(第1実施形態)
図1は、本発明に係る用紙処理装置の第1実施形態の概略構成を示す縦断面図である。用紙処理装置1は、裁断部25、押圧部26及び制御部7を備えている。裁断部25は、連続用紙供給部2、トラクタ搬送部3、縁部除去部4、裁断処理部5を備えている。押圧部26は、単位用紙供給部71、押圧ローラ72、単位用紙載置部6を備えている。
連続用紙供給部2は、連続用紙載置部10及び折畳部11を有している。連続用紙載置部10は、用紙処理装置1の下部に設けられる。連続用紙載置部10の載置台20上には、長尺の用紙である連続用紙Cが、幅方向に沿って形成されたミシン目M1でジグザグ状に折りたたまれた状態で載置される。
長尺の用紙としての連続用紙Cは、長手方向に直交する幅方向に沿って所定長さ毎にミシン目M1が形成されている。前後のミシン目M1の間の長さである所定長さは、はがきの長辺または短辺の寸法に設定されている。また、連続用紙Cは、幅方向の2箇所に長手方向に沿ってミシン目M2、M3が形成される。長手方向に沿ったミシン目M2、M3で、用紙は山折り及び谷折りされ、これより外三つ折りできるようになっている。更に、連続用紙Cは、幅方向両縁部E1,E2に、多数の送り孔H及びミシン目M4、M5を有している。送り孔Hは、用紙の長手方向に一定間隔を置いて並んで形成されている。送り孔Hは、トラクタ搬送部3においてピン36が挿し込まれる孔である。ミシン目M4,M5は、縁部除去部4において切断され、除去される。連続用紙Cがミシン目M2.M3で外三つ折りに折り畳まれたときの重ね合わせ面には、所定値以上の圧力で押圧されたときに接着される圧着用接着剤が塗布されている。
載置台20上の連続用紙Cは、折畳部11へ供給される。折畳部11は、連続用紙Cを折り線F1で山折し、折り線F2で谷折りするよう連続用紙Cを案内する図示しない案内部と、折り畳まれた状態の連続用紙Cを押さえる押えローラ12とを備える。
トラクタ搬送部3は、ピン式トラクタ31、供給速度検出部32、搬送モータ33を備える。ピン式トラクタ31は、回送チェーン34の外周全周に多数のピン36を突設してなる。このピン式トラクタ31は、ピン36を連続用紙Cの幅方向両縁部に形成した送り孔Hに挿通して回送チェーン34を搬送モータ33の駆動によって回転駆動することで連続用紙Cを搬送方向Tに搬送するようになっている。回送チェーン34は前後一対のチェーンローラ37に掛け渡される。
供給速度検出部32は、エンコーダ321及びエンコーダ検出器322を備える。エンコーダ321は、連続用紙Cの搬送方向T下流側となる前方のチェーンローラ37の回転軸の一方の端部に設置される。エンコーダ検出器322は、発光素子及び受光素子を備え、エンコーダ321に形成された切欠きを検出し、これを基に、チェーンローラ37の回転量を検出することでトラクタ搬送部3による連続用紙Cの搬送速度を計測する。
縁部除去部4は、ユニットケース41内に、円盤状の上刃42及び下刃43が設置されたスリッタ45を備えている。そして、この上刃42及び下刃43を用いて連続用紙Cの左右両端の縁部領域E1,E2を切断する。また、縁部除去部4は、縁部回収部44を備える。縁部回収部44は、スリッタ45の下方に設置され、スリッタ45により連続用紙Cから切り離された不要な縁部領域を回収する。縁部回収部44は上部開口を有する箱状に形成される。
裁断処理部5は、挟持用ローラ51、裁断補助部材52、用紙検出部53、用紙厚検知部54、接離駆動部55を備える。挟持用ローラ51は送出ローラ57及び高速ローラ58により構成される。送出ローラ57は連続用紙Cを下流側へ送り出す。送出ローラ57には、連続用紙Cの搬送面の下方に設置される固定ローラ571と、該固定ローラ571に連続用紙Cの搬送面を介して対向配置され、接離方向に移動自在な接離ローラ572とが含まれる。
高速ローラ58は、送出ローラ57から連続用紙Cの搬送方向T下流側へ所定量離間して設置される。高速ローラ58は、送出ローラ57より高速で回転する。高速ローラ58には、送出ローラ57と同様に、連続用紙Cの搬送面の下方に設置される固定ローラ581と、該固定ローラ581に連続用紙Cの搬送面を介して対向配置され、接離方向に移動自在な接離ローラ582とが含まれる。
送出ローラ57と高速ローラ58のそれぞれの固定ローラ571、581及び接離ローラ572、582は、いずれもゴムローラと呼ばれる外周部がゴム状物質よりなるローラを用いることができる。連続用紙Cを挟持する際には、固定ローラ571、581及び接離ローラ572、582双方のゴム状物質の部分が相互に加圧されて僅かに変形し、互いの接触部分がやや偏平な形状となる。
送出ローラ57及び高速ローラ58の双方の接離ローラ572、582は、接離駆動部55の駆動により接離方向に移動し、対向する固定ローラ571、581に接離可能となっている。送出ローラ57及び高速ローラ58の双方の接離ローラ572、582は接離方向に同期して移動される。
送出ローラ57及び高速ローラ58の双方の固定ローラ571、581は、いずれも図示しない回転伝達機構を介してトラクタ搬送部3を構成する搬送モータ33に連結される。接離ローラ572、582は固定ローラ571、581との間で連続用紙Cを挟持した際固定ローラ571,581の回転に伴って従動回転される。回転伝達機構は、高速ローラ58が、送出ローラ57に対して所定割合だけ速く回転するよう構成されている。よって、用紙を挟持したときの高速ローラ58による用紙の搬送速度は、送出ローラ57による搬送速度に対し、所定割合だけ速くなる。
送出ローラ57及び高速ローラ58の回転に伴う用紙の搬送速度は、ピン式トラクタ31を用いた供給速度検出部32による連続用紙Cの搬送速度から検出可能である。上述したように、ピン式トラクタ31の回転量は、エンコーダ321に設けたエンコーダ検出器322で検出されて、制御部7に送られる。
ピン式トラクタ31、送出ローラ57及び高速ローラ58は、用紙を下流側の押圧部26へ供給する供給部を構成する。よって、供給部は、長尺の連続用紙Cを所定長さの単位用紙Dに裁断する裁断部25に設けられることとなる。ピン式トラクタ31、送出ローラ57及び高速ローラ58による用紙の搬送速度は、用紙を裁断部25から押圧部26へ供給する供給速度に該当する。制御部7は、ピン式トラクタ31を用いた供給速度検出部32によって連続用紙Cの搬送速度を検出することで、用紙を裁断部25から押圧部26へ供給する際の供給速度を把握でき、これを基に供給速度の設定を変更することができる。
なお、高速ローラ58は、ピン式トラクタ31と同期駆動され、ピン式トラクタ31に対し所定割合だけ高速で回転するので、実際に押圧部26へ用紙が到達する際の速度は、ピン式トラクタ31による用紙の搬送速度より所定割合速くなる。
裁断補助部材52は、送出ローラ57と高速ローラ58の間に配置される。裁断補助部材52は、板状に形成され、連続用紙Cの幅方向に延在する。尚、裁断補助部材52を、板状のブレードに替えて、ローラ状に形成され、用紙と接触する位置がやや突出して形成されたものを用いてもよい。裁断補助部材52の先端部は、送出ローラ57及び高速ローラ58がそれぞれ連続用紙Cを挟持する面を結んだ面より僅かに下方に突出して設置される。これより、所定のタイミングで連続用紙Cが送出ローラ57及び高速ローラ58に挟持され、回転速度差によって連続用紙Cに張力が付与された際、裁断補助部材52の先端部が連続用紙Cに接触し、連続用紙Cの長手方向に直交する幅方向に沿って形成されたミシン目M1で連続用紙Cを裁断する。裁断補助部材52は、連続用紙Cを所定長さの単位用紙Dに裁断するきっかけを与える。
用紙検出部53は、裁断補助部材52の下流側近傍であって、用紙の幅方向略中央部に設けられる。用紙検出部53は、用紙搬送面の上方に設置された発光素子と、用紙搬送面の下方に設置された受光素子とを備えた光学系検出器により構成される。用紙検出部53は、用紙の搬送面に向けて発光素子の光が出されるよう設置される。搬送面を搬送される用紙が、発光素子から出される光を遮ると、搬送面の下方に設置された受光素子によって受光される光の量が減少する。これより、搬送面における用紙の有無を判断する。また、必要により受光量の減少割合から用紙の厚さや用紙が何枚重なった状態で搬送されているかを検出する。この用紙検出部53による検出信号は、制御部7に送られる。
用紙厚検知部54は、送出ローラ57の上流側近傍に設置される。用紙厚検知部54は、紙厚検出ローラ541及び紙厚検出器542を備える。紙厚検出ローラ541は、図示しないバネ等の弾性部材によって下方に向けて付勢されている。紙厚検出ローラ541は連続用紙Cの搬送面を介して対向配置される支持ローラ543との間に連続用紙Cを挟んだ際、連続用紙Cの厚さに応じて上下方向に移動可能に構成される。紙厚検出器542は、紙厚検出ローラ541の上下方向の移動量を検出する。紙厚検出器542の検出信号は、制御部7に送られる。
押圧部26は、単位用紙供給部71、押圧ローラ72、駆動モータ74、押圧ローラ速度検出部76、用紙検出部77を備える。単位用紙供給部71は、上下一対の搬送ローラ711,712を有している。単位用紙供給部71は、折り畳まれ、所定長さに裁断された用紙である単位用紙Dを押圧ローラ72へ送り込むようになっている。
押圧ローラ72は、上下一対設置される。押圧ローラ72は、用紙の重ね合わせ面に接着剤が塗布された該用紙を、所定値以上の圧力で押圧し、接着する。一対の押圧ローラ72の間の距離は、使用者が用紙の厚さに応じて手動で調製可能となっている。押圧ローラ72は、単位用紙供給部71と連結部材によって連結される。押圧ローラ72と単位用紙供給部71とは、駆動モータ74によって同期して回転駆動される。
駆動モータ74の種類は、特に限定されず、単相交流モータや三相交流モータなどの交流モータ、DCモータ、ブラシレスDCモータ、サーボモータ、ステッピングモータ等を用いることができる。また、必要により、インバータやコンバータを設置してもよい。これらのうち、押圧ローラ72にかかる負荷を考慮すると、交流モータとすることが好ましい。駆動モータ74を交流モータとする場合、押圧ローラ72を一定の回転速度で回転させることとしてもよく、必要により、インバータやコンバータを設置し押圧ローラ72の回転速度を変更可能としてもよい。
押圧ローラ速度検出部76は、エンコーダ761及びエンコーダ検出器762を備える。エンコーダ761は、上下一対の搬送ローラ711,712のうち、いずれか一方の回転軸に設置される。エンコーダ検出器762は、エンコーダ761の回転量を検出し、制御部7に送信する。押圧ローラ速度検出部76は、エンコーダ761を用いて搬送ローラ711,712の回転速度を検出し、これにより、該搬送ローラ711,712に連結部材によって連結され、同期して回転する押圧ローラ72の回転速度を検出する。
用紙検出部77は、搬送ローラ711,712と押圧ローラ72との間に設置される。用紙検出部77は、用紙の幅方向略中央部に設けられる。用紙検出部77は、用紙の搬送面の上方に設置された発光素子と受光素子とを備えた反射型の光学系検出器により構成される。用紙検出部77による検出信号は、制御部7に送られる。
図1に示す単位用紙載置部6は、押圧部26から送り出されて来た単位用紙Dを、立てた状態で、下流から上流に向けて順次積載するスタッカ装置61を備える。
制御部7は、CPU(中央処理演算装置)、ROMやRAM等の記憶部等を備える。制御部7は、用紙処理装置1全体の動作を制御する。その際、制御部7は、各種検出器32、53、54、76、77から送られた検出信号と、用紙処理装置1の使用者が操作パネルからなる設定部8を用いて入力、設定した情報とに基づき、これらに対応する所定のタイミングで必要なモータ33、74、55を所定量駆動する。
設定部8は、用紙厚検出部54によって自動で検出される用紙の厚さを、手動で入力し設定できるように構成されている。この場合、設定部8は用紙の厚さを検出する用紙厚検出部として構成される。制御部7の記憶部には、自動及び手動の双方で用紙の厚さが検出された場合、いずれの検出結果を用いるのかに関する優先順位が記憶されている。
また、使用者は、設定部8によって、手動で一対の押圧ローラ72の間の距離を設定することが可能である。この場合、設定部8は、一対の押圧ローラ72の間の距離を検出する押圧ローラ間距離検出部として構成される。尚、一対の押圧ローラ72の間の距離を自動で検出可能な検出機器を設置しても構わない。制御部7の記憶部には、必要により自動及び手動の双方で押圧ローラ72の間の距離が検出された場合、いずれの検出結果を用いるのかという優先順位が記憶される。
制御部7は、押圧ローラ速度検出部76の検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。制御部7は、押圧ローラ速度検出部76により検出された押圧ローラ72の回転速度が予め設定された閾値より遅い場合に、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を遅くするよう制御する。制御部7は、押圧ローラ72によって所定長さの用紙を押圧しつつ搬送する際に、所定長さの用紙の複数箇所で押圧ローラ速度検出部76によって検出された複数の搬送速度の値に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。
また、制御部7は、用紙厚検出部54で検出された用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。制御部7は、用紙厚検出部54で検出された用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度が、所定の上限値を超えないよう制御する。制御部7は、押圧ローラ間距離検出部の検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。制御部7は、押圧ローラ間距離検出部の検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。
次に、用紙処理装置1の動作を説明する。連続用紙載置部10の載置台20上に載置された連続用紙Cは、使用者によって最上位の先端部を構成する部分が引き上げられ、案内部で外三つ折りに折り畳まれるよう設定される。そして、押えローラ12で押さえられ、トラクタ搬送部3において、幅方向の対向間隔が調整されたピン式トラクタ31のトラクタピン36にその送り孔Hが係合される。使用者が連続用紙Cの加工処理開始の操作を、設定部8から行うと、制御部7は搬送モータ33を駆動する。
搬送モータ33の駆動により、載置台20上の連続用紙Cは、順次折畳部11で折り畳まれ、外三つ折りの形態でトラクタ搬送部3によって下流側へ搬送され、縁部除去部4へ至る。このとき制御部7は、供給速度検出部32によって検出するトラクタ搬送部3による連続用紙Cの搬送速度が、予め設定した所定値に至るまで、トラクタ搬送部3による搬送速度を加速させる。そして、供給速度検出部32によって検出されたトラクタ搬送部3による搬送速度が所定値に至ると、この所定値を維持するようトラクタ搬送部3の搬送モータ33を制御する。
連続用紙Cは、縁部除去部4において、スリッタ45によって縁部領域E1,E2が切り落とされ縁部回収部44に回収される。縁部領域E1、E2が除去された連続用紙Cは、下流の裁断処理部5へ搬送される。裁断処理部5では、連続用紙Cは、裁断補助部材52の下方を通り、用紙検出部53の設置位置を通過し、高速ローラ58の接離ローラ582と固定ローラ581の間に達する。
制御部7は、連続用紙Cのミシン目M1形成位置が、裁断補助部材52設置位置に至る時点より所定量前に、接離駆動部55を駆動する。接離駆動部55の駆動により送出ローラ57と高速ローラ58とで連続用紙Cが挟持される。両ローラ57,58の回転速度差によって連続用紙Cに張力が付与される。連続用紙Cのミシン目M1が裁断補助部材52の設置位置に至り、裁断補助部材52の先端部に張力の付与された連続用紙Cのミシン目M1が接触することで、連続用紙Cは所定長さの単位用紙Dに裁断される。これにより、所定長さの外三つ折りの紙片としての単位用紙Dへ加工処理される。
単位用紙Dは、高速ローラ58によって下流側へ搬送され、所定の供給速度で押圧部26へ供給される。押圧部26では、単位用紙Dは単位用紙供給部71により押圧ローラ72へ搬送され、押圧ローラ72によって所定値以上の圧力で押圧される。これより単位用紙Dは、用紙の重ね合わせ面に予め塗布された接着剤によって接着される。押圧ローラ72から送り出された接着後の用紙は、単位用紙載置部6に積載されていく。
以上の処理工程において、押圧部26では、外三つ折りされた用紙は、一対の押圧ローラ72に挟持され搬送される。一対の押圧ローラ72の間の距離は、用紙を所定値以上の大きい圧力で押圧し、用紙の重ね合わせ面に塗布された接着剤により適正に接着できるよう適宜手動により調整される。調整の際には、用紙の厚さ、種類、重ね合わせ面に塗布される接着剤の種類、量、塗布後の時間経過による接着性能の劣化等の各種条件が考慮される。これより、押圧により得られる単位用紙の接着力を安定したものとすることができる。
押圧ローラ72は、予め設定された一定速度で回転するよう制御部7が押圧部26の駆動モータ74を制御する。しかし、一対の押圧ローラ72の間の距離を、通常の用紙で用いられる所定値より短く設定し、通常より大きい圧力で用紙を押圧し接着するときには、押圧ローラ72に過剰に負荷がかかり、用紙を挟持搬送するのが困難となって、用紙の搬送速度が低下してしまうことがある。先行する用紙の搬送速度が、予め設定された一定速度より低下すると、後続の用紙との用紙間距離が短くなって、ジャムが発生してしまう恐れがある。
また、1つのコンセントに複数の電気機器が接続されることなどによって、押圧ローラ72の駆動モータ74の電源電圧が低下し、例えば90V以下となることがある。このような場合には、押圧ローラ72を回転駆動するためのトルクが低下する。そして、用紙を挟持した際の押圧ローラ72の回転速度が低下して、用紙の搬送速度が遅くなりやすい。
このように押圧ローラ72の回転速度が低下した場合であっても、押圧ローラ72の回転速度は、先行する用紙を送りだした後、後続の用紙を挟持開始するまでの用紙を挟持しておらず負荷のかからない間に回復することができる。よって、後続の用紙を押圧ローラ72によって挟持するまでに十分な時間があれば、後続の用紙を、回復後の一定速度で搬送し始めることができる。
しかし、押圧ローラ72の一定速度への回復前に、後続の用紙が押圧ローラ72のニップ位置に至ったときには、押圧ローラ72の回転速度が一定速度より遅い状態で後続の用紙の搬送を開始してしまう。この場合には、押圧ローラ72を一定速度で回転するのが更に困難となり、用紙をより搬送し辛くなる。この結果、押圧ローラ72による搬送速度は次第に低下し、ジャムを発生してしまう。
そこで、本第1の実施形態では、押圧ローラ72による用紙の搬送速度が変動した場合には、押圧部26へ供給する用紙の供給速度を調整する。押圧ローラ72による用紙の搬送速度が予め設定した所定値より低下した場合には、これに応じて押圧部26へ供給する用紙の供給速度を所定量低下させる。
押圧ローラ72による用紙の搬送速度の変動は、押圧ローラ72の回転速度の変動を基に把握することができる。押圧ローラ72の回転速度は、押圧ローラ速度検出部76によって検出される。押圧ローラ速度検出部76によって検出された押圧ローラ72の回転速度に応じて、押圧部26へ供給される用紙の供給速度を調整する。このため、制御部7は、押圧部26の押圧ローラ速度検出部76によって押圧ローラ72の回転速度を検出し、得られた検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する。
制御部7は、押圧ローラ72による用紙の搬送速度が所定の閾値より遅いかどうかを判断する。このため、制御部7は、押圧ローラ速度検出部76により検出された押圧ローラ72の回転速度が予め設定された閾値より遅いかどうか判断し、閾値より遅い場合には、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を遅くするよう制御する。よって、制御部7は、裁断部25の搬送モータ33の駆動量を制御し、用紙の押圧ローラ72への供給速度を所定量低下させる。これより、押圧部26へ順次供給される用紙の間の長さが短くならないようにし、前後する用紙の衝突を回避する。
押圧部26へ供給する供給速度を変更するかどうかを判断するための閾値は、複数設定することができる。制御部7は、設定された各閾値に応じて、段階的に供給速度を変更することで、より適正にジャムを抑制し、用紙を加工処理できる。
制御部7は、押圧ローラ速度検出部76の検出結果に基づき、搬送モータ33を駆動する駆動制御信号を送出する。これより、トラクタ搬送部3、送出ローラ57及び高速ローラ58を同期して速度調整させる。調整後の速度は、押圧ローラ速度検出部76の検出結果に対応して、予め設定されている速度となる。
図2に、押圧ローラ72への用紙の供給速度の制御についてのフローチャートを示す。図2において、用紙の加工処理を開始すると、ステップ1で押圧部26における用紙の搬送速度を検出する。
押圧部26における用紙の搬送速度の検出方法として、押圧ローラ72の回転速度を基にする場合、例えば、エンコーダ761の切欠きを、1個または複数個といった所定数だけエンコーダ検出器762が検出するのに要する時間を随時取得する。取得した時間で、エンコーダ761の切欠きの数に対応する押圧ローラ72の回転量を除算することで、押圧ローラ72の回転速度を算出することができる。この場合、押圧ローラ速度検出部76を用いて検出される値は、エンコーダ761の回転に要する時間や所定時間毎のエンコーダ761の回転量や回転角度となる。これらの値は、用紙の搬送速度に換算される。
用紙の搬送速度は、用紙が押圧ローラ72によって挟持され搬送されている間、複数回に渡り検出されることが好ましい。搬送速度を検出するタイミングは、単位用紙Dの先端が押圧ローラ72によって挟持された時点から所定長さまでや、単位用紙Dの所定位置から所定長さの範囲等といった単位用紙Dの所定部分としてもよく、所定時間毎や所定長さ毎に複数回検出してもよい。また、単位用紙Dの先端から後端まで、所定長さの単位用紙D1枚分の全範囲で搬送速度を検出するようにしてもよい。これらのうち、単位用紙D1枚分の全範囲で搬送速度を検出することが、用紙ごとに異なる用紙の厚さや折畳みの状態等が搬送速度に与える影響を反映させることができる点で好ましい。また、複数枚の単位用紙Dについての搬送速度を検出してもよく、所定枚数おきに検出してもよい。
用紙が押圧ローラ72によって挟持され、搬送開始されるタイミングは、用紙検出部77による用紙先端の検出時点から所定時間経過後であるとすることができる。この所定時間は、実験結果や計算上の値を基に予め設定される。
また、これに替えて、用紙が押圧ローラ72によって挟持され、搬送開始されるタイミングは、用紙検出部77とエンコーダ761の回転量から把握することも可能である。即ち、例えば、制御部7は、用紙検出部77が、単位用紙Dの先端が用紙検出部77設置位置に到達したことを検出したとき、エンコーダ検出器762によるエンコーダ761の計測を開始する。その後エンコーダ761の回転量が、単位用紙Dの先端が押圧ローラ72のニップ部に到達するのに必要な回転量に至ったとき、用紙の先端が押圧ローラ72によって挟持されたタイミングとすることができる。
このように用紙が押圧ローラ72によって挟持され、搬送が開始されるタイミングを、用紙検出部77及びエンコーダ761の回転量を基に判断することで、より正確に用紙の押圧ローラ72による挟持開始タイミングを把握することができる。押圧ローラ72の回転速度は、先行用紙の搬送状態によって変動する。
よって、後続の用紙先端検出から所定時間経過後を後続用紙の押圧ローラ72による挟持開始タイミングとした場合には、実際には後続用紙が未だ押圧ローラ72によって挟持されていないにもかかわらず挟持開始したこととして用紙の搬送速度の検出を開始してしまう恐れがある。
この場合、検出される用紙の搬送速度は実際より速くなり、ジャムのリスクが高まる。これに対し、エンコーダ761の回転量を用いることで、後続用紙が実際に搬送ローラ711,712によって搬送された量を計測することができる。制御部7が搬送速度検出部76の検出値を基に演算した押圧ローラ72による用紙の搬送速度の値の、実際の押圧ローラ72による用紙の搬送速度に対するずれを小さくすることができる。
用紙の搬送方向Tの長さは、使用者が設置部8を用いて設定した値から判断することができる。また、制御部7は、用紙の搬送方向Tの長さを用紙検出部77の検出値を用いて把握することも可能である。即ち、単位用紙供給部71が用紙を押圧ローラ72へ供給する際に、用紙検出部77が搬送面上の用紙によって反射された光を受光した時間の長さを用いて用紙の搬送方向Tの長さを算出することができる。
このように用紙検出部77の検出結果を用いることで、使用者が設定した値が誤っていた場合にも、正しい用紙の搬送方向Tの長さを取得することができる。これより、用紙の押圧ローラ72による搬送速度を検出すべき範囲を誤った範囲とすることを回避できる。また、用紙が適切に搬送されていない場合、即ち、用紙の厚さが通常より薄い用紙等の場合、搬送ローラ711,712による用紙の搬送で滑りが生じやすくなる。このような場合にも、用紙が実際に押圧ローラ72によって挟持搬送されている間に略等しい範囲で搬送速度を検出することができる。
ステップ2において、ステップ1で検出した用紙の搬送速度が、予め設定した所定の第1閾値より遅いかどうか判断する。ステップ1において、搬送速度の値を複数取得している場合、複数の搬送速度の値に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御することができる。即ち、これら複数の値をそれぞれ第1閾値と比較することができる。また、これに替えて例えば、単位用紙D1枚分の平均値を用いてもよく、累積値または中央値を用いてもよい。
更に他の方法として、搬送速度を表す複数の値のうち、最も搬送速度が遅いことを示す値または最も速いことを示す値を代表させて用いてもよい。また、逆に、最も搬送速度が遅いまたは速いことを示す値を除外し、残りの値の平均値、累積値または代表値を用いてもよい。
更に他の方法として、搬送速度の変化量を用いてもよい。搬送速度の変化量を用いる場合、例えば、変化量が所定の閾値より大きいときには、押圧ローラ72によって用紙が適切に搬送されていないと判断し、後続の用紙の押圧部26への供給速度を遅くすることができる。これらのうち、単位用紙D1枚分の搬送速度の平均値を用いることが、当該用紙全体の搬送速度を閾値と比較し判断することができる点で好ましい。
ステップ2において用紙の搬送速度が第1閾値以上速いとき、ステップ2を満たさず、ステップ3に進む。ステップ3で、押圧部26への用紙の供給速度を所定の第1速度のまま維持し、用紙の加工処理を継続する。このステップ3における第1速度は、処理開始時の供給速度と同じであり、供給速度は変更されていないことになる。
ステップ4に進み、加工処理を終了するための条件を満たすかどうかを判断する。加工処理を終了するための条件としては、例えば、載置台20に載置した用紙が全て下流側へ搬送され、裁断され、押圧されてなくなることとすることができる。また、他の条件として使用者が、設定部8を用いて予め設定を行った枚数の用紙の加工処理が実行されることとしてもい。
ステップ4で、未処理の用紙が残存している間は、ステップ4を満たさず、ステップ1に戻る。その後、押圧部26における用紙の搬送速度が第1閾値以上速く維持されている間は、ステップ2を満たさず、加工処理を終了するための条件を満たすまで、ステップ1乃至4を繰り返す。加工処理を終了するための条件を満たすと、ステップ4を満たし、処理終了となる。
ステップ2において、押圧部26における用紙の搬送速度が、第1閾値より遅いときは、ステップ2を満たし、ステップ5に進む。ステップ5では、用紙の搬送速度が第2閾値より遅いかどうか判断する。第2閾値は、第1閾値より更に遅い値となるよう設定されている。ステップ5おいて用紙の搬送速度が第2閾値以上速いとき、ステップ5を満たさず、ステップ6に進む。
ステップ6で用紙の押圧部26への供給速度を予め設定された所定の第2速度に設定する。この第2速度は、処理開始時の押圧部26への供給速度である第1速度より遅い値とされる。ステップ7に進み、供給速度を第2速度とした状態で、加工処理を継続する。ステップ8に進み、加工処理を終了するための条件を満たすかどうかを判断する。ステップ8で、未処理の用紙が残存している間は、ステップ8を満たさず、ステップ9に進む。ステップ9で押圧部26における用紙の搬送速度を検出する。ステップ9における押圧部26での用紙の搬送速度の検出方法は、ステップ1と同様である。
ステップ9からステップ5に戻る。押圧部26における用紙の搬送速度が第2閾値以上速く維持されている間は、加工処理を終了するための条件を満たすまで、ステップ5乃至9を繰り返す。このとき、仮に押圧部26における用紙の搬送速度がステップ2の第1閾値以上速くなった場合でも、押圧部26へ用紙を供給する裁断部25からの供給速度は、第2速度から第1速度へ戻され、供給速度が加速させるといったことはない。このように、ステップ6で、用紙の供給速度を第2速度に設定した後、前後する用紙の間の長さが長くなってきた場合でも、処理終了まで裁断部25から供給される用紙の供給速度は、第2速度を維持する。
ステップ5において、押圧部26における用紙の搬送速度が、第2閾値より遅くなったときは、ステップ5を満たし、ステップ10に進む。ステップ10では、用紙の搬送速度が第3閾値より遅いかどうか判断する。第3閾値は、ステップ5の第2閾値より用紙の搬送速度が遅い値となるよう設定されている。
ステップ10において、押圧部26における用紙の搬送速度が第3閾値以上速い場合であって、ステップ10を満たさないとき、ステップ11に進み、押圧部26への供給速度を第3速度に設定し、ステップ12において処理を継続する。そして、上記と同様に、押圧部26における用紙の搬送速度が第3閾値以上速い間は、加工処理を終了するための条件を満たすまでステップ10乃至14を繰り返す。
ステップ10で、押圧部26における用紙の搬送速度が第3閾値より遅いときは、ステップ15に進み、搬送速度が第4閾値より遅いかどうか判断する。搬送速度が第4閾値以上のとき、ステップ16へ進み、押圧部26への用紙の供給速度を第3速度より更に遅い第4速度に設定する。ステップ17で加工処理を継続し、上記と同様に、押圧部26における用紙の搬送速度が第4閾値以上速い間は、加工処理を終了するための条件を満たすまで、ステップ15乃至19を繰り返す。
ステップ15において、押圧部26における用紙の搬送速度が第4閾値以上速い場合であって、ステップ15を満たさないとき、ステップ16に進み、押圧部26への供給速度を第4速度に設定し、ステップ17において処理を継続する。そして、上記と同様に、押圧部26における用紙の搬送速度が第4閾値以上速い間は、処理実行の設定を行った枚数だけ用紙を処理するまで、ステップ15乃至19を繰り返す。
ステップ15で、用紙の搬送速度が第4閾値より遅いときには、ステップ20へ進み、押圧部26への供給速度を第4速度より遅い第5速度に設定する。そして、加工処理を終了するための条件を満たすまで、第5速度を維持しつつ、ステップ21乃至22を繰り返す。
これによって、押圧部26における用紙の搬送速度が低下しても、押圧部26の速度低下の割合に応じて、押圧部26へ用紙を供給する裁断処理部5の供給速度を、段階的に低下させることができる。よって、前後して搬送される用紙の用紙間距離が短くなりにくく、なるべく所定値以上となるよう維持するようにし、ジャムの発生を抑制することができる。
また、本第1実施形態では、処理開始後、一旦用紙の供給速度を第1速度乃至第5速度のいずれかの供給速度に設定した後は、供給速度を再び上昇させ、加速させることがない。よって、プログラムの作成が容易である。また、供給速度があまり変動しないので、裁断処理部5において裁断補助部材52に用紙のミシン目M1が接触するタイミングをずれにくくすることができる。用紙に、搬送方向Tに沿ったまたは幅方向に沿った折り線でも裁断線でもない他のミシン目が別途形成されている場合、このようなミシン目は、裁断補助部材52に用紙の裁断位置であるミシン目M1が接触するタイミングがずれることで、衝撃によって割れてしまうことがある。しかし、裁断部26の搬送速度があまり変動しないときは、このような不具合を抑制できる。
以上より、本第1実施形態に係る用紙処理装置1は、押圧ローラ速度検出部76の検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する制御部7を備えたので、先行する用紙の押圧ローラ72による搬送速度に応じて該押圧ローラ72へ供給される後続の用紙の供給速度を調整でき、前後の用紙の間隔を適切に維持することができる。
また、制御部7は、押圧ローラ速度検出部76により検出された用紙の搬送速度が予め設定された閾値より遅い場合に、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を遅くするよう制御するので、前後して搬送される用紙の間の距離が短くなりにくくしてなるべく所定値以上となるよう維持するようにし、ジャムの発生を抑制することができる。
そして、制御部7は、押圧ローラ72によって所定長さの用紙を押圧しつつ搬送する際に、所定長さの用紙の複数箇所で押圧ローラ速度検出部76によって検出された複数の搬送速度の値に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御する場合には、用紙の一箇所の搬送速度のみからは適正な供給速度が得られないときより適正な供給速度で用紙を押圧部26へ供給することができる。
用紙ごとに異なる折畳の状態や若干の厚さの違いに伴って搬送速度が変動するときに、用紙を適正な供給速度で押圧部26へ供給することができる。
更に、供給部は、長尺の連続用紙Cを所定長さの単位用紙Dに裁断する裁断部25に設けられるので、裁断部25で所定長さに裁断され得られた単位用紙Dを適正に押圧部26へ供給できる。そして、裁断処理と押圧による接着処理の双方を用紙に施す用紙処理装置1において、ジャムの発生を抑制することができる。
更に、押圧ローラ72を一定の回転速度で回転させる交流モータを備えた場合は、交流モータによって一定速度で回転されることとなっており、回転速度を変更できない場合であっても押圧ローラ72へ供給される用紙の供給速度を調整することで、用紙間距離が短くなりにくくでき、ジャムの発生を抑制できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、押圧部26における用紙の搬送速度が、予め設定された第1乃至第4閾値のいずれかを一度下回った後は、押圧部26の搬送速度が回復して当該閾値を上回るときでも押圧部26への用紙の供給速度を低下させたままとし、加速させることはなかった。しかし、本第2の実施形態では、押圧部26の搬送速度が第1乃至第4閾値を下回った後にこれら第1乃至第4閾値以上速くなったときには、押圧部26への用紙の供給速度を上昇させられるようにする。すなわち、この第2実施形態は、押圧部26での用紙の搬送速度に応じて、押圧部26へ用紙を供給する供給速度を、低下及び上昇の双方を実行可能としている。
図3は、第2実施形態にかかる駆動モータ制御のフローチャートを示す。図3において、ステップ101,102は、図2のステップ1,2と同様である。図3のステップ103で、押圧部26へ用紙を供給する供給速度を第1速度に設定する。このステップ103で設定する第1速度は、処理開始時の押圧部26への用紙の供給速度をそのまま維持したものであって、処理開始直後であれば、供給速度は変更されない。ステップ104に進み、加工処理を継続した後、Aに進む。図3の右上に示すように、Aからステップ105へ進む。ステップ105で、加工処理を終了するための条件を満たすかどうかを判断する。
ステップ105で、未処理の用紙が残存している間は、ステップ105を満たさず、ステップ101に戻る。そして、上記第1実施形態と同様に、押圧部26における用紙の搬送速度が第1閾値以上速く維持されている間は、加工処理を終了するための条件を満たすまで、ステップ101乃至105を繰り返す。そして、加工処理を終了するための条件を満たすと、処理終了となる。
図3のステップ102を満たすときステップ106に進む。図3のステップ106乃至108は、図2のステップ5乃至7と同様である。図3のステップ108からAに進む。そして、図3の右上のAからステップ105へ進み、加工処理を終了するための条件を満たすかどうかを判断する。
ステップ105で、未処理の用紙が残存している間は、ステップ105を満たさず、ステップ101に戻る。そして、ステップ101において、押圧部26における用紙の搬送速度を検出する。ステップ101において検出した搬送速度が第1閾値以上速い場合、ステップ102を満たさず、ステップ103に進み、供給速度を第1速度に設定する。このように、ステップ107において、一度供給速度が第2速度に設定され、加工処理が行われた場合でも、その後押圧部26の搬送速度が第1閾値以上速くなったときは、再度第1速度に設定される。
そして、その後の押圧部26における用紙の搬送速度が第1閾値以上速く維持されている場合は、加工処理を終了するための条件を満たすまで、ステップ101乃至105を繰り返す。
図3のステップ106を満たすときステップ109に進む。ステップ109乃至111は、図3のステップ10乃至12と同様である。図3のステップ111からAに進む。上記ステップ104、108からAに進んだときと同様に、図3の右上のAからステップ105へ進み、加工処理を終了するための条件を満たすかどうかを判断する。未処理の用紙が残存している間は、ステップ105を満たさず、再度ステップ101に戻る。
ステップ111からAを経てステップ105、101に進んだ場合にも、ステップ101で検出した押圧部26における用紙の搬送速度が第1閾値以上速い場合、ステップ103に進み、供給速度を第1速度に設定する。また、用紙の搬送速度が第1閾値より遅く、第2閾値以上であった場合、ステップ106からステップ107に進み、押圧部26への供給速度を第2速度に設定する。これらの場合は、ステップ110において、供給速度が第3速度に設定され、加工処理が行われた後に、再度供給速度が第3速度より速い速度に設定され、供給速度が加速される。
ステップ109を満たし、ステップ112に進んだとき、押圧部26における用紙の搬送速度が第4閾値以上速く維持されているかどうか判断し、第4閾値以上速いときはステップ113で供給速度を第4速度に設定してステップ114で処理を継続し、Aを経てステップ101に戻り、検出した押圧部26における搬送速度に応じて押圧部26への供給速度の再設定を行う。
ステップ112を満たしたとき、ステップ115に進み、押圧部への用紙の供給速度を第5速度に設定して処理を継続し、上記と同様にAに戻る。
本第2の実施形態では、用紙の搬送速度に応じて押圧部26へ供給する用紙の供給速度を調整し、用紙の搬送速度が第1乃至第4閾値のいずれの範囲にあるのかによって、供給速度を再度設定しなおすので、処理時間の短縮が可能である。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記1、2実施形態の押圧部26における搬送速度を基にした押圧部26への供給速度の調整に加え、用紙の厚さ及び一対の押圧ローラ72の間の距離を考慮して、供給速度を調整する。用紙の厚さと押圧ローラ72の間の距離の双方を考慮すると、押圧ローラ72による用紙の搬送に過剰に負荷がかかる恐れのある状況では、用紙の供給速度をあまり速くしないよう調整する。
用紙の厚さは、用紙厚検出部54によって検出される。用紙の厚さを検出するタイミングは、用紙の加工処理開始時とすることが好ましい。用紙の厚さを加工処理開始時に検出することで、検出結果に応じて以後の加工処理における供給速度を調整することができる。また、用紙の厚さを加工処理の開始時に検出することで、加工処理がある程度進行した後に用紙の厚さを検出する場合より、用紙の搬送速度が遅いうちに用紙の厚さを検出できる。よって、用紙の厚さをより精度高く検出可能である。
押圧ローラ72の間の距離は、押圧ローラ間距離検出部によって検出される。押圧ローラ間距離検出部が設定部8により構成される場合は、使用者が、手動によって設定部8から押圧ローラ72の間の距離を数値によって入力し、または複数の選択肢の中から選択し、設定を行う。用紙処理装置1の記憶部には、用紙の厚さと押圧ローラ72の間の距離の双方の値に基づいて設定される押圧部26へ用紙を供給する供給速度の上限値に関するデータテーブルが記憶されている。データテーブルに記憶される数値は、実験結果等を基に予め設定される。
制御部7は、用紙厚検出部54の検出値及び押圧ローラ間距離検出部から使用者が設定した押圧ローラ72の間の距離を取得すると、記憶部に記憶されたデータテーブルを参照し、供給速度の上限値を設定する。そして、押圧部26への供給速度が上限値を超えないように搬送モータ33の駆動量を制御する。
このように供給速度の上限値を設定する場合には、例えば、図2の制御フローにおいて、ステップ1で検出する押圧部26における用紙の搬送速度が、ステップ2,5,10,15で判断する各閾値以上であったとしても、これら各閾値に応じてステップ3,6,11,16でそれぞれ設定される供給速度が、上限値を上回っているときにはこのような設定は行わず、上限値以下の速度に設定される。そして、加工処理の途中で、押圧部26における用紙の搬送速度が低下し、ステップ2,5,10,15で判断する各閾値より遅い速度となったとき、上限値を超えない範囲で供給速度をより遅い速度に設定する。
このように、本第3実施形態では、制御部7は、用紙厚検出部54で検出された用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御するので、用紙の厚さに応じて押圧部26における用紙の搬送速度が変動する場合でも用紙を適正な供給速度で押圧部26へ供給することができ、ジャムの発生を抑制できる。
また、制御部7は、用紙厚検出部54で検出された用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度が、所定の上限値を超えないよう制御するので、用紙の厚さによっては、あまり速い速度で用紙を押圧部26へ供給すべきでないとき、用紙を、上限値を超えない適正な速度で押圧部26へ供給できる。
更に、制御部7は、押圧ローラ間距離検出部の検出結果に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を制御するので、押圧ローラ72の間の距離に応じて供給速度を適正な速度に調整できる。
また、制御部7は、押圧ローラ間距離検出部で検出された押圧ローラの間の距離に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度が、所定の上限値を超えないよう制御するので、押圧ローラ72間の距離によっては、あまり速い速度で用紙を押圧部26へ供給すべきでないとき、用紙を、上限値を超えない適正な速度で押圧部26へ供給できる。
(実施例1)
用紙は、通常の厚さのものを用い、用紙の重ね合わせ面に塗布される接着剤は通常塗布される量と同じ量が塗布され、長期間放置されていない劣化の少ないものを用いた。単位用紙の搬送方向長さは5.5インチとした。一対の押圧ローラの間の距離を、通常の距離より短い5レベルに設定した。押圧部の駆動モータにACモータを用い、変圧器を用いて意図的に電圧を低下させ、供給電源を87.5Vに設定した。
押圧部への供給速度に対応する裁断部での用紙の搬送速度は、第1速度を71m/min、第2速度を60m/min、第3速度を50m/min、第4速度を40m/min、第5速度を20m/minとした。押圧部の搬送速度は、押圧ローラ速度検出部のエンコーダの切欠き1個分をエンコーダ検出器が検出するのに要した時間によって取得した。
搬送速度を検出する用紙の範囲は、単位用紙1枚分の全範囲とした。単位用紙が押圧ローラのニップ部に到着した時点で搬送速度の検出を開始した。1枚の単位用紙の搬送方向長さである5.5インチを押圧ローラによって搬送するのに必要となるエンコーダの切欠きの数だけ搬送速度を検出した。得られた複数の搬送速度について、単位用紙1枚分で平均値を算出し、閾値との比較を行った。第1閾値を700μsとし、第2閾値を750μs、第3閾値を800μs、第4閾値を1000μsに設定した。また、押圧部に設置した用紙検出部が用紙により反射された光を受光せず、該用紙検出部の設置位置に用紙がない状態となっている時間と押圧ローラ速度検出部のエンコーダの回転量から前後の用紙間の距離を計測した。結果を図4に示す。
図4において、横軸は、単位用紙の処理枚数である。本実施例1では単位用紙を46枚処理した。図4の左側の縦軸は、前後の用紙間距離の長さを示す。図4の右側の縦軸は、押圧部の搬送速度を、エンコーダの1パルスを検出するのに要した所要時間の単位用紙1枚分の平均値を示す。図中黒丸で示す折線は、用紙間距離を示し、白抜き三角形で示す折線は、平均所要時間を示す。尚、単位用紙1枚目と2枚目の用紙間距離は、処理開始直後で数値が大きいため示されていない。また、45枚目と46枚目の用紙間距離は、処理終了時の減速に伴い数値が大きいため示されていない。同図中、左端の白抜き三角形で示す単位用紙1枚目の平均所要時間の値は、715.2μsであった。この値によれば、押圧部の搬送速度は、第1閾値より遅く、第2閾値以上の速度となる。
このため、図2のフローに従って、用紙の供給速度を第1速度である71m/minからこれより遅い第2速度である60m/minに変更した。図4において2枚目の単位用紙の搬送速度についても、1枚目と同じ715.2μsで、第1閾値と第2閾値の間であったので、供給速度を第2速度を維持したまま加工処理を継続した。その後処理枚数として設定した46枚の単位用紙の加工処理を終了するまで、押圧部における搬送速度は常に第1閾値と第2閾値の間であったので、押圧部への供給速度を第2速度のまま維持した。
図4の黒丸で示す用紙間距離は、加工処理開始直後の図示しない1枚目から単位用紙10枚目程度までは、急激に短くなっていった。しかし、用紙間距離が短くなる割合は次第に小さくなり、10枚目以降については、最後から2枚目となる45枚目の処理を終了するまで、用紙間距離が50mm前後の範囲を維持する安定した状態となった。このように、ジャムの発生を回避することができた。
(実施例2)
上記実施例1より厚く、押圧ローラによる搬送が困難な用紙を用いた。用紙の厚さは、用紙厚検出部によって検出した。単位用紙の搬送方向長さを4インチとした。一対の押圧ローラの間の距離を、実施例1より長い9レベルに設定し、使用者が操作パネルから手動により入力設定した。押圧ローラの間の距離は実施例1より長くなっているが、用紙の厚さが実施例1より厚いので、押圧ローラの圧力は、上記実施例1より本実施例2の方が高くなっている。よって、押圧ローラに過剰に負荷がかかる恐れがある。押圧部の駆動モータにACモータを用い、変圧器を用いて意図的に電圧を低下させ、90Vに設定した。第1乃至第5速度及び第1乃至第4閾値は上記実施例1と同じとした。
制御部は、記憶部に記憶したデータテーブルを参照することで、供給速度の上限値を、60m/minに設定した。これは、第2速度と一致する。処理枚数として設定された単位用紙の処理を継続している間、押圧部への供給速度は、この上限値を上回らないよう制御した。実施例2の結果を図5に示す。
図5の横軸、左右の縦軸の目盛り、黒丸で示す折線、白抜き三角形で示す折線の内容は図4に示す実施例1と同じである。本実施例2では単位用紙を43枚処理した。図5中、左端の白抜き三角形で示す単位用紙1枚目の平均所要時間の値が、866μsであった。この値は、第3閾値より遅く、第4閾値以上となる。
このため、制御部は、図2のフローのステップ15を満たさずステップ16へ進み、用紙の供給速度を第4速度の40m/minに設定する。この第4速度は、用紙厚検出部の検出値及び押圧ローラの間の距離を基に設定された上限値である60m/minを下回っている。よって、制御部は用紙の供給速度の第4速度への変更を許可した。用紙の加工処理開始時には押圧部への供給速度が60m/minであったところ、2枚目以降は第4速度に変更し処理を継続する。
図5において2枚目の単位用紙の搬送速度は848.2μsであり、1枚目と同じく第3閾値と第4閾値の間であった。供給速度は第2速度を維持したまま加工処理を継続した。その後43枚の単位用紙の加工処理を終了するまで、押圧部における搬送速度は常に第4閾値である1000μsより遅くならなかったので、押圧部への供給速度を第4速度のまま維持した。
実施例1よりも用紙の搬送が困難となっており、押圧部の搬送速度の値が730μsから900μsの間で変動し、これに伴って用紙間距離もばらついている。しかし、ジャムを発生することはなく、設定した全ての用紙を加工処理することができた。
(比較例1)
上記実施例1において、押圧部の搬送速度が閾値を上回った場合であっても押圧部への用紙の供給速度を変更せず、71m/minを維持した。この用紙の押圧部への供給速度以外の他の条件は上記実施例1と同じとした。結果を図6に示す。
図6の左端の白抜き三角形で示す単位用紙1枚目の平均所要時間の値は、741.7μsであった。この値より押圧部の搬送速度は、上記実施例1と同じく第1閾値より遅く、第2閾値以上の速度となっている。しかし、本比較例1では、押圧部への用紙の供給速度を71m/minのまま維持し、処理を継続した。
本比較例1では、上記実施例1とは異なり、用紙間距離が10mm程度まで一気に短くなった。図中10枚目か11枚目の用紙で用紙間距離が、ほとんどなくなっている。目視による確認は困難だが、この場合前後の用紙が追突していると可能性もある。押圧ローラは回転速度を回復できないか、または回復してもその直後に急激に低下する等していると考えられる。その後の処理の継続により、15枚目の用紙で用紙間距離がなくなり、平均所要時間は先行する他の用紙の2倍程度長くなった。
装置の構成上、加工処理中の用紙の状態を目視により確認するのは困難だが、原因としては、先行する用紙と後続の用紙とが1度に重なって挟持された可能性が高い。または、先行用紙に後続用紙が乗り上げるなどしたために、後続の用紙の先端部分が反り上がって折り返され、後続用紙の先端部分の厚さが、正常に外三つ折りされたときより厚くなっているかもしれない。あるいは、外三つ折りの折り位置がずれたために余分に折れ線が形成され、正常な外三つ折りでは3枚分の用紙の厚さとなるところ、4枚以上の厚さになっている可能性もある。
制御部は、15枚目の前後する用紙間距離がなくなったことに伴い、ジャム検出のエラーを発生させ、この時点で加工処理を停止した。
(比較例2)
上記実施例2において、押圧部の搬送速度が閾値を上回った場合であっても押圧部への用紙の供給速度を変更しなかった。処理開始時の押圧部への用紙の供給速度は、上記実施例2では、60m/minであったところ、本比較例2では、これより遅い50m/minとした。これら以外の他の条件は、上記実施例2と同じとした。結果を図7に示す。
図7の左端の白抜き三角形で示す単位用紙1枚目の平均所要時間の値は、963.9μsであった。この値から押圧部の搬送速度は、第3閾値より遅く、第4閾値以上だが、押圧部への用紙の供給速度を変更せず、50m/minのまま維持し、処理を継続した。この結果、用紙間距離は急激に短くなり、12枚目でジャムが発生し、処理を停止した。
尚、上記各実施形態の加工処理装置は、押圧ローラ速度検出部76、用紙厚検出部54、及び押圧ローラ間距離検出部を全て備えたが、本発明の加工処理装置はこれらのうち少なくとも1つを備えればよい。用紙厚検出部のみ備え、押圧ローラ速度検出部及び押圧ローラ間距離検出部を双方とも備えない場合、制御部は用紙厚検出部が検出した用紙の厚さのみに基づき、供給部による押圧ローラへの用紙の供給速度を制御する。そして、用紙の厚さが予め設定した所定の閾値より厚い場合には、供給部による用紙の供給速度を、実験結果等を基に予め記憶部に記憶される所定の速度に設定する。逆に、用紙の厚さが予め設定した他の所定の閾値より薄い場合には、供給部による供給速度を用紙が厚いときに設定される速度より速い所定の速度に設定する。これらより、用紙の厚さに応じて適正に用紙を押圧ローラへ供給できる。
また、加工処理装置が、押圧ローラ間距離検出部のみを備えており、押圧ローラ速度検出部及び用紙厚検出部をいずれも備えない場合、制御部は押圧ローラ間距離検出部が検出した押圧ローラの間の距離のみに基づき、供給部による押圧ローラへの用紙の供給速度を制御する。そして、押圧ローラの間の距離が予め設定した所定の閾値より短い場合には、供給部による用紙の供給速度を、実験結果等を基に予め記憶部に記憶された所定の速度に設定する。逆に、押圧ローラの間の距離が予め設定した他の所定の閾値より長い場合には、供給部による供給速度を押圧ローラの間の長さが短いときに設定される速度より速い所定の速度に設定する。これらより、押圧ローラの間の距離に応じて適正に用紙を押圧ローラへ供給できる。
押圧ローラ速度検出部76は、エンコーダ761とエンコーダ検出器762を備え、用紙の搬送速度を、押圧ローラ及び搬送ローラの回転速度から検出したが、押圧ローラによる用紙の搬送速度を検出可能であれば、他の構成とすることができ、例えば、押圧部に設置された用紙検出部が用紙の先端を検出した後、該用紙の後端を検出するまでの時間を計測することで、用紙の搬送速度を検出してもよく、押圧部の搬送方向の異なる位置に複数設置された用紙検出部がそれぞれ用紙の先端または後端を検出する時間の差から用紙の搬送速度を検出してもよい。また、CCDカメラ等によって所定時間における用紙の移動量を撮影することで、用紙の搬送速度を計測してもよい。また、エンコーダ761は、搬送ローラ711の回転軸の一方の端部に設置されたが、押圧ローラの回転軸等他の箇所に設けてもよい。
また、制御部7は、押圧ローラ速度検出部76により検出された用紙の搬送速度が予め設定された閾値より遅い場合に、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度を遅くするよう制御したが、押圧ローラによる用紙の搬送速度が閾値より遅いとき、押圧ローラへの用紙の供給を停止させ、処理を一旦中断するよう制御してもよい。これより、紙詰まりの発生前に処理を中断し、体制を立て直すことができる。用紙が押圧ローラに挟持された後にエラーを検出することで用紙の処理を中断した場合には、押圧ローラを手動により正回転または逆回転し、所定値以上の圧力で挟持された用紙を押圧ローラから取り除くという作業が必要となるが、このような手間を省くことができる。
また。用紙厚検出部54は、紙厚検出ローラ541と紙厚検出器542とを備えたが、用紙上面までの距離を計測し、これより用紙の厚さを検出するセンサを用いる等他の構成としてもよい。また、制御部7は、用紙厚検出部54で検出された用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度が、所定の上限値を超えないよう制御したが、用紙の厚さに応じて供給速度を所定値に設定することとしてもよい。また、制御部7は、押圧ローラ間距離検出部で検出された押圧ローラの間の距離に基づいて、供給部による押圧ローラ72への用紙の供給速度が、所定の上限値を超えないよう制御したが、押圧ローラの間の距離に基づいて、供給速度を所定値に設定することとしてもよい。また、第3の実施形態では、用紙の厚さと押圧ローラ72の間の距離の双方の値に基づいて設定される押圧部26へ用紙を供給する供給速度の上限値に関するデータテーブルが記憶されたが、用紙の厚さのみに基づき供給速度の上限値を設けてもよく、押圧ローラの間の距離のみに基づき供給速度の上限値を設けてもよい。更に、上限値に替えて、複数種類の用紙の厚さまたは押圧ローラの間の距離の少なくとも一方に対応する複数の供給速度を記憶してもよい。
また、用紙処理装置1は、長尺の連続用紙Cを折畳部11で外三つ折りに折畳み、トラクタ搬送部3で搬送し、縁部除去部4で縁部E1、E2を除去したが、用紙は連続用紙に替えて所定長さの枚葉紙であってもよい。また、折畳部11を備えず、用紙を折り畳まず、2枚の用紙を重ね合わせて押圧ローラへ供給してもよい。トラクタ搬送部3を備えず、ゴムローラや金属ローラ、搬送ベルト等他の搬送手段で下流側へ搬送してもよい。縁部除去部を備えず、縁部を切り離さなくてもよい。
連続用紙Cは、所定位置にミシン目M1〜M5が形成されたが、ミシン目のない連続用紙を用いてもよく、上記各実施形態例とは異なる位置にミシン目が形成されてもよい。用紙の折畳部を備える場合、用紙の折畳み方法は、外三つ折りに替えて二つ折りや内三つ折り、四つ折り等、他の方法で折り畳んでもよい。
連続用紙の重ね合わせ面に、所定値以上の圧力で押圧されたときに接着される圧着用接着剤が予め塗布されている用紙を用いたが、予め接着剤が塗布されていない用紙を用い押圧処理の前に接着剤を塗布してもよい。例えば、加工処理装置の内部に接着剤塗布部を備えることで、連続用紙や裁断後の単位用紙に対して搬送途中で接着剤を塗布してもよい。この場合、用紙検出部は、接着剤塗布前の用紙の厚さを検出してもよく、接着剤塗布後の用紙厚さを検出してもよい。塗布される接着剤が通常より所定量多く、接着剤の厚さが押圧ローラによって用紙を押圧する際の圧力に影響を及ぼす場合、接着剤塗布後の用紙の厚さに基づいて、供給部による押圧ローラへの用紙の供給速度を制御することが好ましい。
裁断部25の用紙検出部53は、用紙搬送面の上方に設置された発光素子と、用紙搬送面の下方に設置された受光素子とを備えた光学系検出器により構成されたが、用紙搬送面の上下いずれか一方にのみ設置される反射型のセンサを用いてもよい。また、押圧部26の用紙検出部77は、用紙の搬送面の上方に設置された発光素子と受光素子とを備えた反射型の光学系検出器により構成されたが、搬送面の上下に発光素子と受光素子が所定量離間して設置される透過型のセンサを用いてもよい。
また、用紙処理装置は、裁断部25を備えたが、裁断部を備えず、押圧部のみ有してもよい。この場合、供給部は、用紙を押圧ローラへ供給する供給ローラまたは供給ベルト等により構成される。供給部は、長尺の連続用紙を所定長さの単位用紙に裁断する裁断部に設けられたが、押圧ローラへ用紙を供給可能であれば印刷部や折畳部、糊塗布部等他の機構に設けてもよい。