JP2021010957A - ラジアスエンドミル - Google Patents

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Takahiro Kitagawa
隆浩 北川
有輝 居原田
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【課題】コーナーR刃が連続する複数本の底刃を有し、底刃からコーナーR刃へかけての区間のすくい面の軸方向すくい角が0°程度以下である場合に、工具本体の周面と被削材との間に一部の切屑を入り込ませにくくする。【解決手段】切れ刃部2を回転軸Oと垂直方向から見たとき、切屑排出溝7を左ねじれ状態に形成し、切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、底刃4を通る延長線、または底刃4に沿った延長線より、コーナーR刃5を外周刃6側へかけて工具本体の回転方向r前方側へ湾曲、もしくは傾斜させる。切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、コーナーR刃5から外周刃6にかけて稜線の曲率を次第に大きくする。切れ刃部2を回転軸Oと垂直方向から見たとき、切屑排出溝7に面する外周刃6を左ねじれ状態に形成する。【選択図】図1

Description

本発明はコーナーR刃が連続する複数本の底刃を有し、特に底刃からコーナーR刃へかけての区間のすくい面の軸方向すくい角が0°程度以下である場合に、切屑の逃げ面側への回り込みを抑制し得る形態のラジアスエンドミルに関するものである。
底刃と外周刃との間にコーナーR刃が形成されたラジアスエンドミルにおいて、図7に示すように底刃からコーナーR刃へかけての区間のすくい面が回転方向前方側と工具本体の先端側を向いている場合、切屑排出溝が右ねじれ状態に形成されていると、すくい面とこれに連続する切屑排出溝の溝面との間に角度が生じる。図7は切屑排出溝が右ねじれ状態に形成されている従来のラジアスエンドミルの先端部を示している。
「すくい面が工具本体の先端側を向いていること」は、工具本体を先端面側から見たときに、すくい面が見える状態にあることを言い、すくい面の軸方向すくい角が0°以下であることを言う。「すくい面と溝面との間に角度が生じる」状況は、すくい面が回転方向前方側に向かって凸面をなす場合(特許文献1〜3参照)にも言えることがある。
右ねじれ状態に形成された切屑排出溝の、回転方向前方側を向く溝面は図7に示すように工具本体先端側の反対側のシャンク部側をも向くため、すくい面と溝面との間に双方に連続する凸曲面が形成されない限り、すくい面と溝面との間には角度が付くことになる。切屑排出溝の溝面は外周刃すくい面に連続する面でもある。すくい面と溝面との間に角度が付くことは、すくい面と溝面との間に回転方向前方側へ凸となった部分が形成されることである。
底刃とコーナーR刃が切削した切屑はすくい面上に落下した後、切屑排出溝へ送られようとする。但し、すくい面と溝面との間に凸部が形成されている場合、切屑は溝面に接触する前に一旦、宙に浮く状態になり易いため、溝面に接触したときに溝面に回転方向前方側へ弾き飛ばされ易くなる。
またすくい面と溝面との間には角度が付くことは、コーナーR刃から外周刃へかけての区間の連続したすくい面の面積を大きく確保することができないことでもある。連続したすくい面は平面である場合と凹、または凸の曲面である場合がある。すくい面の面積を大きく確保できないことは、コーナーR刃5の曲線の全長が1/4円弧分の長さより短くなり易いことであり、コーナーR刃すくい面での切屑の収容能力が低下することでもある。
すくい面と溝面との間に角度が付く状況は、例えば外周刃を左ねじれ状態に形成し、底刃から外周刃までのすくい面を連続した面に形成することで(特許文献4参照)、回避されると考えられる。
特開2003−159610号公報(段落0028、図7、図8) 特開2014−97574号公報(段落0018、図1、図2) 特開2016−74061号公報(段落0016、図2、図3) 特開2010−125594号公報(請求項1、段落0012〜0029、図3〜図5、図7)
但し、特許文献4の例を含め、右刃で、左ねじれ形式の場合、ねじれ角の程度によっては底刃から外周刃を含む切れ刃が切削した切屑はすくい面から、工具本体の軸方向下方側へ落とし込まれる向きの力を受け易くなる。この関係で、切屑はギャッシュからは切屑排出溝へ排出されようとする傾向より、工具本体の外周面側へ回り込もうとする傾向が高まることがある。
この点を踏まえれば、特許文献4のように底刃から外周刃までのすくい面を連続した面に形成しながらも(段落0027)、コーナーR刃が左ねじれ状態になければ、切屑を工具本体の回転方向後方側(外周刃の逃げ面側)へ回り込ませ易くなると考えられる。結果的に工具本体の周面と被削材との間に一部の切屑を入り込ませ易くなり、工具本体の周面その他の部分に傷を与える可能性が高まる。
本発明は上記背景より、右刃で、左ねじれ形式の場合に、切屑による工具本体への損傷の発生を抑制し得る形態のラジアスエンドミルを提案するものである。
請求項1に記載の発明のラジアスエンドミルは、工具本体の回転軸方向の先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて複数本の底刃と、この各底刃に連続するコーナーR刃と、このコーナーR刃に連続する外周刃とを有する切れ刃部を備え、前記工具本体の回転方向に隣接する前記外周刃間に切屑排出溝が形成されたラジアスエンドミルであり、
前記切れ刃部を回転軸と垂直方向から見たとき、前記切屑排出溝は左ねじれ状態に形成され、
前記切れ刃部を前記回転軸方向の端面側から見たとき、前記底刃を通る延長線、または前記底刃に沿った延長線より、前記コーナーR刃が前記外周刃側へかけて前記工具本体の回転方向r前方側へ湾曲、もしくは傾斜していることを特徴とする。
「切れ刃部を回転軸と垂直方向から見たとき」とは、工具本体(エンドミル本体)の回転軸Oに垂直な方向から切れ刃部2(工具本体)を見たときの側面を言う。「切れ刃部を回転軸と垂直方向から見たとき、切屑排出溝が左ねじれ状態」とは、切屑排出溝7を構成し、外周刃すくい面6aに連続する溝面7a、または外周刃6に連続する稜線が工具本体の先端部を下方にした状態の切れ刃部2を側面から見たときに、下方から上方へかけ、右側から左側へ向かう傾斜が付いていることを言う。底刃4(後述の親底刃41と子底刃42を指す)から外周刃6までの切れ刃は、シャンク部3側から見たときに工具本体が時計回り(右回り)に回転するときに被削材を切削する向きに(右刃として)形成される。
「切れ刃部を回転軸方向の端面側から見たとき」とは、図1−(a)に示す、工具本体(エンドミル本体)を先端側から軸方向のシャンク部3側に向かって見たときの端面を言う。「底刃4を通る延長線」は底刃4を通り、回転軸O寄りの位置から半径方向外周側へ延びる線を言い、主に直線を指す。「底刃4に沿った延長線」は底刃4が曲線を描くような場合の曲線の曲率を持ちながら、回転軸O寄りの位置から半径方向外周側へ延びる線を言い、主に曲線を指す。
例えば切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、底刃4が曲線を描いている場合、その曲線に沿った、または曲線に重なった(乗った)曲線の延長線を言う。いずれの延長線も直線と曲線を含み、必ずしも回転軸Oを通るとは限らないが、回転軸Oと底刃4を通る線を含む。以下、「底刃4を通る延長線」と「底刃4に沿った延長線」を合わせて「底刃4を通る延長線等」とも言う。図1−(a)では延長線を二点鎖線で示している。
「底刃4を通る延長線等より、コーナーR刃5が外周刃6側へかけて工具本体の回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)している」とは、切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たときの少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分(稜線)が、延長線より回転方向前方側へ向かい、直線、もしくは曲線を描きながら、湾曲、もしくは傾斜していることを言う。
延長線とコーナーR刃5(稜線)が共に曲線を描く場合には、少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分の曲率が延長線の曲率より大きい。曲線は直線が多角形を描く場合を含む。コーナーR刃5が外周刃6側へかけて、または少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分が回転方向前方側へ湾曲等することは、左ねじれの形成が少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分から切屑排出溝7へかけて開始している、とも言え、コーナーR刃5の全長が左ねじれになっていることを含む。
「コーナーR刃5が回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)していること」には、コーナーR刃5に連続する底刃4の少なくとも一部と、外周刃6の少なくとも一部の少なくともいずれか一方もコーナーR刃5に倣い、回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)していることも含まれる。底刃4とコーナーR刃5との間、及びコーナーR刃5と外周刃6との間には明確な境界がないことがあるため、「工具本体の回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)している」状態は、底刃4の回転軸O側から、または底刃4のコーナーR刃5側から開始されていることもある。
「コーナーR刃5が底刃4を通る延長線等より外周刃6側へかけて工具本体の回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)していること」は、「切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、コーナーR刃すくい面5aが外周刃すくい面6a側へかけてコーナーR刃5の形状に倣い、左回りに湾曲するように形成されていること」でもある。底刃すくい面41a、42aとコーナーR刃すくい面5aとの間、及びコーナーR刃すくい面5aと外周刃すくい面6aとの間にも明確な境界線がないことがあるため、左回りに湾曲した状態は底刃すくい面41a、42aから開始されていることもある他、コーナーR刃すくい面5aから外周刃すくい面6aまで連続して左回りに湾曲した状態にあることもある。
底刃すくい面41a、42aとコーナーR刃すくい面5aとの間、コーナーR刃すくい面5aと外周刃すくい面6aとの間に明確な境界線がない場合、底刃すくい面41a、42aとコーナーR刃すくい面5a、及びコーナーR刃すくい面5aと外周刃すくい面6aは連続した平面、もしくは連続した曲面をなす場合と、平面から曲面に移行する場合と、曲率が連続的に変化する曲面をなす場合がある。
いずれの例でもコーナーR刃すくい面5aが外周刃6側へかけて左回りに湾曲、もしくは傾斜することで、コーナーR刃すくい面5aが構成するギャッシュ(後述の第一ギャッシュ8と第二ギャッシュ9)内に存在する切屑は工具本体の回転に従って回転方向前方側へ送り込まれ易くなり、コーナーR刃5と外周刃6の逃げ面(2番面5b、6b)側へ回り込みにくくなる。
なお、コーナーR刃5、またはコーナーR刃5と外周刃6が切屑の逃げ面側の回り込みを阻止、もしくは抑制し、切屑をギャッシュ内に留めようとする効果を上げる上では、図1−(a)に示すように切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、コーナーR刃5から外周刃6にかけて稜線の曲率が次第に大きくなっていることが合理的である(請求項2)。このことは、「左回りへの湾曲」状態がコーナーR刃5から外周刃6にかけて曲率(曲率半径)が次第に大きく(小さく)なるように形成されていることを言う。稜線は切れ刃であり、「コーナーR刃5から外周刃6にかけて」とは、少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分を指し、底刃4からコーナーR刃5へかけての部分と、コーナーR刃5から外周刃6までの部分を含む。
コーナーR刃5から外周刃6にかけて曲率が次第に大きくなることで、少なくともコーナーR刃5の外周刃6寄りの部分が回転方向前方側から回転軸O側を向く形になるため、ギャッシュ8、9内に存在する切屑をギャッシュ8、9内に巻き込むように作用することになる。結果的にコーナーR刃5から外周刃6にかけての部分が切屑を工具本体の回転に従って回転方向前方側へ送り込み易くし、コーナーR刃5と外周刃6の逃げ面側へ回り込みにくくする効果が増す。
前記のように右刃で、左ねじれ形式の場合、切れ刃が切削した切屑はすくい面から、工具本体の軸方向下方側へ落とし込まれる向きの力を受けることで、工具本体の外周面側へ回り込もうとし、工具本体の周面と被削材との間に入り込み易くなる傾向がある。
これに対し、本発明では底刃4を通る延長線等より、コーナーR刃5が外周刃6側へかけて工具本体の回転方向r前方側へ湾曲(傾斜)していることで、切屑をギャッシュ(第一ギャッシュ8と第二ギャッシュ9)内で回転方向r前方側へ送り込み易くなる。言い換えれば、コーナーR刃5の外周刃6寄りの部分(区間)はギャッシュ8、9内の切屑の逃げ面側への回り込みを阻止するように働き、切屑をギャッシュ8、9内に留めつつ、ギャッシュ8、9内からギャッシュ8、9に連通する切屑排出溝7へ誘導するか、ギャッシュ8、9から半径方向外周側へ排出させるように働く。
ギャッシュ8、9内の切屑がコーナーR刃と外周刃6の逃げ面側へ回り込みにくくなることで、工具本体の周面と被削材との間に入り込む切屑の量を低減することが可能になる結果、切屑の噛み込みによる工具本体の周面その他の部分に損傷を与える可能性を低下させることが可能になる。
特に切れ刃部2を回転軸Oと垂直方向から見たとき、切屑排出溝7に面する外周刃6が左ねじれ状態に形成されていれば(請求項3)、コーナーR刃5から外周刃6までに跨る区間のすくい面(コーナーR刃すくい面5aと外周刃すくい面6a)が切屑をギャッシュ8、9内で回転方向r前方側へ送り込み易くする効果が高まるため、工具本体への損傷の可能性をより低下させることが可能になる。この場合、コーナーR刃すくい面5aと外周刃すくい面6aは前記のように連続した平面、もしくは連続した曲面をなす場合等と、連続しない面をなす場合がある。「連続しない面」は両面間に角度、または段差が付くようなことを言う。
前記のように底刃4からコーナーR刃5へかけての区間のすくい面が工具本体の先端側を向いている(すくい面の軸方向すくい角が0°以下である)場合には、切屑排出溝7(溝面7a)が右ねじれ状態に形成されている場合に、コーナーR刃5の曲線の全長が1/4円弧分の長さより短くなり易い。この点を踏まえれば、切屑排出溝7(溝面7a)が左ねじれ状態に形成されている場合(請求項1)には、底刃4の半径方向中心(工具回転軸O)付近における軸方向のすくい角が0°以下であれば(請求項4)、コーナーR刃5の曲線の全長として1/4円弧分の長さを確保し易くなる、と言える。
このことは、コーナーR刃すくい面5aの面積を拡大し易いことでもあるから、コーナーR刃すくい面5aが構成するギャッシュ8、9(第一ギャッシュ8、第二ギャッシュ9)内での切屑の収容能力を増大させることにもなる。ギャッシュ8、9の切屑収容能力の増大はギャッシュ8、9からの切屑の外周刃逃げ面(外周刃2番面6b)側への回り込みの可能性を低下させることに結び付くため、この理由からも工具本体の損傷の可能性を低下させ易くなる。
なお、底刃4の半径方向中心付近における軸方向すくい角θ1を0°以下にした場合(請求項4)、HRC50以上、更にはHRC60以上の高硬度鋼の切削加工において、工具損傷が抑制される傾向がある。これは、底刃4、または底刃4からコーナーR刃5へかけての切れ刃とすくい面とのなす角度が鈍角になることで、軸方向すくい角θ1が正の場合より切れ刃を含む切れ刃部2の剛性が高まるため、あるいは切れ刃部2に鋭角部分が形成されないため、と考えられる。
高硬度鋼の切削加工においては、底刃4の半径方向中心付近における軸方向すくい角θ1は−10°以下、特に−15°以下とすることが好ましい。但し、ネガ(負)のすくい角が大きくなり過ぎると製造が困難になるので、底刃4の半径方向中心付近における軸方向すくい角θ1は−30°以上とすること(−30°≦θ1≦−10°)が好ましい。更に言えば、底刃4の半径方向中心付近における軸方向すくい角θ1は−25°以上とすること(−25°≦θ1≦−15°)が好ましい。
ギャッシュ8、9内に留められた切屑は主にコーナーR刃5とコーナーR刃すくい面5aに逃げ面(2番面)側への回り込みを阻止、もしくは抑制されることで、前記のように切屑の一部はギャッシュ8、9に連通する切屑排出溝7を経由した後に排出され、一部はギャッシュ8、9から半径方向外周側へ送り込まれて排出される。ここで、底刃4として複数本の親底刃41と複数本の子底刃42の、2種類の底刃を形成すれば(請求項5)、ギャッシュ8、9内に存在する切屑の分散効果が期待される。
複数本の親底刃41は切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心、もしくはその付近まで連続し、複数本の子底刃42は親底刃41に工具本体の回転方向rに間隔を置き、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する(請求項5)。切屑の分散効果が得られることで、切屑の切屑排出溝7へ排出される分のギャッシュ8、9からの排出効果も高まる。親底刃41と子底刃42の形成による切屑の分散効果と排出効果は、コーナーR刃5から外周刃6にかけて稜線の曲率を次第に大きくした場合(請求項2)に、切屑収容空間(チップポケット)としてのギャッシュ8、9の容積を減少させたことによる切屑の詰まりを防止する上で有効である。
この場合、底刃4は親底刃41と子底刃42の2種類あるため、コーナーR刃5は図1−(a)に示すように親底刃41と子底刃42の半径方向外周側に形成される。また親底刃41と子底刃42は回転軸(半径方向中心)Oに関して対になるように形成されるため、切れ刃(底刃4)の本数(枚数)は主には4本(枚)であるが、それより多いこともある。図面では親底刃41と子底刃42が共に2枚あり、各親底刃41と各子底刃42にコーナーR刃5が連続する4枚刃のラジアスエンドミルの例を示しているが、本発明では親底刃41と子底刃42の区別がない場合もある。以下では中心Oとも回転軸Oとも言う。
請求項5における「切れ刃部を回転軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心、もしくはその付近まで連続する親底刃」とは、図1−(a)、図2に示すように親底刃41が半径方向中心(回転軸)Oに交わるまで半径方向外周側の端部から半径方向中心Oまで連続するか、もしくはその付近を通過するまで連続することを言う。
「親底刃が中心付近を通過する」とは、親底刃41が中心(回転軸)O付近を通過し、中心Oを挟んで対になる側の親底刃41の2番面41bの回転方向r後方側の境界線に連続することを言う。この場合、親底刃41の2番面41bは中心Oを挟んだ側に位置する親底刃41の2番面41bに帯状に連続する。親底刃41の2番面41bの回転方向r後方側の境界線は2番面41bとその回転方向r後方側に隣接する、後述の第二ギャッシュ面9aとの境界線である。回転方向rはエンドミル本体(工具本体)が被削材を切削するときに回転軸O回りに回転する向きを言う。
請求項5における「半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する子底刃」とは、子底刃42が中心(回転軸)Oに交わる手前まで半径方向外周側の端部から半径方向中心O寄りの位置まで連続し、中心Oには到達しないことを言う。子底刃42の半径方向中心側の端部が中心Oにまで到達しないことで、子底刃42は親底刃41とは交わらず、子底刃42の中心O側の端部と親底刃(稜線)41との間には空隙が形成される。
親底刃41のすくい面41aとこれに回転方向r前方側に対向する第一ギャッシュ面8aとから第一ギャッシュ8が構成され、子底刃42のすくい面42aとこれに回転方向r前方側に対向する第二ギャッシュ面9aとから第二ギャッシュ9が構成される。子底刃42の半径方向中心O寄りの端部は中心Oに交わらないことで、親底刃41のすくい面41aは中心Oを挟んだ反対側に位置する親底刃41の2番面41bの回転方向r後方側に位置する第二ギャッシュ9を構成する第二ギャッシュ面9aに連続し、第一ギャッシュ8内の空間と第二ギャッシュ9内の空間は連通する。
第一ギャッシュ8内と第二ギャッシュ9内の空間が連通することで、例えば親底刃41が切削し、第一ギャッシュ8内に入り込んだ切屑の一部は第二ギャッシュ9内にも入り込み得るため、切屑が第一ギャッシュ8と第二ギャッシュ9に分散する。同様に子底刃42が切削し、第二ギャッシュ9内に入り込んだ切屑の一部は第一ギャッシュ8内にも入り込み得るため、切屑が第二ギャッシュ9と第一ギャッシュ8に分散する。結果として、親底刃41と子底刃42が切削した切屑が第一ギャッシュ8内と第二ギャッシュ9内のいずれかに集中することが回避され易くなり、第一ギャッシュ8内に切屑が詰まる事態と第二ギャッシュ9内に切屑が詰まる事態が回避され易くなる。
子底刃42の半径方向中心側の端部が中心Oにまで到達しないことと、子底刃42の2番面42bの回転方向r後方側に第一ギャッシュ8を構成する第一ギャッシュ面8aが形成されることで、子底刃42の2番面42bの幅が制約されることになる。特に子底刃42の中心O寄りの2番面42bの幅が小さくなる傾向があるため、切削中、子底刃42に折損等が生じ易くなる可能性がある。但し、この可能性は切れ刃部2に、または切れ刃部2を含む工具本体のシャンク部3を除く部分全体に、HRC50以上、更にはHRC60近くの、あるいはHRC60を超える高硬度材の切削加工に適用されている、例えば上層にTiSiの窒化物、または炭窒化物を設けた硬質皮膜を被覆することで、低下させることが可能である。
親底刃41に連続するコーナーR刃5のすくい面5aとこれに回転方向r前方側に対向する第三ギャッシュ面10aとから第三ギャッシュ10が構成され、子底刃42に連続するコーナーR刃5のすくい面5aとこれに回転方向r前方側に対向する第四ギャッシュ面11aとから第四ギャッシュ11が構成される。第三ギャッシュ10は第一ギャッシュ8の切屑排出溝7側に形成されて双方に連続し、第四ギャッシュ11は第二ギャッシュ9の切屑排出溝7側に形成されて双方に連続する。
親底刃41側のコーナーR刃すくい面5aは親底刃すくい面41aに対して傾斜し、親底刃すくい面41aと異なる面をなす場合と、親底刃すくい面41aに連続した同一面をなす場合がある。同様に子底刃42側のコーナーR刃すくい面5aは子底刃すくい面42aに対して傾斜し、子底刃すくい面42aと異なる面をなす場合と、子底刃すくい面42aに連続した同一面をなす場合がある。
第一ギャッシュ8の切屑排出溝7側に第三ギャッシュ10が形成されることで、親底刃41、または親底刃41にコーナーR刃5が連続する場合の親底刃41とコーナーR刃5が切削した切屑は第一ギャッシュ8と第三ギャッシュ10に分散して入り込む。同様に第二ギャッシュ9の切屑排出溝7側に第四ギャッシュ11が形成されることで、子底刃42、または子底刃42にコーナーR刃5が連続する場合の子底刃42とコーナーR刃5が切削した切屑は第二ギャッシュ9と第四ギャッシュ11に分散して入り込む。
第三ギャッシュ10と第四ギャッシュ11に入り込んだ切屑はそれぞれに連続する切屑排出溝7へ排出されようとするため、第三ギャッシュ10と第四ギャッシュ11内での切屑の停滞が生じにくくなり、第一ギャッシュ8内の切屑の第三ギャッシュ10への排出と第二ギャッシュ9内の切屑の第四ギャッシュ11への排出が円滑に生じ易くなる。
切屑排出溝を左ねじれ状態に形成すると共に、切れ刃部を回転軸方向の端面側から見たときに底刃を通る、または底刃に沿った延長線より、コーナーR刃が外周刃側へかけて工具本体の回転方向前方側へ湾曲、もしくは傾斜させているため、コーナーR刃すくい面が構成するギャッシュ内に存在する切屑を工具本体の回転に従って回転方向前方側へ送り込み易くし、コーナーR刃と外周刃の逃げ面側へ回り込みにくくすることができる。この結果、工具本体の周面と被削材との間に入り込む切屑の量を低減することが可能になるため、切屑の噛み込みによる工具本体の周面その他の部分に損傷を与える可能性を低下させることができる。
(a)は切れ刃部を回転軸方向の端面側から見たときに底刃を通る、または底刃に沿った延長線よりコーナーR刃が外周刃側へかけて工具本体の回転方向前方側へ湾曲、もしくは傾斜している様子を示した切れ刃部の端面図であり、図4のx−x線矢視図、(b)は(a)の一部拡大図である。 切れ刃部を端面寄りの位置から見たときの切れ刃の形成例を示した斜視図である。 切れ刃部を側面側から見たときの第一ギャッシュと第二ギャッシュ、及び切屑排出溝の関係を示した斜視図(側面図)である。 エンドミル本体のシャンク部を除いた切れ刃部を含む部分を示した斜視図(側面図)である。 本発明のエンドミルのシャンク部を含めた全体を示した側面図である。 外周刃の径方向すくい角β2の計測位置を示した工具本体の軸に垂直な断面図である。 コーナーR刃のすくい面が工具本体の先端側を向き、切屑排出溝が右ねじれ状態に形成されている従来のラジアスエンドミルの形成例を示した、切屑排出溝側からの側面図である。
図1〜図3は工具本体の回転軸方向の先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて複数本の底刃4と、各底刃4に連続するコーナーR刃5と、コーナーR刃5に連続する外周刃6とを有する切れ刃部2を備え、工具本体の回転方向rに隣接する外周刃6、6間に切屑排出溝7が形成されたラジアスエンドミル1の製作例を示す。図面では底刃4として複数本の親底刃41と複数本の子底刃42の、2種類の底刃を形成した場合の例を示しているが、親底刃41と子底刃42の違いがない場合もある。親底刃41と子底刃42がある場合の例の詳細は後述する。
図面ではまた、図5に示すような金型の隅部の加工に適する、首下長の長い小径エンドミルの例を示しているが、本発明のラジアスエンドミル1は図5に示す形態には限られない。図4は図5のシャンク部3を除いた切れ刃部2側の部分を示している。図1は図4に示すラジアスエンドミル1をx−x線の方向に見た様子を示している。
切れ刃部2を回転軸Oと垂直方向から見たとき、切屑排出溝7は図3に示すように左ねじれ状態に形成される。切屑排出溝7は外周刃6からシャンク部3側へ連続する稜線と、外周刃すくい面6aからシャンク部3側へ連続する溝面7aを指す。切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、コーナーR刃5は図1−(a)に示すように、二点鎖線で示す底刃4を通る延長線、または底刃4に沿った延長線より、外周刃6側へかけて工具本体の回転方向r前方側へ湾曲、もしくは傾斜し、左ねじれ状態に形成される。回転軸Oの方向は工具本体の軸方向を指す。
コーナーR刃5に連続し、切屑排出溝7に面する外周刃6はコーナーR刃5と切屑排出溝7の稜線をつなぐ稜線になる関係で、基本的には図3に示すように切れ刃部2を回転軸Oと垂直方向から見たとき、左ねじれ状態に、または左ねじれに見えるように形成される。外周刃6は切屑排出溝7の稜線に連続するため、外周刃6と切屑排出溝7の稜線との間に明確な境界は表れないこともある。図面では特にコーナーR刃5から外周刃6にかけての区間の逃げ面(2番面5b、6b)側への切屑の回り込みを阻止、もしくは抑制する目的で、切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たとき、コーナーR刃5から外周刃6にかけて稜線(切れ刃)の曲率を次第に大きくしている。
図面ではコーナーR刃5の曲線の全長として、コーナーR刃5の曲率半径を半径とする円弧の1/4(1/4円弧)分の長さを確保し易くするために、図3に示す底刃41、42の半径方向中心(回転軸)O付近における軸方向すくい角θ1と、コーナーR刃5の底刃41、42側の軸方向すくいθ2を0°以下にしている。コーナーR刃5に1/4円弧分の長さを持たせることには、コーナーR刃すくい面5aが構成するギャッシュ8、9(第一ギャッシュ8、第二ギャッシュ9)内での切屑の収容能力を増大させ、ギャッシュ8、9からの切屑の外周刃逃げ面(外周刃2番面6b)側への回り込みの可能性を低下させる意味がある。
参考までに図示するエンドミル1の製作例では底刃41、42の中心(回転軸)O付近における軸方向すくい角θ1が−20°、コーナーR刃5の底刃41、42側の軸方向すくい角θ2が−20°であるが、本発明では少なくとも軸方向すくい角θ1が0°以下であればよく、ラジアスエンドミルの場合には軸方向すくい角θ1、θ2が0°以下であればよい。
高硬度鋼の切削加工においては、底刃41、42の中心(回転軸)O付近における軸方向すくい角θ1は主に−30°〜−10°、望ましくは−25°〜−15°の範囲にあることが適切である。また、コーナーR刃5の底刃41、42側の軸方向すくい角θ2は−25°〜−15°であることが好ましい。更に言えば、コーナーR刃5の軸方向すくい角θ2は底刃4(41、42)側から外周刃6側にかけて角度を大きくする(0°に近づける)ことが好ましい。
また図示する例では図3−(a)に示す底刃41、42の軸方向逃げ角α1が10°、コーナーR刃5の底刃41、42側の軸方向逃げ角α2が10°、図2−(c)、図8に示すコーナーR刃5の外周刃6側の径方向すくい角β1が0°、外周刃6の径方向すくい角β2が0°となっている。また図3−(a)に示す外周刃6側の径方向逃げ角γ1が13°、図2−(a)に示す径方向逃げ角γ2が11°であるが、軸方向逃げ角α1、α2、径方向すくい角β1、β2、径方向逃げ角γ1、γ2は図示する例には限定されない。
なお、コーナーR刃5の径方向すくい角β1と外周刃6の径方向すくい角β2は図2−(a)では正(+)に見えるが、各すくい角β1、β2は図6に示すように工具本体の回転軸Oに直交する断面上、半径方向外周寄りの工具径Dの4%の区間での計測値を採用している。
図面ではまた、ギャッシュ8、9内に存在する切屑の分散効果を得る目的で、底刃4として、切れ刃部2を回転軸O方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心、もしくはその付近まで連続する複数本の親底刃41と、親底刃41に工具本体の回転方向rに間隔を置き、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する複数本の子底刃42を持たせている。
但し、底刃4は親底刃41と子底刃42の区別がなく、図1−(a)に示す子底刃42の2番面42bが帯状の形状のまま、親底刃41の2番面41bに交わり、2番面41bと2番面42bが帯状の十字形状を形成することもある。以下、底刃4として親底刃41と子底刃42が形成された場合の例を説明する。
親底刃41は図1−(a)に示すように切れ刃部2を回転軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心(回転軸)O、もしくはその付近まで連続し、子底刃42は親底刃41に工具本体の回転方向rに間隔を置き、切れ刃部2を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する。
親底刃41と子底刃42は中心(回転軸)Oに関して対になるように形成され、親底刃41の中心O側の部分は中心Oかその付近まで連続することから、図面では工具本体の先端部を端面側から見たとき、親底刃41の2番面41b(以下、親底刃2番面41b)を中心Oを挟んだ側に位置する親底刃2番面41bに帯状に連続させている。この場合、中心Oを挟んで両側に位置する親底刃2番面41b、41bが幅を持ったまま連続することで、親底刃41に一定の剛性が確保される。
親底刃41のすくい面41a(以下、親底刃すくい面41aとも言う)とこの親底刃41に回転方向r前方側に隣接する子底刃42の2番面42b(以下、子底刃2番面42b)との間に第一ギャッシュ8が形成され、子底刃42のすくい面42a(以下、子底刃すくい面42aとも言う)とこの子底刃42に回転方向r前方側に隣接する親底刃2番面41bとの間に第二ギャッシュ9が形成される。第一ギャッシュ8は親底刃すくい面41aと、その親底刃41の回転方向r前方側に位置する子底刃2番面42bの回転方向r後方側に形成される第一ギャッシュ面8aから構成される。第二ギャッシュ9は子底刃すくい面42aと、その子底刃42の回転方向r前方側に位置する親底刃2番面41bの回転方向r後方側に形成される第二ギャッシュ面9aから構成される。
子底刃42は半径方向外周側の端部から半径方向中心O側の中途までしか連続しないため、図1、図2に示すように子底刃42の中心O側の端部は中心Oまでは到達しない。このことから、子底刃42の中心O側の端部とそれに半径方向に対向する親底刃2番面41bとの間には空隙が形成される。
この結果、切れ刃部2を端面側から見たとき、親底刃すくい面41a上の空間は中心Oを挟んだ側に位置する親底刃41の2番面41bの回転方向r後方側に形成された第二ギャッシュ面9a上の空間と連通する。すなわち、第一ギャッシュ8内の空間と第二ギャッシュ9内の空間は連通するため、例えば親底刃41が切削し、第一ギャッシュ8内に入り込んだ切屑は第二ギャッシュ9内に移動し得る状態にあり、子底刃42が切削し、第二ギャッシュ9内に入り込んだ切屑は第一ギャッシュ8内に移動し得る状態にある。
第一ギャッシュ8の切屑排出溝7側には第一ギャッシュ8と切屑排出溝7に連続する第三ギャッシュ10が形成され、第二ギャッシュ9の切屑排出溝7側には第二ギャッシュ9と切屑排出溝7に連続する第四ギャッシュ11が形成されている。第三ギャッシュ10と第四ギャッシュ11の形成により第一ギャッシュ8内の切屑の、切屑排出溝7へ向かう分は第三ギャッシュ10を経由して切屑排出溝7へ排出され、第二ギャッシュ9内の切屑の、切屑排出溝7へ向かう分は第四ギャッシュ11を経由して切屑排出溝7へ排出される。
第三ギャッシュ10は親底刃41に連続するコーナーR刃5のすくい面5a(以下、コーナーR刃すくい面5aとも言う)、または外周刃6のすくい面6a(以下、外周刃すくい面6aとも言う)と、そのコーナーR刃5、または外周刃6の回転方向r前方側に位置し、第一ギャッシュ面8aに工具本体の軸方向に連続する第三ギャッシュ面10aから構成される。第四ギャッシュ11は子底刃42に連続するコーナーR刃すくい面5a、または外周刃すくい面6aと、そのコーナーR刃5、または外周刃6の回転方向r前方側に位置し、第二ギャッシュ面9aに工具本体の軸方向に連続する第四ギャッシュ面11aから構成される
図1−(a)、図2、図3に示すように親底刃すくい面41aはこれと工具本体の軸方向に連続した面をなすコーナーR刃すくい面5a、または外周刃すくい面6aより、回転軸Oを通る工具本体の縦断面(鉛直面)に対して傾斜している。すなわち、親底刃すくい面41aと鉛直面とのなす角度はすくい面5a、6aと鉛直面とのなす角度より大きく、すくい面41aはすくい面5a、6aより寝た、より水平に近い面をなしている。同じく第一ギャッシュ面8aはこれと工具本体の軸方向に連続した面をなす第三ギャッシュ面10aより鉛直面に対して傾斜し、第一ギャッシュ面8aと鉛直面とのなす角度は第三ギャッシュ面10aと鉛直面とのなす角度より大きい。
この結果、第一ギャッシュ8を構成するすくい面41aと第一ギャッシュ面8aとの間の対向する方向、あるいは回転方向rの距離(円弧の長さ)が第三ギャッシュ10を構成するすくい面5a、6aと第三ギャッシュ面10aとの間の距離(円弧の長さ)より大きく、第一ギャッシュ8の切屑の収容能力が第三ギャッシュ10の収容能力より大きくなっている。また第一ギャッシュ8を構成するすくい面41aと第一ギャッシュ面8aが切屑を第三ギャッシュ10へ誘導する漏斗状の形状になっているため、第一ギャッシュ8内に存在する切屑を第三ギャッシュ10へ誘導する効果を持ち、第一ギャッシュ8内に切屑を停滞させない効果も持つ。
同様に子底刃すくい面42aはこれと工具本体の軸方向に連続した面をなすコーナーR刃すくい面5a、または外周刃すくい面6aより、鉛直面に対して傾斜している。すなわち、子底刃すくい面42aと鉛直面とのなす角度はすくい面5a、6aと鉛直面とのなす角度より大きく、すくい面42aはすくい面5a、6aより水平に近い面をなしている。同じく第二ギャッシュ面9aはこれと工具本体の軸方向に連続した面をなす第四ギャッシュ面11aより鉛直面に対して傾斜し、第二ギャッシュ面9aと鉛直面とのなす角度は第四ギャッシュ面11aと鉛直面とのなす角度より大きい。
この結果、第二ギャッシュ9を構成するすくい面42aと第二ギャッシュ面9aとの間の対向する方向、あるいは回転方向rの距離(円弧の長さ)が第四ギャッシュ11を構成するすくい面5a、6aと第四ギャッシュ面11aとの間の距離(円弧の長さ)より大きく、第二ギャッシュ9の切屑の収容能力が第四ギャッシュ11の収容能力より大きくなっている。また第二ギャッシュ9を構成するすくい面42aと第二ギャッシュ面9aが切屑を第四ギャッシュ11へ誘導する漏斗状の形状になっているため、第二ギャッシュ9内に存在する切屑を第四ギャッシュ11へ誘導する効果と、第二ギャッシュ9内に切屑を停滞させない効果を持つ。
親底刃2番面41b、またはコーナーR刃5の2番面5bの回転方向r後方側には3番面5cが形成され、3番面5cの回転方向r後方側に第四ギャッシュ面11aが位置し、3番面5cの軸方向シャンク部3側に切屑排出溝7が位置する。3番面5cはコーナーR刃5の2番面5bと外周刃6の2番面6bに跨る。
同様に子底刃42、またはコーナーR刃5の2番面5bの回転方向r後方側にも3番面5cが形成され、3番面5cの回転方向r後方側に第三ギャッシュ面10aが位置し、3番面5cの軸方向シャンク部3側に切屑排出溝7が位置する。3番面5cはコーナーR刃5の2番面5bと外周刃6の2番面6bに跨る。外周刃6の2番面6bの回転方向r後方側に切屑排出溝7が位置する。
1……ラジアスエンドミル(工具本体)、
2……切れ刃部、3……シャンク部、
41……親底刃、41a……親底刃すくい面、41b……親底刃2番面、
42……子底刃、42a……子底刃すくい面、42b……子底刃2番面、
5……コーナーR刃、5a……コーナーR刃すくい面、5b……コーナーR刃2番面、5c……コーナーR刃3番面、
6……外周刃、6a……外周刃すくい面、6b……外周刃2番面、
7……切屑排出溝、7a……溝面、
8……第一ギャッシュ、8a……第一ギャッシュ面、
9……第二ギャッシュ、9a……第二ギャッシュ面、
10……第三ギャッシュ、10a……第三ギャッシュ面、
11……第四ギャッシュ、11a……第四ギャッシュ面、
θ1……底刃41、42の軸方向すくい角、
θ2……コーナーR刃5の底刃側の軸方向すくい角、
α1……底刃41、42の軸方向逃げ角、
α2……コーナR刃5の底刃側の軸方向逃げ角、
β1……コーナR刃5の外周側の径方向すくい角、
β2……外周刃6の径方向すくい角、
γ1……コーナR刃5の外周側の径方向逃げ角、
γ2……外周刃6の径方向逃げ角。

Claims (5)

  1. 工具本体の回転軸方向の先端部側に、半径方向中心側から外周側へかけて複数本の底刃と、この各底刃に連続するコーナーR刃と、このコーナーR刃に連続する外周刃とを有する切れ刃部を備え、前記工具本体の回転方向に隣接する前記外周刃間に切屑排出溝が形成されたラジアスエンドミルであり、
    前記切れ刃部を回転軸と垂直方向から見たとき、前記切屑排出溝は左ねじれ状態に形成され、
    前記切れ刃部を前記回転軸方向の端面側から見たとき、前記底刃を通る延長線、または前記底刃に沿った延長線より、前記コーナーR刃が前記外周刃側へかけて前記工具本体の回転方向前方側へ湾曲、もしくは傾斜していることを特徴とするラジアスエンドミル。
  2. 前記切れ刃部を前記回転軸方向の端面側から見たとき、前記コーナーR刃から前記外周刃にかけて稜線の曲率が次第に大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のラジアスエンドミル。
  3. 前記切れ刃部を回転軸と垂直方向から見たとき、前記切屑排出溝に面する前記外周刃は左ねじれ状態に形成されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載のラジアスエンドミル。
  4. 前記底刃の半径方向中心付近における軸方向のすくい角は0°以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラジアスエンドミル。
  5. 前記底刃には前記切れ刃部を回転軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の端部から半径方向中心、もしくはその付近まで連続する複数本の親底刃と、この親底刃に前記工具本体の回転方向に間隔を置き、前記切れ刃部を軸方向の端面側から見たときの半径方向外周側の他の端部から半径方向中心側の中途まで連続する複数本の子底刃とがあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のラジアスエンドミル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023042405A1 (ja) * 2021-09-20 2023-03-23 オーエスジー株式会社 エンドミル
JP7403610B1 (ja) 2022-11-04 2023-12-22 日進工具株式会社 被覆切削工具

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