JP2001278654A - アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物

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JP2001278654A
JP2001278654A JP2000093403A JP2000093403A JP2001278654A JP 2001278654 A JP2001278654 A JP 2001278654A JP 2000093403 A JP2000093403 A JP 2000093403A JP 2000093403 A JP2000093403 A JP 2000093403A JP 2001278654 A JP2001278654 A JP 2001278654A
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alumina cement
alumina
cement composition
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Yuji Koga
祐司 古賀
Mitsuhiro Yoshioka
光洋 吉岡
Tetsuo Kaga
鉄夫 加賀
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来品に比べ、温度依存性が極めて少なく、
減水効果、流動性、及び強度発現性に優れ、適度な可使
時間を有するアルミナセメント組成物及びそれを用いた
不定形耐火物を提供すること。 【解決手段】 CA20〜80部、CA25〜50部、及びC12A7
〜20部の鉱物組成を含有するアルミナセメントと特定の
構成単位を有する混和剤とを含有するアルミナセメント
組成物、また、平均粒子径が1〜10μmである、BET
比表面積が0.1〜2m2/gである、さらに、ガラス化率が5
0%以下であるアルミナセメントを使用した該アルミナ
セメント組成物、該アルミナセメント組成物と耐火骨材
を、さらに、超微粉を含有する不定形耐火物を構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナセメント
組成物及びそれを用いた不定形耐火物、特に、硬化時間
の温度依存性が低く、減水効果、流動性、及び強度発現
性に優れ、適度の可使時間を有するアルミナセメント組
成物及びそれを用いた不定形耐火物に関する。
【0002】本発明のアルミナセメント組成物及びそれ
を用いた不定形耐火物は、アルミナセメントが使用され
ている耐火物分野、化学プラントのライニング等の耐熱
耐食材料、及びその他の耐食材料等への利用が可能であ
る。なお、本発明における部や%は特に規定しない限り
質量基準で示す。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来、特定割合のCaO・Al2
O3(以下、CAという)、12CaO・7Al2O3(以下、C 12A7
いう)、及び非晶質からなり、α−アルミナ、ヒドロオ
キシカルボン酸、及び無機炭酸塩を含有してなるアルミ
ナセメント組成物、水溶性のポリアクリル酸類及び/
又はメタクリル酸−アクリル酸共重合体と、アルカリ金
属炭酸塩とを含有してなるアルミナセメント、特定の
CaO/Al2O3比を持つ無定形カルシウムアルミネート(非
晶質カルシウムアルミネート)を含有するアルミナセメ
ント、又は、CA、CaO・2Al2O3(以下、CA2という)、3C
aO・Al2O3、C12A7、及び11CaO・7Al2O3・CaF2等のうち
の一種又は二種以上の鉱物組成に対応する非晶質カルシ
ウムアルミネートを主成分とするアルミナセメントや、
少なくとも80%以上のカルシウムアルミネート相のク
リンカーと特定の比表面積をもつアルミナとを含有して
なるアルミナセメント、又は、アルミナセメントクリン
カーにアルミナ質微粉を含有してなるアルミナセメン
ト、並びに、CA2を主体にし、C12A7、微粉アルミナ、
及びスルホン酸系アニオン界面活性剤を配合してなるア
ルミナセメント等が提案されている(特開昭49−3292
1号公報、特開昭50−102617号公報、及び特開昭55−121
933号公報等、特開昭55−75947号公報や特開昭55−75
948号公報など、特開昭61−132556号公報、特開昭61
−77659号公報、及び特開平2−175638号公報等、特開
昭52−111920号公報や特公昭47−40694号公報など、並
びに、特開昭55−121934号公報や特開昭55−144456号
公報など)。また、アルミナセメントの鉱物組成と添加
剤の種類の基本特性を述べた文献もある(HIGH ALUMINA
CEMENT AND CONCRETES. T.D ROBSON 1962年発行)。こ
れらの特許や文献に記載されているアルミナセメント
は、硬化時間の温度依存性が高く、さらに高強度発現性
が劣っており、従来の市販品の範疇を逸脱するものでは
なかった。
【0004】本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究
を重ねた結果、アルミナセメントに特定の混和剤を配合
したアルミナセメント組成物は、硬化時間の温度依存性
が低く、減水効果、流動性、強度発現性、特に乾燥強
度、焼成強度に優れ、適度の可使時間が得られることを
知見して本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、CA20〜
80部、CA25〜50部、及びC12A71〜20部の鉱物組成を含
有してなるアルミナセメントと、式(1)及び/又は式
(2)に示す構成単位を有する混和剤とを含有してなる
アルミナセメント組成物であり、アルミナセメントの平
均粒子径が1〜10μmである、また、アルミナセメント
のBET比表面積が0.1〜2m2/gである、さらには、ア
ルミナセメントのガラス化率が50%以下である該アルミ
ナセメント組成物であり、アルミナセメント100部に対
して、式(1)及び/又は式(2)に示す構成単位を有
する混和剤0.1〜5部とを配合してなる該アルミナセメ
ント組成物であり、添加剤を含有してなる該アルミナセ
メント組成物であり、硬化促進剤を含有してなる該アル
ミナセメント組成物であり、該アルミナセメント組成物
と耐火骨材とを含有してなる不定形耐火物であり、さら
に、超微粉を含有してなる該不定形耐火物である。
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で使用するアルミナセメントとは、
カルシウムアルミネート(以下、CAという)からなる
もの、又はCAとそれ以外のもの、具体的には、α−ア
ルミナ等の微粉アルミナを含むものであり、CAと微粉
アルミナ等と混合するか、又は、CAのクリンカーと微
粉アルミナ等を混合粉砕して得ることができる。
【0010】ここで、CAは、赤ボーキサイト等の天然
原料をバイヤープロセス等の精製法により精製して得ら
れた高純度アルミナやボーキサイトなどのAl2O3原料
と、石灰石や生石灰などのCaO原料とを、混合若しくは
混合粉砕し、又は、一部混合後、さらに混合粉砕して、
所定の成分割合になるように配合し、溶融法で製造する
場合は、電気炉、反射炉、縦型炉、及び平炉等の設備
で、また、焼成法で製造する場合は、シャフトキルンや
ロータリーキルンなどの設備で、1,400〜1,800℃の温度
で、溶融及び/又は焼成して得られるもので、通常、そ
のクリンカーを粉砕したものが使用され、本発明におい
ては、強度発現性の面から焼成法で製造することが好ま
しい。
【0011】また、CAは、CaOとAl2O3とを主たる成分
とし水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又
はAl2O3の一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類
金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカ
リ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、
アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と
置換した化合物、あるいは、CaOとAl2O3とを主成分とす
るものにこれらが固溶した物質である。
【0012】本発明で使用する微粉アルミナは通常α−
アルミナであり、高温強度発現性や体積安定性を付与す
るものであり、例えば、バイヤープロセス等によって高
純度化処理された水酸化アルミニウムを、ロータリーキ
ルン等で焼成して得られる精製アルミナであり、通常、
高純度アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、
又は軽焼アルミナ等と呼ばれるものである。α−アルミ
ナの粒度は、平均粒子径で1〜10μm、BET比表面積
で0.1〜2m 2/gが好ましい。この範囲以外では流動性が
低下する場合がある。α−アルミナの使用量は、CA50
〜100部に対して、0〜50部が好ましい。この範囲外で
は、アルミナセメントにした際に、強度発現性が低下す
る場合がある。
【0013】アルミナセメント中の鉱物組成は、X線回
折によって分析可能であって、CA、CA2、及びC12A7の他
に、SiO2をS、TiO2をT、及びFe2O3をFとすると、C2AS、
CT、及びC4AF等と示される鉱物組成を含有したものもア
ルミナセメントとして使用可能である。本発明で使用す
るアルミナセメントの鉱物組成は、CAが20〜80部、CA2
が5〜50部、及びC12A7が1〜20部であり、CA30〜70
部、CA210〜40部、及びC12A75〜10部が好ましい。この
範囲外では、硬化時間の温度依存性が大きくなったり、
減水効果、流動性、及び強度発現性が低下し、適度の可
使時間が得られない場合がある。
【0014】鉱物組成の定量方法としては、回折線の強
度比測定法、内部標準法、Zevin法、及びX線回折ピー
ク分離法等があり、本発明においては、いずれの方法で
も定量可能である。ここでいう、回折線の強度比測定法
は、各鉱物の回折強度を相対的に表した値で示すもので
あり、内部標準法とは、内部標準物質と試料を一定の割
合で混合し、成分濃度と回折線強度比との間には直線関
係が得られることを利用して、濃度が既知の標準試料で
検量線を作成し、分析する方法である。また、Zevin法
とは、試料の平均質量吸収係数と回折線強度比を測定
し、n次の連立方程式を解くことにより各結晶相を定量
する方法である。そして、平均質量吸収係数は蛍光X線
分析方法又は化学分析によって、試料の成分を定量し、
算出することができる。この他、X線回折ピーク分離法
でも定量可能であって、この方法は、試料の結晶やガラ
ス相から測定するものである。本発明においては、いず
れの方法を使用しても、鉱物組成を定量することが可能
であるが、測定が簡単で、精度が良い回折線の強度比測
定法又はZevin法の使用が好ましい。
【0015】本発明で使用するアルミナセメントを製造
する時は、通常、粉塊物の微粉砕用に使用される、例え
ば、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボー
ルミル、及び振動ミル等の粉砕機の使用が可能である。
本発明のアルミナセメントの粒度は、平均粒子径で1〜
10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。この範
囲以外では硬化時間の温度依存性が高くなり、流動性が
低下する場合がある。また、本発明のアルミナセメント
の粒度は、BET比表面積で0.1〜2m2/gが好ましく、
0.5〜1.5m2/gがより好ましい。この範囲以外では硬化時
間の温度依存性が高くなり、流動性が低下する場合があ
る。
【0016】本発明で使用するアルミナセメントのガラ
ス化率は50%以下が好ましく、30%以下がより好まし
い。この範囲以外では、硬化時間の温度依存性が大きく
なったり、減水効果、流動性、及び強度発現性が低下
し、適度の可使時間が得られない場合がある。ガラス化
率は、溶融又は焼成した高温のクリンカーを冷却する度
合いにより調整可能であり、急冷するとガラス化率は高
くなる。このガラス化率は、粉末X線回折による鉱物組
成の分析やZevin法でも測定が可能で、粉末X線回折の
場合、その程度は回折線の強度が弱いもの程ガラス化率
が大きいことを示す。
【0017】本発明では、アルミナセメントが持つ硬化
時間の温度依存性を低くし、さらに、減水効果とそれに
よる高強度発現性を付与させるために、特定の混和剤を
配合する。本発明で使用する混和剤とは、式(1)及び
/又は式(2)に示す構成単位を有する混和剤である。
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】式(1)、(2)中、R1、R2、R3は、
水素又は炭素数1〜12の直鎖アルキル基である。具体的
には、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、又はドデシル
基である。Aは、炭素数2〜4の直鎖若しくは分岐鎖の
アルキレン基又はスチレン基であり、炭素数2〜4の直
鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基としては、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、及び
テトラメチレン基等が挙げられる。さらに、nは100〜2
00の自然数である。この範囲外では、アルミナセメント
に配合した時の硬化時間の温度依存性が高くなり、減水
効果が著しく低下する場合がある。
【0021】本発明で使用する混和剤の使用量は、アル
ミナセメント100部に対して、0.1〜5部が好ましく、0.
5〜3部がより好ましい。この範囲外では、硬化時間の
温度依存性が高くなったり、減水効果、流動性、及び強
度発現性が低下し、適度の可使時間が得られない場合が
ある。
【0022】なお、硬化時間の温度依存性が高くならな
い範囲であれば、本発明のアルミナセメント組成物の流
動性を向上させたり、可使時間を延長させる目的で、添
加剤を併用することも可能である。本発明で使用する添
加剤として、ケイフッ化物、リン酸類、ホウ酸類、炭酸
塩、ヒドロキシカルボン酸類、ポリアクリル酸類、ポリ
メタクリル酸類、アクリル酸類・メタクリル酸類共重合
体、ポリイタコン酸類、コハク酸型共重合体、ポリオキ
シアルキレン類、及び糖類からなる群より選ばれた一種
又は二種以上が挙げられる。
【0023】本発明で使用するケイフッ化物としては、
ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウム、及びケイ
フッ化マグネシウム等が挙げられ、これらのうち、入手
しやすさから、ケイフッ化ナトリウムの使用が好まし
い。
【0024】本発明で使用するリン酸類としては、ヘキ
サメタリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロ
リン酸、及びオルトリン酸又はそれらの塩が挙げられ、
ヘキサメタリン酸とトリポリリン酸又はそれらの塩が分
散作用に優れるため好ましい。リン酸類の塩としては、
ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩が挙げら
れ、入手にしやすさからナトリウム塩の使用が好まし
い。
【0025】本発明で使用するホウ酸類としては、ホウ
酸又はそのアルカリ塩であって、アルカリ塩としては、
ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げ
られ、これらのうち、入手しやすいホウ酸の使用が好ま
しい。
【0026】本発明で使用する炭酸塩としては、無機炭
酸塩のいずれも使用可能であるが、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、及び炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ塩の
使用が好ましく、その含水塩や無水塩のいずれの使用も
可能である。これらのうち、炭酸ナトリウムの使用が好
ましく、JIS K 1201、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規
定される炭酸ナトリウムが使用可能である。
【0027】本発明で使用するヒドロキシカルボン酸類
としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、
及び乳酸又はそれらの塩等が挙げられる。ヒドロキシカ
ルボン酸類の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、
及びカルシウム塩等が挙げられ、入手のしやすさからナ
トリウム塩の使用が好ましい。
【0028】本発明で使用するポリアクリル酸類とは、
ポリアクリル酸やその誘導体又はそれらの塩類であっ
て、具体的には、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エス
テル共重合体又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、
及びカルシウム塩等が使用可能であるが、入手しやすさ
からナトリウム塩の使用が好ましく、共重合体としては
架橋分岐型が好ましい。特に、本発明では、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、中でも低重合度の水に可溶な重合体
で、固形分が90%以上、25℃における40%濃度のスラリ
ー粘度が10,000cps以下の可溶性重合度タイプのものの
使用が、アルミナセメント組成物の流動性を向上する面
から好ましく、50〜2,000cpsの粘度のものがより好まし
い。本発明において、ポリアクリル酸類の水性スラリー
のイオン性やpHは特に限定されるものではないが、ア
ルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得る
ために、ポリアクリル酸類がアニオン性で、かつ、25℃
における1%スラリーのpHが中性からアルカリ性であ
ることが好ましく、特に、pHが7.5〜11のものがより
好ましい。
【0029】本発明で使用するポリメタクリル酸類と
は、メタクリル酸メチル等の非官能性モノマー、メタク
リル酸ジエチルアミノエチル等の一官能性モノマー、及
びジメタクリル酸エチレン等の多官能性モノマーに分類
されるメタクリルモノマー、ポリメタクリル酸又はその
塩、並びに、共重合体を含むメタクリル酸エステル系合
成樹脂であり、水に溶解したときのイオン性がアニオン
性であることが好ましく、スラリーのpHが中性からア
ルカリ性であることが重要で、特に、pHが7〜12のも
のが好ましい。ポリメタクリル酸の塩としては、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられる
が、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
ポリメタクリル酸類の重合度が大き過ぎるとアルミナセ
メント組成物として混練りする時にフロー値が小さくな
り、流動性が低下するため好ましくない。50〜100,000
程度の重合度が好ましい。
【0030】本発明で使用するアクリル酸類・メタクリ
ル酸類共重合体としては、分子量が5,000〜20,000の共
重合体であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用
が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用
が好ましい。特に、本発明では、アクリル酸類・メタク
リル酸類共重合体のナトリウム塩、中でも、水に可溶な
重合体で、固形分95%以上、25℃における40%濃度のス
ラリー粘度が10,000cps以下の可溶性重合度タイプのも
のの使用が、アルミナセメント組成物の流動性を向上す
る面から好ましく、100〜2,000cpsの粘度のものがより
好ましく、300〜1,000cpsの粘度のものが最も好まし
い。アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の割合は、
アクリル酸類/メタクリル酸類が質量比で9/1〜4/
6であることが好ましく、8/2〜5/5が分散作用に
優れより好ましく、8/2〜5/5が最も好ましい。ア
クリル酸類の割合が多過ぎると、アクリル酸類の特徴が
強くなり、流動性と凝集時間が早くなる場合があり、ア
クリル酸類の割合が少な過ぎると、メタクリル酸類の特
徴を強く示し、混練り時の粘性が高くなり、また硬化遅
延を生じやすくなるばかりでなく、共重合が不可能とな
る場合がある。本発明において、アクリル酸類・メタク
リル酸類共重合体の水性スラリーのイオン性やpHは特
に限定されるものではないが、アルミナセメント組成物
と配合した際、より大きな流動性を得るために、アクリ
ル酸類・メタクリル酸類共重合体がアニオン性で、か
つ、25℃における1%濃度の水性スラリーのpHが中性
からアルカリ性であることが重要で、特に、pHが7.5
〜11のものが好ましい。
【0031】本発明で使用するポリイタコン酸類とは、
分子量が5,000〜10,000であって、ナトリウム塩やカリ
ウム塩などの使用が可能であるが、入手しやすさからナ
トリウム塩の使用が好ましい。中でも、水に可溶で、固
形分が92%以上、25℃における40%濃度のスラリー粘度
が1,000cps以下の可溶性タイプのものの使用が、アルミ
ナセメント組成物の流動性を向上する面から好ましく、
100〜1,000cpsの粘度のものがより好ましく、300〜800c
psの粘度のものが最も好ましい。本発明において、ポリ
イタコン酸類の水性スラリーのイオン性やpHは特に限
定されるものではないが、アルミナセメント組成物とし
て配合した際、より大きな流動性を得るために、ポリイ
タコン酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1%濃
度の水溶性スラリーのpHが中性からアルカリ性である
ことが重要で、特に、pHが7.5〜10のものが好まし
い。
【0032】本発明で使用するコハク酸型重合体とは、
コハク酸型基と共重合性単量体基を有する共重合体であ
る。ここでいうコハク酸型基とは、マレイン酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸モノエステル、マ
レイン酸モノエステル塩、マレイン酸ジエステル、マレ
イン酸ジエステル塩、フマル酸、フマル酸塩、フマル酸
モノエステル、フマル酸モノエステル塩、フマル酸ジエ
ステル、及びフマル酸ジエステル塩等の単量体と共重合
単量体との共重合により得られた基である。共重合性単
量体基とは、共重合性単量体の重合により得られた基で
あり特に限定されるものではないが、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエン等の芳香
族ビニル単量体、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなど
のビニルエステル単量体、メチレン、プロピレン、及び
イソブチレン等のオレフィン単量体、並びに、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテル、及びポリオキシエチレンビニルエーテル等の
ビニルエーテル単量体があり、これらを単独又は共重合
したものなどが挙げられる。コハク酸型基と共重合性単
量体基の配合割合は、コハク酸型基/共重合性単量体の
質量比で7/3〜5/5が好ましい。この範囲外では、
可使時間延長効果が低下する場合がある。コハク酸型共
重合体の製造方法は特に限定されるものではないが、各
単量体を共重合して製造する方法、各単量体の共重合体
をエステル化及び/又は中和して製造する方法などがあ
る。本発明において、コハク酸型共重合体は、アルミナ
セメント組成物の流動性、可使時間延長効果を付与する
ものであり、特に、マレイン酸モノエステル単量体にス
チレン単量体を共重合させたものや分岐を有するものが
好ましい。コハク酸型共重合体の塩としては、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びアンモニウム塩等
が使用可能であるが入手しやすさからナトリウム塩の使
用が好ましい。特に、流動性や可使時間延長効果を向上
させるためには、モノエステル共重合体のナトリウム塩
の使用が好ましく、中でも低重合度の水に可溶な共重合
体で、固形分が90%以上、40%濃度の水性スラリーの25
℃におけるスラリー粘度が10,000〜15,000cpsのもの
が、アルミナセメント組成物の流動性を向上し、可使時
間延長効果が得られるので好ましい。本発明において、
コハク酸型共重合体の水性スラリーのイオン性やpHは
特に限定されるものではないが、アニオン系で、かつ、
25℃における1%スラリーのpHが中性からアルカリ性
であることが好ましく、特に、pHが7〜10のものがよ
り好ましい。
【0033】本発明で使用するポリオキシアルキレン類
としては、具体的には、ポリアルキレングリコールアク
リル酸エステルの共重合体、ポリアルキレングリコール
アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、及びポ
リアルキレングリコールモノエステル単量体・メタクリ
ル酸共重合体等が挙げられる。
【0034】本発明で使用する糖類とは、多価アルコー
ルのアルデヒド、ケトン、並びに、多価アルコールの酸
や多価アルコール自体及びそれらの誘導体や置換体であ
り、具体的にはグルコース、フルクトース、デキストリ
ン、及びショ糖等が挙げられる。
【0035】ケイフッ化物、リン酸類、ホウ酸類、炭酸
塩、及びヒドロキシカルボン酸類の純度は特に限定され
るものではないが、現在、工業的に精製されているもの
の使用が可能であり、ケイフッ化物や炭酸塩の純度は80
%程度以上のものの使用が好ましい。
【0036】添加剤の粒度は、水に溶解しやすいように
細かい程好ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メ
ッシュ以下がより好ましい。特に、リン酸類やヒドロキ
シカルボン酸類の粒度は、200メッシュ以下のものが、
混練り時に溶解しやすく、分散性が優れるため好まし
く、品質的には、一般に医薬品や食品添加物などとして
市販されているものが使用可能である。添加剤はあらか
じめアルミナセメントにプレミックスすることが可能で
あり、施工時に別途に投入したり、混合したりする手間
が削減できる面から、粉末タイプであることが好まし
い。添加剤の種類の組み合わせは、アルミナセメント組
成物によって、適宜選択できるもので特に限定されるも
のではなく、材料配合に合わせて組み合わせを変えるこ
とが可能である。添加剤の使用量は、可使時間延長効果
が得られる面から、アルミナセメント100部に対して、
0.1〜5.0部になるように配合するのが好ましく、0.5〜
3.0部が硬化時間の温度依存性が少なく、高流動性が確
保できる面からより好ましい。
【0037】本発明において、添加剤の配合方法は特に
限定されるものではなく、各添加剤を所定の割合になる
ように配合し、あらかじめ粉砕したアルミナセメントと
V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、
パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用い
て均一混合するか、あるいは、所定の割合でアルミナセ
メントに配合後、振動ミル、チューブミル、ボールミ
ル、及びローラーミル等の粉砕機で混合粉砕することが
可能である。さらに、本発明では、個々の添加剤を、又
は、添加剤の混合物を、100〜200℃の温度で30分以上、
好ましくは60〜180分、乾燥又は軽焼の熱処理をするこ
とは、アルミナセメントに配合した際の流動性が向上す
るため好ましく、特に、120〜180℃で熱処理したものの
効果が著しい。本発明の添加剤は、GC−MS、C13
NMR、HPLC、イオンクロマト、及びFT−IR等
の機器分析や放射化分析などで分析することが可能であ
る。
【0038】本発明の不定形耐火物が10℃以下の低温で
硬化が遅れる場合、硬化を促進させるために、硬化促進
剤を配合することが好ましい。硬化促進剤としては、リ
チウム化合物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、及び石灰類か
らなる群より選ばれた一種又は二種以上が挙げられる。
リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウ
ム、塩化リチウム、及びクエン酸リチウム等が挙げら
れ、これらのうち、入手しやすさから炭酸リチウムの使
用が好ましい。アルミン酸塩としては、アルミン酸ナト
リウムやアルミン酸カリウムなどが挙げられ、入手しや
すさからアルミン酸ナトリウムの使用が好ましい。ケイ
酸塩としては、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムなど
が挙げられ、入手しやすさからケイ酸ナトリウムの使用
が好ましい。石灰類としては、消石灰や生石灰などが挙
げられ、比較的貯蔵安定性のある消石灰の使用が好まし
い。硬化促進剤の純度は特に限定されるものではない
が、現在、工業的に精製されているものの使用が可能で
あって、純度が80%程度以上のものの使用が好ましい。
硬化促進剤の粒度は、アルミナセメント組成物と混合し
た際、水に溶解しやすいように、細かい程好ましく、10
0メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより好ま
しい。硬化促進剤の使用量は、アルミナセメント100部
に対して、0.001〜5部が好ましく、0.01〜3部が硬化
時間の温度依存性が少なく、高強度発現性が得られる面
からより好ましい。
【0039】本発明では、アルミナセメント組成物と耐
火骨材を配合して不定形耐火物とする。耐火骨材として
は、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシ
ア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶融マグネシ
アスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシア
スピネル、並びに、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼
アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、その他、
溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイ
ト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ
石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイ
ト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、
窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、及び窒化珪素鉄等が
挙げられる。特に、本発明の不定形耐火物においては、
耐食性、耐用性、及び耐火性の面から、マグネシアスピ
ネル及び/又はアルミナの耐火骨材を使用することが好
ましい。
【0040】マグネシアスピネルとは、水酸化マグネシ
ウムや仮焼マグネシアなどのMgO原料と、水酸化アルミ
ニウムや仮焼アルミナなどのAl2O3原料を、所定の割合
になるように調合し、ロータリーキルン等の焼成装置を
用いて、約1,800〜1,900℃の温度で反応・焼結させたも
のや、電気炉などの溶融装置で溶融したものを、所定の
サイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これら
焼成したものと溶融したものを混合したものなどであ
る。マグネシアスピネルにおけるMgO/Al2O3の質量比
は、1/1〜0.1/1が好ましく、0.4/1〜0.2/1が
不定形耐火物として配合した際、耐久性に優れる面から
より好ましい。
【0041】アルミナとは、水酸化アルミニウムや仮焼
アルミナなどのAl2O3原料を、ロータリーキルン等の焼
成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結及び/又は
溶融し、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものであ
って、鉱物組成として、α−Al2O3やβ−Al2O3などと示
される酸化アルミニウムであり、焼結アルミナ、仮焼ア
ルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれるものであっ
て、通常、Al2O3を90%以上含有するα−アルミナの使
用が最も好ましい。
【0042】また、アルミナとジルコニアを溶融するこ
とで得られる、耐熱スポーリング性を向上させたアルミ
ナ・ジルコニアクリンカー等の使用も可能である。
【0043】耐火骨材は、通常、5〜3mm、3〜1mm、
1〜0mm、200メッシュ下、及び325メッシュ下等のサイ
ズのものを、要求物性に応じて配合することが好まし
い。耐火骨材の使用量は、施工場所によって適宜決定す
べきものであり特に限定されるものではないが、アルミ
ナセメント組成物と耐火骨材からなる不定形耐火物100
部中、耐火骨材50〜99.5部であることが好ましく、耐食
性と強度発現性の面から、不定形耐火物100部中、耐火
骨材85〜98部の配合がより好ましい。
【0044】本発明では、不定形耐火物に配合した際、
流動性が確保でき、高強度を有する面から超微粉を使用
することが好ましい 本発明で使用する超微粉とは、粒径10μm以下の粒子が
80%以上占める耐火性微粉末であって、Dp50が1μm以
下で、BET比表面積が10m2/g以上のである。具体的に
は、シリカヒューム、コロイダルシリカ、易焼結アルミ
ナ、非晶質シリカ、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素、酸
化クロム、及び酸化チタン等の無機微粉が使用可能であ
り、このうち、シリカヒューム、コロイダルシリカ、及
び易焼結アルミナの使用が好ましい。超微粉の配合割合
は、不定形耐火物の要求特性によって適宜決定されるも
ので、特に限定されるものではないが、耐火骨材と超微
粉の合計100部中、20〜50部が好ましい。この範囲外で
は、流動性が取れなかったり、強度発現性が不充分とな
る場合がある。
【0045】本発明の不定形耐火物の製造方法は特に限
定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方法
に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V型
ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン
型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均
一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する
際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
【0046】また、本発明の不定形耐火物に、アルカリ
水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金属
マグネシウムなどの発泡材や、ビニロンファイバー、ポ
リプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバー
等の有機繊維、窒素ガス発生分解繊維、乳酸アルミニウ
ム等の塩基性コロイド、並びに、フミン酸類等の爆裂防
止材を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的
で、配合することも可能である。
【0047】また、従来からセメントの流動性、可使時
間、硬化時間、及び強度発現性等の性状を改善する目的
で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸
類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒドの縮合物
等の界面活性剤、並びに、AE減水剤等を必要に応じて
配合することも可能である。
【0048】
【実施例】以下、実験例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】実験例1 Al2O3原料とCaO原料を、所定の割合で配合し、ロータリ
ーキルンにて1,600〜1,700℃で焼成後、平均粒子径が2
μm、BET比表面積が1.5m2/gになるように粉砕して
表1に示す(1)〜(11)の各種CAを作製した。作製した
CAをアルミナセメントとし、その100部に混和剤イを
0.5部配合してアルミナセメント組成物を調製した。調
製したアルミナセメント組成物7部、焼結アルミナ85
部、マグネシア7部、及び超微粉1部を配合し、3分フ
ロー値が170〜180mmになるように表2に示すように水量
を調整し、10℃と30℃の恒温室内で各々モルタルミキサ
ーを用い、3分間混練りして不定形耐火物を作製した。
作製した不定形耐火物について、流動性、可使時間、硬
化時間、養生、乾燥、及び焼成強度を測定し、温度依存
性を評価した。結果を表2に併記する。
【0050】<使用材料> Al2O3原料 :仮焼アルミナ、平均粒子径50μm CaO原料 :石灰石粉、100メッシュ下、CaCO3純度98% 混和剤イ :式(1)と式(2)に示す構成単位をモル
比で4:1有する混和剤、ただし、R1、R2、及びR3
はメチル基、M1はナトリウム、Aはメチレン基、nは1
20である。 焼結アルミナ:焼結アルミナ、5〜1mm20部、1〜0mm
20部、48F20部、及び325F25部の混合品 超微粉 :シリカフューム、平均粒子径0.2μm
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】<物性の測定方法> 鉱物組成 :理学社製X線回折装置「RADIIB」によ
る回折強度比d値、CA=4.67Å、CA2=4.45Å、及びC12
A7=4.89Åの回折線の強度を用いてZevin法により算出 ガラス化率:理学社製X線回折装置「RADIIB」によ
る回折強度比d値、CA=4.67Å、CA2=4.45Å、及びC12
A7=4.89Åの回折線の強度を用いてZevin法により算出 流動性 :3分混練り後と30分放置した混練り物を用
いて、フローテーブルにより15回タップした後の広がり
径を、JIS R 2521に準じて測定 可使時間 :作製した不定形耐火物をビニール袋に移し
取り、流動性が無くなるまでにかかった時間 硬化時間 :作製した不定形耐火物500gをポリビーカ
ーに移し取り、白金測温抵抗体と打点記録計によって、
注水から水和発熱のピークまでにかかった時間 養生強度 :作製した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠
に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメン
トナイフで平に整えた後、24時間養生後の圧縮強度を油
圧測定機にて測定 乾燥強度 :養生後の硬化体試片を110℃で24時間乾燥
後、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 焼成強度 :乾燥後の硬化体試片をシリコニット電気炉
に入れ、800℃まで10℃/分の割合で昇温後、3時間保持
し、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 温度依存性:10℃と30℃の硬化時間の差が2時間以内で
あれば温度依存性は少ない(○)、2時間を越える場合
は不可(×)と判定
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表2から明らかなように、本発明のアルミ
ナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、本発明の
アルミナセメント組成物を配合しない比較例に比べて温
度依存性が少なく、減水効果、流動性、及び強度発現性
に優れ、適度な可使時間が得られた。
【0057】実験例2 アルミナセメントを粉砕し、表3に示す平均粒子径の
アルミナセメントを使用したこと以外は、実験例1と同
様に行った。結果を表3に併記する。
【0058】
【表3】
【0059】実験例3 アルミナセメントを粉砕し、表4に示すBET比表面
積のアルミナセメントを使用したこと以外は、実験例1
と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0060】
【表4】
【0061】実験例4 表5に示す鉱物組成とガラス化率をもつアルミナセメン
トを使用したこと以外は、実験例1と同様に行った。結
果を表5に併記する。
【0062】
【表5】
【0063】実験例5 アルミナセメント100部に対して、表6に示す混和剤
を配合したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を
表6に併記する。
【0064】<使用原料> 混和剤ロ :式(1)に示す構成単位を有する混和剤、
ただし、R1はメチル基、M1はナトリウム 混和剤ハ :式(2)に示す構成単位を有する混和剤、
ただし、R2及びR3はメチル基、M1はナトリウム、A
はメチレン基、nは120である。
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【表6】
【0068】実験例6 アルミナセメント100部に対して、表7に示す添加剤
を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を
表7に併記する。
【0069】<使用材料> 添加剤a :ケイフッ化ナトリウム、市販品 添加剤b :トリポリリン酸ナトリウム、市販品 添加剤c :ホウ酸、市販品 添加剤d :炭酸ナトリウム、市販品 添加剤e :クエン酸ナトリウム 添加剤f :ポリアクリル酸ナトリウム、市販品
【0070】
【表7】
【0071】実験例7 アルミナセメント100部に対して、表8に示す添加剤
と硬化促進剤を添加したこと以外は実験例1と同様に行
った。結果を表8に併記する。
【0072】<使用材料> 硬化促進剤α:炭酸リチウム、市販品 硬化促進剤β:アルミン酸ナトリウム、市販品 硬化促進剤γ:ケイ酸ナトリウム、市販品 硬化促進剤δ:消石灰、市販品
【0073】
【表8】
【0074】実験例8 アルミナセメントに、表9に示すα−アルミナを配合
してアルミナセメントとし、このアルミナセメント100
部に対して、混和剤を0.5部配合したこと以外は実験例
1と同様に行った。結果を表9に併記する。
【0075】<使用材料> α−アルミナA:平均粒子径 1μm、BET比表面積 3
m2/g α−アルミナB:平均粒子径 1μm、BET比表面積 2
m2/g α−アルミナC:平均粒子径 3μm、BET比表面積 1
m2/g α−アルミナD:平均粒子径 5μm、BET比表面積
0.5m2/g α−アルミナE:平均粒子径 10μm、BET比表面積
0.1m2/g α−アルミナF:平均粒子径 12μm、BET比表面積
0.1m2/g
【0076】
【表9】
【0077】
【発明の効果】本発明のアルミナセメント組成物は、従
来品では到底なしえなかった温度依存性が極めて少な
く、従来品と比較して、減水効果、流動性、及び強度発
現性に優れ、適度な可使時間を有するものである。そし
て、このアルミナセメント組成物を用いた不定形耐火物
を耐火物分野に使用した場合、温度依存性が少なく、減
水効果に優れ、流動性や強度発現性が向上する効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C04B 103:10 C04B 103:10 103:40 103:40 111:28 111:28 Fターム(参考) 4G012 PB16 PB36 4G033 AB02 AB21 AB23 4K051 BE03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO・Al2O320〜80部、CaO・2Al2O35〜50
    部、及び12CaO・7Al2O 31〜20部の鉱物組成を含有してな
    るアルミナセメントと、式(1)及び/又は式(2)に
    示す構成単位を有する混和剤とを含有してなるアルミナ
    セメント組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 アルミナセメントの平均粒子径が1〜10
    μmであることを特徴とする請求項1記載のアルミナセ
    メント組成物。
  3. 【請求項3】 アルミナセメントのBET比表面積が0.
    1〜2m2/gであることを特徴とする請求項1又は2記載
    のアルミナセメント組成物。
  4. 【請求項4】 アルミナセメントのガラス化率が50%以
    下である請求項1〜3のうちの1項記載のアルミナセメ
    ント組成物。
  5. 【請求項5】 アルミナセメント100部に対して、式
    (1)及び/又は式(2)に示す構成単位を有する混和
    剤0.1〜5部を配合してなることを特徴とする請求項1
    〜4のうちの1項記載のアルミナセメント組成物。 【化3】 【化4】
  6. 【請求項6】 さらに、添加剤を含有してなる請求項1
    〜5のうちの1項記載のアルミナセメント組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、硬化促進剤を含有してなる請求
    項1〜6のうちの1項記載のアルミナセメント組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちの1項記載のアルミ
    ナセメント組成物と耐火骨材とを含有してなる不定形耐
    火物。
  9. 【請求項9】 さらに、超微粉を含有してなる請求項8
    記載の不定形耐火物。
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