JP2020534361A - 置換ヌクレオシド、ヌクレオチド、及びそのアナログ - Google Patents

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Abstract

式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩が本明細書に開示される。【化1】式(I)中の変数は、本明細書に記載されている。このような化合物の合成方法、並びにピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症などの疾患及び/又は状態を治療するために当該化合物を使用する方法も開示される。

Description

(優先出願の参照による組み込み)
外国又は国内の優先権主張の対象である全てのいかなる出願も、例えば、本出願と共に提出された、出願データシート又は依頼届において特定されており、これらの出願は、米国特許法施行規則1.57、並びに条約規則4.18及び20.6に基づき、参照によって本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本出願は、化学、生化学、及び医学の分野に関する。より具体的には、ヌクレオチドアナログ、1つ以上のヌクレオチドアナログを含む医薬組成物、及びこれらの合成方法が本明細書に開示さている。また、本明細書において、ヌクレオチドアナログ単独で又は1つ以上の他の作用剤との併用療法によるウイルス性疾患及び/又は病状を治療する方法が開示されている。
ヌクレオシドアナログは、インビトロ及びインビボの両方で抗ウイルス活性及び抗がん活性をもたらすことが示されており、そのため、ウイルス感染症の治療に関して広く研究されている、化合物の種類である。ヌクレオシドアナログは通常、治療的に不活性な化合物であるが、宿主又はウイルスの酵素によって、対応する活性な代謝拮抗物質に変換されて、ウイルス又は細胞の増殖に関与するポリメラーゼを阻害し得る。この活性化は様々な機構によって、例えば、1つ以上のリン酸基の付加及びその他の代謝過程、又はその他の代謝過程との組み合わせなどによって起こる。
新たな抗ウイルス化合物の開発の課題は、多数の異なるウイルス及びその特徴の多様性によって複雑化する。階層的ウイルス分類システムの下で、ウイルスは、4つの主要な特徴に従って、それらが共有している特徴によってグループ化される:(1)核酸(DNA又はRNA)、(2)キャプシドの対称性(正二十面体、螺旋状、又は複合体)、(3)裸又はエンベロープを有する、及び(4)ゲノム構造(プラス鎖又はマイナス鎖、及び一本鎖又は二本鎖)。ボルティモア分類の下で、ウイルスは、そのゲノム構造及び複製方法の両方に従ってグループ化される:第1群(二本鎖DNAウイルス)、第II群:(一本鎖DNAウイルス)、第III群(二本鎖RNAウイルス)、第IV群(一本鎖プラス鎖RNAウイルス)、第V群(一本鎖マイナス鎖RNAウイルス)、第VI群(DNA中間体を介して複製する一本鎖プラス鎖RNAウイルス)、及び第VII群(一本鎖RNA中間体を介して複製する二本鎖DNAウイルス)。認識されている群内には、100超の認識されているウイルスの科が存在し、そのうちの一部は、8つの異なる目にも分類される(ブニヤウイルス目、カウドウイルス目、ヘルペスウイルス目、リガメンウイルス目、モノネガウイルス目、ニドウイルス目、ピコルナウイルス目、及びティモウイルス目)。一般に、これらの認識されている科間には違いがあるため、任意の特定の科に分類されたウイルスに対して活性がある抗ウイルス化合物が、他の科のうちの1つ以上に分類されたウイルスに対しても活性があるとは予測されない。例えば、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及びコロナウイルス科内のウイルスは、多様な特徴を有し、このことが、当該科のうちの2つ以上におけるウイルスに対して活性がある抗ウイルス剤を開発するのを非常に困難にしている。
ピコルナウイルス科に属するウイルスは、正二十面体キャプシドを有する、非エンベロープ、プラス鎖、一本鎖の球形RNAウイルスである。これらは、ボルティモア分類の下で、ピコルナウイルス目の第IV群のウイルスである。ピコルナウイルスのゲノムは、約7〜8キロベースの長さであり、IRES(内部リボソーム侵入部位)を有する。これらのウイルスは、3’末端でポリアデニル化されており、5’末端にキャップの代わりにVPgタンパク質を有する。ピコルナウイルス科内の属としては、アフトウイルス属、アクアマウイルス属、アビヘパトウイルス属、カルジオウイルス属、コサウイルス属、ディシピウイルス属、エンテロウイルス属、エルボウイルス属、ヘパトウイルス属、コブウイルス属、メグリウイルス属、パレコウイルス属、ライノウイルス属、サリウイルス属、サペロウイルス属、セネカウイルス属、テッショウウイルス属、及びトレモウイルス属が挙げられる。
エンテロウイルスは、糞口経路を通してかつ/又は呼吸飛沫のエアゾールを介して伝染し、非常に伝染性が高い。エンテロウイルス属としては、エンテロウイルスA、エンテロウイルスB、エンテロウイルスC、エンテロウイルスD、エンテロウイルスE、エンテロウイルスF、エンテロウイルスG、エンテロウイルスH、エンテロウイルスJ、ライノウイルスA、ライノウイルスB、及びライノウイルスCを含む、いくつかの種が挙げられる。前述のエンテロウイルスの種の中に、ポリオウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、及びエンテロウイルスの血清型がある。
ライノウイルスは、感冒の原因である。ライノウイルスは、呼吸経路を介したその伝染及び鼻での複製から命名された。免疫は、それぞれの血清型に対して発現するため、ヒトは、その生涯にわたって多種類のライノウイルスに感染し得る。したがって、各血清型は、新規感染症を引き起こし得る。
A型肝炎感染症は、A型肝炎ウイルスによる感染の結果である。ヘパトウイルスは、糞口経路を通じて伝染する。伝染は、汚染された食品若しくは水の摂取によるヒト−ヒト感染を介して、又は感染症にかかったヒトとの直接接触を通して発生し得る。
パレコウイルスとして、ヒトパレコウイルス1(エコーウイルス22)、ヒトパレコウイルス2(エコーウイルス23)、ヒトパレコウイルス3、ヒトパレコウイルス4、ヒトパレコウイルス5、及びヒトパレコウイルス6が挙げられる。
フラビウイルス科のウイルスは、正二十面体形状のキャプシドを有する、エンベロープを有する、プラス鎖、一本鎖の球形RNAウイルスである。これらは、ボルティモア分類の下で第IV群のウイルスであり、目には帰属していない。これらのウイルスは、5’末端でポリアデニル化されているが、3’ポリアデニル酸鎖を欠いている。フラビウイルス科内の属としては、フラビウイルス、ぺスチウイルス及びヘパシウイルスが挙げられる。フラビウイルス科・ウイルスは、主に節足動物媒介性であり、しばしば蚊及びダニを介して伝染する。ピコルナウイルス科ウイルス感染症の影響/症状は、ウイルスの種に依存し、発熱、水疱、発疹、髄膜炎、結膜炎、急性出血性結膜炎(AHC)、咽頭炎、鼻詰まり、鼻水、くしゃみ、せき、食欲不振、筋肉痛、頭痛、疲労、悪心、黄疸、脳炎、ヘルパンギナ、心筋炎、心膜炎、髄膜炎、ボルンホルム病、筋痛、鼻詰まり、筋力低下、食欲不振、発熱、嘔吐、腹痛、腹部不快感、暗色尿、及び筋肉疼痛を挙げることができるが、これらに限定されない。
ヘパシウイルスとしては、C型肝炎(HCV)が挙げられる。NS2、NS3、NS4、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5BなどのHCVの多様な非構造タンパク質が存在する。NS5Bは、HCV RNAの複製に関与するRNA依存性RNAポリメラーゼであると考えられている。フラビウイルスとしては、数種の脳炎ウイルス(例えば、日本脳炎ウイルス(JEV)、セントルイス脳炎ウイルス(SLEV)及びダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV))、デング熱ウイルス1−4(DENV)、ウエストナイルウイルス(WNV)、黄熱ウイルス(YFV)及びジカウイルス(ZIKV)が挙げられる。ウエストナイル感染症は、ウエストナイル熱又は重篤なウエストナイル疾患(ウエストナイル脳炎若しくは髄膜炎又はウエストナイルポリオウイルス感染症とも呼ばれる)をもたらし得る。ウエストナイル熱の症状としては、発熱、頭痛、疲労、体の痛み、悪心、嘔吐、皮膚発疹(体幹部)及びリンパ腺肥大が挙げられる。ウエストナイル疾患の症状としては、頭痛、高熱、頸部硬直、意識もうろう、見当識障害、昏睡、ふるえ、痙攣、筋力低下及び麻痺が挙げられる。ウエストナイルウイルス感染症の現在の治療は対症的であり、ヒトに利用可能なワクチン接種は現在ない。
世界保健機関(WHO)によれば、デング熱の世界的な発生率は、最近数十年で著しく増加している。現在まで、デング熱ウイルス感染症に対する治療は存在しない。更に、デング熱ウイルスのある血清型の感染症からの回復は、他の血清型に対する部分的また一時的な免疫のみをもたらす。別の血清型を有する後続の(複数の)感染症は、深刻なデング熱(出血性デング熱として以前から既知である)を発症する可能性を高める。デング熱感染症は、以下の症状:重度の頭痛、眼の奥の疼痛、筋肉及び関節の疼痛、悪心、嘔吐、腺の腫れ、並びに発疹のうちの1つ以上を伴う高熱(およそ104°F)の場合に疑われる。
黄熱は、急性ウイルス性出血性疾患である。WHOによると、治療を受けてない重症者の最大50%が黄熱により死亡している。30,000人の死亡を引き起こす推定200,000件の黄熱が、世界中で毎年発生している。他のフラビウイルスと同様に、黄熱に対する治療又は特異療法はなく、リバビリン及びインターフェロンによる療法は不十分である。黄熱感染症の症状としては、発熱、顕著な腰痛を伴う筋肉痛、頭痛、悪寒、食欲不振、悪心、嘔吐、黄疸及び出血(例えば、口、鼻、目及び/又は胃から)が挙げられる。ぺスチウイルス属内のウイルスとしては、ウシウイルス性下痢症1、ウシウイルス性下痢症2、及びブタコレラウイルスが挙げられる。ウイルス脳炎は、脳及び/髄膜の炎症を引き起こす。症状としては、高熱、頭痛、光感受性、頸部及び背部硬直、嘔吐、精神錯乱、発作、麻痺、並びに昏睡が挙げられる。日本脳炎、セントルイス脳炎及びダニ媒介性脳炎などの脳炎感染症には、特異療法は存在しない。Centers for Disease Controlによれば、ジカは主に、感染したヤブカ属の蚊(ネッタイシマカ及びヒトスジシマカ)に刺されることで拡散され、妊婦からその胎児にも移り得る。妊娠中の感染は、ある種の出生異常を引き起こし得る。ジカウイルスに感染した多くの人々は、症状を有さないか又は軽度の症状のみを有する。ジカの最も一般的な症状は、発熱、発疹、関節痛及び結膜炎である。ジカは通常、軽度な症状が数日から一週間続く。通常は、病院に行くほどの病状ではなく、ジカによる死亡は非常に稀である。このため、多数の人が感染していたことに気が付かない可能性がある。ジカの症状は、デング熱及びチクングニア熱のように、蚊に刺されて広まる他のウイルスと同様である。
フィロウイルス科のウイルスは、エンベロープを有する、マイナス鎖、一本鎖、線状RNAウイルスである。これらは、モノネガウイルス目の、ボルティモア分類の下で第V群のウイルスである。フィロウイルス科内の3つの属は、エボラウイルス、マールブルグウイルス、及び「キュエバウイルス」(暫定的)である。エボラウイルスの5つの認識されている種は、エボラウイルス(EBOV)、レストンエボラウイルス(REBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、タイフォレストエボラウイルス(TAFV)及びブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)である。マールブルグウイルスの2つの認識されている種は、マールブルグウイルス(MARV)及びラビンウイルス(RAVV)である。エボラウイルス及びマールブルグウイルスは、非常に感染性及び伝染性が高い。両ウイルスは、感染者の血液、体液、及び/又は組織と直接接触することによって伝染する。エボラウイルス及びマールブルグウイルスはまた、病気の又は死んだ感染野生動物を取り扱うことによって伝染する場合もある。エボラ出血熱(EHF)は、エボラウイルスの感染によって引き起こされる。マールブルグウイルス病(MVD)は、マールブルグウイルスによって引き起こされるヒト疾患であり、マールブルグウイルス出血熱(MHF)を引き起こす。エボラウイルス及びマールブルグウイルスは、ヒトを含む様々な霊長類においてウイルス性出血熱を引き起こす。
ニューモウイルスは、パラミクソウイルスのニューモウイルス亜科を繰り上げることによって作られた比較的新しいウイルス科である。ニューモウイルス科のウイルスは、マイナス鎖、一本鎖、RNAウイルスである。これらは、モノネガウイルス目の、ボルティモア分類の下で第V群のウイルスである。ニューモウイルス科内の2つの属は、メタニューモウイルス及びオルトニューモウイルスである。メタニューモウイルスの2つの認識されている種は、トリメタニューモウイルス(AMPV)及びヒトメタニューモウイルス(HMPV)である。オルトニューモウイルスの3つの認識されている種は、ウシ呼吸器合胞体ウイルス(BRSV)、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV−A2、HRSV−B1及びHRSV−S2などのHRSV)及びマウス肺炎ウイルス(MPV)である。ニューモウイルス科のウイルスは、典型的には、呼吸分泌物を介して伝染し、多くの場合呼吸器感染に関連する。
コロナウイルス科のウイルスは、エンベロープを有する、プラス鎖、一本鎖、球形RNAウイルスの科である。これらは、ボルティモア分類の下で、ニドウイルス目の第IV群のウイルスである。コロナウイルスは、その表面上の王冠様スパイクから命名されている。コロナウイルス科は、2つの亜科、コロナウイルス及びトロウイルスを含む。コロナウイルス属は、螺旋状ヌクレオキャプシドを有し、トロウイルス属は、管状ヌクレオキャプシドを有する。コロナウイルス亜科内には、以下の属:アルファコロナウイルス、ベータコロナウイルス、ガンマコロナウイルス、及びデルタコロナウイルスが存在する。トロウイルス亜科内の属は、バフィンウイルス及びトロウイルスである。
ヒトコロナウイルスは、通常、短期間持続する感冒のような軽度から中程度の上気道疾患を引き起こす(が、一部のコロナウイルスは致死的であり得る)。症状としては、鼻水、咳、咽頭炎、及び発熱を挙げることができる。これらのウイルスは、時に、肺炎などの下気道疾患を引き起こす場合がある。これは、心肺疾患を有する若しくは免疫系に欠陥のある人々、又は高齢者においてより起こりやすい。
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS−CoV)は、ベータコロナウイルス属のメンバーであり、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こす。MERSは、急性呼吸器疾患である。MERSに感染していることが確認された個体の約半分が、死亡した。MERSについては現在治療法もワクチンも存在しない。
ベータコロナウイルス属の別のメンバーは、SARSコロナウイルス(SARS−CoV)である。SARS−Co−Vは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすウイルスである。SARSは2003年2月にアジアで最初に報告された。SARSは空気中の浮遊ウイルスであり、感染した個体が空気中に(例えば、咳及び/又はくしゃみによって)放出する小さな水滴の吸入によって、汚染された表面に触れることによって、及び/又は感染した個体に非常に近接する(例えば、SARSを有していることが分かっている人を介護する又は彼らと一緒に生活する)、又はSARSを有していることが分かっている患者の呼吸分泌物及び/若しくは体液と直接接触する(キス又は抱擁、飲食用の食器を共有する、近くで会話する(3フィート以内)、身体検査、及び人間同士の任意のその他の直接身体接触を含む)可能性が高い)ことによって広がり得る。
トガウイルス科内の2つの属は、アルファウイルス及びルビウイルスである。この科のウイルスは、エンベロープを有する、プラス鎖、一本鎖、線状RNAウイルスである。これまでに、ルビウイルスは、1つの種、風疹ウイルスを有する。アルファウイルス属に分類されるウイルスとしては、ベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルスが挙げられる。VEEウイルスは、主に蚊によって伝染し、ベネズエラウマ脳炎及び脳脊髄炎を引き起こす。ウイルスのVEE複合体は、抗原変異型によって分けられる6つの抗原サブタイプ(I〜VI)を含む。更に、VEEウイルスは、2つの群、家畜流行性(又は流行性)及び動物風土性(又は風土性)に分けられる。サブタイプI内では、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)は、5つの抗原変異型(変異型AB〜F)に分けられる。サブタイプIIは、エバーグレイドウイルスとして、サブタイプIIIはムカンボウイルスとして、サブタイプIVはピクスナウイルスとして知られている。ヒトの他にウマ種もVEEウイルスに感染し得る。現在、ウマ又はヒトに利用可能なワクチンは存在しない。
アルファウイルス属の別のメンバーは、チクングニア(CHIKV)である。チクングニアは、節足動物媒介ウイルスであり、蚊(ヤブカなど)によってヒトに伝染し得る。現在、チクングニアの特異的治療法は存在せず、ワクチンも現在利用可能ではない。
他のアルファウイルスは、バーマフォレストウイルス、マヤロウイルス(MAYV)、オニョンニョンウイルス、ロスリバーウイルス(RRV)、セムリキ森林熱ウイルス、シンドビスウイルス(SINV)、ウナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、及び西部ウマ脳脊髄炎(WEE)である。これらのアルファウイルスは、主に節足動物媒介性であり、蚊を介して伝染する。
新たに開発されたヌクレオシドアナログが汎ウイルス性である、例えば、異なるウイルス科に分類される2つ以上のウイルスに対して活性があると予測できないことは、多くの既知のヌクレオシドアナログのうちの比較的少数についてしか汎ウイルス活性が見出されていないという知見に部分的に基づいている。汎ウイルス活性は一般的に望ましいと考えられるが、多様なウイルスに対するそのような化合物の活性によって、より多くのオフターゲット作用が観察され得る公算も強まり、潜在的な毒性の懸念を引き起こすので、臨床開発を遅らせる傾向がある。したがって、汎ウイルス性ヌクレオシドアナログ、特に低毒性を有するものが長年にわたって必要とされている。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。様々な実施形態において、式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩は、汎ウイルス活性を示す。そのような汎ウイルス活性は、それが活性を有するウイルスの多様性を鑑みて驚くべきことである。例えば、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、2つ以上の異なるウイルス科におけるウイルスに対して活性を示す。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のうちの2つ以上におけるウイルスに対して活性を示す。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、毒性が低い。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、毒性が低くかつ汎ウイルス性であり、予想外にも、毒性が低いにもかかわらず、2つ以上の異なるウイルス科におけるウイルスに対して活性を示す。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、ピコルナウイルス科ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載する他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、式(I)の1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、ピコルナウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ピコルナウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、ピコルナウイルスに感染した細胞を有効量の当該化合物と接触させることによって、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために用いることができる化合物又は医薬組成物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、ピコルナウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、ピコルナウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害するために用いることができる化合物又は医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、ピコルナウイルス科ウイルスは、ライノウイルス、A型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、及びエンテロウイルスから選択され得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、フラビウイルス科ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載する更に他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、式(I)の1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本明細書に記載のなお更に他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、フラビウイルス科に感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害するために用いることができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、フラビウイルス科ウイルスは、C型肝炎(HCV)、デング熱及びジカから選択され得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、フィロウイルス科ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載する更に他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、式(I)の1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本明細書に記載のなお更に他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、フィロウイルス科に感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害するために用いることができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、フィロウイルス科ウイルスは、エボラウイルス又はマールブルグウイルスであり得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、ニューモウイルス科ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載する更に他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、式(I)の1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本明細書に記載のなお更に他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害するために用いることができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、ニューモウイルス科ウイルスは、ヒト呼吸器合胞体ウイルスであり得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、有効量の式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、コロナウイルス科ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載する更に他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、式(I)の1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本明細書に記載のなお更に他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、式(I)の1つ以上の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。本明細書に開示するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害するために用いることができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、コロナウイルス科ウイルスは、ヒトα−コロナウイルス科ウイルス感染症又はヒトβ−コロナウイルス科ウイルス感染症であり得る。
これら及びその他の実施形態は、以下により詳細に記載される。
化合物1を作製するための反応スキームを示す。 化合物2を作製するための反応スキームを示す。 化合物3を作製するための反応スキームを示す。 化合物4を作製するための反応スキームを示す。 化合物5を作製するための反応スキームを示す。 化合物6を作製するための反応スキームを示す。 化合物7を作製するための反応スキームを示す。 化合物8を作製するための反応スキームを示す。
定義
特に定義されない限り、本明細書で用いられる技術用語及び科学用語は全て、当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に引用する全ての特許、特許出願、公開出願及び他の刊行物は、別段に明記しない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の用語について複数の定義が存在する場合、別段に明記しない限り、本項の定義が優先する。
本明細書で使用するとき、任意の「R」基、例えば、限定するものではないが、R、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、R10A、R11A、R12A、R13A、R14A、R15A、R16A、R17A、R18A、R19A、R20A、R21A、R22A、R23A、R24A、R25A、R26A、R27A、R28A、R29A、R30A、R31A、Ra1、及びRa2は、指定の原子に結合し得る置換基を表す。R基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。2つの「R」基が、「一緒になって」いると記載されている場合、これらR基及びこれらが結合している原子は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができる。例えば、限定するものではないが、NR基のR及びRが「一緒になって」いると示されている場合、これらが互いに共有結合して環を形成していることを意味する。
Figure 2020534361
更に、2つの「R」基がこれらが結合している原子と「一緒になって」、別の選択肢として環を形成すると記載されている場合、R基は、先に定義された変数又は置換基に限定されない。
ある基が「任意置換された」と記載されているときは常に、その基は、置換されていなくてもよく、又は指定された置換基のうちの1つ以上で置換されていてもよい。同様に、ある基が「置換されていない又は置換された」と記載されているとき、置換されている場合は、置換基を、指定された置換基のうちの1つ以上から選択してよい。置換基が指定されてない場合、指定される「任意置換された」又は「置換された」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、一置換アミノ基及び二置換アミノ基から個々にかつ独立して選択される、1つ以上の基によって置換されてよいことを意味する。
本明細書で使用するとき、「a」及び「b」が整数である「C〜C」は、アルキル、アルケニル若しくはアルキニル基中の炭素原子の数、又はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリル基の環中の炭素原子の数を指す。すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環又はヘテロシクリルの環は、「a」及び「b」を含めた「a」〜「b」の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C〜Cアルキル」基は、1〜4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH−、CHCH−、CHCHCH−、(CHCH−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−及び(CHC−を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル基について「a」及び「b」が指定されていない場合、これらの定義で説明される最も広い範囲が想定される。
本明細書で使用するとき、化学基に関して使用されるアスタリスク(「」)は、結合点を示す。例えば、化学基「−(CR15A16A−O−C1〜24アルキル」におけるアスタリスクは、その化学基の別の基又は分子への結合点を示す。
本明細書で使用するとき、「アルキル」は、完全に飽和した(二重又は三重結合がない)炭化水素基を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1〜20個の炭素原子を有し得る(本明細書に出現するときは常に、「1〜20」などの数値範囲は、与えられた範囲内の各整数を指し、例えば、「1〜20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大20個以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の場合も網羅する)。アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであってもよい。また、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルでもあり得る。化合物のアルキル基を、「C〜Cアルキル」又は類似の表記で指定してもよい。ほんの一例として、「C〜Cアルキル」は、アルキル鎖中に1〜4個の炭素原子があることを示し、すなわち、このアルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びt−ブチルから選択される。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「アルケニル」は、直鎖又は分枝鎖炭化水素鎖中に1つ以上の二重結合を含有するアルキル基を指す。アルケニル基は、置換されていなくてもよく、又は置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、「アルキニル」は、直鎖又は分枝鎖炭化水素鎖中に1つ以上の三重結合を含有するアルキル基を指す。アルキニル基は、置換されていなくてもよく、又は置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重結合又は三重結合がない)単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環で構成されるとき、当該環は、縮合によって互いに結合されていてもよい。シクロアルキル基は、(複数の)環中に3〜10個の原子又は(複数の)環中に3〜8個の原子を含有し得る。シクロアルキル基は、置換されていなくてもよく、又は置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の二重結合を含有する単環式又は多環式炭化水素環系を指すが、二重結合は、1つを超える場合、全ての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することはできない(そうでなければ、その基は本明細書で定義される「アリール」となる)。2つ以上の環で構成されているとき、当該環は、縮合によって互いに結合されていてもよい。シクロアルケニルは、(複数の)環中に3〜10個の原子、又は(複数の)環中に3〜8個の原子を含有し得る。シクロアルケニル基は、置換されていなくてもよく、又は置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、「アリール」は、全ての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式の(全てが炭素の)単環式又は多環式芳香族環系(2つの炭素環式環が化学結合を共有している縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は、変動し得る。例えば、アリール基は、C〜C14アリール基、C〜C10アリール基、又はCアリール基であってよい。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(例えば、1〜5個のヘテロ原子)、つまり、窒素、酸素及び硫黄が挙げられるがこれらに限定されない、炭素以外の元素を含む、単環式、二環式及び三環式芳香族環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環中の原子の数は、変動し得る。例えば、ヘテロアリール基は、環中に4〜14個の原子、環中に5〜10個の原子又は環中に5〜6個の原子を含有し得る。更に、用語「ヘテロアリール」は、2つの環、例えば、少なくとも1つのアリール環及び少なくとも1つのヘテロアリール環、又は少なくとも2つのヘテロアリール環が、少なくとも1つの化学結合を共有している縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例として、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」は、三員環、四員環、五員環、六員環、七員環、八員環、九員環、十員環、最大で十八員環までの単環式、二環式、及び三環式環系を指し、炭素原子と1〜5個のヘテロ原子とが一緒になって、そのような環系を構成している。ヘテロ環は、任意に、1つ以上の不飽和結合を含有し得るが、完全に非局在化したπ電子系が全ての環にわたって発生しないように位置している。ヘテロ原子は、これらに限定されないが、酸素、イオウ、及び窒素を含む、炭素以外の元素である。ヘテロ環は、この定義がラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系を含むように、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有していてもよい。2つ以上の環で構成されるとき、当該環は、縮合によって互いに結合されていてもよい。加えて、ヘテロ脂環式中の任意の窒素は四級化されていてよい。ヘテロシクリル又はヘテロ脂環式基は、置換されていなくてもよく、又は置換されていてもよい。そのような「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」基の例として、1,3−ジオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,3−オキサチオラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN−オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、4−ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2−オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H−ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びこれらのベンゾ縮合アナログ(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、及び3,4−メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合しているアリール基を指す。アリール(アルキル)の低級アルキレン及びアリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。例として、ベンジル、2−フェニル(アルキル)、3−フェニル(アルキル)、及びナフチル(アルキル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合しているヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン及びヘテロアリール基は、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。例として、2−チエニル(アルキル)、3−チエニル(アルキル)、フリル(アルキル)、チエニル(アルキル)、ピロリル(アルキル)、ピリジル(アルキル)、イソオキサゾリル(アルキル)、イミダゾリル(アルキル)、及びこれらのベンゾ縮合アナログが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリシクリル(アルキル)」及び「ヘテロシクリル(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合しているヘテロ環式又はヘテロ脂環式基を指す。ヘテロアリシクリル(アルキル)の低級アルキレン及びヘテロシクリルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。例として、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル(メチル)、ピペリジン−4−イル(エチル)、ピペリジン−4−イル(プロピル)、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル(メチル)及び1,3−チアジナン−4−イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
「低級アルキレン基」は、その末端炭素原子を介して分子断片を結合するための結合を形成する、直鎖−CH−係留基である。例として、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、及びブチレン(−CHCHCHCH−)が挙げられるが、これらに限定されない。低級アルキレン基は、低級アルキレン基の1つ以上の水素又は重水素を、定義「置換された」において挙げた置換基で置き換えることによって置換し得る。
本明細書で使用するとき、「アルコキシ」は、式−ORを指し、式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり、本明細書において定義されている。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ及びベンゾキシである。アルコキシは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「アシル」は、カルボニル基を介して、置換基として連結されている水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールを指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル及びアクリルが挙げられる。アシルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「ヒドロキシアルキル」は、水素又は重水素原子のうちの1つ以上がヒドロキシ基によって置換されているアルキル基を指す。代表的なヒドロキシアルキル基として、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、及び2,2−ジヒドロキシエチルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシアルキルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「ハロアルキル」は、水素又は重水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置換されているアルキル基(例えば、モノ−ハロアルキル、ジ−ハロアルキル及びトリ−ハロアルキル)を指す。そのような基として、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−クロロ−2−フルオロメチル、及び2−フルオロイソブチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、「ハロアルコキシ」は、水素又は重水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置換されている−O−アルキル基(例えば、モノ−ハロアルコキシ、ジ−ハロアルコキシ及びトリ−ハロアルコキシ)を指す。そのような基として、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−クロロ−2−フルオロメトキシ、及び2−フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「スルフェニル」基は、「−SR」基を指し、式中、Rは、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。スルフェニルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「スルフィニル」基は、「−S(=O)−R」基(式中、Rは、スルフェニルに関して定義したものと同じであってよい)を指す。スルフィニルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「スルホニル」基は、「SOR」基(式中、Rは、スルフェニルに関して定義したものと同じであってよい)を指す。スルホニルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「O−カルボキシ」基は、「RC(=O)O−」基を指し、式中、Rは、本明細書で定義される水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。O−カルボキシは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
用語「エステル」及び「C−カルボキシ」は、「−C(=O)OR」基(式中、Rは、O−カルボキシに関して定義したものと同じであってよい)を指す。エステル及びC−カルボキシは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「チオカルボニル」基は、「−C(=S)R」基(式中、Rは、O−カルボキシに関して定義したものと同じであってよい)を指す。チオカルボニルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「トリハロメタンスルホニル」基は、「XCSO−」基(式中、各Xは、ハロゲンである)を指す。
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、「XCS(O)N(R)−」基を指し、式中、各Xは、ハロゲンであり、Rは、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロアリシクリル)アルキルである。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ」は、−NH基を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシ」は、−OH基を指す。
「シアノ」基は、「−CN」基を指す。
本明細書で使用するとき、用語「アジド」は、−N基を指す。
「イソシアナト」基は、「−NCO」基を指す。
「チオシアナト」基は、「−CNS」基を指す。
「イソチオシアナト」基は、「−NCS」基を指す。
「メルカプト」基は「−SH」基を指す。
「カルボニル」基は、C=O基を指す。
「S−スルホンアミド」基は、「−SON(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。S−スルホンアミドは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「N−スルホンアミド」基は、「RSON(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。N−スルホンアミドは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「O−カルバミル」基は、「−OC(=O)N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。O−カルバミルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「N−カルバミル」基は、「ROC(=O)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。N−カルバミルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「O−チオカルバミル」基は、「−OC(=S)N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。O−チオカルバミルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「N−チオカルバミル」基は、「ROC(=S)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。N−チオカルバミルは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「C−アミド」基は、「−C(=O)N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。C−アミドは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
「N−アミド」基は、「RC(=O)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、重水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、(ヘテロアリール)アルキル又は(ヘテロシクリル)アルキルであり得る。N−アミドは、置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」は、元素周期表の7列目の放射安定原子、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のうちのいずれか1つを意味する。
置換基の数が特定されていないとき(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在していてもよい。例えば、「ハロアルキル」は、1つ以上の同じ又は異なるハロゲンを含んでいてよい。別の例として、「C〜Cアルコキシフェニル」は、1つ、2つ又は3つの原子を含有する1つ以上の同じ又は異なるアルコキシ基を含んでいてよい。
本明細書で使用するとき、任意の保護基、アミノ酸、及びその他化合物の略称は、別途記載のない限り、それらの一般的に使用され、認識されている略称、すなわち、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureに従う(Biochem.11:942−944(1972)を参照のこと)。
用語「ヌクレオシド」は、当業者が理解している通常の意味で本明細書で使用され、プリン塩基の9位又はピリミジン塩基の1位を介して結合するなど、N−グリコシド結合を介してヘテロ環塩基又はその互変異性体に結合した、任意に置換されていてもよいペントース部位又は修飾ペントース部位からなる化合物を指す。例として、リボース部位を含むリボヌクレオシド、及びデオキシリボース部位を含むデオキシリボヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。修飾ペントース部位は、酸素原子が炭素原子で置換された、かつ/又は炭素原子が硫黄原子又は酸素原子で置換されたペントース部位である。「ヌクレオシド」は、置換塩基及び/又は糖部位を有する場合があるモノマーである。加えて、ヌクレオシドは、より大きなDNA及び/又はRNAポリマー及びオリゴマーに組み込まれてもよい。場合によっては、ヌクレオシドは、ヌクレオシドアナログ薬であってもよい。
用語「ヌクレオチド」は、当業者が理解している通常の意味で本明細書で使用され、ペントース部位に、例えば、5’位で結合されたリン酸エステルを有するヌクレオシドを指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロ環塩基」は、任意に置換されたペントース部位又は修飾ペントース部位に結合することができる、任意に置換された窒素含有ヘテロシクリルを指す。いくつかの実施形態では、ヘテロ環塩基は、任意に置換されたプリン塩基、任意に置換されたピリミジン塩基、及び任意に置換されたトリアゾール塩基(例えば、1,2,4−トリアゾール)から選択してもよい。用語「プリン塩基」は、当業者が理解している通常の意味で本明細書で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、当業者が理解している通常の意味で本明細書で使用され、その互変異性体を含む。任意に置換されていてもよいプリン塩基の非限定的リストとして、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7−アルキルグアニン(例えば、7−メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸及びイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例として、シトシン、チミン、ウラシル、5,6−ジヒドロウラシル、及び5−アルキルシトシン(例えば、5−メチルシトシン)が挙げられるが、これらに限定されない。任意に置換されたトリアゾール塩基の例は、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドである。ヘテロ環塩基の別の非限定的例として、ジアミノプリン、8−オキソ−N−アルキルアデニン(例えば、8−オキソ−N−メチルアデニン)、7−デアザキサンチン、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、N,N−エタノシトシン、N,N−エタノ−2,6−ジアミノプリン、5−ハロウラシル(例えば、5−フルオロウラシル及び5−ブロモウラシル)、シュードイソシトシン、イソシトシン、イソグアニン、並びに追加のヘテロ環塩基を開示する限定的な目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,432,272号及び同第7,125,855号に記載された別のヘテロ環塩基が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロ環塩基は、アミン又はエノール保護基により任意置換されていてもよい。
用語「−N−結合型アミノ酸」は、主鎖アミノ又はモノ置換アミノ基を介して示される部位に結合している、アミノ酸を指す。−N−結合型アミノ酸においてアミノ酸が結合しているとき、主鎖アミノ又はモノ置換アミノ基の一部である水素又は重水素の1つが存在せず、アミノ酸は窒素を介して結合されている。N−結合型アミノ酸は、置換されていてもよいし又は置換されていなくてもよい。
用語「−N−結合型アミノ酸エステル誘導体」は、主鎖カルボン酸基がエステル基に変換されているアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、エステル基は、アルキル−O−C(=O)−、シクロアルキル−O−C(=O)−、アリール−O−C(=O)−、及びアリール(アルキル)−O−C(=O)−から選択される式を有する。エステル基の非限定的リストとしては、メチル−O−C(=O)−、エチル−O−C(=O)−、n−プロピル−O−C(=O)−、イソプロピル−O−C(=O)−、n−ブチル−O−C(=O)−、イソブチル−O−C(=O)−、tert−ブチル−O−C(=O)−、ネオペンチル−O−C(=O)−、シクロプロピル−O−C(=O)−、シクロブチル−O−C(=O)−、シクロペンチル−O−C(=O)−、シクロヘキシル−O−C(=O)−、フェニル−O−C(=O)−、ベンジル−O−C(=O)−、及びナフチル−O−C(=O)−の置換された及び置換されていない型が挙げられる。N−結合型アミノ酸エステル誘導体は、置換されていてもよいし又は置換されていなくてもよい。
用語「−O−結合型アミノ酸」は、その主鎖カルボン酸基由来のヒドロキシを介して示される部位に結合している、アミノ酸を指す。アミノ酸が−O−結合型アミノ酸で結合されているとき、その主鎖カルボン酸基由来のヒドロキシの一部である水素又は重水素が存在せず、アミノ酸は酸素を介して結合されている。O−結合型アミノ酸は、置換されていてもよいし又は置換されていなくてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」は、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸及びδ−アミノ酸が挙げられるがこれらに限定されない任意のアミノ酸(標準及び非標準アミノ酸の両方)を指す。好適なアミノ酸の例としては、アラニン、アスパラギン、アスパルテート、システイン、グルタメート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン及びバリンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なアミノ酸の追加例としては、オルニチン、ハイプシン、2−アミノイソ酪酸、デヒドロアラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、β−アラニン、α−エチル−グリシン、α−プロピル−グリシン及びノルロイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ホスホロチオエート」及び「ホスホチオエート」は、一般式
Figure 2020534361
の化合物、そのプロトン化形態(例えば、
Figure 2020534361
)、並びにその互変異性体(
Figure 2020534361
など)を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ホスフェート」は、当業者が理解している通常の意味で使用され、そのプロトン化形態(例えば、
Figure 2020534361
)を含む。本明細書で使用するとき、用語「モノホスフェート」、「ジホスフェート」、及び「トリホスフェート」は、当業者が理解している通常の意味で使用され、そのプロトン化形態を含む。
用語「保護基」及び「保護基(複数)」は、本明細書で使用するとき、分子中に存在する基が不要な化学反応を受けることを防ぐために分子に付加される任意の原子又は原子群を指す。保護基部分の例は、両方とも好適な保護基を開示する限定的な目的のために参照により本明細書に援用されている、T.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3.Ed.John Wiley&Sons、1999、及びJ.F.W.McOmie,Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press,1973に記載されている。特定の反応条件に対して安定であり、当該技術分野において既知の方法を用いて都合のよい段階で容易に除去されるように、保護基部分を選択してよい。保護基の非限定的なリストとしては、ベンジル、置換されたベンジル、アルキルカルボニル及びアルコキシカルボニル(例えば、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アセチル、又はイソブチリル)、アリールアルキルカルボニル及びアリールアルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル)、置換されたメチルエーテル(例えば、メトキシメチルエーテル)、置換されたエチルエーテル、置換されたベンジルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−イソ−プロピルシリルオキシメチル、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル又はt−ブチルジフェニルシリル)、エステル(例えば、安息香酸エステル)、カーボネート(例えば、メトキシメチルカーボネート)、スルホネート(例えば、トシラート又はメシラート)、非環状ケタール(例えば、ジメチルアセタール)、環状ケタール(例えば、1、3−ジオキサン、1、3−ジオキソラン及び本明細書に記載されるもの)、非環状アセタール、環状アセタール(例えば、本明細書に記載されるもの)、非環状ヘミアセタール、環状ヘミアセタール、環状ジチオケタール(例えば、1,3−ジチアン又は1,3−ジチオラン)、オルトエステル(例えば、本明細書に記載されるもの)及びトリアリールメチル基(例えば、トリチル、モノメトキシトリチル(MMTr)、4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr)、4,4’,4’’−トリメトキシトリチル(TMTr)、並びに本明細書に記載されるもの)が挙げられる。
用語「薬学的に許容される塩」は、それが投与される生物に対して顕著な刺激を引き起こさず、化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸及びリン酸などの無機酸と反応させることによって得ることができる。薬学的塩はまた、化合物を、脂肪族又は芳香族カルボン酸又はスルホン酸などの有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸又はナフタレンスルホン酸と反応させることによっても得ることができる。また、薬学的塩は、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C〜Cアルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの有機塩基の塩、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸との塩などの塩を形成することによって得ることもできる。
本出願で使用する用語及び語句、並びにそれらの変化形は、特に添付の特許請求の範囲においては、別段に明確に断らない限り、限定的なものではなく、無制限なものとして解釈すべきである。上記のいずれかの例として、用語「含む」は、「限定されることなく〜を含む」、「〜を含むがこれらに限定されない」などを意味すると読み取るべきである。本明細書で使用するとき、用語「備える・含む(comprising)」は、「含む」、「含有する」、又は「特徴とする」と同義であり、包括的又は制限なしであり、追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外するものではない。用語「有する」は、「〜を少なくとも有する」と解釈すべきである。用語「含む」は、「〜を含むがこれらに限定されない」と解釈すべきである。用語「例」は、考察される対象物の代表的な例を与えるために用いられるものであり、それらの網羅的又は限定的なリストを与えるものではない。更に、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」といった用語、及び同様の意味の語の使用は、特定の特徴が構造又は機能にとって不可欠、必須、又は更には重要であることを示唆するものとして理解すべきではなく、むしろ、具体的な実施形態において用いられても用いられなくてもよい代替的又は追加的特徴を強調するためだけのものとして理解すべきである。更に、用語「備える、含む」は、語句「〜を少なくとも有する」又は「〜を少なくとも含む」と同義語であると解釈すべきである。あるプロセスとの関連で使用されるとき、用語「備える、含む」は、そのプロセスが少なくとも列挙される工程を含むが、更なる工程も含み得ることを意味する。ある化合物、組成物、又は装置との関連で使用される場合、用語「備える、含む」は、その化合物、組成物、又は装置が少なくとも記載される特徴又は成分を含むが、更なる特徴又は成分もまた含み得ることを意味する。同様に、接続詞「及び」で接続された一群の対象物は、これらの対象物の一つ一つがその群の中に存在しなければならないという意味で読み取られるべきではなく、むしろ、別段に明確に断らない限り、「及び/又は」として読み取られるべきである。同様に、接続詞「又は」で接続された一群の対象物は、その群の中での相互排他性がなければならないという意味で読まれるべきではなく、むしろ、別段に明確に断らない限り、「及び/又は」として読み取られるべきである。
本明細書における実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、簡潔にするために、本明細書において明示的に記載されてもよい。不定冠詞の「a」又は「an」は、複数形を除外しない。単一のプロセッサ又はその他のユニットは、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たし得る。特定の手段が互いに異なる従属項に記載されているということだけでは、これらの手段の組み合わせを生かして使用できないことを示しているわけではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、その範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載する任意の化合物において、絶対立体化学が明示されていない場合、各中心は、独立して、R配置体若しくはS配置体又はこれらの混合物であり得ると理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であるか、鏡像異性的に濃縮されているか、ラセミ混合物であるか、ジアステレオマー的に純粋であるか、ジアステレオマー的に濃縮されているか、又は立体異性体の混合物であり得る。更に、E又はZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する本明細書に記載する任意の化合物において、各二重結合は、独立して、E若しくはZ又はそれらの混合物であり得ることが理解される。
同様に、記載される任意の化合物において、全ての互変異性体形態を含むことも意図されると理解される。例えば、ホスフェート及びホスホロチオエート基の全ての互変異性体が含まれることが意図される。ホスホロチオエートの互変異性体の例として、
Figure 2020534361
が挙げられる。更に、天然及び非天然のプリン塩基及びピリミジン塩基の互変異性体を含む、当該技術分野において既知であるヘテロ環塩基の全ての互変異性体が含まれることが意図される。
本明細書に開示される化合物の原子価が満たされていない場合、その原子価は、必要に応じて水素(プロチウム、水素−1又はHとも称される)又はその同位体で満たされると理解されるべきである。水素の好適な同位体は重水素(水素−2又はHとも称される)である。
本明細書に記載する化合物は、同位体で標識できると理解される。ジュウテリウムなどの同位体による置換によって、例えば、インビボ半減期の延長又は用量要件の減少など、より高い代謝安定性に起因する特定の治療上の利点を得ることができる。化合物の構造中に示される各化学元素は、その元素の任意の同位体を含み得る。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈上そうでないことが特に明示されていない限り、又は同位体がすでに明示的に指定されていない限り、全ての可能性のある同位体形態を包含する。
本明細書に記載する化合物、方法及び組み合わせは、結晶形(多形体としても知られており、化合物の同一の元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶質相、塩、溶媒和物及び水和物を含むと理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物(方法及び組み合わせに記載されるものを含む)は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物(方法及び組み合わせに記載されるものを含む)は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論的な量又は非化学量論的な量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの製薬的に許容される溶媒との結晶化のプロセス中に形成され得る。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、又はアルコール和物は、溶媒がアルコールである場合に形成される。更に、本明細書に提供される化合物は、溶媒和形態に加えて、非溶媒和形態で存在することもできる。
ある範囲の値が与えられる場合、その範囲の上限値及び下限値、並びに上限値と下限値との間の各介在値は、実施形態に包含されると理解される。
化合物
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
Figure 2020534361
式(I)の化合物の様々な実施形態では、R1Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、置換されていないC1〜4アルコキシは、メトキシである。いくつかの実施形態では、置換されていないC1〜4アルキルは、メチルである。様々な実施形態では、R1Aが置換されたC1〜4アルキルである場合、それは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されている。例えば、いくつかの実施形態では、R1Aは、−(CH1−4Cl、−(CH1−4F、及び−CHFからなる群から選択される置換されたC1〜4アルキルであり得る。したがって、置換されたC1〜4アルキルの非限定的な例としては、クロロメチル、フルオロメチル、及びジフルオロメチルが挙げられる。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、R1Aはシアノであってよい。以下の式(Ia1)は、変数R1Aがシアノであり、変数R2A、R3A、R4A、R5A、Ra1、及びRa2が本明細書の他の箇所に記載のとおりである、式(I)の化合物の実施形態の例である。
Figure 2020534361
例えば、以下の式(Ia2)は、式(I)の化合物の一実施形態の一例である。
Figure 2020534361
式(I)の化合物の様々な実施形態では、R4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択することができ、当該置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、及び置換されていないC1〜4アルキルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、並びにフルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択される。一実施形態において、R4Aは、フルオロである。別の実施形態では、R4Aは、シアノである。別の実施形態では、R4Aは、アジドである。別の実施形態では、R4Aは、置換されていないC1〜4アルキルである。例えば、一実施形態において、R4Aは、メチルである。様々な実施形態では、R4Aが置換されたC1〜4アルキルである場合、それは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されている。例えば、いくつかの実施形態では、R4Aは、−(CH1−4Cl、−(CH1−4F及び−CHFからなる群から選択される置換されたC1〜4アルキルであり得る。したがって、置換されたC1〜4アルキルの非限定的な例としては、クロロメチル、フルオロメチル、及びジフルオロメチルが挙げられる。したがって、一実施形態において、置換されたC1〜4アルキルは、クロロメチルである。別の実施形態では、置換されたC1〜4アルキルは、フルオロメチルである。
様々な実施形態では、式(I)の変数R2A及びR3Aは、それぞれ独立して、水素又は重水素である。ある実施形態では、R2A及びR3Aは、いずれも水素である。ある実施形態では、R2A及びR3Aは、いずれも重水素である。ある実施形態では、R2A及びR3Aの一方は水素であり、もう一方は重水素である。
様々な実施形態では、式(I)の変数Ra1及びRa2は、それぞれ独立して、水素又は重水素である。ある実施形態では、Ra1及びRa2は、いずれも水素である。ある実施形態では、Ra1及びRa2は、いずれも重水素である。ある実施形態では、Ra1及びRa2の一方は水素であり、もう一方は重水素である。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態では、R1Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、R4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、当該置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されている。例えば、いくつかの実施形態では、R1Aはシアノであり、R4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、クロロメチル、フルオロメチル、及びジフルオロメチルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R1Aはシアノであり、R4Aはフルオロである。いくつかの実施形態では、R1Aはシアノであり、R4Aはフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R1Aはシアノであり、R4Aはクロロメチルである。いくつかの実施形態では、R1Aはシアノであり、R4Aはアジドである。いくつかの実施形態では、R1A及びR4Aは両方とも、シアノである。
様々な実施形態では、式(I)の変数R5Aは、水素、任意置換されたアシル、任意置換されたO−結合型アミノ酸、
Figure 2020534361
からなる群から選択される。R6A、R7A、及びR8Aは、独立して、存在しない、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC3〜24アルケニル、任意置換されたC3〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、任意置換された−(CR15A16A−O−C1〜24アルキル、任意置換された−(CR17A18A−O−C1〜24アルケニル、
Figure 2020534361
から選択され得る。
他の実施形態では、R6Aは、
Figure 2020534361
であってよく、R7Aは、存在しないか水素であってよい。他の実施形態では、R6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
Figure 2020534361
及び任意置換された
Figure 2020534361
から選択される部分を形成し得、R6A及びR7Aに結合した酸素、リン、及び当該部分は、6員〜10員の環系を形成する。
いくつかの実施形態では、R9Aは、独立して、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、NR30A31A、任意置換されたN−結合型アミノ酸、及び任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体から選択され得る。(任意置換されたN−結合型アミノ酸及び任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体の)アミノ酸部分は、様々な立体化学的配置を有し得る。例えば、アミノ酸部分は、ラセミ体、L−立体異性体、D−立体異性体、又は立体異性体のうちの一方若しくは他方が豊富に存在するL−立体異性体とD−立体異性体との混合物であり得る。一実施形態において、アミノ酸部分のL−立体異性体含量は、L−立体異性体とD−立体異性体との混合物に基づいて、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約99重量%である。
いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは、独立して、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であり得る。R12A、R13A、及びR14Aは、独立して、存在しないか水素であり得、各R15A、各R16A、各R17A、及び各R18Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、又はアルコキシであり得、R19A、R20A、R22A、及びR23Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールから選択され得R21A及びR24Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたアリール、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、任意置換された−O−単環式ヘテロシクリル、及び
Figure 2020534361
から選択され得、R25A及びR29Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールから選択され得、R26A及びR27Aは、独立して、−C≡N、又はC2〜8オルガニルカルボニル、C2〜8アルコキシカルボニル、及びC2〜8オルガニルアミノカルボニルから選択される任意置換された置換基であり得、R28Aは、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得、R30A及びR31Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得、R’’は、任意置換されたC1〜24アルキルであり得、m及びtは、独立して、0又は1であり得、p及びqは、独立して、1、2及び3から選択され得、rは、1又は2であり得、sは、0、1、2、又は3であり得、uは、1又は2であり得、Z1A、Z2A、Z3A、及びZ4Aは、それぞれ独立して、O又はSであり得る。
いくつかの実施形態では、R5Aは、
Figure 2020534361
であり得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも水素であり得る。他の実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも不在であってもよい。更に他の実施形態では、R6A及びR7Aのうちの少なくとも1つが不在であってもよい。なお更に別の実施形態では、R6A及びR7Aのうちの少なくとも1つが水素であってもよい。当業者は、R6A及び/又はR7Aが不在であるとき、結合された(複数の)酸素が負電荷を有することとなることを理解している。例えば、R6Aが不在であるとき、R6Aと結合された酸素は、負電荷を有することとなる。いくつかの実施形態では、Z1Aは、O(酸素)であり得る。他の実施形態では、Z1Aは、S(硫黄)であり得る。いくつかの実施形態では、R5Aは、モノホスフェートであり得る。他の実施形態では、R5Aは、モノチオホスフェートであり得る。
いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、R6A及びR7Aの一方は、水素であり得、R6A及びR7Aの他方は、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC3〜24アルケニル、任意置換されたC3〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの一方は、水素であり得、R6A及びR7Aの他方は、任意置換されたC1〜24アルキルであり得る。他の実施形態では、R6A及びR7Aの両方が、独立して、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC3〜24アルケニル、任意置換されたC3〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの両方が、任意置換されたC1〜24アルキルであってよい。他の実施形態では、R6A及びR7Aの両方が、任意置換されたC3〜24アルケニルであってよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、独立して、ミリストレイル、ミリスチル、パルミトレイル、パルミチル、サピエニル、オレイル、エライジル、バセニル、リノレイル、α−リノレニル、アラキドニル、エイコサペンタエニル、エルシル、ドコサヘキサエニル、カプリリル、カプリル、ラウリル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、リグノセリル、及びセロチルの任意置換された型(version)であり得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aのうちの少なくとも1つは、−(CR15A16A−O−C1〜24アルキルであり得る。他の実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも−(CR15A16A−O−C1〜24アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、各R15A及び各R16Aは、水素であり得る。他の実施形態では、R15A及びR16Aのうちの少なくとも1つが、任意置換されたC1〜24アルキルであってよい。他の実施形態では、R15A及びR16Aのうちの少なくとも1つが、アルコキシ(例えば、ベンゾキシ)であってよい。いくつかの実施形態では、pは、1であり得る。他の実施形態では、pは、2であってもよい。更に他の実施形態では、pは、3であってもよい。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aのうち少なくとも1つは、−(CR17A18A−O−C2〜24アルケニルであり得る。他の実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも−(CR17A18A−O−C2〜24アルケニルであってもよい。いくつかの実施形態では、各R17A及び各R18Aは、水素であり得る。他の実施形態では、R17A及びR18Aのうちの少なくとも1つは、任意置換されたC1〜24アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、qは、1であり得る。他の実施形態では、qは、2であってもよい。更に他の実施形態では、qは、3であってもよい。R6A及びR7Aのうちの少なくとも1つが−(CR15A16A−O−C1〜24アルキル又は−(CR17A18A−O−C2〜24アルケニルであるとき、C1〜24アルキルは、カプリリル、カプリル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、アラキジル、ベヘニル、リグノセリル、及びセロチルから選択され得、C2〜24アルケニルは、ミリストレイル、パルミトレイル、サピエニル、オレイル、エライジル、バセニル、リノレイル、α−リノレニル、アラキドニル、エイコサペンタエニル、エルシル、及びドコサヘキサエニルから選択され得る。
いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、R6A及びR7Aのうちの少なくとも1つは、
Figure 2020534361
から選択され得、R6A及びR7Aの他方は、存在しない、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも一方は、
Figure 2020534361
であってよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの両方が、
Figure 2020534361
であってもよい。R6A及びR7Aの一方又は両方が
Figure 2020534361
であるとき、R19A及びR20Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル及び任意置換されたアリールから選択され得、R21Aは、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたアリール、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、任意置換された−O−単環式ヘテロシクリル、及び
Figure 2020534361
から選択され得る。いくつかの実施形態では、R19A及びR20Aは、水素であり得る。別の実施形態では、R19A及びR20Aのうち少なくとも1つは、任意置換されたC1〜24アルキル又は任意置換されたアリールであってよい。いくつかの実施形態では、R21Aは、任意置換されたC1〜24アルキルであってもよい。他の実施形態では、R21Aは、任意置換されたアリールであってもよい。更に他の実施形態では、R21Aは、任意置換された−O−C1〜24アルキル又は任意置換された−O−アリールであってもよい。いくつかの実施形態では、R21Aは、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、又は任意置換された−O−単環式ヘテロシクリルであってもよい。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの両方は、
Figure 2020534361
であってもよい。R6A及びR7Aのうち1つ又は両方が
Figure 2020534361
であるとき、R22A及びR23Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールから選択されてもよく、R24Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたアリール、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、任意置換された−O−単環式ヘテロシクリル、及び
Figure 2020534361
から選択され得、Z4Aは、独立して、O(酸素)又はS(硫黄)であり得る。いくつかの実施形態では、R22A及びR23Aは、水素であってよい。別の実施形態では、R22A及びR23Aのうち少なくとも1つは、任意置換されたC1〜24アルキル又は任意置換されたアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、R24Aは、任意置換されたC1〜24アルキルであってよい。他の実施形態では、R24Aは、任意置換されたアリールであってもよい。更に他の実施形態では、R24Aは、任意置換された−O−C1〜24アルキル又は任意置換された−O−アリールであってもよい。いくつかの実施形態では、Z4Aは、O(酸素)であり得る。別の実施形態では、Z4Aは、又はS(硫黄)であってもよい。いくつかの実施形態では、sは、0であり得る。別の実施形態では、sは、1であってもよい。更に別の実施形態では、sは、2であってもよい。なお更に別の実施形態では、sは、3であってもよい。いくつかの実施形態では、sは0であり得、R24A
Figure 2020534361
であり得る。いくつかの実施形態では、uは、1であり得る。別の実施形態では、uは、2であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aのうちの1つ又は両方は、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル(POC)であり得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aのうちの1つ又は両方は、ピバロイルオキシメチル(POM)であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、いずれもイソプロピルオキシカルボニルオキシメチル基であってよく、ビス(イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル)(ビス(POC))プロドラッグを形成することができる。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、いずれもピバロイルオキシメチル基であってよく、ビス(ピバロイルオキシメチル)(ビス(POM))プロドラッグを形成することができる。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、いずれも
Figure 2020534361
であってよく、式中、R26A及びR27Aは、独立して、−C≡N、又はC2〜8オルガニルカルボニル、C2〜8アルコキシカルボニル、及びC2〜8オルガニルアミノカルボニルから選択される任意置換された置換基であり得、R28Aは、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得、rは、1又は2であり得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは両方とも、任意置換されたアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも1つは、任意置換されたアリールであってもよい。例えば、R6A及びR7Aの両方は、任意置換されたフェニル又は任意置換されたナフチルであり得る。置換されるとき、置換されたアリールは、1個、2個、3個、又は3個超の置換基で置換され得る。2個超の置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも1つが置換されたフェニルであるとき、その置換されたフェニルは、パラ、オルト、又はメタ置換フェニルであり得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは両方とも、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも1つは、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)であってもよい。例えば、R6A及びR7Aの両方は、任意置換されたベンジルであり得る。置換されるとき、置換ベンジル基は、1個、2個、3個、又は3個超の置換基で置換され得る。2個超の置換基が存在するとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、アリール(C1〜6アルキル)のアリール基は、パラ、オルト、又はメタ置換フェニルであり得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも
Figure 2020534361
であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも1つは、
Figure 2020534361
であってもよい。いくつかの実施形態では、R25Aは、水素であり得る。別の実施形態では、R25Aは、任意置換されたC1〜24アルキルであってもよい。更に他の実施形態では、R25Aは、任意置換されたアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、R25Aは、C1〜6アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖及び直鎖)、及びヘキシル(分枝鎖及び直鎖)であってもよい。いくつかの実施形態では、tは、0であり得る。他の実施形態では、tは、1であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aのうち1つ又は両方は、S−アシルチオエチル(SATE)であり得る。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、両方とも
Figure 2020534361
であってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aの少なくとも1つは、
Figure 2020534361
であってもよい。いくつかの実施形態では、R29Aは、水素であり得る。他の実施形態では、R29Aは、任意置換されたC1〜24アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R29Aは、C1〜4アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、及びt−ブチルであってもよい。更に他の実施形態では、R29Aは、任意置換されたアリール、例えば、任意置換されたフェニル又は任意置換されたナフチルであってもよい。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、両方ともジオキソレノン基であり得、ジオキソレノンプロドラッグを形成することができる。
いくつかの実施形態では、R5Aは、
Figure 2020534361
であり得、R6Aは、
Figure 2020534361
であり得、R7Aは、存在しないか水素であってよく、R12A、R13A及びR14Aは、独立して、存在しないか水素であってよく、mは、0又は1であり得る。いくつかの実施形態では、mは、0であってよく、R7A、R12A、及びR13Aは、独立して、存在しないか水素であってよい。いくつかの実施形態では、mは、1であってよく、R7A、R12A、R13A、及びR14Aは、独立して、存在しないか水素であってよい。当業者は、mが0であるとき、Z1Aが酸素であるときにはR6Aはジホスフェートであり得、又はZ1Aが硫黄であるときにはα−チオジホスフェートであり得ることを理解している。同様に、当業者は、mが1であるとき、Z1Aが酸素であるときにはR6Aはトリホスフェートであり得、又はZ1Aが硫黄であるときにはα−チオトリホスフェートであり得ることを理解している。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
Figure 2020534361
を形成することができる。例えば、R5Aは、任意置換された
Figure 2020534361
であり得る。置換されるとき、その環は、1、2、3又は4回以上置換されてもよい。複数の置換基により置換されるとき、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、その環は、任意置換されたアリール基及び/又は任意置換されたヘテロアリールで置換されてよい。好適なヘテロアリールの例は、ピリジニルである。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
Figure 2020534361
例えば、
Figure 2020534361
を形成することができ、式中、R32Aは、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、又は任意置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、環状1−アリール−1,3−プロパニルエステル(HepDirect)プロドラッグ部分を形成することができる。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
Figure 2020534361
を形成することができ、R6A及びR7Aに結合された酸素、リン、及びその部分は、6員〜10員の環系を形成する。任意置換された
Figure 2020534361
の例には、
Figure 2020534361
が挙げられる。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、シクロサリゲニル(シクロSal)プロドラッグを形成することができる。
いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、同じであり得る。いくつかの実施形態では、R6A及びR7Aは、異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、Z1Aは、酸素であり得る。他の実施形態では、Z1Aは、硫黄であってもよい。
いくつかの実施形態では、R5Aは、
Figure 2020534361
であり得る。いくつかの実施形態では、R8Aは、存在しない、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得、R9Aは、独立して、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得る。一実施形態において、R5Aは、水素、
Figure 2020534361
である。
いくつかの実施形態では、R8Aは、水素であり得、R9Aは、任意置換されたC1〜6アルキルであってよい。好適なC1〜6アルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖及び直鎖)、及びヘキシル(分枝鎖及び直鎖)が挙げられる。他の実施形態では、R8Aは、水素であり得、R9Aは、NR30A31Aであり得、式中、R30及びR31は、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルから選択され得る。
いくつかの実施形態では、R8Aは、不在であるか又は水素であり得、R9Aは、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であり得る。他の実施形態では、R8Aは、任意置換されたアリールであってもよく、R9Aは、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であってもよい。更に他の実施形態では、R8Aは、任意置換されたヘテロアリールであってもよく、R9Aは、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、R9Aは、アラニン、アスパラギン、アスパルテート、システイン、グルタメート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、及びこれらのエステル誘導体から選択されるアミノ酸であってよい。アミノ酸は、様々な立体化学的配置を有し得る。例えば、アミノ酸は、ラセミ体、L−立体異性体、D−立体異性体、又は立体異性体のうちの一方若しくは他方が豊富に存在するL−立体異性体とD−立体異性体との混合物であり得る。一実施形態において、アミノ酸のL−立体異性体含量は、L−立体異性体とD−立体異性体との混合物に基づいて、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約99重量%である。任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体の例として、アラニンイソプロピルエステル、アラニンシクロヘキシルエステル、アラニンネオペンチルエステル、バリンイソプロピルエステル、及びロイシンイソプロピルエステルの任意置換された型が挙げられる。いくつかの実施形態では、R9Aは、構造
Figure 2020534361
を有し得、式中、R33Aは、水素、任意置換されたC1〜6アルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたアリール、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、及び任意置換されたハロアルキルから選択され得、R34Aは、水素、任意置換されたC1〜6アルキル、任意置換されたC1〜6ハロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたCアリール、任意置換されたC10アリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得、R35Aは、水素又は任意置換されたC1〜4アルキルであってよく、あるいは、R34A及びR35Aは、一緒になって、任意置換されたC3〜6シクロアルキルを形成することができる。任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体のアミノ酸部分は、アミノ酸について上述した様々な立体化学的配置を有し得る。一実施形態において、R9Aは、
Figure 2020534361
である。一実施形態において、R33Aは、C1〜6アルキルである。
34Aが置換されているとき、R34Aは、N−アミド、メルカプト、アルキルチオ、任意置換されたアリール、ヒドロキシ、任意置換されたヘテロアリール、O−カルボキシ、及びアミノから選択される、1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R34Aは、本明細書に記載されているものなどの置換されていないC1〜6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R34Aは、水素であってもよい。他の実施形態では、R34Aは、メチルであってもよい。いくつかの実施形態では、R33Aは、任意置換されたC1〜6アルキルであり得る。任意置換されたC1〜6アルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖及び直鎖)、及びヘキシル(分枝鎖及び直鎖)の任意置換された変異型が挙げられる。いくつかの実施形態では、R33Aは、メチル又はイソプロピルであり得る。いくつかの実施形態では、R33Aは、エチル又はネオペンチルであってもよい。他の実施形態では、R33Aは、任意置換されたC3〜6シクロアルキルであってもよい。任意置換されたC3〜6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルの任意置換された変異型が挙げられる。一実施形態において、R33Aは、任意置換されたシクロヘキシルであり得る。更に他の実施形態では、R33Aは、フェニル及びナフチルなどの任意置換されたアリールであってもよい。なお更に他の実施形態では、R33Aは、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)であってもよい。いくつかの実施形態では、R33Aは、任意置換されたベンジルであってもよい。いくつかの実施形態では、R33Aは、任意置換されたC1〜6ハロアルキル、例えば、CFであってもよい。いくつかの実施形態では、R35Aは、水素であり得る。他の実施形態では、R35Aは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、及びtert−ブチルなどの任意置換されたC1〜4アルキルであってもよい。一実施形態では、R35Aは、メチルであってもよい。いくつかの実施形態では、R34A及びR35Aは、一緒になって、任意置換されたC3〜6シクロアルキルを形成することができる。任意置換されたC3〜6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルの任意置換された変異型が挙げられる。R34A及びR35Aについて選択された基に応じて、R34A及びR35Aが結合している炭素は、キラル中心であり得る。いくつかの実施形態では、R34A及びR35Aが結合している炭素は、(R)−キラル中心であってもよい。他の実施形態では、R34A及びR35Aが結合している炭素は、(S)−キラル中心であってもよい。
いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、Z2Aは、O(酸素)であり得る。他の実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、Z2Aは、S(硫黄)であってもよい。いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、式(I)の化合物は、アリールホスホルアミデートプロドラッグなどのホスホルアミデートプロドラッグであってよい。
いくつかの実施形態では、R5Aは、
Figure 2020534361
であってよい。いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは両方とも、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aの一方又は両方は、独立して、アラニン、アスパラギン、アスパルテート、システイン、グルタメート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、及びこれらのエステル誘導体から選択されるアミノ酸であってもよい。アミノ酸は、様々な立体化学的配置を有し得る。例えば、アミノ酸は、ラセミ体、L−立体異性体、D−立体異性体、又は立体異性体のうちの一方若しくは他方が豊富に存在するL−立体異性体とD−立体異性体との混合物であり得る。一実施形態において、アミノ酸のL−立体異性体含量は、L−立体異性体とD−立体異性体との混合物に基づいて、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約99重量%である。いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは、アラニンイソプロピルエステル、アラニンシクロヘキシルエステル、アラニンネオペンチルエステル、バリンイソプロピルエステル、及びロイシンイソプロピルエステルの任意置換された型であり得る。いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは、独立して、構造
Figure 2020534361
を有することができ、式中、R36Aは、水素、任意置換されたC1〜6アルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたアリール、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、及び任意置換されたハロアルキルから選択され得、R37Aは、水素、任意置換されたC1〜6アルキル、任意置換されたC1〜6ハロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたCアリール、任意置換されたC10アリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得、R38Aは、水素又は任意置換されたC1〜4アルキルであり得、又はR37A及びR38Aは、一緒になって、任意置換されたC3〜6シクロアルキルを形成することができる。
37Aが置換されているとき、R37Aは、N−アミド、メルカプト、アルキルチオ、任意置換されたアリール、ヒドロキシ、任意置換されたヘテロアリール、O−カルボキシ、及びアミノから選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R37Aは、本明細書に記載されているものなどの置換されていないC1〜6アルキルであってよい。いくつかの実施形態では、R37Aは、水素であってよい。他の実施形態では、R37Aは、メチルであってよい。いくつかの実施形態では、R36Aは、任意置換されたC1〜6アルキルであり得る。任意置換されたC1〜6アルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル(分枝鎖及び直鎖)、及びヘキシル(分枝鎖及び直鎖)の任意置換された変異型が挙げられる。いくつかの実施形態では、R36Aは、メチル又はイソプロピルであり得る。いくつかの実施形態では、R36Aは、エチル又はネオペンチルであってもよい。他の実施形態では、R36Aは、任意置換されたC3〜6シクロアルキルであってもよい。任意置換されたC3〜6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルの任意置換された変異型が挙げられる。一実施形態において、R36Aは、任意置換されたシクロヘキシルであってよい。更に他の実施形態では、R36Aは、フェニル及びナフチルなどの任意置換されたアリールであってもよい。なお更に他の実施形態では、R36Aは、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)であってもよい。いくつかの実施形態では、R36Aは、任意置換されたベンジルであってもよい。いくつかの実施形態では、R36Aは、任意置換されたC1〜6ハロアルキル、例えば、CFであってもよい。いくつかの実施形態では、R38Aは、水素であり得る。別の実施形態では、R38Aは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、及びtert−ブチルなどの任意置換されたC1〜4アルキルであってもよい。一実施形態において、R38Aは、メチルであり得る。いくつかの実施形態では、R37A及びR38Aは、一緒になって、任意置換されたC3〜6シクロアルキルを形成することができる。任意置換されたC3〜6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルの任意置換された変異型が挙げられる。R37A及びR38Aについて選択された基に応じて、R37A及びR38Aが結合している炭素は、キラル中心であり得る。いくつかの実施形態では、R37A及びR38Aが結合している炭素は、(R)−キラル中心であってもよい。他の実施形態では、R37A及びR38Aが結合している炭素は、(S)−キラル中心であってもよい。
好適な
Figure 2020534361
基の例としては、
Figure 2020534361
が挙げられる。
いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは、同じであり得る。いくつかの実施形態では、R10A及びR11Aは、異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、Z3Aは、O(酸素)であり得る。他の実施形態では、Z3Aは、S(硫黄)であってもよい。いくつかの実施形態では、R5A
Figure 2020534361
であるとき、式(I)の化合物は、ホスホン酸ジアミドプロドラッグであり得る。
当業者は、R8A、R9A及び/又はR10Aが存在しないとき、結合する酸素が負電荷を有することになると理解している。例えば、R8Aが存在していないとき、R8Aと結合する酸素は、負電荷を有する。R7A中の変数mは、0、1、又は2であり得る。したがって、一実施形態において、R7Aは、モノホスフェート(m=0)であり得、この場合、R10Aは存在しない。別の実施形態では、R7Aは、ジホスフェート(m=1)であってもよい。更に別の実施形態では、R7Aは、トリホスフェート(m=2)であってもよい。
式(I)の化合物のリン部分の電荷を中和することによって、化合物の親油性の増大の結果として、細胞膜の浸透を促進することができる。吸収され、細胞内部に取り込まれると、リンに結合した基は、エステラーゼ、プロテアーゼ、及び/又はその他の酵素によって容易に除去することができる。いくつかの実施形態では、リンに結合した基は、単純な加水分解によって除去することができる。細胞内部で、そのようにして放出されたホスフェートは、次いで細胞性酵素によってジホスフェート又は活性トリホスフェートに代謝され得る。更に、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物などの本明細書に記載の化合物又は上記のいずれかの薬学的に許容される塩における置換基を変更することは、望ましくない作用を減少させることによって当該化合物の有効性を維持するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、R5Aは、水素であり得る。いくつかの実施形態では、R5Aは、任意置換されたアシルであってもよい。他の実施形態では、R5Aは、−C(=O)R39Aであり得、式中、R39Aは、任意置換されたC1〜12アルキル、任意置換されたC2〜12アルケニル、任意置換されたC2〜12アルキニル、任意置換されたC3〜8シクロアルキル、任意置換されたC5〜8シクロアルケニル、任意置換されたC6〜10アリール、任意置換されたヘテロアリール、任意置換されたヘテロシクリル、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、任意置換されたヘテロアリール(C1〜6アルキル)、及び任意置換されたヘテロシクリル(C1〜6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R39Aは、置換されたC1〜12アルキルであってもよい。他の実施形態では、R39Aは、置換されていないC1〜12アルキルであってもよい。
更に他の実施形態では、R5Aは、任意置換されたO−結合型アミノ酸であってもよい。好適なO−結合型アミノ酸の例として、アラニン、アスパラギン、アスパルテート、システイン、グルタメート、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、及びバリンが挙げられる。好適なアミノ酸の追加例としては、オルニチン、ハイプシン、2−アミノイソ酪酸、デヒドロアラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、β−アラニン、α−エチル−グリシン、α−プロピル−グリシン及びノルロイシンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、O−結合型アミノ酸は、−OR5Aが構造
Figure 2020534361
を有するように選択され得、式中、R40Aは、水素、任意置換されたC1〜6アルキル、任意置換されたC1〜6ハロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたCアリール、任意置換されたC10アリール、及び任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)から選択され得、R41Aは、水素又は任意置換されたC1〜4アルキルであってよく、あるいは、R40A及びR41Aは、一緒になって、任意置換されたC3〜6シクロアルキルを形成することができる。
40Aが置換されているとき、R40Aは、N−アミド、メルカプト、アルキルチオ、任意置換されたアリール、ヒドロキシ、任意置換されたヘテロアリール、O−カルボキシ、及びアミノから選択される1つ以上の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R40Aは、本明細書に記載されているものなどの置換されていないC1〜6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R40Aは、水素であってもよい。他の実施形態では、R40Aは、メチルであってもよい。いくつかの実施形態では、R41Aは、水素であり得る。別の実施形態では、R41Aは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、及びtert−ブチルなどの任意置換されたC1〜4アルキルであってもよい。一実施形態では、R41Aは、メチルであり得る。R40A及びR41Aについて選択された基に応じて、R40A及びR41Aが結合している炭素は、キラル中心であり得る。いくつかの実施形態では、R40A及びR41Aが結合している炭素は、(R)−キラル中心であってよい。他の実施形態では、R40A及びR41Aが結合している炭素は、(S)−キラル中心であってもよい。
好適な
Figure 2020534361
の例として、
Figure 2020534361
が挙げられる。
様々な実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、汎ウイルス性化合物である。これに関連して本明細書で使用するとき、用語「汎ウイルス性」は、ウイルスの2つ以上の科におけるウイルスに対して薬学的に有意な活性を示す化合物(例えば、ヌクレオシドアナログ又はヌクレオチドアナログ)を指す。化合物が薬学的に有意な活性を示す程度は、試験されるウイルスに適切な検証されたアッセイを使用することによって測定することができる。そのようなアッセイ方法は当業者に既知であり、以下の実施例に記載されるアッセイ法が挙げられる。一般に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、第1のウイルス科のウイルスについて少なくとも1つのアッセイで100μM以下のEC50及び/又はIC50値を示し、また、第1の科とは異なる第2のウイルス科のウイルスについても少なくとも1つのアッセイで100μM以下のEC50及び/又はIC50値を示す場合、汎ウイルス性であるとみなされる。より高い活性を有する化合物も汎ウイルス性であるとみなされることは、当業者には明らかであろう。例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、第1のウイルス科のウイルスについて少なくとも1つのアッセイで10μM以下のEC50及び/又はIC50値を示し、また、第1の科とは異なる第2のウイルス科のウイルスについて少なくとも1つのアッセイで100μM以下のEC50及び/又はIC50値を示す場合も、汎ウイルス性であるとみなされる。
様々な実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、低毒性化合物である。これに関連して本明細書で使用するとき、用語「低毒性」は、試験されるウイルスに適切な検証された毒性アッセイを使用して試験したときに、薬学的に有意な毒性を示さない化合物(例えば、ヌクレオシドアナログ又はヌクレオチドアナログ)を指す。そのようなアッセイ方法は当業者に既知であり、以下の実施例に記載されるアッセイ法が挙げられる。一般に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、10μM以上の50%細胞毒性濃度(CC50)値を示す場合、薬学的に有意な毒性を示さないとみなされる。より毒性の低い化合物も低毒性であるとみなされることは、当業者には明らかであろう。例えば、化合物は、100μM以上のCC50値を示す場合も、薬学的に有意な毒性を示さないとみなされる。
様々な実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、低毒性汎ウイルス性ヌクレオシドアナログである。これに関連して本明細書で使用するとき、用語「低毒性汎ウイルス性」は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が、上述したように、低毒性及び汎ウイルス性の両方であることを指す。
合成
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、当業者に既知のものを含む様々な方法で調製することができる。本明細書に記載の合成経路は単なる例示であり、たとえいかなる方法であっても特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、またそのように解釈されるべきでもない。当業者は、開示する合成の変形例を認識し、本明細書の開示に基づく代替経路を考案することができるであろう。そのような変形例及び代替経路は全て、本特許請求の範囲内である。方法の例は、以下の実施例に記載されている。
医薬組成物
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、有効量の本明細書に記載する1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はこれらの組み合わせと、を含み得る医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の単一のジアステレオマーを含むことができる(例えば、単一のジアステレオマーは、他のジアステレオマーの総濃度と比較して、99%超の濃度で当該医薬組成物中に存在する)。他の実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のジアステレオマーの混合物を含むことができる。例えば、医薬組成物は、他のジアステレオマーの総濃度と比較して、>50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、又は≧98%の、あるジアステレオマーの濃度を含み得る。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の2つのジアステレオマーの1:1の混合物を含む。
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示する1つ以上の化合物と、希釈剤又は担体などの他の化学成分と、の混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。医薬組成物はまた、化合物を、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得ることができる。医薬組成物は通常、意図する特定の投与経路に合わせられる。医薬組成物は、ヒト用途及び/又は動物用途に好適である。
用語「生理学的に許容される」は、生物学的活性及び化合物の特性を無効にしない、担体、希釈剤、又は賦形剤を定義する。
本明細書で使用するとき、「担体」は、細胞又は組織への化合物の組み込みを容易にする化合物を指す。例えば、限定するものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、被験体の細胞又は組織内への多くの有機化合物の取り込みを容易にする、一般に使用される担体である。
本明細書で使用するとき、「希釈剤」は、薬理活性を欠くが、薬学的に必要である、又は望ましい場合がある、医薬組成物中の成分を指す。例えば、その質量が小さすぎて製造及び/又は投与できない、効力のある薬物の嵩を増加させるために、希釈剤を用いてよい。また、希釈剤は、注入、摂取、又は吸入によって投与される薬物を溶解するための液体であってもよい。当該技術分野における希釈剤の一般的形態は、緩衝化水溶液、例えば、非限定的に、ヒト血液の組成を模倣しているリン酸緩衝生理食塩水である。
本明細書で使用するとき、「賦形剤」は、非限定的に、嵩、稠度、安定性、結合能、潤滑性、崩壊能などを組成物にもたらすために、医薬組成物に添加される不活性物質を指す。「希釈剤」は、賦形剤の一種である。
本明細書に記載する医薬組成物は、それ自体を、あるいは併用療法の場合のように、他の活性成分又は担体、希釈剤、賦形剤若しくはこれらの組み合わせと混合された医薬組成物で、ヒト患者に投与することができる。適切な処方は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載する化合物の処方及び投与の手法は、当業者には既知である。
本明細書に開示する医薬組成物は、それ自体が既知の方法、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣付け、研和、乳化、カプセル化、封入又は錠剤化プロセスの手段によって製造することができる。更に、活性成分は、その意図する目的を達成するのに有効な量含有される。本明細書に開示する医薬組み合わせ物において使用される化合物の多くは、薬学的に適合する対イオンとの塩として提供され得る。
当該技術分野において、化合物の投与方法が多数存在し、例えば、以下に限定されるわけではないが、経口、直腸、外用、エアロゾル、注入及び非経口送達(筋肉内、皮下、静脈内、脊髄内注入、くも膜下、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、及び眼球内注入など)が挙げられる。
例えば、多くの場合デポー剤又は持続放出性製剤の化合物を、感染領域内に直接注入することによって、全身的ではなく局所的に化合物を投与することもできる。更に、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームなど、標的化薬物送達系で化合物を投与することもできる。リポソームは、器官を標的とし、その器官によって選択的に取り込まれる。
必要な場合、組成物は、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を収容し得る、パック又はディスペンサー装置で提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなど、金属又はプラスチック箔を含んでいてよい。パック又はディスペンサー装置には、投与説明書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形態で容器に関する通知が添付されていてもよく、この通知は、当該政府機関によるヒト又は動物に投与するための薬物の形態の承認を反映している。そのような通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品インサートであり得る。適合する医薬担体に処方された本明細書に記載する化合物を含み得る組成物も、指定の病状の治療のために調製され、適切な容器内に入れられ、ラベル付けされ得る。
一実施形態において、本明細書の他の箇所に記載されるような汎ウイルス治療薬は、ウイルス感染症を有する被験体に投与するために製剤化される。例えば、当業者であれば、ウイルス感染症の種類に応じて、特定の方法で製剤化された、例えば、特定の経路(例えば、経口、エアロゾル、注射など)による投与を容易にする及び/又は指示される状態の治療についての適切な表示を有する医薬組成物の形態の汎ウイルス治療薬を投与することがより有利であり得ることを理解する。一実施形態は、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症を有する被験体に投与するために製剤化された汎ウイルス治療薬を提供する。
使用方法
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、当該ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することによって、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、ピコルナウイルス科ウイルスの複製を阻害するために使用することができる化合物に関する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ピコルナウイルス科ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、それ故に、RNAの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、ピコルナウイルス科ウイルスのポリメラーゼは、ピコルナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって阻害され得る。
いくつかの実施形態では、ピコルナウイルス科ウイルスは、アフトウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス、及びパレコウイルスから選択され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、ライノウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。例えば、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、ライノウイルスに感染した被験体に投与することによる、及び/又はライノウイルスに感染した細胞と接触させることによる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、ライノウイルスの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ライノウイルスに対して有効であり得、それにより、ライノウイルス感染症の1つ以上の症状を寛解させることができる。
ピコルナウイルス科ウイルス感染症の治療方法の効果を判定するための様々な指標は、当業者にとって既知である。好適な指標の例として、ウイルス量の減少、ウイルス複製の減少、セロコンバージョンまでの時間の減少(患者血清中で検出できないウイルス)、臨床転帰における罹患率若しくは死亡率の低下、及び/又はその他の疾患応答の指標が挙げられるが、これらに限定されない。更なる指標は、軽減された罹患期間、軽減された疾患重篤度、通常の健康及び通常の活動度に戻るまでの時間の短縮、並びに1つ以上の症状の緩和までの時間の短縮などの、1つ以上の全体的な生活の質の健康指標を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、未治療被験体と比較して、上記指標のうちの1つ以上の低減、緩和、又は肯定的な指標(positive indication)をもたらすことができる。ピコルナウイルス科ウイルス感染症の影響/症状は、本明細書に記載されており、発熱、水疱、発疹、髄膜炎、結膜炎、急性出血性結膜炎(AHC)、咽頭炎、鼻詰まり、鼻水、くしゃみ、せき、食欲不振、筋肉痛、頭痛、疲労、悪心、黄疸、脳炎、ヘルパンギナ、心筋炎、心膜炎、髄膜炎、ボルンホルム病、筋痛、鼻詰まり、筋力低下、食欲不振、発熱、嘔吐、腹痛、腹部不快感、暗色尿、及び筋肉疼痛を挙げることができるが、これらに限定されない。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、フラビウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を被験体に投与することによって、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載された他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害するために使用することができる化合物に関する。いくつかの実施形態では、フラビウイルス科ウイルスのポリメラーゼは、フラビウイルス科ウイルスに感染した細胞を、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって阻害され、それ故に、RNAの複製を阻害することができる。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、HCV感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、HCVに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、HCV感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、HCVに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、HCVに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、HCV感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、C型肝炎ウイルスに感染した細胞を、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含み得るNS5Bポリメラーゼ活性を阻害する方法に関する。上述したように、NS5Bは、HCV RNAの複製に関与するRNA依存性RNAポリメラーゼであると考えられる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、C型肝炎ウイルスに感染した被験体に、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含み得るNS5Bポリメラーゼ活性を阻害する方法に関する。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、それ故に、HCV RNAの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、HCVポリメラーゼ(例えば、NS5Bポリメラーゼ)を阻害することができる。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、肝線維症、肝硬変、及び肝臓がんの肝疾患のうちの1つ以上に罹患している被験体内の肝線維症、肝硬変、及び肝臓がんから選択される病状を治療する方法に関し、肝疾患がHCV感染によって引き起こされた被験体に、有効量の本明細書に記載された化合物又は医薬組成物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、HCV感染を有する被験体内の肝機能を増強する方法に関し、有効量の本明細書に記載された化合物又は医薬組成物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を被験体に投与することを含み得る方法に関する。また、有効量の本明細書に記載される化合物又は医薬組成物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を被験体に投与することにより、HCV感染を有する被験体内の更なるウイルス起因性肝障害を減少させ又は除去するための方法も想到される。いくつかの実施形態において、この方法は、肝疾患の進行を緩和又は中断させることを含み得る。他の実施形態では、疾病の経過を逆転させることができ、肝機能の均衡又は改善が想到される。いくつかの実施形態では、肝線維症、肝硬変、及び/又は肝臓がんを治療することができ、肝機能を増強させることができ、ウイルス起因性肝障害を低減又は除去することができ、肝疾患の進行を緩和又は中断することができ、C型肝炎ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載される化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって、肝疾患の経過を逆転させ、かつ/又は肝機能を改善若しくは維持することができる。
HCVの多様な遺伝子型が存在し、各遺伝子型内に多様なサブタイプが存在する。例えば、6つの主な遺伝子型として遺伝子型を分類していたが、現在、HCVの主な遺伝子型は11個(1〜11番)存在することが既知である。これらの遺伝子型のそれぞれは、サブタイプ(1a〜1c、2a〜2c、3a〜3b、4a〜4e、5a、6a、7a〜7b、8a〜8b、9a、10a、及び11a)に更に分割される。いくつかの実施形態では、有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は有効量の式(I)の化合物若しくは上述のいずれかの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、HCVの少なくとも1つ遺伝子型を治療するのに有効であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、HCVの全ての11個の遺伝子型を治療するのに有効であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、HCVの3個以上、5個以上、7個以上、又は9個以上の遺伝子型を治療するのに有効であり得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、多数のHCV遺伝子型に対して、標準治療より有効であり得る。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、特定のHCV遺伝子型(1、2、3、4、5、及び/又は6遺伝子型など)に対して、標準治療より有効であり得る。
HCV感染を治療するための方法の有効性を判定するための多様な指標が当業者に既知である。好適な指標の例として、ウイルス量の減少、ウイルス複製の減少、セロコンバージョンまでの時間の減少(患者血清中で検出できないウイルス)、治療に対する持続したウイルス応答率の増大、臨床転帰における罹患率若しくは死亡率の低下、肝機能低下率の減少、肝機能の均衡、肝機能の改善、アラニンアミノ基転移酵素、アスパルテートアミノ基転移酵素、総ビリルビン、抱合ビリルビン、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ及び/又は疾病応答のその他の指標を含む、肝機能障害の1つ以上のマーカの減少が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、有効量の本明細書に記載された化合物又は医薬組成物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)による治療が成功した場合、HCV感染の被験体の肝臓がんの発生を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用して、フラビウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、フラビウイルスの複製を阻害することができる。
いくつかの実施形態では、フラビウイルスは、ウエストナイルウイルスであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、DENV−1、DENV−2、DENV−3及びDENV−4などのデング熱ウイルスを治療する及び/又は寛解させることができる。デング熱ウイルス感染症は、出血性デング熱及び/又はデング性ショック症候群を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、出血性デング熱及び/又はデング性ショック症候群を治療する及び/又は寛解させることができる。いくつかの実施形態では、フラビウイルスは、黄熱ウイルスであり得る。なお更に他の実施形態では、フラビウイルスは、フラビウイルス属からの脳炎ウイルスであり得る。脳炎ウイルスの例としては、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス及びダニ媒介性脳炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、フラビウイルスは、ジカウイルスであり得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、フィロウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、当該ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を、フィロウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を、フィロウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することによって、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、フィロウイルス科ウイルスの複製を阻害するために使用することができる化合物に関する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、フィロウイルス科ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、それ故に、RNAの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、フィロウイルス科ウイルスのポリメラーゼは、フィロウイルス科ウイルスに感染した細胞を、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって阻害され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用して、フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、フィロウイルスの複製を阻害することができる。
いくつかの実施形態では、フィロウイルス科ウイルスは、エボラウイルス、マールブルグウイルス、及びキュエバウイルスから選択され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、エボラウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。例えば、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を、エボラウイルスに感染した被験体に投与することによる、及び/又はエボラウイルスに感染した細胞と接触させることによる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、エボラウイルスの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、エボラウイルスに対して有効であり得、それにより、エボラウイルス感染症の1つ以上の症状を寛解させることができる。エボラウイルスの5つの認識されている種は、エボラウイルス(EBOV)、レストンエボラウイルス(REBOV)、スーダンエボラウイルス(SEBOV)、タイフォレストエボラウイルス(TAFV)及びブンディブギョエボラウイルス(BEBOV)である。マールブルグウイルスの2つの認識されている種は、マールブルグウイルス(MARV)及びラビンウイルス(RAVV)である。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、ニューモウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、当該ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を、ニューモウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を、ニューモウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することによって、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、ニューモウイルス科ウイルスの複製を阻害するために使用することができる化合物に関する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ニューモウイルス科ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、それ故に、RNAの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、ニューモウイルス科ウイルスのポリメラーゼは、ニューモウイルス科ウイルスに感染した細胞を、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって阻害され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用して、ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、ニューモウイルス科ウイルス感染症の複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、ニューモウイルスは、HRSV−A2、HRSV−B1、及びHRSV−S2などのヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)であり得る。HRSVは、気道感染、細気管支炎、肺炎、及び重度の下気道疾患を引き起こし得る。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、コロナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に開示する他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を治療する及び/又は寛解させる方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を、当該ウイルス感染症に罹患していると特定された被験体に投与することを含み得る方法に関する。
本明細書に記載するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造において本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用する方法であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を、コロナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することを含み得る方法に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を、コロナウイルス科ウイルスに感染した被験体に投与することによって、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療する方法であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載する他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、コロナウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療するために使用することができる化合物に関する。
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害する方法であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)、又は本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る方法に関する。本明細書に記載の他の実施形態は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の1つ以上の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)の使用であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることを含み得る使用に関する。本明細書に記載の更に他の実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)であって、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、有効量の当該化合物と接触させることによって、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害するために使用することができる化合物に関する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、コロナウイルス科ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、それ故に、RNAの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、コロナウイルス科ウイルスのポリメラーゼは、コロナウイルス科ウイルスに感染した細胞を、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)と接触させることによって阻害され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)を使用して、コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる及び/又は治療することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩)は、コロナウイルス科ウイルスの複製を阻害することができる。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、ヒトアルファコロナウイルス(HRSV)又はヒトベータコロナウイルスであり得る。ヒトに感染し得る6種のコロナウイルスは、アルファコロナウイルス229E及びNL63、並びにベータコロナウイルスOC43、HKU1、SARS−CoV(重症急性呼吸器症候群、すなわちSARSを引き起こすコロナウイルス)、及びMERS−CoV(中東呼吸器症候群、すなわちMERSを引き起こすコロナウイルス)である。
ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症を治療する方法の有効性を判定するための様々な指標は、当業者に既知である。好適な指標の例として、ウイルス量の減少、ウイルス複製の減少、セロコンバージョンまでの時間の減少(患者血清中で検出できないウイルス)、臨床転帰における罹患率若しくは死亡率の低下、及び/又はその他の疾患応答の指標が挙げられるが、これらに限定されない。更なる指標は、軽減された罹患期間、軽減された疾患重篤度、通常の健康及び通常の活動度に戻るまでの時間の短縮、並びに1つ以上の症状の緩和までの時間の短縮などの、1つ以上の全体的な生活の質の健康指標を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、標準治療を受けている被験体又は未治療被験体と比較して、上記指標のうちの1つ以上の低減、緩和、又は肯定的な指標をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、標準治療を受けている被験体又は未治療被験体と比較して、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症に関連する1つ以上の症状の長さ及び/又は重篤度を低減することができる。表1は、標準治療の被検体又は未治療被験体と比較して、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を使用して得られた改善率のいくつかの実施形態を提供する。例としては、以下が挙げられる:いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、標準治療を受けているノンレスポンダーの割合よりもノンレスポンダーの割合が10%少なくなる;いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、感染症について未治療の被験体が経験する罹病期間と比較して、罹病期間が約10%〜約30%短くなる;またいくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、感染症について未治療の被験体が経験する同じ症状の重篤度と比較して、症状(例えば、本明細書に記載の症状のうちの1つ)の重篤度が25%低下する。副作用及び/又は症状の重篤度の定量化の方法は、当業者には既知である。
Figure 2020534361
上述したように、いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、汎ウイルス性ヌクレオシドアナログである。様々な実施形態は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む汎ウイルス治療薬を提供する。これに関連して、用語「汎ウイルス治療薬」は、上記のように汎ウイルス性である、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を指す。したがって、このような汎ウイルス治療薬は、感染症を引き起こすウイルスが2つ以上のウイルス科由来のウイルスによって引き起こされる、2つ以上のウイルス感染症を治療するのに有効である。例えば、一実施形態において、汎ウイルス治療薬は、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及びコロナウイルス科からなる群から選択される2つ以上の科におけるウイルスによって引き起こされるウイルス感染症を治療するのに有効である、化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。当業者であれば、ウイルスの多くの亜科、属及び種、並びにこれらが分類される科を承知している。例えば、一実施形態では、汎ウイルス治療薬は、ピコルナウイルス科のライノウイルス感染症、フラビウイルス科のデング熱ウイルス感染症又はヘパシウイルス感染症、フィロウイルス科のエボラウイルス感染症、ニューモウイルス科のヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)感染症、並びにコロナウイルス科のヒトα−コロナウイルスウイルス感染症、及び/又はヒトβ−コロナウイルスウイルス感染症から選択されるウイルス感染症を治療するのに有効な化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。様々な実施形態において、汎ウイルス治療薬は、本明細書の他の箇所に記載されるように、低毒性の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。汎ウイルス治療薬の例としては、以下の実施例に記載される化合物1〜15、及びこれらの薬学的に許容される塩を含むものが挙げられる。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)の化合物であって、モノ、ジ、若しくはトリホスフェート、又は前述のいずれかの薬学的に許容される塩である式(I)の化合物であり得る。更に他の実施形態では、化合物は、式(I)の化合物であって、チオモノホスフェート、α−チオジホスフェート若しくはα−チオトリホスフェート、又は前述のいずれかの薬学的に許容される塩である式(I)の化合物であり得る。いくつかの実施形態では、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/若しくはコロナウイルス科のウイルス感染症を寛解させる及び/若しくは治療する、並びに/又はコロナウイルスウイルス感染の複製を阻害し、及び/又はピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/若しくはコロナウイルス科のウイルスの複製を阻害するために使用することができる式(I)の化合物又は前述のいずれかの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載の実施形態のいずれかであり得る。
本明細書で使用するとき、「被験体」は、治療、観察又は実験の対象となる動物を指す。「動物」としては、魚類、甲殻類、爬虫類、及び特に哺乳類などの冷血及び温血脊椎動物及び無脊椎動物が挙げられる。「哺乳類」としては、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー、及び類人猿、並びに特にヒトが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、被験体は、ヒトである。
本明細書で使用するとき、用語「治療している」、「治療」、「治療的」、又は「治療法」は、必ずしも疾病又は病状を完全に治癒又は消滅させることを意味するものではない。ある疾患又は病状の任意の望ましくない徴候又は症状をある程度緩和することはいずれも、治療及び/又は治療法とみなすことができる。更に、治療は、患者の総合的満足感又は外観を悪化させる場合がある行為を含み得る。
用語「治療的に有効な量」及び「有効量」は、指定の生物学的又は医薬的応答を誘発する活性化合物又は医薬品の量を示すために使用される。例えば、有効量の化合物は、疾患の症状を予防、緩和、若しくは寛解させる、又は治療される被験者を延命するために必要とされる量であり得る。この応答は、組織、器官、動物、又はヒトにおいて発生し得、治療される疾患の兆候又は症状の緩和を含む。有効量の決定は、本明細書に提供される開示を考慮すると、十分に当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書に開示される化合物の有効量は、投与の経路、治療される動物種(ヒトを含む)、及び対象とする特定の動物の身体的特徴に依存する。所望の効果を達成するように用量を調節することができるが、用量は、体重、食事、併用薬物などの要因、及び医療分野における当業者が認識するであろうその他の要因に依存する。
当業者には容易に明らかとなるように、有用なインビボ投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重、病気の重篤度、及び治療される哺乳類種、使用する特定の化合物、及びこれら化合物が使用される特定用途に依存して異なり得る。所望の結果を達成するために必要な投与量レベルである有効投与量レベルは、当業者が常法、例えば、ヒト臨床試験及びインビトロ試験を用いて達成することができる。
投与量は、所望の効果及び治療指標に依存して広い範囲であり得る。あるいは、投与量は、当業者には理解されるように、患者の表面積に基づき、またそれによって計算することができる。正確な投与量は薬物毎に決定されるが、ほとんどの場合、投与量に関してある程度一般化することができる。成人ヒト患者に対する一日の投与レジメンは、例えば、0.01mg〜3000mg、好ましくは、1mg〜700mg、例えば、5〜200mgの各活性成分の経口投与であり得る。投与量は、被験体の必要に応じて、1日以上の間に1回だけ又は一連の2回以上が与えられてよい。いくつかの実施形態では、化合物は、連続療法の期間にわたって、例えば、1週間以上、又は数ヶ月間若しくは数年間投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、標準治療の範囲内での剤の投与頻度と比較してより少ない頻度で投与することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、1日に1回投与することができる。例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ピコルナウイルス感染症に罹患している被験体に1日1回投与することができる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩による治療レジームの総数は、標準治療による治療レジームの総数と比較して少なくてもよい。
化合物のヒト投与量が少なくともいくつかの病状に対して確立されている場合、それと同じ投与量を用いてもよく、又は確立されたヒト投与量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%の投与量を用いてもよい。新たに発見された医薬組成物の場合のようにヒト投与量が確立されていない場合、動物における毒性試験及び有効性試験によって限定されるED50若しくはID50値、又はインビトロ若しくはインビボ試験から得られるその他の適切な値から好適なヒト投与量を推測することができる。
薬学的に許容される塩を投与する場合、投与量は遊離塩基として算出してよい。当業者には理解されるように、特定の状況では、特に侵攻性の疾患又は感染症を有効かつ積極的に治療するために、上述の好ましい投与量範囲を超える、又は更にははるかに超える量の本明細書に開示する化合物を投与することが必要である場合がある。
投与量及び投与間隔は、調節作用を維持するのに十分な活性部分の血漿レベル、つまり最小有効濃度(MEC)をもたらすように個々に調整してよい。MECは、各化合物で変動するが、インビトロデータから推定することができる。MECの達成に必要な投与量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。しかし、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを用いて血漿濃度を測定することができる。投与間隔も、MEC値を用いて決定することができる。組成物は、10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%の時間、MECを上回る血漿レベルを維持するレジメンを用いて投与すべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度と無関係である場合がある。
主治医は、毒性又は臓器不全に起因して投与を終了、中断、又は調整する方法及びタイミングを分かっていることに留意されたい。逆に、主治医は、臨床的応答が十分でなかった場合、治療薬をより高レベルに調整することも分かっている(毒性を除く)。対象障害の管理において投与される用量の程度は、治療される病状の重篤度及び投与経路によって変動し得る。病状の重篤度は、例えば、標準的な予後評価法によってある程度評価することができる。更に、投与量及びおそらく投与頻度も、年齢、体重、及び個々の患者の反応によって変動する。上述のものに相当するプログラムを、動物用の医薬において使用することができる。
本明細書に開示する化合物は、既知の方法を用いて有効性及び毒性について評価することができる。例えば、特定の化学部分を共有する特定の化合物又は化合物のサブセットの毒性は、細胞株、例えば哺乳類、好ましくはヒトの細胞株に対するインビトロ毒性を判定することによって確立することができる。多くの場合、そのような試験の結果は、哺乳類、又はより具体的にはヒトなどの動物における毒性の予測となる。あるいは、マウス、ラット、ウサギ、又はサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性を、既知の方法を用いて決定してもよい。特定の化合物の有効性は、いくつかの認められている方法、例えば、インビトロ法、動物モデル、又はヒト臨床試験を用いて確立することができる。有効性を判定するためのモデルを選択するとき、当業者は、適切なモデル、投与量、投与経路及び/又はレジームを選択するための最先端の方法によって導かれることができる。
併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物、例えば、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は本明細書に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症を治療する、寛解させる、及び/又は阻害するために1つ以上の追加の剤と併用することができる。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、単一の医薬組成物中で1つ以上の追加の剤と併用して投与することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、2種類以上の別個の医薬組成物として、1つ以上の追加の剤と併用して投与することができる。例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、ある1つの医薬組成物で投与することができ、少なくとも1つの追加の剤は、第2の医薬組成物で投与することができる。少なくとも2つの追加の剤がある場合、追加の剤のうちの1つ以上は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む第1の医薬組成物中にあってもよく、また別の(複数の)追加の剤のうち少なくとも1つは、第2の医薬組成物中にあってもよい。
式(I)の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の追加の剤を含む医薬組成物を使用するとき、(複数の)投与量及び(複数の)投与スケジュールは、当業者の知識の範囲内である。例えば、当該技術分野において承認されている投与量及び投与スケジュールを使用する従来の標準治療法を実施するとき、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、本明細書に記載されるとおりの有効量及び投与プロトコルを使用して、その治療法に加えて、又は併用療法の剤のうちの1つの代わりに投与することができる。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の、1つ以上の追加の剤と共に投与する順番は、多様であり得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、全ての追加の剤の前に投与してもよい。別の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの追加の剤の前に投与してもよい。更に別の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、1つ以上の追加の剤と同時に投与してもよい。なお更に別の実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの追加の剤の投与後に投与してもよい。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、全ての追加の剤の投与後に投与してもよい。
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の剤と併用して使用される式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組み合わせは、相加効果をもたらす場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の剤と併用して使用される式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組み合わせは、相助作用をもたらす場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の剤と併用して使用される式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組み合わせは、強い相助作用をもたらす場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の剤と併用して使用される式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の組み合わせは、拮抗的ではない。
本明細書で使用するとき、用語「拮抗的」は、化合物を組み合わせた場合の活性が、各化合物の活性を個々に(すなわち、単一の化合物として)測定した場合のその組み合わせの各化合物の活性の総和と比較してより低いことを意味する。本明細書で使用するとき、用語「相助作用」は、化合物を組み合わせた場合の活性が、各化合物の活性を個々に測定した場合のその組み合わせの各化合物の個々の活性の総和より高いことを意味する。本明細書で使用するとき、用語「相加作用」は、化合物を組み合わせた場合の活性が、各化合物の活性を個々に測定した場合のその組み合わせの各化合物の個々の活性の総和にほぼ等しいことを意味する。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を1つ以上の追加の剤と併用して利用することの潜在的利点は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩なしで1つ以上の追加の剤を投与したときと同じ治療結果を得るために必要な量と比較して、ウイルス感染症の治療において有効な1つ以上の追加の剤の必要量が少なくなることであり得る。式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を1つ以上の追加の剤と併用して利用することの別の潜在的利点は、異なる作用機序を有する2つ以上の化合物の使用により、化合物が単剤療法として投与されたときの障壁と比較して、耐性ウイルス株の発現に対してより高い障壁を作り出すことができることである。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を1つ以上の追加の剤と併用して利用することの別の利点として、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、その1つ以上の追加の剤と、の間の交差耐性がほぼないか、全くないこと、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の追加の剤の排出のための経路が異なること、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上の追加の剤と、の間の重複毒性がほぼないか、全くないこと、シトクロムP450に対する有意な影響がほぼないか、全くないこと、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上の追加の剤と、の間の薬物力学的相互作用がほぼないか、全くないこと、化合物が単剤療法として投与されたときと比較してウイルス応答の持続を達成する被験者の割合がより多いこと、及び/あるいは化合物が単剤療法として投与されたときと比較してウイルス応答の持続を達成するための治療時間が減少することを挙げることができる。
ウイルス感染症の治療については、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物と併用することができる追加の剤の例としては、リバビリン及びインターフェロン(本明細書に記載のものを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
追加の実施形態は、以下の実施例において更に詳細に開示されるが、これらは、いかなる方法でも特許請求の範囲を限定することを意図しない。
化合物
表1〜3に示す式(I)の化合物は、本明細書に提供される詳細な教示によって導かれるように当業者に既知の技術を使用して、様々な方法で調製することができる。例えば、表1〜3に示す式(I)の化合物は、以下の実施例1〜15並びに図1〜8に示す反応スキームを含む本明細書に記載の詳細な教示を考慮して容易に調製することができる。当業者であれば、表1〜3に示す多くの構造が立体特異的(又は非立体特異的)であり、及び/又は非充填原子価を有するものとして示されていること、並びにラセミ化合物、ジアステレオマー、鏡像異性体及び/又は重水素化バージョンを含む同位体的及び/又は立体化学的変異型が、本明細書に提供される指針に従って調製できることを理解するであろう。
Figure 2020534361
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Figure 2020534361
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合成
次に、本発明の方法において有用な例示的な化合物を、以下のそれらの一般的調製についての例示的な合成スキーム及びそれに続く具体例を参照することによって説明する。本明細書における様々な化合物を得るためには、最終的に所望の置換基が、適宜保護を行って又は行わずに反応スキームを通じて保持されて、所望の生成物が得られるように、出発物質を好適に選択することができることを、当業者であれば理解するであろう。あるいは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通じて保持され、かつ所望される置換基で適宜置換され得る、好適な基を用いることが必要な場合があるか、又は望ましい場合がある。特に明記されない限り、変数は、式(I)を参照して上で定義したとおりである。反応は、溶媒の融点と還流温度との間、好ましくは0℃と溶媒の還流温度との間で実施することができる。反応は、従来の加熱又はマイクロ波加熱を用いて加熱されてもよい。反応は、密閉圧力容器内で溶媒の通常の還流温度より高い温度で実施されてもよい。本明細書で使用される略語及び頭字語は、表4に使用されるものを含む。
Figure 2020534361
次に、本発明の方法において有用な例示的な化合物を、以下のその一般的調製についての例示的な合成スキーム及び以下の具体例を参照することによって説明する。
Figure 2020534361
スキーム1に従って、トルエン、DCMなどの好適な溶媒中、0℃〜60℃の範囲の温度で、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)などのフッ素化剤を使用して、式(V)の化合物(式中、PGはベンジルである)がフッ素化される。式(VI)の化合物(式中、PGはベンジルである)から2工程で式(VII)の化合物を調製する。ジオキサン−メタノール混合物中、HClを用いて1,2−アセトニドを酸触媒加水分解し、続いて、NaH及び臭化ベンジルと反応させて、式(VII)の化合物(式中、PGはベンジルであり、R4AはCHFである)を得る。
Figure 2020534361
スキーム2に従って、D−リボフラノースから2工程で式(VII)の化合物(式中、PGはベンジルであり、R4AはHである)を調製する。第1の工程では、MeOH中、HSOなどの酸を用いてD−リボフラノースをメチル化する。第2の工程では、当業者に既知の条件を用いてベンジルなどの好適な保護基で保護して、式(VII)の化合物を得る。10〜15時間にわたって水中でTFAなどの酸を使用して、式(VII)の化合物(式中、R4AはHである)中のメチル基を除去して、式(VIII)の化合物(式中、PGはベンジルである)を提供する。R4AがCHFである場合、スキーム2のプロセスは、スキーム2Aに示すように改変してよい。
Figure 2020534361
スキーム3に従って、PCCなどのクロム媒介酸化又はDMSO/AcOを用いて式(VIII)の化合物(式中、PGはベンジルであり、R4AはH又はCHFである)を酸化して、式(IX)のリボラクトン化合物を得る。
Figure 2020534361
スキーム4に従って、市販の又は合成により入手可能な式(III)の化合物(式中、HALはBrである)、及び市販の又は合成により入手可能な式(IX)の化合物(式中、PGはベンジルであり、R4AはH又はCHFである)から2工程で、式(X)の化合物を調製する。例えば、第1の工程では、7−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンなどの式(III)の化合物を、THFなどの好適な溶媒中でNaHなどの塩基、及び1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタンと反応させて、式(IV)の化合物を得、これを単離せずに次の工程でそのまま使用した。第2の工程では、THF、EtOなどの好適な溶媒中、−78℃の温度で、式(IV)の化合物をn−BuLi、t−BuLiなどの塩基と反応させ、続いて、(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンなどの、市販の又は合成により入手可能な式(IX)のリボラクトン化合物を添加して、式(X)の化合物を得る。
Figure 2020534361
スキーム5に従って、式(X)の化合物から式(XI)のシアノ化合物(式中、R4AはHであり、PGはベンジルである)を調製する。例えば、DCMなどの溶媒中、約−78℃の温度で、式(X)の化合物をTMSCN及びTMSOTfと反応させて、式(XI)の化合物を得る。三塩化ホウ素などの試薬を用いて3つのベンジル保護基を除去して、式(XII)の化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはHである)を得る。
Figure 2020534361
スキーム6に従って、トリフェニルホスフィン、イミダゾール及びヨウ素を用いて式(XII)の化合物(式中、R4AはHであり、R1AはCNである)をハロゲン化して、式(XIII)の化合物を得る。式(XIII)のヨード化合物が塩基促進性排除を受けて、式(XIV)のオレフィン化合物を得る。
Figure 2020534361
スキーム7に従って、ACNなどの好適な溶媒中、N−ヨードスクシンイミド(NIS)及びTEA−3HFで式(XIV)のオレフィン化合物(式中、R1AはCNである)をハロゲン化処理して、式(XIII)のフルオロヨード化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはFである)を得る。
位置特異的及び立体特異的に、式(XIV)の化合物の4’−二重結合にアジ化ヨウ素を添加することによって式(XIII)のアジド化合物(式中、R4AはNである)を調製する。例えば、DMFなどの好適な溶媒中でアジ化ヨウ素(一塩化ヨウ素及びアジ化ナトリウムからその場で生成)を式(XIV)の化合物(式中、R1AはCNである)に添加して、式(XIII)のアジド化合物(式中、R4AはNであり、R1AはCNである)を得る。
ピリジンなどの溶媒中、0℃〜室温の範囲の温度で、塩化ベンゾイルを使用して保護することにより、式(XVI)の化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはN又はFであり、PGはベンゾイルである)を得る。
Figure 2020534361
スキーム8に従って、式(XIII)の化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはFである)を保護して、式(XVII)のメトキシメチレン化合物を得る。DMSO、DMFなどの好適な溶媒中、約100℃の温度で、安息香酸カリウムなどの求核剤、18−クラウン−6との求核置換反応において式(XVII)の化合物を反応させて、式(XVIII)の化合物(式中、PGはベンゾイルである)を得る。メタノール中、アンモニアでベンゾイル保護基(PG)を脱保護して、式(XIX)の化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはFである)を得る。
Figure 2020534361
スキーム9に従って、イミダゾール及びDMAPの存在下、DMFなどの好適な溶媒中、約40〜60℃の温度で、tert−ブチル(クロロ)ジメチルシランを使用して、tert−ブチルジメチルシリル基により式(XIV)の化合物(式中、R1AはCNである)の2’及び3’−OHを保護する。その後、前述の条件を用いてベンゾイルを保護して、式(XX)の化合物(式中、各PGはTBDMSであり、PGはBzである)を得る。DCMなどの好適な溶媒中、ジメチルジオキシラン(DMDO、ペルオキシ一硫酸カリウム(オキソン)を含有する水溶液にアセトンを添加することによってその場で生成)などのジオキシランで立体選択的にエポキシ化させて、式(XXI)のエポキシド化合物を得る。InBr、TiClなどのルイス酸及びシアノトリメチルシラン(TMSCN)の存在下、DCMなどの好適な溶媒中で、式(XXI)の化合物のエポキシドを開環させることによって、式(XXII)の化合物(式中、R1A及びR4AはCNであり、PGはトリメチルシリルである)を調製する。
Figure 2020534361
スキーム10に従って、DCMなどの好適な溶媒中で、フェニルホスホロジクロリデートを、市販の又は合成的に入手可能なアミノ酸又は任意置換されたアミノ酸エステル誘導体、トリエチルアミン(TEA)などの塩基と反応させることによって、式(XXV)のクロロホスホルアミデート(式中、Z3AはOであり、R9Aは、N−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体である)を調製する。Uchiyama手順(Uchiyama,M.;Aso,Y.;Noyori,R.;Hayakawa,Y.O−selective phosphorylation of nucleosides without N−protection.J.Org.Chem.1993,58,373〜379)を使用して、ACNなどの好適な溶媒中、N−メチルイミダゾールの存在下で、式(XXV)のクロロホスホルアミデート化合物を、式(XIX)の化合物(式中、R1AはCNであり、R4AはFである)と反応させる。その後、ジオキサン、水、又はこれらの混合物などの好適な溶媒中でHCl、HCOOHなどの酸を使用して、係留(tethered)オキソメチレンを脱保護して、式(Ia)の化合物(式中、R1AはCNであり、R2A及びR3AはHであり、R4AはFである)を得る。
当業者に既知の方法を用いて、式(I)の化合物をその対応する塩に変換してもよい。例えば、式(I)のアミンを、EtO、CHCl、THF、MeOH、クロロホルム、又はイソプロパノールなどの溶媒において、トリフルオロ酢酸、HCl、又はクエン酸で処理すると、対応する塩形態が得られる。あるいは、逆相HPLC精製条件の結果としてトリフルオロ酢酸塩又はギ酸塩が得られる。式(I)の化合物の製薬的に許容される塩の結晶質形態は、極性溶媒(極性溶媒の混合物及び極性溶媒の水性混合物を含む)又は非極性溶媒(非極性溶媒の混合物を含む)から再結晶化させることによって、結晶質形態で得ることができる。
本明細書に記載の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは結果として鏡像異性体として存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらはジアステレオマーとして追加的に存在し得る。かかる異性体及びその混合物は全て、本発明の範囲内に包含されると理解される。
上述のスキームに従って調製される化合物は、形態特異的合成によって、又は分解によって、単一の鏡像異性体などの単一の形態として得ることができる。あるいは、上述のスキームに従って調製される化合物は、ラセミ(1:1)又は非ラセミ(1:1ではない)混合物などの様々な形態の混合物として得られてもよい。鏡像異性体のラセミ及び非ラセミ混合物が得られる場合、当業者に既知の従来の単離方法、例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、ジアステレオマー塩形成、ジアステレオマー付加体への誘導体化、生体内変換、又は酵素による変換などを用いて、単一の鏡像異性体を単離することができる。位置異性体混合物又はジアステレオマー混合物が得られる場合、適用可能であるなら、従来の方法、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化などを用いて単一の異性体を分離してもよい。
以下に記載する具体例は、本発明及び様々な好ましい実施形態を更に例示するために提供される。以下の実施例に記述する化合物及び対応する分析データを得る際、特に指示しない限り、以下の実験及び分析プロトコルに従った。
特に記載がない限り、反応混合物は窒素雰囲気下、室温(rt)で磁気的に撹拌した。溶液を「乾燥させる」場合、一般的にNaSO又はMgSOなどの乾燥剤で乾燥させた。混合物、溶液、及び抽出物を「濃縮する」場合、典型的には減圧下においてロータリーエバポレーターで濃縮した。マイクロ波照射条件下での反応は、Biotage Initiator又はCEM(Microwave Reactor)Discover機器で行った。
順相シリカゲルクロマトグラフィー(FCC)は、事前パッケージングされたカートリッジを使用して、シリカゲル(SiO)において実行した。
以下のとおり、Agilent HPLCで分取逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を実施した:Xterra Prep RP18カラム(5μM、30×100又は50×150mm)又はXBridge C18 OBDカラム(5μM、30×100又は50×150mm)を使用し、40又は80mL/分の流速で、20mM NHOH中5%ACN移動相を2分間保持し、次いで、15分間かけて5〜99%のACN勾配で変化させ、次いで、99%ACNで5分間保持した。
質量スペクトル(Mass spectra、MS)は、特に指示しない限り、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization、ESI)を用いてAgilentシリーズ1100 MSDで得た。質量の計算値(calcd.)は、正確な質量に相当する。
核磁気共鳴(Nuclear magnetic resonance、NMR)スペクトルは、Bruker 400MHzモデルDRX分光計で得た。多重度の定義は、以下のとおりである:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br=広帯域。交換可能なプロトンを含む化合物では、当該プロトンは、NMRスペクトルの実施に使用される溶媒の選択及び溶液中の化合物の濃度に応じて、NMRスペクトルで可視化されていてもよいし、されていなくてもよいことが理解されるであろう。
化学名は、ChemDraw Ultra12.0、ChemDraw Ultra14.0(CambridgeSoft Corp.,Cambridge,MA)又はACD/Name Version 10.01(Advanced Chemistry)を使用して作成した。
中間体1
(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。
Figure 2020534361
工程A.7−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン。DMF(20mL)中ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(2.1g、15.66mmol、1.00当量)の溶液に、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(2.24g、7.83mmol、0.53当量)を−20℃で数回に分けて添加した。得られた溶液を−20℃で1時間撹拌し、次いで、30mLの飽和亜硫酸ナトリウム(水溶液)を添加することによってクエンチした。濾過後、濾過物を200mLの酢酸エチルに溶解させ、100mLの飽和炭酸ナトリウム(水溶液)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、2.50(75%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):213,215。
工程B.(3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−オール。不活性雰囲気下で無水THF(200mL)中7−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(2g、9.39mmol、2.98当量)の溶液に、水素化ナトリウム(754mg、18.92mmol、2.2当量)と共に1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジクロロジシリルエチレン(2.2g、9.46mmol、1.1当量)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。次いで、反応物を−78℃まで冷却した後、n−ブチルリチウム(11.4mL、28.38mmol、ヘキサン中2.5M)を10分間かけてゆっくり添加した。反応物を更に15分間撹拌した後、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]オキソラン−2−オン(3.6g、8.60mmol、1.00当量)(5mLのTHFに溶解)を滴下して加えた。得られた溶液を−78℃で1時間撹拌し、次いで、200mLの飽和塩化アンモニウム(水溶液)を添加することによってクエンチした。得られた溶液を酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(ACN/HO)により精製した。これにより、2g(42%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):553。
工程C.(3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でDCM(80mL)中(3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−オール(2.2g、3.98mmol、1.00当量)の溶液に、トリメチルシランカルボニトリル(1.86mL、3.50当量)を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を10分間撹拌した。これに、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(3.26mL、4.50当量)を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を0℃で2時間撹拌し、次いで、200mLの飽和重炭酸ナトリウム(水溶液)を添加することによってクエンチした。得られた溶液を200mLのDCMで抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10〜2:1)を用いてシリカゲルカラムで精製した。これにより、1.2g(54%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):562。
工程D.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でDCM(5mL)中(3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(1g、1.78mmol、1.00当量)の溶液に、三塩化ホウ素(DCM中1M、8mL、3.4当量)の溶液を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで、メタノール中炭酸カリウムを添加することによってクエンチした。濾過後、得られた溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(ACN/HO)により精製した。これにより、207mg(40%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):292.H−NMR(DMSO−d):δ7.90(s,1H),7.6−8.0(br,2H),6.88(d,J=4.4Hz,1H),6.86(d,J=4.4Hz,1H),6.1(Br s,1H),5.19(Br s,1H),4.91(Br s,1H),4.62(d,J=5.2Hz,1H),4.04(m,1H),3.93(m,1H),3.62(m,1H),3.49(m,1H)。
中間体2
(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン。
Figure 2020534361
工程A.(3aR,5R,6S,6aR)−6−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール。不活性雰囲気下でトルエン(200mL)中ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)(16g、99.38mmol、1.99当量)の溶液に、トルエン(100mL)中((3aR,5R,6S,6aR)−6−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール−5−イル)メタノール(20g、49.94mmol、1.00当量)の溶液を0℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を60℃で5時間撹拌した。NaHCO水溶液(3L)を添加することによって反応物をクエンチし、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1:20))を用いてシリカゲルカラムで精製して、12.5g(62%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z:403[M+H]
工程B.(3R,4S,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)−2−メトキシテトラヒドロフラン−3−オール。メタノール(100mL)中(3aR,5R,6S,6aR)−6−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[2,3−d][1,3]ジオキソール(10g、24.8mmol、1.00当量)の溶液に、塩化水素(1,4−ジオキサン中4M、30mL)の溶液を0℃で添加した。得られた溶液を25℃で1時間撹拌し、減圧下で濃縮して、9g(粗)の標題化合物を黄色油状物として得、これを精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS m/z:377[M+H]
工程C.(2R,3S,4R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(フルオロメチル)−5−メトキシテトラヒドロフラン。不活性雰囲気下でテトラヒドロフラン(400mL)中(3R,4S,5R)−4−(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)−2−メトキシテトラヒドロフラン−3−オール(20g、53.13mmol、1.00当量)の溶液に、水素化ナトリウム(4.3g、179.17mmol、2.10当量)を数回に分けて0℃で添加し、0.5時間撹拌した。得られた溶液に臭化ベンジル(18g、105.88mmol、2.00当量)を添加し、25℃で4時間撹拌した。次いで、NHCl水溶液(200mL)を添加することによって反応物をクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、NaCl水溶液(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、15g(粗)の標題化合物を黄色油状物として得、これを精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS m/z:489[M+H]
工程D.(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−オール。水(200mL)中90%TFA中(2R,3S,4R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−2−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(フルオロメチル)−5−メトキシテトラヒドロフラン(11g、38.58mmol、1.00当量)の溶液を、25℃で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcに溶解させ、塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。蒸発残渣を精製して(酢酸エチル/石油エーテル(1/3)を用いるシリカゲルカラム)、8.9g(46%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z:475[M+H]
工程E.(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン。DMSO(20mL)中(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−オール(1g、2.21mmol、1.00当量)の溶液に、AcO(15mL)を添加した。得られた溶液を室温で16時間撹拌した。次いで、NaCO水溶液(50mL)を添加することによって反応物をクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。精製して(酢酸エチル/石油エーテル(1:5)を用いるシリカゲルカラム)、578mg(58%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z:473[M+H]
中間体3
(3R,4S,5R)−5−(クロロメチル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン。
Figure 2020534361
工程Aで、DASTをPPH、CCl、DCEに置き換え、より高温にする改変を行って、中間体2、工程A〜Eと同様に標題化合物を調製することができる。
(実施例1)
化合物1:(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。
Figure 2020534361
工程A.(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でテトラヒドロフラン(120mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(中間体1、6g、20.5mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(10.8g、41.2mmol、2.00当量)及びイミダゾール(6.99g、102.7mol、5.00当量)を添加した。テトラヒドロフラン(10mL)中ヨウ素(10.4g、41.2mmol、2.00当量)の溶液を、室温で撹拌しながら反応混合物に滴下して加えた。得られた溶液を50℃で2時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、残渣をACN/HOを用いて逆相クロマトグラフィーにより精製して、6g(72.6%)の標記化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:402[M+H]
工程B.(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。アセトニトリル(240mL)中(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(12g、29.9mmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(15g、59.8mmol、2.00当量)を室温で添加した。得られた溶液を60℃で4時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、残渣をACN/HOを用いて逆相クロマトグラフィーにより精製して、7g(79%)の標記化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:274[M+H]
工程C.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でテトラヒドロフラン(60mL)中(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(2g、7.32mmol、1.00当量)の溶液に、トリエチルアミントリヒドロフルオリド(2.94g、18.3mmol、2.50当量)及びN−ヨードスクシンイミド(2.47g、10.98mmol、1.50当量)を室温で添加した。得られた溶液を2時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、残渣をACN/HOを用いて逆相クロマトグラフィーにより精製して、1g(33%)の標記化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:420[M+H]
工程D.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−シアノ−5−フルオロ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート。不活性雰囲気下でピリジン(22mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(1.1g、2.62mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながら塩化ベンゾイル(1.66g、11.8mmol、4.50当量)を滴下して加えた。得られた溶液を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(100mL)を添加することによってクエンチした。得られた溶液をジクロロメタン(100mL×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、得られた溶液を減圧下で濃縮した。精製して(酢酸エチル/石油エーテル(1:10〜1:2)を用いるシリカゲルカラム)、1.1g(58%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:732[M+H]
工程E.(2R,3R,4S,5S)−2−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−((ベンゾイルオキシ)メチル)−2−シアノ−5−フルオロテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート。N,N−ジメチルホルムアミド(70mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−シアノ−5−フルオロ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(700mg、0.96mmol)の溶液に、安息香酸カリウム(767mg、4.79mmol、5.00当量)及び18−クラウン−6(507.5mg、1.92mmol、2.00当量)を添加した。得られた溶液を100℃で16時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、得られた溶液を減圧下で濃縮した。精製して(酢酸エチル/石油エーテル(1:10〜1:2)を用いるシリカゲルカラム)、350mg(50%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:726[M+H]
工程F.(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。2N NH/MeOH(20mL)中(2R,3R,4S,5S)−2−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−((ベンゾイルオキシ)メチル)−2−シアノ−5−フルオロテトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(590mg、0.58mmol、1.00当量)の溶液を室温で20時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。精製して(DCM/MeOH(6:1)を用いるシリカゲルカラム)、150mg(60%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS m/z:310[M+H]H−NMR(CDOD):δ7.89(s,1H),7.01(d,J=4.6Hz,1H),6.90(d,J=4.6Hz,1H),4.75(d,J=6.3Hz,1H),4.49(dd,J=20.0,6.4Hz,1H),3.90−3.71(m,2H).19F−NMR(CDOD):δ−125.07。
(実施例2)
化合物2:(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。
Figure 2020534361
工程A.(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。DMF(4mL)中ICl(1.19g、7.3mmol、2.50当量)の溶液に、NaN(951mg、14.6mmol、5.00当量)を添加した。30℃で30分間撹拌した後、DMF(8mL)中(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物1、工程Bからの生成物、800mg、2.92mmol、1.00当量)の溶液を室温で撹拌溶液に添加した。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、8mLのNa(水溶液)の添加によってクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮し、逆相フラッシュクロマトグラフィー(ACN/HO)により精製して、0.88g(60%)の標題化合物を明黄色固形物として得た。MS m/z:443[M+H]
工程B.(2S,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート。不活性雰囲気下で無水ピリジン(6mL)中(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(500mg、1.13mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(715mg、5.1mmol、4.5当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。MeOH(2mL)を添加することによって反応物をクエンチし、減圧下で濃縮し、次いで、酢酸エチル(100mL)に溶解させ、NaHCO水溶液(30mL)、NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。精製して(PE/EA=2:1を用いるシリカゲルカラム)、597mg(70%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z:755[M+H]
工程C.(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート及び(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート。1,2−ジクロロエタン(10mL)中(2S,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(500mg、0.66mmol)の溶液に、CFCOOAg(1.46g、6.6mmol、10当量)を室温で添加した。得られた溶液を光から保護し、90℃で8時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、NaHCO水溶液(30mL)、NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、450mgのm(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート及び(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートを黄色固形物として得た。粗混合物を、次の工程でそのまま使用した。(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートについてはMS m/z:741[M+H]及び(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートについては645[M+H]
工程D.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−((2,2,2−トリフルオロアセトキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート及び(2R,3S,4R,5R)−2−アジド−5−(4−ベンズアミドピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートの混合物(400mg、1.78mmol)をメタノール(10mL)中2N NHに溶解させ、室温で20時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。RP−HPLC(XBridge Prep C18 OBDカラム、19×150mm、5μm;移動相、A:水中10mM NHHCO、B:ACN中10mM NHHCO(7分間で5.0%ACNから27.0%まで);検出器、UV254/220nm)により精製して、56.3mg(34%)の標題化合物を明黄色固形物として得た。MS m/z:333[M+H]H NMR(CDOD)δ7.88(s,1H),7.03(d,J=4.6Hz,1H),6.93(d,J=4.6Hz,1H),5.02(d,J=5.8Hz,1H),4.43(d,J=5.8Hz,1H),3.82(d,J=12.2Hz,1H),3.69(d,J=12.2Hz,1H)。
(実施例3)
化合物3:(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(フルオロメチル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。
Figure 2020534361
工程A.(3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−オール。不活性雰囲気下で無水THF(200mL)中7−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(0.781g、3.667mmol、1.1当量)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、293mg、7.33mmol、2.2当量)を添加した後、直ちに1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジクロロジシルエチレン(0.78g、3.667mmol、1.1当量)を添加した。混合物を室温で20分間撹拌した。次いで、反応物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、4.4mL、11mmol、3.3当量)を10分間かけてゆっくりと添加した。反応物を20分間撹拌した後、(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(中間体2、1.5g、5mLのTHF中、3.33mmol、1.00当量)を滴下して加えた。得られた溶液を−78℃で1時間撹拌し、次いで、NHCl水溶液(200mL)を添加することによってクエンチした。得られた溶液を酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(ACN/HO)により精製して、1.15g(59%)の標題化合物(2つの異性体、比:1/1)を黄色固形物として得た。MS m/z:585[M+H]
工程B.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル及び(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でDCM(20mL)中(3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−オール(1.15g、1.97mmol、1.00当量)の溶液に、トリメチルシランカルボニトリル(682mg、6.90mmol、3.50当量)を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を10分間撹拌した。この溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.96g、8.87mmol、4.50当量)を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を0℃で2時間撹拌し、次いで、NaHCO水溶液(200mL)を添加することによってクエンチした。得られた溶液をDCM(2×200mL)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相フラッシュクロマトグラフィー(ACN/HO)により精製して、397mg(35%)の(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルを黄色固形物として、390mg(35%)の(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルを黄色固形物として得た。MS m/z:594[M+H]
工程C.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(フルオロメチル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下でDCM(1mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(350mg、0.59mmol、1.00当量)の溶液に、三塩化ホウ素(DCM中1M、20mL)の溶液を−20℃で滴下して加えた。得られた溶液を−20℃で1時間撹拌し、次いで、KCO/MeOHを添加することによってクエンチした。溶液のpH値をTEAで7に調整した。固形物を濾別し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物(100mg)をRP−HPLC(XBridge Prep C18 OBDカラム、19×150mm、5μm;移動相、A:10mM NHHCO水溶液、B:MeCN中10mM NHHCO;勾配5%から27%B;検出器、UV254/220nm)により精製して、59.3mg(31.3%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS m/z:324[M+H]H−NMR(CDOD):δ7.86(s,1H),6.89(d,J=4.8Hz,1H),6.82(d,J=4.8Hz,1H),5.09(d,J=5.6Hz,1H),4.60−4.80(m,2H),4.37(d,J=5.6Hz,1H),3.20−3.23(m,2H).19F−NMR(CDOD):δ−237.30。
(実施例4)
化合物4:(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,5−ジカルボニトリル。
Figure 2020534361
工程A.(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。不活性雰囲気下で、DMF(8mL)中(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(800mg、2.92mmol)の溶液に、イミダゾール(981mg、14.7mmol、5当量)、DMAP(356.2mg、2.92mmol、当量)、tert−ブチル(クロロ)ジメチルシラン(TBDMSCl)(2.2g、14.7mmol、5当量)を添加し、混合物を60℃で5時間撹拌した。CHOH(5mL)を添加することによって反応物をクエンチし、酢酸エチル(100mL)で希釈し、NaHCO水溶液(30mL×2)、NaCl水溶液(30mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(30:1)を用いるシリカゲルカラムで精製して、1g(68%)の標題化合物を明黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):502。
工程B.N−(7−((2R,3R,4S)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−シアノ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド。不活性雰囲気下で無水ピリジン(10mL)中(2R,3R,4S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(1g、2.0mmol、1.0当量)の溶液に、塩化ベンゾイル(330mg、2.4mmol、1.2当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で2時間撹拌した。MeOH(2mL)を添加することによって反応物をクエンチし、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗蒸発残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、NaHCO水溶液(30mL)、NaCl水溶液(30mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。PE/EA(5:1)を用いてシリカゲルカラムで精製して、700mg(58%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):606。
工程C.N−(7−((5R,6R,7S)−6,7−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−シアノ−1,4−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド。DCM(10mL)中N−(7−((2R,3R,4S)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−シアノ−5−メチレンテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド(700mg、1.16mmol、1.00当量)の溶液に、NaHCO(1.46g、17.4mmol、15当量)、HO(7mL)及びアセトン(4.03g、69.6mmol、60当量)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、次いで、HO(20mL)中オキソン(2.85g、4.64mmol、4当量)の溶液を0℃で滴下して加えた。得られた溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、Na水溶液(20mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、750mgの標題化合物を黄色固形物として得た。粗化合物を更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS m/z[M+H]+(ESI):622。
工程D.N−(7−((2R,3R,4S)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,5−ジシアノ−5−(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド。DCM(20mL)中N−(7−((5R,6R,7S)−6,7−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−シアノ−1,4−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド(750mg、1.20mmol)の溶液に、TMSCN(831mg、8.4mmol、7.0当量)を添加した。この混合物に、0℃でInBr(1.1g、3.0mmol、2.5当量)を添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、NaHCO水溶液(30mL×2)、次いでブライン(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、800mgの粗標題化合物(2つの異性体、比3/1)を黄色固形物として得、これを次の工程でそのまま使用した。MS m/z[M+H](ESI):721。
工程E.N−(7−((2R,3R,4S)−2,5−ジシアノ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド。DCM(8mL)中N−(7−((2R,3R,4S)−3,4−ビス((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2,5−ジシアノ−5−(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド(800mg、1.11mmol、1.00当量)の溶液に、TEA 3HF(2.14g、13.3mmol、12当量)及びTEA(2.69g、26.6mmol、24当量)を添加した。得られた溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、NaHCO水溶液(30mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、450mgの粗標題化合物(2つの異性体、比3/1)を赤色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):421。
工程F.(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,5−ジカルボニトリル及び(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,5−ジカルボニトリル。メタノール性アンモニア(2N、14mL)中N−(7−((2R,3R,4S)−2,5−ジシアノ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル)ベンズアミド(450mg、1.07mmol)の溶液を、室温で20時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。RP−HPLC(XBridge Prep C18 OBDカラム、19×150mm、5μm;移動相、A:10mM NHHCO水溶液、B:ACN中10mM NHHCO;勾配7分間で5%から27%B;検出器、UV254/220nm)により精製して、60mg(4工程で16%)の(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,5−ジカルボニトリル(化合物4)を明黄色固形物として得た。MS:m/z317[M+H]H NMR(CDOD)δ7.91(s,1H),6.98(d,J=4.6Hz,1H),6.94(d,J=4.6Hz,1H),5.39(d,J=4.6Hz,1H),4.68(d,J=4.6Hz,1H),4.05(s,2H)。
(実施例5)
化合物5:イソプロピル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート。
Figure 2020534361
工程A.(3aR,4R,6R,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヨードメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル。不活性雰囲気下でジオキサン(10mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物1、工程Cからの生成物、500mg、1.19mmol)の溶液に、トリメトキシメタン(10mL)及びPTSA(158.2mg、0.92mmol、0.77当量)を添加した。得られた溶液を50℃で3時間撹拌した。次いで、トリエチルアミンを添加することによって反応物をクエンチし、減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(100:1〜20:1)を用いるシリカゲルカラムで精製して、340mg(62%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):462。
工程B.((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)安息香酸メチル。不活性雰囲気下でDMF(100mL)中(3aR,4R,6R,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヨードメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(1.0g、2.2mmol)の溶液に、BzOK(1.74g、11mmol、5.00当量)及び18−クラウン−6(1.15g、4.4mmol、2.00当量)を添加した。得られた溶液を100℃で16時間撹拌した。得られた溶液をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。EA/PE(1:10〜3:1)を用いてシリカゲルカラムで精製して、600mg(61%)の標題化合物を黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):456。
工程C.(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル。2Nメタノール性アンモニア(2N、10mL)中((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)安息香酸メチル(170mg、0.37mmol)の溶液を室温で20時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(100:1〜20:1)を用いるシリカゲルカラムで精製して、72mg(55%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):352。
工程D.イソプロピル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート。不活性雰囲気下でACN(1mL)中(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(25mg、0.07mmol)の溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール(58.4mg、0.71mmol、10.00当量)を添加した。ACN(0.4mL)中イソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート(39.1mg、0.13mmol、1.80当量)(McGuiganら、J.Med.Chem.2005,48(10),3504〜3515に従って調製)を、0℃で撹拌しながら反応混合物に滴下して加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(10:1))を用いるシリカゲルカラムで精製して、25mg(57%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):621。
工程E.イソプロピル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート。80%HCOOH水溶液(2mL)中イソプロピル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート(69mg、0.11mmol)の溶液を、室温で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(70mg)をRP−HPLC(XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、A:0.1%HCOOH水溶液、B:can中0.1%HCOOH;勾配9分間で19%から44%B;検出器、UV254nm)により精製して、24mg(37%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS:m/z579[M+H]H−NMR(CDOD):δ7.80(d,J=7.2Hz,1H),7.29−7.23(m,2H),7.15−7.11(m,3H),6.89−6.82(m,2H),4.94−4.89(m,1H),4.77−4.71(m,1H),4.56−4.44(m,1H),4.37−4.27(m,2H),3.85−3.81(m,1H),1.25−1.14(m,9H).19F−NMR(CDOD):δ−123.67,−123.88.31P−NMR(CDOD):δ3.43,3.17。
(実施例6)
化合物6:イソプロピル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。
Figure 2020534361
工程A.イソプロピル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。不活性雰囲気下でACN(1.16mL)中(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(化合物5、工程Cからの生成物)(29mg、0.08mmol)の溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール(67.7mg、0.82mmol、10.00当量)を添加した。この後、ACN(0.5mL)中イソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネートの溶液(45.36mg、0.15mmol、1.80当量)(McGuiganら、J.Med.Chem.2005,48(10),3504〜3515に従って調製)を、0℃で撹拌しながらに滴下して加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。DCM/MeOH(10:1)を用いるシリカゲルカラムで精製して、29mg(57%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):621。
工程B.イソプロピル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。80%HCOOH水溶液(8mL)中イソプロピル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(80mg、0.13mmol)の溶液を、室温で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗蒸発残渣をRP−HPLC(XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、A:0.1%HCOOH水溶液、B:ACN中0.1%HCOOH;勾配9分間で19%から44%B;検出器、UV254nm)により精製して、31.8mg(43%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS:m/z579[M+H]H−NMR(CDOD):δ7.80(d,J=4.6Hz,1H),7.29−7.24(m,2H),7.16−7.10(m,3H),6.93−6.83(m,2H),4.92−4.85(m,1H),4.75(d,J=6.5Hz,1H),4.55−4.46(m,1H),4.34−4.29(m,2H),3.87−3.70(m,1H),1.27−1.13(m,9H).19F−NMR(CDOD):δ−123.83,−124.03.31P−NMR(CDOD):δ3.45,3.29。
(実施例7)
化合物7:ジイソペンチル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート。
Figure 2020534361
工程A.ジイソペンチルL−アスパルテートヒドロクロリド。3−メチルブタン−1−オール(40mL)中L−アスパラギン酸(1g、7.51mmol)の溶液に、0℃で撹拌しながらクロロトリメチルシラン(5.72mL、6.00当量)を滴下して加えた。得られた溶液を室温で48時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン/メタノール(50:1〜10:1)を用いてシリカゲルカラムで精製して、2.1g(91%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):274。
工程B.ジイソペンチル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート。ジクロロメタン(8mL)中フェノキシホスホノイルジクロリド(340mg、1.61mmol)の溶液に、ジイソペンチルL−アスパルテートヒドロクロリド(521mg、1.69mmol、1.05当量)、続いてTEA(0.47mL、3.38mmol、2.10当量)を、−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を−78℃〜室温で3時間撹拌した。反応混合物を乾燥シクロヘキサンで希釈し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EA(10:1)を用いてシリカゲルカラムで精製して、340mg(47%)の標題化合物を黄色油状物として得た。31P−NMR(CDCl):δ8.39,8.29。
工程C.ジイソペンチル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート。ACN(1mL)中(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(化合物5、工程Cからの生成物、25mg、0.07mmol)の溶液に、Me−Im(58.4mg、0.71mmol、10.00当量)、続いてACN(0.4mL)中ジイソペンチル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート(57.4mg、0.13mmol、1.80当量)の溶液を、0℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。得られた溶液をEtOAcで希釈し、HOで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン/メタノール(10:1)を用いてシリカゲルカラムで精製して、27mg(50%)の標題化合物を黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):763。
工程D.ジイソペンチル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート。80%HCOOH水溶液(10mL)中ジイソプロピル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アスパルテート(85mg、0.11mmol、1.00当量)の溶液を、室温で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(85mg)をRP−HPLC(XBridge Shield RP18 OBDカラム、5μm、19×150mm;移動相、A:0.1%HCOOH水溶液、B:ACN中0.1%HCOOH;勾配10分間で15%から46%B;検出器、UV254nm)により精製して、37.4mg(47%)の標題化合物を白色固形物として得た。MS:m/z 721[M+H]H−NMR(CDOD):δ7.88(d,J=7.0Hz,1H),7.43−7.27(m,2H),7.20(m,3H),7.06−6.83(m,2H),4.79(d,J=6.4Hz,1H),4.61−4.31(m,3H),4.26(m,1H),4.22−3.79(m,4H),2.89−2.54(m,2H),1.74−1.56(m 2H),1.56−1.28(m,4H),0.91(m,12H).19F−NMR(CDOD):δ−123.52,−123.78.31P−NMR(CDOD):δ3.29,3.07。
(実施例8)
化合物8:ネオペンチル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。
Figure 2020534361
無水アセトニトリル(0.4mL)中(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,5−ジカルボニトリル(化合物4、11mg、0.04mmol)、ネオペンチル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(国際公開第2012/12776(A1)号に従って調製)(40mg、0.12mmol)及びN−メチルイミダゾール(NMI)(40μL、0.48mmol)の混合物を、Ar下、室温で一晩撹拌し、次いで濃縮し、RP−HPLC(5〜95%B;A:0.1%HCOOH水溶液、B:MeCN中0.1%HCOOH)により精製して、3.2mg(13%)の標題化合物を得た。MS m/z:607.1[M+1]31P−NMR(CDCN,DO):δ2.89(s),19F−NMR(CDCN,DO):δ−122.63,−123.0(2m)。
(実施例9)
化合物9:2−エチルブチル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート
Figure 2020534361
工程A.2−エチルブチル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。アセトニトリル(0.5mL)中(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(化合物5、工程Cからの生成物、14mg、0.04mmol)、NMI(40μL、0.48mmol)及び2−エチルブチル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(43mg、0.12mmol)の混合物を、Ar下、室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAcで希釈し、1Nクエン酸、水、飽和NaHCO水溶液、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させた(NaSO)。粗蒸発残渣を、DCM中4〜10%MeOHの勾配でシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色のパリパリした(crisp)泡状物として得た(20mg、76%)。MS m/z:663.1[M+1]
工程B.2−エチルブチル((((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート。80%ギ酸水溶液(1mL)中2−エチルブチル((((3aS,4S,6R,6aR)−6−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−シアノ−4−フルオロ−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(20mg、0.03mmol)の溶液を室温で4時間撹拌し、次いで濃縮し、トルエンとMeCNとの混合物と数回共蒸発させ、最後に、EtNを1滴含有するMeOHと共蒸発させた。粗蒸発残渣を、DCM中4〜10%MeOHの勾配でシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、14mg(77%)の標題化合物を得た。MS m/z:618.9[M−1]31P−NMR(CDOD):δ3.34,3.20(2s),19F−NMR(CDCN,DO):δ−124.03,−123.80(2m)。
(実施例10)
化合物10:
Figure 2020534361
工程A.プロピルL−アラニネートヒドロクロリド。プロパン−1−オール(20mL)中L−アラニン(500mg、5.61mmol)の溶液に、塩化チオニル(4g、33.62mmol、6.00当量)を、0℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を90℃で3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた溶液をn−ヘキサンで希釈した。固体を濾過により回収した。これにより、900mg(95%)のプロプルL−アラニネートヒドロクロリドを白色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):132。
工程B.ジプロピル2,2’−((クロロホスホリル)ビス(アザンジイル))(2S,2’S)−ジプロピオネート。不活性雰囲気下でジクロロメタン(20mL)中プロピルL−アラニネートヒドロクロリド(855mg、6.52mmol、2.00当量)の溶液に、POCl(500mg、3.26mmol、1.00当量)を室温で添加した。この後、TEA(2.73mL、19.56mmol、6.00当量)を−70℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を−70℃〜室温で3時間撹拌した。得られた溶液を乾燥シクロヘキサンで希釈した。固形物を濾別し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン:EA(10:1〜2:1)を用いてシリカゲルカラムで精製した。これにより、400mg(36%)のジプロピル2,2’−((クロロホスホリル)ビス(アザンジイル))(2S,2’S)−ジプロピオネートを黄色油状物として得た。31P−NMR(CDCl3,400MHz):δ16.2。
工程C.不活性雰囲気下でTHF(1.5mL)中(3aR,4R,6S,6aS)−4−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−6−フルオロ−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−カルボニトリル(実施例5の工程Cからの生成物)(27mg、0.08mmol)の溶液に、t−BuMgCl(THF中1M、0.23mL、3.00当量)を−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。これに、テトラヒドロフラン(0.2mL)中ジプロピル2,2’−((クロロホスホリル)ビス(アザンジイル))(2S,2’S)−ジプロピオネート(131.8mg、0.38mmol、5.00当量)の溶液を−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、NHCl水溶液(50mL)で反応物をクエンチし、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン/メタノール(10:1)を用いてシリカゲルカラムで精製した。これにより、26mg(51%)の化合物10Aを黄色油状物として得た。MS m/z[M+H](ESI):658.化合物10Aは、以下の構造を有する。
Figure 2020534361
化合物10を以下のように調製した:80%HCOOH/HO(8mL)中化合物10A(110mg、0.17mmol、1.00当量)の溶液を室温で15時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をRP−HPLC(XBridge Prep OBD C18カラム、19×250mm、5μm;移動相、A:0.1%HCOOH水溶液、B:ACN中0.1%HCOOH;勾配8分間で27%から42%B;検出器、UV220nm)により精製した。これにより、31.7mg(31%)の化合物10を明黄色固形物として得た。MS m/z[M+H](ESI):616.H−NMR(CDOD):δ7.93(s,1H),7.01(d,J=4.6Hz,1H),6.93(d,J=4.6Hz,1H),4.83(d,J=6.6Hz,1H),4.61(dd,J=20.3,6.6Hz,1H),4.34−4.17(m,2H),4.13−3.97(m,4H),3.94−3.80(m,2H),1.75−1.59(m,4H),1.33−1.27(m,6H),0.95−0.89(m,6H).19F−NMR(CDOD):δ−124.38.31P−NMR(CDOD):δ13.675。
(実施例11)
化合物11:イソプロピル((((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−アジド−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)−D−アラニネート
Figure 2020534361
アセトニトリル(0.4mL)中ヌクレオシド(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物2、10mg、0.03mmol)、NMI(30μL、0.36mmol)及びイソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)−L−アラニネート(28mg、0.1mmol)の混合物を、Ar下、室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、CHClと1Nクエン酸との間で残渣を分配した。有機層を水、飽和NaHCO水溶液、及びブラインで洗浄した。合わせた水性洗浄物をCHClで再抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、蒸発させ、DCM中3〜12%MeOHの勾配でシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4mg(22%)の標題化合物を得た。MS m/z:602.1[M+1]+31P−NMR(CDOD):δ3.21,3.18(2s)。
(実施例12)
化合物12:((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルテトラヒドロジェントリホスフェート。
Figure 2020534361
乾燥(2R,3R,4S,5S)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物1、0.05mmol)を乾燥PO(OMe)(0.7mL)に溶解させた。N−メチルイミダゾール(0.009mL、0.11mmol)、続いて、POCl(0.009mL、0.11mmol)を添加し、混合物を20〜40分間室温で維持した。反応をLCMSによって管理し、対応するヌクレオシド5’−モノホスフェートの出現によってモニターした。反応の完了後、ピロホスフェートのテトラブチルアンモニウム塩(150mg)、次いでDMF(0.5mL)を添加して、均質な溶液を得た。周囲温度で1.5時間後、反応物を水(10mL)で希釈し、Q Sepharose High PerformanceのHiLoad16/10カラムにロードした。50mM TRIS−緩衝液(pH7.5)中0〜1N NaClの線形勾配で、分離を行った。トリホスフェートを75〜80%Bで溶出した。対応する画分を濃縮した。Synergy 4μm Hydro−RPカラム(Phenominex)でのRP HPLCによって脱塩した。50mM酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(pH7.5)中0〜30%のメタノールの線形勾配を、溶出に用いた。対応する画分を合わせ、濃縮し、3回凍結乾燥させて、過剰な緩衝液を除去して、標題化合物を得た(表5を参照)。
(実施例13)
化合物13:((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−シアノ−2−(フルオロメチル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルテトラヒドロジェントリホスフェート。
Figure 2020534361
出発物質として(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(フルオロメチル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物3)を用いて、実施例12に記載の方法で標題化合物を調製した(表5を参照)。
(実施例14)
化合物14:((2R,3S,4R,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−アジド−5−シアノ−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルテトラヒドロジェントリホスフェート。
Figure 2020534361
出発物質として(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−アジド−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(化合物2)を用いて、実施例12に記載の方法で標題化合物を調製した(表5参照)。
(実施例15)
化合物15:(2R,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−クロロメチル−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル。
Figure 2020534361
工程Aにおいて(3R,4S,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−5−(フルオロメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(中間体2)の代わりに(3R,4S,5R)−5−(クロロメチル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンを使用して、化合物3と同様の方法で標題化合物を調製することができる。
Figure 2020534361
(実施例A)
デング熱抗ウイルスアッセイ(DENV)
デング熱ウイルス2型New Guiniea C(NG−C)株及びデング熱ウイルス4型H241株をATCC(Manassas,VA;それぞれ品番VR−1584及びVR−1490)から購入した。投与の24時間前に、96ウェルプレート内の、10%ウシ胎児血清、1%HEPES緩衝液、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び1%非必須アミノ酸(全てMediatech(Manassas,Va))を補給したDMEM培地に、1.5×10/mLの密度でHuh−7.5細胞をプレーティングした。感染日に、連続希釈した化合物を細胞に添加し、4時間インキュベートした。4時間のプレインキュベーション期間の終了後、細胞をデング熱ウイルス2型NG−C又はデング熱ウイルス4型H241のいずれかに感染させた。ウイルス接種材料は、5〜6日間で80〜90%の細胞変性効果を引き起こすように選択した。感染した細胞を、5日間(NG−C)〜6日間(H241)、37℃、5%COでインキュベートした。アッセイの開発のために、100μLの培地を100μLのCellTiter−Glo(登録商標)試薬(Promega(Madison,WI))に交換し、室温で10分間インキュベートした。輝度は、Victor X3マルチラベルプレートリーダ上で測定した。潜在的な化合物の細胞毒性を、感染していない平行培養を使用して判定した。表6に提供されたEC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、このDENVアッセイにおいて活性を示した。また、表6に提供されたCC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、アッセイにおいて比較的低い毒性値を示した。
(実施例B)
ライノウイルス抗ウイルスアッセイ(HRV1B)
96ウェルプレート内の、アッセイ培地(1%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、2mM GlutaGro、及び1×MEM非必須アミノ酸を補給した、フェノールレッドもL−グルタミンも含まないMEM(全てCellegro(Manassas、VA)から入手)に、1.5×10細胞/ウェルの密度でHeLa−OHIO細胞(Sigma−Aldrich(St.Louis、MO))をプレーティングした。アッセイ設定は、24時間細胞を付着させた後に行った。DMSOに溶解させた化合物を、アッセイ培地で2×最終濃度まで連続希釈した。培地を細胞から吸引し、化合物を含む100μLの培地を3回加えた。ヒトライノウイルス1B(ATCC(Manassas,VA))をアッセイ培地で希釈し、100μLを細胞及び化合物に添加した。ウイルス接種材料は、4日間で80〜90%の細胞変性効果を引き起こすように選択した。感染した細胞を、33℃、5%COで4日間インキュベートした。アッセイの開発のために、100μLの培地を100μLのCellTiter−Glo(登録商標)試薬(Promega(Madison,WI))に交換し、室温で10分間インキュベートした。輝度は、Victor X3マルチラベルプレートリーダ上で測定した。表6に提供されたEC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、このHRV1Bアッセイにおいて活性を示した。また、表6に提供されたCC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、アッセイにおいて比較的低い毒性値を示した。
(実施例C)
RSV抗ウイルスアッセイ(RSV)
安定なRSVレプリコンを含有するHeLa由来細胞を、4500mg/L D−グルコース、L−グルタミン、及び110mg/Lピルビン酸ナトリウムを含有するDMEM中で培養した。10%(v/v)FBS(Mediatech)、1%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン(Mediatech)及び10μg/mLブラストサイジン(BSD)(Invivogen)を、培地に更に補給した。37℃、加湿された5%CO雰囲気下で細胞を維持した。1日目に、96ウェルプレートに1ウェル当たり5000個のRSVレプリコン細胞をプレーティングした。翌日、試験する化合物を、所望の最終試験濃度の100倍になるように100%DMSOに可溶化した。ルシフェラーゼ読み出しの測定前に、37℃、5%CO雰囲気下で7日間、細胞を化合物と共にインキュベートした。CellTiter−Glo細胞増殖アッセイ(Promega)で細胞生存率(CC50)を測定した。表6に提供されたEC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、このRSVアッセイにおいて活性を示した。また、表6に提供されたCC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、アッセイにおいて比較的低い毒性値を示した。
(実施例D)
エボラ抗ウイルスアッセイ(EBOV)
HEp−2細胞を、40,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートにプレーティングした。翌日、感染多重度1で、改変されたワクシニアウイルスAnkara−T7(MVA−T7)を添加して、T7 RNAポリメラーゼを得た。2時間のウイルス形質導入後、各ウェルに、Ebolaミニゲノムを含む6つのプラスミド、Ebola L、NP、VP−35、VP−30タンパク質をコード化するプラスミドの混合物0.01μgを、Lipofectamine2000(Thermo Fisher)でトランスフェクトした。48時間更にインキュベーションした後、細胞をRIPA緩衝液(Pierce)で溶解させ、黒色96ウェルプレートに移し、励起485nm、発光535nm、0.1秒/ウェルで、Victorプレートリーダーで蛍光を読み取った。50%阻害又は有効濃度を得るために使用したシグモイド用量反応曲線を、4パラメータロジスティック方程式(GraphPad Prism)を用いて非線形回帰によって分析した。表6に提供されたEC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、このEBOVアッセイにおいて活性を示した。また、表6に提供されたCC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、アッセイにおいて比較的低い毒性値を示した。
(実施例E)
コロナウイルス抗ウイルスアッセイ
ヒトβ−コロナウイルス株OC43は、ATCC(Manassas,VA、それぞれ品番VR−1558及びVR−740)から購入した。投与の24時間前に、96ウェルプレート内の、10%ウシ胎児血清、1%HEPES緩衝液、1%ペニシリン/ストレプトマイシン及び1%非必須アミノ酸(全てMediatech(Manassas,Va))を補給したDMEM培地に、1.5×10/mLの密度でHeLaヒト頸部上皮細胞(ATCC、CCL−2)又はMRC−5ヒト肺線維芽細胞(ATCC、CCL−171)をプレーティングした。感染日に、連続希釈した化合物を細胞に添加し、4時間インキュベートした。4時間のプレインキュベーション期間の終了後、細胞をコロナウイルス株OC43又は229Eのいずれかに感染させた。ウイルス接種材料は、80〜90%の細胞変性効果を引き起こすように選択した。感染細胞を、37℃、5%COで5日間インキュベートした。アッセイの開発のために、100μLの培地を100μLのCellTiter−Glo(登録商標)試薬(Promega(Madison,WI))に交換し、室温で10分間インキュベートした。輝度は、Victor X3マルチラベルプレートリーダ上で測定した。潜在的な化合物の細胞毒性を、感染していない平行培養を使用して判定した。表6に提供されたEC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、ヒトβ−コロナウイルス株OC43に対してこのアッセイにおいて活性を示した。また、表6に提供されたCC50値によって示されるように、式(I)の化合物は、アッセイにおいて比較的低い毒性値を示した。
Figure 2020534361
化合物番号「C1」は、以下の構造を有する比較化合物である。
Figure 2020534361
(実施例F)
デング熱ポリメラーゼアッセイ(DENVpol)
デング熱ウイルスNS5ポリメラーゼドメイン(DENVpol、血清型2、New Guinea C株)の酵素活性を、トリチウム化NMPの酸不溶性RNA産物への組み込みとして測定した。DENVpolアッセイ反応は、100nMの」組み換え酵素、50nMのヘテロポリマーRNA、約0.5μCiのトリチウム化NTP、0.33μmの競合する冷NTP、40mmのHEPES(pH7.5)、3mmのジチオスレイトール、及び2mmのMgClを含有していた。標準反応は、漸増濃度の阻害剤の存在下において、30℃で3時間インキュベートした。反応の終了時に、RNAは、10%TCAにより沈殿し、酸不溶性RNA生成物は、サイズ排除96ウェルプレート上で濾過された。プレートを洗浄後、シンチレーション液を加え、Trilux Topcountシンチレーションカウンタを用いる標準手順に従って、放射性標識されたRNA産物を検出した。データを非線形回帰(シグモイド)に当てはめることによって、酵素触媒率が50%減少した化合物濃度(IC50)を計算した。いくつかの独立した実験の平均からIC50値を得、表7に示す。式(I)の化合物は、本アッセイにおいて活性を示した。
(実施例G)
ライノウイルスポリメラーゼ(HRV16pol)及びHCVポリメラーゼ(HCVpol)アッセイ
C型肝炎ウイルスRNAポリメラーゼ(HCVpol)及びヒトライノウイルス16RNAポリメラーゼ(HRV16pol)の酵素活性を、トリチウム化NMPの酸不溶性RNA産物への取り込みとして測定する。HCVpol及びHRV16polアッセイ反応は、MgClを含有する標準反応緩衝液中に、30〜100nMの組み換え酵素、50〜500nMのヘテロポリマーRNA、0.5μCiのトリチウム化NTP、0.1〜1μmのその他のNTPを含有する。酵素反応は、漸増濃度の阻害剤の存在下において、30℃で2.5時間インキュベートする。反応の終了時に、全RNAを10%TCAで沈殿させ、酸不溶性RNA産物をサイズ排除96ウェルプレートで濾過する。プレートを洗浄後、シンチレーション液を加え、Trilux Microbetaシンチレーションカウンタを用いる標準手順に従って、放射性標識されたRNA産物を検出する。データを非線型回帰(シグモイド)に当てはめることによって、酵素触媒率が50%減少する化合物濃度(IC50)を計算する。式(I)の化合物は、これらのアッセイにおいて活性を示した。
(実施例H)
RSVポリメラーゼアッセイ(RSVpol)
50mMのトリスアセテートpH8、120mMのK−アセテート、4.5mMのMgCl、5%のグリセロール、2mMのEDTA、50μg/mLのBSA、及び3mMのDTTを含有する反応緩衝液中において、RSV感染細胞の抽出物3μLの存在下で標準RSVポリメラーゼアッセイを実施した。様々な濃度のNTPを使用して、30度で120分間のRNA合成を開始させ、放射性33P GTP(15μCi)をトレーサーとして使用した。50mMのEDTAを添加することによって反応を停止させ、G−50サイズ排除スピンカラム及びフェノール−クロロホルム抽出によりRNAサンプルを精製した。6%ポリアクリルアミドTBEゲル上で電気泳動により放射性標識されたRNA産物を分解し、phosphorImagerスクリーン上で露光した後に可視化及び定量化した。漸増濃度のNTPアナログの存在下において、同じ方法でポリメラーゼ阻害実験(IC50)を行った。式(I)の化合物は、これらのアッセイにおいて活性を示した。
Figure 2020534361
化合物番号「C2」は、以下の構造を有する比較化合物である。
Figure 2020534361
上記は、明確にしかつ理解させる目的で実例及び実施例として詳細に記載されているが、本開示の趣旨から逸脱することなく、多数の様々な変更がなされ得ることが、当業者には理解されよう。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定する意図はなく、むしろ、本発明の真の範囲及び趣旨に付随する全ての変更例及び代替例も包含することが意図されていることが、明確に理解されるべきである。
〔実施の態様〕
(1) 以下の構造を有する式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2020534361
式中、
1Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、前記置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、前記置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
2A、R3A、Ra1及びRa2は、それぞれ独立して、水素又は重水素であり、
5Aは、水素、任意置換されたアシル、任意置換されたO−結合型アミノ酸、
Figure 2020534361
からなる群から選択され、
6A、R7A、及びR8Aは、独立して、存在しない、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC3〜24アルケニル、任意置換されたC3〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、任意置換された−(CR15A16A−O−C1〜24アルキル、任意置換された−(CR17A18A−O−C1〜24アルケニル、
Figure 2020534361
からなる群から選択されるか、又は
6Aは、
Figure 2020534361
であり、かつR7Aは、存在しないか若しくは水素であるか、又は
6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
Figure 2020534361
及び任意置換された
Figure 2020534361
からなる群から選択される部分を形成し、R6A及びR7Aに結合した酸素、リン、及び前記部分は、6員〜10員の環系を形成し、
9Aは、独立して、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、NR30A31A、任意置換されたN−結合型アミノ酸、及び任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体からなる群から選択され、
10A及びR11Aは、独立して、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であり、
12A、R13A、及びR14Aは、独立して、存在しないか又は水素であり、
各R15A、各R16A、各R17A、及び各R18Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、又はアルコキシであり、
19A、R20A、R22A、及びR23Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールからなる群から選択され、
21A及びR24Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたアリール、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、任意置換された−O−単環式ヘテロシクリル、及び
Figure 2020534361
からなる群から選択され、
25A及びR29Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールからなる群から選択され、
26A及びR27Aは、独立して、−C≡Nであるか、又はC2〜8オルガニルカルボニル、C2〜8アルコキシカルボニル、及びC2〜8オルガニルアミノカルボニルからなる群から選択される任意置換された置換基であり、
28Aは、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルからなる群から選択され、
30A及びR31Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルからなる群から選択され、
m及びtは、独立して、0又は1であり、
p及びqは、独立して、1、2、及び3からなる群から選択され、
rは、1又は2であり、
sは、0、1、2、又は3であり、
uは、1又は2であり、Z1A、Z2A、Z3A、及びZ4Aは、独立して、O又はSである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
(2) R1Aがシアノである、実施態様1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(3) R4Aが、フルオロ、シアノ、アジド、及び置換されていないC1〜4アルキルからなる群から選択される、実施態様1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(4) R4Aがフルオロである、実施態様3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(5) R4Aがシアノである、実施態様3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(6) R4Aがアジドである、実施態様3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(7) R4Aが置換されていないC1〜4アルキルである、実施態様3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(8) R4Aが置換されたC1〜4アルキルである、実施態様3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(9) 前記置換されたC1〜4アルキルが、−(CH1−4Cl、−(CH1−4F及び−CHFからなる群から選択される、実施態様8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(10) 前記置換されたC1〜4アルキルが、クロロメチル、フルオロメチル、及びジフルオロメチルからなる群から選択される、実施態様9に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(11) 前記置換されたC1〜4アルキルがクロロメチルである、実施態様10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(12) 前記置換されたC1〜4アルキルがフルオロメチルである、実施態様10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(13) R5Aが水素である、実施態様1〜12のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(14) R5A
Figure 2020534361
である、実施態様1〜12のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(15) R6A及びR7Aが水素である、実施態様14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(16) R6A
Figure 2020534361
である、実施態様14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(17) R12A、R13A、及びR14Aが水素である、実施態様16に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(18) Z1AがOである、実施態様14〜17のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(19) R5A
Figure 2020534361
である、実施態様1〜12のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(20) R8Aが、任意置換されたアリールであり、R9Aが、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体である、実施態様19に記載の化合物。
(21) Z2AがOである、実施態様19又は20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(22) 前記式(I)の化合物が、
Figure 2020534361
又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施態様1に記載の化合物。
(23) 有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせと、を含む、医薬組成物。
(24) ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療する方法であって、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施態様23に記載の医薬組成物を、前記ピコルナウイルス科ウイルス感染症に罹患している被験体に投与することを含む、方法。
(25) 前記ピコルナウイルス科ウイルス感染症が、ライノウイルス感染症である、実施態様24に記載の方法。
(26) フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療する方法であって、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施態様23に記載の医薬組成物を、前記フラビウイルス科ウイルス感染症に罹患している被験体に投与することを含む、方法。
(27) 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、デング熱ウイルス感染症である、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、ヘパシウイルス感染症である、実施態様26に記載の方法。
(29) フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療する方法であって、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施態様23に記載の医薬組成物を、前記フィロウイルス科ウイルス感染症に罹患している被験体に投与することを含む、方法。
(30) 前記フィロウイルス科ウイルス感染症が、エボラウイルス感染症である、実施態様29に記載の方法。
(31) ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療する方法であって、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施態様23に記載の医薬組成物を、前記ニューモウイルス科ウイルス感染症に罹患している被験体に投与することを含む、方法。
(32) 前記ニューモウイルス科ウイルス感染症が、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)感染症である、実施態様31に記載の方法。
(33) コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療する方法であって、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施態様23に記載の医薬組成物を、前記コロナウイルス科ウイルス感染症に罹患している被験体に投与することを含む、方法。
(34) 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトα−コロナウイルスウイルス感染症である、実施態様33に記載の方法。
(35) 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトβ−コロナウイルスウイルス感染症である、実施態様33に記載の方法。
(36) 有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、汎ウイルス治療薬(panviral treatment)。
(37) 前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及びコロナウイルス科からなる群から選択される2つ以上の科におけるウイルスによって引き起こされるウイルス感染症を治療するのに有効である、実施態様36に記載の汎ウイルス治療薬。
(38) 前記化合物又はその薬学的に許容される塩が、低毒性を有する、実施態様36又は37に記載の汎ウイルス治療薬。
(39) 前記ウイルス感染症が、前記ピコルナウイルス科のライノウイルス感染症、前記フラビウイルス科のデング熱ウイルス感染症又はヘパシウイルス感染症、前記フィロウイルス科のエボラウイルス感染症、前記ニューモウイルス科のヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)感染症、及び前記コロナウイルス科のヒトα−コロナウイルスウイルス感染症又はヒトβ−コロナウイルスウイルス感染症から選択される、実施態様36〜38のいずれかに記載の汎ウイルス治療薬。
(40) 前記化合物が、
Figure 2020534361
又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施態様36〜39のいずれかに記載の汎ウイルス治療薬。
(41) 前記治療薬が、ピコルナウイルス科、フラビウイルス科、フィロウイルス科、ニューモウイルス科、及び/又はコロナウイルス科のウイルス感染症を有する被験体に投与するために製剤化される、実施態様36〜40のいずれかに記載の汎ウイルス治療薬。
(42) 前記治療薬が、医薬組成物の形態で製剤化される、実施態様36〜41のいずれかに記載の汎ウイルス治療薬。
(43) ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
(44) 前記ピコルナウイルス科ウイルス感染症が、ライノウイルス感染症である、実施態様43に記載の使用。
(45) フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
(46) 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、デング熱ウイルス感染症である、実施態様45に記載の使用。
(47) 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、ヘパシウイルス感染症である、実施態様45に記載の使用。
(48) フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
(49) 前記フィロウイルス科ウイルス感染症が、エボラウイルス感染症である、実施態様48に記載の使用。
(50) ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
(51) 前記ニューモウイルス科ウイルス感染症が、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)感染症である、実施態様50に記載の使用。
(52) コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の実施態様1〜22のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
(53) 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトα−コロナウイルスウイルス感染症である、実施態様52に記載の使用。
(54) 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトβ−コロナウイルスウイルス感染症である、実施態様52に記載の使用。
(55) 以下の構造を有する式(Ia2)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2020534361
式中、
4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、並びにフルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、
5Aは、水素、
Figure 2020534361
であり、
9Aは、
Figure 2020534361
であり、
33Aは、C1〜6アルキルである、化合物又はその薬学的に許容される塩。

Claims (36)

  1. 以下の構造を有する式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2020534361
    式中、
    1Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、前記置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
    4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、置換されていないC2〜4アルケニル、置換されていないC2〜4アルキニル、置換されていないC1〜4アルコキシ、置換されていないC1〜4アルキル、及び置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、前記置換されたC1〜4アルキルは、フルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
    2A、R3A、Ra1及びRa2は、それぞれ独立して、水素又は重水素であり、
    5Aは、水素、任意置換されたアシル、任意置換されたO−結合型アミノ酸、
    Figure 2020534361
    からなる群から選択され、
    6A、R7A、及びR8Aは、独立して、存在しない、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC3〜24アルケニル、任意置換されたC3〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、任意置換されたアリール、任意置換されたヘテロアリール、任意置換されたアリール(C1〜6アルキル)、任意置換された−(CR15A16A−O−C1〜24アルキル、任意置換された−(CR17A18A−O−C1〜24アルケニル、
    Figure 2020534361
    からなる群から選択されるか、又は
    6Aは、
    Figure 2020534361
    であり、かつR7Aは、存在しないか若しくは水素であるか、又は
    6A及びR7Aは、一緒になって、任意置換された
    Figure 2020534361
    及び任意置換された
    Figure 2020534361
    からなる群から選択される部分を形成し、R6A及びR7Aに結合した酸素、リン、及び前記部分は、6員〜10員の環系を形成し、
    9Aは、独立して、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、任意置換されたC3〜6シクロアルケニル、NR30A31A、任意置換されたN−結合型アミノ酸、及び任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体からなる群から選択され、
    10A及びR11Aは、独立して、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体であり、
    12A、R13A、及びR14Aは、独立して、存在しないか又は水素であり、
    各R15A、各R16A、各R17A、及び各R18Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、又はアルコキシであり、
    19A、R20A、R22A、及びR23Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールからなる群から選択され、
    21A及びR24Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたアリール、任意置換された−O−C1〜24アルキル、任意置換された−O−アリール、任意置換された−O−ヘテロアリール、任意置換された−O−単環式ヘテロシクリル、及び
    Figure 2020534361
    からなる群から選択され、
    25A及びR29Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、及び任意置換されたアリールからなる群から選択され、
    26A及びR27Aは、独立して、−C≡Nであるか、又はC2〜8オルガニルカルボニル、C2〜8アルコキシカルボニル、及びC2〜8オルガニルアミノカルボニルからなる群から選択される任意置換された置換基であり、
    28Aは、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルからなる群から選択され、
    30A及びR31Aは、独立して、水素、任意置換されたC1〜24アルキル、任意置換されたC2〜24アルケニル、任意置換されたC2〜24アルキニル、任意置換されたC3〜6シクロアルキル、及び任意置換されたC3〜6シクロアルケニルからなる群から選択され、
    m及びtは、独立して、0又は1であり、
    p及びqは、独立して、1、2、及び3からなる群から選択され、
    rは、1又は2であり、
    sは、0、1、2、又は3であり、
    uは、1又は2であり、Z1A、Z2A、Z3A、及びZ4Aは、独立して、O又はSである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 1Aがシアノである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. 4Aが、フルオロ、シアノ、アジド、及び置換されていないC1〜4アルキルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. 4Aがフルオロである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. 4Aがシアノである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. 4Aがアジドである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. 4Aが置換されていないC1〜4アルキルである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. 4Aが置換されたC1〜4アルキルである、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. 前記置換されたC1〜4アルキルが、−(CH1−4Cl、−(CH1−4F及び−CHFからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. 前記置換されたC1〜4アルキルが、クロロメチル、フルオロメチル、及びジフルオロメチルからなる群から選択される、請求項9に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. 前記置換されたC1〜4アルキルがクロロメチルである、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  12. 前記置換されたC1〜4アルキルがフルオロメチルである、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  13. 5Aが水素である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  14. 5A
    Figure 2020534361
    である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. 6A及びR7Aが水素である、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  16. 6A
    Figure 2020534361
    である、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  17. 12A、R13A、及びR14Aが水素である、請求項16に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. 1AがOである、請求項14〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  19. 5A
    Figure 2020534361
    である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  20. 8Aが、任意置換されたアリールであり、R9Aが、任意置換されたN−結合型アミノ酸又は任意置換されたN−結合型アミノ酸エステル誘導体である、請求項19に記載の化合物。
  21. 2AがOである、請求項19又は20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  22. 前記式(I)の化合物が、
    Figure 2020534361
    又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  23. 有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせと、を含む、医薬組成物。
  24. ピコルナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  25. 前記ピコルナウイルス科ウイルス感染症が、ライノウイルス感染症である、請求項24に記載の使用。
  26. フラビウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  27. 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、デング熱ウイルス感染症である、請求項26に記載の使用。
  28. 前記フラビウイルス科ウイルス感染症が、ヘパシウイルス感染症である、請求項26に記載の使用。
  29. フィロウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  30. 前記フィロウイルス科ウイルス感染症が、エボラウイルス感染症である、請求項29に記載の使用。
  31. ニューモウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  32. 前記ニューモウイルス科ウイルス感染症が、ヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)感染症である、請求項31に記載の使用。
  33. コロナウイルス科ウイルス感染症を寛解させる又は治療するための医薬の調製における、有効量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  34. 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトα−コロナウイルスウイルス感染症である、請求項33に記載の使用。
  35. 前記コロナウイルス科ウイルス感染症が、ヒトβ−コロナウイルスウイルス感染症である、請求項33に記載の使用。
  36. 以下の構造を有する式(Ia2)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2020534361
    式中、
    4Aは、フルオロ、シアノ、アジド、並びにフルオロ及びクロロから選択される1つ以上の置換基で置換されたC1〜4アルキルからなる群から選択され、
    5Aは、水素、
    Figure 2020534361
    であり、
    9Aは、
    Figure 2020534361
    であり、
    33Aは、C1〜6アルキルである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
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