実施例4 クリンカーEを用いて、アルミナセメント中のα-Al2O3
を表4に示すように配合したこと以外は実施例1と同様
に行った。結果を表4に併記する。
【0067】
【表4】
【0068】実施例5 クリンカーEを用いて、不定形耐火物100重量部中の耐
火骨材の量を表5に示すようにしたこと以外は実施例1
と同様に行った。結果を表5に併記する。また、このア
ルミナセメント組成物8重量部と耐火骨材β92重量部を
配合し、水/不定形耐火物比6%で混練した場合、さら
に、このアルミナセメント組成物10重量部と耐火骨材γ
90重量部を配合し、水/不定形耐火物比比6.5%で混練
し場合も同様に行った。結果を表5に併記する。
【0069】<使用材料> 耐火骨材β:粒度10〜5mm23重量部、5〜3mm14重量
部、3〜1mm20重量部、及び1〜0mm12重量部混合の住
友化学社製スピネルと、220メッシュ下18重量部と325メ
ッシュ下5重量部混合の昭和電工社製焼結アルミナの混
合品 耐火骨材γ:粒度5〜3mm20重量部、3〜1mm15重量
部、及び1〜0mm45重量部混合の昭和電工社製焼結アル
ミナと、粒度1mm以下の宇部化学社製焼結マグネシア10
重量部、並びに、粒度1mm以下のエルケム社製シリカヒ
ューム1.0重量部の混合品
【0070】
【表5】
【0071】実施例6 アルミナセメント100重量部に対して、添加剤a100重量
部と表6に示す添加剤とからなる添加剤1.5重量部を配
合したこと以外は実施例2と同様に行った。結果を表6
に併記する。
【0072】<使用材料> 添加剤e :ホウ酸、石津製薬社製試薬 添加剤f :ホウ酸カリウム、石津製薬社製試薬 添加剤g :ポリアクリル酸、日本純薬社製 添加剤h :ポリメタクリル酸、日本純薬社製 添加剤i :ポリメタクリル酸ナトリウム、日本純薬社
【0073】
【表6】
【0074】実施例7 アルミナセメント100重量部に対して、添加剤a100重量
部、添加剤c30重量部、及び表7に示す添加剤からなる
添加剤1.5重量部を用いたこと以外は実施例2と同様に
行った。結果を表7に併記する。
【0075】<使用材料> 添加剤j :クエン酸、石津製薬社製試薬 添加剤k :酒石酸、石津製薬社製試薬 添加剤l :酒石酸ナトリウム、石津製薬社製試薬 添加剤m :グルコン酸、石津製薬社製試薬 添加剤n :グルコン酸ナトリウム、石津製薬社製試薬
【0076】
【表7】
【0077】実施例8 実施例1で作製した不定形耐火物を用いて、4×4×16
cmの供試体を成形し、60℃で養生し、養生強度、乾燥強
度、及び焼成強度を測定した。結果を表8に示す。
【0078】<測定方法> 養生強度 :JIS R 2553に準じて、不定形耐火物を4×
4×16cmの型枠に打設し、表面をセメントナイフで平に
整えた後、24時間養生後の強度を測定 乾燥強度 :24時間養生後の供試体を110℃で24時間乾
燥後、室温まで放冷し、強度を測定 焼成強度 :乾燥後の共試体をシリコニット電気炉で、
800、1,000、1,200、及び1,400℃の各温度まで昇温後、
2時間保持し、室温まで放冷し、強度を測定
【0079】
【表8】
【0080】実施例9 実施例2で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表9に示す。
【0081】
【表9】
【0082】実施例10 実施例3で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表10に示す。
【0083】
【表10】
【0084】実施例11 実施例4で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表11に示す。
【0085】
【表11】
【0086】実施例12 実施例5で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表12に示す。
【0087】
【表12】
【0088】実施例13 実施例6で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表13に示す。
【0089】
【表13】
【0090】実施例14 実施例7で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例8と同様に行った。結果を表14に示す。
【0091】
【表14】
【0092】実施例15 実施例1で作製した不定形耐火物を用いて4×4×16cm
の供試体を成形し、スラグに対する耐食性と、加熱−冷
却の操作を繰り返した熱衝撃性の測定を行った。結果を
表15に併記する。
【0093】<測定方法> 耐食性 :成形した供試体を、60℃で24時間養生し、
JIS R 2214に準じてφ2×2cmの孔を開け、その中にス
ラグを入れ、シリコニット炉で1,500℃、2時間保持
し、その後自然冷却した。冷却後、孔の中心から二分
し、侵食され、溶解した部分の面積を測定 熱衝撃性 :成形した供試体を、耐火物技術協会規格 J
RS 2118 に準じて、シリコニット炉で1,500℃、3時間
保持し、自然冷却する。この加熱−冷却の操作を繰り返
し、クラックの生じる回数を測定
【表15】
【0094】実施例16 実施例2で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例15と同様に行った。結果を表16に併記する。
【0095】
【表16】
【0096】実施例17 実施例3で作製した不定形耐火物を用いたこと以外は実
施例15と同様に行った。結果を表17に併記する。
【0097】
【表17】
【0098】
【発明の効果】本発明のアルミナセメント組成物を用い
ると、特に、高温施工時に、高流動性、高強度発現性、
耐食性、耐摩耗性、及び耐スポーリング性等が良好な不
定形耐火物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24/26 C04B 24/26 E (56)参考文献 特開 平7−61843(JP,A) 特開 平7−232941(JP,A) 特開 平7−232956(JP,A) 特開 平4−317449(JP,A) 特開 昭49−32921(JP,A) 特開 昭55−121933(JP,A) 特開 昭55−75948(JP,A) 特開 平4−65347(JP,A) 特開 昭48−80120(JP,A) 特開 平8−40757(JP,A) 特開 平7−81995(JP,A) 特開 平7−61844(JP,A) 特開 昭50−102617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/06 C04B 7/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱物組成がCaO・Al2O3とCaO・2Al2O3であ
    り、化学成分がCaO25〜33重量%で、Al2O375〜67重量%
    であるクリンカー70〜50重量部と、α-Al2O330〜50重量
    部とからなるアルミナセメント100重量部と、100〜400
    ℃で熱処理したアルカリ金属炭酸塩類、カルボン酸類、
    ホウ酸類、及びポリアクリル酸類からなる群より選ばれ
    た3種以上の添加剤0.5〜2.5重量部を配合してなるアル
    ミナセメント組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミナセメント組成物
    と耐火骨材を含有してなる不定形耐火物。
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