JP2021005988A - 液冷モータ - Google Patents
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Abstract
Description
この永久磁石モータにおいては、正常な動作を持続させるために過熱を防止する必要がある。そのため、永久磁石モータは、単位体積当たりの冷却必要量が大きいため効率の高い冷却方式が好ましい。それ故、永久磁石モータは、単位体積当たりの冷却量が大きく冷却効率の高い液冷方式が採用されている。
特許文献3においては、ウォータジャケットは高熱伝導率のアルミニウム合金で円筒形状に形成されており、内部に周方向ジグザグ形状のジャケット通路が形成されている。このジャケット通路は、軸方向に沿った直線孔を周方向に多数本平行に穿孔し、隣接する直線孔同士は、一端を連通溝で連通し、他端をそれと隣接する他の直線孔の他端と連通溝で連通して形成している。
一方で、高い熱伝達を達成する手段を備えるものとはなっていないため、ステータ外周から冷却ジャケットへ至る放熱経路の総括伝熱計数を大きくすることができない。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、冷却流通路の側壁と冷却液との間に高い熱伝達が得られる手段を備えることで、ウォータジャケットの伝熱経路において熱伝達を向上させることで伝熱量を増加させることができる液冷モータを提供することを目的とする。
液冷モータは、モータケースと、前記モータケースの内部に設けられたモータと、前記モータケースの内部に設けられたモータハウジングと、前記モータハウジング内に装着され、冷却液が周方向に流れる環状のウォータジャケットと、を備え、前記ウォータジャケットは、前記冷却液が流れる通路幅が徐々に狭くなる冷却流通路と、前記冷却液を前記冷却流通路へ供給する冷却液供給口と、前記冷却液を前記冷却流通路から排出する冷却液排出口と、を有している。
前記ノズル部と前記幅広部との間に設けられ、前記ノズル部を通過して前記幅広部に向かう冷却液が衝突する噴流衝突壁を備えている。
前記冷却液供給口と前記冷却液排出口は、前記ウォータジャケットの軸方向を向く側壁を挟んで周方向に隣り合って配置されている。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明の液冷モータ4には、モータ・ジェネレータ4を含む。以下に述べる、本発明の液冷モータ4は、産業機械(農機、建機、作業機、UV、エンジン発電機等)、各種機械の駆動用モータ、発電機等に搭載される。すなわち、本発明の液冷モータ4は、搭載される機種に限定されない。
図1を参照して、本発明の液冷モータ4であるモータ・ジェネレータ4を含む動力伝達機構1の概要について説明する。本発明の液冷モータ4は、例えば作業機の動力伝達機構1を構成する。
エンジン2は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等である。エンジン2のクランク軸は、油圧ポンプ5側に向けて突出し、クランク軸の先端(油圧ポンプ5側)には、フ
ライホイール3が連結されている。
モータ・ジェネレータ4は、フライホイール3の油圧ポンプ5側に配置されている。モータ・ジェネレータ4は、モータケース6の内部に配置されている。モータケース6は、モータ・ジェネレータ4の外周を囲うように設けられた筒状部6Aと、筒状部6Aの油圧ポンプ5側の端部に設けられた端面部6Bと、を有している。
モータ・ジェネレータ4が発電機(ジェネレータ)として機能する場合、ロータは、フライホイール3の回転動力を受ける。一方、モータ・ジェネレータ4が電動機(モータ)として機能する場合、ロータは、フライホイール3に回転動力を与える。つまり、モータ・ジェネレータ4は、フライホイール3を介して回転動力を受け取る。
このような概要を備えた作業機の動力伝達機構1において、本発明の液冷モータであるモータ・ジェネレータ4は、内部に冷却構造(ウォータジャケット10)を備える。
インバータ機器と、モータ・ジェネレータ4の内部のステータ配線とが、端子台のソケットを介して電気的に接続されている。モータ・ジェネレータ4は、内部のウォータジャケット10と、外部の冷却配管(外部管9)と、を接続する配管アダプタとしての配管接続部7を備えている。冷媒ポンプと、モータ・ジェネレータ4の内部の冷却液配管(内部管8)とが、配管接続部7を介して接続される。
図2を参照して、モータ・ジェネレータ4の固定子12について説明する。
モータ・ジェネレータ4は、ウォータジャケット10と、巻線(図示せず)と、固定子12と、熱伝導体13と、モータハウジング14と、を少なくとも備える。ウォータジャケット10の内周に環状の固定子12が設けられている。
固定子12は、環状のヨーク12Aの内周側に突出したティース12Bが、周方向に複数配列されている。ティース12Bは、末広がり形状であって、その胴部には絶縁部材を介在して巻線が巻かれている。ティース12B及び巻線の径内端を残して、固定子12の全体に高熱伝導率の樹脂で、熱伝導体13がモールド成形されている。
本発明のモータ・ジェネレータ4は、ウォータジャケット10の構成に特徴がある。
内周壁10Aは、円筒状に形成され、固定子12の外周側に配置されている。外周壁1
0Bは、円筒状に形成され、内周壁10Aの外周側を囲うように配置されている。すなわち、外周壁10Bは、一定の間隔を空けて、内周壁10Aの外周側に配置されている。
連結壁10Cと連結壁10Dが、内周壁10Aと外周壁10Bを連結することで、ウォータジャケット10内に冷却液が流れる空間を形成する。
図3に、ウォータジャケット10に設けられた冷却流通路11の構造を模式的に示す。図3は、ウォータジャケット10に巻かれた状態の冷却流通路11を平面に展開した図である。なお、冷却流通路11の構成や形状については一例であり、例示する構成や形状に限定されない。また、図3の左右方向をウォータジャケット10の周方向とし、上下方向をウォータジャケット10の軸方向とする。
直線通路19は、周方向を向く側壁17により、進行方向に進むに連れて通路幅が狭まる形状に形成されている。周方向を向く側壁17は、平面視でテーパ状に設けられ、軸方向において一定の間隔を保って複数配置されている。すなわち、直線通路19は、一対の周方向を向く側壁17の間に形成されている。
ノズル部20は、直線通路19の一方端に設けられ、幅が狭く絞られている。
ノズル部20は、直線通路19を通過した冷却液の出口である。ノズル部20は、平面視でテーパ状に設けられた周方向を向く側壁17により、狭い形状とされている。ノズル部20は、圧力が高まった冷却液の液流を高速化して通過させる。
幅広部21は、後述する噴流衝突壁22で衝突した冷却液の入口である。幅広部21は、平面視でテーパ状に設けられた周方向を向く側壁17により、通路が拡幅された形状である。幅広部21は、低い圧力になった冷却液の液流を圧力回復させる。
冷却流通路11は、ノズル部20と幅広部21との間に設けられ、ノズル部20を通過して幅広部21に向かう冷却液が衝突する噴流衝突壁22を備えている。
噴流衝突壁22は、ノズル部20から流出した冷却液を、幅広部21へと進行方向を変換させる。つまり、噴流衝突壁22は、ノズル部20と幅広部21との間に設けられている。噴流衝突壁22は、軸方向を向き、冷却流通路11の端面に設けられている。噴流衝突壁22は、ノズル部20を通過して高速噴流となった冷却液が衝突する。
ノズル部20と次の幅広部21の周方向外側に、噴流衝突壁22が設けられている。ノズル部20、噴流衝突壁22、幅広部21は、U字形状に配置されているといえる。U字形状の底部に該当するところに、噴流衝突壁22が設けられているといえる。
なお、ノズル部20の先端と噴流衝突壁22との間の距離Lは、ノズル部20の直径Dより大きいものとされている(図3参照)。
なお、本実施形態では、図2における上方左側に、冷却液供給口15が設けられている。また、図2における上方右側に、冷却液排出口16が設けられている。冷却液供給口15と冷却液排出口16は、ウォータジャケット10の軸方向を向く側壁18を挟んで周方向に隣り合って配置されている。
冷却液供給口15と冷却液排出口16は、配管接続部7を介して、モータ・ジェネレータ4の外部に設けられた循環装置(冷媒ポンプ)に接続されている。この循環装置により、水又は油等の液体の冷媒が、冷却流通路11を循環する。
次に、ウォータジャケット10の冷却流通路11における冷却液の循環について図2及び図3を参照して説明する。
図2、図3に示すように、具体的に、冷媒ポンプから排出された冷却液は、冷却液供給口15側に設けられた外部管9、配管接続部7及び内部管8を介して、冷却液供給口15に到達する。
圧力が低くなった冷却液は、幅広部21で圧力が回復する。冷却液は幅広部21を通過すると、次のノズル部20に向かって直線通路19を流れる。冷却液は、圧力が高まる。冷却液はそのノズル部20を通過すると、高速噴流となり、貯留室23に入って、次の噴流衝突壁22に衝突する。冷却液は、噴流衝突壁22で圧力が低くなる。冷却液は、流れる向きが反転し、次の幅広部21に向かって流れる。冷却液は、幅広部21で圧力が回復する。
冷却液は、以上述べた流通過程で、ウォータジャケット10の冷却流通路11内を循環する。
また、冷却流通路11の幅は、ノズル部20と幅広部21により進行方向に向かって絞られることで不均一となるが、噴流衝突壁22以外は平均的に通常の強制対流による壁面熱伝達率を得ることができる。
ウォータジャケット10での伝熱が制限されて、冷却能力が限定されてしまう点を除去することができる。
2 エンジン
3 フライホイール
4 モータ・ジェネレータ(液冷モータ)
5 油圧ポンプ
6 モータケース
6A 筒状部
6B 端面部
7 配管接続部
8 内部管
9 外部管
10 ウォータジャケット
10A 内周壁
10B 外周壁
10C 連結壁(一方縁)
10D 連結壁(他方縁)
11 冷却流通路
12 固定子
12A ヨーク
12B ティース
13 熱伝導体
14 モータハウジング
15 冷却液供給口
16 冷却液排出口
17 側壁(周方向)
18 側壁(軸方向)
19 直線通路
20 ノズル部
21 幅広部
22 噴流衝突壁
23 貯留室
Claims (6)
- モータケースと、
前記モータケースの内部に設けられたモータと、
前記モータケースの内部に設けられたモータハウジングと、
前記モータハウジング内に装着され、冷却液が周方向に流れる環状のウォータジャケットと、を備え、
前記ウォータジャケットは、
前記冷却液が流れる通路幅が徐々に狭くなる冷却流通路と、
前記冷却液を前記冷却流通路へ供給する冷却液供給口と、
前記冷却液を前記冷却流通路から排出する冷却液排出口と、
を有している液冷モータ。 - 前記冷却流通路は、
進行方向に進むにつれて前記通路幅が狭まる直線通路と、
前記直線通路の一方端に設けられたノズル部と、
前記直線通路の他方端に設けられ、前記通路幅が前記直線通路の一方端よりも大きい幅広部と、
を備えている請求項1に記載の液冷モータ。 - 前記ノズル部と前記幅広部との間に設けられ、前記ノズル部を通過して前記幅広部に向かう冷却液が衝突する噴流衝突壁を備えている請求項1又は2液冷モータ。
- 前記直線通路は、前記ウォータジャケットの前記周方向に延設され且つ前記ウォータジャケットの軸方向に複数並べられており、
前記ノズル部及び前記幅広部は、前記ウォータジャケットの軸方向に並べられた複数の直線通路のうち、隣接する直線通路を繋げる部分である請求項2に記載の液冷モータ。 - 前記冷却液供給口と前記冷却液排出口は、前記ウォータジャケットの軸方向を向く側壁を挟んで周方向に隣り合って配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液冷モータ。 - 前記ノズル部と前記噴流衝突壁との間の距離Lは、前記ノズル部の直径Dより大きいことを特徴とする請求項2に記載の液冷モータ。
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