JP2021009852A - 端子付き電線の製造方法および端子付き電線 - Google Patents
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Abstract
Description
複数の金属素線からなり断面形状が円形かつ実効断面積が50sq以上である導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、前記電線の導体に接続され円筒状の筒部を有する圧縮端子と、を備える端子付き電線の製造方法であって、
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記絶縁被覆を剥がして前記導体の一部を露出させる露出工程と、
それぞれ半円形の第1加圧面を有する一対の振動子を用いて所定の圧力で前記導体の露出部を前記第1加圧面で挟み込み、その状態で前記一対の振動子により前記導体の露出部に超音波振動を前記一対の振動子による圧力の印加方向と直交する方向に加えることにより、前記導体の露出部の断面形状が円形に維持された状態で前記導体を構成する前記金属素線どうしを接合する接合工程と、
前記導体の接合部を前記筒部内に挿入した状態で、それぞれ多面形の第2加圧面を有する一対の圧縮ダイスを用いて前記筒部の複数箇所それぞれを前記第2加圧面で挟み込むことにより、前記導体の接合部と前記筒部を前記複数箇所において接続する接続工程と、
を含む端子付き電線の製造方法である。
本発明の第2の態様は、
複数の金属素線からなり断面形状が円形かつ実効断面積が50sq以上である導体と、前記導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、
前記電線の導体に接続される円筒状の筒部を有する圧縮端子と、を備え、
前記絶縁被覆が剥がされて前記導体の一部が露出しているとともに、当該露出部に前記圧縮端子の前記筒部が接続されている端子付き電線であって、
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記導体の前記露出部は、前記金属素線どうしが溶接接合された溶接接合部を有し、
前記溶接接合部の断面形状は、円形であり、
前記導体の前記溶接接合部と前記圧縮端子の前記筒部とは、複数箇所において圧縮されてなる複数の圧縮部を有し、
複数の前記圧縮部の断面形状は、それぞれ多面形である
端子付き電線である。
図1は本発明の実施形態に係る端子付き電線の構成を説明するための模式図である。
本発明の実施形態に係る端子付き電線1は、電線2と、圧縮端子3と、を備えた構成となっている。
電線2は、導体4と、この導体4を被覆する絶縁被覆5と、を備えた構成となっている。
導体4は、電線2の芯線を構成している。導体4は、たとえば、複合撚り線によって構成されている。複合撚り線とは、図2に示すように、複数の金属素線11を撚り合わせて集合撚り線12とし、この集合撚り線12を複数撚り合わせて構成されるものである。この場合、1本の集合撚り線12を構成する金属素線11の本数を「m」とし、1本の複合撚り線を構成する集合撚り線12の本数を「n」とすると、1本の導体(複合撚り線)4を構成する金属素線11の総本数は「m×n」となる。金属素線11は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって構成されている。導体4の断面形状は、全体的に円形になっている。
絶縁被覆5は、絶縁材料によって構成されている。絶縁被覆5は、導体4の外周部を囲むように断面円形に形成されている。絶縁被覆5は、電線2の長さ方向の全長にわたって導体4を被覆している。ただし、図1に示すように、電線2の長さ方向の端部では絶縁被覆5が剥がされ、これによって導体4の一部(以下、「露出部」という。)4aが露出している。
圧縮端子3は、筒部8と、接続部9と、を一体に有している。圧縮端子3は、たとえば、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる端子素材の表面に、錫メッキ、ニッケルメッキ又は銀メッキを施したものである。ただし、圧縮端子3は、アルミニウム以外の材料(たとえば、銅など)で構成してもよい。
続いて、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法について説明する。この端子付き電線の製造方法は、第1工程としての電線の剥がし工程と、第2工程としての金属素線の接合工程と、第3工程としての接続工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
まず、導体4と、絶縁被覆5と、を有する電線2を用意したら、この電線2の長さ方向の端部で、導体4を被覆する絶縁被覆5と押さえテープ6とを剥がすことにより、導体4の一部(露出部)4aを露出させる(図1参照)。この段階では、導体4の露出部4aの断面形状が、全体的にほぼ円形になっている。
次に、導体4を構成している金属素線11どうしを接合する。この接合工程では、図3に示すように、半割構造を有する一対の振動子21,21を用いる。一対の振動子21,21は、導体4の露出部4aに超音波振動Uvを加えるためのものである。一対の振動子21,21は、図の奥行き方向に露出部4aの長さと同等の寸法を有している。一対の振動子21、21は、それぞれ半円形の加圧面(第1加圧面)22を有している。加圧面22は、第2工程で導体4の露出部4aに超音波振動を印加する際に露出部4aに接触して適度な圧力を加えるものである。加圧面22は、半円形の周面を形成している。加圧面22の曲率半径は、第1工程を終えた後の露出部4aの外径に対応して適宜設定すればよい。
次に、図5に示すように、圧縮端子3の筒部8内(中空部14)に導体4の接合部4bを挿入し、その状態で導体4の接合部4bに圧縮端子3の筒部8を接続する。このとき、導体4の接合部4bの外表面を覆っている酸化膜の除去(破壊等)を目的に、筒部8内に接合部4bを挿入する前に、必要に応じて、接合部4bの表面をブラシで擦ったりしてもよい。圧縮時の加圧方向は、接続部9の厚み方向(板厚方向)で筒部8を挟み込む方向に設定されている。
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
複数の金属素線からなる導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、前記電線の導体に接続される筒部を有する圧縮端子と、を備える端子付き電線の製造方法であって、
前記絶縁被覆を剥がして前記導体の一部を露出させる第1工程と、
それぞれ所定形状の第1加圧面を有する一対の振動子を用いて前記導体の露出部を前記第1加圧面で挟み込み、その状態で前記一対の振動子により前記導体の露出部に超音波振動を加えることにより、前記導体を構成する前記金属素線どうしを接合する第2工程と、
前記導体の接合部を前記筒部内に挿入した状態で、それぞれ所定形状の第2加圧面を有する一対の圧縮ダイスを用いて前記筒部を前記第2加圧面で挟み込むことにより、前記導体の接合部に前記筒部を接続する第3工程と、
を含む端子付き電線の製造方法。
(付記2)
前記一対の振動子は、それぞれ半円形の第1加圧面を有し、
前記一対の圧縮ダイスは、それぞれ半円形または多面形の第2加圧面を有する
付記1に記載の端子付き電線の製造方法。
(付記3)
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
付記1または2に記載の端子付き電線の製造方法。
(付記4)
前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせて集合撚り線とし、この集合撚り線を複数撚り合わせた複合撚り線によって構成されている
付記1〜3のいずれか1つに記載の端子付き電線の製造方法。
(付記5)
前記導体の実効断面積が50sq以上である
付記1〜4のいずれか1つに記載の端子付き電線の製造方法。
2…電線
3…圧縮端子
4…導体
4a…露出部
4b…接合部
5…絶縁被覆
8…筒部
11…金属素線
12…集合撚り線
21…振動子
22…加圧面(第1加圧面)
25…圧縮ダイス
26…加圧面(第2加圧面)
Claims (4)
- 複数の金属素線からなり断面形状が円形かつ実効断面積が50sq以上である導体と、この導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、前記電線の導体に接続され円筒状の筒部を有する圧縮端子と、を備える端子付き電線の製造方法であって、
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記絶縁被覆を剥がして前記導体の一部を露出させる露出工程と、
それぞれ半円形の第1加圧面を有する一対の振動子を用いて所定の圧力で前記導体の露出部を前記第1加圧面で挟み込み、その状態で前記一対の振動子により前記導体の露出部に超音波振動を前記一対の振動子による圧力の印加方向と直交する方向に加えることにより、前記導体の露出部の断面形状が円形に維持された状態で前記導体を構成する前記金属素線どうしを接合する接合工程と、
前記導体の接合部を前記筒部内に挿入した状態で、それぞれ多面形の第2加圧面を有する一対の圧縮ダイスを用いて前記筒部の複数箇所それぞれを前記第2加圧面で挟み込むことにより、前記導体の接合部と前記筒部を前記複数箇所において接続する接続工程と、
を含む端子付き電線の製造方法。 - 前記圧縮端子は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる端子素材の表面に、錫メッキ、ニッケルメッキ又は銀メッキを施したものである、
請求項1に記載の端子付き電線の製造方法。 - 前記導体は、複数の金属素線を撚り合わせて集合撚り線とし、この集合撚り線を複数撚り合わせた複合撚り線によって構成されている
請求項1または2に記載の端子付き電線の製造方法。 - 複数の金属素線からなり断面形状が円形かつ実効断面積が50sq以上である導体と、前記導体を被覆する絶縁被覆と、を有する電線と、
前記電線の導体に接続される円筒状の筒部を有する圧縮端子と、を備え、
前記絶縁被覆が剥がされて前記導体の一部が露出しているとともに、当該露出部に前記圧縮端子の前記筒部が接続されている端子付き電線であって、
前記金属素線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記導体の前記露出部は、前記金属素線どうしが溶接接合された溶接接合部を有し、
前記溶接接合部の断面形状は、円形であり、
前記導体の前記溶接接合部と前記圧縮端子の前記筒部とは、複数箇所において圧縮されてなる複数の圧縮部を有し、
複数の前記圧縮部の断面形状は、それぞれ多面形である
端子付き電線。
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