JP2021012138A - シート搬送装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステープルなどの金属の誤検知を抑制できる構成を提供する。【解決手段】給送トレイ1は、シートを積載して移動する。給送位置に移動した給送トレイ1に積載されたシートは、給送口Eから装置内部に搬送される。金属検知部20は、給送口Eの近傍に配置された検知コイルを有し、検知コイルを励磁して発生した磁界の変化量に基づいて金属を検知する。制御部15は、給送トレイ1が給送位置に移動した後、所定時間経過してから金属検知部20による金属検知を有効にする。【選択図】図1

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びシートの画像を読み取る画像読取装置に関する。
シートを搬送するシート搬送装置として、金属製のステープルやクリップなどでの綴じ部材で綴じられたままのシートが搬送されないように、ステープルなどの金属を非接触で検知する金属検知センサを備えた構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の金属検知センサは、磁界を発生させる検知コイルを有し、磁界の変化により金属を検知する。
特開2013−134227号公報
ここで、シート搬送装置として、シートを積載する給送トレイを給送位置まで移動させ、給送トレイに積載されたシートを給送口から装置内部に給送する構成がある。このような構成で、給送口近傍に特許文献1に記載のような金属検知センサの検知コイルを配置すると、給送トレイの移動により検知コイル周囲の磁界が変化して誤検知が発生する虞がある。
本発明は、ステープルなどの金属の誤検知を抑制できる構成を提供することを目的とする。
本発明のシート搬送装置は、シートを積載する給送トレイと、前記給送トレイを移動させる移動手段と、前記移動手段により給送位置に移動した前記給送トレイに積載されたシートを給送口から装置内部に給送する給送手段と、前記給送口の近傍に配置された検知コイルを有し、前記検知コイルを励磁して発生した磁界の変化量に基づいて金属を検知する金属検知手段と、前記移動手段により前記給送トレイが前記給送位置に移動した後、所定時間経過してから前記金属検知手段による金属検知を有効にする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ステープルなどの金属の誤検知を抑制できる。
実施形態に係る画像読取装置を概略的に示す側面視の断面図。 実施形態に係るシート搬送装置の主要部の構成を、一部を透視して概略的に示す平面図。 実施形態に係る金属検知センサの構成を示す概略図。 図1のX部分の一部を省略して、給送トレイが最下部にある状態を示す拡大図。 図1のX部分の一部を省略して、給送トレイが給送位置にある状態を示す拡大図。 給送トレイが上昇し、シートを搬送して、給送トレイが下降するまでの時間と、その時における共振周波数との関係を示すグラフ。 ステープルの位置と共振周波数との関係を示すグラフ。 実施形態に係る給送トレイ上昇の開始から、シートを搬送し、給送トレイが下降するまでの制御のフローチャート。 図1のX部分の一部を省略して、給送トレイにシート束を積載した状態を示す拡大図。 図8のフローチャートにおける給送トレイ制御のフローチャート。 図1のY部分の一部を省略して示す拡大図。 排出トレイが上昇し、下降するまでの時間と、その時における共振周波数との関係を示すグラフ。 実施形態に係る排出トレイ上昇の開始から、シートを排出し、排出トレイが下降するまでの制御のフローチャート。
実施形態について、図1ないし図13を用いて説明する。まず、本実施形態の画像読取装置の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。
[画像読取装置]
画像読取装置100は、シートを搬送するシート搬送装置101と、シート搬送装置101により搬送されるシート(原稿)の画像を読み取る画像読取部40とを備える。シート搬送装置101は、給送トレイ1と、分離給送機構10と、搬送部30と、金属検知手段としての金属検知部20を備える。
給送トレイ1は、シートを複数枚積載可能である。この給送トレイ1は、可動範囲Aの範囲で昇降(移動)自在に構成されている。また、給送トレイ1は、複数の樹脂などの絶縁部材を組み合わせて、金属ビスMなどの導体部材で締結した構造である。また、本実施形態の給送トレイ1は、図2に示すように、給送トレイ1の強度を増すために、金属製の板である板金1aを有する。即ち、給送トレイ1は、多量のシートを積載する場合があり、このような場合でも給送トレイ1の強度を確保すべく、板金1aにより補強されている。板金1aは、給送トレイ1のシートを積載する樹脂製の板の内側にこの樹脂製の板を補強するように配置されている。また、板金1aは、給送トレイ1のシートを積載可能な領域のほぼ全域に配置されている。
なお、給送トレイ1は、一部又は全部の部材に金属を用いても良い。また、装置の構成によっては、複数の樹脂部材を組み合わせた構成であっても、板金1aを省略しても良い。この場合でも、複数の樹脂の締結に金属ビスなどの導体部材を使用する。
また、給送トレイ1は、給送トレイ1に積載されたシートの搬送方向に交差(本実施形態では、直交)するシートの幅方向両端に当接して、シートの幅方向位置を規制する規制板2を有する。
移動手段としての給送トレイ駆動モータ3は、給送トレイ1を昇降(移動)させる。シート積載検知手段としてのシート積載検知センサ51は、給送トレイ1のシート積載面1bにシートが積載されていることを検知する。シート位置検知センサ52は、シート束を載せた給送トレイ1が上昇した時にシート束の最上部が後述する繰り出しローラ(ピックアップローラ)17に当接する位置(給送位置)に到達したことを、シートがレバーを押したことによって検知する。シート検知センサ53は、給送トレイ1に積載されたシート、または分離給送機構10が搬送するシートを検知する。
繰り出し手段としての繰り出しローラ17は、給送トレイ1に積載された最上部のシートを、搬送経路90の入口である給送口Eに繰り出す。図1の繰り出しローラ17と点線Fが重なる箇所は、給送トレイ1上のシートと繰り出しローラ17が接する位置を示している。実際には、シートと繰り出しローラが接する位置にはシート搬送方向に対してある程度の幅があるが、その中心を点線Fで示している。
繰り出しローラ駆動モータ16は、繰り出しローラ17を回転させる駆動源である。図1ではシートPの上面が繰り出しローラ17と接する位置(シート繰り出し位置)にあり、繰り出しローラ17を回転させればシートの繰り出しが始まる状態を示している。繰り出しローラ17は、繰り出しローラ駆動モータ16によって、給送トレイ1の最上部のシートを搬送方向RTへ給送するように回転する。
分離給送機構10は、給送手段としての給送ローラ(給送回転体)11と、分離部材としての分離ローラ12とを備える。給送ローラ11は、給送モータ13によって回転駆動され、シートを給送口Eから装置内部に対し矢印RT方向に給送(搬送)する。分離ローラ12は、給送ローラ11との間でシートをニップするニップ部Nを形成し、給送トレイ1に積載されたシートを1枚ずつに分離して、給送ローラ11により給送させる。ニップ部Nは、分離ローラ12と給送ローラ11とが当接している領域である。このような分離ローラ12は、シートをシート搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を、不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して分離モータ14から常時受けている。
また、給送モータ13は、給送ローラ11が回転する駆動力を供給するモータである。同様に、分離モータ14は、分離ローラ12が回転する駆動力を供給するモータである。分離給送機構10のニップ部Nのシート搬送方向下流側で、後述する一対の搬送ローラ31、32の上流側には、シートを検知するシート検知センサ10aが配置されている。シート検知センサ10aは、繰り出しローラ17によって給送されたシートの先端を検知する。後述する制御部15は、シート検知センサ10aによりシートの先端を検知すると、繰り出しローラ駆動モータ16の駆動を停止して繰り出しローラ17の回転を停止する。また、シート検知センサ10aは、分離給送機構10により分離搬送されたシートの後端を検知する。後述する制御部15は、シート検知センサ10aによりシートの後端を検知すると、繰り出しローラ17により次のシートを搬送する。
次に、給送ローラ11と分離ローラ12でシートを1枚ずつに分離する方法の詳細を説明する。給送ローラ11と分離ローラ12との間にシートが1枚存在するときは、トルクリミッタを介して分離ローラ12が伝達するシートを上流側に押し戻す回転力の上限値よりも、給送ローラ11のシートを下流側に搬送する方向への回転力が上回り、分離ローラ12は給送ローラ11に追従して回転する。
一方、給送ローラ11と分離ローラ12との間にシートが複数枚存在するときは、分離ローラ12はシートを上流側に押し戻す方向に回転して、最も上位のシート以外を上流側へ押し戻す。このように給送ローラ11がシートを下流側に搬送する作用と、分離ローラ12のシートを上流側に押し戻す作用とによって、給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部Nにシートが重なって送り込まれたとき、最も上のシートのみ下流側に搬送され、それ以外のシートは上流側に押し戻され、重なったシートが分離される。よって、給送ローラ11と分離ローラ12は2つのローラでシートの分離給送機構10を構成する。
上述のように、給送ローラ11と分離ローラ12を有することにより、本実施形態のシート搬送装置101は、給送トレイ1に積載したシートを1枚ずつ、給送口Eから装置内部の搬送経路90へ搬送する。
搬送経路90は、上搬送ガイド91と、下搬送ガイド92とを対向させて配置することにより、上搬送ガイド91と、下搬送ガイド92との間に形成される。上搬送ガイド91には分離ローラ12が、下搬送ガイド92には給送ローラ11が、それぞれ配置されている。
このような搬送経路90は、分離給送機構10の上流側から搬送部30までの装置内部にシートを案内する。本実施形態において、搬送経路90とは、上搬送ガイド91と下搬送ガイド92に挟まれた空間の最も上流側から、後述する一対の搬送ローラ(搬送ローラ対)37、38までの間の領域をさす。上述のように分離給送機構10によって給送したシートは、上搬送ガイド91または下搬送ガイド92に沿って、後述する一対の搬送ローラ(搬送ローラ対)31、32まで移動する。
搬送経路90を形成する搬送ガイドとしての上搬送ガイド91は、第1ガイド部91aと、第2ガイド部91bとを有し、繰り出しローラ17から搬送ローラ38まで搬送経路90の片側を形成するように配置されている。下搬送ガイド92は、第1ガイド部92aと、第2ガイド部92bとを有し、給送口Eから搬送ローラ37まで搬送経路90の他側を形成するように構成される。以下に、上搬送ガイド91と下搬送ガイド92の形状について、詳細を説明する。
上搬送ガイド91の第1ガイド部91aは、分離給送機構10の上流側から搬送経路内を搬送されるシートの搬送方向に沿って配置されている。即ち、第1ガイド部91aは、搬送経路90内を搬送されるシートの搬送方向と略平行となるように配置されている。第1ガイド部91aは、数mm程度(例えば5mm以下)の隙間をあけて後述する下搬送ガイド92の第1ガイド部92aの対向側に配置される。
上搬送ガイド91の第2ガイド部91bは、第1ガイド部91aのシート搬送方向上流に設けられ、繰り出しローラ17に給送されたシートを第1ガイド部91aに向けて案内する。本実施形態では、第2ガイド部91bは、折れ曲がりやシワのあるシートをスムーズに搬送経路90の下流側へ送るため、第1ガイド部91aのシート搬送方向上流端から更に上流に向かう程、シートから離れる方向に傾斜している。言い換えれば、上搬送ガイド91の上流側の部分である第2ガイド部91bは、シート搬送方向下流側に向かうにつれて下搬送ガイド92に向かう方向に傾斜している。したがって、第2ガイド部91bは、第1ガイド部91aよりも下搬送ガイド92から離れるように形成されている。
下搬送ガイド92の第1ガイド部92aは、上搬送ガイド91の第1ガイド部91aと対向配置され、分離給送機構10の上流側から搬送経路内を搬送されるシートの搬送方向に沿って配置されている。即ち、第1ガイド部92aも、搬送経路90内を搬送されるシートの搬送方向と略平行となるように配置されている。
下搬送ガイド92の第2ガイド部92bは、第1ガイド部92aのシート搬送方向上流に設けられ、給送トレイ1に積載したシート束の先端が突き当たる壁面である。本実施形態では、第2ガイド部92bは、第1ガイド部92aの上流端と滑らかに連続する傾斜面或いは湾曲面と、傾斜面或いは湾曲面からほぼ垂直に形成された壁面により構成されている。
図1における点線Cは、上搬送ガイド91の第1ガイド部91aと第2ガイド部91b、および、下搬送ガイド92の第1ガイド部92aと第2ガイド部92bの境目を示す線である。また、点線Cと搬送経路90が交差する領域は、搬送路の入口となる給送口(開口部)Eである。その下流側の搬送経路90を搬送路、その上流側の搬送経路90を給送経路とする。即ち、第1ガイド部91aと第1ガイド部92aとが対向する部分が搬送路であり、第2ガイド部91bに対応する部分が給送経路である。本実施形態では、図1のような側面視の断面図において、給送口Eの上流側は第2ガイド部91bと第2ガイド部92bとで扇形をなすように構成されている。また、繰り出しローラ17で繰り出したシートは、先端が点線Dまで到達すると給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部Nに接する。点線Dは、給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部Nのシート搬送方向の中心を示す線である。
給送口Eの近傍で、上搬送ガイド91には、詳しくは後述する金属検知部20の検知コイル21が搬送方向(シート搬送方向)RTに沿って配置されている。金属検知部20は、検知コイル21、共振回路22、周波数算出器23(図3)を備え、ステープルなどの金属製の綴じ部材が接近したことによる共振周波数の変化量を測定する。金属検知部20の構成と配置、およびステープルなどの金属製の綴じ部材を検知する方法の詳細は後述する。
搬送部30は、搬送モータ39を動力としてシートを搬送する一対の搬送ローラ31、32と、一対の搬送ローラ31、32の搬送方向RT下流側に配置され、同じくシートを搬送する一対の搬送ローラ33、34と、さらに下流側に配置した一対の搬送ローラ35、36、および、一対の搬送ローラ37、38を有する。
搬送ローラ31、搬送ローラ33、搬送ローラ35及び搬送ローラ37は、搬送モータ39によって回転駆動し、搬送ローラ32、搬送ローラ34、搬送ローラ36及び搬送ローラ38は、それぞれ従動回転する。上記のローラ対はシートを下流側へ搬送する。また、一対の搬送ローラ31、32と、一対の搬送ローラ33、34との間には、後述する画像読取部40が配置されている。
搬送モータ39は、搬送ローラ31、搬送ローラ33、搬送ローラ35と搬送ローラ37が回転する駆動力を供給するモータである。また、後述する制御部15は、シートの読み取りに最適な速度や、読み取り解像度の設定に応じて回転速度を変更するように、搬送モータ39を制御する。
上流側の一対の搬送ローラ31、32の下流側で、後述の画像読取部40の上流側には、読取前シートセンサ43が配置されている。読取前シートセンサ43は、搬送されるシートを検知するセンサである。また、読取前シートセンサ43の検知状態をもとに、後述する制御部15は、後述の画像読取部40によって、搬送したシートの画像の読み取りを開始するタイミングを決定するとともに、搬送したシートの枚数を数える。
画像読取部40は、シートの表裏面を読み取る一対の読取ユニット41、42を有する。画像読取部40の読取ユニット41、42は、搬送経路90を搬送方向RTに移動するシートの両面または片面の画像を読み取る。このような画像読取部40は、読取速度と解像度の設定に基づいて、走査間隔を変更可能である。また、画像読取部40の読取ユニット41、42は、読取前シートセンサ43が搬送されるシートを検知した直後、シートの画像の読み取りを開始する。
画像読取部40により画像が読み取られたシートは、搬送ローラ33、34、搬送ローラ35、36、搬送ローラ37、38の順に移動し、排出トレイ6に排出される。搬送経路90は、図1に示すように湾曲しており、搬送経路90内を搬送されるシートは、給送口Eや分離給送機構10の上方に配置される排出トレイ6に排出される。
排出トレイ6は、排出手段としての搬送ローラ37、38から装置外部に排出されたシートを積載するトレイである。また、排出トレイ6は、後述の排出トレイ駆動モータ7の駆動力により、可動範囲Bの間を昇降できる。本実施形態において、排出トレイ6の初期位置は、可動範囲Bの最下部であるものとする。このように構成した排出トレイ6は、給送トレイ1と同様、複数の樹脂などの絶縁部材を組み合わせて、金属ビスなどの導体部材で締結した構造である。また、排出トレイ6にも、給送トレイ1と同様に、強度を補強するための板金が設けられている。なお、排出トレイ6についても、一部、または全部の部材に金属を用いても良い。また、装置の構成によっては、複数の樹脂部材を組み合わせた構成であっても、板金を省略しても良い。この場合でも、複数の樹脂の締結に金属ビスなどの導体部材を使用する。
昇降手段としての排出トレイ駆動モータ7は、制御部15が指示する速度で排出トレイ6が昇降する駆動力を供給するモータである。排出トレイセンサ8は、排出トレイ6が可動範囲Bの最上部の位置にあることを検知する。排出検知手段としての排出センサ9は、搬送するシートを検知することにより、搬送するシートを排出トレイ6に排出したことを検知する。即ち、排出センサ9は、搬送ローラ37、38で搬送されたシートが装置外部に排出されたことを検知する。また、排出センサ9の検知状態をもとに、制御部15は排出したシートの枚数を数える。
以上のように構成する本実施形態の排出トレイ6は、シートの搬送が開始する前に可動範囲Bの最上部の位置に上昇する。シートの搬送を開始した後、排出トレイ6は昇降速度制御を行いながら降下する。排出トレイ6の昇降速度制御の詳細は、後述する。
制御手段としての制御部15は、画像読取装置100全体の制御を行う。画像読取装置100全体の制御において、例えば、本実施形態では、画像読取装置100に設けた不図示のスタートボタンの押下時や、画像読取装置100に接続した情報処理装置から読取開始指示を制御部15に入力した時点で、制御部15はシートの搬送制御と、画像読取部40の制御、後述する金属検知部20の制御という一連の処理を実行する。即ち、制御部15は、画像読取装置100が内蔵する各モータの駆動を制御し、センサの検知状態を取得する。また、制御部15は、シート積載検知センサ51と排出センサ9の検知状態に基づいて、給送トレイ1上に積載したシートをすべて分離給送し、装置外部に排出するように分離給送機構10と搬送部30を制御する。
このような制御部15は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。制御部15は、CPUによってROMに保存された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMは、作業用データや入力データ、後述する金属検知部20が出力する周波数データやシートの搬送枚数を保存する記憶領域として使用する。また、制御部15は、CPUによって前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。また、制御部15は、CPUによって不図示の通信線を介して、後述する周波数算出器23内部のレジスタ値を書き換えることにより、周波数算出器23の設定を変更できる。
このように構成する画像読取装置100は、給送トレイ1に積載したシートを装置内部に1枚ずつ分離給送してシートの画像を読み取り、排出トレイ6に画像読取後のシートを順次積載する。
[金属検知部]
次に、金属検知手段としての金属検知部20について説明する。図3に示すように、金属検知部20は、検知コイル21と、共振回路22と、周波数算出手段としての周波数算出器23とを有する。このような金属検知部20は、検知コイル21を励磁して発生した磁界の変化量に基づいて金属を検知する。具体的には、金属検知部20は、シートを綴じるステープルなどの金属と検知コイル21が接近、または、離間することで発生する電磁誘導による検知コイル21周囲の磁界の状態変化に比例して、共振周波数が変化する。
金属検知部20を構成する上記の部材について、図3を参照して以下に詳しく説明する。なお、金属検知部20で検知する金属がシート束を綴じるステープルである場合について以下で説明するが、この金属は、例えば金属製のクリップなどであっても同様である。
検知コイル21は、プリント基板上に銅箔などの導体でパターンとして形成されるコイルである。本実施形態における検知コイル21の巻数は、共振回路22と接続して300kHz〜500kHz程度で共振する巻数であるものとする。また、検知コイル21の形態は、上記に限らず、導体を巻いて形成するコイルであってもよい。
共振回路22は、検知コイル21と接続して共振する回路である。また、共振回路22は、図3に不図示の共振用コンデンサを含む。検知コイル21と共振回路22の共振条件は、検知コイル21のインダクタンス成分と共振用コンデンサの容量成分によって決定する。また、本実施形態の共振回路22は、検知コイル21にステープルが数mm(例えば5mm以下)の距離まで接近すると共振周波数が変化するように、共振条件が設定されているものとする。
周波数算出器23は、共振回路22の出力電圧もしくは出力電流から共振周波数を算出する。具体的には、周波数算出器23は、共振回路22の周期的な電圧変化を取り込み、接続した共振回路22の共振周波数を算出するICである。また、周波数算出器23は、算出した周波数をデジタルデータ(周波数データ)に変換し、不図示の通信線を介して周波数データを制御部15に出力する。制御部15は、周波数算出器23が出力する周波数データを取り込み、後述の判定方法に基づいて、ステープルの有無を判定する。
このように構成される金属検知部20は、検知コイル21、共振回路22、周波数算出器23、制御部15を接続することにより、通電した検知コイル21の周囲に発生する磁界(検知領域)に入ったステープルを検知する。なお、制御部15は周波数算出器23から送信した周波数データをもとに、後述の金属判定処理によってステープルの有無を判定する。また、詳細は後述するが、制御部15はステープルの検知状態に応じて、給送トレイ駆動モータ3、給送モータ13、分離モータ14の駆動を制御する。例えば、制御部15は、金属検知部20によりステープルを検知した場合には、給送トレイ駆動モータ3、給送モータ13、分離モータ14の駆動を停止する。
このように、検知コイル21に共振回路22を接続し、コイル周囲の磁界の変化に比例する共振周波数の変化を測定することにより、省スペースで安価に金属検知部20を構成できる。なお、本実施形態に限らず、励磁した検知コイル21周囲の磁界の変化は、比例して変化する検知コイル21のインダクタンスを測定してもよいし、検知コイル21の近傍に磁界強度の測定器を配置して測定してもよい。
次に、本実施形態の金属検知部20の配置に関して、以下に説明する。金属検知部20の検知コイル21は、図1に示すように、給送口Eの近傍に配置されている。また、金属検知部20は、ニップ部Nよりもシート搬送方向上流側に配置されている。即ち、検知コイル21は、図1、2に示すように、ニップ部Nのシート搬送方向の中心(点線D)の上流側、かつ、上搬送ガイド91の第1ガイド部91aと第2ガイド部91bの境目を示す点線Cの下流側に配置されている。特に、本実施形態では、検知コイル21の搬送方向上流端が点線Cとほぼ重なる位置に検知コイル21が配置されている。
また、本実施形態では、金属検知部20は、2個配置されている。このため、それぞれの検知コイル21は、点線Dと点線Cとの間で、上搬送ガイド91の給送ローラ11の幅方向両側にそれぞれ配置されている。また、検知コイル21は、シート搬送方向に交差する幅方向に関して、給送ローラ11から外れた位置に配置されている。
このように給送口Eの近傍に金属検知部20の検知コイル21を配置することで、検知コイル21周囲の磁界は、ステープルで綴じたシートを搬送して分離する前にステープルによって変化する。但し、検知コイル21が給送口Eの近傍に配置されていることで、給送トレイ1の昇降による影響を受ける。即ち、給送トレイ1は、前述したように板金1aを含むため、給送トレイ1が移動することで検知コイル21周囲の磁界が変化し、金属検知部20による誤検知が発生する虞がある。なお、仮に、給送トレイ1が板金を有する構成でなくても、給送トレイ1の金属ビスMが検知コイル21周囲の磁界に影響を及ぼす可能性がある。また、仮に、給送トレイ1が金属を含まない構成であっても、給送トレイ1の移動により検知コイル21が振動して、検知コイル21周囲の磁界が変化する虞がある。何れにしても、給送トレイ1の移動時には、検知コイル21周囲の磁界が変化する虞がある。この点について、以下、説明する。
[給送トレイの昇降と共振周波数との関係]
まず、給送トレイ1の位置と周波数算出器23が算出する共振周波数の関係の一例について、図4ないし図6を用いて説明する。図4は、図1のX部分を拡大した図であり、給送トレイ1上にステープルSで綴じられたシートPを積載して、制御部15がシートPの搬送制御を開始する前の状態を示す。図4において、搬送前の給送トレイ1の位置(初期位置)は、給送トレイ1の可動範囲Aにおける最下部の位置A0である。位置A0は、不図示のスタートボタンの押下、もしくは、画像読取装置100に接続された情報処理装置からの画像読取開始信号の受信まで、シートの搬送を待機する位置である。
図5は、図1のX部分を拡大した図であり、給送トレイ1が上昇し、シート位置検知センサ52がシートを検知して、可動範囲Aの位置A1で停止している状態を示す。位置A1は、給送位置である。即ち、図5の状態は、給送トレイ1が給送位置に位置しており、シートPは繰り出しローラ17に当接し、繰り出しローラ17の回転が開始すれば、給送口Eから下流側へ移動する状態である。なお、この給送位置は、給送トレイ1に積載されたシートPのシート束の厚みによって変化するものであり、シート束の最上位のシートPが給送口Eの高さにと略一致する位置である。
図6は、給送トレイ1が位置A0から位置A1へ上昇し、シートPを搬送して、給送トレイ1が位置A1から位置A0へ下降するという一連の動作時において、周波数算出器23が算出する共振周波数を示したグラフである。なお、図6の時間T0は、給送トレイ1が位置A0から上昇を開始した時間である。同様に、時間T1は給送トレイ1が位置A1に到達して停止した時間である。また、時間T2はシートPの搬送を開始した時間である。また、時間T4は給送トレイ1が位置A1から位置A0へ下降を開始した時間である。また、時間T5は給送トレイが位置A0で停止した時間を示す。図6では、時間T3において、ステープルSが検知されているとする。
次に、給送トレイ1の昇降動作と共振周波数の関係について、図6を参照して詳しく説明する。図6の時間T0から時間T1の間は、給送トレイ1が一定の速度で位置A0から位置A1まで上昇する。給送トレイ1が位置A0から位置A1まで上昇する間、共振回路22の共振周波数は、給送トレイ1の板金1a(図2)と検知コイル21との電磁誘導により変化する。即ち、検知コイル21を励磁して発生した磁界が変化し、共振回路22の共振周波数が変化する。
ここで、時間T1の時点で給送トレイ1の上昇は停止するが、給送トレイ1と検知コイル21との接近によって変化した磁界が安定するまでに数msec程度かかる。このため、共振回路22の共振周波数は時間T1の直後も変化する。時間T1から数msec経過した時間T2以降、給送トレイ1を下降させる時間T4までは、共振周波数は基本的に安定する。時間T4から時間T5の間は、搬送動作を終えて給送トレイが位置A0に下降するため、時間T0から時間T1と同様に共振周波数は変化する。
このように、給送トレイ1の板金1aと金属検知部20の検知コイル21の相対位置によって、周波数算出器23が算出する共振周波数は変化する。また、給送トレイ1の移動が停止しても、停止した直後(時間T1直後)は共振周波数が変化する。図6に示すように、上述の時間T1直後の共振周波数の変化量は、時間T3のステープルSが検知された時の共振周波数の変化量に近い。このため、このときに金属検知部20による金属検知を有効にしていた場合、制御部15は、この共振周波数の変化により金属検知部20がステープルSを検知したと誤検知してしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、制御部15は、給送トレイ1が給送位置に移動した後、所定時間経過してから金属検知部20による金属検知を有効にするようにしている。この所定時間は、予め、実験などにより求めた固定値でも良いし、給送トレイ1が給送位置に移動した後に、金属検知部20により検知した磁界の変化量が第1の変化量以下となる時間としても良い。本実施形態では、所定時間を後者の時間とし、この磁界の変化量を、周波数算出器23により算出された共振周波数の変化量としている。
具体的には、制御部15は、給送トレイ1が給送位置に移動した後に、金属検知部20により検知した磁界の変化量が第1の変化量以下となった場合に、金属検知部20による金属検知を有効にする。また、制御部15は、金属検知部により検知した磁界の変化量が、第1の変化量よりも大きい第2の変化量よりも大きい場合、繰り出しローラ17、給送ローラ11及び分離ローラ12を停止させる。更に、制御部15は、給送トレイ1の移動中、即ち、給送位置への上昇中は、金属検知部20による金属検知を無効にしている。
ここで、金属検知を無効にするとは、検知コイル21に電流が流れており、金属検知部20による金属検知が可能な状態であっても、例えば、制御部15が金属検知部20の検知結果を無視するなどして、金属検知の制御を行っていない状態である。したがって、この状態では、仮に、検知コイル21の近傍を金属が通過しても、制御部15は、金属検知部20により金属を検知したと判断しない。本実施形態では、上述の第1の変化量を金属検知部20により検知するため、制御部15は、金属検知が無効な状態であっても共振周波数をモニタしている。
なお、所定時間を予め求めた固定値とした場合、金属検知の無効時に、検知コイル21に電流が流れていなくても良い。即ち、金属検知部20による金属検知が不能な状態となっていても良い。
一方、金属検知を有効にするとは、制御部15は、金属検知部20の検知結果により金属検知の制御を行っている状態である。したがって、この状態では、検知コイル21の近傍を金属が通過した場合、制御部15は、金属検知部20により金属を検知したと判断する。
本実施形態では、上述の第1の変化量は、周波数算出器23により算出された共振周波数の変化量が第1閾値となる変化量である。また、第2の変化量は、周波数算出器23により算出された共振周波数の変化量が第1閾値よりも大きい第2閾値となる変化量である。以下、この点について説明する。
[ステープルの位置と共振周波数との関係]
次に、シートを綴じるステープルの位置と、周波数算出器23が算出する共振周波数の関係の一例について、図5及び図7を用いて説明する。図7は、シートを綴じるステープルSの位置と、周波数算出器23が算出する共振周波数との対応関係を示すグラフである。なお、図7のグラフ横軸に表示したB0、B1、B2はそれぞれ、図5中に示す点線B0、B1、B2の位置にステープルSが到達した状態と対応する。また、図7は、図6の時間T2から時間T3の間に、ステープルで綴じたシートが搬送された場合のグラフに対応する。
図7のB0からB1の間に示すグラフは、シートPの搬送を開始後、ステープルSが図5の点線B1に到達するまでに示す共振周波数の値である。ステープルSが位置B1に到達するまでは、金属検知部20の近傍にステープルSがないため、共振周波数は略一定の周波数F1を示す。
図7のB1からB2の間に示すグラフは、シートPを搬送開始後、ステープルSが図5の点線B1に到達し、点線B2を通過するまでに示す共振周波数の値である。ステープルSが金属検知部20の検知コイル21の近傍にあると、ステープルSと検知コイル21の間で生じる電磁誘導で、検知コイル21と接続した共振回路22の共振周波数は低下する。即ち、ステープルSが検知コイル21近傍を移動することで、検知コイル21周囲の磁界が変化し、共振周波数も変化する。このため、周波数算出器23が算出する共振周波数は、周波数F1付近から周波数F2付近に低下する。
図7のB2以降に示すグラフは、シートPを搬送開始後、ステープルSが図5の点線B2を通過した後に示す共振周波数の値である。図7のB2以降では、給送ローラ11がシートPを搬送中だが、金属検知部20の検知コイル21近傍にステープルSがないため、周波数算出器23が算出する共振周波数は、B0からB1の間に示す共振周波数と同等の周波数F1付近を示す。
このように、ステープルSと金属検知部20の検知コイル21との相対位置によって、検知コイル21周囲の磁界が変化し、周波数算出器23が算出する共振周波数が変化する。本実施形態では、給送トレイ1が給送位置に移動した後に、金属検知部20の周波数算出器23により算出された共振周波数の変化量が第1閾値以下となったら、制御部15は、金属検知部20による金属検知を有効にする。また、周波数算出器23により算出された共振周波数の変化量が第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、給送ローラ11などを停止させる。
[第1閾値及び第2閾値]
上述の第1閾値及び第2閾値について詳細に説明する。本実施形態において、第1閾値は、検知コイル21周囲の磁界が安定していると判断できる周波数データ(共振周波数)の変動量の上限を示す値である。例えば、取得した周波数データの変化量と比較する第1閾値は、シート搬送装置101の通常動作時における図7に示す周波数データ変動量Fcの最大値と同程度の値である。また、制御部15は、周波数算出器23から取得した複数の周波数データの差を計算し、計算結果を変化量として第1閾値と比較する。そして、変化量が第1閾値以下となったら、金属検知部20による金属検知を有効にする。
なお、このように金属検知部20の近傍に配置した給送トレイ1が上昇後、周波数データが安定したか否か判定する基準となる第1閾値は、給送トレイ1が停止しているときに変動する周波数データよりも小さい値であればよい。即ち、周波数データの変化が十分小さくなったと判定するための第1閾値は、装置内部で移動する部材がない状態で取得した2つの周波数データの値の差と同等以下の値であればよい。本実施形態に限らず、第1閾値と、第1閾値と比較する値には、少なくとも2つ以上取得した周波数データの偏差値や、複数の周波数データ差分の平均値を用いてもよい。
次に、第2閾値に関して説明する。本実施形態のステープルを検知する基準となる第2閾値は、図7に示した周波数F1と周波数F2との差分値である。したがって、周波数算出器23から取得した周波数データの変化量が第2閾値よりも大きい場合はステープルがあると判定し、取得した周波数データの変化量が第2閾値以下であれば、ステープルがないと判定する。
なお、このようにステープルの有無を判定する第2閾値は、例えば、図7の周波数F1と周波数F2の差を計算した値の50%や70%など、所定の割合としてもよい。即ち、周波数データが変化したと判定する第2閾値は、検知コイル21の検知領域を通過するステープルがない場合と、ある場合との共振周波数の差分値以下で第1閾値よりも大きい値であればよい。このような第2閾値を制御部15に予め設定することにより、制御部15は検知コイル21近傍の検知領域に入ったステープルの有無を判定する。
[金属検知部20の制御方法、及び、ステープルの有無の判定方法]
次に、金属検知部20の制御方法、及び、ステープルの有無を検知する金属判定処理について、図8を用いて説明する。図8は、シートの読取開始を指示された後、シート搬送装置101が給送トレイ1を上昇させ、シートの搬送を開始し、シートの搬送完了後に給送トレイ1を下降させるという、一連の処理手順を記載したフローチャートである。なお、図8のフローチャートにおけるS101を実行前の時点では、制御部15内部のCPUが金属判定処理を停止(金属検知を無効に)しており、図6に記載の時間T1以前に共振周波数が変動してもステープルを検知しないものとする。また、本実施形態では、読取前シートセンサ43を通過したシートの画像を画像読取部40が読み取るものとし、シートの搬送と金属検知部20の制御を示す図8においては画像読取手順の説明を省略する。
まず、制御部15は、不図示のスタートボタンの押下、もしくは、画像読取装置100に接続された不図示の情報処理装置から画像読取開始信号を受信する(S101)。次に、制御部15は、給送トレイ駆動モータ3を制御して、給送トレイ1を上昇させる(S102)。S102の処理後、制御部15は、シート位置検知センサ52の検知結果に基づいて、シートが給送位置に到達したか、判定する(S103)。シートが給送位置に到達していない場合(S103のN)、再度S102を実行して、給送トレイ1の上昇制御を継続する。シート位置検知センサ52が給送位置にあるシートを検知した場合(S103のY)、制御部15は、給送トレイ1の上昇を停止させる(S104)。なお、S104の時点で、周波数算出器23が出力する共振周波数は、図6の時間T1の時の値である。
次に、制御部15は、周波数算出器23が出力する周波数データを複数取得する(S105)。次に、制御部15は取得した複数の周波数データから変化量を計算し、予め設定した第1閾値以下であるか否か、判定する(S106)。即ち、制御部15は、給送トレイ1が給送位置で停止した時間T1からしばらくの時間(例えば数msecの間)、周波数算出器23が出力する複数の周波数データのサンプルを取得し、複数のサンプルから周波数データの変化量(偏差)を計算する。そして、この変化量と第1閾値とを比較する。なお、周波数データのサンプリング時間(周波数を1度算出するために必要なサンプリングの時間)は、周波数算出器73内部のレジスタ値によって決定し、外部からの通信でレジスタ値を変更可能である。
取得した周波数データの変化量が第1閾値よりも大きい場合(S106のN)、制御部15は再度S105から処理を開始する。取得した周波数データの変化量が第1閾値以下(即ち、金属検知部20により検知した磁界の変化量が第1の変化量以下)である場合(S106のY)、制御部15は、金属検知部20による金属検知を有効にする。即ち、制御部15は、金属検知部20近傍のステープルを第2閾値によって検知するための初期処理を実行し、金属判定処理を開始する(S107)。金属判定処理を開始した後、制御部15は給送モータ13、分離モータ14、繰り出しローラ駆動モータ16及び搬送モータ39の駆動を開始させる(S108)。S108の処理により、シート搬送装置101は給送トレイ1上のシートを分離給送する。
なお、S105とS106の処理は、給送トレイ1を上昇させるS102の処理を実行して、給送トレイ1が上昇を開始した時点で開始してもよい。
上記のS105からS108の処理により、本実施形態のシート搬送装置101は、給送トレイ1の上昇停止後、共振回路22の共振周波数の変化量が小さくなってから金属検知を有効にする(金属判定処理を開始する)ため、制御部15は上昇する給送トレイ1をステープルと誤検知することを抑制できる。そして、金属検知を有効にした後、シートを搬送するため、シートがステープルにより綴じられていた場合には、これを検知することができる。なお、上述した通り、S105とS106を実行する代わりに、予め設定された固定値である所定時間の経過を待つことによって、S107に移行しても良い。
なお、S107において、ステープルを検知するための初期処理とは、第2閾値との比較値を計算するためのメモリ領域の確保や制御部15のCPU内部タスクの切り換え、または、周波数算出器23の設定を変更する処理のことである。
S108でシートの搬送を開始した後、図10に記載の給送トレイ制御を実行する(S2)。S2における給送トレイ制御と図10の詳細は、後述する。次に、制御部15は周波数算出器23から周波数データを複数取得する(S109)。周波数データの取得後、制御部15は周波数データの変化量(偏差)が予め設定した第2閾値以下であるか否か、判定する(S110)。
取得した周波数データの変化量が第2閾値以下である場合(S110のY)、制御部15は、シートの搬送を続行しつつ、給送トレイ1上のシートの有無をシート積載検知センサ51の検知状態をもとに判定する(S111)。給送トレイ1上にシートがある場合(S111のN)、給送トレイ1上のシートを分離給送している最中であると判断し、制御部15は再度S2から処理を実行する。
一方、給送トレイ1上にシートがない場合(S111のY)、制御部15は、最後に給送したシートを排出したか否か、排出センサ9の検知状態により判定する(S112)。最後に給送したシートを排出していない場合(S112のN)、制御部15は最後に給送したシートを搬送中と判断して、待機する。最後に給送したシートを排出した場合(S112のY)、制御部15は金属判定処理を停止(金属検知を無効に)する(S113)。即ち、制御部15は、シート積載検知センサ51がシートを検知しなくなった後、排出センサ9により装置内部に搬送された全てのシートが排出されたことが検知された場合に、給送トレイ駆動モータ3により給送トレイ1を移動させる前に金属検知部20による金属検知を無効にする。
金属判定処理の停止後、制御部15は、給送モータ13、分離モータ14、繰り出しローラ駆動モータ16および搬送モータ39の駆動を停止する(S114)。次に、制御部15は、給送トレイ1が可動範囲の最下部まで下降するように、給送トレイ駆動モータ3を制御する(S115)。
このように、本実施形態では、給送トレイ1上のシートの搬送が完了した後は、給送トレイ1を移動させる前に金属判定処理を停止することにより、搬送完了直後に給送トレイ1を移動させた場合に発生するステープルの誤検知を防げる。即ち、給送トレイ1を下降させた場合にも、検知コイル21周囲の磁界が変化するため、金属検知が有効であると、制御部15が給送トレイ1の下降動作をステープルが検知されたと誤検知してしまう虞がある。このため、本実施形態では、給送トレイ1が初期位置に戻る移動時(本実施形態では下降時)にも、金属検知部20による金属検知を無効にしている。
また、S110で、周波数算出器23が出力する周波数データが予め設定した第2閾値よりも大きく変化した(即ち、金属検知部20により検知した磁界の変化量が第2の変化量よりも大きい)場合(S110のN)、制御部15は、給送モータ13、分離モータ14、繰り出しローラ駆動モータ16および搬送モータ39の駆動を停止する(S116)。即ち、制御部15は、給送されたシートにステープルなどの金属があると判断して、シートの搬送を停止する。次に、制御部15は、ステープルで綴じたシートが搬送されたことに対応するエラーの発生を、画像読取装置100に接続した不図示の情報処理装置に通知する(S117)。S110の判定とS116、S117の一連の処理により、本実施形態のシート搬送装置101は、ステープルが検知コイル21に接近し、周波数データが変化した時点でシートの分離給送を停止できる。
このように、金属検知部20の検知コイル21の近傍に接近したステープルの有無を検知するS110の判定で周波数データの変化が第2閾値より大きい場合、ステープルが金属検知部20の検知領域に入ったと判定し、シートの分離給送を停止する。これにより、本実施形態のシート搬送装置は、ステープルで綴じられたシートが分離給送機構10により分離給送される前にシートの搬送を停止できるため、シートの破損を防げる。
また、S110の判定は、突発的な共振周波数の乱れによるステープルの誤検知を回避するため、共振周波数が図7の周波数F1から周波数F2に変化した後、周波数F2を一定期間維持した場合にステープルが検知領域に入ったと判定してもよい。また、共振周波数の一定時間あたりの変化量が所定値以上あった場合にステープルが検知領域に入ったと判定してもよい。
また、上述したS110では、周波数F1から周波数F2までの値の間で所定の共振周波数基準値を制御部15に予め設定し、算出した共振周波数の値が前述の基準値を下回ったか否かで、ステープルが検知コイル21の近傍にあると判定してもよい。
[シート搬送中の給送トレイ上昇動作]
次に、シートの搬送中に給送トレイ1を上昇する際の動作について、図9を参照して説明する。図9は、図1に示す画像読取装置100が備えるシート搬送装置101のX部分における拡大図で、シート束Pxを積載した給送トレイ1を上昇させ、シート束Pxの最上部のシートP1が繰り出しローラ17に当接している状態を示す。
本実施形態の給送トレイ1は、多数のシートを積載できる。シートを搬送するにつれて、給送トレイ1に積載したシート束Pxの厚みが減少するため、シート束の最上部はシートを搬送するたびに繰り出しローラ17から離れていく。繰り出しローラ17で継続してシートを下流側へ送るために、本実施形態のシート搬送装置101は、シート束Pxを載せた給送トレイ1を繰り出しローラ17に押し当てる方向へシートの搬送中に上昇させる。
シートの搬送中に給送トレイ1を上昇させる場合にも、前述のように、金属検知部20が検知する共振周波数が大きく変化して、制御部15はステープルを誤検知する可能性がある。本実施形態のシート搬送装置101では、シートの搬送中に給送トレイ1を上昇させる場合におけるステープルの誤検知を防止するため、図8に記載の給送トレイ制御のS2を行う。
[給送トレイ制御]
図10は、図8の給送トレイ制御のS2の詳細を示すフローチャートである。図10において、シート搬送中に給送トレイ1を上昇させる制御はS201からS209の処理である。以下に、S201からS209の制御について説明する。なお、図10において、図8に記載の処理と同じS105とS106は、詳細な説明を省略する。
図8のS108でシートの搬送を開始後、制御部15は、シート位置検知センサ52の検知状態に基づいて、給送トレイ1に積載したシート束の最上部が給送位置にないか、判定する(S201)。S201において、シートが給送位置にある場合(S201のN)、次に図8のS109の処理を実行して、制御部15は給送トレイ1を上昇させない。シートが給送位置にない場合(S201のY)、制御部15は、繰り出しローラ17が停止するように、繰り出しローラ駆動モータ16を制御する(S202)。なお、この場合でも、給送モータ13、分離モータ14および搬送モータ39の駆動は継続している。即ち、搬送経路90にあるシートは、そのまま搬送が継続されている。
次に、制御部15はシート検知センサ10aの検知状態に基づいて、最後に繰り出しローラ17で給送口Eへ搬送したシートの後端がシート検知センサ10aを通過したか否か、判定する(S203)。シートの後端がシート検知センサ10aを通過していない場合(S203のN)、制御部15はS203を再度実行して、シート後端の通過まで待機する。即ち、本実施形態では、検知コイル21の近傍をシートが通過している途中で金属判定処理を停止しないように、制御部15は給送位置にシートが無くなった時点で繰り出しローラ17を停止し、最後に給送したシートがシート検知センサ10aを通過するまで、金属判定処理を停止しない。
一方、シートの後端がシート検知センサ10aを通過した場合(S203のY)、制御部15は金属判定処理を停止する(S204)。そして、制御部15は、給送トレイ1が上昇するように、給送トレイ駆動モータ3を制御する(S205)。即ち、本実施形態では、給送トレイ1の上昇中(移動中)は、繰り出しローラ17を停止させておく。また、給送トレイ1の上昇中は、金属検知部20による金属検知を無効にしておく。この際、給送ローラ11、搬送ローラ32、33などによるシートの給送中或いは搬送中であっても、シートはすでにシート検知センサ10aを通過しているため、金属検知を無効にしておく。
次に、制御部15は、シート位置検知センサ52がシートを検知したか否か、判定する(S206)。シート位置検知センサ52がシートを検知していない場合(S206のN)、制御部15は再度S205を実行して、給送トレイ1の上昇を継続する。シート位置検知センサ52がシートを検知した場合(S206のY)、制御部15は給送トレイ1の上昇が停止するように、給送トレイ駆動モータ3を制御する(S207)。
制御部15は、給送トレイ1が停止後、金属検知部20で検知する共振周波数(複数の周波数データの変化量)が第1閾値以下か判定する、図8で説明したS105とS106の処理を実行する。そして、制御部15は、周波数データの変化量が第1閾値以下となった後(S106のY)、金属検知処理を開始(金属検知を有効に)する(S208)。
制御部15は、金属検知が有効になった後、繰り出しローラ17の駆動が開始するように、繰り出しローラ駆動モータ16を制御する(S209)。S209の実行後、シート搬送装置101は給送トレイ1上に積載したシートの搬送を再開する。
このような給送トレイ制御においても、初期位置から給送トレイ1が上昇した後、1枚目のシートを給送する時と同様に、周波数算出器23により取得した複数の周波数データの変化量が第1閾値以下となるまでの所定時間が経過してから、金属検知を有効にしている。この所定時間は、1枚目のシートを給送する時と同様に、予め求めた固定値としても良い。
上述のように制御することにより、本実施形態のシート搬送装置101は、金属判定処理を停止している最中にステープルで綴じたシートが金属検知部20の近傍を通過してしまうことを防ぎつつ、ステープルを誤検知せず給送トレイ1を搬送中に上昇できる。
なお、上述の説明では、給送位置にシートが無い場合には、繰り出しローラ17を停止すると共に金属検知を無効にしてから給送トレイ1を上昇させたが、これらの動作を行わないようにしても良い。即ち、給送トレイ1に積載したシート束を給送すべく給送トレイ1を初期位置から給送位置に上昇させる場合には、図8に示したような制御を行う。一方、上述の給送トレイ制御のように、一度、給送トレイ1が給送位置に上昇した後で、2枚目以降のシートを連続的に搬送している動作中に給送トレイ1が上昇している制御においては、金属検知を有効にしたままとしても良い。また、繰り出しローラ17の駆動も停止させないようにしても良い。
例えば、装置として、ステープルの誤検知の優先度を複数レベルで選べるようにしても良い。ステープルの誤検知の優先度が高い場合には、図10に示したような制御を行い、優先度が低い場合には、2枚目以降のシートを連続的に搬送している場合における給送トレイ1の上昇中には、金属検知を有効にしておく。また、装置による単位時間あたりにシートの読み取りを行える枚数(読み取り速度)が変更可能な構成の場合、読み取り速度によって、図10に示した金属検知の有効/無効を切り替える制御を行うか否かが決定されるようにしても良い。即ち、読み取り速度が速い場合には、2枚目以降のシートを連続的に搬送している場合における給送トレイ1の上昇中には、金属検知を有効にしておき、読み取り速度が遅い場合には、図10の制御を行う。
また、上述のS201からS205の処理では、シート位置検知センサ52でシートP1が給送位置から離れたことを検知して、給送トレイ1を上昇させる処理としたが、給送トレイ制御においては、所定の枚数以上シートを搬送したらシート束Pxを載せた給送トレイ1を上昇させてもよい。
また、S207で給送トレイ1を停止後、周波数データの変化量が第1閾値以下となった時にS208で金属判定処理を再開したが(S105〜S208)、図10のS106では、図8のS106における第1閾値と異なる別の閾値を設定してもよい。
また、金属検知部20の近傍にシートがない状態であれば、シートの搬送状況に関わらず金属判定処理は停止してもよい。例えば、シートの搬送間隔が十分に広ければ、S202とS203、S209の処理を実行せず、給送位置にシートがなくなった時点で次のシートを繰り出しローラ17で給送口へ搬送する前にS204以降の処理を実行してもよい。
[排出トレイの移動速度と共振周波数との関係]
上記では、給送トレイ1の移動による共振回路22の共振周波数への影響について説明した。次に、本実施形態のように金属検知部20と昇降する排出トレイ6の距離が近い場合における、排出トレイ6の移動による共振回路22の共振周波数への影響と、排出トレイ6の昇降速度制御について説明する。
図1に示したように、排出トレイ6は、給送口Eや分離給送機構10の上方に配置されている。また、シートの排出動作中には、排出トレイ6がシートの排出に伴って徐々に下降していく。この排出トレイ6は、給送トレイ1と同様に、強度を確保するための板金が設けられている。給送口Eの近傍には、金属検知部20の検知コイル21が配置されるため、この排出トレイ6の下降動作が検知コイル21周囲の磁界に影響を及ぼす虞がある。なお、排出トレイ6に板金が設けられていなくても、給送トレイ1の場合と同様に、金属ビスや排出トレイ6の移動による振動が検知コイル21の磁界に影響を及ぼす虞がある。
そこで、まず、排出トレイ6の移動と、共振回路22における共振周波数との関係について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、図1におけるY部分の一部構成を示す拡大図である。また、図12は、排出トレイ6が位置B0から位置B1へ上昇し、一対の搬送ローラ37、38から排出したシートを受け取りつつ、位置B1から位置B0へ下降するという一連の動作時において、周波数算出器23が算出する共振周波数を示したグラフである。
図12に示す時間D0は、図11の実線で示した排出トレイ6の位置(位置B0)から、上昇を開始した時間を示す。位置B0は、排出トレイ6における可動範囲Bの最下部である。また、時間D0以前において、シート搬送装置101の内部で移動する導体はないため、周波数算出器23が出力する共振周波数は略一定である。
時間D1は、後述の昇降速度制御によって排出トレイ6の移動速度が金属判定処理に影響しない速度(最終速度)となった時間を示す。また、時間D0から時間D1までの間に排出トレイ6が徐々に減速するため、共振周波数は時間D0直後に大きく変化するが、時間D1に近づくにつれて変化が小さくなる。時間D2は、図11の点線で示した排出トレイ6の位置(位置B1)に到達した時間を示す。位置B1は、排出トレイ6における可動範囲Bの最上位である。
時間D3は、給送トレイ1からのシートの給送が開始された後で、排出トレイ6が位置B0へ最終速度で下降を始めた時間を示す。時間D4は、制御部15がシートの搬送を停止する図8のS114を実行した時間を示す。また、時間D3から時間D4までの間、上記の最終速度で排出トレイ6が下降し、金属検知部20の検知コイル21に接近するため、共振周波数は徐々に上昇する。
時間D5は、排出トレイ6が位置B0に到達した時間を示す。また、後述の昇降速度制御により、時間D4から最大速度で排出トレイ6を下降させるため、時間D4から時間D5までの間は共振周波数が大きく変化する。
[排出トレイの昇降速度制御]
次に、排出トレイ6の昇降速度制御について説明する。図13は、制御部15による排出トレイ6の昇降速度制御を記載したフローチャートである。以下に、図13に記載のフローチャートについて説明する。まず、装置の操作者が電源を入れる操作を行い、制御部15が起動処理を完了(S301)後、制御部15は排出トレイ駆動モータ7を制御して、最大の速度で排出トレイ6を上昇させる(S302)。なお、S301で実行する制御部15の起動処理とは、画像読取装置100全体を動作させるための初期処理のことである。S301の完了後、画像読取装置100は、制御部15のCPUによる判定処理や、モータ類とセンサ類が正常に動作する状態となる。
排出トレイ6上昇開始後、制御部15は図8のS105からS106と同様の処理を実行する。図13の昇降速度制御では、周波数データの変化量の判定に図8のS105、S106と同じ処理方法を使用したが、周波数データの取得タイミングや取得数はS105と異なっても良く、第1閾値と比較する値の計算方法と第1閾値は、図8のS106と異なっていても良い。
排出トレイ6の上昇開始後、周波数データの変化が第1閾値より大きい場合(S106のN)、制御部15は排出トレイ駆動モータ7の速度を低下させ(S303)、再度S105から処理を実行する。また、S105とS106、S303のフィードバック制御によって、制御部15は排出トレイ6の上昇による共振周波数の変化量が第1閾値以下となる最終速度に、排出トレイ6の上昇速度を制御する。
周波数データの変化量が第1閾値以下となった場合(S106のY)、制御部15は排出トレイセンサ8の検知状態から、排出トレイ6が可動範囲Bの最上部(位置B1)に到達したか否か、判定する(S304)。排出トレイ6が可動範囲Bの最上部に到達していない場合(S304のN)、制御部15は排出トレイ6の上昇を継続して(S305)、再度S304の判定を実行する。
排出トレイセンサ8が排出トレイ6を検知して、排出トレイ6が位置B1に到達した場合(S304のY)、制御部15は排出トレイ駆動モータ7の駆動を停止させる(S306)。次に、制御部15は、S106で第1閾値以下と判定した時点の排出トレイの移動速度(最終速度)を記憶する(S307)。
このように最終速度を決定すべく排出トレイ6を移動させている際には、給送トレイ1は移動していない。即ち、給送トレイ1を移動させた場合、周波数データの変化が給送トレイ1の移動によるものなのか、排出トレイ6の移動によるものなのかが分からない。このため、本実施形態では、給送トレイ1が給送位置に移動を開始する前に、排出トレイ6の移動速度を変化させながら排出トレイ6を少なくとも上昇させ、排出トレイ6の移動中に磁界の変化量が第1の変化量以下(即ち、周波数データの変化量が第1閾値以下)となる速度(最終速度)を決定している。なお、排出トレイ6の移動は、給送トレイ1が給送位置に移動した後で、シートの給送が開始する前であっても良い。
また、制御部15の起動処理を完了した(S301)時点で排出トレイセンサ8がシートを検知している状態であった場合、即ち、排出トレイ6上のシート束が可動範囲B以上の厚さであった場合、制御部15はシート束が取り除かれてからS302以降の処理を実行する。また、本実施形態では、排出トレイ6が位置B1に到達するまでの間に上記の最終速度となるように制御できる構成であるものとする。但し、例えば、可動範囲Bが狭いために、位置B1に到達するまでの間に最終速度となるように制御できない構成の場合、制御部15は排出トレイ6を可動範囲Bで往復させ、その間に最終速度となるように、排出トレイ駆動モータ7を制御してもよい。
S307の処理後、制御部15は給送モータ13と分離モータ14、繰り出しローラ駆動モータ16シートの分離給送を開始する図8のS108の処理が完了したか否か、判定する(S308)。S108の処理が完了していない場合(S308のN)、制御部15は再度S308を実行し、S108が完了するまで待機する。本実施形態では、S307の処理後、図8のS102〜S108までの処理を行う。そして、S308では、S108の処理が終わったか否かを判断している。なお、排出トレイ6を上昇させる前に、給送トレイ1を給送位置に移動させていた場合には、S307の処理時には、図8のS107までの処理が終わっているため、S307の処理後、直ぐにS108の処理を実行することになる。
S308において、S108を実行して、シートの分離給送を開始した場合(S308のY)、制御部15は、S307で記憶した最終速度で排出トレイ6が下降するように、排出トレイ駆動モータ7を制御する(S309)。即ち、排出トレイ6は、シートの排出動作中は、給送トレイ1が移動していない状態で金属検知部により検知した磁界の変化量が第1の変化量以下(周波数データの変化が第1閾値以下)となる速度(最終速度)で下降する。
なお、S309の下降速度はS307で記憶した最終速度以下であればよい。また、排出トレイ6は最終速度で継続的に下降させてもよいし、断続的に下降させてもよい。また、今回の画像読取ジョブの前に行われたジョブにおいて、既に最終速度が求められていれば、図13のS105〜S307までの処理を省略し、既に求められている最終速度を使用しても良い。この場合、S301後に、金属判定処理を停止(金属検知を無効に)しているタイミングで、排出トレイ6を位置B1まで最大速度で移動させることが好ましい。また、排出トレイ6の移動時に、周波数データの変化が第1閾値以下となる速度が予めわかっている場合には、上述のような最終速度を決定する処理をなくし、予め決めた速度で排出トレイ6の下降動作を行うようにしても良い。
次に、制御部15は給送トレイ1にシートが積載されていないことを、シート積載検知センサ51の検知状態から判定する(S310)。給送トレイ1にシートがある場合(S310のN)、制御部15は再度S309を実行して、排出トレイ6の下降を継続する。給送トレイ1にシートがない場合(310のY)、制御部15は最後に給送したシートを排出したか否か、排出センサ9の検知状態から判定する(S311)。排出センサ9がシートの排出を検知していない場合(S311のN)、再度、S309を実行して排出トレイ6の下降制御を継続する。
排出センサ9がシートの排出を検知した場合(S311のY)、制御部15は排出トレイ駆動モータ7を制御して、排出トレイ6の下降を停止する(S312)。次に、制御部15はシート搬送完了後に分離給送を停止する図8のS114が完了しているか、判定する(S313)。S114が完了していない場合(S313のN)、完了までS313の処理を繰り返し実行して、制御部15はS114の完了まで待機する。S114が完了した場合(S313のY)、排出トレイ6を最大速度で位置B0まで下降するように、排出トレイ駆動モータ7を制御する(S314)。
このように、排出トレイ6の昇降が金属検知に影響しない範囲となるように昇降速度を制御することで、本実施形態のシート搬送装置101はシート搬送中に排出トレイ6の昇降によるステープルの誤検知を抑制できる。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、本発明を画像読取装置のシート搬送装置に適用したが、本発明に係るシート搬送装置は、画像読取装置以外に、例えば、シート搬送装置により搬送されたシートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置にも適用可能である。また、例えば、画像形成装置に設けられる自動原稿読取装置(ADF)にも本発明を適用可能である。
また、上述の実施形態では、分離給送機構の分離部材として、分離ローラを用いた構成について説明したが、分離部材は、ローラ以外にもベルトであっても良いし、シートとの摩擦係数が搬送経路の搬送ガイドよりも大きい摩擦部材であっても良い。また、給送回転体についても、ローラ以外にベルトであっても良い。
更に、上述の実施形態では、検知コイル21を上搬送ガイド91に配置したが、下搬送ガイド92に配置しても良い。この場合も、検知コイルのシート搬送方向及びシート搬送方向に交差する幅方向の配置は、上搬送ガイド91に設けた場合と同様に、給送口Eの近傍とする。
1・・・給送トレイ/1a・・・板金/3・・・給送トレイ駆動モータ(移動手段)/6・・・排出トレイ/7・・・排出トレイ駆動モータ(昇降手段)/10・・・分離給送機構/11・・・給送ローラ(給送手段)/12・・・分離ローラ(分離部材)/15・・・制御部(制御手段)/17・・・繰り出しローラ(繰り出し手段)/20・・・金属検知部(金属検知手段)/21・・・検知コイル/22・・・共振回路/23・・・周波数算出器(周波数算出手段)/40・・・画像読取部/51・・・シート積載検知センサ(シート積載検知手段)/100・・・画像読取装置/101・・・シート搬送装置

Claims (12)

  1. シートを積載する給送トレイと、
    前記給送トレイを移動させる移動手段と、
    前記移動手段により給送位置に移動した前記給送トレイに積載されたシートを給送口から装置内部に給送する給送手段と、
    前記給送口の近傍に配置された検知コイルを有し、前記検知コイルを励磁して発生した磁界の変化量に基づいて金属を検知する金属検知手段と、
    前記移動手段により前記給送トレイが前記給送位置に移動した後、所定時間経過してから前記金属検知手段による金属検知を有効にする制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記所定時間は、前記移動手段により前記給送トレイが前記給送位置に移動した後に、前記金属検知手段により検知した前記磁界の変化量が第1の変化量以下となる時間である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記制御手段は、前記金属検知手段により検知した前記磁界の変化量が、前記第1の変化量よりも大きい第2の変化量よりも大きい場合、前記給送手段を停止させる、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記金属検知手段は、前記検知コイルと接続されて共振する共振回路と、前記共振回路の出力電圧もしくは出力電流から共振周波数を算出する周波数算出手段と、を有し、
    前記第1の変化量は、前記周波数算出手段により算出された共振周波数の変化量が第1閾値となる変化量であり、
    前記第2の変化量は、前記周波数算出手段により算出された共振周波数の変化量が第1閾値よりも大きい第2閾値となる変化量である、
    ことを特徴とする、請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 前記給送手段で給送され、装置外部に排出されたシートを積載する排出トレイと、
    前記排出トレイを昇降させる昇降手段と、を備え、
    前記制御手段は、シートの排出動作中は、前記給送トレイが移動していない状態で前記金属検知手段により検知した前記磁界の変化量が前記第1の変化量以下となる速度で前記排出トレイが下降するように前記昇降手段を制御する、
    ことを特徴とする、請求項2ないし4の何れか1項に記載のシート搬送装置。
  6. 前記制御手段は、前記給送トレイが移動していない状態で、前記排出トレイの移動速度を変化させながら前記排出トレイを少なくとも上昇させ、前記排出トレイの移動中に前記磁界の変化量が前記第1の変化量以下となる速度を決定する、
    ことを特徴とする、請求項5に記載のシート搬送装置。
  7. 前記制御手段は、前記給送トレイの移動中は前記金属検知手段による金属検知を無効にする、
    ことを特徴とする、請求項1ないし6の何れか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 前記制御手段は、前記給送手段によるシートの給送中であっても、前記給送トレイの移動中は前記金属検知手段による金属検知を無効にする、
    ことを特徴とする、請求項7に記載のシート搬送装置。
  9. 前記給送位置に移動した前記給送トレイに積載されたシートを前記給送口に繰り出す繰り出し手段を備え、
    前記制御手段は、前記給送トレイの移動中は、前記繰り出し手段を停止させる、
    ことを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載のシート搬送装置。
  10. 前記給送トレイに積載されたシートを検知するシート積載検知手段と、
    前記給送手段で給送されたシートが装置外部に排出されたことを検知する排出検知手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記シート積載検知手段がシートを検知しなくなった後、前記排出検知手段により装置内部に搬送された全てのシートが排出されたことが検知された場合に、前記移動手段により前記給送トレイを移動させる前に前記金属検知手段による金属検知を無効にする、
    ことを特徴とする、請求項1ないし9の何れか1項に記載のシート搬送装置。
  11. 前記給送トレイは、金属製の板を有する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし10の何れか1項に記載のシート搬送装置。
  12. 請求項1ないし11のうちの何れか1項に記載のシート搬送装置と、
    前記シート搬送装置により搬送されるシートの画像を読み取る画像読取部と、を備えた、
    ことを特徴とする画像読取装置。
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