JP2021004280A - 湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、積層体 - Google Patents

湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、積層体 Download PDF

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【課題】本発明が解決しようとする課題は、初期接着強度、及び、オープンタイムに優れる湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を提供することである。【解決手段】本発明は、ポリアクリルポリオール(a1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、かつ、水酸基を1個有する化合物(C)とを必須原料とする、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)、及び、光重合開始剤(ii)を含有することを特徴とする湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、その硬化物層を有する積層体を提供するものである。前記化合物(C)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、積層体に関する。
ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、金属材料、木質材料、プラスチック、ゴム、繊維製品、合成皮革、紙製品等の接着に広く利用されており、建材パネル、化粧板、自動車内装材、衣料など様々な分野で活用されている。
湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の特徴は、他のホットメルト接着剤と同様に無溶剤であり、冷却固化により初期の接着強度が得られることに加え、更に、接着後24〜72時間程度の時間内で空気中や被着体の湿気と反応することで、他のホットメルト接着剤では発現し得ない最終接着強度および耐熱性が得られる点にある(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、他のホットメルト接着剤同様に、冷却固化だけで初期の接着強度を更に高めることは容易ではない。更に、初期の接着強度を向上する手法としては種々の方法が検討されているが、オープンタイム(使用可能時間)が短くなり、実使用には不向きであった。
特開2018−111748号公報
本発明が解決しようとする課題は、初期接着強度、及び、オープンタイムに優れる湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を提供することである。
本発明は、ポリアクリルポリオール(a1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、かつ、水酸基を1個有する化合物(C)とを必須原料とする、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)、及び、光重合開始剤(ii)を含有することを特徴とする湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物、及び、その硬化物層を有する積層体を提供するものである。
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、初期接着強度、及び、紫外線硬化後のオープンタイムに優れるものである。
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、ポリアクリルポリオール(a1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、かつ、水酸基を1個有する化合物(C)とを必須原料とする、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)、及び、光重合開始剤(ii)を含有するものである。
前記ウレタンプレポリマー(i)は、ポリアクリルポリオール(a1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、かつ、水酸基を1個有する化合物(C)とを必須原料として得られるものであり、イソシアネート基を有するものである。
前記ポリアクリルポリオール(a1)は、優れたオープンタイムを得る上で必須の成分である。前記ポリアクリルポリオール(a1)としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を必須として含有する(メタ)アクリル化合物の重合物を用いることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル化合物」とは、メタクリル化合物及び/又はアクリル化合物を示し、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及び/又はアクリレートを示し、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を示す。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
その他の(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する(メタ)アクリル化合物;イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シジクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリル化合物;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリル化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−[1,3]−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらの(メタ)アクリル化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル化合物としては、前記したものの中でも、オープンタイムをより一層向上できる点から、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物及び前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリル化合物を用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アアクリレート、及び/又は、ブチル(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a1)の数平均分子量としては、オープンタイムをより一層向上できる点から、5,000〜100,000の範囲が好ましく、7,000〜70,000の範囲がより好ましく、8,000〜50,000の範囲が更に好ましく、10,000〜30,000の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリアクリルポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリアクリルポリオール(a1)のガラス転移温度としては、オープンタイムをより一層向上できる点から、−70℃以上30℃未満の範囲が好ましく、−65〜0℃の範囲がより好ましく、−60〜−20℃の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリアクリルポリオール(a1)のガラス転移温度は、JISK7121−1987に準拠し、DSC(示差走査熱量計)により測定した値を示し、具体的には、示差走査型熱量計装置内に前記ポリアクリルポリオール(a1)を入れ、(ガラス転移温度+50℃)まで昇温速度10℃/分で昇温した後、3分間保持し、その後急冷し、得られた示差熱曲線から読み取った中間点ガラス転移温度(Tmg)を示す。
前記ポリアクリルポリオール(a1)の使用量としては、オープンタイムをより一層向上できる点から、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計中5〜40質量%の範囲が好ましく、7〜30質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリオール(A)は、前記ポリアクリルポリオール(a1)以外にも、必要に応じてその他のポリオールを併用することができる。
前記その他のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた初期接着強度及び最終接着強度が得られる点から、ポリエステルポリオール、及び/又は、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオール(例えば、分子量50以上300以下のポリオール)とポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらの共重合ポリエステルポリオールなどを用いることができる。
前記低分子量ポリオールとしては、例えば、分子量が50以上300以下のポリオールを用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、トリメチルールプロパン、グリセリン等の脂肪族ポリオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物及びそれらのアルキレンオキシド付加物等の芳香族ポリオールなどを用いることができる。
前記ポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;並びに前記脂肪族ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物又はエステル形成性誘導体などを用いることができる。
前記ポリエステルポリオールを用いる場合の使用量としては、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計中10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜60質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオールが好ましく、必要に応じ活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として用いて、アルキレンオキシド等の環状エーテルを開環重合させたもの等を用いることができる。
前記環状エーテルの炭素原子数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。前記環状エーテルに含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。前記環状エーテルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、アルキル化テトラヒドロフラン等を用いることができる。
前記開始剤としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水等の活性水素原子を2個有する化合物;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、糖類等の活性水素原子を3個以上有する化合物などを用いることができる。
前記ポリエーテルポリオールを用いる場合の使用量としては、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計中10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜60質量%の範囲がより好ましい。
前記その他のポリオールの数平均分子量としては、例えば、500〜100,000の範囲が挙げられる。なお、前記その他のポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリイソシアネート(B)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートイソシアネート、キシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート体などを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた反応性及び最終接着強度が得られる点から、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及び、これらのイソシアヌレート体からなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましい。
前記ポリイソシアネート(B)の使用量としては、より一層優れた最終接着強度、及び、皮膜の機械的強度が得られる点から、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計中1〜30質量%の範囲が好ましく、3〜25質量%の範囲がより好ましい。
前記化合物(C)は優れた初期接着強度を得るうえで必須の成分である。前記化合物(C)を用いることにより、ウレタンプレポリマーの末端の一部に(メタ)アクリロイル基を導入できるため、紫外線等を照射することにより、良好な初期接着強度を得ることができる。前記化合物(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、簡便に(メタ)アクリロイル基を導入することができ、優れた初期接着強度が得られる点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記化合物(C)の使用量としては、より一層優れた初期接着強度が得られる点から、ウレタンプレポリマー(i)を構成する原料の合計中0.01〜10質量%の範囲が好ましく、0.05〜5質量%の範囲がより好ましく、0.1〜3.0質量%の範囲が更に好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(i)は、前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)と前記化合物(C)とを反応させて得られるものであり、前記化合物(C)の水酸基がポリイソシアネート(B)と反応することで、分子内部に重合性不飽和基が導入されたものであり、かつ、空気中やウレタンプレポリマーが塗布される基体中に存在する水分と反応して架橋構造を形成しうるイソシアネート基を分子末端に有するものである。
前記ウレタンプレポリマー(i)の製造方法としては、例えば、前記ポリオール(A)及び化合物(C)の入った反応容器に、ポリイソシアネート(B)を入れ、前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(A)及び化合物(C)の有する水酸基に対して過剰となる条件で、反応させることによって製造することができる。
前記ウレタンプレポリマー(i)を製造する際の、前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と、前記ポリオール(A)及び化合物(C)が有する水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)としては、より一層優れた初期接着強度及び最終接着強度が得られる点から、0.5〜10の範囲が好ましく、0.7〜3の範囲がより好ましく、1.0〜2.0の範囲が更に好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(i)のイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)としては、より一層優れた初期接着強度及び最終接着強度が得られる点から、1〜10質量%の範囲が好ましく、1.05〜3.0質量%の範囲がより好ましく、1.1〜2.0質量%の範囲が更に好ましい。なお、前記ウレタンプレポリマーのNCO%は、JISK1603−1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
前記光重合開始剤(ii)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン、チオキサントン誘導体、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤(ii)の使用量としては、より一層優れた紫外線硬化性が得られる点から、前記ウレタンプレポリマー(i)100質量部に対して、0.0001〜10質量部の範囲が好ましく、0.005〜5質量部の範囲がより好ましい。
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、前記ウレタンプレポリマー(i)、及び、前記光重合開始剤(ii)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、硬化触媒、粘着付与剤、可塑剤、光安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス、熱可塑性樹脂等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の積層体について説明する。
本発明の積層体は、基材、及び、前記湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物層を有するものである。
前記基材としては、例えば、合板、MDF(ミディアム デンシティ ファイバーボード)、パーチクルボード等の木質基材;アルミ、鉄等の金属基材;ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いて得られたシート基材;ケイ酸カルシウム板;紙;金属箔;突板;不織布、織布等の繊維基材;合成皮革;紙;ゴム基材;ガラス基材などを用いることができる。前記基材の厚さとしては、使用される用途に応じて決定されるが、例えば、1〜500mmの範囲である。
前記基材上に、前記湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、70〜140℃で溶融した湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を、ロールコーター、スプレーコーター、T−タイコーター、ナイフコーター、コンマコーター等のコーター方式;ディスペンサー、スプレー、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等の精密方式などを使用して基材に塗布する方法が挙げられる。
前記湿気硬化型ウレタンホットメルト組成物の硬化物層としては、使用される用途に応じて適宜決定されるが、例えば、0.001〜3cmの範囲である。
前記塗布された湿気硬化型ウレタンホットメルト組成物は、活性エネルギー線を照射することにより優れた初期接着強度を得ることができる。前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、X線、赤外線、可視光線等が挙げられる。これらの中でも、簡便に初期接着強度が得られることから、紫外線が好ましい。
前記紫外線を照射する際には、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、水素ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、蛍光灯等の光源を使用することができる。
前記紫外線の照射量としては、より一層優れた初期接着強度が得られる点から、0.05〜5J/cm、より好ましくは0.1〜3J/cm、特に好ましくは0.3〜1.5J/cmの範囲であることがよい。なお、前記紫外線の照射量は、GSユアサ株式会社製UVチェッカー「UVR−N1」を使用して、300〜390nmの波長域において測定した値を基準とする。
前記紫外線照射後は、前記ウレタンプレポリマー(i)のイソシアネート基のエージングを行うため、好ましくは10〜40℃の温度下で、1〜3日養生することが好ましい。
以上、本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、初期接着強度、及び、紫外線硬化後のオープンタイムに優れるものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
攪拌機、温度計を備えた2リットル4ツ口フラスコに、ポリアクリルポリオール(ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、及び、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比(順に);64.2/35.4/0.3)の反応物、数平均分子量;17,000、ガラス転移温度(Tg);−37℃、以下「AcP(1)」と略記する。)17.2質量部、ポリエステルポリオール(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、及び、アジピン酸の反応物、数平均分子量;5,000、以下「PEs」と略記する。)34.4質量部、ポリプロピレングリコール(数平均分子量;2,000、以下「PPG」と略記する。)34.4質量部を仕込み、減圧加熱条件下、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
次いで、70℃に冷却後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記する。)を12.1質量部加え、100℃迄昇温した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略記する。)1.9質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を1質量部加え、窒素雰囲気下でイソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマー(i−1)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(i−1)のNCO%は、1.3質量%であった。
[実施例2]
実施例1において、AcP(1)に代え、ポリアクリルポリオール(ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、及び、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比(順に);87.6/12/0.3)の反応物、数平均分子量;17,000、ガラス転移温度(Tg);−50℃、以下「AcP(2)」と略記する。)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウレタンプレポリマー(i−2)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(i−2)のNCO%は、1.3質量%であった。
[実施例3]
実施例1において、AcP(1)に代え、ポリアクリルポリオール(ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、及び、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比(順に);43.5/56.2/0.3)の反応物、数平均分子量;17,000、ガラス転移温度(Tg);−23℃、以下「AcP(3)」と略記する。)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウレタンプレポリマー(i−3)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(i−3)のNCO%は、1.3質量%であった。
[実施例4]
攪拌機、温度計を備えた2リットル4ツ口フラスコに、AcP(1)21.9質量部、PEs39.4質量部、PPG26.3質量部を仕込み、減圧加熱条件下、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
次いで、70℃に冷却後、MDI10.7質量部加え、100℃迄昇温した後、HEA1.7質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を1質量部加え、窒素雰囲気下でイソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマー(i−4)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(i−4)のNCO%は、1.1質量%であった。
[比較例1]
攪拌機、温度計を備えた2リットル4ツ口フラスコに、PEs41.8質量部、PPG41.8質量部を仕込み、減圧加熱条件下、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
次いで、70℃に冷却後、MDI14.2質量部加え、100℃迄昇温した後、HEA2.2質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を1質量部加え、窒素雰囲気下でイソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマー(iR−1)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(iR−1)のNCO%は、1.5質量%であった。
[比較例2]
攪拌機、温度計を備えた2リットル4ツ口フラスコに、AcP(1)17.5質量部、PEs35質量部、PPG35質量部を仕込み、減圧加熱条件下、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。
次いで、70℃に冷却後、MDI12.4質量部加え、100℃迄昇温した後、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を1質量部加え、窒素雰囲気下でイソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマー(iR−2)を含む湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。得られたウレタンプレポリマー(iR−2)のNCO%は、2.0質量%であった。
[数平均分子量の測定方法]
実施例及び比較例で用いたポリオール等の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[初期接着強度の評価方法]
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を、それぞれ110℃で溶融させた後、厚さ200μmのコロナ処理済ポリエチレンテレフタレート基材上にロールコーターを使用して100μmの厚さとなるように塗布した。その後、この塗布面に高圧水銀ランプを使用して1J/cmの紫外線を照射し、この照射面に厚さ200μmのコロナ処理済ポリエチレンテレフタレート(PET)基材を更に貼り合わせ、貼り合わせから3分後に180°剥離強度(N/inch)をJISK7311−1995に準拠して測定し、以下のように評価した。
「A」;20N/inch以上
「B」;10N/inch以上20N/inch未満
「C」;10N/inch未満
[オープンタイムの評価方法]
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物を120℃で溶融させた後、ポリプロピレンシート上に50μmの厚さとなるように塗布したのち、その塗布面に高圧水銀ランプを使用して1J/cmの紫外線を照射した。紫外線照射が完了した時点を基点とし、グラフト紙が塗布面に接着しなくなるまでの時間を測定し、オープンタイムを以下のように評価した。
「A」;300秒を超える。
「B」;60秒を超えて300秒以下である。
「C」;60秒以下である。
Figure 2021004280
本発明の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物は、優れた初期接着強度、及び、オープンタイムを有することが分かった。
一方、比較例1は、ポリアクリルポリオール(a1)を用いない態様であるが、オープンタイムが不良であった。
比較例2は、化合物(C)を用いない態様であるが、初期接着強度が不良であった。

Claims (4)

  1. ポリアクリルポリオール(a1)を含むポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、(メタ)アクリロイル基を1個以上有し、かつ、水酸基を1個有する化合物(C)とを必須原料とする、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(i)、及び、光重合開始剤(ii)を含有することを特徴とする湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物。
  2. 前記ポリアクリルポリオール(a1)のガラス転移温度が、−70℃以上30℃未満である請求項1記載の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物。
  3. 前記化合物(C)が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである請求項1又は2記載の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物。
  4. 基材、及び、請求項1〜3のいずれか1項記載の湿気硬化型ウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする積層体。
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