JP2021008786A - 柵 - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜2に示されるように、本発明の実施形態にかかる柵の一例としてバルコニー用手摺1は、所定の場所の内側の領域を外側の領域から仕切るように立てた状態で設置され、具体的には、住宅やマンション等の建物の外壁に突き出た(具体的には、2階以上の窓の外に突き出た)バルコニーBまたはベランダの周縁の梁材Pに立てた状態で設置される。それによって、当該バルコニー用手摺1は、バルコニーBからの転落防止用の柵として機能するとともにバルコニーBを装飾するエクステリアとしても機能する。
(1)
上記のように、本実施形態のバルコニー用手摺1では、図4に示されるように、手摺1のよじのぼりを防止する防止部材4の下端4aは、下側の板部材31から上方に離間し、下側の板部材31の上面との間に人の足先(具体的には足指FF)を侵入することを阻止する大きさδ1の下側隙間5を形成することが可能な位置に配置されている。そのため、従来のように一対の板部材3の間を防止部材4で塞ぐ場合と比較して通風性が向上するとともに、人が板部材3に足Fをかけて手摺1をよじのぼることを防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、図3〜4に示されるように、板部材3がバルコニー外側S2からバルコニー内側S1に向けて下るように傾斜しているので、バルコニー外側S2からバルコニー内側S1を見ようとしても板部材3が遮ることによる目視遮断効果を発揮することが可能である。さらに、板部材3がバルコニー外側S2よりもバルコニー内側S1の方が低くなるように傾斜しているので、バルコニー外側S2から板部材3に足Fを乗せようとしても足Fが板部材3からずり落ちやすくなるので、手摺1のよじのぼりを防止する効果がさらに向上する。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4の下端4aは、下側の板部材31におけるバルコニー内側S1の端部31aの縁に足Fが乗ることを阻止する位置、すなわち、足Fが乗ることを阻止するようなバルコニー内側S1の端部31aに近い位置に配置されているので、人が板部材3のバルコニー内側S1の端部31aに足Fをかけようとしても防止部材4の下端4aによって阻止されるので、人が手摺1をよじのぼることをより確実に防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、下側隙間5の大きさδ1は、人の足指FFの付け根にあるボール部FBが当該下側隙間5に侵入することを阻止しうる程度の大きさに設定されている。これにより、人の足指FFの付け根にあるボール部FBが当該下側隙間5に侵入することが阻止されるので、足Fを下側の板部材31に乗せてボール部FBを起点として足指FFを曲げることができないため、人が手摺1をよじのぼることをより一層確実に防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4におけるバルコニー内側S1を向く第1面4bが、板部材3よりも垂直軸VLとのなす角が小さくなるように立っている。そのため、当該第1面4bに足Fが掛かりにくくなるので、人が手摺1をよじのぼることをより一層確実に防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4は、当該防止部材4の下端4aから上に向かうに従いバルコニー外側S2へ傾斜して当該バルコニー外側S2を向く第2面4cを有するので、図6〜7に示されるように、手指HFを防止部材4と下側の板部材31との間の下側隙間5に挿入しても手指HFが防止部材4の第2面4cに掛かることを防止する。その結果、人が手摺1をよじのぼることをより一層確実に防止することが可能である。
すなわち、本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4は、板部材3の延びる方向に沿って見る視点(すなわち、図4における紙面垂直方向か見た視点)において、防止部材4に足Fが乗ることを阻止するように防止部材4の下端4aから上向きに延びるとともにバルコニー内側S1に面する足乗り防止面としての第1面4bと、下側隙間5を通じてバルコニー内側S1から挿入された人に手指HF(図7参照)によって防止部材4が掴まれるのを防止するように防止部材4の下端4aからバルコニー外側S2に延びる掴み防止面としての第2面4cとを有する。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4は、第2面4cの上端から上に向かうに従いバルコニー内側S1に延びてバルコニー外側S2を向く第3面4dを有する。図7に示されるように、第2面4cと第3面4dとの変曲点4eは、下側隙間5に挿入された人の手指HFが引っかからない距離を確保するように防止部材4の下端4aからバルコニー外側S2へ離間しているので、下側隙間5に手指HFを挿入しても変曲点4eに手指HFが引っかからないため、人が手摺1をよじのぼることをより一層確実に防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1では、防止部材4は、図7に示されるように、上側の板部材32との間に上側隙間6を形成するように配置されている。上側隙間6の大きさδ2は、手摺1をよじのぼることが可能な長さまで人の手指HFが当該上側隙間6に侵入することを阻止しうる程度の大きさδ2に設定されている。そのため、上側隙間6に手指HFが入らないので、人が手摺1をよじのぼることをより一層確実に防止することが可能である。
本実施形態のバルコニー用手摺1は、上記の「人」については手摺1をよじのぼってバルコニーBから転落するおそれが高い3〜6歳の子供を想定して、設計されている。
本実施形態におけるバルコニー用手摺1の通風性を確保しながらの人のよじのぼりを防止する技術をより十分に理解するために、上記の本実施形態の防止部材4の配置および構成は、図9に示される上下両側のオフセットラインOL1およびOL2を用いて以下のように説明することが可能である。
(A)
上記実施形態の防止部材4は、図4に示されるような形状、すなわち、三角形の断面形状を有するとともにバルコニー内側S1を向く第1面4bが垂直軸VLに対して傾斜角度θ2でバルコニー外側S2に傾斜した形状をしているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、種々の断面形状の防止部材4を採用してもよい。
なお、図4に示される防止部材4は、上側の板部材32のバルコニー内側S1の下端32aと下側の板部材31のバルコニー外側S2の上端31bとを結ぶ直線L1(図7参照)よりも下方に配置することも可能である(例えば、図7の2点鎖線で示される三角形断面形状の防止部材4を参照)。この場合では、手摺1からの水平距離が6mより短い場合でも防止部材4はバルコニー外側S2から見えなくなる。
上記実施形態では、防止部材4は、三角形断面などの中実の棒状部材が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、防止部材4自体が通気性を有する構造、たとえば、グレーチングや網体などで形成された中空の筒状体でもよい。このような中空の防止部材4を用いれば、通風性を十分に確保しつつ一対の板部材3間の隙間を狭くすることによって人のよじのぼりを防止することが可能になる。
上記実施形態では、本発明の柵の一例として、バルコニー用手摺を一例として挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の柵は、所定の場所の内側の領域を外側の領域から仕切るように立てた状態で設置可能なものであればよい。したがって、本発明の柵は、建物のバルコニーやそれに類似するベランダの周囲を囲む手摺を含むだけでなく、建物周辺の庭、公園、運動場等の所定の場所の地面を囲むフェンスなども含む。これらの手摺やフェンスに本発明の技術を適用することにより、手摺やフェンスにおいて通風性および意匠性を確保しながら人のよじのぼりを防止することが可能である。
2 枠体
2d 開口
3 板部材
31 下側の板部材
32 上側の板部材
4 防止部材
4a 下端
4b 第1面
4c 第2面
4d 第3面
4e 変曲点
5 下側隙間
6 上側隙間
AC 円弧
AR 領域
B バルコニー
F 足
FB 足のボール部
FF 足指
H 手
HF 手指
OL1 下側オフセットライン
OL2 上側オフセットライン
R 上下方向
S1 バルコニー内側(一方側)
S2 バルコニー外側(他方側)
δ1 下側隙間の大きさ
δ2 上側隙間の大きさ
X1 防止部材の下端と下側の板部材の内側端部とのずれ量
X2 第2面の長さ
θ1 板部材と垂直軸との角度
θ2 第1面と垂直軸との角度
θ3 第2面と垂直軸の角度
VL 垂直軸
Claims (13)
- 所定の場所の内側の領域を外側の領域から仕切るように立てた状態で設置される柵であって、
複数の支柱と、
前記複数の支柱の間を水平方向に延びるとともに互いに上下方向に離間するように、前記複数の支柱に固定された一対の板部材と、
両板部材間に設けられ、当該両板部材間に人の足が入ることを防ぎ、柵のよじのぼりを防止する防止部材と、
を備え、
前記防止部材の下端は、下側の前記板部材から上方に離間し、下側の前記板部材の上面との間に前記人の足先を侵入することを阻止する大きさの下側隙間を形成することが可能な位置に配置されている、
ことを特徴とする柵。 - 前記板部材は、前記外側から前記内側に向けて下って傾斜するように配置されている、
請求項1に記載の柵。 - 前記防止部材の下端は、下側の前記板部材における前記内側の端部の縁に足が乗ることを阻止する位置に配置されている、
請求項1または2に記載の柵。 - 前記下側隙間の大きさは、前記人の足指の付け根にあるボール部が当該下側隙間に侵入することを阻止しうる程度の大きさに設定されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材は、前記内側を向く第1面を有し、
前記第1面は、前記板部材よりも垂直軸とのなす角が小さくなるように立っている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材は、当該防止部材の前記下端から上に向かうに従い前記外側へ傾斜して前記外側を向く第2面を有する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材は、前記板部材の延びる方向に沿って見る視点において、前記防止部材に足が乗ることを阻止するように前記防止部材の前記下端から上向きに延びるとともに前記内側に面する足乗り防止面と、前記下側隙間を通じて前記内側から挿入された人に手指によって前記防止部材が掴まれるのを防止するように前記防止部材の前記下端から前記外側に延びる掴み防止面とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の柵。
- 前記防止部材は、上側の前記板部材との間に上側隙間を形成するように配置され、
前記上側隙間の大きさは、前記柵をよじのぼることが可能な長さまで前記人の手指が当該上側隙間に侵入することを阻止しうる程度の大きさに設定されている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材の下端は、下側の前記板部材における前記内側の端部よりも前記外側にずれた位置に配置されている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材は、下側の前記板部材から上方に前記下側隙間だけ離間した位置に引かれた下側オフセットラインと、上側の前記板部材から上側隙間だけ下方に離間した位置に引かれた上側オフセットラインとの間に配置され、
前記上側隙間の大きさは、上側の前記板部材と前記防止部材との間に前記人の手指が当該上側隙間に侵入することを阻止しうる程度の大きさに設定されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の柵。 - 前記防止部材は、前記内側を向く第1面を有し、
前記第1面は、前記防止部材の前記下端から前記上側オフセットラインまで延びている、請求項10に記載の柵。 - 前記防止部材は、当該防止部材の前記下端から上に向かうに従い前記外側へ傾斜して前記外側を向く第2面を有し、
前記第2面は、前記下側オフセットラインよりも垂直軸とのなす角が小さく、かつ、当該第2面に手指が掛からない角度になるように立っている、
請求項10または11に記載の柵。 - 前記防止部材は、前記第2面の上端から上に向かうに従い前記一方側に延びて他方側を向く第3面を有し、
前記第2面と前記第3面との変曲点は、前記第2面と、前記防止部材の前記下端から前記下側隙間に挿入された前記人の手指が引っかからない位置に引かれた円弧と、前記下側オフセットラインとで囲まれた領域の境界線の上または当該領域の外部に位置している、
請求項12に記載の柵。
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