JP2021006565A - 皮膚貼付用粘着シートおよびそれを用いた経皮吸収製剤 - Google Patents

皮膚貼付用粘着シートおよびそれを用いた経皮吸収製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚に対する十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート、ならびに、十分な薬物の皮膚透過性および皮膚に対する十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い経皮吸収製剤の提供。【解決手段】支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、該粘着剤層は、少なくとも熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下であるポリイソブチレンを含み、不揮発性炭化水素油の含有量が、該上記エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下であり、上記ポリイソブチレンの含有量が、上記エラストマー100重量部に対して3重量部を超え、500重量部以下であって、かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚に対する十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート、ならびに、十分な薬物の皮膚透過性および皮膚に対する十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性の低い経皮吸収製剤に関する。
薬物を経皮吸収させようとする場合、薬物を粘着基剤等に配合して貼付剤とすることが行なわれている。近年では、貼付剤中に多量の水を構成成分として含有するパップ剤よりも、より粘着性に優れたテープ剤が使用されることが多い。このテープ剤の粘着基剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の親油性粘着基剤が使用される。中でもゴム系の粘着基剤は、他の粘着基剤に比較して添加剤の配合が容易であるため、広く用いられている(特許文献1〜3)。
しかし、ゴム系の粘着基剤を用いた経皮吸収製剤においても、充分な薬物の放出性が確保できない、あるいは経皮吸収製剤に通常添加されている粘着付与剤に起因する皮膚刺激が発生する等の問題が指摘されていた。
このような状況下、本発明者らは、熱可塑性エラストマーと該エラストマーに対して多量の流動パラフィンを用いることで、粘着付与剤を用いなくても、十分な粘着性を有しつつ皮膚刺激性が低い皮膚貼付用粘着シート、および、当該粘着シートに薬物又はその薬学的に許容し得る塩を含有させることで、十分な経皮吸収性を有する経皮吸収製剤が得られることを見出した(特許文献4)。
しかしながら、発汗が強い場合や、長期間連続して貼付する場合、貼付部周辺の動きが大きい場合などには、端部のはがれや浮きが生じるなど、若干粘着性が不足する場合があった。
特開2001−302502号公報 特開平9−291028号公報 特開平10−316559号公報 国際公開第2012/029325号
「粘着製品の応用技術」125〜141頁、福沢敬司ら著、シーエムシー社、2000年刊
本発明の目的は、皮膚に対する十分な粘着性を有しながら、皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シート、さらには、十分な薬物の皮膚透過性および皮膚に対する十分な粘着性を有しながら、皮膚刺激性の低い経皮吸収製剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題の解決のため鋭意研究を重ねた結果、粘着基剤として、熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油、および、粘度平均分子量が100,000を超え500,000以下であるポリイソブチレンを用いることで、粘着付与剤を含有しなくても、皮膚に対する十分な粘着性を有しながら、皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シートが得られることを見出した。
また、粘着基材として、熱可塑性エラストマーと、該エラストマーに対して多量の不揮発性炭化水素油、ならびに低分子量および高分子量のポリイソブチレンを用いることで、粘着付与剤を含有しなくても、皮膚に対する十分な粘着性を有しながら、皮膚刺激性の低い皮膚貼付用粘着シートが得られることを見出した。
さらには、上記の粘着シートに薬物又はその薬学的に許容し得る塩を含有させることで、十分な経皮吸収性を有する経皮吸収製剤が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[16]に関する。
[1]支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
該粘着剤層は、
少なくとも熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下であるポリイソブチレンを含み、
不揮発性炭化水素油の含有量が、上記エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下であり、上記ポリイソブチレンの含有量が、上記エラストマー100重量部に対して3重量部を超え、500重量部以下であって、
かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
[2]ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して10重量部を超え、300重量部以下である、上記[1]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[3]ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して20重量部を超え、100重量部以下である、上記[2]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[4]熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[5]混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、上記[4]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[6]熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[7]スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、上記[6]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[8]熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[9]熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、上記[8]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[10]不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[11]粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が30重量%以上、80重量%以下である、上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[12]上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる、経皮吸収製剤。
[13]薬物がリバスチグミンである、上記[12]に記載の経皮吸収製剤。
[14]支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
該粘着剤層は、
少なくとも熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油、および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下であるポリイソブチレンを含み、
かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
[15]上記[14]に記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる、経皮吸収製剤。
[16]薬物がリバスチグミンである、上記[15]に記載の経皮吸収製剤。
また、本発明は、以下の[17]〜[30]に関する。
[17]支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
該粘着剤層は、
少なくとも熱可塑性エラストマー、および
該エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油、および、3重量部を超え、500重量部以下のポリイソブチレンを含み、
該ポリイソブチレンが、粘度平均分子量が30,000を超え、100,000以下である低分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量が500,000を超え、5,000,000以下である高分子量ポリイソブチレンとの混合物であって、
かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
[18]ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して10重量部を超え、300重量部以下である、上記[17]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[19]ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して20重量部を超え、130重量部以下である、上記[18]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[20]低分子量ポリイソブチレンの粘度平均分子量が、50,000を超え、100,000以下である、上記[17]〜[19]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[21]熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、上記[17]〜[20]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[22]混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、上記[21]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[23]熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、上記[17]〜[22]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[24]スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、上記[23]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[25]熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上である、上記[17]〜[24]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[26]熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、上記[25]に記載の皮膚貼付用粘着シート。
[27]不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、上記[17]〜[26]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[28]粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が30重量%以上、80重量%以下である、上記[17]〜[27]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シート。
[29] 上記[17]〜[28]のいずれか1つに記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる、経皮吸収製剤。
[30]薬物がリバスチグミンである、上記[29]に記載の経皮吸収製剤。
本発明の皮膚貼付用粘着シートは、皮膚に貼付した際に十分な粘着性を示し、かつ皮膚刺激性が低い。
さらに、本発明の経皮吸収製剤は、皮膚に対する粘着性および皮膚に対する低刺激性に加えて、薬物の放出性も良好である。
先ず、本発明の第一の態様の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤について説明する。
本発明の第一の態様の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤(以下、本明細書において「皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤」は「皮膚貼付用粘着シート等」ということがある)は、支持体上に形成された粘着剤層を有し、当該粘着剤層は熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油、および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下である中分子量ポリイソブチレンを含み、かつ粘着付与剤を含まない。
粘着剤層において用いる「熱可塑性エラストマー」とは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタン系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系など各種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本発明においては、粘着シートならびに経皮吸収製剤に対し十分な皮膚粘着性を付与する観点から、熱可塑性エラストマーは、トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上であるものが好ましく用いられ、30重量%以上であるものがより好ましく用いられる。ジブロック共重合体の混合比率が低すぎると皮膚粘着性が低下する傾向となり、高すぎると粘着剤層の形状維持性が低下する傾向となり、皮膚に貼付した際、剥離後皮膚に糊残りが生じるなどの、不具合が生じる可能性がある。このため、トリブロック共重合体とジブロック共重合体の混合比率[(トリブロック共重合体)/(ジブロック共重合体)]は、重量比で、20/80〜75/25であることがより好ましく、30/70〜70/30であることがさらにより好ましい。
特に、得られる皮膚貼付用粘着シート等の粘着物性のバランス(皮膚への粘着性と皮膚刺激性、糊残りとのバランス)を良好にするという観点から、熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上であることが好ましく、0.7Pa・s以上であることがさらに好ましく、0.9Pa・s以上であることが特に好ましい。当該溶液粘度の上限は特に限定はされないが、好ましくは2.0Pa・s以下、より好ましくは1.8Pa・s以下である。
なお、ここでいう、「25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度」とは、「医薬品添加物規格2003」(薬事日報社発行)の375頁に記載された「スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の粘度測定方法」に基づいて測定される値である。
また、本発明の目的である十分な皮膚粘着性と低皮膚刺激性とを両立させるという観点から、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、特に、スチレン系ブロック共重合体が好ましく用いられる。スチレン系ブロック共重合体として、具体的には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。なお、前記において、「エチレン/ブチレン」はエチレンおよびブチレンの共重合体ブロックを示し、「エチレン/プロピレン」はエチレンおよびプロピレンの共重合体ブロックを示す。これらスチレン系ブロック共重合体は、好ましくは、上記のトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合比率となるように、組み合わせて用いることができ、3種以上を組合せて用いてもよい。すなわち、トリブロック共重合体およびジブロック共重合体をそれぞれ1種又は2種以上使用することができる。
上記スチレン系ブロック共重合体のうち、十分な皮膚粘着性および低皮膚刺激性の両立のほか、皮膚製剤用製品の入手性や取り扱い性の観点から、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体を含む混合物が好ましく用いられる。特に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物を用いることが、粘着性の観点から好ましい。
本発明の目的には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%〜60重量%であるものが好ましく、10重量%〜50重量%であるものがより好ましい。また、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が20,000以上、500,000以下であるものが好ましく、30,000以上、300,000以下であるものがより好ましい。また、スチレン−イソプレンブロック共重合体としては、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%以上、50重量%以下であるものが好ましく、10重量%以上、40重量%以下であるものがより好ましい。また、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が10,000以上、500,000以下であるものが好ましく、20,000以上、300,000以下であるものがより好ましい。なお、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が20,000以上、500,000以下であるものが好ましく、30,000以上、300,000以下であるものがより好ましい。
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、自体公知の方法により製造した共重合体を用いることができる。また、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、上記の特性を満たす市販の製品を使用することがきる。また、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体の混合物も市販されており、上記の特性を満たすスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体とが、上記の混合比率で混合された混合物の市販品を好適に使用することができる。
上記市販品としては、たとえば、クレイトン・ポリマーズ(KRATON POLYMERS)社製の「KRATON D1111」、「KRATON D1163」、「KRATON D1113」、「KRATON D1119」、JSR株式会社製の「JSR SIS5002」、「JSR SIS5229」、「JSR SIS5403」「JSR SIS5505」、日本ゼオン株式会社製の「Quintac 3421」、「Quintac 3433N」、「Quintac 3520」、「Quintac 3450」、「Quintac 3270」等が挙げられる。これらのうち、上記トリブロック共重合体とジブロック共重合体の混合比率、および溶液粘度の観点から、「KRATON D1163」、「KRATON D1113」、「JSR SIS5403」「JSR SIS5505」、「Quintac 3433N」、「Quintac 3520」が好ましく用いられ、「JSR SIS5505」、「Quintac 3520」が特に好ましく用いられる。
粘着剤層における熱可塑性エラストマーの含有量が少な過ぎると、粘着剤層の形状の維持が困難となり、多過ぎると皮膚粘着性が不十分となる傾向がある。従って、本発明の皮膚貼付用粘着シート等の粘着剤層中における熱可塑性エラストマー含有量は、8重量%以上が好ましく、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは12重量%以上、特に好ましくは15重量%以上である。また、44重量%以下が好ましく、より好ましくは42重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは35重量%以下である。
なお、より具体的かつ好適な実施形態として、粘着剤層中における熱可塑性エラストマー含有量は、8重量%〜44重量%であり、より好ましくは8重量%〜42重量%、特に好ましくは10重量%〜40重量%である。
本発明の第一態様の皮膚貼付用粘着シート等において、粘着剤層は不揮発性炭化水素油を含有する。
不揮発性炭化水素油としては、炭素数が20〜40程度の鎖式飽和炭化水素または炭素数20〜40程度の鎖式不飽和炭化水素が好ましく、たとえば、流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、プリスタン等が挙げられる。なかでも入手のしやすさの観点において、流動パラフィンがより好ましい。流動パラフィンは、無色無臭の液状の炭素数20以上のアルカンの混合物であるが、本発明においては、日本薬局方、米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。不揮発性炭化水素油は粘度の高いものが好ましく、特に粘度の高い流動パラフィンを用いることが、粘着性の観点から好ましい。
具体的には、不揮発性炭化水素油は40℃における動粘度が60mm/s以上であるものが好ましく、より好ましくは70mm/s以上、さらに一層好ましくは80mm/s以上、特に好ましくは100mm/s以上である。なお、動粘度の上限は特に限定されないが、例えば、取扱いのしやすさや、入手のしやすさ等の観点から、500mm/s以下が好ましく、300mm/s以下がより好ましい。
ここでいう「動粘度」とは、「第十六改正日本薬局方」の一般試験法の「2.53粘度測定法」における「第2法 回転粘度計法(2.12 単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」(59頁)に準拠して測定される粘度(mPa・s)を動粘度に換算した値である。
本発明の第一の態様の皮膚貼付用粘着シート等は、上記した不揮発性炭化水素油を、好ましくは、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、120重量部を超えて800重量部以下の重量比で含有する。熱可塑性エラストマー100重量部に対する不揮発性炭化水素油の含有量が800重量部より多くなると、粘着剤層の形状の維持が困難となる傾向がある。一方、不揮発性炭化水素油の含有量が120重量部以下であると、粘着剤が硬くなりすぎることにより十分な皮膚粘着性が得られない傾向があり、特に、貼付時の皮膚の動きに対する追随性が悪くなり、貼付中に脱落する場合がある。このような観点から、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、121重量部〜800重量部がより好ましく、さらに好ましくは130重量部〜600重量部、特に好ましくは150重量部〜500重量部である。
また、この範囲内においても、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が低い熱可塑性エラストマー、特に0.5Pa・s未満のものに対して、動粘度の低い不揮発性炭化水素油、例えば40℃における動粘度が80mm/s未満のものを用いる場合、不揮発性炭化水素油の含有量が多いと、保存時や貼付時に粘着剤のはみ出しが見られ、包材や衣服に付着するといった不具合が出やすい傾向にある。
従って、かかる場合には、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、121重量部〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは130重量部〜250重量部、特に好ましくは130重量部〜200重量部である。
また、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、17重量%以上が好ましく、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上、特に好ましくは45重量%以上である。また、88重量%以下が好ましく、より好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下、特に好ましく70重量%以下である。
本発明において、粘着剤層に含有される「ポリイソブチレン」とは、イソブチレンの重合物であり、弾力性のあるゴム性の半固体または粘稠な物質で、皮膚貼付用粘着シート等に対し十分な皮膚粘着性を付与するために添加される。
本発明の第一の態様においては、粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下である中分子量ポリイソブチレンを用いる。粘度平均分子量が100,000以下の低分子量ポリイソブチレンを単独で添加する場合、得られる粘着剤層は、貼付後剥離時に糊残りを生じるなどの不具合を生じる場合がある。一方で、粘度平均分子量が500,000を超える高分子量ポリイソブチレンを単独で添加しても、皮膚粘着性向上効果は得られない。また、高分子量ポリイソブチレンは溶媒に対する溶解性が低く、加熱溶融も困難であり、使用しにくい。本発明では、中分子量ポリイソブチレンを単独で用いることが、低い皮膚刺激性と高い皮膚粘着性をバランスよく得る上で好ましいが、より高い粘着性を求める場合には、低分子量ポリイソブチレンを、糊残りやべたつき、皮膚刺激性をより低く抑えようとする場合には、高分子量ポリイソブチレンを混合して用いることもできる。
なお、ポリイソブチレンの粘度平均分子量は、ウベローデ粘度計等を用いて測定される粘度から、Schulz-Blaschke式およびMark-Howink-桜田の式により求めることができる。
ポリイソブチレンとしては、自体公知の方法で製造したイソブチレンの重合体を用いることができる。特に、皮膚貼付用である本発明の粘着剤層においては、医薬品添加物規格や米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。また、ポリイソブチレンとして、それぞれ、上記の粘度平均分子量を満たす市販の製品を使用することができる。
市販されている中分子量ポリイソブチレンとしては、たとえば、BASF社製の「Oppanol B30SF」、「Oppanol B50SF」、「Oppanol B50」等が挙げられる。場合により中分子量ポリイソブチレンと併用する低分子量ポリイソブチレンとしては、たとえば、BASF社製の「Oppanol B10SFN」、「Oppanol B10N」、「Oppanol B12SFN」、「Oppanol B15SFN」、「Oppanol B15N」等が、高分子量ポリイソブチレンとしては、たとえば、BASF社製の「Oppanol B80」、「Oppanol B100」、「Oppanol B150」、「Oppanol B200」等が挙げられる。塗工液とする際の溶媒に対する溶解度や、得られる皮膚貼付用粘着シート等の粘着物性のバランス(皮膚への粘着性と皮膚刺激性、糊残りとのバランス)の観点から、上記中分子量ポリイソブチレンのうち、「Oppanol B50SF」、「Oppanol B50」が特に好ましく用いられる。
粘着剤層におけるポリイソブチレンの含有量が少な過ぎると、皮膚粘着性のが不十分となり、多過ぎると皮膚粘着性が強くなり過ぎて皮膚刺激性が生じたり、剥離時の糊残りなどが問題となる場合がある。従って、本発明の皮膚貼付用粘着シート等の粘着剤層中におけるポリイソブチレンの含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して3重量部を超えることが好ましく、10重量部を超えることがより好ましく、20重量部を超えることがさらに好ましく、30重量部を超えることがさらにより好ましい。また、熱可塑性エラストマー100重量部に対して500重量部以下であることが好ましく、300重量部以下であることがより好ましく、200重量部以下であることがさらに好ましく、130重量部以下であることがさらにより好ましく、100重量部以下であることが特に好ましい。
なお、より具体的かつ好適な実施形態として、粘着剤層中におけるポリイソブチレン含有量は、0.3重量%〜69重量%であり、より好ましくは1重量%〜50重量%、より一層好ましくは2重量%〜40重量%、さらに好ましくは3重量%〜30重量%、特に好ましくは5重量%〜25重量%である。
本発明の第一の態様の皮膚貼付用粘着シート等においては、上記のような含有量および含有量比にて熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油、および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下である中分子量ポリイソブチレンを粘着剤層に含有させることにより、皮膚刺激性の原因となり得る粘着付与剤を含有させることなく、良好な皮膚粘着性を発揮させることができる。
ここで「粘着付与剤」とは、通常皮膚貼付型製剤の分野で皮膚粘着性を付与するために汎用される樹脂であって、たとえばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられるが、本発明においては、これらを用いない。
以下、本発明の第二の態様の皮膚貼付用粘着シートおよび経皮吸収製剤について説明する。
本発明の第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等は、支持体上に形成された粘着剤層を有し、当該粘着剤層は熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油、および3重量部を超え、500重量部以下のポリイソブチレンを含み、該ポリイソブチレンが、粘度平均分子量が30,000を超え、100,000以下である低分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量が500,000を超え、5,000,000以下である高分子量ポリイソブチレンとの混合物であって、かつ粘着付与剤を含まない。
当該第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等において用いる「熱可塑性エラストマー」およびその粘着剤層中における含有量については、上記の第一の態様の皮膚貼付用粘着シート等におけるそれらと同様である。
当該第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等においても、粘着剤層中に不揮発性炭化水素油を含有する。
不揮発性炭化水素油の詳細は、上記第一の態様の皮膚貼付用粘着シート等におけるそれと同様である。
当該第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等は、不揮発性炭化水素油を、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、120重量部を超えて800重量部以下の重量比で粘着剤層中に含有する。熱可塑性エラストマー100重量部に対する不揮発性炭化水素油の含有量が800重量部より多くなると、粘着剤層の形状の維持が困難となる。一方、不揮発性炭化水素油の含有量が120重量部以下であると、粘着剤層が硬くなりすぎることにより十分な皮膚粘着性が得られない傾向があり、特に、貼付時の皮膚の動きに対する追随性が悪くなり、貼付中に脱落する場合がある。このような観点から、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、121重量部〜800重量部が好ましく、さらに好ましくは130重量部〜600重量部であり、特に好ましくは150重量部〜500重量部である。
また、この範囲内においても、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が低い熱可塑性エラストマー、特に0.5Pa・s未満のものに対して、動粘度の低い不揮発性炭化水素油、例えば40℃における動粘度が80mm/s未満のものを用いる場合、不揮発性炭化水素油の含有量が多いと、保存時や貼付時に粘着剤のはみ出しが見られ、包材や衣服に付着するといった不具合が生じやすい傾向にある。
従って、かかる場合には、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、121重量部〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは130重量部〜250重量部、特に好ましくは130重量部〜200重量部である。
また、粘着剤層中における不揮発性炭化水素油の含有量は、17重量%以上が好ましく、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上、特に好ましくは45重量%以上である。また、88重量%以下が好ましく、より好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。
本発明の目的である、低い皮膚刺激性と高い皮膚粘着性のバランスを取る上で、ポリイソブチレンとして、粘度平均分子量が30,000を超え、100,000以下である低分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量が500,000を超え、5,000,000以下である高分子量ポリイソブチレンとを混合して用いる。
なお、ポリイソブチレンの粘度平均分子量は、ウベローデ粘度計等を用いて測定される粘度から、Schulz-Blaschke式およびMark-Howink-桜田の式により求めることができる。
ポリイソブチレンとしては、自体公知の方法で製造したイソブチレンの重合体を用いることができる。特に、本発明の皮膚貼付用粘着シート等の粘着剤層においては、医薬品添加物規格や米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。また、ポリイソブチレンとして、それぞれ、上記の粘度平均分子量を満たす市販の製品を使用することがきる。
かかる市販品としては、低分子量ポリイソブチレンとして、たとえば、BASF社製の「Oppanol B10SFN」、「Oppanol B10N」、「Oppanol B12SFN」、「Oppanol B15SFN」、「Oppanol B15N」等が挙げられ、高分子量ポリイソブチレンとして、たとえば、BASF社製の「Oppanol B80」、「Oppanol B100」、「Oppanol B150」、「Oppanol B200」等が挙げられる。これらのうち、塗工液とする際の溶解性や、得られる皮膚貼付用粘着シート等の粘着物性バランス(皮膚への粘着性と皮膚刺激性、糊残りとのバランス)の観点から、低分子量ポリイソブチレンとしては、粘度平均分子量が50,000〜100,000である「Oppanol B15SFN」および「Oppanol B15N」が、高分子量ポリイソブチレンとしては、「Oppanol B80」が、それぞれ特に好ましく用いられる。
粘着剤層におけるポリイソブチレンの含有量が少な過ぎると、皮膚粘着性が不十分となり、多過ぎると皮膚粘着性が強くなり過ぎて皮膚刺激性が生じたり、剥離時の糊残りなどが問題となる場合がある。従って、本態様の皮膚貼付用粘着シート等の粘着剤層中におけるポリイソブチレンの含有量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対して3重量部を超え、10重量部を超えることが好ましく、20重量部を超えることがより好ましく、30重量部を超えることがより好ましい。また、熱可塑性エラストマー100重量部に対して500重量部以下であり、300重量部以下であることが好ましく、200重量部以下であることがより好ましく、130重量部以下であることがさらに好ましい。
また、皮膚粘着性を向上させつつ、皮膚刺激性や糊残りを抑制するためには、低分子量ポリイソブチレンと高分子量ポリイソブチレンの含有重量比(低分子量ポリイソブチレン/高分子量ポリイソブチレン)を90/10〜45/55とすることが好ましく、80/20〜50/50とすることがさらに好ましく、75/25〜60/40とすることが特に好ましい。
なお、より具体的かつ好適な実施形態として、粘着剤層中におけるポリイソブチレン含有量は、0.3重量%〜69重量%であり、より好ましくは1重量%〜50重量%、より一層好ましくは2重量%〜40重量%、さらに好ましくは3重量%〜30重量%、特に好ましくは5重量%〜25重量%である。
本態様の皮膚貼付用粘着シート等においても、上記のような含有量および含有量比にて熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油ならびに低分子量ポリイソブチレンおよび高分子量ポリイソブチレンを粘着剤層に含有させることにより、皮膚刺激性の原因となりうる粘着付与剤を含有させることなく、良好な皮膚粘着性を発揮させることができる。
従って、本態様の皮膚貼付用粘着シート等においても、上記した第一の態様の場合と同様に、粘着付与剤を用いない。
本発明では、上記した第一の態様および第二の態様の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、更に薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有させることで、経皮吸収製剤とすることができる。
本発明における「薬物又はその薬学的に許容し得る塩」とは、経皮吸収させるために使用される薬物又はその薬学的に許容し得る塩を言い、特に限定されるものではない。薬物としては例えば、アセトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アミノピリン、アルクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アンフェナクナトリウム、メピリゾール、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク等の消炎鎮痛剤;ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;塩酸ジルチアゼム、四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸イソソルビド、タラジピル、ニコランジル、ニトログリセリン、乳酸プレニラミン、モルシドミン、亜硝酸アルミニウム、塩酸トラゾリン、ニフェジピン等の血管拡張剤;塩酸プロカインアミド、塩酸リドカイン、塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、アテノロール、ナドロール、酒石酸メトプロロール、アジマリン、ジソピラミド、塩酸メキシレチン等の不整脈用剤;塩酸エカラジン、インダパミド、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、塩酸ラベタロール、カプトプリル、酢酸グアナベンズ、メブタメート、硫酸ベタニジン等の血圧降下剤;クエン酸カルベタペンタン、クロペラスチン、タンニン酸オキセラジン、塩酸クロプチノール、塩酸クロフェダノール、塩酸ノスカピン、塩酸エフェドリン、塩酸イソプロテレノール、塩酸クロリプレナリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、塩酸クレンプテロール、フマル酸ケトチフェン等の鎮咳去痰剤;シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、マイトマイシンC、塩酸プロカルバジン、ドキシフルリジン、ラニムスチン等の抗悪性腫瘍剤;アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸プロピトカイン等の局所麻酔剤;プロピルチオウラシル、チアマゾール、酢酸メテロノン、エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン等のホルモン剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、塩酸ジプロヘプタジン、塩酸ジフェニルピラリン等の抗ヒスタミン剤;ワルファリンカリウム、塩酸チクロピジン等の血液凝固阻止剤;臭化メチルアトロピン、スコポラミン等の鎮痙剤;チオペンタールナトリウム、ペントバルビタールナトリウム等の全身麻酔剤;ブロムワレリル尿素、アモバルビタール、フェノバルビタール等の催眠・鎮痛剤;フェニトインナトリウム等の抗癲癇剤;塩酸メタンフェタミン等の興奮剤・覚醒剤;塩酸ジフェンドール、メシル酸ベタヒスチン等の鎮暈剤;塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、メプロバメート、塩酸イミプラミン、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、パロキセチン、デュロキセチン等の精神神経用剤;塩酸スキサメトニウム、塩酸エペリゾン等の骨格筋弛緩剤;臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等の自律神経用剤;塩酸アマンタジン、ロチゴチン、ロピニロール等の抗パーキンソン病薬;ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン等の抗アルツハイマー型認知症薬;ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、フロセミド等の利尿剤;塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤;臭化ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等の呼吸促進剤;臭化グリコピロニウム、プログルミド、塩酸セトラキサート、シメチジン、スピゾフロン等の消化性潰瘍治療剤;ウルソデオキシコール酸、オサルミド等の利胆剤;ヘキサミン、スパルティン、ジノプロスト、塩酸リトドリン、オキシブチニン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン等の泌尿生殖器及び肛門用剤;サリチル酸、シクロピロクスオラミン、塩酸コロコナゾール等の寄生性皮膚疾患用剤;尿素等の皮膚軟化剤;カルシトリオール、塩酸チアミン、リン酸リボフラビンナトリウム、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、パンテノール、アスコルビン酸等のビタミン剤;塩化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等の無機質製剤;エタンシラート等の止血剤;チオプロニン等の肝臓疾患用剤;シアナミド等の習慣性中毒用剤;コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等の通風治療剤;トルブタミド、クロルプロパミド、グリミジンナトリウム、グリプゾール、塩酸プホルミン、インスリン等の糖尿病用剤;ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、セファロリジン、セフォキシチンナトリウム、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン等の抗生物質;イソシアニド、ピラジナミド、エチオナミド等の化学療法剤;塩酸モルヒネ、リン酸コディン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン、クエン酸フェンタニル等の麻薬等が挙げられる。これらの薬物の薬学的に許容し得る塩としては、上記された塩に限らず、各種の塩を用いることができ、また、薬物は遊離型を用いることもできる。
本発明の第一の態様および第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等において、上記の構成からなる粘着剤層は、支持体上に展延して形成される。
本発明において、「支持体」としては特に限定されず、皮膚貼付用粘着シート等に汎用されるものを使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の伸縮性又は非伸縮性の織布又は不織布、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等のフィルム、あるいはポリオレフィン、ポリウレタン等の発泡性支持体が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、複数種が積層されたものを使用してもよい。
さらに、支持体に静電気が蓄積することを防止するため、支持体を構成する前記織布、不織布、フィルム等に帯電防止剤を含有させてもよい。また、粘着剤層との良好な投錨性を得るため、支持体として不織布もしくは織布、またはこれらとフィルムの積層体を用いることができる。支持体の厚さは、フィルムについては通常10μm〜100μm、好ましくは15μm〜50μmであり、織布、不織布、発泡性支持体等の多孔性シートについては通常50μm〜2,000μm、好ましくは100μm〜1,000μmである。
本発明の第一の態様および第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等は、当該分野において一般的な剥離ライナーを備えることもできる。剥離ライナーとしては、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレンなどの樹脂フィルム、アルミニウムフィルム、発泡ポリエチレンフィルムまたは発泡ポリプロピレンフィルム等、もしくは前記のうち2種以上の積層物を用いることができ、さらにこれらにシリコーン加工したものやフッ素樹脂加工したもの、エンボス加工、親水性加工、疎水性加工等を施したものなどを用いることもできる。該剥離ライナーの厚さは、通常10μm〜200μm、好ましくは15μm〜150μmである。
本発明の第一の態様および第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等は、たとえば、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレンおよび不揮発性炭化水素油、あるいはさらに薬物またはその薬学的に許容し得る塩をそれぞれ、トルエン等の溶媒に溶解または分散させて、粘着剤層形成用の塗液を調製し、得られた塗液を支持体に塗布し、次いで乾燥させることによって製造することができる。剥離ライナーを用いる場合には、粘着剤層に剥離ライナーを圧着して、積層することができる。あるいは、前記塗液を剥離ライナー上に塗布し、乾燥して剥離ライナーの表面に粘着剤層を形成させ、その後支持体を粘着剤層上に圧着して貼り合わせてもよい。
塗液に使用する溶媒としては、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレン、不揮発性炭化水素油および薬剤またはその塩を、均一に溶解または分散できるものが好ましく、たとえば、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類などが挙げられる。
これらの溶媒は、単独、もしくは二種以上を組み合わせて使用することができる。粘着剤層を構成する各成分の溶解性が良好なことから、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素を単独でもしくは混合して使用すること、また、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素と、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類とを組み合わせて使用することがさらに好ましい。また、熱可塑性エラストマーとポリイソブチレンの両者の溶解性のバランスが良いことから、トルエンを単独で、もしくはヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素と、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類との組み合わせが、特に好ましく用いられる。さらには、乾燥時の気泡の発生を抑制する観点から、トルエン、ヘプタンと酢酸プロピルの混合溶媒、およびヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒が、最も好ましく用いられる。上記、溶媒を組み合わせて用いる場合、その比率によって、粘着剤層を構成する各成分の溶解性を変化させることができる。例えば脂肪族炭化水素と酢酸エステルの混合溶媒を使用する場合、その混合比率(脂肪族炭化水素/酢酸エステル)は、重量比で、10/90〜80/20であることが好ましく、20/80〜70/30であることがさらに好ましく、乾燥後に得られる皮膚貼付用粘着シート等におけるポリイソブチレンの分散が良好で、皮膚粘着性を向上させ、かつ剥離時に糊残りなどの問題を生じない点で、30/70〜60/40であることが特に好ましい。
粘着剤層形成用塗液の塗布は、たとえば、ロールコーター、ダイコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の慣用のコーターを用いて行うことができる。また、前記塗液の乾燥は、加熱下にて、たとえば40℃〜150℃程度の温度で行うことが好ましく、使用する溶媒や使用量によって、乾燥温度や乾燥時間、乾燥方法を調整すればよい。
乾燥後の粘着剤層については、必要とする皮膚粘着性や、経皮吸収性能により単位面積当たりの重量を調整すればよい。皮膚粘着性が得られ、かつ製造可能な範囲としては、乾燥後の粘着剤層が、好ましくは10g/m〜1,000g/mであり、より好ましくは20g/m〜800g/m、さらに好ましくは30g/m〜600g/mである。
また、本発明の第一の態様および第二の態様の皮膚貼付用粘着シート等には、任意成分として、賦形剤、抗酸化剤、香料、着色料等を含有させてもよい。
賦形剤としては、例えば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ酸化合物、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、カオリン、酸化チタン等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、トコフェロールエステル誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
香料としては、dl−カンフル、dl−ボルネオール、l−メントール等が挙げられる。
本発明において用いられる着色料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、食用赤色2号、感光素201号等が挙げられる。
以下実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、本発明の第一の態様における実施例を示す。
[実施例1〜6、比較例1〜3]皮膚貼付用粘着シートの調製
表1に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分については、下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物
(a)KRAYTON D1111(表1中、「D111」と略記);クレイトン・ポリマーズ社製、SIS/SI比(重量比)=85/15、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.2Pa・s
(b)KRAYTON D1119(表1中、「D119」と略記);クレイトン・ポリマーズ社製、SIS/SI比(重量比)=34/66、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=0.34Pa・s
(c)Quintac3520(表1中、「QTC3520」と略記);日本ゼオン株式会社製、SIS/SI比(重量比)=22/78、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.1Pa・s
(d)JSR SIS5505(表1中、「5505」と略記);JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=50/50、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.05Pa・s
(2)ポリイソブチレン
(a)低分子量ポリイソブチレン:Oppanol B10SFN(表1中、「B10SFN」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=40,000
(b)中分子量ポリイソブチレン:Oppanol B50SF(表1中、「B50SF」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=400,000
(3)不揮発性炭化水素油:流動パラフィン
(a)KAYDOL;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=67mm/s
(b)Hydrobrite HV;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=247mm/s
まず、ポリイソブチレンを、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレン及び流動パラフィンの合計量100重量部に対し70重量部のトルエンに溶解した。前記溶液に、さらに、熱可塑性エラストマーを溶解した後、流動パラフィンを加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
上記塗液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約400μmとなるように、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布した。100℃のオーブンにて40分間乾燥した後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の皮膚貼付用粘着シートを得た。
[比較例4]シリコーン系皮膚貼付用粘着シートの調製
国際公開第2007/064407号の[実施例]に記載の方法に準じて、乾燥後の組成が、下記組成となるように塗液を調製し、乾燥後の単位面積当たりの重量が90g/mとなるように、テフロン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布し、乾燥した。
該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の皮膚貼付用粘着シートを得た。
<塗液組成>
シリコーン系粘着剤(「Bio−PSA
Q7−4301」、ダウコーニング社製) 98.9(重量%)
シリコーン油 1.0
ビタミンE 0.1
[試験例1]粘着物性試験
(1)試料の調製
実施例1〜6および比較例1〜4の皮膚貼付用粘着シートを、それぞれ25mm×100mmに裁断し、試料とした。
(2)対ステンレス(SUS)剥離強度
日本工業規格(JIS) Z0237:2009に準拠し、各試料をステンレス(SUS304)板に貼付し、IMADA社製電動計測スタンドMX2−500N、およびデジタルフォースゲージZP−50Nにて、180°方向に300mm/minの速度で剥離した際の応力を測定した。
(3)対ヒト剥離強度
JIS Z0237:2009に準拠し、各試料を健常ボランティア前腕内側に貼付し、IMADA社製電動計測スタンドMX2−500N、およびデジタルフォースゲージZP−50Nにて、90°方向に300mm/minの速度で剥離した際の応力を測定した。
また、試料を剥離した際の痛みについて、次の基準で評価した。
<評価基準>
0:ほとんど痛さを感じない。
1:僅かに痛さを感じる。
2:かなり痛く感じる。
[試験例2]皮膚一次刺激性試験
実施例1〜6および比較例1〜4の皮膚貼付用粘着シートを、それぞれ2.5cm角に裁断して、試料とした。
貼付開始日の3日前にkbs:JW雌性家兎(17週齢)の背部被毛を電気バリカンで毛刈りし、各試料を皮膚に貼付した(それぞれn=3)。貼付場所を覆うように油紙を載せ、胸部から腹部全体にかけてアンダーラップテープ(ニチバン株式会社製)を覆うように巻き付け、さらに家兎用ジャケット(「BJ03」、バイオリサーチセンター株式会社製)を装着させた。24時間固定後、試料を除去し、除去後1時間目、24時間目、48時間目、および72時間目にJ.Pharmacol.Exp.Ther.82,377−390(1944)に記載の方法に基づき、皮膚刺激反応の程度を評価した。
すなわち、試料除去後、上記各時間経過後において、紅斑および痂皮形成ならびに浮腫形成について下記評価基準に従って評価し、点数化した。各評価点の平均値を求め一次評価値を算出し、前記各時間経過後の平均評価値について各家兎の平均値を求めて、一次刺激性指数P.I.I.(Primary Irritation Index)とした。P.I.I.値は最低0、最高8となり、表2に示す4つの皮膚一次刺激反応のカテゴリーに区分される。
<皮膚刺激反応の評価基準>
[紅斑および痂皮の形成]
紅斑を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)紅斑を認める;1点
明確な紅斑を認める;2点
中等度ないし高度の紅斑を認める;3点
高度の紅斑から紅斑の採点を妨げる程度の痂皮の形成を認める;4点
[浮腫の形成]
浮腫を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)浮腫を認める;1点
軽度の浮腫を認める(はっきりした膨隆による明確な縁が識別できる);2点
中等度の浮腫(約1mmの膨隆)を認める;3点
高度の浮腫(1mm以上の膨隆と曝露範囲を超えた広がり)を認める;4点
上記試験の結果を表3にまとめて示した。
なお、比較例2、3の皮膚貼付用粘着シートでは、粘着剤層が安定に維持されず、上記試験を行うことができなかった。
表3より、不揮発性炭化水素油の含有量が熱可塑性エラストマー100重量部に対して113重量部である本発明の実施例6では、粘着性は低いものの、糊残りや皮膚刺激は認められなかった。本発明の実施例1〜5の各粘着シートは、粘着物性において、比較例4のシリコーン系粘着シートに比べて、ステンレスに対する剥離強度は低いものの、ヒトに対する剥離強度においては同等レベル以上の適度な粘着性を示すことが明らかとなった。一方で、比較例4のシリコーン系粘着シートと比較して、皮膚刺激性が低いことが認められた。また、特に動粘度の高い流動パラフィンや、ジブロック共重合体の含有量の高い熱可塑性エラストマーを用いた皮膚貼付用粘着シート(実施例1〜5)において、高い粘着性が認められた。
[実施例7〜11]皮膚貼付用粘着シートの調製
表4に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分は、次の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物):「JSR SIS5505」(表1中、「5505」と略記、JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=50/50、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.05Pa・s)
(2)中分子量ポリイソブチレン:「Oppanol B50SF」(表1中、「B50SF」と略記、BASF社製、粘度平均分子量=400,000)
(3)不揮発性炭化水素油(流動パラフィン):「Hydrobrite HV」(フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=247mm/s)
まず、中分子量ポリイソブチレンを、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレン及び不揮発性炭化水素油の合計量100重量部に対し、表4に記載された量のヘプタンもしくはヘキサンに溶解した。前記溶液に、表4に記載された量の酢酸プロピルもしくは酢酸エチルを加え、さらに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物を溶解した後、流動パラフィンを加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
上記塗液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に、乾燥後の粘着剤層が約400μmとなるように塗布した。表4に記載された条件で乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の皮膚貼付用粘着シートを得た。
[試験例3]粘着物性、皮膚刺激性及び粘着剤層の状態の評価
上記試験例1及び2と同様に粘着物性及び皮膚一次刺激性を評価した結果を表5に示した。また、粘着剤層における気泡の発生の状況及びポリイソブチレンの分散状態についても観察し、観察結果を表5に併せて示した。
なお、粘着剤層の形成用塗液の調製時に、溶媒としてトルエンを用いて調製した実施例3の皮膚貼付用粘着シート、及び市販のリバスチグミンを含有する貼付製剤についても、同様に評価した。
表5に示されるように、粘着剤層形成用塗液の調製に使用する溶媒によって、粘着剤層における気泡の発生状況が異なり、特にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用した場合、気泡が多く発生した。また、ヘプタン/酢酸プロピル混合溶媒またはヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用した場合、溶媒の混合比により、粘着剤層におけるポリイソブチレンの分散状態が異なり、炭化水素系溶媒と酢酸エステル系溶媒の比率が同程度の場合、トルエンを溶媒として用いた場合と同様に、ポリイソブチレンは微細に分散し、その結果、糊残りが少なく良好な粘着性を示すことが明らかとなった。なお、酢酸エステルの混合比率が溶媒の全量に対し50重量%を超える場合、ポリイソブチレンが析出し、粘着剤層形成用塗液は得られなかった。
[実施例12〜16、比較例5〜7]リバスチグミンを含有する経皮吸収製剤の調製
表6に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分は下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物
(a)KRAYTON D1111(表1中、「D111」と略記);クレイトン社製、SIS/SI比(重量比)=85/15、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.2Pa・s
(b)KRAYTON D1119(表1中、「D119」と略記);クレイトン社製、SIS/SI比(重量比)=34/66、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=0.34Pa・s
(c)JSR SIS5505(表1中、「5505」と略記);JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=50/50、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.05Pa・s
(2)ポリイソブチレン
(a)低分子量ポリイソブチレン:Oppanol B10SFN(表1中、「B10SFN」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=40,000
(b)中分子量ポリイソブチレン:Oppanol B50SF(表1中、「B50SF」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=400,000
(3)不揮発性炭化水素油:流動パラフィン
(a)KAYDOL;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=67mm/s
(b)Hydrobrite HV;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=247mm/s
まず、ポリイソブチレンを、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレン、流動パラフィン及びリバスチグミンの合計量100重量部に対し70重量部のトルエンに溶解した。前記溶液に、さらに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物を溶解した後、流動パラフィンおよびリバスチグミンを加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
上記塗液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に、乾燥後の粘着剤層中のリバスチグミン含有量が1.8mg/cmとなるように塗布した。100℃のオーブンにて40分間乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の経皮吸収製剤を得た。
[試験例4]粘着物性及び皮膚刺激性の評価
上記試験例1、2と同様に、粘着物性及び皮膚刺激性を評価した。なお、比較例6および7に関しては、表6に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取し上記方法でシートを調製したが、粘着剤層が安定に維持されず、評価を行うことができなかった。
[試験例5]in vitro皮膚透過性試験
国際公開第2006/093139号に記載された方法に準じて、Wister系雄性ラット(5週齢)の腹部抽出皮膚を縦型フランツ拡散セルに装着した。実施例12〜16の各経皮吸収製剤および市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤(「イクセロンパッチ」、ノバルティスファーマ株式会社製)を、それぞれ面積1.0cmの円形に打ち抜いて試料とし、拡散セルのラット皮膚上に貼付した(n=3〜6)。レセプター側溶液には10体積%エタノール生理食塩水を用いて、経時的にレセプター溶液中のリバスチグミン含有量を、下記条件下に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。
<HPLC測定条件>
HPLCシステム:高速液体クロマトグラフ(LC2010C)(株式会社島津製作所製)
カラム:ODS、4.6mmφ×15cm、5μm
カラム温度:25℃、
移動相:緩衝液/メタノール=50/50(容積比)、
(緩衝液;5.0mM 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、1体積%リン酸)
検出波長:220nm、
流量:0.8mL/min.
上記定量結果から、試料貼付後24時間にラット皮膚を透過したリバスチグミン量を求め、実施例12〜16の経皮吸収製剤と、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミンの皮膚透過量を比較し、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミン皮膚透過量を100とした場合の相対量にて示した。
試験例4、5の評価結果を表7に併せて示した。
表7より、本発明の実施例12〜16の各経皮吸収製剤は、市販の経皮吸収製剤と比較して同等以上の経皮吸収性を示し、かつヒトに対し、同等レベルの粘着性を示しながら、糊残り及び剥離時の痛みが抑制され、皮膚刺激性も低いことが認められた。
[実施例17〜19]リバスチグミンを含有する経皮吸収製剤の調製
表8に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分は下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物):「JSR SIS5505」(表1中、「5505」と略記、JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=50/50、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.05Pa・s)
(2)中分子量ポリイソブチレン:「Oppanol B50SF」(表1中、「B50SF」と略記、BASF社製、粘度平均分子量=400,000)
(3)不揮発性炭化水素油(流動パラフィン):「Hydrobrite HV」(フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=247mm/s)
まず、ポリイソブチレンを、熱可塑性エラストマー、ポリイソブチレン及び不揮発性炭化水素油の合計量100重量部に対し、表8に記載した溶媒(実施例18及び19についてはヘプタン又はヘキサン)に溶解した。前記溶液に、さらに(実施例18及び19については酢酸プロピル又は酢酸エチルを加えた後)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物を溶解した後、流動パラフィンおよびリバスチグミンを加えて混合、撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
上記塗液を、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に、乾燥後の粘着剤層中のリバスチグミン含有量が1.8mg/cmとなるように塗布した。100℃のオーブンにて35分間乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の経皮吸収製剤を得た。
[試験例6]
上記試験例1と同様に粘着物性を評価した。なお、比較のため、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤(「イクセロンパッチ」、ノバルティスファーマ株式会社製)につても、同様に評価した。
[試験例7]in vitro皮膚透過性試験(ヒト摘出皮膚使用)
国際公開第2006/093139号に記載された方法に準じて、ヒト検体摘出皮膚を縦型フランツ拡散セルに装着した。実施例17〜19の各経皮吸収製剤および市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤(「イクセロンパッチ」、ノバルティスファーマ株式会社製)をそれぞれ面積1.0cmの円形に打ち抜いて試料とし、拡散セルのヒト皮膚上に貼付した(それぞれn=6)。レセプター側溶液には10体積%エタノール生理食塩水を用いて、経時的にレセプター溶液中のリバスチグミン含有量を、試験例5と同様にHPLCにより定量した。
上記定量結果から、試料貼付後24時間にヒト皮膚を透過したリバスチグミン量を求め、実施例17〜19の経皮吸収製剤と、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミンの皮膚透過量を比較し、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミン皮膚透過量を100とした場合の相対量にて示した。
上記試験例6、7の評価結果を表9に併せて示した。
表9に示されるように、本発明の実施例17〜19の各経皮吸収製剤は、ヒトに対しては、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤と同程度の粘着性を示しながら、糊残りは認められず、剥離の際の痛みも認められなかった。また、ヒト皮膚透過性においても、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤と比較して、同等以上の皮膚透過性が認められた。
続いて、本発明の第二の態様における実施例を示す。
[実施例20〜31、比較例8〜11]皮膚貼付用粘着シートの調製
表10に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分については、下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物
(a)KRAYTON D1111(表1中、「D111」と略記);クレイトン・ポリマーズ社製、SIS/SI比(重量比)=85/15、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.2Pa・s
(b)KRAYTON D1119(表1中、「D119」と略記);クレイトン・ポリマーズ社製、SIS/SI比(重量比)=34/66、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=0.34Pa・s
(c)Quintac3520(表1中、「QTC3520」と略記);日本ゼオン株式会社製、SIS/SI比(重量比)=22/78、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.1Pa・s
(d)JSR SIS5505(表1中、「5505」と略記);JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=50/50、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.05Pa・s
(e)JSR SIS5229(表1中、「5229」と略記);JSR株式会社製、SIS/SI比(重量比)=80/20、25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度=1.5Pa・s
(2)ポリイソブチレン
(a)低分子量ポリイソブチレン:Oppanol B10SFN(表1中、「B10SFN」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=40,000
(b)低分子量ポリイソブチレン:Oppanol B15SFN(表1中、「B15SFN」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=85,000
(c)高分子量ポリイソブチレン:Oppanol B80(表1中、「B80」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=800,000
(d)高分子量ポリイソブチレン:Oppanol B100(表1中、「B100」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=1,110,000
(e)高分子量ポリイソブチレン:Oppanol B150(表1中、「B150」と略記);BASF社製、粘度平均分子量=2,600,000
(3)不揮発性炭化水素油:流動パラフィン
(a)KAYDOL;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=67mm/s
(b)Hydrobrite HV;フジケム ソネボーン社製、40℃における動粘度=247mm/s
まず、ポリイソブチレンを、ポリイソブチレン、熱可塑性エラストマーおよび流動パラフィンの合計量100重量部に対し70重量部のトルエンに溶解した。前記溶液に、さらに、熱可塑性エラストマーを溶解した後、流動パラフィンを加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
上記塗液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約400μmとなるように、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布した。100℃のオーブンにて40分間乾燥した後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の皮膚貼付用粘着シートを得た。
[比較例12]シリコーン系皮膚貼付用粘着シートの調製
国際公開第2007/064407号の[実施例]に記載の方法に準じて、乾燥後の組成が下記組成となるように塗液を調製し、乾燥後の単位面積当たりの重量が90g/mとなるように、テフロン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗付して、乾燥した。
該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の皮膚貼付用粘着シートを得た。
<塗液組成>
シリコーン系粘着剤(「Bio−PSA
Q7−4301」、ダウコーニング社製) 98.9(重量%)
シリコーン油 1.0
ビタミンE 0.1
[試験例8]粘着物性試験
(1)試料の調製
実施例20〜31および比較例8〜12の皮膚貼付用粘着シートを、それぞれ25mm×100mmに裁断し、試料とした。
(2)対ステンレス(SUS)剥離強度
JIS Z0237:2009に準拠し、各試料をステンレス(SUS304)板に貼付し、IMADA社製電動計測スタンドMX2−500N、およびデジタルフォースゲージZP−50Nにて、180°方向に300mm/minの速度で剥離した際の応力を測定した。
(3)対ヒト剥離強度
JIS Z0237:2009に準拠し、各試料を健常ボランティア前腕内側に貼付し、IMADA社製電動計測スタンドMX2−500N、およびデジタルフォースゲージZP−50Nにて、90°方向に300mm/minの速度で剥離した際の応力を測定した。
また、試料を剥離した際の痛みについて、次の基準で評価した。
<評価基準>
0:ほとんど痛さを感じない。
1:僅かに痛さを感じる。
2:かなり痛く感じる。
[試験例9]皮膚一次刺激性試験
実施例20〜31および比較例8〜12の皮膚貼付用粘着シートを、それぞれ2.5cm角に裁断して、試料とした。
貼付開始日の3日前にkbs:JW雌性家兎(17週齢)の背部被毛を電気バリカンで毛刈りし、各試料を皮膚に貼付した(それぞれn=3)。貼付場所を覆うように油紙を載せ、胸部から腹部全体にかけてアンダーラップテープ(ニチバン株式会社製)を覆うように巻き付け、さらに家兎用ジャケット(「BJ03」、バイオリサーチセンター株式会社製)を装着させた。24時間固定後、試料を除去し、除去後1時間目、24時間目、48時間目、および72時間目にJ.Pharmacol.Exp.Ther.82,377−390(1944)に記載の方法に基づき、皮膚刺激反応の程度を評価した。
すなわち、試料除去後、上記各時間経過後において、紅斑および痂皮形成ならびに浮腫形成について下記評価基準に従って評価し、点数化した。各評価点の平均値を求め一次評価値を算出し、前記各時間経過後の平均評価値について各家兎の平均値を求めて、一次刺激性指数P.I.I.(Primary Irritation Index)とした。P.I.I.値は最低0、最高8となり、上記表2に示す4つの皮膚一次刺激反応のカテゴリーに区分される。
<皮膚刺激反応の評価基準>
[紅斑および痂皮の形成]
紅斑を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)紅斑を認める;1点
明確な紅斑を認める;2点
中等度ないし高度の紅斑を認める;3点
高度の紅斑から紅斑の採点を妨げる程度の痂皮の形成を認める;4点
[浮腫の形成]
浮腫を認めない;0点
非常に軽度な(かろうじて識別できる程度の)浮腫を認める;1点
軽度の浮腫を認める(はっきりした膨隆による明確な縁が識別できる);2点
中等度の浮腫(約1mmの膨隆)を認める;3点
高度の浮腫(1mm以上の膨隆と曝露範囲を超えた広がり)を認める;4点
上記試験の結果を表11にまとめて示した。
なお、比較例10、11の皮膚貼付用粘着シートでは、粘着剤層が安定に維持されず、上記試験を行うことができなかった。
表11より、本発明の実施例20〜31の各粘着シートは、粘着物性において、比較例12のシリコーン系粘着シートに比べて、ステンレスに対する剥離強度は低いものの、ヒトに対する剥離強度においてはほぼ同等またはそれ以上の適度な粘着性を示すことが明らかとなった。一方で、比較例12のシリコーン系粘着シートと比較して、皮膚刺激性が低いことが認められた。また、動粘度の高い流動パラフィンや、ジブロック共重合体の含有量の高い熱可塑性エラストマーを用いた皮膚貼付用粘着シート(実施例22〜31)において、粘着性が向上する傾向が認められた。ただし、熱可塑性エラストマーに対するポリイソブチレン含有量や、熱可塑性エラストマーに対する不揮発性炭化水素油含有量が高くなると、剥離時に糊残りが生じる傾向が見られた。
ポリイソブチレンを含有しない比較例8の粘着シート、および不揮発性炭化水素油の含有量が熱可塑性エラストマー100重量部に対して120重量部以下である比較例9の粘着シートでは、ヒトに対して十分な粘着性が得られなかった、また、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、500重量部を超えるポリイソブチレンを含有する比較例10の粘着シート、および、800重量部を超える不揮発性炭化水素油を含有する比較例11の粘着シートでは、上述したように、粘着剤層を維持することが困難であった。
[実施例32〜37、比較例13〜16]リバスチグミンを含有する経皮吸収製剤の調製
表12に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。粘着剤層の構成成分は下記の通りである。
(1)熱可塑性エラストマー
上記(a)〜(e)のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物を用いた。
(2)ポリイソブチレン
上記(a)、(b)の低分子量ポリイソブチレン、および(c)、(d)の高分子量ポリイソブチレンを用いた。
(3)不揮発性炭化水素油
上記(a)、(b)の流動パラフィンを用いた。
まず、ポリイソブチレンを、ポリイソブチレン、熱可塑性エラストマー、流動パラフィンおよびリバスチグミンの合計量100重量部に対し70重量部のトルエンに溶解した。前記溶液に、さらに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)/スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)混合物を溶解した後、流動パラフィンおよびリバスチグミンを加えて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗液を調製した。
次いで、上記塗液を、乾燥後の粘着剤層中のリバスチグミン含有量が1.8mg/cmとなるように、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布した。100℃のオーブンにて40分間乾燥した後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の経皮吸収製剤を得た。
[試験例10]粘着物性及び皮膚刺激性の評価
実施例32〜37および比較例13〜16の経皮吸収製剤について、上記試験例8と同様に粘着物性を評価し、実施例32〜37の経皮吸収製剤について、上記試験例9と同様に皮膚刺激性を評価した。また、市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤(ノバルティスファーマ製「イクセロンパッチ」)についても、同様に粘着物性および皮膚刺激性を評価した。
なお、比較例15および16に関しては、表12に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取し上記方法でシートを調製したが、粘着剤層が安定に維持されず、上記評価を行うことができなかった。
[試験例11]in vitro皮膚透過性試験
国際公開第2006/093139号に記載された方法に準じて、Wister系雄性ラット(5週齢)の腹部抽出皮膚を縦型フランツ拡散セルに装着した。実施例32〜37の各経皮吸収製剤、および上記市販のリバスチグミン含有経皮吸収製剤をそれぞれ面積1.0cmの円形に打ち抜いて試料とし、拡散セルのラット皮膚上に貼付した(n=3〜6)。レセプター側溶液には10体積%エタノール生理食塩水を用いて、経時的にレセプター溶液中のリバスチグミン含有量を、下記条件下に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。
<HPLC測定条件>
HPLCシステム:高速液体クロマトグラフ(LC2010C)(株式会社島津製作所製)
カラム:ODS、4.6mmφ×15cm、5μm
カラム温度:25℃、
移動相:緩衝液/メタノール=50/50(容積比)、
(緩衝液;5.0mM 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、1体積%リン酸)
検出波長:220nm、
流量:0.8mL/min.
上記定量結果から、試料貼付後24時間にラット皮膚を透過したリバスチグミン量を求め、実施例32〜37の経皮吸収製剤と、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミンの皮膚透過量を比較し、市販の経皮吸収製剤のリバスチグミン皮膚透過量を100とした場合の相対量にて示した。
試験例10、11の結果を表13に併せて示した。
表13より、本発明の実施例32〜37の各経皮吸収製剤は、市販の経皮吸収製剤と比較して同等以上の経皮吸収性を示し、かつヒトに対し、同等レベルの粘着特性を示しながら、糊残り及び剥離時の痛みが抑制され、皮膚刺激性も低いことが認められた。
以上詳述したように、本発明の皮膚貼付用粘着シートは、皮膚に対して適度な粘着性を有するとともに、皮膚に対する刺激性が低い。またこれを利用した本発明の経皮吸収製剤は、前記特性に加えて経皮吸収性にも優れており、既存の経皮吸収製剤の性能改善、並びに新たな経皮吸収製剤開発に利用することができる。
本出願は、日本国で出願された特願2014−261231を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (30)

  1. 支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
    該粘着剤層は、
    少なくとも熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下であるポリイソブチレンを含み、
    不揮発性炭化水素油の含有量が、該上記エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下であり、上記ポリイソブチレンの含有量が、上記エラストマー100重量部に対して3重量部を超え、500重量部以下であって、
    かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
  2. ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して10重量部を超え、300重量部以下である、請求項1に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  3. ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して20重量部を超え、100重量部以下である、請求項2に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  4. 熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  5. 混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、請求項4に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  6. 熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  7. スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、請求項6に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  8. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  9. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、請求項8に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  10. 不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  11. 粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が30重量%以上、80重量%以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる経皮吸収製剤。
  13. 薬物がリバスチグミンである、請求項12に記載の経皮吸収製剤。
  14. 支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
    該粘着剤層は、
    少なくとも熱可塑性エラストマー、不揮発性炭化水素油、および粘度平均分子量が100,000を超え、500,000以下であるポリイソブチレンを含み、
    かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
  15. 請求項14に記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有せしめてなる経皮吸収製剤。
  16. 薬物がリバスチグミンである、請求項15に記載の経皮吸収製剤。
  17. 支持体上に粘着剤層が形成された皮膚貼付用粘着シートであって、
    該粘着剤層は、
    少なくとも熱可塑性エラストマー、および
    該エラストマー100重量部に対して120重量部を超え、800重量部以下の不揮発性炭化水素油、および、3重量部を超え、500重量部以下のポリイソブチレンを含み、
    該ポリイソブチレンが、粘度平均分子量が30,000を超え、100,000以下である低分子量ポリイソブチレンと、粘度平均分子量が500,000を超え、5,000,000以下である高分子量ポリイソブチレンとの混合物であって、
    かつ、粘着付与剤を含まない、皮膚貼付用粘着シート。
  18. ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して10重量部を超え、300重量部以下である、請求項17に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  19. ポリイソブチレンの含有量が、熱可塑性エラストマー100重量部に対して20重量部を超え、130重量部以下である、請求項18に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  20. 低分子量ポリイソブチレンの粘度平均分子量が、50,000を超え、100,000以下である請求項17〜19のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  21. 熱可塑性エラストマーがトリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物であって、混合物中のジブロック共重合体の含有量が20重量%以上である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  22. 混合物中のジブロック共重合体の含有量が30重量%以上である、請求項21に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  23. 熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、請求項17〜22のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  24. スチレン系ブロック共重合体がスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とスチレン−イソプレンブロック共重合体との混合物である、請求項23に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  25. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.5Pa・s以上である、請求項17〜24のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  26. 熱可塑性エラストマーの25重量%トルエン溶液の25℃における溶液粘度が、0.7Pa・s以上である、請求項25に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  27. 不揮発性炭化水素油の40℃における動粘度が80mm/s以上である、請求項17〜26のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  28. 粘着剤層中の不揮発性炭化水素油の含有量が30重量%以上、80重量%以下である、請求項17〜27のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シート。
  29. 請求項17〜28のいずれか1項に記載の皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層に、薬物またはその薬学的に許容し得る塩を含有する、経皮吸収製剤。
  30. 薬物がリバスチグミンである、請求項29に記載の経皮吸収製剤。
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