JP2020530015A - ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いてがんを治療する方法 - Google Patents

ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いてがんを治療する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、がん療法の分野に関する。具体的には、好中球減少症、孤立性好中球減少症、高いパーセンテージの骨髄芽球を伴うか又は伴わない低いパーセンテージの末梢血芽球、及び/又は骨髄芽球に対する末梢血芽球の低い比を含む、骨髄細胞の骨髄ホーミングの臨床徴候を有する対象において、がんを、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)を用いて治療する方法であって、骨髄細胞の骨髄ホーミングを示す血液学的特徴に基づいて対象がFTI治療に応答性である可能性が高いかどうかについて決定することを含む、方法が提供される。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2017年8月7日に出願された米国仮特許出願第62/542,202号;2017年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/596,339号;2018年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/630,686号;及び2018年3月21日に出願された米国仮特許出願第62/646,292号の優先権の利益を主張するものであり、これらのそれぞれの全内容は、参照によりそれらその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、がん療法の分野に関する。特に、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いて、がんを治療する方法が本明細書で提供される。
治療奏効率を改善するための患者集団の層別化は、がん患者の臨床管理においてますます貴重である。ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)は、末梢T細胞リンパ腫(「PTCL」)、骨髄異形成症候群(「MDS」)又は急性骨髄性白血病(「AML」)などのがんの治療において有用な治療剤である。しかし、患者はFTI治療に異なる応答をする。したがって、がんを有する対象のFTI治療に対する応答性を予測する方法、又はFTI治療について、がん患者を選択する方法は、アンメットニーズとなっている。本明細書で提供される方法及び組成物はこれらのニーズを満たし、他の関連した利点を提供する。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象の骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてがんを有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてがん患者を選択する方法、FTI治療についてがん患者を層別化する方法、及びFTI治療についてがん患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、疾患又は障害は骨髄疾患である。一部の実施形態では、疾患又は障害はがんである。一部の実施形態では、疾患又は障害は骨髄がんである。一部の実施形態では、疾患又は障害はCXCL12を発現するがんである。一部の実施形態では、疾患又は障害は好中球減少症である。一部の実施形態では、疾患又は障害は、WHIM症候群又はワルデンストレームマクログロブリン血症などの骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害である。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するがんを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するがんを治療する方法が、本明細書で提供される。がんを有する対象のFTI治療に対する応答性を予測する方法、FTI治療についてがん患者を選択する方法、FTI治療についてがん患者を層別化する方法、及びFTI治療に対するがん患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するがんを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、がんはリンパ腫である。一部の実施形態では、がんは白血病である。一部の実施形態では、がんは非血液学的がんの骨髄転移である。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するCXCL12を発現するがんを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するCXCL12を発現するがんを治療する方法が、本明細書で提供される。がんを有する対象のFTI治療に対する応答性を予測する方法、FTI治療についてがん患者を選択する方法、FTI治療についてがん患者を層別化する方法、及びFTI治療に対するがん患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するCXCL12を発現するがんを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するリンパ腫を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するリンパ腫を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてリンパ腫を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてリンパ腫患者を選択する方法、FTI治療についてリンパ腫患者を層別化する方法、及びFTI治療についてリンパ腫患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、リンパ腫を有する対象からの試料を分析して、FTIを対象に投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するリンパ腫を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBV関連リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)である。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象の骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する白血病を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療について白血病を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療について白血病患者を選択する方法、FTI治療について白血病患者を層別化する方法、及びFTI治療について白血病患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、白血病を有する対象からの試料を分析して、FTIを対象に投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する白血病を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。具体的な実施形態では、白血病はAML(例えば、新たに診断されたAML、再発性又は難治性のAML)である。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
本骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象の骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するMDSを治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてMDSを有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてMDS患者を選択する方法、FTI治療についてMDS患者を層別化する方法、及びFTI治療についてMDS患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するMDSを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するMDSを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する好中球減少症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する好中球減少症を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療について好中球減少症を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療について好中球減少症患者を選択する方法、FTI治療について好中球減少症患者を層別化する方法、及びFTI治療のための好中球減少症患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する好中球減少症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する好中球減少症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する骨髄線維症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する骨髄線維症を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療について骨髄線維症を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療について骨髄線維症患者を選択する方法、FTI治療について骨髄線維症患者を層別化する方法、及びFTI治療について骨髄線維症患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する骨髄線維症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する骨髄線維症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するワルデンストレームマクログロブリン血症を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症患者を選択する方法、FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症患者を層別化する方法、及びFTI治療についてワルデストロームのマクログロブリン血症患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するワルデンストレームマクログロブリン血症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するWHIM症候群を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象の骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するWHIM症候群を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてWHIM症候群を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてWHIM症候群患者を選択する方法、FTI治療についてWHIM症候群患者を層別化する方法、及びFTI治療についてWHIM症候群患者集団の応答性を増加させる方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するWHIM症候群を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するWHIM症候群を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
一態様では、疾患又は障害を有する対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を治療する方法が本明細書で提供され、(a)ANC参照値よりも低い絶対好中球数(ANC)、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、及び/又は(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数を含む、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象に基づいて対象にFTIの治療的有効量を選択的に投与することを含む。
一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、さらに、(d)参照値よりも高いCXCL12及び/又はCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12のより高い比及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR2及びCXCR1)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い比を有する対象に基づいて対象に投与される。
一部の実施形態では、ANC参照値は、1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlである。一部の実施形態では、ANC参照値はANC1,000/μlである。
一部の実施形態では、対象の白血球(WBC)数は、健康な対照群の正常範囲の下限よりも高い。一部の実施形態では、WBC数は>2,000/μlである。
一部の実施形態では、BMR参照値は、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02又は0.01である。一部の実施形態では、BMR参照値は0.03である。
一部の実施形態では、末梢芽球数参照値は、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である。一部の実施形態では、末梢芽球数参照値は1%である。
一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である。一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は45%である。
一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%であり、血液試料中の芽球のパーセンテージは、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である。一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は45%であり、末梢芽球数参照値は10%である。
一部の実施形態では、本方法は、対象にFTIを投与する前に、対象からの試料におけるANC、BMR、末梢芽細胞数、骨髄芽球数、CXCL12発現、CXCR4発現、HRAS若しくはCXCR4に対するCXCL12の発現比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR2又はCXCR1)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4又はCXCR3)の発現比を分析することを含む。
一部の実施形態では、試料は、血液試料、腫瘍生検、骨髄吸引液若しくは生検、血漿試料、血清試料、細胞試料又はリンパ節試料である。一部の実施形態では、試料は単離された細胞である。
一部の実施形態では、本方法は、試料中のANCがANC参照値よりも低いことを決定することを含む。一部の実施形態では、ANC参照値は、1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlである。一部の実施形態では、ANC参照値は1,000/μlである。
一部の実施形態では、本方法は、試料中の白血球(WBC)数が健康な対照群の正常範囲の下限よりも高いことを決定することを含む。一部の実施形態では、WBC数は>2,000/μlである。
一部の実施形態では、試料中のBMRはBMR参照値よりも低い。一部の実施形態では、BMR参照値は、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02又は0.01である。一部の実施形態では、BMR参照値は0.03である。
一部の実施形態では、本方法は、試料中の末梢芽球数が末梢芽球数参照値よりも低いことを決定することを含む。一部の実施形態では、末梢芽球数参照値は、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である。一部の実施形態では、末梢芽球数参照値は1%である。
一部の実施形態では、本方法は、試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照値よりも大きいことを決定することを含む。一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である。一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は45%である。
一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%であり、血液試料中の芽球のパーセンテージは、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である。一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は45%であり、末梢芽球数参照値は10%である。
一部の実施形態では、本方法は、試料中のCXCL12タンパク質、タンパク質分画又はRNAの発現レベルがCXCL12の参照発現レベルよりも高いことを決定することを含む。
一部の実施形態では、本方法は、CXCL12遺伝子のDNA配列を決定することを含む。一部の実施形態では、CXCL12遺伝子配列は、単一ヌクレオチド変異体(SNV)又はCXCL12遺伝子の3プライム非翻訳領域(3’UTR)の変異体である。
一部の実施形態では、本方法は、CXCR4のDNA配列を決定することを含む。一部の実施形態では、CXCR4のDNA配列は、CXCR4遺伝子の活性化突然変異を含む。
一部の実施形態では、本方法は、試料中のCXCR4の発現レベルに対するCXCL12の発現レベルの比、又はHRASの発現レベルに対するCXCL12の発現レベルの比が参照比よりも高いことを決定することを含む。
一部の実施形態では、がんを有する対象は、中程度又は重度の好中球減少症を有する。
一部の実施形態では、対象は、FTIの投与前に輸血依存性である。一部の実施形態では、本方法は、輸血依存性の対象を輸血非依存性の対象に変換するのに有効である。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害はがんである。一部の実施形態では、がんは、リンパ腫、白血病、又は非血液がんの骨髄転移である。一部の実施形態では、がんは急性骨髄性白血病(AML)である。一部の実施形態では、AMLは新たに診断されたAMLである。一部の実施形態では、AMLを有する対象は、低リスクのAMLを有する高齢患者である。一部の実施形態では、AMLは再発性又は難治性のAMLである。一部の実施形態では、がんは骨髄異形成症候群(MDS)である。一部の実施形態では、がんは慢性骨髄性白血病(CML)である。一部の実施形態では、がんは慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。一部の実施形態では、がんはT細胞白血病である。
一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブ、アルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、L778123、L739749、FTI−277、L744832、CP−609、754、R208176、AZD3409、及びBMS−214662である。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
中程度(INT)及び高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)/慢性骨髄単球性白血病(CMML)におけるチピファルニブ研究(INT−28)の例示的な結果を示す図である。CR:完全な応答;IPSS:国際予後スコアリングシステム;ORR:客観的な応答率;RBC:赤血球;TI:輸血非依存;N:好中球(細胞/μl);Bl:血液。 輸血依存性MDS/CMML患者のチピファルニブ治療による輸血非依存への転換を予測するための好中球減少症(絶対好中球数(ANC)≦1.1×10細胞/L血液)の感受性及び特異性を示す受信者動作特性(ROC)曲線を示す図である。 チピファルニブ療法を受けている好中球減少症(ANC=400細胞/μl血液)の典型的なMDS/CMMS対象の経時的な血小板及び白血球数(300mg bid、3週間オン/1週間オフ)を示す図である。 AML対象の骨髄及び血液のパーセンテージを示す図である(CTEP−20研究)。骨髄における低い(1番目の三分位、左列)、中間(2番目の三分位、中間列)又は高(3番目の三分位、右列)CXCL12発現。;添付の略図は、低BM CXCL12(左上パネル)又は高BM CXCL12(左下パネル)のAML患者における血管系(末梢血芽球数)と骨髄(BM;BM芽球数)の間の白血病細胞の分布を示す。 上部パネル;骨髄芽球のパーセンテージが高い(BMB≧40%)及び末梢血芽球のパーセンテージが低い(PB<1%)チピファルニブ療法を受けているCTEP20研究のAML対象対骨髄芽球のパーセンテージが低い(BMB<40%)又は末梢血芽球のパーセンテージが高い(PB>1%)チピファルニブ療法を受けているAML対象についての経時的(日数)な無増悪生存(PFS)確率。下部パネル:骨髄芽球のパーセンテージが高い(BMB>40%)及び末梢血芽球のパーセンテージが低い(PB<10%)チピファルニブ療法対最良の支持療法(BSC、化学療法を含む)を受けているAML301研究のAML対象の経時的(日数)な生存率。 芽球の骨髄のパーセンテージに対する芽球の血液のパーセンテージの比(血液対骨髄比、BMR)が≧0.1である、チピファルニブ療法を受けているCTEP20(上部パネル)及びAML301(下部パネル)研究におけるAML対象の経時的(日数)な無増悪生存(PFS)確率である。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。A:正常下限(2.1×10細胞/L、WBC>2.1)よりも高いWBCを有するすべての対象。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。B:WBC>2.1及びANC<1.2(1.2×10細胞/L)の対象。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。C:WBC>2.1及びANC<1.0。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。D:WBC>2.1及びANC<0.8、括弧内にWBCのANC分画を示す。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。E:WBC<2.1及びANC<0.6。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。F:WBC<2.1及びANC<0.4。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。G:(左)ANC<1及びWBC<2と、(右)ANC<1及びWBC>2との比較)。 チピファルニブ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けているWBC、ANC又は血小板レベルが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。H:(左)ANC<1及び血小板<50(50×10/L)と、(右)ANC<1及び血小板>50との比較。 チピファルニ又は参照療法(BSC)を経時的(日数)に受けている骨髄芽球(MB)又は末梢血芽球(PB)のパーセンテージが示されているAML対象のサブセットの生存率を示す図である。 チピファルニブ(右列)又は参照療法(左列)を受けている、図4AからのAML対象のサブセットにおける白血球(WBC)、絶対好中球数(ANC)、末梢血芽球(PB)、又は骨髄芽球(MB)の相対レベルを示す図である。 チピファルニブ(右列)又は参照療法(左列)を受けている、図4AからのAML対象におけるBMRの1番目、2番目及び3番目の三分位の全生存率(末梢血と骨髄芽球のパーセンテージの比、PB%/MB%)を示す図である。1番目の三分位(最低)は、BMR<0.027の対象を含む。 チピファルニブ又は参照療法を受けている、好中球分画<40%(ANC/WBC<0.4)、WBC>2×10/L及び血小板>20×10/L)によって特徴付けられる好中球減少症のAML患者の経時的な生存率を示す図である。 チピファルニブ又は参照療法を受けている、好中球分画<30%(ANC/WBC<0.3)及び骨髄芽球>60%によって特徴付けられる好中球減少症のAML患者の経時的な生存率を示す図である。 相対的CXCR4発現レベルに応じて、チピファルニブを受けている再発性又は難治性AML患者の末梢血芽球の相対レベル(再発性又は難治性の患者におけるチピファルニブのINT−17試験)を示す図である。CXCR4発現をカウントで示した。 相対的CXCR4発現レベルに応じて、チピファルニブを受けている再発性/難治性AML患者の経時的な無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。 CXCR2に対するCXCR4(CXCR4/CXCR2)の発現カウントの相対的に低い又は高い比に応じて、チピファルニブを受けている再発性/難治性AML患者の経時的な無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。 CTEP−20研究に登録された、CXCR4/CXCR2比が高い以前に治療されなかった高齢又は病弱なAML対象対残りの患者の経時的な無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。 CTEP−20研究に登録された、CXCR4/CXCR2比が高い以前に治療されなかった高齢又は病弱なAML対象対残りの患者の経時的な生存率(日数)を示す図である。 骨髄における低い(1番目の三分位)、中間の(2番目の三分位)又は高い(3番目の三分位)CXCL12発現を伴う、チピファルニブを受けている、CTEP−20研究のAML対象の経時的な無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。CXCL12発現がよりも高いAML患者は、CXCL12発現がより低い患者よりもチピファルニブ治療に対してより良好に応答した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でチピファルニブを受けているINT−17研究の再発性/難治性AML対象の経時的な無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。より高いCXCR4/CXCR2発現比を有するAML患者は、より低いCXCR4/CXCR2発現比を有する患者よりもチピファルニブ治療に対してより良好に応答した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でチピファルニブを受けているCTEP−20研究におけるAML対象の無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。より高いCXCR4/CXCR2発現比を有するAML患者は、より低いCXCR4/CXCR2発現比を有する患者よりもチピファルニブ治療に対してより良好に応答した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でチピファルニブを受けているTIP−004研究における再発性/難治性CMML対象の無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。より高いCXCR4/CXCR2発現比を有するCMML患者は、より低いCXCR4/CXCR2発現比を有する患者よりもチピファルニブ治療に対してより良好に応答した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でチピファルニブを受けているCTEP−20研究におけるAML対象の無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。より高いCXCR4/CXCR2発現比を有するAML患者は、より低いCXCR4/CXCR2発現比を有する患者よりもチピファルニブ治療に対してより良好に応答した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でAraCベースの化学療法を受けているAMLCG 1999研究における再発性/難治性AML対象の無増悪生存(PFS)確率(日数)を示す図である。より高いCXCR4/CXCR2発現比を有するAML患者は、より低いCXCR4/CXCR2発現比を有する患者と比較してAraC治療と変わらない反応を示した。 相対的なCXCR4/CXCR2発現比でチピファルニブを受けているKO−TIP−004研究におけるCMML対象の経時的な単球血球数:対象は、高いCXCR4/CXCR2発現比がオレンジ色で示され、低いCXCR4/CXCR2発現比が青色で示される。記号「CxDy」は、サイクルxの日yを表す。例えば、C2D15は、サイクル2の日15を表す。各行は異なるCMML対象を表す。 チピファルニブ療法対最良の支持療法(BSC)を受けているAML301研究における高齢及び不適格AML対象の経時的な生存率(日数)を示す図である。選択されていない患者には、チピファルニブの効果はない。Harousseauら、Blood 2009年、114巻:1166〜1173からのデータ。 骨髄芽球のパーセンテージが高く(MB≧40%)及び末梢血芽球のパーセンテージが低い(PB<10%)AML対象対骨髄芽球のパーセンテージが低く(MB<40%)又は末梢血芽球のパーセンテージが高い(PB>10%)AML対象を示すThe Cancer Genome Atlas Research Network(TCGA)による研究における経時的な生存率(日数)を示す図である。標準治療(SoC)における骨髄ホーミング(MH)の予後効果はない。TCGA N.Engl.J.Med.2013年;368巻:2059頁からの図。 骨髄ホーミング対骨髄ホーミングなしのAML対象(>60歳)を示すCancer Genome Atlas Research Network(TCGA)による研究における経時的な生存率(日数)を示す図である。傾向は、高齢AML患者の標準治療の骨髄ホーミングによる予後の悪化である。TCGA N.Engl.J.Med.2013年;368巻:2059頁からの図。 骨髄ホーミング対骨髄ホーミングなしのチピファルニブ療法を受けているAML301研究(最良の支持療法アーム)におけるAML対象の経時的な生存率(日数)を示す図である。傾向は、高齢のAML患者の最良の支持療法の骨髄ホーミングによる予後の悪化である。 骨髄ホーミング対骨髄ホーミングなしのチピファルニブ療法を受けているAML301研究(チピファルニブ「TIPI」アーム)におけるAML対象の経時的な生存率(日数)を示す図である。傾向は、高齢のAML患者のチピファルニブの骨髄ホーミングによる良好な予後である。 チピファルニブ療法対最良の支持療法を受けているAML301研究(骨髄ホーミングサブセットなし)におけるAML対象の経時的な生存率(日数)を示す図である。選択されていない患者にはチピファルニブの効果がない。 高いCXCR4/CXCR2発現は、AML芽球の骨髄ホーミングに関連していることを示す図である。CXCR4及びCXCR2はそれぞれ、骨髄ホーミング及び骨髄細胞の動員を調節する。高いCXCR4/CXCR2比を有するAML患者は、骨髄に優先的に局在するAMLを有する。これらのデータは、骨髄ホーミングが高いCXCR4/CXCR2比の代理として、及びチピファルニブ活性の潜在的なバイオマーカーとして利用し得ることを示す。 高いCXCL12/CXCR4発現比は、以前に治療されなかったAML患者(図20A)におけるチピファルニブ治療に対する応答性と関連していることを示す図である。 高いCXCL12/CXCR4発現比は、再発性/難治性PTCL(図20B)におけるチピファルニブ治療に対する応答性と関連していることを示す図である。 高いCXCL12/CXCR4発現比は、再発性/難治性CMML(図20C)におけるチピファルニブ治療に対する応答性と関連していることを示す図である。 チピファルニブ治療はCXCL12発現レベルを低下させたことを示す図である。図21A.PTCL患者におけるCXCL12の血清レベルは、チピファルニブ治療の約30日目で低下した。 チピファルニブ治療はCXCL12発現レベルを低下させたことを示す図である。図21B.チピファルニブ治療は、CD1マウスBMモデルにおけるCXCL12発現を減少した。
本明細書で用いるように、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、その冠詞の文法上の目的語の1つ以上を指す。例として、試料とは、1つの試料又は2つ以上の試料を指す。
本明細書で用いるように、用語「対象」は、哺乳動物を指す。対象は、ヒト、又はイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、マウス、ラット、ウサギ、若しくはそれらのトランスジェニック種などの非ヒト哺乳動物であり得る。対象は、孤立性好中球減少症を有するがん患者などの孤立性好中球減少症を有する患者であり得る。
本明細書で用いるように、用語「試料」は、1つ以上の目的の構成成分を含有する材料又は材料の混合物を指す。対象からの試料は、in vivo又はin situで得た、到達した又は採集した、生体組織又は体液起源の試料を含む、対象から得た試料を指す。試料は、前がん性又はがん性の細胞又は組織を含有する対象の領域から得ることができる。そのような試料は、限定されずに、哺乳動物から単離される器官、組織、分画及び細胞であってよい。例示的な試料には、リンパ節、全血、部分精製血液、血清、骨髄及び末梢血単核細胞(「PBMC」)が含まれる。試料は、組織生検であってもよい。例示的な試料には、細胞溶解物、細胞培養、細胞系、組織、口組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、体液、血液試料、尿試料、皮膚試料なども含まれる。
本明細書で用いるように、試料を「分析する」という用語は、試料の特定の特性又は特徴に関する評価を下すために、当技術分野で認定されたアッセイを実行することを指す。試料の特性又は特徴は、例えば、試料中の細胞のタイプ又は試料中の遺伝子の発現レベルであってよい。
本明細書で用いるように、用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、孤立性好中球減少症を有する患者に関して使用される場合、孤立性好中球減少症の重症度を低減させる、又は孤立性好中球減少症の進行を遅らせる若しくは減速する措置を指し、(a)患者の血小板数又は白血球数の増加、及び(b)輸血非依存患者、例えば、赤血球(RBC)輸血又は血小板輸血に依存しない患者への輸血依存患者の変換を含む。孤立性好中球減少症を有するがん患者に関連して使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」はまた、がんの重症度を低減させる、又はがんの進行を遅らせる又は減速する措置も指す場合があり、(a)がんの成長の阻害、又はがんの発生の停止、及び(b)がんの退縮を引き起こし、又はがんの存在に関連する1つ以上の症状の遅延又は最小化を含む。例えば、孤立性好中球減少症を有する患者においてCXCL12を発現するがんなどのがんを「治療すること」とは、患者の血小板又は白血球数を増加させ、がんの成長を抑制する作用を指し得る。
本明細書で用いるように、用語「投与する」、「投与すること」又は「投与」は、本明細書に記載されるかさもなければ当技術分野で公知である方法によって化合物又は医薬組成物を対象の体に送達するか又は送達させる行為を指す。化合物又は医薬組成物を投与することは、患者の体に送達される化合物又は医薬組成物を処方することを含む。投与の例示的な形態には、経口剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤;注射剤形、例えば、静脈内(IV)、筋肉内(IM)又は腹腔内(IP);クリーム剤、ゼリー剤、散剤又はパッチ剤を含む経皮剤形;頬内剤形;吸入粉末剤、噴霧剤、懸濁剤、及び肛門坐剤が含まれる。
本明細書で用いるように、患者に関して使用するとき、用語「選択すること」及び「選択される」は、特定の患者が、所定の基準又は所定の基準のセットを有する特定の患者、例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示す患者(例えば、参照ANCよりも低いANC、又は参照BMRよりも低いBMR)に基づいて(起因して)、より大きな患者群から具体的に選択されることを意味するために使用される。同様に、「患者を選択的に治療すること」とは、所定の基準又は所定の基準のセットを有する特定の患者、例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示す患者(例えば、参照ANCよりも低いANC、又は参照BMRよりも低いBMR)に基づいて(起因して)、より大きな患者群から具体的に選択される、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する患者に治療を提供することを指す。同様に、「選択的に投与すること」とは、所定の基準又は所定の基準のセットを有する特定の患者、例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示す患者(例えば、参照ANCよりも低いANC、又は参照BMRよりも低いBMR)に基づいて(起因して)、より大きな患者群から具体的に選択される、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する患者に薬物を投与することを指す。選択、選択的治療及び選択的投与とは、疾患又は障害(例、白血病)のみに基づいた標準的な治療レジメンが送達されるというよりはむしろ、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する、選択された患者における疾患又は障害(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する白血病)などの、患者の生物学に基づく、疾患又は障害、例えば、がんに対する個別療法が患者に送達されることを意味する。
本明細書で用いるように、疾患又は障害に関連して使用するときの化合物の「治療的有効量」という用語は、疾患若しくは障害の治療若しくは管理における治療的有益性を提供するのに十分である、又は、疾患若しくは障害に関連した1つ以上の症状を遅延させるか若しくは最小限にするのに十分である量を指す。化合物の治療的有効量は、単独で又は他の療法と一緒に使用するときの、疾患又は障害の治療又は管理において治療的有益性を提供するだろう化合物の量を意味する。本用語は、全体の療法を改善するか、症状を低減若しくは回避するか、又は別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含する。本用語は、研究者、獣医、医師又は臨床医によって追求されている、生体分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA又はDNA)、細胞、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を十分に導き出す化合物の量も指す。
本明細書で用いるように、遺伝子に関連して使用するときの用語「発現する」又は「発現」は、遺伝子によって運ばれる情報が、メッセンジャーRNA(mRNA)への遺伝子の転写、続いてのmRNA分子のポリペプチド鎖への翻訳及び最終的なタンパク質へのそのアセンブリーを含む表現型として発現される過程を指す。
本明細書で用いるように、遺伝子の「発現レベル」という用語は、遺伝子の発現生成物の量又は蓄積、例えば、遺伝子のRNA生成物の量(遺伝子のRNAレベル)又は遺伝子のタンパク質生成物の量(遺伝子のタンパク質レベル)を指す。遺伝子が複数の対立遺伝子を有する場合、特に明記しない限り、遺伝子の発現レベルは、この遺伝子のすべての既存の対立遺伝子の発現生成物の蓄積の総量を指す。
本明細書で用いるように、定量化可能な値に関連して使用するときの用語「参照」は、試料において測定されるような値の有意性を決定するために使用することができる所定値を指す。
本明細書で用いるように、用語「参照発現レベル」は、細胞、細胞群(例えば、骨髄臨床吸引液によって得られる細胞)におけるか、又は試料(例えば、骨髄生検で得られた組織試料)における遺伝子の発現レベルの有意性を決定するために使用することができる遺伝子の所定の発現レベルを指す。遺伝子の参照発現レベルは、当業者によって決定された参照試料中の遺伝子の発現レベルであり得る。例えば、CXCL12遺伝子の参照範囲の発現レベルは、骨髄又は骨髄間質細胞における発現のその下限から上限までであり得る。したがって、CXCL12遺伝子の発現レベルを決定することができ、骨髄における所定の発現範囲よりも高い場合、特定の骨髄がCXCL12を発現する骨髄であることを示す。遺伝子の参照発現レベルは、様々な試料細胞集団における遺伝子の発現レベルの統計分析を通して当業者によって決定される、カットオフ値であってもよい。例えば、その遺伝子を発現することが知られている少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%の骨髄細胞を有する骨髄試料中の遺伝子の発現レベルを分析することによって、当業者は、遺伝子の参照発現レベルとしてカットオフ値を決定することができ、これを使用して、未知の構成を有する細胞集団において遺伝子を発現する骨髄細胞のパーセンテージを示すことができる。
2つの遺伝子の発現レベルに関連して本明細書で用いられる用語「参照比」は、細胞又は試料におけるこれらの2つの遺伝子のレベルの比の有意性を決定するために使用することができる、当業者によって前もって決められる比を指す。2つの遺伝子の発現レベルの参照比は、当業者によって決定される参照細胞中のこれらの2つの遺伝子の発現レベルの比であってよい。参照比は、様々な試料細胞集団における2つの遺伝子の発現レベルの比の統計分析を通して当業者によって決定される、カットオフ値であってもよい。ある特定の実施形態では、参照比は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約35、又は約50である。
本明細書で使用される用語「参照比」は、対象における血液対骨髄芽球比(BMR;また「参照BMR」)に関連して、対象の末梢血芽球対骨髄芽球のパーセンテージの比の有意性を決定するために使用することができる、当業者によって予め決定される比を指す。参照BMRは、当業者によって決定される疾患集団におけるBMRであり得る。参照BMRはまた、特定の集団(例えば、年齢、性別、民族、生活スタイル、又はその他には一致した集団)におけるBMRの統計分析を通じて当業者によって決定されるカットオフ値であり得る。一部の実施形態では、参照BMRは、<0.5、<0.4、<0.3、<0.2、<0.1、<0.09、<0.08、<0.07、<0.06、<0.05、<0.04、<0.03、0.02又は<0.01である。
本明細書で使用される用語「骨髄芽球のパーセンテージ」、「末梢血芽球のパーセンテージ」、又は「血液対骨髄芽球の比」若しくは「BMR」は、当業者によって決定されるように、末梢血芽球と骨髄芽球の数値のパーセンテージ又はパーセンテージの比を指す。白血球は、様々な複雑さ及び高度化のいくつかの技術を介して、当業者によって評価され得る。正常なWBC細胞又は異常なWBC、例えば、AML芽球は、特別に設計されたチャンバー内で、手動で又は自動カウンターを使用してカウントすることができる。後者は広く使用されており、手動の手法よりも高い精度と速度という利点がある。好中球、芽球及び他の分画の差を決定するために、当業者は血液の滴をスライドガラス上に広げ、空気乾燥させ、特異染色、例えば、Wright及びMay−Grunewald−Giemsa技術を用いて染色することができる。次に、形態像及び染色の特徴に従って、所定数のT細胞をカウントし、分類する。自動差分数を行うための一連の自動カウンターが開発されている。
本明細書で使用される用語「絶対好中球数」又は「ANC」は、対象の血液中に存在する好中球顆粒球(多形核細胞、PMN、又は顆粒球としても公知である)の数の尺度を指す。ANCは、通常、より大きな血液パネル(「完全な血球数」)の一部として当業者によって決定される。ANCは、白血球(WBC)の総数の測定値から計算される。典型的には、ANCは、成熟した好中球及び未熟な好中球(「バンド」)の合わせたパーセンテージに基づく:ANC=((好中球%+バンド%)×WBC)/100。
本明細書で用いるように、治療に関連して使用するときの用語「応答性」又は「応答性である」は、治療される疾患の症状の軽減又は減少における治療の効果を指す。例えば、孤立性好中球減少症の患者は、FTI治療によって患者の赤血球(RBC)数、血中ヘモグロビンレベル、血小板数若しくは白血球数が効果的に増加する場合、又はRBC若しくは血小板輸血依存患者を輸血非依存患者、例えば、特定の期間のRBC輸血又は血小板輸血の必要性とは無関係の患者に変換する場合、FTI治療に応答性である。低末梢芽球、高骨髄芽球、骨髄芽球に対する末梢芽球の低い比、及び/又は孤立性好中球減少症を有するがん又はMDS患者に関連して、FTI治療ががん増殖を効果的に阻害し、又はがん若しくはMDSの発症を阻止し、がんの退縮を引き起こし、又はこの患者におけるがん若しくはMDSの存在に関連する1つ以上の症状を遅延若しくは最小化する場合、患者はFTI治療に応答性である。孤立性好中球減少症を有する反応性のがん又はMDS患者はまた、FTI治療を受けた後に血小板数若しくは白血球数の増加、又は輸血非依存性を示すことがある。
低末梢芽球及び高骨髄芽球、骨髄芽球に対する末梢芽球の低い比、及び/又は孤立性好中球減少症を有する患者の特定の治療に対する応答性は、完全又は部分的な応答として特徴付けることができる。「完全奏効」又は「CR」とは、以前に異常な血液学的研究(例えば、血小板数、白血球数、輸血依存)の正常化を伴う臨床的に検出可能な疾患の欠如を指す。低末梢芽球、高骨髄芽球、骨髄芽球に対する末梢芽球の低い比、及び/又はがん、白血病若しくはMDSを有する孤立性好中球減少症の患者に関連して、CRは、放射線検査、リンパ節、及び脳脊髄液(CSF)又は異常なモノクローナルタンパク質測定を指すことができる。
患者の「部分奏効」又は「PR」とは、血小板数、白血球数、芽球数、又は腫瘍評価の基準とみなされる特定の客観的基準を満たす輸血非依存性への変換などの血液学的パラメーターの部分的な正規化を指す。低末梢芽球及び高骨髄芽球を有する患者に関連して、骨髄芽球に対する末梢芽球の低い比、好中球減少症及び/又は孤立性好中球減少症の「部分奏効」又は「PR」とは、新しい病変の不在下におけるすべての測定可能な腫瘍負荷(すなわち、対象に存在する悪性細胞の数、又は腫瘍塊の測定された大きさ、又は異常なモノクローナルタンパク質の量)の部分的な低下を指すことがある。
当業者は、CR、PR又は治療への患者応答性の他のレベルを規定するために使用される臨床標準は、がんの異なるサブタイプによって異なってもよいことを理解するだろう。例えば、造血がんの場合、特定の治療に「応答性である」患者は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)又は血液学的改善(HI)を有する患者と規定することができる(Lancetら、Blood 2:2(2006))。HIは、5%未満の任意のリンパ節芽球数又はリンパ節芽球における少なくとも半分の低減と規定することができる。他方、特定の治療に「応答性でない」患者は、進行性疾患(PD)又は安定疾患(SD)を有する患者と規定することができる。進行性疾患(PD)は、リンパ節若しくは循環芽球%におけるベースラインからの>50%の増加、又は循環芽球の新しい出現(少なくとも2つの連続する機会において)と規定することができる。安定疾患(SD)は、CR、PR、HI又はPDの判定基準を満たしていない任意の応答と規定することができる。
当業者は、MDS患者の応答基準を定義するために使用される臨床基準を理解する。応答基準は、骨髄芽球のパーセンテージ、細胞遺伝学、血球減少の改善、並びに血液学的改善の程度及び期間の変化を測定する(Savonaら、Blood 125巻:1857〜65頁(2015年))。輸血非依存性について、Savonaら(2015年)基準は、赤血球の血液学的改善を定義するために、治療前の輸血頻度又はHgbの>1.5g/dLの増加と比較して、8週間あたりの輸血回数の減少を評価する。血小板減少症が≧20×10/Lである患者について30×10/Lの血小板の絶対増加率、又は≦20×10/L未満から≧20×10/Lの増加、及び少なくとも100%の改善が血小板の血液学的改善を定義する。治療前の好中球減少症が<1×10/LであるMDS患者は、好中球の血液学的改善の資格があり、絶対上昇率が≧0.5×10/Lを超えると少なくとも100%の増加が達成された。
本明細書で用いるように、用語「可能性」は、事象の確率を指す。条件が満たされるときに対象は特定の治療に応答性である「可能性が高い」とは、条件が満たされないときより条件が満たされるときに、対象が特定の治療に応答性である確率がより高いことを意味する。特定の治療に応答性である確率は、条件を満たさない対象と比較して特定の条件を満たす対象において、例えば5%、10%、25%、50%、100%、200%又はそれ以上高くてもよい。例えば、孤立性好中球減少症を有する対象は、対象が高いCXCL12又は高いCXCL12/CXCR4発現比を有する場合、FTI治療に応答性が「高い可能性」があり、これは、低CXCL12又はCXCL12/CXCR4の発現比を有する対象と比較して、高CXCL12又はCXCL12/CXCR4の発現比を有する対象において、FTI治療に応答性である対象の確率が5%、10%、25%、50%、100%、200%、又はそれ以上であることを意味する。
CXCL12(又はストローマ細胞由来因子1)は、好中球及び白血病芽球細胞を含むリンパ球及び骨髄細胞に対する強力な走化性薬剤である。胚発生中、CXCL12は、胎児の肝臓から骨髄への造血細胞の移動を指示し、成人期では、CXCL12は、骨髄の骨髄細胞のホーミング、成熟及び維持に重要な役割を果たす。CXCL12はまた、CXCR4依存性メカニズムを介して内皮前駆細胞を動員することにより、血管新生にも役割を果たす。CXCL12は、赤脾髄及びリンパ節髄質索の中でも発現される。Pittら、2015、Cancer Cell 27:755〜768頁及びZhaoら、2011、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 108:337〜342頁を参照。ヒトCXCL12の例示的なアミノ酸配列及び対応するコード核酸配列は、GENBANK受託番号:NP_000600.1及びNM_000609.6でそれぞれ見出すことができる。
CXCR4(フュージン又はCD184としても公知である)は、7つの膜貫通ドメイン型Gタンパク質共役受容体のケモカイン受容体サブファミリーのメンバーであり、その天然のリガンドは、CXCL12/SDF−1である。CXCR4は、胚形成中の造血系、心血管系、神経系の発生などの基本的なプロセスで重要な役割を果たす。また、造血幹細胞の骨髄へのホーミングを媒介する上で重要な役割を果たしており、主要な「ホーミング受容体」として公知である。ヒトCXCR4の例示的なアミノ酸配列及び対応するコード核酸配列は、GENBANK受託番号:NP_001008540.1及びNM_001008540.1でそれぞれ見出すことができる。
CXCR3(Gタンパク質共役受容体9(GPR9)又はCD183としても公知である)は、活性化されたヒトCD4+T細胞及びTregで発現し、エフェクター細胞の輸送を媒介することが知られている。CXCR4と同様に、CXCR3はまた、末梢血から骨髄への造血細胞のホーミングを誘導する「ホーミング受容体」としても公知である。GENBANK受託番号:NM_001504.1、NM_001142797.1、及びKJ891279.1のヒトCXCR転写変異体の例示的なコード核酸配列。
CXCR1及びCXCR2は、CXCモチーフに直接隣接するE−L−Rアミノ酸モチーフを有するCXCケモカインを認識する密接に関連した受容体である。CXCL8(他にはインターロイキン−8としても公知である)とCXCL6は両方ともヒトのCXCR1に結合することができるが、CXCL1〜CXCL7などの他のすべてのELR陽性ケモカインはCXCR2のみに結合する。CXCR1とCXCR2は両方とも、哺乳動物の好中球の表面に発現する。CXCR3及びCXCR4とは対照的に、CXCR1及びCXCR2は、骨髄から末梢血への幹細胞動員において重要な役割を果たしており、「動員受容体」として公知である。ヒトCXCR2転写変異体の例示的なコード核酸配列は、GENBANK受託番号:NM_001168298.1及びNM_001557.3に見出すことができる。ヒトCXCR1転写産物変異体の例示的なコード核酸配列は、GENBANK受託番号:AY916765.1及びAY916764.1に見出すことができる。
一部の実施形態では、対象における骨髄ホーミングの兆候は、参照比より、1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR2、CXCR1)発現に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4、CXCR3)発現の高い比であり得る。例えば、対象における骨髄ホーミングの兆候は、参照比より、CXCR2に対するCXCR4の発現の高い比であり得る;対象における骨髄ホーミングの兆候は、参照比より、CXCR1に対するCXCR3の発現の高い比であり得る;又は、対象における骨髄ホーミングの兆候は、参照比より、CXCR2とCXCR1の両方に対するCXCR4とCXCR3の両方の発現の高い比であり得る。
KIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体)分子は、ナチュラルキラー細胞及びT細胞のある特定のサブセットによって発現される膜貫通糖タンパク質であり、例えば、KIR2DS2、KIR2DS5、KIR3DL1及びKIR3DL2が含まれる。KIR2DS2は、特に一部の高齢者のT細胞で発現する。ヒトKIR3DL2の例示的なアミノ酸配列及び対応するコード核酸配列は、GENBANK受託番号:NP_001229796.1及びNM_001242867.1でそれぞれ見出すことができる。
好中球減少症は、通常、1.5×10/L(1,500/μl)未満の絶対好中球数(ANC)として定義される疾患状態である。好中球減少症の重症度は、一般的に、好中球減少症の機能的結果に影響を及ぼす:1.0〜1.5×10/LのANCは、一般的に対象の宿主防御を損なわない。0.5〜1.0×10/LのANCは、例えば、免疫系の他のアームもまた損なわれている場合、感染のリスクをわずかに増加させる可能性がある。0.2〜0.5×10/LのANCは、ほとんどの患者の感染リスクの増加と高頻度で関連する。0.2〜0.5×10/L以下のANCは、日和見生物に感染しやすく、生命を脅かす重篤な感染症のリスクがあると考えられる。好中球減少症は、ウイルス感染、遺伝的障害、又はがんを含む多数の疾患に関連し得る。好中球減少症はまた、特定の化学療法剤又は抗生物質を含む特定の薬物治療に続発することもあり得る。好中球数の減少と特異的に関連する孤立性好中球減少症は、通常、複数の血球減少症、すなわち、複数の血球型の数が正常範囲と比較して減少する疾患状態と区別される。好中球減少症の診断は、典型的には、血球数、及び細胞遺伝学による骨髄検査に基づく。異なるタイプの孤立性好中球減少症の分類及び評価は、例えば、Newburgerら、Semin Hematol.(2013年)50巻(3号)、198〜206頁に記載されている。がん患者では、好中球減少症は、抗がん治療に二次的に発生するか、又は抗がん治療とは無関係に発生する。例えば、本開示は、部分的には、CXCL12を発現するがんを有する対象が、FTI治療、化学療法又は放射線などの抗がん療法の非存在下又は投与前に好中球減少症を示し得るという認識に基づく。
理論に束縛されるものではないが、CXCL12を発現する骨髄を有する患者は、しばしば、末梢血芽球のパーセンテージが低く、骨髄芽球の骨髄ホーミングに続発する骨髄芽球のパーセンテージが高いと考えられている。骨髄間質細胞又は骨髄血管内皮細胞などの骨髄細胞によるCXCL12の高発現により骨髄中に芽球が保持される。
末梢血芽球の低いパーセンテージ、及び骨髄芽球の骨髄ホーミングに続発する骨髄芽球の高いパーセンテージは、例えば、末梢血芽球の割合が15、10、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1%未満であり、骨髄芽球のパーセンテージが10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%よりも高いことを決定することによって、当業者によって対象において検出され得る。
例えば、骨髄芽球のパーセンテージに対する末梢血芽球のパーセンテージの比が0.2、0.1、0.8、0.6、0.4、0.2、0.1、0.08、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01よりも低いことを決定することにより、低BMRが、当業者によって対象において検出され得る。
理論に束縛されることなく、CXCL12を発現する骨髄を有する患者は、好中球骨髄ホーミング、骨髄間質細胞又は骨髄血管内皮細胞などの骨髄細胞によるCXCL12の高発現による骨髄での好中球の保持に続発する孤立性好中球減少症をしばしば示すと考えられる。
骨髄ホーミングに続発する好中球減少症は、例えば、ANCカウントが1.5×10細胞/L、1.4×10細胞/L、1.2×10細胞/L、1.0×10細胞/L、0.8×10細胞/L、0.6×10細胞/L、0.5×10細胞/L、0.4×10細胞/L又は0.2×10細胞/L血液未満であることを決定することにより、当業者によって対象において検出され得る。一部の実施形態では、骨髄ホーミングに続発する好中球減少症は、例えば、好中球分画((ANC/WBC)×100)が50%、40%、30%、25%、20%、15%、又は10%未満であることを決定することにより、当業者によって対象において検出され得る。
孤立性好中球減少症は、例えば、絶対好中球数(ANC)が1.5×10細胞/L、1.4×10細胞/L、1.2×10細胞/L、1.0×10細胞/L、0.8×10細胞/L、0.6×10細胞/L、0.5×10細胞/L、0.4×10細胞/L又は0.2×10細胞/L血液未満であり、WBC数が通常の、例えば2×10細胞/L血液の下限よりも高いことを決定することにより、当業者によって対象において検出され得る。
少なくとも一部のがん又はMDS患者は、孤立性好中球減少症を含む好中球減少症を有し、CXCL12を発現する骨髄を有する。理論に拘束されるものではないが、患者は、がん又はMDS細胞によって産生された因子によって、骨髄CXCL12産生間質又は骨髄血管内皮細胞の刺激によるCXCL12及び/又は他の骨髄因子の高産生に続発するCXCL12を発現する骨髄を有すると考えられる。
一部の実施形態では、好中球減少症は、CXCL12/CXCR4シグナル伝達経路のエレメントにおける過剰活性化突然変異を伴う遺伝的疾患に関連している場合がある。一部の実施形態では、好中球減少症は、いぼ、低がんマグロブリン血症、感染症、ミエロカトキシス(WHIM)症候群に関連する。CXCR4の過剰活性化トランケーション突然変異は、例えば、Gulinoら、(2004年)Blood 104巻:444〜452頁に記載されている。一部の実施形態では、好中球減少症は、CXCR4の過剰活性化突然変異、及び疾患ワルデンストレームマクログロブリン血症に関与する細胞によって作られ、分泌される循環抗体、免疫グロブリンM(IgM)の正常レベルよりも高いレベルを有する患者において観察される(Hunterら(2016年)Journal of Clinical Oncology 35巻:994〜1001頁)。
リンパ腫は、最も一般的な血液がんである。リンパ腫の2つの主要な形態は、ホジキンリンパ腫又はHL、及び非ホジキンリンパ腫又はNHLである。リンパ腫は、リンパ球と呼ばれる免疫系の細胞が増殖し、制御されずに増加するときに起こる。がん性リンパ球は、リンパ節、脾臓、血液又は他の器官を含む体の多くの部分に移動して、腫瘍を形成することができる。リンパ腫は、最も一般的にリンパ節に影響を及ぼす。リンパ腫が拡がると、脾臓、肝臓、骨髄、又は骨に拡がることがある。
体は、リンパ腫に発達することができるリンパ球の2つの主要なタイプ:B細胞及びT細胞を有する。
PTCLは、成熟したT細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞から発生する一群の稀で、通常攻撃的な(急成長する)NHLからなる。PTCLは、全体的にすべてのNHL症例の約5から10パーセントを占め、米国における1年当たり概ね5,000人の患者の年発生率に相当する。一部の推定によると、PTCLの発生率は有意に増加しており、発生率の増加は加齢人口集団に起因している可能性がある。
PTCLは、例えば、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、ALK陽性;ALCL、ALK陰性;血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL);腸疾患関連T細胞リンパ腫;節外性ナチュラルキラー(NK)T細胞リンパ腫、鼻タイプ;肝脾T細胞リンパ腫;PTCL、他に特定されない(NOS);及び皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫を含む、様々なサブタイプに下位分類される。これらのサブタイプの各々は、それらの明瞭な臨床上の差に基づいて別個の疾患であると一般的に考えられる。これらのサブタイプのほとんどは、稀である;3つの最も一般的なサブタイプはPTCL NOS、AITL及びALCLであり、これらは全体的にすべてのPTCL症例の概ね70パーセントを占める。本明細書の一部の実施形態では、PTCLは再発性又は難治性のPTCLである。他の実施形態では、PTCLは、以前に治療されなかったPTCLである。
AITLは、腫瘍細胞構成要素及び非腫瘍細胞構成要素によって組織学的に特徴付けられる。腫瘍細胞構成要素は、ろ胞性ヘルパーT細胞(TFH)と呼ばれるリンパ節胚中心に位置する固有のT細胞サブセットに由来する多型性中型新生物細胞を含む。TFHは、CXCL13、VCAM1、angpt1などのいくつかの因子を発現する。CXCL13は、間葉性細胞においてCXCL12の発現を誘導することができる。VEGF及びアンギオポエチンは、CXCL12を発現する内皮細胞の細静脈の形成を誘導する。非腫瘍細胞構成要素は、顕著な樹枝状の血管、ろ胞性樹状細胞の増殖及び散在性のEBV+B細胞芽球を含む。樹枝状の血管の可視化は、AITLの診断の特質である。血管(内皮細静脈)を可視化することによって、CXCL12発現内皮細胞を同定することができる。血管内皮細胞におけるCXCL12発現の標的化喪失は、リンパ節、脾臓及び骨髄におけるT細胞腫瘍の喪失に変換される(Pittら(2015)Cancer Cell 27:755〜768頁)。これらは、T−LLだけでなく、AITL及び他のPTCL腫瘍についての腫瘍位置でもある。
MDSは、骨髄が、十分な健康なRBC、WBC又は血小板を作ることができない稀な障害のファミリーである。これは、骨髄が、異常な形状、サイズ、又は外観を有する多数の未発達の、又は未熟な細胞を産生しているために生じる。骨髄が正常な細胞を産生しないため、MDSの患者は、好中球減少症、低いRBC数(貧血)、低い血小板数(血小板減少症)を含む、低いWBC数によって影響を受ける場合がある。ほとんどの専門家は、MDSが骨髄がんの一種であることに同意している。MDSには多数のサブタイプがある。いくつかの場合は軽度であるが、他はより重症であり、AMLになるリスクが高くなる。ほとんどの患者は、RBC及び血小板の頻繁な輸血を含む、正常な細胞数を回復するための治療を必要とする。これらの患者は輸血依存と呼ばれる。
慢性骨髄単球性白血病(CMML)は、白血病の一種である。CMMLは、MDS及び骨髄増殖性障害(MPD)の特徴を有し、血液細胞の過剰産生によって特徴付けられる障害である。この理由で、CMMLは、2002年にMDS/MPN重複障害とみなされる。CMMLの診断のために、世界保健機関(WHO)は、血中単球数が>1×10/Lであり、PDGFRA又はPDGFRB遺伝子におけるフィラデルフィア染色体又は突然変異が存在する必要がなく、骨髄又は末梢芽球数が<20%未満でなければならず、骨髄血球の少なくとも1つの系統の異形成が存在する必要があると陳述する。CMMLは、2つのタイプにサブ分類される。血中に、タイプ1は5%未満の芽球を有し、タイプ2は5〜20%の芽球を有する。
AMLは、血液細胞の骨髄系のがんである。AMLは、骨髄に蓄積して正常なWBCの産生を妨げ得る異常な骨髄性WBCの急速な増殖によって特徴付けられる。AMLは、成人を冒す最も一般的な急性白血病であり、その発生率は年齢と共に増加する。AMLは米国におけるがん死のおよそ1.2%を占め、その発生率は集団の加齢に従って増加すると一般的に予想される。AML症状は白血病細胞による正常な骨髄の置換に関係すると考えられ、それは、赤血球、血小板及び正常な白血球の減少を引き起こし得る。AML症候群には、貧血による疲労及び息切れ、血小板減少症による打撲傷及び出血、好中球減少症による感染リスクの増加が含まれ得る。AMLは、しばしば急速に進行し、治療せずに放置すると、典型的には数週間又は数ヶ月以内に死に至る。
慢性的な骨髄性の白血病としても公知である慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄の特定の血液形成細胞で発生するがんの一種である。CMLでは、フィラデルフィア染色体と呼ばれる遺伝的変化が、骨髄細胞−赤血球、血小板、及びほとんどのタイプの白血球(リンパ球を除く)を作る細胞−の初期(未熟)バージョンで起こる。フィラデルフィア染色体の分子的帰結は、キメラ遺伝子BCR−ABLの形成であり、これはWBCをCML細胞に変える。白血病細胞は、増殖して分裂し、骨髄に蓄積して血液中に溢れ出す。やがて、細胞は脾臓を含む、身体の他の部分に定着することもある。CMLは、かなり増殖が遅い白血病であるが、治療が困難な急成長の急性白血病に変化することもある。
A.方法
FTIによる治療のために骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する対象を選択する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、疾患又は障害は骨髄疾患である。一部の実施形態では、疾患又は障害はがんである。一部の実施形態では、疾患又は障害は骨髄がんである。一部の実施形態では、疾患又は障害はCXCL12を発現するがんである。一部の実施形態では、疾患又は障害は好中球減少症である。一部の実施形態では、疾患又は障害は、WHIM症候群又はワルデンストレームマクログロブリン血症などの骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害である。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する対象は、CXCL12を発現する骨髄を有する。
骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する対象は、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC;(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、及び/又は(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数を含む、骨髄細胞の骨髄ホーミングの1つ以上の兆候を示す場合がある。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を有する対象は、骨髄ホーミングのさらなる兆候:(d)参照値よりも高いCXCL12発現、若しくは参照比よりも高い、特定の他の遺伝子(例えば、CXCR4又はHRAS)に対するCXCL12発現の比、及び/又は参照値よりも高いCXCR4の発現、若しくは参照比よりも高い1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4、CXCR3)の発現対1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR2、CXCR1)の発現の比を示すことがある。一部の実施形態では、対象におけるCXCR2及びCXCR1発現に対するCXCR4及びCXCR3発現の比は、参照比よりも高い。一部の実施形態では、対象におけるCXCR2発現に対するCXCR4発現の比は、参照比よりも高い。対象におけるCXCR4発現対CXCR2発現比は、参照比よりも高い。
一態様では、疾患又は障害を有する対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連する疾患又は障害を治療する方法が本明細書で提供され、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、及び/又は(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数を含む、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象に基づいて対象にFTIの治療的有効量を選択的に投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、さらに(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又はCXCR4又はHRASに対するCXCL12のより高い比、及び/若しくは参照比よりも高い、1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(CXCR4及びCXCR3)比を有する対象を基準にして対象に投与される。
一部の実施形態では、ANC参照値は、例えば、対象からの血液試料で決定した場合、1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlである。一部の実施形態では、ANC参照値は1,000/μlである。
一部の実施形態では、骨髄ホーミングの兆候には、例えば、対象からの血液試料で決定した場合、ANC参照値未満のANC、及び正常範囲内又は正常範囲よりも高いWBC数が含まれる。一部の実施形態では、ANC参照値は、ANC1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlであり、WBCは>1,800/μl、>1,900/μl、>2,000/μl、>2,100/μl、又は>2,200/μlである。一部の実施形態では、ANC参照値は1,000/μlであり、WBC数は>2,000/μlである。
一部の実施形態では、ANC参照値は、好中球分画((ANC/WBC)×100)である。一部の実施形態では、ANC参照値は、例えば、対象からの血液試料で決定した場合、50%、40%、30%、25%、20%、15%又は10%の好中球分画である。一部の実施形態では、ANC参照値は、正常範囲内又は正常範囲よりも高いWBC数(例えば、WBC 1,800/μl〜2,000/μl)を有する対象における50%、40%、30%、25%、20%、15%又は10%の好中球分画((ANC/WBC)×100)である。一部の実施形態では、ANC参照値は、WBC数>2,000/μlを有する対象における40%の好中球分画である。
一部の実施形態では、BMR参照値は、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02又は0.01である。一部の実施形態では、BMR参照値は0.03である。
一部の実施形態では、末梢血芽球数参照値は、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%の末梢血芽球である。一部の実施形態では、末梢血芽球数参照値は、例えば、対象からの血液試料において決定した場合、1%の末梢血芽球である。
一部の実施形態では、骨髄芽球数参照値は、例えば、対象からの骨髄試料で決定した場合、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%の骨髄芽球である。一部の実施形態では、骨髄芽球参照値は45%の骨髄芽球である。
一部の実施形態では、骨髄ホーミングの兆候は、ANC<1,000/μl、BMR<0.3、及び/又は低い末梢芽細胞数<1%のうちの1つ以上を含む。
一部の実施形態では、骨髄ホーミングの兆候には、ANC<1,000/μl、BMR<0.3、及び/又は骨髄芽球数>40%を伴う末梢芽球数<10%のうちの1つ以上が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANCが含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、及び(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は動員受容体(例えば、CXCR2)に対するホーミング受容体(例えば、CXCR4)発現のより高い比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMRが含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、及び(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数が含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数、並びに(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、及び(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMRが含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照よりも低いBMR、及び(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、並びに(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数の参照値よりも高い骨髄芽球数が含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数、並びに(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候は、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、並びに(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数が含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数、並びに(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、並びに(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数値が含まれる。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候には、(a)絶対好中球数(ANC)参照値よりも低いANC、(b)血液対骨髄芽球比(BMR)参照値よりも低いBMR、(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、及び任意選択で、骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数、並びに(d)参照値よりも高いCXCL12及び/若しくはCXCR4発現、又は参照比と比較して、CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は1つ以上の動員受容体(例えば、CXCR1及びCXCR2)に対する1つ以上のホーミング受容体(例えば、CXCR4及びCXCR3)のより高い発現比が含まれる。
一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候に関連する疾患又は障害はがんである。一部の実施形態では、がんはリンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、他に特定されないPTCL(PTCL−NOS)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)−未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連のT細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻タイプ、肝脾T細胞リンパ腫又は皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫である。ある特定の実施形態では、リンパ腫は、AITLである。ある特定の実施形態では、リンパ腫は、PTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫は、CTCLである。ある特定の実施形態では、がんは、白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、AML(例えば、新たに診断されたAML又は再発性若しくは難治性のAML)である。具体的な実施形態では、白血病は、T細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、CMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。一部の実施形態では、がんはMDSである。本明細書で提供される方法は、部分的には、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候に関連するがんを有する対象が、FTI治療に応答する可能性が高いという認識に基づいている。このような対象は、例えば、好中球減少症、又は孤立性好中球減少症(例えば、ANC<1,500細胞/μlなどの低ANC)、又は低BMR(例えば、BMR<0.1)、又は低パーセンテージの末梢芽球(例えば、<5%)によって特徴付けられ得、骨髄芽球の割合が高い場合とそうでない場合(例えば、>45%)がある。一部の実施形態では、FTIの臨床的恩恵は、特定の遺伝子及び遺伝子変異体の発現レベルに関連付けられる。例えば、本明細書で提供される方法は、部分的には、骨髄、リンパ節、或いは高レベルのCXCL12発現、又はCXCR4発現若しくはHRAS発現に対するCXCL12発現の高い比を発現する他の器官に腫瘍を有する患者が、FTI治療に応答する可能性が高く、孤立性好中球減少症、又は低BMR、又は高骨髄芽球を伴う若しくは伴わない低末梢血芽球、及び/又はCXCL12の高発現、又は他の遺伝子、例えば、骨髄におけるCXCR4若しくはHRASに対する発現に関連したCXCL12発現の高い比を有する患者集団の選択が骨髄がんのFTI治療の全体的な応答率を増加させることができるという認識に基づく。一部の実施形態では、CXCL12の高発現、又は他の遺伝子、例えば、リンパ器官のCXCR4又はHRASに対する発現に関連するCXCL12発現の高い比は、リンパ腫のFTI治療の全体的な応答率を増加させることができる。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、患者は、骨髄においてCXCR4を過剰発現し、CXCR2に対するCXCR4発現の高い比を有する再発性又は難治性AML患者である。一部の実施形態では、患者は、CXCR1に対するCXCR3発現の高い比を有する再発性又は難治性AML患者である。一部の実施形態では、患者は、CXCR2及びCXCR1発現に対するCXCR4及びCXCR3発現の高い比を有する再発性又は難治性AML患者である。
したがって、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有するがん患者をFTIで選択的に治療することにより、がんのFTI治療の応答性を増加させる方法が、本明細書で提供される。骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有するがん患者に基づいて、FTI治療のためのがん患者集団を選択するための方法も、本明細書で提供される。骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象に基づいて、がんを有する対象のFTI治療に対する応答性を予測する方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、がん患者は、特定の遺伝子発現パターンを有するリンパ腫を有する。一部の実施形態では、がん患者はCXCL12を発現するがんを有する。
別の態様では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する好中球減少症患者をFTIで選択的に治療することにより、好中球減少症に対するFTI治療の応答性を増加させる方法が、本明細書で提供される。骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する好中球減少症患者に基づいて、FTI治療のために好中球減少症の患者集団を選択する方法も、本明細書で提供される。骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象に基づいて、好中球減少症を有する対象のFTI治療に対する応答性を予測する方法も、本明細書で提供される。
別の態様では、遺伝的疾患又は障害、及び骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する患者をFTIで選択的に治療することによって、WHIM症候群又はワルデンストレームマクログロブリン血症などの骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害に対するFTI治療の応答性を増加させる方法が、本明細書で提供される。骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示す遺伝的疾患又は障害を有する患者に基づいて、FTI治療のために骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害を有する患者集団を選択する方法も、本明細書で提供される。骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象に基づいて、FTI治療のために骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝性疾患又は障害を有する対象の応答性を予測する方法も、本明細書で提供される。
一部の実施形態では、がんを有し、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象においてがんを治療する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、がんを有する対象は、対象について、例えば、ANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はその組み合わせを決定するために、対象からの試料を分析することにより骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示すことを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象について、ANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定することを含む。
一部の実施形態では、好中球減少症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与し、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示すことを含む、対象において好中球減少症を治療する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、好中球減少症を有する対象は、対象について、例えば、ANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定するために、対象からの試料を分析することにより骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示すことを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象についてANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定することを含む。
一部の実施形態では、遺伝的疾患又は障害を有し、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象において骨髄CXCR4過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害、例えば、WHIM症候群又はワルデンストレームマクログロブリン血症を治療する方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、遺伝的疾患又は障害を有する対象は、例えば、対象について、ANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はその組み合わせを決定するために、対象からの試料を分析することによって骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象が骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を示すことを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象からの試料を分析して、対象についてANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象から試料を得ることも含む。本明細書で提供される方法において使用される試料は、対象からの体液又は対象からの腫瘍生検を含む。
一部の実施形態では、本方法において使用される試料は、生検(例えば、腫瘍生検)を含む。生検は、任意の器官又は組織、例えば、皮膚、肝臓、肺、心臓、結腸、腎臓、骨髄、歯、リンパ節、毛髪、脾臓、脳、乳房又は他の器官からのものであってよい。対象から試料を単離するために、当業者に公知である任意の生検技術、例えば、開放生検、閉鎖生検、コア生検、切開生検、切採生検又は微細針吸引生検を使用することができる。一部の実施形態では、本方法で使用される試料は、吸引物(例えば、骨髄吸引物)を含む。一部の実施形態では、試料は、リンパ節生検である。一部の実施態様では、試料は、凍結組織試料であってよい。一部の実施形態では、試料は、ホルマリン固定パラフィン包埋(「FFPE」)組織試料であってよい。一部の実施形態では、試料は、脱パラフィンされた組織切片であってよい。
一部の実施形態では、試料は、体液試料である。体液の非限定例には、血液(例えば、末梢全血、末梢血)、血漿、骨髄、羊水、体液水、胆汁、リンパ、月経、血清、尿、脳及び脊髄を囲む脳脊髄液、骨関節を囲む滑液が含まれる。
一部の実施形態では、試料は、血液試料である。血液試料は、全血試料、部分精製血液試料又は末梢血試料であってよい。血液試料は、例えばInnisら編、PCR Protocols(Academic Press、1990)に記載される従来の技術を使用して得ることができる。白血球は、従来技術又は市販キット、例えばRosetteSepキット(Stein Cell Technologies、Vancouver、Canada)を使用して血液試料から分離することができる。白血球、例えば単核細胞、NK細胞、B細胞、T細胞、単球、顆粒球又はリンパ球の亜集団は、従来の技術、例えば磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotec、Auburn、California)又は蛍光活性化細胞選別(FACS)(Becton Dickinson、San Jose、California)を使用してさらに単離することができる。
一実施形態では、血液試料は、約0.1mLから約10.0mL、約0.2mLから約7mL、約0.3mLから約5mL、約0.4mLから約3.5mL、又は約0.5mLから約3mLである。別の実施形態では、血液試料は、約0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0又は10.0mLである。
一実施形態では、試料は、骨髄試料である。骨髄試料を得る手順は、骨髄生検及び骨髄吸引を非限定的に含めて、当技術分野で周知である。骨髄は、液部分及びより多くの固体部分を有する。骨髄生検では、固体部分の試料が採取される。骨髄吸引では、液部分の試料が採取される。骨髄生検及び骨髄吸引は同時に行うことができ、骨髄検査と呼ぶことができる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において使用される試料は、複数の細胞を含む。そのような細胞には任意のタイプの細胞、例えば、幹細胞、血液細胞(例えば、PBMC)、リンパ球、NK細胞、B細胞、T細胞、単球、顆粒球、免疫細胞、又は腫瘍若しくはがん細胞を含めることができる。特異的細胞集団は、市販抗体の組み合わせを使用して得ることができる(例えば、Quest Diagnostic(San Juan Capistrano、Calif.);Dako(Denmark))。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において使用される試料は、PBMCを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において使用される試料は、罹患組織からの複数の細胞、例えば、対象からの腫瘍試料を含む。一部の実施形態では、細胞は、腫瘍生検又は腫瘍外植片などの腫瘍組織から得ることができる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法において使用される細胞の数は、単一細胞から約10個細胞までの範囲内であってよい。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法において使用される細胞の数は、約1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10又は5×10個である。
対象から採集される細胞の数及びタイプは、例えば、標準の細胞検出技術、例えばフローサイトメトリー、細胞選別、免疫細胞化学(例えば、組織特異的又は細胞マーカー特異的抗体による染色)、蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気活性化細胞選別(MACS)を使用して形態及び細胞表面マーカーの変化を測定することによって、光学若しくは共焦顕微鏡検査を使用した細胞の形態の検査によって、並びに/又は当技術分野で周知である技術、例えばPCR及び遺伝子発現プロファイリングを使用して遺伝子発現の変化を測定することによってモニタリングすることができる。これらの技術は、1つ以上の特定のマーカーに陽性である細胞を同定するために使用することもできる。蛍光活性化細胞選別(FACS)は、細胞を含む粒子を粒子の蛍光特性に基づいて分離するための周知の方法である(Kamarch、1987、Methods Enzymol、151:150〜165頁)。個々の粒子における蛍光部分のレーザー励起は、混合物からの陽性及び陰性の粒子の電磁気分離を可能にする小電荷をもたらす。一実施形態では、細胞表面マーカー特異的抗体又はリガンドは、異なる蛍光標識で標識される。細胞はセルソーターを通して処理され、使用する抗体に結合するそれらの能力に基づく細胞の分離を可能にする。FACSで選別された粒子は、分離及びクローニングを促進するために、96ウェル又は384ウェルプレートの個々のウェルに直接的に沈着させることができる。
ある特定の実施形態では、細胞のサブセットが本明細書で提供される方法において使用される。細胞の特異的集団を選別及び単離する方法は当技術分野で周知であり、細胞のサイズ、形態又は細胞内若しくは細胞外のマーカーに基づくことができる。そのような方法には、限定されずに、フローサイトメトリー、フローソーティング、FACS、ビーズベースの分離、例えば磁気細胞選別、サイズに基づく分離(例えば、篩、障害物のアレイ又はフィルター)、微流動装置での選別、抗体ベースの分離、沈降、親和性吸着、親和性抽出、密度勾配遠心法、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション等が含まれる。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、血球数又は骨髄細胞数を含むことができる。血球数は、例えば、訓練された採血専門医(phelebotomist)が行うことができる。採血専門医は、典型的には、静脈穿刺により血液試料を回収し、抗凝固剤を含む試験管に血液を引き込み、凝固を防ぐ。同様の手順は、一般的に骨髄吸引で使用することができる。細胞数は、例えば、スライドガラス上の顕微鏡下で、血液試料を分析できる訓練された検査技師によって、手動で行うことができる。最も一般的には、このプロセスは、自動化された市販の血液分析装置を使用して自動化することができる。このような機器は、典型的には、血液試料中の様々な細胞型を分析するためのフローセル、光度計及びアパーチャーを有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、AMLを有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたAML患者に投与される。一部の実施形態では、AMLは新たに診断される。一部の実施形態では、対象は、低リスクのAMLを有する高齢患者である。一部の実施形態では、AMLは再発性又は難治性のAMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/若しくは骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたMDS患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、CMLを有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたCML患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、CMMLを有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたCMML患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定された骨髄線維症患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料におけるANC、BMR、末梢及び/又は骨髄芽球数、遺伝子発現パターン、又はそれらの組み合わせを決定し、試料中のANC及び/又はBMRがANC及び/又はBMR参照よりも低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIの治療的有効量は、参照ANC及び/又はBMRよりも低いANC及び/又はBMRを有することが決定されたWHIM症候群患者に投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定し、試料中の血漿循環CXCL12レベルが、血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象の血漿CXCL12レベルが決定されている。一部の実施形態では、骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象は、参照レベルよりも高い血漿循環CXCL12レベルを有することが決定されている。一部の実施形態では、対象は骨髄疾患を有する。一部の実施形態では、対象はがんを有する。一部の実施形態では、対象は好中球減少症を有する。一部の実施形態では、対象は、WHIM症候群又はワルデンストレームマクログロブリン血症などの骨髄CXCR4の過剰活性を伴う遺伝的疾患又は障害を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定することを含む。具体的な実施形態では、がんは、上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは、EBV関連の上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは、食道がんである。具体的な実施形態では、がんは、卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは、乳がんである。ある特定の実施形態では、がんは、膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは、局所的に進行した膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは、血液がんである。ある特定の実施形態では、がんは、リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は、CTCLである。ある特定の実施形態では、がんは、白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、AMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定すること、及び試料中の血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高い場合に対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高いことが決定されたリンパ腫患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。具体的な実施形態では、リンパ腫は、EBV関連のリンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連のT細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻タイプ、肝脾T細胞リンパ腫又は皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は、AITLである。他の具体的な実施形態では、リンパ腫は、PTCL−NOSである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定すること、及び試料における血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルより高い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、AMLを有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定すること、及び試料における血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルより高い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高いことが決定されたAML患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、AMLは、新たに診断される。一部の実施形態では、対象は、高リスクのAMLを有する高齢患者である。一部の実施形態では、AMLは、再発性又は難治性のAMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定すること、及び試料における血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルより高い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高いことが決定されたMDS患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料における血漿循環CXCL12のレベルを決定すること、及び試料における血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルより高い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、血漿循環CXCL12レベルが血漿循環CXCL12の参照レベルよりも高いことが決定された骨髄線維症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法で使用される試料は、全血試料、部分精製血液試料、末梢血試料、血清又は血漿試料、細胞試料又はリンパ節試料であってよい。試料は、組織生検又は腫瘍生検であってよい。一部の実施形態では、試料は、リンパ腫、例えばPTCL又はCTCLを有する対象からのリンパ節生検である。一部の実施形態では、試料は、リンパ腫、例えばPTCLを有する対象からのPBMCである。一部の実施形態では、試料は、白血病、例えば、AML、T細胞白血病又はCMLを有する対象からのリンパ節又は骨髄生検である。一部の実施形態では、試料は、白血病、例えばAML、T細胞白血病又はCMLを有する対象からのPBMCである。
試料は、腫瘍生検、血液試料、リンパ節試料、吸引液、又は本明細書で開示される任意の他の試料であり得る。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象においてCXCL12を発現するがんを治療する方法が本明細書で提供され、CXCL12を発現するがん及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。FTI治療についてがんを有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてがん患者を選択する方法、FTI治療についてがん患者を層別化する方法、及びFTI治療についてがん患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、がんを有する対象は、FTIを対象に投与する前に、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象がCXCL12を発現するがんを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、がんを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現するがんを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、がんを有する対象は、FTIを対象に投与する前に、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現するがんを有することが決定されている。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、がんは骨髄がんである。骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有するリンパ腫患者のCXCL12を発現するリンパ腫を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてリンパ腫を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてリンパ腫患者を選択する方法、FTI治療についてリンパ腫患者を層別化する方法、及びFTI治療についてリンパ腫患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、リンパ腫を有する対象からの試料を分析して、FTIを対象に投与する前に、対象がCXCL12を発現するリンパ腫及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者にFTIを投与することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連のT細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻タイプ、肝脾T細胞リンパ腫又は皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。具体的な実施形態では、リンパ腫は、EBV関連のリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は、AITLである。具体的な実施形態では、リンパ腫は、PTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫は、CTCLである。具体的な実施形態では、がんは上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんはEBVに関連する上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは食道がんである。具体的な実施形態では、がんは卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは乳がんである。具体的な実施形態では、がんは膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは局所的に進行した膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。ある特定の実施形態では、がんはリンパ腫である。ある特定の実施形態では、がんは白血病である。具体的な実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象においてCXCL12を発現する白血病を治療する方法が、本明細書で提供され、CXCL12を発現する白血病及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。FTI治療について白血病を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療について白血病患者を選択する方法、FTI治療について白血病患者を層別化する方法、及びFTI治療について白血病患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、白血病を有する対象からの試料を分析して、FTIを対象に投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、白血病を有する対象は、対象にFTIを投与する前に、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本方法は、白血病及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象がCXCL12を発現する白血病を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、白血病を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現する白血病を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、白血病を有する対象は、対象にFTIを投与する前に、CXCL12を発現する白血病及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。ある特定の実施形態では、白血病は、AMLである。具体的な実施形態では、AMLは、新たに診断される。具体的な実施形態では、対象は、高リスクのAMLを有する高齢患者である。一部の実施形態では、AMLは、再発性又は難治性のAMLである。具体的な実施形態では、白血病は、T細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、CMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象においてCXCL12を発現するMDSを治療する方法が、本明細書で提供され、CXCL12を発現するMDS及び孤立性好中球減少症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。FTI治療についてMDSを有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてMDS患者を選択する方法、FTI治療についてMDS患者を層別化する方法、及びFTI治療についてMDS患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、MDSを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、本方法は、MDSを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象がCXCL12を発現するMDSを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、CXCL12を発現するMDSを有することが決定されたMDS患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本方法は、MDSを有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が好中球減少症又は孤立性好中球減少症及びCXCL12を発現するMDSを有することを決定することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現するMDSを有することが決定されたMDS患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
CXCL12を発現する骨髄線維症及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、対象のCXCL12を発現する骨髄線維症を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療について骨髄線維症を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療について骨髄線維症患者を選択する方法、FTI治療について骨髄線維症患者を層別化する方法、及びFTI治療について骨髄線維症患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、FTIを対象に投与する前に、骨髄線維症を有する対象からの試料を分析して、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定された骨髄線維症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄線維症及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象がCXCL12を発現する骨髄線維症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、CXCL12を発現する骨髄線維症を有することが決定された骨髄線維症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現する骨髄線維症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、CXCL12を発現する骨髄線維症及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定された骨髄線維症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象において、CXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、CXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症を治療する方法が、本明細書で提供される。FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症患者を選択する方法、FTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症患者を層別化する方法、及びFTI治療についてワルデンストレームマクログロブリン血症患者集団の応答性を増加させる方法も本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料を分析して、対象にFTIを投与する前に、対象がCXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、CXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、本方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料を分析し、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候及びCXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、CXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
WHIM症候群及び骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象においてWHIM症候群を治療する方法が、本明細書で提供される。また、FTI治療に対するWHIM症候群を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療に対するWHIM症候群患者を選択する方法、FTI治療に対するWHIM症候群患者を層別化する方法、及びFTI治療に対するWHIM患者集団の応答性を増加させる方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料を分析し、対象にFTIを投与する前に、対象が骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することを決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、骨髄細胞の骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定されたWHIM症候群患者にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、FTIは、チピファルニブである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料(例えば、血液試料)中のANCを決定することを含み、対象は、ANCが<1,500/μl、<1,400/μl、<1,300/μl、<1,200/μl、<1,100/μl、<1,000/μl、<900/μl、<800/μl、<700/μl、<600/μl、<500/μl、<400/μl、<300/μl又は<200/μlである場合、低ANCなどの骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定される。一部の実施形態では、ANCが<1,000/μlである場合、対象は低ANCを有することが決定される。
一部の実施形態では、本方法は、対象のWBCを決定することを含む。一部の実施形態では、低ANCなどの骨髄細胞ホーミングの兆候を有する対象のWBCは、正常範囲内であるか又は正常範囲よりも高いと同定される。一部の実施形態では、ANCは、<1,500/μl、<1,400/μl、<1,300/μl、<1,200/μl、<1,100/μl、<1,000/μl、<900/μl、<800/μl、<700/μl、<600/μl、<500/μl、<400/μl、<300/μl又は<200/μlであると決定され、WBCは、>1,800/μl、>1,900/μl、>2,000/μl、>2,100/μl又は>2,200/μlであると決定される。一部の実施形態では、ANCは<1,000/μlであると決定され、WBCは>2,000/μlであると決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料(例えば、血液試料)中のANC及びWBCを決定することを含み、対象は、好中球分画((ANC/WBC)×100)が50%、40%、30%、25%、20%、15%又は10%未満である場合、低ANCなどの骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料(例えば、血液試料)中のANC及びWBCを決定することを含み、対象は、好中球分画((ANC/WBC)×100)が50%、40%、30%、25%、20%、15%又は10%未満であり、WBC数が正常範囲内であるか又はその正常範囲よりも高い(例えば、WBC数>1,800/μl、>1,900/μl、>2,000/μl、>2,100/μl、又は>2,200/μl)の場合、低ANCなどの骨髄細胞ホーミングの兆候を有することが決定される。一部の実施形態では、対象は、好中球分画が<40%であり、WBCが>2,000/μlである場合、孤立性好中球減少症を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄及び末梢血芽球を決定することを含む。一部の実施形態では、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象は、試料(例、骨髄試料)中に>25%、>30%、>35%、>40%、>45%、>50%、>55%、>60%、>65%、>70%、又は>75%の骨髄芽球を有する。一部の実施形態では、対象は、試料(例えば、骨髄試料)中に>45%の骨髄芽球を有する。一部の実施形態では、対象は、<15%、<10%、<5%、<4%、<3%、<2%、<1%、<0.9%、<0.8%、<0.7%、<0.6%、<0.5%、<0.4%、<0.3%、<0.2%、又は<0.1%の末梢血芽球を有する。一部の実施形態では、対象は、<1%の末梢血芽球を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象からの試料(例えば、血液試料)中のBMRを決定することを含み、対象は、BMRが、<0.5、<0.4、<0.3、<0.2、<0.1、<0.09、<0.08、<0.07、<0.06、<0.05、<0.04、<0.03、0.02又は<0.01である場合、孤立性好中球減少症を有することが決定される。一部の実施形態では、BMRは<0.03である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、がんを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたがん患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料中の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現しているがんを有することが決定される。具体的な実施形態では、がんは上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんはEBVに関連する上咽頭癌である。一部の実施形態では、がんは頭頸部の扁平上皮癌である。具体的な実施形態では、がんは食道がんである。具体的な実施形態では、がんは卵巣がんである。一部の実施形態では、がんは乳がんである。具体的な実施形態では、がんは尿路上皮がんである。具体的な実施形態では、がんは白血病(例えば、AML)である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料中の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現するリンパ腫を有することが決定される。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連T細胞リンパ腫、節外ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻型、肝脾T細胞リンパ腫、又は皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBVに関連するリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はAITLである。一部の実施形態では、リンパ腫はPTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。一部の実施形態では、リンパ腫はB細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫はNK細胞リンパ腫である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料中の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現するPTCLを有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料中の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現している白血病を有することが決定される。具体的な実施形態では、白血病はAMLである。一部の実施形態では、AMLは新たに診断される。一部の実施形態では、対象は、低リスクのAMLを有する高齢患者である。一部の実施形態では、AMLは再発性又は難治性のAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料中の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現するMDSを有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現する骨髄線維症を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCL12遺伝子の発現レベルを決定することを含み、対象は、試料の発現レベルがCXCL12の参照レベルよりも高い場合、CXCL12を発現するワルデンストレームマクログロブリン血症を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、がんを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたがん患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。具体的な実施形態では、がんは、上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは、EBV関連の上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは、食道がんである。具体的な実施形態では、がんは、卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは、乳がんである。ある特定の実施形態では、がんは、膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは、局所的に進行した膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは、血液がんである。ある特定の実施形態では、がんは、リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は、CTCLである。ある特定の実施形態では、がんは、白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、AMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4発現比を有することが決定される。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連T細胞リンパ腫、節外ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻型、肝脾T細胞リンパ腫、又は皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBVに関連するリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はAITLである。一部の実施形態では、リンパ腫はPTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。ある特定の実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、AMLは新たに診断される。具体的な実施形態では、対象は、低リスクのAMLを有する高齢患者である。具体的な実施形態では、AMLは再発性又は難治性のAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照比よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたWHIM症候群患者)からの試料におけるCXCR4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベル、及びCXCL4遺伝子又はHRAS遺伝子の発現レベルに対するCXCL12遺伝子の発現レベルの比を決定することをさらに含み、対象は、その比が参照よりも高い場合、高いCXCL12/CXCR4、又はCXCL12/HRAS発現比を有することが決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、がんを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたがん患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。具体的な実施形態では、がんは上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんはEBVに関連する上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは食道がんである。具体的な実施形態では、がんは卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは乳がんである。ある特定の実施形態では、がんは膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは局所性進行膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。ある特定の実施形態では、がんはリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。ある特定の実施形態では、がんは白血病である。具体的な実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連T細胞リンパ腫、節外ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻型、肝脾T細胞リンパ腫、又は皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBVに関連するリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はAITLである。具体的な実施形態では、リンパ腫はPTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCL4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。ある特定の実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、AMLは新たに診断される。具体的な実施形態では、対象は、低リスクのAMLを有する高齢患者である。具体的な実施形態では、AMLは再発性又は難治性のAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、参照比よりも高くなる、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCR4又はHRAS発現に対するCXCL12発現の比を決定することを含む。一部の実施形態では、参照比は、0.1、0.3、1、3、10、30、100又は300であり得る。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された孤立性好中球減少症患者)からの試料におけるANC及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有し、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、がんは血液がんである。ある特定の実施形態では、がんは骨髄リンパ腫である。ある特定の実施形態では、がんは白血病である。具体的な実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。一部の実施形態では、白血病はCMMLである。一部の実施形態では、白血病はT細胞白血病である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された孤立性好中球減少症患者)からの試料におけるCXCL12の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12の発現レベルが参照レベル内である場合、孤立性好中球減少症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された孤立性好中球減少症患者)からの試料におけるCXCR4の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、孤立性好中球減少症を有する対象に治療有効量のFTIを投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された孤立性好中球減少症患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現レベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12の発現レベルの比が参照比よりも高い場合、孤立性好中球減少症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC及び/又はBMRがANC/又はBMR参照よりも低い場合、骨髄にリンパ腫又はT細胞白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCL12タンパク質又はRNA発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12タンパク質又はRNA発現のレベルが参照レベルよりも高い場合、リンパ腫を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、リンパ腫は、AITL、PTCL−NOS、ALCL−ALK陽性、ALCL−ALK陰性、腸疾患関連のT細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー細胞(NK)T細胞リンパ腫−鼻タイプ、肝脾T細胞リンパ腫又は皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、EBV関連のリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫は、AITLである。一部の実施形態では、リンパ腫は、PTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫は、CTCLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCR4発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、リンパ腫を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたリンパ腫患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、リンパ腫を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候があると決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCL12タンパク質又はRNA発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12タンパク質又はRNA発現のレベルが参照レベルより高い場合、PTCLを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候があると決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCR4発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、PTCLを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候があると決定されたPTCL患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、PTCLを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象における骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候の存在を決定することを含む。一部の実施形態では、白血病を有する対象は、FTIの投与前に骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると決定されている。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象からの試料におけるANC、末梢及び/又は骨髄芽球数及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC、末梢芽球数及び/若しくはBMRが、ANC、末梢芽球数、及び/若しくはBMR参照よりも低い場合、又は試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照よりも高い場合、白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、白血病を有する対象は、健康な参照の正常範囲のWBC及び/又は血小板数を有する。ある特定の実施形態では、白血病は、AMLである。具体的な実施形態では、AMLは、新たに診断される。具体的な実施形態では、対象は、高リスクのAMLを有する高齢患者である。具体的な実施形態では、AMLは、再発性又は難治性のAMLである。具体的な実施形態では、白血病は、T細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、CMLである。具体的な実施形態では、白血病は、CMMLである。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCL12の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12の発現レベルが参照レベルよりも高い場合、白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCR4発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、白血病を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定された白血病患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、白血病を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象における骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候の存在を決定することを含む。一部の実施形態では、MDSを有する対象は、FTIの投与前に骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると決定されている。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象からの試料におけるANC、末梢及び/又は骨髄芽球数及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC、末梢芽球数及び/若しくはBMRが、ANC、末梢芽球数、及び/若しくはBMR参照よりも低い場合、又は試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照よりも高い場合、MDSを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、MDSを有する対象は、健康な参照の正常範囲のWBC及び/又は血小板数を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCL12の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12発現のレベルが参照レベルより高い場合、MDSを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCR4発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、MDSを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたMDS患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、MDSを有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象における骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候の存在を決定することを含む。一部の実施形態では、骨髄線維症を有する対象は、FTIの投与前に骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料におけるANC、末梢及び/又は骨髄芽球数及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC、末梢芽球数及び/若しくはBMRが、ANC、末梢芽細胞数及び/若しくはBMR参照よりも低い場合、又は試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照よりも高い場合、骨髄線維症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、骨髄線維症を有する対象は、健康な参照の正常範囲のWBC及び/又は血小板数を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると決定された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCL12の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12発現のレベルが参照レベルより高い場合、骨髄線維症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると判断された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCR4発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、試料におけるCXCR4発現のレベルが参照レベル内である場合、骨髄線維症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると判断された骨髄線維症患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、骨髄線維症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象における骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候の存在を決定することを含む。一部の実施形態では、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象は、FTIの投与前に骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されている。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料におけるANC、末梢及び/又は骨髄芽球数及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC、末梢芽球数及び/若しくはBMRが、ANC、末梢芽球数及び/若しくはBMR参照よりも低い場合、又は試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照よりも高い場合、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象は、健康な参照の正常範囲のWBC及び/又は血小板数を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCL12の発現レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12発現のレベルが参照レベルより高い場合、ワルデンストレームのマクログロブリン血症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームのマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCR4突然変異の存在を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、活性CXCR4突然変異が対象からの試料に存在する場合、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたワルデンストレームのマクログロブリン血症患者)からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるCXCR4発現に対するCXCL12発現のレベルの比が参照比より高い場合、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象における骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候の存在を決定することを含む。一部の実施形態では、WHIM症候群を有する対象は、FTIの投与前に骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有すると決定されている。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料におけるANC、末梢及び/又は骨髄芽球数及び/又はBMRを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象からの試料におけるANC、末梢芽球数及び/若しくはBMRがANC、末梢芽細胞数、及び/若しくはBMR参照よりも少ない場合、又は試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照よりも高い場合、WHIM症候群を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。一部の実施形態では、WHIM症候群を有する対象は、健康な参照の正常範囲のWBC及び/又は血小板数を有する。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたWHIM症候群患者)からの試料におけるCXCL12タンパク質又はRNA発現のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細に提供される方法は、対象からの試料におけるCXCL12発現レベルが参照レベルよりも高い場合、WHIM症候群を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象(例えば、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有することが決定されたWHIM症候群患者)からの試料におけるCXCR4突然変異を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、活性化CXCR4突然変異が対象からの試料に存在する場合、WHIM症候群を有する対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
遺伝子の発現レベルは、遺伝子のタンパク質レベル又は遺伝子のRNAレベルを指すことができる。一部の実施形態では、遺伝子の発現レベルは、遺伝子のタンパク質レベルを指し、本明細書で提供される方法は遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料におけるKIR3DL2 mRNAの発現レベルを決定すること、及び試料におけるKIR3DL2 mRNA発現レベルがKIR3DL2 mRNAの参照レベルより低い場合、対象にFTIの治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄細胞の骨髄ホーミングの兆候を有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、対象はがんを有する。具体的な実施形態では、がんは、白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、AMLである。具体的な実施形態では、白血病は、T細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病は、CMLである。具体的な実施形態では、白血病は、CMMLである。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、リンパ腫を有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、MDSを有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。一部の実施形態では、遺伝子のmRNAレベルは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、qPCR、qRT−PCR、RNA−seq、マイクロアレイ分析、SAGE、MassARRAY技術、次世代シークエンシング又はFISHによって決定される。
一部の実施形態では、遺伝子の発現レベルは、遺伝子のmRNAレベルを指し、本明細書で提供される方法は遺伝子のmRNAレベルを決定することを含む。試料における遺伝子のmRNAレベルを決定する方法は、当技術分野で周知である。例えば、一部の実施形態では、mRNAレベルは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、qPCR、qRT−PCR、RNA−seq、マイクロアレイ分析、SAGE、MassARRAY技術、次世代シークエンシング又はFISHによって決定することができる。
mRNAレベルを検出又は定量化する例示的な方法には、限定されずに、PCRベースの方法、ノーザンブロット、リボヌクレアーゼ保護アッセイなどが含まれる。mRNA配列は、少なくとも部分的に相補性であるプローブを調製するために使用することができる。次いで、プローブは、任意の適するアッセイ、例えばPCRベースの方法、ノーザンブロッティング、ディップスティックアッセイなどを使用して、試料中のmRNA配列を検出するために使用することができる。
試料におけるmRNA発現の定量化のための当技術分野で公知である一般的に使用される方法には、ノーザンブロッティング及びin situハイブリダイゼーション(Parker & Barnes、Methods in Molecular Biology 106:247〜283頁(1999));RNアーゼ保護アッセイ(Hod、Biotechniques 13:852〜854頁(1992));及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Weisら、Trends in Genetics 8:263〜264頁(1992))が含まれる。或いは、DNA二重鎖、RNA二重鎖及びDNA−RNAハイブリッド二重鎖又はDNA−タンパク質二重鎖を含む、特異的二重鎖を認識することができる抗体を用いることができる。配列決定に基づく遺伝子発現分析のための代表的方法には、遺伝子発現の連続分析(SAGE)及び大量並行シグネチャーシークエンシング(MPSS)による遺伝子発現分析が含まれる。
高感度及びフレキシブルな定量方法は、PCRである。PCR方法の例は、文献に見出すことができる。PCRアッセイの例は、米国特許第6,927,024号に見出すことができ、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。RT−PCR方法の例は、米国特許第7,122,799号に見出すことができ、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。蛍光in situPCRの方法は、米国特許第7,186,507号に記載され、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
しかし、他の核酸増幅プロトコール(すなわち、PCR以外)を本明細書に記載される核酸分析方法において使用することもできることに留意する。例えば、適する増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(例えば、Wu & Wallace、Genomics 4:560〜569頁、1988、を参照);鎖置換アッセイ(例えば、Walkerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392〜396頁、1992;米国特許第5,455,166号を参照);並びに米国特許第5,437,990号;5,409,818号;及び5,399,491号に記載される方法を含むいくつかの転写ベースの増幅システム;転写増幅システム(TAS)(Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177頁、1989);並びに、自立的配列複製(3SR)(Guatelliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878頁、1990;WO92/08800)が含まれる。或いは、Q−レプリカーゼ増幅などの、プローブを検出可能なレベルに増幅する方法を使用することができる(Kramer & Lizardi、Nature 339:401〜402頁、1989;Lomeliら、Clin.Chem.35:1826〜1831頁、1989)。公知の増幅方法のレビューは、例えば、Current Opinion in Biotechnology 4:41〜47頁(1993)のAbramson及びMyersによって提供される。
mRNAは、試料から単離することができる。試料は、組織試料であってよい。組織試料は、リンパ節生検などの腫瘍生検であってよい。mRNA抽出のための一般的方法は当技術分野で周知であり、Ausubelら、Current Protocols of Molecular Biology、John Wiley and Sons(1997)を含む、分子生物学の標準教科書に開示される。詳細には、RNA単離は、Qiagenなどの民間の製造業者から市販されている精製キット、緩衝液セット及びプロテアーゼを製造業者の説明書に従って使用して実施することができる。例えば、Qiagen RNeasyミニカラムを使用して、培養中の細胞からの全RNAを単離することができる。他の市販されているRNA単離キットには、MASTERPURE(登録商標)完全DNA及びRNA精製キット(EPICENTRE(登録商標)、Madison、Wis.)及びパラフィンブロックRNA単離キット(Ambion,Inc.)が含まれる。組織試料からの全RNAは、RNA Stat−60(Tel−Test)を使用して単離することができる。腫瘍から調製されるRNAは、例えば、塩化セシウム密度勾配遠心分離によって単離することができる。
一部の実施形態では、PCRによる遺伝子発現プロファイリングにおける第1の工程はcDNAへのRNA鋳型の逆転写であり、その後PCR反応におけるその指数関数的増幅が続く。他の実施形態では、例えば、米国特許第5,310,652号;5,322,770号;5,561,058号;5,641,864号;及び5,693,517号に記載の通りに、組み合わせた逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)反応を使用することができる。2つの一般的に使用される逆転写酵素は、トリ(avilo)骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(AMV−RT)及びモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV−RT)である。逆転写工程は、状況及び発現プロファイリングの目標によって、特異的プライマー、ランダムヘキサマー又はオリゴdTプライマーを使用して一般的にプライミングされる。例えば、抽出されたRNAは、GENEAMP(商標)RNA PCRキット(Perkin Elmer、Calif、USA)を製造業者の説明書に従って使用して逆転写することができる。次いで、誘導したcDNAは、それに続くPCR反応において鋳型として使用することができる。
一部の実施形態では、リアルタイム逆転写PCR(qRT−PCR)をRNA標的の検出及び定量化の両方のために使用することができる(Bustinら、2005、Clin.Sci.、109:365〜379頁)。qRT−PCRに基づく方法の例は、例えば、米国特許第7,101,663号に見出すことができ、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。Applied Biosystems 7500などのリアルタイムPCRのための機器は市販されており、TaqMan Sequence Detection chemistryなどの試薬も同様である。
例えば、TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイを製造業者の説明書に従って使用することができる。これらのキットは、ヒト、マウス及びラットのmRNA転写物の迅速で、信頼できる検出及び定量化のための、予め製剤化されている遺伝子発現アッセイである。米国特許第5,210,015号;5,487,972号;及び5,804,375号;及びHollandら、1988、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:7276〜7280頁に記載される、TaqMan(登録商標)又は5’−ヌクレアーゼアッセイを使用することができる。その標的アンプリコンに結合しているハイブリダイゼーションプローブを加水分解するために、TAQMAN(登録商標)PCRは、Taq又はTthポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性を一般的に利用するが、同等の5’ヌクレアーゼ活性を有する任意の酵素を使用することができる。PCR反応で一般的なアンプリコンを生成するために、2つのオリゴヌクレオチドプライマーが使用される。第3のオリゴヌクレオチド又はプローブが、2つのPCRプライマーの間に位置するヌクレオチド配列を検出するように設計される。プローブはTaq DNAポリメラーゼ酵素によって伸長不可能であり、リポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素で標識される。プローブの上にあるときに2つの色素が近接位置にある場合、リポーター色素からのいかなるレーザー誘導放出もクエンチング色素によってクエンチされる。増幅反応の間、Taq DNAポリメラーゼ酵素は、鋳型依存的にプローブを切断する。生じたプローブ断片は溶液中で解離し、放出されたリポーター色素からのシグナルは、第2のフルオロフォアのクエンチング作用から自由である。合成される各新しい分子についてリポーター色素の1分子が遊離し、クエンチされていないリポーター色素の検出は、データの定量的解釈のための基礎を提供する。
5’ヌクレアーゼアッセイでは、分解生成物を検出するのに適する任意の方法を使用することができる。しばしば、検出プローブは2つの蛍光色素で標識され、その1つは他の色素の蛍光をクエンチすることが可能である。色素はプローブに付着し、好ましくは、1つは5’末端に付着し、他は内部の部位に付着しており、その結果、プローブがハイブリダイズしていない状態にあるときにクエンチングが起こり、DNAポリメラーゼの5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断が2つの色素の間で起こる。
増幅は色素の間でのプローブの切断をもたらし、クエンチングの同時消去及び最初にクエンチされた色素からの観察可能な蛍光の増加を伴う。分解生成物の蓄積は、反応蛍光の増加を測定することによってモニタリングする。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,491,063号及び5,571,673号の両方は、増幅と同時に起こるプローブの分解を検出するための代替の方法を記載する。5’−ヌクレアーゼアッセイデータは、Ct又は閾値周期で最初に表すことができる。上記のように、蛍光値はあらゆる周期の間に記録され、増幅反応におけるその時点まで増幅された生成物の量を表す。蛍光シグナルが統計的に有意であると最初に記録される時点が、閾値周期(Ct)である。
誤差及び試料間変動の影響を最小にするために、PCRは内部標準を使用して通常実施される。理想的な内部標準は異なる組織の間で一定のレベルで発現され、実験処理によって影響されない。遺伝子発現のパターンを正規化するために最も頻繁に使用されるRNAは、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)及びP−アクチンのmRNAである。
PCRプライマー及びプローブは、増幅される遺伝子に存在するイントロン配列に基づいて設計される。この実施形態では、プライマー/プローブ設計における第1の工程は、遺伝子の中のイントロン配列の描写である。これは、Kent,W.、Genome Res.12(4):656〜64頁(2002)によって開発されたDNA BLASTソフトウェアなどの公開ソフトウェアによって、又はその変形を含むBLASTソフトウェアによって行うことができる。以降の工程は、PCRプライマー及びプローブ設計の確立された方法に従う。
非特異的シグナルを避けるために、プライマー及びプローブを設計するとき、イントロンの中の反復配列をマスキングすることが重要である可能性がある。これは、Baylor College of Medicineを通してオンラインで利用可能なRepeat Maskerプログラムを使用して容易に達成することができ、それは、DNA配列を反復エレメントのライブラリーに対してスクリーニングし、反復エレメントがマスキングされているクエリー配列に返す。次いで、マスキングされているイントロン配列は、任意の市販されている、さもなければ公開されているプライマー/プローブ設計パッケージ、例えば、Primer Express(Applied Biosystems);MGB assay−by−design(Applied Biosystems);Primer3(一般ユーザー及び生物学者プログラマーのためのWWW上のRozen及びSkaletsky(2000)Primer3。典拠:Krawetz S、Misener S(編)生命情報科学の方法及びプロトコール:分子生物学における方法(Bioinformatics Methods and Protocols:Methods in Molecular Biology)。HumanaPress、Totowa、N.J.、365〜386頁)を使用してプライマー及びプローブ配列を設計するために使用することができる。
全トランスクリプトームショットガン配列決定(WTSS)とも呼ばれるRNA−Seqは、試料のRNA含有量に関する情報を得るためにcDNAを配列決定するためのハイスループット配列決定技術の使用を指す。RNA−Seqを記載する刊行物には、以下のものが含まれる:Wangら、Nature Reviews Genetics 10(1):57〜63頁(2009年1月);RyanらBioTechniques 45(1):81〜94頁(2008);及びMaherら、Nature 458(7234):97〜101頁(2009年1月);これらは、その全体が本明細書に組み込まれる。
マイクロアレイ技術を使用して、差別的遺伝子発現を同定又は確認することもできる。この方法では、目的のポリヌクレオチド配列(cDNA及びオリゴヌクレオチドを含む)は、マイクロチップ基質の上にプレーティングされるか、整列される。次いで、整列された配列は、目的の細胞又は組織からの特異的DNAプローブとハイブリダイズされる。
マイクロアレイ技術の一実施形態では、cDNAクローンのPCR増幅挿入物が、高密度アレイの基質に適用される。好ましくは少なくとも10,000ヌクレオチド配列が基質に適用される。各々10,000エレメントでマイクロチップの上に固定化された、マイクロアレイ分析された遺伝子は、ストリンジェントな条件の下でのハイブリダイゼーションに適する。蛍光標識cDNAプローブは、目的の組織から抽出されたRNAの逆転写による蛍光性ヌクレオチドの組込みを通して生成することができる。チップに適用される標識cDNAプローブは、アレイの上のDNAの各スポットに特異的にハイブリダイズする。非特異的に結合したプローブを除去するストリンジェントな洗浄後、共焦点レーザー顕微鏡検査又はCCDカメラなどの別の検出方法によってチップをスキャンする。整列された各エレメントのハイブリダイゼーションの定量化は、対応するmRNA存在度の評価を可能にする。二重の着色蛍光により、RNAの2つの供給源から生成された、別々に標識されたcDNAプローブを、アレイにペアでハイブリダイズさせる。したがって、指定された各遺伝子に対応する2つの供給源からの転写物の相対存在量が、同時に決定される。ハイブリダイゼーションの小型化されたスケールは、多数の遺伝子のための発現パターンの便利で迅速な評価を与える。そのような方法は、1細胞につき少数のコピーで発現される稀な転写物を検出するのに必要とされる感度を有すること、及び発現レベルの少なくとも概ね2倍の差で再現可能に検出することが示された(Schenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(2):106〜149頁(1996))。マイクロアレイ分析は、市販装置により、製造業者のプロトコールに従って、例えば、Affymetrix GENCHIP(商標)技術又はIncyteのマイクロアレイ技術を使用して実施することができる。
遺伝子発現の連続分析(SAGE)は、各転写物のために個々のハイブリダイゼーションプローブを提供することを必要とせずに、多数の遺伝子転写物の同時で定量的な分析を可能にする方法である。1番目に、転写物を特異的に同定するのに十分な情報を含有する短い配列タグ(約10〜14bp)を生成するが、但し、タグは各転写物の中の固有の位置から得られる。次に、配列決定をすることができ、複数のタグの同一性を同時に明らかにすることができる、長い連続的分子を形成するために、多くの転写物を連結する。個々のタグの存在量を決定して、各タグに対応する遺伝子を同定することによって、転写物の任意の集団の発現パターンを定量的に評価することができる。さらなる詳細については、例えば、Velculescuら、Science 270:484〜487頁(1995);及びVelculescuら、Cell 88:243〜51頁(1997)を参照。
MassARRAY(Sequenom、San Diego、Calif.)技術は、検出のために質量分析(MS)を使用した、遺伝子発現分析の自動化されたハイスループット方法である。この方法により、RNAの単離、逆転写及びPCR増幅に続いて、cDNAはプライマー伸長に供される。cDNA由来のプライマー伸長生成物を精製して、MALTI−TOF MS試料調製のために必要とされる構成成分を予め加えたチップアレイ上に分注する。得られた質量スペクトルのピーク面積を分析することによって、反応に存在する様々なcDNAを定量化する。
mRNAレベルは、ハイブリダイゼーションに基づくアッセイによって測定することもできる。一般的なmRNAアッセイ方法は、1)表面に結合した対象プローブを得る工程;2)特異的結合を提供するのに十分な条件の下での表面に結合したプローブへのmRNA集団のハイブリダイゼーションの工程、(3)ハイブリダイゼーションにおいて結合していない核酸を除去するためのハイブリダイゼーション後の洗浄工程;及び(4)ハイブリダイズしたmRNAの検出の工程を含有することができる。これらの工程の各々において使用される試薬及びそれらの使用条件は、特定の適用に応じて様々となり得る。
試料中のmRNAレベルを決定するために、任意の適するアッセイプラットホームを使用することができる。例えば、アッセイは、ディップスティック、膜、チップ、ディスク、検査ストリップ、フィルター、マイクロスフェア、スライド、多重ウェルプレート又は光ファイバーの形態であってよい。アッセイ系は、mRNAに対応する核酸が付着している固体支持体を有することができる。固体支持体は、例えば、プラスチック、シリコン、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿物、ゲル、ポリマー、シート、球、多糖、毛細管、フィルム、プレート又はスライドを有することができる。アッセイの構成成分を調製して、mRNAを検出するためのキットとして一緒にパッケージすることができる。
標識mRNAの集団を作製するために、所望により、核酸は標識することができる。一般に、試料は、当技術分野で周知である方法を使用して標識することができる(例えば、DNAリガーゼ、末端転移酵素を使用して、又はRNA主鎖を標識することによって等;例えば、Ausubelら、分子生物学における短いプロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)第3版、Wiley & Sons 1995及びSambrookら、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第3版、2001 Cold Spring Harbor、N.Y.を参照)。一部の実施形態では、試料は蛍光標識で標識される。例示的な蛍光色素には、限定されずに、キサンテン色素、フルオレセイン色素、ローダミン色素、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、6カルボキシフルオレセイン(FAM)、6カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6カルボキシ4’,5’ジクロロ2’,7’ジメトキシフルオレセイン(JOE又はJ)、N,N,N’,N’テトラメチル6カルボキシローダミン(TAMRA又はT)、6カルボキシXローダミン(ROX又はR)、5カルボキシローダミン6G(R6G5又はG5)、6カルボキシローダミン6G(R6G6又はG6)及びローダミン110;シアニン色素、例えばCy3、Cy5及びCy7色素;Alexa色素、例えばAlexa−蛍光−555;クマリン、ジエチルアミノクマリン、ウンベリフェロン;ベンズイミド色素、例えば、Hoechst 33258;フェナントリジン色素、例えば、Texas Red;エチジウム色素;アクリジン色素;カルバゾール色素;フェノキサジン色素;ポルフィリン色素;ポリメチン色素、BODIPY色素、キノリン色素、ピレン、フルオレセインクロロトリアジニル、R110、エオシン、JOE、R6G、テトラメチルローダミン、リサミン、ROX、ナフトフルオレセインなどが含まれる。
ハイブリダイゼーションは、所望によりストリンジェンシーが異なってもよい、適するハイブリダイゼーション条件で実行することができる。典型的な条件は、相補的結合性メンバーの間、すなわち、表面結合対象プローブと試料中の相補性mRNAとの間の固体表面でプローブ/標的複合体を生成するのに十分である。ある特定の実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を用いることができる。
ハイブリダイゼーションは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で一般的に実施される。標準のハイブリダイゼーション技術(例えば、試料中の標的mRNAのプローブへの特異的結合を提供するのに十分な条件下の)は、Kallioniemiら、Science 258:818〜821頁(1992)及びWO93/18186に記載される。一般的な技術のいくつかのガイドが利用可能である、例えば、Tijssen、核酸プローブによるハイブリダイゼーション(Hybridization with Nucleic Acid Probes)、パートI及びII(Elsevier、Amsterdam 1993)。in situハイブリダイゼーションのために適する技術の記載については、Gallら、Meth.Enzymol.、21:470〜480頁(1981);及びAngererら、遺伝子操作:原理及び方法(Genetic Engineering:Principles and Methods)(Setlow及びHollaender編)第7巻、43〜65頁(Plenum Press、New York 1985)を参照。温度、塩濃度、ポリヌクレオチド濃度、ハイブリダイゼーション時間、洗浄条件のストリンジェンシーなどを含む適当な条件の選択は、試料の供給源、捕捉薬剤の同一性、予想される相補性の程度等を含む実験計画に依存し、当業者にとってルーチンの実験事項として決定することができる。当業者は、類似のストリンジェンシー条件を提供するために、代替の、しかし同等のハイブリダイゼーション及び洗浄条件を利用することができることを容易に認める。
mRNAハイブリダイゼーション手順の後、未結合の核酸を除去するために、表面結合したポリヌクレオチドは一般的に洗浄される。洗浄は任意の便利な洗浄プロトコールを使用して実施することができ、ここで、洗浄条件は上記の通り一般的にストリンジェントである。次いで、プローブへの標的mRNAのハイブリダイゼーションは、標準の技術を使用して検出される。
本明細書に記載されるか又は当技術分野で公知である任意の方法を使用して、本明細書に記載される対象からの試料における遺伝子のmRNAレベルを決定することができる。例として、一部の実施形態では、本明細書において、qRT−PCRを使用することにより対象からの試料におけるCXCL12遺伝子のmRNAレベルを決定し、試料中のCXCL12遺伝子のmRNAレベルがCXCL12遺伝子の参照発現レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む、対象におけるPTCLを治療する方法が提供される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される、FTIを有する対象におけるCXCL12発現リンパ腫を治療する方法、FTI治療についてリンパ腫を有する対象の応答性を予測する方法、FTI治療についてリンパ腫患者を選択する方法、FTI治療のためにリンパ腫患者を層別化する方法、及びFTI治療のためにリンパ腫患者集団の応答性を増加させる方法は、リンパ腫を有する対象からの試料において、CXCL13、VCAM1及びangpt1からなる群から選択されるAITLマーカーの発現レベルを決定することをさらに含み、試料中の追加遺伝子の発現レベルが参照発現レベルよりも高い場合、対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、孤立性好中球減少症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)の44873849位のA/G)を含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、孤立性好中球減少症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12の3’UTRの44873186位にSNVを含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、孤立性好中球減少症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12の3’UTRにSNVを含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、白血病(例えば、AML、T細胞白血病、又はCML)を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における位置44873849でのA/G)を有しない場合、白血病(例えば、AML、T細胞白血病、又はCML)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRの位置44873186でSNVを有しない場合、白血病(例えば、AML、T細胞白血病、又はCML)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにSNVを有しない場合、白血病(例えば、AML、T細胞白血病、又はCML)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、リンパ腫(例えば、CTCL)を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における位置44873849でのA/G)を有しない場合、リンパ腫(例えば、CTCL)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRの位置44873186にSNVを有さない場合、リンパ腫(例えば、CTCL)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにおいてSNVを有しない場合、リンパ腫(例えば、CTCL)を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。特定の実施形態では、リンパ腫はEBV関連リンパ腫である。特定の実施形態では、リンパ腫はCTCLである。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における44873849位でのA/G)を有しない場合、PTCLを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRの44873186位にSNVを有しない場合、PTCLを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにSNVを有しない場合、PTCLを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、MDSを有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における44873849位でのA/G)を有しない場合、MDSを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRの44873186位でのSNVを有しない場合、MDSを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにSNVを有しない場合、MDSを有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における44873849位でのA/G)を有しない場合、骨髄線維症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRの44873186位でのSNVを有しない場合、骨髄線維症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにおいてSNVを有しない場合、骨髄線維症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)における44873849位でのA/G)を有しない場合、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象は、試料がCXCL12の3’UTRの44873186位でのSNVを有しない場合、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、試料がCXCL12の3’UTRにおいてSNVを有しない場合、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又はFTIの治療的有効量が投与される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料におけるCXCL12のSNV状態を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、WHIM症候群を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12のrs2839695 SNV(CXCL12 3’非翻訳領域(UTR)の44873849位のA/G)を含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、WHIM症候群を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12の3’UTRの44873186位にSNVを含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。一部の実施形態では、WHIM症候群を有する対象は、FTI治療に応答する可能性が高いと予測されるか、又は試料がCXCL12の3’UTRにSNVを含まない場合、FTIの治療的有効量が投与される。
核酸を分析することによりSNV及び/又は突然変異状態を決定する方法は、当技術分野で周知である。一部の実施形態では、本方法には、配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNAマイクロアレイ、質量分析(MS)、一塩基多型(SNP)アッセイ、変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)、又は制限断片長多型(RFLP)アッセイが含まれる。一部の実施形態では、SNV及び/又は突然変異状態は、例えば、サンガー配列決定、次世代シークエンシング(NGS)を含む標準的な配列決定法を使用して決定される。一部の実施形態では、SNV及び/又は突然変異状態は、MSを用いて決定される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、孤立性好中球減少症を有する対象はがんを有する。具体的な実施形態では、がんは上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんはEBV関連の上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは食道がんである。具体的な実施形態では、がんは卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは乳がんである。特定の実施形態では、がんは膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは局所進行膵臓がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。特定の実施形態では、がんはリンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。特定の実施形態では、がんは白血病である。具体的な実施形態では、白血病はAMLである。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。具体的な実施形態では、白血病はCMMLである。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、リンパ腫を有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBV関連リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はAITLである。具体的な実施形態では、リンパ腫はPTCL−NOSである。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、MDSを有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、WHIM症候群を有する対象からの試料におけるCXCL12タンパク質の発現レベルを決定し、試料中のCXCL12タンパク質発現レベルがCXCL12タンパク質の参照レベルよりも高い場合にFTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料におけるKIR3DL2タンパク質の発現レベルを決定すること、及び試料中のKIR3DL2タンパク質発現レベルがKIR3DL2タンパク質の参照レベルより低い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、KIR3DL2タンパク質の発現はIHCによって決定される。特定の実施形態では、KIR3DL2タンパク質の発現はFACSにより決定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、孤立性好中球減少症を有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。一部の実施形態では、孤立性好中球減少症を有する対象はがんを有する。具体的な実施形態では、がんは上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんはEBV関連の上咽頭癌である。具体的な実施形態では、がんは食道がんである。具体的な実施形態では、がんは卵巣がんである。具体的な実施形態では、がんは乳がんである。特定の実施形態では、がんは膵臓がんである。具体的な実施形態では、膵臓がんは局所進行膵臓がんである。具体的な実施形態では、がんは白血病である。具体的な実施形態では、白血病はT細胞白血病である。具体的な実施形態では、白血病はCMLである。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、リンパ腫を有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。具体的な実施形態では、リンパ腫はEBV関連リンパ腫である。具体的な実施形態では、リンパ腫はAITLである。具体的な実施形態では、リンパ腫はCTCLである。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、MDSを有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、骨髄線維症を有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、ワルデンストレームマクログロブリン血症を有する対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することを含む。一部の実施形態では、遺伝子のタンパク質レベルは、免疫組織化学(IHC)アッセイ、イムノブロッティング(IB)アッセイ、免疫蛍光(IF)アッセイ、フローサイトメトリー(FACS)、又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定することができる。IHCアッセイはH&E染色であり得る。
試料中の遺伝子のタンパク質レベルを決定する方法は、当技術分野で周知である。例えば、一部の実施形態では、タンパク質レベルは、免疫組織化学(IHC)アッセイ、イムノブロッティング(IB)アッセイ、免疫蛍光(IF)アッセイ、フローサイトメトリー(FACS)、又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定することができる。一部の実施形態では、タンパク質レベルは、ヘマトキシリン及びエオシン染色(「H&E染色」)によって決定され得る。
遺伝子のタンパク質レベルは、様々な(IHC)アプローチ又は他のイムノアッセイ法によって検出することができる。組織切片のIHC染色は、試料中のタンパク質の存在を評価又は検出する信頼できる方法であることが示されている。免疫組織化学技術は、一般的に発色法又は蛍光法により、in situで細胞抗原をプローブ及び視覚化するために抗体を利用する。したがって、抗体又は抗血清、例えば、ポリクローナル抗血清、又は各遺伝子に特異的なモノクローナル抗体を用いて発現を検出する。以下で詳細に説明するように、抗体は、例えば、放射性標識、蛍光標識、ハプテン標識、例えば、ビオチン、又は酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ若しくはアルカリホスファターゼによる抗体自体の直接標識によって検出することができる。或いは、非標識一次抗体は、標識された二次抗体、例えば、抗血清、ポリクローナル抗血清又は一次抗体に特異的なモノクローナル抗体と併せて使用される。免疫組織化学プロトコール及びキットは、当技術分野で周知であり、市販されている。スライド調製及びIHC処理用の自動システムは市販されている。Ventana(登録商標)BenchMark XTシステムは、このような自動システムの例である。
標準的な免疫学的及びイムノアッセイ手順は、Basic and Clinical Immunology (Stites & Terr編、第7版、1991年)に見出すことができる。さらに、イムノアッセイは、Enzyme Immunoassay(Maggio編、1980年);及びHarlow & Lane(上述)で詳細に検討されているいくつかの構成のいずれかで実行することができる。一般的なイムノアッセイの概説については、Methods in Cell Biology:Antibodies in Cell Biology、37巻(Asai編、1993年);Basic and Clinical Immunology(Stites & Ten編、第7版、1991年)も参照されたい。
遺伝子のタンパク質レベルを検出するために一般的に使用されるアッセイには、非競合的アッセイ、例えば、サンドイッチアッセイ、及び競合的アッセイが含まれる。典型的には、アッセイ、例えば、ELISAアッセイを使用することができる。ELISAアッセイは、例えば、血液、血漿、血清、腫瘍生検、リンパ節、又は骨髄を含む多種多様な組織及び試料をアッセイするのに当技術分野で公知である。
このようなアッセイフォーマットを使用する広範囲のイムノアッセイ技術が利用可能であり、例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,016,043号、同第4,424,279号、及び同第4,018,653号を参照されたい。これらには、非競合型の1サイト及び2サイト又は「サンドイッチ」アッセイの両方、並びに伝統的な競合結合アッセイが含まれる。これらのアッセイはまた、標識抗体の標的遺伝子への直接結合を含む。サンドイッチアッセイは一般的に使用されるアッセイである。サンドイッチアッセイ技術には多数のバリエーションがある。例えば、典型的なフォワードアッセイにおいて、非標識抗体が固体基質上に固定され、試験される試料が結合分子と接触する。次に、適切なインキュベーション期間後、抗体−抗原複合体の形成を可能にするのに十分な期間、検出可能なシグナルを生成することができるレポーター分子で標識された、抗原に特異的な二次抗体を添加し、抗体−抗原−標識抗体の別の複合体を形成させ得るのに十分な時間、インキュベートする。いずれもの未反応の材料は洗い流され、抗原の存在はレポーター分子によって生成されるシグナルの観察によって決定される。結果は、可視シグナルの単純な観察による定性的であり得、又は既知量の遺伝子を含む対照試料との比較によって定量化され得る。
フォワードアッセイのバリエーションには、試料と標識抗体の両方が結合抗体に同時に添加される同時アッセイが含まれる。これらの技術は、容易に明らかとなるような任意の小さなバリエーションを含めて、当業者に周知である。典型的なフォワードサンドイッチアッセイにおいて、遺伝子に特異性を有する一次抗体は、固体表面に共有結合又は受動結合される。固体表面は、ガラス又はポリマーであり得、最も一般的に使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリプロピレンである。固体支持体は、チューブ、ビーズ、マイクロプレートのディスク、又はイムノアッセイを実施するのに適した任意の他の表面の形態であり得る。結合プロセスは、当技術分野で周知であり、一般的に、架橋共有結合又は物理的吸着からなり、ポリマー−抗体複合体は、試験試料の調製中に洗浄される。次に、試験される試料のアリコートを固相複合体に添加し、十分な時間(例えば、より都合が良い場合は2〜40分間又は一晩)及び適切な条件下(例えば、室温から40℃、例えば、25℃から32℃の間(両端を含む))でインキュベートして、抗体に存在する任意のサブユニットの結合を可能にする。インキュベーション期間の後、抗体サブユニット固相を洗浄及び乾燥し、遺伝子の一部に特異的な二次抗体とともにインキュベートする。二次抗体は、二次抗体の分子マーカーへの結合を示すために使用されるレポーター分子に連結される。
一部の実施形態では、フローサイトメトリー(FACS)を使用して、細胞の表面に発現される遺伝子のタンパク質レベルを検出することができる。表面タンパク質(例えば、CXCR3)である遺伝子は、これらの遺伝子に対する抗体を使用して検出され得る。フローサイトメーターは、遺伝子の発現レベルを示す、蛍光色素タグ付き抗体の強度を検出して記録する。非蛍光性細胞質タンパク質はまた、透過細胞を染色することによって観察することができる。染色剤は、特定の分子に結合することができる蛍光化合物、又は選択した分子に結合する蛍光色素タグ付き抗体のいずれかであり得る。
代替の方法は、試料中の標的遺伝子を固定化し、次に、レポーター分子で標識されていても又は標識されていなくてもよい特定の抗体に固定化された標的を曝露することを伴う。標的の量及びレポーター分子シグナルの強度に依存して、抗体で直接標識することによって、結合した標的を検出できる場合がある。或いは、一次抗体に特異的な二次標識抗体を標的−一次抗体複合体に曝露して、標的−一次抗体−二次抗体の三次複合体を形成する。複合体は、標識されたレポーター分子が発するシグナルによって検出される。
酵素イムノアッセイの場合、酵素は、一般的にグルタルアルデヒド又は過ヨウ素酸塩によって、二次抗体にコンジュゲートしている。しかしながら、容易に認識されるように、多種多様な異なるコンジュゲーション技術が存在し、これらは当業者に容易に利用可能である。一般的に使用される酵素には、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、及びアルカリホスファターゼが含まれ、その他については本明細書において検討される。特定の酵素とともに使用される基質は、一般的に、対応する酵素による加水分解の際に、検出可能な色変化の生成のために選択される。適切な酵素の例には、アルカリホスファターゼ及びペルオキシダーゼが含まれる。上記の発色性基質ではなくむしろ蛍光生成物を生じる蛍光発生基質を使用することも可能である。すべての場合において、酵素標識抗体は、一次抗体−分子マーカー複合体に加えられ、結合させられ、次に過剰な試薬は洗い流される。その後、適切な基質を含む溶液を抗体−抗原−抗体の複合体に加える。基質は、二次抗体に結合した酵素と反応し、定性的な視覚シグナルを与え、通常は分光光度法でさらに定量化して、試料に存在する遺伝子量の指示を与えることができる。或いは、蛍光化合物、例えば、フルオレセイン及びローダミンは、抗体の結合能を変えることなく抗体に化学的に結合することができる。特定の波長の光による照明によって活性化された場合、蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸着し、分子内の励起状態に状態を誘導し、続いて光学顕微鏡で視覚的に検出可能な特徴的な色の光を放射する。EIAの場合と同様に、蛍光標識抗体は、一次抗体−分子マーカー複合体に結合することができる。未結合試薬を洗い流した後、残存している三次複合体は、適切な波長の光に曝露され、観察された蛍光は目的の分子マーカーの存在を示す。免疫蛍光及びEIA技術はともに、当技術分野で非常によく確立されていて、本明細書において検討されている。
本明細書に記載されるか又は当技術分野で公知である任意の方法を使用して、本明細書に記載される対象からの試料における遺伝子のタンパク質レベルを決定することができる。例として、一部の実施形態では、本明細書において、IFアッセイを使用することによって対象からの試料におけるCXCL12遺伝子のタンパク質レベルを決定すること、及び試料中のCXCL12遺伝子のタンパク質レベルがCXCL12遺伝子の参照発現レベルよりも高い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む、対象におけるPTCLを治療する方法が提供される。
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、PTCLを有する対象からの試料におけるKIR3DL2を発現する細胞の割合を決定すること、及び試料中のKIR3DL2を発現する細胞の割合が参照レベルより低い場合、FTIの治療的有効量を対象に投与することを含む。
対象からの試料の細胞構成を分析する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、免疫組織化学(IHC)アッセイ、免疫蛍光(IF)アッセイ、及びフローサイトメトリー(FACS)が挙げられる。
一部の実施形態では、細胞構成はIHCアッセイによって決定される。様々なIHCアッセイが本明細書に記載されている。例として、一部の実施形態では、目的のタンパク質に結合する抗体を用いて、脱パラフィン組織切片でIHC染色を行い、過酸化及びタンパク質ブロッキング後に4℃にて一晩インキュベートすることができる。1mMエチレンジアミン四酢酸を含む10mM Tris/HCl pH9のマイクロ波エピトープ検索は、抗体について使用することができ、適切な陰性対照(一次抗体なし)及び陽性対照(扁桃又は乳房腫瘍切片)は、研究される各腫瘍セットと並行して染色することができる。例えば、Iqbalら、Blood、123巻(19号):2915〜23頁(2014年)を参照されたい。
一部の実施形態では、細胞構成は、フローサイトメトリー(FACS)によって決定される。FACSを使用して特定のT細胞サブセットを同定及び列挙する様々な方法は、当技術分野で周知であり、市販されている。細胞表面マーカーを使用して、特定の細胞集団を特定することができる。それぞれ異なる蛍光色素と結合させたいくつかの抗体を一緒に使用して、細胞表面マーカーの固有なレパートリーを評価することにより、所定の細胞集団を同定及び定量化することができる。利用可能なテクノロジーには、BD Biosciencesによるマルチカラーフローサイトメトリーテクノロジー、Abcamによるフローサイトメトリーイムノフェノタイピングテクノロジーなどが含まれる。様々なゲーティング及びデータ分析戦略を使用して、細胞集団を区別することができる。
一部の実施形態では、本明細書において、フローサイトメトリーを使用して対象からの血液試料の細胞構成を分析することを含む方法が提供される。
本明細書に記載され、又は他には当技術分野で公知である発現レベル(例えば、タンパク質レベル又はmRNAレベル)を分析する任意の方法を使用して、試料中の追加遺伝子のレベルを決定することができ、例えば、IHCアッセイ、IBアッセイ、IFアッセイ、FACS、ELISA、タンパク質マイクロアレイ分析、qPCR、qRT−PCR、RNA−seq、RNAマイクロアレイ分析、SAGE、MassARRAY技術、次世代シークエンシング、又はFISHが挙げられる。
B.医薬組成物
一部の実施形態では、本明細書において、FTI又はFTIを含む医薬組成物を用いて対象を治療する方法が提供される。本明細書に提供される医薬組成物は、治療的有効量のFTI及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブ;アルグラビン;ペリリルアルコール;SCH−66336;L778123;L739749;FTI−277;L744832;R208176;BMS214662;AZD3409;又はCP−609,754である。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブである。
FTIは、経口投与のために、適切な医薬調製物、例えば、溶液、懸濁液、錠剤、分散性錠剤、丸薬、カプセル、粉末、徐放性製剤若しくはエリキシルに、又は眼科若しくは非経口投与のために無菌溶液若しくは懸濁液に、並びに経皮パッチ調製物及び乾燥粉末吸入器として製剤化することができる。典型的には、FTIは、当技術分野で周知である技術及び手順を使用して医薬組成物に製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第7版、1999年を参照されたい)。
組成物において、有効濃度のFTI及び薬学的に許容される塩は、適切な薬学的キャリア又はビヒクルとともに混合される。特定の実施形態では、組成物中のFTIの濃度は、血液がん及び固形腫瘍を含むがんの症状及び/又は進行の1つ以上の治療、予防、又は改善する量を投与時に送達するのに有効である。
組成物は、単回投与のために製剤化することができる。組成物を製剤化するために、FTIの重量分率は、治療される状態が緩和又は改善されるような有効濃度で、選択されたビヒクルに溶解、懸濁、分散又は他には混合される。本明細書に提供されるFTIの投与に適した医薬担体又はビヒクルには、特定の投与様式に適していることが当業者に公知である任意の担体が含まれる。
さらに、FTIは、組成物中の唯一の薬学的な活性成分として製剤化することができ、又は他の活性成分と組み合わせることができる。組織標的化リポソーム、例えば、腫瘍標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液はまた、薬学的に許容される担体として適切であり得る。これらは、当業者に公知である方法に従って調製され得る。例えば、リポソーム製剤は、当技術分野で公知であるように調製され得る。簡単には、リポソーム、例えば、多重膜小胞(MLV)は、フラスコの内側で卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(モル比で7:3)を乾燥させることによって形成することができる。二価カチオンを欠損したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に提供されるFTIの溶液を添加し、脂質膜が分散するまでフラスコを振とうする。得られた小胞を洗浄して、カプセル化されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、次にPBSに再懸濁する。
FTIは、治療される患者において望ましくない副作用がない場合に、治療的に有用な効果を発揮するのに十分な量で薬学的に許容される担体に含まれる。治療有効濃度は、本明細書に記載されるインビトロ及びインビボ系で化合物を試験することによって経験的に決定され、次に、ヒト用に投薬量についてそこから外挿され得る。
医薬組成物中のFTIの濃度は、FTIの吸収、組織分布、不活性化及び排出率、FTIの物理化学的特性、投薬スケジュール、及び投与量、並びに当業者に公知である他の要因に依存する。例えば、送達される量は、造血器がん及び固形腫瘍を含むがんの症状の1つ以上を改善するのに十分である。
特定の実施形態では、治療上有効な投薬量は、約0.1ng/mlから約50〜100μg/mlまでの活性成分の血清濃度を生じるものである。一実施形態では、医薬組成物は、1日当たり体重1キログラム当たり約0.001mgから約2000mgまでの化合物の投薬量を提供する。医薬投薬単位形態は、投薬単位形態当たり約1mgから約1000mgまで、特定の実施形態では約10から約500mgまでの必須の活性成分又は必須成分の組み合わせを提供するように調製される。
FTIは、一度に投与され得、又は時間間隔で投与される多数のより少ない用量に分割され得る。治療の正確な投薬量及び期間は、治療される疾患の関数であり、公知の試験プロトコールを使用して、又はインビボ又はインビトロ試験データからの外挿によって経験的に決定され得ることが理解される。濃度及び投薬量の値はまた、緩和される状態の重症度によって変化され得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性及び組成物の投与を管理又は監督する者の専門的判断に従って経時的に調整される必要があること、及び本明細書に記載される濃度範囲は単なる例示であり、請求される組成物の範囲又は実施を制限することを意図するものではないことがさらに理解されるべきである。
したがって、本明細書に記載される1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効濃度又は有効量は、医薬組成物を形成するための全身投与、局所(topical)投与又は部分(local)投与に適した医薬担体又はビヒクルとともに混合される。化合物は、1つ以上の症状を改善し、又は治療し、進行を遅らせ、又は予防するのに有効な量で含まれる。組成物中の活性化合物の濃度は、吸収、組織分布、不活性化、活性化合物の排出速度、投薬スケジュール、投与量、特定の製剤、並びに当業者に公知である他の要因に依存する。
組成物は、例えば、限定されないが、経口、非経口、直腸、局所的(topically)及び部分的(locally)を含む適切な経路により投与されることが意図される。経口投与について、カプセル及び錠剤を製剤化することができる。組成物は、液体、半液体又は固体の形態であり、各投与経路に適した方法で製剤化される。
非経口、皮内、皮下、又は局所適用に使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分:滅菌希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコール及びメチルパラベン;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸及び亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);緩衝液、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩;並びに張度調整剤、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロースのいずれかを含むことができる。非経口製剤は、アンプル、ペン、使い捨て注射器、又はガラス、プラスチック、又は他の適切な材料で作製された単回又は複数回投与バイアルに封入することができる。
FTIが不十分な溶解性を示す場合において、化合物を可溶化する方法を使用することができる。このような方法は、当業者に公知であり、限定されないが、共溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)の使用、界面活性剤、例えば、TWEEN(登録商標)の使用、又は重炭酸ナトリウム水溶液への溶解が含まれる。
化合物(複数可)を混合又は添加すると、得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得る。得られる混合物の形態は、意図された投与様式及び選択された担体又はビヒクル中の化合物の溶解度を含む多数の要因に依存する。有効濃度は、治療される疾患、障害又は状態の症状を改善するのに十分であり、経験的に決定され得る。
医薬組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、滅菌非経口溶液又は懸濁液、経口溶液又は懸濁液、及び化合物又はその薬学的に許容される塩を適切な量を含む油水エマルジョンでヒト及び動物に投与するために提供される。薬学的に治療的に活性な化合物及びその塩は、単位剤形又は複数回剤形で処方及び投与される。本明細書において使用される単位剤形は、ヒト及び動物対象に適し、当技術分野で公知であるように個別に包装された物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体、ビヒクル又は希釈剤に関連して、所望の治療効果を生み出すのに十分な治療的に活性な化合物の所定量を含む。単位剤形の例には、アンプル及び注射器、並びに個別に包装された錠剤又はカプセルが含まれる。単位剤形は、その分数又は倍数で投与され得る。複数回剤形は、分離された単位剤形で投与される単一の容器に包装された複数の同一の単位剤形である。複数回剤形の例には、バイアル、錠剤若しくはカプセルのボトル、又はパイント若しくはガロンのボトルが含まれる。したがって、複数回剤形は、包装で分離されていない複数回の単位用量である。
徐放性製剤もまた調製することができる。徐放性製剤の適切な例には、本明細書に提供される化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、このマトリックスは、成形品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例には、イオン導入パッチ、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L−グルタミン酸とエチル−L−グルタミン酸の共重合体、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸共重合体、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸共重合体と酢酸リュープロリドで構成される注射可能なミクロスフェア)、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。ポリマー、例えば、エチレン−酢酸ビニル及び乳酸−グリコール酸は、100日間以上、分子の放出を可能にするが、特定のヒドロゲルはタンパク質をより短い期間放出する。カプセル化された化合物が長時間、体内に残る場合、37℃で水分に曝露された結果として、それらは変性又は凝集し、生物活性の喪失、及びそれらの可能性のある構造変化をもたらし得る。関与する作用機序に応じて、安定化のための合理的な戦略が考案され得る。例えば、凝集機序がチオジスルフィド交換による分子間S−S結合形成であることが判明した場合、安定化は、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分量の制御、適切な添加剤の使用、及び特定のポリマーマトリックス組成物の開発によって達成され得る。
0.005%から100%の範囲で活性成分を含み、残りが非毒性担体で構成された剤形又は組成物を調製し得る。経口投与について、薬学的に許容される非毒性組成物は、通常使用される賦形剤、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム又はサッカリンナトリウムのいずれかを組み込むことによって形成される。このような組成物には、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、粉末、及び徐放製剤、例えば、限定されないが、インプラント及びマイクロカプセル化送達システム、並びに生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、コラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸及びその他のものが含まれる。これらの組成物を調製する方法は、当業者に公知である。企図される組成物は、約0.001%〜100%の活性成分、特定の実施形態では約0.1〜85%又は約75〜95%を含み得る。
FTI又は薬学的に許容される塩は、身体からの急速な排出に対して化合物を保護する担体、例えば、徐放性製剤又はコーティング剤とともに調製することができる。
組成物は、特性の所望の組み合わせを得るために他の活性化合物を含めることができる。本明細書に提供される化合物、又は本明細書に記載されるその薬学的に許容される塩はまた、上記で言及された疾患又は医学的状態の1つ以上、例えば、酸化ストレスに関連した疾患の1つ以上を治療するのに有用であることが一般的な技術分野において公知である別の薬剤と一緒に投与することができる。
本明細書に提供されるラクトースを含まない組成物は、当技術分野で周知であり、例えば、米国薬局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に列挙されている賦形剤を含むことができる。一般的に、ラクトースを含まない組成物は、薬学的に適合性する及び薬学的に許容される量の活性成分、結合剤/充填剤、及び潤滑剤を含む。例示的なラクトースを含まない剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含む。
さらに、本明細書に提供される化合物を含む無水医薬組成物及び剤形が包含される。例えば、水(例えば、5%)の追加は、特徴、例えば、保存期間及び製剤の経時的な安定性を決定するために、長期保存をシミュレートするための手段として製薬業界において広く受け入れられている。例えば、Jens T.Carstensen、Drug Stability:Principles & Practice、第2版、Marcel Dekker、NY、NY、1995年、379〜80頁を参照されたい。実際には、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加速する。したがって、製剤の製造、取り扱い、包装、保管、出荷及び使用中に水分及び/又は湿度に一般的に直面するため、製剤における水の影響は非常に重要となる場合がある。
本明細書に提供される無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を使用して調製することができる。製造、包装、及び/又は保管中に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、ラクトース、及び一級又は二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分を含む医薬組成物及び剤形は無水である。
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製及び保存されるべきである。したがって、無水組成物は、適切な処方キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を用いて包装される。適切な包装の例には、限定されないが、密閉ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが含まれる。
経口医薬剤形は、固体、ゲル又は液体のいずれかである。固体剤形は、錠剤、カプセル、顆粒剤、及びバルク粉末である。経口錠剤の種類には、腸溶コーティング、糖衣コーティング又はフィルムコーティングが施され得る圧縮されたチュアブルなロゼンジ剤及び錠剤が含まれる。カプセルは、硬質ゼラチンカプセル又は軟質ゼラチンカプセルであり得、一方、顆粒及び粉末は、当業者に公知である他の成分の組み合わせとともに非発泡形態又は発泡形態で提供され得る。
特定の実施形態では、製剤は、固体剤形、例えば、カプセル又は錠剤である。錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどは、以下の成分:結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味料、及び香味剤の任意、又は類似する化合物を含むことができる。
結合剤の例には、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アカシア粘液、ゼラチン溶液、スクロース及びデンプンペーストが含まれる。潤滑剤には、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム又はカルシウム、リコポジウム、及びステアリン酸が含まれる。希釈剤には、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムが含まれる。流動促進剤には、限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素が含まれる。崩壊剤には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。着色剤には、例えば、承認された認証済み水溶性FD及びC染料、それらの混合物のいずれか;及びアルミナ水和物に懸濁した水不溶性FD及びC染料が含まれる。甘味料には、スクロース、ラクトース、マンニトール、及び人工甘味料、例えば、サッカリン、及び任意の数の噴霧乾燥フレーバーが含まれる。香味剤には、植物、例えば、果物から抽出された天然香料、並びに心地よい感覚をもたらす化合物の合成ブレンド、例えば、限定されないが、ペパーミント及びサリチル酸メチルが含まれる。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、及びポリオキシエチレンラウラルエーテルが含まれる。催吐性コーティングには、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースが含まれる。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースが含まれる。
投薬単位形態がカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、液体担体、例えば、脂肪油を含むことができる。加えて、投薬単位形態は、投薬単位の物理的形態を修飾する様々な他の材料、例えば、糖及び他の腸溶性物質のコーティングを含むことができる。化合物はまた、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハー、スプリンクル、チューインガムなどの成分として投与することができる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味料としてのスクロース、特定の防腐剤、染料、着色料、香料を含み得る。
錠剤に含まれる薬学的に許容される担体は、結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、及び湿潤剤である。腸溶コーティングされた錠剤は、腸溶コーティングのため、胃酸の作用に耐性であり、中性又はアルカリ性の腸内で溶解又は崩壊する。糖衣錠は、異なる層の薬学的に許容される物質が適用される圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠剤は、ポリマー又は他の適切なコーティング剤でコーティングされた圧縮錠剤である。複数の圧縮錠剤は、前述の薬学的に許容される物質を利用した1を超える圧縮周期で作製された圧縮錠剤である。着色剤はまた、上記の剤形で使用され得る。香味剤及び甘味剤は、圧縮錠、糖衣錠、複数の圧縮錠及びチュアブル錠において使用され得る。香味剤及び甘味剤は、チュアブル錠及びロゼンジ剤の形態で特に有用である。
液体経口剤形には、非発泡性顆粒から再構成された水溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液及び/又は懸濁液、並びに発泡性顆粒から再構成された発泡性製剤が含まれる。水溶液には、例えば、エリキシル剤やシロップが含まれる。エマルジョンは、水中油又は油中水のいずれかである。
エリキシル剤は、透明で甘味のある水性アルコール製剤である。エリキシルに使用される薬学的に許容される担体には溶媒が含まれる。シロップは、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含み得る。エマルジョンは、ある液体が別の液体全体に小球の形態で分散している2相系である。エマルジョンに使用される薬学的に許容される担体は、非水性液体、乳化剤、防腐剤である。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁化剤及び防腐剤を使用する。液体の経口剤形に再構成される非発泡性顆粒において使用される薬学的に許容される物質には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤が含まれる。液体の経口剤形に再構成される発泡性顆粒において使用される薬学的に許容される物質には、有機酸及び二酸化炭素源が含まれまる。着色剤及び香味剤は、上記の剤形のすべてにおいて使用される。
溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、シロップが含まれる。保存料の例には、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールが含まれる。エマルジョンに利用される非水性液体の例には、鉱油及び綿実油が含まれる。乳化剤の例には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、及び界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートが含まれる。懸濁化剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム及びアカシアが含まれる。希釈剤には、ラクトース及びスクロースが含まれる。甘味料には、スクロース、シロップ、グリセリン、及び人工甘味料、例えば、サッカリンが含まれる。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが含まれる。有機添加物には、クエン酸及び酒石酸が含まれる。二酸化炭素の供給源には、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが含まれる。着色剤には、承認された認証済み水溶性FD及びC染料、及びそれらの混合物のいずれかが含まれる。香料には、植物、例えば、果物から抽出された天然香料、及び心地よい味覚をもたらす化合物の合成ブレンドが含まれる。
固体剤形について、例えば、炭酸プロピレン、植物油又はトリグリセリド中の溶液又は懸濁液は、ゼラチンカプセルに封入される。このような溶液、並びにその調製及びカプセル化は、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;及び同第4,410,545号に開示されている。液体剤形について、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、投与のために容易に測定されるように、十分な量の薬学的に許容される液体担体、例えば、水で希釈され得る。
或いは、液体又は半固体の経口製剤は、活性化合物又は塩を植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)及び他のこのような担体に溶解又は分散させ、これらの溶液又は懸濁液を硬質又は軟質カプセルシェルにカプセル化することより調製され得る。他の有用な製剤には、限定されないが、本明細書に提供される化合物、ジアルキル化モノ又はポリアルキレングリコール、例えば、限定されないが、1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)、並びに1つ以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバマートを含有するものが含まれる。
他の製剤には、限定されないが、薬学的に許容されるアセタールを含むアルコール水溶液が含まれる。これらの製剤において使用されるアルコールは、限定されないが、プロピレングリコール及びエタノールを含む1つ以上のヒドロキシル基を有する、任意の薬学的に許容される水混和性溶媒である。アセタールには、限定されないが、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタールが含まれる。
すべての実施形態では、錠剤及びカプセル製剤は、活性成分の溶解を修飾又は持続するために、当業者に公知であるようにコーティングされ得る。したがって、例えば、それらは、従来の腸溶性コーティング剤、例えば、サリチル酸フェニル、ワックス及び酢酸フタル酸セルロースでコーティングされ得る。
非経口投与はまた、一般的に、皮下、筋肉内又は静脈内のいずれかの注射によって特徴付けられ、本明細書に提供される。注射剤は、従来の形態であって、液体溶液若しくは懸濁液、注射前の液体中の溶液若しくは懸濁液に適した固体形態、又はエマルジョンとして、調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール又はエタノールである。さらに、必要に応じて、投与される医薬組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤、及び他のこのような薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン及びシクロデキストリンを含有し得る。本明細書において、一定レベルの投薬量が維持されるように、徐放又は持続放出システムの移入も企図される。簡単には、本明細書に提供される化合物は、固体内部マトリックス、例えば、ポリメチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩共重合体、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解されたポリ酢酸ビニルに分散され、固体内部マトリックスは、体液に不溶である外側ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、アイオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体に囲まれている。化合物は、放出速度制御工程で外側ポリマー膜を通って拡散する。このような非経口組成物に含まれる活性成分のパーセンテージは、その特定の性質、並びに化合物の活性及び対象のニーズに大きく依存する。
組成物の非経口投与には、静脈内、皮下及び筋肉内投与が含まれる。非経口投与用の製剤には、注射用に準備される滅菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わせる準備がされる滅菌乾燥可溶性製造物、例えば、凍結乾燥粉末が含まれ、例えば、使用直前のビヒクルと滅菌エマルジョンを組み合わせる準備がされる皮下注射用錠剤、滅菌懸濁液、滅菌乾燥不溶性製造物が挙げられる。溶液は、水性又は非水性のいずれかであり得る。
静脈内投与される場合、適切な担体には、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、並びに増粘剤及び可溶化剤、例えば、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びそれらの混合物を含む溶液が挙げられる。
非経口製剤に使用される薬学的に許容される担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、及び他の薬学的に許容される物質が含まれる。
水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸リンゲル注射液が含まれる。非水性の非経口ビヒクルには、植物起源の固定油、綿実油、コーン油、ゴマ油、落花生油が含まれる。静菌又は静真菌濃度の抗菌剤は、フェノール又はクレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルpヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを含む、複数用量の容器に包装された非経口製剤に追加する必要がある。等張剤には、塩化ナトリウムとデキストロースが含まれる。緩衝液には、リン酸塩及びクエン酸塩が含まれる。酸化防止剤には、重硫酸ナトリウムが含まれまる。局所麻酔薬には塩酸プロカインが含まれる。懸濁剤及び分散剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。乳化剤には、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が含まれる。金属イオンの金属イオン封鎖剤又はキレート剤には、EDTAが含まれる。また、薬学的担体には、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、乳酸が含まれる。
FTIの濃度は、注射が所望の薬理効果を生み出すのに有効な量を提供するように調整される。正確な用量は、当技術分野で公知であるように、患者又は動物の年齢、体重、及び状態に依存する。単位用量の非経口製剤は、アンプル、バイアル、又は針付きのシリンジに包装される。非経口投与のためのすべての製剤は、当技術分野で公知であり、実施されるように無菌でなければならない。
例示的に、FTIを含む滅菌水溶液の静脈内又は動脈内注入は、効果的な投与様式である。別の実施形態は、所望の薬理学的効果を生み出すために必要に応じて注射される活性材料を含む滅菌水性若しくは油性溶液又は懸濁液である。
注射剤は、局所及び全身投与のために設計される。典型的には、治療的有効量は、治療される組織(単数又は複数)に対して、活性化合物の少なくとも約0.1%w/wから最大約90%w/w以上を超える、例えば、1%w/wを超える濃度を含むように製剤化される。活性成分は一度に投与され得るか、又は時間間隔で投与されるいくつかのより少ない用量に分割され得る。治療の正確な投薬量及び期間は治療される組織の関数であり、公知の試験プロトコールを使用して、又はインビボ若しくはインビトロの試験データからの外挿により経験的に決定できることが理解される。濃度及び投薬量の値はまた、治療を受ける個人の年齢によっても変化し得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、個々の必要性及び製剤の投与を管理又は監督する者の専門的判断に従って、特定の投薬レジメンを経時的に調整する必要があること、及び本明細書に記載される濃度範囲は例示のみであり、請求される製剤の範囲又は実施を制限することを意図していないことはさらに理解するべきである。
FTIは、微粉化された形態若しくは他の適切な形態で懸濁され得るか、又は誘導体化されて、より可溶性の活性生成物を生成するか又はプロドラッグを生成し得る。得られる混合物の形態は、意図された投与様式及び選択された担体又はビヒクル中の化合物の溶解度を含む多数の要因に依存する。有効濃度は、状態の症状を改善するのに十分であり、経験的に決定することができる。
また、本明細書において目的とするものは、凍結乾燥粉末であり、これは、溶液、エマルジョン及び他の混合物として投与するために再構成することができる。それらはまた、固体又はゲルとして再構成及び製剤化することができる。
無菌の凍結乾燥粉末は、本明細書に提供されるFTI又はその薬学的に許容される塩を適切な溶媒に溶解することにより調製される。溶媒は、粉末、若しくは粉末から調製された再構成溶液の安定性又は他の薬理学的成分を改善する賦形剤を含み得る。使用され得る賦形剤には、限定されないが、デキストロース、ソルビタール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース又は他の適切な薬剤が含まれる。溶媒はまた、緩衝剤、例えば、クエン酸塩、リン酸ナトリウム若しくはリン酸カリウム、又は当業者に公知である他のこのような緩衝剤を、一実施形態では、ほぼ中性のpHで含み得る。溶液のその後の滅菌濾過、続く当業者に公知である標準条件下での凍結乾燥により、所望の製剤が提供される。一般的に、得られた溶液は、凍結乾燥のためにバイアルに配分される。各バイアルは、単回投薬量(例えば、限定されないが、10〜1000mg又は100〜500mg)又は複数回投薬量の化合物を含む。凍結乾燥粉末は、適切な条件下、例えば、約4℃から室温までで保存することができる。
この凍結乾燥粉末を注射用水で再構成することにより、非経口投与で使用するための製剤が提供される。再構成について、約1〜50mg、約5〜35mg、又は約9〜30mgの凍結乾燥粉末が滅菌水又は他の適切な担体1mL当たりに添加される。正確な量は、選択した化合物に依存する。このような量は経験的に決定することができる。
部分(local)投与及び全身投与について記載されているように、局所(topical)混合物を調製する。得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、泡、エアロゾル、灌漑、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ又は局所投与に適した任意の他の製剤として製剤化される。
FTI、又はFTIを有する医薬組成物は、吸入などによる局所適用のためのエアロゾルとして製剤化することができる(例えば、炎症疾患、具体的には喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルを記載する米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号及び同第4,364,923号を参照されたい)。気道への投与のためのこれらの製剤は、単独又は不活性担体、例えば、ラクトースと組み合わせて、噴霧器用のエアロゾル又は溶液の形態、又は吹送用の極微粉末としてのものであり得る。このような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満又は10ミクロン未満の直径を有する。
FTI、又はFTIを有する医薬組成物は、皮膚及び粘膜への、例えば、眼における部分(local)又は局所(topical)適用、例えば、局所(topical)適用のために、ゲル、クリーム、及びローションの形態で、及び眼への適用又は嚢内若しくは脊髄内適用のために製剤化することができる。局所(topical)投与は、経皮送達、及び眼若しくは粘膜への投与、又は吸入療法のために企図される。活性化合物単独又は他の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた鼻液もまた投与することができる。これらの溶液、特に眼科用に意図される溶液は、適切な塩を含む、pHが約5〜7の0.01%〜10%の等張液として製剤化され得る。
本明細書において、他の投与経路、例えば、経皮パッチ、及び直腸投与が企図される。例えば、直腸投与用の医薬剤形は、全身作用のための直腸坐剤、カプセル及び錠剤である。本明細書で使用される直腸坐剤は、体温で融解又は軟化する直腸に挿入される固形物を意味し、1つ以上の薬理学的又は治療的な活性成分を放出する。直腸坐剤で利用される薬学的に許容される物質は、融点を上げるための基剤又はビヒクル及び薬剤である。基剤の例には、ココアバター(テオブロマ油)、グリセリンゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、並びに脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物が含まれる。様々な基材を組み合わせて使用できる。坐剤の融点を上げる薬剤には、鯨ろう及びワックスが含まれる。直腸坐剤は、圧縮法又は成形のいずれかによって調製し得る。直腸坐剤の例示的な重量は約2〜3グラムである。直腸投与用の錠剤及びカプセルは、経口投与用製剤と同じ薬学的に許容される物質を用いて、同じ方法で製造される。
本明細書に提供されるFTI又はFTIを有する医薬組成物は、当業者に周知である制御放出手段により、又は送達装置により投与することができる。例としては、限定されないが、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;同第5,639,480号;同第5,733,566号;同第5,739,108号;同第5,891,474号;同第5,922,356号;同第5,972,891号;同第5,980,945号;同第5,993,855号;同第6,045,830号;同第6,087,324号;同第6,113,943号;同第6,197,350号;同第6,248,363号;同第6,264,970号;同第6,267,981号;同第6,376,461号;同第6,419,961号;同第6,589,548号;同第6,613,358号;同第6,699,500号;及び同第6,740,634号に記載されるものが含まれる。このような剤形は、様々な比率の所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組み合わせを使用して、FTIの徐放又は制御放出を提供するために使用することができる。本明細書に記載されるものを含む、当業者に公知である適切な制御放出製剤は、本明細書に提供される活性成分とともに使用するために容易に選択することができる。
すべての放出制御医薬品は、それらの制御されていない対応品によって達成されるものよりも薬物療法を改善するという共通の目標を有する。一実施形態では、医学的治療における最適に設計された制御放出製剤の使用は、最小限量の時間で状態を治癒又は制御するために使用される最小限の薬剤物質によって特徴付けられる。特定の実施形態では、制御放出製剤の利点には、薬物の活性の延長、投与頻度の低減、及び患者コンプライアンスの向上が含まれる。さらに、制御放出製剤は、作用発現時間又は他の特徴、例えば、薬物の血中レベルに影響を与えるために使用でき、したがって副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を与えることができる。
ほとんどの制御放出製剤は、所望の治療効果を迅速に生み出す薬物(活性成分)の量を最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療効果を維持するために他の量の薬物を徐々に及び継続的に放出するように設計される。生体内でこの一定レベルの薬物を維持するために、薬物は、代謝されて身体から排出される薬物の量を置き換える速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、限定されないが、pH、温度、酵素、水、又は他の生理学的条件若しくは化合物を含む様々な条件によって刺激することができる。
特定の実施形態では、FTIは、静脈内注入、埋め込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、又は他の投与様式を使用して投与することができる。一実施形態では、ポンプを使用し得る(Sefton、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14巻:201頁(1987年);Buchwaldら、Surgery 88巻:507頁(1980年);Saudekら、N.Engl.J.Med.321巻:574頁(1989年)を参照されたい)。別の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。さらに別の実施形態では、制御放出システムを治療標的の近傍に配置することができ、すなわち、全身用量のほんの一部を必要とし得る(例えば、Goodson、Medical Applications of Controlled Release、2巻、115〜138頁(1984年)を参照されたい)。
一部の実施形態では、制御放出装置は、不適切な免疫活性化部位又は腫瘍の部位の近傍で対象に導入される。他の放出制御システムについては、Langer(Science 249巻:1527〜1533頁(1990年))の概説で説明されている。Fは、固体内部マトリックス、例えば、ポリメチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩共重合体、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解されたポリ酢酸ビニルに分散され得、固体内部マトリックスは、体液に不溶である外側ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、アイオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体に囲まれている。次に、活性成分は、放出速度制御工程で外側ポリマー膜を通って拡散する。このような非経口組成物に含まれる活性成分のパーセンテージは、その特定の性質、並びに対象のニーズに大きく依存する。
FTI又はFTIの医薬組成物は、包装材料、血液がん及び固形腫瘍を含むがんの1つ以上の症状又は進行の治療、予防又は改善に使用される、本明細書に提供される化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに化合物又はその薬学的に許容される塩が、血液がん及び固形腫瘍を含むがんの1つ以上の症状又は進行の治療、予防又は改善に使用されることを指示するラベルを含む製造品として包装することができる。
本明細書に提供される製造品は、包装材料を含む。医薬品の包装に使用する包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号及び第5,033,252号を参照されたい。医薬品の包装材料の例には、限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、ペン、ボトル、並びに選択された製剤及び意図された投与様式及び治療様式に適した任意の包装材料が含まれる。本明細書に提供される化合物及び組成物の広範な製剤が企図される。
一部の実施形態では、FTIを有する治療的有効量の医薬組成物が、経口的又は非経口的に投与される。一部の実施形態では、有効成分としてチピファルニブを有する医薬組成物は、単回用量として若しくは複数回用量に細分されて、1日当たり1から最大1500mg/kgの量で、又はより具体的には1日当たり10から1200mg/kgの量で経口投与される。一部の実施形態では、有効成分としてチピファルニブを有する医薬組成物は、1日当たり100mg/kg、1日当たり200mg/kg、1日当たり300mg/kg、1日当たり400mg/kg、1日当たり500mg/kg、1日当たり600mg/kg、1日当たり700mg/kg、1日当たり800mg/kg、1日当たり900mg/kg、1日当たり1000mg/kg、1日当たり1100mg/kg、又は1日当たり1200mg/kgの量で経口投与される。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブである。
一部の実施形態では、FTIは1日当たり200〜1500mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり200〜1200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり300mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり500mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり600mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり700mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり800mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり900mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり1000mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり1100mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり1200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1025、1050、1075、1100、1125、1150、1175、又は1200mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり1300mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1日当たり1400mgの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブである。
一部の実施形態では、FTIは200〜1400mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは300〜1200mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは300〜900mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは600mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは700mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは800mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは900mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1000mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1100mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは1200mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、FTIは、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1025、1050、1075、1100、1125、1150、1175、又は1200mg b.i.dの用量で投与される。一部の実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法において使用するためのFTIは、チピファルニブである。
当業者が理解するように、投薬量は、使用される剤形、患者の状態及び感受性、投与経路、並びに他の要因に応じて変化する。正確な投薬量は、治療を必要とする対象に関連する要因を考慮して、医師によって決定される。投薬量及び投与は、十分なレベルの有効成分を提供するために、又は所望の効果を維持するために調整される。考慮され得る要因には、疾患状態の重症度、対象の一般的な健康状態、対象の年齢、体重、及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物の組み合わせ(単数又は複数)、反応感受性、並びに療法に対する耐性/応答が含まれる。治療周期中、1日の用量は様々である。一部の実施形態では、治療周期内で開始用量を漸減することができる。一部の実施形態では、治療周期内で開始用量を漸増することができる。最終投薬量は、用量制限毒性及び他の要因の発生に依存し得る。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり300mgの開始用量で投与され、1日当たり400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり400mgの開始用量で投与され、1日当たり500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり500mgの開始用量で投与され、1日当たり600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり600mgの開始用量で投与され、1日当たり700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり700mgの開始用量で投与され、1日当たり800mg、900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり800mgの開始用量で投与され、1日当たり900mg、1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり900mgの開始用量で投与され、1日当たり1000mg、1100mg、又は1200mgの最大用量まで漸増される。用量漸増は、一度に、又は段階的に行うことができる。例えば、1日当たり600mgの開始用量は、4日間で1日当たり100mgずつ増加させることによって、又は2日間で1日当たり200mgずつ増加させることによって、又は一度に400mgまで増加させることによって、1日当たり1000mgの最終用量まで漸増することができる。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブである。
一部の実施形態では、FTIは、相対的に高い開始用量で投与され、患者の応答及び他の要因に応じてより低い用量に減量される。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり1200mgの開始用量で投与され、1日当たり1100mg、1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり1100mgの開始用量で投与され、1日当たり1000mg、900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり1000mgの開始用量で投与され、1日当たり900mg、800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり900mgの開始用量で投与され、1日当たり800mg、700mg、600mg、500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり800mgの開始用量で投与され、1日当たり700mg、600mg、500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。一部の実施形態では、FTIは、1日当たり600mgの開始用量で投与され、1日当たり500mg、400mg、又は300mgの最終用量まで減らされる。用量減少は一度に、又は段階的に行うことができる。一部の実施形態では、FTIはチピファルニブである。例えば、1日当たり900mgの開始用量は、3日間で1日当たり100mg減らすことによって、又は一度に300mg減らすことによって、1日当たり600mgの最終用量まで減らすことができる。
治療周期は異なる長さにすることができる。一部の実施形態では、治療周期は1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、又は12か月であり得る。一部の実施形態では、治療周期は4週間である。治療周期には、断続的なスケジュールをとることできる。一部の実施形態では、2週間の治療周期は、5日間の投薬、続く9日間の休息をとることができる。一部の実施形態では、2週間の治療周期は、6日間の投薬、続く8日間の休息をとることができる。一部の実施形態では、2週間の治療周期は、7日間の投薬、続く7日間の休息をとることができる。一部の実施形態では、2週間の治療周期は、8日間の投薬、続く6日間の休息をとることができる。一部の実施形態では、2週間の治療周期は、9日間の投薬、続く5日間の休息をとることができる。
一部の実施形態では、FTIは、繰り返される4週間周期で4週間のうちの3週間、毎日投与される。一部の実施形態では、FTIは、繰り返される4週間周期で、隔週(1週間オン、1週間オフ)、毎日投与される。一部の実施形態では、FTIは、300mg b.i.dの用量で、繰り返される4週間周期で4週間のうち3週間、経口投与される。一部の実施形態では、FTIは、600mg b.i.dの用量で、繰り返される4週間周期で4週間のうち3日間経口投与される。一部の実施形態では、FTIは、900mg b.i.dの用量で、繰り返される4週間の周期で隔週(1週間オン、1週間オフ)で経口投与される。一部の実施形態では、FTIは、1200mg b.i.dの用量で、隔週(繰り返される28日周期の1〜7日目と15〜21日目)に経口投与される。一部の実施形態では、FTIは、1200mg b.i.dの用量で、繰り返される28日間の周期のうち、1〜5日目と15〜19日目に経口投与される。
一部の実施形態では、900mg bidのチピファルニブ代替週レジメンを採用して使用することができる。レジメンでは、患者は、28日間の治療周期の1〜7日目及び15〜21日目に、900mg、po、bidの開始用量を受ける。管理不能な毒性がない場合、対象は、最大12か月までチピファルニブ治療を継続して受けることができる。また、対象が治療に十分に忍容である場合、用量を1200mg bidまで増加させることができる。治療に関連した、治療に起因する毒性を制御するための段階的な300mgの用量減少もまた含めることができる。
一部の他の実施形態では、チピファルニブは、28日間の治療周期において、21日間の毎日300mg bid、続く1週間の休息(21日間のスケジュール;Cheng DTら、J Mol Diagn.(2015年)17巻(3号):251〜64頁)で経口的に与えられる。一部の実施形態では、25から1300mg bidまでの5日間の投薬、続く9日間の休息が採用される(5日間のスケジュール;Zujewski J.、J Clin Oncol.、(2000年)2月;18巻(4号):927〜41頁)。一部の実施形態では、7日間のbid投薬、続く7日間の休息が採用される(7日間のスケジュール;Lara PN Jr.、Anticancer Drugs.、(2005年)16巻(3号):317〜21頁;Kirschbaum MH、Leukemia.、(2011年)10月;25巻(10号):1543〜7頁)。7日間のスケジュールでは、患者は300mg bidの開始用量を受け、1800mg bidの最大計画用量まで300mgの投薬漸増を受けることができる。7日間のスケジュール研究では、患者はまた、最大1600mg bidの用量で28日周期の1〜7日目及び15〜21日目にチピファルニブを受けることができる。
以前の研究では、FTIは、1日2回の投薬スケジュールとして投与した場合、哺乳動物の腫瘍の増殖を阻害することが示された。FTIを1〜5日間、毎日単回投薬を投与すると、少なくとも21日間まで続いて腫瘍増殖の顕著な抑制を与えたことが見出された。一部の実施形態では、FTIは、50〜400mg/kgの投薬量範囲で投与される。一部の実施形態では、FTIは200mg/kgで投与される。特定のFTIの投薬レジメンはまた当技術分野で周知である(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,838,467号)。例えば、化合物アルグラビン(国際公開第98/28303号)、ペリリルアルコール(国際公開第99/45712号)、SCH−66336(米国特許第5,874,442号)、L778123(国際公開第00/01691号)、2(S)−[2(S)−[2(R)−アミノ−3−メルカプト]プロピルアミノ−3(S)−メチル]−ペンチルオキシ−3−フェニルプロピオニル−メチオニンスルホン(国際公開第94/10138号)、BMS 214662(国際公開第97/30992号)、AZD3409;Pfizer化合物A及びB(国際公開第00/12499号及び国際公開第00/12498号)についての適切な投薬量は、参照により本明細書に組み込まれる前述の特許明細書に与えられているか、又は当業者に公知であるか若しくは容易に決定される。
ペリリルアルコールに関連して、医薬は、150ポンドのヒト患者当たり1日当たり1〜4g投与され得る。一実施形態では、150ポンドのヒト患者当たり1日当たり1〜2gである。SCH−66336は、典型的には、特定の用途に従って約0.1mg〜100mg、より好ましくは約1mg〜300mgの単位用量で投与され得る。化合物L778123及び1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノンは、1日当たり約0.1mg/kg体重〜約20mg/kg体重、好ましくは1日当たり0.5mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量でヒト患者に投与され得る。
Pfizer化合物A及びBは、1日当たり約1.0mg〜最大約500mgまで、好ましくは1日当たり約1〜最大約100mgの範囲の投薬量で、単回又は分割(すなわち複数回)用量で投与され得る。治療化合物は、通常、1日当たり体重1kg当たり約0.01〜約10mgの範囲の1日投薬量で、単回又は分割用量で投与される。BMS 214662は、単回投与又は2〜4回の分割投与で約0.05〜200mg/kg/日、好ましくは100mg/kg/日未満の投与量範囲で投与され得る。
一部の実施形態では、FTI治療は、放射線療法(radiotherapy)又は放射線療法(radiation therapy)と組み合わせて投与される。放射線療法には、γ線、X線、及び/又は腫瘍細胞への放射性同位元素の定方向送達の使用が含まれる。マイクロ波、陽子線照射(米国特許第5,760,395号及び動第4,870,287号;これらはすべて参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)、及びUV照射などのDNA損傷因子の他の形態が企図される。これらの要因のすべては、DNA、DNAの前駆体、DNAの複製と修復、並びに染色体の集合及び維持に広範囲に損傷を与える可能性が最も高い。
一部の実施形態では、宿主の腫瘍を照射に対して効果的に感作する、FTIを有する薬学的組成物の治療的有効量が投与される(米国特許第6545020号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。照射は、電離放射線、特にガンマ線であり得る。一部の実施形態では、ガンマ線は、線形加速器又は放射性核種によって放出される。放射性核種による腫瘍の照射は、外部照射又は内部照射であり得る。
照射はまた、X線照射であり得る。X線の線量範囲は、長期間(3〜4週間)の毎日50〜200レントゲンの線量から、2000〜6000レントゲンの単回線量までの範囲である。放射性同位体の線量範囲は大きく異なり、同位体の半減期、放出される放射線の強度及び種類、並びに腫瘍細胞による取り込みに依存する。
一部の実施形態では、薬学的組成物の投与は、腫瘍の照射前に、最大1か月、特に最大10日又は1週間で開始する。さらに、腫瘍の照射は分割され、医薬組成物の投与は最初と最終の照射セッション間の間隔で維持される。
FTIの量、照射線量、及び照射線量の断続性は、一連のパラメーター、例えば、腫瘍の種類、その位置、化学療法又は放射線療法に対する患者の反応に依存し、最終的には個々のケースで決定する医師及び放射線科医による。
C.併用療法
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、治療的有効量の二次活性剤の投与又はサポートケア療法をすることをさらに含む。二次活性剤は化学療法剤であり得る。化学療法剤又は化学療法薬は、細胞内の活性のその様式、例えば、細胞周期に影響を与えるかどうか、どの段階で影響を与えるのかによって分類することができる。或いは、薬剤は、DNAを直接架橋する能力、DNAに挿入する能力、又は核酸合成に影響を与えることにより染色体及び有糸分裂の異常を誘発する能力に基づいて特徴付けることができる。
化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;アルキルスルホナート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ、カルボコン、メソレドーパ、及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチラメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホロアミド、トリエチレンチオホスホロアミド、及びトリメチロメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(例えば、その合成アナログであるトポテカン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(例えば、そのアドゾレシン合成アナログ、カルゼレシン合成アナログ及びビゼレシン合成アナログ);クリプトフィシン類(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(例えば、その合成アナログであるKW−2189及びCB1−TM1);エロイテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベンビシン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えば、エネジイン抗生物質(例えば、カリケアミシン、特に、カリケアミシンガンマII及びカリケアミシンオメガII);ダイネミシン、例えば、ダイネミシンA;ビスホスホナート、例えば、クロドロナート;エスペラミシン;並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エネジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オートラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトロルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(例えば、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイトマイシンC、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、キュエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ユベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えば、メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸アナログ、例えば、デノプテリン、プテロプテリン、及びトリメトレキサート;プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニン;ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストラクトン;アンチアドレナール、例えば、ミトーテン、トリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビスアントレン;エダトレキサート(edatraxate);デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;窒化ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidainine);メイタンシノイド、例えば、メイタンシン及びアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトザントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチイン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾニン酸;トリアジキオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;タキソイド、例えば、パクリタキセル及びドキセタキセルゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;白金配位複合体、例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;ミトザントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセロダ;イバンドロナート;イリノテカン(例えば、CPT−11);トポイソメラーゼインヒビターRFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビン;カルボプラチン、プロカルバジン、プリコマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、及び上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体が挙げられる。
二次活性剤は、大きな分子(例えば、タンパク質)又は小さな分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子、又は有機分子)であり得る。一部の実施形態では、二次活性剤は、DNA低メチル化剤、がん抗原に特異的に結合する治療抗体、造血増殖因子、サイトカイン、抗がん剤、抗生物質、cox−2阻害剤、免疫調節剤、抗胸腺細胞グロブリン、免疫抑制剤、コルチコステロイド又は薬理学的に活性な突然変異体又は誘導体である。
一部の実施形態では、二次活性剤は、DNA低メチル化剤、例えば、シチジン類似体(例えば、アザシチジン)又は5−アザデオキシシチジン(例えば、デシタビン)である。一部の実施形態では、二次活性剤は、細胞減少剤であり、限定されないが、インダクション(Induction)、トポテカン、Hydrea、POエトポシド、レナリドミド、LDAC、及びチオグアニンが含まれる。一部の実施形態では、二次活性剤は、ミトキサントロン、エトポシド、シタラビン、又はバルスポダールである。一部の実施形態では、二次活性剤は、ミトキサントロン+バルスポダール、エトポシド+バルスポダール、又はシタラビン+バルスポダールである。一部の実施形態では、二次活性剤は、イダルビシン、フルダラビン、トポテカン、又はara−Cである。一部の他の実施形態では、二次活性剤は、イダルビシン+ara−C、フルダラビン+ara−C、ミトキサントロン+ara−C、又はトポテカン+ara−Cである。一部の実施形態では、二次活性剤はキニーネである。上記で指定した薬剤の他の組み合わせを使用することができ、投薬量は医師が決定することができる。
本明細書に記載される任意の特定のがんの種類について、本明細書に記載される治療又は他には当技術分野で利用可能な治療は、FTI治療と組み合わせて使用することができる。例えば、PTCLについてFTIと組み合わせて使用することができる薬物には、Spectrum Pharmaceuticalsが販売するベリノスタット(Beleodaq(登録商標))及びプララトレキサート(Folotyn(登録商標))、Celgeneが販売するロミデプシン(Istodax(登録商標))、及びSeattle Geneticsが販売するブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))(ALCL用)が挙げられる;MDSについてFTIと組み合わせて使用することができる薬物には、Celgeneが販売するアザシチジン(Vidaza(登録商標))及びレナリドミド(Revlimid(登録商標))、及びOtsukaとJohnson & Johnsonが販売するデシタビン(Dacogen(登録商標))が挙げられる;甲状腺がんについてFTIと組み合わせて使用することができる薬物には、AstraZenecaのバンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、Bayerのソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、Exelixisのカボザンチニブ(Cometriq(登録商標))及びEisaiのレンバチニブ(Lenvima(登録商標))が挙げられる。
非細胞毒性療法、例えば、トプラトレキサート(Folotyn(登録商標))、ロミデプシン(Istodax(登録商標))及びベリノスタット(Beleodaq(登録商標))はまた、FTI治療と組み合わせて使用することができる。
一部の実施形態では、FTIと組み合わせて使用される二次活性剤又は第2の療法は、FTI治療の前、同時、又は後に投与し得ることが企図される。一部の実施形態では、FTIと組み合わせて使用される二次活性剤又は第2の療法は、FTI治療の前に投与することができる。一部の実施形態では、FTIと組み合わせて使用される二次活性剤又は第2の療法は、FTI治療と同時に投与することができる。一部の実施形態では、FTIと組み合わせて使用される二次活性剤又は第2の療法は、FTI治療後に投与することができる。
FTI治療はまた、骨髄移植と組み合わせて投与することができる。一部の実施形態では、FTIは骨髄移植の前に投与される。他の実施形態では、FTIは骨髄移植後に投与される。
当業者は、本明細書に記載される方法が、本明細書に記載される対象を治療するための特定のFTI、製剤、投薬レジメン、追加療法の任意の順列又は組み合わせを用いることを含むことを理解する。
一部の実施形態では、チピファルニブ治療について選択されたPTCLを有する対象は、繰り返される4週間の周期において隔週(1週間オン、1週間オフ)で経口により900mg b.i.dの用量を受ける。
一部の実施形態では、チピファルニブ治療について選択されたPTCLを有する対象は、繰り返される4週間の周期において隔週(1週間オン、1週間オフ)で経口により600mg b.i.dの用量を受ける。
本明細書に提供される本発明の定義内で、本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾はまた提供されることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明を例示するが、限定することを意図するものではない。本明細書において引用されている参考文献はすべて、それらの全体が参照により組み込まれる。
(例I)
好中球減少症は、MDSにおけるチピファルニブに対する臨床応答を予測することができる
チピファルニブの臨床研究(300mg bid(1日2回)、3週間オン/1週間オフ)は、82人の高リスクMDS/CMML対象で実施された。67人の対象が研究登録時に輸血依存性(TD)であったため、スクリーニング中及びチピファルニブの最初の投与までに1回以上の赤血球(RBC)輸血を受けた対象はTDとして分類された。チピファルニブを受けたこれら最初の67人のTD対象のうち11人(16%)は、55日から666日まで続いた輸血非依存性(TI)に転換することが判明した。
図1Aは、67人の輸血依存性MDS対象の試験結果の遡及的分析の結果を説明する図を示す。30/67(45%)MDS対象は、チピファルニブを受ける前の1,000細胞/μl血液 未満の絶対好中球数(ANC)に基づいて、最初に中程度から重度の好中球減少症に分類された。残りの37/67(55%)MDS対象のANCは、1,000細胞/μl血液以上であった。中程度から重度の好中球減少症を有する9/30(30%)MDS対象、及び中程度から重度の好中球減少症がない2/37(5%)MDS対象は、チピファルニブ研究中に輸血非依存性に転換した。中程度から重度の好中球減少症を有する9/30(30%)MDS対象は、末梢血(BI)芽球細胞数が1%を超えることが判明し、好中球減少症を有する残りの21/30(70%)MDS対象は、末梢芽細胞数が1%以下であることが判明した。好中球減少症及び高い末梢芽球細胞数を有する1/9(11%)MDS対象は、臨床研究中に輸血非依存性に転換することが判明したのに対して、好中球減少症及び低い末梢芽球細胞数を有する8/21(38%)MDS対象は、輸血非依存性に転換することが判明した。輸血非依存を生じた対象の大半は、AML発症の中間(INT)リスクのものであった。
図1Bは、図1Aの臨床チピファルニブ研究中に輸血非依存性への転換の予測因子としてチピファルニブを受ける前の好中球減少症の有用性を示す受信者動作特性(ROC)曲線を示す。好中球減少症のMDS対象の分類基準としてANC≦1,100細胞/μlの血液を使用すると、82%の感度と63%の特異性で輸血依存性への転換が予測された(P=0.005)。
図1Cは、研究登録時の好中球減少症(スクリーニング時のANC=400細胞/μl血液)を有する例示的なMDS対象における臨床チピファルニブ研究中に観察された血小板及び白血球数をプロットするグラフとして示す。2回のチピファルニブ投与サイクル(300mg bid、3週間オン/1週間オフ)後にMDS対象で血小板及び白血球(WBC)数の増加が観察され、対象は赤血球(RBC)及び血小板輸血依存から輸血非依存に転換した。RBC及び血小板輸血の非依存性は、308日間持続することが判明した。
この実施例は、好中球減少症が、MDSを有するがん患者のチピファルニブへの応答性を予測する有用なマーカーになり得ることを示している。チピファルニブは、輸血依存患者を輸血非依存に転換するのに特に効果的であることが判明した。客観的な応答(CR、CRp、PR)の大部分は、研究登録時にANC<1000細胞/μl血液の対象でも見られた。
(例II)
好中球減少症及び/又は低血液芽球の血球数により呈する骨髄細胞の骨髄ホーミングはAMLにおけるチピファルニブの臨床的恩恵を予測することができる
チピファルニブを用いた臨床研究は、低リスクのAML(CTEP−20、第2相)並びに再発性及び難治性AML(INT−17、第2相)の新たに診断された高齢患者で実施された。これらの研究における患者の選択は、遺伝子マーカーに基づかなかった。チピファルニブ単剤作用の事例証拠が報告された。しかしながら、患者集団全体の全体的な臨床活動は、チピファルニブの登録を支持しなかった。さらに、同時進行のPh3研究(AML301、N=457)は、新たに診断された、デノボの、又は二次的なAML(ハザード比=1.02、有意ではない)を有する高齢患者において、第一線療法としてのBSC(ヒドロキシ尿素を含む)と比較したチピファルニブの有効性の増加を特定できなかった。全体的な研究におけるOS中央値は、AML301のチピファルニブ群で107日、BSC群で109日であった。
図2Aは、患者の骨髄のCXCL12発現レベルに応じて、低リスクのAML患者(CTEP−20)の高齢患者からの試料で観察された骨髄芽球、血液芽球、及びWBCの量を説明しているグラフを示す。CXCL12の高発現は、骨髄芽球のパーセンテージが有意であるにもかかわらず、低循環血芽球と関連していることが判明した。これらの結果は、CXCL12発現の上昇が、患者の骨髄へのAML芽球ホーミングの増加をもたらすことを示唆する。
図2Bは、2つのチピファルニブ試験の結果を示す(上のパネル:CTEP−20;下のパネル:AML−301)。循環血芽球のパーセンテージが低く(<1及び<10%)、骨髄芽球のパーセンテージが高い(>40%)AML患者は、無増悪生存(PFS、CTEP20)又は生存(AML301)に関してチピファルニブ治療の臨床的恩恵を受ける。BM芽球が高く、末梢芽球が低い患者のサブセットでは、チピファルニブ治療の生存期間の中央値が約2倍になったが(201日)、BSCではホーミングの効果は観察されなかった。AML301患者N=82(研究規模の18%)、HR=0.58、109(BSC)対201(チピファルニブ)日、P=0.019。これらの結果は、骨髄芽球数の多い低血芽球数の使用により、チピファルニブ治療で良好な結果が得られるAML患者の集団が特定されることを示している。
図2Cは、2つのチピファルニブ試験の結果を示し(上パネル:CTEP−20;下パネル:AML−301)、治療前にBMRが0.1未満であるチピファルニブで治療されたAML患者(CTEP−20:N=57;AML−301:N=73)は、93日(CTEP−20)又は83日(AML−301)の無増悪生存(PFS)の中央値を示したことを示してしている。治療前のBMRが0.1以上であるチピファルニブで治療されたAML患者(CTEP−20:N=84;AML−301:N=140)は、PFS中央値47日(CTEP−20)又は60日(AML−301)を示した。これらの結果は、チピファルニブ投与前のAML患者の血液対骨髄芽球比の低下が、チピファルニブによる良好な臨床転帰と関連していることを示している。
図3A〜Hは、様々な程度の好中球減少症の高齢又は虚弱AML患者(AML−301)のサブセットに対する臨床チピファルニブ試験の結果を示す。図3Aは、チピファルニブ又は参照治療を受けているすべての患者の経時的な生存確率を示す。図3B〜3Fは、AML患者のサブセットにおける生存確率を示し、WBC>2.1×10細胞/L及びANC<1.2×10細胞/L(図3B)、ANC<1.0(図3C)、ANC<0.8(図3D)、ANC<0.6(図3E)及びANC<0.4(図3F)である。これらの結果は、正常範囲のWBCのAML対象では、好中球減少の増加がチピファルニブの臨床的恩恵の改善と関連していたことを示している。図3Gは、ANC<1及びWBC<2(左)又はWBC>2(右)の白血球減少症患者の参照群の結果を示す。これらの結果は、AML対象では、全体的な白血球減少症ではなく(低WBC、骨髄抑制を示唆する)、孤立性好中球減少症が、チピファルニブの臨床的恩恵の改善と関連していたことを示している。図3Hは、ANC<1及び血小板数<50×10細胞/L(左)又は>50(右)の患者の転帰を示す。これらの結果は、AML対象では、血小板減少ではなく、孤立性好中球減少症が、チピファルニブの臨床的恩恵の改善と関連していたことを示す。
図4Aは、チピファルニブ又は参照治療(AML−301)を受けている好中球減少症(ANC<1,000/μl血液)を有するAML患者の生存確率のグラフを示す。図4Aに示される患者の部分集団は、骨髄芽球数(左上パネル(MB<45%)及び右パネル(MB>45%))又は末梢芽球数(左下パネル(PB<20%)及び右パネル(PB>20%))に基づいて層別化された。骨髄芽球数がより多く、末梢芽球数がより少ないAML対象は、チピファルニブでより大きな臨床的恩恵を受けることが判明した。図4Bは、チピファルニブ又は参照療法で治療された好中球減少症(ANC<1,000/μl血液)を有するAML患者におけるWBC、ANC、PB及びMB数を比較する対照グラフを示す。図4Cは、BMRの三分位でのチピファルニブ又は参照薬で治療された患者の全生存率を比較する対照グラフを示している。要するに、これらの結果は、骨髄芽球の上昇及び血球芽球の減少が、チピファルニブを受けている好中球減少症のAML患者の生存率の改善を予測したことを示している。BMRが低い三分位のBMR<0.027である患者は、AML301のBSCよりもチピファルニブの方が良好な結果を示した。
図5Aは、チピファルニブ又は参照療法を受けているANC/WBC<0.4、WBC>2、及び血小板(PTL)>20によって特徴付けられる好中球減少症を有するAML患者の生存確率を示す(N=135;AML−301研究の30%)。この患者群のANC分画は、正常の下限(LLN;≦40%)未満であり、WBCは少なくともLLN(>2ギガ/L)であり、血小板数は低かったが、出血レベルを超えていた(>20ギガ/L)。この患者集団のハザード比は、0.7(BSCの生存期間中央値98日対チピファルニブの生存期間中央値146日)であり、P=0.046であると決定された。これらの結果は、比較的軽度の血液学的選択基準を使用して、好中球減少症を有するAML患者集団においてチピファルニブの臨床的恩恵が達成されたことを示している。
図5Bは、ANC/WBC<0.3及び骨髄芽球>60%によって特徴付けられる好中球減少症を有するAML患者の生存確率を示す(N=110;AML−301研究の24%)。この患者集団のハザード比は、0.67であり、P=0.08であると決定された。これらの結果は、重度の好中球減少症及び高い腫瘍量を有するAML患者でチピファルニブの臨床的恩恵が達成されたことを示している。
図6A及び6Bは、再発性又は難治性AML対象(INT−17 R/R AML)を用いたチピファルニブ試験の結果を説明するグラフを示す。難治性AML研究では、対象の大多数が好中球減少症及び骨髄抑制を示した。難治性AML患者の骨髄は、一般的に、低レベルのCXCL12を発現することが判明している。対象の小さなサブセット(約15%)は、高レベルのCXCR4、腫瘍細胞の骨髄ホーミング、及びチピファルニブに対する感受性を示した。図6Aは、CXCR4発現レベルに基づいて層別化された再発性又は難治性AML患者における血芽球の相対数を示している。高レベルのCXCR4を発現している難治性及び再発AML患者は、低レベルのCXCR4を発現している対象と比較して、血球数が実質的に減少していることが判明した。図6Bは、CXCR4発現レベルに基づいて層別化された再発性又は難治性AML対象のPFS確率を示している。CXCR4を過剰発現するAML対象(N=8;PFS中央値=143日)は、CXCR4発現レベルが比較的低いAML対象(N=49;PFS中央値=29日)よりも臨床結果が良好であった。これらの結果は、低循環芽球数及びCXCR4過剰発現が再発性又は難治性のAMLの臨床的恩恵と関連していたことを示している。
図6Cは、CXCR4/CXC2比の五分位による、INT−17研究におけるチピファルニブにより治療された再発性又は難治性のAMLを有する対象の生存確率を示す。CXCR4/CXCR2比のデータは、87日間の全生存期間を経験した57人の対象について利用可能であった。CXCR4/CXCR2の五分位群1〜5の生存期間の中央値は、それぞれ56日、78日、44日、105日、182日、p=0.057であった。挿入:CXCR4/CXCR2比サブセットの5番目の五分位と残りの対象との比較。生存期間の中央値はそれぞれ182対74日、HR=0.52、p=0.04であった。これらのデータは、骨髄におけるCXCR2に対するCXCR4の発現比が高い再発/難治性AML対象が、チピファルニブ療法からより高い臨床的恩恵を受けたことを示す。
図7.(A)CTEP−20研究に登録された残りの患者と比較して、CXCR4/CXCR2比が高い、以前に治療されなかった高齢又は不適格AML対象のPFS確率。結果及び発現データは、34人の研究対象に利用可能である。上位四分位における骨髄CXCR4/CXCR2発現比を有する対象の生存期間の中央値は406日であったが、四分位の1番目から3番目において67日、HR=0.44、p=0.09であった。全体的なPFSの中央値は84日であった。(B)CTEP−20研究の残りの患者と比較して、CXCR4/CXCR2比が高い、以前に治療されなかった高齢又は不適格AML対象の生存確率。上位四分位における骨髄CXCR4/CXCR2発現比を有する対象の生存期間の中央値は728日であったが、四分位の1番目から3番目において179日、HR=0.26、p=0.07であった。全生存期間の中央値は233日であった。これらのデータは、以前に治療されなかった、高いCXCR4/CXCR2発現を有するAML患者がチピファルニブ治療の臨床的恩恵を受けたことを示す。
結論として、実施例は、高いCXCL12発現が骨髄ホーミング(例えば、図2Aを参照されたい)及びAMLにおけるチピファルニブに対する改善された応答(例えば、図2Bを参照されたい)に関連し得ることを示す。さらに、理論に制限されることなく、骨髄CXCL12ホーミングに続発する好中球減少症(例えば、低BMRによって示される)は、AML及びMDSにおけるチピファルニブ活性の有用なバイオマーカーであると考えられる。
(例III)
CXCL12発現又はCXCL12/CXCR4発現比は複数の血液悪性腫瘍におけるチピファルニブの臨床的恩恵を予測することができる
CTEP20研究において利用可能なBM遺伝子発現データを有する34ptsにおいて、9つの完全な応答(CR)及び疾患進行(PD)の13人の最良応答が観察された。単独又はその受容体CXCR4に対する発現の比としてのCXCL12発現は、チピファルニブ治療に対する完全な応答を予測した(p=0.08、p=0.001)(図20A)。CXCL12、及びCXCL12/CXCR4比はまた、利用可能なGEPを有する13人の高度に進行した再発/難治性PTCL患者で観察された2つの部分応答(PR)の予測因子であった(p=0.009、p=0.0007)(図20B)。4つの客観的な応答及び1つの腫瘍溶解症候群が、利用可能な治療前BM遺伝子発現データを有する17人のチピファルニブ治療されたCMML対象で報告された(図20C)。CXCL12発現(p=0.07)及びCXCL12/CXCR4比(p=0.03)は、これらのイベントを予測した(図20C)。INT−17研究において利用可能なBM遺伝子発現データを有する58人の患者において3つのCRのみが報告された。これらのCRのうち2つは、治療前のCXCR4 BM発現が高い対象において観察された。総合すると、これらのデータは、CXCL12/CXCR4発現比のCXCL12発現が、複数の血液悪性腫瘍におけるチピファルニブの臨床的恩恵を予測することができることを示す。
(例IV)
チピファルニブ治療はCXCL12発現を減少させた
ELISAは、チピファルニブ治療を受けているPTCL患者の血漿CXCL12レベルを決定するために採用された。図21Aに示されるように、少なくとも30日間、チピファルニブを受けた3人の患者は、約30日目に血漿CXCL12レベルの低下を示した。骨髄(BM)によるケモカイン及びサイトカインの分泌におけるチピファルニブの効果は、初代CD1マウスBM培養及び抗体アレイを使用して調査された。図21Bに示されるように、CXCL12は、このモデルにおいて分泌される非常に豊富なサイトカインであり、そのレベルは、100nMのチピファルニブによる治療後に低下した。

Claims (55)

  1. 対象において骨髄細胞の骨髄ホーミングに関連するがんを治療する方法であって、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)の治療的有効量を、(a)ANC参照値よりも低い絶対好中球数(ANC);(b)BMR参照値よりも低い血液対骨髄芽球比(BMR)、及び/又は(c)末梢芽球数参照値よりも低い末梢芽球数、並びに任意選択で骨髄芽球数参照値よりも高い骨髄芽球数を有する対象に選択的に投与することを含む上記方法。
  2. FTIが、(d)参照値よりも高いCXCL12及び/又はCXCR4発現を有する対象に選択的に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. FTIが、(e)参照比よりも高い、動員受容体に対するホーミング受容体の発現比を有する対象に選択的に投与され、任意選択で、ホーミング受容体がCXCR4、CXCR3、又はそれらの組み合わせであり、動員受容体がCXCR2、CXCR1、又はそれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. FTIが、参照比と比較して、(f)CXCR4若しくはHRASに対するCXCL12発現のより高い比、及び/又は(g)CXCL2に対するCXCR4発現のより高い比を有する対象に選択的に投与される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. ANC参照値が、1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlである、請求項1に記載の方法。
  6. ANC参照値が、ANC1,000/μlである、請求項5に記載の方法。
  7. 対象の白血球(WBC)数が健康な対照群の正常範囲の下限よりも高い、請求項5又は6に記載の方法。
  8. WBC数が>2,000/μlである、請求項7に記載の方法。
  9. BMR参照値が、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02又は0.01である、請求項8に記載の方法。
  10. BMR参照値が0.03である、請求項9に記載の方法。
  11. 末梢芽球数参照値が、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である、請求項1に記載の方法。
  12. 末梢芽球数参照値が1%である、請求項11に記載の方法。
  13. 骨髄芽球数参照値が、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である、請求項1に記載の方法。
  14. 骨髄芽球数参照値が45%である、請求項13に記載の方法。
  15. 骨髄芽球数参照値が、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%であり、血液試料中の芽球のパーセンテージが、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である、請求項1に記載の方法。
  16. 骨髄芽球数参照値が45%であり、末梢芽球数参照値が10%である、請求項15に記載の方法。
  17. 対象へのFTIの投与前に、対象からの試料におけるANC、BMR、末梢芽球数、骨髄芽球数、CXCL12発現、CXCR4発現、HRAS若しくはCXCR4に対するCXCL12の発現比、及び/又は1つ以上の動員受容体に対する1つ以上のホーミング受容体の発現比を分析することを含む、請求項1から16までのいずれか一項に記載の方法。
  18. 試料が、血液試料、腫瘍生検、骨髄吸引液若しくは生検、血漿試料、細胞試料又はリンパ節試料である、請求項17に記載の方法。
  19. 試料が単離された細胞である、請求項17に記載の方法。
  20. 試料中のANCがANC参照値よりも低いことを決定することを含む、請求項17から19までのいずれか一項に記載の方法。
  21. ANC参照値が、1,500/μl、1,400/μl、1,300/μl、1,200/μl、1,100/μl、1,000/μl、900/μl、800/μl、700/μl、600/μl、500/μl、400/μl、300/μl又は200/μlである、請求項20に記載の方法。
  22. ANC参照値が1,000/μlである、請求項21に記載の方法。
  23. 試料中の白血球(WBC)数が健康な対照群の正常範囲の下限よりも高いことを決定することを含む、請求項21又は22に記載の方法。
  24. WBC数が>2,000/μlである、請求項23に記載の方法。
  25. 試料中のBMRがBMR参照値よりも低いことを決定することを含む、請求項17から24までのいずれか一項に記載の方法。
  26. BMR参照値が、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02又は0.01である、請求項25に記載の方法。
  27. BMR参照値が0.03である、請求項26に記載の方法。
  28. 試料中の末梢芽球数が末梢芽数参照値よりも低いことを決定することを含む、請求項17から27までのいずれか一項に記載の方法。
  29. 末梢芽球数参照値が、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である、請求項28に記載の方法。
  30. 末梢芽球数参照値が1%である、請求項29に記載の方法。
  31. 試料中の骨髄芽球数が骨髄芽球数参照値よりも大きいことを決定することを含む、請求項17から30までのいずれか一項に記載の方法。
  32. 骨髄芽球数参照値が、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%である、請求項31に記載の方法。
  33. 骨髄芽球数参照値が45%である、請求項32に記載の方法。
  34. 骨髄芽球数参照値が、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%であり、血液試料中の芽球のパーセンテージが、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%である、請求項31に記載の方法。
  35. 骨髄芽球数参照値が45%であり、末梢芽球数参照値が10%である、請求項34に記載の方法。
  36. 試料中のCXCL12タンパク質、タンパク質分画又はRNAの発現レベルがCXCL12の参照発現レベルよりも高いことを決定することを含む、請求項17から35までのいずれか一項に記載の方法。
  37. CXCL12遺伝子のDNA配列を決定することを含む、請求項17から36までのいずれか一項に記載の方法。
  38. CXCL12遺伝子配列が、単一ヌクレオチド変異体(SNV)又はCXCL12遺伝子の3プライム非翻訳領域(3’UTR)の変異体である、請求項37に記載の方法。
  39. CXCR4のDNA配列を決定することを含む、請求項17から38までのいずれか一項に記載の方法。
  40. CXCR4のDNA配列がCXCR4遺伝子の活性化突然変異を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 試料中のCXCR4の発現レベルに対するCXCL12の発現レベルの比、又はHRASの発現レベルに対するCXCL12の発現レベルの比が参照比よりも高いことを決定することを含む、請求項17から40までのいずれか一項に記載の方法。
  42. がんを有する対象が中程度又は重度の好中球減少症を有する、請求項1に記載の方法。
  43. 対象が、FTIの投与前に輸血依存性である、請求項1から42までのいずれか一項に記載の方法。
  44. 輸血依存性の対象を輸血非依存性の対象に転換するのに有効である、請求項43に記載の方法。
  45. がんが、リンパ腫、白血病、又は非血液がんの骨髄転移である、請求項1から44までのいずれか一項に記載の方法。
  46. がんが急性骨髄性白血病(AML)である、請求項1から45までのいずれか一項に記載の方法。
  47. AMLが新たに診断されたAMLである、請求項46に記載の方法。
  48. AMLを有する対象が、低リスクのAMLを有する高齢患者である、請求項47に記載の方法。
  49. AMLが再発性又は難治性のAMLである、請求項46から48までのいずれか一項に記載の方法。
  50. がんが骨髄異形成症候群(MDS)である、請求項1から45までのいずれか一項に記載の方法。
  51. がんが慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項1から45までのいずれか一項に記載の方法。
  52. がんが慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、請求項1から45までのいずれか一項に記載の方法。
  53. がんがT細胞白血病である、請求項1から45までのいずれか一項に記載の方法。
  54. FTIが、チピファルニブ、アルグラビン、ペリリルアルコール、SCH−66336、L778123、L739749、FTI−277、L744832、CP−609,754、R208176、AZD3409、及びBMS−214662からなる群から選択される、請求項1から53までのいずれか一項に記載の方法。
  55. FTIがチピファルニブである、請求項54に記載の方法。
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HAEMATOLOGICA, vol. 102(s2), JPN6023029344, June 2017 (2017-06-01), pages 222 - 571, ISSN: 0005108471 *

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