JP2021009004A - 移動式保冷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーファーコンテナのような移動式の保冷装置において、保存している生鮮食品の過冷却状態が急激に解除されて凍結するのを抑制する。【解決手段】過冷却が解除されない条件である第1条件を満たすと、コンテナ(5)の庫内の設定温度を生鮮食品(6)が過冷却される温度に設定し、第1条件を外れることが予測される第2条件を満たすと、設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くするか、及び/または第1条件を外れることを警告する。【選択図】図3A

Description

本開示は、移動式保冷装置に関するものである。
生鮮食品などの品物を収容し、過冷却状態にして保管する保冷庫(保管庫)が知られている(例えば、特許文献1参照)。品物を、凍結点より低温でも凍結しない過冷却状態で保管すると、鮮度保持や菌増殖抑制ができるためである。この保冷庫では、庫内に電場を形成し、食品などを過冷却状態にして鮮度を保つようにしている。
特許第5682037号公報
保冷庫を一旦は過冷却状態にしても、その過冷却状態は、外部からの刺激を受けると崩れやすい。過冷却状態が崩れると、食品などの品物が凍結してしまう。そのため、コンテナなどの移動式の保冷庫(保冷装置)では、急激な振動などが原因となって品物が凍結するおそれがある。
本開示の目的は、移動式の保冷装置において、過冷却状態が急激に解除されて品物が凍結するのを抑制することである。
本開示の第1の態様は、
移動式保冷装置を前提とし、
品物(6)を収容する移動式の保冷庫(5)と、
上記保冷庫(5)の庫内空間の温度を調整する冷凍機(10)と、
上記品物(6)が過冷却状態であるか否かを検出する検出部(35)と、
上記検出部(35)から品物(6)の状態を受けて冷凍機(10)の運転を制御する制御部(16)と、を備え、
上記制御部(16)は、
第1条件が満たされると、上記保冷庫(5)の庫内の設定温度を上記品物(6)が過冷却される温度に設定し、
上記第1条件を外れることが予測される第2条件を満たすと、上記設定温度を上記品物(6)の凍結温度よりも高くする、及び/または上記第1条件を外れることを警告する
ことを特徴とする。
第1の態様では、例えば生鮮食品などの品物(6)を輸送する場合に、例えば周囲の状況によって過冷却状態が解除されない条件である第1条件が満たされていると判断されると、保冷庫(5)の庫内の温度が凍結点より低い温度に設定され、品物(6)が過冷却状態で保存される。第1条件を外れる第2条件が満たされると、設定温度を上げて過冷却状態が解除される制御が行われるか、第1条件を外れることが外部に警告されるか、あるいはその両方が行われる。したがって、第2条件が満たされたときには、品物(6)を過冷却状態にする低い温度に設定されたままになるのが防がれて、品物(6)が凍結するのを抑制できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
上記制御部(16)は、上記品物(6)の状態を外部へ報知可能であり、
上記第2条件が満たされて上記設定温度を上記品物(6)の凍結温度よりも高くする温度制御を行い、その後に上記品物(6)の温度が凍結温度よりも高くなる第3条件が満たされると、第3条件が満たされたことを報知する
ことを特徴とする。
第2の態様では、第2条件が満たされた後の温度制御により、品物(6)の温度が実際に凍結温度よりも高くなると、そのことが外部に報知される。したがって、品物(6)が過冷却状態でないことを移動式保冷装置の外部で認識できる。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、
上記第1条件は、上記保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする。
第3の態様では、保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報などから、第1条件が満たされるかどうかが判断される。
本開示の第4の態様は、第1から第3の態様の何れか1つにおいて、
上記第2条件は、上記保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする。
第4の態様では、保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報などから、品物(6)の過冷却状態が解除されると予想されるかどうかが判断される。
本開示の第5の態様は、第1から第4の態様の何れか1つにおいて、
さらに、上記保冷庫(5)の庫内空間に電場を形成する電極を有する電場形成装置(30)を備えている
ことを特徴とする。
第5の態様では、電場形成装置(30)により保冷庫(5)の庫内で電場を形成することにより、品物(6)を過冷却状態で保存できる。
図1は、実施形態に係るリーファーコンテナの断面図である。 図2は、コンテナ用冷凍装置を示す斜視図出る。 図3Aは、コンテナを長手方向と直交する平面で切断した断面図(図3BのA−A線断面図)である。 図3Bは、図3AのB−B線断面図である。 図3Cは、図3AのC−C線断面図である。 図4は、過冷却制御によるコンテナの庫内温度の変化を示すタイムチャートである。
実施形態について説明する。
この実施形態は、本開示の移動式保冷装置を、電場形成装置が設けられたリーファーコンテナ(1)に適用した例である。リーファーコンテナ(1)は、生鮮食品などの品物を収容する移動式の保冷庫であるコンテナ(5)と、コンテナ(5)の庫内空間の温度を調整する冷凍機であるコンテナ用冷凍装置(10)と、上記電場形成装置(30)とを有する。電場形成装置(30)は、生鮮食品を過冷却状態で保存するために設けられている。生鮮食品を過冷却状態にするのは、より低温で保存するほど鮮度を保持でき、菌の増殖を抑制できるためである。
図1は、コンテナ用冷凍装置(10)及びコンテナ(5)の縦断面概略図、図2は、図1のコンテナ用冷凍装置(10)を外側から見た概略斜視図である。コンテナ用冷凍装置(10)は、陸上輸送や海上輸送等に用いられるコンテナ(5)の庫内を冷却するものである。上記コンテナ用冷凍装置(10)は、圧縮機(20)と放熱器(21)と膨張弁(図示せず)と蒸発器(23)とを有して冷凍サイクル動作を行う冷媒回路(図示せず)を備えている。コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ(5)の端部に装着される。
上記コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(11)と、ケーシング(11)の背面(庫内側)に設けられる仕切り板(14)とを備えている。ケーシング(11)の下部には、庫内側に膨出した膨出部(12)が形成されている。上記膨出部(12)の内部空間(庫外側の空間)が庫外収納空間(S1)として構成され、上記ケーシング(11)の背面の上部に、膨出部(12)の上方に位置する庫内収納空間(S2)が形成されている。
上記庫外収納空間(S1)には、圧縮機(20)、放熱器(21)、庫外ファン(25)、電装品箱(15)及びコントローラ(16)が収納されている。庫外ファン(25)は、放熱器(21)を通過する空気流れを形成する。放熱器(21)は庫外ファン(25)の下方に配置されている。圧縮機(20)は、冷媒を放熱器(21)へ送り出す。コントローラ(16)は、コンテナ用冷凍装置の運転を制御する。庫外収納空間(S1)の上記の機器配置は一例であり、必要に応じて変更可能である。
庫内収納空間(S2)には、蒸発器(23)及び庫内ファン(26)が取り付けられている。庫内ファン(26)は蒸発器(23)へ庫内空気を供給し、蒸発器(23)は伝熱管を流れる冷媒が庫内空気から熱を奪って庫内空気を冷却する。上記膨出部(12)と仕切り板(14)との間は、庫内空気が流れる庫内空気流路(S3)になっている。該庫内空気流路(S3)の上端は、庫内収納空間(S2)に連通する一方、下端が庫内に連通している。
図3Aは、コンテナ(5)を長手方向と直交する平面で切断した断面図(図3BのA−A線断面図)、図3Bは図3AのB−B線断面図、図3Cは図3AのC−C線断面図である。図3Aに示すように、リーファーコンテナ(1)は、積み込まれた品物である生鮮食品(6)が過冷却状態であるかどうかを検出する過冷却センサ(35)を備えている。過冷却センサ(35)は本開示の検出部である。
上記電場形成装置(30)は、生鮮食品を過冷却状態にするために設けられており、コンテナ(5)の庫内空間に電場を形成する複数の電極(31,32)を有する。図3A,図3B,図3Cに示すように、電極(31,32)は、コンテナ(5)の左右の壁面に同数(本実施形態では6ずつ)設けられ、図3Aの右側の壁面の電極(31)と左側の壁面の電極(32)とが互いに対向するように配置されている。各電極(31,32)には、交流電源(33a,33b)が接続され、所定の電圧が印加される。そして、コンテナ(5)の左右の壁面で対向する各電極(31,32)間で電場が形成される。このことにより、生鮮食品を過冷却状態で保存できる。
コントローラ(16)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを含む。コントローラ(16)は、運転指令やセンサの検出信号に基づいて、リーファーコンテナ(1)の各機器を制御する。
例えば、コントローラ(16)は、過冷却センサ(35)から生鮮食品(6)の状態が入力されると、その状態に応じてコンテナ用冷凍装置(10)の運転を制御する。また、コントローラ(16)は、生鮮食品の過冷却の状況に応じて、外部への警告表示や音での警告報知を行えるように構成されている。このように、コントローラ(16)は、本開示の制御部を構成している。
コントローラ(16)は、生鮮食品(6)が予め定められた後述の第1条件(例えば周囲の状況によって過冷却が解除されない条件)を満たすと、コンテナ(5)の庫内の設定温度を、生鮮食品(6)が過冷却状態になる温度に設定する。一方、コントローラ(16)は、第1条件を外れることが予測される後述の第2条件を満たすと、庫内の設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くするか、第1条件を外れることを警告するか、その両方を行う。
コントローラ(16)は、さらに、生鮮食品(6)の状態を外部へ報知可能に構成されている。コントローラ(16)は、上記第2条件が満たされて上記設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くする温度制御を行い、その後に生鮮食品(6)の温度が凍結温度よりも実際に高くなる(第3条件が満たされる)と、第3条件が満たされたことを外部へ報知する。このことにより、生鮮食品(6)の保存状態が過冷却状態でないことを、外部で認識できる。
ここで、第1条件は、例えば周囲の状況などによって過冷却状態が解除されない条件である。言い換えると、第1条件は、生鮮食品(6)が過冷却された状態がそのまま維持される条件、または生鮮食品(6)が過冷却されていない状態から過冷却状態に変化したときにその過冷却状態が保たされる条件である。この条件は、過冷却状態が外部からの刺激によって崩れやすいため、そのときの保存状況が、生鮮食品(6)を過冷却状態に保持できる状況であるかどうかを判別するために定められる。第1条件は、コンテナ(5)の振動情報、外気などの温度情報、輸送状況などの移動情報、及びコンテナ(5)の位置情報の少なくとも1つを含む。
具体的には、図示していないが、コンテナ(5)にGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)、振動計、タイマー(出荷プログラムなど)、電源ON/OFF検知センサなどを装着し、コンテナ(5)の位置、振動(揺れ)、輸送計画、電源の変更(定置からの輸送のきっかけ)、気象情報などが第1条件として判断される。そして、コンテナ(5)を輸送していない状態や、輸送中でもコンテナ(5)が海上にあって過冷却が崩れないほどに刺激(揺れ)が小さい場合には、保管設定温度を凍結点以下に下げ、生鮮食品(6)が過冷却される温度に設定する。
以上のように過冷却を保持する第1条件として、より具体的には以下の事項が挙げられる。
a)コンテナ(5)の振動がない、もしくは小さい、または振動の周期が大きい、もしくは加速度が小さい。
b)外気などの環境温度の変化がない、または小さい。
c)出荷、出港などコンテナ(5)を移動させる計画が所定時間内にない。
d)GPSの位置情報により、外洋に出ても波の影響が少ないと判断される。
e)天候情報により、風速が遅い、波の高さが低い(波浪注意報や警報が発令されていない)、天候が穏やかで海洋での大きな揺れが予想されない。
f)地震の影響などがなく、津波のおそれがないと予想される。
第2条件は、第1条件を外れることが予測される条件である。この条件は、生鮮食品(6)の過冷却状態が崩れると予測されるときに、コンテナ用冷凍装置(10)の制御を変更するために定められる。第2条件は、コンテナ(5)の振動情報、外気などの温度情報、輸送状況などの移動情報、コンテナ(5)の位置情報、及び台風などの天候情報の少なくとも1つを含む。
具体的には、出荷プログラムや電源のON/OFFにより輸送が始まる前や、陸上輸送など振動が大きな場合は、凍結点より設定温度を上げ、生鮮食品(6)の凍結を抑制する制御が行われる。
以上のように第1条件を外れることが予測される第2条件として、より具体的には以下の事項が挙げられる。
a)コンテナ(5)の振動の振幅が大きい、周期が短い、または加速度が大きい。
b)外気などの環境温度の変化が大きい。
c)コンテナ(5)を所定時間内に移動させる計画がある。
d)GPSの位置情報により、港湾の近傍、大陸棚上など、波の影響が大きい場所を航海していると判断される。
e)天候情報により、風速が速い、波の高さが高い(波浪注意報や警報が発令されている)、台風が近いなど、海洋での大きな揺れが予想される。
f)地震情報により、津波のおそれがあると予想される。
そして、第1条件が全て満たされていて、生鮮食品(6)に大きな振動や温度変化などの外部からの刺激が加わらないと判断されるときは、コンテナ(5)の庫内の設定温度が、生鮮食品(6)が過冷却状態になる温度に設定される。一方、第2条件が一つでも満たされると、外部からの刺激が加わると予想されるため、庫内の設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くするか、過冷却状態が解除されるおそれがあることを外部に警告するか、その両方が行われる。
さらに、第2条件の何れか一つが満たされて、庫内の設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くする温度制御が行われた結果、生鮮食品(6)の温度が凍結温度よりも高くなる第3条件が満たされた場合は、実際に第3条件が満たされたことを外部に報知する。第3条件は、第2条件と同様に、コンテナ(5)の振動情報、外気などの温度情報、輸送状況などの移動情報、コンテナ(5)の位置情報、及び台風などの天候情報の少なくとも1つを含む。そして、第2条件で列挙したa〜fの条件が実際に満たされたときには、それらが第3条件として制御に用いられる。
−運転動作−
〈冷凍装置の運転動作〉
コンテナ用冷凍装置(10)では、圧縮機(20)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)を起動することによって、運転が開始される。コンテナ用冷凍装置(10)の冷媒回路では、圧縮機(20)の吐出冷媒が放熱器(21)へ送られる。この放熱器(21)では、内部を流通する冷媒が庫外ファン(25)によって送られてくる庫外空気と熱交換する。その結果、冷媒が庫外空気に放熱する。
放熱器(21)で放熱した冷媒は、膨張弁で減圧された後、蒸発器(23)へ送られる。この蒸発器(23)では、内部を流通する冷媒が庫内ファン(26)によって送られてくる庫内空気と熱交換する。その結果、冷媒は庫内空気から吸熱して蒸発し、庫内空気が冷却される。庫内空気は、図1に示すように、仕切板(14)の上側から庫内収納空間(S2)に流入して蒸発器(23)を通過する。庫内空気は、蒸発器(23)で冷却された後に仕切板(14)の下側から庫内へ戻っていく。蒸発器(23)で蒸発した冷媒は、圧縮機(20)に吸入されて再び圧縮される。
〈過冷却制御〉
次に、図4のタイムチャートを用いて、食品工場で保管された生鮮食品(6)が陸上輸送や海上輸送を経て目的地へ送られる際の過冷却制御を説明する。
生鮮食品(6)は、時間aから時間bまでは食品工場において定置保管される。この状態では生鮮食品(6)に外部からの刺激(振動や温度変化)は加わらないと判断される。そのため、生鮮食品(6)は凍結点の温度Tよりも低い第1温度T1で保管される。このとき、生鮮食品(6)は過冷却状態になり、その状態が維持される。
例えば出荷プログラム(出荷計画)に基づいて、時間bになると、生鮮食品(6)が車両により陸上輸送されるとする。出荷のx時間前の時間b1になると、陸上輸送中に外部からの刺激が生鮮食品(6)に加わると予想されるため、タイマー設定などによって、保管温度(設定温度)が凍結温度Tよりもわずかに高い第2温度T2に変更される。このことにより、時間bの少し前に庫内が設定温度T2に達するように、庫内温度が徐々に上昇する。それに伴って生鮮食品(6)の温度も徐々に上昇する。その結果、庫内が温度T2になったときには、生鮮食品(6)の過冷却状態は解除された状態となる。
時間bになると生鮮食品(6)の陸上輸送が開始される。このとき、庫内温度は既に凍結温度Tよりも高い。そのため、陸上での輸送に伴う大きな振動が生じても、生鮮食品(6)が一気に凍結するのは抑制される。
陸上輸送は、生鮮食品(6)が港湾に到着する時間cになるまで行われる。時間cから、次に船舶による海上輸送が開始される時間dまでは、生鮮食品(6)は定置保管される。この状態では、生鮮食品(6)に外部からの刺激は加わらないと判断されるため、生鮮食品(6)は第1温度T1で保管され、過冷却状態になってその状態が維持される。
海上輸送の開始のx時間前の時間d1になると、輸送開始に伴う外部からの刺激が生鮮食品(6)に加わると予想される。そのため、タイマーにより、保管温度が第2温度T2に変更される。このことにより、時間dの少し前に庫内が設定温度T2に達するように、庫内温度が徐々に上昇する。それに伴って生鮮食品(6)の温度も徐々に上奏し、庫内が温度T2になったときには、生鮮食品(6)の過冷却状態は解除された状態となる。
時間dになると生鮮食品(6)の海上輸送が開始される。輸送開始から船舶が外洋に到達するまでは、生鮮食品(6)は、外部から刺激が与えられる可能性があるために温度T2で保存される。外洋に到達すると、時間d2において、庫内温度がT1まで冷やされ、生鮮食品(6)が過冷却状態で保存される。外洋に到達したら揺れがゆっくりとしたものになり、生鮮食品(6)への刺激が小さくなって、その程度の刺激では過冷却状態が崩れにくくなるためである。この過冷却状態での保存は、船舶が目的の港に接近する時間e1まで行われる。時間e1から目的港到着の時間eまでは陸地に近づくため、生鮮食品(6)へ外部からの刺激が加わるおそれがある。そこで、時間e1で設定温度を温度T2に上げ、庫内温度が徐々に上昇して到着時間eには庫内が温度T2になるように制御する。
目的の港に到着すると、次に時間fで軸上輸送が開始されるまでは、生鮮食品(6)は定置保管される。そのため、陸上輸送の開始のx時間前の時間f1までの間は、設定温度が温度T1に変更され、生鮮食品(6)が過冷却状態で保存される。時間f1から時間fまでは庫内温度がゆっくりと上昇し、時間fになったときには生鮮食品(6)の過冷却状態は解除されている。
時間fになると陸上輸送が開示される。陸上輸送の間は設定温度が温度T2であり、庫内温度が凍結温度よりも高い。そのため、陸上輸送に伴う振動が発生しても、生鮮食品(6)が急激に凍結することを抑えられる。目的の工場には時間gに到着する。時間gになると、生鮮食品(6)へ外部からの刺激は加わらないと判断されるため、設定温度がT1に変更され、生鮮食品(6)が過冷却状態で保存される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、生鮮食品(6)の保存状況が安定しているときには、庫内温度を凍結点温度よりも低くし、生鮮食品(6)に外部からの刺激が加わるおそれがあると保存温度を上げるようにしている。その理由は、生鮮食品(6)(食肉、魚肉など)は、より低温にして保管すると鮮度保持、菌増殖抑制の効果が高くなるから、まず第1に、保管温度を凍結点以下にして生鮮食品(6)を過冷却状態にするためである。第2の理由は、過冷却状態の生鮮食品(6)に外部から刺激(振動や急激な温度下降など)が加わると、過冷却状態が崩れて一気に凍結してしまうおそれがあるためである。
本実施形態の移動式保冷装置であるリーファーコンテナ(1)は、生鮮食品(6)を収容するコンテナ(5)と、コンテナ(5)の庫内空間の温度を調整するコンテナ用冷凍装置(10)と、生鮮食品(6)が過冷却状態であるか否かを検出する過冷却センサ(35)と、過冷却センサ(35)から生鮮食品(6)の状態を受けてコンテナ用冷凍装置(10)の運転を制御するコントローラ(16)とを備える。コントローラ(16)は外部への警告が可能である。そして、このリーファーコンテナ(1)のコントローラ(16)は、生鮮食品(6)の過冷却状態が解除されない第1条件を満たすと、コンテナ(5)の庫内の設定温度を生鮮食品(6)が過冷却される温度に設定し、その第1条件を外れることが予測される第2条件を満たすと、設定温度を生鮮食品上記品物(6)の凍結温度よりも高くするか、上記第1条件を外れることを警告するか、その両方を行うように構成されている。
本実施形態によれば、生鮮食品(6)などの品物を輸送する場合に、生鮮食品(6)の過冷却状態が解除されないと判断されると、コンテナ(5)の庫内の温度設定により、生鮮食品(6)が過冷却状態で保存される。また、第1条件を外れる第2条件が満たされると、設定温度を上げて過冷却状態が解除される制御が行われるか、第1条件を外れることが外部に警告されるか、あるいはその両方が行われる。したがって、第2条件が満たされたときに、生鮮食品(6)を過冷却状態にする低い温度で保存したままになるのを防ぎ、生鮮食品(6)が凍結するのを抑制できる。
本実施形態では、コントローラ(16)が、生鮮食品(6)の状態を外部へ報知可能であり、第2条件が満たされて設定温度を生鮮食品(6)の凍結温度よりも高くする温度制御を行った結果、生鮮食品(6)の温度が凍結温度よりも高くなる第3条件が満たされると、実際に第3条件が満たされたことが報知される。
本実施形態によれば、第2条件が満たされた後の温度制御により、生鮮食品(6)の温度が実際に凍結温度よりも高くなると、そのことがコンテナ(5)の外部に報知される。したがって、生鮮食品(6)が過冷却状態でないことを外部で認識できる。
本実施形態では、第1条件が、上記コンテナ(5)の振動情報、温度情報、移動情報、及び位置情報の少なくとも1つを含む。また、本実施形態では、第2条件が、上記コンテナ(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、天候情報の少なくとも1つを含む。そして、本実施形態によれば、第1条件から生鮮食品の(6)の過冷却状態が解除されないかどうかが判断され、第2条件から生鮮食品(6)の過冷却状態が解除されると予想されるかどうかが判断される。
具体的には、本実施形態によれば、コンテナ(5)のある場所や、コンテナ(5)の振動(変移量、加速度)などによって、保管温度を変化させるようにしている。例えば、生鮮食品(6)を輸送せず定置保存しているときや、海上輸送中でゆっくりとした揺れしか生じないときには、凍結点以下の温度で保存することで、鮮度保持効果が向上する。輸送が始まる時間の一定時間前や、振動の大きな陸上輸送をしているときには、凍結点よりわずかに高い温度で生鮮食品(6)を保存することで、生鮮食品の凍結を抑えられる。
以上のように、本実施形態では、コンテナ(5)に保存されている生鮮食品(6)の状況(定置保存であるか輸送中であるかなど)を判断し、生鮮食品(6)の保存温度を凍結点よりも低くして過冷却状態にするか、保存温度を凍結点よりも高くして過冷却状態を解除するようにしている。このように、本実施形態では、生鮮食品(6)を常に過冷却状態にして保存するのではなく、過冷却状態が崩れやすいと判断されるときは予め過冷却状態を解除するか、過冷却状態が崩れやすいことを外部に警告する。このことにより、生鮮食品(6)を、可能な限り低温で、且つ、凍結しない温度で保存できる。
また、本実施形態では、コンテナ(5)の庫内空間に電場を形成する電極を有する電場形成装置(30)を用いることにより、生鮮食品を過冷却状態で保存できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
実施形態におけるコンテナ用冷凍装置の構成は上記実施形態の構成には限定されず、その他の構成に変更してもよい。例えば、上記実施形態における第1条件や第2条件の項目a〜fは、必ずしも全てが第1条件や第2条件に含まれなくてもよい。第1条件や第2条件は、コンテナ(5)の振動情報、温度情報、移動情報、及び位置情報や、天候情報の少なくとも1つを含んでいればよい。
過冷却制御において、陸上輸送や海上輸送の開始前に設定温度を上げる時間は、陸上輸送や海上輸送時に生鮮食品の温度が凍結点より高くなるのに必要な時間以上であればよい。例えば、この時間は、予め計測して定めておいてもよいし、温度上昇の時間を計測しながら学習制御を行うことで徐々に精度が上がるようにしてもよい。
外洋への到達や目的港への到達は、輸送中の時間から判断してもよいし、GPSの情報に基づいて判断してもよい。
図4のタイムチャートの制御では、GPSの位置情報などを用いずに、予め定められた運行計画に従って設定温度をプログラムしておいてもよい。
図4において、保存状況が定置保存、陸上輸送、及び海上輸送のいずれであるかは、電源のON/OFF、電圧(400V/200V/100V)の変化、あるいは電源周波数(50Hz/60Hz)の変化などから判断してもよい。
また、例えば、振動加速度が、過冷却が崩れるおそれのある振動加速度に対して所定の安全率を見込んだ値に到達すると、設定温度を凍結温度より上げるように制御してもよい。
要するに、過冷却が崩れると予想される条件は、上記実施形態で説明した条件以外の条件であってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、移動式保冷装置について有用である。
1 リーファーコンテナ(保冷庫)
5 コンテナ(保冷庫)
6 生鮮食品(品物)
10 コンテナ用冷凍装置(冷凍機)
16 コントローラ(制御部)
30 電場形成装置
35 過冷却センサ(検出部)

Claims (5)

  1. 品物(6)を収容する移動式の保冷庫(5)と、
    上記保冷庫(5)の庫内空間の温度を調整する冷凍機(10)と、
    上記品物(6)が過冷却状態であるか否かを検出する検出部(35)と、
    上記検出部(35)から品物(6)の状態を受けて冷凍機(10)の運転を制御する制御部(16)と、を備え、
    上記制御部(16)は、
    第1条件が満たされると、上記保冷庫(5)の庫内の設定温度を上記品物(6)が過冷却される温度に設定し、
    上記第1条件を外れることが予測される第2条件を満たすと、上記設定温度を上記品物(6)の凍結温度よりも高くする、及び/または上記第1条件を外れることを警告する
    ことを特徴とする移動式保冷装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(16)は、上記品物(6)の状態を外部へ報知可能であり、
    上記第2条件が満たされて上記設定温度を上記品物(6)の凍結温度よりも高くする温度制御を行い、その後に上記品物(6)の温度が凍結温度よりも高くなる第3条件が満たされると、第3条件が満たされたことを報知する
    ことを特徴とする移動式保冷装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記第1条件は、上記保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする移動式保冷装置。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記第2条件は、上記保冷庫(5)の振動情報、温度情報、移動情報、位置情報、及び天候情報の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする移動式保冷装置。
  5. 請求項1から4の何れか1つにおいて、
    さらに、上記保冷庫(5)の庫内空間に電場を形成する電極を有する電場形成装置(30)を備えている
    ことを特徴とする移動式保冷装置。
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