JP2021011763A - 剥落防止タイル - Google Patents
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Abstract
【課題】PC板先付け工法に用いる金具付きタイルであって、接着剤がタイルの裏面から突出したり、タイルの裏面に接するのを防止し、金具の製造コストを抑えることができるタイルを提供する。【解決手段】剥落防止タイル5は、アリ状の溝部20−1を有するタイル10と、長尺部42と短尺部44と連結部46を有し、金属製の線材により形成された剥落防止具40と、接着剤からなる固定部50とを有し、長尺部42の棒状部42aは、溝部20−1の一方の側面に沿って設けられ、短尺部44の先端は、他方の側面に接しており、固定部50は、連結部46及び溝部の底面22に接着され、固定部50と溝部20−1の一対の側面の間には間隔が設けられ、固定部50の上側の端部が、タイル10の裏面よりも下側にあり、固定部50は、棒状部42aと非接着となっている。また、底面22に凹部を設けて、固定部50を該凹部に設けてもよい。【選択図】図2
Description
本発明は、タイルに関するものであり、特に、PC板先付け工法に使用するタイルに関するものである。
PC先付け工法に用いるタイルと該タイルに用いるタイル剥落防止具として、特許文献1に記載のものが存在する。特許文献1には、外装タイル2とタイル剥落防止具3が開示され、外装タイル2における外装タイル2においては、裏面に係止溝6が設けられ、係止溝6は、底面61と、当該底面61の両側縁から略直角に立上がる一対の側壁62と、当該側壁62の底面61と反対側の端縁に互いに接近する方向に向かって前記底面61と平行に延びる天井面66と、を有しており、また、タイル剥落防止具3においては、一対の脚部31、これらの脚部31をつなぐ弾性体により形成された弾性部32、及び一対の脚部31の先端に互いに離反する方向に向かって突出する爪部33が設けられており、爪部33を天井面66と底面61の間に挿入することにより、タイル剥落防止具3が外装タイル2に係止される。
また、特許文献2においては、タイルの裏面に設けられた溝部30に金具40が固定され、該金具40は、スリット42を挟んで設けられた2つの接触部44a、44bと、2つの接触部44a、44bを連結する連結部46a、46bとを有し、該2つの接触部44a、44bが溝30の対向する2つの側面34a、34bに接触し、スリット42に変形防止部材60が配置されて、2つの接触部44a、44bが互いに近接する方向へ移動することが制限されるようになっている。
なお、PC先付け工法に用いるPC板(プレキャストコンクリート板)の製造に際しては、複数の業者が介在し、具体的には、タイルを製造するタイル製造業者と、タイル製造業者から供給されたタイルをパック加工するパック加工業者と、パック加工業者から供給されたパック加工されたタイルを用いてPC板を製造するPC板製造業者が存在する。
しかし、特許文献1に記載のタイル剥落防止具においては、タイル剥落防止具3の爪部33を外装タイル2に係止するのみによりタイル剥落防止具3が外装タイル2に取り付けられているので、パック加工業者においてタイル剥落防止具を取り付けてしまうと、パック加工業者からPC板製造業者への輸送中に、輸送中における振動により、タイル剥落防止具が外装タイルから外れてしまうおそれがあり、結果として、タイル剥落防止具の外装タイルへの取付けは、PC板製造業者において行わなければならず、PC板製造業者にとって手間であった。特に、タイル剥落防止具をパック加工されたタイルに1つずつ取り付けなければならず、PC製造業者にとってかなりの負担となっていた。特に、PC板製造業者の本来の業務は、パック加工されたタイルへのコンクリートの打設であるので、タイル剥落防止具の取付けは、PC板製造業者にとっては、慣れない仕事であるといえる。
この点、特許文献2の場合には、金具40がタイルに固定されているので、PC板製造業者により金具を取り付けるという作業は必要なく、タイル製造業者において、金具40をタイルに取り付ければ、パック加工業者やPC板製造業者により金具を取り付ける手間は必要ない。
しかし、特許文献2のタイル及び金具においては、変形防止部材60として接着剤を用いた場合には、2つの接触部44aと接触部44b間のスリットに変形防止部材としての接着剤が設けられるため、接触部44aから接触部44bまで接着剤を設ける必要があり、接触部44aと接触部44b間の間隔分の接着剤が必要になるため、接着剤が上方に盛り上がってしまい、タイルの裏面よりも突出するおそれがある。特に、乾式製法によるタイルの場合には、アリ溝の深さが浅いことから、接着剤がタイルの裏面によりも突出するおそれが高くなる。また、アリ足の数が少なく1つのアリ溝の幅が大きい場合には、その分2つの接触部44a、44b間のスリットの幅も大きくなるので、その分接着剤が上方に盛り上がるおそれが大きくなる。
また、接触部44a、44bの溝の幅方向の幅が小さい場合には、接触部に付着した接着剤がタイルの溝の側面に付着しやすくなり、そうすると、溝の側面に付着した接着剤が同時にタイルの裏面にも付着してしまうおそれがある。
接着剤がタイルの裏面よりも突出したり、接着剤がタイルの裏面に付着すると、金具を取り付けたタイルを重ねた際に、万が一接着剤の硬化が十分でない場合には、積み重ねられたタイルの表面(表側の面)に接着剤が付着してしまうおそれがある。また、タイルをパック加工する際に、貼り板に配置したタイルが接着剤により傾斜してしまって、パック加工されたタイルにおいて、タイルが傾斜してしまうおそれもある。
一方、接触部44aと接触部44b間のスリットの幅が短くなるように、接触部44a、44bの溝30の幅方向の幅を大きくすれば、接着剤の量を少なくできるが、金具の接触部44a、44bの幅が大きい形状にしなければならないため、金具のコストが大きくなってしまう。
そもそも2つの接触部44a、44bが互いに近接する方向に移動することが制限されるように接着剤を設けるには、2つの接触部間に十分な量の接着剤を塗布する必要があり、接着剤がタイルの裏面よりも突出してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、PC板先付け工法に用いる金具付きタイルであって、接着剤がタイルの裏面から突出したり、接着剤がタイルの裏面に接するのを防止するとともに、金具の製造コストを抑えることができ、特に、アリ溝の深さが浅い乾式タイルの場合や、アリ溝の幅が大きい場合であっても、接着剤がタイルの裏面から突出したり、タイルの裏面に接するのを防止できるタイルを提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、タイル(10、10A)と、剥落防止具(40)と、剥落防止具をタイルに固定する固定部(50)とを有する剥落防止タイルであって、タイルは、裏側にアリ状の溝部(20−1、20−2)を有し、溝部が、タイルの裏面(14a、14b)から形成された一対の側面(24、26)と、一対の側面から連設された底面(22)とを有し、該一対の側面が、一対の側面間の長さが溝部の底面からタイルの裏面にいくに従い短くなるようなテーパ状を呈し、剥落防止具は、金属製の線材により形成され、タイルの溝部内に取り付けられ、剥落防止具は、第1構成部(42)と、第2構成部(44)と、第1構成部と第2構成部を連結する連結部(46)とを有し、第1構成部と第2構成部と連結部とは、同一平面に沿って形成され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、第1構成部と第2構成部と連結部とは、溝部の底面に沿って配置され、線材の太さは、溝部の深さ(L14)よりも短く、第1構成部が、棒状を呈する棒状部(42a)を有し、棒状部は、溝部の一対の側面における一方の側面である第1側面(26)に沿って設けられるとともに該第1側面に接し、第2構成部は、棒状を呈し、第2構成部の連結部側の端部から第2構成部の先端に行くに従い、第1構成部の棒状部までの距離が長くなるように、第1構成部の棒状部の方向に対して傾斜し、第2構成部の先端が一対の側面における他方の側面である第2側面(24)に接し、連結部は、棒状部から連設され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、タイルの裏側を上側とした場合に、剥落防止具の上側の端部は、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、固定部は、接着剤により形成され、固定部は、溝部の底面及び連結部に接着され、固定部と第1側面の間には間隔(S2)が設けられるとともに、固定部と第2側面の間には間隔(S1)が設けられ、固定部は、棒状部とは非接着の状態であり、タイルの裏側を上側とした場合に、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより第1構成部がタイルの裏面よりも突出することを特徴とする。
第1の構成の剥落防止タイルにおいては、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、タイルの裏面から突出していないので、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、また、固定部と一対の側面との間には間隔(S1、S2)が設けられているので、固定部がタイルの裏面に接することがなく、その点でも、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、剥落防止タイルを積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に付着することがない。
また、固定部は、連結部に接着されているが、棒状部とは非接着であることから、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部がタイルの裏面から突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部は、連結部の箇所に設けられているが、棒状部の箇所には設けられていないので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがない。
また、剥落防止具は、金属製の線材により形成されているので、剥落防止具の製造コストを抑えることができる。
また、第2には、タイル(10、10A)と、剥落防止具(40)と、剥落防止具をタイルに固定する固定部(50)とを有する剥落防止タイルであって、タイルは、裏側にアリ状の溝部(20−1、20−2)を有し、溝部が、タイルの裏面(14a、14b)から形成された一対の側面(24、26)と、一対の側面から連設された底面(22)とを有し、該一対の側面が、一対の側面間の長さが溝部の底面からタイルの裏面にいくに従い短くなるようなテーパ状を呈し、剥落防止具は、金属製の線材により形成され、タイルの溝部内に取り付けられ、剥落防止具は、第1構成部(42)と、第2構成部(44)と、第1構成部と第2構成部を連結する連結部(46)とを有し、第1構成部と第2構成部と連結部とは、同一平面に沿って形成され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、第1構成部と第2構成部と連結部とは、溝部の底面に沿って配置され、線材の太さは、溝部の深さ(L14)よりも短く、第1構成部が、棒状を呈する棒状部(42a)を有し、棒状部は、溝部の一対の側面における一方の側面である第1側面(26)に沿って設けられるとともに該第1側面に接し、第2構成部は、棒状を呈し、第2構成部の連結部側の端部から第2構成部の先端に行くに従い、第1構成部の棒状部までの距離が長くなるように、第1構成部の棒状部の方向に対して傾斜し、第2構成部の先端が一対の側面における他方の側面である第2側面(24)に接し、連結部は、棒状部から連設され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、タイルの裏側を上側とした場合に、剥落防止具の上側の端部は、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、溝部の底面には、タイルの裏側を上側とした場合に、連結部の下側の位置に凹部(28)が設けられ、該第1側面と底面の境界線である第1側面の下辺(26−2)と凹部との間に第1の間隔(S12)が設けられるとともに、該第2側面と底面の境界線である第2側面の下辺(24−2)と凹部との間に第2の間隔(S11)が設けられ、固定部は、接着剤により形成され、固定部は、凹部内に設けられていて、凹部の底面及び連結部に接着され、固定部は、棒状部とは非接着の状態であり、タイルの裏側を上側とした場合に、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより第1構成部がタイルの裏面よりも突出することを特徴とする。
第2の構成の剥落防止タイルにおいては、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、タイルの裏面から突出していないので、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、また、固定部は凹部内に設けられていて、凹部と第1側面の間に第1の間隔が設けられ、凹部と第2側面の間に第2の間隔が設けられているので、固定部がタイルの裏面に接することがなく、その点でも、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、剥落防止タイルを積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に付着することがない。
また、固定部は、連結部に接着されているが、棒状部とは非接着であることから、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部がタイルの裏面から突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部は、連結部の箇所に設けられているが、棒状部の箇所には設けられていないので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがない。
また、特に、溝部の底面には凹部が設けられ、固定部は凹部内に設けられているので、固定部がタイルの裏面から突出するおそれをより小さくでき、また、固定部は第1側面及び第2側面に接しないことから、固定部がタイルの裏面に付着するおそれをより小さくすることができる。
また、剥落防止具は、金属製の線材により形成されているので、剥落防止具の製造コストを抑えることができる。
また、第3には、上記第2の構成において、溝部の底面における凹部の開口部(29)は、第1側面側の辺部である第1辺部(28c−1)と、第2側面側の辺部である第2辺部(28b−1)とを有し、第1辺部は、第1側面の下辺と略平行であり、第1側面の下辺と第1辺部との間には、該第1の間隔が設けられ、第2辺部は、第2側面の下辺と略平行であり、第2側面の下辺と第2辺部との間には、該第2の間隔が設けられ、第1辺部と、棒状部の第2側面側の端部の間には、溝部の底面に沿った方向で第1辺部と直角の方向において、間隔(L17)が設けられていることを特徴とする。
よって、凹部の開口部が、第1辺部と第2辺部とを有し、第1辺部と棒状部の第2側面側の端部の間には、間隔(L17)が設けられているので、固定部が棒状部に接着しないようにすることができ、棒状部を曲げる際に、棒状部を第2構成部側に回動させることができる。
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより、第1構成部をタイルの裏面よりも突出させる際に、棒状部の湾曲する部分が、該第1側面に接しながらタイルの裏側に移動するに従い、棒状部が、連結部との接続位置を中心に第2構成部側に回動して、第2構成部側に近づくことを特徴とする。
よって、タイルのアリ溝の一対の側面がテーパ状になっているので、棒状部の湾曲する部分が、第1側面に接しながら上方(つまり、タイルの裏側)に移動する際に、棒状部が第2構成部側に回動しようとするが、固定部は棒状部に接着されていないので、棒状部が回動するのに支障がない。
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、固定部は、第2構成部とは非接着の状態であることを特徴とする。
よって、固定部は、第2構成部とは非接着であるので、第2構成部の第2側面への弾性による係止に支障をきたすおそれがない。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、第1構成部は、棒状部の連結部とは反対側に連設された曲り部(42b)を有し、該曲り部は、棒状部に対して曲がった形状を有することを特徴とする。
よって、曲り部が設けられているので、製造されたPC板において、第1構成部とコンクリートとの固着度合いを向上させるとともに、棒状部を曲げる際に、治具を曲り部にひっかけて曲げ加工を行なうことができる。
また、第7には、上記第6の構成において、曲り部は、棒状部とは反対側である先端側に、棒状部に対して略直角方向に形成された棒状の直角棒状部(42b−2)を有することを特徴とする。
また、第8には、上記第6の構成において、曲り部は、棒状を呈する第2棒状部(42b−4)と第2連結部(42b−3)とを有し、第2棒状部は、棒状部の先端部分(42a−3)と略平行に形成され、該先端部分と間隔を介して該先端部分に相対して設けられ、第2連結部は、棒状部と第2棒状部とを連結することを特徴とする。
よって、第2棒状部は、棒状部と略平行であるので、製造されたPC板において、第1構成部とコンクリートとの固着度合いをより向上させることができ、また、棒状部の先端部分と間隔を介して相対した第2棒状部を有しているので、棒状部を曲げ加工して、棒状部の先端側を立ち上げた際に、立ち上がった部分が、棒状部の先端部分と第2棒状部のいわば2つの脚部を有することから、PC板の製造に際し、流されたコンクリートの衝撃に対する耐衝撃性を高めることができる。
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、剥落防止具が取り付けられた溝部(20−1)の中心線で、該溝部の長手方向に伸びる中心線である第1中心線(ML)は、タイルの中心線で溝部の長手方向と平行な中心線である第2中心線(CL)に対して、第2中心線に直角な方向にずれて形成され、剥落防止具における第1構成部は、第2構成部よりも第1中心線に近い側に設けられていることを特徴とする。
よって、棒状部を曲げて第1構成部を立ち上げた状態とした際に、第1構成部をタイルにおける中央に近い側とすることにより、剥落防止具によりタイルをバランスよく支持することができる。
また、第10には、上記第1から第9までのいずれかの構成において、連結部は、略円弧状に形成され、第1構成部の棒状部は、連結部の第1構成部との境界位置(G1)の接線方向に形成され、第2構成部は、連結部の第2構成部との境界位置(G2)の接線方向に形成されている。
本発明に基づく剥落防止タイルによれば、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、タイルの裏面から突出していないので、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、また、固定部と一対の側面との間には間隔(S1、S2)が設けられているので、固定部がタイルの裏面に接することがなく、その点でも、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがなく、剥落防止タイルを積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に付着することがない。
また、固定部は、連結部に接着されているが、棒状部とは非接着であることから、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部がタイルの裏面から突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部は、連結部の箇所に設けられているが、棒状部の箇所には設けられていないので、固定部の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイルを積み重ねても固定部が積み重ねた剥落防止タイルの表面側の面に接することがない。
また、剥落防止具は、金属製の線材により形成されているので、剥落防止具の製造コストを抑えることができる。
また、溝部の底面に凹部が設けられている場合には、固定部は凹部内に設けられているので、固定部がタイルの裏面から突出するおそれをより小さくでき、また、固定部は第1側面及び第2側面に接しないことから、固定部がタイルの裏面に付着するおそれをより小さくすることができる。
本発明においては、PC板先付け工法に用いる金具付きタイルであって、接着剤がタイルの裏面から突出したり、接着剤がタイルの裏面に接するのを防止するとともに、金具の製造コストを抑えることができ、特に、アリ溝の深さが浅い乾式タイルの場合や、アリ溝の幅が大きい場合であっても、接着剤がタイルの裏面から突出したり、タイルの裏面に接するのを防止できるタイルを提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく剥落防止タイル5は、図1〜図6に示すように構成され、剥落防止タイル5は、タイル10と、タイル10に取り付けられた剥落防止具40と、剥落防止具40をタイル10に接着させる固定部50とを有している。
ここで、タイル(タイル本体としてもよい)10は、図5に示すように構成され、長方形状の略板状を呈し、表面12と、裏面14a、14b、14cと、側面15〜18を有し、裏面14aと裏面14b間にアリ溝20−1が設けられ、裏面14bと裏面14c間にアリ溝20−2が設けられている。つまり、タイル10の裏面側においては、裏面14a〜14cと、アリ溝20−1、20−2が設けられている。なお、タイル10の裏面側において、アリ溝20−1、20−2以外の部分は、アリ足30となっていて、アリ足30の裏面側に裏面14a〜14cが設けられているといえる。アリ溝20−1、20−2は、アリ状の溝部である。
側面15と側面16とは、長辺側の側面であり、側面15と側面16は互いに平行に形成され、また、側面17と側面18は、短辺側の側面であり、側面17と側面18は互いに平行に形成されている。
タイル10の裏面側においては、裏面14aと裏面14bと裏面14cは、平面状を呈し、裏面14a〜14cは同一平面上に形成されている。また、裏面14a〜14cは、いずれも帯状(細長長方形状としてもよい)に形成され、裏面14a〜14cは、互いに平行に形成されている。3つの裏面14a〜14cにおいては、タイル10の短手方向(Y1−Y2方向)の幅は、同一(略同一としてもよい)に形成されている。
また、2つのアリ溝20−1、20−2は同一の構成であるので、アリ溝20−1を例にとって説明すると、アリ溝20−1は、底面22と、底面22におけるタイル10の短手方向の一方の端部から連設された側面(第2側面)24と、底面22におけるタイル10の短手方向の他方の端部から連設された側面(第1側面)26とを有し、底面22は、平面状(略平面状としてもよい)を呈し、裏面14a〜14cの方向と平行(略平行としてもよい)な方向に形成され、側面24と側面26は、底面22に対して鋭角をなし、ともに平面状(略平面状としてもよい)を呈し、側面24と側面26間の長さは、底面22から裏面14a、14b側に行くほど短くなる。つまり、側面24と側面26は、テーパ状を呈している。側面24と底面22間の鋭角の角度と、側面26と底面22間の鋭角の角度は、同一(略同一としてもよい)であり、側面24と側面26は、底面22に対して直角でタイル10の長手方向(X1−X2方向)の中心面を介して互いに面対称(略面対称としてもよい)となっている。
なお、タイル10は、乾式製法により製造されたものであり、無機質材料からなる坏土を金型を装着した高圧プレス機に充填して成形し、その後、施釉、焼成したものである。タイル10は、乾式製法により製造されたものであるので、アリ溝20−1、20−2の深さは、2.0mm〜2.5mmとなっており、湿式製法のタイルに比べて浅く形成されている。
また、剥落防止具40は、金属製の線材(線状部材としてもよい(他においても同じ))により形成されており、長尺部42と、短尺部44と、長尺部42と短尺部44を連結する連結部46を有している。剥落防止具40は、全体に1本の線材により形成されていて、剥落防止具40を構成する線材は、断面円形の線材である。なお、剥落防止具40の基本形においては、長尺部42と短尺部44は、平行に形成されている。
ここで、長尺部(第1構成部)42は、直線状(略直線状としてもよい)の棒状を呈する棒状部42aと、棒状部42aの端部(連結部46側とは反対側の端部)から連設された曲り部42bを有し、曲り部42bは、棒状部42aから連設され、棒状部42aの方向に対して屈曲した屈曲部42b−1と、屈曲部42b−1の先端から連設された直線状(略直線状としてもよい)の棒状を呈する棒状部(直角棒状部)42b−2とを有している。棒状部42b−2の長手方向は、棒状部42aの長手方向に対して直角方向(略直角方向としてもよい)となっており、屈曲部42b−1においては、屈曲部42b−1の一方の端部から他方の端部まで直角に湾曲している。
長尺部42は、PC板の製造のために曲げ加工されるものであり、棒状部42aの途中位置から先端側(棒状部42b−2側)の部分が立ち上げるように曲げ加工される。長尺部42の連結部46側の部分は、長尺部42が曲げ加工された状態でも側面26に接して側面26に係止している。
また、長尺部42における曲り部42bは、棒状部42aに対して屈曲しているので、製造されたPC板において、長尺部42とコンクリート150(図20参照)との固着度合いを向上させるとともに、長尺部42を曲げ加工する際に、曲げ加工用の治具を曲り部42bの棒状部42b−2にひっかけて曲げ加工を行なうことができる。
また、短尺部44は、タイル10をアリ溝20−1内に取り付ける際に、側面24に係止するものであり、全体に棒状(具体的には、直線状の棒状)を呈し、短尺部44の先端44−1が側面24に接した状態で係止している。
また、連結部46は、長尺部42と短尺部44とを連結するものであり(つまり、長尺部42は、連結部46の一方の端部から連設され、短尺部44は、連結部46の他方の端部から連設されている)、剥落防止具40をタイル10に固定する際に、連結部46と底面22間に接着剤が塗布される。
長尺部42の長手方向の長さL1は、長尺部42が曲げ加工された状態(図7、図8の状態)で、タイル10の裏面から長尺部42aの先端までの長さL1aが、PC板109におけるかぶり厚LKよりも短くなる長さに形成されていて、タイル10の長手辺の長さL11が約90mmとした場合に、長さL1は、30〜60mmの長さに形成されている。
また、曲り部42bの棒状部42b−2の長手方向の長さL2は、剥落防止具40の基本形における棒状部42aの長手方向に対する直角方向の長さL4(棒状部42aにおける短尺部44とは反対側の位置から短尺部44における棒状部42aとは反対側の位置までの長さ)(剥落防止具40の基本形における短手方向の最大幅)よりも短く形成されている(L2<L4)。
また、短尺部(第2構成部)44は、直線状の棒状を呈し、短尺部44の長さ(長手方向の長さ)L3は、長尺部42の長さ(長手方向の長さ)L1よりも短く形成され(L3<L1)(また、長さL3は、棒状部42aの長さ(長手方向の長さ)よりも短い)、短尺部44を長尺部42に対して開いた状態(図5における二点鎖線の状態)で、短尺部44の先端と棒状部42aとの間の棒状部42aの方向に対する直角方向の長さL5が、アリ溝20−1の幅L13(アリ溝20−1のZ1側の端部における幅(つまり、最大幅))よりも長く形成され(L5>L13)、剥落防止具40をアリ溝20−1内に固定できるようになっている。
なお、短尺部44は、直線状の棒状であるとしたが、直線状でない棒状であってもよく、例えば、図6の状態において、短尺部44の基端側から先端側に向けて左方向にカーブする棒状であってもよい。
また、連結部46は、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成され、具体的には、半円状(略半円状としてもよい)にカーブして形成され、その直径(外側の輪郭における直径)L4は、アリ溝20−1の幅L12(アリ溝20−1のZ2側の端部における幅(つまり、最小幅))よりも短く形成されている(L4<L12)。つまり、少なくとも短尺部44が棒状部42aに対して平行な状態で、剥落防止具40をアリ溝20−1内に収納することができるように、連結部46の直径の長さL4は、アリ溝20−1の幅L12よりも短く形成されている。
なお、長尺部42の棒状部42aは、連結部46の棒状部42aとの境界位置(接続位置としてもよい)G1の接線方向(円弧状の中心線46Lにおける境界位置G1の接線方向(接線42Lの方向))に形成され、同様に、短尺部44は、連結部46の短尺部44との境界位置(接続位置としてもよい)G2の接線方向(円弧状の中心線46Lにおける境界位置G2の接線方向(接線44Lの方向))に形成されている。つまり、棒状部42aと連結部46間の境界や短尺部44と連結部46間の境界は、屈曲せずに滑らかに連続しており、剥落防止具40の製造が容易で低コストな構成となっている。
剥落防止具40を構成する長尺部42を構成する棒状部42aと曲り部42b(つまり、屈曲部42b−1及び棒状部42b−2)と短尺部44と連結部46は、同一平面に沿って形成され、タイル10のアリ溝20−1に取り付けた状態では、棒状部42aと曲り部42b(つまり、屈曲部42b−1及び棒状部42b−2)と短尺部44と連結部46は、底面22に接した状態となる。
長尺部42と連結部46とからなる構成の棒状部42aの方向の長さL6は、タイル10の長手辺の長さL11よりも短く形成され、タイル10の長手辺の長さL11が約90mmとした場合に、長さL6は、30〜70mmに形成され、具体的には、長さL6は、長さL11の半分よりもやや短く形成され、長さL11の1/3よりも長く形成されている。
また、短尺部44と連結部46とからなる構成の棒状部42aの方向の長さL7は、長さL6よりも短く形成され、タイル10の長手辺の長さL11が約90mmとした場合に、長さL7は、10〜30mmに形成され、長さL7は、長さL6の半分以下の長さに形成されている。
また、剥落防止具40を構成する線材の太さ(つまり、断面における直径)は、アリ溝20−1の深さL14よりも小さく形成され、1.0mm〜1.5mmとなっている。これにより、剥落防止具40がアリ溝20−1内に配置された状態では、剥落防止具40の上端(裏面14a、14b側の端部)は、裏面14a、14bよりも下側(Z1側)に位置し、剥落防止具40の上端と、裏面14a、14bの間には、上下方向(Z1−Z2方向)に長さL15の間隔が設けられている。
なお、剥落防止具40を構成する線材の硬さは、治具(例えば、マイナスドライバー)を使用して手の力で曲げることができる程度のものであり、棒状部42aの途中位置で曲げることにより、図7に示すように、長尺部42の先端側を立ち上げた状態にすることができる。剥落防止具40を構成する線材の材質としては、例えば、ステンレスが挙げられる。
剥落防止具40は、金属製であるので、曲げる力(応力)が弾性限度を超えると、曲がったままの状態となるが、弾性限度以内であれば、もとの状態に復元する。
剥落防止具40は、上記のように、金属製の線材を曲げ加工した構成であるので、剥落防止具40低コストに製造することができる。
剥落防止具40がタイル10に取り付けられた状態(長尺部42を立ち上げていない状態)(図1〜図4の状態)では、剥落防止具40を構成する長尺部42と短尺部44と連結部46がいずれも、アリ溝20−1の底面22に接した状態となっていて、長尺部42の棒状部42aが側面26に沿って側面26に接した状態であり、短尺部44は、棒状部42aの方向に対して傾斜していて、短尺部44の先端44−1が側面24に接した状態となっている。つまり、短尺部44においては、連結部46側の端部から先端44−1に行くに従い、棒状部42aまでの距離(最短距離)が徐々に長くなるように棒状部42aの方向に対して傾斜している。すなわち、短尺部44は、棒状部42aの方向と平行な方向に対して開いた状態となっている。
また、剥落防止具40は、アリ溝20−1に設けられているが、剥落防止具40のアリ溝20−1の長手方向(X1−X2方向)の位置としては、棒状部42aの長手方向における略中央の位置がアリ溝20−1の長手方向の中央位置となるように設けられていて、長尺部42を立ち上げた状態で、棒状部42aの先端部(先端部分)42a−3(後述)がアリ溝20−1の長手方向の略中央の位置となるようになっている。よって、連結部46は、アリ溝20−1における長手方向の中央位置よりも該長手方向にずれた位置に設けられている。アリ溝20−1における剥落防止具40の位置は、上記には限られないが、長尺部42を立ち上げた状態で、棒状部42aの先端部42a−3(後述)がアリ溝20−1の長手方向の略中央の位置となるようにするのが、剥落防止具40によりタイル10をバランスよく支持できるといえる。
また、剥落防止具40をアリ溝20−1に取り付けた状態では、長尺部42をアリ溝20−1における側面26側として、タイル10における短手方向(Y1−Y2方向)の中央に近い側にしているが、この点も、長尺部42を立ち上げた状態で、先端部42a−3がタイル10の短手方向における中央に近い側とすることにより、剥落防止具40によりタイル10をバランスよく支持できるようにしている。つまり、剥落防止具40が取り付けられたアリ溝20−1における長手方向に伸びる中心線(第1中心線)MLは、タイル10の中心線CL(アリ溝20−1の長手方向と平行な中心線(第2中心線)に対して、中心線CLに直角な方向にずれて形成され、剥落防止具40における長尺部42は、短尺部44よりも中心線MLに近い側に設けられている。中心線MLは、アリ溝20−1の短手方向(Y1−Y2方向)の中央位置(短手方向の両端から等距離の位置)を通る直線であり、中心線CLは、タイル10の短手方向(Y1−Y2方向)の中央位置(短手方向の両端から等距離の位置)を通る直線である。なお、Y1−Y2方向を前後方向とした場合に、剥落防止具40を前後線対称として、長尺部42をアリ溝20−1における側面24側とし、短尺部44をアリ溝20−1における側面26側としてもよい。
また、固定部(接着部としてもよい。他においても同じ)50は、剥落防止具40の連結部46とアリ溝20−1の底面22に接着され、連結部46をアリ溝20−1の方向(X1−X2方向)に跨ぐように形成されている。固定部50は、アリ溝20−1における側面24、26には接しておらず、固定部50とアリ溝20−1の側面24間には、間隔が設けられ、例えば、剥落防止タイル5の裏面側の平面視において、固定部50とアリ溝20−1の側面24(つまり、側面24の上辺24−1)間には、間隔S1が設けられ、また、固定部50とアリ溝20−1の側面26間には、間隔が設けられ、例えば、固定部50とアリ溝20−1の側面26(つまり、側面26の上辺26−1)間には、間隔S2が設けられている。なお、当然、固定部50と側面24の下辺24−2(底面22との境界線)間にも間隔(間隔S1よりも大きい間隔)が形成され、固定部50と側面26の下辺26−2(底面22との境界線)間にも間隔(間隔S2よりも大きい間隔)が形成されている。この固定部50は、剥落防止具40をタイル10に固定するために設けられ、接着剤が硬化することにより固定部50が構成される。
固定部50を構成するための接着剤は、エポキシ系の接着剤であり、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を用いた接着剤とすることにより、加熱することにより硬化するまでの時間を短くできる。また、主剤と硬化剤とからなる2液混合タイプを用いるのが好ましい。
また、固定部50は、少なくとも長尺部42には接触しておらず、これにより、長尺部42の棒状部42aが、連結部46との境界位置G1を中心に短尺部44側に回動して、棒状部42aが短尺部44側に近づくことができるようになっている。つまり、長尺部42の先端側を立ち上げた状態とする際に、アリ溝20−1の側面26が傾斜しているのに伴い、棒状部42aが短尺部44側に回動することができるようになっている。なお、棒状部42aが短尺部44側に回動しても、連結部46の棒状部42a側の端部及び棒状部42aの連結部46側の端部は、側面26に係止しているので、剥落防止具40が側面24と側面26の両側に係止した状態には変化はない。
なお、図3の例では、固定部50は、短尺部44に接触しておらず、結果として、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるが、固定部50が短尺部44に接触した構成としてもよい。なお、固定部50が短尺部44に接着している場合には、短尺部44の側面24への弾性による係止に支障をきたすおそれがあるので、固定部50は、短尺部44には接着していない構成とするのが好ましい。
また、図3に示すように、固定部50の上端(裏面14a、14b側の端部)は、裏面14a、14bよりも下側(Z1側)に位置し、固定部50の上端と、裏面14a、14bの間には、上下方向(Z1−Z2方向)に長さL16の間隔が設けられている。図3の例では、固定部50が連結部46を跨いで乗り上げた状態となっていて、固定部50の上端が剥落防止具40の上端よりも上側にあるので、長さL16は、長さL15よりも小さくなっている。
なお、固定部50は連結部46を跨いで乗り上げた状態となっているとしたが、固定部50が連結部46に接触していれば、固定部50が跨いで乗り上げた状態でなくてもよく、図4に示すように、固定部50が、固定部50−1と固定部50−2により構成され、固定部50−1が、連結部46のアリ溝20−1の方向における一方の側(X1側)に接触し、固定部50−2が、連結部46のアリ溝20−1の方向における他方の側(X2側)に接触し、固定部50−1と固定部50−2とが接触していない構成としてもよい。固定部50−1と固定部50−2のいずれか一方のみとする構成としてもよいが、剥落防止具40がアリ溝20−1内でアリ溝20−1の方向に移動するのを防止するには、固定部50−1と固定部50−2の両方を設けるのが好ましい。
剥落防止タイル5は、上記のように構成されていて、剥落防止具40によりタイル10が支持され、固定部50は、剥落防止具40がアリ溝20−1内で移動することがないように設けられているといえる。つまり、固定部50は、長尺部42や短尺部44には接着されておらず、少なくとも固定部50は、長尺部42に接着されていないので、固定部50は、剥落防止具40のタイル10への固定には直接には寄与しておらず、固定部50は、剥落防止具40がタイル10に対して相対移動するのを防止するとともに、剥落防止具40をアリ溝20−1内に固定する点で、剥落防止具40のタイル10への固定に間接的に寄与しているのみである。
剥落防止タイル5の製造に際しては、図5に示すタイル10に剥落防止具40を取り付けた後に固定部50を塗布して設けるが、剥落防止具40をタイル10に取り付けるには、予め短尺部44の先端44−1から棒状部42aまでの長さをL5をアリ溝20−1の幅L13よりも長く曲げた状態としておき、その後、長尺部42の棒状部42aが側面26に沿って側面26に接した状態で、短尺部44と棒状部42a間の間隔を短尺部44がアリ溝20−1内に入るように縮めて、短尺部44がアリ溝20−1内に収納されたら短尺部44を縮めていた応力を解除して、短尺部44を復元させることにより、短尺部44の先端44−1が側面24に係止して、剥落防止具40がタイル10にアリ溝20−1内に取り付けられる。つまり、剥落防止具40は、金属における復元力に基づく弾性により長尺部42と短尺部44がそれぞれ相対する側面24、26に係止することにより、タイル10に固定されている。
製造された剥落防止タイル5においては、固定部50は、タイル10の裏面14a、14bよりも下側に位置していて、裏面14a、14bから突出していないので、製造された剥落防止タイル5を積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に接することがなく、また、固定部50は、アリ溝20−1の側面24、26には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに接することがなく、その点でも、剥落防止タイル5を積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に接することがなく、製造された剥落防止タイル5を積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に付着することがない。
また、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部50が裏面14a、14bから突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイル5を積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に接することがない。
また、長尺部42を曲げ加工する場合には、治具(例えば、マイナスドライバー)を棒状部42b−2と底面22の間に連結部46側とは反対側から挿入し、治具の先端を棒状部42b−2と連結部46の略中間位置に位置させた状態で、治具の先端が底面22に接するとともに、治具が棒状部42b−2の下面に接した状態で、治具の先端を支点として治具を起立させることにより、棒状部42aが曲げ加工されて、図7〜図10に示す状態となる。つまり、治具を棒状部42b−2にひっかけて曲げ加工を行なう。曲げ加工された棒状部42aは、底面22に沿った状態である基端部42a−1と、基端部42a−1から連設され、上方(底面22に対して直角の方向)に湾曲した湾曲部42a−2と、湾曲部42a−2から連設され、上方に伸びた先端部42a−3から構成された状態となる。基端部42a−1と先端部42a−3は、略直線状となっている。なお、先端部42a−3は、底面22に対して直角方向であるとしたが、直角方向でなくてもよく、底面22の方向に対して傾斜した状態としてもよい。
なお、曲げ加工する前の状態では、棒状部42aは、側面26に沿って側面26に接した状態となっている(つまり、裏面側から平面視した際に、図3に示すように、棒状部42aの一部が側面26に隠れた状態となっている)が、側面26が底面22に対して傾斜した状態となっているので、長尺部42を曲げ加工するに伴い湾曲部42a−2の部分が側面26に沿って上方に移動することにより、棒状部42aが短尺部44側に回動して短尺部44に近づくことになる(図9、図10参照)。つまり、棒状部42aの湾曲する部分が、側面26に接しながらタイル10の裏側に移動するに従い、棒状部42aが、連結部46との接続位置である境界位置G1を中心に第2構成部側に回動して、第2構成部側に近づく。
つまり、固定部50は長尺部42には接していなので、長尺部42が短尺部44側に近づくことができ、側面26が底面22に対して傾斜していても、長尺部42を曲げ加工して立ち上げることができる。
なお、上記の説明では、剥落防止具40は、アリ溝20−1において、連結部46がX1側で、棒状部42b−2がX2側となるように設けられているとしたが、X1−X2方向を左右方向とした場合に左右線対称の向きに設けてもよく、連結部46をX2側とし、棒状部42b−2をX1側として設けてもよい。
また、剥落防止具40は、アリ溝20−1に設けられているとしたが、アリ溝20−2に設けてもよい。その場合も、連結部46をX1側とし、棒状部42b−2をX2側としてもよいし、連結部46をX2側とし、棒状部42b−2をX1側としてもよいが、剥落防止具40によりタイル10をバランスよく支持するために、長尺部42をアリ溝20−2における側面24側として、タイル10における短手方向(Y1−Y2方向)の中央に近い側にするのが好ましい。つまり、剥落防止具40をアリ溝20−2に設ける場合には、長尺部42をアリ溝20−2における側面24側とし、短尺部44をアリ溝20−2における側面26側とする。なお、長尺部42をアリ溝20−2における側面26側とし、短尺部44をアリ溝20−2における側面24側としてもよい。
上記構成の剥落防止タイル5の使用方法について説明する。剥落防止タイル5は、以下に説明するように、PC板先付け工法に使用する。
まず、剥落防止タイル5は、タイル製造業者により製造され、製造された剥落防止タイル5は、パック加工業者に送られる。剥落防止タイル5を送る際に、剥落防止タイル5を積み重ねた状態にしても、固定部50は、タイル10の裏面14a、14bよりも下側に位置していて、裏面14a、14bから突出していないので、固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に接することがなく、また、固定部50は、アリ溝20−1の側面24、26には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに付着することがないので、その点でも、固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5の表面側の面に接することがない。
次に、パック加工業者においては、剥落防止タイル5のパック加工が行われる。すなわち、まず、図11(a)、図13、図14に示すように、剥落防止タイル5を貼り板60の各凹部66に配置する。剥落防止タイル5の配置に際しては、剥落防止タイル5の裏面14a〜14c側を凹部66側にして配置する。
剥落防止タイル5の配置に際しては、タイル10の表面側の面を外側にして、タイル10の色や模様のバランスを確認しながら配置していく。なお、剥落防止具40が設けられているアリ溝(図1〜図4においては、アリ溝20−1)を貼り板60におけるY1側としてもよいし、Y2側としてもよい。
なお、貼り板60は、図13に示すように構成され、本体部62と、本体部62の上面に設けられた格子状部64とを有し、本体部62は、平板状の板状部62aと、板状部62aの上面の周囲に沿って枠状に固定された枠状部62bとを有している。また、格子状部64は、格子状の枠材であり、板状部62aの上面に設けられ、格子状部64の端部は、枠状部62bの内側に接している。以上のように構成されることにより、枠状部62bに沿った領域では、枠状部62bを構成する部材と格子状部64を構成する部材とで囲まれた凹部66(つまり、図13における凹部66A)が形成され、枠状部62bに沿った領域よりも内側の領域では、格子状部64を構成する部材により囲まれた凹部66(つまり、図13における凹部66B)が形成される。
剥落防止タイル5を貼り板60に配置する際に、剥落防止タイル5において、固定部50が裏面14a、14bから突出しておらず、また、固定部50が裏面14a、14bに付着していないので、凹部66に配置した際に、剥落防止タイル5が傾斜したり、剥落防止タイル5自体が上方に突出することがなく、剥落防止タイル5を同一平面上に該平面に沿って配置することができる。
剥落防止タイル5を貼り板60に配置したら、図11(b)、図15に示すように、タイル10の周囲に目地材70を取り付ける。この目地材70は、全体には格子状を呈し、コンクリートを打設した際にコンクリートがタイル10の表面側に漏れないように設けられる。
次に、図11(c)、図16に示すように、タイル10の表面側の面と目地材70にフィルム80を貼り付け、その後、フィルム80を下側として、貼り板60を取り外すことにより、図12(d)、図17に示すように、剥落防止タイル5と目地材70とフィルム80とからなるパック加工タイル105が製造される。
次に、パック加工タイル105において、図12(e)、図18に示すように、長尺部42を曲げ加工して長尺部42を立ち上げた状態として、曲げ加工済みのパック加工タイル107を製造する。長尺部42を立ち上げた状態では、剥落防止タイル5は、図7〜図10に示す状態となる。
なお、図17、図18においては、計18個の剥落防止タイル5のうち、1つの剥落防止タイル5以外は、一点鎖線により省略して描かれており、また、当該1つの剥落防止タイル5については、拡大して描かれている。
以上のようにして、パック加工業者において、剥落防止タイル5のパック加工が行われる。パック加工タイル107は、PC板製造業者に送られる。パック加工タイル107をPC板製造業者に送る際に、パック加工タイル107を積み重ねた状態で送るには、長尺部42が立ち上がった状態になっているので、かさ上げ部120を用いて長尺部42の空間を設ける。つまり、図19に示すように、輸送用の箱の底板部110にパック加工タイル107を配置し、配置したパック加工タイル107の剥落防止タイル5にかさ上げ部120を乗せる。かさ上げ部120としては、例えば、複数の細長長方形状の段ボール材を積み重ねて形成されたものとし、隣接する長尺部42の間の位置に配置する。そして、かさ上げ部120の上に板部125を乗せて、板部125の上にパック加工タイル107を乗せて、パック加工タイル107を積み重ねた状態とする。その後は、かさ上げ部120と板部125を介して、パック加工タイル107を積み重ねていけばよい。
次に、PC板製造業者においては、パック加工タイル107を用いてPC板を製造する。PC板の製造工程は、従来からの方法と同様であり、PC板製造用の型枠130にパック加工タイル107を乗せるとともに、鉄筋140を配置し(図20(a)参照)、その後、コンクリート150を打設し(図20(b)参照)、型枠130を外すことにより、PC板109が製造される(図20(c)参照)。PC板109は、パック加工タイル107と鉄筋140とコンクリート150を有する構成となっている。
なお、剥落防止タイル5をタイル製造業者からパック加工業者へ移送したり、パック加工タイル107をパック加工業者からPC板製造業者に移送する際には、剥落防止タイル5に振動が加わっても、剥落防止具40がタイル10に係止し、かつ、剥落防止具40が連結部46の箇所で固定部50によりタイル10に固着されているので、剥落防止具40がタイル10から脱落するおそれがない。
以上のように、本実施例の剥落防止タイル5によれば、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、固定部50がタイル10の裏面に付着するのを防止することができる。特に、アリ溝の深さが浅い乾式タイルの場合や、アリ溝の幅が大きい場合であっても、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、タイル10の裏面に付着するのを防止することができる。
また、剥落防止具40は、金属製の線材を曲げ加工した構成であるので、剥落防止具40を低コストに製造することができる。
また、建築基準法に基づく定期報告制度において、剥落防止具40がタイル10に固定されているので、10年ごとの検査において、目視による検査により検査をクリアできる。
また、剥落防止タイル5においては、タイル製造業者において剥落防止具40がタイル10に固定されるので、PC板製造業者により剥落防止具40を取り付ける必要がない。
次に、実施例2の剥落防止タイル5Aについて説明する。剥落防止タイル5Aは、図21〜図24に示すように構成され、実施例1の剥落防止タイル5と略同様の構成であるが、タイルの構成が異なる。
すなわち、実施例2のタイル(タイル本体としてもよい)10Aは、実施例1のタイル10と略同様の構成であるが、底面22に凹部28が設けられている点が異なる。実施例2のタイル10それ自体は、図24に示すように形成されている。
凹部28は、剥落防止タイル5Aの裏面側からの平面視において、長方形状を呈し、凹部28は、底面28aと、アリ溝20−1の底面22と凹部28の底面28a間に設けられた4つの側面28b〜28eとを有している。
底面28aは平面状を呈し、底面28aの方向は、底面22の方向と平行になっていて、凹部28の深さ、すなわち、底面22と底面28aの間の底面28aに対する鉛直方向(Z1−Z2方向)の長さL28は、1.0mm〜1.5mmに形成され、剥落防止具40を構成する線材の太さと略同一となっている。
また、側面28b〜28eは、底面22に対して直角に形成され、側面28bと側面28cは、凹部28の長手方向に沿って設けられ、側面28bは、アリ溝20−1の側面24側に設けられ、側面28cは、アリ溝20−1の側面26側に設けられている。また、側面28dと側面28eは、凹部28の短手方向に沿って設けられ、側面28dは、アリ溝20−1の長手方向における一方の側(X1側)に設けられ、側面28eは、アリ溝20−1の長手方向における他方の側(X2側)に設けられている。
凹部28の上端の開口部29(底面22における凹部28の開口部)の辺部は、辺部28b−1と辺部28c−1と辺部28d−1と辺部28e−1から構成され、辺部(第2辺部)28b−1は、側面28bの上辺であり、辺部(第1辺部)28c−1は、側面28cの上辺であり、辺部28d−1は、側面28dの上辺であり、辺部28e−1は、側面28eの上辺となっている。
凹部28は、アリ溝20−1における側面24、26には接しておらず、剥落防止タイル5Aの裏面側の平面視において、凹部28とアリ溝20−1の側面24(つまり、側面24の下辺24−2(底面22との境界線))間には、間隔(第2の間隔)S11が設けられ(つまり、辺部28b−1と下辺24−2間には、間隔S11が設けられている)、凹部28とアリ溝20−1の側面26(つまり、側面26の下辺26−2(底面22との境界線))間には、間隔(第1の間隔)S12が設けられている(つまり、辺部28c−1と下辺26−2間には、間隔S12が設けられている)。なお、凹部28と側面24の上辺24−1間にも隙間が形成され、凹部28と側面26の上辺26−1間にも隙間が形成されている。辺部28b−1は、下辺24−2と平行(略平行としてもよい)であり、辺部28c−1は、下辺26−2と平行(略平行としてもよい)となっている。
また、剥落防止具40をタイル10Aに取り付けた状態(長尺部(第1構成部)42を立ち上げていない状態)では、長尺部42の棒状部42aが側面26に沿って側面26に接した状態となっているが、剥落防止タイル5Aの裏面側からの平面視において、棒状部42aと辺部28c−1間には、間隔L17が設けられ(つまり、底面22に沿った方向で辺部28c−1と直角の方向において、間隔L17が設けられている)、辺部28c−1は、アリ溝20−1の長手方向に対して直角の方向(底面22に沿った方向)において、棒状部42aよりも側面24(下辺24−2側としてもよい)に設けられている。つまり、剥落防止タイル5Aの裏面側の平面視において、棒状部42aは、凹部28の開口部とは重なっていない。
また、剥落防止具40をタイル10Aに取り付けた状態(長尺部42を立ち上げていない状態)では、短尺部(第2構成部)44の連結部46側の一部は、剥落防止タイル5Aの裏面側の平面視において、凹部28の開口部と重なっている。
また、凹部28は、アリ溝20−1における長手方向の一方の端部に近い位置(つまり、アリ溝20−1の長手方向を左右方向とした場合に、アリ溝20−1における左側面側の位置)に設けられ、剥落防止具40を取り付けた際に、凹部28は、連結部46の下側の位置に設けられていて、具体的には、連結部46が凹部28の長手方向の略中央に位置するような位置に設けられている。なお、剥落防止具40の取付け位置は、実施例1と同様であり、棒状部42aの長手方向における略中央の位置がアリ溝20−1の長手方向の中央位置となるように設けられていて、長尺部42を立ち上げた状態で、棒状部42aの先端部42a−3がアリ溝20−1の長手方向の略中央の位置となるようになっている。
タイル10Aにおいて、凹部28が設けられている点以外は実施例1のタイル10と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、剥落防止具40の構成は、実施例1の剥落防止具40と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
なお、実施例2においても、剥落防止具40を構成する線材の太さ(つまり、断面における直径)は、アリ溝20−1の深さL14よりも小さく形成され、剥落防止具40の上端(裏面14a、14b側の端部)は、裏面14a、14bよりも下側(Z1側)に位置し、剥落防止具40の上端と、裏面14a、14bの間には、上下方向(Z1−Z2方向)に長さL15の間隔が設けられている。
また、固定部50は、凹部28内に設けられていて、接着剤により形成され、接着剤が硬化することにより固定部が構成される。固定部50は、凹部28の底面28aに接着するとともに、連結部46に接着されている。
固定部50は凹部28内に設けられていて、棒状部42aは、凹部28の開口部とは重なっていないので、固定部50は、棒状部42aには接着しないようにすることができる。固定部50は、棒状部42aに接着されていないので、長尺部42が、短尺部44側に回動して、棒状部42aが短尺部44側に近づくことができる。つまり、長尺部42の先端側を立ち上げた状態とする際に、アリ溝20−1の側面26の傾斜に伴い、棒状部42aが短尺部44側に回動することができるようになっている。
また、短尺部44の連結部46側の一部は、凹部28の開口部と重なっているが、図23の例では、固定部50は、短尺部44には接しておらず、結果として、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるが、固定部50が短尺部44に接触した構成としてもよい。なお、固定部50が短尺部44に接着している場合には、短尺部44の側面24への弾性による係止に支障をきたすおそれがあるので、固定部50は、短尺部44には接着していない構成とするのが好ましい。
また、凹部28の底面28aと連結部46との間には、長さL28の間隔が設けられているので、固定部50は、固定部50の上部において連結部46と接着され、図23に示すように、連結部46の下側の部分のみが固定部50と接着されている。つまり、固定部50は、連結部46を跨いで乗り上げる状態とはなっておらず、連結部46の全長にわたって、上側の領域が固定部50から露出している。
また、固定部50の上端(裏面14a、14b側の端部)は、裏面14a、14bよりも下側(Z1側)に位置し、固定部50の上端と、裏面14a、14bの間には、上下方向(Z1−Z2方向)に長さL18の間隔が設けられている。なお、連結部46の下側の部分のみが固定部50と接着されているとしたが、固定部50の上端が、裏面14a、14bよりも下側に位置すれば、固定部50が、連結部46を跨いで乗り上げた状態であってもよい。
固定部50は、凹部28内に設けられていて、アリ溝20−1の底面22には設けられていないので、固定部50が裏面14a、14bから突出することを十分防ぐことができ、アリ溝の深さが浅い場合やアリ溝の幅が大きい場合でも、固定部50が裏面14a、14bから突出することを防ぐことができる。
また、固定部50は、凹部28に設けられていて、アリ溝20−1の側面24、26には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに付着することがない。
剥落防止タイル5Aは、上記のように構成されていて、剥落防止具40によりタイル10が支持され、固定部50は、剥落防止具40がアリ溝20−1内で移動することがないように設けられているといえる。つまり、実施例1の場合と同様に、固定部50は、長尺部42や短尺部44には接着されていない(少なくとも、固定部50は長尺部42に接着されていない)ので、固定部50は、剥落防止具40のタイル10への固定には寄与しておらず、固定部50は、剥落防止具40がタイル10に対して相対移動するのを防止するとともに、剥落防止具40をアリ溝20−1内に固定する点で、剥落防止具40のタイル10への固定に間接的に寄与しているのみである。
剥落防止タイル5Aの製造に際しては、図24に示すタイル10Aに剥落防止具40を取り付けた後に固定部50を塗布して設けるが、剥落防止具40のタイル10Aへの取付け方法は、実施例1における剥落防止具40のタイル10への取付け方法と同様であり、金属における復元力に基づく弾性により長尺部42と短尺部44がそれぞれ相対する側面24、26に係止することにより、剥落防止具40をタイル10Aに固定する。なお、剥落防止具40をタイル10Aに取り付ける際には、連結部46の下側に凹部28が位置するように取り付ける。
また、固定部50は、凹部28の底面28aと連結部46間に接着剤を塗布して、接着剤が底面28aと連結部46に接着するようにし、該接着剤を硬化させて、固定部50を形成する。
製造された剥落防止タイル5Aにおいては、固定部50は、タイル10の裏面14a、14bよりも下側に位置していて、裏面14a、14bから突出していないので、製造された剥落防止タイル5Aを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Aの表面側の面に接することがなく、また、固定部50は、アリ溝20−1の側面24、26には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに接することがなく、その点でも、剥落防止タイル5Aを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Aの表面側の面に接することがなく、製造された剥落防止タイル5Aを積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Aの表面側の面に付着することがない。
また、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部50が裏面14a、14bから突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイル5Aを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Aの表面側の面に接することがない。
特に、実施例2においては、固定部50は凹部28内に設けられているので、固定部50が裏面14a、14bから突出するおそれをより小さくでき、固定部50が裏面14a、14bに付着するおそれをより小さくすることができる。
なお、長尺部42の曲げ加工の方法は、実施例1の場合と同様であり、治具の先端が底面22に接するとともに、治具が棒状部42b−2の下面に接した状態で、治具の先端を支点として治具を起立させることにより、棒状部42aが曲げ加工されるが、その際、治具の先端を凹部28の近くに位置させると、治具の先端が凹部28に落ち込んで曲げ加工の操作が不安定になる可能性があるので、治具の先端は、凹部28よりも棒状部42b−2側で、凹部28の近傍でない位置に位置させるのが好ましい。
棒状部42aを曲げ加工した状態は、図25に示すようになり、実施例1の場合と同様に、棒状部42aは、底面22に沿った状態である基端部(実施例1の基端部42a−1と同様の構成の基端部)と、基端部42a−1から連設され、上方(底面22に対して直角の方向)に湾曲した湾曲部42a−2と、湾曲部42a−2から連設され、上方に伸びた先端部42a−3から構成された状態となり、基端部と先端部42a−3は、略直線状となっている。なお、先端部42a−3は、底面22に対して直角方向であるとしたが、直角方向でなくてもよく、底面22の方向に対して傾斜した状態としてもよい。
なお、実施例1の場合と同様に、曲げ加工する前の状態では、棒状部42aは、側面26に沿って側面26に接した状態となっている(つまり、裏面側から平面視した際に、棒状部42aの一部が側面26に隠れた状態となっている)が、側面26が底面22に対して傾斜した状態となっているので、長尺部42を曲げ加工するに伴い湾曲部42a−2の部分が側面26に沿って上方に移動することにより、棒状部42aが短尺部44側に回動して短尺部44に近づくことになる。
つまり、固定部50は長尺部42には接していなので、長尺部42が短尺部44側に近づくことができ、側面26が底面22に対して傾斜していても、長尺部42を曲げ加工して立ち上げることができる。
なお、上記の説明では、剥落防止具40は、アリ溝20−1において、連結部46がX1側で、棒状部42b−2がX2側となるように設けられているとしたが、X1−X2方向を左右方向とした場合に左右線対称の向きに設けてもよく、連結部46をX2側とし、棒状部42b−2をX1側として設けてもよい。その場合には、凹部28は、アリ溝20−1における右側面側(X2側)の位置に設けることになる。
また、剥落防止具40は、アリ溝20−1に設けられているとしたが、アリ溝20−2に設けてもよい。その場合も、連結部46をX1側とし、棒状部42b−2をX2側としてもよいし、連結部46をX2側とし、棒状部42b−2をX1側としてもよいが、剥落防止具40によりタイル10をバランスよく支持するために、長尺部42をアリ溝20−2における側面24側として、タイル10における短手方向(Y1−Y2方向)の中央に近い側にするのが好ましい。なお、長尺部42をアリ溝20−2における側面26側とし、短尺部44をアリ溝20−2における側面24側としてもよい。
上記構成の剥落防止タイル5Aの使用方法は、実施例1の剥落防止タイル5と同様であり、PC先付け工法に使用する。
剥落防止タイル5AによるPC先付け工法は、実施例1と同様であり、図11〜図20に示すように行われる(ただし、図11〜図20において、剥落防止タイル5の代わりに剥落防止タイル5Aとなる)ので、詳しい説明を省略するが、タイル製造業者により剥落防止タイル5Aが製造されると、製造された剥落防止タイル5Aは、パック加工業者によりパック加工され、その後、PC板製造業者により、パック加工されたタイル(パック加工タイル)を用いてPC板が製造される。
以上のように、本実施例の剥落防止タイル5Aによれば、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、固定部50がタイル10の裏面に付着するのを防止することができる。特に、アリ溝の深さが浅い乾式タイルの場合や、アリ溝の幅が大きい場合であっても、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、タイル10の裏面に付着するのを防止することができる。
特に、実施例2においては、固定部50は凹部28内に設けられているので、固定部50が裏面14a、14bから突出するおそれをより小さくでき、固定部50が裏面14a、14bに付着するおそれをより小さくすることができる。
また、剥落防止具40は、金属製の線材を曲げ加工した構成であるので、剥落防止具40を低コストに製造することができる。
また、建築基準法に基づく定期報告制度において、剥落防止具40がタイル10に固定されているので、10年ごとの検査において、目視による検査により検査をクリアできる。
また、剥落防止タイル5においては、タイル製造業者において剥落防止具40がタイル10に固定されるので、PC板製造業者により剥落防止具40を取り付ける必要がない。
次に、実施例3の剥落防止タイル5Bについて説明する。剥落防止タイル5Bは、図26、図27に示すように構成され、実施例1の剥落防止タイル5と略同様の構成であり、剥落防止タイル5Bは、タイル(タイル本体としてもよい)10と、剥落防止具40と、固定部50を有しているが、剥落防止具の構成が異なる。
すなわち、実施例3における剥落防止具40は、実施例1の剥落防止具40と略同様の構成であり、長尺部(第1構成部)42と、短尺部(第2構成部)44と、連結部46を有しているが、長尺部42の構成が異なる。
すなわち、長尺部42は、直線状(略直線状としてもよい)の棒状部42aと、棒状部42aの端部(連結部46側とは反対側の端部)から連設された曲り部42bを有し、曲り部42bは、棒状部42aから連設され、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成された連結部(第2連結部)42b−3と、連結部42b−3の先端から連設された直線状(略直線状としてもよい)の棒状部(第2棒状部)42b−4とを有している。
連結部42b−3は、棒状部42aと棒状部42b−4を連結するものであり、半円状(略半円状としてもよい)にカーブして形成されている。
また、棒状部42b−4は、直線状の棒状を呈し、棒状部42aの先端部42a−3と平行(略平行としてもよい)に形成され(つまり、棒状部42b−4の長手方向は、棒状部42a(特に、先端部42a−3)長手方向と平行(略平行)となっている)、先端部42a−3と間隔L20を介して先端部42a−3と相対して設けられている。以上のようにして、曲り部42bは、棒状部42aの先端から棒状部42aの先端側の方向(X2方向)に対してX1方向に反転した形状となっている。
剥落防止具40における曲り部42b側の端部の短手方向(幅方向)の長さL19(棒状部42aにおける棒状部42b−4とは反対側の位置から棒状部42b−4における棒状部42aとは反対側の位置までの長さ)は、アリ溝20−1の幅L12よりも小さく形成され、連結部42b−3の円弧形状における円弧の径は、連結部46の円弧形状における円弧の径よりも小さく形成されているが、連結部42b−3の円弧形状における円弧の径は、長さL19が幅L12よりも小さくなる大きさであればよく、例えば、連結部46の円弧形状における円弧の径と同じであってもよい。
また、実施例3の剥落防止具40における棒状部42aは、実施例1の剥落防止具40における棒状部42aよりも短く形成されていて、棒状部42aを曲げ加工して長尺部42を立ち上げた際には、タイル10の裏面から長尺部42の先端までの長さL1bは、実施例1における長さL1aよりも短く、10〜20cm(好適には、10〜15cm)の長さとなっている。なお、短尺部44の長さ(長手方向の長さ)は、長尺部42の長手方向の長さL1や、棒状部42aの長さ(長手方向の長さ)よりも短く形成されている。
剥落防止タイル5Bにおけるタイル10と固定部50の構成は、実施例1の剥落防止タイル5におけるタイル10と固定部50と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
剥落防止タイル5Bは、上記のように構成されていて、剥落防止具40によりタイル10が支持され、固定部50は、剥落防止具40がアリ溝20−1内で移動することがないように設けられているといえる。
剥落防止タイル5Bの製造に際しては、タイル10に剥落防止具40を取り付けた後に固定部50を塗布して設けるが、剥落防止具40のタイル10への取付け方法は、実施例1における剥落防止具40のタイル10への取付け方法と同様である。
製造された剥落防止タイル5Bにおいては、固定部50は、タイル10の裏面14a、14bよりも下側に位置していて、裏面14a、14bから突出していないので、製造された剥落防止タイル5Aを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Bの表面側の面に接することがなく、また、固定部50は、アリ溝20−1の側面24、26には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに接することがなく、その点でも、剥落防止タイル5Bを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Bの表面側の面に接することがなく、製造された剥落防止タイル5Bを積み重ねた際に、仮に、接着剤の硬化が十分でない場合にも、固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Bの表面側の面に付着することがない。
また、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、接着剤の量を少なくでき、接着剤の量を少なくできるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、アリ溝の深さが浅い場合でも、固定部50が裏面14a、14bから突出することがなく、また、アリ溝の幅が大きい場合でも、固定部50は、連結部46の箇所に設けられているのみであるので、固定部50の上方への盛り上がりを小さくでき、剥落防止タイル5Bを積み重ねても固定部50が積み重ねた剥落防止タイル5Bの表面側の面に接することがない。
なお、長尺部42の曲げ加工の方法は、実施例1の場合と同様であるが、本実施例では、実施例1における棒状部42b−2の代わりに、連結部42b−3に治具をひっかけて曲げ加工を行なう。曲げ加工された棒状部42aは、図28、図29に示すようになり、棒状部42aは、底面22に沿った状態である基端部42a−1と、基端部42a−1から連設され、上方(底面22に対して直角の方向)に湾曲した湾曲部42a−2と、湾曲部42a−2から連設され、上方に伸びた先端部42a−3から構成された状態となり、基端部42a−1と先端部42a−3は、略直線状となっている。なお、先端部42a−3は、底面22に対して直角方向であるとしたが、直角方向でなくてもよく、底面22の方向に対して傾斜した状態としてもよい。
なお、実施例1及び実施例2の場合と同様に、曲げ加工する前の状態では、棒状部42aは、側面26に沿って側面26に接した状態となっているが、側面26が底面22に対して傾斜した状態となっているので、長尺部42を曲げ加工するに伴い湾曲部42a−2の部分が側面26に沿って上方に移動することにより、棒状部42aが短尺部44側に回動して短尺部44に近づくことになる。
上記構成の剥落防止タイル5Bの使用方法は、実施例1の剥落防止タイル5や実施例2の剥落防止タイル5Aと同様であり、PC先付け工法に使用する。
剥落防止タイル5BによるPC先付け工法は、実施例1と同様であり、図11〜図20に示すように行われる(ただし、図11〜図20において、剥落防止タイル5の代わりに剥落防止タイル5Bとなる)ので、詳しい説明を省略するが、タイル製造業者により剥落防止タイル5Bが製造されると、製造された剥落防止タイル5Bは、パック加工業者によりパック加工され、その後、PC板製造業者により、パック加工されたタイル(パック加工タイル)を用いてPC板が製造される。
なお、本実施例においては、剥落防止具40の曲り部42bは、連結部42b−3と棒状部42b−4とを有し、曲り部42bは、棒状部42aの先端から棒状部42aの方向に対して反転した形状となっているので、製造されたPC板において、長尺部42とコンクリート150(図20参照)との固着度合いを向上させるとともに、長尺部42を曲げ加工する際に、曲げ加工用の治具を曲り部42bの連結部42b−3にひっかけて曲げ加工を行なうことができる。特に、曲り部42bが、上記のように、棒状部42aの先端側の方向(X2方向)に対して反転した形状となっているので、実施例1や実施例2の場合に比べて、長尺部42とコンクリート150との固着度合いをより強固にすることができる。また、曲り部42bは、棒状部42b−4が棒状部42aの先端部42a−3に相対して設けられているので、棒状部42aを曲げ加工して、棒状部42aの先端側を立ち上げた際に、棒状部42b−4の先端を底面22近くとなるようにすることにより、立ち上がった部分が、先端部42a−3と棒状部42b−4のいわば2つの脚部を有することから、PC板の製造に際し、コンクリートを打設する場合に、流されたコンクリートの衝撃に対する耐衝撃性を高めることができる。
以上のように、本実施例の剥落防止タイル5Bによれば、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、固定部50がタイル10の裏面に付着するのを防止することができる。特に、アリ溝の深さが浅い乾式タイルの場合や、アリ溝の幅が大きい場合であっても、固定部50がタイル10の裏面から突出したり、タイル10の裏面に付着するのを防止することができる。
また、剥落防止具40は、金属製の線材を曲げ加工した構成であるので、剥落防止具40を低コストに製造することができる。
また、曲り部42bが、棒状部42aの先端側の方向(X2方向)に対して反転した形状となっているので、長尺部42とコンクリート150との固着度合いをより強固にすることができる。
また、建築基準法に基づく定期報告制度において、剥落防止具40がタイル10に固定されているので、10年ごとの検査において、目視による検査により検査をクリアできる。
また、剥落防止タイル5においては、タイル製造業者において剥落防止具40がタイル10に固定されるので、PC板製造業者により剥落防止具40を取り付ける必要がない。
なお、実施例3において、実施例2のように、アリ溝20−1の底面に凹部28を設けた構成としてもよい。すなわち、図30に示す剥落防止タイル5Cのように、剥落防止タイル5Cが、タイル(タイル本体としてもよい)10Aと、剥落防止具40と、固定部50を有した構成とし、タイル10Aは、実施例2のタイル10Aと同様の構成となっていて、実施例2の場合に比べて、連結部46の位置がX2側に位置しているので、実施例2の場合に比べて、凹部28は、X2側にずれた位置に設けられているが、その点以外は実施例2の凹部28と同様の構成である。
また、剥落防止タイル5Cにおける剥落防止具40は、剥落防止タイル5Bの場合と同様の構成であり、特に、曲り部42bが、連結部42b−3と、棒状部42b−4とを有し、曲り部42bが、棒状部42aの先端側の方向(X2方向)に対して反転した形状となっている。
また、剥落防止タイル5Cにおける固定部50は、実施例2の固定部50と同様の構成であり、固定部50は、凹部28内に設けられていて、凹部28の底面28aに接着するとともに、連結部46に接着されている。
特に、固定部50は凹部28内に設けられていて、棒状部42aは、凹部28の開口部とは重なっていないので、固定部50は、棒状部42aには接着しないようにすることができる。
また、固定部50は、凹部28内に設けられていて、アリ溝20−1の底面22には設けられていないので、固定部50が裏面14a、14bから突出することを十分防ぐことができ、アリ溝の深さが浅い場合やアリ溝の幅が大きい場合でも、固定部50が裏面14a、14bから突出することを防ぐことができる。
また、固定部50は、凹部28に設けられていて、アリ溝20−1の側面には接していないので、固定部50がタイル10の裏面14a、14bに付着することがない。
剥落防止タイル5Cによれば、実施例2の剥落防止タイル5Aの作用・効果に加えて、曲り部42bが、棒状部42aの先端側の方向(X2方向)に対して反転した形状となっているので、長尺部42とコンクリート150との固着度合いをより強固にすることができる。
なお、上記各実施例の説明において、タイル10、10Aは、乾式製法により製造されたものであるとしたが、湿式製法により製造したものであってもよい。
また、上記各実施例において、タイル10、10Aは、2つのアリ溝20−1、20−2を有するとして説明したが、2つには限られず、例えば、3つのアリ溝を有する構成としてもよい。
また、上記各実施例においては、剥落防止具40を構成する線材の断面は円形であるとしたが、これには限られず、例えば、断面四角形状であってもよい。
5、5A、5B、5C 剥落防止タイル
10、10A タイル
12 表面
14a 裏面
14b 裏面
14c 裏面
15 側面
16 側面
17 側面
18 側面
20−1 アリ溝
20−2 アリ溝
22 底面
24 側面
24−1 上辺
24−2 下辺
26−1 上辺
26−2 下辺
26 側面
28 凹部
30 アリ足
40 剥落防止具
42 長尺部
42a 棒状部
42a−1 基端部
42a−2 湾曲部
42a−3 先端部
42b 曲り部
42b−1 屈曲部
42b−2 棒状部
42b−3 連結部
42b−4 棒状部
44 短尺部
44−1 先端
46 連結部
50 固定部
50−1 固定部
50−2 固定部
60 貼り板
62 本体部
64 格子状部
66 凹部
66A 凹部
66B 凹部
70 目地材
80 フィルム
105 パック加工タイル
107 パック加工タイル
109 PC板
110 底板部
120 かさ上げ部
125 板部
130 型枠
140 鉄筋
150 コンクリート
10、10A タイル
12 表面
14a 裏面
14b 裏面
14c 裏面
15 側面
16 側面
17 側面
18 側面
20−1 アリ溝
20−2 アリ溝
22 底面
24 側面
24−1 上辺
24−2 下辺
26−1 上辺
26−2 下辺
26 側面
28 凹部
30 アリ足
40 剥落防止具
42 長尺部
42a 棒状部
42a−1 基端部
42a−2 湾曲部
42a−3 先端部
42b 曲り部
42b−1 屈曲部
42b−2 棒状部
42b−3 連結部
42b−4 棒状部
44 短尺部
44−1 先端
46 連結部
50 固定部
50−1 固定部
50−2 固定部
60 貼り板
62 本体部
64 格子状部
66 凹部
66A 凹部
66B 凹部
70 目地材
80 フィルム
105 パック加工タイル
107 パック加工タイル
109 PC板
110 底板部
120 かさ上げ部
125 板部
130 型枠
140 鉄筋
150 コンクリート
Claims (10)
- タイル(10、10A)と、剥落防止具(40)と、剥落防止具をタイルに固定する固定部(50)とを有する剥落防止タイルであって、
タイルは、裏側にアリ状の溝部(20−1、20−2)を有し、溝部が、タイルの裏面(14a、14b)から形成された一対の側面(24、26)と、一対の側面から連設された底面(22)とを有し、該一対の側面が、一対の側面間の長さが溝部の底面からタイルの裏面にいくに従い短くなるようなテーパ状を呈し、
剥落防止具は、金属製の線材により形成され、タイルの溝部内に取り付けられ、剥落防止具は、第1構成部(42)と、第2構成部(44)と、第1構成部と第2構成部を連結する連結部(46)とを有し、第1構成部と第2構成部と連結部とは、同一平面に沿って形成され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、第1構成部と第2構成部と連結部とは、溝部の底面に沿って配置され、線材の太さは、溝部の深さ(L14)よりも短く、
第1構成部が、棒状を呈する棒状部(42a)を有し、棒状部は、溝部の一対の側面における一方の側面である第1側面(26)に沿って設けられるとともに該第1側面に接し、
第2構成部は、棒状を呈し、第2構成部の連結部側の端部から第2構成部の先端に行くに従い、第1構成部の棒状部までの距離が長くなるように、第1構成部の棒状部の方向に対して傾斜し、第2構成部の先端が一対の側面における他方の側面である第2側面(24)に接し、
連結部は、棒状部から連設され、
剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、タイルの裏側を上側とした場合に、剥落防止具の上側の端部は、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、
固定部は、接着剤により形成され、固定部は、溝部の底面及び連結部に接着され、固定部と第1側面の間には間隔(S2)が設けられるとともに、固定部と第2側面の間には間隔(S1)が設けられ、
固定部は、棒状部とは非接着の状態であり、タイルの裏側を上側とした場合に、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、
棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより第1構成部がタイルの裏面よりも突出することを特徴とする剥落防止タイル。 - タイル(10、10A)と、剥落防止具(40)と、剥落防止具をタイルに固定する固定部(50)とを有する剥落防止タイルであって、
タイルは、裏側にアリ状の溝部(20−1、20−2)を有し、溝部が、タイルの裏面(14a、14b)から形成された一対の側面(24、26)と、一対の側面から連設された底面(22)とを有し、該一対の側面が、一対の側面間の長さが溝部の底面からタイルの裏面にいくに従い短くなるようなテーパ状を呈し、
剥落防止具は、金属製の線材により形成され、タイルの溝部内に取り付けられ、剥落防止具は、第1構成部(42)と、第2構成部(44)と、第1構成部と第2構成部を連結する連結部(46)とを有し、第1構成部と第2構成部と連結部とは、同一平面に沿って形成され、剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、第1構成部と第2構成部と連結部とは、溝部の底面に沿って配置され、線材の太さは、溝部の深さ(L14)よりも短く、
第1構成部が、棒状を呈する棒状部(42a)を有し、棒状部は、溝部の一対の側面における一方の側面である第1側面(26)に沿って設けられるとともに該第1側面に接し、
第2構成部は、棒状を呈し、第2構成部の連結部側の端部から第2構成部の先端に行くに従い、第1構成部の棒状部までの距離が長くなるように、第1構成部の棒状部の方向に対して傾斜し、第2構成部の先端が一対の側面における他方の側面である第2側面(24)に接し、
連結部は、棒状部から連設され、
剥落防止具が溝部内に取り付けられた状態では、タイルの裏側を上側とした場合に、剥落防止具の上側の端部は、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、
溝部の底面には、タイルの裏側を上側とした場合に、連結部の下側の位置に凹部(28)が設けられ、
該第1側面と底面の境界線である第1側面の下辺(26−2)と凹部との間に第1の間隔(S12)が設けられるとともに、該第2側面と底面の境界線である第2側面の下辺(24−2)と凹部との間に第2の間隔(S11)が設けられ、
固定部は、接着剤により形成され、固定部は、凹部内に設けられていて、凹部の底面及び連結部に接着され、
固定部は、棒状部とは非接着の状態であり、タイルの裏側を上側とした場合に、固定部の上側の端部が、タイルの裏面よりも上下方向において下側にあり、
棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより第1構成部がタイルの裏面よりも突出することを特徴とする剥落防止タイル。 - 溝部の底面における凹部の開口部(29)は、第1側面側の辺部である第1辺部(28c−1)と、第2側面側の辺部である第2辺部(28b−1)とを有し、
第1辺部は、第1側面の下辺と略平行であり、第1側面の下辺と第1辺部との間には、該第1の間隔が設けられ、
第2辺部は、第2側面の下辺と略平行であり、第2側面の下辺と第2辺部との間には、該第2の間隔が設けられ、
第1辺部と、棒状部の第2側面側の端部の間には、溝部の底面に沿った方向で第1辺部と直角の方向において、間隔(L17)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の剥落防止タイル。 - 棒状部をタイルの裏側に向けて曲げることにより、第1構成部をタイルの裏面よりも突出させる際に、棒状部の湾曲する部分が、該第1側面に接しながらタイルの裏側に移動するに従い、棒状部が、連結部との接続位置を中心に第2構成部側に回動して、第2構成部側に近づくことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の剥落防止タイル。
- 固定部は、第2構成部とは非接着の状態であることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の剥落防止タイル。
- 第1構成部は、棒状部の連結部とは反対側に連設された曲り部(42b)を有し、該曲り部は、棒状部に対して曲がった形状を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の剥落防止タイル。
- 曲り部は、棒状部とは反対側である先端側に、棒状部に対して略直角方向に形成された棒状の直角棒状部(42b−2)を有することを特徴とする請求項6に記載の剥落防止タイル。
- 曲り部は、棒状を呈する第2棒状部(42b−4)と第2連結部(42b−3)とを有し、第2棒状部は、棒状部の先端部分(42a−3)と略平行に形成され、該先端部分と間隔を介して該先端部分に相対して設けられ、第2連結部は、棒状部と第2棒状部とを連結することを特徴とする請求項6に記載の剥落防止タイル。
- 剥落防止具が取り付けられた溝部(20−1)の中心線で、該溝部の長手方向に伸びる中心線である第1中心線(ML)は、タイルの中心線で溝部の長手方向と平行な中心線である第2中心線(CL)に対して、第2中心線に直角な方向にずれて形成され、
剥落防止具における第1構成部は、第2構成部よりも第1中心線に近い側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の剥落防止タイル。 - 連結部は、略円弧状に形成され、第1構成部の棒状部は、連結部の第1構成部との境界位置(G1)の接線方向に形成され、第2構成部は、連結部の第2構成部との境界位置(G2)の接線方向に形成されている請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9に記載の剥落防止タイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019127108A JP2021011763A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 剥落防止タイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019127108A JP2021011763A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 剥落防止タイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021011763A true JP2021011763A (ja) | 2021-02-04 |
Family
ID=74226219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019127108A Ceased JP2021011763A (ja) | 2019-07-08 | 2019-07-08 | 剥落防止タイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021011763A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115467487A (zh) * | 2022-10-28 | 2022-12-13 | 重庆市健隆家具有限公司 | 一种安全防脱落的外墙瓷砖 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58159336U (ja) * | 1982-04-19 | 1983-10-24 | 鹿島建設株式会社 | タイル |
JPH03126940U (ja) * | 1990-04-03 | 1991-12-20 | ||
WO1995024533A1 (en) * | 1992-09-04 | 1995-09-14 | Cc+F Consulting, Construction And Finance Ag | Building panel |
JPH10169157A (ja) * | 1996-12-14 | 1998-06-23 | Marufuji Kogei:Kk | 板状壁材用係止部材 |
JP2017120020A (ja) * | 2015-12-29 | 2017-07-06 | 株式会社ファスナーエンジニアリング | タイル、タイル固定用の金具、該金具の固定方法、タイルの施工方法及びpcコンクリート板の製造方法 |
-
2019
- 2019-07-08 JP JP2019127108A patent/JP2021011763A/ja not_active Ceased
Patent Citations (5)
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