JP2021009368A - 光学素子及び眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレクトロクロミック材料を用いるため、液晶を用いるものに比して透明状態での光透過率を高めやすい光学素子を提供する。【解決手段】視機能あるいは視知覚能力を補助するスペクトルを備える光学素子11a〜11gであって、透明状態と着色状態とで状態切り替え可能なエレクトロクロミック材料を有し、着色状態での透過型の視認にあたり、スペクトルを備える。スペクトルは色弱者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線を備える。この光学素子11a〜11gをレンズ部11,12として組み込んだ眼鏡。【選択図】図1
Description
本発明は、光学素子及び眼鏡に関するものである。
従来、視機能あるいは視知覚能力を補助するスペクトルを備える光学素子が知られている。
例えば、特許文献1には、特定の色の透過率を選択的に制御可能な光学手段と、該光学手段に制御信号を与える制御手段と、該制御手段の動作を指示する操作手段を備える色弁別補助装置が記載されている。前記光学手段としては互いに異なる複数の光学特性を切替え可能な液晶素子が用いられている。
例えば、特許文献1には、特定の色の透過率を選択的に制御可能な光学手段と、該光学手段に制御信号を与える制御手段と、該制御手段の動作を指示する操作手段を備える色弁別補助装置が記載されている。前記光学手段としては互いに異なる複数の光学特性を切替え可能な液晶素子が用いられている。
しかしながら、特許文献1の装置では、液晶素子が用いられているため眼鏡なとの透過型の視認にあたって透明状態における光透過率を高めにくいという課題が残されていた。
上述した課題を解決するために、本発明は、視機能あるいは視知覚能力を補助するスペクトルを備える光学素子であって、透明状態と着色状態とで状態切り替え可能なエレクトロクロミック材料を有し、前記着色状態での透過型の視認にあたり、前記スペクトルを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、エレクトロクロミック材料を用いるため、液晶を用いるものに比して透明状態での光透過率を高めやすいという効果がある。
本発明を、エレクトロクロミック素子を備えた光学レンズデバイス(光学素子)が眼鏡レンズとして組み込まれた眼鏡に適用した実施形態について説明する。電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。前記エレクトロクロミズムを示すエレクトロクロミック材料は、一般的に対向する2つの電極間に形成されており、イオン伝導可能な電解質層が電極間に満たされた構成において酸化還元反応する。前記対向する2つの電極のうちの一方の近傍で還元反応が起こる場合、他方の電極の近傍では、逆反応である酸化反応が起こる。前記エレクトロクロミック材料を用いた素子がエレクトロクロミック素子(デバイス)であり、電圧印加により両極での発色が起こり、色彩、光学濃度に変化を与える。
図1(a)は眼鏡の斜視図、図1(b)は光学レンズデバイスの断面図である。眼鏡100は、前記光学レンズデバイスとしての第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12、フレーム50とを有する。第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12は、エレクトロクロミック素子を有し、フレーム50のリム形状に合わせて形状を加工されてフレーム50に組み込まれている。フレーム50には、照度計60、スイッチ61と電源(図2参照)などが設けられている。基本的な構成は特許文献2に記載のエレクトロクロミック素子をレンズ部に用いた眼鏡と同じである。
図1(b)は眼鏡レンズを構成する光学レンズデバイスの断面図である。レンズ基板11h上にエレクトロクロミック素子11a〜11gが設けられている。エレクトロクロミック素子11a〜11gは、第一の基板11a上に、第一の電極層11bと、第一のエレクトロクロミック(EC)層11cとが形成されている。また、第二の基板11g上には、第二の電極層11fと、第二のエレクトロクロミック層11dが形成されている。第一のエレクトロクロミック層11cと第二のエレクトロクロミック層11dの面とを合わせるように重ね、第一のエレクトロクロミック層11cと第二のエレクトロクロミック層11dの間に間隙を設け、第一の電極層11bと第二の電極層11fとの間に電解質層11eを充填して貼りあわせる。これにより、エレクトロクロミック素子が作製されている。
眼鏡100では、前記エレクトロクロミック素子をレンズとして用いるにあたり、前記エレクトロクロミック素子を熱成形により所望の形状に曲げ加工する。その後、曲げ加工されたエレクトロクロミック素子の外側表面に樹脂を追加形成して基板を厚膜化する。厚膜化した前記基板を削加工することにより、所望の曲面を形成し、ユーザ固有の条件に合わせたレンズ加工(度数加工など)をして、レンズを得ることができる。これに代え、製作済のレンズ(例えば樹脂レンズ)に、曲げ加工済のエレクトロクロミック素子を貼り合わせるとい製造手順でもよい。
本実施形態では、光学レンズデバイスが、視機能のうちの色覚を補助できるスペクトルを有する色覚補正レンズである。具体的には、スペクトルとして色弱者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線を備える。このために、エレクトロクロミック素子の特にエレクトロクロミック(EC)層11cの材質を所望のスペクトルが得られる材質にする。更に、前記エレクトロクロミック材料が透明状態における光学レンズデバイスのCIE19322度標準観測者によるCIE標準発光体D65の重み付き明順応透過率として定義される視感透過率が80%より大きくなるようにする。エレクトロクロミック素子の詳細や具体例については後述する。光学レンズデバイスが色覚補正レンズであることから、これを備える眼鏡100は、色覚補正装置といえる。
図2は、色覚補正装置としての眼鏡100の電装部の一例を示すブロック図である。
第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12に対して電圧を印加する制御手段(印加電圧制御手段)30と、電源40と、環境光検出器である照度計60と、操作部であるスイッチ61と、通信手段62とを有する。
第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12に対して電圧を印加する制御手段(印加電圧制御手段)30と、電源40と、環境光検出器である照度計60と、操作部であるスイッチ61と、通信手段62とを有する。
制御手段30は、メモリ31と、電圧印加部32と、演算部33とを有し、電圧印加部32(電圧印加手段)により第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12に印加する電圧を電圧印加条件に基づいて制御する。これにより、第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12の発色状態における濃度を調整し、制御部として機能する。図示の例では左右のレンズ部として眼鏡に組み込まれる第一の眼鏡レンズ11と第二の眼鏡レンズ12とを、互いに独立して制御手段30により制御可能である。
照度計60は、制御手段30の演算部33に接続され、計測した照度の情報を演算部33に出力する。この照度計60の設置場所は特には制限されないが、眼鏡レンズ11、12の近傍のフレーム部分、特に、環境光を測定することから前面部分が好ましい(図1(a)参照)。図示の例では照度計60を示す一つの枠に、左右の眼鏡レンズ11、12に対応した一対のセンサが含まれ、それぞれ演算部33に接続される。電源40は、色覚補正装置(眼鏡100)全体に電力を供給する。スイッチ61は眼鏡100の電源オン・オフや、各種操作指令に用いる。押しボタン式スイッチ、スライド式スイッチ、タッチセンサーなどを用いて構成できる。通信手段62は外部機器であるパーソナルコンピュータ70との通信に使用する。
本実施形態の眼鏡100は次のような制御を行う。つまり、制御手段30は、メモリ31に前記電圧印加条件の読込み及び書込みを行い、読み込んだ前記電圧印加条件に基づいて、電圧印加部32から第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12に電圧を印加させる。また、制御手段30は、照度計60から入力された照度の情報を演算部33により演算させ、演算した結果に基づいて求めた新たな電圧印加条件をメモリ31に書き込む。
また、制御手段30は、照度の情報を用いた新たな電圧印加条件の演算の内容に関する情報、たとえば、照度に対応して変更するパラメータ及び又はパラメータ算出手段が定義されているソフトウェア、を書き換える機能を有する。この機能ため、パラメータ及び又はソフトを登録する領域31aがメモリ31に設けられている。また、外部のパーソナルコンピュータ70からソフトウェアに係るデータを入力し、領域31aに対して登録および/または書き換えを行うための情報格納手段としてセットアップモジュールもソフトの形でメモリ31に格納されている。
パーソナルコンピュータ70は、CPU72、パラメータなどの情報を記憶するファイル71、表示部74、眼鏡100との間の通信手段73を備える。通信手段62、73としては有線、無線を問わないが、無線通信を行える手段が好適である。また、パーソナルコンピュータ70に替え、スマートフォン等の移動体端末を用いてもよい。
図1(b)に示す光学レンズデバイスである第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12を発色あるいは消色させるための電圧印加の仕方は次のとおりである。例えば、第一の電極層11bと第二の電極層11fとの間に電圧を印加することにより、第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12が所定の色に発色する。第二の電極層11fを接地する場合には、第一の電極層11bにマイナスの電圧を印加することになる。また、第一の電極層11bと第二の電極層11fとの間に逆電圧を印加することにより、第一の眼鏡レンズ11及び第二の眼鏡レンズ12が消色して透明となる。第二の電極層11fを接地する場合には、第一の電極層11bにプラスの電圧を印加することになる。
エレクトロクロミック層に使用する材料の特性により、第一の電極層11bと第二の電極層11fとの間にマイナス電圧を印加することにより発色し、プラス電圧を印加することにより消色して透明となる場合もある。なお、一度発色した後は、前記第一の電極層と前記第二の電極層との間に電圧を印加しなくても発色状態を継続できる。
図3は制御手段30による駆動制御の説明図である。上半分のグラフでは、横軸に時間を取り、縦軸に、第二の電極層11fを接地する場合の第一の電極層11bに印加する電圧を取っている。下半分のグラフは横軸に時間、縦軸に光透過率(以下、単に透過率という。)を取っている。消色し透過率が高い透明の状態から、透過率が低くなって所望の濃度に発色した状態に移行させる電圧印加を行う期間Aが発色期間である。この発色期間が完了して発色した状態を保持する期間が保持期間Bである。保持期間の発色状態から消色させてもとの透明な消色状態に移行させる期間が消色期間Cである。
図3の例では、発色期間Aには第一の電極層11bに連続してマイナスの電圧を印加している。また、消色期間Cには第一の電極層11bに連続してプラス電圧を印加している。消色期間Cには、プラス電圧を印加するのに替え、第一の電極層11bも接地してもよい(第一の電極層11bと第二の電極層11fとを互いに短絡させる)。保持期間Bは、第一の電極層11bをフロートにしてよい(第一の電極層11bと第二の電極層11fとを互いに開放する)。これに代え、第一の電極層11bにマイナス定電圧を印加し続けてもよい。更にこれに代え、周期的に電圧が変動する周期変動電圧(実効電圧はマイナス)を印加してもよい。
図4は特許文献2に記載されているAタイプ〜Dタイプの4種類の色覚矯正スペクトル特性曲線のうちの1種類(Aタイプ)を示す図である。色覚矯正スペクトル特性曲線は、この4種類の色弱者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線である。1種類について8等級、全部で32等級に分けた色覚矯正スペクトル特性曲線が米国特許第5369453で提案されたことを受けて作成されたものとされている。この特許文献2では、全部で32等級ある色覚矯正スペクトル特性曲線毎に色覚矯正レンズを用意することを前提としていた。
本実施形態は、エレクトロクロミック素子を用いることで、同一種類の複数の等級、できれば、同一種類の8等級すべての色覚矯正スペクトル特性曲線を同一のエレクトロクロミック素子の印加電圧を調整することよって得ようとするものである。例えば、図4のAタイプにおいて矢印Dで示すように下方に位置する特性曲線ほど透過率が低く、着色状態での濃度が高い、A−1〜A−8のすべての等級を印加電圧の調整によって得ようとするものである。
図3の例では、発色期間Aに印加するマイナスの電圧の絶対値が大きいほど、また、印加電圧が同じであれば、発色期間Aの時間を流すほど透過率の低下が大きい。この結果、マイナスの電圧の絶対値が大きいほど保持期間Bに至ったときの着色状態での濃度が高い。この発色期間Aで印加する電圧の値や電圧の印加時間によって、着色状態における濃度を調整できる。
図5は同眼鏡の印加電圧変更制御のフローチャートである。この印加電圧変更制御は発色と消色との切り替えを行うべく、眼鏡100のフレーム50に設けられたスイッチ61が操作されたことを検知したときに実行される。まずステップS1で濃度に関する情報を取得する(取得ステップ)。濃度に関する情報とは、眼鏡の使用者に適した等級のデータと照度計60から測定結果である照度情報である。眼鏡の使用者に適した等級のデータはメモリ31に記憶させておく。この等級のデータを基本とし、照度情報を付加的に用いて、印加電圧等の決定に用いる狙いの濃度に対応する駆動条件を求めるようにする。具体的に、照度が大きいときには、それに応じて発色状態での濃度も大きくする。
眼鏡の使用者に適した等級のデータをメモリ31に記憶させるために、適した等級を検査する動作のプログラムもメモリ31に記憶させ、スイッチ61などを用いた操作指令を受けて同プログラムを実行し、検査結果として求めた等級データをメモリ31に記憶するようにしてもよい。これに代え、後述する外部のパーソナルコンピュータ70などとの連携により、等級検査のプログラムを実行するパーソナルコンピュータ70から指示で眼鏡の発色状態の濃度を切り替えながら検査を実行するようにしてもよい。検査結果も外部のパーソナルコンピュータ70側の記録装置に記憶しておき、適宜、眼鏡側のメモリ31に転送するようにしてもよい。
また、医療機関など行った検査の結果から等級データを外部のパーソナルコンピュータ70を用いるなどして眼鏡のメモリ31に記録するようにしてもよい。このような記録は、制御手段30で使用する濃度の指示に相当し、このためのパーソナルコンピュータ70は通信手段を介して入力装置として機能する。通信状態で常時、パーソナルコンピュータ70など外部機器から濃度を指示できるようにしてもよい。
パーソナルコンピュータ70や移動体端末の記憶装置が外部記憶装置に相当し、これらの外部記憶装置を、等級のデータなどの濃度情報の記憶装置として用いることができる。この情報を通信を介して入手し、制御手段による濃度調整の制御に使用できるのである。また、パーソナルコンピュータ70や移動体端末を用いて、制御手段30のメモリ31に等級データなどの濃度情報をセットするようにしてもよい。
次にステップS2でその時点が消色状態「0」なのかどうかを判断する。この判定には発色期間Aの終了時に1がセットされ、また、消色期間Cの終了時に0がセットされるフラグなどを用いる。消色状態であると判断すると、ステップS3で発色駆動の駆動条件を算出する。
この算出は、照度情報を用いて行う。照度に対応して変更するパラメータは、複数に区切られた照度範囲に対応した離散的なパラメータとすることができる。大、中、小の3つの範囲毎に、発色期間Aで用いる印加電圧の大きさや印加時間の長さを離散的に定めて、ルックアップテーブルの形などでメモリ31に記憶させたり、領域31aに記憶されるソフトに組み込んだりしておける。これとは異なり、照度に対応して変更するパラメータを、照度を変数とした関数から算出される連続的なパラメータとすることもできる。
そして、算出したパラメータを用いてステップS4で発色駆動を行い、これが完了したら上記フラグに「1」をセットし、ステップS6で保持駆動を開始させて終了する。この保持駆動においても、保持駆動のパラメータを等級データや照度情報を用いて算出してもよい。
上記ステップS2で、消色状態「0」ではない、つまり発色状態であると判断した場合には、ステップS7に進み、消色駆動の駆動条件を算出する。この算出も、等級データや照度情報を用いて行う。照度に対応して変更するパラメータは、ステップS3におけると同様に、離散的でも良いし、連続的でもよい。
そして、算出したパラメータを用いてステップS8で消色駆動を行い、これが完了したら上記フラグに「0」をセットして終了する。
さらに、別の形態として、屋内で過ごす際に適した濃度や、晴れの日の適した濃度、曇天の日に適した濃度など、利用状況に合わせた濃度設定の情報をメモリ31に記録してもよい。
眼鏡の使用者は、透明状態と発色状態を切り替えるための操作や、濃度を調整するための操作を、スイッチ61やパーソナルコンピュータ70や外部の通信機器を介して実行する。その際、照度計60からの照度情報を用いずに、使用者の好みで濃度を調整してもよい。
眼鏡の使用者は、通常は透明状態で着用し、視機能を向上させたい時に発色状態に切り替えてもよい。また、日中屋内から屋外に出る際など照度が変わる場面において濃度を調整してもよい。
また、あらかじめ記録した、利用状況に合わせた濃度設定の情報を呼び出して濃度調整してもよい。
濃度調整にパーソナルコンピュータや外部の通信機器を用いる際、表示画面の配色は、色弱者にとって見分けやすいカラーユニバーサルデザインに配慮していることが望ましい。また、眼鏡を発色状態に切り替えた際にパーソナルコンピュータや外部の通信機器の表示画面も切り替え、色弱者にとって見分けにくい配色を表示させてもよい。透明状態では見分けづらかった配色を見ることにより、眼鏡の色覚補正が機能しているかどうか、について利用者が確認する手段として用いても良い。
また、発色状態において電源の電池残量がなくなった場合、消色状態に移行できず、暗所作業をしにくくなり危険である。そのため、発色状態において電池残量が少なくなった場合、自動的に消色状態に移行するように制御してもよい。その際、眼鏡に搭載した図示しないスピーカーやLEDで使用者に警告を示しても良い。電池残量を検知する手段として、電池の電圧を計測する機能を制御手段に搭載してもよい。
また、色覚補正の用途において、眼鏡に搭載したカメラを用いて前方を撮影し、色弱者にとって見分けにくい色の組み合わせが前方にある場合に制御部を駆動し、消色状態から着色状態へ移行させてもよい。
図6は変形例に係る駆動制御の説明図である。この変形例1では、発色期間Aにおける印加電圧として、周期的に電圧が変動する周期変動電圧を用いている。具体的には、オンとオフ(第一の電極層11bのフロート・開放)とからなる間欠電圧を用いている。そして、等級データや照度によって、1周期のうちのオン時間の比率であるデューティ比(一周期における比較的大きな値の電圧の印加時間割合)を変更している。具体的には等級データや照度に対応する濃度が高いほどデューティが大きくなるよう変更している。図6でデューティ比の変更を矢印で示している。
図7は変形例2に係る駆動制御の説明図である。この例では、変形例1と同じ間欠電圧を保持期間Bに用いている。そして、温度によってデューティ比を変更している。具体的には等級データや照度に対応する濃度が高いほどデューティが大きくなるよう変更している。消色期間Cにも、同様の間欠電圧を用い、かつ、照度によってデューティ比を変更してもよい。
以上、本実施形態では、色識別能力を向上できるスペクトルを有し、且つ透明状態に調整できるため、利用者の色識別能力を向上し、不使用時に視界を明るく保つことができ、かつ透明な見た目を実現できる。そして、色弱者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線を有しているため、利用した色弱者の色識別能力を向上できる。
液晶素子を用いた場合、消色状態でも一般的に視感透過率が50%以下となり、透明にならず、灰色などの暗い状態となる。消色させても見た目に違和感がある上に、屋内では視界が暗すぎるため実用上課題が残る。また、液晶の偏光現象を用いているため、同じく偏光現象を用いている液晶テレビや液晶ディスプレイの表示を打ち消しあい、視認することが困難になることもある。色弁別することを目的に視野全体を周期的に明滅させているため、使用時の不快感が強く、長時間の使用が困難である。液晶素子を駆動させるために長時間電流を流し続ける必要があり、消費電力も大きい。
これに対して、本実施例では、十分な透明度を得ることができる。しかも、エレクトロクロミックはメモリ性があり、一度着色させると着色状態を維持するため、電力消費が少ない。そして、透明状態と色覚補正状態を切替えることが出来る。
また、エレクトロクロミック材料によって色識別能力を向上するスペクトルを実現しているため、電圧印加による電荷量に応じて色覚補正の強度および透過率を調整できる。
また、エレクトロクロミック材料を電気制御する濃度調整機構により、色覚補正の強度および透過率を調整できる。
また、視感透過率が70%以上のため、透明状態で屋内で着用する際に視界の明るさを充分に担保できる。
また、スイッチ61を用いての入力や外部情報端末としてのパーソナルコンピュータ70を通じての着色濃度の調整ができる。
また、エレクトロクロミック材料を電気制御する濃度調整機構により、色覚補正の強度および透過率を調整できる。
また、視感透過率が70%以上のため、透明状態で屋内で着用する際に視界の明るさを充分に担保できる。
また、スイッチ61を用いての入力や外部情報端末としてのパーソナルコンピュータ70を通じての着色濃度の調整ができる。
また、制御部に利用者情報を記録しているため、利用者に応じた着色濃度で色覚補正できる。
また、外部記憶端末に利用者情報を記録しているため、利用者に応じた着色濃度で色覚補正できる。
また、周囲の明るさに応じて着色濃度を調整する機能を有しているため、屋内など環境光の明るさが弱い場合でも視界の明るさを担保しつつ色覚補正できる。
また、メガネ形態をしているため、顔に着用して色覚補正効果を利用できる。
また、外部記憶端末に利用者情報を記録しているため、利用者に応じた着色濃度で色覚補正できる。
また、周囲の明るさに応じて着色濃度を調整する機能を有しているため、屋内など環境光の明るさが弱い場合でも視界の明るさを担保しつつ色覚補正できる。
また、メガネ形態をしているため、顔に着用して色覚補正効果を利用できる。
なお、着色状態で光学素子の面内において着色濃度の勾配が生じるようにしてもよい。図8はその説明図である。レンズ部の中心線Eよりも下方の領域Fでのみ発色させている。これによれば、視野の一部で視界の明るさを担保しつつ色覚補正を実現できる。そして、図示の例では領域Eの中でも下に行くほど濃度が濃くなるようにしている。エレクトロクロミック化合物の濃度勾配をつけることで着色濃度の勾配をつけることができる。
眼鏡レンズの上半分は例えば透明で、下半分はある程度の均一濃度にできるようにしてもよい。このためには、エレクトロクロミック層を下半分にだけ形成しておいたり、エレクトロクロミック層は全体に形成し電極を上下でわけておいて個別駆動できるようにしておいたりすればよい。
また、図2に示す例では、左右の光学素子の着色濃度を独立して調整できるため、例えば左という一方のレンズ部のみ発色させて、他方は透明のままになるように制御し、片目で視界の明るさを担保しつつもう一方の目で色覚補正を実現できるようにしてもよい。
さらに、図9に示すように、前述のAタイプ〜Dタイプの4種類の色覚矯正スペクトル特性曲線に対応した4層のエレクトロクロミック層を積層して設けても良い。エレクトロクロミック表示素子は、対向する2枚の基板の間に、4層のエレクトロクロミック層を有しており、基板間を、電解質層で充填している。図中上方から、第一の基板201、第一の電極層202、第一のエレクトロクロミック層203、第一の絶縁性無機粒子層204、第二の電極層205、第二エレクトロクロミック層206、第二の絶縁性無機粒子層207、第3の電極層208、第3のエレクトロクロミック層209、第3の絶縁性無機粒子層210、第4の電極層211、第4のエレクトロクロミック層212、電解質層213、劣化防止層214、対向電極215、第二の基板216、シール材217を有している。
各エレクトロクロミック層での発色は、対応する電極と対向電極との間に生じるこれらの電圧の大きさによって定まるため、該電圧により、各エレクトロクロミック層を発消色、および、発色状態での濃度を制御できる。4層のエレクトロクロミック層を、前述のAタイプ〜Dタイプの4種類の色覚矯正スペクトル特性曲線を得られるように構成しておけば、いずれのタイプについても、また、各タイプいずれの等級にでも対応させることができる。
このようにエレクトロクロミック層を複数積層して設ける構成は、Aタイプ〜Dタイプの4種類の色覚矯正スペクトル特性曲線の何れか一つを、複数のエレクトロクロミック層で実現するのにも用いることができる。
以上、本発明を、エレクトロクロミック装置を備えた光学素子である光学レンズデバイスが色覚補正(矯正)用のスペクトルを備えた実施形態について説明したが、他の視機能(視力、視野、眼球運動機能、コントラスト感度、両眼視機能)や視知覚(長短の知覚、大小の知覚、位置の知覚、動きの知覚、傾きの知覚、形態知覚)の能力を保持できるスペクトルを備えたものにも適用できる。例えば、イギリスの教育心理学者が見つけた視知覚障害の一つである『アーレンシンドローム(症候群)』についてはアーレンレンズと呼ばれるカラーレンズやカラーフィルムが知られている。このようなカラーレンズやカラーフィルムと同じスペクトルをエレクトロクロミック材料を有する光学レンズデバイスに持たせることもできる。
また、特許文献4に示されるような羞明を防止するための医療用遮光レンズに用いてもよい。特許文献4では波長505nmと555nmの光を選択的に遮断することにより、羞明を防止しているが、特定波長の光を選択的に遮断することにより、羞明を防止する効果を持たせることもできる。
また、以上の実施形態は、光学レンズデバイスが眼鏡レンズとして組み込まれた眼鏡に適用した実施形態について説明したが、レンズ部が屈折率を有しない(厳密にはレンズではない)ゴーグルやサングラスにも適用できる。また、単眼の手持ちあるいは頭部にかける眼鏡に適用してもよい。さらに、透過型で物体等を視認するものであれば、特に形態は限定されず、手に持ってシート越しに対象物を見るのに適したシートや、衝立形状物など種々の形状のものに適用することができる。シート形状にする場合には、エレクトロクロミックシートそのものとして使用してもよいし、これを透明基体に貼り付けたり埋め込んだ形態で使用してもよい。建物の窓ガラスや車などの乗り物の窓ガラスにも適用できる。
また、エレクトロクロミック装置には、消色安定の例で記載したが、ノーマリーカラードと言われるような通常状態で、発色しており、酸化ないし還元により消色や更なる発色、又は色相変化を起こすような物を除外してはいない。つまり安定状態から酸化ないし還元することで、所定の状態1と、状態1とは色が異なる状態2とが変化する。状態1と状態2のいずれかが安定で、いずれかが透明であるということである。
ここで、エレクトロクロミック素子の詳細や具体例について説明する。エレクトロクロミック素子としては、第一の基板と、第一の電極層と、第一のエレクトロクロミック層と、第二のエレクトロクロミック層と、第二の電極層と、第二の基板と、をこの順で有し、前記第一の電極層と前記第二の電極層との間に電解質を有することが好ましい。また、必要に応じて第一のエレクトロクロミック層と第二のエレクトロクロミック層の間に絶縁性無機粒子層を有することができる。さらに、第一のエレクトロクロミック層又は第二のエレクトロクロミック層を用いず、一方のエレクトロクロミック層のみでエレクトロクロミック素子を構成する場合、エレクトロクロミック層を用いない電極層上に劣化防止層を形成することが好ましい。
<<第一の基板及び第二の基板>>
前記第一の基板及び前記第二の基板(以下、いずれかを特定しない場合には単に「基板」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜周知の熱成形可能な樹脂材料をそのまま選択することができ、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板などが挙げられる。
また、前記基板の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、視認性を高めるために透明絶縁性無機粒子層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記第一の基板及び前記第二の基板(以下、いずれかを特定しない場合には単に「基板」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜周知の熱成形可能な樹脂材料をそのまま選択することができ、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板などが挙げられる。
また、前記基板の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、視認性を高めるために透明絶縁性無機粒子層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記基板の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、楕円形状、長方形状などが挙げられる。また、前記色覚補正装置が前記色覚補正眼鏡として用いられる場合には、前記第一の基板をレンズとし、前記第一の基板の外形を前記フレームのリムに応じた形状としてもよい。
<<第一の電極層及び第二の電極層>>
前記第一の電極層及び前記第二の電極層(以下、いずれかを特定しない場合には単に「電極層」と称することがある)の材料としては、透明かつ導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称することもある)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称することもある)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称することもある)などが挙げられる。これらの中でも、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる点から、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、「In酸化物」と称することもある)、スズ酸化物(以下、「Sn酸化物」と称することもある)、及び亜鉛酸化物(以下、「Zn酸化物」と称することもある)の少なくともいずれかを含むことが好ましい。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOが特に好ましい。更には、透明性を有する銀、金、カーボンナノチューブ、金属酸化物等のネットワーク電極やこれらの複合層も有用である。
前記第一の電極層及び前記第二の電極層(以下、いずれかを特定しない場合には単に「電極層」と称することがある)の材料としては、透明かつ導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称することもある)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称することもある)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称することもある)などが挙げられる。これらの中でも、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる点から、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、「In酸化物」と称することもある)、スズ酸化物(以下、「Sn酸化物」と称することもある)、及び亜鉛酸化物(以下、「Zn酸化物」と称することもある)の少なくともいずれかを含むことが好ましい。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOが特に好ましい。更には、透明性を有する銀、金、カーボンナノチューブ、金属酸化物等のネットワーク電極やこれらの複合層も有用である。
前記電極層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エレクトロクロミックの酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整されることが好ましく、ITOを用いた場合には、50nm以上500nm以下が好ましい。
<<第一のエレクトロクロミック層及び第二のエレクトロクロミック層>>
前記第一のエレクトロクロミック層及び第二のエレクトロクロミック層としては、色識別能力を向上できるスペクトルとなるようエレクトロクロミック材料を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記エレクトロクロミック材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子などが挙げられる。
前記第一のエレクトロクロミック層及び第二のエレクトロクロミック層としては、色識別能力を向上できるスペクトルとなるようエレクトロクロミック材料を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記エレクトロクロミック材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子などが挙げられる。
前記無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリル、トリアリールアミン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリル、トリアリールアミン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
前記エレクトロクロミック層としては、導電性又は半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることができる。
具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、前記微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。
前記構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答する。
更に、微粒子を用いることで透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。
なお、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、前記微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。
前記構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答する。
更に、微粒子を用いることで透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。
なお、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
前記エレクトロクロミック材料としては、具体的には、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、ジピリジン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリアリールアミン、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物などが挙げられる。
前記ビオロゲン系化合物としては、例えば、特許文献5、特許文献6に記載の化合物などが挙げられる。
前記ジピリジン系化合物としては、例えば、特許文献6、特許文献7に記載の化合物などが挙げられる。
これらの中でも、良好な発色の色値を示す点から、下記一般式1で表されるジピリジン系化合物が好ましい。
前記ジピリジン系化合物としては、例えば、特許文献6、特許文献7に記載の化合物などが挙げられる。
これらの中でも、良好な発色の色値を示す点から、下記一般式1で表されるジピリジン系化合物が好ましい。
[一般式1]
ただし、前記一般式1中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、又はアリール基を表し、R1及びR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)2、及びSi(OCkH2k+1)3(ただし、kは、1から20)から選ばれる置換基を有する。Xは1価のアニオンを表し、例えば、カチオン部と安定に対を成すものであれば特に限定されるものではないが、Brイオン(Br−)、Clイオン(Cl−)、ClO4イオン(ClO4 −)、PF6イオン(PF6 −)、BF4イオン(BF4 −)などが挙げられる。n、m、及びlは、0、1又は2を表す。A、B、及びCは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
前記トリアリールアミンを有する化合物としては、例えば、特許文献8の段落0096に記載の次の一般式2で表される、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物などが挙げられる。
[一般式2]
ただし、前記一般式1中、R27からR54は、いずれも一価有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、一価の有機基のうち少なくとも1つはラジカル重合性官能基である。
[一般式2]
前記一般式2における前記一価の基としては、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。
これらの中でも、安定動作及び光耐久性の点から、アルキル基、アルコキシル基、水素原子、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、アルケニル基、アルキニル基が特に好ましい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾールなどが挙げられる。前記置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(i)で表される官能基が挙げられる。
[一般式(i)]
ただし、前記一般式(i)中、X1は、置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R100)−基〔R100は、水素、アルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。〕、又は−S−基を表す。前記一般式(i)のアリーレン基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
[一般式(i)]
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。前記一般式(i)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(ii)で表される官能基が挙げられる。
[一般式(ii)]
ただし、前記一般式(ii)中、Yは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR101基〔R101は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はCONR102R103(R102及びR103は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)〕を表す。また、X2は、前記一般式(i)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びX2の少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、芳香族環である。
[一般式(ii)]
前記一般式(ii)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一般式(ii)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
前記一般式(ii)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。前記ラジカル重合性官能基の中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
金属錯体系、金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物などが挙げられる。
導電性又は半導体性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。
前記金属酸化物の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンから選ばれる1種又はそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。
また、導電性又は半導体性微粒子の形状は、特に制限されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下、比表面積という)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比が優れる。
導電性又は半導体性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。
前記金属酸化物の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンから選ばれる1種又はそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。
また、導電性又は半導体性微粒子の形状は、特に制限されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下、比表面積という)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比が優れる。
前記エレクトロクロミック層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm以上5.0μm以下が好ましい。前記エレクトロクロミック層の平均厚みが0.2μm未満であると、発色濃度が得にくくなることがあり、5.0μmを超えると、製造コストが増大すると共に、発色によって視認性が低下しやすいことがある。
前記エレクトロクロミック層及び導電性又は半導体性微粒子層は真空製膜により形成することも可能であるが、生産性の点で塗布形成することが好ましい。
前記エレクトロクロミック層及び導電性又は半導体性微粒子層は真空製膜により形成することも可能であるが、生産性の点で塗布形成することが好ましい。
<<劣化防止層>>
劣化防止層の役割は、エレクトロクロミック層と逆反応をし、電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することである。 なお、逆反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む。
劣化防止層の役割は、エレクトロクロミック層と逆反応をし、電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することである。 なお、逆反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む。
劣化防止層の材料は、電極の不可逆的な酸化還元反応による腐食を防止する役割を担う材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 劣化防止層の材料としては、例えば、酸化アンチモン錫や酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、またはそれらを複数含む導電性または半導体性金属酸化物を用いることができる。 劣化防止層は、電解質の注入を阻害しない程度の多孔質薄膜から構成することができる。 例えば、酸化アンチモン錫や酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫などの導電性または半導体性金属酸化物微粒子を、例えば、アクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系などのバインダにより第二の電極に固定化することで、電解質の浸透性と、劣化防止層としての機能を満たす、好適な多孔質薄膜を得ることができる。
<<電解質>>
前記電解質は、前記第一の電極と前記第二の電極との間に充填されている。
前記電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩、酸類、アルカリ類等の支持塩などが挙げられ、具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO4、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質は、前記第一の電極と前記第二の電極との間に充填されている。
前記電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩、酸類、アルカリ類等の支持塩などが挙げられ、具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO4、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の材料としては、イオン液体を用いることもできる。これらの中でも、有機のイオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため、用いることが好ましい。
前記室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造としては、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩などが挙げられる。アニオン成分としては、大気中での安定性の点から、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF4 −、CF3SO3 −、PF4 −、(CF3SO2)2N−などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン液体を用いることが好ましい。
前記電解質の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン液体を用いることが好ましい。
前記イオン液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させた溶液を光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかと混合して用いればよい。
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質としては、低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型などの様々な形態をとることができる。前記電解質は、ゲル状、固体状に形成することが、素子強度向上、信頼性向上などの点から有利である。
固体化手法としては、高いイオン伝導度と固体強度とが得られる点から、電解質と溶媒とをポリマー中に保持することが好ましい。
前記ポリマーとしては、熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できる点から、光硬化可能な樹脂が好ましい。
前記電解質を含む電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100nm以上100μm以下が好ましい。
固体化手法としては、高いイオン伝導度と固体強度とが得られる点から、電解質と溶媒とをポリマー中に保持することが好ましい。
前記ポリマーとしては、熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できる点から、光硬化可能な樹脂が好ましい。
前記電解質を含む電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100nm以上100μm以下が好ましい。
<<その他の層>>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性無機粒子層、保護層などが挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性無機粒子層、保護層などが挙げられる。
<<絶縁性無機粒子層>>
前記絶縁性無機粒子層は、前記第一の電極層と前記第二の電極層とが電気的に絶縁されるように隔離するための層である。前記絶縁性無機粒子層の材料としては、特に限定されるものではないが、絶縁性が高く、耐久性が高く、成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はこれらの複合体が好ましい。前記絶縁性無機粒子層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等に添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、金属酸化物微粒子(例えば、SiO2粒子、Al2O3粒子等)と樹脂結着剤からなる樹脂混合粒子膜、多孔性有機膜(例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
前記絶縁性無機粒子層は、前記第一の電極層と前記第二の電極層とが電気的に絶縁されるように隔離するための層である。前記絶縁性無機粒子層の材料としては、特に限定されるものではないが、絶縁性が高く、耐久性が高く、成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はこれらの複合体が好ましい。前記絶縁性無機粒子層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等に添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、金属酸化物微粒子(例えば、SiO2粒子、Al2O3粒子等)と樹脂結着剤からなる樹脂混合粒子膜、多孔性有機膜(例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
<<保護層>>
前記保護層は、前記エレクトロクロミック素子の側面部を物理的及び化学的に保護するように形成される。
前記保護層は、例えば、紫外線硬化性や熱硬化性の絶縁性樹脂等を、側面及び上面の少なくともいずれかを覆うように塗布し、その後硬化させることにより形成できる。また、硬化樹脂と無機材料との積層保護層とすることが更に好ましい。無機材料との積層構造にすることで、酸素や水に対するバリア性が向上する。
前記保護層は、前記エレクトロクロミック素子の側面部を物理的及び化学的に保護するように形成される。
前記保護層は、例えば、紫外線硬化性や熱硬化性の絶縁性樹脂等を、側面及び上面の少なくともいずれかを覆うように塗布し、その後硬化させることにより形成できる。また、硬化樹脂と無機材料との積層保護層とすることが更に好ましい。無機材料との積層構造にすることで、酸素や水に対するバリア性が向上する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−前記Aタイプ用のエレクトロクロミック材料例−
前記Aタイプの色覚矯正スペクトル特性曲線を得るためのエレクトロクロミック化合物としては、特許文献3の段落0039に記載の次の構造式の「例示化合物1」が好適であった。
−前記Aタイプ用のエレクトロクロミック材料例−
前記Aタイプの色覚矯正スペクトル特性曲線を得るためのエレクトロクロミック化合物としては、特許文献3の段落0039に記載の次の構造式の「例示化合物1」が好適であった。
−中間体1−1の合成−
窒素置換したフラスコに、フェノキサジン(18.3g、100mmol)、1−ブロモ−4−(3−クロロプロピル)ベンゼン(23.4g、100mmol)、酢酸パラジウム(225mg、1.0mmol)、t−ブトキシナトリウム(14.4g、150mmol)、及びo−キシレン(420mL)を入れ、アルゴンガスで溶液をバブリングした後、テトラキストリ−t−ブチルホスフィン(624mg、3.08mmol)を加え、115℃で2時間加熱撹拌を行った。反応溶液を室温に戻し、セライト濾過を行った。次に、分離した有機相を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固定相:中性シリカゲル、移動相:ヘキサン/トルエン)で精製を行い、淡黄色油状物として、下記構造式で示される中間体1−1を得た(収量30.2g、収率90質量%)。
窒素置換したフラスコに、フェノキサジン(18.3g、100mmol)、1−ブロモ−4−(3−クロロプロピル)ベンゼン(23.4g、100mmol)、酢酸パラジウム(225mg、1.0mmol)、t−ブトキシナトリウム(14.4g、150mmol)、及びo−キシレン(420mL)を入れ、アルゴンガスで溶液をバブリングした後、テトラキストリ−t−ブチルホスフィン(624mg、3.08mmol)を加え、115℃で2時間加熱撹拌を行った。反応溶液を室温に戻し、セライト濾過を行った。次に、分離した有機相を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固定相:中性シリカゲル、移動相:ヘキサン/トルエン)で精製を行い、淡黄色油状物として、下記構造式で示される中間体1−1を得た(収量30.2g、収率90質量%)。
−エレクトロクロミック化合物1の合成−
窒素置換したフラスコに前記中間体1−1(10.0g、29.8mmol)、アクリル酸(4.29g、59.6mmol)、炭酸カリウム(6.21g、45.0mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、32mL)を入れ、80℃で20時間加熱撹拌を行った。溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチルと水を加えて、有機相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水、続けて飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別し、濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固定相:中性シリカゲル、移動相:ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、白色固体として、エレクトロクロミック化合物1を得た(収量10.6g、収率96質量%)。
前記エレクトロクロミック化合物1のMSスペクトル(ESI)をWaters社製(米国)、装置名:LCTPremier、測定モード:ESI、ASAPプローブにより測定したところ、理論値371.15、実測値371.2であり、化3の構造式で示されるエレクトロクロミック化合物1であることが確認された。
窒素置換したフラスコに前記中間体1−1(10.0g、29.8mmol)、アクリル酸(4.29g、59.6mmol)、炭酸カリウム(6.21g、45.0mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、32mL)を入れ、80℃で20時間加熱撹拌を行った。溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチルと水を加えて、有機相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水、続けて飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別し、濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(固定相:中性シリカゲル、移動相:ヘキサン/酢酸エチル)で精製を行い、白色固体として、エレクトロクロミック化合物1を得た(収量10.6g、収率96質量%)。
前記エレクトロクロミック化合物1のMSスペクトル(ESI)をWaters社製(米国)、装置名:LCTPremier、測定モード:ESI、ASAPプローブにより測定したところ、理論値371.15、実測値371.2であり、化3の構造式で示されるエレクトロクロミック化合物1であることが確認された。
<エレクトロクロミック素子の作製>
−第一の基板の作製−
第一の基板として、長軸長さ80mm、短軸長さ55mm、平均厚み0.5mmの楕円形状のポリカーボネイト基板を作製した。
−第一の基板の作製−
第一の基板として、長軸長さ80mm、短軸長さ55mm、平均厚み0.5mmの楕円形状のポリカーボネイト基板を作製した。
−第一の電極層の形成−
前記第一の基板上に、第一の電極層としてスパッタ法により平均厚み100nmのITO膜を形成した。
前記第一の基板上に、第一の電極層としてスパッタ法により平均厚み100nmのITO膜を形成した。
−第一の電極層上への第一のエレクトロクロミック層の形成−
第一の電極層上に第一のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物を調製した。エレクトロクロミック化合物1と、AME400(日油株式会社製)と、KAYAMER PM−21(日本化薬株式会社製)と、IRGACURE819(BASFジャパン株式会社製)と、シクロヘキサノン(東京化成工業社製)を12:7.5:0.5:0.08:55(質量比)で混合し、エレクトロクロミック組成物を調製した。
得られたエレクトロクロミック組成物を、第一の電極に塗布し、得られた塗布膜をUV照射装置(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE)によりUV照射し、平均厚み500μmの第一のエレクトロクロミック層を形成した。
第一の電極層上に第一のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物を調製した。エレクトロクロミック化合物1と、AME400(日油株式会社製)と、KAYAMER PM−21(日本化薬株式会社製)と、IRGACURE819(BASFジャパン株式会社製)と、シクロヘキサノン(東京化成工業社製)を12:7.5:0.5:0.08:55(質量比)で混合し、エレクトロクロミック組成物を調製した。
得られたエレクトロクロミック組成物を、第一の電極に塗布し、得られた塗布膜をUV照射装置(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE)によりUV照射し、平均厚み500μmの第一のエレクトロクロミック層を形成した。
−第二の基板の作製−
第二の基板として、前記第一の基板と同様のポリカーボネイト基板を作製した。
第二の基板として、前記第一の基板と同様のポリカーボネイト基板を作製した。
−第二の電極層の形成−
前記第二の基板上に、第二の電極層としてスパッタ法により平均厚み100nmのITO膜を形成した。
−第二の電極層上への劣化防止層の形成−
第二の電極層上に、劣化防止層として酸化スズを有する塗布膜を形成した。塗布膜は以下のように作製した。
酸化スズゾル溶液(日産化学工業社製、セルナックスCX−S510M):5.50g、エチルセルロース(10cp、10wt%、エタノール溶液):1.00g、Tin(IV) tetra(t−butoxide):0.50g、テルピネオール:9.05gを混合し、超音波ホモジナイザーで2分処理後、エバポレーターで揮発成分を除去して目的のペーストを得た。 このペーストをスクリーン印刷機で膜厚3.5μmに塗布し、温風乾燥(120℃・5分)した。
前記第二の基板上に、第二の電極層としてスパッタ法により平均厚み100nmのITO膜を形成した。
−第二の電極層上への劣化防止層の形成−
第二の電極層上に、劣化防止層として酸化スズを有する塗布膜を形成した。塗布膜は以下のように作製した。
酸化スズゾル溶液(日産化学工業社製、セルナックスCX−S510M):5.50g、エチルセルロース(10cp、10wt%、エタノール溶液):1.00g、Tin(IV) tetra(t−butoxide):0.50g、テルピネオール:9.05gを混合し、超音波ホモジナイザーで2分処理後、エバポレーターで揮発成分を除去して目的のペーストを得た。 このペーストをスクリーン印刷機で膜厚3.5μmに塗布し、温風乾燥(120℃・5分)した。
−電解質の形成−
IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製)と、AME400(日油株式会社製)と、ADE400A(日油株式会社製)と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学社製)を0.1:10:10:50(質量比)で混合し、電解質溶液を調整した。得られた電解質溶液を、前記エレクトロクロミック層と電荷保持層の間に充填した後、紫外線照射により硬化させて貼り合せて、エレクトロクロミック素子を作製した。
IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製)と、AME400(日油株式会社製)と、ADE400A(日油株式会社製)と、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学社製)を0.1:10:10:50(質量比)で混合し、電解質溶液を調整した。得られた電解質溶液を、前記エレクトロクロミック層と電荷保持層の間に充填した後、紫外線照射により硬化させて貼り合せて、エレクトロクロミック素子を作製した。
−保護層の形成−
前記絶縁性無機粒子層と前記第二の電極層とを貼り合せたものの側面に、紫外線硬化接着剤(KAYARADR−604、日本化薬株式会社製)を滴下し、紫外光照射により硬化させて、平均厚み3μmの保護層を形成した。
以上により、熱成形前のエレクトロクロミック素子を2つ作製した。
前記絶縁性無機粒子層と前記第二の電極層とを貼り合せたものの側面に、紫外線硬化接着剤(KAYARADR−604、日本化薬株式会社製)を滴下し、紫外光照射により硬化させて、平均厚み3μmの保護層を形成した。
以上により、熱成形前のエレクトロクロミック素子を2つ作製した。
−色覚補正装置の作製−
−エレクトロクロミック素子の曲げ加工−
金型温度145℃で90秒間加圧して曲率半径を130mmとする曲げ加工を行った。
−エレクトロクロミック素子の曲げ加工−
金型温度145℃で90秒間加圧して曲率半径を130mmとする曲げ加工を行った。
−エレクトロクロミック素子の厚膜化−
曲げ加工した前記エレクトロクロミック素子の凸面側を、射出成形用の凹面金型の中央にセットした後、前記凹面金型と対となる凸面金型を前記凹面金型に重ね合わせ、曲率半径90mmの曲面を有する金型として射出成形機の中にセットした。前記射出成形機により前記金型に前記エレクトロクロミック素子にポリカーボネイト樹脂を射出成形し、2つの前記エレクトロクロミック素子を厚膜化させた。
曲げ加工した前記エレクトロクロミック素子の凸面側を、射出成形用の凹面金型の中央にセットした後、前記凹面金型と対となる凸面金型を前記凹面金型に重ね合わせ、曲率半径90mmの曲面を有する金型として射出成形機の中にセットした。前記射出成形機により前記金型に前記エレクトロクロミック素子にポリカーボネイト樹脂を射出成形し、2つの前記エレクトロクロミック素子を厚膜化させた。
−エレクトロクロミック素子の外形加工−
2つの厚膜化させた前記エレクトロクロミック素子を、色覚補正眼鏡のフレームにおけるリムの形状に収まるように玉型加工し、前記エレクトロクロミック素子の長軸方向における両側に幅3mm、長さ5mmの突起部をそれぞれ形成した。
2つの厚膜化させた前記エレクトロクロミック素子を、色覚補正眼鏡のフレームにおけるリムの形状に収まるように玉型加工し、前記エレクトロクロミック素子の長軸方向における両側に幅3mm、長さ5mmの突起部をそれぞれ形成した。
−エレクトロクロミック素子における電極パッドの形成−
2つの前記エレクトロクロミック素子における各々の前記突起部に導電性接着剤としての銀ペースト(ドータイト、藤倉化成株式会社製)を筆又は楊枝を用いて塗布し、この上から銅箔を巻いて60℃で15分間硬化させることによって、前記玉型加工により前記保護層が削られて露出した前記第一の電極層又は前記第二の電極層の端部と、前記銅箔とを前記銀ペーストにより電気的に接続させて電極パッドを形成した。
2つの前記エレクトロクロミック素子における各々の前記突起部に導電性接着剤としての銀ペースト(ドータイト、藤倉化成株式会社製)を筆又は楊枝を用いて塗布し、この上から銅箔を巻いて60℃で15分間硬化させることによって、前記玉型加工により前記保護層が削られて露出した前記第一の電極層又は前記第二の電極層の端部と、前記銅箔とを前記銀ペーストにより電気的に接続させて電極パッドを形成した。
−色覚補正眼鏡の作製−
次に、第一の光量計測部、第二の光量計測部、スイッチ、電源、及び制御手段が搭載されたフレームのリムに前記エレクトロクロミック素子をそれぞれ装着し、前記電極パッドとフレームに配置されている接続部材と電気的に接続させて、色覚補正装置としての色覚補正眼鏡100を作製した。
次に、第一の光量計測部、第二の光量計測部、スイッチ、電源、及び制御手段が搭載されたフレームのリムに前記エレクトロクロミック素子をそれぞれ装着し、前記電極パッドとフレームに配置されている接続部材と電気的に接続させて、色覚補正装置としての色覚補正眼鏡100を作製した。
<発色駆動>
作製した色覚補正装置としてのエレクトロクロミック素子の発色を確認した。即ち、第一の電極と第二の電極との間に電圧印加を行い、同時に透過率変化を測定した(図10)。図10は測定結果のグラフである。0Vでは透明な消色状態であるが、電圧を上げるに従って545nmを中心に透過率が減少し、発色状態が得られた。
作製した色覚補正装置としてのエレクトロクロミック素子の発色を確認した。即ち、第一の電極と第二の電極との間に電圧印加を行い、同時に透過率変化を測定した(図10)。図10は測定結果のグラフである。0Vでは透明な消色状態であるが、電圧を上げるに従って545nmを中心に透過率が減少し、発色状態が得られた。
−遮光眼鏡の作製−
次に、第一の光量計測部、第二の光量計測部、スイッチ、電源、及び制御手段が搭載されたフレームのリムに前記エレクトロクロミック素子をそれぞれ装着し、前記電極パッドとフレームに配置されている接続部材と電気的に接続させて、医療用遮光装置としての遮光眼鏡を作製した。エレクトロクロミック材料は特許文献8の段落0186に記載の次の構造式で表される、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を用いた。
次に、第一の光量計測部、第二の光量計測部、スイッチ、電源、及び制御手段が搭載されたフレームのリムに前記エレクトロクロミック素子をそれぞれ装着し、前記電極パッドとフレームに配置されている接続部材と電気的に接続させて、医療用遮光装置としての遮光眼鏡を作製した。エレクトロクロミック材料は特許文献8の段落0186に記載の次の構造式で表される、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を用いた。
11 :第一の眼鏡レンズ
12 :第二の眼鏡レンズ
30 :制御手段
31 :メモリ
31a :領域
32 :電圧印加部
33 :演算部
40 :電源
50 :フレーム
60 :照度計
61 :スイッチ
62 :通信手段
70 :パーソナルコンピュータ
71 :ファイル
72 :CPU
73 :通信手段
74 :表示部
A :発色期間
B :保持期間
C :消色期間
12 :第二の眼鏡レンズ
30 :制御手段
31 :メモリ
31a :領域
32 :電圧印加部
33 :演算部
40 :電源
50 :フレーム
60 :照度計
61 :スイッチ
62 :通信手段
70 :パーソナルコンピュータ
71 :ファイル
72 :CPU
73 :通信手段
74 :表示部
A :発色期間
B :保持期間
C :消色期間
Claims (15)
- 視機能あるいは視知覚能力を補助するスペクトルを備える光学素子であって、
透明状態と着色状態とで状態切り替え可能なエレクトロクロミック材料を有し、
前記着色状態での透過型の視認にあたり、前記スペクトルを備えることを特徴とする光学素子。 - 前記スペクトルは視機能のうちの色覚を補助できるものである請求項1の光学素子。
- 前記スペクトルは色弱者の網膜の3種の錐状体視細胞の刺激値比例を変換できる色覚矯正スペクトル特性曲線を備える請求項2の光学素子。
- 前記スペクトルは視機能のうちの羞明を低減できるものである請求項1の光学素子。
- 前記スペクトルはアーレンシンドローム用のものである請求項1の光学素子。
- 前記エレクトロクロミック材料が透明状態における前記光学素子のCIE19322度標準観測者によるCIE標準発光体D65の重み付き明順応透過率として定義される視感透過率が70%より大きい請求項1乃至5の何れか一の光学素子。
- 前記着色状態で光学素子の面内において着色濃度の勾配がある請求項1乃至6の何れか一の光学素子。
- 前記エレクトロクロミック材料の透明状態と着色状態を電気的に制御する制御部が接続されている請求項1乃至7の何れか一の光学素子。
- 前記制御部は有線通信もしくは無線通信を介した入力装置によって濃度の指示を受け取り、濃度を調整できることを特徴とする請求項8の光学素子。
- 前記制御部はメモリ機能を有し、着色状態における濃度を制御できる請求項8又は9の光学素子。
- 前記制御部は、有線通信もしくは無線通信を介して接続される外部記憶装置に記録された濃度情報に基づいて着色状態における濃度を制御できる請求項8乃至10の何れか一の光学素子。
- 前記制御部は、環境光検出器で検出した結果に基づいて着色状態における濃度を制御できる請求項8乃至11の何れか一の光学素子。
- 前記制御部は、制御部に接続された電源の電池残量を計測する手段を備え、電池残量が少ない時に使用者に警告を示し、自動的に濃度を消色状態に調整する機能を有することを特徴とする請求項8乃至12の何れか一の光学素子。
- 請求項1乃至13の何れか一の光学素子をレンズ部として組み込んだ眼鏡。
- 左右のレンズ部にそれぞれ請求項8乃至13の何れか一の光学素子を組み込み、互いに独立して前記制御部により制御可能である眼鏡。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114047642A (zh) * | 2021-10-25 | 2022-02-15 | 江苏视科新材料股份有限公司 | 一种红色色盲矫正镜片及其制备方法 |
WO2022244719A1 (ja) | 2021-05-17 | 2022-11-24 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | エレクトロクロミック素子、及び、眼鏡用レンズ |
-
2020
- 2020-06-24 JP JP2020108764A patent/JP2021009368A/ja not_active Withdrawn
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