JP2021009954A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズ電流の影響を抑制しやすい電子装置を提供する。【解決手段】電子装置は、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとを有する負極側ノイズ低減部105nを備えている。電子装置は、正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとを有する正極側ノイズ低減部105pを備えている。電子装置は、負極側第1コイル部と負極側第2コイル部とが絶縁層を挟んで対向し、かつ、正極側第1コイル部と正極側第2コイル部とが絶縁層を挟んで対向した状態で積層されている多層基板を備えている。電子装置は、負荷側負極部62nを流れるノイズ電流を電源側負極部61n以外の部分に導く負極側ノイズ導電部59nと、負荷側正極部62pを流れるノイズ電流を電源側正極部61p以外の部分に導く正極側ノイズ導電部59pとを備えている。【選択図】図8

Description

この明細書における開示は、電子装置に関する。
特許文献1は、電源配線において磁気的結合により相互インダクタンスを形成することで、バイパス回路の性能劣化を抑制し、電磁ノイズを効果的に除去できるプリント基板を開示している。ここで、プリント基板は、複数の配線層を有する多層プリント基板である。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2017−34501号公報
先行技術文献の構成では、電源配線において相互インダクタンスを形成する例を開示しているが、グランド配線において相互インダクタンスを形成する方法については開示されていない。このため、グランド側にノイズ電流が流れた場合に、外部電源や回路素子がノイズ電流の影響を受けてしまう場合があった。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、電子装置にはさらなる改良が求められている。
開示される1つの目的は、ノイズ電流の影響を抑制しやすい電子装置を提供することにある。
ここに開示された電子装置は、電気負荷(20)と、外部電源と導通するための外部コネクタ(27)と、外部コネクタと導通している電源側正極部(61p)と、外部コネクタと導通している電源側負極部(61n)と、電気負荷と導通している負荷側正極部(62p)と、電気負荷と導通している負荷側負極部(62n)と、負荷側負極部と電源側負極部とに導通して設けられ、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせる負極側第1コイル部(65n、365n)と負極側第2コイル部(75n、375n)とを有する負極側ノイズ低減部(105n、305n)と、負荷側正極部と電源側正極部とに導通して設けられ、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせる正極側第1コイル部(65p、265p、365p)と正極側第2コイル部(75p、275p、375p)とを有する正極側ノイズ低減部(105p、205p、305p)と、負極側第1コイル部と負極側第2コイル部と正極側第1コイル部と負極側第2コイル部とが設けられている複数の電極層(60、70)を有し、負極側第1コイル部と負極側第2コイル部とが絶縁層(55)を挟んで対向し、かつ、正極側第1コイル部と正極側第2コイル部とが絶縁層を挟んで対向した状態で積層されている多層基板(50)と、負極側ノイズ低減部と導通して設けられ、負荷側負極部を流れるノイズ電流を電源側負極部以外の部分に導く負極側ノイズ導電部(59n)と、正極側ノイズ低減部と導通して設けられ、負荷側正極部を流れるノイズ電流を電源側正極部以外の部分に導く正極側ノイズ導電部(59p)とを備えている。
開示された電子装置によると、負極側ノイズ低減部と導通して設けられ、負荷側負極部を流れるノイズ電流を電源側負極部以外の部分に導く負極側ノイズ導電部を備えている。さらに、正極側ノイズ低減部と導通して設けられ、負荷側正極部を流れるノイズ電流を電源側正極部以外の部分に導く正極側ノイズ導電部を備えている。このため、負荷側負極部を流れるノイズ電流が電源側負極部に伝播して電源側に影響を及ぼすことを抑制し、かつ、負荷側正極部を流れるノイズ電流が電源側正極部に伝播して電源側に影響を及ぼすことを抑制できる。したがって、ノイズ電流の影響を抑制しやすい電子装置を提供できる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
電子装置の構成を示す分解斜視図である。 第1コイル層の構成を示す平面図である。 第2コイル層の構成を示す平面図である。 大型負極層の構成を示す平面図である。 信号線層の構成を示す平面図である。 多層基板の構成を示す側面図である。 多層基板の構成を示す分解斜視図である。 多層基板の等価回路を示す回路図である。 ノイズ電流の周波数に対するSパラメータの変化を示す図である。 第2実施形態における多層基板の等価回路を示す回路図である。 第3実施形態における多層基板の等価回路を示す回路図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。以下においては、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向と示す。
第1実施形態
電子装置1は、負荷と負荷を電気的に制御するための回路とを備えている装置である。電子装置1は、例えば、駆動部品であるモータとこのモータを電気的に制御するための制御基板とが一体に構成されている機電一体型の回転電機装置である。以下では、電子装置1が機電一体型の回転電機装置である場合を例に説明を行う。
図1において、電子装置1は、モータ装置20と、収納ケース40と、多層基板50とを備えている。モータ装置20は、回転子21と、固定子22と、シャフト23と、センターピース25とを備えたブラシレスモータである。回転子21は、複数の永久磁石と、この永久磁石を保持する磁石保持部とを備えている。回転子21は、少なくとも一部が金属製である。複数の永久磁石は、全体で略環状をなしている。固定子22は、固定子巻線と、固定子巻線を保持する巻線保持部とを備えている。固定子22は、少なくとも一部が金属製である。
回転子21と固定子22とは、永久磁石と固定子巻線とが所定のエアギャップを挟んで互いに対向するように配置される。モータ装置20は、回転子21が固定子22の外側に位置しているアウターロータタイプのモータである。ただし、モータ装置20として、インナーロータタイプのモータを採用してもよい。回転子21は、負荷金属部の一例を提供する。固定子22は、負荷金属部の一例を提供する。モータ装置20は、電気負荷の一例を提供する。
シャフト23は、回転子21が回転する際の回転軸をなす部品である。回転子21と固定子22とは、ともにシャフト23を軸とする互いに同軸な部品である。外部コネクタ27は、多層基板50と外部電源とを接続するための端子である。外部コネクタ27は、正極と負極との2つの端子を有している。外部コネクタ27は、コネクタターミナルとも呼ばれる。
センターピース25は、金属製の板状部品である。ただし、センターピース25の全体を金属で構成するのではなく、一部を樹脂などの金属ではない材料で構成してもよい。センターピース25は、回転子21と固定子22とシャフト23と外部コネクタ27とを固定して、各部品の相対的な位置関係を決めるための部品である。センターピース25には、回転子21などのモータ装置20を構成する各部品だけでなく、収納ケース40と多層基板50との部品も固定される。言い換えると、電子装置1を構成する各部品は、センターピース25の適切な位置に固定されることで、センターピース25を基準として部品同士の相対的な位置を適切に保っている。センターピース25は、負荷金属部の一例を提供する。
収納ケース40は、多層基板50を収納するためのケース部材である。収納ケース40は、ほこりや水などの異物や、外力による衝撃などから多層基板50を保護するための部品である。収納ケース40は、中央部分が周縁部分に比べて凹んだ箱型をなしている。収納ケース40は、例えばアルミなどの金属製である。ただし、収納ケース40の全体を金属で構成するのではなく、一部を樹脂などの金属ではない材料で構成してもよい。
多層基板50は、モータ装置20の駆動を制御するための回路基板である。多層基板50は、1枚の基板に複数の層が形成されている。多層基板50を構成している複数の層には、様々な形状の電極パターンや電子部品が実装されている電極層と、絶縁性を有する絶縁層55とが含まれている。電極層の電極パターンは、例えば銅箔などの導電性部材によって構成されている。
センターピース25において、固定子22などが固定される側とは反対側の面に多層基板50が固定される。さらに、センターピース25において、多層基板50が固定されている側と同じ側の面に収納ケース40が固定されることとなる。電子装置1において、多層基板50は、収納ケース40とセンターピース25とによって形成される収納空間の内部に収納されることとなる。言い換えると、多層基板50の一方の面は、センターピース25と対向し、多層基板50の他方の面は、収納ケース40と対向することとなる。
図2において、第1コイル層60には、電源側正極部61pと電源側負極部61nと負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとが設けられている。電源側正極部61pと電源側負極部61nと負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとは、高い導電性を有する電極パターンである。電源側正極部61pと電源側負極部61nとは、外部コネクタ27を介して外部電源と接続している。負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとは、モータ装置20と接続している。
電源側正極部61pと電源側負極部61nとは、電源側コンデンサ51を介して接続している。負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとは、負荷側コンデンサ52を介して接続している。電源側コンデンサ51と負荷側コンデンサ52は、電解コンデンサである。電源側正極部61pと負荷側正極部62pとは、インダクタンス素子53を介して接続している。
第1コイル層60には、負極側第1コイル部65nが設けられている。負極側第1コイル部65nは、矩形環状をなすように形成された電極パターンである。ただし、負極側第1コイル部65nは、完全な環状をなしているのではなく、負極側第1コイル部65nの環状をなしている部分の始端部と終端部とは、互いにずれた位置に設けられている。言い換えると、負極側第1コイル部65nは、一部が途切れた環状の電極パターンである。
第1コイル層60には、正極側第1コイル部65pが設けられている。正極側第1コイル部65pは、矩形環状をなすように形成された電極パターンである。ただし、正極側第1コイル部65pは、完全な環状をなしているのではなく、正極側第1コイル部65pの環状をなしている部分の始端部と終端部とは、互いにずれた位置に設けられている。言い換えると、正極側第1コイル部65pは、一部が途切れた環状の電極パターンである。
第1コイル層60には、負極側ノイズ導電パターン57nが設けられている。負極側ノイズ導電パターン57nは、矩形状の多層基板50の角部に位置して設けられた電極パターンである。負極側ノイズ導電パターン57nが形成されている部分を貫通するように固定用ネジ58が設けられている。固定用ネジ58は、金属製であり、負極側ノイズ導電パターン57nと電気的に接続している。固定用ネジ58は、多層基板50をセンターピース25に対する適切な位置に固定するための部品である。固定用ネジ58は、矩形状の多層基板50の4箇所の角部のそれぞれに設けられている。
第1コイル層60には、正極側ノイズ導電パターン57pが設けられている。正極側ノイズ導電パターン57pは、矩形状の多層基板50の角部に位置して設けられた電極パターンである。正極側ノイズ導電パターン57pが形成されている部分を貫通するように固定用ネジ58が設けられている。固定用ネジ58は、金属製であり、正極側ノイズ導電パターン57pと電気的に接続している。
負極側第1コイル部65nは、電源側負極部61nと接続している。負極側第1コイル部65nは、負極側接地コンデンサ56nを介して負極側ノイズ導電パターン57nと接続している。負極側接地コンデンサ56nは、負極側第1コイル部65nを流れる電流のうち、周波数の高い成分を負極側ノイズ導電パターン57nに流している。負極側接地コンデンサ56nと負極側ノイズ導電パターン57nと固定用ネジ58とは、ノイズ電流を電源側負極部61n以外の部分に導く負極側ノイズ導電部59nを構成している。
正極側第1コイル部65pは、電源側正極部61pと接続している。正極側第1コイル部65pは、正極側接地コンデンサ56pを介して正極側ノイズ導電パターン57pと接続している。正極側接地コンデンサ56pは、正極側第1コイル部65pを流れる電流のうち、周波数の高い成分を正極側ノイズ導電パターン57pに流している。正極側接地コンデンサ56pと正極側ノイズ導電パターン57pと固定用ネジ58とは、ノイズ電流を電源側正極部61p以外の部分に導く正極側ノイズ導電部59pを構成している。
図3において、第2コイル層70には、負極側第2コイル部75nが設けられている。負極側第2コイル部75nは、矩形環状をなすように形成されている。ただし、負極側第2コイル部75nは、完全な環状をなしているのではなく、負極側第2コイル部75nの環状をなしている部分の始端部と終端部とは、互いにずれた位置に設けられている。言い換えると、負極側第2コイル部75nは、一部が途切れた環状の電極パターンである。負極側第2コイル部75nは、多層基板50の各層の積層方向において、負極側第1コイル部65nと半分以上が重なる位置に設けられている。
負極側第2コイル部75nの始端部は、ビアホールを介して第1コイル層60の負荷側負極部62nと接続している。負極側第2コイル部75nの終端部は、ビアホールを介して第1コイル層60の負極側第1コイル部65nの始端部と接続している。まとめると、負荷側負極部62nと電源側負極部61nとは、負極側第2コイル部75nと負極側第1コイル部65nとを介して電気的に接続している。
第2コイル層70には、正極側第2コイル部75pが設けられている。正極側第2コイル部75pは、矩形環状をなすように形成されている。ただし、正極側第2コイル部75pは、完全な環状をなしているのではなく、正極側第2コイル部75pの環状をなしている部分の始端部と終端部とは、互いにずれた位置に設けられている。言い換えると、正極側第2コイル部75pは、一部が途切れた環状の電極パターンである。正極側第2コイル部75pは、多層基板50の各層の積層方向において、正極側第1コイル部65pと半分以上が重なる位置に設けられている。
正極側第2コイル部75pの始端部は、ビアホールを介して第1コイル層60の負荷側正極部62pと接続している。正極側第2コイル部75pの終端部は、ビアホールを介して第1コイル層60の正極側第1コイル部65pの始端部と接続している。まとめると、負荷側正極部62pと電源側正極部61pとは、正極側第2コイル部75pと正極側第1コイル部65pとを介して電気的に接続している。
第2コイル層70には、小型負極部72nが設けられている。小型負極部72nは、矩形状の電極パターンである。小型負極部72nは、複数のビアホールによって第1コイル層60の負荷側負極部62nと電気的に接続している。小型負極部72nの面積は、第1コイル層60の負荷側負極部62nの面積と等しい。小型負極部72nは、多層基板50の各層の積層方向において、負荷側負極部62nと重なる位置に設けられている。小型負極部72nは、多層基板50の各層の積層方向において、電源側負極部61nと負極側第1コイル部65nと正極側第1コイル部65pとに重ならない位置に設けられている。
図4において、大型負極層80には、大型負極部82nが設けられている。大型負極部82nは、負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとの2つの電極パターンを合わせた面積よりも大きな面積の電極パターンである。大型負極部82nは、多層基板50の各層の積層方向において、負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとに半分以上重なる位置に設けられている。大型負極部82nは、多層基板50の各層の積層方向において、電源側正極部61pと電源側負極部61nとに重ならない位置に設けられている。大型負極部82nは、多層基板50の各層の積層方向において、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nと正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとに重ならない位置に設けられている。
図5において、信号線層90には、信号線部93が設けられている。信号線部93には、例えば、トランジスタのスイッチング指令の信号を送るための信号線が含まれる。信号線部93には、例えば、電子装置1の制御に用いるセンサの信号出力を送るためのセンサ線が含まれる。信号線層90には、ビアホールが設けられていない。言い換えると、信号線層90は、第1コイル層60と第2コイル層70と大型負極層80との電極層には、接続していない。ただし、信号線層90は、他の電極層と接続するようにビアホールを設けてもよい。また、信号線層90以外の電極層に一部の信号線を形成してもよい。あるいは、信号線層90に、大型負極部82nのように負極として機能する電極パターンを形成してもよい。信号線部93は、多層基板50の各層の積層方向において、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nと正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとに重ならない位置に設けられている。
図6において、多層基板50は、第1コイル層60と、第2コイル層70と大型負極層80と信号線層90との4つの電極層を備えている。多層基板50は、4つの電極層同士の間に絶縁層55を備えている。絶縁層55は、高い電気絶縁性を有する基材である。絶縁層55を構成する材料としては、エポキシ樹脂などの樹脂材料や、アルミナなどを採用することができる。
多層基板50は、4つの電極層と3つの絶縁層55とを備える7層構造である。多層基板50の表面に位置している第1層目の電極層が第1コイル層60である。第2層目の電極層が第2コイル層70である。第1コイル層60と第2コイル層70とは、1つの絶縁層55を介して隣接している。第3層目の電極層が大型負極層80である。多層基板50の裏面に位置している第4層目の電極層が信号線層90である。言い換えると、信号線層90は、第1コイル層60から最も離れた位置に設けられた電極層である。第2層目の電極層である第2コイル層70と、第3層目の電極層である大型負極層80とは、多層基板50の内部に形成された内層である。
多層基板50の構成は、上述の例に限られない。例えば、第1層目の電極層を第1コイル層60、第2層目の電極層を大型負極層80、第3層目を第2コイル層70としてもよい。この場合、第1コイル層60と第2コイル層70との間に、2つの絶縁層55と大型負極層80とが介在することになる。また、多層基板50としては、電極層が2つ以上設けられていればよく、電極層が5つ以上設けられていてもよい。
各電極層は、多層基板50の積層方向に重なって設けられている。多層基板50の積層方向は、Z方向に相当する。固定用ネジ58は、4つの電極層と3つの絶縁層55とを貫通している。固定用ネジ58の貫通方向は、多層基板50の積層方向と一致する方向である。
図7においては、各電極層に形成されている電極パターンは図示しているが、インダクタンス素子53などの電気素子や固定用ネジ58などの部品は図示を省略している。負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとは、多層基板50の積層方向に重なっている。一方、負極側第1コイル部65nは、負極側第2コイル部75n以外の電極パターンとは重なっていない。言い換えると、小型負極部72nと大型負極部82nと信号線部93とは、多層基板50の積層方向において負極側第1コイル部65nや負極側第2コイル部75nの投影位置を避けた位置に形成されている。
負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとは、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせている。負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとにおいては、電流が流れることで磁界が発生する。この発生した磁界は、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとの重なり方向である多層基板50の積層方向において強く作用することになる。仮に、多層基板50の積層方向において負極側第1コイル部65nや負極側第2コイル部75nの投影位置に電極パターンが形成されていると、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとで発生した磁界の影響を受けて電極パターンに誘導電流が流れてしまうこととなる。したがって、多層基板50の積層方向において負極側第1コイル部65nや負極側第2コイル部75nとの投影位置を避けて電極パターンを形成することで、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとで発生した磁界から電極パターンが受ける影響を小さくできる。
負極側第1コイル部65nおよび負極側第2コイル部75nと同様に、正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとは、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせている。正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとから発生した磁界が強く作用することのないように、正極側第1コイル部65pは、正極側第2コイル部75p以外の電極パターンとは重ならない位置に設けられている。言い換えると、小型負極部72nと大型負極部82nと信号線部93とは、多層基板50の積層方向において正極側第1コイル部65pや正極側第2コイル部75pの投影位置を避けた位置に形成されている。
小型負極部72nと大型負極部82nとは、多層基板50の積層方向において、電源側負極部61nの投影位置を避けた位置に形成されている。仮に、大型負極部82nが電源側負極部61nと重なる位置に設けられていると、電源側負極部61nに大型負極層80まで延びるビアホールを形成することで、電源側負極部61nと大型負極部82nとが接続されてしまう。言い換えると、大型負極部82nに対して電源側負極部61nと負荷側負極部62nとの両方の電極パターンが接続され得る。大型負極部82nに対して電源側負極部61nと負荷側負極部62nとの両方の電極パターンが接続された状態では、大型負極部82nを介して負荷側負極部62nと電源側負極部61nとが導通している。言い換えると、負荷側負極部62nに加えられたノイズ電流が負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとを流れることなく、大型負極部82nを流れて電源側負極部61nに到達し得る。
小型負極部72nと大型負極部82nとは、多層基板50の積層方向において、電源側正極部61pの投影位置を避けた位置に形成されている。小型負極部72nは、多層基板50の積層方向において、負荷側正極部62pの投影位置を避けた位置に形成されている。大型負極部82nは、多層基板50の積層方向において、負荷側正極部62pの投影位置と重なる位置に形成されている。ただし、大型負極部82nは、負荷側負極部62nおよび小型負極部72nとのみ複数のビアホールを用いて接続しており、負荷側正極部62pとは接続していない。
図8において、電源側正極部61pと負荷側正極部62pとの間には、インダクタンス素子53が設けられている。電源側負極部61nと負荷側負極部62nとの間には、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとが直列に設けられている。負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとは、負極側ノイズ低減部105nを構成している。電源側正極部61pと電源側負極部61nとの間には、電源側コンデンサ51が設けられている。負荷側正極部62pと負荷側負極部62nとの間には、負荷側コンデンサ52が設けられている。電源側コンデンサ51と負荷側コンデンサ52とインダクタンス素子53とは、いわゆるπ型フィルタを構成している。これにより、電源側正極部61pや負荷側正極部62pを流れている電流のうち周波数の高いノイズ電流を電源側負極部61nや負荷側負極部62nに流すことができる。
負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとは、電源側コンデンサ51と電源側負極部61nとの接続点である電源側負極接続点63nと、負荷側コンデンサ52と負荷側負極部62nとの接続点である負荷側負極接続点64nとの間に位置している。負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとを電源側負極接続点63nと負荷側負極接続点64nとの間に設けることで、高周波特性が良好な状態とすることができる。言い換えると、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとを他の場所に設けた場合に比べて効果的にノイズ電流の影響を低減させやすい。
大型負極部82nは、負荷側負極部62nと直接接続しているが、電源側負極部61nとは直接接続していない。言い換えると、電源側負極部61nと負荷側負極部62nとは、負極側ノイズ低減部105nを介して接続されている。
負極側ノイズ導電パターン57nや固定用ネジ58は、負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとの間からグランドまでを接続している。負極側ノイズ導電パターン57nや固定用ネジ58は、負極側ノイズ導電部59nの一部である。負極側ノイズ導電部59nは、負極側接地コンデンサ56nと負極側ノイズ導電パターン57nと固定用ネジ58とを備えている。負極側ノイズ導電部59nは、静電容量成分59nCとインダクタンス成分59nLと抵抗成分59nRとの3つの成分を直列に接続することで表現できる。ここで、静電容量成分59nCには、負極側接地コンデンサ56nの静電容量が含まれる。インダクタンス成分59nLには、負極側ノイズ導電パターン57nの寄生インダクタンスや負極側接地コンデンサ56nの等価直列インダクタンスが含まれる。抵抗成分59nRには、負極側ノイズ導電パターン57nや固定用ネジ58の抵抗や負極側接地コンデンサ56nの等価直列抵抗が含まれる。
負極側ノイズ低減部105nは、負極側ノイズ導電部59nにおけるインダクタンス成分59nLを構成する負極側接地コンデンサ56nの等価直列インダクタンスよりも大きな相互インダクタンスを発生させている。ただし、相互インダクタンスの値を設定する際には、負極側接地コンデンサ56nの等価直列インダクタンスだけでなく、負極側ノイズ導電パターン57nの寄生インダクタンスの値なども考慮することが好ましい。
負極側ノイズ低減部105nにおいて、磁気的結合により相互インダクタンスが形成されると、相互インダクタンスに対応して負のインダクタンスが生じることとなる。この負のインダクタンスが、負極側ノイズ導電部59nにおけるインダクタンス成分59nLを打ち消すことで、負極側ノイズ導電部59nからグランドに向かって、効果的にノイズ電流を導くことができる。
正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとは、電源側コンデンサ51と電源側正極部61pとの接続点である電源側正極接続点63pと、負荷側コンデンサ52と負荷側正極部62pとの接続点である負荷側正極接続点64pとの間に位置している。正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとは、インダクタンス素子53と並列に接続されている。正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとを電源側正極接続点63pと負荷側正極接続点64pとの間に設けることで、高周波特性が良好な状態とすることができる。言い換えると、正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとを他の場所に設けた場合に比べて効果的にノイズ電流の影響を低減させやすい。
正極側ノイズ導電パターン57pや固定用ネジ58は、正極側第1コイル部65pと正極側第2コイル部75pとの間からグランドまでを接続している。正極側ノイズ導電パターン57pや固定用ネジ58は、正極側ノイズ導電部59pの一部である。正極側ノイズ導電部59pは、正極側接地コンデンサ56pと正極側ノイズ導電パターン57pと固定用ネジ58とを備えている。正極側ノイズ導電部59pは、静電容量成分59pCとインダクタンス成分59pLと抵抗成分59pRとの3つの成分を直列に接続することで表現できる。ここで、静電容量成分59pCには、正極側接地コンデンサ56pの静電容量が含まれる。インダクタンス成分59pLには、正極側ノイズ導電パターン57pの寄生インダクタンスや正極側接地コンデンサ56pの等価直列インダクタンスが含まれる。抵抗成分59pRには、正極側ノイズ導電パターン57pや固定用ネジ58の抵抗や正極側接地コンデンサ56pの等価直列抵抗が含まれる。
正極側ノイズ低減部105pは、正極側ノイズ導電部59pにおけるインダクタンス成分59pLを構成する正極側接地コンデンサ56pの等価直列インダクタンスよりも大きな相互インダクタンスを発生させている。ただし、相互インダクタンスの値を設定する際には、正極側接地コンデンサ56pの等価直列インダクタンスだけでなく、正極側ノイズ導電パターン57pの寄生インダクタンスの値なども考慮することが好ましい。
正極側ノイズ低減部105pにおいて、磁気的結合により相互インダクタンスが形成されると、相互インダクタンスに対応して負のインダクタンスが生じることとなる。この負のインダクタンスが、正極側ノイズ導電部59pにおけるインダクタンス成分59pLを打ち消すことで、正極側ノイズ導電部59pからグランドに向かって、効果的にノイズ電流を導くことができる。
図9において、横軸は、ノイズ電流の周波数fを対数表示で示しており、縦軸は、ノイズ電流における入力と出力との電力の比であるSパラメータSccを示している。ここで、SパラメータSccは、入力されたノイズ電流の電力が、どの程度出力されるかを示している。SパラメータSccの値が小さいほど、入力されたノイズが出力されにくい状態である。SパラメータSccが0の場合には、入力されたノイズが低減されず、そのまま出力されてしまう状態である。まとめると、SパラメータSccの値が小さいほどノイズ電流が低減されていることを示している。
図9において、本例のグラフを実線で示し、比較例のグラフを破線で示している。比較例は、負極側ノイズ低減部105nのみが設けられ、正極側ノイズ低減部105pが設けられていない場合の例である。言い換えると、比較例では、一部のノイズ電流が負荷側正極部62pから電源側正極部61pに伝播している状態である。それに対して、本例では、負荷側負極部62nから電源側負極部61nに伝播するノイズ電流と、負荷側正極部62pから電源側正極部61pに伝播するノイズ電流との両方を抑制している。
10MHz以上の周波数領域においては、比較例に比べて本例におけるSパラメータSccが小さな値である。これは、10MHz以上の周波数領域において、正極側ノイズ低減部105pと正極側ノイズ導電部59pとによって、電源側正極部61pにノイズ電流が伝播されることを効果的に抑制していることを示している。
また、ノイズ電流の周波数が高くなるほど、コンデンサにおける等価直列インダクタンスの値は、大きくなる。このため、負極側ノイズ低減部105nの相互インダクタンスを予め大きく確保しておくことで、周波数の増加に伴う負極側ノイズ導電部59nのインダクタンス成分59nLの増大に対応している。これは、正極側においても同様であり、正極側ノイズ低減部105pの相互インダクタンスを予め大きく確保しておくことで、周波数の増加に伴う正極側ノイズ導電部59pのインダクタンス成分59pLの増大に対応している。
10MHz以上の周波数帯域には、76MHzから108MHzまでのFM帯と呼ばれる周波数帯域や、171MHzから245MHzまでのDAB帯と呼ばれる周波数帯域が含まれている。このため、本例においては、FM帯やDAB帯を含む周波数帯域のノイズ電流に対して、比較例に比べて高いノイズ低減効果が得られることになる。
上述した実施形態によると、負荷側負極部62nと電源側負極部61nとに導通して設けられ、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせる負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとを有している。さらに、負荷側負極部62nを流れるノイズ電流を電源側負極部61n以外の部分に導く負極側ノイズ導電部59nを備えている。このため、負荷側負極部62nにノイズ電流が流れた場合であっても、負極側ノイズ低減部105nと負極側ノイズ導電部59nによって、ノイズ電流が電源側負極部61nに伝播されてしまうことを抑制できる。電源側負極部61nにノイズ電流が流れた場合であっても、同様にノイズ電流が負荷側負極部62nに伝播してしまうことを抑制できる。したがって、ノイズ電流の影響を抑制可能な電子装置1を提供することができる。
電子装置1は、負極側ノイズ低減部105nと負極側ノイズ導電部59nと正極側ノイズ低減部105pと正極側ノイズ導電部59pとを備えている。このため、負荷側負極部62nのノイズ電流が電源側負極部61nに伝播することを抑制し、かつ、負荷側正極部62pのノイズ電流が電源側正極部61pに伝播することを抑制できる。したがって、負極側と正極側の両方のノイズ電流の影響を抑制可能である。
負極側ノイズ低減部105nから外部コネクタ27までの電源側負極部61nの長さは、モータ装置20から負極側ノイズ低減部105nまでの負荷側負極部62nの長さよりも短い。このため、負極側ノイズ低減部105nでノイズ電流が低減されてから、外部電源に至るまでの経路を短くできる。言い換えると、負極側ノイズ低減部105nから外部電源までの距離を、負極側ノイズ低減部105nからモータ装置20までの距離よりも短くしやすい。したがって、外部電源の負極側にノイズ電流が影響することを抑制しやすい。同様に、正極側ノイズ低減部105pから外部コネクタ27までの電源側正極部61pの長さは、モータ装置20から正極側ノイズ低減部105pまでの負荷側正極部62pの長さよりも短い。このため、ノイズが除去される位置から外部電源までの距離を短くできる。したがって、外部電源の正極側にノイズ電流が影響することを抑制しやすい。
負極側ノイズ導電部59nは、負極側接地コンデンサ56nを備えている。このため、所定の周波数よりも周波数の高いノイズ電流を負極側ノイズ導電パターン57nに流すことができる。同様に、正極側ノイズ導電部59pは、正極側接地コンデンサ56pを備えている。このため、所定の周波数よりも周波数の高いノイズ電流を正極側ノイズ導電パターン57pに流すことができる。
負極側ノイズ低減部105nの相互インダクタンスは、負極側ノイズ導電部59nのインダクタンス成分59nLよりも大きい。言い換えると、負極側ノイズ低減部105nの相互インダクタンスは、負極側接地コンデンサ56nの等価直列インダクタンスよりも大きい。このため、負極側ノイズ低減部105nに比べて負極側ノイズ導電部59nの方が電流の流れやすい状態にしやすい。したがって、ノイズ電流を負極側ノイズ導電部59nからグランドに導きやすい。同様に、正極側ノイズ低減部105pの相互インダクタンスは、正極側接地コンデンサ56pの等価直列インダクタンスよりも大きい。このため、ノイズ電流を正極側ノイズ導電部59pからグランドに導きやすい。
負極側ノイズ導電部59nは、負荷側負極部62nを流れるノイズ電流を金属製のセンターピース25に導いている。言い換えると、負極側ノイズ導電部59nは、負荷側負極部62nを流れるノイズ電流を少なくとも一部が金属製の負荷金属部に導いている。このため、ノイズ電流を電子装置1の構成部品を用いて処理することができる。したがって、ノイズ電流を車体などの電子装置1を構成する部品以外の部品に流す場合に比べて、ノイズ電流の流れる経路を短く設定しやすい。同様に、正極側ノイズ導電部59pは、負荷側正極部62pを流れるノイズ電流を金属製のセンターピース25に導いている。このため、ノイズ電流を車体などの電子装置1を構成する部品以外の部品に流す場合に比べて、ノイズ電流が流れる経路を短く設定しやすい。
負極側ノイズ導電部59nは、負荷側負極部62nに流れるノイズ電流を固定用ネジ58を介してセンターピース25に導いている。このため、固定用ネジ58によって多層基板50とセンターピース25とを固定すると同時に、負極側ノイズ導電パターン57nとセンターピース25とを電気的に接続することができる。同様に、正極側ノイズ導電部59pは、負荷側正極部62pに流れるノイズ電流を固定用ネジ58を介してセンターピース25に導いている。このため、固定用ネジ58によって多層基板50とセンターピース25とを固定すると同時に、正極側ノイズ導電パターン57pとセンターピース25とを電気的に接続することができる。
多層基板50は、負荷側負極部62nよりも大きな面積を有する大型負極部82nを備えている。このため、大型負極部82nによって、モータ装置20の負極と接続する電極の面積を大きく確保することができる。言い換えると、負極側の電極パターン全体での電気抵抗を低くすることができる。
大型負極部82nは、負荷側負極部62nと導通しており、電源側負極部61nとは導通していない。このため、大型負極部82nを介して負荷側負極部62nから電源側負極部61nにノイズ電流が伝播されてしまうことを防ぐことができる。
第1コイル層60は、インダクタンス素子53と電源側コンデンサ51と負荷側コンデンサ52とを備えている。このため、電源側正極部61pと負荷側正極部62pとの間で周波数の高いノイズ電流が流れることをより精度よく抑制しやすい。言い換えると、π型フィルタによるノイズ対策と、正極側ノイズ低減部105pおよび正極側ノイズ導電部59pによるノイズ対策との2つのノイズ対策によって、正極側でのノイズ電流の影響を抑制しやすい。
大型負極部82nは、多層基板50の積層方向において、電源側正極部61pと重ならない位置に設けられている。このため、電源側正極部61pと大型負極部82nとの2つの電極パターンが結合することによるノイズの伝播を抑制できる。言い換えると、電源側正極部61pと大型負極部82nとの間でのクロストークを抑制できる。
信号線部93は、多層基板50の積層方向において、負極側第1コイル部65nおよび負極側第2コイル部75nと重ならない位置に設けられている。このため、負極側第1コイル部65nや負極側第2コイル部75nで発生した磁界が信号線部93に大きな影響を与えることを抑制しやすい。同様に、信号線部93は、多層基板50の積層方向において、負極側第1コイル部65nおよび負極側第2コイル部75nと重ならない位置に設けられている。このため、負極側第1コイル部65nや負極側第2コイル部75nで発生した磁界が信号線部93に大きな影響を与えることを抑制しやすい。
多層基板50において、第1コイル層60と第2コイル層70とは、1つの絶縁層55を介して隣接している。このため、互いに対向している負極側第1コイル部65nと負極側第2コイル部75nとの距離を短くしやすい。したがって、負極側ノイズ低減部105nにおける漏れ磁束を少なくしやすい。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、正極側ノイズ低減部205pを負荷側正極接続点64pとモータ装置20の正極側端子との間に設けている。
図10において、正極側第1コイル部265pと正極側第2コイル部275pとは、負荷側正極接続点64pとモータ装置20の正極側端子との間に位置している。言い換えると、正極側ノイズ低減部205pは、負荷側正極部62pに設けられ、インダクタンス素子53と直列に接続している。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、正極側ノイズ低減部305pを電源側正極接続点63pと外部電源の正極側端子との間に設けている。さらに、負極側ノイズ低減部305nを電源側負極接続点63nと外部電源の負極側端子との間に設けている。
図11において、正極側第1コイル部365pと正極側第2コイル部375pとは、電源側正極接続点63pと外部電源の正極側端子との間に位置している。言い換えると、正極側ノイズ低減部305pは、電源側正極部61pに設けられ、インダクタンス素子53と直列に接続している。さらに、負極側第1コイル部365nと負極側第2コイル部375nとは、電源側負極接続点63nと外部電源の負極側端子との間に位置している。言い換えると、負極側ノイズ低減部305nは、電源側負極部61nに設けられている。
他の実施形態
負極側第1コイル部65nからノイズ電流をグランドまで導く方法は、固定用ネジ58を用いる方法に限られない。例えば、多層基板50の積層方向に突出しているコンタクト部品を備え、コンタクト部品を用いて負極側第1コイル部65nと収納ケース40とを電気的に接続してもよい。これによると、多層基板50の積層方向にノイズ電流の経路を設けることができる。したがって、負極側第1コイル部65nに近い位置からノイズ電流を収納ケース40に導くことができる。同様に、正極側第1コイル部65pと収納ケース40とをコンタクト部品を用いて電気的に接続してもよい。
ノイズ電流を収納ケース40に導く方法は、多層基板50の積層方向に突出しているコンタクト部品に限られない。例えば、多層基板50の積層方向と直交する方向に突出しているターミナル部品などを用いてノイズ電流を収納ケース40に導いてもよい。
ノイズ電流を導く先は、センターピース25などの負荷金属部や、収納ケース40に限られない。例えば、電子装置1の外壁をなす金属製のハウジング部品を備え、このハウジング部品にノイズ電流を導くことで電子装置1におけるノイズ電流の影響を抑制してもよい。あるいは、電子装置1が車両に搭載されている場合には、車両のボデーにノイズ電流を導くことで電子装置1におけるノイズ電流の影響を抑制してもよい。
センターピース25にノイズ電流を導く経路と、収納ケース40にノイズ電流を導く経路との2つの経路を備えてもよい。これによると、複数の経路を用いてノイズ電流をグランドに導くことができる。したがって、1つのノイズ電流経路に不具合が生じた場合であっても、残りのノイズ電流経路からノイズ電流をグランドに導くことができる。言い換えると、冗長性を高めやすい。
負極側接地コンデンサ56nと正極側接地コンデンサ56pとを省略してもよい。この場合、負極側接地コンデンサ56nを介さずに負極側第1コイル部65nと負極側ノイズ導電パターン57nとが接続することとなる。また、正極側接地コンデンサ56pを介さずに負極側第1コイル部65nと負極側ノイズ導電パターン57nとが接続することとなる。これにより、多層基板50における実装部品の数を削減することができる。
負極側第1コイル部65nと正極側第1コイル部65pとの2つのコイル部が同一の電極層に形成されていなくてもよい。例えば、負極側第1コイル部65nを多層基板50の表側に位置する1層目の電極層に形成し、正極側第1コイル部65pを多層基板50の裏側に位置する最終層の電極層に形成するなどしてもよい。また、負極側第2コイル部75nと正極側第2コイル部75pとの2つのコイル部が同一の電極層に形成されていなくてもよい。例えば、負極側第1コイル部65nを多層基板50の2層目の電極層に形成し、正極側第1コイル部65pを多層基板50の3層目の電極層に形成するなどしてもよい。
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
1 電子装置、 20 モータ装置(電気負荷)、 21 回転子(負荷金属部)、 22 固定子(負荷金属部)、 25 センターピース(負荷金属部)、 27 外部コネクタ、 40 収納ケース、 50 多層基板、 51 電源側コンデンサ、 52 負荷側コンデンサ、 53 インダクタンス素子、 55 絶縁層、 56n 負極側接地コンデンサ、 56p 正極側接地コンデンサ、 59n 負極側ノイズ導電部、 59p 正極側ノイズ導電部、 60 第1コイル層、 61n 電源側負極部、 61p 電源側正極部、 62n 負荷側負極部、 62p 負荷側正極部、 65n 負極側第1コイル部、 65p 正極側第1コイル部、 70 第2コイル層、 72n 小型負極部、 75n 負極側第2コイル部、 75p 正極側第2コイル部、 80 大型負極層、 82n 大型負極部、 90 信号線層、 93 信号線部、 105n 負極側ノイズ低減部、 105p 正極側ノイズ低減部、 205p 正極側ノイズ低減部、 265p 正極側第1コイル部、 275p 正極側第2コイル部、 305n 負極側ノイズ低減部、 305p 正極側ノイズ低減部、 365n 負極側第1コイル部、 365p 正極側第1コイル部、 375n 負極側第2コイル部、 375p 正極側第2コイル部

Claims (10)

  1. 電気負荷(20)と、
    外部電源と導通するための外部コネクタ(27)と、
    前記外部コネクタと導通している電源側正極部(61p)と、
    前記外部コネクタと導通している電源側負極部(61n)と、
    前記電気負荷と導通している負荷側正極部(62p)と、
    前記電気負荷と導通している負荷側負極部(62n)と、
    前記負荷側負極部と前記電源側負極部とに導通して設けられ、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせる負極側第1コイル部(65n、365n)と負極側第2コイル部(75n、375n)とを有する負極側ノイズ低減部(105n、305n)と、
    前記負荷側正極部と前記電源側正極部とに導通して設けられ、磁気的結合によって相互インダクタンスを生じさせる正極側第1コイル部(65p、265p、365p)と正極側第2コイル部(75p、275p、375p)とを有する正極側ノイズ低減部(105p、205p、305p)と、
    前記負極側第1コイル部と前記負極側第2コイル部と前記正極側第1コイル部と前記負極側第2コイル部とが設けられている複数の電極層(60、70)を有し、前記負極側第1コイル部と前記負極側第2コイル部とが絶縁層(55)を挟んで対向し、かつ、前記正極側第1コイル部と前記正極側第2コイル部とが前記絶縁層を挟んで対向した状態で積層されている多層基板(50)と、
    前記負極側ノイズ低減部と導通して設けられ、前記負荷側負極部を流れるノイズ電流を前記電源側負極部以外の部分に導く負極側ノイズ導電部(59n)と、
    前記正極側ノイズ低減部と導通して設けられ、前記負荷側正極部を流れるノイズ電流を前記電源側正極部以外の部分に導く正極側ノイズ導電部(59p)とを備えている電子装置。
  2. 前記負極側ノイズ低減部から前記外部コネクタまでの前記電源側負極部の長さは、前記電気負荷から前記負極側ノイズ低減部までの前記負荷側負極部の長さよりも短く、かつ、前記正極側ノイズ低減部から前記外部コネクタまでの前記電源側正極部の長さは、前記電気負荷から前記正極側ノイズ低減部までの前記負荷側正極部の長さよりも短い請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記負極側ノイズ導電部は、負極側接地コンデンサ(56n)を備え、
    前記正極側ノイズ導電部は、正極側接地コンデンサ(56p)を備えている請求項1または請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記負極側ノイズ低減部の相互インダクタンスは、前記負極側接地コンデンサの等価直列インダクタンスよりも大きく、かつ、前記正極側ノイズ低減部の相互インダクタンスは、前記正極側接地コンデンサの等価直列インダクタンスよりも大きい請求項3に記載の電子装置。
  5. 前記多層基板を収納している金属製の収納ケース(40)を備え、
    前記負極側ノイズ導電部は、前記負荷側負極部を流れるノイズ電流を前記収納ケースに導き、かつ、前記正極側ノイズ導電部は、前記負荷側正極部を流れるノイズ電流を前記収納ケースに導く請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子装置。
  6. 前記電気負荷は、前記電気負荷の一部を構成している金属製の負荷金属部(21、22、25)を備え、
    前記負極側ノイズ導電部は、前記負荷側負極部を流れるノイズ電流を前記負荷金属部に導き、かつ、前記正極側ノイズ導電部は、前記負荷側正極部を流れるノイズ電流を前記負荷金属部に導く請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子装置。
  7. 前記多層基板は、
    前記負極側第1コイル部および前記正極側第1コイル部が設けられている第1コイル層(60)と、
    前記負極側第2コイル部および前記正極側第2コイル部が設けられている第2コイル層(70)と、
    前記負荷側負極部よりも大きな面積を有する大型負極部(82n)が設けられている大型負極層(80)とを備え、
    前記第1コイル層は、前記電源側正極部と前記電源側負極部と前記負荷側正極部と前記負荷側負極部とを有し、
    前記大型負極部は、前記負荷側負極部と導通しており、前記電源側負極部とは導通していない請求項1から請求項6のいずれかに記載の電子装置。
  8. 前記大型負極部は、前記多層基板の積層方向において、前記電源側正極部と重ならない位置に設けられている請求項7に記載の電子装置。
  9. 前記第1コイル層は、
    前記電源側正極部と前記負荷側正極部とに導通しているインダクタンス素子(53)と、
    前記電源側正極部と前記電源側負極部とに導通している電源側コンデンサ(51)と、
    前記負荷側正極部と前記負荷側負極部とに導通している負荷側コンデンサ(52)とを備えている請求項7または請求項8に記載の電子装置。
  10. 前記多層基板は、信号線部(93)が設けられている信号線層(90)を有し、
    前記信号線部は、前記多層基板の積層方向において、前記負極側第1コイル部と前記負極側第2コイル部と前記正極側第1コイル部と前記正極側第2コイル部とに対して重ならない位置に設けられている請求項1から請求項9のいずれかに記載の電子装置。
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