JP2021006374A - スクライビングホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は寿命が長く、被加工物の品質が低下しにくいスクライビングホイールを提供する。【解決手段】スクライビングホイール10はダイヤモンド製の刃先部30を含む。刃先部30はR面取り加工が施された先端部40、および、被加工物に押し付けられた状態において被加工物との間に空間が形成されるように構成された接触抑制構造50を含む。【選択図】図3

Description

本発明は被加工物のスクライブ加工に用いられるスクライビングホイールに関する。
脆性材料基板等の被加工物をスクライブ加工するためにスクライビングホイールが用いられる。スクライビングホイールの素材は例えば超硬合金またはダイヤモンドである。スクライビングホイールの種類は被加工物の種類等に応じて選択される。ダイヤモンド製のスクライビングホイールは超硬合金製のスクライビングホイールと比較して耐久性が高い。ただし、刃先部の欠け等が生じないわけではない。特許文献1は単結晶ダイヤモンド製のスクライビングホイールの寿命が長くなるように、刃先部の先端部にR面取り加工を施す技術を開示している。
特開2018−52129号公報
ブレイク工程においてブレイクされた被加工物の品質は被加工物に形成された垂直クラックの深さの影響を受ける。垂直クラックの深さが深い場合には、ブレイクされた被加工物の品質が低下しにくい。スクライブ加工時にスクライビングホイールにより被加工物に付与される荷重(以下「スクライブ荷重」という)の大きさは垂直クラックの深さに影響を及ぼす。
刃先部の先端部にR面取り加工が施されたスクライビングホイールを用いた場合の垂直クラックの深さは、刃先部の先端部が鋭利なスクライビングホイールを用いた場合の垂直クラックの深さよりも浅くなる。刃先部の先端部にR面取り加工が施されたスクライビングホイールを用いる場合、被加工物に深い垂直クラックを形成するための手段は例えば大きなスクライブ荷重を被加工物に付与することである。これはスクライビングホイールの寿命や被加工物の品質との関係から好ましくない可能性がある。
スクライブ荷重は垂直クラックの深さだけではなく、例えばスクライビングホイールの摩耗の進行、および、スクライブ加工時における被加工物の品質の一方または両方に影響を及ぼす。スクライブ荷重が大きくなるほどスクライビングホイールの摩耗が進行しやすく、スクライビングホイールの寿命を縮めるおそれがある。スクライブ荷重が大き過ぎる場合、スクライブ加工された被加工物の品質が低下するおそれがある。
本発明の目的は寿命が長く、被加工物の品質が低下しにくいスクライビングホイールを提供することである。
本発明に関するスクライビングホイールはダイヤモンド製の刃先部を含むスクライビングホイールであって、前記刃先部はR面取り加工が施された先端部、および、被加工物に押し付けられた状態において被加工物との間に空間が形成されるように構成された接触抑制構造を含む。
上記スクライビングホイールでは例えば次の2つの効果が得られる。1点目の効果として、スクライビングホイールの寿命が長くなる。刃先部の先端部にR面取り加工が施されることにより、刃先部の先端部における局所的な荷重の作用が抑えられる。これにともない刃先部の先端部の欠けの発生を抑制する効果、および、刃先部の先端部の摩耗の進行を抑制する効果の一方または両方が得られる。これらの効果はスクライビングホイールの寿命を長くすることに寄与する。2点目の効果として、被加工物に適切に垂直クラックが形成され、被加工物の品質が低下しにくくなる。その理由は次のように考えられる。上記スクライビングホイールの刃先部が被加工物に押し付けられた状態では、接触抑制構造と被加工物との間に空間が形成される。被加工物において刃先部が接触する部分に関する単位面積あたりのスクライブ荷重が大きくなり、被加工物に局所的にスクライブ荷重が作用し、垂直クラックが伸展しやすくなる。これは被加工物に深い垂直クラックを形成することに寄与する。接触抑制構造の作用により被加工物に深い垂直クラックが形成されるため、スクライブ荷重を調整できる範囲が広くなる。被加工物に付与されるスクライブ荷重が小さい場合、スクライビングホイールの摩耗の進行を抑制する効果、および、スクライブ加工される被加工物の品質を高める効果の一方または両方が得られる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記接触抑制構造は前記スクライビングホイールの内部に向けて窪む凹部を含む。
上記スクライビングホイールによれば、刃先部に凹部を形成することにともない刃先部に接触抑制構造を形成できる。これは接触抑制構造の形成するための製造上の負荷を軽減することに寄与する。
前記スクライビングホイールの一例では、前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に起伏する第1起伏部をさらに含み、前記第1起伏部は複数の谷および複数の山を含み、前記接触抑制構造を構成する。
上記スクライビングホイールでは、スクライブ加工時に被加工物に対するスクライビングホイールのすべりが生じにくい。その理由は次のように考えられる。被加工物に対するスクライビングホイールの走査にともないスクライビングホイールが被加工物に対して回転し、第1起伏部の山の山頂を含む部分が周期的に被加工物に接触し、刃先部と被加工物との間の摩擦力が増加する。その影響により被加工物に対するスクライビングホイールのすべりの発生が抑えられる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に長い溝をさらに含み、前記第1起伏部は前記溝の底面に形成される。
上記スクライビングホイールによれば、刃先部に溝を形成することにともない刃先部に接触抑制構造を形成できる。これは接触抑制構造の形成するための製造上の負荷を軽減することに寄与する。
前記スクライビングホイールの一例では、前記刃先部は前記刃先部の刃先面の傾斜方向に起伏する第2起伏部をさらに含み、前記第2起伏部は複数の谷および複数の山を含み、前記接触抑制構造を構成する。
上記スクライビングホイールでは、スクライブ加工時に被加工物に対するスクライビングホイールのすべりが生じにくい。その理由は次のように考えられる。第2起伏部の一部と被加工物との接触により刃先部と被加工物との間の摩擦力が増加する。その影響により被加工物に対するスクライビングホイールのすべりの発生が抑えられる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に長い複数の溝をさらに含み、前記第2起伏部は前記傾斜方向に並ぶ前記複数の溝により構成される。
上記スクライビングホイールによれば、刃先面の傾斜方向に並ぶ複数の溝を刃先部に形成することにともない刃先部に接触抑制構造を形成できる。これは接触抑制構造の形成するための製造上の負荷を軽減することに寄与する。
前記スクライビングホイールの一例では、前記先端部の曲率半径は1μm〜10μmの範囲に含まれる。
先端部の曲率半径が1μm以上である場合、刃先部の欠けの発生を抑制する効果、および、刃先部の摩耗の進行を抑制する効果の一方または両方が高くなる。先端部の曲率半径が10μm以下である場合、深い垂直クラックが被加工物に形成されやすくなる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記ダイヤモンドは単結晶タイヤモンドである。
上記スクライビングホイールによれば、例えば超硬合金製のスクライビングホイールと比較して寿命が長くなる。
本発明に関するスクライビングホイールによれば、寿命が長く、被加工物の品質が低下しにくい。
第1実施形態のスクライビングホイールの側面図。 図1のスクライビングホイールの正面図。 正面視の刃先部の拡大図。 側面視の刃先部の拡大図。 第1起伏部のうねり曲線の一例を示す図。 第2起伏部のうねり曲線の一例を示す図。 スクライビングホイールの製造工程を示す図。 刃先部と被加工物との関係を示すモデル図。 第2実施形態の刃先部のモデル図。
(第1実施形態)
図1に示されるスクライビングホイール10は被加工物のスクライブ加工に用いられる。被加工物は例えば基板である。基板は例えば脆性材料基板である。脆性材料基板は例えばガラス基板またはセラミックス基板である。スクライビングホイール10は本体20および刃先部30を備えている。スクライビングホイール10のうち少なくとも刃先部30は高硬度材料により形成される。高硬度材料は例えばダイヤモンド焼結体、単結晶ダイヤモンド、または、多結晶ダイヤモンドである。スクライビングホイール10の基礎的構造は例えば第1構造および第2構造に分類される。第1構造では、スクライビングホイール10の全体が高硬度材料により形成される。第2構造では、スクライビングホイール10は非高硬度材料により形成される非高硬度部、および、高硬度材料により形成される高硬度部を含む。高硬度部は例えば非高硬度部を被覆するコーティング層である。
一例では、スクライビングホイール10の全体が単結晶ダイヤモンドまたは多結晶ダイヤモンドにより構成される。本体20はスクライビングホイール10の中心軸10Aまわりに設けられている。以下では、スクライビングホイール10の中心軸10Aに沿う方向をスクライビングホイール10の軸方向と称する。スクライビングホイール10の軸方向においてスクライビングホイール10の中心を通過し、中心軸10Aに直交する面を中心面と称する。スクライビングホイール10は中心面に対して対称または非対称である。図1に示される例では、スクライビングホイール10は中心面に対して対称である。中心面はスクライビングホイール10の対称面に相当する。
図1に示されるスクライビングホイール10の側面視では、本体20の形状は環である。本体20には、本体20をスクライビングホイール10の軸方向に貫通する貫通孔21が形成されている。本体20の貫通孔21の周囲には面取り22が形成されている。貫通孔21には、スクライビングホイール10を支持するピンが挿入される。スクライビングホイール10とピンとのはめあいは、すきまばめ、中間ばめ、または、しまりばめである。ピンはスクライブ加工装置に設けられるホルダに支持される。ピンとホルダとのはめあいは、スクライビングホイール10がホルダに対して回転できるように、すきまばめ、中間ばめ、または、しまりばめから選択される。
刃先部30は本体20に対してスクライビングホイール10の径方向の外方に設けられている。刃先部30はスクライビングホイール10の刃を構成する。図1に示されるスクライビングホイール10の側面視では、刃先部30の形状は環である。本体20の表面23と刃先部30の表面31との間には境界線10Cが形成されている。境界線10Cの形状は本体20の形状に対応する円である。
図2に示されるように、刃先部30の厚さはスクライビングホイール10の径方向の外方に向かうにつれて薄くなる。単結晶ダイヤモンドにより構成される刃先部30では、単結晶ダイヤモンドの結晶方位によりスクライビングホイール10の円周方向の部位毎に硬さが異なる。スクライビングホイール10が単結晶ダイヤモンド製の母材から製造される場合、母材の加工方法として例えばレーザ加工が用いられる。この加工方法では結晶方位の影響を受けることなく単結晶ダイヤモンドを加工できる。
図2に示されるスクライビングホイール10の正面視において、スクライビングホイール10の輪郭を示す線を稜線10Bと称する。一例では、稜線10Bはスクライビングホイール10の中心面上に位置する。図1に示されるスクライビングホイール10の側面視において中心軸10Aと稜線10Bとを結ぶ線分をスクライビングホイール10の半径と称する。スクライビングホイール10の半径により決められる円をスクライビングホイール10の円周と称する。スクライビングホイール10の円周の直径はスクライビングホイール10の外径に相当する。
刃先部30の表面31は稜線10Bを基準に第1刃先面31Aおよび第2刃先面31Bに区分できる。第1刃先面31Aは稜線10Bに対するスクライビングホイール10の軸方向の一方において、稜線10Bと境界線10Cとの間に広がる。第2刃先面31Bは稜線10Bに対するスクライビングホイール10の軸方向の他方において、稜線10Bと境界線10Cとの間に広がる。以下では、スクライビングホイール10の正面視において第1刃先面31Aまたは第2刃先面31Bに沿う方向を刃先面の傾斜方向と称する。
スクライビングホイール10はスクライビングホイール10の中心面を基準に第1台部11および第2台部12に区分できる。第1台部11は中心面に対するスクライビングホイール10の軸方向の一方の部分を構成する。第2台部12は中心面に対するスクライビングホイール10の軸方向の他方の部分を構成する。第1台部11および第2台部12は円錐台に貫通孔21を形成した立体に相当する。第1台部11の側面は第1刃先面31Aに相当する。第2台部12の側面は第2刃先面31Bに相当する。スクライビングホイール10の中心面に直交するスクライビングホイール10の断面上では、第1刃先面31Aおよび第2刃先面31Bはスクライビングホイール10の円周において中心面に交差するように中心面に対して傾斜している。
図3に示されるように、刃先部30はR面取り加工が施された先端部40、および、スクライブ加工時に被加工物との間に空間が形成されるように起伏する接触抑制構造50を含む。図3では刃先部30のサイズに対して先端部40の湾曲の度合を誇張して表現している。刃先部30が単結晶ダイヤモンドにより形成される場合、単結晶ダイヤモンドの結晶方位により刃先部30の硬さはスクライビングホイール10の円周方向の部位毎に異なる。つまり、刃先部30には結晶方位により相対的に硬さが大きい部分および相対的に硬さが小さい部分が含まれる。刃先部30の硬さが小さい部分では刃先部30の硬さが大きい部分と比較して欠けが発生するおそれが高くなる。R面取り加工が施された先端部40を含む刃先部30では、先端部40における局所的な荷重の作用が抑えられ、結晶方位による硬さが小さい部分における欠けの発生が抑えられる。
以下では、先端部にR面取り加工が施されず、刃先部に接触抑制構造が形成されないスクライビングホイールを基準スクライビングホイールと称する。基準スクライビングホイールの先端部はスクライビングホイール10の先端部40と比較して鋭利である。基準スクライビングホイールの刃先部の表面のうねりはスクライビングホイール10の刃先部30の表面31のうねりよりも小さい。
先端部40の表面である先端面41はスクライビングホイール10の径方向の外方に向けて突出する曲面である。稜線10Bは先端部40の頂部により形成される。先端部40にR面取り加工が施されているため、先端部40には基準スクライビングホイールの先端部に見られるようなエッジは存在しない。ただし、図2では基準スクライビングホイールの先端部の稜線を表現する場合と同様の表現方法で先端部40の稜線10Bを表現している。
先端部40の先端面41は刃先部30の表面31に含まれる。各刃先面31A、31Bにおける先端面41以外の部分を主面31Cと称する。接触抑制構造50は第1刃先面31Aの主面31Cおよび第2刃先面31Bの主面31Cの少なくとも一方に形成される。接触抑制構造50と主面31Cとの関係について例示する。図3に示される第1例では、各刃先面31A、31Bのそれぞれの主面31Cに接触抑制構造50が形成される。第2例では、第1刃先面31Aの主面31Cに接触抑制構造50が形成され、第2刃先面31Bの主面31Cには接触抑制構造50が形成されない。第3例では、第2刃先面31Bの主面31Cに接触抑制構造50が形成され、第1刃先面31Aの主面31Cには接触抑制構造50が形成されない。
刃先部30の主面31Cと被加工物との関係について例示する。第1例では、主面31Cは接触部および非接触部に区分できる。主面31Cの接触部は刃先部30が被加工物に押し付けられた状態において、主面31Cのうちの被加工物と接触する部分である。主面31Cの接触部は主面31Cのうち、少なくとも先端部40の先端面41に隣接する部分を含む。主面31Cの非接触部は、刃先部30が被加工物に押し付けられた状態において、主面31Cのうちの被加工物と接触しない部分である。主面31Cの非接触部は主面31Cのうち、少なくとも境界線10Cに隣接する部分を含む。第2例では、主面31Cの全体が接触部に該当する。
接触部および非接触部を含む主面31Cにおける接触抑制構造50の形成範囲について例示する。第1例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の全体、および、主面31Cの非接触部の全体に形成される。第2例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の全体に形成され、主面31Cの非接触部には形成されない。第3例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の全体、主面31Cの非接触部の一部に形成され、主面31Cの非接触部の他の一部には形成されない。第4例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の一部に形成され、主面31Cの接触部の他の一部および主面31Cの非接触部には形成されない。
接触部だけを含む主面31Cにおける接触抑制構造50の形成範囲について例示する。第1例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の全体に形成される。第2例では、接触抑制構造50は主面31Cの接触部の一部に形成され、主面31Cの接触部の他の一部には形成されない。
スクライビングホイール10の各部位の寸法は被加工物のサイズ等に応じて任意に選択できる。スクライビングホイール10の外径は例えばφ1.5mm〜φ6mmの範囲から選択される。一例では、スクライビングホイール10の外径はφ2mmである。本体20の厚さは例えば0.4mm〜1.1mmの範囲から選択される。一例では、本体20の厚さは0.64mmである。先端部40の先端面41における粗さ曲線の算術平均粗さは例えば0.01μm〜0.06μmの範囲に含まれる。刃先部30の主面31Cにおける粗さ曲線の算術平均粗さは例えば0.10μm〜0.20μmの範囲に含まれる。刃先部30の主面31Cにおけるうねり曲線の平均長さは10μm〜20μmの範囲に含まれる。刃先部30の主面31Cにおけるうねり曲線の最大高さは例えば0.3μm〜1.0μmの範囲に含まれる。
スクライビングホイール10は所定の刃先角θを有する。刃先角θは例えば図3に示されるスクライビングホイール10の正面視において第1直線L1および第2直線L2により規定される。第1直線L1は刃先面の傾斜方向に平行、かつ、第1刃先面31Aの主面31Cを通過する直線である。第2直線L2は刃先面の傾斜方向に平行、かつ、第2刃先面31Bの主面31Cを通過する直線である。刃先角θは第1直線L1と第2直線L2とがなす角度に相当する。刃先角θの大きさについて例示する。刃先角θは鈍角、直角、または、鋭角である。図示される例では刃先角θは鈍角である。刃先角θは例えば90°〜140°の範囲から選択される。
先端部40の曲率半径は任意に選択できる。一例では、先端部40の曲率半径は第1条件〜第3条件の少なくとも1つを満たすように設定される。第1条件はスクライブ加工にともなう先端部40の欠けが生じにくいことである。第1条件が満たされるか否かについては、例えば被加工物に対するスクライビングホイール10の基準の走行距離あたりに生じる先端部40の欠けの発生回数が規定の回数以下であることにより確認できる。第1条件が満たされる場合、スクライビングホイール10の寿命が長くなる。第2条件はスクライブ加工にともなうスクライビングホイール10の摩耗が進行しにくいことである。第2条件が満たされるか否かについては、例えば被加工物に対するスクライビングホイール10の基準の走行距離あたりの先端部40の摩耗量が規定の摩耗量以下であることにより確認できる。第2条件が満たされる場合、スクライビングホイール10の寿命が長くなる。第3条件は被加工物に垂直クラックが適切に形成されることである。第3条件が満たされるか否かについては、例えば被加工物の厚さに対する垂直クラックの深さ(以下「深さ率」という)が規定の範囲に含まれることにより確認できる。第3条件が満たされる場合、スクライブ加工された被加工物がブレイク加工されたときの被加工物の品質が低下しにくい。
基本的には、先端部40の曲率半径が大きくなるほど、先端部40の欠けの発生や摩耗の進行を抑制する効果が高くなり、垂直クラックの深さ率が小さくなる。先端部40の曲率半径の最大値は例えば10μmである。先端部40の曲率半径の最小値は例えば1μmである。一例では、先端部40の曲率半径は2μm〜5μmの範囲から選択される。先端部40の曲率半径が1μm以上である場合、先端部40の欠けの発生や摩耗の進行を抑制する効果が高くなる。先端部40の曲率半径が10μm以下である場合、深い垂直クラックが被加工物に形成されやすくなる。
接触抑制構造50の具体的な形態は任意に選択できる。一例では、接触抑制構造50は刃先部30の主面31Cに形成される1または複数の凹部51により構成される。接触抑制構造50が複数の凹部51を含む形態では、複数の凹部51の相互の関係を任意に選択できる。複数の凹部51は規則的または不規則に配置される。規則的に配置される複数の凹部51は所定の方向に並べられる。所定の方向は例えばスクライビングホイール10の円周方向、刃先面の傾斜方向、または、これらの方向の一方に交差する方向である。複数の凹部51の開口面積は同一の面積または互いに異なる面積に設定される。複数の凹部51の深さは同一の深さまたは互いに異なる深さに設定される。凹部51の深さは表面粗さに規定される最大谷深さよりも深い。
凹部51の具体的な形態について例示する。
凹部51の第1形態では、凹部51は主面31Cに形成される溝である。溝は所定の方向に長い。所定の方向は例えばスクライビングホイール10の円周方向、刃先面の傾斜方向、または、これらの方向の一方に交差する方向である。図4では、円周方向に長い凹部51を例示している。凹部51が複数の溝を含む形態では、複数の溝の相互の関係を任意に選択できる。溝の長さの方向の関係について例示する。第1例では、全ての溝の長さの方向は同一である。第2例では、全ての溝の長さの方向は互いに異なる。第3例では、複数の溝には長さの方向が同一の複数の溝、および、長さの方向が互いに異なる複数の溝が含まれる。溝の幅の関係について例示する。第1例では、全ての溝の幅は同一である。第2例では、全ての溝の幅は互いに異なる。第3例では、複数の溝には幅が同一の複数の溝、および、幅が互いに異なる複数の溝が含まれる。溝の深さの関係について例示する。第1例では、全ての溝の深さは同一である。第2例では、全ての溝の深さは互いに異なる。第3例では、複数の溝には深さが同一の複数の溝、および、深さが互いに異なる複数の溝が含まれる。溝の断面形状の関係について例示する。第1例では、全ての溝の断面形状は同一である。第2例では、全ての溝の断面形状は互いに異なる。第3例では、複数の溝には断面形状が同一の複数の溝、および、断面形状が互いに異なる複数の溝が含まれる。
凹部51の第2形態では、凹部51は主面31Cに形成される開口部である。開口部は所定の方向に長いという溝の特徴を含まない点で溝と相違する。凹部51が複数の開口部を含む形態では、複数の開口部の相互の関係を任意に選択できる。開口部の開口面積の関係について例示する。第1例では、全ての開口部の開口面積は同一である。第2例では、開口部の開口面積は互いに異なる。第3例では、複数の開口部には開口面積が同一の複数の開口部、および、開口面積が互いに異なる複数の開口部が含まれる。開口部の深さの関係について例示する。第1例では、全ての開口部の深さは同一である。第2例では、開口部の深さは互いに異なる。第3例では、複数の開口部には深さが同一の複数の開口部、および、深さが互いに異なる複数の開口部が含まれる。開口部の平面視における開口部の形状の関係について例示する。第1例では、全ての開口部の形状は同一である。第2例では、開口部の形状は互いに異なる。第3例では、複数の開口部には形状が同一の複数の開口部、および、形状が互いに異なる複数の開口部が含まれる。
凹部51の第3形態では、凹部51は主面31Cに形成される起伏部の谷である。起伏部は複数の谷および複数の山を含む。主面31Cには複数の谷および複数の山によりうねりが形成される。複数の谷の相互の関係は任意に選択できる。谷の深さの関係について例示する。第1例では、全ての谷の深さは同一である。第2例では、全ての谷の深さは互いに異なる。第3例では、複数の谷には深さが同一の複数の谷、および、深さが互いに異なる複数の谷が含まれる。谷の断面形状の関係について例示する。第1例では、全ての谷の断面形状は同一である。第2例では、全ての谷の断面形状は互いに異なる。第3例では、複数の谷には断面形状が同一の複数の谷、および、断面形状が互いに異なる複数の谷が含まれる。
凹部51の第4形態では、凹部51は凹部51の第1形態、第2形態、および、第3形態の少なくとも2つが組み合わせられた形態を有する。凹部51の第1形態に例示される複数の溝の相互の関係、凹部51の第2形態に例示される複数の開口部の相互の関係、および、凹部51の第3形態に例示される複数の谷の相互の関係は凹部51の第4形態にも適用できる。
図3〜図6に示される例では、刃先部30は起伏部60を含む。起伏部60は各刃先面31A、31Bの主面31Cに形成されている。起伏部60は所定の方向にうねりを形成する。所定の方向は例えばスクライビングホイール10の円周方向、刃先面の傾斜方向、または、これらの方向の一方に交差する方向である。起伏部60の第1形態では、起伏部60はスクライビングホイール10の円周方向のうねりを形成する第1起伏部61を含む。図5は第1起伏部61のうねり曲線の一例を示す。起伏部60の第2形態では、起伏部60は刃先面の傾斜方向のうねりを形成する第2起伏部62を含む。図6は第2起伏部62のうねり曲線の一例を示す。起伏部60の第3形態では、起伏部60は第1起伏部61および第2起伏部62の両方を含む。
図5に示されるように、第1起伏部61は複数の谷61Aおよび複数の山61Bを含む。谷61Aおよび山61Bは平均線61Lにより区分される。谷61Aは平均線61Lに対するスクライビングホイール10の径方向の内方の部分である。谷61Aは谷底61Cを含む。山61Bは平均線61Lに対するスクライビングホイール10の径方向の外方の部分である。山61Bは山頂61Dを含む。複数の谷61Aおよび複数の山61Bはスクライビングホイール10の円周方向に交互に形成される。谷61Aとこれに対してスクライビングホイール10の回転方向の後方に隣接する山61Bとを1組の谷61Aおよび山61Bとする。1組の谷61Aおよび山61Bは谷底61Cと山頂61Dとの間に広がる前面61Eを含む。第1起伏部61は接触抑制構造50の凹部51を構成する。谷底61Cを含む谷61Aの底面は凹部51の底面52を構成する。
第1起伏部61を含むスクライビングホイール10では、スクライブ加工時において被加工物に対するスクライビングホイール10のすべりが生じにくい。その理由は次のように考えられる。スクライブ加工時におけるスクライビングホイール10の回転にともない第1起伏部61の接触部が周期的に被加工物に接触し、刃先部30と被加工物との間の摩擦力が増加する。その影響により被加工物に対するスクライビングホイール10のすべりの発生が抑えられる。第1起伏部61の接触部は例えば、山頂61Dを含む山61Bの上部の前面61E、山61Bの全部の前面61E、または、山61Bの全部および谷61Aの一部の前面61Eである。
図6に示されるように、第2起伏部62は複数の谷62Aおよび複数の山62Bを含む。谷62Aおよび山62Bは平均線62Lにより区分される。谷62Aは平均線62Lに対するスクライビングホイール10の径方向の内方の部分である。谷62Aは谷底62Cを含む。山62Bは平均線62Lに対するスクライビングホイール10の径方向の外方の部分である。山62Bは山頂62Dを含む。複数の谷62Aおよび複数の山62Bは刃先面の傾斜方向に交互に形成される。谷62Aとこれに対して刃先面の傾斜方向に隣接する山62Bとを1組の谷62Aおよび山61Bとする。1組の谷62Aおよび山62Bは谷底62Cと山頂62Dとの間に広がる側面62Eを含む。第2起伏部62は接触抑制構造50の凹部51を構成する。谷底62Cを含む谷62Aの底面は凹部51の底面52を構成する。
第2起伏部62を含むスクライビングホイール10では、スクライブ加工時において被加工物に対するスクライビングホイール10のすべりが生じにくい。その理由は次のように考えられる。スクライブ加工時に第2起伏部62の接触部が被加工物に接触し、刃先部30と被加工物との間の摩擦力が増加する。その影響により被加工物に対するスクライビングホイール10のすべりの発生が抑えられる。第2起伏部62の接触部は例えば、山頂62Dを含む山62Bの上部の側面62E、山62Bの全部の側面62E、または、山62Bの全部および谷62Aの一部の側面62Eである。
第1起伏部61と第2起伏部62との関係は任意に選択できる。
起伏部60の平均高さについて例示する。第1例では、第1起伏部61の平均高さは第2起伏部62の平均高さよりも低い。第2例では、第1起伏部61の平均高さは第2起伏部62の平均高さよりも高い。第3例では、第1起伏部61の平均高さは第2起伏部62の平均高さと等しい。
起伏部60の周期について例示する。第1例では、第1起伏部61の周期は第2起伏部62の周期よりも短い。第2例では、第1起伏部61の周期は第2起伏部62の周期よりも長い。第3例では、第1起伏部61の周期は第2起伏部62の周期と等しい。第1起伏部61の周期が短くなるほど、被加工物に対するスクライビングホイール10のすべりの発生を抑える効果が高くなると考えられる。
図3〜図6に示される例では、刃先部30の主面31Cには複数の溝70が形成されている。図3または図4に示されるように、溝70はスクライビングホイール10の円周方向に長い。溝70は刃先部30の稜線10Bに平行である。複数の溝70は刃先面の傾斜方向に並ぶ。スクライビングホイール10の円周方向に関する溝70の形状について例示する。第1例では、溝70の形状は円周方向の全体に連続する。第2例では、溝70の形状は円周方向に不連続である。図5に示されるように、溝70の底面71は起伏している。第1起伏部61は底面71の起伏により構成される。図6に示されるように、第2起伏部62は刃先面の傾斜方向に並ぶ複数の溝70により構成される。
図7を参照して、スクライビングホイール10の製造方法の一例について説明する。
第1工程では、単結晶ダイヤモンドの基板H1が形成される。基板H1は四角形状の薄板である。基板H1の製造方法は例えば高温高圧合成法または化学気相蒸着法である。第2工程では、切断加工により基板H1から円板H2を切り出す加工、および、円板H2に貫通孔21を形成する加工が実施される。切断加工の一例はレーザ加工、放電加工、または、イオンビーム加工である。
第3工程では、R面取り加工が施された先端部40、および、接触抑制構造50を含む刃先部30が円板H2に形成される。貫通孔21の周囲の面取り22は例えば第3工程の後に形成される。第3工程における円板H2に対する加工は第1加工、第2加工、および、第3加工に分類できる。第1加工は円板H2の外周部の被除去部H3を除去する加工である。第2加工は刃先部30に接触抑制構造50を形成する加工である。第3加工は刃先部30の先端部40をR面取りする加工である。
第3工程の第1例では、切断加工により円板H2から被除去部H3を除去することにともない、R面取り加工が施された先端部40、および、接触抑制構造50を含む刃先部30を円板H2に形成する。つまり、1種類の切断加工により円板H2に対する第1〜第3加工が併せて実施される。切断加工の一例はレーザ加工、放電加工、または、イオンビーム加工である。
第3工程の第2例では、最初に円板H2から被除去部H3を除去する第1加工が実施され、次に円板H2の刃先部30に接触抑制構造50を形成する第2加工が実施され、次に円板H2の刃先部30の先端部40をR面取りする第3加工が実施される。第1〜第3加工のそれぞれのための加工方法は個別に選択できる。加工方法の組み合わせについて例示する。加工方法の第1例では、第1〜第3加工の加工方法は同一の切断加工である。加工方法の第2例では、第1〜第3加工の加工方法は互いに異なる切断加工である。加工方法の第3例では、第1〜第3加工のうちの2つ加工の加工方法は同一の切断加工であり、他の1つの加工の加工方法はそれとは異なる切断加工である。加工方法の第4例では、第1加工および第2加工の加工方法は同一または互いに異なる切断加工であり、第3加工の加工方法は研磨加工または研削加工である。
第3工程の第3例では、最初に円板H2から被除去部H3を除去する第1加工が実施され、次に円板H2の刃先部30の先端部40をR面取りする第3加工が実施され、次に円板H2の刃先部30に接触抑制構造50を形成する第2加工が実施される。第1〜第3加工のそれぞれのための加工方法は個別に選択できる。加工方法の組み合わせの例は第3工程の第2例と同様である。
第3工程の第4例では、最初に円板H2から被除去部H3を除去する第1加工が実施され、次に円板H2の刃先部30に接触抑制構造50を形成する第2加工、および、円板H2の刃先部30の先端部40をR面取りする第3加工が併せて実施される。第1〜第3加工のそれぞれのための加工方法は個別に選択できる。加工方法の組み合わせについて例示する。加工方法の第1例では、第1〜第3加工の加工方法は同一の切断加工である。加工方法の第2例では、第1加工の加工方法と第2加工および第3加工の加工方法とは互いに異なる切断加工である。
スクライビングホイール10の作用および効果について説明する。
スクライビングホイール10では、刃先部30の先端部40にR面取り加工が施されることにより、先端部40における局所的な荷重の作用が抑えられる。これにともない先端部40の欠けの発生を抑制する効果、および、先端部40の摩耗の進行を抑制する効果の一方または両方が得られる。これらの効果はスクライビングホイール10の寿命を長くすることに寄与する。
図8に示されるように、スクライブ加工時にはスクライビングホイール10の刃先部30が被加工物WPに押し付けられる。被加工物WPはスクライビングホイール10からスクライブ荷重を受ける。一例では、スクライブ加工装置はスクライブ荷重が所定の荷重範囲に含まれるようにスクライブ荷重を調整する。
刃先部30が被加工物WPに押し付けられた状態では、接触抑制構造50の凹部51の底面52と被加工物WPとの間に空間Sが形成される。先端部40、第1起伏部61の接触部、および、第2起伏部62の接触部は被加工物WPに接触する。スクライビングホイール10が走査されることにともないスクライビングホイール10が被加工物WPに対して回転する。スクライビングホイール10の回転にともない被加工物WPに接触する刃先部30の部位が変化する。個々の溝70においては第1起伏部61の接触部が周期的に被加工物WPに接触する。
スクライビングホイール10の回転にともない被加工物WPに1次クラックが形成される。1次クラックが形成された領域からスクライビングホイール10が離れた後に1次クラックから2次クラックが伸展する。1次クラックはリブマークとも称される。2次クラックはニューとも称される。1次クラックおよび2次クラックにより被加工物WPに垂直クラックが形成される。
スクライビングホイール10を用いたスクライブ加工では、凹部51の底面52と被加工物WPとの間に空間Sが形成されるため、被加工物WPに接触する刃先部30の表面31の面積が基準スクライビングホイールを用いた場合よりも狭くなる。被加工物WPにおいて刃先部30に接触する部分に関する単位面積あたりのスクライブ荷重が大きくなり、被加工物WPに局所的にスクライブ荷重が作用し、垂直クラックが伸展しやすくなる。これは被加工物WPに深い垂直クラックを形成することに寄与する。
スクライビングホイール10によれば、接触抑制構造50の作用により被加工物WPに深い垂直クラックが形成されるため、スクライブ荷重を調整できる範囲が広くなる。被加工物WPに付与されるスクライブ荷重が小さい場合、スクライビングホイール10の摩耗の進行を抑制する効果、および、スクライブ加工される被加工物WPの品質を高める効果の一方または両方が得られる。スクライビングホイール10の摩耗の進行の抑制はスクライビングホイール10の寿命を長くすることに寄与する。
(第2実施形態)
図9は第2実施形態のスクライビングホイール100を示す。第2実施形態のスクライビングホイール100の構造は第1実施形態のスクライビングホイール10の構造を一部変更した構造に相当する。第2実施形態のスクライビングホイール100の先端部110にはR面取り加工が施されていない。その他の点では第1実施形態のスクライビングホイール10および第2実施形態のスクライビングホイール100は同様の構造を備えている。各スクライビングホイール10、100において共通する構造については同じ符号が付されている。
スクライビングホイール100の先端部110は第1実施形態の先端部40と比較して鋭利である。先端部110の先端面111は平滑である。スクライビングホイール100は第1実施形態のスクライビングホイール10と同様に接触抑制構造50を備えている。各刃先面31A、31Bは主面31Cおよび先端面111に区分される。接触抑制構造50は第1刃先面31Aの主面31Cおよび第2刃先面31Bの主面31Cの少なくとも一方に形成される。接触抑制構造50に関する種々の事項は第1実施形態と同様である。
なお、上記各実施形態では本発明に関するスクライビングホイールが取り得る形態を例示している。上記各実施形態の説明は本発明に関するスクライビングホイールが取り得る形態を制限することを意図していない。本発明に関するスクライビングホイールは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態である。
10 :スクライビングホイール
10A:中心軸
10B:稜線
10C:境界線
11 :第1台部
12 :第2台部
20 :本体
21 :貫通孔
22 :面取り
23 :表面
30 :刃先部
31 :表面
31A:第1刃先面
31B:第2刃先面
31C:主面
40 :先端部
41 :先端面
50 :接触抑制構造
51 :凹部
60 :起伏部
61 :第1起伏部
61A:谷
61B:山
61C:谷底
61D:山頂
61E:前面
61L:平均線
62 :第2起伏部
62A:谷
62B:山
62C:谷底
62D:山頂
62E:側面
62L:平均線
70 :溝
71 :底面
100:スクライビングホイール
110:先端部
111:先端面
H1 :基板
H2 :円板
H3 :被除去部
WP :被加工物
S :空間
L1 :第1直線
L2 :第2直線
θ :刃先角

Claims (8)

  1. ダイヤモンド製の刃先部を含むスクライビングホイールであって、
    前記刃先部はR面取り加工が施された先端部、および、被加工物に押し付けられた状態において被加工物との間に空間が形成されるように構成された接触抑制構造を含む
    スクライビングホイール。
  2. 前記接触抑制構造は前記スクライビングホイールの内部に向けて窪む凹部を含む
    請求項1に記載のスクライビングホイール。
  3. 前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に起伏する第1起伏部をさらに含み、
    前記第1起伏部は複数の谷および複数の山を含み、前記接触抑制構造を構成する
    請求項1または2に記載のスクライビングホイール。
  4. 前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に長い溝をさらに含み、
    前記第1起伏部は前記溝の底面に形成される
    請求項3に記載のスクライビングホイール。
  5. 前記刃先部は前記刃先部の刃先面の傾斜方向に起伏する第2起伏部をさらに含み、
    前記第2起伏部は複数の谷および複数の山を含み、前記接触抑制構造を構成する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
  6. 前記刃先部は前記スクライビングホイールの円周方向に長い複数の溝をさらに含み、
    前記第2起伏部は前記傾斜方向に並ぶ前記複数の溝により構成される
    請求項5に記載のスクライビングホイール。
  7. 前記先端部の曲率半径は1μm〜10μmの範囲に含まれる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
  8. 前記ダイヤモンドは単結晶タイヤモンドである
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
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