以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態は、実施形態A〜実施形態Eの5つの実施形態に大別されるが、各実施形態及び各実施形態に含まれる実施例、変形例等は、相互に適宜組み合わせ可能である。なお、各構成を示す符号は、特に述べない限り、その実施形態A、B、C、DまたはEにおいて統一的に用いられている。したがって、例えば、実施形態Aの符号と同じ符号が実施形態Bでは他の構成を示す符号として用いられている場合がある。
<実施形態A>
<実施形態1>
図1には、本発明の実施形態1である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。
図1において、100は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。101は、羽根駆動装置を駆動する駆動源となる駆動部である。102は、中央に開口部102gが形成されている開口形成部材であるベース部材である。このベース部材102は、例えば、本実施形態では、樹脂成型により形成され、複数の係合ピン102aと複数のレール102bとを有する。また、ベース部材102の端部には、駆動部101が取り付けられる。この駆動部101としては、例えば、ステッピングモータ、ガルバノメータなどが挙げられる。この駆動部101の回転軸101aには、ピニオン104が取り付けられる。
103は、回動部材であり、例えば、本実施形態では、樹脂成型によって形成された円形状のシート状部材であって、その中央部に光が通過する経路となる円形の開口部が形成された開口形成部材(駆動リング)である。この回動部材103は、シート状の基部103aと、その基部103aを厚さ方向に貫通する内係合穴103bと、基部103aの上面に立設された複数の駆動ピン103cと、基部103aの外周端部に設けられて上記ピニオン104が接続される被駆動部103dと、基部103aの外周端部において部分的に突出して設けられた遮光部位103fとを有する。
ここで、この回動部材103は、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。回動部材103を樹脂フィルムで作成する場合、回動部材103は、薄く作ることができ、且つ、軽く作ることが可能である。また、回動部材103を樹脂フィルムで作成した場合、回動部材103の作動を案内する部位は、樹脂成形で回動部材を作成した場合に比べて、強度を必要としない。例えば、絞り羽根を案内するような細い案内ピンにて回動部材103を案内することが可能である。プレス加工できる場合は、樹脂成形の形状精度に比べて、形状精度を高精度に形成することができるため、絞り精度の高精度が可能になる。勿論、回動部材103は、薄型シート状部材によって形成しなくても、樹脂成型によって形成してもよい。
また、回動部材103には、被駆動部103dであるギア部がある。この被駆動部103dは、ピニオン104と噛み合っている。駆動部101で発生した回転力をピニオン104から被駆動部103dに伝え、これにより回動部材103が回転する。例えば、本実施形態では、駆動部101の回転力をピニオン104から回動部材103に伝えているが、ピニオンの代わりに駆動レバーを使用してもよい。駆動レバーを使用する場合、回動部材103の被駆動部は、カム溝あるいは、被駆動ピン等を用いるとよい。また、103fは遮光部である。フォトインタラプタ107のスリット内を遮光部103fが出入りすることで、センサの役割を果たす。光量調節装置の初期位置等の位置検出に使用する。
105は、絞り羽根である。例えば、本実施形態では、光が通過する開口を取り囲むように複数(7枚)の絞り羽根105が環状配列されている。各絞り羽根105には、被駆動部である係合穴105cとカム溝105dがそれぞれ形成される。このような絞り羽根105は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成してもよいし、樹脂成形等で作成してもよい。また、本実施形態では、7枚の絞り羽根で構成しているが、絞り羽根の枚数は、2枚以上であれば何枚の構成でもよい。なお、本実施形態では、絞り羽根105を例示して説明するが、その他のシャッタ羽根、あるいは光学フィルタを有する羽根など各種適用した羽根駆動装置としてもよい。なお、光が通過する部分の最大開口は、上記ベース部材102又はカバー部材の開口部106gで規定してもよいし、複数の絞り羽根105の端部によって規定してもよい。
106は、カバー部材である。このカバー部材106は、ベース部材102との間で、上述した複数の絞り羽根105及びこれら羽根駆動用の回動部材103を収容し、回動部材との間で羽根が走行する羽根室を形成する。すなわち、ベース部材102とカバー部材106で形成された羽根室(空間)の中を回動部材103の回動に伴って複数の絞り羽根105が走行(駆動)する。このカバー部材106には、上記ベース部材102の開口部に連通する開口部106gが形成されており、ベース部材102と同様、開口形成部材となる。カバー部材106は、樹脂成形等で形成されたり、PETシート材等をプレス加工して作成されたりする。
絞り羽根105の係合穴105cは、回動部材103の駆動ピン103cに係合する。ピニオン104が回転し、回動部材103の被駆動部103dに力がかかり、回動部材103が回転する。すると、回動部材103の駆動ピン103cから絞り羽根105の係合穴105cに駆動力が与えられ、絞り羽根105が駆動する。このとき、絞り羽根105のカム溝105dは、ベース部材102の係合部102aに係合している。そのため、カム溝105dによって、絞り羽根105は、ベース部材102の開口内外を出入りする。これにより、複数の絞り羽根105がベース部材102の開口部102g内で、絞り形状が調整され、光が通過する量を調整することが可能になる。
ここで、本実施形態の特徴である回動部材のラジアル係合について説明する。図2は、回動部材103、絞り羽根105、カバー部材106を外した状態の正面図である。図3は、図2に回動部材103を組み込んだ正面図である。回動部材103は、内係合穴103bがベース部材102の複数の係合ピン102aと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材103は、内係合穴103bがベース部材102の複数の係合ピン102aに摺接することによって、位置が規定される。本実施形態では、回動部材103の内係合穴103bは、ベース部材の7つの係合ピン102aからなる外接円(102c)に係合しているが、係合ピン102aは、複数あれば何個でも良い。
図4は、絞り羽根105を組み込んだ正面図である。絞り羽根105は複数存在し、その絞り羽根105に対し、ベース部材102には、同数の係合ピン(係合部)102aが存在する。これらの絞り羽根105および係合ピン102aは、ベース部材102を貫通して設けた開口部102gの周囲において環状配置する。すなわち、これら各係合ピン102aの外側で回動部材103を摺接させながら回転させることで、光軸中心100を位置基準としてベース部材102上の回動部材103の回動位置が規定され、絞り羽根105が所定位置で開口部102g内を出入りし、図5のように、開口面積を変化させることができる。なお、回動部材103の回動位置は、光軸中心100に基づいて開口するベース材102の開口部102gに対して規定されてもよいし、その他で設定された位置基準に基づいて規定されてもよい。また、回動部材103は、回動方向に沿って複数の係合ピン102aに摺接するが、従来構造と比べて、摺接する部分が少なく、高速動作あるいは耐久性、摩耗粉の抑制等において有利である。
図6は、実施形態1の光量調節装置の断面図である。回動部材103の内係合穴103bは、複数の係合ピン102aにより形成される外接円102c(図6及び図4参照)に接している。そのため、回動部材103が回動すると、複数の係合ピン102aのそれぞれに摺接しながらガイドされることになる。したがって、回動部材103と絞り羽根105とは、ラジアル方向の移動が同じ係合ピン102aにより規制されている。すなわち、絞り羽根105及び回動部材103が同一部位(複数の係合ピン102a)によりラジアル方向の移動が規制される。そのため、詳細は後述するが、装置の単純化、小型化(特に薄型化)が可能である。また、本実施形態では、回動部材103と絞り羽根105とは、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を更に薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、次に、従来構造と比較して説明する。
図7は、従来構造の光量調節装置の断面図である。従来構造では、ラジアル方向の規制部位が回動部材903と絞り羽根905とで異なっていた。回動部材903は、ベース部材902に設けられた凹部となるラジアル規制部902gによりラジアル方向が規制されていた。また、絞り羽根905は、ベース部材902の係合ピン902aによりラジアル方向が規制されていた。別々のラジアル規制部位が必要であったため、装置は複雑、大型となっていた。
さらに、回動部材903と絞り羽根905とのラジアル規制部位が異なる場合は、それぞれの駆動空間に分かれていた。kが駆動空間の境界である。回動部材903は、kを超えてしまった場合、ベース部材902のラジアル規制部902gから外れてしまい、正しいラジアル規制ができなくなる。そのため、回動部材903がkを超えないように、十分な係り量h(凹部の深さ)を確保しておく必要があった。そのため、従来の羽根駆動装置は、回動部材903と絞り羽根905とのラジアル方向への規制を制限するために、ラジアル規制部位902gのスペース、回動部材903の係り量hのスペース、など、多くのスペースを要していた。
これに対し、本実施形態によれば、このような回動部材103と絞り羽根105との駆動空間を実質的に分離することなく、また従来構造のようなラジアル規制部位や、係り量hのスペース等を必要としないため、装置の小型化、薄型化に有効である。
本実施形態の複数の係合ピン102aにより形成される外接円102cは、従来構造のラジアル規制部902gで形成される外接円902cより、径を小さくすることが可能になる。回動部材の摺動半径を小さくすることで、回動部材の作動負荷を低減させ、消費電力を削減することができる。さらに、従来の構造のラジアル規制部902aより、本実施形態の係合ピン102aは、径を小さくすることが可能である。回動部材103との摺動面積を小さくすることで、摩擦を低減させ、消費電力を削減することができる。
ここで、本実施形態の回動部材(駆動リング)103について更に詳細に説明する。本実施形態における回動部材103は、後述する絞り羽根105と係合する構造を持つ、極薄の薄型シート状部材(超薄型シート状部材)から形成されている。
この「薄型シート状部材」としては、例えば、回動部材103を保持する保持基板(ベース部材102、ケース部材106)よりも薄いシート、または保持基板の半分以下の厚さを有するシート、あるいは羽根の厚みと比べた場合には羽根の厚みよりも僅かに厚いシートか、羽根の厚さと実質的に同等又はそれ以下の厚さを有するシートを用いることが、絞り装置の光軸方向における薄型化を図る上で有効である。
なお、本実施形態の「薄型シート状部材」は、例えば、外部からの物理的な応力を僅かに加えただけで、単独で比較的簡単に撓み変形する程度の厚さ(薄さ)であって、非常に薄肉(極薄)なシート状部材であることが薄型化あるいは軽量化の観点で好ましい。また、「薄型シート状部材」は、単独で板バネのような変形に対する反発力のあるばね特性を有するのがよい。これにより、回転駆動前、または回転駆動時において形状安定性を十分に確保できる他、安定した平坦な回動姿勢を確保できる。したがって、本実施形態における回動部材103は、ばね特性を持つ薄型シート状部材から形成されるのがよい。
また、本実施形態の「薄型シート状部材」は、例えば、樹脂製あるいは金属製のシート基材の少なくとも片面に表面層として、摺動塗装等で摺動性改善層を設けてもよいし、帯電防止のための帯電防止層を設けてもよいし、反射防止のための反射防止層を設けてもよいし、あるいは、これら各種の表面層をシート基材の両面に設けたシート状部材を用いるのがよい。これにより、摺動性改善層を設けた場合には、羽根や他の部材との間の摺動性等を高めることができる。
また、帯電防止層を設けた場合には、帯電による羽根と回動部材103の張り付きを防止することができる。一方、反射防止層を設けた場合には、本光量調節装置内に侵入した光の反射を抑え、レンズ鏡筒内に光調節装置が組み込まれた際の、ゴーストフレア等の発生を防止することができる。
なお、この摺動性改善層等の表面層は、シート基材の外周端面(内径端面または外径端面、あるいは両方)に設けることで、シート基材の剛性を高めることができる他、保持基板との摺動性も十分に高めることができる。このような表面層は、例えば、摺動性の良い材料を塗装や各種成膜技術によって形成された薄膜などがある。シート基材は羽根側の面と摺動性改善層としては、シート基材の両面に設けることが好ましい。
また、シート基材の内部応力を考慮し、引張り応力または圧縮応力などの膜を使って、薄型シート状部材全体の応力バランスを調整し、反りや変形を有効に防止することが可能である。上記表面層は両面の厚さは、実質的に同等であることが好ましい。例えば、「薄型シート状部材」の熱収縮率と表面処理層の熱収縮率が異なる場合において、「薄型シート状部材」は、表裏から同一の応力(引張り応力、圧縮応力)を受けるため、環境が変わっても、「超薄型シート状部材」は、反りや変形を有効に防止することが可能である。
また、本実施形態における回動部材103は、従来の駆動リング(樹脂成形された比較的厚肉の駆動リング)とは全く異なるものである。ここで、例えば、従来の駆動リングと厚さ寸法だけで比較すると、従来の駆動リングは薄いタイプのもので約0.5mm程度であったのに対し、本実施形態の駆動リング103の厚さは、例えば、約0.3mm以下であるのが好ましく、約0.2mm以下であるのがより好ましく、約0.1mm以下の厚さとするのがより好ましい。なお、本発明では、従来の駆動リングを用いてもよい。
ただし、このような薄型シート状部材を回動部材103に用いると、回動部材103の薄型化だけでなく、回動部材103の軽量化にも寄与し、更なる高速回転を実現することができる。なお、極薄の薄型シート状部材は、1層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。さらに、回動部材103としては、遮光性を有さないような透明なものであってもよく、その場合、回動部材103を透過した光が反射する位置に、反射防止のための構造や塗装面を有することが好ましい。
例えば、多層構造の場合、樹脂フィルム等の樹脂シートを基材としてもよいし、金属箔や薄型の金属板等の金属シートを基材として用いてもよい。樹脂シートを用いる場合には、軽量化において非常に有効である。一方、金属シートを用いる場合には、回転時における姿勢安定性を高めることができる。
なお、金属シートを用いる場合には、ジェラルミン等の超軽量金属を用いることが高速回転を図る上で非常に有効である。また、樹脂シートや金属シートを用いる場合には、これらを単独でそのまま回動部材103に適用して1層構造としてもよいが、羽根やその他の部材との摺動性や作動負荷、摩擦、高速応答性、静音性などの物理的な干渉を考慮すると、各種機能性を持たせるための表面処理(表面塗装などを含む処理)で表面層を形成するのが好ましい。
特に、回動部材103は、回転駆動する関係上、全体を通じて平坦であるのが好ましいが、羽根との係合部を設ける必要がある。このため、羽根との係合部は、例えば、空気抵抗や十分な係合など様々な要素を考慮し、最低限の構成で実現することが好ましい。なお、羽根を形成する素材と同じ素材を用いて回動部材103を形成してもよい。この場合には、羽根と回動部材103とは同等の厚さとなる。好ましくは、羽根の材料と回動部材103の材料とを同一のものを用いて、羽根の加工と回動部材103との加工を同様に行うことで、生産性を向上できる。但し、羽根を駆動させるための剛性を考慮して、わずかに回動部材103の方が羽根よりも厚くなるようにしてもよい。この場合、材料としては羽根と同一であって、厚さのみが異なる材料を選択すればよい。
そして、本実施形態では、上述したような回動部材103は、複数の絞り羽根105を用いた光通過経路の絞り調整が所定位置で行えるように、その絞り調整(絞り動作)に必要な回転駆動以外の不必要なスライド移動、すなわち、ベース部材102上での面方向(ラジアル方向)の移動を制限している。このラジアル規制では、例えば、ベース部材102に凹部を設け、その凹部内に回動部材103を回動可能に埋設して回動部材103の端部を凹部の壁で受ける構造とすると、ベース部材102の構造が複雑化し、更なる薄型化にも不利となる。そこで、本実施形態では、例えば、回動部材103を薄型シート状部材で構成し、ベース部材102が有する羽根係合用の複数の係合ピン102aを使って回動部材103の端部を受けてラジアル規制を行うようにした。これにより、薄型シート状部材で回動部材103の厚みを薄くすれば、上述したベース部材102の薄型化だけでなく、その分だけ装置の薄型化に有利となる。
すなわち、複数の係合ピン102aには回動部材103がベース部材102の一方面上で回動する過程で摺接、本実施形態では回動部材103の内係合穴103bが摺接し、ベース部材102に対する回動部材103の回動位置が実質的に規定されている。ここでいう回動部材103の回動位置とは、回動部材103がベース部材102の開口部102gに沿って環状に回動する位置のことである。すなわち、回動部材103は、ベース部材の開口部102に対する回動位置が複数の係合ピン102aに対する摺接によって規定されている。
このように、本実施形態では、絞り羽根105が係合する複数の係合ピン102aを回動部材103の回動位置の基準としたことにより、ベース部材102の構造を簡略化でき、更なる薄型化を図ることができる。また、回動部材103の回動位置は、光軸中心100を中心に回動する位置に設定いてもよい。また、カバー部材106の開口部106gに沿って環状に回動する位置で設定してもよい。
なお、本実施形態では、ベース部材102と複数の係合ピン102aとを同一の樹脂材料で構成した場合に、長期に亘って各係合ピン102aでラジアル規制できるように回動部材103を構成する薄型シート部材の材料又は構造を適宜調整するのが好ましいが、例えば、ベース部材102と異なる材料で高強度な複数の係合ピン102aをベース部材102に別途取り付ける構成とすれば、回動部材103を構成する薄型シート部材の材料又は構造の選択肢を増やすこともできる。
さらに、本実施形態は、安定作動についても有効である。図7に示すように、従来構造は、係り量hのスペースを要していた。このスペースがあるため、絞り羽根105や、回動部材103は、作動中に上下方向に移動してしまい、作動にバラつきが発生していた。実施形態1は、係り量hのスペースを無くすことができるため、絞り羽根105や回動部材103の上下方向への移動が実質的に抑えられる。そのため、安定した作動が実現できる。
また、高速で回動部材103、絞り羽根105を駆動させた場合、回動部材103、絞り羽根105は撓む可能性がある。本実施形態であれば、従来構造の係り量hのようなスペースが少ないため、回動部材103、絞り羽根105は、ベース部材102、カバー106により光軸方向の移動が実質的に規制されるため、高速作動による撓み(変形)を抑えられる。そのため、高速作動において、安定した作動が実現できる。
さらに、従来構造では、回動部材のラジアル規制部位は、円滑な作動、耐久性の向上のため、摺動塗装することが多かった。本実施形態では、絞り羽根105と回動部材103との係合部位を実質的に共有することで、摺動塗装を必要最小限にでき、コストダウンが可能である。また、係合部位に潤滑性の優れた樹脂を使用すれば、摺動塗装を廃止することも容易になる。塗料を廃止することができるため、環境面について有効である。
以下、上述した実施形態1における回動部材103の回動位置を規制する構造の変形例について、実施形態2〜7を挙げて詳細に説明するが、基本的な作用効果については上述した実施形態1と同様であるため、重複する説明は省略する。
<実施形態2>
図8には、本発明の実施形態2である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。200は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。上述した実施形態1では、回動部材103の内係合穴103bは、ベース部材102の複数の係合ピン102aで形成される外接円と係合し、回動部材103をラジアル規制した構造を説明したが、本実施形態では、回動部材203の外係合部203bは、ベース部材202の複数の係合ピン202aで形成される内接円と係合し、回動部材203はラジアル規制するようにした。その他の構成は、基本的に実施形態1と同様である。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、200番台で示す。
203は回動部材である。回動部材203は、基部203aと係合部203bと係合部203iと開口部203gと駆動ピン203cと被駆動部203dと遮光部位203fを有する。
ここで、実施形態2の特徴である回動部材203のラジアル係合について説明する。図9は、回動部材203、絞り羽根205、カバー部材206を外した状態の正面図である。図10は、図9に回動部材203を組み込んだ正面図である。回動部材203は、係合部203bがベース部材202の複数の係合ピン202aと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材203は、係合部203bがベース部材202の複数の係合ピン202aに摺接することによって、ベース部材202に対する回動位置が規定される。本実施
形態では、回動部材203の内係合穴203bは、ベース部材の7つの係合ピン202aからなる内接円(202c)に係合しているが、係合ピン202aは、複数あれば何個でも良い。
図11は、絞り羽根205を組み込んだ正面図である。絞り羽根205は複数存在し、その絞り羽根に対し、ベース部材202には、同数の係合ピン202aが存在する。これらの絞り羽根205および係合ピン202aは、ベース部材202を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置する。回動部材203を回転させることで、絞り羽根205が開口部内を出入りし、図12のように、開口面積が変化する。
図12は、実施形態2の光量調節装置の断面図である。回動部材203の係合部203bは、複数の係合ピン202aにより形成される内接円202cに係合している。回動部材203と絞り羽根205は、ラジアル方向について、同じ係合ピン202aにより規制されている。すなわち、同一部位によりラジアル方向を規制することができる。そのため、装置の単純化、小型化が可能である。また、回動部材203と絞り羽根205は、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、実施形態1の従来技術として図7で説明した内容と同等である。本発明の効果についても、実施形態1と同等の効果を得ることが可能である。
本実施形態では、回動部材203の係合部203bを複数の係合ピン202aに内接させたが、係合部203iにベース部材の係合ピン202aを外接させても同様の効果が得られる。あるいは、係合部203b、203iを混合させ、複数の係合ピン202aに接するように組合せてもよい。
羽根駆動装置の開放径は、ベース部材の開口部202g、カバー部材の開口部206g、回動部材の開口部203g、複数の絞り羽根で形成する絞り開口形状、のどれで決めてもよい。回動部材203を樹脂フィルムで作成した場合、回動部材203は、薄く作ることができる。そのため、羽根駆動装置の開放径を、回動部材の開口部203aで、形成すると、装置の薄型化に有効である。
<実施形態3>
図14には、本発明の実施形態3である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。300は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等である。図に示す番号は、本実施形態では、各構成に300番台を付して説明する。
303は回動部材である。回動部材303は、基部303aと係合部303bと開口部303gと駆動ピン303cと被駆動部303dと遮光部位303fを有する。回動部材303は樹脂成形にて作成されたりする。
絞り羽根305の係合穴305cは、ベース部材302の係合ピン302aに係合する。また、絞り羽根305のカム溝305dは、回動部材303の駆動ピン303cに係合する。ピニオン304が回転し、回動部材303の被駆動部303dに力がかかり、回動部材303が回転する。回動部材303が回転すると、回動部材303の駆動ピン303cから絞り羽根305のカム溝305dに駆動力が与えられ、絞り羽根305は、係合ピン302aを軸に回転する。カム溝305dによって、絞り羽根305は、ベース部材202の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根305により、絞り形状を調整することが可能になる。
ここで、本実施形態の特徴である回動部材303のラジアル係合について説明する。図15は、回動部材303、絞り羽根305、カバー部材306を外した状態の正面図で
ある。図16は、図15に回動部材303を組み込んだ正面図である。回動部材303は、係合部303bがベース部材302の複数の係合ピン302aと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材303は、係合部303bがベース部材302の複数の係合ピン302aに摺接することによって、位置が規定される。回動部材303の係合部303bは、ベース部材302の複数の係合ピン302aと係合する。本実施形態では、回動部材303の係合部303bは、ベース部材の7つの係合ピン302aからなる外接円(302c)に係合しているが、係合ピン302aは、複数あれば何個でも良い。
図17は、絞り羽根305を組み込んだ正面図である。絞り羽根305は複数存在し、その絞り羽根に対し、ベース部材302には、同数の係合ピン302aが存在する。これらの絞り羽根305および係合ピン302aは、ベース部材302を貫通して設けた開口部302gの周囲において環状配置する。回動部材303を回転させることで、絞り羽根305が開口内を出入りし、図18のように、開口面積が変化する。
図19は、実施形態3の光量調節装置の断面図である。回動部材303の係合部303bは、複数の係合ピン302aにより形成される外接円302cに係合している。回動部材303と絞り羽根305は、ラジアル方向について、同じ係合ピン302aにより規制されている。すなわち、同一部位によりラジアル方向を規制することができる。そのため、装置の単純化、小型化が可能である。また、回動部材303と絞り羽根305は、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、実施形態1の従来技術として図7で説明した内容と同等である。本発明の効果についても、実施形態1と同等の効果を得ることが可能である。
本実施形態では、回動部材303の係合部303bを複数の係合ピン302aに内接させたが、係合部303iにベース部材の係合ピン202aを外接させても同様の効果が得られる。あるいは、係合部303b、303iを混合させ、複数の係合ピン302aに接するように組合せてもよい。
羽根駆動装置の開放径は、ベース部材302の開口部302g、カバー部材の開口部306g、回動部材の開口部303g、複数の絞り羽根で形成する絞り開口形状、のどれで決めてもよい。回動部材303を樹脂フィルムで作成した場合、回動部材303は、薄く作ることができる。そのため、羽根駆動装置の開放径を、回動部材の開口部303aで、形成すると、装置の薄型化に有効である。
<実施形態4>
図20には、本発明の実施形態4である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。400は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等である。なお、本実施形態では、各構成に400番台を付して説明する。
403は回動部材である。回動部材403は、基部403aと係合部403bと駆動ピン403cと被駆動部403dを有する。
絞り羽根405の係合穴405cは、ベース部材402の係合ピン402aに係合する。また、絞り羽根405のカム溝405dは、回動部材403の駆動ピン403cに係合する。ピニオン404が回転し、回動部材403の被駆動部403dに力がかかり、回動部材403が回転する。回動部材403が回転すると、回動部材403の駆動ピン403cから絞り羽根405のカム溝405dに駆動力が与えられ、絞り羽根405は、係合ピン402aを軸に回転する。カム溝405dによって、絞り羽根405は、ベース部材402の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根405により、絞り形状を調整することが可能になる。
ここで、実施形態4の特徴である回動部材のラジアル係合について説明する。図21は、回動部材403、絞り羽根405、カバー部材406を外した状態の正面図である。図22は、図21に回動部材403を組み込んだ正面図である。回動部材403は、係合部403bがベース部材402の複数の係合ピン402aと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材403は、係合部403bがベース部材402の複数の係合ピン402aに摺接することによって、位置が規定される。回動部材403の係合部403bは、ベース部材402の複数の係合ピン402aと係合する。本実施形態では、回動部材403の係合部403bは、ベース部材の7つの係合ピン402aからなる内接円(402c)に係合しているが、係合ピン402aは、複数あれば何個でも良い。
図23は、絞り羽根405を組み込んだ正面図である。絞り羽根405は複数存在し、その絞り羽根に対し、ベース部材402には、同数の係合ピン402aが存在する。これらの絞り羽根405および係合ピン402aは、ベース部材402を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置する。回動部材403を回転させることで、絞り羽根405が開口部内を出入りし、図24のように、開口面積が変化する。
図25は、実施形態4の光量調節装置の断面図である。回動部材403の係合部403bは、複数の係合ピン402aにより形成される内接円402cに係合している。回動部材403と絞り羽根405は、ラジアル方向について、同じ係合ピン402aにより規制されている。すなわち、同一部位によりラジアル方向を規制することができる。そのため、装置の単純化、小型化が可能である。また、回動部材403と絞り羽根405は、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、実施形態1の従来技術として図7で説明した内容と同等である。本発明の効果についても、実施形態1と同等の効果を得ることが可能である。
<実施形態5>
図26には、本発明の実施形態5である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。500は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等である。なお、本実施形態では、各構成に500番台を付して説明する。
503は回動部材である。回動部材503は、基部503aと係合部503bとカム溝503cと被駆動部503dを有する。
505は、絞り羽根である。絞り羽根505には、係合ピン505cと被駆動部である駆動ピン505dが形成される。絞り羽根505は、例えば、PETシート材等をプレス加工したものに、係合ピンおよび駆動ピンを接着、溶着、インサート成形、アウトサート成形したりして、作成されたりする。また、樹脂成形等で作成してもよい。実施形態5は、7枚の絞り羽根で構成しているが、絞り羽根の枚数は、2枚以上であれば何枚の構成でもよい。
絞り羽根505の係合ピン505cは、ベース部材502の係合穴502aに係合する。また、絞り羽根505の駆動ピン505dは、回動部材503のカム溝503cに係合する。ピニオン504が回転し、回動部材503の被駆動部503dに力がかかり、回動部材503が回転する。回動部材503が回転すると、回動部材503のカム溝503cから絞り羽根505の駆動ピン505dに駆動力が与えられ、絞り羽根505は、係合ピン505cを軸に回転する。カム溝503cによって、絞り羽根505は、ベース部材502の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根505により、絞り形状を調整することが可能になる。
ここで、本実施形態の特徴である回動部材のラジアル係合について説明する。図27は、回動部材503、絞り羽根505、カバー部材506を外した状態の正面図である。図28は、図27に回動部材503を組み込んだ正面図である。回動部材503の係合部503bは、投影すると、ベース部材502の複数の係合穴502aと接する。
図29は、絞り羽根505である。係合ピン505c、駆動ピン505dを有する。図30は、絞り羽根505を組み込んだ正面図である。絞り羽根505は複数存在し、その絞り羽根に対し、ベース部材502には、同数の係合穴502aが存在する。これらの絞り羽根505およびベース部材502の係合穴502aは、ベース部材502を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置する。このとき、回動部材503のラジアル係合部503bは、複数の絞り羽根505の係合ピン505cと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材503は、複数の絞り羽根505の係合ピン505cに摺接することによって、位置が規定される。回動部材503は、複数の絞り羽根505の係合ピン505cによって、回転可能に支持される。
本実施形態では、回動部材503の係合部503bは、絞り羽根505の7つの係合ピン505cからなる内接円(505e)に係合しているが、係合ピン505aは、複数あれば何個でも良い。回動部材503を回転させることで、絞り羽根505が開口部内を出入りし、図31のように、開口面積が変化する。
図32は、実施形態5の光量調節装置の断面図である。回動部材503の係合部503bは、複数の係合ピン505cにより形成される内接円505eに係合している。回動部材503と絞り羽根505は、ラジアル方向について、同じ係合ピン505cにより規制されている。すなわち、同一部位によりラジアル方向を規制することができる。そのため、装置の単純化、小型化が可能である。また、回動部材503と絞り羽根505は、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、実施形態1の従来技術として図7で説明した内容と同等である。本発明の効果についても、実施形態1と同等の効果を得ることが可能である。
また、実施形態5では、係合ピン505cに内接する回動部材503の係合部503bで説明したが、係合ピン505cに外接する回動部材の係合部を用いても同様の効果が得られる。
羽根駆動装置の開放径は、ベース部材502の開口部502g、カバー部材503の開口部506g、回動部材503の開口部503g、複数の絞り羽根で形成する絞り開口形状、のどれで決めてもよい。回動部材503を樹脂フィルムで作成した場合、回動部材503は、薄く作ることができる。そのため、羽根駆動装置の開放径を、回動部材で形成すると、装置の薄型化に有効である。
<実施形態6>
図33には、本発明の実施形態6である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。600は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等である。なお、本実施形態では、各構成に600番台を付して説明する。
603は回動部材である。回動部材603は、係合部603bと被駆動部603dを有する。
605は、絞り羽根である。絞り羽根605には、係合ピン605cと被駆動部である駆動ピン605dが形成される。絞り羽根605は、例えば、PETシート材等をプレス加工したものに、係合ピンおよび駆動ピンを接着、溶着、インサート成形、アウトサート成形したりして、作成されたりする。また、樹脂成形等で作成してもよい。本実施形態は、7枚の絞り羽根で構成しているが、絞り羽根の枚数は、2枚以上であれば何枚の構成でもよい。
絞り羽根605の係合ピン605cは、回動部材の係合穴603aに係合する。さらに、絞り羽根605の係合ピン605cは、ベース部材602の係合部602bあるいは602c、もしくは係合部602bと602cの両方に係合する。また、絞り羽根605の駆動ピン605dは、カバー部材606のカム溝606aに係合する。ピニオン604が回転し、回動部材603の被駆動部603dに力がかかり、回動部材603が回転する。回動部材603が回転すると、回動部材603の係合穴603aから絞り羽根605の係合ピン605cに駆動力が与えられる。係合ピン605は、ベース部材602の係合部602b、あるいは、602cに係合しているため、回動部材603と複数の絞り羽根605は、ベース部材の開口部の周囲を回転駆動する。また、絞り羽根605は、カム溝606aによって、ベース部材602の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根605により、絞り形状を調整することが可能になる。
ここで、本実施形態の特徴である回動部材のラジアル係合について説明する。図34は、回動部材603、絞り羽根605、カバー部材606を外した状態の正面図である。図35は、図34に回動部材603を組み込んだ正面図である。回動部材603の係合部603bは、投影すると、ベース部材602の複数の係合部602bあるいは、複数の係合部602cの少なくとも一方に接する。
図36は、絞り羽根605である。係合ピン605c、駆動ピン605dを有する。図37は、絞り羽根605を1枚組み込んだ正面図である。図38は、絞り羽根605を7枚組み込んだ正面図である。図39は、図38にカバー606を組み込んだ正面図である。
絞り羽根605は複数存在し、その絞り羽根に対し、ベース部材602には、同数の係合部602b、あるいは係合部602cが存在する。これらの絞り羽根605およびベース部材602の係合穴602b、あるいは係合部602cは、ベース部材602を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置する。このとき、絞り羽根605の係合ピン605cは、回動部材603の係合穴603bに回転可能な状態で摺接する。さらに絞り羽根605の係合ピン605cは、ベース部材602の係合部602b、あるいは係合部602c、もしくは係合部602bと602cの両方、に係合する。係合部602bを完全に無くし、係合部602cを円形につないで、係合ピン605cと係合させてもよい。このとき、回動部材603は、ラジアル係合部603bが複数の絞り羽根605の係合ピン605cと回転可能な状態で摺接する。さらに、回動部材603は、複数の絞り羽根605の係合ピン605cに摺接することによって、位置が規定される。回動部材603は、複数の絞り羽根605の係合ピン605cによって、回転可能に支持される。
本実施形態では、回動部材603の係合穴603bは、絞り羽根605の7つの係合ピン605cで係合しているが、係合ピン605cは、複数あれば何個でもよい。また、ベース部材602の係合部602b、602cについても複数あれば何個でもよい。回動部材603を回転させることで、絞り羽根605が開口部内を出入りし、図40のように、開口面積が変化する。
図41は、本実施形態の光量調節装置の断面図である。絞り羽根605の係合ピン605cは、回動部材603の係合穴603bと係合する。さらに絞り羽根605の係合ピン605cは、ベース部材602の係合部602b、602cの少なくとも一方と係合する。回動部材603と絞り羽根605は、ラジアル方向について、同じ係合ピン605cにより規制されている。すなわち、同一部位によりラジアル方向を規制することができる。そのため、装置の単純化、小型化が可能である。また、回動部材603と絞り羽根605は、駆動空間を分離させる必要がないため、装置を薄型にすることが可能である。駆動空間の詳細については、実施形態1の従来技術として図7で説明した内容と同等である。本発明の効果についても、実施形態1と同等の効果を得ることが可能である。
本実施形態では、絞り羽根605の係合ピン605cは、ベース部材602の複数の係合部602b、複数の係合部602cに係合する。あるいは、絞り羽根605の係合ピン605cは、複数の係合部602bだけとの係合にしてもよい。あるいは、絞り羽根605の係合ピン605cは、複数の係合部602cだけとの係合にしてもよい。あるいは、絞り羽根605の係合ピン605cは、ベース部材602の開口部602gとの係合にしてもよい。
羽根駆動装置の開放径は、ベース部材602の開口部602g、カバー部材606の開口部606g、回動部材603の開口部603g、複数の絞り羽根で形成する絞り開口形状、のどれで決めてもよい。回動部材603を樹脂フィルムで作成した場合、回動部材603は、薄く作ることができる。そのため、羽根駆動装置の開放径を、回動部材で形成すると、装置の薄型化に有効である。
<実施形態7>
図42には、本発明の実施形態7である羽根駆動装置の分解斜視図を示す。700は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。実施形態7は、実施形態1に対して、絞り羽根と回動部材の位置関係を入れ替えた実施例である。絞り羽根705が、開口形成部材であるベース部材702と回動部材703の間に位置される。図43は、実施形態7の正面図である。実施形態1のように、カバー部材を取り受けてもよいが、カバー部材が無くとも、ベース部材702のフック部702d等を設け、回動部材703を保持することで、カバー部材を廃止することも可能である。そのため、実施形態7は、カバー部材を廃止することが可能であり、さらに薄型化が可能である。また、コストダウンにも効果的である。
また、実施形態2〜実施形態6についても、絞り羽根と回動部材の位置関係を入れ替えることで、同等の効果を得ることが可能である。
<実施形態8>
図45には、本発明の実施形態8である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を、図46にはこの絞り装置の平面図(カバー部材802側から見た図)を、図47にはこの絞り装置の底面図(ベース部材806側から見た図)を、図48にはこの絞り装置の部分断面図を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等であり、本実施形態では、各構成に800番台を付して説明する。
図45、図46、図47に示すように、本実施形態の絞り装置は、ベース部材806に対して各絞り羽根805に対応する複数のカム溝806aを設け、各絞り羽根805には各カム溝806aに係合する係合ピン805aと、回動部材803に設けられた係合部803bに係合する駆動ピン805bとを設け、駆動ピン805bは回動部材803を貫通し、回動部材803はカバー部材802と絞り羽根805の間に挟まれた状態で駆動ピン805bがカバー部材802の内径部802bと摺接し、また図48に示すカバー部材802に設けている突起802aが回転部材803と光軸方向で当接することで、回動部材と絞り羽根の位置が規定される。図には省略してあるがカバー部材にモータが固定されていて、モータによる駆動力を回動部材803が受けて、開口部の周りを回転することで絞り羽根805が開口部内を出入りして絞り口径を調整する。回動する絞り羽根805の駆動ピン805bと、固定されたカバー部材802の内径部802bとの間でも回動部材の位置を規定することができる。絞り羽根805の駆動ピン805aは回動部材803が外れないようにするために長くしておく必要があるが、絞り羽根805の駆動ピン805bをカバー部材802の内径部802bに摺接させることで回動部材803が絞り羽根の駆動ピン805bから外れ難くなるので安定駆動が可能になり、また駆動ピン805bの長さを最低限に抑えることが出来るのでユニットの薄型化に効果がある。
実施形態8である光量調節装置は、羽根の駆動ピン805bとベース部材802の内径部802bを嵌合させることで、回転部材とカバー部材で形成される羽根走行スペースを大きくする必要が無くなり、姿勢差による特性変化を抑えることが可能である。
<実施形態9>
図49には、本発明の実施形態9である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を、図50にはこの絞り装置の平面図(カバー部材902側から見た図)を、図51にはこの絞り装置の透視図(平面視で絞り羽根905、回転部材903を見た図)を、図52にはこの絞り装置の部分断面図を示す。構成部品は、基本的に実施形態1と同等であり、本実施形態では、各構成に900番台を付して説明する。
図49に示すように、本実施形態の絞り装置は、ベース部材906に対して各絞り羽根905に対応する複数のカム溝906aを設け、各絞り羽根905には各カム溝906aに係合する係合ピン905aと、回動部材903に設けられた係合部903bに係合する駆動ピン905bとを設け、駆動ピン905bは回動部材903を貫通し、回動部材903はカバー部材902と絞り羽根905の間に挟まれた状態で、回動部材の外周903aとカバー部材902が有する突起902aが摺接し、また図52に示すカバー部材902が有する平面部902bが回動部材903と光軸方向で当接することで、回動部材と絞り羽根の位置が規定される。図には省略してあるがカバー部材にモータが固定されていて、モータによる駆動力を回動部材903が受けて、開口部の周りを回転することで絞り羽根905が開口部内を出入りして絞り口径を調整する。回動部材の外周903aとカバー部材の突起902aを摺接して位置規定をしている、駆動ピン905bの位置を容易に補正することができ、絞り特性の向上に対して効果がある。
図51、図52に示すように、本実施形態9の絞り装置は、ベース部材906に対して各羽根905に対応する複数のカム溝906aを設け、各羽根905には各カム溝906aに係合する駆動ピン905aと、回転部材903に設けられた軸受部903bに係合する駆動ピン905bとを設け、回転部材の外周903aと、カバー部材902が有する突起902aがラジアル嵌合する構成である。
尚、回転部材の外周903aと嵌合する部材はベース部材906でも構わない。
<実施形態Aのまとめ>
本実施形態の羽根駆動装置は、光が通過する開口部を形成する開口形成部材と、前記開口形成部材の一方面上で前記開口部の周囲を回動する回動部材と、前記回動部材に係合して前記開口部に出入りする複数の羽根と、を備え、前記複数の羽根と前記開口形成部材とを係合する複数の係合部を有し、前記複数の係合部には、前記回動部材が前記開口形成部材の一方面上で回動する過程で摺接し、前記開口形成部材に対する前記回動部材の回動位置は、前記複数の係合部によって規定されたことを特徴とする。
かかる実施形態によれば、羽根の係合部位を使って開口形成部材に対する回動部材の回動位置を規定することにより、光通過方向における装置の薄型化に有効となる。
また、本実施形態では、前記複数の係合部は、前記羽根の回転軸として前記開口形成部材の一方面上に立設され、前記回動部材に外接又貫通して前記羽根の係合孔に係合する係合ピンであることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、開口形成部材に立設された係合ピンを羽根の係合部位とし、その係合ピンを使って回動部材の回動位置を規定することにより、光通過方向における装置の薄型化に有効となる。
また、本実施形態では、前記複数の係合部は、前記羽根の回転軸として各羽根の端部に立設され、前記回動部材に外接又は貫通して前記開口形成部材が有する係合孔に係合する係合ピンであることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、羽根に立設された係合ピンを羽根の係合部位とし、その係合ピンを使って回動部材の回動位置を規定することにより、光通過方向における装置の薄型化に有効となる。
また、本実施形態では、前記回動部材は、前記開口部の開口周縁に沿って環状に配列された前記複数の係合部に摺接しながら前記開口部の周囲を回動するようにしたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、環状配列された複数の係合部に沿って回動部材を摺接させ、開口部の開口周縁に沿って回動部材の回動位置を規定することができる。
また、本実施形態では、前記複数の羽根は、前記回動部材及び前記開口形成部材の間に形成された羽根室内で走行するようにしたことを特徴とする。
かかる本発明の態様によれば、回動部材と開口形成部材との間で羽根室を形成し、その羽根室内で回動部材の回動に伴って複数の羽根を走行させることができる。
また、本実施形態では、前記回動部材は、前記開口形成部材上に配置され、前記複数の羽根は、前記回動部材のうち前記開口形成部材側とは反対の面側で走行するようにしたことを特徴とする。
かかる本発明の態様によれば、開口形成部材上において回動位置が規定された回動部材上で複数の羽根を走行させることができる。
また、本実施形態では、前記回動部材は、前記羽根の厚さと実質的に同等の厚みか、又は前記羽根よりも厚い薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本発明の態様によれば、回動部材を薄型シート状部材から形成することにより、複数の係合部が受ける負荷を小さくできる。
また、本実施形態では、前記開口形成部材及び前記複数の係合部は同一の樹脂材料で形成され、前記回動部材は樹脂製の薄型シート状部材で形成されたことを特徴とする。
かかる本発明の態様によれば、開口形成部材と複数の係合部とを同一の樹脂材料によって一体成型できる。
本実施形態の羽根駆動装置は、光が通過する開口部を形成する開口形成部材と、前記開口形成部材の一方面上で前記開口部の周囲を回動する回動部材と、前記回動部材に係合して前記開口部に出入りする複数の羽根と、を備え、前記複数の羽根と前記開口形成部材とを係合する複数の係合部を有し、前記回動部材は、前記羽根の厚さと実質的に同等又は前記羽根よりも厚い薄型シート状部材から形成され、前記開口部の周囲を回動する過程において、前記開口部の開口周縁に沿って環状に配列された前記複数の係合部に摺接し、前記開口形成部材に対する前記回動部材の回動位置は、前記複数の係合部によって規定されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、回動部材を薄型シート状部材から形成し、その回動部材を複数の係合部に摺接させて回動位置を規定したことにより、耐久性に優れ且つ薄型化に有利な羽根駆動装置を実現できる。
なお、本実施形態は、上記羽根駆動装置に限定されず、カメラ等の撮像装置における羽根駆動系に適用することが可能であり、撮像装置においても広く対象とするものである。
<実施形態B>
<実施形態1>
図53には、本発明の実施形態1である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。図54は、本発明の実施形態1である光量調節装置としての絞り装置の斜視図を示す。
図53に示す固定リング102は、中央に開口部が形成されている。固定リング102は、樹脂成形にて作成されたり、金属材の切削加工にて作成されたりする。固定リング102は、固定ピン102b、受け面102c、外周壁102aを有する。固定リング102には、駆動部101が取り付けられる。駆動部101は、例えば、ステッピングモータ、ガルバノモータなどを使用する。駆動部101の回転軸に、ピニオン105が取り付けられる。図55は、固定リング102に駆動部101、ピニオン105を取り付けた斜視図である。また、固定リング102には、保持シート部材103が取り付けられる。
図56に保持シート部材103の斜視図、側面図を示す。保持シート部材103は、基部103cと開口部103aとガイドピン103dと位置決め穴103bを有する。保持シート部材103は、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。プレス加工できる場合は、樹脂成形の形状精度に比べて、形状精度を高精度に形成することができるため、絞り精度の高精度が可能になる。
保持シート部材103は、固定リング102の固定ピン102bと保持シート部材103の位置決め穴103bを係合されることよって、位置決めされる。また、保持シート103は、固定リング102の受け面102cに保持シート103を当接させることで、保持シート103の光軸方向の位置は固定される。ここで、固定リング102は、保持シート103の外周を囲むように保持シート103を保持する。そのため、保持シート103の厚みを極端に薄くしても、保持シート103は形状を維持することが可能である。樹脂フィルムの厚みとしては、0.01mm〜0.30mmの材料の使用が可能である。そのため、基部103cを極力薄くすることで、絞り装置の薄型が実現できる。
図57は、駆動リング104の斜視図、側面図である。駆動リング104は、基部104bと内係合部104aと駆動ピン104cと被駆動部104dと遮光部位104eを有する。基部104bを一様な厚みとすることで、駆動リング回転時の空気抵抗の影響を受けにくくできるため、作動負荷を低減でき、高速応答性、静音性を向上させることができる。駆動リング104は樹脂成形にて作成されたりする。また、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。プレス加工できる場合は、樹脂成形の形状精度に比べて、形状精度を高精度に形成することができるため、絞り精度の高精度が可能になる。
樹脂フィルムの厚みとしては、0.01mm〜0.30mmの材料の使用が可能である。基部104bを極力薄くすることで、回転する際のイナーシャを小さくさせることができ、絞り装置を高速動作させることができる。
駆動リング104は、保持シート部材103およびカバー部材107、あるいは固定リング102、羽根部材によりスラスト方向、ラジアル方向とも最適に可動可能な支持をすることで、基部104bを薄くしても、駆動リング104の変形を最小減に抑える。
また、駆動リング104の基部104bは、片面あるいは両面に表面処理がなされている材料を用いると良い。表面処理としては、例えば、摺動塗装、帯電防止処理、反射防止処理などがある。摺動塗装することで、駆動リングと摺動する部品である保持シート部材104、あとに記載する絞り羽根106、カバー部材107との摩擦を低減することができ、省電力での作動が可能になる。また、反射防止処理をすることで、本光量調節装置内に進入した光の反射を抑え、レンズ鏡筒内に光量調節装置が組み込まれた際の、ゴースト、フレア等の発生を防止することができる。
駆動リング104の内係合部104aは、保持シート部材103の複数のガイドピン103dと係合する。駆動リング104と保持シート部材103は、駆動リング104が外側、保持シート部材103が内側の関係で、係合させる。この関係にすることで、駆動リング104の内係合部104aは、保持シート部材103の複数のガイドピン103dにより支持されるため、駆動リング104は周方向の変形を抑えることができる。そのため、駆動リング104の基部104bを薄くても変形することなく動作することが可能である。
駆動リング104と保持シート部材103のラジアル方向の係合長を駆動リング104の基部104cの厚み(0.01mm〜0.3mm)まで少なくすることができるため、摩擦抵抗を少なくすることができ、滑らかな作動、低電力での作動を実現できる。
また、駆動リング104には、被駆動部104dであるギア部がある。被駆動部104eは、ピニオン105と噛み合っている。駆動部101で発生した回転力をピニオン105から被駆動部104dに伝え、駆動リング104が回転する。駆動リング104のギア部104dとピニオン105のギアのかみあいでは、ギア部104dの厚みが薄く、ギアのかみ合い面積が小さいため、ギア同士のかみ合い音が小さい。また、ピニオン105と駆動リング104の質量差が大きいため、ピニオン105がギア部104dにバックラッシがあっても、ギアのかみ合い音、反転音等が小さくなる。
また、104eは遮光部である。フォトインタラプタ108のスリット内を出入りすることで、センサの役割を果たす。光量調節装置の初期位置等の位置検出に使用する。
106は、絞り羽根である。絞り羽根106には、被駆動部である係合穴106cとカム溝106dが形成される。絞り羽根106は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成されたりする。図58は、7枚の絞り羽根の斜視図を示す。
図59は、カバー部材107の斜視図、側面図を示す。カバー部材107は、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。プレス加工できる場合は、樹脂成形の形状精度に比べて、形状精度を高精度に形成することができるため、絞り精度の高精度が可能になる。カバー部材107は、固定リング102に取り付けられ、保持シート部材103とカバー部材107で形成された空間の中を駆動リング104と絞り羽根106が駆動する。
絞り羽根106の係合穴106cは、駆動リング104の駆動ピン104cに係合する。ピニオン105が回転し、駆動リング104の被駆動部104dに力がかかり、駆動リング104dが回転する。駆動リング104dが回転すると、駆動リング104dの駆動ピン104cから絞り羽根106の係合穴106cに駆動力が与えられ、絞り羽根106が駆動する。絞り羽根106のカム溝106dは、保持シート部材103のガイドピン103dに係合している。そのため、カム溝106dによって、絞り羽根106は、保持シート部材103の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根106により、絞り形状を調整することが可能になる。図60に、絞り羽根が開いた状態の図と絞り羽根を絞った状態の図を示す。
駆動リング104の基部104bは、均一厚みであり、無駄な凹凸や穴がないため、絞り羽根106が開閉作動中に駆動リング104とひっかかるような作動不良は防止できる。
図61は、実施形態1の光量調節装置の断面図である。駆動リング104は、保持シート部材103とカバー部材107で形成された空間内に回転可能に支持されている。ここで、駆動リング104、絞り羽根106の駆動範囲の外周は、固定リング102の外周壁102aに囲まれている。装置が外周壁102aに囲まれているため、装置に必要な強度を保つことが可能である。また、装置内部への異物の侵入を防止することが可能である。本実施形態1では、光通過開口の周辺部の厚みを従来技術である絞り装置に比べ、大幅に薄型化が可能である。光通過開口の周辺部の厚みは、保持シート部材103と駆動リング104と絞り羽根106とカバー部材107の総厚と、駆動リング104と絞り羽根106が駆動することに必要なスペースの総和である。本実施形態1では、保持シート部材103と駆動リング104と絞り羽根106とカバー部材107のすべてが、薄型シート状部材で形成されている。そのため、従来の技術の絞り装置に比べ、厚みを半分以下に薄くすることが可能である。
さらに実施形態1は、従来技術の絞り装置に比べ、重さを軽くすることができる。各部品の厚みが半分以下となっているため、重量について、従来技術と比較して、半分以下にすることが可能である。絞り装置に使用する材料重量が小さくなるため、材料コストを減らすことが可能である。
また、本実施形態1は、耐衝撃性について、従来技術に比べて、向上する。例えば、駆動リング104の重さは、従来技術の駆動リングの重さの半分以下である。絞りユニットに衝撃を与えたときの駆動リング104への衝撃力Fは、F=maで表される(m:重量、a:加速度)。本実施形態1の駆動リング104の重さは、従来技術の駆動リングの半分以下の重さであるため、衝撃を与えたときの衝撃力は半分以下となる。そのため、本実施形態1は、耐衝撃性において、従来技術の2倍以上の耐衝撃性がある。さらに、本実施形態1は、保持シート部材103、カバー部材107についても従来技術に比べ、重さが半分以下となっている。そのため、保持シート部材103、カバー部材107についても、従来技術の絞り装置に対して、2倍以上の耐衝撃性を有する。さらに、本実施形態1で保持シート部材103、駆動リング104、カバー部材107で使用する薄型シート状部材は、弾力性がある部材であるため、衝撃力を吸収する意味でも、従来技術に比べて優れている。
本実施形態1の絞り装置であれば、これまで絞り装置が搭載されることが稀であった厳しい耐衝撃性が求められるウエアラブルカメラ(体に見つけるカメラ)、アクションカメラ等に搭載することが可能になる。
ここで、本実施形態の保持シート部材103、駆動リング104、カバー部材107について更に詳細に説明する。本実施形態における保持シート部材103、駆動リング104は、絞り羽根105と係合する構造を持つ超薄型シート状部材から形成されている。
この「超薄型シート状部材」としては、例えば、保持シート部材103を保持する固定リング102の光軸方向の厚みよりも薄いシート、あるいは羽根の厚みと比べた場合には羽根の厚みよりも僅かに厚いシートか、羽根の厚さと実質的に同等又はそれ以下の厚さを有するシートを用いることが、絞り装置の光軸方向における薄型化を図る上で有効である。
なお、本実施形態の「超薄型シート状部材」は、例えば、外部からの物理的な応力を僅かに加えただけで、単独で比較的簡単に撓み変形する程度の厚さ(薄さ)であって、非常に薄肉なシート状部材であることが薄型化あるいは軽量化の観点で好ましい。また、「超薄型シート状部材」は、単独で板バネのような変形に対する反発力のあるばね特性を有するのがよい。これにより、駆動リング104の場合、回転駆動前、または回転駆動時において形状安定性を十分に確保できる他、安定した平坦な回動姿勢を確保できる。したがって、本実施形態における駆動リング104は、ばね特性を持つ超薄型シート状部材から形成されるのがよい。
また、本実施形態の「超薄型シート状部材」は、例えば、樹脂製あるいは金属製のシート基材の少なくとも片面に表面層として、摺動塗装等で摺動性改善層を設けてもよいし、帯電防止のための帯電防止層を設けてもよいし、反射防止のための反射防止層を設けてもよいし、あるいは、これら各種の表面層をシート基材の両面に設けたシート状部材を用いるのがよい。これにより、摺動性改善層を設けた場合には、羽根や他の部材との間の摺動性等を高めることができる。また、帯電防止層を設けた場合には、帯電による羽根と駆動リング104の張り付きを防止することができる。また、反射防止層を設けた場合には、本光量調節装置内に侵入した光の反射を抑え、レンズ鏡筒内に光調節装置が組み込まれた際の、ゴーストフレア等の発生を防止することができる。なお、この摺動性改善層等の表面層は、シート基材の外周端面(内径端面または外径端面、あるいは両方)に設けることで、シート基材の剛性を高めることができる他、保持基板との摺動性も十分に高めることができる。このような表面層は、例えば、摺動性の良い材料を塗装や各種成膜技術によって形成された薄膜などがある。また、シート基材の内部応力を考慮し、引張り応力または圧縮応力などの膜を使って、超薄型シート状部材全体の応力バランスを調整し、反りや変形を有効に防止することが可能である。上記表面層は両面の厚さは、実質的に同等であることが好ましい。例えば、「超薄型シート状部材」の熱収縮率と表面処理層の熱収縮率が異なる場合において、「超薄型シート状部材」は、表裏から同一の応力(引張り応力、圧縮応力)を受けるため、環境が変わっても、「超薄型シート状部材」は、反りや変形を有効に防止することが可能である。
また、本実施形態における駆動リング104は、従来の駆動リング(樹脂成形された比較的厚肉の駆動リング)とは全く異なるものである。ここで、例えば、従来の駆動リングと厚さ寸法だけで比較すると、従来の駆動リングは薄いタイプのもので約0.5mm程度であったのに対し、本実施形態の駆動リング103の厚さは、例えば、約0.3mm以下であるのが好ましく、約0.2mm以下であるのがより好ましく、約0.1mm以下の厚さとするのがより好ましい。
このような超薄型シート状部材を駆動リング104に用いると、駆動リング104の薄型化だけでなく、駆動リング104の軽量化にも寄与し、更なる高速回転を実現することができる。なお、超薄型シート状部材は、1層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
例えば、多層構造の場合、樹脂フィルム等の樹脂シートを基材としてもよいし、金属箔や薄型の金属板等の金属シートを基材として用いてもよい。樹脂シートを用いる場合には、軽量化において非常に有効である。一方、金属シートを用いる場合には、回転時における姿勢安定性を高めることができる。
なお、金属シートを用いる場合には、ジェラルミン等の超軽量金属を用いることが高速回転を図る上で非常に有効である。また、樹脂シートや金属シートを用いる場合には、これらを単独でそのまま駆動リング103に適用して1層構造としてもよいが、羽根やその他の部材との摺動性や作動負荷、摩擦、高速応答性、静音性などの物理的な干渉を考慮すると、各種機能性を持たせるための表面処理(表面塗装などを含む処理)で表面層を形成するのが好ましい。
特に、駆動リング104は、回転駆動する関係上、全体を通じて平坦であるのが好ましいが、羽根との係合部を設ける必要がある。このため、羽根との係合部は、例えば、空気抵抗や十分な係合など様々な要素を考慮し、最低限の構成で実現することが好ましい。なお、羽根を形成する素材と同じ素材を用いて駆動リング104を形成してもよい。この場合には、羽根と駆動リング104とは同等の厚さとなる。
また、本実施形態における固定リング102と保持シート部材103の組合せは、従来の保持基板(樹脂成形された比較的厚肉のリング)とは全く異なるものである。ここで、例えば、従来の保持基板と厚さ寸法だけで比較すると、従来の保持基板は薄いタイプのもので約0.5mm程度であったのに対し、本実施形態の保持シート部材103の厚さは、例えば、約0.3mm以下であるのが好ましく、約0.2mm以下であるのがより好ましく、約0.1mm以下の厚さとするのがより好ましい。
保持シート部材103は、固定リング102によって固定される。固定リング102は、開口を有する環状の部材であり、その開口内に保持シート部材103を固定する。保持シート部材103は外周を固定リング102で固定されているため、厚みが薄くても形状を維持することが可能となる。
このような超薄型シート状部材を保持シート部材103に用いると、保持基板の薄型化だけでなく、保持シート部材103の軽量化にも寄与する。なお、超薄型シート状部材は、1層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
例えば、多層構造の場合、樹脂フィルム等の樹脂シートを基材としてもよいし、金属箔や薄型の金属板等の金属シートを基材として用いてもよい。樹脂シートを用いる場合には、軽量化において非常に有効である。
なお、金属シートを用いる場合には、ジェラルミン等の超軽量金属を用いることが軽量化を図る上で非常に有効である。また、樹脂シートや金属シートを用いる場合には、これらをそのまま保持シート部材103に適用して1層構造としてもよいが、羽根やその他の部材との摺動性や作動負荷、摩擦、静音性などの物理的な干渉を考慮すると、各種機能性を持たせるための表面処理(表面塗装などを含む処理)で表面層を形成するのが好ましい。
特に、保持シート部材103は、駆動リング104が回転駆動する関係上、全体を通じて平坦であるのが好ましいが、羽根との係合部を設ける必要がある。このため、羽根との係合部は、例えば、十分な係合など様々な要素を考慮し、最低限の構成で実現することが好ましい。なお、羽根を形成する素材と同じ素材を用いて保持シート部材103を形成してもよい。この場合には、羽根と駆動リング104とは同等の厚さとなる。
また、本実施形態におけるカバー部材107についても、超薄型シート状部材を用いると良い。樹脂成形された比較的肉厚のカバー部材と厚さ寸法だけで比較すると、樹脂成形で作成された薄いタイプのもので約0.5mm程度であったのに対し、本実施形態のカバー部材107の厚さは、例えば、約0.3mm以下であるのが好ましく、約0.2mm以下であるのがより好ましく、約0.1mm以下の厚さとするのがより好ましい。
カバー部材107は、固定リング102に固定される。固定リング102は、開口を有する環状の部材であり、その開口を覆うようにカバー部材107を固定する。カバー部材107は外周を固定リング102に固定しているため、厚みが薄くても形状を維持することが可能となる。カバー部材107は、固定リング102に、接着されたり、両面テープで固定されたり、ビス締めされたり、溶着されたりして、固定する。
このような超薄型シート状部材をカバー部材107に用いると、カバー部材の薄型化だけでなく、カバー部材107の軽量化にも寄与する。なお、超薄型シート状部材は、1層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
駆動リング104について、保持シート部材103側の支持について説明する。図60に示すように、複数の絞り羽根106は、周方向に均一に配置されている。よって、駆動リング104は、複数の絞り羽根106によって、部分的に支持されるのではなく、全体的に均等に支持される。そのため、駆動リング104には、部分的に大きな力がかからず、全体的に力が分散されるため、駆動リング104が薄くても、変形することなく、安定した駆動を実現させることができる。ここで、駆動リング104と保持シート部材103の摩擦抵抗を減らすために、駆動リング104と保持シート部材103の摺動面にエンボス形状を形成してもよい。エンボス形状は、駆動リング104に形成しても、保持シート部材103に形成しても、どちらでもよい。
駆動リング104について、絞り羽根側の支持について説明する。図60に示すように、複数の絞り羽根106は、周方向に均一に配置されている。よって、駆動リング104は、複数の絞り羽根106によって、部分的に支持されるのではなく、全体的に均等に支持される。そのため、駆動リング104には、部分的に大きな力がかからず、全体的に力が分散されるため、駆動リング104が薄くても、変形することなく、安定した駆動を実現させることができる。ここで、駆動リング104と絞り羽根106の摩擦抵抗を減らすために、駆動リング104と絞り羽根106の摺動面にエンボス形状を形成してもよい。エンボス形状は、駆動リング104に形成しても、絞り羽根106に形成しても、どちらでもよい。
図62は、駆動リング104の駆動ピン104cの周辺の断面図および斜視図である。図63は、基部104bの断面図および斜視図である。図64は、駆動ピン104cおよび摺動部位104gの斜視図である。
駆動ピン104cと摺動部位104gは、基部104bにアウトサート成形にて形成されたり、接着、熱カシメ等で形成されたりする。駆動ピン104cは、樹脂でも金属でもよい。駆動ピン104cと摺動部位104gは基部104bに対して、表裏の位置関係にある。また、駆動ピン104cと摺動部位104gは、基部104bに予め空けられた穴104iを通して繋がっている。駆動ピン104cと摺動部位104gで、基部104bを挟み込むことで、駆動ピン104cと基部104bの取り付け強度が強くなる。基部104bが0.01mm〜0.3mmと薄くても、強い取り付け強度を保つことができる。
穴104iは、丸穴でもよいが、多角形、楕円、半円 等の形状にすることで、駆動ピン104cの回転を防止することも可能である。
駆動リング104は、絞り羽根106と係合している駆動ピン104c部に負荷がかかる。とくに、小絞り状態では、絞り羽根同士が編みあがるため、絞り羽根106の支持部となる可動ピン104cに大きな負荷がかかる。そのため、駆動リング104は、保持シート部材103の方向に変形しようとする。しかし、駆動リング104であれば、可動ピン104の基部104bを挟んで反対面に、摺動部104gがある。そのため、絞り羽根の編みあがりによる負荷は、可動ピン104cから摺動部104gに直接伝わる。そのため、基部102bは絞り羽根106の編みあがりによる負荷の影響をほとんど受けない。よって、基部102bに薄く強度の弱い材料を使用することが可能である。
駆動リング104と保持シート部材103は、駆動リング104の摺動部104gが保持シート部材103と摺動する。
図64は、駆動リング104の駆動ピン104c周辺の断面図および斜視図の第二の例である。図62とは異なり、駆動ピン104cの中心軸と摺動部104gの中心軸を意図的にズラしている。摺動部104gは保持シート部材103と摺動すると、摺動部104gと駆動ピン104cは一体であるため、摺動部104gと駆動ピン104cの中心軸が一致していると、駆動ピン104cは傾きやすい。摺動部104gと駆動ピン104cの中心軸をズラすことで、駆動ピン104cのブレを抑えることができ、より高精度な制御が可能になる。
図67は、駆動リング104の駆動ピン104c周辺の断面図および斜視図の第三の例である。図68は、基部104bの断面図および斜視図である。図68は、駆動ピン104cおよび固定部104jの斜視図である。駆動ピン104cと固定部104jは、基部104bにアウトサート成形にて形成する。
駆動ピン104cと固定部104jは基部104bに対して、表裏の位置関係にある。また、駆動ピン104cと固定部104jは、基部104bに予め空けられた穴104i1を通して繋がっている。駆動ピン104cと固定部104jで、基部104bを挟み込むことで、駆動ピン104cと基部104bの取り付け強度が強くなる。基部104bが0.01mm〜0.3mmと薄くても、強い取り付け強度を保つことができる。
基部104bには、穴104i1に加え、凹部104i2を形成する。この形状は、樹脂フィルム(PETシート材等)に穴104i1を空け、その後、樹脂フィルムに凹部をつけることで形成する。先に穴を空けることで、樹脂の逃げ場をつくり、樹脂フィルムに凹形状を作ることができる。このとき、穴104i1もしくは、凹部104i2の形状は、丸穴でもよいが、多角形、楕円、半円等の形状にすることで、駆動ピン104cの回転を防止することが可能である。104jは、アウトサート成形時の基部104bの押さえ時に形成される形である。
駆動ピン104cの固定部104jは、凹部104i2の中に成形することが可能である。そのため、駆動リング104は、駆動ピン104cと基部104bを挟んで反対面に、凸形状なく、駆動ピン104cを埋設することができる。また、この手法であれば、基部104bの厚みに関わらず、駆動ピン104cを小径で作成することが可能になる。
駆動ピン104cを駆動リング104に取り付ける例を述べたが、上記の方法以外で取り付けてもよい。また、保持シート部材103にガイドピン103dを取り付ける方法についても、駆動リング104と同様の方法を使用するとよい。
また、本実施形態1の構成は、汎用性のある構成となっている。例えば、本絞りユニットを取り付けるレンズ鏡筒部材が変更になった場合、固定リング102の形状を変更、取り替えるだけで、別のレンズ鏡筒部材に取り付けることが可能である。固定リング102に設けられる102dは、レンズ鏡筒部材との取付形状である。固定リング102の形状を変更するだけで、本実施形態1の絞りユニットは、別のレンズ鏡筒部材に取り付けることが可能になる。すなわち、保持シート部材103、駆動リング104、ピニオンギア105、絞り羽根106、カバー部材107をそのまま流用することができる。
また、絞りユニットの最大口径を変更したい場合、最大口径を決める部品(保持シート部材103、絞り羽根106あるいはカバー部材107)の一つを変更するだけで、別のレンズ鏡筒部材の仕様に合わせることも可能である。すなわち、本実施形態1の構成であれば、部材の組合せを変更するだけ様々なレンズ鏡筒部材に適用することが可能である。
実施形態1では、駆動リングの駆動ピンが保持シート部材のガイドピンより外周側で絞り羽根の駆動穴に係合し回転し、保持シート部材のガイドピンが駆動リングの駆動ピンの内側で絞り羽根のカム溝に係合し、絞り開口形状を調整する構成で説明してきたが、駆動リングの駆動ピンが保持シート部材のガイドピンの内側で絞り羽根のカム溝に係合し回転し、保持シート部材のガイドピンが駆動リングの駆動ピンの外側で絞り羽根の係合穴に係合し、絞り開口形状を調整する構成にも応用可能である。
これらの構成であれば、小型で、耐衝撃性に優れ、高速応答性、省電力、低騒音、汎用性のある光量調節装置およびこれを搭載した小型の光学機器を提供できる。
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2について図面を参照しながら詳細に説明する。
図69に、本発明の実施形態2である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。
基本構成は、実施形態1と同様であり、符号は200番台を用いている。駆動部201、固定リング202、保持シート部材203、駆動リング204、ピニオンギア205、絞り羽根206、カバー部材207から構成される。駆動リング204は係合穴204cを有し、絞り羽根206は駆動ピン206cとカムピン206dを有し、カバー部材207はカム溝207dを有する。
駆動部201が回転することで、ピニオンギア205が回転し、ピニオンギア205が駆動リング204の被駆動部204dに力を与えられ、駆動リング204は光通過開口の周囲を回転する。駆動リング204の係合穴204cに絞り羽根206の駆動ピン206cが係合しているため、駆動リング204が光通過開口の周囲を回転すると同時に、複数の絞り羽根206も光通過開口の周囲を回転する。絞り羽根206のカムピン206dは、カバー部材207のカム溝207dに係合しているため、カム溝207dの形状に従って、絞り羽根206が光通過開口の内外を出入りする。
固定リング202と保持シート部材203の関係は、実施形態1と同じである。図70に本実施形態2の断面図を示す。保持シート部材203、駆動リング204、カバー部材207は、実施形態1と同様に超薄型シート状部材から形成される。本実施形態2においても、絞り装置の薄型化、軽量化が可能である。実施形態1と同様の効果を得られるため、耐衝撃性、静音性にも優れる。
さらに、実施形態2の駆動リング204は、絞り羽根206の駆動ピンが係合する係合穴204dを設けるだけでよいので、駆動リングの構造を簡略化できる。
絞り羽根206は、羽根部を超薄型シート状部材で作成し、駆動ピン206cとカムピン206dを樹脂材料にてアウトサート成形して作成してもよい。羽根部と駆動ピン206c、カムピン206dの取付方法については、実施形態1で記述した、保持シート部材とガイドピンの取付方法、駆動リングと駆動ピンの取付方法を使用してもよい。また、金属ピン、樹脂ピン等を圧入、接着、溶着して作成してもよい。また、絞り羽根206は、樹脂成形によって羽根部と駆動ピン206c、カムピン206dを一体成形してもよい。
これらの構成であれば、小型で、耐衝撃性に優れ、高速応答性、省電力、低騒音、汎用性のある光量調節装置およびこれを搭載した小型の光学機器を提供できる。
<実施形態3>
以下、本発明の実施形態3について図面を参照しながら詳細に説明する。
図71に、本発明の実施形態32である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。
基本構成は、実施形態1と同様であり、符号は300番台を用いている。駆動部301、固定リング302、保持シート部材303、駆動リング304、ピニオンギア305、絞り羽根306、カバー部材307から構成される。保持シート部材303は回転中心孔303cを有し、駆動リング304はカム溝304cを有し、絞り羽根306はガイドピン306cとカムピン306dを有する。
駆動部301が回転することで、ピニオンギア305が回転し、ピニオンギア305が駆動リング304の被駆動部304dに力を与えられ、駆動リング304は光通過開口の周囲を回転する。駆動リング304のカム溝304cに絞り羽根306のカムピン306dが係合しているため、カム溝304cの形状に従って、絞り羽根306が光通過開口の内外を出入りする。絞り羽根306のガイドピン306cは保持シート部材303の回転中心孔303cに係合しているため、絞り羽根306はガイドピン306cを中心に回転する。
固定リング302と保持シート部材303の関係は、実施形態1と同じである。図72に本実施形態3の断面図を示す。保持シート部材303、駆動リング304、カバー部材307は、実施形態1と同様に超薄型シート状部材から形成される。本実施形態3においても、絞り装置の薄型化、軽量化が可能である。実施形態1と同様の効果を得られるため、耐衝撃性、静音性にも優れる。
さらに、実施形態3の駆動リング3204は、絞り羽根306のカムピンが係合するカム溝304cを設けるだけでよいので、駆動リングの構造を簡略化できる。また、カム溝304cを設けることで、駆動リングのさらなる軽量化ができるため、高速作動に有効である。
絞り羽根306は、羽根部を超薄型シート状部材で作成し、ガイドピン306cとカムピン306dを樹脂材料にてアウトサート成形して作成してもよい。羽根部とガイドピン306c、カムピン306dの取付方法については、実施形態1で記述した、保持シート部材とガイドピンの取付方法、駆動リングと駆動ピンの取付方法を使用してもよい。また、金属ピン、樹脂ピン等を圧入、接着、溶着して作成してもよい。また、絞り羽根306は、樹脂成形によって羽根部とガイドピン306c、カムピン306dを一体成形してもよい。
これらの構成であれば、小型で、耐衝撃性に優れ、高速応答性、省電力、低騒音、汎用性のある光量調節装置およびこれを搭載した小型の光学機器を提供できる。
<実施形態4>
図109には、本発明の実施形態4である羽根駆動装置の分解斜視図を示し、図110および図111にはその動作説明図を示す。符号400は、羽根駆動装置の光軸中心を示す。実施形態4は、シャッター機能を有する実施形態である。基本構成は実施形態1と同じであり、対応する構成については400番台の符号をもって同じ末尾番号を付与している。
実施形態4では、実施形態1と絞り羽根406の組込み方が異なる。実施形態4は、絞り羽根406を環状に積層させる。実施形態1のように最後に組み込む羽根の先端を最初の羽根の下に入れ、編み込むような組み方はしない。実施形態4は、複数の絞り羽根406により、開口を完全に覆うことが可能である(図111)。このため、本羽根駆動装置は、シャッターユニットとしても、使用することが可能である。絞り羽根406を駆動させる駆動リング404がシート状部材であるため、薄型であり、且つ、高速なシャッターユニットとして使用することが可能である。
また、実施形態4は、保持シート部材103を省略し、ガイドピン103dを固定リング402に設けており、部品点数の削減や薄型化に寄与する。
<実施形態Bのまとめ>
本実施形態は、光通過経路に出入りする羽根と、前記羽根を駆動する駆動リングと、前記駆動リングを回転可能に保持する保持シート部材と、前記保持シート部材を固定し前記羽根と駆動リングの駆動範囲の外側を覆う固定リングと、を備え、前記駆動リングおよび保持シート部材は、超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする羽根駆動装置にある。
かかる本実施形態によれば、駆動リングおよび保持シート部材が超薄型シートから形成されるため、光通過方向における薄型化に有効となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングおよび保持シート部材は、ばね特性を有する前記超薄型シート状部材から形成されていることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングの非回動時(駆動待機時)または回動時において形状安定性を高めることができる他、回動時の姿勢安定性向上にも寄与する。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングおよび保持シート部材は、シート基材の少なくとも片面に摺動性改善層である表面層を有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと他の部材との間の摺動性を高めることができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングおよび保持シート部材は、シート基材の少なくとも片面に帯電防止層である表面層を有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと他の部材との間の帯電による駆動性能の低下を有効に防ぐことができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記表面層は、前記シート基材の両面に設けられ、それぞれが実質的に同等の厚さで設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングおよび保持シート部材の平坦性を十分に確保できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングおよび保持シート部材は、前記羽根の厚さと実質的に同等又はそれ以下の厚さを有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、羽根と同等またはそれ以下の極めて薄いシート状部材によって駆動リングと保持シート部材を形成することから、更なる薄型化に有効となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記保持シート部材に設けられた複数の支持部によって回動姿勢が保持されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングが保持基板の複数個所で安定的に支持されることから、実質的に平坦な状態の回動姿勢を実現できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記保持シート部材は、前記駆動リングの一方面側に配置される第1保持シート部材と、前記駆動リングの他方面側に配置される第2保持シート部材とを有し、前記第1保持シート部材と前記第2保持シート部材との間で画成される前記駆動リングの駆動空間は、前記固定リングによって規制することを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、対向する第1保持シート部材と第2保持シート部材との間で駆動リングが実質的に挟まれて支持されるため、駆動リングの回動が更に安定化する。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根のうち前記駆動リング側の面には、前記駆動リングに設けられた貫通穴に係合する係合突起部が設けられ、前記羽根のうち前記第1基板側の面には、前記第1基板に設けられたカム溝に係合するカム溝係合突起部が設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングに対して羽根と係合する係合突起部を設けるだけでよいので、駆動リングの構造を簡略化できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根のうち前記駆動リング側の面には、前記駆動リングに設けられたカム溝に係合するカム溝係合突起部と、前記第2基板に設けられた挿入部に挿入される回転中心軸とがそれぞれ突出して設けられたことを特徴とする。かかる本実施形態によれば、駆動リングにカム溝を設けることで、駆動リングの更なる軽量化を図ることができ、駆動リングの高速駆動に有利となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングのうち前記羽根側の面には、前記羽根の係合穴もしくは係合カム溝に係合する複数の係合突起部が別部材にて設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと羽根とが係合する部分として駆動リングに別部材から複数の係合突起部を設けることで、駆動リングにおける機能性(摺動性、帯電防止性、軽量性、ばね性等)と、係合部分における機能性(剛性等)とをそれぞれ最適化できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根は、前記保持部材を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置される複数枚の羽根群によって構成されることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、回動する駆動リングによって複数の羽根群を連動させて光通過経路を絞るための絞り装置を容易に薄型化できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングの外周部には、前記駆動リングの駆動力を伝達する駆動伝達部材が接続されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、超薄型シート状部材からなる駆動リングに対して比較的簡単な構成で確実な駆動伝達を実現できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動伝達部材は、駆動モータの回転軸に装着されるピニオンギアであり、前記駆動リングの厚さは、前記ピニオンギアの高さ寸法よりも薄いことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと駆動伝達部材(ピニオンギア)との確実な駆動接続を実現できる。
なお、本実施形態は、上記羽根駆動装置に限定されず、カメラ等の撮像装置における羽根駆動系に適用することが可能であり、撮像装置においても広く対象とするものである。
<実施形態C>
図73、図74は本実施形態における光量調節装置の分解斜視図を示している。
102は中央に開口部102aが形成されているベース部材である。ベース部材102には係合穴部102dが設けられており、駆動部101が取り付けられている。102bはレール、102eは保持形状である。駆動部101はステッピングモータやガルバノメータといったアクチュエータである。駆動部101には回転軸101aが設けられており、ピニオン104が軽圧入にて挿入され、駆動部101を通電させると回転軸101aとピニオン104は一体で回転する。ベース部材102には開口部102a周りに円周上に配置された複数の係合突起部102cが設けられており駆動リング103の係合穴103bと嵌合する。駆動リング103はギア部103dがあり、ピニオン104の歯と噛み合っている。駆動部101の駆動力がピニオン104を介して駆動リング103のギア部103dへ伝達され、駆動リング103は開口部102a中心周りに回転する。103fは遮光部である。
駆動リング103には係合穴部103bが円周上等角度間隔の位置に設けられており、羽根105の係合ピン105cと係合し回動可能な状態となっている。
図75においては羽根105と駆動リング103が係合している状態を切断図にて示している。駆動リング103は薄い板の羽根材を用い、羽根105は樹脂製の部品からなる。駆動リング103を射出成形機の型にセットし、インサート成形によって羽根105の型で射出成形を行う。成型時、樹脂は駆動リング103の係合穴103bを通り抜け駆動リング103の両面に回り込み充填され駆動リング103を挟み込むように成形され係合ピン105cと先端突起形状105dが形成される。先端突起形状105dが形成された後は羽根105と駆動リング103は一体化されるため羽根105が駆動リング103から外れることはない。羽根105の樹脂が充填されたあとは樹脂が持つ成形収縮によって係合部105cの径が細くなることから駆動リング103と羽根105には適度な嵌合ガタが設けられる。羽根105の平面部105eおよび先端突起形状105dのクリアランス105fは成形収縮によって拡がり、駆動リング103と羽根105にはガタが生まれる。従って、駆動リング103と羽根105には適切なガタ量によってモータ101からピニオン104を介して伝達される駆動力は、摺動摩擦などのトルク損失なく伝達させることができる。このとき、駆動リング103は樹脂製や金属製の材料でも良い。
図73、図74の106は駆動リング103と羽根105を覆うカバー部材を示していて、中央には開口部106aが設けられている。カバー部材106にはカム溝106bが円周上に均等な位置に設けられており、羽根105の係合ピン105dがカム溝106bに係合する。モータ101から発生した駆動力がピニオン104、駆動リング103に伝達され、複数の羽根105が駆動リング103の開口部103a周りに回動する。このときカバー106のカム溝部106bとも係合している羽根105は各々が係合ピン105c周りに回動しカム溝部106bの形状に沿って回動を行う。
図76は羽根105が駆動リング103とインサート成形されたあとに一体化された状態を示している。前述の係合穴103bと係合部105bは係合されている。成形された複数枚の羽根105は円周方向に略均一に形成されている。
図77はカバー106を組込むために羽根105を適正位置に回転させた組込みの状態を示している。このとき羽根105の隣合う羽根は反時計回り方向に係合部105d側に積層させる。積層の際、羽根105は先端突起形状105dによって固定されているため外れない。図78は前述で一体化された羽根105と駆動リング103をベース部材102とカバー106に組み込んだ状態を示している。
図79〜図81は羽根105の開口状態を示している。図79は羽根5の開放状態、図80は中間絞り状態、図81は小絞り状態を示している。カム溝部106bは略等間隔且つ同形状に複数設けられているため、回動する複数の羽根105の稜線105aによって囲まれた開口形状は略正多角形となっている。羽根105の稜線105aが作り出す開口面積はモータ101の回転角度に対して略均等に変化するようにカム溝106は形成されている。
図73の107にはフォトインタラプタが示されており、ベース部材102の保持形状102eとカバー106の保持形状106cによってフォトインタラプタ107が保持されている。モータ101の駆動によりピニオン104を介して回転した駆動リング103は、遮光部103fと一体で回転し、フォトインタラプタ107の光通過部に挿入され遮光される。フォトインタラプタ107を通じ不図示の電気回路によって絞り羽根105が完全に開放状態に位置しているか検知する。
<実施形態Cのまとめ>
本実施形態の光量調節装置は、光通過経路を有する保持基板と、前記保持基板に回転可能に係合された駆動リングと、光通過経路に出入りし前記保持基板と係合する羽根、によって構成された光量調節装置において、前記羽根は回動可能に駆動リングと係合する係合部が設けられ、係合部の先端には、羽根の平面部と対向し係合部よりも大きい先端突起形状が設けられ、駆動リングは羽根平面部と先端突起形状が挟み込むように配置され羽根と駆動リングが一体化された、ことを特徴とする。また、前記駆動リングは羽根材によって形成されていることを特徴とする。
かかる実施形態によれば、羽根に設けられた係合部を用いて羽根と駆動リングを挟み込むように先端突起形状を設けるため、羽根が駆動リングから抜けることがない。先端突起形状なしに羽根の係合部と駆動リングの係合量を多くする手段と比較すると本発明によると係合量を最小限にすることができ装置の薄型化をすることができる。抜けを防止するために別部材を設けることや羽根の回動のための係合部品を別途設ける必要がないため部品点数の削減が可能となる。係合部品が羽根と一体となっていることから羽根の係合部を駆動リングの係合部に係合させるための工数を削減することが可能となる。係合部品が羽根と一体となっているため係合部と駆動リングや係合部と保持基板の係合によるガタを最小限にすることが可能となり、光量調節装置として光量の調節精度を向上させることができる。
<実施形態D>
<実施形態1>
図82には、本発明の実施形態1である羽根駆動装置の一例である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。
図82において、102は、中央に開口部が形成されている保持基板102である。図83は、保持基板102の斜視図である。保持基板102は、後述する仕切り部材105を支持するレール102cと、後述する駆動リング103を支持するレール102bが備えられている。保持基板102は、樹脂成形にて作成されたりする。保持基板102には、駆動部101が取り付けられる。駆動部101は、例えば、ステッピングモータ、ガルバノモータなどを使用する。駆動部101の回転軸101aに、ピニオン104が取り付けられる。
図84は、駆動リング103の斜視図である。駆動リング103は、光通過経路の少なくとも一部を構成する貫通孔を有し、光が通過する経路(光通過経路)を取り囲むような環状の部材(無端リング状部材)から形成され、光通過経路の周囲で回動する。この駆動リング103には、後述する絞り羽根106が係合する。すなわち、駆動リング103は、駆動リング103の回動に伴って絞り羽根106が光通過経路に対して出入りするように連動するよう構成されていることから、絞り羽根106を駆動するための部材(動力伝達部材)となる。この駆動リング103は、基部103aと内係合部103bと駆動穴103cと被駆動部103dを有する。基部103aを実質的に一様な厚みとすることで、駆動リング回転時の空気抵抗の影響を受けにくくできるため、作動負荷を低減でき、高速応答性、静音性を向上させることができる。
駆動リング103は、樹脂成形にて作成されたりする。また、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。プレス加工できる場合は、樹脂成形の形状精度に比べて、形状精度を高精度に形成することができるため、絞り精度の高精度が可能になる。ここで、駆動リング103をシートのプレス加工によって製作する場合には、駆動リング103の径方向内側の内縁部(貫通孔の内縁部)、及び径方向外側の外縁部には、それぞれ外周に亘ってR形状部が設けられる。このR形状部は、厚さが縁部ほど実質的に薄くなるような先細りとなることから、その縁部が駆動リング103の開口部の形状を規定する。本実施形態の駆動リング103は、このR形状部が羽根側に対向するように絞り装置内に組み込まれる。これにより、絞り羽根との摺動部分、特に駆動リング103の内縁部側の内周部における摺動部分が実質的に少なくなるため、羽根の機動性が向上する。なお、このようなR形状部は、駆動リング103の内縁部だけに設けてもよいし、外縁部だけに設けてもよい。
樹脂フィルムの厚みとしては、0.03mm〜0.30mmの材料の使用が可能である。基部103aを極力薄くすることで、回転する際のイナーシャを小さくさせることができ、絞り装置を高速動作させることができる。駆動リング103は、保持基板102および開口形成部材107によりスラスト方向、ラジアル方向とも最適な可動可能な支持をすることで、基部103aを薄くしても、駆動リング103の変形を最小限に抑える。
また、駆動リング103の基部103aは、片面あるいは両面に表面処理がなされている材料を用いると良い。表面処理としては、例えば、摺動塗装、帯電防止処理、反射防止処理などがある。摺動塗装することで、駆動リング103と摺動する部品である保持基板102、後述する仕切り部材105との摩擦を低減することができ、省電力での作動が可能になる。また、反射防止処理をすることで、本光量調節装置内に進入した光の反射を抑え、レンズ鏡筒内に光量調節装置が組み込まれた際の、ゴースト、フレア等の発生を防止することができる。
駆動リング103の内係合部103bは、保持基板102の係合部102aと係合する。保持基板102の係合部102aは、回転中心となる円形状であってもよい。本実施形態1では、係合部102aは、複数の凸部で構成されており、駆動リング103の内係合部103bと係合する。駆動リング103と保持基板102は、駆動リング103が外側、保持基板102が内側の関係で、係合させる。この関係にすることで、駆動リング103の内係合部103bは、保持基板102の係合部102aにより支持されるため、駆動リング103は周方向の変形を抑えることができる。そのため、駆動リング103の基部103aを薄くても変形することなく動作することが可能である。
駆動リング103と保持基板102のラジアル方向の係合長を駆動リング103の基部103aの厚み(0.03mm〜0.3mm)まで少なくすることができるため、摩擦抵抗を少なくすることができ、滑らかな作動、低電力での作動を実現できる。
また、駆動リング103には、被駆動部103dであるギア部がある。被駆動部103dは、ピニオン104と噛み合っている。駆動部101で発生した回転力をピニオン104から被駆動部103dに伝え、駆動リング103が回転する。駆動リング103のギア部103dとピニオン104のギアのかみあいでは、ギア部103dの厚みが薄く、ギアのかみ合い面積が小さいため、ギア同士のかみ合い音が小さい。また、ピニオン104と駆動リング103の質量差が大きいため、ピニオン104がギア部103dにバックラッシがあっても、ギアのかみ合い音、反転音等が小さくなる。
図85は仕切り部材105の斜視図である。仕切り部材105は、中央に開口部が有する。仕切り部材105は、後述する開口形成部材107の係合部107cに仕切り部材105の係合穴105aに係合することによってラジアル方向に支持され、後述する開口形成部材107の複数の突起部107a及び前記保持基板102の複数の支持部となるレール102cによって、スラスト方向に挟まれて支持される。仕切り部材105は羽根106のカムピン106bを押さえることができるため、開口形成部材107のカム107bからカムピン106bが脱落することを防ぐことができる。また仕切り部材105及び保持基板102のレール102bによって駆動リング103は挟持されるため、駆動リング103は挟持可能な最低限の外形があればよい。そのため、駆動リング103を小型化できるため回転時のイナーシャが低減し、高速駆動化に有効である。仕切り部材105は、樹脂成形にて作成されたりする。また、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。
また、103eは遮光部である。フォトインタラプタ107のスリット内を出入りすることで、センサの役割を果たす。光量調節装置の初期化等に使用する。
図86は、絞り羽根106の斜視図である。駆動ピン106aとカムピン106bが羽根部106cに取り付けられている。絞り羽根106は、樹脂成形にて羽根部106cと駆動ピン106aとカムピン106bを一体で作られたりする。
また、遮光処理されたシート部材により羽根部106cを作成し、駆動ピン106aとカムピン106bは、樹脂成形で作成し、羽根部106cに接着、溶着、アウトサート成形などで一体化させてもよい。また、駆動ピン106aとカムピン106bを金属ピンで形成し、羽根部106cに接着、溶着、カシメ等で一体化させてもよい。
図87は、開口形成部材107である。開口形成部材107は、仕切り部材105を支持する複数の支持部となる突起部と、複数のカム(カム溝)107bを有している。保持基板102と仕切り部材105で形成された空間の中を、駆動リング103が駆動し、仕切り部材105と開口形成部材107で形成された空間の中を、絞り羽根106が駆動する。
絞り羽根106の回転中心軸となる駆動ピン106aは、駆動リング103の駆動穴103cに係合する。ピニオン104が回転し、駆動リング103の被駆動部103dに力がかかり、駆動リング103が回転する。駆動リング103が回転すると、駆動リング103の係合穴103cから絞り羽根106の駆動ピン106aに駆動力が与えられ、絞り羽根106が駆動する。絞り羽根106のカムピン106bは、開口形成部材107に形成されたカム107bに係合している。カム107bによって、絞り羽根106aは、保持基板102の開口内外を出入りする。複数の絞り羽根107aにより、絞り形状を調整することが可能になる。
駆動リング103の基部103aは、実質的に均一な厚みであり、無駄な凹凸や穴がないため、絞り羽根106が開閉作動中に駆動リング103とひっかかるような作動不良は防止できる。
図88は、実施形態1の光量調節装置の断面図である。図89は、開口形成部材107側から見た分解図である。駆動リング103は、保持基板102に形成されたレール102bにより回転可能に支持されている。駆動リング103が保持基板のレール102bで支持されるため、駆動リング103と保持基板102が面で密着することがないため、帯電等による駆動リングの張り付きを防止することができる。
また、駆動リング103は、絞り羽根106と係合している係合穴103c部に負荷がかかる。とくに、小絞り状態では、絞り羽根同士が編みあがるため、絞り羽根106の支持部となる係合穴103cに大きな負荷がかかる。そのため、駆動リング103は、保持基板102の方向に変形しようとする。保持基板102に形成されたレール102dは、駆動リング103の駆動穴103cの近くを支持する。レール102dは、駆動穴103cの径方向内側を支持する。レール102bは、駆動穴103cの径方向外側を支持する。すなわち、保持基板102には、駆動リング103のうち絞り羽根106が係合する駆動穴(係合部)103cの周囲で当接するレール102b、102dが設けられている。これらのレールにより、駆動リング103は、基部103aが薄くても、駆動穴103c等に力を受けても変形を抑えることができる。基部103aの強度が十分である場合は、レール102bあるいは、レール102dの一方だけで駆動リング103を支持してもよい。また、実施形態1では、レール102b,レール102dは、それぞれ周上につなげているが、半球状の複数の凸部等で、駆動リング103を支持しても同様の効果が得られる。
次に、保持基板102に形成したレール102eについて説明する。レール102eは、駆動リング103の被駆動部103dの周辺を支持するレールである。ピニオン104と駆動リング103の被駆動部103dでは、ギアのかみあいによる力の伝達が行なわれる。レール102eで、被駆動部103dを支持することで、駆動リング103は、基部103aが薄くても,被駆動部103dに力を受けても変形を抑えることができる。また、レール102eは、円弧のレールとしているが、半球状の複数の凸部等で、駆動リング103を支持しても同様の効果が得られる。
駆動リング103の基部103aに十分な強度がある場合は、レール102b、102c,102d、102eを適宜に減らしてもよい。また、駆動リング103の強度が極端に弱いときは、レールを追加してもよい。
次に、駆動リング103について、絞り羽根106の支持について説明する。図89に示すように、複数の絞り羽根106は、周方向に均一に配置されている。本実施形態では、図90に示すように、駆動リング103の回動によって複数の絞り羽根106が連動して、光通過開口の大きさを可変できるようになっている。
また、駆動リング103について、絞り羽根側のスラスト方向に対する支持方法について説明する。開口形成部材107に形成したレール107b1にて、仕切り部材が支持され、仕切り部材の保持基板側に駆動リング103が支持されている。駆動リング103は、仕切り部材105によって絞り羽根106の可動範囲内においてスラスト方向に支持されるため、駆動リング103の外形を絞り羽根106の可動範囲より小さくできる。このように、駆動リング103の外形を絞り羽根106の可動範囲より小型にすることができるため、高速駆動化に有利となる。レール107b1は、図示では、複数それぞれ周上の形状としたが、半球状の複数の凸部等で、駆動リング103を支持してもよい。
次に、駆動リング103について、保持基板側のスラスト方向に対する支持方法について説明する。駆動リング103は、保持基板102に形成されたレール102bによりスラスト方向に支持されている。
このように、駆動リング103は、保持基板102、開口形成部材107、仕切り部材105、絞り羽根106によって、羽根可動範囲内で適宜に支持されることにより、薄い基部103aで構成されていても変形することなく、高速作動、静音作動することが可能である。
<実施形態2>
図91には、本発明の実施形態2である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。図92は保持基板の斜視図である。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、200番台で示す。
本実施形態の絞り装置は、開口形成部材207に対して各絞り羽根206に対応する複数のカム溝207aを設け、各絞り羽根206には各カム溝207aに係合する係合ピン206bと、駆動リング203に設けられた係合部203aに係合する駆動ピン206aとを設け、駆動ピン206aは駆動リング203を貫通し、駆動リング203は開口形成部材207と絞り羽根206の間に挟まれた状態で駆動ピン206aが保持基板202の内径部202aと摺接することで駆動リング203と絞り羽根206のラジアル方向の位置が規定される。保持基板202に固定された駆動部による駆動力を駆動リング203が受けて、開口部の周りを回転することで絞り羽根206が開口部内を出入りして絞り口径を調整する。なお、図91では回動する絞り羽根206の駆動ピン206aと保持基板202の内接円202aによってラジアル嵌合しているが、回動する絞り羽根206の駆動ピン206aと、仕切り部材205の内径部205aとの間でも駆動リング203の位置を規定することもできる。絞り羽根206の駆動ピン206aは駆動リング203が外れないようにするために長くしておく必要があるが、絞り羽根206の駆動ピン206aを保持基板202の内径部202aに摺接させることで駆動リング203が絞り羽根の駆動ピン206aから外れ難くなるので安定駆動が可能になり、また駆動ピン206aの長さを最低限に抑えることが出来るのでユニットの薄型化に効果がある。なお、駆動リング203は樹脂成形にて作成されたりする。また、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。
図93は、実施形態2の光量調節装置の断面図である。駆動リング203と保持基板202の接地面を少なくすることができるため帯電等による駆動リング203の張り付きを防止することができる。
実施形態2である光量調節装置は、絞り羽根206の駆動ピン206aと保持基板202の内径部202aを嵌合させることで、仕切り部材205と開口形成部材207で形成される羽根走行スペースを大きくする必要が無くなり、姿勢差による特性変化を抑えることが可能である。
<実施形態3>
図94には、本発明の実施形態3である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。
上述した実施形態1では、駆動リング303の内係合穴303bは、保持基板302の複数の係合部302aで形成される外接円と係合し、駆動リング303をラジアル規制した構造を説明したが、本実施形態では、駆動リング303の外係合部303bは、仕切り部材305の複数の係合ピン305aで形成される内接円と係合し、駆動リング303はラジアル規制するようにした。その他の構成は、基本的に実施形態1と同様である。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、300番台で示す。
図95及び図96は、仕切り部材305である。駆動リング303は、仕切り部材305に備えられた複数の係合ピン305aが、駆動リング303の外係合部303aと係合することにより回動可能な状態で摺動している。本実施形態は、駆動リング303の外係合部303aは、仕切り部材305の8つの係合ピンからなる内接円(305a)に係合しているが、係合ピン305aは、複数あれば何個でも良い。
駆動リング303は樹脂成形にて作成されたりする。また、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。
ここで、実施形態3の特徴である駆動リング303のラジアル係合について説明する。図97は、保持基板302を外した後に保持基板側から見た正面図である。駆動リング303は、外係合部303aが仕切り部材305の複数の係合ピン305aが形成する内接円と回転可能な状態で摺接する。なお、駆動リング303の内係合部と仕切り部材305の複数のピン305aが形成する外接円で回転可能な状態で摺動する場合でも、同様の効果が得られる。このように駆動リング303を外形もしくは内径で、ラジアル規制をすることで、駆動リング303の単純化ができる。
<実施形態4>
図98には、本発明の実施形態4である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、400番台で示す。
本実施形態の絞り装置は図98に示すように、開口形成部材407に対して各羽根406に対応する複数のカム溝407aを設け、羽根406にはカム溝407aに係合する駆動ピン406aと、駆動リング403に設けられた係合穴403bに係合する駆動ピン406bとを設け、駆動リングの外壁403aと、保持基板402が有する突起402aがラジアル嵌合する構成である。なお、駆動リング403の外壁402aと嵌合する部材は開口形成部材402でも構わない。
駆動リング403の基部403cは、例えば、樹脂フィルム(PETシート材等)をプレス加工して作成されたりする。プレス加工をする場合、駆動リングの外壁403aは、基部403cにアウトサート成形にて形成する。また図99に示すように駆動リング403は、樹脂成形での作成も可能である。
ここで、実施形態4の特徴である駆動リング403のラジアル係合について説明する。図100は、実施形態4の光量調節装置の断面図である。駆動リング403は、駆動リングに設けられた外壁403aと、保持基板402が有する突起402aが回転可能な状態で摺接することで、ラジアル嵌合している。
<実施形態5>
図101には、本発明の実施形態5である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、500番台で示す。
本実施形態の絞り装置は図101に示すように、開口形成部材507に対して絞り羽根側の周方向複数個所(本実施例では6箇所)に突起部507aが設けられており、駆動リング503の外係合部503aと開口形成部材の突起部507aが係合する構造となっている。また駆動リング503は、開口形成部材507と仕切り部材505によって挟み込まれることで駆動リングは回転可能にスラスト方向に支持される。
また、図102に示すように、開口形成部材の突起部507aと駆動リングの外係合部503aが係合することによってラジアル嵌合する構成である。
本実施例では、駆動リングの外係合部503aと開口形成部材の突起部507aが係合することでラジアル嵌合する構造としたが、図103、23に示すように、駆動リングの内係合部と開口形成部材の係合ピンが係合することでラジアル嵌合する場合でも同様の効果が得られる。
<実施形態6>
図105には、本発明の実施形態7である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、600番台で示す。
本実施形態の絞り装置は図105示すように、保持基板602に対して各絞り羽根に対応する複数の係合ピン602aを設け、さらに駆動リング603の外係合部603aと係合する突起部602bを設けている。絞り羽根606には、駆動リング603に設けられた駆動ピン603bと係合するカム溝606aが設けられており、図106に示すように、駆動リングの外係合部603aは保持基板の突起部602aの内接円と係合することでラジアル嵌合する構造である。
<実施形態7>
図107には、本発明の実施形態7である光量調節装置としての絞り装置の分解斜視図を示す。
図に示す番号は、実施形態1では、100番台で示したが、本実施形態では、700番台で示す。
本実施形態の絞り装置は図107に示すように、保持基板702に対して各絞り羽根に対応する複数の係合ピン702aを設け、さらに駆動リング703の内係合部703aと係合する係合ピン702bを設けている。絞り羽根706には、駆動リング703に設けられた駆動ピン703bと係合するカム溝706aが設けられており、図108に示すように、駆動リングの内係合部703aは保持基板の係合ピン702aの外接円と係合することでラジアル嵌合する構造である。
<実施形態Dのまとめ>
本実施形態の羽根駆動装置は、複数の羽根部材によって光が通過する開口の大きさを調節する羽根駆動装置であって、前記開口を形成する第一の開口形成部材と第二の開口形成部材と、光通過経路に出入りする複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を駆動する駆動リングと、前記絞り羽根と前記駆動リングの間に、前記開口部と同等以上の大きさの光通過口を有した仕切り部材と、を有し、前記駆動リングが前記絞り羽根の可動範囲内において光軸方向で重なる位置で挟持され、回動することを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングを羽根の可動範囲内において光通過方向で重なる位置で挟持することができるため、駆動リングの外形を羽根可動範囲より小型化することができ、高速駆動化に有効となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、ばね特性を有する前記超薄型シート状部材から形成されていることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングの非回動時(駆動待機時)または回動時において形状安定性を高めることができる他、回動時の姿勢安定性向上にも寄与する。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、シート基材の少なくとも片面に摺動性改善層である表面層を有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと他の部材との間の摺動性を高めることができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、シート基材の少なくとも片面に帯電防止層である表面層を有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと他の部材との間の帯電による駆動性能の低下を有効に防ぐことができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記表面層は、前記シート基材の両面に設けられ、それぞれが実質的に同等の厚さで設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングの平坦性を十分に確保できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記保持基板の厚みの半分以下の厚さを有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、保持基板と比べて極めて薄いシート状部材によって駆動リングを形成することから、更なる薄型化に有効となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記保持基板の厚みよりも薄く且つ前記羽根の厚みよりも厚い前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、保持基板よりも薄く羽根よりも厚いシート状部材によって駆動リングを形成することから、更なる薄型化に有効となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記羽根の厚さと実質的に同等又はそれ以下の厚さを有する前記超薄型シート状部材から形成されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、羽根と同等またはそれ以下の極めて薄いシート状部材によって駆動リングを形成することから、更なる薄型化に有効となる。
本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記駆動リングの一方面側に配置される保持基板と、前記駆動リングの他方面側に配置される仕切り部材との間で画成される駆動空間内で駆動可能な状態で回動姿勢が保持されることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、対向する保持基板と仕切り部材との間で駆動リングが実質的に挟まれて支持されるため、駆動リングの回動姿勢の安定化に有効である。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根は、前記仕切り部材と前記開口形成部材との間に配置され、前記駆動リングが前記駆動空間内で駆動することによって、前記仕切り部材と前記開口形成部材との間の空間内のみで走行することを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、仕切り部材により一定の羽根走行スペースを確保できるため、羽根の光通過方向のガタつきを規制することができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記開口形成部材には、前記仕切り部材の一方面側のうち前記羽根が走行する走行領域以外の部分に対して当接する第1当接部が設けられ、前記保持基板には、前記仕切り部材に当接する第2当接部が設けられており、さらに前記駆動リングの前記羽根が係合する前記係合部の周囲で当接する第3当接部が設けられている。前記仕切り部材は、前記第1当接部と前記第2当接部との間で保持され、前記駆動リングは前記仕切り部材と前記第3当接部との間で回動姿勢が保持されることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、羽根の走行を制限することなく、仕切り部材及び保持基板に設けられた当接部による部分的な接触によって駆動リングの回動姿勢を安定的に保持することができる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記保持基板には、前記光通過経路の一部を構成する開口部が貫通して設けられ、前記開口部の周縁には、前記駆動リングに設けられて前記光通過経路となる貫通孔の内周面に当接して光軸方向と直行する方向における前記駆動リングの移動を規制する規制部が設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、光通過経路に対する駆動リングの面方向(光軸方向に対して直行する方向)の位置を保持基板の規制部によって規定できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根のうち前記駆動リング側の面には、前記駆動リングに設けられた貫通穴に係合する係合突起部が設けられ、前記羽根のうち前記開口形成部材側の面には、前記開口形成部材に設けられたカム溝に係合するカム溝係合突起部が設けられたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングに対して羽根と係合する係合突起部を設けるだけでよいので、駆動リングの構造を簡略化できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根のうち前記駆動リング側の面には、前記駆動リングに設けられたカム溝に係合するカム溝係合突起部と、前記開口形成部材に設けられた挿入部に挿入される回転中心軸とがそれぞれ突出して設けられたことを特徴とする。かかる本実施形態によれば、駆動リングにカム溝を設けることで、駆動リングの更なる軽量化を図ることができ、駆動リングの高速駆動に有利となる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記羽根は、前記保持部材を貫通して設けた開口部の周囲において環状配置される複数枚の羽根群によって構成されることを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、回動する駆動リングによって複数の羽根群を連動させて光通過経路を絞るための絞り装置を容易に薄型化できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングの外周部には、前記駆動リングの駆動力を伝達する駆動伝達部材が接続されたことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、超薄型シート状部材からなる駆動リングに対して比較的簡単な構成で確実な駆動伝達を実現できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動伝達部材は、駆動モータの回転軸に装着されるピニオンギアであり、前記駆動リングの厚さは、前記ピニオンギアの高さ寸法よりも薄いことを特徴とする。
かかる本実施形態によれば、駆動リングと駆動伝達部材(ピニオンギア)との確実な駆動接続を実現できる。
また、本実施形態の羽根駆動装置では、前記駆動リングは、前記光通過経路の少なくとも一部を形成する貫通孔を有し、前記貫通孔のうち前記羽根が係合する側の周縁部は、R形状部となっていることを特徴とする。かかる本実施形態によれば、羽根との摺動部分が実質的に少なくなるため、羽根の機動性が向上する。
なお、本実施形態は、上記羽根駆動装置に限定されず、カメラ等の撮像装置における羽根駆動系に適用することが可能であり、撮像装置においても広く対象とするものである。
<実施形態E>
図112は、本発明の実施形態に係る撮像装置の説明図である。同図の撮像装置は例えばデジタルカメラであり、光学系1と、撮像素子2とを備えている。光学系1はレンズと、光量調整装置3とを含む。光量調整装置3は、実施形態A〜Dで説明した光量調整装置、あるいは、羽根駆動装置もしくは絞り装置である。光学系1を通過した光が撮像素子2で結像され、電子画像が得られる。
光量調節装置1は、地板11と、開閉部13A、13Bと、蓋部12と、駆動部14と、を備える。