JP2019177999A - 原稿給送装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステイプルなどの金属の検知をできるだけ早く行える構成を提供する。【解決手段】原稿台1は、原稿が載置されて移動する。分離ローラ対42は、原稿台1に載置された原稿を1枚ずつ分離して給送する。壁41aは、原稿台1と対向し、原稿台1の移動方向に沿って設けられている。金属検知部110の検知コイルは、壁41aの原稿台1と反対側で、分離ローラ対42よりも原稿の搬送方向上流側に設けられ、磁界の変化により金属を非接触で検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、原稿を給送する原稿給送装置、及び、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
原稿の画像を読み取る画像読取部に原稿を給送する原稿給送装置として、金属製のステイプルやクリップなどで綴じられたままの原稿が給送されないように、ステイプルなどの金属を検知する検知手段を備えた構成が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の構成の場合、検知手段は、原稿を1枚ずつ分離して送り出す送り出しローラが取り付けられているカバー及び原稿を揃える整合板にそれぞれ設けられている。なお、検知手段が設けられたカバーは、原稿台に載置された原稿の上方に位置している。
このような特許文献1に記載の構成の場合、送り出しローラにより原稿が送り出されているときに、カバー或いは整合板に設けられた検知手段により金属を検知するようにしている。
特開平9−77282号公報
ここで、原稿給送装置として、原稿台を上昇させて原稿を送り出す送り出し位置まで移動させてから、この原稿を送り出しローラにより分離給送部まで送り出す構成が知られている。このような構成で、特許文献1に記載の構成のように検知手段を原稿台の上方に位置するカバーに設けた場合、原稿台が送り出し位置まで移動する前にステイプルなどの金属を検知することは難しい。このため、ステイプルの検知が遅れ、ステイプルで綴じられた原稿が分離給送され損なって、損傷する可能性がある。したがって、金属の検知をできるだけ早く行える構成が望まれている。
本発明は、上記を鑑み、原稿が載置されて移動する原稿台と、前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ分離して給送する分離給送手段と、前記原稿台と対向し、前記原稿台の移動方向に沿って設けられた壁と、前記壁の前記原稿台と反対側で、前記分離給送手段よりも原稿の搬送方向上流側に設けられ、磁界の変化により金属を非接触で検知する検知手段と、を備えたことを特徴とする原稿給送装置にある。
本発明によれば、金属の検知をできるだけ早く行える。
第1の実施形態に係る画像読取装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る原稿給送装置の原稿台周辺の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る金属検知部の構成を示す模式図。 第1の実施形態に係る金属検知部の出力波形で、(a)金属検知部に金属が接近した状態を、(b)金属検知部周辺に金属がない状態を、それぞれ示すグラフ。 原稿台の上昇量に対する金属検知部の出力値を示すグラフ。 第1の実施形態に係る金属検知部によるステイプル検知の様子を示す模式図。 原稿の搬送量に対する原稿検知センサの出力と金属検知部の出力値を示すグラフ。 第1の実施形態に係る原稿給送装置を、一部を省略して上方から見た概略平面図。 第1の実施形態に係る画像読取装置の制御のフローチャート。 比較例に係る原稿給送装置の原稿台周辺の概略構成断面図。 第2の実施形態に係る原稿給送装置の原稿台周辺の概略構成断面図。 第2の実施形態に係る原稿給送装置を、一部を省略して上方から見た概略平面図。 第2の実施形態に係る原稿給送装置の別例を、一部を省略して正面から見た概略平面図。 第2の実施形態に係る画像読取装置の制御のフローチャート。 第3の実施形態に係る画像読取装置の制御のフローチャート。 第4の実施形態に係る画像読取装置の制御のフローチャート。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図10を用いて説明する。まず、図1を用いて本実施形態の画像読取装置の概略構成について説明する。
[画像読取装置]
画像読取装置200は、シートなどの原稿Fを搬送し、原稿Fの両面又は片面の画像を読み取る。このために、画像読取装置200は、原稿給送装置101を備える。原稿給送装置101は、原稿台1を有し、原稿台1には、原稿Fが複数枚積載可能である。この原稿台1は、原稿Fが載置されて移動する。具体的には、原稿台1は、上下方向に移動自在、即ち、昇降自在に構成されている。原稿台駆動モータ2は、原稿台1を昇降させる。原稿検知センサ3は、原稿台1に積載された原稿Fが取込位置にあることを検知する。また、原稿検知センサ3(原稿積載検知手段)は、原稿台1が次述するピックアップローラ4により原稿を取り込む取込位置まで上昇した場合に、原稿台1の載置面1aに原稿Fが積載されていることを検知する。原稿台1は、原稿Fの搬送方向に交差(本実施形態では、直交)する原稿Fの幅方向両端に当接して、原稿Fの幅方向位置を規制する規制板203を有する。
送り出し手段としてのピックアップローラ4は、原稿台1の原稿Fを原稿台1から送り出す(取り込む)。即ち、ピックアップローラ4は、原稿台1から後述する分離ローラ対42に向けて原稿Fを送り出す。ピックアップローラ駆動モータ(送り出しモータ)5は、ピックアップローラ4を回転させる。また、ピックアップローラ4は原稿Fを送り出す送り出し位置と送り出し位置よりも上方の退避位置とに不図示の駆動手段によって移動できる。ピックアップローラ4は原稿Fを送り出すときは送り出し位置に移動され、送り出しが終わったら退避位置に移動される。原稿検知センサ35は、原稿台1よりも下流で分離ローラ対42の上流に配置され、ピックアップローラ4から送り出された原稿Fを検知する。
給送ローラ6は、給送モータ9によって、原稿Fを搬送方向下流側に給送する方向に回転するように駆動されている。分離ローラ7は、原稿Fを搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を、不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して分離モータ8から常時受けている。給送ローラ6と分離ローラ7との間に原稿Fが1枚存在するときは、上記トルクリミッタが伝達する分離ローラ7が原稿Fを上流側に押し戻す方向の回転力の上限値より、給送ローラ6によって下流側に送られる原稿Fと分離ローラ7との間の摩擦力によって原稿Fが下流側に給送される方向への回転力が上回り、分離ローラ7は給送ローラ6に追従して回転する(連れ回りする)。
一方、給送ローラ6と分離ローラ7との間に原稿Fが複数枚存在するときは、分離ローラ7は原稿Fを上流側に押し戻す方向の回転をローラ軸から受け、最も上位の原稿F以外が下流側に搬送されないようにする。
このように給送ローラ6が原稿Fを下流側に給送する作用と、分離ローラ7の原稿Fを下流側に搬送されないようにする作用とによって、原稿Fが重なって給送ローラ6と分離ローラ7とのニップ部に送り込まれたとき、最も上の原稿Fのみ下流側に給送され、それ以外の原稿Fは下流側に搬送されないようにされることで、重なった原稿Fが分離給送される。よって、給送ローラ6と分離ローラ7とは、分離給送手段としての分離ローラ対42を構成する。なお、本実施形態では、分離ローラ対42を使用しているが、分離ローラ対42の代わりに分離ローラと給送ローラのどちらか一方をベルトにした、分離ベルトローラ対を使用してもよい。また、分離ローラを分離パッドに置き換え、原稿Fに当接することで下流側へ複数枚の原稿Fが搬送されることを防ぐようにしても良い。
このように構成されたピックアップローラ4、給送ローラ6、分離ローラ7などからなる原稿給送装置101によって、原稿台1に積載された原稿Fが1枚ずつに分離されて、画像読取装置200内部に取り込まれる。
搬送モータ10は、原稿分離後の原稿Fを、画像読取部としての読取ユニット43、44によって原稿の画像の読み取りが行われる画像読取位置まで搬送し、更に排出位置まで搬送するため、その他のローラ(搬送手段)を駆動する。また、搬送モータ10は、原稿Fの解像度などに応じて速度を変更できるようになっている。なお、ピックアップローラ駆動モータ5と搬送モータ10は、どちらか一方のみの構成で原稿の送り出しと搬送機能を兼ねていても良い。
読取ユニット43、44は、それぞれ、原稿Fに光を照射する光源30、31と、原稿Fの画像を読み取る読取センサ14、15とを備える。このような読取ユニット43、44は、上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板の間に形成される原稿の搬送路46を挟むように配置され、原稿の両面又は片面の画像を読み取る。また、読取ユニット43、44は、原稿Fの読取り速度と解像度に基づき走査間隔を変更できるようになっている。原稿排出センサ16は、原稿が読取ユニット43、44を通過して原稿排出部45に排出されたことを検知する。
ニップ隙間調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、或いは分離ローラ7に対して原稿Fを介して給送ローラ6が圧接する圧接力を調整する。これにより、原稿Fの厚みに適合した隙間、或いは圧接力が調整され、原稿を分離することができる。
分離ローラ対42により分離給送された原稿Fを搬送する搬送手段としてのレジストローラ18は、不図示のクラッチを介して搬送モータ10の回転駆動力が伝達、又は当該伝達が遮断される。レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の回転を停止することにより、給送される原稿Fの先端をレジストローラ対のニップ部に突き当てて、原稿の斜行を補正する。
上述のレジストローラ対、搬送ローラ20、21で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ22、23で構成される搬送ローラ対、及び搬送ローラ24、25で構成される搬送ローラ対は、共通の駆動源である搬送モータ10により駆動される。これら各ローラ対、及び、後述する排出ローラ26、27で構成されるローラ対は、分離ローラ対42により分離給送された原稿を搬送する搬送手段に相当する。
レジスト前センサ32は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の上流側に配設され、搬送される原稿Fを検知する。レジスト後センサ33は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の下流側に配設され、搬送される原稿Fを検知する。原稿検知センサ34は、搬送ローラ22、23の下流側に配設され、搬送される原稿Fを検知する。
レジスト後センサ33によって原稿Fが検知されると、制御手段としての制御部57によって読取ユニット43、44に対し画像の読み取り指示が出され、搬送される原稿Fの画像が読み取られる。
排出ローラ26、27は、原稿Fを原稿排出部(排出トレイ)45に排出する。排出ローラ27は、排出駆動モータ28により駆動される。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、分離ローラ対、レジストローラ対、各搬送ローラ対及び下流側のローラ対により搬送される原稿を案内する。
制御部57は、画像読取装置200全体の制御を行う。このような制御部57は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。読取ユニット43、44によって読み取られた原稿の画像は、不図示のインターフェース部を介して情報処理装置などの外部装置(後述する外部PC500など)に対して送信される。
画像読取装置200は、上述のように、原稿Fの搬送動作及び読取動作を行うことで、原稿Fの画像を取得することができる。
[金属検知部]
次に、金属検知部110について説明する。金属検知部110は、図1及び図2に示すように、原稿台1と対向し、原稿台1の移動方向に沿って設けられた壁41aの原稿台1と反対側に設けられている。本実施形態の場合、原稿台1は、上下方向に移動するため、壁41aは、原稿台1の移動方向に沿って略上下方向に設けられている。具体的には、壁41aは、下ガイド板41の一部であり、下ガイド板41の原稿の搬送方向の最上流端で、原稿台1に隣接して設けられている。このような壁41aは、原稿台1に載置された原稿の先端が突き当てられる、或いは、原稿の先端が近接する。また、原稿台1は、載置された原稿の先端を壁41aに突き当てたまま、或いは、近接させたまま上下方向に移動する。
そして、この壁41aの内側、即ち、壁41aを挟んで原稿台1と反対側の画像読取装置200の筐体200a内に、金属検知部110が配置されている。さらに言えば、原稿台1が上下方向に移動する際に、原稿台1上に載置された原稿と対向する位置に設けられている。金属検知部110は、分離ローラ対42よりも原稿の搬送方向上流側に設けられ、磁界の変化により金属を非接触で検知するものである。
即ち、金属検知部110は、分離ローラ対42よりも原稿の搬送方向上流の位置で、且つ、原稿台1の下流側の原稿給送口、又は、その近傍の位置に配置されている。本実施形態では、この金属検知部110としては、ステイプルやクリップなどの金属の接近や離間でインダクタンスやインピーダンスが変化することによるコイル共振周波数の変化に基づくコイル方式を採用している。但し、ホールICなどコイル方式以外のものを採用しても良い。
何れにしても、本実施形態で検知しようとしているステイプルなどの金属締結部材は非常に小さいものであり、これを検知可能となるまでに金属検知部110の検知手段(本実施形態では次述する検知コイル301)を、原稿台1上の原稿にかなり接近させることが好ましい。以下、詳しく説明する。なお、以下では、金属検知部110で検知する金属が原稿の束を綴じるステイプルである場合について説明するが、この金属は、例えば、金属製のクリップなどであっても同様である。
図3に示すように、金属検知部110は、検知手段としての検知コイル301と、共振回路(金属検知回路)302と、周波数算出手段としての周波数算出器303とを有する。検知コイル301は、通電されることで周囲に磁界を発生させるもので、上述のように、壁41aの内側で、分離ローラ対42よりも原稿の搬送方向上流側(即ち、原稿台1の近傍)に配置されている。共振回路302は、検知コイル301と接続されて共振するもので、検知コイル301の周囲に発生する磁界が変化することで共振周波数が変化する。周波数算出器303は、共振回路302の電圧から共振周波数を算出する。
なお、壁41aの内側で原稿台1の近傍に配置されるのは、検知コイル301のみでも良く、共振回路302や周波数算出器303は、壁41aから離れていても良い。本実施形態では、検知コイル301は、プリント基板上に銅箔などの導体で形成されるコイルであり、金属検知部110は、検知コイル301、共振回路302、周波数算出器303をこのプリント基板上で接続したものとしている。即ち、検知コイル301は、基板上に銅線で楕円状のパターンを形成し、そこに通電することにより磁界を発生させ、コイルとして動作する。コイルの巻き数を増加させると、容量成分が増加し、磁束が増加する。結果として、検知精度を向上することが可能となる。
このように構成される金属検知部110は、周波数算出器303により算出された周波数に基づいてステイプルなどの金属を検知する。即ち、共振回路302から出力される信号の周波数は、検知コイル301周辺に金属が有るか否か及び、検知コイル301周辺に存在する金属の移動量で変化する。そして、この周波数を周波数算出器303で算出し、周波数の変化量を制御部57(図1)のCPU(ハードウエア回路)、或いは、外部PC(パーソナルコンピュータ)500(図1)などで算出する事で、周波数の変化量を算出する。なお、金属検知部110の周波数出器を省略し、外部PC500で周波数を計測しても良い。
本実施形態では、制御部57は、後述するように周波数の変化量、即ち、金属検知部110の出力値に基づいて、原稿台駆動モータ2、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10などの駆動を制御する。
なお、図3の回路例では、原稿と検知コイル301との間の浮遊容量の変化によっても出力周波数が変化する。この容量成分による出力周波数変化を低減するために、原稿と検知コイル301の間には、導電性フィルムや導電性塗料を塗布した部材等のシールド部材304を配置し、シールド部材304を回路基板のフレームGNDや金属製筐体等のような電位の安定した部位に接続するのが効果的である。
図4(a)、(b)は、図3の共振回路302から出力された周波数の波形の一例である。図4(a)、(b)の縦軸は出力電圧値、横軸は時間を示しており、金属が無い状態では図4(b)の波形311の様な出力電圧波形を示す。
一方、金属が検知コイル301に接近することで金属に誘起される誘導電流により検知コイル301のインダクタンスLが増加すると、ω=(2πf)=1/√LCの関係から発振周波数fが低くなる(周期が長くなる)。よって金属が検知コイル301に接近すると共振回路302の出力信号は、図4(a)の波形310の様に、金属がない状態の波形311よりも長周期となる。
本実施形態では、このときの周波数の変化量よりも小さい値を金属検知の判定を行うための所定の閾値として設定している。即ち、判定手段としての制御部57は、金属検知部110の出力信号(周波数の変化量)が所定の閾値以上の場合に、金属検知部110の検知コイル301が金属を検知したと判定する。
なお、このようにして求められた周波数の変化量を用いて金属検知の判定を行うための所定の閾値は、予め設定しておくことが好適である。また、所定の閾値は、周波数の変化量ではなく、周波数そのものに対して設定しておいても良い。
図5は、上述の周波数変化を金属検知部110の出力値として書き直した図である。横軸は経過時間を表すが、原稿台の上昇開始後においては移動量を表すものと考えて良い。ここで、波形321は、近傍の金属部品の有無で金属検知部110の出力値が変化する様子である。周波数算出器303は、周波数が下がると金属検知部110の出力値を上げる。また、金属検知部110の出力値に対し、上限閾値322と、下限閾値323が設定されている。
時点324は、金属検知部110の出力値が上限閾値322を越えた時点である。したがって、この時点で例えばコイル式の金属検知部110の周波数の低下が検知レベルに到達したこと、即ち、周波数の変化量が所定の閾値を超えことを示している。金属検知部110の周波数算出器303は、制御部57に対して出力値を送る構成となっているため、制御部57は、周波数算出器303の出力値により、検知コイル301にステイプルなどの金属部材が接近した、即ち、金属を検知したと判定する。
図6は、原稿Fを綴じたステイプルSP1を金属検知部110で検知する様子を示している。図6に示す楕円は、通電した検知コイル301の周囲に発生する磁界(検知領域)を示している。この検知領域内にステイプルSP1が入ると磁界が変化し、共振回路302の共振周波数が変化する。
給送される原稿が原稿束などであれば、四隅の何れかがステイプルSP1を用いて綴じられている場合が多い。特に、原稿台1に積載する原稿Fの先頭の端部(壁41a側の端部、先端)は、ステイプルSP1で綴じられている可能性が高い。このようにステイプルSP1で綴じられた原稿束を原稿台1に積載した時には、原稿の送り出し開始前の原稿台1の上昇時や送り出し開始直後に検知コイル301の近傍にステイプルSP1が来るため、金属検知部110にてステイプルSP1を非接触で検知できる。
即ち、積載時にステイプルSP1が金属検知部110の検知コイル301に十分近付く位置にあるような場合には、ステイプルSP1により綴じられた原稿束が載置された原稿台1が上昇し、このステイプルSP1が検知コイル301の近傍を通過する前と通過時とで、金属検知部110の出力値に、図5に示したような変化が起こる。例えば、時点324の前の状態は、原稿束を綴じているステイプルSP1が検知コイル301の近傍に到達する前であり、時点324は、原稿台1の上昇によりステイプルSP1が検知コイル301の近傍を通過した時点である。したがって、制御部57は、このような金属検知部110の出力値の変化に基づいて、ステイプルSP1を検知することができる。
なお、ステイプルSP1により綴じられた原稿束が原稿台1に載置される前と後とでも、図5に示す変化が起こり得る。この場合、時点324よりも前の状態は、原稿を原稿台1に載置する前に相当し、時点324及び時点324よりも後の状態は、ステイプルSP1で綴じられた原稿束を原稿台1に載置した後の状態に相当する。このため、制御部57は、このような金属検知部110の出力値の変化をとらえて、ステイプルSP1の有無を判定しても良い。
ここで、金属検知部110は、小さなステイプル等の金属部材を検知可能とするために感度を上げている。そのため、ステイプル等の金属部材以外の要因(装置の内部や外部の金属部材、地磁気、浮遊容量等)による周波数変動で金属検知部110の出力値が変化し易い。そこで、図7に示すように、原稿台1の原稿を検知する原稿検知センサ3(図1)の出力349を併用するのが良い。原稿検知センサ3は、上述したように、原稿台1が取込位置まで上昇した際に、原稿台1の載置面1a(図1)に原稿が積載されたことを検知するセンサである。
本実施形態では、制御部57は、原稿検知センサ3の出力349が変化した時点347、即ち、原稿検知センサ3により原稿を検知した時点の金属検知部110の出力値341に基づいて、所定の閾値を設定している。即ち、この時点における金属検知部110の出力値を基準に、金属検知部110の出力値範囲348を決定し、これに基づいて図5に示したような上限閾値322、下限閾値323を決定する。
これにより、原稿を原稿台1に載置した時点にて金属検知部110の出力値が校正され、適切な金属検知部110の出力値における金属検知の判定の所定の閾値を設定できる。また、このようにすることで、積載された原稿の多寡による、金属検知部110の出力値の変化にも対応できる。図7の金属検知部110の出力値341が時点344において上限閾値322を超えており、この時点で金属検知部110によりステイプルなどの金属を検知したと判定する。なお、本実施形態においては、原稿検知センサ3によって原稿を検知した時点347での金属検知部110の出力値を中心に、上下両側に同等の範囲が現れるように上限閾値322と下限閾値323とを決定している。
[検知コイルの配置]
次に、本実施形態における金属検知部110の検知コイル301の配置について、図8を用いて説明する。原稿給送装置101は、壁41aの原稿台1の移動方向の一端部(上端部)から原稿の搬送方向下流側に連続するように設けられ、原稿台1から分離ローラ対42まで原稿をガイドするガイド部201を備える。金属検知部110は、ガイド部201の原稿をガイドする側と反対側でガイド部201の近傍に設けられている。具体的には、検知コイル301が、原稿台1に最大量の原稿を積載したときの最上面の原稿の先端のステイプルを検知できるように、金属検知部110の検知コイル301をガイド部201の近傍に配置している。
本実施形態の場合、金属検知部110は、複数設けられており、原稿の搬送方向に関し、ピックアップローラ4と分離ローラ対42の間で、分離ローラ対42の両側にそれぞれ配置されている。具体的には、金属検知部110は、原稿台1に載置された原稿Fの幅方向両側に対向する位置に、それぞれ1個ずつ、合計2個配置されている。これにより、原稿Fの幅方向両側の何れにステイプルなどの金属部材があっても、金属検知部110により検知可能である。
また、それぞれの金属検知部110の検知コイル301は、磁界の検知面が原稿台1の載置面1a(略水平方向)に対して垂直(上下方向)になるように配置している。即ち、検知コイル301は、導体を複数回巻回して楕円形に形成したものであり、楕円形の検知コイル301の長手方向が幅方向に、短手方向が原稿台1の移動方向(上下方向)となるように配置されている。本実施形態では、検知コイル301の検知面が原稿台1の昇降領域の全域と対向するように配置しているが、原稿台1の昇降領域の上側の領域(例えば、昇降領域の上端を含む昇降領域の全域の上側半分、或いは、2/3の領域)に、検知コイル301の検知面が対向するようにしても良い。
また、原稿台1は、原稿Fを載置する載置面1aを補強する金属製の補強部材としての補強板204を有する。即ち、原稿台1は、原稿Fを載置する載置面1aを樹脂製としており、この載置面1aの下部にこの載置面1aを補強するように補強板204を設けている。載置面1aには、多量の原稿束を載置する場合があり、この場合には、載置面1aが撓んだりする可能性があるため、本実施形態では、補強板204によりこの載置面1aを補強するようにしている。
この補強板204は、原稿台1の上昇時に、この原稿台1と共に上昇するため、上昇時に金属検知部110と対向する領域を通過する。補強板204は、金属板であるため、仮に、補強板204の一部が金属検知部110の検知コイル301の近傍を通過すると、検知コイル301の磁界に影響を与え、誤検知する可能性がある。
そこで、補強板204は、少なくとも原稿台1の移動時(昇降時)に検知コイル301と対向する部分が、検知コイル301から所定距離以上離れる位置に設けられている。本実施形態では、補強板204は、原稿台1の移動時(昇降時)に検知コイル301と対向する部分に、検知コイル301から離れる方向に凹んだ凹部204aが形成されている。具体的には、凹部204aは、2箇所の検知コイル301と対向する補強板204の前端側(壁41a側)の幅方向2箇所に、壁41aから離れる方向に凹むように形成されている。
凹部204aの底部(原稿Fの搬送方向における上流側の端部)の検知コイル301からの距離(凹部204aの深さ)は、所定距離以上としているが、この所定距離は、補強板204が検知コイル301の磁界に与える影響をなくす或いは小さくして、検知コイル301の検知精度を確保できる程度となるように適宜設定する。なお、凹部204aは、切り欠きでも良い。即ち、補強板204の壁41a側の端部を幅方向中央部のみ壁41a側に突出させて、この端部の幅方向両側が切り欠かれているような形状としても良い。また、凹部や切り欠きを設けずに、補強板204の壁41a側の端部が検知コイル301から所定距離離れるように、補強板204を配置するようにしても良い。
このように検知コイル301と対応する部分に凹部204aを設け、補強板204と検知コイル301との間の距離を大きくすることで、原稿台1の昇降時に補強板204が検知コイル301の検知に与える影響を抑えられる。
なお、本実施形態では、検知コイル301を幅方向2箇所に配置したが、検知コイル301を3個以上としても良いし、検知コイル301を壁41aの内側の幅方向全域に1個配置するようにしても良い。この場合、ステイプルなどの金属部材が原稿の幅方向両側にある場合に加えて、例えば、原稿の幅方向中央など、両側以外の他の部分にあっても検知することができる。
上述した補強板204の凹部204aは、例えば、検知コイル301が3個以上配置される場合には、対応する領域にそれぞれ形成しても良いし、全てを含むように1個形成しても良いし、補強板204の壁41a側の端部が検知コイル301から所定距離離れるように、補強板204を配置するようにしても良い。また、検知コイル301を1個配置する場合には、検知コイル301の幅方向全域を含むように凹部を形成しても良いし、補強板204の壁41a側の端部が検知コイル301から所定距離離れるように、補強板204を配置するようにしても良い。
このような本実施形態の場合、原稿台1は、載置された原稿Fをピックアップローラ4により送り出し可能な取込位置まで移動させるべく上昇する。原稿Fにステイプルがある場合、この原稿Fを載置した原稿台1が上昇する際に、このステイプルが原稿台1と対向配置される壁41aの内側に配置された検知コイル301の近傍を通過する。すると、検知コイル301に接続される共振回路302の周波数が変化する。共振回路302の周波数は、周波数算出器303により算出され、金属検知部110の出力値として制御部57に入力される。制御部57は、この金属検知部110の出力値が所定の閾値以上の場合、金属検知部110が金属を検知したと判定する。
制御部57は、原稿台1の移動時(上昇時)に金属検知部110が金属を検知した場合、即ち、金属検知部110の出力値が所定の閾値以上の場合には、原稿台1の移動を停止する。具体的には、原稿台駆動モータ2の駆動を停止する。そして、例えば、画像読取装置200に接続された外部PC500に、例えば原稿がステイプルで綴じられている状態である旨を通知するなどのエラー表示を行う。この際、制御部57は、原稿台駆動モータ2の他に、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10などの駆動及び読取ユニット43、44の動作を停止し、原稿の搬送や読み取りを停止するようにしても良い。なお、エラー表示は、画像読取装置200が備える表示部510に表示しても良い。
[画像読取装置の制御の一例]
次に、本実施形態の画像読取装置200の制御の一例について、図9を用いて説明する。原稿を原稿台1に載置して、例えばユーザが画像読取装置200に備えられた不図示のスタートボタンを押すと、制御部57は、金属検知部110の出力値の上限閾値322を、金属検知部110による金属検知(ステイプル検知)の判定の所定の閾値の初期値(判定閾値T)として設定する(S1)。制御部57は、金属検知処理を開始し(S2)、不図示のモータドライバを介して原稿台駆動モータ2を回転させることで原稿台1を所定量上昇させる(S3)。ここでいう所定量とは、原稿台1に載置されている原稿がピックアップローラ4により送り出し可能な取込位置まで移動するまでの距離又は予め設定されている量である。
次に、制御部57は、金属検知部110から取得した出力値を判定閾値Tと比較し、原稿の先端のステイプルの有無を検知する(S4)。金属検知部110の出力値が判定閾値T未満(S4のNO)の場合、ステイプルが検知されなかったとして、原稿台1が取込位置に到達したかどうかを判定する(S5)。判定の結果、原稿台1が取込位置に到達していなければ(S5のNO)、再度、S4で原稿の先端のステイプルの有無の検知を行う。
S5で、原稿台1が取込位置に到達したと判定した場合には(S5のYES)、制御部57は、原稿台1に原稿Fが積載されているか否かをピックアップローラ4付近に設けた原稿検知センサ3から得られる出力値を基に検知する(S6)。原稿Fが原稿台1に積載されている場合(S6のYES)、原稿Fの給送及び読取を実施する(S7)。即ち、ピックアップローラ4により原稿を送り出し、分離ローラ対42により原稿を分離給送する。そして、レジストローラ17、18などにより原稿を搬送し、読取ユニット43、44により原稿の画像を読み取り、画像を読み取った原稿を原稿排出部45に排出する。
このような原稿の読取動作が開始された後、制御部57は、原稿台1に原稿Fが積載されているか否かを、再度、原稿検知センサ3から得られる値を基に検知する(S8)。即ち、N枚目(Nは1以上の整数)の原稿が原稿台1から給送された後、原稿台1に次の原稿があるか否かを検知する。原稿Fが原稿台1に積載されている場合(S8のYES)、制御部57はS3〜S7の処理を繰り返し実施する。
S8で、原稿Fが原稿台1に積載されていない場合(S8のNO)、制御部57は、ピックアップローラ駆動モータ5などを停止し(S9)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
一方、S4の原稿の先端のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合(S4のYES)、制御部57は、ステイプルが検知されたとして、原稿台駆動モータ2を停止し、原稿台1の上昇を停止させる(S10)。この原稿台1の上昇の停止は、ステイプル検知後、直ちに停止しても良いし、例えば、原稿台1が取込位置まで上昇してから停止しても良い。或いは、原稿台1がホームポジション(例えば、昇降範囲の最下端位置)まで移動してから停止しても良い。また、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42の駆動も停止する。更には、分離ローラ対42よりも下流の搬送ローラ対の駆動も停止するようにしても良い。或いは、ステイプル検知により画像読取装置200の動作を全て停止するようにしても良い。そして、制御部57は、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施し(S11)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
S6で、原稿Fが原稿台1に積載されていない場合(S6のNO)、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10の回転を停止させ、原稿台1に原稿がない旨のエラー表示を行う(S11)。
このように構成される本実施形態の場合、金属検知部110によるステイプルなどの金属の検知をできるだけ早く行える。即ち、金属検知部110は、上述したように、原稿台1と対向する壁41aの内側に配置されている。このため、原稿台1上の原稿の先端にステイプルがある場合には、原稿台1の上昇時に検知することが可能である。このため、ステイプルで綴じられた原稿が分離ローラ対42に搬送される前にステイプルを検知して、この原稿が分離ローラ対42で分離され損なって損傷を受けることを回避できる。
この点について、図10の比較例を用いて説明する。比較例の場合、金属検知部110は、原稿台1に載置された原稿の上方に設けられたカバー600内に設けられている。このような構成の場合、原稿台1が原稿の取込位置まで上昇しなければ、原稿FのステイプルSPを検知できず、原稿台1の上昇時に金属検知部110により原稿FのステイプルSPを検知しにくい。このため、原稿FにステイプルSPがある場合でも、ピックアップローラ4により原稿が分離ローラ対に送り込まれ、分離ローラ対で原稿が破損する可能性がある。
一方、本実施形態の場合、図2に示すように、原稿台1と対向する壁41aの内側に金属検知部110が配置されているため、原稿台1の上昇時に原稿FのステイプルSPを検知し易い。このため、ステイプルSPで綴じられた原稿Fがピックアップローラ4により送り出される前に、このステイプルSPを検知でき、この原稿Fがピックアップローラ4により分離ローラ対42に搬送される前に、原稿台1の上昇などの装置の動作を停止することができる。この結果、ステイプルSPで綴じられた原稿Fが損傷することを防止し易い。
また、図10の比較例の場合、金属検知部110は、ピックアップローラ4の原稿搬送方上流に配置されているため、原稿Fの先端にステイプルSPがある場合には、検知しにくい。このため、金属検知部110をピックアップローラ4の原稿搬送下流に設けることが考えられるが、この場合、装置が大型化してしまう。
これに対して本実施形態の場合、金属検知部110を壁41aの内側に設けているため、装置の大型化を抑制しつつ、早い段階で原稿FのステイプルSPを検知することが可能である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図1、図3ないし図7を参照しつつ、図11ないし図14を用いて説明する。上述の第1の実施形態の場合、金属検知部110の検知コイル301を、磁界の検知面が原稿台1の載置面1aに対して垂直になるように配置した。これに対して本実施形態の場合、検知コイル301は、磁界の検知面が原稿台1の移動方向に対して傾くように設けられている。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通の構成については同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
上述の第1の実施形態の場合、検知コイル301の検知面が原稿台1の移動方向に沿った上下方向に配置されているため、仮に、ステイプルで綴じられた原稿が原稿台1からピックアップローラ4により送り出されている際には、このステイプルを検知しにくい。特に、ステイプルが原稿の先端ではなく後端や途中にあった場合、原稿台1の上昇時に金属検知部110により検知できず、原稿台1からピックアップローラ4により搬送されてしまう可能性がある。そして、この場合、検知コイル301の検知面が上下方向に配置されているため、ピックアップローラ4から装置内部に搬送される原稿のステイプルを検知しにくい。
そこで、本実施形態の場合、図11に示すように、金属検知部110の検知コイル301の磁界の検知面が原稿台1の移動方向、即ち、上下方向に対して傾くように、検知コイル301を壁41aの内側に配置している。以下、詳しく説明する。
本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、金属検知部110の検知コイル301は、基板上に銅線で楕円状のパターンを形成し、そこに通電することにより磁界を発生させ、コイルとして動作するものである。金属検知部は、このようなコイル式以外にもホールICなどの他の構成であっても良い点も同様であり、本実施形態でホールICを採用した場合、磁界の検知面が原稿台1の移動方向に対して傾くようにする。
また、本実施形態の場合も、金属検知部110は、原稿台1から分離ローラ対42まで原稿をガイドするガイド部201の、原稿をガイドする側と反対側でガイド部201の近傍に設けられている。具体的には、検知コイル301が、原稿台1に最大量の原稿を積載したときの最上面の原稿の先端のステイプルを検知できるように、金属検知部110の検知コイル301をガイド部201の近傍に配置している。
特に、本実施形態の場合、検知コイル301は、磁界の検知面が原稿台1の移動方向に対して傾くように配置している。即ち、検知コイル301は、楕円形の検知コイル301の長手方向が幅方向に、短手方向が原稿台1の移動方向(上下方向)に対して傾くように配置されている。
検知コイル301は、原稿台1が上下方向に移動するので、検知面が原稿台1における原稿を載置する載置面1aの面方向(本実施形態では水平方向)に対して45°以上傾くように設けることが好ましく、より好ましくは、検知面の載置面1aの面方向に対する角度を45°よりも大きくする。但し、検知面の載置面1aの面方向に対する角度は、80°以下とすることが好ましい。本実施形態では、検知面の載置面1aの面方向に対する角度を60°程度としている。
ここで、検知面の上下方向に対する角度が小さいほど(水平方向に対する角度が大きいほど)、原稿台1が昇降する領域と検知面とが重なる範囲が広くなり、原稿台1の昇降時にステイプルを検知し易い。また、このように検知面と原稿台1の昇降領域とが重なる範囲が広くなれば、原稿台1の上昇時に早い段階でステイプルを検知することができる。このため、本実施形態では、検知面の水平方向に対する角度を45°よりも大きくして、検知面と原稿台1の昇降領域とが重なる範囲を広くしている。
一方、検知面の水平方向に対する角度が大きすぎると、ガイド部201を搬送される原稿のステイプルの検知領域が狭くなる。このため、検知面の水平方向に対する角度は、80°以下としている。主として原稿台1側でステイプルを検知したい場合には、検知面の水平方向に対する角度を大きくすることが好ましいが、主としてガイド部201側でステイプルを検知したい場合には、検知面の水平方向に対する角度を小さく(45°未満)とすることが好ましい。本実施形態では、前者を採用しており、検知面の水平方向に対する角度は、50°以上80°以下とすることが好ましい。
また、検知コイル301は、図11に示すように、上方に向かう程、原稿台1から離れる方向に検知面が傾くように配置されている。これにより、検知コイル301の検知領域が、原稿台1側とガイド部201側の両方を含むようになる。そして、原稿台1の昇降時(上下方向の移動時)に原稿台1上の原稿のステイプルSPと、ピックアップローラ4によりガイド部201上を搬送される原稿のステイプルSPとの両方を、検知コイル301により検知可能としている。
即ち、検知面を水平方向に対して傾けることで、検知面が水平方向と平行となる場合と比較して、原稿台1の昇降時にステイプルを通過する磁束φが増加する。また、検知面を傾けることで、検知コイル301から出力される磁束φに対し、原稿台1の上昇時に変化する垂直成分φと、ガイド部201の搬送中に変化する水平成分φに対して、検知コイル301の出力値の変化量を効率良く検出することが可能となる。
ここで、ステイプルの検知は、原稿台1の上昇時に行うため、検知コイル301の検知面は、原稿台1の昇降領域の上側の領域に向くことが好ましい。即ち、原稿台1に載置された原稿がピックアップローラ4に当接するまでの間に、検知コイル301によりステイプルを検知することが好ましい。このため、本実施形態では、検知コイル301は、上方に向かう程、原稿台1から離れる方向に検知面が傾くように配置されている。これにより、原稿台1の昇降方向に関し、少なくともピックアップローラ4が原稿と接触する位置を含み、この位置の下方の所定の領域が検知コイル301の検知領域に含まれるようにしている。
なお、検知コイル301の短手方向の寸法を大きくしたり、上下方向に複数の検知コイル301を設けて、検知面が傾いても原稿台1の昇降領域の全域を検知領域としても良い。但し、この場合、装置が大型化してしまうため、本実施形態では、原稿台1の昇降領域の上側の領域(例えば、昇降領域の上端を含む昇降領域の全域の上側半分、或いは、2/3の領域)が検知コイル301の検知領域に含まれるようにしている。
また、本実施形態の場合も、金属検知部110は、複数設けられており、図12に示すように、原稿の搬送方向に関し、ピックアップローラ4と分離ローラ対42の間で、分離ローラ対42の両側にそれぞれ配置されている。具体的には、金属検知部110は、原稿台1に載置された原稿Fの幅方向両側に対向する位置に、それぞれ1個ずつ、合計2個配置されている。これにより、原稿Fの幅方向両側の何れにステイプルなどの金属部材があっても、金属検知部110により検知可能である。
また、原稿台1の載置面1aを補強する補強板204は、原稿台1の移動時(昇降時)に検知コイル301と対向する部分に、検知コイル301から離れる方向に凹んだ凹部204aが形成されている。
なお、本実施形態の場合も、検知コイル301を3個以上としても良い。また、図13に示す本実施形態の別例のように、検知コイル301を壁41aの内側の幅方向全域に1個配置するようにしても良い。具体的には、検知コイル301の楕円の長手方向の長さが、原稿台1の載置可能な最大幅の原稿の幅方向長さ以上とし、この最大幅の原稿の幅全域と検知コイル301の検知面が対向するようにする。
図示の例では、検知コイル301の長手方向の長さを、最大幅の原稿に合わせた規制板203の間隔と略同じとしている。この場合、ステイプルなどの金属部材が原稿の幅方向両側にある場合に加えて、例えば、原稿の幅方向中央など、両側以外の他の部分にあっても検知することができる。
このような本実施形態の場合、金属検知部110の検知コイル301は、検知面が原稿台1の移動方向に対して傾くように配置されているため、第1の実施形態と比較して、原稿が搬送されるガイド部201と対向する検知コイル301の面積が大きくなる。即ち、検知コイル301を上方から見た場合に、検知面がガイド部201と重なる領域が第1の実施形態の構成よりも広くなる。また、検知コイル301を水平方向から見た場合に、原稿台1が昇降する領域のうちの上側の領域が検知面と重なる。
このため、本実施形態では、原稿台1の昇降時に加えて、ステイプル綴じした原稿がガイド部201を搬送される際にも、検知コイル301の磁束が変化し、ガイド部201を搬送されるステイプルを検知することが可能となる。したがって、原稿の後端など先端以外にステイプルが存在し、原稿台1の昇降時にこのステイプルを検知できなかった場合にも、ガイド部201の搬送中にこのようなステイプルを検知できる。この際、原稿は、分離ローラ対42により搬送されている途中である可能性があるが、ガイド部201の搬送中にステイプルを検知した場合には、制御部57(図1参照)は、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42の駆動を停止する。これにより、原稿が損傷することを防止、或いは、損傷を小さくできる。
[画像読取装置の制御の一例]
次に、本実施形態の画像読取装置の制御の一例について、図14を用いて説明する。なお、図14のフローのS21〜S26は、前述の第1の実施形態の図9のフローのS1〜S6と同じである。
S26で、原稿Fが原稿台1に積載されている場合(S26のYES)、原稿Fの給送及び読取を開始する(S27)。S27で、原稿Fの給送及び読取を開始した後、即ち、原稿台1上の原稿Fがピックアップローラ4により送り出された後、制御部57は、原稿の先端以外のステイプルの有無を検知する(S28)。即ち、ガイド部201の搬送中に金属検知部110により原稿のステイプルの有無を検知する。
ここで、原稿の先端にステイプルがある場合には、原稿台1の上昇中に金属検知部110によりこのステイプルが検知されるため、ガイド部201に搬送されるということは、原稿の先端にステイプルがない可能性が高い。このため、原稿の先端以外にステイプルがある場合には、ガイド部201の搬送中にステイプルの有無の検知を行う。なお、原稿の先端にステイプルがあっても原稿台1の上昇中に検知できない場合でも、ガイド部201の搬送中にこのステイプルを検知し得る。
S28の原稿の先端以外のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T未満の場合(S28のNO)、原稿Fの給送及び読取を継続し、原稿台1に原稿Fが積載されているか否かを、再度、原稿検知センサ3から得られる値を基に検知する(S29)。即ち、ピックアップローラ4により原稿を送り出し、分離ローラ対42により原稿を分離給送する。そして、レジストローラ17、18などにより原稿を搬送し、読取ユニット43、44により原稿の画像を読み取り、画像を読み取った原稿を原稿排出部45に排出する。
このような原稿の読取動作が開始された後、即ち、N枚目(Nは1以上の整数)の原稿が原稿台1から給送された後、制御部57は、原稿台1に原稿Fが積載されているか否かを、再度、原稿検知センサ3から得られる値を基に検知する(S29)。原稿Fが原稿台1に積載されている場合(S29のYES)、制御部57はS23〜S29の処理を繰り返し実施する。
S29で、原稿Fが原稿台1に積載されていない場合(S29のNO)、制御部57は、ピックアップローラ駆動モータ5などを停止し、原稿の給送及び画像読取を終了する(S30)。
一方、S24の原稿の先端のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合(S24のYES)、制御部57は、ステイプルが検知されたとして、原稿台駆動モータ2を停止し、原稿台1の上昇を停止させる(S31)。この原稿台1の上昇の停止は、ステイプル検知後、直ちに停止しても良いし、例えば、原稿台1が取込位置まで上昇してから停止しても良い。或いは、原稿台1がホームポジション(例えば、昇降範囲の最下端位置)まで移動してから停止しても良い。また、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42の駆動も停止する。更には、分離ローラ対42よりも下流の搬送ローラ対の駆動も停止するようにしても良い。或いは、ステイプル検知により画像読取装置200の動作を全て停止するようにしても良い。そして、制御部57は、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施し(S32)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
S26で、原稿Fが原稿台1に積載されていない場合(S26のNO)、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10の回転を停止させる(S33)。そして、原稿台1に原稿がない旨のエラー表示を行う(S32)。
また、S28の原稿の先端以外のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合(S28のYES)、制御部57は、ステイプルが検知されたとして、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10の回転を停止させる(S33)。そして、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施し(S32)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
このように構成される本実施形態の場合も、金属検知部110によるステイプルなどの金属の検知をできるだけ早く行える。即ち、第1の実施形態と同様に、原稿台1の上昇時にステイプルを検知することが可能である。特に本実施形態の場合、ピックアップローラ4による原稿の送り出し直後であってもステイプルの存在を検知でき、ステイプルで綴じられた原稿が分離ローラ対42で分離され損なって損傷を受けることを回避できる。
より具体的には、本実施形態の場合、ステイプルで綴じられた原稿束が送り出される前、又は、送り出し開始後、速やかにこのステイプルを検知可能であり、原稿が破損することを低減できる。また、原稿束の先端以外を綴じているステイプルがある場合は、ピックアップローラ4による原稿の搬送中に、ステイプルがガイド部201を通ってガイド部201の近傍にある検知コイル301に接近する。そして、検知コイル301によりこのステイプルを検知することができる。そして、ステイプルを検知した時点でピックアップローラ駆動モータ5などを停止すれば、それ以上、原稿が搬送されることを防止して、原稿の損傷を抑制できる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図1、図3ないし図7、図11を参照しつつ、図15を用いて説明する。上述の第2の実施形態の場合、金属検知部110がステイプルを検知した場合には、既に、分離ローラ対42から分離給送された原稿の画像の読取動作を停止した。これに対して本実施形態の場合、既に、分離ローラ対42から装置内部に分離給送された原稿については、金属検知部110がステイプルを検知しても画像の読取動作を完了させるようにしている。その他の構成及び作用は、第2の実施形態と同様であるため、第2の実施形態と共通の構成については同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、原稿台1の上昇中やピックアップローラ4による原稿の搬送中に、金属検知部110がステイプルを検知した場合に、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42を停止すると共に、レジストローラ対などの分離ローラ対42よりも下流にある搬送ローラ対による搬送を継続させるようにしている。
即ち、金属検知部110がステイプルを検知した場合に、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42を停止して、ステイプルに綴じられた原稿がそれ以上搬送されることを防止する。一方、既に分離ローラ対42により分離給送された原稿については、搬送ローラ対による搬送を継続させ、該原稿の読取ユニット43、44による画像の読み取りを完了させる。なお、原稿台1の上昇中の場合にステイプルを検知した場合には、原稿台1の上昇も停止させ、既に分離給送された原稿の読み取りを完了させるようにしても良い。
このような本実施形態の画像読取装置の制御の一例について、図15を用いて説明する。なお、図15のフローのS41〜S50は、前述の第2の実施形態の図14のフローのS21〜S30と同じである。
S44の原稿の先端のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合(S44のYES)、制御部57は、ステイプルが検知されたとして、原稿台駆動モータ2を停止し、原稿台1の上昇を停止させる(S51)。この原稿台1の上昇の停止は、ステイプル検知後、直ちに停止しても良いし、例えば、原稿台1が取込位置まで上昇してから停止しても良い。或いは、原稿台1がホームポジション(例えば、昇降範囲の最下端位置)まで移動してから停止しても良い。この際、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8の回転を停止させ、ピックアップローラ4、分離ローラ対42を停止させる。
そして、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、搬送モータ10の回転を停止させ、分離ローラ対42よりも下流のレジストローラ対などの搬送ローラ対を停止させる(S52)。次いで、制御部57は、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施し(S53)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
S46で、原稿Fが原稿台1に積載されていない場合(S46のNO)、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8の回転を停止させると共に、搬送モータ10の回転を停止させる(S52)。そして、原稿台1に原稿がない旨のエラー表示を行う(S53)。
また、S48の原稿の先端以外のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T以上の場合(S48のYES)、制御部57は、ステイプルが検知されたとして、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8の回転を停止させる(S54)。即ち、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42の駆動を停止する(給送停止)。この際、搬送モータ10の回転を継続させて、分離ローラ対42よりも下流の搬送ローラ対を駆動しておく。
次いで、制御部57は、先行分の原稿、即ち、分離ローラ対42により既に分離給送された原稿の画像読取が完了しているかを判断する(S55)。画像読取が完了しているか否かは、例えば、制御部57がレジスト後センサ33の出力と搬送速度から搬送距離を算出し、予め決定している画像読取装置の搬送路の長さと比較することで原稿の通過位置を基に判断しても良い。
S55で、先行分の原稿の画像読取が完了していない場合(S55のNO)、この原稿の搬送を継続し、画像読取後、原稿排出部45に排出して、先行分の原稿の画像読取を完了させる。
S55で、先行分の原稿の画像読取が完了している場合(S55のYES)、制御部57は、搬送モータ10の回転を停止させる(S52)。次いで、制御部57は、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施する(S53)。
上述のフローの場合、原稿台1の上昇中にステイプルを検知した場合には、分離ローラ対42よりも下流の搬送ローラ対も停止させ、ピックアップローラ4による送り出し中にステイプルを検知した場合には、先行分の原稿の画像読取を完了させるようにしている。
このため、上述のフローの場合、搬送モータ10と原稿台駆動モータ2とを異なるタイミングで制御して、原稿の給送と原稿台1の昇降のタイミングをずらし、ステイプル綴じの原稿が原稿台1に積載されている状態であるのか、若しくは給送中の状態であるかに応じて、最適な読取動作の終了方法を採ることが可能となる。なお、原稿台1の上昇中にステイプルを検知した場合にも、先行分の原稿の画像読取を完了させるようにしても良い。
このような本実施形態の場合、金属検知部110でステイプルを検知しても、先行分の原稿の画像読取を完了させているため、例えば、搬送途中のステイプル綴じされていない原稿の搬送を完了させることが可能となり、原稿が搬送路に残った状態で装置が停止することを防止できる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態について、図1、図3ないし図7、図11を参照しつつ、図16を用いて説明する。上述の第2の実施形態の場合、原稿台1の上昇中にステイプルを検知した時点で、原稿台1の上昇停止、原稿の給送、搬送の停止を行った。これに対して本実施形態の場合、原稿台1の上昇中とピックアップローラ4により原稿の搬送中の両方でステイプルを検知した場合に、原稿の給送、搬送の停止を行うようにしている。その他の構成及び作用は、第2の実施形態と同様であるため、第2の実施形態と共通の構成については同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、原稿台1の移動時(上昇中)に金属検知部110によりステイプルが検知された原稿が、ピックアップローラ4により送り出している途中に金属検知部110によりステイプルが検知された場合に、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42を停止するようにしている。即ち、2段階で金属検知部110によりステイプルを検知した場合に、原稿が装置内部に給送されないように、ピックアップローラ4及び分離ローラ対42を停止するようにしている。これにより、ステイプルの検知精度を向上させて、装置が不用意に停止することを低減している。
特に本実施形態では、制御部57による金属検知の判定閾値T(所定の閾値)も、ステイプルの検知状況に応じて変更するようにしている。即ち、判定閾値Tは、原稿台の上昇中に金属検知部110がステイプルを検知するまでは第1の閾値に設定されている。そして、原稿台1の上昇中に金属検知部110が金属を検知した後は、判定閾値Tは、第1の閾値より低い第2の閾値に設定される。即ち、原稿台1の上昇中は、ステイプル検知の判定条件を厳しく、即ち、検知しにくくし、原稿台1の上昇中にステイプルが検知された場合には、ステイプル検知の判定条件を緩く、即ち、検知し易くしている。
なお、このような判定閾値Tは、原稿台1の上昇中などに拘らず一定としても良い。即ち、判定閾値Tを変更せずに2段階でステイプルの検知を行うようにしても良い。この場合でも、2段階でステイプル検知を行えるので、ステイプルの検知精度が向上する。また、判定閾値Tは、上述の条件と逆にしても良い。即ち、判定閾値Tは、原稿台の上昇中に金属検知部110がステイプルを検知するまでは第3の閾値に設定され、原稿台1の上昇中に金属検知部110が金属を検知した後は、第3の閾値より高い第4の閾値に設定されるようにしても良い。この場合、原稿台1の上昇中は、ステイプル検知の判定条件を緩く、即ち、検知し易く、原稿台1の上昇中にステイプルが検知された場合には、ステイプル検知の判定条件を厳しく、即ち、検知しにくくなる。
このような判定閾値Tの設定は、装置の設計思想に応じて、上述の3条件の何れかを適宜選択可能である。また、ユーザなどの設定により3条件或いは何れかの2条件を選択できるようにしても良い。本実施形態では、原稿台1の上昇中にステイプルが検知された後のステイプル検知の判定条件を緩めることで、ステイプルがあった場合に、より確実に分離ローラ対42などを停止させるようにしている。
このような本実施形態の画像読取装置の制御の一例について、図16を用いて説明する。なお、図16のフローのS61〜S70は、前述の第2の実施形態の図14のフローのS21〜S30と同じである。但し、S68は、S28と異なり、原稿の先端及び先端以外を含むステイプルの検知としている。
まず、S61において、金属検知部110による金属検知の判定の所定の閾値の初期値(判定閾値T)が第1の閾値に設定される。そして、S64の原稿の先端のステイプルの有無の検知において、金属検知部110の出力値が判定閾値T(第1の閾値)以上の場合(S64のYES)、この判定閾値Tを変更する(S71)。即ち、判定閾値Tを第1の閾値から第1の閾値より低い第2の閾値に変更する。
このため、S68の原稿のステイプルの有無の検知において、判定閾値Tは、第2の閾値となる。したがって、S68において、金属検知部110の出力値が判定閾値T(第2の閾値)以上の場合(S68のYES)、制御部57は、不図示のモータドライバを介して、ピックアップローラ駆動モータ5、給送モータ9、分離モータ8、搬送モータ10の回転を停止させる(S72)。そして、接続している外部PC500の表示部にエラー表示を実施し(S73)、原稿の給送及び画像読取を終了する。
なお、S64でステイプルが検知されなかった場合には(S64のNO)、判定閾値Tは、第1の閾値のまま変更せず、S68において、この第1の閾値を用いてステイプルの有無を検知する。
このような本実施形態の場合、ステイプルの検知を2段階で行っているため、ステイプルの検知精度を向上させて、装置が不用意に停止することを低減できる。また、金属検知部110の検知コイル301は、分離ローラ対42よりも上流にあるため、本実施形態の構成であっても、原稿の先端にステイプルがある場合には、ステイプルが分離ローラ対42に到達する前にこのステイプルを検知でき、原稿が損傷することを抑制できる。
本実施形態においては、まず原稿台1の上昇中にも原稿先端のステイプルを検知するようにしているが、給送、搬送を停止するためには、ガイド部201を搬送(給送)されている原稿のステイプルを検知することを条件としている。すなわち、本実施形態においては、第2実施形態において説明した検知コイル301の検知面の角度が、水平方向に対して45°よりも小さくすることが好ましい。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、原稿台が上下方向に移動する場合について説明したが、原稿台が水平方向(例えば、図1の左右方向、前後方向)など他の方向に移動するような構成であっても、本発明を適用可能である。このような場合であっても、原稿台と共に原稿台に載置された原稿のステイプルが、原稿台に壁を介して対向配置された金属検知部に対して移動するため、磁界が変化し、金属検知部によりステイプルを検知可能である。
1・・・原稿台/1a・・・載置面/3・・・原稿検知センサ(原稿積載検知手段)/4・・・ピックアップローラ(送り出し手段)/6・・・給送ローラ/7・・・分離ローラ/14、15・・・読取センサ/17、18・・・レジストローラ(搬送手段)/20、21、22、23、24、25・・・搬送ローラ(搬送手段)/26、27・・・排出ローラ(搬送手段)/41a・・・壁/42・・・分離ローラ対(分離給送手段)/43、44・・・読取ユニット(画像読取部)/57・・・制御部(判定手段)/101・・・原稿給送装置/110・・・金属検知部/200・・・画像読取装置/201・・・ガイド部/204・・・補強板(補強部材)/204a・・・凹部/301・・・検知コイル(検知手段)/302・・・共振回路/303・・・周波数算出器

Claims (14)

  1. 原稿が載置されて移動する原稿台と、
    前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ分離して給送する分離給送手段と、
    前記原稿台と対向し、前記原稿台の移動方向に沿って設けられた壁と、
    前記壁の前記原稿台と反対側で、前記分離給送手段よりも原稿の搬送方向上流側に設けられ、磁界の変化により金属を非接触で検知する検知手段と、を備えた、
    ことを特徴とする原稿給送装置。
  2. 前記壁における前記原稿台の移動方向の一端部から前記搬送方向下流側に連続するように設けられ、前記原稿台から前記分離給送手段まで原稿をガイドするガイド部を備え、
    前記検知手段は、前記ガイド部の原稿をガイドする側と反対側で前記ガイド部の近傍に設けられている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の原稿給送装置。
  3. 前記検知手段は、磁界の検知面が前記原稿台の移動方向に対して傾くように設けられている、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の原稿給送装置。
  4. 前記原稿台は、上下方向に移動し、
    前記検知手段は、前記検知面が前記原稿台における原稿を載置する載置面の面方向に対して45°以上傾くように設けられている、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の原稿給送装置。
  5. 前記原稿台は、原稿を載置する載置面を補強する金属製の補強部材を有し、
    前記補強部材は、少なくとも前記原稿台の移動時に前記検知手段と対向する部分が、前記検知手段から所定距離以上離れる位置に設けられている、
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  6. 前記原稿台の移動時に前記検知手段が金属を検知した場合には、前記原稿台の移動を停止する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  7. 前記原稿台から前記分離給送手段に向けて原稿を送り出す送り出し手段を備え、
    前記検知手段が金属を検知した場合には、前記送り出し手段及び分離給送手段を停止する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし6のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  8. 前記分離給送手段により分離給送された原稿を搬送する搬送手段を備え、
    前記検知手段が金属を検知した場合に、前記分離給送手段を停止すると共に、前記搬送手段による搬送を継続させる、
    ことを特徴とする、請求項1ないし7のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  9. 前記原稿台から前記分離給送手段に向けて原稿を送り出す送り出し手段を備え、
    前記原稿台の移動時に前記検知手段により金属が検知された原稿が、前記送り出し手段により送り出している途中に前記検知手段により金属が検知された場合に、前記送り出し手段及び前記分離給送手段を停止する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  10. 前記検知手段の出力値が所定の閾値以上の場合、前記検知手段が金属を検知したと判定する判定手段を備え、
    前記所定の閾値は、前記原稿台の移動時に前記検知手段が金属を検知するまでは第1の閾値に設定され、前記原稿台の移動時に前記検知手段が金属を検知した後は、前記第1の閾値より低い第2の閾値に設定される、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の原稿給送装置。
  11. 前記検知手段の出力値が所定の閾値以上の場合、前記検知手段が金属を検知したと判定する判定手段と、
    前記原稿台の載置面に原稿が積載されたことを検知する原稿積載検知手段と、を備え、
    前記判定手段は、前記原稿積載検知手段により原稿を検知した時点の前記検知手段の出力値に基づいて前記所定の閾値を設定する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし10のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  12. 前記検知手段は、検知コイルと、前記検知コイルと接続されて共振する共振回路と、前記共振回路の電圧から共振周波数を算出する周波数算出手段と、を有し、前記共振周波数に基づいて金属を検知する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし11のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置。
  13. 請求項1ないし12のうちの何れか1項に記載の原稿給送装置と、
    前記原稿給送装置により給送された原稿の画像を読み取る画像読取部と、を備えた、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  14. 原稿が載置されて移動する原稿台と、
    前記原稿台に載置された原稿を1枚ずつ分離して給送する分離給送手段と、
    前記分離給送手段により分離給送された原稿を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送された原稿の画像を読み取る画像読取部と、
    前記原稿台と対向し、前記原稿台の移動方向に沿って設けられた壁と、
    前記壁の内側で、前記分離給送手段よりも原稿の搬送方向上流側に設けられ、磁界の変化により金属を非接触で検知する検知手段と、を備え、
    前記検知手段が金属を検知した場合に、前記分離給送手段を停止すると共に、既に前記分離給送手段により分離給送された原稿の前記搬送手段による搬送を継続させ、該原稿の前記画像読取部による画像の読み取りを完了させる、
    ことを特徴とする画像読取装置。
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