JP2021006733A - 無段変速機用金属エレメントおよび無段変速機用金属エレメントの製造方法 - Google Patents

無段変速機用金属エレメントおよび無段変速機用金属エレメントの製造方法 Download PDF

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【課題】 ベルト式無段変速機用の金属エレメントの打ち抜き加工面の潤滑油保持性能を高める。【解決手段】 無段変速機用金属エレメント23は、金型41により打ち抜き加工される打ち抜き加工面31に型抜き方向に延びる複数の山部31aおよび溝部31bが交互に形成されるので、溝部31bに潤滑油を保持することで打ち抜き加工面31の潤滑性能を確保することができる。山部31aの頂面に型抜き方向に直交する方向に延びる複数の溝31cが形成されており、溝31cの深さは溝部31bの深さよりも小さいので、金属エレメント23の溝部31bに加えて、金属エレメント23の移動方向に直交する溝23cにも潤滑油を保持して打ち抜き加工面31の潤滑性能を更に高めることができ、しかも溝31cは浅く形成されるので打ち抜き加工面31の山部31aの強度を低下させることがない。【選択図】 図3

Description

本発明は、金型により打ち抜き加工される打ち抜き加工面に型抜き方向に延びる複数の山部および溝部が交互に形成される無段変速機用金属エレメントと、その金属エレメントの製造方法とに関する。
無段変速機用の金属エレメントを金型により板状の材料から打ち抜き加工する際に、プーリのV面に当接する金属エレメントのプーリ当接面の加工精度を高めるために、金型のダイの刃先およびパンチの刃先間のクリアランスを比較的に小さい寸法(材料の板厚の0%〜1%)に設定するものが、下記特許文献1により公知である。
特許第3676192号公報
ところで、プーリのV面に高い面圧で当接する金属エレメントのプーリ当接面は充分な量の潤滑油で潤滑する必要があるため、そのプーリ当接面に山部および溝部を交互に形成することで、溝部に潤滑油を保持する機能を持たせている。金属エレメンはダイおよびパンチを用いて打ち抜き加工されるため、打ち抜き工程で型抜き方向と平行に延びる山部および溝部を容易に成形することができる。
しかしながら、このような金属エレメントの山部および溝部は金属エレメントの移動方向と平行に延びているため、金属エレメントの移動により溝部に保持された潤滑油が容易に流出してしまい、充分な潤滑効果が得られない可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベルト式無段変速機用の金属エレメントの打ち抜き加工面の潤滑油保持性能を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、金型により打ち抜き加工される打ち抜き加工面に型抜き方向に延びる複数の山部および溝部が交互に形成される無段変速機用金属エレメントであって、前記山部の頂面に前記型抜き方向に直交する方向に延びる複数の溝が形成されており、前記溝の深さは前記溝部の深さよりも小さいことを特徴とする無段変速機用金属エレメントが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記溝の数は前記山部の前部よりも後部において多いことを特徴とする無段変速機用金属エレメントが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、前記金属エレメントは、刃先にチャンファが形成されたダイと、前記ダイに嵌合するパンチとにより板状の材料から打ち抜き加工され、前記ダイのチャンファには、前記山部を成形する山部成形部と、前記溝部を成形する溝部成形部とが臨んでおり、前記山部成形部において型抜き方向に直交する方向に対して前記チャンファが成すチャンファ角が材料流動角よりも小さく設定されることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記溝部成形部において前記チャンファ角は前記材料流動角よりも大きく設定されることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
なお、実施の形態の金属エレメント素材23′は本発明の材料に対応し、実施の形態のプーリ当接面31は本発明の打ち抜き加工面に対応し、実施の形態の打ち抜き加工装置41は本発明の金型に対応し、実施の形態のメインパンチ44は本発明のパンチに対応する。
請求項1の構成によれば、無段変速機用金属エレメントは、金型により打ち抜き加工される打ち抜き加工面に型抜き方向に延びる複数の山部および溝部が交互に形成されるので、溝部に潤滑油を保持することで打ち抜き加工面の潤滑性能を確保することができる。山部の頂面に型抜き方向に直交する方向に延びる複数の溝が形成されており、溝の深さは溝部の深さよりも小さいので、金属エレメントの溝部に加えて、金属エレメントの移動方向に直交する溝にも潤滑油を保持して打ち抜き加工面の潤滑性能を更に高めることができ、しかも溝は浅く形成されるので打ち抜き加工面の山部の強度を低下させることがない。
また請求項2の構成によれば、溝の数は山部の前部よりも後部において多いので、潤滑不足になり易い山部の後部の溝に多めの潤滑油を保持することで、打ち抜き加工面の全体を充分に潤滑することができる。
また請求項3の構成によれば、金属エレメントは、刃先にチャンファが形成されたダイと、ダイに嵌合するパンチとにより板状の材料から打ち抜き加工され、ダイのチャンファには、山部を成形する山部成形部と、溝部を成形する溝部成形部とが臨んでおり、山部成形部において型抜き方向に直交する方向に対してチャンファが成すチャンファ角が材料流動角よりも小さく設定されるので、山部成形部で材料の一部を積極的に破断させて特別の加工を行うことなく溝を自動的に形成することができる
また請求項4の構成によれば、溝部成形部においてチャンファ角は材料流動角よりも大きく設定されるので、その部分で材料を剪断させて不要な溝が形成されるのを防止することで、不要な溝による打ち抜き加工面の強度低下を回避することができる。
ベルト式無段変速機の全体構成を示す図である。 金属ベルトおよび金属エレメントの斜視図である。 図2の3A方向矢視図およびプーリ当接面の詳細図である。 金属エレメントを打ち抜き加工する金型の断面図である。 ダイの斜視図である。 金属エレメントのプーリ当接面を成形するダイおよびパンチの刃先付近の形状を示す概念図である。 チャンファを持たないダイの刃先形状を示す断面図である。 実施の形態のダイの刃先形状を示す断面図である。
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は自動車に搭載されたベルト式無段変速機Tの概略構造を示すもので、ベルト式無段変速機Tはエンジンに接続されるドライブシャフト11と、駆動輪に接続されるドリブンシャフト12とを備えており、ドライブシャフト11に設けたドライブプーリ13とドリブンシャフト12に設けたドリブンプーリ14とに無端状の金属ベルト15が巻き掛けられる。ドライブプーリ13は、ドライブシャフト11に固設された固定側プーリ半体16と、この固定側プーリ半体16に対して接離可能な可動側プーリ半体17とを備えており、可動側プーリ半体17は油室18に作用する油圧で固定側プーリ半体16に向けて付勢される。ドリブンプーリ14は、ドリブンシャフト12に固設された固定側プーリ半体19と、この固定側プーリ半体19に対して接離可能な可動側プーリ半体20とを備えており、可動側プーリ半体20は油室21に作用する油圧で固定側プーリ半体19に向けて付勢される。
図2に示すように、金属ベルト15は左右一対の金属リング22に多数の金属エレメント23を支持したもので構成される。本明細書において、金属ベルト15が走行する方向を前後方向の前方と定義し、金属ベルト15がドライブプーリ13およびドリブンプーリ14に巻き付いた状態で、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14の外周側を径方向の外側と定義し、前後方向および径方向に直交する方向を左右方向と定義する。
金属エレメント23は、左右方向に延びるボディ部24と、ボディ部24の左右方向中央から径方向外側に延びるネック部25と、ネック部25の径方向外端に接続される略三角形のイヤー部26とを備えており、ボディ部24、ネック部25およびイヤー部26間に左右方向外側に開放して金属リング22が嵌合する一対のリングスロット27が形成される。リングスロット27に臨むボディ部24の径方向外端には金属リング22の内周面が着座するサドル面28が形成され、ボディ部24の前面の径方向外端には左右方向に延びるロッキングエッジ29が形成され、ボディ部24の前面にはロッキングエッジ29から径方向内向きかつ後向きに傾斜する傾斜面30が形成される。ロッキングエッジ29はサドル面28の前縁と重なっており、従ってロッキングエッジ29はボディ部24の前面の径方向外端に位置している。
金属エレメント23のボディ部24の左右両端には、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面に当接するプーリ当接面31が形成される。また金属エレメント23のイヤー部26の前面には、イヤー部26の後面に形成した円錐台状のホール33に嵌合可能な円錐台状のノーズ32が形成される。金属エレメント23のプーリ当接面31には、前後方向に延びる複数の山部31aと、隣接する山部31aに挟まれて前後方向に延びる複数の溝部31bとが平行に形成される。プーリ当接面31の山部31aは、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面に当接するため、その表面の加工精度が高いことが要求される。またプーリ当接面31の溝部31bは、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面との間に潤滑油を保持する機能を有している。
図3に示すように、プーリ当接面31の山部31aの頂面には、前後方向(つまり金属エレメント23の型抜き方向)と直交する方向に延びる多数の微小な溝31cが形成される。山部31aの頂面から測った溝31cの深さは溝部31bの深さよりも浅くなっている。つまり溝31cの底は溝部31bの底に達していない。そして溝31cは山部31a上に均等に分布しておらず、山部31aの前側において疎で、山部31aの後側において密に分布している。
金属エレメント23のプーリ当接面31に山部31aおよび溝部31bを設けたことにより、溝部31bに保持される潤滑油でドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面との間の潤滑性能を高めることができるが、溝部31bは金属エレメント23の移動方向に延びているため、溝部31bに保持された潤滑油は容易に流出してしまい、潤滑性能が不足する可能性がある。しかしながら、本実施の形態によれば、山部31aの頂面に形成された複数の溝31cにも潤滑油が保持されるだけでなく、この溝31cは金属エレメント23の移動方向に対して直交する方向に延びているために潤滑油が流出し難くなり、必要な潤滑性能が確保される。
また金属エレメント23のプーリ当接面31は前端側からドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面に噛み込むため、プーリ当接面31の後端側ほど潤滑油が不足して潤滑条件が厳しくなるが、本実施の形態によれば、プーリ当接面31の後側ほど溝31cが高い密度が配置されるため、プーリ当接面31を前後方向全域に亘って適切に潤滑することができる。
仮に、山部31aの頂面の溝31cが深くて溝部31bの底面に達していると、溝31cから亀裂が発生して山部31aの頂面が崩れ易くなるが、本実施の形態によれば、山部31aの頂面から測った溝31cの深さは溝部31bの深さよりも浅くなっているため、山部31aの頂面の強度が確保される。
次に、上記形状のプーリ当接面31を有する金属エレメント23の製造方法を説明する。
図4に示すように、板状の金属エレメント素材23′から金属エレメント23を成形および打ち抜きする打ち抜き加工装置41は、金属エレメント素材23′を前後方向に挟んで固定するダイ42および板押さえ43と、ダイ42に形成された金属エレメント23の外形形状と同形状の穴に摺動自在に嵌合して金属エレメント23の後面に当接するメインパンチ44と、金属エレメント23の外形形状と同形状の穴に摺動自在に嵌合して金属エレメント23の前面に当接するカウンタパンチ45とを備えており、メインパンチ44およびカウンタパンチ45は図示せぬ油圧シリンダでダイ42および板押さえ43に対して前後方向に相対移動可能である。
図5に示すように、ダイ42の刃先には面取り形状のチャンファ42aが形成されており、チャンファ42aに連なるダイ42の内面には、金属エレメント23のプーリ当接面31の山部31aを成形する山部成形部42bと、金属エレメント23のプーリ当接面31の溝部31bを成形する溝部成形部42cとが設けられており、溝部成形部42cは山部成形部42bに対して突出している。
上記構成を備えた打ち抜き加工装置41により、まずダイ42および板押さえ43間に金属エレメント素材23′を挟持して固定し、続いてメインパンチ44およびカウンタパンチ45間に金属エレメント素材23′を挟圧してプレス加工しながら、メインパンチ44およびカウンタパンチ45をダイ42および板押さえ43に対して相対移動させることで、金属エレメント素材23′から金属エレメント23が打ち抜かれる。
図6(A)に概念的に示すように、ダイ42の刃先には面取り形状のチャンファ42aが形成される。金属エレメント23のプーリ当接面31に対応する部分で、ダイ42のチャンファ42aは直線形状に切り欠かれており、打ち抜き加工装置41の型抜き方向に対して直交する方向から測ったチャンファ42aの傾斜角(チャンファ角)はαである。例えば、型抜き方向に対して直交する方向に沿うチャンファ42aの幅は180μmである。
図7に示すように、比較例であるチャンファ42aを持たないダイ42の刃先には、ダイ42の製作時に発生してしまう隅Rが存在する。隅Rの半径は一般的に20μmであり、チャンファ42aの幅を180μmとすると、チャンファ42aを有さずに隅Rを有するダイ42の仮想チャンファ角α´は6.3゜となる。チャンファ42aを有する本発明のダイ42は、少なくとも6.3゜よりも大きいチャンファ角αを有するものとする。
EBSD(電子線後方散乱解析:Electron Back Scattered Diffraction Pattern)法は、材料に照射されて反射した電子線を走査電子顕微鏡に組み合わせたCCDカメラで観測し、材料の結晶構造の情報を基に連続的に取り込んだパターンの結晶方位を算出することにより、結晶粒の方位分析、集合組織や結晶相分布を解析する手法である。EBSD法により得られるKAM(Kernel Average Misorientation)マップは、材料のある測定点と隣り合った部位との方位差の分布を示すもので、材料の歪みが大きいと方位差が大きくなり、無歪の場合は方位差はゼロになる。
図6(B)には、打ち抜き加工中におけるダイ42のチャンファ42aの近傍における材料のKAMマップが示されており、白い部分はKAM値が小さい部分(材料の流動が小さくて歪みが小さい部分)に対応し、黒い部分はKAM値が大きい部分(材料の流動が大きくて歪みが大きい部分)に対応する。KAMマップにおいて、チャンファ42aの近傍におけるKAM値が小さい部分とKAM値が大きい部分との間に境界線(材料流動線)を引くことができ、打ち抜き加工装置41の型抜き方向に対して直交する方向から測った材料流動線の方向が材料流動角βと定義される。
図6(A)および図6(B)に示すダイ42のチャンファ42aの山部成形部42bに対応する断面位置において、チャンファ角αが材料流動角βよりも小さく設定された場合には、ダイ42のチャンファ42aと前記境界線とに挟まれた領域(図6(B)のKAMマップの白い部分)で材料の流動が小さく抑えられる。このように、チャンファ角αと材料流動角βとの大小関係によりチャンファ42a近傍の材料の流動状態が変化するため、金属エレメント23のプーリ当接面31が剪断により打ち抜かれたり破断により打ち抜かれたりする。
図8には、図6(A)で概念的に示したダイ42の刃先形状を具体化した実施の形態の刃先形状が示される。本実施の形態では、山部成形部42bに臨むチャンファ角はα1であり、溝部成形部42cに臨むチャンファ42aのチャンファ角はα2である。山部成形部42bに臨むチャンファ42aの近傍の材料流動角βはメインパンチ44に近づくにつれてβ1からβ1´に増加しているが、第1領域においてα1<β1であり、第2領域においてもα1<β1′である。
素材の打ち抜き加工時に、第1領域ではチャンファ42aの表面近傍に材料が滞留し、材料の滑りは内部で発生するため、打ち抜き面である山部31aの頂面は溝31cのない剪断面となる。一方、第2領域では材料流動角β1′が第1領域の材料流動角β1よりも大きくなるため、チャンファ42aの表面近傍で材料の滑りが発生し、その結果、打ち抜き面である山部31aの頂面が破断面となり、そこに型抜き方向と直交する多数の細かい亀裂よりなる溝31c(図3参照)が形成される。
また溝部成形部42cに臨むチャンファ42aの第3領域ではα2>β2であるために、チャンファ42aの表面における材料の滑りが小さくなって剪断が発生し、溝部31bの底面は溝31cのない平坦な剪断面となる。
以上のように、本実施の形態によれば、ダイ42の山部成形部42bに臨むチャンファ42aのチャンファ角αが材料流動角βよりも小さく設定されるので、その一部で材料を積極的に破断させることで、特別の加工を行うことなく山部31aの頂面に溝31cを自動的に形成し、金属エレメント23のプーリ当接面31の潤滑性能を高めることができる。またダイ42の溝部成形部42cに臨むチャンファ42aのチャンファ角αが材料流動角βよりも大きく設定されるので、その部分で材料を剪断させることで、金属エレメント23の溝部31bに不要な溝31cが形成されるのを防止し、金属エレメント23のプーリ当接面31の強度を確保することができる。しかも、ダイ42の刃先にチャンファ42aを設けたことで、ダイ42の刃先およびメインパンチ44の刃先の干渉を防止して打ち抜き加工装置41の耐久性を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では、本発明を金属エレメント23のプーリ当接面31を打ち抜くダイ42のチャンファ42aに適用しているが、ダイ42のチャンファ42aの任意の部分に本発明を適用することができる。特に本発明は、金属エレメント23のプーリ当接面31だけでなく、金属リング22に当接する金属エレメント23のサドル面28を打ち抜くダイ42のチャンファ42aにも好適に適用可能である。
また実施の形態ではチャンファ42aの山部成形部42bが段のない直線で構成されているが、2段以上の折れ線で構成されていても良い。
また本発明は隅Rだけを有するダイ42には適用されず、チャンファ42aを有するダイ42が前提となっている。本発明におけるチャンファ42aのチャンファ角αは、隅Rに相当する仮想チャンファ角α´である6.3゜よりも大きいことが必要である(図6参照)。
23 金属エレメント
23´ 金属エレメント素材(材料)
31 プーリ当接面(打ち抜き加工面)
31a 山部
31b 溝部
31c 溝
41 打ち抜き加工装置(金型)
42 ダイ
42a チャンファ
42b 山部成形部
42c 溝部成形部
44 メインパンチ(パンチ)
α チャンファ角
β 材料流動角

Claims (4)

  1. 金型(41)により打ち抜き加工される打ち抜き加工面(31)に型抜き方向に延びる複数の山部(31a)および溝部(31b)が交互に形成される無段変速機用金属エレメントであって、
    前記山部(31a)の頂面に前記型抜き方向に直交する方向に延びる複数の溝(31c)が形成されており、前記溝(31c)の深さは前記溝部(31b)の深さよりも小さいことを特徴とする無段変速機用金属エレメント。
  2. 前記溝(31c)の数は前記山部(31a)の前部よりも後部において多いことを特徴とする、請求項1に記載の無段変速機用金属エレメント。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、
    前記金属エレメント(23)は、刃先にチャンファ(42a)が形成されたダイ(42)と、前記ダイ(42)に嵌合するパンチ(44)とにより板状の材料(23´)から打ち抜き加工され、前記ダイ(42)のチャンファ(42a)には、前記山部(31a)を成形する山部成形部(42b)と、前記溝部(31b)を成形する溝部成形部(42c)とが臨んでおり、前記山部成形部(42b)において型抜き方向に直交する方向に対して前記チャンファ(42a)が成すチャンファ角(α)が材料流動角(β)よりも小さく設定されることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法。
  4. 前記溝部成形部(42c)において前記チャンファ角(α)は前記材料流動角(β)よりも大きく設定されることを特徴とする、請求項3に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法。
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