従来、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形物(以下、「固形物」と言う)を収容した容器において、容器内に収容した固形物を所定量ずつ取り出すことが求められる場合がある。
例えば、薬剤などの錠剤では、処方箋、服用方法などに基づいて、容器内に収容した固形物を所定量ずつ計量して取り出すことが必要となる場合がある。
このため、特許文献1(特許3691234号公報)には、一定量の錠剤を取り出すため錠剤収納容器が提案されている。
図20(A)は、従来の特許文献1の錠剤収納容器100の部分拡大断面図、図20(B)は、蓋部材114をキャップ本体106に対して開く状態を説明する特許文献1の錠剤収納容器100の部分拡大断面図である。
図20に示したように、この特許文献1の錠剤収納容器100は、容器本体102の口部104に装着されるキャップ本体106に、計量皿108を設けている。そして、計量皿108が設けられていない開口部110を開閉するために、上下方向に移動可能な可動板112を設けており、可動板112の上面に棒状突起116を設けている。
これにより、図20(A)に示したように、蓋部材114をキャップ本体106に対して閉止することによって、可動板112に固定された棒状突起116が、蓋部材114の係止孔114aに嵌合している状態で、下方向に移動して、開口部110が開いた状態になる。
この状態で、錠剤収納容器100を倒立状態とすることにより、所定量の錠剤Tが、計量皿108に移動して計量される。
そして、錠剤収納容器100を正立状態とした後、図20(B)に示したように、蓋部材114をキャップ本体106に対して開くことによって、可動板112に固定された棒状突起116が、蓋部材114の係止孔114aに嵌合している状態で、上方向に移動して、開口部110が、可動板112によって閉止した状態になる。
これにより、計量皿108に載置された所定量の錠剤Tが、計量皿108から取り出しを行うことができるように構成されている。
また、特許文献2(特許5120890号公報)には、図21に示したように、所定量の錠剤を計量することができ、計量した錠剤が元に戻ることがなく、容器体内から計量部位までの錠剤の円滑な導入が可能である錠剤収納容器200が提案されている。
図21は、従来の特許文献2の錠剤を計量して取り出す操作を説明する錠剤収納容器200の部分拡大断面図である。
すなわち、この錠剤収納容器200では、図21(A)に示したように、キャップ202の固定部204の頂板206に、複数の通過孔208が形成されている。そして、この頂板206の裏面に並設した複数の下部仕切板210と、複数の導入案内面212によってそれぞれ、容器体214内の錠剤Tを複数の通過孔208にそれぞれ導入するように構成されている。
また、これらの複数の通過孔208に隣接して頂板206の上面にそれぞれ、錠剤の嵌合凹部216が形成されている。さらに、キャップ202の開閉蓋部218の頂板220の裏面に、複数の上部仕切り板222が下方に立設されている。
そして、通過孔208から嵌合凹部216に至るように、キャップ202の開閉蓋部218の頂板220に、円弧帯形状の案内面224が形成されており、これにより、通過孔208から嵌合凹部216に至る導入路226が形成されている。
このように構成される錠剤収納容器200では、使用に際して、先ず、図21(A)の状態から、図21(B)に示したように、錠剤収納容器200を天地逆さまにして、それぞれの下部仕切板210から、それぞれの通過孔208を介して、導入路226内にそれぞれ錠剤Tを導入する。
これにより、導入路226内には、それぞれ錠剤1個が導入され、この状態から、図21(C)に示したように、錠剤収納容器200の天地を元に戻すと、それぞれの嵌合凹部216に、それぞれ1個の錠剤が載置されて、キャップ202の開閉蓋部218を開蓋することによって、所定の数の錠剤が取り出されるように構成されている。
また、特許文献3(特許6101029号公報)には、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができるとともに、連続して固形物を取り出すことができる固形物取り出し用キャップおよびこれを用いた固形物収容容器が提案されている。
図22は、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300の斜視図、図23は、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300の別の実施例の斜視図である。
すなわち、図22に示したように、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300は、キャップ本体302と、キャップ本体302に開閉可能に装着される蓋部材304とを備えている。
また、キャップ本体302が、固形物を取り出すための取り出し用開口部306と、キャップ本体302に形成された上板部308と、上板部308の上面に形成された収容用凹部310を備えている。
さらに、取り出し用開口部306の上方において、上板部308の方向に向かって上方に傾斜した案内面312を有する案内板部314を備えている。また、上板部308と案内板部314との間に形成された進入用開口部316を備えている。
一方、蓋部材304には、上板部308の収容用凹部310に対応する案内溝部318が形成されている。
また、図22に示したように、容器本体に収容した被取り出し固形物Tより大きい寸法の、例えば、乾燥剤などの固形物Aが、進入用開口部316を介して通過するのを阻止するための板形状の通過阻止部材320が、案内板部314の下面に下方に立設されている。
このように構成することによって、所定量の固形物を、計量、取り出しする際には、蓋部材304をキャップ本体302に閉蓋して、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、容器本体内に収容された、例えば、錠剤などの固形物が、キャップ本体302に形成された案内板部314の案内面312に案内され、案内面312に沿って、上板部308と案内板部314との間に形成された進入用開口部316の方向に移動する。
そして、進入用開口部316を通過した固形物は、蓋部材304の頂板部の裏面に形成された案内溝部318に案内されて、キャップ本体302の上板部308の上面に形成された収容用凹部310の丁度上方に位置することになる。
この状態で、固形物収容容器の天地を元の状態に戻すことによって、キャップ本体302の上板部308の上面に形成された収容用凹部310上に所定量の固形物が収容(載置)されることになる。
また、余分に進入用開口部316を通過し、蓋部材304の頂板部の裏面に形成された案内溝部318とキャップ本体302の上板部308の上面との間の収容空間内に進入した固形物は、進入用開口部316を介して、容器本体内部に落下することになる。
そして、この状態で、蓋部材304をキャップ本体から開蓋すれば、収容用凹部310上に収容(載置)された所定量の固形物を、例えば、固形物収容容器を傾けるなどして、計量、取り出しすることができるように構成されている。
なお、特許文献3では、図23に示したように、上板部308に形成された収容用凹部310が、複数個の被取り出し固形物を収容する形状に形成されている。
すなわち、図23に示したように、収容用凹部310が、複数個の固形物(図23の場合には、2個)を収容することができるように、2個の略円形状の収容用凹部310から形成されている。
さらに、特許文献4(特許6155147号公報)には、錠剤が詰まらないようにして、所定の数の錠剤を取り出すことが可能な固形物取り出し用キャップおよびこれを用いた固形物収容容器が提案されている。
図24は、特許文献4の固形物取り出し用キャップ400の斜視図である。
すなわち、図24に示したように、特許文献4の固形物取り出し用キャップ400は、
容器本体402に収容した被取り出し固形物Tより大きい寸法の固形物Aが、進入用開口部404を介して通過するのを阻止するための通過阻止部材406が、案内板部408の下面に下方に立設されている。
また、通過阻止部材406とキャップ本体410の上板部412の取り出し用開口部414の開口端414aとの間に、被取り出し固形物Tが詰まらないように、通過阻止部材406の取り出し用開口部414の開口端414a側の端部が、直線状に鉛直方向に垂下するように形成されている。
このように構成することによって、通過阻止部材406の取り出し用開口部414側の端部が、直線状に鉛直方向に垂下するように形成されているので、通過阻止部材406の取り出し用開口部414側の端部と上板部412の取り出し用開口部414の開口端414aとの間に、被取り出し固形物がどのような姿勢でも、被取り出し固形物が通過するために十分な間隙が形成されていることになる。
これにより、通過阻止部材406とキャップ本体410の上板部412の取り出し用開口部414の開口端414aとの間に、被取り出し固形物が詰まらない状態と構成されている。
さらに、蓋部材415には、蓋部材415を閉蓋した際に、キャップ本体410の上板部412の上方に位置するように、蓋部材415の下面に、案内リブ418が設けられている。
このように構成することによって、収容用凹部422上に収容(載置)されなかった余分な固形物Tが、この案内リブ418を介して案内され、左右に流れることになる。
これにより、余分な固形物Tが、通過阻止部材406に当接することがないので、通過阻止部材406とキャップ本体410の上板部412の取り出し用開口部414の開口端414aとの間に、余分な固形物Tが詰まることがなく、余分な固形物Tを取り出し用開口部414を介して、容器本体内に戻すことが可能となるように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の従来の錠剤収納容器100では、可動板112は上下に回動する構成であるので、所定量よりも多くの錠剤Tが、可動板112と開口部110の隙間から、計量皿108に進入するおそれがある。
また、この可動板112に錠剤Tが挟まってしまうことがあり、そのため、可動板112に挟まった錠剤Tが、容器を天地逆さまにして、計量皿108から取り出す際に、外部にこぼれ落ちる可能性がある。
また、特許文献1に記載の従来の錠剤収納容器100では、計量皿108が設けられていない開口部110を開閉するために、上下方向に移動可能な可動板112、棒状突起116、蓋部材114の係止孔114aなど構成が複雑となり、コストが高くつくことになる。
さらに、特許文献2の錠剤収納容器200では、複数の通過孔208、下部仕切板210、導入案内面212、案内面224、導入路226、ならびに、嵌合凹部216を形成しなければならず、その構成が複雑となり、コストが高くつくことになる。
また、これらの複数の経路において、錠剤Tが詰まってしまった場合には、所定の数の錠剤Tを取り出せないおそれがある。
また、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300では、図23に示したように、収容用凹部310が、複数個の固形物(図23の場合には、2個)を収容することができるように、2個の略円形状の収容用凹部310から形成されている。
しかしながら、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300では、図23に示したように、複数個の固形物(図23の場合には、2個)に対応して、収容用凹部310が平面的に並んでいる状態である。
従って、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合、キャップ本体302の上板部308の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)しなければならず、固形物取り出し用キャップ300自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することになる。
また、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300では、図22に示したように、蓋部材304には、上板部308の収容用凹部310に対応する案内溝部318が形成されているので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合に、この案内溝部318が邪魔になってしまうことになる。
さらに、特許文献3の固形物取り出し用キャップ300は、通過阻止部材320が、案内板部314の下面に下方に立設されているので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合に、この通過阻止部材320が邪魔になってしまうことになる。
一方、特許文献4の固形物取り出し用キャップ400においても、蓋部材415には、蓋部材415を閉蓋した際にキャップ本体410の上板部412の上方に位置する頂板部420の裏面に、上板部412の収容用凹部422に対応するように案内溝部424が形成されているので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合に、この案内溝部424が邪魔になってしまうことになる。
さらに、特許文献4の固形物取り出し用キャップ400においても、通過阻止部材406が、案内板部408の下面に下方に立設されているので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合に、この通過阻止部材406が邪魔になってしまうことになる。
また、蓋部材415の下面に、案内リブ418が設けられているので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合に、この案内リブ418が邪魔になってしまうことになる。
いずれにしても、従来の固形物収容容器では、確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことについてはまだまだ不十分であった。
また、従来の固形物収容容器では、所定量の固形物を、計量、取り出しすることができるとともに、連続して固形物を取り出すことが必要な場合に、連続して固形物を取り出すことは不可能であった。
本発明は、このような現状に鑑み、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合にも、キャップ本体の上板部の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することのない、コンパクトな固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができるとともに、連続して固形物を取り出すことが必要な場合にも、連続して固形物を取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の固形物取り出し用キャップは、
固形物を収容した容器本体の口部に装着され、容器内に収容した固形物を所定量ずつ取り出すための固形物取り出し用キャップであって、
前記容器本体の口部に装着されるキャップ本体を備え、
前記キャップ本体が、
前記固形物を取り出すための取り出し用開口部と、
前記取り出し用開口部の一部を覆うように、前記キャップ本体に形成された上板部と、
前記上板部の上面に形成された収容用凹部と、
前記取り出し用開口部を介して、上板部の収容用凹部へと固形物が移動できるように形成された進入用開口部とを備え、
前記上板部に形成された収容用凹部が、複数個の被取り出し固形物を収容する形状に形成され、前記複数個の被取り出し固形物に対応した複数の収容用凹部を備えており、
前記複数の収容用凹部のうち、少なくとも2個の収容用凹部の水平位置が、上下に位置が相違するように形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、所定量の固形物を、計量、取り出しする際には、蓋部材をキャップ本体に閉蓋して、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、容器本体内に収容された、例えば、錠剤などの固形物が、取り出し用開口部を介して、進入用開口部の方向に移動する。
そして、進入用開口部を通過した固形物は、蓋部材の頂板部の裏面に案内されて、キャップ本体の上板部の上面に形成された収容用凹部の丁度上方に位置することになる。
この状態で、固形物収容容器の天地を元の状態に戻すことによって、キャップ本体の上板部の上面に形成された収容用凹部上に所定量の固形物が収容(載置)されることになる。
また、余分に進入用開口部を通過し、蓋部材の頂板部とキャップ本体の上板部の上面との間の収容空間内に進入した固形物は、進入用開口部を介して、容器本体内部に落下することになる。
そして、この状態で、蓋部材をキャップ本体から開蓋すれば、収容用凹部上に収容(載置)された所定量の固形物を、例えば、固形物収容容器を傾けるなどして、計量、取り出しすることができる。
一方、連続して固形物を取り出すことが必要な場合には、蓋部材をキャップ本体から開蓋した状態で、固形物収容容器を傾けたり、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、進入用開口部を介して、連続して固形物を取り出すことができる。
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができるとともに、連続して固形物を取り出すことが必要な場合にも、連続して固形物を取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することができる。
また、上板部に形成された収容用凹部が、複数個の被取り出し固形物を収容する形状に形成され、複数個の被取り出し固形物に対応した複数の収容用凹部を備えており、複数の収容用凹部のうち、少なくとも2個の収容用凹部の水平位置が、上下に位置が相違するように形成されている。
従って、少なくとも2個の収容用凹部の水平位置が、上下に位置が相違するので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合にも、平面視で、複数の収容用凹部の一部が重複するように配置することができる。
これによって、キャップ本体の上板部の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することのない、コンパクトで、複数個、例えば、3個以上の固形物を正確に計量可能な固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することができる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記複数の収容用凹部に収容される複数個の被取り出し固形物が、平面視で一部が重なるように、前記複数の収容用凹部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、複数の収容用凹部に収容される複数個の被取り出し固形物が、平面視で一部が重なるように、複数の収容用凹部が形成されているので、キャップ本体の上板部の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することのない、コンパクトで、複数個、例えば、3個以上の固形物を正確に計量可能である。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記収容用凹部の底面が、進入用開口部に向かって上方に傾斜するテーパー傾斜面を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、収容用凹部の底面が、進入用開口部に向かって上方に傾斜するテーパー傾斜面を備えるので、いったん収容用凹部内に収容(載置)された固形物が、テーパー傾斜面によって、例えば、開蓋などの振動などで不用意に、収容用凹部から飛び出して、進入用開口部を介して、容器本体内部に落下するのを防止することができる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができることになる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記収容用凹部のうち、上方の位置に位置する収容用凹部の進入用開口部側の縁部に、落下防止突設部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、上方の位置に位置する収容用凹部の進入用開口部側の縁部に、落下防止突設部が形成されているので、落下し易い上方の位置に位置する収容用凹部から、例えば、開蓋などの振動などで不用意に飛び出して、進入用開口部を介して、容器本体内部に落下するのを防止することができる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができることになる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記落下防止突設部の進入用開口部側の側面形状が、被取り出し固形物の形状に合致した形状に形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、落下防止突設部の進入用開口部側の側面形状が、被取り出し固形物の形状に合致した形状に形成されているので、収容用凹部に収容された被取り出し固形物が固定された状態になる。
従って、例えば、開蓋などの振動などで不用意に、収容用凹部から飛び出して、進入用開口部を介して、容器本体内部に落下するのを防止することができる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができることになる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、
前記複数個の被取り出し固形物が、少なくとも3錠以上であり、
前記少なくとも3錠以上の被取り出し固形物に対応した3個以上の収容用凹部を備えてていることを特徴とする。
このように構成することによって、少なくとも3錠以上の収容用凹部に収容される複数個の被取り出し固形物が、平面視で一部が重なるように、複数の収容用凹部が形成されているので、キャップ本体の上板部の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することのない、コンパクトで、複数個、例えば、3個以上の固形物を正確に計量可能である。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記固形物取り出し用キャップが、前記キャップ本体に開閉可能に装着される蓋部材を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、キャップ本体に開閉可能に装着される蓋部材を備えるので、蓋部材により、前述した固形物の計量、取り出し操作が容易となる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記蓋部材が、キャップ本体に対してヒンジを介して開閉可能に装着できるように構成されていることを特徴とする。
このように蓋部材が、キャップ本体に対してヒンジを介して開閉可能に装着できるように構成されているので、蓋部材の開閉動作が容易であり、これに応じて前述した固形物の計量、取り出し操作が容易となる。
なお、ヒンジは、キャップ本体の周縁部のいかなる位置に設けても良く、収容用凹部に対して直線上となる位置に設けても良い。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記固形物取り出し用キャップが、中蓋部材であることを特徴とする。
このように、固形物取り出し用キャップが、中蓋部材であっても良い。
すなわち、固形物取り出し用キャップを中蓋部材タイプ(中栓タイプ)にして、容器本体に脱着自在に装着できるようにすることができる。
そして、別途、蓋部材(キャップ)を、例えば、ネジ式、いわゆるスナップフィット形式で、容器本体に取付けるタイプとすることが可能である。
このように構成することによって、例えば、カプセル、錠剤など、サイズ、形状、取り出し個数の異なる被取り出し固形物に対応して、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを交換することによって、このような異なるタイプの固形物に対応することができ、極めて便利である。
なお、蓋部材(キャップ)の裏面に、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを脱着自在に装着するタイプとすることも可能である。
これにより、計量の際に、所定に量(数)の被取り出し固形物を収容用凹部に収容した後、蓋部材である固形物取り出し用キャップを蓋部材(キャップ)の裏面より取り外して、所定の量に被取り出し固形物を簡単に計量、取り出すことが可能である。
また、この場合に、例えば、ポリエチレンなどの樹脂から、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを構成することによって、固形物取り出し用キャップ自体が、容器本体のシールとしても機能することになり、容器本体内に収容した固形物の劣化を防止することができる。
また、例えば、シリコーンなどの滑りの良好な樹脂から、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを構成することによって、被取り出し固形物の計量、取り出しが容易になる。
また、本発明の固形物取り出し用キャップは、前記取り出し用開口部の上方を覆うように、前記キャップ本体に形成され、前記取り出し用開口部の上方において、前記上板部の方向に向かって上方に傾斜した案内面を有する案内板部を備え、
前記上板部と案内板部との間に進入用開口部が形成されていることを特徴とする。
これにより、容器本体内に収容された固形物Tが、キャップ本体に形成された案内板部の案内面に案内され、案内面に沿って、上板部と案内板部との間に形成された進入用開口部の方向に移動し易くなる。
これにより、キャップ本体の上板部の上面に形成された収容用凹部上に所定量の固形物が収容(載置)され易くなる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができることになる。
また、本発明の固形物収容容器は、前述のいずれかに記載の固形物取り出し用キャップが装着された固形物収容容器である。
本発明によれば、所定量の固形物を、計量、取り出しする際には、蓋部材をキャップ本体に閉蓋して、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、容器本体内に収容された、例えば、錠剤などの固形物が、取り出し用開口部を介して、進入用開口部の方向に移動する。
そして、進入用開口部を通過した固形物は、蓋部材の頂板部の裏面に案内されて、キャップ本体の上板部の上面に形成された収容用凹部の丁度上方に位置することになる。
この状態で、固形物収容容器の天地を元の状態に戻すことによって、キャップ本体の上板部の上面に形成された収容用凹部上に所定量の固形物が収容(載置)されることになる。
また、余分に進入用開口部を通過し、蓋部材の頂板部とキャップ本体の上板部の上面との間の収容空間内に進入した固形物は、進入用開口部を介して、容器本体内部に落下することになる。
そして、この状態で、蓋部材をキャップ本体から開蓋すれば、収容用凹部上に収容(載置)された所定量の固形物を、例えば、固形物収容容器を傾けるなどして、計量、取り出しすることができる。
一方、連続して固形物を取り出すことが必要な場合には、蓋部材をキャップ本体から開蓋した状態で、固形物収容容器を傾けたり、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって、進入用開口部を介して、連続して固形物を取り出すことができる。
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができるとともに、連続して固形物を取り出すことが必要な場合にも、連続して固形物を取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することができる。
また、上板部に形成された収容用凹部が、複数個の被取り出し固形物を収容する形状に形成され、複数個の被取り出し固形物に対応した複数の収容用凹部を備えており、複数の収容用凹部のうち、少なくとも2個の収容用凹部の水平位置が、上下に位置が相違するように形成されている。
従って、少なくとも2個の収容用凹部の水平位置が、上下に位置が相違するので、複数個、例えば、3個以上の固形物を計量しようとする場合にも、平面視で、複数の収容用凹部の一部が重複するように配置することができる。
これによって、キャップ本体の上板部の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ自体を大きく、すなわち、固形物収容容器自体が大型化することのない、コンパクトで、複数個、例えば、3個以上の固形物を正確に計量可能な固形物取り出し用キャップ、および、これを用いた固形物収容容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、120度開蓋した状態を示す斜視図、図2は、図1の固形物取り出し用キャップ12の正面図、図3は、図1の固形物取り出し用キャップ12の図1の右側面図、図4は、図1の固形物取り出し用キャップ12の上面図、図5は、図1の固形物取り出し用キャップ12の底面図、図6は、図1の固形物取り出し用キャップ12の背面図、図7は、図1の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、閉蓋した状態の断面図、図8は、本発明の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、180度開蓋した状態を示す正面図、図9〜図13は、本発明の固形物取り出し用キャップを備えた固形物収容容器の使用状態を説明する部分拡大断面図である。
図において、符号10は、全体で本発明の固形物収容容器を示している。
図1〜図13に示したように、固形物収容容器10は、固形物取り出し用キャップ12を備えており、この固形物取り出し用キャップ12は、固形物Tを収容した容器本体14の口部16に装着されるものである。
なお、説明の便宜上、図9〜図13にのみ、固形物取り出し用キャップ12を容器本体14の口部16に装着した状態を示している。
また、図1〜図7では、本発明の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、120度開蓋した状態を示しているが、図8に示したように、蓋部材22をキャップ本体18に対して、180度開蓋することができるように構成することも可能である。
なお、図1の実施例では、蓋部材22をキャップ本体18に対して、120度開蓋した状態を示しており、図7の実施例では、蓋部材22をキャップ本体18に対して、閉蓋した状態を示している。
しかしながら、蓋部材22をキャップ本体18に対して開蓋する開蓋角度は、固形物収容容器10の容器本体14内に収容する固形物Tの種類、寸法、用途などに応じて適宜変更可能である。
さらに、このような固形物Tとしては、例えば、錠剤、カプセル剤などの薬品類、チョコレート、キャンディー、ガムなどの粒状の菓子類などの固形物などがあるが、何らこれに限定されるものではない。
また、固形物取り出し用キャップ12は、容器本体14の口部16に装着されるキャップ本体18を備えており、このキャップ本体18にヒンジ20を介して開閉可能に蓋部材22を連結している。
このように蓋部材22が、キャップ本体18に対してヒンジ20を介して開閉可能に装着できるように構成されているので、蓋部材22の開閉動作が容易であり、これに応じて後述するような固形物Tの計量、取り出し操作が容易となる。
なお、ヒンジ20は、キャップ本体18の周縁部のいかなる位置に設けても良く、収容用凹部36に対して直線上となる位置に設けても良い。
なお、もちろん、蓋部材22が、キャップ本体18に対してヒンジ20を介して開閉可能に装着するものではなく、蓋部材22が、キャップ本体18に対して、別体の蓋部材22を着脱自在に装着できるような別部材であっても構わない。
また、この実施例の場合には、図2に示したように、蓋部材22に形成した係止突設部22aと、キャップ本体18の上部フランジ30に形成した突設係止片30aとの係合によって、キャップ本体18に対して、蓋部材22を閉蓋した際に、固定ができるように構成されている。
この場合、固形物取り出し用キャップ12の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂から構成することができる。
なお、固形物取り出し用キャップ12の材質を透明な材料から作製することも可能である。この場合、例えば、透明な樹脂などを用いて固形物取り出し用キャップ12を成形することによって、固形物Tの収納の状態を蓋部材22の開閉前に容易に確認することができる。
また、実際に固形物収容容器10全体を逆さまにしても固形物Tが、収容用凹部36内に確実に収納されているとは限らず、固形物Tが収容用凹部36内に確実に収納されているか否かを外部から確認でき、空振りを防ぐ方法として有用である。
また、この場合、2色成形方法や、個別に成形後の組立てる方法で、後述する収容用凹部36や、落下防止突設部33、落下防止突設部50などを、エラストマーやシリコンゴムなどの滑りが悪い材質で成形するのが望ましい。
この場合には、後述するように、収容用凹部36上に所定量の固形物Tが、落下防止突設部50によって、確実に収容(載置)され、例えば、振動などで不用意に、収容用凹部36から飛び出して、進入用開口部42を介して、容器本体14の内部に落下するのを防止する機能が向上することになる。
図7に示したように、キャップ本体18の側壁24の内周には、雌ネジ24aが形成されており、この雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の外周に形成された雄ネジ16aに螺合することによって、キャップ本体18、すなわち、固形物取り出し用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着することができるように構成されている。
なお、この実施例では、キャップ本体18の雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の雄ネジ16aに螺合することによって、固形物取り出し用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着するように構成したが、いわゆるスナップフィット形式で構成することももちろん可能である。
なお、蓋部材22の開閉を容易にするために、キャップ本体18の側壁24の外側には、開閉用凹部26が形成されている。
また、蓋部材22の開閉を容易にするために、図示しないが、この開閉用凹部26に対応して、蓋部材22には、蓋部材22の一部が外側に突出する開閉用突出片が形成されていても良い。
また、キャップ本体18の側壁24の内周側には、上方に突出する上部フランジ30が形成されており、この上部フランジ30の外側に、蓋部材22の内側を係止することにより、いわゆるスナップフィットにより、蓋部材22をキャップ本体18に係脱することができるように構成されている。
さらに、図1〜図7に示したように、キャップ本体18には、固形物Tを取り出すための取り出し用開口部32が形成されている。そして、この取り出し用開口部32の一部を覆うように、キャップ本体18には、略扇形状の上板部34が形成されている。
また、この上板部34の上面には、固形物Tの形状に概略合致した形状、この実施例では、略円形形状の収容用凹部36が形成されている。
さらに、図1〜図4、図7に示したように、キャップ本体18には、取り出し用開口部32の上方を覆うように、略ドーム屋根形状の案内板部38が形成されており、この案内板部38には、取り出し用開口部32の上方において、上板部34の方向に向かって上方に傾斜した案内面40が形成されている。
また、図1〜図4、図7に示したように、これらの上板部34と案内板部38との間には、取り出し用開口部32に連通した進入用開口部42が形成されている。
さらに、この実施例の固形物取り出し用キャップ12では、図1〜図7に示したように、上板部34に形成された収容用凹部36が、複数個(この実施例の場合には、3個)の被取り出し固形物Tを収容する形状に形成されている。
すなわち、3個の被取り出し固形物Tに対応した3個の収容用凹部36a〜36cを備えている。
そして、複数の収容用凹部36a〜36cのうち、少なくとも2個の収容用凹部36の水平位置が、上下に位置が相違するように形成されている。
すなわち、図1、図4〜図5、図7に示したように、この実施例の場合には、左右両側の収容用凹部36a、36bは、水平位置が、同じ位置に位置している。そして、中央の収容用凹部36cが、これらの両側の収容用凹部36a、36bに対して、水平位置が、上方に位置するように配置されている。
従って、少なくとも2個の収容用凹部36の水平位置が、上下に位置が相違するので、複数個、例えば、3個以上の被取り出し固形物Tを計量しようとする場合にも、平面視で、複数の収容用凹部36の一部が重複するように配置することができる。
すなわち、、図1、図4〜図5、図7に示したように、この実施例の場合には、左右両側の収容用凹部36a、36bと、中央の収容用凹部36cの水平位置が、上下に位置が相違する。
この実施例では、中央の収容用凹部36cの水平位置が、左右両側の収容用凹部36a、36bの水平位置に対して、上方に位置するように構成されている。
これにより、複数個、例えば、3個以上、この実施例では、3個の被取り出し固形物Tを計量しようとする場合に、図1、図4で示したように、平面視で、複数の収容用凹部複数の収容用凹部36a〜36cの一部が重複するように配置することができる。
すなわち、複数の収容用凹部36a〜36cに収容される複数個の被取り出し固形物Tが、平面視で一部が重なるように、複数の収容用凹部36a〜36cが形成されている。
これによって、キャップ本体18の上板部34の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ12自体を大きく、すなわち、固形物収容容器10自体が大型化することのない、コンパクトで、複数個、例えば、3個以上の固形物Tを正確に計量可能な固形物取り出し用キャップ12、および、これを用いた固形物収容容器10を提供することができる。
なお、この場合、実施例では、3個の被取り出し固形物Tを計量しようとする場合を説明したが、その数は、複数個であれば良く、後述する実施例2のように、4個の被取り出し固形物T、実施例3のように、5個の被取り出し固形物Tを計量する場合にも適用可能である。
また、本発明の固形物取り出し用キャップ12は、図7に示したように、収容用凹部36の底面31が、取り出し用開口部32に向かって上方に傾斜するテーパー傾斜面31aを備えている。
このように構成することによって、収容用凹部36の底面31が、進入用開口部42に向かって上方に傾斜するテーパー傾斜面31aを備えるので、いったん収容用凹部36内に収容(載置)された固形物Tが、テーパー傾斜面31aによって、例えば、開蓋などの振動などで不用意に、収容用凹部36から飛び出して、進入用開口部42を介して、容器本体14内部に落下するのを防止することができる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物Tを計量して取り出すことができる。
なお、この場合、図7に示したように、テーパー傾斜面31aが水平面Hとなす傾斜角度γは、特に限定されるものではなく、固形物Tの種類などに応じて適宜設定すれば良い。
例えば、素錠や裸錠がころがり落ちない角度であれば良く、収容用凹部36から飛び出さないようにして、進入用開口部42を介して、容器本体14内部に落下するのを防止するように構成するのが望ましい。
さらに、図1、図7に示したように、本発明の固形物取り出し用キャップ12では、収容用凹部36のうち、上方の位置に位置する収容用凹部36、この実施例では、中央の収容用凹部36cの進入用開口部42側の縁部42aに、略板形状の落下防止突設部33が形成されている。
また、図1、図7に示したように、落下防止突設部33の進入用開口部42側の側面形状が、被取り出し固形物Tの形状に合致した形状に形成されている。
このように構成することによって、落下防止突設部33の進入用開口部42側の側面形状が、被取り出し固形物Tの形状に合致した形状に形成されているので、収容用凹部36(36c)に収容された被取り出し固形物Tが固定された状態になる。
これにより、上方の位置に位置する収容用凹部36(36c)の進入用開口部42側の縁部に、落下防止突設部33が形成されているので、例えば、開蓋などの振動などで不用意に、落下し易い上方の位置に位置する収容用凹部36(36c)から飛び出して、進入用開口部42を介して、容器本体14内部に落下するのを防止することができる。
その結果、簡単な操作でかつより確実に所定の量の固形物を計量して取り出すことができることになる。
さらに、図1、図7に示したように、キャップ本体18の上板部34が、進入用開口部42に向かって下方に傾斜した傾斜面48を備えている。
なお、この場合、後述するように、固形物Tが、収容用凹部36内に確実に収容(載置)されるためには、図7に示したように、傾斜面48が水平面Hとなす傾斜角度αは、特に限定されるものではなく、固形物Tの種類などに応じて適宜設定すれば良く、例えば、ころがりにくい素錠や裸錠がころがり落ちる程度に設定するのが望ましい。
また、収容用凹部36の凹部の深さは、後述するように、固形物Tが、収容用凹部36内に確実に収容(載置)されるためには、固形物Tの厚さの1/3以上の深さとするのが望ましい。
さらに、図1、図4に示したように、上板部34に形成された収容用凹部36の進入用開口部42側の縁部に、落下防止突設部50が形成されている(なお、この実施例では、落下防止突設部50は、図示されておらず、符号のみを示している)。もちろん、このような落下防止突設部50を形成しないようにすることも可能である。
また、図5、図7に示したように、キャップ本体18の上板部34の下面には、進入用開口部42に向かって上方に傾斜した案内傾斜面52を備えている。この場合、案内傾斜面52が、所定間隔離間して配置された複数の傾斜リブ54から形成されている。
すなわち、この実施例の場合には、上板部34の端部34aに対して、直角な方向に所定間隔離間して形成された複数の傾斜リブ54から形成されている。
このような複数の傾斜リブ54により案内傾斜面52を形成するので、軽量化が図れることになる。
なお、この場合、後述するように、固形物収容容器10を天地逆さまの状態にすることによって、容器本体14内に収容された固形物Tが、キャップ本体18の上板部34の下面に形成された案内傾斜面52に沿って、キャップ本体18に形成された案内板部38の案内面40に移動し易くされるように構成されている。
すなわち、図7に示したように、案内傾斜面52の水平面Hとのなす傾斜角度βは、特に限定されるものではなく、固形物Tの種類などに応じて適宜設定すれば良く、例えば、ころがりにくい素錠や裸錠がころがり落ちる程度に設定するのが望ましい。
また、図4〜図5に示したように、案内板部38の先端部分38aと、上板部34の端部34aとの間には、間隙S1が形成されている。
しかしながら、図示しないが、案内板部38の先端部分38aを、上板部34の方向に延設して、案内板部38の先端部分38aと、上板部34の端部34aとの間に間隙S1が存在しないようにして、固形物収容容器10の使用者が、この間隙S1を見て、後述するように、固形物Tの計量取り出し操作をせずに、連続的な固形物Tの取り出しをしないようにすることもできる。
このように構成される本発明の固形物取り出し用キャップ12を備えた固形物収容容器10の使用方法について、以下に説明する。
先ず、図9に示したように、予め、容器本体14に所定の量の固形物Tを充填しておき、キャップ本体18の雌ネジ24aを、容器本体14の口部16の雄ネジ16aに螺合することによって、固形物取り出し用キャップ12を、容器本体14の口部16に装着しておく。
そして、図10に示したように、所定量の固形物を、計量、取り出しする際には、蓋部材22をキャップ本体18に閉蓋して、固形物収容容器10を天地逆さまの状態にする。
これにより、図10の矢印で示したように、容器本体14内に収容された、例えば、錠剤などの固形物Tが、キャップ本体18に形成された案内板部38の案内面40に案内され、案内面40に沿って、上板部34と案内板部38との間に形成された進入用開口部42の方向に移動する。
この場合、キャップ本体18の上板部34の下面に、進入用開口部42に向かって上方に傾斜した案内傾斜面52を備えているので、容器本体14内に収容された固形物Tが、キャップ本体18の上板部34の下面に形成された案内傾斜面52に沿って、キャップ本体18に形成された案内板部38の案内面40に移動し易くなる。
これにより、容器本体14内に収容された固形物Tが、キャップ本体18に形成された案内板部38の案内面40に案内され、案内面40に沿って、上板部34と案内板部38との間に形成された進入用開口部42の方向に移動し易くなる。
そして、進入用開口部42を通過した固形物Tは、蓋部材22の頂板部44の裏面46に案内されて、キャップ本体18の上板部34の上面に形成された収容用凹部36の丁度上方に位置することになる。
この状態で、図11に示したように、固形物収容容器10の天地を元の状態に戻すことによって、図11の矢印で示したように、キャップ本体18の上板部34の上面に形成された収容用凹部36上に、固形物Tが落下して、所定量(この実施例では、3個の)の固形物Tが収容(載置)されることになる。
すなわち、図1、図4に示したように、この実施例の場合には、左右両側の収容用凹部36a、36bと、中央の収容用凹部36cに、それぞれ1個ずつの固形物Tが収容(載置)されることになる。
この場合、キャップ本体18の上板部34が、進入用開口部42に向かって下方に傾斜した傾斜面48を備えるので、固形物Tが、キャップ本体18の上板部34の進入用開口部42に向かって下方に傾斜した傾斜面48に案内される。
すなわち、進入用開口部42を通過し、蓋部材22の頂板部44の裏面46とキャップ本体18の上板部34の上面との間の収容空間S2内に進入する固形物Tは、蓋部材22の頂板部44の裏面46と、キャップ本体18の上板部34に形成された進入用開口部42に向かって下方に傾斜した傾斜面48に案内されることになる。
これにより、キャップ本体18の上板部34の上面に形成された収容用凹部36上に所定量の固形物が収容(載置)され易くなる。
また、上板部34に形成された収容用凹部36の進入用開口部42側の縁部42aに、、落下防止突設部33、落下防止突設部50が形成されているので、キャップ本体18の上板部34の上面に形成された収容用凹部36上に所定量の固形物Tが、落下防止突設部33、落下防止突設部50によって、確実に収容(載置)される。
しかも、いったん収容用凹部36内に収容(載置)された固形物Tが、落下防止突設部33、落下防止突設部50によって、例えば、振動などで不用意に、収容用凹部36から飛び出して、進入用開口部42を介して、容器本体14の内部に落下するのを防止することができる。
また、余分に進入用開口部42を通過し、蓋部材22の頂板部44の裏面46とキャップ本体18の上板部34の上面との間の収容空間S2内に進入した固形物Tは、図11の矢印Bで示したように、進入用開口部42を介して、容器本体14の内部に落下することになる。
すなわち、余分に進入用開口部42を通過し、蓋部材22の頂板部44の裏面46とキャップ本体18の上板部34の上面との間の収容空間S2内に進入した固形物Tは、キャップ本体18の上板部34の進入用開口部42に向かって下方に傾斜した傾斜面48に沿って滑り落ちて、進入用開口部42を介して、容器本体内部に落下し易くなる。
そして、図12の矢印で示したように、この状態で、蓋部材22をキャップ本体18から開蓋すれば、収容用凹部36上に収容(載置)された所定量の固形物Tを、例えば、固形物収容容器10を傾けたり、軽く振り出したり、指で摘まんだりすることによって、計量、取り出しすることができる。
一方、連続して固形物Tを取り出すことが必要な場合には、図13の矢印で示したように、蓋部材22をキャップ本体18から開蓋した状態で、固形物収容容器10を傾けて左右に振ったり(図13(A)参照)、固形物収容容器を天地逆さまの状態にすることによって(図13(B)参照)、進入用開口部42を介して、連続して固形物Tを取り出すことができる。
従って、簡単な操作でかつ確実に所定の量(この実施例では、1個)の固形物Tを計量して取り出すことができるとともに、連続して固形物Tを取り出すことが必要な場合にも、連続して固形物Tを取り出すことができ、しかも、複雑な構成でなく、コストも低減可能な固形物取り出し用キャップ12およびこれを用いた固形物収容容器10を提供することができる。
(実施例2)
図14は、本発明の別の実施例の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、180度開蓋した状態を示す斜視図、図15は、図14の固形物取り出し用キャップ12の上面図、図16は、図14の固形物取り出し用キャップ12の底面図である。
この実施例の固形物取り出し用キャップ12は、図1〜図13に示した実施例1の固形物取り出し用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
上記の実施例1の固形物取り出し用キャップ12では、3個の被取り出し固形物Tに対応した3個の収容用凹部36a〜36cを備えている。
そして、両側の収容用凹部36a、36bは、水平位置が、同じ位置に位置している。そして、中央の収容用凹部36cが、これらの両側の収容用凹部36a、36bに対して、水平位置が、上方に位置するように配置されている。
これに対して、この実施例2の固形物取り出し用キャップ12では、図14〜図16に示したように、4個の被取り出し固形物Tに対応した4個の収容用凹部36a〜36dを備えている。
そして、2個の下方の収容用凹部36a、36bは、水平位置が、同じ位置に位置している。また、中段には、3個目の中央の収容用凹部36cが、収容用凹部36a〜36bに対して、水平位置が、上方に位置するように配置されている。
さらに、4個目の収容用凹部36dが、これらの収容用凹部36a〜36cに対して、水平位置が、上方に位置(最上段の位置に位置)するように配置されている。また、4個目の収容用凹部36dは、下方の収容用凹部36bと平行となるように、図14、図15において右側に偏移してして配置されている。
また、図14〜図15に示したように、収容用凹部36cの中間の位置に、進入用開口部42側の縁部に、略板形状の落下防止突設部33が形成されている。そして、落下防止突設部33の先端部が、収容用凹部36dに収容される被取り出し固形物Tに対応した形状に、片方側(図14、図15において右側)に突設した先端部33aとなっている。
また、4個目の収容用凹部36dには、図15に示したように、この落下防止突設部33の先端部33aと対になって、固形物Tを支持して、固形物Tが落下するのを防止するために、落下防止突設部35dが形成されている。
これにより、この実施例では、4個の被取り出し固形物Tを計量しようとする場合に、図14〜図16で示したように、平面視で、複数の収容用凹部複数の収容用凹部36a〜36dの一部が重複するように配置することができる。
すなわち、4個の収容用凹部36a〜36dに収容される4個の被取り出し固形物Tが、平面視で一部が重なるように、4個の収容用凹部36a〜36dが形成されている。
これによって、キャップ本体18の上板部34の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ12自体を大きく、すなわち、固形物収容容器10自体が大型化することのない、コンパクトで、4個の固形物Tを正確に計量可能な固形物取り出し用キャップ12、および、これを用いた固形物収容容器10を提供することができる。
(実施例3)
図17は、本発明の別の実施例の固形物取り出し用キャップ12において、蓋部材22をキャップ本体18に対して、180度開蓋した状態を示す斜視図、図18は、図17の固形物取り出し用キャップ12の上面図、図19は、図17の固形物取り出し用キャップ12の底面図である。
この実施例の固形物取り出し用キャップ12は、図1〜図13に示した実施例1の固形物取り出し用キャップ12と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
上記の実施例1の固形物取り出し用キャップ12では、3個の被取り出し固形物Tに対応した3個の収容用凹部36a〜36cを備えている。
そして、両側の収容用凹部36a、36bは、水平位置が、同じ位置に位置している。また、中央の収容用凹部36cが、これらの両側の収容用凹部36a、36bに対して、水平位置が、上方に位置するように配置されている。
これに対して、この実施例3の固形物取り出し用キャップ12では、図17〜図19に示したように、5個の被取り出し固形物Tに対応した5個の収容用凹部36a〜36eを備えている。
そして、2個の下方の収容用凹部36a〜36bは、水平位置が、同じ位置に位置している。また、中段には、3個目の中央の収容用凹部36cが、収容用凹部36a〜36bに対して、水平位置が、上方に位置するように配置されている。
さらに、4〜5個目の収容用凹部36d〜36eが、これらの収容用凹部36a〜36cに対して、水平位置が、上方に位置(最上段の位置に位置)するように配置されている。
また、図17〜図18に示したように、実施例1と同様に、収容用凹部36cの中間の位置に、進入用開口部42側の縁部に、略板形状の落下防止突設部33が形成されている。
そして、落下防止突設部33の先端部が、収容用凹部36d〜36eに収容される被取り出し固形物Tに対応した形状に、二股に突設した先端部33bとなっている。
また、4個目の収容用凹部36d、5個目の収容用凹部36eには、それぞれ、図18に示したように、この落下防止突設部33の先端部33bと対になって、固形物Tを支持して、固形物Tが落下するのを防止するために、落下防止突設部35d、35eが形成されている。
これにより、この実施例では、5個の被取り出し固形物Tを計量しようとする場合に、図17〜図19で示したように、平面視で、複数の収容用凹部複数の収容用凹部36a〜36eの一部が重複するように配置することができる。
すなわち、5個の収容用凹部36a〜36eに収容される5個の被取り出し固形物Tが、平面視で一部が重なるように、5個の収容用凹部36a〜36dが形成されている。
これによって、キャップ本体18の上板部34の上面を大きく(すなわち、面積を大きくする)する必要がなく、固形物取り出し用キャップ12自体を大きく、すなわち、固形物収容容器10自体が大型化することのない、コンパクトで、5個の固形物Tを正確に計量可能な固形物取り出し用キャップ12、および、これを用いた固形物収容容器10を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、固形物取り出し用キャップ12が、図示しないが、いわゆる中蓋部材であっても良い。
すなわち、固形物取り出し用キャップを中蓋部材タイプ(中栓タイプ)にして、容器本体に脱着自在に装着できるようにすることができる。
そして、別途、蓋部材(キャップ)を、例えば、ネジ式、いわゆるスナップフィット形式で、容器本体に取付けるタイプとすることが可能である。
このように構成することによって、例えば、カプセル、錠剤など、サイズ、形状、取り出し個数の異なる被取り出し固形物に対応して、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを交換することによって、このような異なるタイプの固形物に対応することができ、極めて便利である。
なお、蓋部材(キャップ)の裏面に、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを脱着自在に装着するタイプとすることも可能である。
これにより、計量の際に、所定に量(数)の被取り出し固形物を収容用凹部に収容した後、蓋部材である固形物取り出し用キャップを蓋部材(キャップ)の裏面より取り外して、所定の量に被取り出し固形物を簡単に計量、取り出すことが可能である。
また、この場合に、例えば、ポリエチレンなどの樹脂から、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを構成することによって、固形物取り出し用キャップ自体が、容器本体のシールとしても機能することになり、容器本体内に収容した固形物の劣化を防止することができる。
また、例えば、ポリプロピレンなどの良好な滑りの樹脂から、中蓋部材である固形物取り出し用キャップを構成することによって、被取り出し固形物の計量、取り出しが容易になる。
また、上記の実施例では、略円筒形状の容器本体14としたが、角型筒形状の容器などその他の形状の容器本体14とすることができ、これに応じて、本発明の固形物取り出し用キャップ12の形状を適宜変更することができるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。