JP2020142977A - スクライビングホイール - Google Patents

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博之 富本
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佑磨 岩坪
Yuma Iwatsubo
佑磨 岩坪
直哉 木山
naoya Kiyama
直哉 木山
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Abstract

【課題】被加工物における水平クラックやファイバーの発生と拡大を抑制するスクライビングホイールを提供する。【解決手段】スクライビングホイールの外周部に周方向に交互に形成された複数の凸部40および複数の凹部50と、前記凹部50内に形成された段部53とを備え、前記段部53は前記凹部50の底面51Cと前記凹部50の頂部52との間に形成されており、前記段部53は前記スクライビングホイールの軸方向に長く、前記段部53は前記凹部50を構成する凹面に形成された内溝の頂部を含み、前記内溝の深さは前記凹部の深さよりも浅く、前記内溝はV溝である。【選択図】図3

Description

本発明は基板等の被加工物をスクライブするスクライビングホイールに関する。
ガラス基板等の脆性材料基板を切断するためにスクライブラインが形成される。これにはスクライビングホイールが用いられる。例えば特許文献1のスクライビングホイールは、外周部に周方向に間隔をおいて形成された多数の溝を有する。
特開2010−132542号公報
スクライブ加工された被加工物の品質は例えば後工程での加工に影響する。被加工物の品質が低下する例としては、スクライブ加工にともない水平クラックまたはファイバーが被加工物に形成される場合が挙げられる。水平クラックとは、被加工物に形成されたスクライブラインに対して横方向の成分を含む方向に伸びるクラックである。ファイバーとは、スクライブラインの側方に発生した水平クラックが被加工物の表面まで進展し、被加工物から剥離して形成される走査方向に長い屑である。
本発明の目的は被加工物における水平クラックやファイバーの発生と拡大を抑制するスクライビングホイールを提供することである。
本発明の一形態に関するスクライビングホイールは、外周部に周方向に交互に形成された複数の凸部および複数の凹部と、凹部内に形成された段部とを備える。
上記スクライビングホイールを用いたスクライブ加工では、被加工物に深い垂直クラックが形成されやすい。これにはスクライビングホイールの回転にともない凸部が被加工物に衝撃を与え、さらに凸部が被加工物に食い込むことが影響していると考えられる。上記スクライビングホイールを用いたスクライブ加工では、さらに被加工物における水平クラックやファイバーの発生と拡大が抑えられる。これは凹部が被加工物に押し付けられた場合に凹部内の段部が被加工物に衝撃を与え、被加工物の内部の広い範囲に残留応力が蓄積される前に残留応力が開放されることが関係していると考えられる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記段部は前記凹部の底面と前記凹部の頂部との間に形成されている。
上記スクライビングホイールによれば、段部が被加工物に食い込みやすく、被加工物に衝撃を与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記段部は前記スクライビングホイールの軸方向に長い。
上記スクライビングホイールによれば、段部が被加工物の広い範囲に接触し、被加工物に対してより確実に衝撃を与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記段部は前記凹部を構成する凹面に形成された内溝の頂部を含む。
上記スクライビングホイールによれば、凹部の凹面に形成された内溝により段部が構成される。段部を容易に形成できる。
前記スクライビングホイールの一例では前記内溝の深さは前記凹部の深さよりも浅い。
上記スクライビングホイールによれば、被加工物の残留応力を開放できる程度の適度な大きさの衝撃を被加工物に与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記内溝はV溝である。
上記スクライビングホイールによれば、段部が被加工物に食い込みやすく、被加工物に衝撃を与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記内溝の形状は非対称である。
上記スクライビングホイールによれば、内溝に鋭い頂部が形成される。この頂部を含む段部は被加工物に食い込みやすく、被加工物に衝撃を与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記凹部を構成する凹面は前記凹部の底面に対して前記スクライビングホイールの回転方向の後方に位置する第1凹面、および、前記凹部の底面に対して前記スクライビングホイールの回転方向の前方に位置する第2凹面を含み、前記段部は前記第1凹面および前記第2凹面の少なくとも一方に形成されている。
上記スクライビングホイールによれば、段部が被加工物に食い込みやすく、被加工物に衝撃を与えやすい。
前記スクライビングホイールの一例では、前記凸部には前記スクライビングホイールの刃先を構成する第1稜線が形成され、前記凹部を構成する凹面には前記第1稜線に連続する第2稜線が形成されている。
上記スクライビングホイールを用いたスクライブ加工では、被加工物に深い垂直クラックが形成されやすい。これは凸部の第1稜線および凹部の第2稜線により直線的なスクライブラインが被加工物に形成されることが関係していると考えられる。
前記スクライビングホイールの一例では、前記スクライビングホイールの軸方向に直交する断面では、前記凹部はV溝である。
上記スクライビングホイールによれば、凹部を容易に形成できる。
本発明に関するスクライビングホイールはスクライブ加工された被加工物の品質の向上に寄与する。
実施形態のスクライビングホイールの斜視図。 図1のスクライビングホイールの側面図。 図1の外周部の一部を拡大した側面図。 図1の外周部の一部を拡大した斜視図。 図1の外周部の一部の断面図。 図1の外周部の一部の正面図。 被加工物に形成されたスクライブラインの一部の拡大図。
図1に示されるスクライビングホイール10は被加工物のスクライブ加工に用いられる。被加工物は例えば基板である。基板は例えば脆性材料基板である。脆性材料基板は例えばガラス基板またはセラミックス基板である。スクライビングホイール10は高硬度材料により形成される。高硬度材料は例えば焼結ダイヤモンド(Poly Crystalline Diamond)、超硬合金、単結晶ダイヤモンド、または、多結晶ダイヤモンドである。スクライビングホイール10の基本的な構造として次の第1例および第2例が挙げられる。第1例では、スクライビングホイール10の全体が高硬度材料により形成される。第2例では、スクライビングホイール10は本体およびコーティング層を含む。コーティング層は本体の表面を被覆する。コーティング層は高硬度材料の層である。
スクライビングホイール10は本体部20および外周部30を備えている。本体部20はスクライビングホイール10の中心軸10Aまわりの部分を構成する円板である。外周部30は本体部20の外周に位置し、スクライビングホイール10の刃を構成する。本体部20には、本体部20をスクライビングホイール10の軸方向に貫通する孔21が形成されている。孔21には、スクライビングホイール10を支持するピンが挿入される。スクライビングホイール10はピンに対して回転する。スクライビングホイール10の軸方向の中心を通過し、中心軸10Aに直交する面を中心面と称する。スクライビングホイール10は中心面に対して対称または非対称である。図1に示される例では、スクライビングホイール10は中心面に対して対称である。この場合、中心面はスクライビングホイール10の対称面に相当する。
スクライビングホイール10の各部位の寸法は被加工物のサイズ等に応じて任意に設定できる。スクライビングホイール10の外径は例えばφ1.5mm〜φ6mmの範囲から選択される。一例では、スクライビングホイール10の外径はφ2mmである。スクライビングホイール10の厚さは例えば0.4mm〜1.1mmの範囲から選択される。一例では、スクライビングホイール10の厚さは0.64mmである。
図2に示されるスクライビングホイール10の側面図において、スクライビングホイール10の輪郭を示す線を稜線33と称する。稜線33は外周部30に形成されている。外周部30は稜線33により区分される第1外周面31および第2外周面32を含む。一例では、稜線33はスクライビングホイール10の中心面上に位置する。
スクライビングホイール10の中心面を基準にした場合、スクライビングホイール10は第1台部11および第2台部12に区分できる。第1台部11および第2台部12は円錐台に孔21を形成した立体に相当する。第1台部11の側面は第1外周面31に相当する。第2台部12の側面は第2外周面32に相当する。スクライビングホイール10の中心面に直交するスクライビングホイール10の断面上では、外周部30の幅は本体部20から稜線33に向けて狭くなる。
スクライビングホイール10は外周部30に周方向に交互に形成された複数の凸部40および複数の凹部50をさらに備えている。凸部40の具体的な形態は任意に選択できる。一例では、凸部40は第1外周面31および第2外周面32の両方に形成されている。凸部40は稜線33から各台部11、12の仮想の頂点に向かうように形成されている。凹部50の具体的な形態は任意に選択できる。凹部50は外周部30の第1外周面31および第2外周面32の少なくとも一方に形成される。一例では、凹部50は第1外周面31および第2外周面32の両方に形成されている。凹部50は稜線33から各台部11、12の仮想の頂点に向かうように形成されている。
凸部40および凹部50の数は任意に設定できる。凸部40および凹部50の数は例えば5〜750の範囲から選択される。一例では、凸部40および凹部50の数は160である。稜線33は凸部40および凹部50のそれぞれに形成されている。凸部40に形成された稜線33を第1稜線33Aと称する。凹部50内に形成された稜線33を第2稜線33Bと称する。第1稜線33Aに対する凸部40の形状は対称および非対称のいずれにも設定できる。図4等では第1稜線33Aに対して対称な凸部40を例示している。第2稜線33Bに対する凹部50の形状は対称および非対称のいずれにも設定できる。図4等では第2稜線33Bに対して対称な凹部50を例示している。稜線33は周方向に交互に形成された複数の第1稜線33Aおよび複数の第2稜線33Bにより構成されている。稜線33を平面に展開した場合、稜線33は直線である。このような稜線33の形状によれば、被加工物に直線的なスクライブラインが形成され、被加工物に深い垂直クラックが形成されやすい。
スクライビングホイール10の側面視において中心軸10Aと第1稜線33Aとを結ぶ線分をスクライビングホイール10の半径と称する。スクライビングホイール10の半径により決められる円をスクライビングホイール10の円周と称する。凹部50はスクライビングホイール10の円周に対してスクライビングホイール10の径方向の内側に凹んでいる。第1稜線33Aはスクライビングホイール10の円周の一部に相当する。
凹部50の形状は任意に選択できる。一例では、図3および図4に示されるように、凹部50はV溝である。V溝には、スクライビングホイール10の側面視における形状がV型の溝、および、V型に類似する溝が含まれる。形状がV型に類似する溝とは、例えば図3等に示される凹部50のように溝の端部や底面が湾曲した溝である。凹部50を構成する凹面51は第1凹面51A、第2凹面51B、および、底面51Cを含む。図3および図4に示される例では、凸部40と凹部50との間に明確な境界は現れていない。ここでは、スクライビングホイール10の円周上に凸部40と凹部50との境界を規定する。この境界は凹部50の頂部52を構成する。
図5はスクライビングホイール10を稜線33(第1稜線33A)を含む平面で切断したスクライビングホイール10の断面(以下「基準断面」という)を示している。図5では凹部50の凹面51の曲がり具合を誇張して表現している。凹部50の底面51Cは凹部50の最も深い部分51D(以下「最深部51D」という)を含む。最深部51Dは凹部50のうちスクライビングホイール10の径方向において円周から最も離れた部分である。底面51Cの形状は任意に選択できる。第1例では、図5に示されるように、底面51Cは中心軸10Aに向けて窪む曲面である。第2例では、底面51Cは平面である。第3例では、底面51Cは基準断面上において鋭角、直角、または、鈍角を形成する。
基準断面における凹部50の一方の頂部52を第1頂部52Aと称し、他方の頂部52を第2頂部52Bと称する。第1頂部52Aは底面51Cに対してスクライビングホイール10の回転方向の後方に位置する。すなわち、第1頂部52Aはスクライブ加工時におけるスクライビングホイール10の回転にともない、回転方向の後方に隣接する凸部40に対して先に被加工物に接触する。第2頂部52Bは底面51Cに対してスクライビングホイール10の回転方向の前方に位置する。すなわち、第2頂部52Bはスクライブ加工時におけるスクライビングホイール10の回転にともない、回転方向の前方に隣接する凸部40に対して後に被加工物に接触する。第1凹面51Aは凹部50の第1頂部52Aと底面51Cとの間に形成されている。第1凹面51Aはスクライビングホイール10の径方向に対して傾斜している。第2凹面51Bは凹部50の第2頂部52Bと底面51Cとの間に形成されている。第2凹面51Bはスクライビングホイール10の径方向に対して傾斜している。
図6はスクライビングホイール10の径方向の外方から外周部30を見た正面図である。図6の破線は凹部50の最深部51Dを示している。凹部50の凹面51には第2稜線33Bが形成されている。スクライビングホイール10の側面視では、凹部50は第2稜線33Bに対して対称である。凹部50の他の形態では、凹部50の凹面51の全体が曲面であり、凹面51内に第2稜線33Bが形成されない。凹面51はスクライビングホイール10の円周に対して中心軸10Aに向けて窪む。この例では、凹部50の輪郭を表す線が凹部50の第2稜線に相当する。第1稜線33Aの端部において2本の第2稜線に分岐し、その第1稜線33Aに対して周方向に隣接する次の第1稜線33Aにおいて、分岐した2本の第2稜線が合流する。外周部30の稜線33は周方向に交互に形成される複数の第1稜線33A、および、複数の一対の第2稜線により構成される。
図3〜6に示されるように、凹部50は段部53を含む。段部53は凹部50が被加工物に押し付けられた場合に被加工物に食い込むように構成された部分である。段部53の具体的な形態は任意に選択できる。第1例では、図5に示されるように、段部53は凹部50内に形成された内溝60の頂部62を含む。第2例では、段部53は凹面51から突出する突起を含む。突起はスクライビングホイール10の円周の外方に突出しないように構成される。第3例では、段部53は凹面51に形成された階段状の部分を含む。第4例では、段部53は上記第1例の内溝60、上記第2例の突起、および、上記第3例の階段状の部分のうちの少なくとも2つを含む。段部53の数は任意に選択できる。具体的には、内溝60、突起、および、階段状の部分は上記第1〜第4例のそれぞれにおいて1または複数形成される。連続する段差が階段状の部分の単位を構成する。凹部50内における段部53の形成箇所は任意に選択できる。具体的には、内溝60、突起、および、階段状の部分は上記第1〜第4例のそれぞれにおいて第1凹面51A、第2凹面51B、および、底面51Cの少なくとも1箇所に形成される。
凹部50内における内溝60の形成位置はスクライブ加工時に内溝60が被加工物に接触する範囲で任意に選択できる。一例では、内溝60は凹部50の底面51Cと頂部52との間に形成されている。内溝60の深さは凹部50の深さよりも浅い。内溝60は第1凹面51Aおよび第2凹面51Bの少なくとも一方に形成される。この場合、底面51Cに対して、スクライビングホイール10の回転方向の前方または後方に内溝60が形成されるため、スクライブ加工された被加工物の品質に対する段部53の影響を一定にすることができる。図6に示される例では、第1凹面51Aおよび第2凹面51Bのそれぞれに内溝60が形成されている。第1凹面51Aの内溝60と第2凹面51Bの内溝60とは、スクライビングホイール10の正面視では凹部50の最深部51Dに対して線対称である。内溝60の形成範囲はスクライブ加工時に内溝60が被加工物に接触する範囲で任意に選択できる。一例では、内溝60は第2稜線33Bに対してスクライビングホイール10の軸方向の両側に形成されている。この場合、第2稜線33Bは凹部50の凹面51だけではなく、内溝60の内部にも形成され、凹部50内において連続する。
基準断面における内溝60の形状は任意に選択できる。一例では、内溝60は非対称または対称のV溝である。図5では非対称のV溝を例示している。V溝には、図5に示される内溝60のように基準断面における形状がV型の溝、および、V型に類似する溝が含まれる。形状がV型に類似する溝とは、例えば溝の底面が湾曲した溝である。内溝60を構成する内溝面61は第1内溝面61A、第2内溝面61B、および、内溝底面61Cを含む。内溝底面61Cは内溝60の最も深い部分61D(以下「最深部61D」という)を含む。最深部61Dは内溝60のうち凹部50の空間から最も離れた部分である。内溝底面61Cの形状は任意に選択できる。第1例では、図5に示されるように、内溝底面61Cは基準断面上において鋭角を形成する。第2例では、内溝底面61Cは基準断面上において直角または鈍角を形成する。第3例では、内溝底面61Cは中心軸10Aに向けて窪む曲面である。第4例では、内溝底面61Cは平面である。
頂部62は凹部50の凹面51と内溝60の内溝面61との境界に相当する。基準断面における内溝60の一方の頂部62を第1頂部62Aと称し、他方の頂部62を第2頂部62Bと称する。第1頂部62Aは凹部50の底面51C側に位置する。第2頂部62Bは凹部50の頂部52側に位置する。第1内溝面61Aは内溝60の第1頂部62Aと内溝底面61Cとの間に形成されている。第2内溝面61Bは内溝60の第2頂部62Bと内溝底面61Cとの間に形成されている。
1つの内溝60に対して2つの段部53が形成されている。内溝60の第1頂部62A、第1内溝面61A、および、第1頂部62Aを構成する凹部50の凹面51は第1の段部53を形成している。内溝60の第2頂部62B、第2内溝面61B、および、第2頂部62Bを構成する凹部50の凹面51は第2の段部53を形成している。
基準断面上では第1の段部53、第2の段部53、および、内溝60の内溝底面61Cはそれぞれ所定のなす角を有する。第1の段部53のなす角は第1内溝面61Aと凹面51とがなす角である。第2の段部53のなす角は第2内溝面61Bと凹面51とがなす角である。内溝60のなす角は第1内溝面61Aと第2内溝面61Bとがなす角である。各なす角は任意に設定できる。一例では、第1の段部53のなす角は鋭角である。第2の段部53のなす角は鈍角である。内溝60のなす角は鋭角である。段部53のなす角が鋭角に設定される場合、段部53が被加工物に一層強く食い込みやすくなる。
凹部50の深さの規定方法は任意に選択できる。一例では、凹部50の深さはスクライビングホイール10の半径上における最深部51Dとスクライビングホイール10の円周との距離である。凹部50の深さは例えば0.5μm〜10μmの範囲から選択される。一例では、凹部50の深さは5μmである。凹部50の深さの設定のため、例えば被加工物の材質、被加工物の厚さ、スクライビングホイール10を被加工物に押し付ける荷重、スクライブ加工後の被加工物の品質、および、後工程の加工後の被加工物の品質などが考慮される。
凹部50の開口幅の規定方法は任意に選択できる。一例では、凹部50の開口幅はスクライビングホイール10の側面視(図6)における第1頂部52Aと第2頂部52Bとの距離である。図6に示される例では、凹部50の開口幅はスクライビングホイール10の軸方向に対して変化する。凹部50の開口幅は対称面上において最も広く、軸方向において対称面から離れるにつれて次第に狭くなる。凹部50の最大の開口幅は例えば2.0μm〜50μmの範囲から選択される。一例では、凹部50の最大の開口幅は30μmである。凹部50の幅の設定のため、例えば凹部50の深さの設定の場合と同様の事項が考慮される。
内溝60の深さの規定方法は任意に選択できる。一例では、内溝60の深さはスクライビングホイール10の基準断面における内溝60の開口と内溝60の最深部61Dとの距離である。内溝60の開口は第1頂部62Aと第2頂部62Bとの間に相当する。内溝60の深さは例えば0.5μm〜3μmの範囲から選択される。一例では、内溝60の深さは1μmである。内溝60の深さの設定のため、例えば凹部50の深さの設定の場合と同様の事項が考慮される。
内溝60の開口幅の規定方法は任意に選択できる。一例では、内溝60の開口幅はスクライビングホイール10の基準断面における内溝60の第1頂部62Aと第2頂部62Bとの距離である。内溝60の開口幅は例えば1.5μm〜6μmの範囲から選択される。一例では、内溝60の開口幅は3μmである。内溝60の開口幅の設定のため、例えば凹部50の深さの設定の場合と同様の事項が考慮される。
図7はスクライビングホイール10により被加工物100に形成されたスクライブライン110の一例を示している。スクライブライン110はスクライビングホイール10の走査方向に沿って形成されている。被加工物100にはさらに、スクライブ加工されていない被加工物100の表面101に対して窪んだ打痕120がスクライブライン110に沿って形成されている。打痕120はスクライビングホイール10の転動にともない凸部40および凹部50の一部が被加工物100の表面に転写されることにより形成される。
被加工物100にスクライブライン110が形成された場合、スクライブライン110から被加工物100の厚さ方向にクラックが進展する。これは垂直クラックと呼ばれる。複数の凸部40および複数の凹部50を備えるスクライビングホイール10によるスクライブ加工では、被加工物100に深い垂直クラックが形成されやすい。これにはスクライビングホイール10の回転にともない凸部40が被加工物100に衝撃を与え、さらに凸部40が断続的に被加工物100に食い込むことが影響していると考えられる。被加工物100の垂直クラックが深くなる程、後工程で被加工物100がブレイク加工された場合の被加工物100の品質が向上する。
スクライビングホイール10を用いて被加工物100をスクライブ加工した場合、被加工物100に水平クラックやファイバーが発生および拡大しにくい。その理由は次のように推測される。スクライビングホイール10の回転にともない凹部50が被加工物100に押し付けられた場合に凹部50内の段部53が被加工物100に衝撃を与え、段部53が被加工物100に食い込み、被加工物100に段部53の形状が転写され、微小な打痕130が形成される。図7に示されるように、微小な打痕130は打痕120の内部に形成される。水平クラックの代表的な形態では、スクライブライン110から被加工物100の内部において横方向の成分を含む方向に進展する。水平クラックがさらに進展し、被加工物100の表面101にクラックが表れ、スクライブライン110に沿って拡大する場合、被加工物100の表面101に到達したクラックにより表面101の一部が剥離し、ファイバーが形成される。
凹部50内の段部53により被加工物100に微小な打痕130が形成される場合、被加工物100の残留応力が開放される。被加工物100の広い範囲に残留応力が蓄積された状態では、残留応力に起因して水平クラックが生じる場合に水平クラックがスクライブライン110に沿って広範囲に進展しやすい。これはファイバーの発生にも影響する。スクライビングホイール10を用いる場合には、被加工物100の広い範囲に残留応力が蓄積される前に、微小な打痕130の形成により残留応力が開放され、水平クラックやファイバーの発生と拡大が抑えられると考えられる。
なお、上記実施形態に示されたスクライビングホイール10は本発明に関するスクライビングホイールの一例である。上記実施形態は本発明を制限しない。本発明に関するスクライビングホイールは上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施の形態に新たな構成を付加した形態である。
10 :スクライビングホイール
30 :外周部
33A:第1稜線
33B:第2稜線
40 :凸部
50 :凹部
51 :凹面
51A:第1凹面
51B:第2凹面
51C:底面
52 :頂部
53 :段部
60 :内溝
62 :頂部

Claims (10)

  1. スクライビングホイールの外周部に周方向に交互に形成された複数の凸部および複数の凹部と、
    前記凹部内に形成された段部とを備える
    スクライビングホイール。
  2. 前記段部は前記凹部の底面と前記凹部の頂部との間に形成されている
    請求項1に記載のスクライビングホイール。
  3. 前記段部は前記スクライビングホイールの軸方向に長い
    請求項1または2に記載のスクライビングホイール。
  4. 前記段部は前記凹部を構成する凹面に形成された内溝の頂部を含む
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
  5. 前記内溝の深さは前記凹部の深さよりも浅い
    請求項4に記載のスクライビングホイール。
  6. 前記内溝はV溝である
    請求項4または5に記載のスクライビングホイール。
  7. 前記内溝の形状は非対称である
    請求項6に記載のスクライビングホイール。
  8. 前記凹部を構成する凹面は前記凹部の底面に対して前記スクライビングホイールの回転方向の後方に位置する第1凹面、および、前記凹部の底面に対して前記スクライビングホイールの回転方向の前方に位置する第2凹面を含み、
    前記段部は前記第1凹面および前記第2凹面の少なくとも一方に形成されている
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
  9. 前記凸部には前記スクライビングホイールの刃先を構成する第1稜線が形成され、
    前記凹部を構成する凹面には前記第1稜線に連続する第2稜線が形成されている
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のスクライビングホイール。
  10. 前記凹部はV溝である
    請求項9に記載のスクライビングホイール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022038435A (ja) * 2020-08-26 2022-03-10 ファインテック株式会社 脆性材料基板用のスクライビングホイール及びその製造方法

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