JP2021000719A - 切削工具および切削方法 - Google Patents

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【課題】鉄鋼材料からなる被削材の切削加工、特に、高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用する際に、インサートの切れ刃全体に生じるチッピングによる欠損を抑制することができ、インサートの寿命が長い切削工具および切削方法を提供する。【解決手段】被削材の切削加工で使用する切削工具1は、すくい面21と逃げ面22を有し、かつすくい面21と逃げ面22で形成される稜線からなる切れ刃23を有するインサート20が、被削材表面24と切れ刃23とのなす角である切込角αをもってカッターボディ10に装着されてなり、インサート20は、切削加工中に切れ刃23の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、切込角αに応じて、すくい面21と逃げ面22とで形成される刃先角γが設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、被削材の切削加工で使用する、インサートを有する切削工具および切削方法に関する。
従来から、鉄鋼材料の加工には、正面フライス用インサート等による切削加工が用いられている。このようなインサートで鉄鋼材料を切削加工すると、切れ刃のチッピング(欠損)が生じる場合がある。特に、高負荷が生じる高硬度鉄鋼材料の粗加工へ適用した場合には、切れ刃にかかる応力が増大するため、切れ刃のチッピング(欠損)が激しくなり、インサート寿命が短いといった問題が生じる。
インサートの欠損を防止する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に提案されたものがある。特許文献1の技術は、鋳物粗削り用のフライスチップの刃先角を70°以上80°以下にすることでびびり振動を抑制して刃先の欠損を防ぐものである。また、特許文献2の技術は、フライスインサートの四隅のすくい角を負にし、四隅以外はすくい角を正にすることで切削抵抗の増大を抑えつつ切れ刃の欠損を防止しようとするものである。
実開昭61−201716号公報 特開平7−276130号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、比較的硬度の小さい鋳物の粗削りに使用されるため、刃先角が70°以上80°以下で、びびり振動は抑えられるものの、鉄鋼材料の切削加工、特に、高硬度鉄鋼材料の粗加工のような高負荷が生じる切削加工では、チッピングによる刃先の欠損を防止することは困難である。
また、特許文献2の技術は精密加工の技術であり、この技術を鉄鋼材料、特に高硬度鉄鋼材料の粗加工に適用すると、四隅以外の切れ刃中ほどにて大きな荷重がかかることで切れ刃のチッピングを生じ、切れ刃中ほどから欠損を起こしてしまう。
したがって、本発明の課題は、鉄鋼材料からなる被削材の切削加工、特に、高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用する際に、インサートの切れ刃全体に生じるチッピングによる欠損を抑制することができ、インサートの寿命が長い切削工具および切削方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(11)を提供する。
(1)被削材の切削加工で使用する切削工具であって、
すくい面と逃げ面を有し、かつ前記すくい面と前記逃げ面で形成される稜線からなる切れ刃を有するインサートが、前記被削材表面と前記切れ刃とのなす角である切込角をもってカッターボディに装着されてなり、
前記インサートは、切削加工中に前記切れ刃の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、前記切込角に応じて、前記すくい面と前記逃げ面とで形成される刃先角が設定されることを特徴とする切削工具。
(2)前記インサートは、前記刃先角が80°以上105°未満であり、前記切込角が45°以上90°未満となるように前記カッターボディに装着されることを特徴とする(1)に記載の切削工具。
(3)前記インサートは、アキシャルレーキが10°以上35°以下となるように前記カッターボディに装着されることを特徴とする(1)または(2)に記載の切削工具。
(4)前記インサートは、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材からなることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の切削工具。
(5)ビッカース硬さHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に適用されることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の切削工具。
(6)被削材を切削工具により切削加工する切削方法であって、
すくい面と逃げ面を有し、かつ前記すくい面と前記逃げ面で形成される稜線からなる切れ刃を有するインサートを、前記被削材表面と前記切れ刃とのなす角である切込角をもってカッターボディに装着した切削工具を用いて切削加工を行い、
切削加工中に前記インサートの前記切れ刃の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、前記切込角に応じて、前記インサートの前記すくい面と前記逃げ面とで形成される刃先角を設定することを特徴とする切削方法。
(7)前記インサートとして前記刃先角が80°以上105°未満のものを用い、前記インサートを前記切込角が45°以上90°未満となるように前記カッターボディに装着することを特徴とする(6)に記載の切削方法。
(8)前記インサートとしてアキシャルレーキが10°以上35°以下となるように前記カッターボディに装着することを特徴とする(6)または(7)に記載の切削方法。
(9)前記インサートとして、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材からなるものを前記カッターボディに装着することを特徴とする(6)から(8)のいずれかに記載の切削方法。
(10)ビッカース硬さHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材を切削加工することを特徴とする(6)から(9)のいずれかに記載の切削方法。
(11)前記切削加工は、切削条件が一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上で行われることを特徴とする(6)から(10)のいずれかに記載の切削方法。
本発明によれば、切込角に応じてインサートの刃先角を適切に設定して切れ刃の刃先にかかる応力を所定値以下に小さくするので、鉄鋼材料からなる被削材の切削加工、特に高負荷が生じる高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用する場合において、切れ刃全体に生じるチッピングによる欠損を抑制することができ、インサートの寿命を長くすることができる。
一実施形態に係る切削工具を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。 図1の切削工具に用いられるインサートを示す図であり、(a)は図1の断面図と同じ方向から見た図、(b)は図1の断面図のB方向から見た図、(c)は図1の断面図のC方向から見た図である。 図1の切削工具により被削材を粗加工する際のインサートの状態を示す斜視図である。 図1の切削工具により被削材を粗加工する際のインサートの状態を示す図であり、(a)は図3のD方向から見た図、(b)は図3のE方向から見た図、(c)は図3のF方向から見た図である。 切込角α、逃げ角β、刃先角γを示す斜視図である。 アキシャルレーキδを示す斜視図である。 切込角を15°、45°、60°、75°、90°とした際における、刃先角と切削面積比との関係を示すグラフである。 刃先角と刃先に生じる引張応力との関係を示す図である。 アキシャルレーキが、−30°、−20°、−10°、0°、10°、20°、30°とした際における、切削面積比との関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
インサートにおいては、すくい面と逃げ面で形成される稜線が切れ刃となり、この切れ刃により切削加工が行われる。すくい面はインサートにおいて切削を行う主面で、この面上を切りくずが摩擦しながら通過する。また逃げ面はインサートと加工面の接触を防ぐために逃がす面である。
従来、切削加工は、鉄鋼材料の切削加工、特に高硬度鉄鋼材料の粗加工のような高負荷の切削加工には用いられておらず、引用文献1のような硬度の低い鋳物の粗加工や、引用文献2のような精密加工等、比較的応力の小さい用途に用いられていたに過ぎない。このため、特許文献1ではインサートの刃先角を70°以上80°未満にしてびびり振動を抑制することで、また、特許文献2では、インサートの四隅のすくい角を負にし、四隅以外はすくい角を正にすることで、切れ刃の欠損を防止できていた。しかし、鉄鋼材料の切削加工、特に、高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工では、インサートにおける切れ刃の刃先にかかる応力が精密加工等の場合よりも格段に大きく、特許文献2の手法では切れ刃全体にチッピングが生じて切れ刃の欠損に至ってしまうことがあることが判明した。
そこで、本発明者らは、被削材の切削加工を鉄鋼材料の切削加工、特に高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用しても切れ刃のチッピングが生じ難いインサートを得るべく検討を重ねた。その結果、刃先角を大きくすると刃先強度は上昇し、刃先にかかる応力は低下するが、刃先角を大きくし過ぎると切削力が高くなり過ぎ、切削抵抗が大きくなってかえって刃先にかかる応力が大きくなること、および、切削抵抗は被削材表面と逃げ面とのなす角である切込角によって変化し、切込角に応じて刃先角を最適化して切削抵抗と刃先強度のバランスをとることにより切れ刃にかかる応力を低減でき、チッピングを抑制できることを見出した。また、切削抵抗は工具正面を半径方向から見た刃先稜線と軸のなす角であるアキシャルレーキによっても変化し、アキシャルレーキを最適化することでさらに切れ刃にかかる応力を低減でき、チッピングをさらに抑制できることを見出した。
また、従来は、刃先角を大きくすると切削面が荒れるため、刃先角は75°程度であり、刃先角を大きくするという発想はなかったが、高硬度鉄鋼材料からなる被削材を粗加工する場合には、刃先角を大きくしても問題はなく、切込角が大きくなって切削抵抗が大きくなるにつれて、刃先角を大きく設定することができる。
このため、本発明では、切削抵抗の指標である切込角に応じて、切れ刃の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、切れ刃全体にわたる刃先角を設定する。具体的には、切れ刃の刃先にかかる応力が極小となる刃先角が存在し、刃先にかかる応力が極小値近傍の所定の値以下となるように刃先角が設定される。
このように、刃先角を適切に設定して切れ刃の刃先にかかる応力を所定値以下に小さくすることにより、切削加工を、鉄鋼材料からなる被削材の切削加工、特に、高負荷が生じる高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用した際に、切れ刃全体に生じるチッピングによる欠損を抑制することができ、インサートの寿命を長くすることができる。
このとき、応力の所定値としては、所定の切込角において、刃先にかかる応力の極小値よりも30%大きい値であることが好ましい。応力がこの値以下において、切れ刃のチッピングの発生を有効に抑制することができる。さらに、アキシャルレーキを最適化することで、さらなる切れ刃のチッピングを抑制し、インサートの寿命をより長くすることができる。
また、具体的な数値としては、切込角が45°以上90°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上105°未満の範囲に設定されることが好ましい。また、本発明は切込角が60°以上75°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上100°以下の範囲、および切込角が75°以上90°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上90°以下の範囲が特に有効である。アキシャルレーキは、10°以上35°以下の範囲で有効であり、25°以上35°以下の範囲で特に効果的である。
本発明は、ビッカース硬度HV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に対して有効である。また、本発明は、HV300以上の鉄鋼材料からなる被削材に対して特に有効である。好適な用途としては、鋼スラブのスケール除去を挙げることができる。
また、本発明は被削材の切削加工を、鉄鋼材料に適用することを可能にするものであるが、特に高負荷が生じる高硬度鉄鋼材料の粗加工に有効である。粗加工は、精密さが要求されない大まかな加工であり、スケール除去の場合はスケールさえ除去されればよく、送りおよび切込深さが大きい切削条件で行われる。本発明では、このような粗加工において、切削条件が一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上であっても切れ刃全体に生じるチッピングを抑制することができる。
また、本発明では、インサートは、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材であってもよい。このような低靱性素材であっても、切れ刃全体に生じるチッピングを抑制することができる。このような低靱性素材としては、超鋼合金(WC系材料)を挙げることができる。
本発明で用いるインサートとしては、正面フライス用インサート、円筒フライス用インサート、エンドミルを挙げることができる。
次に、本発明の具体的な実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る切削工具を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。図1では切削工具として正面フライスを用いた場合を示す。図1に示すように、切削工具1は、カッターボディ10を有し、カッターボディ10は軸11を回転軸として回転可能に設けられている。カッターボディ10の先端外周部には、複数のインサート(フライスインサート)20(1つのみ図示)が、カッターボディ10の周方向に等間隔に着脱自在に取り付けられている。
インサート20は、図2に示すように略矩形状であり、上述したように構成されている。図2の(a)は図1の断面図と同じ方向から見た図、(b)は図1の断面図のB方向から見た図、(c)は図1の断面図のC方向から見た図である。
インサート20の4つの辺が切れ刃23となっている。インサート20は、すくい面21と逃げ面22を有し、これらが交差する稜線が切れ刃23である。切れ刃23を挟んですくい面21と逃げ面22とのなす角が刃先角γである。また、被削材である鋼材(高硬度鉄鋼材料)の面24とインサート20の逃げ面22とがなす角が切込角αである。さらに、逃げ面22と仕上げ面(切削後の面)の接線25とのなす角度が逃げ角βである。
このように構成される切削工具1においては、軸11を回転軸としてカッターボディ10を回転させることにより、図3に示すようにインサート20が回動して被削材である鋼材を切削加工する。このときの切込角α、逃げ角β、刃先角γ、アキシャルレーキδは、図3のD方向から見た図である図4(a)、E方向から見た図である図4(b)、F方向から見た図である図4(c)に示すようになる。工具正面を半径方向から見た切れ刃23と軸11のなす角がアキシャルレーキδである。切込角α、逃げ角β、刃先角γをわかりやすく示したのが図5である。また、アキシャルレーキδをわかりやすく示したのが図6である。アキシャルレーキδは、大きすぎるとインサート20が鋼材と接触し、小さすぎるとカッターボディ10に取り付けられないため、−30°以上35°以下の範囲とする。
インサート20は、切込角αに応じて、切れ刃23の刃先にかかる応力が刃先にチッピングが生じない値になるように刃先角γを設定する。このとき、刃先にかかる応力が極小値よりも30%大きくなるまでの範囲であることが好ましい。
具体的な数値としては、切込角が45°以上90°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上105°未満の範囲に設定されることが好ましい。また、切込角が60°以上75°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上100°以下の範囲、および切込角が75°以上90°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上90°以下の範囲に設定されることが特に好ましい。アキシャルレーキは10°以上35°以下の範囲で有効であり、25°以上35°以下の範囲で特に効果的である。
このようなインサート20を用いることにより、高負荷が生じるHV250以上、特にHV300以上の高硬度鉄鋼材料の粗加工に適用した場合にも、切れ刃全体に生じるチッピングによる欠損を抑制することができ、インサートの寿命を長くすることができる。
また、インサート20は、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材であってもよく、このような低靱性素材であっても切れ刃全体に生じるチッピングを抑制することができる。また、切削加工として高硬度鉄鋼材料の粗加工を行う場合に、粗加工の切削条件が、一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上であっても、切れ刃23全体に生じるチッピングを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変形することが可能である。例えば、上記実施の形態では、切削工具として正面フライスの例を示したが、これに限らず円筒フライスやエンドミル等の他の切削工具を用いることができる。
また、鉄鋼材料の切削加工として、高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工である、スラブのスケール除去を例示したが、これに限るものではなく、他の高硬度鉄鋼材料からなる被削材の粗加工に適用でき、さらに、粗加工以外の切削加工にも適用できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、様々な刃先角を有する超硬合金製のインサートを正面フライスカッターボディに装着した切削工具を用いた。硬度がHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に対して、切削工具の切込角を変え、切削条件が一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上の切削実験を行った。切削実験よりそれぞれの切削工具の切削可能面積(インサート逃げ面の摩耗量が2mmに達したときの切削面積、またはインサートが欠損したときの切削面積)を求めた。その結果を図7に示す。図7は、切込角を15°、45°、60°、75°、90°とした際における、刃先角と切削面積比との関係を示すグラフである。なお、切削面積比は、刃先角75°のインサートを切込角15°のカッターボディに装着した切削工具の切削可能面積を1として求めた。
この図から、特に切込角が60°以上75°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上100°以下の範囲で切削面積比が大きいことがわかる。また、切込角が75°以上90°以下の範囲において、刃先角が切れ刃全体にわたって80°以上90°以下の範囲で切削面積比が大きいことがわかる。
次に、様々な刃先角を有する超硬合金製のインサートを用いて、硬度がHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に対して、切削条件が一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上の粗加工を行い、インサートに摩耗が生じた状態の切れ刃全体にわたる刃先角ごとの刃先に生じる引張応力を求めた。図8は、刃先角と刃先に生じる引張応力との関係を示す図である。
この図から、80°以上105°未満で刃先にかかる応力が極小値またはその近傍の値となり、チッピングが抑制できることがわかる。
さらに、アキシャルレーキを−30°から30°まで10°ずつ増やして、超硬合金製のインサートを用いて、超硬合金製のインサートを正面フライスカッターボディに装着した切削工具を用いて切削実験を行った。ここでは、硬度がHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に対して、切削工具の切込角を変え、切削条件を一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上とした。切削実験よりそれぞれの切削工具の切削可能面積(インサート逃げ面の摩耗量が2mmに達したときの切削面積、またはインサートが欠損したときの切削面積)を求めた。図9は、アキシャルレーキと切削面積比との関係を示すグラフである。なお、切削面積比は、アキシャルレーキ0°のときの切削可能面積を1として求めた。
この図から、アキシャルレーキが10°以上35°以下の範囲、特に25°以上35°以下の範囲で切削面積比が大きいことがわかる。
1 正面フライス(切削工具)
10 カッターボディ
11 軸
20 インサート
21 すくい面
22 逃げ面
23 切れ刃
24 鋼材(高硬度鉄鋼材料)の面
25 仕上げ面の接線
α 切込角
β 逃げ角
γ 刃先角
δ アキシャルレーキ

Claims (11)

  1. 被削材の切削加工で使用する切削工具であって、
    すくい面と逃げ面を有し、かつ前記すくい面と前記逃げ面で形成される稜線からなる切れ刃を有するインサートが、前記被削材表面と前記切れ刃とのなす角である切込角をもってカッターボディに装着されてなり、
    前記インサートは、前記切削加工中に前記切れ刃の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、前記切込角に応じて、前記すくい面と前記逃げ面とで形成される刃先角が設定されることを特徴とする切削工具。
  2. 前記インサートは、前記刃先角が80°以上105°未満であり、前記切込角が45°以上90°未満となるように前記カッターボディに装着されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記インサートは、アキシャルレーキが10°以上35°以下となるように前記カッターボディに装着されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記インサートは、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の切削工具。
  5. ビッカース硬さHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材に適用されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の切削工具。
  6. 被削材を切削工具により切削加工する切削方法であって、
    すくい面と逃げ面を有し、かつ前記すくい面と前記逃げ面で形成される稜線からなる切れ刃を有するインサートを、前記被削材表面と前記切れ刃とのなす角である切込角をもってカッターボディに装着した切削工具を用いて切削加工を行い、
    切削加工中に前記インサートの前記切れ刃の刃先にかかる応力が所定値以下になるように、前記切込角に応じて、前記インサートの前記すくい面と前記逃げ面とで形成される刃先角を設定することを特徴とする切削方法。
  7. 前記インサートとして前記刃先角が80°以上105°未満のものを用い、前記インサートを前記切込角が45°以上90°未満となるように前記カッターボディに装着することを特徴とする請求項6に記載の切削方法。
  8. 前記インサートとしてアキシャルレーキが10°以上35°以下となるように前記カッターボディに装着することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の切削方法。
  9. 前記インサートとして、破壊靱性が20MPa・m1/2以下の低靱性素材からなるものを前記カッターボディに装着することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の切削方法。
  10. ビッカース硬さHV250以上の鉄鋼材料からなる被削材を切削加工することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の切削方法。
  11. 前記切削加工は、切削条件が一刃送り0.25mm/刃以上、切込深さ2mm以上で行われることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の切削方法。
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