JP2021010323A - ゼリー菓子、ゼリー菓子の製造方法、及び冷凍ゼリーの食感の改良方法 - Google Patents

ゼリー菓子、ゼリー菓子の製造方法、及び冷凍ゼリーの食感の改良方法 Download PDF

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【課題】冷凍するとアイスクリームのような口溶けのよい滑らかな食感を供するゼリー菓子を提供する。【解決手段】植物油脂を5質量%以上9質量%以下含むゼリーを含む、ゼリー菓子。【選択図】 なし

Description

本発明は食品に関し、ゼリー菓子、ゼリー菓子の製造方法、及び冷凍ゼリーの食感の改良方法に関する。
従来、カップ内に果肉を含有させた氷菓子を製造するためには、アイスミックスと果肉をフリーザーの中で均一に混合させる必要がある。特許文献1は、アイスミックスと果肉の混合状態において、混合しすぎを防止し、かつ混合比率を制御するための技術を記載している。しかし、特許文献1に記載された技術は、アイスミックスと果肉を均一に充填するための特殊な充填装置を必要とする。また、特許文献1に記載された充填装置は、果肉のサイズに制約があり、果肉が崩れないように充填することは困難である。
また、果肉入り氷菓子の製造において、凍結させた氷菓子ベースと、未凍結の果肉調整品と、をカップ内で混ぜると、果肉調整品の温度が高いために、氷菓子ベースの細かい氷結晶と空気泡が破壊される。その後に、氷菓子ベースと果肉調整品の混合物を凍結すると、混合物の食感が硬くなる。これに対し、特許文献2は、緩慢凍結した果肉調整品を用いる方法を記載している。しかし、特許文献2に記載された方法においても、果肉調整品の大きさは、5mm立方から20mm立方が好ましいとされている。
したがって、従来の果肉入り冷凍菓子においては、冷凍菓子内部の果肉が崩れているか、あるいは冷凍菓子内部に果肉を混合させずに、冷凍菓子上に果肉を配置している。
一方、菓子に増粘多糖類を含ませることにより、冷凍すると氷菓子となり、解凍して冷蔵するとチルドデザートとなる多用途菓子の製造方法が検討されている。しかし、増粘多糖類による従来のゲル化技術を多用途菓子の製造に応用すると、10℃付近まで冷却するエージング工程やフリージング工程において、増粘多糖類がゲル化し、充填ノズルや生産ラインが詰まるという問題がある。これに対し、特許文献3から5は、例えば、凍結に至らない低温ではゾル状で扱いやすい多糖類を提案している。しかし、使用できる多糖類の種類に制約があることは好ましくない。
従来のゼリーの製造装置を用いて従来のゼリーを製造し、製造後のゼリーを冷凍すれば、使用できる多糖類に制約はない。しかし、従来の冷凍ゼリーは、硬い氷結晶によるザクザクした食感を供する。これに対し、特許文献6、7は、冷凍ゼリーのザクザクした食感を抑制する技術を記載している。しかし、特許文献6、7に記載された技術は、冷凍ゼリーの食感を、常温のゼリーの食感に近づけるに過ぎない。また、特許文献8、9は、解凍後の食品のざらついた食感を改良する技術を記載しているが、冷凍食品の食感を改良する技術ではない。
特開平5−211844号公報 特開平6−319460号公報 特開2003−333995号公報 特開2016−158513号公報 特開2005−270029号公報 特許第2766386号公報 特許第6147132号公報 特開2002−34484号公報 特許第6015669号公報
本発明は、冷凍するとアイスクリームのような口溶けのよい滑らかな食感を供するゼリー菓子、ゼリー菓子の製造方法、及び冷凍ゼリーの食感の改良方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の態様によれば、植物油脂を5質量%以上9質量%以下含むゼリーを含む、ゼリー菓子が提供される。
上記のゼリー菓子において、植物油脂がパーム油を含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子において、植物油脂がパーム油からなっていてもよい。
上記のゼリー菓子において、ゼリーが、異性化液糖を15質量%以上20質量%以下含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子において、ゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下であってもよい。
上記のゼリー菓子において、ゼリーが、トレハロースを含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子において、ゼリーのpHが4.2以下であってもよい。
上記のゼリー菓子が、果肉をさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子が、果肉を30質量%以上含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子において、ゼリーと果肉が混合されていてもよい。
上記のゼリー菓子において、果肉が当該果肉の形状を保っていてもよい。
上記のゼリー菓子において、果肉がスライスされていてもよい。
上記のゼリー菓子が、カップ入りで供されてもよい。
上記のゼリー菓子が、冷凍して供されてもよい。
上記のゼリー菓子において、冷凍した状態でゼリーのスプーン通りがよくてもよい。
上記のゼリー菓子において、冷凍した状態でゼリーが口溶けのよい食感を供してもよい。
上記のゼリー菓子において、冷凍した状態でゼリーが滑らかな食感を供してもよい。
また、本発明の態様によれば、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液を用意することと、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液を冷却してゼリーにすることと、を含み、原料液又はゼリーにおける植物油脂の濃度が5質量%以上9質量%以下である、ゼリー菓子の製造方法が提供される。
上記のゼリー菓子の製造方法において、植物油脂がパーム油を含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法において、植物油脂がパーム油からなっていてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法において、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液が、異性化液糖をさらに含み、原料液又はゼリーにおける異性化液糖の濃度が15質量%以上20質量%以下であってもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法において、原料液又はゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下であってもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法において、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液が、トレハロースをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液のpHを4.2以下に調整することをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液と、果肉と、を混合することをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法において、果肉を混合することにおいて、原料液又はゼリーと果肉の混合物における果肉の割合を30質量%以上にしてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液をカップに充填することをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液を加熱殺菌することをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、ゼリーを常温で保存することをさらに含んでいてもよい。
上記のゼリー菓子の製造方法が、ゼリーを冷凍することをさらに含んでいてもよい。
また、本発明の態様によれば、冷凍ゼリーの原料液に植物油脂を加えることを含み、原料液における植物油脂の濃度が5質量%以上9質量%以下である、冷凍ゼリーの食感の改良方法が提供される。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法において、植物油脂がパーム油を含んでいてもよい。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法において、植物油脂がパーム油からなっていてもよい。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法において、原料液が異性化液糖を含み、原料液における異性化液糖の濃度が15質量%以上20質量%以下であってもよい。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法において、原料液におけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下であってもよい。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法において、原料液がトレハロースを含んでいてもよい。
上記の冷凍ゼリーの食感の改良方法が、原料液のpHを4.2以下に調整することをさらに含んでいてもよい。
本発明によれば、冷凍するとアイスクリームのような口溶けのよい滑らかな食感を供するゼリー菓子、ゼリー菓子の製造方法、及び冷凍ゼリーの食感の改良方法を提供可能である。
実施形態に係るゼリー菓子の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係るゼリー菓子の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係るゼリー菓子の製造方法を示すフローチャートである。
実施形態に係るゼリー菓子は、植物油脂を5質量%以上9質量%以下含むゼリーを含む。植物油脂は、パーム油を含む。好ましくは、植物油脂は、パーム油を主成分として含む。食物油脂は、パーム油からなっていてもよい。あるいは、植物油脂は、ヤシ油、大豆油、又は菜種油を含んでいてもよい。植物油脂は、ヤシ油、大豆油、又は菜種油を主成分として含んでいてもよい。食物油脂は、ヤシ油、大豆油、又は菜種油からなっていてもよい。
ゼリーが、5質量%以上9%質量以下の植物油脂を含むことにより、冷凍した状態でゼリーのスプーン通りがよく、冷凍した状態でゼリーが口溶けのよい食感を供することが可能であり、冷凍した状態でゼリーが滑らかな食感を供することが可能である。
ゼリーの植物油脂の含有量が5質量%未満であると、スプーン通りのよさが低減し、口溶けのよい食感及び滑らかな食感を供しにくくなる傾向にある。ゼリーの植物油脂の含有量が9質量%より多くなると、食味が油っぽく、くどくなり、風味のバランスが崩れる傾向にある。
ゼリーは、異性化液糖を含んでいてもよい。異性化液糖は、果糖ぶどう糖液糖であってもよい。ゼリーは、異性化液糖を、例えば、15質量%以上、16質量%以上、あるいは17%以上含む。また、ゼリーは、異性化液糖を、例えば、20質量%以下、19質量%以下、あるいは18%以下含む。
ゼリーが、15質量%以上20質量%以下の異性化液糖を含むことにより、冷凍した状態でゼリーのスプーン通りがよりよくなり、冷凍した状態でゼリーが口溶けのよりよい食感を供することが可能であり、冷凍した状態でゼリーがより滑らかな食感を供することが可能である。
ゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量は、例えば、30°以上、31°以上、あるいは32°以上である。また、ゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量は、例えば、40°以下、39°以下、あるいは38°以下である。
ゼリーのBrix値を30°以上40°以下とすることにより、冷凍した状態でゼリーのスプーン通りがよりよくなり、冷凍した状態でゼリーが口溶けのよりよい食感を供することが可能であり、冷凍した状態でゼリーがより滑らかな食感を供することが可能である。
ゼリーは、トレハロースを含んでいてもよい。ゼリーは、トレハロースを、例えば、3質量%以上、4質量%以上、あるいは5質量%以上含む。
ゼリーが、3質量%以上のトレハロースを含むことにより、冷凍した状態でゼリーのスプーン通りがよりよくなり、冷凍した状態でゼリーが口溶けのよりよい食感を供することが可能であり、冷凍した状態でゼリーがより滑らかな食感を供することが可能である。
ゼリーのpHは、例えば、3.8以上、あるいは3.9以上である。また、ゼリーのpHは、例えば、4.2以下、あるいは4.1以下である。ゼリーのpHを4.2以下とし、後述する加熱殺菌を実施することにより、ゼリー菓子の常温保存が可能である。
実施形態に係るゼリー菓子は、果肉をさらに含んでいてもよい。果肉の例としては、柑橘類の果肉、マンゴーの果肉、及びパインの果肉が挙げられる。柑橘類の例としては、みかんが挙げられる。
ゼリー及び果肉を含む実施形態に係るゼリー菓子は、果肉を例えば30質量%以上、35質量%以上、あるいは40質量%以上含んでいてもよい。ゼリー菓子において、ゼリーと果肉が混合されていてもよい。ゼリー菓子において、果肉が当該果肉の形状を保っていてもよいし、果肉がスライスされていてもよい。
実施形態に係るゼリー菓子は、カップ入りで供されてもよい。実施形態に係るゼリー菓子は、例えば、冷凍して供される。なお、実施形態に係るゼリー菓子は、冷凍せずに製造業者から常温又は冷蔵温度にて販売され、物流過程や店舗にて冷凍され、販売されてもよい。あるいは、実施形態に係るゼリー菓子は、店舗にて常温又は冷蔵温度にて販売され、消費者が冷凍してもよい。
次に、図1から図3を参照して、実施形態に係るゼリー菓子の製造方法、搬送方法、及び販売方法を説明する。
ステップS101で、水を例えば70℃以上90℃以下に加熱し、温水にする。ステップS102で、温水に、異性化液糖を、ゼリーの原料液又は製造後のゼリー(果肉を含まない部分)における終濃度が例えば15質量%以上20質量%以下となるよう加える。ステップS103で、異性化液糖を添加された温水に、消泡剤を添加する。ステップS104で、異性化液糖を添加された温水のBrix値を測定し、Brix値が例えば30°以上40°以下であることを確認する。
ステップS105で、異性化液糖を添加された温水に、トレハロースを、ゼリーの原料液又は製造後のゼリー(果肉を含まない部分)における終濃度が、例えば、3質量%以上、4質量%以上、あるいは5質量%以上となるよう加える。
ステップS106で、トレハロースを添加された温水に、ゲル化剤を添加する。ゲル化剤は、例えば、増粘多糖類及び加工デンプンを含み得る。ステップS107で、増粘剤を添加された温水を、例えば5分間以上15分以下、85℃以上95℃以下に加熱し、増粘剤を溶解させ、ゼリーの原料液を得る。
ステップS201で、ゼリーの原料液に、例えばパーム油を含む植物油脂を、ゼリーの原料液又は製造後のゼリー(果肉を含まない部分)における終濃度が5質量%以上9質量%となるよう加える。ステップS202で、パイプ等の内部に残存する植物油脂を押水してもよい。ステップS203で、ゼリーの原料液に香料を添加する。ステップS204で、ゼリーの原料液にぶどう糖を任意で添加する。ステップS205で、ゼリーの原料液にビタミンC等の酸化防止剤を添加する。ステップS206で、酸味料を添加する。ステップS207で、ゼリーの原料液のpH及びBrix値を測定し、ゼリーの原料液のpHが例えば4.2以下であること、Brix値が例えば30°以上40°以下であることを確認する。
ステップS301で、果肉を含む例えば缶を開き、ステップS302で果肉を水洗する。ステップS303で、品質基準に基づき、果肉を選別する。ステップS401で、選別された果肉を搬送し、果肉をカップに入れる。ステップS402で、ゼリーの原料液をカップに充填する装置にゼリーの原料液を送液する。送液する際のゼリーの原料液は、例えば70℃以上である。ステップS403で、果肉が入っているカップに例えば70℃以上のゼリーの原料液を充填する。これにより、ゼリーの原料液と果肉が混合される。ゼリーの原料液と果肉の混合物における果肉の割合は、例えば30質量%以上である。その後、カップに蓋をする。
ステップS501で、カップ中のゼリーの原料液と果肉の混合物を、例えば芯温が70℃以上、75℃以上、あるいは80℃以上になるように、加熱殺菌する。ステップS502で、カップ中のゼリーの原料液と果肉の混合物を例えば20℃以下に冷却し、ゼリーの原料液を固化し、ゼリーにする。これにより、実施形態に係るゼリーと果肉を含むゼリー菓子が完成する。ステップS503で、蓋をしたカップを段ボール等で包装する。その後、ゼリー菓子は常温で保存してもよい。ステップS504で、ゼリー菓子を倉庫又は店舗に常温で出荷し、ステップS505で、倉庫又は店舗にて、ゼリー菓子を冷凍する。ステップS506で、冷凍されたゼリー菓子を販売する。なお、消費者が、冷凍されていないゼリー菓子を購入し、消費者が、ゼリー菓子を冷凍してもよい。
従来のゼリーの植物油脂の含有量は、3質量%から4質量%である。また、従来のゼリーの異性化液糖の含有量は、9質量%から12質量%である。また、従来のゼリーのBrix値は、15°から20°である。このような従来のゼリーを冷凍すると、食感が硬い氷結晶のようになる。
これに対し、従来のゼリーに、キサンタンガム、イオタカラギナン、ローカストビーンガム、及びβ−1,3−グルカンを主鎖とする高分子物質を添加することにより、冷凍ゼリーの食感を改良することが提案されている。しかし、当該高分子物質を従来のゼリーに添加しても、硬い氷結晶のような食感は改善されるものの、冷凍ゼリーの食感が常温のゼリーの食感に近づくに過ぎない。
また、従来のゼリーに、0.8質量%から2質量%のゼラチン及び0.05質量%から0.3質量%の寒天を添加することにより、冷凍ゼリーの食感を改良することが提案されている。しかし、当該配合比でゼラチン及び寒天を従来のゼリーに添加しても、硬い氷結晶のような食感は改善されるものの、冷凍ゼリーの食感が常温のゼリーの食感に近づくに過ぎない。
これに対し、実施形態に係るゼリー菓子は、冷凍した状態で、ゼリーのスプーン通りがよい。また、実施形態に係るゼリー菓子は、冷凍した状態で、ゼリーがアイスクリームのような口溶けのよい食感を供することが可能である。さらに、実施形態に係るゼリー菓子は、冷凍した状態で、ゼリーが滑らかな食感を供することが可能である。このように、実施形態に係るゼリー菓子は、冷凍した状態で、常温のゼリーの食感及び氷結晶の食感とは異なる、アイスクリームのような食感を提供することが可能である。
また、実施形態に係るゼリー菓子は、製造工程において冷凍する必要がなく、常温で出荷することが可能であるため、従来のゼリー菓子の製造装置を用いて製造することが可能である。そのため、実施形態に係るゼリー菓子は、崩れていない果肉をゼリーに対して高い含有量で均一に含むことが可能である。なお、崩れていない果肉とは、例えば、果肉そのものの本来の形状が保たれていることや、スライスされた果肉において、スライス面が保たれていることなどを指す。そのため、実施形態に係るゼリー菓子を冷凍すると、従来にない、崩れていない果肉を含有するゼリー菓子を供することが可能である。
水を80℃に加熱し、温水にした。温水に、砂糖及び果糖ぶどう糖液糖を、果糖ぶどう糖液糖の終濃度が17.4質量%となるよう加えた。砂糖及び果糖ぶどう糖液糖を添加された温水に、消泡剤を添加した。次に、砂糖及び果糖ぶどう糖液糖を添加された温水のBrix値を測定し、Brix値が約33°であることを確認した。その後、温水にトレハロースを終濃度が6質量%となるよう加えた。
トレハロースを添加された温水に、増粘多糖類及び加工デンプンを含むゲル化剤を、終濃度が1.1%になるよう添加した。増粘剤を添加された温水を、10分、90℃に加熱し、増粘剤を溶解させ、ゼリーの原料液を得た。
ゼリーの原料液に、パーム油と乳化剤を、パーム油の終濃度が6質量%となるよう加えた。その後、パイプ等の内部に残存するパーム油を押水した。次に、ゼリーの原料液に香料、ビタミンCを含む酸化防止剤、及び酸味料を添加した。その後、ゼリーの原料液のpHが約4.0であることを確認した。
30gのみかん果肉、24gのマンゴー果肉、及び12gのパイン果肉をカップに入れた。次に、76℃のゼリーの原料液を内容総量が150gとなるようにカップに充填し、カップに蓋をした。その後、カップ中のゼリーの原料液と果肉の混合物を、芯温が80℃以上になるように、加熱殺菌した。カップ中のゼリーの原料液と果肉の混合物を20℃以下に冷却し、ゼリーの原料液を固化し、ゼリーにした。これにより、実施例に係るゼリーと果肉を含むゼリー菓子が完成した。その後、ゼリー菓子を常温で保存し、保存期間経過後、ゼリー菓子を冷凍した。冷凍したゼリー菓子は、ゼリーのスプーン通りがよかった。また、冷凍したゼリー菓子のゼリーからは、アイスクリームのような口溶けのよい食感を得られた。さらに、冷凍したゼリー菓子からは、滑らかな食感が得られた。

Claims (37)

  1. 植物油脂を5質量%以上9質量%以下含むゼリーを含む、ゼリー菓子。
  2. 前記植物油脂がパーム油を含む、請求項1に記載のゼリー菓子。
  3. 前記植物油脂がパーム油である、請求項1に記載のゼリー菓子。
  4. 前記ゼリーが、異性化液糖を15質量%以上20質量%以下含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  5. 前記ゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  6. 前記ゼリーが、トレハロースを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  7. 前記ゼリーのpHが4.2以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  8. 果肉をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  9. 前記果肉を30質量%以上含む、請求項8に記載のゼリー菓子。
  10. 前記ゼリーと前記果肉が混合されている、請求項8又は9に記載のゼリー菓子。
  11. 前記果肉が当該果肉の形状を保っている、請求項8から10のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  12. 前記果肉がスライスされている、請求項8から10のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  13. カップ入りで供される、請求項1から12のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  14. 冷凍して供される、請求項1から13のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  15. 冷凍した状態で前記ゼリーのスプーン通りがよい、請求項1から14のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  16. 冷凍した状態で前記ゼリーが口溶けのよい食感を供する、請求項1から15のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  17. 冷凍した状態で前記ゼリーが滑らかな食感を供する、請求項1から16のいずれか1項に記載のゼリー菓子。
  18. 少なくともゲル化剤及び植物油脂を含む原料液を用意することと、
    少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液を冷却してゼリーにすることと、
    を含み、
    前記原料液又はゼリーにおける前記植物油脂の濃度が5質量%以上9質量%以下である、
    ゼリー菓子の製造方法。
  19. 前記植物油脂がパーム油を含む、請求項18に記載のゼリー菓子の製造方法。
  20. 前記植物油脂がパーム油である、請求項18に記載のゼリー菓子の製造方法。
  21. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液が、異性化液糖をさらに含み、
    前記原料液又はゼリーにおける前記異性化液糖の濃度が15質量%以上20質量%以下である、
    請求項18から20のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  22. 前記原料液又はゼリーにおけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下である、請求項18から21のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  23. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液が、トレハロースをさらに含む、請求項18から22のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  24. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液のpHを4.2以下に調整することをさらに含む、請求項18から23のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  25. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液と、果肉と、を混合することをさらに含む、請求項18から24のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  26. 前記果肉を混合することにおいて、前記原料液又はゼリーと前記果肉の混合物における前記果肉の割合を30質量%以上にする、請求項25に記載のゼリー菓子の製造方法。
  27. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液をカップに充填することをさらに含む、請求項18から26のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  28. 少なくとも前記ゲル化剤及び前記植物油脂を含む原料液を加熱殺菌することをさらに含む、請求項18から27のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  29. 前記ゼリーを常温で保存することをさらに含む、請求項18から28のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  30. 前記ゼリーを冷凍することをさらに含む、請求項18から29のいずれか1項に記載のゼリー菓子の製造方法。
  31. 冷凍ゼリーの原料液に植物油脂を加えることを含み、
    前記原料液における前記植物油脂の濃度が5質量%以上9質量%以下である、
    冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  32. 前記植物油脂がパーム油を含む、請求項31に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  33. 前記植物油脂がパーム油である、請求項31に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  34. 前記原料液が異性化液糖を含み、
    前記原料液における前記異性化液糖の濃度が15質量%以上20質量%以下である、
    請求項31から33のいずれか1項に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  35. 前記原料液におけるBrix値で表される可溶性固形分量が、30°以上40°以下である、請求項31から34のいずれか1項に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  36. 前記原料液がトレハロースを含む、請求項31から35のいずれか1項に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
  37. 前記原料液のpHを4.2以下に調整することをさらに含む、請求項31から36のいずれか1項に記載の冷凍ゼリーの食感の改良方法。
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JP2006191846A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Maruha Corp 生みかん入り常温保存ゼリーの製造方法
JP2007135430A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 多層食品及びその製造方法
JP2011004718A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Uha Mikakuto Co Ltd 冷凍ゼリーの製造方法

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