JP2020536887A - Parp阻害剤およびpd−1系結合アンタゴニストの組合せ - Google Patents
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Abstract
本発明は、癌を処置する方法であって、PARP阻害剤をPD−1系結合アンタゴニストと組み合わせてそれを必要とする患者に投与するステップによる方法に関する。
Description
本発明は、癌の処置に有用な併用療法に関する。特に、本発明は、PARP阻害剤をPD−1系結合アンタゴニスト(PD−1 axis antagonist)と組み合わせて投与することによって癌を処置する方法に関する。本発明の組合せの医薬的使用も記載される。
PD−L1は、多くの癌において過剰発現され、予後不良と関連する場合が多い(Okazaki Tら、Intern. Immun. 2007年19巻(7号):813頁)(Thompson RHら、Cancer Res 2006年、66巻(7号):3381頁)。興味深いことに、正常組織および末梢血中のTリンパ球とは対照的に、腫瘍浸潤性Tリンパ球の大部分は、PD−1を優勢に発現する。腫瘍反応性T細胞上のPD−1は、抗腫瘍免疫応答の障害に寄与し得る(Ahmadzadehら、Blood 2009年 1 14巻(8号):1537頁)。これは、PD−1発現T細胞と相互作用するPD−L1発現腫瘍細胞により媒介されたPD−L1シグナル伝達を利用することによるものである可能性があり、この結果T細胞の活性が弱まり、免疫監視は回避される(Sharpeら、Nat Rev 2002年)(Keir MEら、2008年 Annu. Rev. Immunol. 26巻:677頁)。したがって、PD−L1/PD−1相互作用の阻害は、腫瘍のCD8+T細胞媒介性の死滅を増強し得る。
その直接リガンド(例えば、PD−L1、PD−L2)を介したPD−1系シグナル伝達の阻害は、癌の処置のためのT細胞免疫性(例えば、腫瘍免疫)を増強するための手段として提唱されてきた。さらに、T細胞免疫性に対する同様の増強は、PD−L1の結合パートナーB7−1との結合を阻害することによって観察されている。最適な治療的処置は、PD−1受容体/リガンド相互作用の遮断と、その他の抗癌剤を組み合わせることであろう。種々の癌を処置する、安定化する、防止するおよび/または遅延するためのこのような最適療法は、依然として必要である。
アベルマブは、プログラム死−リガンド1(PD−L1)に対するヒト免疫グロブリン(Ig)G1モノクローナル抗体(mAb)である。アベルマブは、PD−L1と選択的に結合し、プログラム死受容体1(PD−1)とのその相互作用を競合的に遮断し、それによって、この重要な免疫チェックポイント阻害経路に干渉する。アベルマブは、抗PD−L1モノクローナル抗体MSB0010718Cの国際一般名称(INN)であり、WO2013079174にその全長重鎖および軽鎖配列によって記載され、A09−246−2と呼ばれている。その重鎖におけるC末端リシンのグリコシル化および末端切断が、欧州特許出願第15198233.7号に記載されている。
2017年3月に、アベルマブは、転移性メルケル細胞癌(MCC)の第1処置として米国(US)食品医薬品局(FDA)による迅速承認を受けた。2017年5月に、アベルマブは、白金含有化学療法の間もしくはその後またはネオアジュバントもしくはアジュバント白金含有化学療法の12ヶ月内に疾患進行を有する、局所進行性または転移性尿路上皮癌(UC)を有する患者の処置のためにUS FDAによる迅速承認を受けた。アベルマブは、局所進行性または転移性固形腫瘍および種々の血液悪性腫瘍を有する患者において、単剤としておよびその他の抗癌療法と組み合わせて現在調査されている。
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、細胞におけるDNA修復の天然に存在するプロセスに携わっている。PARP阻害は、合成致死を誘導することによる、二本鎖DNA修復遺伝子における生殖系列突然変異と関連する腫瘍に対する有効な治療戦略であるとわかっている(Sonnenblick, A.ら、Nat Rev Clin Oncol、2015年12巻(1号)、27〜4)。あるPARP阻害剤(PARPi)、オラパリブは、生殖系列BRCAが突然変異された(gBRCAm)進行性卵巣癌の処置のために2014年に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。より最近では、その他のPARP阻害剤ニラパリブおよびルカパリブも、卵巣癌の処置のためにFDAによって承認された。
タラゾパリブは、デオキシリボ核酸(DNA)修復を損なう遺伝子突然変異、合成致死と呼ばれる効果を有するヒト癌細胞株に対して細胞傷害性であり、PARPタンパク質をDNA上に捕捉し、それによって、DNA修復、複製および転写を妨げることによる、強力な経口利用可能PARP阻害剤である。
化合物、タラゾパリブ「(8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8,9−ジヒドロ−2H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−3(7H)−オン」および「(8S,9R)−5−フルオロ−8−(4−フルオロフェニル)−9−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−2,7,8,9−テトラヒドロ−3H−ピリド[4,3,2−de]フタラジン−3−オン」(「PF−06944076」、「MDV3800」および「BMN673」とも呼ばれる)は、以下の構造を有するPARP阻害剤である。
タラゾパリブおよびトシレート塩を含むその医薬上許容される塩は、国際公開公報番号WO2010/017055およびWO2012/054698に開示されている。タラゾパリブおよびトシレート塩を含むその医薬上許容される塩を調製するさらなる方法は、国際公開公報番号WO2011/097602、WO2015/069851およびWO2016/019125に記載されている。タラゾパリブおよびトシレート塩を含むその医薬上許容される塩を使用して癌を処置するさらなる方法は、国際公開公報番号WO2011/097334およびWO2017/075091に開示されている。
タラゾパリブは、単剤として、DNA修復経路異常を有する複数の種類の固形腫瘍を有する患者において、有効性ならびに許容される毒性プロファイルを実証した。
単剤処置と比較して臨床抗腫瘍活性を改善するために、および併用安全性プロファイルを改善するために潜在的に最適化された投与計画を用いて、特に、特定の患者集団において癌を処置するための特異的PD−1系アンタゴニストおよび特異的PARP阻害剤の特定の組合せを見い出すことが依然として必要である。
単剤処置と比較して臨床抗腫瘍活性を改善するために、および併用安全性プロファイルを改善するために潜在的に最適化された投与計画を用いて、特に、特定の患者集団において癌を処置するための特異的PD−1系アンタゴニストおよび特異的PARP阻害剤の特定の組合せを見い出すことが依然として必要である。
以下に記載される態様の各々は、組み合わされる態様と矛盾しない本明細書において記載される任意のその他の態様と組み合わされてもよい。さらに、本明細書において記載される態様の各々は、その範囲内に、本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩を想定する。したがって、語句「またはその医薬上許容される塩」は、本明細書において記載されるすべての化合物の説明中に潜在している。以下に記載されるような側面内の態様は、同側面内の矛盾しない任意のその他の態様と組み合わされ得る。
一態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを、それを必要とする患者に投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系結合アンタゴニストは、PD−L1抗体であり、いくつかの態様では、PD−L1抗体は、アベルマブである。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩であり、一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、ホルモン受容体陽性乳癌(HR+BC)、卵巣癌、好ましくは、上皮卵巣癌、尿路上皮癌(UC)、好ましくは、膀胱の尿路上皮、尿道、尿管または腎盂の移行上皮癌および去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)からなる群から選択される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系アンタゴニストアベルマブの量は、静脈内に、12週間の間、約10mg/kg Q2W(2週間毎に一用量)、10mg/kg Q1W、10mg/kg Q1Wと、それに続く12週間の間、10mg/kg Q2W、800mg Q2W、1200mg Q2Wまたは約800mg Q1W(週毎に一用量)と、それに続く約800mg Q2Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、経口で、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QD(毎日一用量)の遊離塩基当量であり、いくつかの態様では、アベルマブの量は、約800mg Q2Wである。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に一定量のPARP阻害剤タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩および一定量のPD−1系結合アンタゴニストアベルマブを投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子において、DNA損傷応答(DDR)欠損陽性であり、いくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、Foundation One(登録商標)遺伝子プロファイルアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すより好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。LOHスコアを決定するための例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、FoundationOne(登録商標)、Foundation Medicine(登録商標)(マサチューセッツ州、ケンブリッジ)ゲノムプロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有する。いくつかの態様では、HRDスコアは、Myriad Genetics myChoice(登録商標)HRDまたはmyChoice(登録商標)HRD Plusアッセイによって決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系アンタゴニストアベルマブの量は、静脈内に、12週間の間、約10mg/kg Q2W、10mg/kg Q1W、10mg/kg Q1Wと、それに続く12週間の間の、約10mg/kg Q2W、800mg Q2W、1200mg Q2Wまたは約800mg Q1Wと、それに続く約800mg Q2Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与され、いくつかの態様では、アベルマブの量は、約800mg Q2Wである。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤タラゾパリブまたは一態様ではタラゾパリブトシレートであるその医薬上許容される塩および一定量のPD−1系結合アンタゴニストアベルマブを投与することを含み、ここにおいて、量が全体で癌の処置において有効であり、癌が、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌、ホルモン受容体陽性乳癌、卵巣癌および好ましくは、上皮卵巣癌、尿路上皮癌および好ましくは、膀胱、尿道、尿管または腎盂の尿路上皮の移行上皮癌および去勢抵抗性前立腺癌からなる群から選択される、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1つのDDR遺伝子においてDNA損傷応答(DDR)欠損陽性であり、いくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne遺伝子プロファイルアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すより好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイ、さらにFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有する。この態様のいくつかの側面では、HRDスコアは、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系アンタゴニストアベルマブの量は、静脈内に、12週間の間、約10mg/kg Q2W、10mg/kg Q1W、10mg/kg Q1Wと、それに続く12週間の間の、約10mg/kg Q2W、800mg Q2W、1200mg Q2Wまたは約800mg Q1Wと、それに続く約800mg Q2Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与され、好ましくは、アベルマブの量は、約800mg Q2Wである。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、PD−1系アンタゴニストは、アベルマブであり、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、PD−1系アンタゴニストの量は、静脈内に、12週間の間、約10mg/kg Q2W、10mg/kg Q1W、10mg/kg Q1Wと、それに続く12週間の、約10mg/kg Q2W、800mg Q2W、1200mg Q2Wまたは約800mg Q1Wと、それに続く約800mg Q2Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与され、好ましくは、アベルマブの量は、約800mg Q2Wである、前記方法を対象とする。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、非小細胞肺癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性NSCLCであり、患者は、0、1または2つの、局所進行性または転移性NSCLCのための白金ベースの化学療法処置の前のラインを受けており、局所進行性または転移性NSCLCのための、癌が、EFGR、ALKまたはROS−1ゲノム腫瘍異常を有さないような化学療法処置の際に進行がなかった。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、白金ベースのダブレットおよびドセタキセルが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復において欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復において欠乏を示すより好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイを含み、より好ましくは、遺伝子解析は、Foundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイである。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定される。この側面のいくつかの態様では、NSCLC患者は、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は卵巣癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は上皮卵巣癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性卵巣癌であり、患者は、1または2つの、白金ベースの化学療法の前のラインを受けており、白金ベースの化学療法の最後の用量を受け取った後6ヶ月の間、または6ヶ月以内に疾患進行がなかった(白金感受性)。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチンまたは、カルボプラチン、タキサンと組み合わせた両者が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne assayを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイが挙げられ、より好ましくは、遺伝子解析は、Foundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイである。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定される。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有すると決定される。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は尿路上皮癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性尿路上皮癌であり、患者は、0、1または2つの、白金ベースの化学療法の前の全身ラインを受けており、白金ベースの化学療法を用いる前の処置の間進行がなかった。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチンまたはカルボプラチンと組み合わせたゲムシタビンが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne assayを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、いくつかの態様では、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この側面のいくつかの態様では、患者は、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性CRPCであり、患者は、前の新規ホルモン療法処置の少なくとも1つのラインの際に進行した後に、少なくとも1つのタキサンベースの化学療法処置を含む、1または2つの前の化学療法処置を受けていた。例示的タキサンベースの化学療法処置として、制限するものではないが、ドセタキセルまたはカバジタキセルが挙げられる。例示的ホルモン療法処置として、制限するものではないが、エンザルタミドおよびプレドニゾンの組合せならびに酢酸アビラテロンおよびプレドニゾンの組合せが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、CRPC患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析は、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイ、Foundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイを含む。この側面のいくつかの態様では、CRPC患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを含み、いくつかの態様では、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この側面のいくつかの態様では、CRPC患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は乳癌である。いくつかの態様では、癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)またはホルモン受容体陽性(HR+)乳癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性TNBCであり、TNBC患者は、0、1または2つの、局所進行性または転移性TNBCのための化学療法処置の前のラインを受けており、前の化学療法処置が白金ベースの化学療法である場合に前の化学療法処置の際に進行がなかった、または前の化学療法処置の際もしくは前の化学療法処置を停止後6ヶ月以内、前の化学療法処置がアジュバントもしくはネオアジュバント白金ベースの化学療法である場合に進行がなかった。例示的な前の化学療法処置として、それだけには限らない、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンおよび白金ベースの化学療法が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性HR+乳癌であり、患者は、標準ホルモン療法からの進行後に0、1または2つの、局所進行性または転移性HR+乳癌のための化学療法処置の前のラインを受けていた。例示的化学療法処置として、制限するものではないが、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンおよび白金ベースの化学療法が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、TNBCまたはHR+BR患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析は、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイを含む。この側面のいくつかの態様では、TNBCまたはHR+BR患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、いくつかの態様では、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この側面のいくつかの態様では、癌は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
別の態様では、本発明は、上記のように癌を処置する方法であって、PD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、患者に、一定量の化学療法薬または放射線療法を投与することをさらに含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法のすべてを対象とする。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、第1の治療レジメンとそれに続く第2の治療レジメンを含み、ここにおいて、第1の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量の化学療法および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、第2の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含む、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、量が全体で、癌の処置において有効である。明確にするために、本明細書において「量が全体で」とは、第1の治療レジメンにおける化学療法の量、PD−1系結合アンタゴニストの量、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤の量およびPD−1系結合アンタゴニストの量をすべて一緒に指す。この態様のその他の側面、各側面内の態様は、この段落の直後の(本発明の)態様のうち1つと同一であろう。
別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、第1の治療レジメンとそれに続く第2の治療レジメンを含み、ここにおいて、第1の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量の化学療法および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、第2の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法を対象とする。明確にするために、本明細書において「量が全体で」とは、化学療法の量、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストの量、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤の量およびPD−1系結合アンタゴニストの量をすべて一緒に指す。
この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、第1の治療レジメンは、それを必要とする患者に、化学療法の量およびPD−1系結合アンタゴニストの量を、第1の処置サイクルの少なくとも1サイクルの間投与することを含む。この側面のいくつかの態様では、第1の処置サイクルは、2週間サイクルまたは3週間サイクルであり、患者は、第1の処置サイクルの少なくとも2サイクル、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクルまたは少なくとも6サイクルの間処置される。この側面のいくつかの態様では、第1の処置サイクルは、3週間サイクルであり、患者は、第1の処置サイクルの少なくとも6サイクルの間処置される。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、第2の治療レジメンは、それを必要とする患者に、PARP阻害剤の量およびPD−1系結合アンタゴニストの量を、第2の処置サイクルの少なくとも1つのサイクルの間投与することを含む。この側面のいくつかの態様では、第2の処置サイクルは、3週間サイクル、4週間サイクル、5週間サイクルまたは6週間サイクルであり、患者は、第2の処置サイクルの少なくとも1サイクル、少なくとも2サイクル、少なくとも3サイクルまたは少なくとも4サイクルの間処置される。この側面のいくつかの態様では、第2の処置サイクルは、6週間サイクルであり、患者は、第2の処置サイクルの少なくとも1つのサイクルの間、処置される。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は卵巣癌、特に、局所進行性または転移性卵巣癌である。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌、特に、ステージIII〜IV上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌である。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、ステージIII〜IV上皮卵巣癌である。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、癌に関して任意の前の全身抗癌療法または放射線療法を受けていない。例示的全身抗癌療法として、それだけには限らないが、化学療法、抗VEGF抗体、PARP阻害剤、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ、PD−L1系結合アンタゴニスト、抗CD137抗体、抗細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(抗CTLA4)抗体、VEGF阻害剤、癌ワクチンおよび腫瘍溶解性ワクチンが挙げられる。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、化学療法は、白金ベースの化学療法であり、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩である。この側面のいくつかの態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。この側面のいくつかの態様では、白金ベースの化学療法は、白金ベースのダブレットである。この側面のいくつかの態様では、白金ベースのダブレットは、パクリタキセルおよびカルボプラチンである。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、化学療法は、パクリタキセルおよびカルボプラチンであり、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、第1の処置サイクルは3週間サイクルであり、化学療法は、パクリタキセルおよびカルボプラチンであり、パクリタキセルは、約110mg/m2〜約175mg/m2の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内に投与され、カルボプラチンは、およそ算出AUC3用量〜およそ算出AUC6用量の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内投与され、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、約700mg、750mg、800mg、850mgまたは900mgの量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内に投与され、第2の治療レジメンのPARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストは、第2の処置サイクルで投与される。
この側面のいくつかの態様では、パクリタキセルは、約175mg/m2、135mg/m2または110mg/m2の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間、静脈内投与される。この側面のいくつかの態様では、カルボプラチンは、およそ算出AUC3用量、算出AUC4用量、算出AUC5用量または算出AUC6用量の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間、静脈内投与される。
この側面のいくつかの態様では、第2の処置サイクルは、6週間サイクルであり、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートであり、約0.25mg、0.5mg、0.75mgまたは1.0mgの量で、1日あたり1回経口投与され、第2の治療レジメンのPD−1系結合アンタゴニストはアベルマブであり、約700mg、750mg、800mg、850mgまたは900mgの量で、第2の処置サイクルの各々の1日目、15日目および29日目に静脈内投与される。
この側面のいくつかの態様では、パクリタキセルは、約175mg/m2の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間投与され、カルボプラチンは、およそ算出AUC6用量または算出AUC5用量の量で第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間投与され、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、1日あたり約800mgの量で第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間静脈内投与される。
この側面のいくつかの態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートであり、約1.0mgの量で、1日に1回経口投与され、第2の治療レジメンのPD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、約800mgの量で、第2の処置サイクルの各々の1日目、15日目および29日目に静脈内投与される。
この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性卵巣癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、ステージIII〜IV上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、ステージIII〜IV卵巣癌である。この側面のいくつかの態様では、患者は、癌に関して全身抗癌療法または放射線療法の任意の前の処置を受けていない。例示的全身抗癌療法として、それだけには限らないが、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ、PD−L1系結合アンタゴニスト、抗CD137抗体、抗細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(抗CTLA4)抗体、VEGF阻害剤、癌ワクチンおよび腫瘍溶解性ワクチンが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、DDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。
この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性であり、いくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2において生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne遺伝子プロファイルアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約16%以上を含む。例示的遺伝子解析は、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイ、好ましくは、Foundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイ、より好ましくは、Foundation Focus CDx BRCA LOH試験を含む。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有する。この態様のいくつかの側面では、HRDスコアは、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者はPD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
別の態様では、本発明は、上記のように癌を治療する方法であって、PD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、PARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、処置が、それだけには限らないが、客観的奏効率、完全奏効率、無増悪生存期間、奏効期間、r安定疾患期間、免疫関連の客観的奏効率、免疫関連完全奏効率、免疫関連無増悪生存期間、免疫関連奏効期間または免疫関連安定疾患期間を含む腫瘍奏効評価基準によって示されるような治療効果を提供する方法のいずれをも対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%または60%、65%、70%、75%または80%以上の客観的奏効率または免疫関連の客観的奏効率によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月 12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月または2年以上の無増悪生存期間または免疫関連無増悪生存期間によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月 11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月または2年以上の奏効期間、免疫関連奏効期間によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、処置は、当技術分野におけるその他の同様の処置と比較して、薬物関連毒性もしくは免疫関連有害事象の出現が少ないことまたはグレード3以上の薬物関連毒性もしくは免疫関連有害事象の出現が少ないことによって示されるような利点をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、癌を治療する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートおよび一定量のPD−1系結合アンタゴニストRN888を投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の治療において有効である、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDNA損傷応答欠損陽性であり、好ましくは、癌は、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne遺伝子プロファイルアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系アンタゴニストRN888の量は、皮下に約300mg Q4W(4週間毎に1用量)であり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
別の態様では、本発明は、癌を治療する方法であって、患者に、一定量のPD−1系結合アンタゴニストRN888および一定量のPARP阻害剤タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩および好ましくは、そのトシレートを投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の治療において有効である、前記方法を対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌、ホルモン受容体陽性乳癌、卵巣癌、尿路上皮癌および去勢抵抗性前立腺癌からなる群から選択される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDNA損傷応答(DDR)欠損陽性である。いくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する。いくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOne遺伝子プロフィールアッセイによって決定され得るDDR欠損陽性であると決定される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、PD−1系アンタゴニストRN888の量は、皮下に約300mg Q4Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
別の態様では、本発明は、癌を治療する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、PD−1系アンタゴニストは、RN888であり、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、PD−1系アンタゴニストRN888の量は、皮下に約250mg、300mg、350mgまたは400mgであり、その各々は、Q3WまたはQ4Wであるが、好ましくは、約300mg Q4Wであり、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される、前記方法を対象とする。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、非小細胞肺癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性NSCLCであり、患者は、0、1または2つの、局所進行性または転移性NSCLCのための白金ベースの化学療法処置の前のラインを受けており、局所進行性または転移性NSCLCのための、癌が、EFGR、ALKまたはROS−1ゲノム腫瘍異常を有さないような化学療法処置の際に進行がなかった。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、白金ベースのダブレットおよびドセタキセルが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析は、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイを含み、より好ましくは、遺伝子解析は、Foundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイである。この側面のいくつかの態様では、卵巣癌患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定される。この側面のいくつかの態様では、 NSCLC患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、卵巣癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性卵巣癌であり、患者は、1または2つの、白金ベースの化学療法の前のラインを受けており、白金ベースの化学療法の最後の用量を受けた後6ヶ月の間、または6ヶ月以内に疾患進行がなかった(白金感受性)。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチンまたはカルボプラチン、タキサンと組み合わせた両者が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される。本側面のいくつかの態様では、患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、尿路上皮癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、進行性または転移性尿路上皮癌であり、患者は、0−0、1または2つの、白金ベースの化学療法の前の全身ラインを受けており、白金ベースの化学療法を用いる前の処置の間進行がなかった。例示的白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチンまたはカルボプラチンと組み合わせたゲムシタビンが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、いくつかの態様では、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。この側面のいくつかの態様では、患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)である。この側面のいくつかの態様では、患者は、新規ホルモン療法処置の少なくとも1つのラインの際に進行した後に、少なくとも1つのタキサンベースの化学療法処置を含む、0、1または2つの前の化学療法処置を受けていた。例示的タキサンベースの化学療法処置として、制限するものではないが、ドセタキセルまたはカバジタキセルが挙げられる。例示的ホルモン療法処置として、制限するものではないが、エンザルタミドおよびプレドニゾンの組合せならびに酢酸アビラテロンおよびプレドニゾンの組合せが挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイを使用する遺伝子解析によってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、CRPC患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析は、例えば、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイを含む。この側面のいくつかの態様では、CRPC患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、いくつかの態様では、HRDスコアは、例えば制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。
この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、癌は乳癌である。この側面のいくつかの態様では、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌またはホルモン受容体陽性乳癌である。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性TNBCであり、TNBC患者は、0、1または2つの、局所進行性または転移性TNBCのための化学療法処置の前のラインを受けており、前の化学療法処置が白金ベースの化学療法である場合に前の化学療法処置の際に進行がなかった、または前の化学療法処置の際もしくは前の化学療法処置を停止後6ヶ月以内、前の化学療法処置がアジュバントもしくはネオアジュバント白金ベースの化学療法である場合に進行がなかった。例示的な前の化学療法処置として、それだけには限らないが、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンおよび白金ベースの化学療法が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、局所進行性または転移性HR+乳癌であり、患者は、標準ホルモン療法からの進行後に0、1または2つの、局所進行性または転移性HR+乳癌のための化学療法処置の前のラインを受けていた。例示的化学療法処置として、制限するものではないが、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンおよび白金ベースの化学療法が挙げられる。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、HR+またはTNBC患者は、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である。この側面のいくつかの態様では、癌は、例えば、制限するものではないが、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される。この側面のいくつかの態様では、患者は、遺伝子解析によってDNA損傷修復において欠乏を示すヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有すると決定される。DNA損傷修復における欠乏を示す好ましいLOHスコアは、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上を含む。DNA損傷修復における欠乏を示すさらに好ましいLOHスコアは、約14%以上を含む。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイおよびFoundation Medicine T5次世代シーケンシングアッセイが挙げられる。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、患者は、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有し、好ましくは、HRDスコアは、例えば、制限するものではないが、Myriad HRDまたはHRD Plusアッセイによって決定され得る。
この態様の別の側面では、およびこの態様の任意のその他の側面のうち1つと組み合わせて、患者は、PD−L1について、約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する。
別の態様では、本発明は、「発明の概要」の副題のもと、前記の段落に記載されるような癌を治療する方法であって、PD−1系結合アンタゴニストがRN888であり、PARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、患者に、一定量の化学療法薬または放射線療法を投与することをさらに含み、ここにおいて、量が全体で癌の治療において有効である、前記方法を対象とする。
別の態様では、本発明は、上記のような癌を治療する方法であって、PD−1系結合アンタゴニストがRN888であり、PARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、処置が、それだけには限らないが、客観的奏効率、完全奏効率、無増悪生存期間、奏効期間、r安定疾患期間、免疫関連の客観的奏効率、免疫関連完全奏効率、免疫関連無増悪生存期間、免疫関連奏効期間または免疫関連安定疾患期間を含む腫瘍奏効評価基準によって示されるような治療効果を提供する方法のいずれも対象とする。この態様の一側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%または60%以上の客観的奏効率または免疫関連客観的奏効率によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月 12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月または2年以上の無増悪生存期間または免疫関連無増悪生存期間によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、治療効果は、約4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月 11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月または2年以上の奏効期間、免疫関連奏効期間によって示される。この態様の別の側面では、および矛盾しない任意のその他の側面と組み合わせて、処置は、当技術分野におけるその他の同様の処置と比較して、薬物関連毒性もしくは免疫関連有害事象の出現が少ないことまたはグレード3以上の薬物関連毒性もしくは免疫関連有害事象の出現が少ないことによって示されるような利点をさらに提供する。
本発明は、本明細書において含まれる以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明および実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。本明細書において使用される技術用語は、単に特定の態様を説明する目的のものであり、制限であると意図されないということは理解されるべきである。さらに、本明細書において詳しく定義されない限り、本明細書において使用される技術用語は、関連技術分野において公知であるようなその伝統的な意味が与えられるべきであるということも理解されるべきである。
一般的な技術および定義
本明細書において記載され、言及される技術および手順は、全般的に十分に理解され、当業者によって従来の方法論、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第3版(2001年)Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology(F.M. Ausubelら編(2003年));the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.): PCR 2: A Practical Approach (M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor編(1995年)), HarlowおよびLane編(1988年) Antibodies, A Laboratory Manual, and Animal Cell Culture (R.I. Freshney編(1987年));Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait編、1984年);Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis編、1998年)Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney)編、1987年);Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P.E. Roberts、1998年)Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. GriffithsおよびD.G. Newell編、1993〜8)J. Wiley and Sons; Handbook of Experimental Immunology (D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. MillerおよびM.P. Calos編、1987年); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullisら編、1994年);Current Protocols in Immunology (J.E. Coliganら編、1991年);Short Protocols in Molecular Biology (WileyおよびSons、1999年);Immunobiology (C.A. JanewayおよびP. Travers、1997年);Antibodies (P.Finch、1997年);Antibodies: A Practical Approach (D. Catty編、1RL Press, 1988〜1989年); Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. ShepherdおよびC. Dean編、Oxford University Press、2000年);Using Antibodies: A Laboratory Manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999年);The Antibodies (M. ZanettiおよびJ. D. Capra編、Harwood Academic Publishers, 1995年);およびCancer: PrinciplesおよびPractice of Oncology(V.T. DeVitaら編、J.B. Lippincott Company, 1993年)に記載される広く利用される方法論などを使用して一般に採用されている。
一般的な技術および定義
本明細書において記載され、言及される技術および手順は、全般的に十分に理解され、当業者によって従来の方法論、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第3版(2001年)Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology(F.M. Ausubelら編(2003年));the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.): PCR 2: A Practical Approach (M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor編(1995年)), HarlowおよびLane編(1988年) Antibodies, A Laboratory Manual, and Animal Cell Culture (R.I. Freshney編(1987年));Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait編、1984年);Methods in Molecular Biology, Humana Press; Cell Biology: A Laboratory Notebook (J.E. Cellis編、1998年)Academic Press; Animal Cell Culture (R.I. Freshney)編、1987年);Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P.E. Roberts、1998年)Plenum Press; Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J.B. GriffithsおよびD.G. Newell編、1993〜8)J. Wiley and Sons; Handbook of Experimental Immunology (D.M. WeirおよびC.C. Blackwell編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J.M. MillerおよびM.P. Calos編、1987年); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullisら編、1994年);Current Protocols in Immunology (J.E. Coliganら編、1991年);Short Protocols in Molecular Biology (WileyおよびSons、1999年);Immunobiology (C.A. JanewayおよびP. Travers、1997年);Antibodies (P.Finch、1997年);Antibodies: A Practical Approach (D. Catty編、1RL Press, 1988〜1989年); Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. ShepherdおよびC. Dean編、Oxford University Press、2000年);Using Antibodies: A Laboratory Manual (E. Harlow and D. Lane (Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999年);The Antibodies (M. ZanettiおよびJ. D. Capra編、Harwood Academic Publishers, 1995年);およびCancer: PrinciplesおよびPractice of Oncology(V.T. DeVitaら編、J.B. Lippincott Company, 1993年)に記載される広く利用される方法論などを使用して一般に採用されている。
本発明がより容易に理解され得るように、特定の技術用語および科学用語が、以下に具体的に記載される。本文書中の別の場所に具体的に定義されない限り、本明細書において使用されるすべてのその他の技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
「約」とは、数的に定義されたパラメータ(例えば、PARP阻害剤もしくはPD−1系結合アンタゴニストの用量または本明細書において記載される併用療法を用いた処置時間の長さ)を修飾するために使用される場合、パラメータが、パラメータの標準値の上下10%程度で変わり得ることを意味する。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kgから5.5mg/kgの間で変わり得る。「約」とは、パラメータの列挙の開始時に使用される場合には、各パラメータを修飾することを意味する。例えば、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mgとは、約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgを意味する。同様に、約5%以上、10%以上、15%以上、20%以上および25%以上とは、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上および約25%以上を意味する。
「投与」および「処置」とは、動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、臓器または生物学的流体に適用される場合、動物、ヒト、被験体、細胞、組織、臓器または生物学的流体への外因性医薬剤、治療剤、診断剤または組成物の接触を指す。細胞の処置は、試薬の細胞への接触ならびに試薬の流体への接触を包含し、流体は、細胞と接触している。「投与」および「処置」はまた、例えば、細胞の、試薬、診断用化合物、結合化合物によるまたは別の細胞によるin vitroおよびex vivo処置を意味する。用語「対象」として、任意の生物、好ましくは、動物、より好ましくは、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコおよびウサギ)、最も好ましくは、ヒトが挙げられる。「処置」とは、臨床設定において使用される場合、有益なまたは所望の臨床結果を得るために意図される。本発明の目的上、有益なまたは所望の臨床結果として、それだけには限らないが、以下のうち1つまたは複数が挙げられる:新生物細胞または癌性細胞の増殖を低減すること(または破壊すること)、新生細胞の転移を阻害すること、腫瘍の大きさを縮小または減少すること、疾患(例えば、癌)の緩解、疾患(例えば、癌)に起因する症状を減少すること、疾患(例えば、癌)を患っているものの生活の質を増大すること、疾患(例えば、癌)を治療するために必要なその他の医薬の用量を減少させること、疾患(例えば、癌)の進行を遅延すること、疾患(例えば、癌)を治癒することおよび/または疾患(例えば、癌)を有する患者の生存を延長すること。
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどといった標的と特異的に結合可能である免疫グロブリン分子である。本明細書において、この用語は、無傷のポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その抗原結合断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、一本鎖(scFv)およびドメイン抗体(例えば、サメおよびラクダ科抗体を含む)および抗体を含む融合タンパク質および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意のその他の修飾された立体配置も包含する。抗体は、IgG、IgAまたはIgMなどの任意のクラス(またはそのサブクラス)の抗体を含み、抗体は任意の特定のクラスのものである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられ得る。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられ得る。種々のクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常領域は、それぞれアルファ、ベータ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。種々のクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は、周知である。
抗体の用語「抗原結合断片」または「抗原結合部分」とは、本明細書において、所与の抗原(例えば、PD−L1)と特異的に結合する能力を保持する1つまたは複数の無傷の抗体の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、無傷の抗体の断片によって実施され得る。用語、抗体の「抗原結合断片」内に包含される結合断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2、VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら、Nature 341巻:544〜546頁、1989年)および単離相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
標的(例えば、PD−L1タンパク質)と「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書において同義的に使用される)抗体、抗体コンジュゲートまたはポリペプチドは、当技術分野で十分に理解された用語であり、このような特異的または優先的結合を調べる方法も当技術分野では周知である。分子は、代替細胞または物質と行うよりも長い期間および/またはより大きな親和性で、特定の細胞または物質とより頻繁に、より迅速に反応または会合する場合に、「特異的結合」または「優先的結合」を示すといわれる。抗体は、その他の物質と結合するよりも、大きな親和性、結合力で、より迅速におよび/またはより長い期間結合する場合に、標的と「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、PD−L1エピトープと特異的に、または優先的に結合する抗体とは、その他のPD−L1エピトープまたは非PD−L1エピトープと結合するよりも、このエピトープと、より大きな親和性、結合力で、より容易におよび/またはより長い期間結合する抗体である。この定義を読むことによって、例えば、第1の標的と特異的に、または優先的に結合する抗体(または部分またはエピトープ)は、第2の標的と特異的に、または優先的に結合する場合も、結合しない場合もあるということも理解される。そのようなものとして、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的な結合を必ずしも必要としない(含み得るが)。全般的に、必ずしもそうではないが、結合への言及は、優先的結合を意味する。
抗体の「可変領域」とは、単独または組み合わせた、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。当技術分野で公知のように、重鎖および軽鎖の各可変領域は、超可変領域として知られる相補性決定領域(CDR)によって接続された4つのフレームワーク領域(FR)からなる。各鎖中のCDRは、FRによって近接して一緒にされ、他の鎖に由来するCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するための少なくとも2つの技術がある:(1)種間配列可変性に基づくアプローチ(すなわち、Kabatら Sequences of Proteins of Immunological Interest(第5版、1991年、米国国立衛生研究所、ミッドランド州、ベセスダ))および(2)抗原−抗体複合体の結晶学的研究に基づくアプローチ(Al−lazikaniら、1997年、J. Molec. Biol. 第273巻:927〜948頁)。本明細書において、CDRは、いずれかのアプローチによって、または両アプローチの組合せによって定義されたCDRを指す場合がある。
可変ドメインの「CDR」は、Kabat、Chothiaの定義、KabaおよびChothia両者の蓄積、AbM、接触および/もしくはコンホメーション定義または当技術分野で周知のCDR決定の任意の方法に従って同一である可変領域内のアミノ酸残基である。抗体CDRは、Kabatらによって元々定義された超可変領域として同定され得る。例えば、Kabatら、1992、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、NIH、Washington D.C.を参照のこと。CDRの位置はまた、Chothiaおよびその他によって元々記載された構造ループ構造として同定され得る。例えば、Chothiaら、Nature 第342巻:877〜883頁、1989年を参照のこと。CDR同定のためのその他のアプローチとして、KabatおよびChothia間の妥協であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(now Accelrys(登録商標))を使用して導かれる「AbM定義」またはMacCallumら、J. Mol. Biol.、262巻:732〜745頁、1996年に示される、観察された抗原接触をベースとするCDRの「接触定義」が挙げられる。CDRの「コンホメーション定義」と本明細書において呼ばれる別のアプローチでは、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピー寄与を行う残基として同定され得る。例えば、Makabeら、Journal of Biological Chemistry、283巻:1156〜1166頁、2008年を参照のこと。さらにその他のCDR境界定義は、上記のアプローチのうち1つを厳密に従わない場合もあるが、それにもかかわらず、特定の残基または残基の群またはさらには全CDRが、抗原結合に著しく影響を及ぼすことはないという予測または実験的知見を鑑みて、短縮または延長されることがあっても、Kabat CDRの少なくとも一部と重複するであろう。本明細書において、CDRは、アプローチの組合せを含む当技術分野で公知の任意のアプローチによって定義されるCDRを指すことがある。本明細書において使用される方法は、これらのアプローチのいずれかに従って定義されるCDRを利用し得る。2つ以上のCDRを含有する任意の所与の態様について、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触および/またはコンホメーション定義のうちいずれかに従って定義され得る。
「単離抗体」および「単離された抗体断片」とは、精製状態を指し、このような関連で、名付けられた分子は、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物などのその他の生体分子または細胞片および成長培地などのその他の材料を実質的に含まないことを意味する。一般に、用語「単離された」は、それらが、本明細書において記載されるような結合化合物の実験的または治療的使用に実質的に干渉する量で存在しない限り、このような材料の完全な不在または水、バッファーまたは塩の不在を指すものではない。
「モノクローナル抗体」または「mAb」または「Mab」とは、本明細書において、実質的に均一な抗体、すなわち、少量で存在し得る潜在的な天然に存在する突然変異を除いて、アミノ酸配列において同一である集団を含む抗体分子を指す。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、通常、その可変ドメイン、特に、そのCDR中に種々のアミノ酸配列を有する多数の種々の抗体を含み、これらは、種々のエピトープに対して特異的であることが多い。修飾語「モノクローナル」は、抗体の特徴が、抗体の実質的に均一な集団から得られていることを示し、任意の特定の方法による抗体の製造を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohlerら(1975年)Nature 256巻:495頁によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製されてもよく、または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号)によって作製されてもよい。「モノクローナル抗体」はまた、Clacksonら(1991年) Nature 352巻:624〜628頁およびMarksら(1991年)J. Mol. Biol. 222巻:581〜597頁に記載される技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離されてもよい。例えば、Presta (2005) J. Allergy Clin. Immunol. 116巻:731頁も参照のこと。
「キメラ抗体」とは、重鎖および/または軽鎖の部分が、特定の種(例えば、ヒト)に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列に対して同一または相同であり、一方で、鎖の残部が、別の種(例えば、マウス)に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列に対して同一または相同である抗体ならびに所望の生物活性を示す限りこのような抗体の断片を指す。
「ヒト抗体」とは、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。ヒト抗体は、マウスにおいて、マウス細胞において、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合にマウス炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」または「ラット抗体」とは、それぞれマウスまたはラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト(例えば、マウス)抗体ならびにヒト抗体に由来する配列を含有する抗体の形態を指す。このような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、通常2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、通常、ヒト免疫グロブリンのものを含む。接頭辞「hum」、「hu」または「h」は、ヒト化抗体を親のげっ歯類抗体から区別するために必要に応じて抗体クローン名に付加される。げっ歯類抗体のヒト化形態は、親のげっ歯類抗体の同一CDR配列を全般的に含むが、ヒト化抗体の親和性を増大し、安定性を増大するために、またはその他の理由のために特定のアミノ酸置換が含まれる場合もある。
「保存的に修飾されたバリアント」または「保存的置換」とは、タンパク質中のアミノ酸の、同様の特徴(例えば、電荷、側鎖の大きさ、疎水性/親水性、骨格コンホメーションおよび強剛性など)を有するその他のアミノ酸との置換を指し、その結果、タンパク質の生物活性またはその他の所望の特性、例えば、抗原親和性および/または特異性を変更することなく、変化が行われ得ることが多い。当業者には、一般に、ポリペプチドの非必須領域中の単一アミノ酸置換は、生物活性を実質的に変更しないということは認識される(例えば、Watsonら(1987) Molecular Biology of the Gene, The Benjamin/Cummings Pub. Co.、224頁(第4版))。さらに、構造的または機能的に同様のアミノ酸の置換は、生物活性を破壊する可能性が低い。例示的保存的置換は以下の表1に示されている。
用語「PD−1系結合アンタゴニスト」とは、本明細書で使用される場合、PD−1シグナル伝達系に対するシグナル伝達から生じるT細胞機能不全を除去するように、PD−1系結合パートナーとその結合パートナーのうちいずれか1つまたは複数との相互作用を阻害する分子を指し、T細胞機能を回復または増強させる結果となる。本明細書で使用する場合、PD−1系結合アンタゴニストは、PD−1結合アンタゴニスト、PD−L1結合アンタゴニストおよびPD−L2結合アンタゴニストを含む。
以下の表2は、本発明の処置方法、医薬および使用において使用するための例示的PD−1系結合アンタゴニストのアミノ酸配列のリストを提供する。mAb7およびmAb15について、CDRは、下線が引かれている。mAB7はまた、RN888またはPF−6801591として知られている。mAb7(aka RN888)およびmAb15は、国際特許公開第WO2016/092419号において開示されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
用語「PD−1結合アンタゴニスト」とは、本明細書において、PD−1とPD−L1、PD−L2などのその結合パートナーのうち1つまたは複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する分子を指す。いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、その結合パートナーへのPD−1の結合を阻害する分子である。特定の側面では、PD−1結合アンタゴニストは、PD−L1および/またはPD−L2へのPD−1の結合を阻害する。例えば、PD−1結合アンタゴニストには、PD−1とPD−L1および/またはPD−L2との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する抗PD−1抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、ならびに他の分子が含まれる。一態様では、PD−1結合アンタゴニストは、PD−1を通したTリンパ球媒介性シグナル伝達の際に発現される細胞表面タンパク質によって媒介される、またはそれを介したネガティブ同時刺激シグナルを低減させて、機能不全T細胞をあまり機能不全でないものにする。いくつかの態様では、PD−1結合アンタゴニストは、抗PD−1抗体である。特定の側面では、PD−1結合アンタゴニストはニボルマブである。別の特定の側面では、PD−1結合アンタゴニストは、ペムブロリズマブである。別の特定の側面では、PD−1結合アンタゴニストは、ピディリズマブである。
用語「PD−L1結合アンタゴニスト」は、本明細書において、PD−L1とPD−1、B7−1などのその結合パートナーのうちいずれか1つまたは複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する分子を指す。いくつかの態様では、PD−L1結合アンタゴニストは、PD−L1のその結合パートナーとの結合を阻害する分子である。特定の側面では、PD−L1結合アンタゴニストは、PD−L1の、PD−1および/またはB7−1との結合を阻害する。いくつかの態様では、PD−L1結合アンタゴニストとして、PD−L1とPD−1、B7−1などのその結合パートナーのうち1つまたは複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する、抗PD−L1抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチドならびに他の分子が挙げられる。一態様では、PD−L1結合アンタゴニストは、PD−L1を通したTリンパ球媒介性シグナル伝達の際に発現される細胞表面タンパク質によって媒介される、またはそれを介したネガティブ同時刺激シグナルを低減させて、機能不全T細胞をあまり機能不全でないものにする。いくつかの態様では、PD−L1結合アンタゴニストは、抗PD−L1抗体である。特定の側面では、抗PD−L1抗体は、アベルマブである。別の特定の側面では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブである。別の特定の側面では、抗PD−L1抗体は、デュルバルマブである。別の特定の側面では、抗PD−L1抗体は、BMS−936559(MDX−1105)である。
本明細書において、抗ヒトPD−L1抗体とは、成熟ヒトPD−L1特異的に結合する抗体を指す。成熟ヒトPD−L1分子は、以下の配列(配列番号16)のアミノ酸19〜290からなる:
以下の表3は、本発明の処置法、医薬および使用において使用するための抗PD−L1抗体アベルマブの配列を提供する。アベルマブは、国際特許公開第WO2013/079174号においてA09−246−2として開示されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
用語「PD−L2結合アンタゴニスト」は、本明細書において、PD−L2とPD−1などのその結合パートナーのうちいずれか1つまたは複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する分子を指す。いくつかの態様では、PD−L2結合アンタゴニストは、PD−L2のその結合パートナーとの結合を阻害する分子である。特定の側面では、PD−L2結合アンタゴニストは、PD−L2のPD−1との結合を阻害する。いくつかの態様では、PD−L2アンタゴニストは、PD−L2とPD−1などのその結合パートナーのうちいずれか1つまたは複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減少、遮断、阻害、無効化または干渉する、抗PD−L2抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、オリゴペプチドならびに他の分子が挙げられる。一態様では、PD−L2結合アンタゴニストは、PD−L2を通したTリンパ球媒介性シグナル伝達の際に発現される細胞表面タンパク質によって媒介される、またはそれを介したネガティブ同時刺激シグナルを低減させて、機能不全T細胞をあまり機能不全でないものにする。いくつかの態様では、PD−L2結合アンタゴニストは、PD−L2イムノアドヘシンである。
「PARP阻害剤」または「PARPi」は、ポリ(アデノシン二リン酸[ADP]−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の、DNAの一本鎖切断(SSB)を修復する機能を阻害する分子である。いくつかの態様では、PARP阻害剤は、900ダルトン未満の分子量を有する有機化合物である小分子である。いくつかの態様では、PARP阻害剤は、900ダルトンを超える分子量を有するポリペプチドである。いくつかの態様では、PARP阻害剤は、抗体である。いくつかの態様では、PARP阻害剤は、オラパリブ、ニラパリブ、BGB−290、タラゾパリブまたはオラパリブ、ニラパリブ、BGB−290もしくはタラゾパリブのその任意の医薬上許容される塩からなる群から選択される。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートである。一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブトシレートである。
「DNA損傷応答欠損陽性」または「DDR欠損陽性」は、本明細書において、個体または個体中の癌組織が、遺伝子解析によって決定されるように、DDR遺伝子のうち少なくとも1つにおいて生殖系列または体細胞遺伝子変更を有すると同定される状態を指す。本明細書において、DDR遺伝子は、その開示内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPearlら、Nature Reviews Cancer 15巻、166〜180頁(2015年)における追加材料の表3に含まれた遺伝子のいずれかを指す。例示的DDR遺伝子として、制限するものではないが、以下の表4に記載されるものが挙げられる。好ましいDDR遺伝子として、制限するものではないが、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCが挙げられる。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、FoundationOne遺伝子プロファイリングアッセイ(Framptonら、Nature Biotechnology、31巻、11号、1023〜1030頁、2013年)が挙げられる。
「ヘテロ接合性の消失スコア」または「LOHスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織におけるゲノムLOHのパーセンテージを指す。パーセンテージゲノムLOHおよびその算出は、Swisherら(The Lancet Oncology、18巻(1号):75〜87頁、2017年1月)に記載されており、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、Foundation MedicineのNGSベースのT5アッセイが挙げられる。
「相同組換え欠乏スコア」または「HRDスコア」は、本明細書において、個体の腫瘍組織における、ヘテロ接合性の消失(「LOH」)の加重されていない数的合計、テロメア対立遺伝子不均衡(「TAI」)および大規模状態遷移(「LST」)を指す。HRDスコアはLOHおよびLOHスコアと一緒に、ならびにその算出は、それらの開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTimmsら、Breast Cancer Res 2014年12月5日;16巻(6号):475頁、TelliらClin Cancer Res;22巻(15号);3764〜73頁2016年に記載されている。例示的遺伝子解析として、制限するものではないが、DNA塩基配列決定法、MyriadのHRDまたはHRD Plusアッセイが挙げられる(Mirzaら N Engl J Med 2016年12月1日;375巻(22号):2154〜2164頁、2016年)。
用語「腫瘍比率スコア」または「TPS」とは、本明細書において、サンプルの免疫組織化学試験において部分または完全膜染色を示す生存可能腫瘍細胞のパーセンテージを指す。本明細書において使用される「PD−L1発現の腫瘍比率スコア」は、サンプルのPD−L1発現免疫組織化学試験において部分または完全膜染色を示す生存可能腫瘍細胞のパーセンテージを指す。例示的サンプルとして、制限するものではないが、生体サンプル、組織サンプル、ホルマリンン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト組織サンプルおよびホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ヒト腫瘍組織サンプルが挙げられる。例示的PD−L1発現免疫組織化学試験として、制限するものではないが、PD−L1 IHC 22C3 PharmDx (FDA承認、Daco)、Ventana PD−L1 SP263アッセイおよび国際特許出願PCT/EP2017/073712に記載された試験が挙げられる。
用語「癌」、「癌性」または「悪性」とは、通常、未制御の細胞成長を特徴とする身体的状態を指すまたは説明する。癌の例として、それだけには限らないが、癌腫、リンパ腫、白血病、芽細胞腫および肉腫が挙げられる。このような癌のより好ましい例として、扁平上皮癌、骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(管)癌、腎癌、卵巣癌、肝臓癌、リンパ性白血病、リンパ性白血病、結腸直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、黒色腫、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、神経膠芽腫多形、子宮頸癌、脳癌、胃癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌腫および頭頸部癌が挙げられる。癌の別の特定の例として、腎細胞癌が挙げられる。
用語「処置すること」とは、本明細書において、特に断りのない限り、このような用語が適用される障害もしくは状態またはこのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を逆転させること、軽減すること、その進行を阻害すること、または防止することを意味する。
本発明に従う処置されるべき「患者」は、任意の温血動物、例えば、それだけには限らないが、ヒト、サルまたはその他の下等霊長類、ウマ、イヌ、ウサギ、モルモットまたはマウスを含む。例えば、患者はヒトである。医学の技術分野の当業者は、非小細胞肺癌に罹患している、および処置を必要としている個々の患者を容易に同定できる。
用語「治療レジメン」、「投薬プロトコール」および投薬計画は、本発明と組み合わせた、各治療薬の用量および投与のタイミングを指すために同義的に使用される。
「寛解させること」とは、処置を施されていないことと比較した、1つまたは複数の症状の減少または改善を意味する。「寛解させること」はまた、症状の持続期間の短縮または低減を含む。
「寛解させること」とは、処置を施されていないことと比較した、1つまたは複数の症状の減少または改善を意味する。「寛解させること」はまた、症状の持続期間の短縮または低減を含む。
本明細書において、薬物、化合物または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」は、任意の1つまたは複数の有益なまたは所望の結果を達成するのに十分な量である。予防的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、疾患の生化学的、組織学的および/または行動的症状、その合併症および疾患の発達の間に提示する中間の病理学的表現型を含む疾患の、リスクを排除することまたは低減すること、重症度を減少することまたは発生を遅延することを含む。治療的使用のためには、有益なまたは所望の結果は、罹患率の低減などの臨床結果または種々の疾患もしくは状態(例えば、癌など)の1つもしくは複数の症状の寛解、疾患を処置するために必要なその他の医薬の用量の減少、別の投薬の効果の増強および/または疾患の進行の遅延を含む。有効投与量は、1つまたは複数の投与で投与され得る。本発明の目的上、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、直接的または間接的のいずれかで予防的または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床関連で理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または医薬組成物とともに達成される場合もあり、そうではない場合もある。したがって、「有効投与量」は、1種または複数のその他の薬剤とともに、望ましい結果が達成され得る、または達成される場合には、1種または複数の治療薬を投与することに関連して考えられてもよく、単剤が有効量で与えられると考えられてもよい。
「腫瘍」とは、癌と診断された、またはそれを有すると疑われる対象に適用される場合、任意の大きさの悪性または悪性の可能性が高い新生物または組織腫瘤を指し、原発腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、普通、嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または腫瘤である。種々の種類の固形腫瘍が、それを形成する細胞の種類について名付けられている。固形腫瘍の例として、肉腫、癌腫およびリンパ腫がある。白血病(血液の癌)は、全般的に固形腫瘍を形成しない(国立癌研究所、癌用語の辞書)。
「腫瘍量」はまた、「腫瘍負荷」とも呼ばれ、身体中に分散された腫瘍材料の総量を指す。腫瘍量とは、リンパ節および骨髄を含む身体中の癌細胞の総数または腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍量は、当技術分野で公知の様々な方法によって、例えば、対象から除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、超音波、骨スキャン、コンピューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像処理(MRI)スキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することなどによって決定され得る。
用語「腫瘍の大きさ」とは、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍の大きさは、例えば、対象からの除去の際に、例えば、ノギスを使用して、または身体中にあって、画像処理技術、例えば、骨スキャン、超音波、CTまたはMRIスキャンを使用して腫瘍の寸法を測定することによってなど、当技術分野で公知の様々な方法によって決定され得る。
「個々の応答」または「応答」は、制限するものではないが、(1)減速または完全停止を含む、疾患進行(例えば、癌進行)のある程度までの阻害、(2)腫瘍の大きさの低減、(3)隣接末梢臓器および/または組織への癌細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)、(4)転移の阻害(すなわち、低減、減速または完全停止)(5)疾患または障害(例えば、癌)と関連する1つもしくは複数の症状のある程度までの軽減、(6)全生存および無増悪生存期間を含む生存の長さの増大または延長および/または(7)処置後所与の時点での死亡率の減少を含む、個体にとっての利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価され得る。
医薬を用いる処置に対する患者の「有効応答」または患者の「応答性」および同様の単語は、癌などの疾患または障害のリスクにある、またはそれを患っている患者に与えられる臨床的または治療的利益を指す。一態様では、このような利益は、生存(全生存および/または無増悪生存期間を含む)の延長、客観的奏効(完全奏効または部分奏効を含む)をもたらすことまたは癌の徴候もしくは症状を改善することのうち任意の1つまたは複数を含む。
「客観的奏効」とは、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な奏効を指す。いくつかの態様では、「客観的奏効率(ORR)」とは、完全奏効(CR)率および部分奏効(PR)率の合計を指す。
「完全奏効」または「CR」とは、本明細書において、処置に応じた癌のすべての徴候の消失(例えば、すべての標的病変の消失)を意味する。これは、癌が治癒されたことを常に意味するものではない。
本明細書において、「部分奏効」または「PR」とは、処置に応じた、1つもしくは複数の腫瘍もしくは病変の大きさ、または身体における癌の程度の減少を指す。例えば、いくつかの態様では、PRは、参照としてベースラインSLDをとりながらの、標的病変の最長径(SLD)の合計における少なくとも30%の減少を指す。
「持続奏効」とは、処置の休止後の腫瘍成長の低減に対する持続効果を指す。例えば、腫瘍の大きさは、医薬投与の開始時の大きさと比較して同一の大きさである場合も、より小さい場合もある。いくつかの態様では、持続奏効は、処置期間と少なくとも同一の期間、処置期間の少なくとも1.5×、2×、2.5×または3×の長さまたはそれより長い期間を有する。
本明細書において、「無増悪生存期間」(PFS)とは、処置されている疾患(例えば、癌)が悪化しない処置期間の間および処置期間後の時間の長さを指す。無増悪生存期間は、患者が完全奏効または部分奏効を起こした時間量ならびに患者が安定疾患を起こした時間量を含み得る。
いくつかの態様では、本明細書において使用されるような「客観的奏効」、「完全奏効」、「部分奏効」、「進行性の疾患」、「安定な疾患」、「無増悪生存期間」、「奏効の持続期間」を含む、癌を処置する方法の抗癌効果は、転移性CRPC以外の局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者においてRECIST v1.1を使用して(Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228〜47頁)、ならびに転移性CRPCを有する患者においてはRECIST v1.1およびPCWG3を使用して(Scherら、J Clin Oncol 2016年4月20日;34巻(12号):1402k−18)研究者によって定義され、評価されるとおりである。Eisenhauerら、Eur J of Cancer 2009年;45巻(2号):228〜47およびScherら、J Clin Oncol 2016年4月20日;34巻(12号):1402〜18頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。CRPCのX線検査による進行の決定に必要な例示的文書は、以下の表5に示されている。
いくつかの態様では、「免疫関連客観的奏効」(irOR)、「免疫関連完全奏効」(irCR)、「免疫関連部分奏効」(irCR)、「免疫関連進行性疾患」(irPD)、「免疫関連安定疾患」(irSD)、「免疫関連無増悪生存期間」(irPFS)、「免疫関連奏効期間」(irDR)を含む治療の抗癌効果は、本明細書において、転移性CRPCを有する患者以外の、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者についての免疫関連奏効判定基準(irRECIST、Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁)によって定義され、評価されるとおりである。Nishinoら J Immunother Cancer 2014年;2巻:17頁の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において、「全生存」(OS)とは、特定の期間後に生存している可能性が高い群中の個体のパーセンテージを指す。
「生存の延長」とは、未処置患者に対する(すなわち、医薬を用いて処置されない患者に対する)処置患者における全生存または無増悪生存期間の増大を意味する。
「生存の延長」とは、未処置患者に対する(すなわち、医薬を用いて処置されない患者に対する)処置患者における全生存または無増悪生存期間の増大を意味する。
本明細書において、「薬物関連毒性」、「注入関連反応」および「免疫関連有害事象」(「irAE」)およびその重症度またはグレードは、米国国立癌研究所の有害事象の一般技術用語判定基準v4.0(NCI CTCAE v4.0)に例示され、定義されるとおりである。
本明細書において、「と組み合わせて」または「とともに」とは、別の処置様式に加えたある処置様式の投与を指す。そのようなものとして、「と組み合わせて」または「とともに」とは、個体へのその他の処置様式の投与の前、その間またはその後のある処置様式の投与を指す。
「低用量量」とは、本明細書において、臨床設定において通常使用される量または用量よりも少ない、物質、薬剤、化合物または組成物の量または用量を指す。
用語「進行した」とは、本明細書において、固形腫瘍と関連する場合に、局所進行性(非転移性)疾患および転移性疾患を含む。治癒的意図を用いて処置される場合も、または処置されない場合もある局所進行性固形腫瘍および治癒的意図を用いて処置され得ない転移性疾患は、本発明において使用されるように、「進行した固形腫瘍」の範囲内に含まれる。当業者ならば、患者において進行した固形腫瘍を認識および診断できるであろう。
用語「進行した」とは、本明細書において、固形腫瘍と関連する場合に、局所進行性(非転移性)疾患および転移性疾患を含む。治癒的意図を用いて処置される場合も、または処置されない場合もある局所進行性固形腫瘍および治癒的意図を用いて処置され得ない転移性疾患は、本発明において使用されるように、「進行した固形腫瘍」の範囲内に含まれる。当業者ならば、患者において進行した固形腫瘍を認識および診断できるであろう。
本発明の目的上、「奏効期間」とは、薬物処置による腫瘍モデル成長阻害の実証からの、前処置成長率と同様の回復成長率の獲得の時間までの時間を意味する。
用語「相加的」は、2種の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤の組合せの結果は、個々に化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の合計と同等であることを意味するよう使用される。用語「相加的」は、個別の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の使用を上回る、処置されている疾患状態または障害の改善がないことを意味する。
用語「相加的」は、2種の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤の組合せの結果は、個々に化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の合計と同等であることを意味するよう使用される。用語「相加的」は、個別の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の使用を上回る、処置されている疾患状態または障害の改善がないことを意味する。
用語「相乗作用」または「相乗的」は、2種の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤の組合せの結果は、各薬剤を一緒にした合計よりも大きいことを意味するように使用される。用語「相乗作用」または「相乗的」とは、個別の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤各々の使用を上回る、処置されている疾患状態または障害の改善があることを意味する。処置されている疾患状態または障害のこの改善は、「相乗作用」である。「相乗的量」は、「相乗的」が、本明細書において定義されるように、相乗作用をもたらす2種の化合物、成分またはターゲッティングされる薬剤の組合せの量である。1種または2種の成分間の相乗的相互作用、効果の最適範囲および効果の各成分の絶対用量範囲を決定することは、処置を必要とする患者への種々のw/w(重量あたりの重量)比範囲および用量にわたる成分の投与によって決定的に測定され得る。しかし、in vitroモデルまたはin vivoモデルにおける相乗作用の観察は、ヒトおよびその他の種における効果の予測である可能性があり、in vitroモデルまたはin vivoモデルは、相乗作用を測定するために本明細書において記載されるように存在し、このような研究の結果はまた、薬物動態/薬力学的方法の適用によって、ヒトおよびその他の種において必要な有効用量および血漿中濃度比範囲および絶対用量および血漿中濃度を予測するために使用され得る。
「化学療法薬」は、癌の処置において有用な化合物である。化学療法薬の例として、チオテパおよびシクロホスファミド(シトキサン(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;エチレンイミンおよびアルトレタミンを含めたメチラメラミン(methylamelamines)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);δ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、マリナール(登録商標));β−ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)を含む)、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)および9−アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;ペメトレキセド;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;TLK−386;CDP323;経口α−4インテグリン阻害剤;サルコディクチン(sarcodictyin);スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamidea)、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムヌスチン(ranimnustine)などのニトロソウレア(nitrosureas);エネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンγ1IおよびカリケアマイシンωI1(例えば、Nicolaouら、Agnew、Chem Intl.Ed.Engl.、33巻:183〜186頁(1994年))などの抗生物質;ジネマイシンAを含めたジネマイシン;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連色素タンパク質エネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射(DOXIL(登録商標))およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロンおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンおよびイマチニブなどのピリミジン類似体(2−フェニルアミノピリミジン誘導体)ならびにその他のc−it阻害剤;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどのアンチアドレナール;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤(replenisher);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エトグルシド;硝酸ガリウム塩;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシンおよびアンサマイトシン(ansamitocins)などのマイタンシノイド(maytansinoids);ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン(triaziquone);2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T−2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジン(roridin)Aおよびアンギジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセル(ABRAXANE(商標))およびドキセタキセル(doxetaxel)(TAXOTERE(登録商標))のアルブミンを操作したナノ粒子製剤;クロランブシル(chloranbucil);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;ロイコボビン(leucovovin);ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体;ならびにシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾロンの併用療法の略語、CHOPならびにオキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を5−FUおよびロイコボビン(leucovovin)と組み合わせて用いる処置計画の略語、FOLFOXなどの上記のうち2種以上の組合せが挙げられる。
化学療法薬のさらなる例として、癌の成長を促進し得るホルモンの効果を調節、低減、遮断または阻害するように作用し、全身(systemic)または全身(whole−body)処置の形態であることが多い抗ホルモン剤が挙げられる。それらは、それ自体ホルモンであり得る。例として、例えば、タモキシフェン(NALVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびトレミフェン(FERESTON(登録商標))を含めた抗エストロゲン薬および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD);フルベストラント(FASLODEX(登録商標))などのエストロゲン受容体アンタゴニスト;卵巣を抑制またはシャットダウンするように機能する薬剤、例えば、酢酸ロイプロリド(LUPRON(登録商標)およびELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリンおよびトリプテレリンなどの黄体(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;フルタミド、ニルタミドおよびビカルタミドなどの抗アンドロゲン;副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、ホルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))およびアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))などが挙げられる。さらに、化学療法薬のこのような定義は、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))またはリセドロネート(ACTONEL(登録商標))などのビスホスホネート;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソレンヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えば、PKC−α、Raf、H−Rasおよび上皮成長因子受容体(EGF−R)などの、異常な(abherant)細胞増殖に関与しているシグナル伝達経路において遺伝子の発現を阻害するもの;THERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチンおよびVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));フルベストラントなどの抗エストロゲン;イマチニブまたはEXEL−0862(チロシンキナーゼ阻害剤)などのKit阻害剤;エルロチニブまたはセツキシマブなどのEGFR阻害剤;ベバシズマブなどの抗VEGF阻害剤;アリノテカン;rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));ラパチニブおよびラパチニブジトシラート(ErbB−2およびGW572016としても知られるEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤);17AAG(熱ショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体);ならびに上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体を含む。
「化学療法」とは、本明細書において、癌の処置のための上記で定義されるような化学療法薬または2、3もしくは4種の化学療法薬の組合せを指す。化学療法が、2種以上の化学療法薬からなる場合には、化学療法薬は、患者に、同一治療サイクルで同日にまたは異なる日に投与され得る。
「白金ベースの化学療法」とは、本明細書において、少なくとも1種の化学療法薬が、白金の配位化合物である化学療法を指す。例示的な白金ベースの化学療法として、制限するものではないが、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、シスプラチンと組み合わせたゲムシタビン、ペメトレメド(pemetremed)と組み合わせたカルボプラチンが挙げられる。
「白金ベースのダブレット」とは、本明細書において、2種および2種以下の化学療法薬を含む化学療法を指し、少なくとも1種の化学療法薬が、白金の配位化合物である。例示的な白金ベースのダブレットとして、制限するものではないが、シスプラチンと組み合わせたゲムシタビン、ペメトレキセドと組み合わせたカルボプラチンが挙げられる。
本明細書において、用語「全身抗癌療法」とは、癌の治療成績を変更する一般的意図をもって、世界のいずれかの国の規制機関によって、または世界のいずれかの国の規制機関の下で実施されたヒト臨床治験において承認された医薬品の全身投与を指す。全身抗癌療法として、それだけには限らないが、化学療法、ホルモン療法、ターゲッティングされた抗癌療法、癌ワクチン、腫瘍溶解性ワクチンおよび養子T細胞療法が挙げられる。
本明細書において、患者に投与されるカルボプラチンの量を記載する場合、用語「算出AUC3用量」、「算出AUC4用量」、「算出AUC5用量」、「算出AUC6用量」などは、2018年2月に更新されたNational Comprehensive Cancer Network(登録商標)(NCCN)Chemotherapy Order Templatesに記載されるように、それぞれ3、4、5および6mg分/mLである標的化曲線下面積(AUC)および患者の糸球体濾過速度(GFR、mL/min)に基づくCalvert式に従って算出されたカルボプラチンの量を指す:カルボプラチン用量(mg)=標的AUC(mg分/mL)×(GFR+25)。
本明細書において、用語「サイトカイン」とは、全般的に、細胞間媒介物質として別の細胞で作用する、またはタンパク質を産生する細胞上で自己分泌効果を有する、ある細胞集団によって放出されるタンパク質を指す。このようなサイトカインの例として、リンホカイン、モノカイン;インターロイキン(「IL」)、例えば、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2を含む、IL−1、IL−la、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15、IL−17A−F、IL−18〜IL−29(IL−23など)、IL−31;腫瘍壊死因子、例えば、TNF−αまたはTNF−β、TGF−l−3;ならびに白血病阻害剤因子(「LIF」)、繊毛様神経栄養因子(「CNTF」)、CNTF様サイトカイン(「CLC」)、カルジオトロフィン(「CT」)およびキットリガンド(「L」)を含むその他のポリペプチド因子が挙げられる。
本明細書において、用語「ケモカイン」とは、白血球の走化作用および活性化を選択的に誘導する能力を有する可溶性因子(例えば、サイトカイン)を指す。それらはまた、血管新生、炎症、創傷治癒および腫瘍発生のプロセスを誘発する。例示的ケモカインとして、IL−8、マウスケラチノサイト化学誘引物質(KC)のヒトホモログが挙げられる。
語句「医薬上許容される」は、物質または組成物が、ある処方を含むその他の成分および/またはそれで処置される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合しなくてはならないことを示す。
いくつかの態様は、本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩に関する。用語「医薬上許容される塩」とは、投与される生物に対して著しい刺激作用を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を抑止しない化合物の製剤を指す。特定の例では、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などといった酸と反応させることによって得られる。いくつかの場合には、医薬上許容される塩は、本明細書において記載される酸性基を有する化合物を、塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩、有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンの塩ならびにアルギニン、リシンなどといったアミノ酸を有する塩などの塩を形成することによって、またはこれまでに決定されたその他の方法によって得られる。
酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩もまた形成され得る。
適した塩に関する概説については、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, SelectionおよびUse by Stahl and Wermuth (Wiley−VCH, 2002)を参照のこと。本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩を作製する方法は、当業者にとって公知である。
適した塩に関する概説については、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, SelectionおよびUse by Stahl and Wermuth (Wiley−VCH, 2002)を参照のこと。本明細書において記載される化合物の医薬上許容される塩を作製する方法は、当業者にとって公知である。
用語「溶媒和物」は、本明細書において記載される化合物および1種または複数の医薬上許容される溶媒分子、例えば、水およびエタノールを含む分子複合体を説明するために本明細書において使用される。
本明細書において記載される化合物はまた、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在し得る。したがって、いくつかの態様は、本明細書において記載される化合物の水和物および溶媒和物に関する。
1個または複数の不斉炭素原子を含有する本明細書において記載される化合物が、2以上の立体異性体として存在し得る。本明細書において記載される化合物が、アルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合には、幾何的シス/トランス(またはZ/E)異性体があり得る。構造異性体が低エネルギー障壁を介して相互交換できる場合には、互換異性的異性(「互換異性」)が生じ得る。これは、例えば、イミノ、ケトまたはオキシム基を含有する本明細書において記載される化合物においてプロトン互換異性または芳香族部分を含有する化合物においては、いわゆる平衡互換異性の形態をとり得る。単一化合物が、2種以上の異性を示し得る。
本明細書において記載される態様の化合物は、本明細書において記載される化合物のすべての立体異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)ならびにすべての光学異性体(例えば、RおよびSエナンチオマー)ならびにこのような異性体のラセミ、ジアステレオマーおよびその他の混合物を含む。すべての立体異性体が、本発明者らの特許請求の範囲の範囲内に包含されるが、当業者は、特定の立体異性体が好ましいものであり得ることを認識する。
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物は、エノールおよびイミン形態ならびにケトおよびエナミン形態ならびに幾何異性体およびそれらの混合物を含むいくつかの互換異性形態で存在することができる。すべてのこのような互換異性形態は、本態様の範囲内に含まれる。互換異性体は、溶液中に互換異性セットの混合物として存在する。固体形態では、普通、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されてもよいとしても、本態様は、本化合物のすべての互換異性体を含む。
2種以上の異性を示す化合物およびそれらの1種または複数の混合物を含む本明細書において記載される化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互換異性形態が、本態様の範囲内に含まれる。また、対イオンが光学的に活性である、酸付加物または塩基性塩、例えば、d−乳酸塩もしくはl−リシンまたはラセミ、例えば、dl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニンも含まれる。
本態様はまた、本明細書において記載される化合物のアトロプ異性体も含む。アトロプ異性体は、回転が制限された異性体に分離され得る化合物を指す。
シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化によって分離され得る。
シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化によって分離され得る。
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来技術として、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、適した光学的に純粋な前駆体からのキラル合成またはラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は、適した光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または本明細書において記載される化合物が、酸性または塩基性部分を含有する場合には、1−フェニルエチルアミンまたは酒石酸などの塩基または酸と反応されてもよい。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって分離されてもよく、ジアステレオ異性体の一方または両方が、当業者に周知の手段によって対応する純粋なエナンチオマーに変換されてもよい。
特に断りのない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配する。本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」などの変形は、述べられた整数または整数の群の包含を意味するが、他の整数または整数の群の除外を意味しないと理解される。文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。本明細書において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段の指示がない限り、複数の参照を含む。例えば、「賦形剤」は、1種または複数の賦形剤を含む。本明細書で記載される本発明の側面および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」側面および変形を含むことが理解される。
例示的な方法および材料が本明細書に記載されているが、本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料も、本発明の実施または試験において使用され得る。材料、方法、および例は、単なる例示であり、限定することを意図していない。
方法、使用および医薬
本発明に従って、一定量の第1の化合物または成分、例えば、PARP阻害剤は、一定量の第2の化合物または成分、例えば、PD−1系結合アンタゴニストと組み合わされ、量は全体で、非小細胞肺癌の処置において有効である。一緒になって有効である量は、処置されている障害の症状のうち1つまたは複数をある程度まで軽減する。癌の処置に関して、有効量とは、(1)腫瘍の大きさを低減する、(2)腫瘍転移の発生を阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度まで阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、および/または(4)癌と関連する徴候または症状のうち1種または複数をある程度まで軽減する(または好ましくは、排除する)効果を有する量を指す。用量および投与計画の治療的または薬理学的有効性はまた、これらの特定の腫瘍を有する患者において疾患管理および/または全生存を誘導、増強、維持または延長する能力として特性決定され得、これらは、疾患進行前の時間の延長として測定され得る。
方法、使用および医薬
本発明に従って、一定量の第1の化合物または成分、例えば、PARP阻害剤は、一定量の第2の化合物または成分、例えば、PD−1系結合アンタゴニストと組み合わされ、量は全体で、非小細胞肺癌の処置において有効である。一緒になって有効である量は、処置されている障害の症状のうち1つまたは複数をある程度まで軽減する。癌の処置に関して、有効量とは、(1)腫瘍の大きさを低減する、(2)腫瘍転移の発生を阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度まで阻害する(すなわち、ある程度まで減速する、好ましくは、停止する)、および/または(4)癌と関連する徴候または症状のうち1種または複数をある程度まで軽減する(または好ましくは、排除する)効果を有する量を指す。用量および投与計画の治療的または薬理学的有効性はまた、これらの特定の腫瘍を有する患者において疾患管理および/または全生存を誘導、増強、維持または延長する能力として特性決定され得、これらは、疾患進行前の時間の延長として測定され得る。
一態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤を、癌の処置において有効である一定量のPD−1系結合アンタゴニストと組み合わせて投与することを含む方法に関する。さらなる態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌において有効である、前記方法に関する。別の態様では、本発明は、癌の処置において使用するためのPARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストの組合せに関する。別の態様では、本発明は、癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与することを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において相互作用を達成する、前記方法に関する。別の態様では、本発明は、癌の処置のためのPARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストの組合せに関し、組合せは、相乗的である。一態様では、本発明の方法または使用は、ターゲッティングされる治療薬の相乗的組合せ、具体的には、PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストに関する。この段落のすべての態様の一側面では、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレート塩であり、PD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブである。
当業者ならば、既知の方法に従って、本発明の組み合わせで使用される各化合物の適切な量、用量または投与量を、年齢、体重、一般的な健康状態、投与された化合物、投与経路、処置を必要とする非小細胞肺癌の性質と進行、および他の医薬の存在などの因子を考慮して決定し、患者に投与できるであろう。
一態様では、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートは、約0.1mg〜約2mgの一日投与量で1日に1回、好ましくは、約0.25mg〜約1.5mgで1日1回、より好ましくは、約0.5〜約.01mgで1日1回投与される。一態様では、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートは、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mgの一日投与量で1日1回投与される。本明細書において提供される投与量とは、タラゾパリブの遊離塩基形態の用量を指し、投与されるタラゾパリブ塩形態の遊離塩基当量として算出される。例えば、0.5、0.75mgまたは1.0mgなどのタラゾパリブの投与量または量とは、遊離塩基当量を指す。この投与計画は、最適治療応答を提供するように調整され得る。例えば、用量は、治療状況の緊急性によって示されるように、比例して減少または増加され得る。
本発明の方法の実施は、様々な投与または投与計画を通じて達成され得る。本発明の組合せの化合物は、断続的に、同時に、または逐次投与され得る。一態様では、本発明の組合せの化合物は、同時投与計画で投与され得る。
癌細胞の所望の低減または減少を達成するために必要に応じて投与または投与計画の反復が実施され得る。「連続投薬スケジュール」とは、本明細書において、用量中断がない、例えば、処置なしの日がない投与または投与計画である。処置サイクルの間に用量中断がない21または28日の処置サイクルの反復は、連続投薬スケジュールの一例である。一態様では、本発明の組合せの化合物は、連続投薬スケジュールで投与され得る。一態様では、本発明の組合せの化合物は、連続投薬スケジュールで同時投与され得る。
一態様では、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートであり、28日の完全サイクルを含むように1日1回投与される。28日サイクルの反復は、本発明の組合せを用いる処置の間継続される。
一態様では、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩、好ましくは、そのトシレートは、21日の完全サイクルを含むように1日1回投与される。21日サイクルの反復は、本発明の組合せを用いる処置の間継続される。
いくつかの態様では、PD−1系結合アンタゴニストは、アベルマブであり、処置の過程を通じて、約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/kgの用量で静脈内投与される。いくつかの態様では、アベルマブは、処置の過程を通じて約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で、約80、150、160、200、240、250、300、320、350、400、450、480、500、550、560、600、640、650、700、720、750、800、850、880、900、950、960、1000、1040、1050、1100、1120、1150、1200、1250、1280、1300、1350、1360、1400、1440、1500、1520、1550または1600mg、好ましくは、800mg、1200mgまたは1600mgのフラット用量として投与される。特定の態様では、対象は、本明細書において記載されるPD−1系結合アンタゴニストのいずれかを含む医薬の静脈(IV)注射が投与される。特定の態様では、対象は、本明細書において記載されるPD−1系結合アンタゴニストのいずれかを含む医薬の皮下(SC)注射が投与される。
いくつかの態様では、PD−1系結合アンタゴニストは、RN888であり、処置の過程を通じて、約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で約1、2、3、4、5、6、7または8mg/kgの用量で皮下投与される。いくつかの態様では、RN888は、約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で約80、150、160、200、240、250、300、320、350、400、好ましくは、300mgのフラット用量として投与される。いくつかの態様では、RN888は、300mg Q4Wの量で皮下投与される。
本発明の組合せの化合物の投与は、作用の部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって達成され得る。これらの方法として、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内注射または注入)、局所および直腸投与が挙げられる。
本発明の組合せの方法の化合物は、投与の前に製剤化されてもよい。製剤化は、好ましくは、特定の投与様式に適応される。これらの化合物は、当技術分野で公知のような医薬上許容される担体とともに製剤化され、当技術分野で公知のような様々な投与形で投与され得る。本発明の医薬組成物の作製において、有効成分は、普通、医薬上許容される担体と混合され、または担体によって希釈される、または担体内に封入される。このような担体として、それだけには限らないが、固体希釈剤または充填剤、賦形剤、滅菌水性媒体および種々の非毒性有機溶媒が挙げられる。投与単位形態または医薬組成物として、錠剤、カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、水性および非水性経口溶液および懸濁液、ロゼンジ剤、トローチ剤、ハードキャンディ、噴霧剤、クリーム剤、軟膏(salves)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏(ointment)、注射用溶液、エリキシル、シロップおよび個々の用量への細分に適応された容器中にパッケージングされた非経口溶液が挙げられる。
非経口製剤として、医薬上許容される水性または非水溶液、分散物、懸濁液、エマルジョンおよびその調製のための滅菌散剤が挙げられる。担体の例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、植物油および注射用有機エステル、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。流動性は、レシチンなどのコーティング、界面活性剤または維持に適当な粒径などの使用によって維持され得る。例示的非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。このような投与形は、必要に応じて適宜緩衝され得る。
さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、打錠目的で有用であることが多い。同様の種類の固体組成物はまた、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルにおいて使用され得る。好ましい材料は、したがって、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために、水性懸濁液またはエリキシルが望まれる場合には、活性化合物を、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に、種々の甘味料または香味剤、着色物質または染料と、必要に応じて、乳化剤または懸濁剤とも同様に組み合わせてもよい。
指定量の活性化合物を用いて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者には公知であり、明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第15版(1975年)を参照のこと。
本発明はまた、本発明の組合せの治療薬および治療薬の投与のための書面による説明書を含むキットに関する。一態様では、書面による説明書は、例えば、本発明の治療薬の同時または逐次投与について、治療薬の投与様式を詳述し、認定する。一態様では、書面による説明書は、例えば、28日サイクルの間の治療薬各々の投与日を指定することによって、治療薬の投与様式を詳述し、認定する。
開示された教示は、様々な適用、方法、キットおよび組成物を参照して説明されたが、本明細書の教示および以下の特許請求される本発明から逸脱することなく、様々な変法および改変がなされ得ることは理解される。前述の例は、開示された教示をよりよく示すために提供されており、本明細書に提示された教示の範囲を限定することを意図していない。本教示はこれらの例示的な態様に関して説明されてきたが、当業者ならば、これらの例示的な態様の多数の変法および改変が過度の実験なしに可能であることを容易に理解されよう。そのようなすべての変法および改変は、現在の教示の範囲内である。
特許、特許出願、論文、教科書などを含む、本明細書で引用されるすべての参考文献、およびそれらで引用されている参考文献は、それらがすでに組み込まれていない限り、参照により全体が本明細書に組み込まれる。組み込まれた文献および類似の材料のうち1つまたは複数が、それだけには限らないが、定義された用語、用語の使用法、説明された技術などを含む本出願と異なるまたは矛盾する場合、本出願が支配する。
前述の説明および実施例は、本発明の特定の態様を詳述し、本発明者によって企図された最良の様式を説明している。しかし、前述のものが本文においてどのように詳細に現れようとも、本発明は多くの方法で実施され得、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその任意の等価物に従って解釈されなくてはならないことは理解されよう。
実施例1
タラゾパリブおよびアベルマブの組合せの臨床研究
本実施例は、NSCLC、TNBC、HR+乳癌、再発性白金感受性卵巣癌、尿路上皮癌(UC)および去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を含む、局所進行性(原発性または再発性)または転移性固形腫瘍を有する成人患者における、アベルマブの、タラゾパリブと組み合わせた第1b/2相、オープンラベル多施設臨床治験研究を例示する。合計で最大296人の患者が、この研究に登録される。
治験の1b相パート−用量レベルコホート
この研究の第1b相部分の間、適格性判定基準を満たす、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者を、経口QD投与される最大3種の異なる用量のタラゾパリブ(0.5mg、0.75mgまたは1.0mg)のうち1種を、固定用量のアベルマブ800mg IV Q2Wと組み合わせて用いて処置し、用量制限毒性(DLT)について評価する。アベルマブおよびタラゾパリブ組合せは、28日サイクルで投与する。DLT評価期間は、28日(すなわち、サイクル1)となる。標的登録サイズは、3〜6人の患者とする。
タラゾパリブおよびアベルマブの組合せの臨床研究
本実施例は、NSCLC、TNBC、HR+乳癌、再発性白金感受性卵巣癌、尿路上皮癌(UC)および去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を含む、局所進行性(原発性または再発性)または転移性固形腫瘍を有する成人患者における、アベルマブの、タラゾパリブと組み合わせた第1b/2相、オープンラベル多施設臨床治験研究を例示する。合計で最大296人の患者が、この研究に登録される。
治験の1b相パート−用量レベルコホート
この研究の第1b相部分の間、適格性判定基準を満たす、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者を、経口QD投与される最大3種の異なる用量のタラゾパリブ(0.5mg、0.75mgまたは1.0mg)のうち1種を、固定用量のアベルマブ800mg IV Q2Wと組み合わせて用いて処置し、用量制限毒性(DLT)について評価する。アベルマブおよびタラゾパリブ組合せは、28日サイクルで投与する。DLT評価期間は、28日(すなわち、サイクル1)となる。標的登録サイズは、3〜6人の患者とする。
出発用量レベルは、1.0mgタラゾパリブQDおよび800mgアベルマブQ2Wとする。評価されるべき組合せの用量レベルは、表6に含まれている。
第1b相では、治療関連毒性以外の理由のためにサイクル1において治験薬の計画された用量の少なくとも75%を受け取る前に研究治療から離脱したDLTを有さない患者は、DLTについて評価可能ではない。DLT評価可能と考えられない患者を置き換えるために、指定の登録コホートにおいてさらなる患者が登録される。
第1b相部分は、少なくとも12人のDLT評価可能患者が最高用量を用いて処置され、0.33未満のDLT率を伴った時点で完了される。第1b相部分の早期完了は、9人以上のDLT評価可能患者が、同一用量レベルを用いて処置され、DLTの発生がない時点で、0.33未満のDLT率は、満たされるので到達され得る。第1b相部分が完了されると、組合せの推奨第2相用量が決定され、第2相部分が開始される。改変毒性確率間隔(mTPI)法を使用して、第1b相においておよそ12〜36人の患者が登録されると予測される。
治験の第2相部分−拡大コホート
研究の第1b相部分から生じる全体的な利用可能なデータ(安全性および予備的抗腫瘍活性を含む)は、研究の第2相部分における患者の登録の開始前に評価される。この研究の第2相部分は、推奨第2相用量でのアベルマブおよびタラゾパリブ組合せの安全性および予備的抗腫瘍活性をさらに評価し、これは、それだけには限らないが、表6に記載される3種の投与計画のうちの1つであり得る。第2相拡大コホートは、表7により詳細に記載されるように、局所進行性(原発性または再発性)または転移性NSCLC、TNBC、HR+乳癌、卵巣癌、UCおよびCRPCを有する患者を含む。第2相において最大でおよそ260人の患者が登録されると予測される。
治験の第2相部分−拡大コホート
研究の第1b相部分から生じる全体的な利用可能なデータ(安全性および予備的抗腫瘍活性を含む)は、研究の第2相部分における患者の登録の開始前に評価される。この研究の第2相部分は、推奨第2相用量でのアベルマブおよびタラゾパリブ組合せの安全性および予備的抗腫瘍活性をさらに評価し、これは、それだけには限らないが、表6に記載される3種の投与計画のうちの1つであり得る。第2相拡大コホートは、表7により詳細に記載されるように、局所進行性(原発性または再発性)または転移性NSCLC、TNBC、HR+乳癌、卵巣癌、UCおよびCRPCを有する患者を含む。第2相において最大でおよそ260人の患者が登録されると予測される。
研究の重要患者組み入れ基準
研究に登録される患者は、治癒的意図を有する処置に適していない局所進行性(原発性または再発性)または転移性固形腫瘍の組織学的診断を有さなくてはならない。さらなる基準は、以下により詳細に記載されている。
研究に登録される患者は、治癒的意図を有する処置に適していない局所進行性(原発性または再発性)または転移性固形腫瘍の組織学的診断を有さなくてはならない。さらなる基準は、以下により詳細に記載されている。
第1b相および第2相コホートA1およびA2におけるNSCLCについて、患者は、局所進行性または転移性NSCLCのための0〜2つの前の白金ベースの化学療法レジメンを受けなくてはならない。白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置されている場合には、NSCLC患者は、処置の際に進行してはならず、白金ベースの化学療法の中断後の疾患進行は許容される。NSCLC患者は、NSCLCにおいてEGFR突然変異、ALK転座/再編成またはc−ros癌遺伝子1(ROS1)転座/再編成を活性化していてはならない。非扁平細胞組織学は、状態が未知である場合試験を必要とする。
NSCLCコホートA2について、患者はまた、研究登録前1年以内に実施された生検/手術から得た腫瘍組織での22C3 PD−L1 mAbまたはSP263 PD−L1 mAbベースの免疫組織学的分析を使用して地方の臨床検査によって決定された、PD−L1についてこれまでに実証された腫瘍比率スコア(TPS)≧50%を有さなくてはならず、その時間の間、患者は、全身抗癌処置への介入を全く受けなかった。
第1b相TNBCコホートについて、患者は、局所進行性または転移性乳癌のための、少なくとも1つの前の化学療法レジメンを受けなくてはならなかった。前のホルモン療法の数またはターゲッティングされる抗癌療法、例えば、ラパマイシン(mTOR)またはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤または血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の哺乳動物標的の数に制限はない。ネオアジュバント/アジュバント白金ベースの化学療法を用いて以前に処置された場合は、第1b相TNBC患者は、白金ベースの化学療法の処置の際にまたは停止後6ヶ月内に進行してはならない。進行性/転移性状況において白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合には、第1b相TNBC患者は、最新の白金ベースの化学療法を用いる処置の際に進行してはならない。
第2相TNBCコホートB1について、患者は、0〜2つの前の化学療法レジメン、局所進行性または転移性乳癌のためのレジメンを受け取らなくてはならなかった。前のホルモン療法または標的化された抗癌療法の数、例えば、ラパマイシン(mTOR)またはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤、または血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の哺乳動物標的の数に関して制限はない。ネオアジュバント/アジュバント白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合には、患者は、処置の際または白金ベースの化学療法を停止した後6ヶ月以内に進行してはならない。進行性/転移性状況において白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合には、患者は、最新の白金ベースの化学療法を用いる処置の際に進行してはならない。
第2相ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌コホートB2のみについて、患者は、中央検査室に提出されたFFPE腫瘍組織からFoundation MedicineのFoundation Oneアッセイによって決定されるように、DDR欠損陽性疾患を有さなくてはならない。この組織は、この研究の一部として獲得された必須の腫瘍生検または研究登録前1年以内に実施された生検/手術からの保存腫瘍組織から採取されるべきであり、その時間の間、患者は、全身抗癌処置への介入を全く受けなかった。患者は、標準ホルモン療法後に局所進行性または転移性乳癌のための0−2つの前の化学療法レジメンを受けなくてはならなかった。前のホルモン療法またはmTORまたはCDK4/6阻害剤またはVEGFなどのターゲッティングされた抗癌療法に関して制限はない。ネオアジュバント/アジュバント白金ベースのものを用いてこれまでに処置された場合には、患者は、処置の際または白金ベースの化学療法を停止後6ヶ月以内に進行してはならない。進行性状況において白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合には、患者は、最新の白金ベースの化学療法を用いる処置の際に進行してはならない。
第1b相における再発性上皮卵巣癌患者について、患者は、少なくとも1つの前の白金ベースの化学療法レジメンを用いてこれまでに処置されていなくてはならず、処置の際に疾患進行せず(白金不応性)、最後の白金ベースの化学療法の停止後6ヶ月内に疾患進行しなかった(白金抵抗性再発性)。
第2相再発性上皮卵巣癌、コホートC1およびC2について、患者は、1〜2つの、前の白金ベースの化学療法レジメンを用いてこれまでに処置され、その最後の処置として白金ベースの化学療法を受け取っていなくてはならず、処置の際または最後の白金ベースの化学療法の停止後6ヶ月以内に疾患進行はない(「白金感受性再発性疾患」とも呼ばれる)。コホートC2について、患者は、地方の検査室でのFDA(または同等の規制当局)によって承認されている臨床診断検査からのこれまでの検査結果に基づいて、生殖系列または体細胞BRCA1またはBRCA2遺伝子欠損を有するはずである。
第1b相における膀胱、尿道、尿管または腎盂研究を含む尿路上皮(UC)の移行上皮癌について、患者は、局所進行性または転移性UCのための少なくとも1つの前の全身白金ベースの化学療法レジメンを受け取っていなくてはならない、または白金ベースの化学療法にとって不適格でなくてはならない。白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合、患者は、処置の際に進行してはならず、白金ベースの化学療法の中断後の疾患進行が必要である。
膀胱、尿道、尿管または腎盂を含む尿路上皮(UC)の移行上皮癌、研究第2相、コホートDについて、患者は、局所進行性または転移性UCのための、0〜2つの前の全身白金ベースの化学療法レジメンを受けていなくてはならない。白金ベースの化学療法を用いてこれまでに処置された場合には、患者は、処置の際に進行してはならず、白金ベースの化学療法の中断後の疾患進行は許容される。
神経内分泌分化、印環(signet)細胞または小細胞特徴を伴わないCRPCについて、第1b相および第2相コホートE1およびE2の研究において、患者は、転移性疾患を有するはずである。疾患の広がりが局所骨盤リンパ節(大動脈分岐の下)に限定された患者は、骨スキャンで骨転移が存在しない限り適格ではない。患者は、転移性前立腺癌のための少なくとも1つのタキサンベースのレジメンを含む1〜2つの前の化学療法レジメンを受けていなくてはならない。患者は、転移性CRPCの処置のための、新規ホルモン療法(エンザルタミドおよび/または酢酸アビラテロン/プレドニゾン)の少なくとも1つのラインの際に進行してはならない。血清テストステロン≦1.73nmol/L(50ng/dL)。両側精巣摘出術またはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト/アンタゴニストを用いる進行中のアンドロゲン欠乏療法(外科的または内科的去勢)が必要である。患者は、以下の3つの判定基準のうち1つまたは複数として定義される登録時の進行性疾患を有さなくてはならない:(1)決定の間に少なくとも1週間の間隔を有するPSA値の最小で3の上昇。単にPSA進行によって認定する場合には、スクリーニングPSA値は、≧2μg/L(2ng/mL)でなくてはならず、(2)RECIST v1.1によって定義されるような軟組織疾患進行または(3)骨スキャンの際に2以上の新規転移病巣を有する前立腺がんワーキンググループ(Prostate Cancer Working Group)3(PCWG3)によって定義される骨疾患進行。
コホートE2について、患者の疾患はまた、中央検査室に提出されたFFPE腫瘍組織からFoundation MedicinesのFoundation Oneアッセイによって決定されるようにDDR欠損陽性でなくてはならない。この組織は、この研究の一部として獲得された必須の腫瘍生検または研究登録前1年以内に実施された生検/手術からの保存腫瘍組織から採取されるべきであり、その時間の間、患者は、全身抗癌処置への介入を全く受けなかった。骨の外側に生検可能な病変を有さない患者については、研究登録前5年以内に実施された生検/手術からの保存腫瘍組織が提供されなくてはならない。組織は、スライドまたはブロックとして送られ得る。
腫瘍応答評価
抗腫瘍活性は、胸部、腹部、骨盤、脳(脳転移が確認されるまたは臨床上疑われる場合には)などの疾患部位とわかっている、または疾患部位と疑われるすべてまたは全身で、CTまたはMRIによる放射線腫瘍評価による評価となろう。CRPCを有する患者を除くすべての腫瘍種について、このような評価は、ベースラインで、処置の間8週間毎に、研究の開始から1年間、次いで、その後の抗癌療法の開始に関わらず疾患進行まで16週間毎に行われる。さらに、骨スキャン(好ましい方法)または18フルオロデオキシグルコース陽電子放射型断層撮影(18F FDG PET)/CTは、ベースラインで、次いで、ベースラインで骨転移が存在する場合にのみ、研究処置の初年について16週間毎およびその後24週間毎に必要となる。
腫瘍応答評価
抗腫瘍活性は、胸部、腹部、骨盤、脳(脳転移が確認されるまたは臨床上疑われる場合には)などの疾患部位とわかっている、または疾患部位と疑われるすべてまたは全身で、CTまたはMRIによる放射線腫瘍評価による評価となろう。CRPCを有する患者を除くすべての腫瘍種について、このような評価は、ベースラインで、処置の間8週間毎に、研究の開始から1年間、次いで、その後の抗癌療法の開始に関わらず疾患進行まで16週間毎に行われる。さらに、骨スキャン(好ましい方法)または18フルオロデオキシグルコース陽電子放射型断層撮影(18F FDG PET)/CTは、ベースラインで、次いで、ベースラインで骨転移が存在する場合にのみ、研究処置の初年について16週間毎およびその後24週間毎に必要となる。
CRPCを有する患者について、胸部、腹部、骨盤、骨、脳(脳転移が確認されるまたは臨床上疑われる場合には)などの疾患部位とわかっている、または疾患部位と疑われるすべてまたは全身で、CTまたはMRIおよび骨スキャンは、ベースラインで、処置の間、研究処置の開始から24週間8週間毎に、次いで、その後、その後の抗癌療法の開始に関わらず、疾患進行まで12週間毎に行われる。
CRPCを除く局所進行性または転移性固形腫瘍の応答の評価は、RECIST v1.1およびirRECISTを使用して行われる。CRPCについては、研究者は、RECIST v1.1によって軟組織疾患の応答を評価する。骨疾患は、RECIST v1.1によって評価される非標的病変と考えられないが、PCWG3によって進行性疾患について評価される。CRPCのX線検査による進行の決定のために必要な文書は、「X線検査による進行の証拠についての判定基準」と題された表5に示されている。
卵巣癌を有する患者については、血液は、処置の最後まで28日の各処置サイクルの第1日目に採取され、患者の疾患をモニタリングするために癌抗原125(CA−125)試験のために地方の検査室で解析される。CA−125試験結果の上昇は、疾患進行が疑われるために放射線腫瘍評価の要因となるはずである。
CRPCを有する患者については、血液は、処置の最後まで28日の各処置サイクルの第1日目に採取され、患者の疾患をモニタリングするために前立腺特異的抗原(PSA)について地方の検査室で解析される。PSA試験結果の上昇は、疾患進行が疑われるために放射線腫瘍評価の要因となるはずである。
実施例2
これまで処置されていない進行性卵巣癌における、アベルマブの、化学療法と組み合わせた有効性および安全性を評価する第3相臨床研究と、それに続くアベルマブの、PARP阻害剤タラゾパリブ、特に、タラゾパリブトシレートと組み合わせた療法の維持。
これまで処置されていない進行性卵巣癌における、アベルマブの、化学療法と組み合わせた有効性および安全性を評価する第3相臨床研究と、それに続くアベルマブの、PARP阻害剤タラゾパリブ、特に、タラゾパリブトシレートと組み合わせた療法の維持。
最小360人のDNA損傷修復に欠損を有する(DDR+)腫瘍を有する患者を含む、根底にある癌について処置されていないおよそ720人の、組織学的に確認されたステージIII〜IV上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌を有する患者(米国癌合同委員会(AJCC)/ UICC TNMおよび国際婦人科産科連合(FIGO)病期分類システム2014年版によると)が、表8に示されるようにアームのうちの1つに無作為化される。
上記の表8における維持処置は、化学療法処置における化学療法の最後の用量の4週間以内に開始しなくてはならない。
著しい毒性の事象では、研究における各薬物の投薬は、表9に示されるように中断、遅延または低減され得る。
著しい毒性の事象では、研究における各薬物の投薬は、表9に示されるように中断、遅延または低減され得る。
患者は、RECIST v1.1による盲検下独立中央評価(Blinded Independent Central Review)(「BICR」)の評価に基づく進行性疾患(PD)、許容されない毒性または同意の撤回まで維持処置を受け続ける。アームA維持処置、タラゾパリブおよびアベルマブのために、維持処置の最大期間は24ヶ月である。
PFSを含む応答の評価は、研究者によって評価されるようなirRECISTのとおりに、BICRおよび研究者によって評価されるようなRECISTバージョン1.1を使用して行われる。腫瘍組織サンプルおよび血液サンプルは、各患者について処置の前に、および処置の最後に得られる。患者の血液サンプルはまた、処置サイクルの間、種々の時間で採取される。後ろ向きDDRバイオマーカー解析が実施される。PD−L1発現、腫瘍浸潤性CD8+Tリンパ球の有/無、腫瘍突然変異負荷およびヘテロ接合性の喪失、重要な発癌遺伝子における突然変異の存在、任意のプロテオミクスまたは遺伝子シグネチャーの存在などのさらなる解析が実施される。
Claims (134)
- 癌を治療する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与するステップを含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法。
- PD−1系結合アンタゴニストが、PD−L1抗体である、請求項1に記載の方法。
- PD−L1抗体が、アベルマブである、請求項2に記載の方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩である、請求項1に記載の方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項1に記載の方法。
- PD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、PARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩であり、癌が、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌、ホルモン受容体陽性乳癌、卵巣癌、尿路上皮癌および去勢抵抗性前立腺癌からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項6に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDNA損傷応答(DDR)欠損陽性である、請求項6に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する、請求項8に記載の方法。
- 癌が、Foundation One遺伝子プロファイルアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項8または9に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有する、請求項6に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項11に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項6に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項13に記載の方法。
- 患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項6に記載の方法。
- アベルマブの量が、約10mg/kg Q2Wまたは約800mg Q2Wで静脈内投与され、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量が、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される、請求項6に記載の方法。
- 癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量の、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩であるPARP阻害剤および一定量のアベルマブを投与するステップを含み、ここにおいて、アベルマブの量は、12週間の間、約10mg/kg Q2W、10mg/kg Q1W、10mg/kg Q1Wと、それに続く12週間の間の、約10mg/kg Q2W、800mg Q2W、1200mg Q2Wまたは約800mg Q1Wと、それに続く約800mg Q2Wで静脈内投与され、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される、前記方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項17に記載の方法。
- 癌が非小細胞肺癌である、請求項17に記載の方法。
- 癌が、非小細胞肺癌であり、患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項17に記載の方法。
- 癌が卵巣癌である、請求項17に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項21に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項22に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項23に記載の方法。
- 癌が、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項22−24のいずれか一項に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項21に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項24に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項21に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項28に記載の方法。
- 癌が去勢抵抗性前立腺癌である、請求項17に記載の方法。
- 癌が去勢抵抗性前立腺癌であり、癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項30に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項31に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項32に記載の方法。
- 癌が、Foundation OneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項31−33のいずれか一項に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項30に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項35に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項30に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項37に記載の方法。
- 癌が乳癌である、請求項17に記載の方法。
- 乳癌が、トリプルネガティブ乳癌またはホルモン受容体陽性乳癌であり、癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項39に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項40に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項42に記載の方法。
- 癌が、 FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項40−42のいずれか一項に記載の方法。
- 癌がTNBCである、またはおよび患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項39に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項44に記載の方法。
- 癌がTNBCであり、患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項39に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項46に記載の方法。
- 患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項17−47のいずれか一項に記載の方法。
- 患者に、一定量の化学療法薬または放射線療法を投与するステップをさらに含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PD−1系結合アンタゴニストがRN888であり、PARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩であり、癌が、非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌、ホルモン受容体陽性乳癌、卵巣癌、尿路上皮癌および去勢抵抗性前立腺癌からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項50に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDNA損傷応答(DDR)欠損陽性である、請求項50に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2またはATMにおいて生殖系列または体細胞遺伝子欠損を有する、請求項50に記載の方法。
- 癌が、FoundationOne遺伝子プロファイリングアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項52または53に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上の相同組換え欠乏(HRD)スコアを有する、請求項50に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項55に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項50に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項57に記載の方法。
- 患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項50−58のいずれか一項に記載の方法。
- PD−1系アンタゴニストRN888の量が、約300mg Q4Wで皮下投与され、PARP阻害剤の量が、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される、請求項59に記載の方法。
- 癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与するステップを含み、ここにおいて、PD−1系アンタゴニストはRN888であり、PARP阻害剤は、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩であり、PD−1系アンタゴニストRN888の量は、約300mg Q4Wで皮下投与され、タラゾパリブまたはその医薬上許容される塩の量は、約0.5mg、0.75mgまたは1.0mg QDの遊離塩基当量で経口投与される、前記方法。
- PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項61に記載の方法。
- 癌が非小細胞肺癌である、請求項61に記載の方法。
- 癌が非小細胞肺癌であり、患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項61に記載の方法。
- 癌が卵巣癌である、請求項61に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCから選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項65に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項66に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項67に記載の方法。
- 癌が、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項66−68のいずれか一項に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項65に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項70に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項65に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項72に記載の方法。
- 癌が、去勢抵抗性前立腺癌である、請求項61に記載の方法。
- 癌が去勢抵抗性前立腺癌であり、癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項74に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項75に記載の方法。
- 癌が、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項76に記載の方法。
- 癌が、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項74−76のいずれか一項に記載の方法。
- 患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項74に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項79に記載の方法。
- 患者が、約5%以上、10%以上、14%以上、15%以上、20%以上または25%以上のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアを有する、請求項74に記載の方法。
- 患者のヘテロ接合性の消失(LOH)スコアが、Foundation Medicine遺伝子プロファイルアッセイによって決定される、請求項80に記載の方法。
- 癌が乳癌である、請求項61に記載の方法。
- 癌が、トリプルネガティブ乳癌またはホルモン受容体陽性乳癌であり、癌が、BRCA1、BRCA2、ATM、ATRおよびFANCからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項83に記載の方法。
- 癌が、BRCA1、BRCA2およびATMからなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項84に記載の方法。
- 癌が、BRCA1またはBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項85に記載の方法。
- 癌が、FoundationOneアッセイによってDDR欠損陽性であると決定される、請求項84−86のいずれか一項に記載の方法。
- 癌がTNBCであり、患者が、約20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、42以上、45以上または50以上のHRDスコアを有する、請求項83に記載の方法。
- HRDスコアが、Myriad HRD Plusアッセイによって決定される、請求項88に記載の方法。
- 患者が、PD−L1について約1%未満または約1%、5%、10%、25%、50%、75%もしくは80%以上の腫瘍比率スコアを有する、請求項61−89のいずれか一項に記載の方法。
- 患者に、一定量の化学療法薬または放射線療法を投与するステップをさらに含み、ここにおいて、量が全体で、癌の処置において有効である、請求項61−90のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の客観的奏効率が、少なくとも約20%である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の客観的奏効率が、少なくとも約30%である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の客観的奏効率が、少なくとも約40%である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の客観的奏効率が、少なくとも約50%である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の中央値全生存時間が、少なくとも約8ヶ月である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の中央値全生存時間が、少なくとも約9ヶ月である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- PARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストを投与された患者の中央値全生存時間が、少なくとも約11ヶ月である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性非小細胞肺癌であり、患者が、0、1または2つの、局所進行性または転移性NSCLCのための白金ベースの化学療法処置の前のラインを受けており、このような化学療法処置の際に進行せず、癌が、EFGR、ALKまたはROS−1ゲノム腫瘍異常を有さない、請求項1−20、49、50−64および91−98のいずれか一項に記載の方法。
- 白金ベースの化学療法が、白金ベースのダブレットまたはドセタキセルである、請求項99に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性卵巣癌であり、患者が、1または2つの、白金ベースの化学療法の前のラインを受けており、白金ベースの化学療法の間またはその最後の用量を受け取った後6ヶ月以内に疾患進行がない、請求項1−18、21−29、49、50−62、65−73および91−98のいずれか一項に記載の方法。
- 白金ベースの化学療法が、シスプラチンまたはカルボプラチン、タキサンと組み合わせた両者である、請求項101に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性去勢抵抗性前立腺癌であり、患者が、新規ホルモン療法処置の少なくとも1つのラインの際に進行した後に、少なくとも1つのタキサンベースの化学療法処置を含む、1または2つの、前の化学療法処置を受けていた、請求項1−18、30−38、49、50−62、74−82および91−98のいずれか一項に記載の方法。
- タキサンベースの化学療法処置が、ドセタキセルまたはカバジタキセルであり、ホルモン療法が、エンザルタミドおよびプレドニゾンの組合せまたは酢酸アビラテロンおよびプレドニゾンの組合せである、請求項103に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性トリプルネガティブ乳癌であり、患者が、0、1または2つの、局所進行性または転移性TNBCのための化学療法処置の前のラインを受けており、
a.前の化学療法処置が、白金ベースの化学療法である場合に前の化学療法処置の際に進行がない、または
b.前の化学療法処置が、アジュバントまたはネオ−アジュバント白金ベースの化学療法である場合に、前の化学療法処置の際もしくは前の化学療法処置の停止後6ヶ月以内に進行がない、請求項1−18、39−48、49、50−62、83−90および91−98のいずれか一項に記載の方法。 - 前の化学療法処置が、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンまたは白金ベースの化学療法である、請求項105に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性HR+乳癌であり、患者が、標準ホルモン療法からの進行後に、0、1または2つの、局所進行性または転移性HR+乳癌のための化学療法処置の前のラインを受けていた、請求項1−18、39−48、49、50−62、83−90および91−98のうち一項に記載の方法。
- 化学療法処置が、アントラサイクリン、タキサン、ゲムシタビン、カペシタビン、ビノレルビンまたは白金ベースの化学療法である、請求項107に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性尿路上皮癌であり、患者が、0−0、1または2つの、白金ベースの化学療法の前の全身ラインを受けており、白金ベースの化学療法を用いる前の処置の際に進行がない、請求項1−18、49、50−62および91−98のいずれか一項に記載の方法。
- 白金ベースの化学療法が、シスプラチンまたはカルボプラチンと組み合わせたゲムシタビンである、請求項109に記載の方法。
- 癌を処置する方法であって、第1の治療レジメンとそれに続く第2の治療レジメンを含み、ここにおいて、
第1の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量の化学療法および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与するステップを含み、
第2の治療レジメンは、それを必要とする患者に、一定量のPARP阻害剤および一定量のPD−1系結合アンタゴニストを投与するステップを含み、
量が全体で、癌の処置において有効である、前記方法。 - 第1の治療レジメンが、それを必要とする患者に、前記量の化学療法および前記量のPD−1系結合アンタゴニストを、第1の処置サイクルの少なくとも1サイクルの間投与するステップを含む、請求項111に記載の方法。
- 第1の処置サイクルが、3週間サイクルであり、患者が、第1の処置サイクルの少なくとも6サイクルの間処置される、請求項112に記載の方法。
- 第2の治療レジメンが、それを必要とする患者に、前記量のPARP阻害剤および前記量のPD−1系結合アンタゴニストを、第2の処置サイクルの少なくとも1サイクルの間投与するステップを含む、請求項111に記載の方法。
- 第2の処置サイクルが、6週間サイクルである、請求項114に記載の方法。
- 癌が、局所進行性または転移性卵巣癌である、請求項111に記載の方法。
- 癌が、ステージIII〜IV上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌である、請求項111に記載の方法。
- 患者が、癌に関して任意の前の全身抗癌療法または放射線療法を受けていない、請求項117に記載の方法。
- 癌が、DDR欠損陽性である、請求項118に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項118に記載の方法。
- 化学療法が、白金ベースの化学療法であり、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストが、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤がタラゾパリブまたはその医薬上許容される塩である、請求項111に記載の方法。
- PARP阻害剤がタラゾパリブトシレートである、請求項121に記載の方法。
- 白金ベースの化学療法が、白金ベースのダブレットである、請求項121に記載の方法。
- 白金ベースのダブレットが、パクリタキセルおよびカルボプラチンである、請求項123に記載の方法。
- 化学療法が、パクリタキセルおよびカルボプラチンであり、第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストが、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストが、アベルマブであり、第2の治療レジメンにおけるPARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートである、請求項111に記載の方法。
- 化学療法が、パクリタキセルおよびカルボプラチンであり、パクリタキセルが、約110mg/m2〜約175mg/m2の量で第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内投与され、カルボプラチンが、算出AUC約3用量〜算出AUC約6用量の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内投与され、
第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストが、アベルマブであり、約700mg、750mg、800mg、850mgまたは900mgの量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクル間、静脈内に投与され、
第1の処置サイクルが、3週間サイクルであり
第2の治療レジメンのPARP阻害剤およびPD−1系結合アンタゴニストが、第2の処置サイクルで投与される、請求項111に記載の方法。 - PARP阻害剤が、タラゾパリブトシレートであり、約0.25mg、0.5mg、0.75mgまたは1.0mgの量で、第2の処置サイクルにおいて1日あたり1回経口投与され、
第2の治療レジメンのPD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、約700mg、750mg、800mg、850mgまたは900mgの量で、第2の処置サイクルの各々の1日目、15日目および29日目に静脈内投与される、
第2の処置サイクルが6週間サイクルである、請求項126に記載の方法。 - パクリタキセルが、約175mg/m2の量で、第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間投与され、カルボプラチンが、算出AUC約6用量または算出AUC5用量の量で第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間投与され、
第1の治療レジメンにおけるPD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、1日あたり約800mgの量で第1の処置サイクルの1日目に6サイクルの間静脈内投与される、請求項126に記載の方法。 - PARP阻害剤がタラゾパリブトシレートであり、第2の処置サイクルにおいて約1.0mgの量で、1日に1回経口投与され、
第2の治療レジメンのPD−1系結合アンタゴニストがアベルマブであり、約800mgの量で、第2の処置サイクルの各々の1日目、15日目および29日目に静脈内投与される、請求項127に記載の方法。 - 癌が、局所進行性または転移性卵巣癌である、請求項128または129に記載の方法。
- 癌が、ステージIII〜IV上皮卵巣、卵管または原発性腹膜癌である、請求項128または129に記載の方法。
- 患者が、癌に関して全身抗癌療法または放射線療法の任意の前の処置を受けていない、請求項128または129に記載の方法。
- 癌が、DDR欠損陽性である、請求項132に記載の方法。
- 癌が、BRCA1およびBRCA2からなる群から選択される少なくとも1種のDDR遺伝子においてDDR欠損陽性である、請求項132に記載の方法。
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