JP2021008302A - 構造体形成用シート及び自立性包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な構造体形成用シート、及び同構造体形成用シートを用いた自立性包装袋、特に内容物が減少しても自立性が維持されやすい自立性包装袋を提供する。【解決手段】本開示の構造体形成用シートは、被含浸性シート状基材を有しており、かつ被含浸性シート状基材は、含浸した樹脂が硬化している含浸部分と、樹脂が含浸していない非含浸部分とを有している。【選択図】図1

Description

本開示は、構造体形成用シート及び自立性包装袋に関する。
一つ以上のシートを折り曲げて、及び/又は貼り合わせて形成した構造体、例えば、包装袋、容器、展示台、及び蓋材等が知られている。
このような構造体は、シートの材質、構造体の立体形状、及び使用態様等によっては、その立体的な形状を維持することが困難な場合がある。
例えば、パウチ等の自立性包装袋では、内容物が減少すると、自重によって側面が折れ曲がること、及び/又は底部が変形すること等によって、その立体的形状が維持されず、自立性が維持されない場合がある。
この点に関して、特許文献1は、片面に粘着剤を塗布した補強材を貼着することによって、自立袋の自立性を向上させることを開示している。
また、特許文献2は、紙を主材とする2枚の積層体と底部を形成する底フィルムからなる包装袋において、積層体が胴部と外底板を有しており、積層体の外底板をそれぞれ内側に折り曲げて張り合わせて外側底部を形成することで、包装袋の底部を変形しにくくして、自立性を向上させることを開示している。
特開2000−238796号公報 特開2011−73714号公報
一つ以上のシートを折り曲げて、及び/又は貼り合わせて形成した構造体の立体的な形状を維持するための方法としては、例えば特許文献1及び2が開示する自立性包装袋のように、構造体に補強部材を追加して、構造体の変形を抑制することが挙げられる。
しかしながら、構造体に補強部材を追加することは、構造体を構成する部材の形状を複雑化させ、又は部材の数を増加させ、結果として、構造体の製造効率を低下させ得る。
本開示は、新規な構造体形成用シート、及び同構造体形成用シートを用いた自立性包装袋、特に内容物が減少しても自立性が維持されやすい自立性包装袋を提供することを目的とする。
本開示者は、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
《態様1》
被含浸性シート状基材を有しており、かつ前記被含浸性シート状基材は、含浸した樹脂が硬化している含浸部分と、樹脂が含浸していない非含浸部分とを有している、構造体形成用シート。
《態様2》
前記含浸部分におけるループスティフネスが、前記非含浸部分におけるループスティフネスよりも大きい、態様1に記載の構造体形成用シート。
《態様3》
前記含浸部分におけるループスティフネスが、前記非含浸部分におけるループスティフネスの1.1倍以上2.0倍以下である、態様2に記載の構造体形成用シート。
《態様4》
被含浸性シート状基材が、繊維構造体シートである、態様1〜3のいずれか一つに記載の構造体形成用シート。
《態様5》
前記繊維構造体シートが、紙シートである、態様4に記載の構造体形成用シート。
《態様6》
前記樹脂が、アクリル系エマルジョンである、態様1〜5のいずれか一つに記載の構造体形成用シート。
《態様7》
前記樹脂の塗工量が、1.0g/m以上10.0g/m以下である、態様1〜6のいずれか一つに記載の構造体形成用シート。
《態様8》
前記被含浸性シート状基材及びシーラント層がこの順に積層されている、態様1〜7のいずれか一つに記載の構造体形成用シート。
《態様9》
少なくとも一部が、態様1〜8のいずれか一つに記載の前記構造体形成用シートで構成されている、自立性包装袋。
《態様10》
一以上の側面及び底面を有しており、かつ前記含浸部分が、前記側面の下半分の少なくとも一部に位置している、態様9に記載の自立性包装袋。
《態様11》
一以上の側面及び底面を有しており、かつ前記含浸部分が、前記底面の少なくとも一部に位置している、態様9又は10に記載の自立性包装袋。
本開示によれば、新規な構造体形成用シート、及び同構造体形成用シートを用いた自立性包装袋、特に内容物が減少しても自立性が維持されやすい自立性包装袋を提供することができる。
図1は、本開示の第1の実施態様に従う構造体形成用シートの、厚さ方向に関する断面図である。 図2は、本開示の第1の実施態様に従う構造体形成用シートの、被含浸性シート状基材側の面からみた模式図である。 図3は、本開示の第1の実施態様に従う自立性包装袋の、模式図である。 図4は、本開示の第2の実施態様に従う自立性包装袋の、模式図である。 図5は、本開示の第3の実施態様に従う自立性包装袋の、模式図である。 図6は、実施例1〜3及び比較例1の自立性包装袋の作製に用いた構造体形成用シートの、模式図である。 図7は、本開示に関するループスティフネスの測定方法を説明する図である。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
《構造体形成用シート》
本開示の構造体形成用シートは、被含浸性シート状基材を有しており、かつ被含浸性シート状基材は、含浸した樹脂が硬化している含浸部分と、樹脂が含浸していない非含浸部分とを有している。
含浸部分は、被含浸性シート状基材に樹脂が含浸し、シートの内部において樹脂が硬化しており、被含浸性シートの内部構造が強固である。したがって、含浸部分はシートの外部からの応力等によって変形しにくい。これに対して、非含浸部分は、被含浸性シート状基材に樹脂が含浸していないため、シート本来の柔軟性を有している。すなわち、シートの外部からの応力等によって変形しやすい。
このように、本開示の構造体形成用シートは、シートの外部からの応力等によって変形しにくい含浸部分と、変形しやすい非含浸部分とが併存している。
したがって、本開示の構造体形成用シートは、例えば、構造体を形成する際に、シートのうち変形しやすい非含浸部分を折り曲げて構造を形成すると共に、シートのうち変形しにくい含浸部分を構造体の骨格とすることで、容易に、かつ少ない部材で構造体を形成することができる。
また、本開示の構造体形成用シートは、例えば、構造体のうち変形を許容する部分に変形しやすい非含浸部分を用い、かつ構造体のうち変形を許容しない部分に変形しにくい含浸部分を用いることで、構造体のうち変形を許容する部分と変形を許容しない部分とを一体的に形成することができる。
更に、本開示の構造体形成用シートは、被含浸性シート状基材のうち所望の部分に樹脂を含浸させることのみによって、シートに変形しやすい部分と変形しにくい部分を形成することができるため、容易かつ安価に製造することができる。
本開示の構造体形成用シートは、被含浸性シート状基材、随意の中間層、及びシーラント層がこの順に積層されていてよい。
図1は、本開示の第1の実施態様に従う構造体形成用シートの、厚さ方向に関する断面図である。また、図2は、本開示の第1の実施態様に従う構造体形成用シートの、被含浸性シート状基材側の面からみた模式図である。
図1及び図2に示すように、本開示の第1の実施態様に従う構造体形成用シート100では、被含浸性シート状基材10、中間層20、及びシーラント層30がこの順に積層されている。また、被含浸性シート状基材10は、含浸した樹脂が硬化している含浸部分11と、樹脂が含浸していない非含浸部分12とを有している。
なお、本開示の構造体形成用シートの構成は、図1及び図2によって限定されない。
本開示の構造体形成用シートは、含浸部分におけるループスティフネスが、非含浸部分におけるループスティフネスよりも大きくてよい。
なお、構造体形成用シートが延伸フィルムを含んでいる場合には、含浸部分におけるループスティフネスは、MD方向及びTD方向の少なくとも一つの方向に関して非含浸部分におけるループスティフネスよりも大きくてよいが、いずれの方向に関しても大きい方が好ましい。
含浸部分におけるループスティフネスは、非含浸部分におけるループスティフネスの1.1倍以上2.0倍以下であってよい。
具体的には、含浸部分におけるループスティフネスは、非含浸部分におけるループスティフネスの1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、又は1.5倍以上であってよく、2.0倍以下、1.9倍以下、1.7倍以下、又は1.5倍以下であってよい。
なお、図7に示すように、ループスティフネス(mN)は、(a)構造体形成用シートの含浸部分及び非含浸部分のそれぞれについて、幅25mm及び長さ150mmのストリップに切出し、(b)このストリップの中央部分の長さ60mmをループ状にしたものをサンプルとし、(c)各サンプルについて、その頂部に、感圧センサを備えた測定器(ループスティフネステスター:東洋精機株式会社製)を接触させて、測定することができる。
なお、構造体形成用シートが異方性である場合、例えば構造体形成用シートが延伸フィルムを含んでいる場合には、ループスティフネス(mN)は、ループスティフネスが最大となる方向及びそれに直交する方向、例えばMD方向及びTD方向に、それぞれ幅25mm及び長さ150mm樹脂ストリップを切出し、このストリップの中央部分の長さ60mmをループ状にしたものをサンプルとし、それぞれのループスティフネスを測定することができる。
ここで、MD方向とは、機械軸方向に沿った樹脂流れ方向を意味しており、TD方向とは、機械軸方向に垂直な樹脂流れ方向を意味している。
なお、構造体形成用シートの厚さ及び形状、並びに含浸部分と非含浸部分の配置等は、形成する構造体の適用部位及び用途等に応じて決定することができる。
〈被含浸性シート状基材〉
被含浸性シート状基材は、含浸した樹脂が硬化している含浸部分と、樹脂が含浸していない非含浸部分とを有している。
被含浸性シート状基材は、樹脂を含浸させて硬化させることができ、かつ構造体形成用に使用することができる任意のシート状基材であってよい。被含浸性シート状基材は、例えばシート内に、樹脂が含浸することができる複数の空隙を有するシートであってよく、より具体的には、発泡シートや繊維構造体シートであってよい。繊維構造体シートの例としては、例えば不織布シート、織物シート、編物シート、又は紙シートを挙げることができる。
(樹脂)
樹脂は、被含浸性シート状基材に含浸させて硬化させることができる樹脂であれば、特に限定されない。樹脂は、アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂等であってよい。また、樹脂は、水性樹脂であってよく、より具体的には、水性アクリル樹脂及び水性ウレタン樹脂等を挙げることができる。また、樹脂は、エマルジョン、例えばアクリル系エマルジョンの形態で被含侵性シート上基材に含浸させることができる。
含浸部分は、被含浸性シート状基材の含浸部分となる部分に樹脂を塗工することによって形成されていることができ、樹脂の含浸部分への塗工量は、1.0g/m以上10.0g/m以下であってよい。
具体的には、樹脂の含浸部分への塗工量は、1.0g/m以上、3.0g/m以上、4.0g/m以上、又は6.0g/m以上であってよく、10.0g/m以下、9.0g/m以下、8.0g/m以下、又は7.0g/m以下であってよい。
〈中間層〉
随意の中間層としては、例えば構造体形成用シートの強度の向上、並びに水蒸気及び酸素等のガスに対するバリア性向上の目的等のために用いられる任意のシートを用いることができる。
中間層としては、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、若しくはポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、又はこれらのプラスチックフィルムにアルミニウム等の金属、又は酸化ケイ素、若しくは酸化アルミニウム等の金属酸化物を蒸着したフィルムを用いることができる。
〈シーラント層〉
シーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−メタクリル酸コポリマー(EMAA)、エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマーなどの樹脂を用いることができる。
《自立性包装袋》
本開示の自立性包装袋は、少なくとも一部が、本開示の構造体形成用シートで構成されている。
パウチ等の自立性包装袋では、内容物が減少すると、自重によって側面が折れ曲がることによって、その立体的形状が維持されず、自立性が維持されない場合があるという問題があった。
このような問題に対しては、特許文献1及び2のように、自立性包装袋に補強部材を追加して、自立性包装袋の変形を抑制することが考えられる。
しかしながら、追加の補強部材は、自立性包装袋を構成する部材の形状を複雑化させ、又は部材の数を増加させ、結果として、自立性包装袋の製造効率を低下させ得る。
本開示の自立性包装袋は、少なくとも一部が上記の構造体形成用シートで構成されているため、自立性包装袋の、内容物が充填された状態の形状が維持されやすく、特に、内容物が減少した後においても自立性が維持されやすい。
更に、本開示の自立性包装袋は、その形状を維持するために上記の構造体形成用シート以外の部材の必要性を減少させ、特にこのような部材を要しないため、例えば自立性包装袋の袋部分を上記の構造体形成用シートのみによって構成することで、その構造を単純化し、製造効率を向上させることができる。
本開示の自立性包装袋は、例えば、一以上の側面及び底面を有しており、かつ含浸部分が、側面の下半分の少なくとも一部に位置している構成を有していることができる。この場合において、含浸部分は、側面の下半分のうち全体であってもよい。
なお、側面の下半分とは、本開示の自立性包装袋を自立させたときに、自立性包装袋の側面のうち、高さ方向に関して下半分となる部分を意味している。
また、本開示の自立性包装袋は、例えば、一以上の側面及び底面を有しており、かつ含浸部分が、底面の少なくとも一部に位置している構成を有していることができる。この場合において、含浸部分は、底面のうち全体であってもよい。
図3〜5は、本開示の実施形態に従う、自立性包装袋の模式図である。
各図のうち、(a)は、各実施形態に従う自立性包装袋を側面から見た図であり、(b)は、各実施形態に従う自立性包装袋を底面から見た図であり、(c)は、各実施形態に従う自立性包装袋の展開図である。
図3(a)〜(c)に示すように、本開示の第1の実施形態に従う自立性包装袋200aは、側面のうち下半分が含浸部分11であり、上半分が非含浸部分12である。また、自立性包装袋200aの頂部には、スパウト40が配置されている。また、自立性包装袋200aの側面は、側部のシール51及び底部のシール52によってシールされて、袋形状が形成されている。
本開示の第1の実施形態に従う自立性包装袋200aは、側面のうち下半分が含浸部分11であるため、側面のうち下半分において自立性包装袋200aの形状が変形しにくくなっている。そのため、内容物が減少した後においても内容物が充填された状態の形状、すなわち自立性包装袋200aの側面が膨らんだ状態が維持されやすく、これによって、自立性包装袋200aの側面の折れ曲がりが抑制され、かつ自立性包装袋200aの底面の開き幅が狭まりにくいため、自立性を維持することができる。
また、図4(a)〜(c)に示すように、本開示の第2の実施形態に従う自立性包装袋200bは、低面のうち中央部分が含浸部分11であり、他の部分が非含浸部分12であることを除いて、本開示の第2の実施形態に従う自立性包装袋200bと同様の構成を有している。
本開示の第2の実施形態に従う自立性包装袋200bは、底部のうち中央部分が含浸部分11であるため、底面において自立性包装袋200bの形状が変形しにくくなっている。そのため、内容物が減少した後においても自立性包装袋200bの底面の開き幅が狭まりにくいため、自立性を維持することができる。
図5(a)〜(c)に示すように、本開示の第3の実施形態に従う自立性包装袋200cは、本開示の第1及び第2の実施形態に従う自立性包装袋200a及びbの両方と同じ位置に、含浸部分11を有している。
そのため、本開示の第3の実施形態に従う自立性包装袋200cは、内容物が減少した後においても内容物が充填された状態の形状、すなわち自立性包装袋200cの側面が膨らんだ状態が維持されやすく、かつ底面において自立性包装袋200cの形状が変形しにくくなっている。そのため、内容物が減少した後においても内容物が充填された状態の形状、すなわち自立性包装袋200cの側面が膨らんだ状態が維持されやすく、これによって、自立性包装袋200cの側面の折れ曲がりが抑制され、かつ自立性包装袋200cの底面の開き幅が狭まりにくいため、自立性を維持することができる。
なお、本開示の自立性包装袋の構成は、図3〜5によって限定されない。
《実施例1〜3、並びに比較例1及び2》
以下のようにして、実施例1〜3、並びに比較例1及び2の自立性包装袋を作製し、その自立性を検証した。
〈実施例1〉
被含浸性シート状基材としての紙シート、中間層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)シート、及びシーラント層としての直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シートがこの順に積層されているシート積層体を用意した。
このシート積層体の紙シート側の面の一部に、樹脂としてのアクリル系エマルジョン[大和化学工業社製:ダイルーフ KP−332]を塗工(塗工量:6g/m)して、構造体形成用シートを作製した。ここで、この構造体形成用シートは、図6(a)に示す寸法及び形状を有していた。
なお、樹脂の塗工量(g/m)は、塗工前後におけるシートの重量変化量(g)を、シートの塗工部分の面の面積(m)で除した値として計算した。
次いで、構造体形成用シートを、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シート側が内側を向くようにして、構造体形成用シートを折り曲げて、側部及び底部を熱融着(側部のシールの幅5mm、底部のシールの幅10mm)し、かつ上側端部に口径10mmのスパウトを取り付けることによって、実施例1の自立性包装袋を作製した。
なお、実施例1の自立性包装袋は、図3(a)及び(b)に示す自立性包装袋と同様の形状を有していた。
〈実施例2〉
構造体形成用シートが、図6(b)に示す寸法及び形状を有していたことを除いて、実施例1と同様にして、実施例2の自立性包装袋を作製した。
なお、実施例2の自立性包装袋は、図4(a)及び(b)に示す自立性包装袋と同様の形状を有していた。
〈実施例3〉
構造体形成用シートが、図6(c)に示す寸法及び形状を有していたことを除いて、実施例1と同様にして、実施例3の自立性包装袋を作製した。
なお、実施例3の自立性包装袋は、図5(a)及び(b)に示す自立性包装袋と同様の形状を有していた。
〈比較例1〉
シート積層体の紙シート側の面に樹脂を塗工しなかったこと、及び構造体形成用シートが、図6(d)に示す寸法及び形状を有していたことを除いて、実施例1と同様にして、比較例1の自立性包装袋を作製した。
なお、比較例1の自立性包装袋は、紙シート側の面に樹脂が塗工されていなかったことを除いて、図3(a)及び(b)に示す自立性包装袋と同様の形状を有していた。
〈比較例2〉
ナイロン(NY)シート、中間層としてのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VM−PET)シート、及びシーラント層としての直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シートがこの順に積層されているシート積層体を、構造体形成用シートとして用いたことを除いて、比較例1と同様にして、比較例2の自立性包装袋を作製した。
〈自立性試験〉
各例の自立性包装袋の中にそれぞれ水200mlを入れた。その後、自立性包装袋を、親指と他の4本の指でその胴中央部分を押さえるようにして把持しつつ、水平面上に立たせた。その後、各例の自立性包装袋について、中の水を25mlずつ合計8回に分けて、中身がなくなるまで捨てた。
その後、各例の自立性包装袋について、中身がなくなった状態で、再度水平面上に立たせて、自立するか否かを観察した。また、各例の自立性包装袋について、中身がなくなった状態における底部のマチの開き幅(mm)を観察した。
〈ループスティフネス試験〉
実施例1〜3及び比較例1の自立性包装袋に用いた構造体形成用シートの、樹脂が塗工してある部分(含浸部分)と同様の構成を有するシート、及び塗工されていない部分(非含浸部分)と同様の構成を有するシート、並びに比較例2の自立性包装袋に用いた構造体形成用シートと同様の構成を有するシートについて、それぞれ以下の様にしてループスティフネスを測定した:
各シートについて、MD方向及びTD方向に、それぞれ幅25mm、長さ150mmに切出して、この中央部分を長さ60mmのループ状にしたものをサンプルとした。ここで、MD方向とは、構造体形成用シートを構成する中間層としてのPETシート及びシーラント層としてのLLDPEシートの機械軸方向に沿った方向を意味しており、TD方向とは、これらのPETシート及びLLDPEシートの機械軸方向に垂直な方向を意味している。
各サンプルについて、その頂部に、感圧センサを備えた測定器(ループスティフネステスター:東洋精機株式会社製)を接触させて、ループスティフネス(mN)を測定した。
〈試験結果及び評価〉
各例の構成及び試験結果を、表1にまとめた。
Figure 2021008302
表1に示すように、自立性包装袋の側面及び/又は底面に樹脂を塗工した実施例1〜3では、いずれも中身がなくなった状態においても自立性を有していた。
また、実施例1〜3では、樹脂を塗工した部分(含浸部分)は、樹脂を塗工しなかった部分(非含浸部分)と比較してループスティフネスが大きくなっており、これによって中身がなくなった状態において自立性包装袋の形状、特に底面の開きが維持され、自立性が維持されたと考えられる。
これに対して、樹脂を塗工しなかったことを除いて実施例1〜3と同様の構成を有していた比較例1、及びナイロン(NY)シート//アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VM−PET)シート//直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シートの構成を有していた比較例2では、中身がなくなった状態において自立性を有していなかった。
比較例1では、中身がなくなった状態において自立性包装袋の開きが実施例1〜3(開き:41〜43mm)と比較して小さく(開き:14mm)、自立性包装袋のバランスを維持することができずに自立性を維持することができなかったと考えられる。
また、比較例2では、中身がなくなった状態においても実施例1〜3(開き:41〜43mm)と同じ程度に自立性包装袋の開きが維持されていた(開き:45mm)にもかかわらず、自立性を維持することができなかった。これは、自立性包装袋の側面のループスティフネスが実施例1〜3(MD方向:294又は393、TD方向:463又は568)と比較して小さく(MD方向:232、TD方向:263)、側面が折れ曲がってしまい、自立性包装袋のバランスを維持することができなかったことによると考えられる。
《参考例1及び2》
上記の実施例1に用いたものと同様の構造体形成用シートのうち樹脂としてのアクリル系エマルジョンを塗工した部分(含浸部分)の樹脂の塗工量、樹脂の塗工前後におけるMD方向のループスティフネス(Nm)、及び樹脂の塗工前後におけるMD方向のループスティフネスの差(Nm)を、以下の表2にまとめた。
また、比較例2に用いたものと同様の構造体形成用シートについて、樹脂としてのアクリル系エマルジョンを塗工したものを用意し、樹脂の塗工量、樹脂の塗工前後におけるMD方向のループスティフネス(Nm)、及び樹脂の塗工前後におけるMD方向のループスティフネスの差(Nm)を、以下の表2にまとめた。
なお、樹脂の塗工量(g/m)は、塗工前後におけるシートの重量変化量(g)を、シートの塗工部分の面の面積(m)で除した値として計算した。
測定結果を以下の表2に示す。
Figure 2021008302
表2に示すように、実施例1に用いたものと同様の構造体形成用シートを用いた参考例1では、樹脂の塗工量が6.0g/mであったのに対して、比較例2に用いたものと同様の構造体形成用シートを用いた参考例2では、実施例1と同条件にて樹脂を塗工したが、樹脂を十分に塗工することができず塗工量は1.2g/mであった。これは、ナイロンシートには樹脂が含浸しないため、塗工によってナイロンシート上に残留した樹脂が少なかったことによると考えられる。
また、参考例1では、塗工前後におけるループスティフネスの差は99mNであったのに対して、参考例2では、塗工前後におけるループスティフネスの差は36mNであった。参考例1において、塗工前後におけるループスティフネスの差が大きかったのは、樹脂自体が硬化したことに加えて、紙の繊維間に樹脂が含浸して硬化したことによって、紙の繊維間が接着されて、シートに強固な骨格が形成されたためと考えられる。
10 被含浸性シート状基材
11 含浸部分
12 非含浸部分
20 中間層
30 シーラント層
40 スパウト
51 側部のシール
52 底部のシール
100、及び100a〜c 構造体形成用シート
200a〜c 自立性包装袋

Claims (11)

  1. 被含浸性シート状基材を有しており、かつ前記被含浸性シート状基材は、樹脂が含浸している含浸部分と、前記樹脂が含浸していない非含浸部分とを有している、構造体形成用シート。
  2. 前記含浸部分におけるループスティフネスが、前記非含浸部分におけるループスティフネスよりも大きい、請求項1に記載の構造体形成用シート。
  3. 前記含浸部分におけるループスティフネスが、前記非含浸部分におけるループスティフネスの1.1倍以上2.0倍以下である、請求項2に記載の構造体形成用シート。
  4. 被含浸性シート状基材が、繊維構造体シートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造体形成用シート。
  5. 前記繊維構造体シートが、紙シートである、請求項4に記載の構造体形成用シート。
  6. 前記樹脂が、アクリル系エマルジョンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造体形成用シート。
  7. 前記樹脂の塗工量が、1.0g/m以上10.0g/m以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造体形成用シート。
  8. 前記被含浸性シート状基材及びシーラント層がこの順に積層されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造体形成用シート。
  9. 少なくとも一部が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記構造体形成用シートで構成されている、自立性包装袋。
  10. 一以上の側面及び底面を有しており、かつ前記含浸部分が、前記側面の下半分の少なくとも一部に位置している、請求項9に記載の自立性包装袋。
  11. 一以上の側面及び底面を有しており、かつ前記含浸部分が、前記底面の少なくとも一部に位置している、請求項9又は10に記載の自立性包装袋。
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