JPH11217255A - アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物

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JPH11217255A
JPH11217255A JP10022003A JP2200398A JPH11217255A JP H11217255 A JPH11217255 A JP H11217255A JP 10022003 A JP10022003 A JP 10022003A JP 2200398 A JP2200398 A JP 2200398A JP H11217255 A JPH11217255 A JP H11217255A
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alumina cement
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祐司 古賀
Hirotomo Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来品に無い高強度、高流動性、及び高耐食
性を有し、不定形耐火物中の CaO量を低減でき、耐食性
を向上するアルミナセメント組成物や不定形耐火物耐火
物を提供すること。 【解決手段】 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組成
をもつ水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分が
CaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%であるアルミナ
セメントと、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、
アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタ
コン酸類からなる群より選ばれた一種以上である添加剤
及び/又は炭酸塩を含有してなるアルミナセメント組成
物、該アルミナセメント組成物と耐火骨材とを含有して
なる不定形耐火物を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナセメント
組成物及びそれを用いた不定形耐火物、特に、従来品に
無い高強度発現性、高流動性、及び高耐食性を有するア
ルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物に
関する。本発明のアルミナセメント組成物及びそれを用
いた不定形耐火物は、アルミナセメントが使用されてい
る耐火物分野、化学プラントのライニング、及び耐食材
料等への利用が可能である。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、アルミナセメント又は
アルミナセメント組成物として、特定割合の CaO・Al2O
3 (CA)、 12CaO・7Al2O3 (C12A7)、及び非晶質からな
り、α−アルミナ、ヒドロオキシカルボン酸、及び無機
炭酸塩を含有してなるアルミナセメント組成物、水溶性
のポリアクリル酸類及び/又はメタクリル酸−アクリル
酸共重合体と、アルカリ金属炭酸塩とを含有してなるア
ルミナセメント、特定の CaO/Al2O3比を持つ無定形カル
シウムアルミネート(非晶質カルシウムアルミネート)
を含有するアルミナセメントや、CA、 CaO・2Al2O3 (CA
2)、3CaO・Al2O3 (C3A) 、C12A 7 、及び 11CaO・7Al2O3
・CaF2等の一種又は二種以上の鉱物組成に対応する非晶
質カルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメ
ント、少なくとも80重量%以上のカルシウムアルミネー
ト相のクリンカーと特定の比表面積をもつアルミナを含
有してなるアルミナセメント、アルミナセメントクリン
カーにアルミナ質微粉を含有してなるアルミナセメン
ト、並びに、CA2 を主体にし、C12A7 、微粉アルミナ、
及びスルホン酸系アニオン界面活性剤を配合してなるア
ルミナセメント等が提案されている(特開昭49− 32921
号公報、特開昭50−102617号公報、及び特開昭55−1219
33号公報等、特開昭55− 75947号公報や特開昭55− 759
48号公報など、特開昭61−132556号公報、特開昭61− 7
7659号公報、及び特開平 2−175638号公報等、特開昭52
−111920号公報や特公昭47− 40694号公報など、並び
に、特開昭55−121934号公報や特開昭55−144456号公報
など)。
【0003】また、アルミナセメントの鉱物組成と添加
剤の種類についての基本特性を述べた文献として、「HI
GH ALUMINA CEMENT AND CONCRETES.(T.D ROBSON 1962
年発行)」がある。
【0004】これらの特許や文献に記載されているアル
ミナセメント又はアルミナセメント組成物は、高強度発
現性、高耐火性、及び高流動性等の特性改善を目的とし
たものであるが、いずれも一長一短があり、従来の市販
品の範疇を逸脱するものではなかった。特に、アルミナ
セメント中の Al2O3含有量を高め、耐食性と耐火性を向
上させようとすると、養生強度や乾燥強度が著しく低下
するという課題があり、アルミナセメント中の CaOと A
l2O3の含有割合は必然的に制限されるものであった。ま
た、多くのアルミナセメントの鉱物組成は、カルシウム
アルミネートの種類とその配合割合の多少にかかわら
ず、流動性を確保するため、また、強度発現性付与や適
度の硬化性確保の面で、CAを主体とするものに限定され
ていた。
【0005】一方、カルシウムアルミネートの硬化速度
の調整に、C12A7 のような早硬性カルシウムアルミネー
トを配合することが提案されている(特開昭54−139637
号公報)。しかしながら、C12A7 は急硬性を示す特徴が
あり、添加剤等で硬化調整を行っても、CAを主体とする
アルミナセメントには、強度発現性の面で劣るという課
題があった。このように、文献には多数のアルミナセメ
ントに関する技術が記載されているものの、実際に工業
化されているアルミナセメントの鉱物組成は、CAを主体
とするものに限定され、硬化調整の目的で、また、高耐
火性や強度発現性付与の目的で、C12A7 やα−アルミナ
などの各種添加剤を含有するものである。
【0006】また、従来のアルミナセメント又はアルミ
ナセメント組成物はそれぞれに流動性、強度発現性、硬
化性、及び耐火性等に特色があるが、現在、耐火物分
野、特に製銑設備や製鋼設備で要求される不定形耐火物
の要求レベルには、流動性、強度発現性、耐火性、及び
耐食性等の特性が不十分であるという課題があった。特
に、スラグラインや取り鍋の敷き部、鋼浴部や高炉内の
補修等のように高強度発現性、耐食性、耐摩耗性、及び
耐スポール性等を要求される箇所に施工する不定形耐火
物には、従来のアルミナセメントでは流動性と強度発現
性が不足し、一定量以上のアルミナセメントの添加が必
須で、不定形耐火物中の CaO量を減少できるものではな
かった。しかしながら、耐久性向上には不定形耐火物中
の CaO量の減少化が不可欠であり、このため、従来のア
ルミナセメントや公知技術では多少の優劣はあるもの
の、大幅な性能向上は期待できるものではなかった。
【0007】本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果、特定の鉱物組成と化学成分からなる水
硬性物質と、特定の添加剤を配合したアルミナセメント
組成物が高強度発現性と流動性に優れ、適度の可使時間
や硬化時間が得られることを知見して本発明を完成する
に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ナセメントと添加剤及び/又は炭酸塩を含有してなるア
ルミナセメント組成物であって、アルミナセメントが、
CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組成をもつ水硬性物
質とα−アルミナからなり、化学成分がCaO 5〜15重量
%、Al2O3 95〜85重量%であり、添加剤が、ポリアクリ
ル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリ
ル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より
選ばれた一種又は二種以上であるアルミナセメント組成
物であり、α−アルミナのBET比表面積が5〜10m2/g
である該アルミナセメント組成物であり、該アルミナセ
メント組成物と耐火骨材とを含有してなる不定形耐火物
である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するアルミナセメントは、特定の水硬性物質とα−
アルミナからなるものである。
【0010】本発明の水硬性物質は、鉱物組成としてCA
とCA2 の水硬性成分からなり、CaO25〜35重量%、Al2O
3 75〜65重量%の化学成分からなるものであり、この特
定の鉱物組成と化学成分を両立させることが重要であ
る。水硬性物質は、赤ボーキサイト等の天然原料をバイ
ヤープロセス等の精製法により精製して得られた高純度
アルミナや、ボーキサイトなどのアルミナ原料と、石灰
石や生石灰などのカルシア原料とを、所定の成分割合に
なるように配合し、電気炉、反射炉、縦型炉、平炉、シ
ャフトキルン、及びロータリーキルン等の設備で、溶融
及び/又は焼成して得られるクリンカーを粉砕したもの
である。本発明では、CAとCA2 の鉱物組成を含有するこ
とが重要であり、その鉱物組成の割合も重要である。鉱
物組成の割合は、X線回折によって分析可能であって、
CAが35〜95重量%、CA2 が65〜5重量%が好ましく、CA
が40〜90重量%、CA2 が60〜10重量%がより好ましい。
CAが35重量%未満では硬化遅延と強度発現性の低下が発
生する傾向があり、95重量%を越えると流動性がとれず
可使時間が短くなる傾向がある。水硬性物質の化学成分
は、CaO 25〜35重量%でAl2O3 75〜65重量%であること
が好ましく、CaO 28〜33重量%でAl2O3 72〜67重量%が
より好ましい。CaO が25重量%未満ではCA2 や未反応の
α−アルミナ等の遅延性や非水硬性の鉱物が生成したり
残留しやすくなり、硬化遅延と強度発現性の低下が発生
する傾向がある。また、35重量%を越えるとC12A7 、C3
A 、及び未反応の CaO等の急硬性の鉱物が生成しやすく
なり、流動性がとれず、可使時間が短くなる傾向があ
る。水硬性物質は、CAやCA2 の鉱物組成の他に、原料か
ら混入する不純物により生成する2CaO・Al2O3 ・SiO2
CaO・TiO2、及び4CaO・Al2O3 ・Fe2O3 等の不純物を含
有しているものも使用可能である。焼成法で本発明の水
硬性物質を製造する場合は、通常、アルミナ原料とカル
シア原料とを所定の割合で混合、若しくは、混合粉砕
し、又は一部混合後、さらに混合粉砕し、例えば、ロー
タリーキルンを用いて、1,000 〜1,600 ℃の温度で焼成
して得られるクリンカーを粉砕する。水硬性物質のガラ
ス化率は特に限定されるものではないが、一般にガラス
化率が高いと水硬性が強くなり、高強度の硬化体が得ら
れる。ガラス化率は溶融及び/又は焼成した高温のクリ
ンカーを冷却する度合いにより調整可能であり、急冷す
るとガラス化率が高くなる。ガラス化率は、粉末X線回
折による鉱物組成の分析で測定可能で、その程度は、回
折線の強度が弱いもの程ガラス化率が大きいことを示
す。水硬性物質のクリンカーの粉砕には、通常、粉塊物
の微粉砕用に使用される、例えば、ローラーミル、ジェ
ットミル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミル等
の粉砕機の使用が可能である。水硬性物質の平均粒子径
は、水硬性物質の重要特性である流動性、硬化性、及び
強度発現性に関連し、要求特性を得るためには重要な管
理ポイントであり、1〜5μmが好ましく、2〜4μm
がより好ましい。この範囲外では、流動性や強度発現性
が低下する傾向がある。
【0011】本発明で使用するα−アルミナとは、高耐
火性、高温強度発現性、及び体積安定性を付与させるも
のであり、使用するα−アルミナの種類によってアルミ
ナセメントの特性が大きく変化するものである。α−ア
ルミナは、バイヤープロセス等によって高純度化処理さ
れた水酸化アルミニウムをロータリーキルン等で焼成し
て得られる精製アルミナであって、一般には、高純度ア
ルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、及び軽焼
アルミナ等と呼ばれるものである。α−アルミナの純度
は高ければ高いほど好ましいが、90重量%以上あれば充
分であり、通常のバイヤープロセスによって製造された
アルミナであれば90重量%以上の純度は確保可能であ
り、98重量%以上がより好ましい。本発明においては、
組み合わせる水硬性物質との相互作用によって、初めて
従来品に無い特性が発揮できる。α−アルミナの一次粒
子径は、平均粒子径で20〜100 μmが好ましく、30〜60
μmがより好ましく、40〜50μmが最も好ましい。20μ
m未満では流動性が低下しやすく、100 μmを越えると
不定形耐火物に使用した際の焼結強度が低下しやすい。
通常、この一次粒子径は、バイヤープロセスにおける水
酸化アルミニウムの析出速度に関連し、析出速度を遅く
すると粒子径の大きいものが得られ、逆に早くすると粒
子径の小さいものが得られる。また、α−アルミナの焼
成度は、比表面積が大きいほど軽焼タイプのアルミナで
あることを示し、高温下で使用した際、焼結性に優れる
が収縮が大きくなる傾向がある。BET法による比表面
積は5〜10m2/gが好ましく、6〜8m2/gがより好まし
い。比表面積が小さいα−アルミナを配合したものは、
収縮が小さくなり、焼結強度が低下する傾向があり、α
−アルミナの比表面積が大きいとアルミナセメントにし
た際の流動性が低下し、不定形耐火物に配合した際、高
温での焼結性は向上するものの、過焼結により、耐スポ
ーリング性が低下し、収縮も大きくなる傾向がある。α
−アルミナは、Al2O3 純度の他に不純物としてのNa2O量
が問題であって、Na 2Oが多いとアルミナセメントにした
際、流動性や耐火性の低下、高温での収縮発生等の課題
が発生する傾向があり、少ない方が好ましい。0.5 重量
%以下が好ましく、0.3 重量%以下の低ソーダタイプの
ものがより好ましい。本発明において、水硬性物質とα
−アルミナとからアルミナセメントを製造する際の混合
・粉砕方法は、α−アルミナを単独でアルミナセメント
相当の粒度、即ち、平均粒子径が1〜5μmまで粉砕
後、水硬性物質と混合する方法や、水硬性物質のクリン
カーとα−アルミナを混合粉砕する方法などが可能であ
る。本発明では、水硬性物質のクリンカーと混合粉砕し
た方がアルミナセメント又はアルミナセメント組成物中
にα−アルミナが均一に混合され、不定形耐火物に使用
した際、硬化体組織が均一になり、耐食性が向上するな
どの効果が得られ好ましい。水硬性物質とα−アルミナ
は、水硬性物質とα−アルミナからなるアルミナセメン
ト中の CaOが5〜15重量%、Al2O3 が95〜85重量%とな
るように配合することが好ましく、 CaOが8〜12重量
%、Al2O3 が92〜88重量%となるように配合することが
より好ましい。α−アルミナの配合量を増加させると、
耐火性や高温での焼結強度は増加するが、養生強度や乾
燥後の強度が低下し、流動性も低下する傾向がある。ま
た、CaO が多いと不定形耐火物に使用した際の耐食性が
低下する傾向がある。
【0012】本発明で使用する添加剤は、ポリアクリル
酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリル
酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より選
ばれた一種又は二種以上である。
【0013】ポリアクリル酸類とは、ポリアクリル酸や
その誘導体又はそれらのアルカリ塩であって、具体的に
は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のアルカリ塩、及
びポリアクリル酸エステル共重合体又はそのアルカリ塩
等であって、共重合体としては、架橋分岐型が好まし
い。ポリアクリル酸のアルカリ塩としては、ナトリウム
塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可能である
が、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
これらのうち、ポリアクリル酸ナトリウムの使用が好ま
しく、なかでも低重合度の水に可溶な重合体で、固形分
が90重量%以上、25℃における40重量%濃度のスラリー
のスラリー粘度が10,000cps 以下の可溶性重合度タイプ
のものが、アルミナセメントの流動性を向上する面から
好ましい。スラリー粘度は、B型粘度計によって測定で
きるもので、重合度を現しており、重合度が高い程、粘
度も大きくなる傾向にあり、本発明では、50〜2,000cps
の粘度のものが好ましい。本発明において、ポリアクリ
ル酸類のスラリーのイオン性やpHは特に限定されるも
のではないが、アルミナセメントと配合した際、より大
きな流動性を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン
性で、かつ、25℃における1重量%スラリーのpHが中
性からアルカリ性であることが好ましく、特に、pHが
7.5 〜11のものがより好ましい。
【0014】ポリメタクリル酸類とは、メタクリル酸メ
チル等の非官能性モノマー、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル等の一官能性モノマー、及びジメタクリル酸エ
チレン等の多官能性モノマーに分類されるメタクリルモ
ノマー、ポリメタクリル酸又はそのアルカリ金属塩、並
びに、ポリメタクリル酸エステル共重合体を含むメタク
リル酸エステル系合成樹脂等であり、水に溶解したとき
のイオン性がアニオン性であることが好ましく、スラリ
ーのpHが中性からアルカリ性であることが重要で、特
に、pHが7〜12のものが好ましい。ポリメタクリル酸
のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム
塩、及びカルシウム塩等が挙げられるが、アルミナセメ
ントと併用する効果の面からナトリウム塩の使用が好ま
しい。ポリメタクリル酸類の重合度は50〜100,000 程度
が好ましく、重合度が大き過ぎるとアルミナセメントと
混練りする時にフロー値が小さくなり、流動性が低下す
る傾向がある。
【0015】本発明で使用するアクリル酸類−メタクリ
ル酸類共重合体としては、分子量が5,000 〜20,000の共
重合体であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用
が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用
が好ましい。特に、本発明では、アクリル酸類−メタク
リル酸共重合体(以下、アクリル共重合体という)のナ
トリウム塩、特に、水に可溶な重合体で、固形分95重量
%以上、25℃における40重量%濃度のスラリー粘度が1
0,000cps 以下の可溶性重合度タイプのものの使用が、
アルミナセメントの流動性を向上する面から好ましく、
100 〜2,000cpsのものを使用することがより好ましく、
300 〜1,000cpsのものを使用することが最も好ましい。
アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の割合は、アク
リル酸類/メタクリル酸類が重量比で9/1〜4/6で
あることが好ましく、8/2〜5/5が分散作用に優れ
より好ましい。特に好ましいアクリル共重合体の組み合
わせは、アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウ
ムの重量比が8/2〜5/5である。アクリル酸類の割
合が少な過ぎると、メタクリル酸類の特徴を強く示し、
混練り時の粘性が高くなり、また硬化遅延を生じやすく
なるばかりでなく、共重合が不可能となる傾向があり、
アクリル酸類の割合が多過ぎると、アクリル酸類の特徴
が強くなり、流動性と凝集時間が早くなる傾向がある。
本発明において、アクリル共重合体のスラリーのイオン
性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセ
メントと配合した際、より大きな流動性を得るために、
アクリル共重合体がアニオン性で、かつ、25℃における
1重量%濃度のスラリーのpHが中性からアルカリ性で
あることが重要で、特に、pHが7.5 〜11のものが好ま
しい。
【0016】本発明で使用するポリイタコン酸類として
は、分子量が5,000 〜10,000であって、ナトリウム塩や
カリウム塩などの使用が可能であるが、入手しやすさか
らナトリウム塩の使用が好ましい。なかでも、水に可溶
で、固形分92重量%以上、25℃における40重量%濃度の
スラリー粘度が1,000cps以下の可溶性タイプのものの使
用が、アルミナセメントの流動性を向上する面から好ま
しく、100 〜1,000cpsのものの使用がより好ましく、30
0 〜800cpsのものの使用が最も好ましい。本発明におい
て、ポリイタコン酸類のスラリーのイオン性やpHは特
に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合
した際、より大きな流動性を得るために、ポリイタコン
酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%濃度
の水溶性スラリーのpHが中性からアルカリ性であるこ
とが重要で、特に、pHが7.5 〜10のものが好ましい。
【0017】本発明の添加剤は、GC−MS、C13−N
MR、HPLC、イオンクロマト、及びFT−IR等の
機器分析や放射化分析等で分析することが可能である。
また、添加剤は、あらかじめアルミナセメントにプレミ
ックスすることができ、施工時に別途に投入したり、混
合したりする手間が削減できる面から、粉末タイプであ
ることが好ましい。この添加剤の粉末化は、液状品をス
プレードライヤー等の乾燥機で乾燥処理するなどして製
造することが可能である。
【0018】本発明で使用する炭酸塩としては、無機炭
酸塩のいずれも使用可能であるが、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、及び炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ塩の
使用が好ましく、その含水塩や無水塩のいずれの使用も
可能である。これらのうち、炭酸ナトリウムの使用が好
ましく、JIS K 1201、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規
定される炭酸ナトリウムが使用可能である。炭酸塩の粒
度は、アルミナセメントと混和した際、水に溶解しやす
いように、細かい程好ましく、100 メッシュ以下が好ま
しく、200 メッシュ以下がより好ましい。炭酸塩の純度
は特に限定されるものではないが、現在、工業的に精製
されている炭酸塩の使用が可能であって、目的とする炭
酸塩の純度が80重量%程度以上のものの使用が好まし
い。
【0019】添加剤と炭酸塩の種類の組み合わせは、ア
ルミナセメントによって適宜選択できるもので特に限定
されるものではないが、ポリアクリル酸類、ポリメタク
リル酸類、及び炭酸塩、ポリアクリル酸類、アクリル共
重合体、及び炭酸塩、ポリアクリル酸類、ポリイタコン
酸類、及び炭酸塩、並びに、メタクリル酸類、アクリル
共重合体、及び炭酸塩の組み合わせが、流動性、硬化
性、及び強度発現性のバランスが確保できる面から好ま
しい。特に、ポリアクリル酸類としてポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリメタクリル酸類としてポリメタクリル酸
ナトリウム、アクリル共重合体としてアクリル共重合体
のナトリウム塩、ポリイタコン酸類としてポリイタコン
酸ナトリウム、及び炭酸塩として炭酸ナトリウムを配合
したものが、アルミナセメント組成物として流動性に優
れるためより好ましい。これら添加剤及び/又は炭酸塩
(以下、添加剤等という)は、アルミナセメント 100重
量部に対して、添加剤等の合計量が 0.2〜5.0 重量部に
なるように配合することが好ましく、添加剤等の合計量
が 0.8〜2.0 重量部になるように配合することが、硬化
遅延が少なく、高流動性が確保できる面からより好まし
い。具体的には、アルミナセメント 100重量部に対し
て、ポリアクリル酸類 0.2〜5重量部、ポリアクリル酸
類 0.2〜5重量部、アクリル共重合体 0.2〜5重量部、
ポリイタコン酸類 0.2〜5重量部、及び炭酸塩 0.2〜2
重量部が好ましい。
【0020】本発明において、添加剤等の配合方法は特
に限定されるものではなく、各添加剤等を所定の割合に
なるように配合し、あらかじめ粉砕したアルミナセメン
トとV型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサ
ー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を
用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合でクリン
カーに配合後、振動ミル、チューブミル、ボールミル、
及びローラーミル等の粉砕機で混合粉砕することが可能
である。
【0021】さらに、本発明では、個々の添加剤等若し
くは添加剤等の混合物を、100 〜200 ℃の温度で30分以
上、好ましくは60〜180 分、乾燥又は軽焼の熱処理をす
ることは、アルミナセメントに配合した際の流動性が向
上する面から好ましく、特に、120 〜180 ℃で熱処理し
たものの効果が著しい。
【0022】本発明で使用する耐火骨材とは、通常、不
定形耐火物に使用されている耐火骨材が使用可能であっ
て、具体的には、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天
然マグネシア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶
融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどの
マグネシアスピネル、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽
焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、シリカ
フューム、コロイダルシリカ、軽焼アルミナ、及び易焼
結アルミナ等の超微粉、その他、溶融シリカ、焼成ムラ
イト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シ
リマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジル
コン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキ
ュライト、煉瓦屑、陶器屑、窒化珪素、窒化ホウ素、炭
化珪素、及び窒化珪素鉄等の使用が可能である。特に、
本発明の不定形耐火物においては、耐食性、耐用性、及
び耐火性の面から、マグネシアスピネル、アルミナ、及
び超微粉のなかから選ばれた一種又は二種以上の耐火骨
材を使用することが好ましい。
【0023】ここでマグネシアスピネルとは、水酸化マ
グネシウムや仮焼マグネシアなどのマグネシア原料と、
水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料
を、所定の割合になるように調合し、ロータリーキルン
等の焼成装置を用いて、約1,800 〜1,900 ℃の温度で反
応・焼結させてスピネルクリンカーとしたもの、電気炉
などの溶融装置で溶融した溶融マグネシアスピネルを所
定のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、こ
れら焼成したものと溶融したものを混合したものなどで
ある。マグネシアスピネルにおける MgO/Al2O3 の重量
比は、1 /1 〜 0.1/1 が好ましく、 0.4/1〜 0.2/
1が不定形耐火物に配合した際、耐久性に優れる面から
より好ましい。
【0024】また、アルミナとは、水酸化アルミニウム
や仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、ロータリーキル
ン等の焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結及
び/又は溶融し、所定のサイズに粉砕し、篩い分けした
ものであって、鉱物組成としては、α-Al2O3やβ-Al2O3
などと示される酸化アルミニウムであり、焼結アルミ
ナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれるも
のであって、通常、Al2O 3 を90重量%以上含有するα−
アルミナの使用が最も好ましい。また、アルミナとジル
コニアを溶融することで得られる、耐熱スポーリング性
を向上させたアルミナ・ジルコニアクリンカー等の使用
も可能である。
【0025】耐火骨材の粒度は、通常、5〜3mm、3〜
1mm、1〜0mm、200 メッシュ下、及び 325メッシュ下
等のサイズのものを、要求物性に応じて配合する。
【0026】本発明において、耐火骨材として、さら
に、粒径が微小の粉体である超微粉を使用することが可
能である。ここで、超微粉とは、粒径10μm以下の粒子
が80重量%以上占める耐火性微粉末であって、平均粒子
径が1μm以下で、BET法による比表面積が10m2/g以
上のものが、不定形耐火物に配合した際、流動性が確保
でき、高強度を有するため好ましい。具体的には、シリ
カフューム、コロイダルシリカ、易焼結アルミナ、非晶
質シリカ、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素、酸化クロ
ム、及び酸化チタン等の無機微粉が使用可能であり、こ
のうち、シリカフューム、コロイダルシリカ、及び易焼
結アルミナの使用が好ましい。
【0027】耐火骨材の使用量は、施工場所によって適
宜決定すべきものであり、特に限定されるものではない
が、アルミナセメント組成物と耐火骨材からなる不定形
耐火物100 重量部中、耐火骨材が99.5〜50重量部である
ことが好ましく、耐食性と強度発現性の面から、耐火骨
材98〜85重量部であることがより好ましい。耐火骨材の
粒度調整は、不定形耐火物の要求物性によって適宜決定
されるもので特に限定されるものではないが、不定形耐
火物 100重量部中、アルミナセメント組成物が2〜15重
量部、粒径1mm 以下の焼結スピネルが5〜20重量部、残
部が粒径1〜10mmの電融アルミナ及び/又は焼結アルミ
ナからなるものが、流動性がよく、強度発現性が高く、
さらには、スラグ侵食性が少ない面から好ましい。本発
明において、アルミナセメントと耐火骨材を配合してな
る不定形耐火物に添加剤等を併用することは、不定形耐
火物の構成材料である1mm以下の微粉をマトリックス中
へ分散させる面からも必要であって、超微粉の分散作用
や解こう作用を有する面からも好ましい。
【0028】さらに、添加剤等の他に、リン酸類を併用
することも可能である。リン酸類としては、ヘキサメタ
リン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン
酸、及びオルトリン酸又はこれらの塩の一種又は二種以
上が挙げられ、ヘキサメタリン酸とトリポリリン酸が分
散作用に優れるため好ましく、飽和水溶液のpHがアル
カリ性であって、pHが 8.0〜11.0のものがより好まし
い。リン酸類の塩としては、ナトリウム、カリウム、及
びカルシウム塩のいずれかであって、入手のしやすさか
らナトリウム塩の使用が好ましい。リン酸類の粒度は、
200 メッシュ以下程度のものが、混練り時に溶解しやす
く、分散作用が優れるため好ましく、品質的には、一般
に医薬品や食品添加物などとして市販されているものが
使用可能である。
【0029】本発明の不定形耐火物の製造方法は特に限
定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方法
に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V型
ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン
型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均
一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する
際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
【0030】さらに、本発明の不定形耐火物に、アルカ
リ性の水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウム
や金属マグネシウムなどの発泡材や、ビニロンファイバ
ー、ポリプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファ
イバー等の有機繊維、乳酸アルミニウム等の塩基性コロ
イド、窒素ガス発生分解繊維、並びに、フミン酸類等の
爆裂防止材等を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止
の目的で配合することも可能である。また、従来から流
動性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性等の性状改
善の目的で使用されている、メラミン類、ナフタレンス
ルホン酸類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒド
の縮合物等の界面活性剤、AE減水剤、及びデキストリ
ンや澱粉などの糖類等を必要に応じて配合することも可
能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに説明す
る。
【0032】実施例1 アルミナ原料とカルシア原料とを所定の割合で配合し、
ロータリーキルンを用い、1,400 〜1,600 ℃で焼成後、
放冷して表1に示す水硬性物資のクリンカーを製造し
た。その化学成分と鉱物組成を表1に示す。アルミナセ
メント中の CaOが10重量%になるようにクリンカーとα
−アルミナとを配合したアルミナセメント 100重量部に
対して、添加剤等a1重量部、添加剤等b1 重量部、及
び添加剤等c 0.5重量部、合計 2.5重量部加え、振動ミ
ルで平均粒子径5μm以下に粉砕してアルミナセメント
組成物を調製した。調製したアルミナセメント組成物10
重量部、焼結アルミナ70重量部、焼結スピネル10重量
部、超微粉α10重量部、及び水 6.5重量部を添加し、モ
ルタルミキサーで3分間混練りして不定形耐火物を得
た。この不定形耐火物について、流動性、可使時間、硬
化時間、養生、乾燥、及び焼成の圧縮強度、収縮率、並
びに、耐食性を測定した。結果を表2に示す。なお、材
料の混練から養生は20℃恒温室内で行った。
【0033】<使用材料> アルミナ原料:仮焼アルミナ、平均粒子径50μm カルシア原料:石灰石粉、100 メッシュ下、CaCO3 純度
98% α−アルミナ:アルミナ、平均粒子径3μm、BET比
表面積7m2/g 添加剤等a:ポリアクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤等b:ポリメタクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤等c:アクリル共重合体のナトリウム塩、アクリ
ル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウム重量比7/
3、市販品 焼結アルミナ:焼結アルミナ、5〜1mm 20重量部、1
〜0mm 20重量部、48F25重量部、325 F 15重量部、
混合品 焼結スピネル:焼成スピネル、200 F 超微粉α :易焼結アルミナ、平均粒子径 0.8μm
【0034】<物性の測定方法> 化学成分 :JIS R 2522に準じて分析 鉱物組成 :理学社製X線回折装置「RADIIB」によ
る回折強度比d値、CA=4.67Å、CA2 =4.45Å、α−ア
ルミナ=2.55Åの回折線の強度を用いてZevin 法により
各鉱物量を算出 平均粒子径:島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定
装置「SALD1000」使用 流動性 :3分混練り後、30分放置した混練物を用い
て、フローテーブルにより15回タップした後の広がり径
を、JIS R 2521に準じて測定 可使時間 :調製した不定形耐火物をビニール袋に移し
取り、流動性が無くなるまでにかかった時間 硬化時間 :調製した不定形耐火物 500gをポリビーカ
ーに移し、注水から水和発熱のピークまでにかかった時
間を白金測温抵抗体と打点記録計で測定 養生圧縮強度:調製した不定形耐火物を4×4×16cmの
型枠に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセ
メントナイフで平に整えた後、24時間養生後の圧縮強度
を油圧測定機にて測定 乾燥圧縮強度:養生後の硬化体試片を 110℃で24時間乾
燥後、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 焼成圧縮強度:乾燥後の硬化体試片をシリコニット電気
炉に入れ、1,000 ℃までは10℃/分の昇温速度、1,000
℃以上は5℃/分で 1,500℃まで昇温後、3時間保持
し、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 収縮率 :24時間養生の硬化体を基準とした 1,500℃
焼成後の残存線変化率 耐食性 :調製した不定形耐火物を4×4×16cmの型
枠に流し込み、24時間養生後の硬化した供試体を 110℃
で24時間乾燥後、1,500 ℃で3時間焼成し、CaO/SiO2=
2.0、全Feが10重量%のスラグ500gが入った 1,550℃の
高周波炉内に3時間浸漬させた後の、深さ方向の溶損寸
法を測定。溶損寸法が 3.0mm以上は耐火物として使用不
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、比較例に比べて
流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時
間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0038】実施例2 クリンカーとα−アルミナを所定の割合で配合し、振
動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕して、
表3に示す化学成分のアルミナセメントを調製したこと
以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に併記す
る。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、比較例に比べて
流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時
間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0041】実施例3 振動ミルで表4に示すBET比表面積のα−アルミナ
と、平均粒子径5μm以下に粉砕したクリンカーとを
混合し、CaO が約10重量%のアルミナセメントを調製し
たこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に併
記する。
【0042】
【表4】
【0043】表4に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現
性、及び高耐食性が得られた。
【0044】実施例4 クリンカーとα−アルミナを所定の割合に配合して、
振動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕し
て、CaO 10重量%のアルミナセメントを調製し、表5に
示す添加剤等を配合したこと以外は実施例1と同様に行
った。結果を表5に併記する。
【0045】<使用材料> 添加剤等d:ポリイタコン酸ナトリウム、市販品 添加剤等e:炭酸ナトリウム、市販品
【0046】
【表5】
【0047】表5に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現
性、及び高耐食性が得られた。
【0048】実施例5 クリンカーとα−アルミナを所定の割合に配合して、
振動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕し
て、CaO 10重量%のアルミナセメントを調製し、表6に
示す添加剤等を配合したこと以外は実施例1と同様に行
った。結果を表6に併記する。
【0049】
【表6】
【0050】表6に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現
性、及び高耐食性が得られた。
【0051】
【発明の効果】本発明のアルミナセメント組成物を用い
た不定形耐火物は、従来品に無い高強度、高流動性、及
び高耐食性を有するものであり、このアルミナセメント
組成物を耐火物分野に使用した場合、不定形耐火物中の
CaO量を低減でき、耐食性が向上する効果を奏する。ま
た、耐火物分野のみならず、高強度発現性、高流動性、
及び耐食性が要求される化学プラントのライニング材料
や耐食材料としても使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 35/66 C04B 35/66 K S // C04B 111:28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナセメントと添加剤とを含有して
    なるアルミナセメント組成物であって、アルミナセメン
    トが、 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組成をもつ水
    硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分がCaO 5〜
    15重量%、Al 2O3 95〜85重量%であり、添加剤が、ポリ
    アクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メ
    タクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる
    群より選ばれた一種又は二種以上であることを特徴とす
    るアルミナセメント組成物。
  2. 【請求項2】 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組成
    をもつ水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分が
    CaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%のアルミナセメ
    ントと、炭酸塩とを含有してなるアルミナセメント組成
    物。
  3. 【請求項3】 アルミナセメント、添加剤、及び炭酸塩
    を含有してなるアルミナセメント組成物であって、アル
    ミナセメントが、 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組
    成をもつ水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分
    がCaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%であり、添加
    剤が、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリ
    ル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸
    類からなる群より選ばれた一種又は二種以上であること
    を特徴とするアルミナセメント組成物。
  4. 【請求項4】 α−アルミナのBET比表面積が5〜10
    m2/gである請求項1〜3のうちの1項記載のアルミナセ
    メント組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちの1項記載のアルミ
    ナセメント組成物と耐火骨材とを含有してなる不定形耐
    火物。
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