JP2021008442A - 化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法 - Google Patents

化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナイロン等の合成ポリマーは、柔らかい感触特性を有することから、粉末化粧料に汎用されてきた。しかし、近年、プラスチックごみの海洋流出に伴う環境、及び生態系への悪影響が表面化するなかで、環境適合性で、かつ感触の柔らかい従来の合成ポリマーに代替しうる化粧料用球状粉体の開発が潜在的に望まれている。【解決手段】特定のメディアン径を有する天然鉱物、あるいは合成鉱物と、水溶性多糖類を構成成分とした環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本願発明は、球形性が高く、柔らかい感触特性を有する環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法に関する。
近年、プラスチックごみの海洋流出に伴う環境、及び生態系への悪影響が表面化し、世界的に関心が寄せられている(非特許文献1)。特に粒子径5mm以下の合成ポリマー粒子は、通称プラスチックマイクロビーズ(以下PMB)と呼称され、各国で規制対象となりつつある。
化粧品分野においては、洗顔料等に配合されるスクラブ剤(メディアン径数百μmのPMB)がまず規制対象とされ、国内各社でセルロース等の天然由来粒子へと代替されている(非特許文献2)。
一方、プレストファンデーション(以下PF)には、感触改良を目的としてメディアン径10μm前後のナイロンやポリウレタンといった合成ポリマーからなる球状粉体が含有される。このPMBは、独特の転がり性や柔らかさを有することから、PF製剤の感触特性に及ぼす影響は大きく、他の原料への代替が非常に難しいという現状がある。
PFに含有されるPMBの代替候補原料としては、球状シリカや球状セルロースが挙げられる。粒子形態制御によって多孔質構造を有する球状セルロースが開示されている(特許文献1、2)。しかしながら、いずれも上記合成ポリマーと比較して感触は硬く、代替原料として満足できるものではなかった。
このような背景のもと、環境適合性で、かつ感触の柔らかい従来の合成ポリマー(PMB)に代替しうる化粧料用球状粉体の開発が潜在的に望まれている。
特開1994−136175号公報 特開1985−197746号公報
甲子園大学紀要 No.45、p37−44(2018) プラスチックによる海洋汚染の現状と課題、とくにマイクロプラスチックについて 日本化粧品工業連合会自主基準通知文書 2016年3月17日発表 洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロプラスチックビーズの使用について
本願発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、球形性が高く、感触の柔らかい環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる実情において、本願発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の鉱物、及び水溶性多糖類から構成される凝集粒子が、球形性が高く、感触の柔らかい化粧料用球状複合粉体として利用でき、従来の合成ポリマー(PMB)に代替しうる感触特性を有することを見出し、本願発明を完成するに至った。
本願発明は、特定のメディアン径を有する鉱物と、水溶性多糖類とを含有することを特徴とする化粧料用球状複合粉体と、その製造方法を提供するものである。
本願発明は、球形性が高く、感触の柔らかい環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法を提供するものである。
実施例1で得られた化粧料用球状複合粉体の電子顕微鏡像
以下本願発明の、球形性が高く、感触の柔らかい環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本願発明によれば、感触の柔らかい従来の合成ポリマー(PMB)に代替しうる化粧料用球状複合粉体を得ることができる。
本願発明の構成成分(A)は、Si、Al、Mg、及びKのうち2種類以上を構成元素とする天然鉱物、あるいは合成鉱物であり、通常、化粧料に用いられる鉱物であれば特に限定されない。例えば、構成元素としてSi、Mgを含有するタルク、構成元素としてSi、Al、Kを含有するセリサイト、構成元素としてSi、Alを含有するカオリン等が挙げられる。
本願発明の構成成分(A)のメディアン径は、0.5〜2.1μmである。より好ましくは0.6〜1.5μmである。2.1μmよりも大きいと、得られる化粧料用球状複合粉体の球形性が低下する。0.5μm以上であれば、良好な球形性を有する化粧料用球状複合粉体を得ることができる。
本願発明の構成成分(A)のメディアン径は、汎用の粒度分布測定装置によって特定することができる。例えば、レーザー回折方式、光散乱方式、画像解析方式のいずれを用いても良い。これらの中で、本願発明の粒子径範囲を測定することを考慮すると、レーザー回折方式が好ましく、具体的には、Partica LA−950V2(HORIBA社製)等を用いてメディアン径を測定することができる。
本願発明の構成成分(A)としては、市販品を用いることができる。例えば、ナノエース D−600(成分:タルク、メディアン径:0.6μm、日本タルク社製)や、ナノエース D−1000F(成分:タルク、メディアン径1.0μm:日本タルク社製)等を用いることができる。また、目的とするメディアン径を有する鉱物を得るために、2.1μmよりも大きいメディアン径の鉱物に機械的粉砕処理を加えて別途調製しても良い。
本願発明で用いる構成成分(A)の物理特性として、さらに重要なのは、構成成分(A)の分散状態の指標となるせん断粘度である。分散状態により球状複合粉体の球形性が変化する。本願発明では、構成成分(A)の40重量%水分散体をE型粘度計で測定したときに得られるせん断粘度(せん断速度10/sec)は、100mPa・s以上である。より好ましくは1,000mPa・s以上、最も好ましくは10,000mPa・s以上である。40重量%水分散体のせん断粘度が100mPa・sよりも小さい天然鉱物、あるいは合成鉱物では、得られる化粧料用球状複合粉体の球形性が低下する恐れがある。40重量%水分散体のせん断粘度が100mPa・s以上の天然鉱物、あるいは合成鉱物であれば、球形性の良好な化粧料用球状複合粉体を得ることができる。
本願発明の化粧料用球状複合粉体を構成する天然鉱物、あるいは合成鉱物の40重量%水分散体のせん断粘度は、汎用のE型粘度計を用いて一定せん断速度下でのせん断粘度として特定することができる。具体的には、Physica MCR 301(アントンパール社製)を用いてせん断粘度を測定することができる。
上記物理的特性を考慮すると、本願発明の構成成分(A)として、より好ましくはタルク、カオリンであり、最も好ましくはタルクである。
本願発明の構成成分(B)水溶性多糖類は、通常、化粧料に用いられる水溶性多糖類であれば特に限定されない。具体的には、例えば、澱粉、水溶性セルロース誘導体、及びその塩等が挙げられる。澱粉としては、例えば、米澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ等の種実澱粉や、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉等の根茎澱粉が挙げられる。水溶性セルロース誘導体、及びその塩としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
本願発明の構成成分(B)として、好ましくは澱粉である。より好ましくは種実澱粉であり、最も好ましくは米澱粉である。種実澱粉は、根茎澱粉と比較して水膨潤性が低いため、水溶液粘度が比較的低く、ハンドリング性が良い。
本願発明の化粧料用球状複合粉体の複合化工程における、構成成分の水分散体濃度(構成成分(A)と構成成分(B)の含有量を合計した水中濃度)は2〜40重量%である。より好ましくは5〜20重量%である。40重量%よりも大きいと、構成成分(A)と構成成分(B)を含有する水分散体の粘度が高くなり、ハンドリング性が低下する。2重量%よりも小さいと、固形分濃度が少なくなることで、化粧料用球状複合粉体の収率が低下する。
本願発明で得られる化粧料用球状複合粉体のメディアン径は、3〜30μmである。より好ましくは5〜20μmである。30μmよりも大きいと粒感を生じ、柔らかい感触特性に劣る。
本願発明で得られる化粧料用球状複合粉体の固形分重量比(鉱物の含有量:水溶性多糖類の含有量)は、98:2〜80:20である。より好ましくは95:5〜85:15である。水溶性多糖類の構成割合が20重量%よりも大きいと、複合化工程における水分散体の粘度が高くなり、ハンドリング性が低下する。一方、2重量%よりも小さいと、鉱物間のつなぎ成分が少なくなることで、化粧料用球状複合粉体の収率が低下する。
本願発明で得られる化粧料用球状複合粉体は、未処理で使用することもできるが、適宜、表面処理を施して使用しても良い。表面処理剤としては、通常、化粧料用粉体に用いられる表面処理剤であれば特に限定されない。具体的な表面処理剤として、例えば、フッ素化合物、シリコーン化合物、エステル化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等が挙げられる。
本願発明で得られる化粧料用球状複合粉体は、以下に示す水分散体調製工程(1)、(2)、及び複合化工程(3)を経て調製される。
(1)機械式撹拌機を用いて、水溶性多糖類の水溶液を得る。この際、水溶性多糖類を水中へ溶解させるために、適宜加熱して溶解させることができる。
(2)工程(1)で得られた水溶性多糖類の水溶液に鉱物を添加し、機械式撹拌機を用いて、水分散体を得る。
(3)工程(2)で得られた分散体を噴霧乾燥機に供し、高温場における微細液滴の急速固化により、鉱物と水溶性多糖類からなる化粧料用球状複合粉体を得る。
本願発明の化粧料用球状複合粉体の製造工程(1)、及び(2)において使用される機械式撹拌機は、通常、液中分散操作に用いられる撹拌機であれば特に限定されない。例えば、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
本願発明の化粧料用球状複合粉体の製造工程(2)において、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)やポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤や、その他、無機塩等を用いて水分散体の粘度を適宜調整しても良い。
本願発明の化粧料用球状複合粉体の製造工程(3)において使用される噴霧乾燥機は、通常、造粒体製造に用いられる噴霧乾燥機であれば特に限定されない。噴霧乾燥機は、噴霧機構の違いにより、大きくノズル方式と回転ディスク方式に分類できるが、いずれの噴霧機構を備える噴霧乾燥機も用いることができる。
本願発明において、好ましいメディアン径を有する化粧料用球状複合粉体を得るためには、上記噴霧乾燥機のなかでも、特に2流体以上のノズル方式、又は回転ディスク方式噴霧機構を備える噴霧乾燥機を用いることが好ましい。
以下、実施例により本願発明をさらに詳細に説明する。尚、これらは本願発明を何ら限定するものではない。
(製造方法)実施例1〜8、比較例1
工程(1):下記表1の成分8〜10(水溶性多糖類)を成分11(蒸留水)中に添加し、ホモミキサー(T.K.ロボミックス;プライミクス社製)を用いて水溶液を調製した。成分8、及び9の溶解には、予め90℃に加温した蒸留水を用いた。
工程(2):下記表1の成分1〜7(鉱物)を、工程(1)で得た水溶性多糖類の水溶液中に添加し、ホモミキサーを用いて、下記条件により鉱物と水溶性多糖類の水分散体を調製した。この際、水分散体濃度が9.2重量%、及び鉱物と水溶性多糖類の固形分重量比が87:13となるようにそれぞれ調整した。
ホモミキサー回転速度:5000rpm
分散処理時間:30分
工程(3):工程(2)で得られた水分散体を、下記条件のもと噴霧乾燥機(L−12型;大川原化工機社製)に供し、成分1〜10からなる化粧料用球状複合粉体を得た。
噴霧方式:回転ディスク
ディスク回転速度:25,000rpm
水分散体流量:160mL/分
給気温度:220℃
排気温度:105℃
(球形性評価方法)
上記実施例、及び比較例の化粧料用球状複合粉体の球形性について、走査型電子顕微鏡を用いて拡大倍率500倍で観察するときに、その観察視野に当該複合粉体が100個以上存在する条件で、円形度が0.95以上の複合粉体を球形とみなし、その個数割合を、以下に示す判定基準に従って判定した。(円形度の計算は、画像解析から複合粉体の投影面積と周長を求め算出した。)
<判定基準>
〔球形と認められる複合粉体の個数割合〕 〔判定〕
75%以上 ◎
50%以上 ○
50%未満 △
25%未満 ×
(柔らかさ評価方法)
20〜40代の化粧品専門パネル5名に、上記実施例、及び比較例の化粧料用球状複合粉体を指先、あるいは手の甲に伸ばして柔らかさについて、以下の評価基準により評点を付し、化粧料用球状複合粉体ごとに評点の平均点を算出して、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔使用性〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
※1 ナノエース D−1000F(日本タルク社製)
※2 ナノエース D−600(日本タルク社製)
※3 FG−15F(日本タルク社製)
※4 SG−95(日本タルク社製)
※5 P−3(日本タルク社製)
※6 セリサイト FSE(三信鉱工社製)を、機械的粉砕工程により微粒化
※7 ASP−170(BASF社製)を、機械的粉砕工程により微粒化
表1の実施例1〜3で用いた各鉱物(タルク、セリサイト、カオリン)の、40重量%水分散体におけるせん断粘度(せん断速度10/sec)は、それぞれ、81,650、340、2,920mPa・sである。
図1に、実施例1で得られた化粧料用球状複合粉体の電子顕微鏡像を示す。非常に球形性の高い球状複合粉体が得られた。
同等のメディアン径を有する鉱物の種類を変えて化粧料用球状複合粉体の製造を実施した結果、いずれも良好な球状複合粉体が得られ、特に鉱物としてタルクを用いた系で最も良好な球形性を有する球状複合粉体が得られた(実施例1〜3)。
メディアン径の異なるタルクを用いて化粧料用球状複合粉体の製造を実施した結果、メディアン径2.1μm以下のタルクを用いた系では、良好な球形性を有する球状複合粉体が得られたが、メディアン径5μmのタルクを用いた系では球形性が低下した(実施例1、6〜8、比較例1)。
水溶性多糖類の種類を変えて化粧料用球状複合粉体の製造を実施した結果、いずれも良好な球状複合粉体が得られ、特に水溶性多糖類として米澱粉、カルボキシメチルセルロースNaを用いた系で最も良好な球形性を有する球状複合粉体が得られた(実施例1、4、5)。
(製造方法)実施例9〜14
工程(1):下記表2の成分2を予め90℃に加温した成分3中に添加し、ホモミキサー(T.K.ロボミックス;プライミクス社製)を用いて水溶液を調製した。
工程(2):下記表2の成分1を、工程(1)で得た成分2の水溶液中に添加し、ホモミキサーを用いて、下記条件により鉱物と水溶性多糖類の水分散体を調製した。この際、水分散体濃度が1〜45重量%となるように、それぞれ調整した。また、鉱物と水溶性多糖類の固形分重量比が87:13となるように調整した。
ホモミキサー回転速度:5000rpm
分散処理時間:30分
工程(3):工程(2)で得られた水分散体を噴霧乾燥機(MDL−050B型;藤崎電機社製)に供し、成分1、及び2からなる化粧料用球状複合粉体を得た。
噴霧方式:3流体ノズルPN3005
水分散体流量:45mL/分
給気温度:250℃
排気温度:105℃
表2の実施例9〜14では、タルクと米澱粉の固形分重量比を87:13に固定し、水分散体濃度を変えて化粧料用球状複合粉体の製造を実施した。構成成分の水分散体濃度が2〜40重量%の系では、良好な球形性、及び柔らかさを有する球状複合粉体が得られ、特に構成成分の水分散体濃度が5重量%、及び20重量%の系で、最も良好な球形性、及び柔らかさを有する球状複合粉体が得られた(実施例9〜12)。構成成分の水分散体濃度が1重量%の系では、実施例9〜12と比較して球状複合粉体の収率が低く、球形性、及び柔らかさも劣る結果であった(実施例13)。また構成成分の水分散体濃度が45重量%の系では、球状複合粉体の収率は高かったが、実施例9〜12と比較して球形性、及び柔らかさで劣る結果であった(実施例14)。
(製造方法)実施例15〜20
工程(1):下記表3の成分2を予め90℃に加温した成分3中に添加し、ホモミキサー(T.K.ロボミックス;プライミクス社製)を用いて水溶液を調製した。
工程(2):下記表3の成分1を、工程(1)で得た成分2の水溶液中に添加し、ホモミキサーを用いて、下記条件により鉱物と水溶性多糖類の水分散体を調製した。この際、鉱物と水溶性多糖類の固形分重量比が1:99〜75:25となるように、それぞれ調整した。また、水分散体濃度が9.2重量%となるように調整した。
ホモミキサー回転速度:5000rpm
分散処理時間:30分
工程(3):工程(2)で得られた水分散体を噴霧乾燥機(MDL−050B型;藤崎電機社製)に供し、成分1、及び2からなる化粧料用球状複合粉体を得た。
噴霧方式:4流体ノズルSE4003
水分散体流量:45mL/分
給気温度:250℃
排気温度:105℃
表3の実施例15〜20では、タルクと米澱粉の水分散体濃度を9.2重量%に固定し、固形分重量比を変えて化粧料用球状複合粉体の製造を実施した。構成成分の固形分重量比が98:2〜80:20の系では、良好な球形性、及び柔らかさを有する球状複合粉体が得られ、特に構成成分の固形分重量比が95:5、及び85:15の系で、最も良好な球形性、及び柔らかさを有する球状複合粉体が得られた(実施例15〜18)。構成成分の固形分重量比が99:1、及び75:25の系では、実施例15〜18と比較して、いずれも球状複合粉体の球形性、及び柔らかさで劣る結果であった(実施例19、20)。
本願発明は、柔らかい感触を有する従来の合成ポリマーに代替しうる感触特性を有する環境適合性の化粧料用球状複合粉体、及びその製造方法を提供するものである。本願発明の化粧料用球状複合粉体を用いれば、環境に配慮した化粧品製剤を開発することができる。

Claims (6)

  1. 構成成分として、下記成分(A)、及び(B)を含有する化粧料用球状複合粉体。
    (A)メディアン径が0.5〜2.1μmで、かつSi、Al、Mg、及びKのうち2種類以上を構成元素とする天然鉱物、及び/又は合成鉱物
    (B)水溶性多糖類
  2. 構成成分(A)が、下記物理特性を有することを特徴とする請求項1記載の化粧料用球状複合粉体。
    構成成分(A)の40重量%水分散体をE型粘度計で測定したときのせん断粘度(せん断速度10/sec)が100mPa・s以上
  3. 構成成分(B)が、澱粉であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料用球状複合粉体。
  4. 構成成分(B)が、種実澱粉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の化粧料用球状複合粉体。
  5. 構成成分(A)と構成成分(B)の重量比が、98:2〜80:20であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の化粧料用球状複合粉体。
  6. 下記工程(1)〜(3)を経て調製される、請求項1〜5のいずれか一項記載の化粧料用球状複合粉体の製造方法。
    工程(1):機械式撹拌機を用いて、水溶性多糖類の水溶液を得る。
    工程(2):工程(1)で得られた水溶性多糖類の水溶液に鉱物を添加し、機械式撹拌機を用いて、水分散体を得る。
    工程(3):工程(2)で得られた分散体を噴霧乾燥機に供し、高温場における微細液滴の急速固化により、鉱物と水溶性多糖類からなる化粧料用球状複合粉体を得る。

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