定義
化学的な定義
特定の官能基および化学用語の定義を、以下でより詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edの裏表紙の元素の周期表(Periodic Table of the Elements、CAS方式)に従い識別されており、全般的に、特定の官能基は、その中に記載される通り定義されている。さらに、有機化学の全般的な原則ならびに特定の官能基部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本明細書中記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得、よって、たとえば鏡像異性体および/またはジアステレオマーといった様々な立体異性体の形態で存在し得る。たとえば、本明細書中記載の化合物は、個別の鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得、またはラセミ混合物および1つ以上の立体異性体を多く含む混合物を含む、立体異性体の混合物の形態であり得る。異性体は、キラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラルな塩の形成および結晶化を含む当業者に知られている方法により混合物から単離することができ;または、好ましい異性体を、不斉合成により調製することができる。たとえば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。さらに本発明は、他の異性体を実質的に含まない個別の異性体としての化合物あるいは別例の様々な異性体の混合物としての化合物を包有する。
式において、
は、それに直接結合する部分の立体化学が特定されていない場合の単結合であり、
は、不存在または単結合であり、
は、単結合または二重結合である。
他の記載がない限り、本明細書中表される構造は、1つ以上の同位体を多く含む原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことをも意味している。たとえば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換え、19Fの18Fとの置き換え、または12Cの13Cまたは14Cとの置き換えを除く本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内にある。このような化合物は、たとえば生体アッセイにおける解析用のツールまたはプローブとして有用である。
ある値の範囲が列挙されている場合、この範囲の中の各値および下位範囲を包有することが意図されている。たとえば、「C1−6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1−6、C1−5、C1−4、C1−3、C1−2、C2−6、C2−5、C2−4、C2−3、C3−6、C3−5、C3−4、C4−6、C4−5、およびC5−6アルキルを含むことが意図されている。
用語「脂肪族」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および炭素環基を表す。同様に、用語「ヘテロ脂肪族」は、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、および複素環基を表す。
用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和炭化水素基のラジカル(「C1−10アルキル」)を表す。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1−9アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1−8アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1−7アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1−6アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1−5アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1−4アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1−3アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1−2アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキル」)。C1−6アルキルの例として、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)(たとえば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C4)(たとえば、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル)、ペンチル(C5)(たとえば、n−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、三級アミル)、およびヘキシル(C6)(たとえばn−ヘキシル)が挙げられる。アルキル基のさらなる例として、n−ヘプチル(C7)、n−オクチル(C8)などが挙げられる。特段他の記載がない限り、アルキル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないアルキル」)かまたは1つ以上の置換基(たとえばFなどのハロゲン)で置換されている(「置換されているアルキル」)。特定の実施形態では、アルキル基は、置換されていないC1−10アルキル(たとえば、置換されていないC1−6アルキル、たとえば−CH3(Me)、置換されていないエチル(Et)、置換されていないプロピル(Pr、たとえば置換されていないn−プロピル(n−Pr)、置換されていないイソプロピル(i−Pr))、置換されていないブチル(Bu、たとえば置換されていないn−ブチル(n−Bu)、置換されていないtert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、置換されていないsec−ブチル(sec−Bu)、置換されていないイソブチル(i−Bu))である。特定の実施形態では、アルキル基は、置換されているC1−10アルキル(置換されているC1−6アルキル、たとえば−CF3、Bnなど)である。
用語「ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子が独立してハロゲン、たとえばフルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードにより置き換えられている、置換されているアルキル基である。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1〜8つの炭素原子を有する(「C1−8ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1〜6つの炭素原子を有する(「C1−6ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1〜4つの炭素原子を有する(「C1−4ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1〜3つの炭素原子を有する(「C1−3ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1〜2つの炭素原子を有する(「C1−2ハロアルキル」)。ハロアルキル基の例として、−CHF2、−CH2F、−CF3、−CH2CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CCl3、−CFCl2、−CF2Clなどが挙げられる。
用語「ヒドロキシアルキル」は、1つ以上の水素原子が独立してヒドロキシルにより置き換えられている、置換されているアルキル基である。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル部分は、1〜8つの炭素原子を有する(「C1−8ヒドロキシアルキル」)。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル部分は、1〜6つの炭素原子を有する(「C1−6ヒドロキシアルキル」)。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル部分は、1〜4つの炭素原子を有する(「C1−4ヒドロキシアルキル」)。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル部分は、1〜3つの炭素原子を有する(「C1−3ヒドロキシアルキル」)。一部の実施形態では、ヒドロキシアルキル部分は、1〜2つの炭素原子を有する(「C1−2ヒドロキシアルキル」)。
用語「アルコキシ」は、本明細書中定義される場合、酸素原子を介して親の分子部分に結合したアルキル基を表す。一部の実施形態では、このアルコキシ部分は、1〜8つの炭素原子を有する(「C1−8アルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜6つの炭素原子を有する(「C1−6アルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜4つの炭素原子を有する(「C1−4アルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜3つの炭素原子を有する(「C1−3アルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜2つの炭素原子を有する(「C1−2アルコキシ」)。アルコキシの代表的な例として、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書中定義される場合、酸素原子を介して親の分子部分に結合したハロアルキル基を表す。一部の実施形態では、このアルコキシ部分は、1〜8つの炭素原子を有する(「C1−8ハロアルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜6つの炭素原子を有する(「C1−6ハロアルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜4つの炭素原子を有する(「C1−4ハロアルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜3つの炭素原子を有する(「C1−3ハロアルコキシ」)。一部の実施形態では、アルコキシ部分は、1〜2つの炭素原子を有する(「C1−2ハロアルコキシ」)。ハロアルコキシの代表例として、限定するものではないが、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、および2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。
用語「アルコキシアルキル」は、本明細書中定義される場合、1つ以上の水素原子が独立してアルコキシ基により置き換えられている、置換されているアルキル基である。一部の実施形態では、アルコキシアルキル部分は、1〜8つの炭素原子を有する(「C1−8アルコキシアルキル」)。一部の実施形態では、アルコキシアルキル部分は、1〜6つの炭素原子を有する(「C1−6アルコキシアルキル」)。一部の実施形態では、アルコキシアルキル部分は、1〜4つの炭素原子を有する(「C1−4アルコキシアルキル」)。一部の実施形態では、アルコキシアルキル部分は、1〜3つの炭素原子を有する(「C1−3アルコキシアルキル」)。一部の実施形態では、アルコキシアルキル部分は、1〜2つの炭素原子を有する(「C1−2アルコキシアルキル」)。
用語「ヘテロアルキル」は、親鎖の中にある(すなわち隣接する炭素原子間に挿入されている)かかつ/または親鎖の1つ以上の末端の位置に配置されている、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(たとえば1、2、3、または4つのヘテロ原子)をさらに含むアルキル基を表す。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜20個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基を表す(「ヘテロC1−20アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜18個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−18アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜16個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−16アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜14個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−14アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜12個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−12アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜10個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−10アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜8個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−8アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜6個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−6アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜4個の炭素原子および1または2つのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−4アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜3個の炭素原子および1つのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−3アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖の中に1〜2個の炭素原子および1つのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1−2アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1つの炭素原子および1つのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1アルキル」)。一部の実施形態では、本明細書中定義されるヘテロアルキル基は、親鎖の中に1つ以上のヘテロ原子を有し、カルボニル基などの少なくとも1つの不飽和炭素を有する、部分的に不飽和の基である。たとえば、ヘテロアルキル基は、1つ以上の炭素原子が不飽和のカルボニル基であるように、その親鎖にアミドまたはエステルの官能性を含み得る。特段他の記載がない限り、ヘテロアルキル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないヘテロアルキル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているヘテロアルキル」)。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換されていないヘテロC1−20アルキルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換されていないヘテロC1−10アルキルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換されているヘテロC1−20アルキルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換されていないヘテロC1−10アルキルである。
用語「アルケニル」は、2〜10つの炭素原子および1つ以上の炭素間二重結合(たとえば1、2、3、または4つの二重結合)を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基のラジカルを表す。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜9つの炭素原子を有する(「C
2−9アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜8つの炭素原子を有する(「C
2−8アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜7つの炭素原子を有する(「C
2−7アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜6つの炭素原子を有する(「C
2−6アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜5つの炭素原子を有する(「C
2−5アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜4つの炭素原子を有する(「C
2−4アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜3つの炭素原子を有する(「C
2−3アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2つの炭素原子を有する(「C
2アルケニル」)。1つ以上の炭素間二重結合は、内部にあり得る(たとえば2−ブテニルにおける二重結合)かまたは末端にあり得る(たとえば1−ブテニルにおける二重結合)。C
2−4アルケニル基の例として、エテニル(C
2)、1−プロペニル(C
3)、2−プロペニル(C
3)、1−ブテニル(C
4)、2−ブテニル(C
4)、ブタジエニル(C
4)などが挙げられる。C
2−6アルケニル基の例として、上述のC
2−4アルケニル基、およびペンテニル(C
5)、ペンダジエニル(C
5)、ヘキセニル(C
6)などが挙げられる。アルケニルのさらなる例として、ヘプテニル(C
7)、オクテニル(C
8)、オクタトリエニル(C
8)などが挙げられる。特段他の記載がない限り、アルケニル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないアルケニル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているアルケニル」)。特定の実施形態では、アルケニル基は、置換されていないC
2−10アルケニルである。特定の実施形態では、アルケニル基は、置換されているC
2−10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合
は、(E)−または(Z)−の二重結合であり得る。
用語「ヘテロアルケニル」は、親鎖の中にある(すなわち親鎖の隣接する炭素原子間に挿入されている)かかつ/または親鎖の1つ以上の末端の位置に配置されている、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(たとえば1、2、3、または4つのヘテロ原子)をさらに含むアルケニル基を表す。特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜10つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する基を表す(「ヘテロC2−10アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜9つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−9アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜8つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−8アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜7つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−7アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜6つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜5つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−5アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜4つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−4アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜3つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−3アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖の中に2〜6つの炭素原子と、少なくとも1つの二重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。特段他の記載がない限り、ヘテロアルケニル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないヘテロアルケニル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されたヘテロアルケニル」)。特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、置換されていないヘテロC2−10アルケニルである。特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、置換されているヘテロC2−10アルケニルである。
用語「アルキニル」は、2〜10つの炭素原子と、1つ以上の炭素間三重結合(たとえば1、2、3、または4つの三重結合)とを有する直鎖状または分枝状の炭化水素基のラジカルを表す(「C2−10アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜9つの炭素原子を有する(「C2−9アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜8つの炭素原子を有する(「C2−8アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜7つの炭素原子を有する(「C2−7アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜6つの炭素原子を有する(「C2−6アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜5つの炭素原子を有する(「C2−5アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜4つの炭素原子を有する(「C2−4アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜3つの炭素原子を有する(「C2−3アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2つの炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1つ以上の炭素間三重結合は、内部にあり得る(たとえば2−ブチニルにおける三重結合)かまたは末端にあり得る(たとえば1−ブチニルにおける三重結合)。C2−4アルキニル基の例として、限定するものではないが、エチニル(C2)、1−プロピニル(C3)、2−プロピニル(C3)、1−ブチニル(C4)、2−ブチニル(C4)などが挙げられる。C2−6アルキニル基の例として、上述のC2−4アルキニル基、およびペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例として、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)などが挙げられる。特段他の記載がない限り、アルキニル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないアルキニル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているアルキニル」)。特定の実施形態では、アルキニル基は、置換されていないC2−10アルキニルである。特定の実施形態では、アルキニル基は、置換されているC2−10アルキニルである。
用語「ヘテロアルキニル」は、親鎖の中にある(すなわち親鎖の隣接する炭素原子間に挿入されている)かかつ/または親鎖の1つ以上の末端の位置に配置されている、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(たとえば1、2、3、または4つのヘテロ原子)をさらに含むアルキニル基を表す。特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜10つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する基を表す(「ヘテロC2−10アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜9つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−9アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜8つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−8アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜7つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−7アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜6つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜5つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−5アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜4つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−4アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜3つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−3アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖の中に2〜6つの炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2つのヘテロ原子とを有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。特段他の記載がない限り、ヘテロアルキニル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないヘテロアルキニル」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているヘテロアルキニル」)。特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、置換されていないヘテロC2−10アルキニルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、置換されているヘテロC2−10アルキニルである。
用語「カルボシクリル」または「炭素環(carbocyclic)」は、非芳香環系に3〜14つの環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香環系炭化水素基のラジカルを表す(「C3−14カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3〜10つの環炭素原子を有する(「C3−10カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3〜8つの環炭素原子を有する(「C3−8カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3〜7つの環炭素原子を有する(「C3−7カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3〜6つの環炭素原子を有する(「C3−6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、4〜6つの環炭素原子を有する(「C4−6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、5〜6つの環炭素原子を有する(「C5−6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、5〜10つの環炭素原子を有する(「C5−10カルボシクリル」)。例示的なC3−6カルボシクリル基として、限定するものではないが、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)などが挙げられる。例示的なC3−8カルボシクリル基として、限定するものではないが、上述のC3−6カルボシクリル基、およびシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)などが挙げられる。例示的なC3−10カルボシクリル基として、限定するものではないが、上述のC3−8カルボシクリル基、およびシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。上述の例が示すように、特定の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(たとえば二環系(「二環式カルボシクリル」)もしくは三環系(「三環式カルボシクリル」)などの、縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系を含む)のいずれかであり、飽和型であり得るか、または1つ以上の炭素間の二重結合もしくは三重結合を有し得る。「カルボシクリル」はまた、上記に定義されるカルボシクリル環が、1つ以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がカルボシクリル環にある環系を含み、このような例では、炭素の数は、依然として炭素環系の炭素数を指定する。特段他の記載がない限り、カルボシクリル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないカルボシクリル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているカルボシクリル」)。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換されていないC3−14カルボシクリルである。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換されているC3−14カルボシクリルである。
一部の実施形態では、「カルボシクリル」は、3〜14つの環炭素原子を有する飽和単環式カルボシクリル基である(「C3−14シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜10つの環炭素原子を有する(「C3−10シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜8つの環炭素原子を有する(「C3−8シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜6つの環炭素原子を有する(「C3−6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、4〜6つの環炭素原子を有する(「C4−6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5〜6つの環炭素原子を有する(「C5−6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5〜10つの環炭素原子を有する(「C5−10シクロアルキル」)。C5−6シクロアルキル基の例として、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)が挙げられる。C3−6シクロアルキル基の例として、上述のC5−6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)が挙げられる。C3−8シクロアルキル基の例として、上述のC3−6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)が挙げられる。特段他の記載がない限り、シクロアルキル基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないシクロアルキル」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているシクロアルキル」)。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、置換されていないC3−14シクロアルキルである。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、置換されているC3−14シクロアルキルである。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環の」は、環炭素原子と、1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される)とを有する3〜14員の非芳香族環系のラジカルを表す(「3〜14員のヘテロシクリル」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基では、結合点は、原子価が許容する限り、炭素原子または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば二環系(「二環式ヘテロシクリル」)もしくは三環系(「三環式ヘテロシクリル」)などの縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系)のいずれかであり得、飽和型であり得るか、または1つ以上の炭素間二重結合もしくは三重結合を含み得る。ヘテロシクリルの多環系は、1つまたは両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」はまた、上記に定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合しており、結合点がカルボシクリル環またはヘテロシクリル環にある環系、または、上記に定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環にある環系を含み、このような例では、環のメンバーの数は、依然としてヘテロシクリル環系における環のメンバーの数を指定する。特段他の記載がない限り、ヘテロシクリルの各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないヘテロシクリル」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているヘテロシクリル」)。特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、置換されていない3〜14員のヘテロシクリルである。特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、置換されている3〜14員のヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)とを有する、5〜10員の非芳香環系である(「5〜10員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)とを有する、5〜8員の非芳香環系である(「5〜8員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子と1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)とを有する、5〜6員の非芳香環系である(「5〜6員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3つの環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2つの環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。
例示的な1つのヘテロ原子を含む3員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、アジリジニル、オキシラニル、およびチイラニルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む4員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。例示的な2つのヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、ジオキソラニル、オキサチオラニル、およびジチオラニルが挙げられる。例示的な3つのヘテロ原子を含む5員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル(oxadiazolinyl)、およびチアジアゾリニル(thiadiazolinyl)が挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられる。例示的な2つのヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、ピペラジニル、モルフォリニル、ジチアニル(dithianyl)、およびジオキサニルが挙げられる。例示的な3つのヘテロ原子を含む6員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、トリアジニルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む7員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む8員のヘテロシクリル基として、限定するものではないが、アゾカニル(azocanyl)、オキセカニル(oxecanyl)およびチオカニル(thiocanyl)が挙げられる。例示的な二環式ヘテロシクリル基として、限定するものではないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピロリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニルなどが挙げられる。
用語「アリール」は、芳香環系に提供される6〜14つの環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(たとえば二環系または三環系)の4n+2の芳香環系のラジカルを表す(たとえば環の配列で共有される6、10、または14πの電子を有する)(「C6−14アリール」)。一部の実施形態では、アリール基は、6つの環炭素原子を有する(「C6アリール」;たとえばフェニル)。一部の実施形態では、アリール基は、10つの環炭素原子を有する(「C10アリール」;たとえば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。一部の実施形態では、アリール基は、14つの環炭素原子を有する(「C14アリール」;たとえばアントラシル(anthracyl))。またアリールは、上記に定義されるアリール環が1つ以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは結合点がアリール環にある環系を含み、このような例では、炭素原子の数は、依然としてアリール環系における炭素原子の数を指定する。特段他の記載がない限り、アリール基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないアリール」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているアリール」)。特定の実施形態では、アリール基は、置換されていないC6−14アリールである。特定の実施形態では、アリール基は、置換されているC6−14アリールである。
「アラルキル」は、「アルキル」のサブセットであり、アリール基で置換されており、結合点がアルキル部分にあるアルキル基を表す。
用語「ヘテロアリール」は、芳香環系に提供される環炭素原子および1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)を有する、5〜14員の単環式または多環式(たとえば二環系、三環系)の4n+2の芳香環系のラジカルを表す(たとえば環の配列で共有される6、10、または14πの電子を有する)(「5〜14員のヘテロアリール」)。1つ以上の窒素原子を含むヘテロアリール基では、結合点は、原子価が許容する限り、炭素原子または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環系は、1つまたは両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、上記に定義されるヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、結合点がヘテロアリール環にある環系を含み、このような例では、環のメンバーの数は、依然としてヘテロアリール環系における環のメンバーの数を指定する。「ヘテロアリール」はまた、上記に定義されるヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール環またはヘテロアリール環のいずれかにある環系を含み、このような例では、環のメンバーの数は、縮合した多環式(アリール/ヘテロアリール)の環系の環のメンバーの数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含まない多環式ヘテロアリール基(たとえばインドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)では、結合点は、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(たとえば2−インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(たとえば5−インドリル)にあり得る。
一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供される環炭素原子および1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)を有する、5〜10員の芳香環系である(「5〜10員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環に提供される環炭素原子および1〜4つ環のヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)を有する、5〜8員の芳香環系である(「5〜8員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環に提供される環炭素原子および1〜4つの環ヘテロ原子(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)を有する、5〜6員の芳香環系である(「5〜6員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3つの環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2つの環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。特段他の記載がない限り、ヘテロアリール基の各例は、独立して、置換されていない(「置換されていないヘテロアリール」)かまたは1つ以上の置換基で置換されている(「置換されているヘテロアリール」)。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、置換されていない5〜14員のヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、置換されている5〜14員のヘテロアリールである。
例示的な1つのヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられる。例示的な2つのヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられる。例示的な3つのヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられる。例示的な4つのヘテロ原子を含む5員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、テトラゾリルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、ピリジニルが挙げられる。例示的な2つのヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられる。例示的な3または4つのヘテロ原子を含む6員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。例示的な1つのヘテロ原子を含む7員のヘテロアリール基として、限定するものではないが、アゼピニル、オキセピニル(oxepinyl)、およびチエピニル(thiepinyl)が挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基として、限定するものではないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル(benzoxadiazolyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基として、限定するものではないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。例示的な三環式ヘテロアリール基として、限定するものではないが、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、およびフェナジニルが挙げられる。
「ヘテロアラルキル」は、「アルキル」のサブセットであり、ヘテロアリール基で置換されており、結合点がアルキル部分にある、アルキル基を表す。
用語「不飽和結合」は、二重結合または三重結合を表す。
用語「不飽和である(unsaturated)」または「部分的に不飽和である(partially unsaturated)」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む部分を表す。
用語「飽和である(saturated)」は、二重結合または三重結合を含まない部分を表し、すなわちこの部分は、単結合のみを含む。
基に接尾辞「−エン(−ene)」を付けることは、基が二価部分であることを表し、たとえばアルキレンはアルキルの二価部分であり、アルケニレンはアルケニルの二価部分であり、アルキニレンはアルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンはヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンはヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンはヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンはカルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレン(heterocyclylene)はヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンはアリールの二価部分であり、ヘテロアリーレンはヘテロアリールの二価部分である。
特段他が明確に提供されてない限り、基は任意選択で置換されていてもよい。用語「任意選択で置換されていてもよい(optionally substituted)」は、置換されているかまたは置換されていないことを表す。特定の実施形態では、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、任意選択で置換されていてもよい。「任意選択で置換されていてもよい」は、置換されていてもよくまたは置換されていなくてもよい基を表す(たとえば「置換されているか」または「置換されていない」アルキル、「置換されているか」または「置換されていない」アルケニル、「置換されているか」または「置換されていない」アルキニル、「置換されているか」または「置換されていない」ヘテロアルキル、「置換されているか」または「置換されていない」ヘテロアルケニル、「置換されているか」または「置換されていない」ヘテロアルキニル、「置換されているか」または「置換されていない」カルボシクリル、「置換されているか」または「置換されていない」ヘテロシクリル、「置換されているか」または「置換されていない」アリール、または「置換されているか」または「置換されていない」ヘテロアリール基)。全般的に、用語「置換されている」は、ある基に存在する少なくとも1つの水素が、許容可能な置換基、たとえば、安定した化合物、たとえば転位、環化、脱離、または他の反応などによる変換を自然に経ることのない化合物を置換によりもたらす置換基と置き換えられていることを意味する。他の記載がない限り、「置換されている」基は、この基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所定の構造で1超の位置が置換されている場合、これら置換基は、同じか各位置で異なっている。用語「置換されている」は、全ての許容可能な有機化合物の置換基での置換を含むように企図されており、安定した化合物の形成をもたらす本明細書中記載されるいずれかの置換基を含む。本発明は、このような、安定した化合物を得るためのあらゆる組み合わせを企図している。本発明の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書中記載される水素置換基および/またはいずれかの適切な置換基を有し得、安定した部分の形成をもたらす。本発明は、本明細書中記載される例示的な置換基によるいずれの方法によっても限定されることを意図していない。
例示的な炭素原子の置換基として、限定するものではないが、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−ON(Rbb)2、−N(Rbb)2、−N(Rbb)3 +X−、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−C(ORcc)3、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−OSO2Raa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、−OSi(Raa)3−C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rbb)2)2、−OP(=O)(N(Rbb)2)2、−NRbbP(=O)(Raa)2、−NRbbP(=O)(ORcc)2、−NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2、−P(Rcc)2、−P(ORcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)3 +X−、−P(Rcc)4、−P(ORcc)4、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(ORcc)2、−OP(ORcc)3 +X−、−OP(Rcc)4、−OP(ORcc)4、−B(Raa)2、−B(ORcc)2、−BRaa(ORcc)、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており;X−は対イオンであり;
または炭素原子上の2つのジェミナルな水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccと置き換えられており;
Raaの各例は、独立して、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が結合して、3〜14員のヘテロシクリル環または5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており;
Rbbの各例は、独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が結合して、3〜14員のヘテロシクリル環または5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており;X−は、対イオンであり;
Rccの各例は、独立して、水素、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が結合して、3〜14員のヘテロシクリル環または5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており;
Rddの各例は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORee、−ON(Rff)2、−N(Rff)2、−N(Rff)3 +X−、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−CO2H、−CO2Ree、−OC(=O)Ree、−OCO2Ree、−C(=O)N(Rff)2、−OC(=O)N(Rff)2、−NRffC(=O)Ree、−NRffCO2Ree、−NRffC(=O)N(Rff)2、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff)2、−OC(=NRff)N(Rff)2、−NRffC(=NRff)N(Rff)2、−NRffSO2Ree、−SO2N(Rff)2、−SO2Ree、−SO2ORee、−OSO2Ree、−S(=O)Ree、−Si(Ree)3、−OSi(Ree)3、−C(=S)N(Rff)2、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee)2、−P(=O)(Ree)2、−OP(=O)(Ree)2、−OP(=O)(ORee)2、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルなRdd置換基が結合して、=Oまたは=Sを形成し得;X−は対イオンであり;
Reeの各例は、独立して、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRgg基で置換され;
Rffの各例は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、および5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が結合して3〜10員のヘテロシクリル環または5〜10員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRgg基で置換されており;
Rggの各例は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−OC1−6アルキル、−ON(C1−6アルキル)2、−N(C1−6アルキル)2、−N(C1−6アルキル)3 +X−、−NH(C1−6アルキル)2 +X−、−NH2(C1−6アルキル)+X−、−NH3 +X−、−N(OC1−6アルキル)(C1−6アルキル)、−N(OH)(C1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1−6アルキル、−SS(C1−6アルキル)、−C(=O)(C1−6アルキル)、−CO2H、−CO2(C1−6アルキル)、−OC(=O)(C1−6アルキル)、−OCO2(C1−6アルキル)、−C(=O)NH2、−C(=O)N(C1−6アルキル)2、−OC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)C(=O)(C1−6アルキル)、−NHCO2(C1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C1−6アルキル)2、−NHC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH2、−C(=NH)O(C1−6アルキル)、−OC(=NH)(C1−6アルキル)、−OC(=NH)OC1−6アルキル、−C(=NH)N(C1−6アルキル)2、−C(=NH)NH(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH2、−OC(=NH)N(C1−6アルキル)2、−OC(=NH)NH(C1−6アルキル)、−OC(=NH)NH2、−NHC(=NH)N(C1−6アルキル)2、−NHC(=NH)NH2、−NHSO2(C1−6アルキル)、−SO2N(C1−6アルキル)2、−SO2NH(C1−6アルキル)、−SO2NH2、−SO2(C1−6アルキル)、−SO2O(C1−6アルキル)、−OSO2(C1−6アルキル)、−SO(C1−6アルキル)、−Si(C1−6アルキル)3、−OSi(C1−6アルキル)3−C(=S)N(C1−6アルキル)2、C(=S)NH(C1−6アルキル)、C(=S)NH2、−C(=O)S(C1−6アルキル)、−C(=S)SC1−6アルキル、−SC(=S)SC1−6アルキル、−P(=O)(OC1−6アルキル)2、−P(=O)(C1−6アルキル)2、−OP(=O)(C1−6アルキル)2、−OP(=O)(OC1−6アルキル)2、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または2つのジェミナルなRgg置換基が結合して、=Oまたは=Sを形成し得;X−は対イオンである。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を表す。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、基−OHを表す。その延長線上の用語「置換されているヒドロキシル」または「置換されているヒドロキシル」は、親分子に直接結合した酸素原子が水素以外の基で置換されているヒドロキシル基を表し、−ORaa、−ON(Rbb)2、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OSi(Raa)3、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(ORcc)2、−OP(ORcc)3 +X−、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、および−OP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基(式中X−、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書中定義される通りである)を含む。
用語「アミノ」は、基−NH2を表す。その延長線上の用語「置換されているアミノ」は、一置換されているアミノ、二置換されているアミノ、または三置換されているアミノを表す。特定の実施形態では、「置換されているアミノ」は、一置換されているアミノ基または二置換されているアミノ基である。
用語「一置換されているアミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が、1つの水素および水素以外の1つの基で置換されているアミノ基を表し、−NH(Rbb)、−NHC(=O)Raa、−NHCO2Raa、−NHC(=O)N(Rbb)2、−NHC(=NRbb)N(Rbb)2、−NHSO2Raa、−NHP(=O)(ORcc)2、および−NHP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基(式中Raa、Rbb、およびRccは本明細書中定義される通りであり、基−NH(Rbb)のRbbは水素ではない)を含む。
用語「二置換されているアミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が、水素以外の2つの基で置換されているアミノ基を表し、−N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbSO2Raa、−NRbbP(=O)(ORcc)2、および−NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2から選択される基(式中Raa、Rbb、およびRccは本明細書中定義される通りであるが、但し、親分子に直接結合している窒素原子は水素で置換されていない)を含む。
用語「三置換されているアミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が、3つの基で置換されているアミノ基を表し、−N(Rbb)3および−N(Rbb)3 +X−から選択される基(式中RbbおよびX−は本明細書中定義される通りである)を含む。
用語「スルホニル」は、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、および−SO2ORaaから選択される基(式中RaaおよびRbbは本明細書中定義される通りである)を表す。
用語「スルフィニル」は、基−S(=O)Raa(式中Raaは本明細書中定義される通りである)を表す。
用語「アシル」は、一般式−C(=O)RX1、−C(=O)ORX1、−C(=O)−O−C(=O)RX1、−C(=O)SRX1、−C(=O)N(RX1)2、−C(=S)RX1、−C(=S)N(RX1)2、−C(=S)O(RX1)、−C(=S)S(RX1)、−C(=NRX1)RX1、−C(=NRX1)ORX1、−C(=NRX1)SRX1、および−C(=NRX1)N(RX1)2を有する基を表し、式中RX1は、水素;ハロゲン;置換されているか置換されていないヒドロキシル;置換されているか置換されていないチオール;置換されているか置換されていないアミノ;置換されているか置換されていないアシル、環式または非環式、置換されているか置換されていない、分枝状または非分枝状脂肪族;環式または非環式、置換されているか置換されていない、分枝状または非分枝状ヘテロ脂肪族;環式または非環式、置換されているか置換されていない、分枝状または非分枝状アルキル;環式または非環式、置換されているか置換されていない、分枝状または非分枝状アルケニル;置換されているか置換されていないアルキニル;置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、ヘテロ脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノまたはジ脂肪族アミノ、モノまたはジヘテロ脂肪族アミノ、モノまたはジアルキルアミノ、モノまたはジヘテロアルキルアミノ、モノまたはジアリールアミノ、またはモノまたはジヘテロアリールアミノであるか;または2つのRX1基が共に5〜6員の複素環を形成する。例示的なアシル基として、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−CO2H)、ケトン、アシルハライド、エステル、アミド、イミン、カルボナート、カルバマート、および尿素が挙げられる。アシル置換基として、限定するものではないが、安定した部分の形成をもたらす、本明細中記載されるいずれかの置換基が挙げられる(たとえば、それぞれがさらに置換されていてもよくまたは置換されていなくてもよい、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、ヘテロ脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど)。
用語「カルボニル」は、親分子に直接結合している炭素が、sp2が混成しており(sp2 hybridized)、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子で置換されている基を表し、たとえばケトン(たとえば−C(=O)Raa)、カルボン酸(たとえば−CO2H)、アルデヒド(−CHO)、エステル(たとえば−CO2Raa、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa)、アミド(たとえば−C(=O)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−C(=S)N(Rbb)2)、およびイミン(たとえば−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa)、−C(=NRbb)N(Rbb)2)(式中RaaおよびRbbは、本明細書中定義される通りである)から選択される基を表す。
用語「オキソ」は、基=Oを表し、用語「チオキソ」は、基=Sを表す。
窒素原子は、原子価が許容する限り、置換されていてもよくまたは置換されていなくてもよく、一級、二級、三級、および四級の窒素原子を含み得る。例示的な窒素原子の置換基として、限定するものではないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、またはN原子に結合した2つのRcc基が結合して3〜14員のヘテロシクリル環または5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは、本明細書中定義される通りである。
特定の実施形態では、窒素原子に存在する置換基は、窒素保護基(本明細中で「アミノ保護基」とも呼ばれる)である。窒素保護基として、限定するものではないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1−10アルキル(たとえばアラルキル、ヘテロアラルキル)、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールの基が挙げられ、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基で置換されており、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは、本明細書中定義される通りである。窒素保護基は、当該分野でよく知られており、本明細書中参照により組み込まれているProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳述されるものを含む。
たとえば、アミド基などの窒素保護基(たとえば−C(=O)Raa)として、限定するものではないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンアミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられる。
カルバマート基などの窒素保護基(たとえば−C(=O)ORaa)として、限定するものではないが、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル(thianyl))]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニル(chromonyl)メチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート、シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボルニル(isoborynl)カルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバマートが挙げられる。
スルホンアミド基などの窒素保護基(たとえば−S(=O)2Raa)として、限定するものではないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
他の窒素保護基として、限定するものではないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(dithiasuccinimide)(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン(pyroolin)−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロム−またはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が挙げられる。特定の実施形態では、窒素保護基は、ベンジル(Bn)、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、9−フルレニル(flurenyl)メチルオキシカルボニル(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、p−メトキシベンジル(PMB)、3,4−ジメトキシベンジル(DMPM)、p−メトキシフェニル(PMP)、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、トリフェニルメチル(Tr)、トシル(Ts)、ブロシル(brosyl)(Bs)、ノシル(Ns)、メシル(Ms)、トリフリル(Tf)、またはダンシル(Ds)である。
特定の実施形態では、酸素原子に存在する置換基は、酸素保護基(本明細書中「ヒドロキシル保護基」とも呼ばれる)である。酸素保護基として、限定するものではないが、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2(式中、X−、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書中定義される通りである)が挙げられる。酸素保護基は、当該分野でよく知られており、本明細書中参照により組み込まれているProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳述されるものを含む。
例示的な酸素保護基として、限定するものではないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセタート、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリン酸塩)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール(levulinoyldithioacetal))、ピバロアート、アダマントエート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシト酸塩(mesitoate))、メチルカルボナート、9−フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、エチルカルボナート、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、イソブチルカルボナート、ビニルカルボナート、アリルカルボナート、t−ブチルカルボナート(BOCまたはBoc)、p−ニトロフェニルカルボナート、ベンジルカルボナート、p−メトキシベンジルカルボナート、3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、o−ニトロベンジルカルボナート、p−ニトロベンジルカルボナート、S−ベンジルチオカルボナート、4−エトキシ−1−ナフチル(napththyl)カルボナート、メチルジチオカルボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシアシル)ベンゾアート、α−ナフトアート、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンスルホナート(メシレート)、ベンジルスルホナート、およびトシラート(Ts)が挙げられる。特定の実施形態では、酸素保護基はシリルである。特定の実施形態では、酸素保護基は、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロイル(triisoproyl)シリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリル(TMS)、トリイソプロピルシロキシメチル(TOM)、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、アリルカルボナート、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルボナート、メトキシメチル(MOM)、1−エトキシエチル(EE)、2−メチル(methy)オキシ−2−プロピル(MOP)、2,2,2−トリクロロエトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、p−メトキシフェニル(PMP)、トリフェニルメチル(Tr)、メトキシトリチル(MMT)、ジメトキシトリチル(DMT)、アリル、p−メトキシベンジル(PMB)、t−ブチル、ベンジル(Bn)、アリル、またはピバロイル(Piv)である。
特定の実施形態では、硫黄原子に存在する置換基は、硫黄保護基(「チオール保護基」とも呼ばれる)である。硫黄保護基として、限定するものではないが、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2が挙げられる(式中、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書中定義される通りである)。硫黄保護基は、当該分野でよく知られており、本明細書中参照により組み込まれているProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳述されるものを含む。特定の実施形態では、硫黄保護基は、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
「対イオン」または「陰イオン性対イオン」は、電子的な中性を維持するために正に荷電したイオンと結合する負に荷電した基である。陰イオン性対イオンは、一価(すなわち1つの正式な負の電荷を含む)であり得る。陰イオン性対イオンはまた、多価(すなわち1超の正式な負の電荷を含む)、たとえば二価または三価であり得る。例示的な対イオンとして、ハライドイオン(たとえばF−、Cl−、Br−、I−)、NO3 −、ClO4 −、OH−、H2PO4 −、HCO3 −、HSO4 −、スルホナートのイオン(たとえばメタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p−トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10−カンファースルホナート、ナフタレン−2−スルホナート、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホナート、エタン−1−スルホン酸−2−スルホナートなど)、カルボキシラートのイオン(たとえばアセタート、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タルトラート、グリコラート、グルコナートなど)、BF4 −、PF4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、B[3,5−(CF3)2C6H3]4]−、B(C6F5)4 −、BPh4 −、Al(OC(CF3)3)4 −、およびカルボランの陰イオン(たとえば、CB11H12 −または(HCB11Me5Br6)−)が挙げられる。多価であり得る例示的な対イオンとして、CO3 2−、HPO4 2−、PO4 3−、B4O7 2−、SO4 2−、S2O3 2−、カルボキシラートの陰イオン(たとえばタルトラート、シトラート、フマラート、マレアート、マラート、マロナート、グルコナート、スクシナート、グルタラート、アジパート、ピメラート、スベラート、アゼラート、セバカート、サリチラート、フタラート、アスパルタート、グルタマートなど)、およびカルボランが挙げられる。
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野で提供される通常の意味であり、求核剤により置換され得る原子または基を表す。たとえば、Smith, March’s Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501−502)を参照されたい。適切な脱離基の例として、限定するものではないが、ハロゲン(たとえばF、Cl、Br、またはI(ヨウ素))、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(たとえばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル、およびハロホルマートが挙げられる。場合により、脱離基は、スルホン酸エステル、たとえばトルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート(brosylate)、−OBs)、−OS(=O)2(CF2)3CF3(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)である。場合により、脱離基は、ブロシラート(brosylate)、たとえばp−ブロモベンゼンスルホニルオキシである。場合により、脱離基は、ノシル酸塩、たとえば2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。また脱離基は、ホスフィンオキシド(たとえば光延反応の間に形成されるホスフィンオキシド)、またはエポキシドもしくは環状スルファートなどの内部の脱離基であり得る。他の脱離基の非限定的な例として、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、亜鉛ハロゲン化物、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分がある。さらなる例示的な脱離基として、限定するものではないが、ハロ(たとえばクロロ、ブロモ、ヨード)、および活性化した置換されているヒドロキシル基(たとえば−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、および−OP(=O)(NRbb)2(式中Raa、Rbb、およびRccは、本明細書中定義される通りである)が挙げられる。
本明細書中使用される場合、「少なくとも1つの例」との文言の使用は、1、2、3、4、またはそれ以上の例を表すだけでなく、ある範囲、たとえば1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3、または3〜4つの例をも含む。
「非水素基」は、水素ではない特定の変数で定義されるいずれかの基を表す。
これらおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲でより詳細に記載されている。本発明は、上記の例示的な置換基の列挙によって限定されるようには全く意図されていない。
他の定義
以下の定義は、本開示を通して使用されるより全般的な用語である。
本明細書中使用される場合、用語「塩」は、あらゆる塩を表し、薬学的に許容される塩を包有する。
用語「薬学的に許容される塩」は、健常な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなくヒトおよび低級の動物の組織と接触での使用に適切であり、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合っている塩を表す。薬学的に許容される塩は、当該分野でよく知られている。たとえばBergeらは、本明細書中参照により組み込まれているJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1−19において詳細に薬学的に許容される塩を説明している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩として、適切な無機および有機の酸および塩基に由来する塩が挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、もしくは酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸を用いるか、またはイオン交換などの当該分野で知られている他の方法を使用することにより、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩として、アジパート、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパルタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ビスルファート、ボラート、ブチラート、カンホラート、カンファースルホナート、シトラート、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコナート、ドデシルスルファート、エタンスルホナート、ホルマート、フマラート、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコナート、ヘミスルファート、ヘプタノアート、ヘキサノアート、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホナート、ラクトビオン酸塩、ラクタート、ラウリン酸塩、ラウリルスルファート、マラート、マレアート、マロナート、メタンスルホナート、2−ナフタレンスルホナート、ニコチナート、ニトラート、オレアート、オキサラート、パルミタート、パモアート、ペクチナート(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオナート、ホスフェート、ピクラート、ピバラート、プロピオナート、ステアラート、スクシナート、スルファート、タルトラート、チオシアナート、p−トルエンスルホナート、ウンデカノアート、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1−4アルキル)4 −の塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩として、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボキシラート、スルファート、ホスフェート、ニトラート、低級アルキルスルホナート、およびアリールスルホナートなどの対イオンを使用して形成されるアミンのカチオンが挙げられる。
用語「溶媒和物」は、通常加溶媒分解反応により、溶媒と結合している化合物またはその塩の形態を表す。この物理的な結合は、水素結合を含み得る。従来の溶媒として、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書中記載の化合物は、たとえば結晶の形態で調製されてもよく、溶媒和されていてもよい。適切な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物を含み、さらに、化学両論的な溶媒和物および非化学両論的な溶媒和物を含む。特定の例では、溶媒和物は、たとえば1つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子に組み込まれている場合に、単離することができる。「溶媒和物」は、溶液層の溶媒和物および単離可能な溶媒和物の両方を包有する。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノラート、およびメタノラートが挙げられる。
用語「水和物」は、水と結合している化合物を表す。概して、化合物の水和物に含まれている水分子の数は、水和物における化合物の分子数に対して確定された比にある。よって、化合物の水和物は、たとえば一般式R・xH2O(式中、Rは化合物であり、xは0超の数である)により表され得る。所定の化合物は、たとえば一水和物(xは1である)、それより低次の水和物(xは0超かつ1未満の数である。たとえばヘミ水和物(R・0.5H2O))、およびポリ水和物(xは1超の数である。たとえば二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))を含む1超の種類の水和物を形成し得る。
用語「互変異性体」または「互変異性体の」は、(たとえば単結合を二重結合へ、三重結合を単結合へ、またはその逆の)少なくとも1つの水素原子の正式な移動(formal migration)および少なくとも1つの原子価の変化からもたらされる、2つ以上の相互変換できる化合物を表す。これら互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に応じて変化する。互変異性化(すなわち互変異性体の対を提供する反応)は、酸または塩基により触媒され得る。例示的な互変異性化の例として、ケト−エノール、アミド−イミド、ラクタム−ラクチム、エナミン−イミン、およびエナミン−(異なるエナミン)の互変異性化が挙げられる。
また、同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序、または空間でのそれら原子の配置で異なる化合物が、「異性体」と呼ばれることを理解されたい。空間での原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれており、互いが重ねることができない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する、たとえば4つの異なる基に結合している場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、不斉中心の絶対配置を特徴とし得、CahnとPrelogのR−およびS−の順位則によるか、または分子が偏光面を回転する手段により記載され、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)異性体または(−)異性体として)表記される。キラル化合物が、個別の鏡像異性体としてかまたはそれらの混合物として存在し得る。等しい比率の鏡像異性体を含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
用語「多形」は、化合物の結晶の形態(またはその塩、水和物、または溶媒和物)を表す。全ての多形は、同じ元素組成を有する。異なる結晶の形態は、通常、異なるX線回析パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶の形状、光学的特性および電気的な特性、安定性、ならびに溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶の比率、保存温度、および他の要因により、1つの結晶形態が優位となり得る。化合物の様々な多形は、異なる条件下での結晶化により調製され得る。
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、加溶媒分解によるかまたは生理的な条件下において、in vivoで薬学的に有効である本明細書中記載の化合物となる化合物を表す。このような例として、限定するものではないが、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルフォリンエステルなどが挙げられる。他の本明細書中記載の化合物の誘導体は、それらの酸および酸誘導体の形態の両方で活性を有するが、多くの場合、酸感受性の形態において、溶解度、組織適合性、または遅延放出といった利点を哺乳類生物に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7−9, 21−24, Elsevier, Amsterdam 1985参照)。プロドラッグは、当該分野の実務者によく知られている酸の誘導体、たとえば、適切なアルコールと親の酸の反応により調製されたエステル、または置換されているか置換されていないアミンと親の酸化合物の反応により調製されたアミド、または酸無水物、または混合された無水物などを含む。本明細書中記載の化合物でペンダント状にある酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。場合により、二重エステル型のプロドラッグ、たとえば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本明細書中記載の化合物のC1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、アリール、C7−12置換アリール、およびC7−12アリールアルキルのエステルが、好ましいとされ得る。
用語「組成物」および「製剤」は、互換可能に使用されている。
投与が企図されている「対象」は、ヒト(すなわち、任意の年齢の群、たとえば小児の対象(たとえば乳幼児、小児、もしくは青年)もしくは成年の対象(たとえば若年の成年、中年の成年、もしくは高齢者)の男性もしくは女性)、または非ヒトの動物を表す。特定の実施形態では、非ヒトの動物は、哺乳類、たとえば霊長類(たとえばカニクイザルもしくはアカゲザル)、商業的に関連のある哺乳類(たとえばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、もしくはイヌ)、またはトリ(たとえば商業的に関連のあるトリ、たとえばニワトリ、アヒル、ガチョウ、もしくはシチメンチョウ)である。特定の実施形態では、非ヒトの動物は、魚、爬虫類、または両生類である。非ヒトの動物は、任意の発達段階の雄性または雌性であり得る。非ヒトの動物は、トランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であり得る。用語「患者」は、ある疾患の処置の必要があるヒトの対象を表す。
用語「生体サンプル」は、組織サンプル(たとえば組織の一部および組織の針生検);細胞のサンプル(たとえば細胞のスメア(たとえばパップもしくは血液のスメア)、もしくはマイクロダイゼクションにより得られる細胞のサンプル);生物全体のサンプル(たとえば酵母もしくは細菌のサンプル);または細胞のフラクション、フラグメント、もしくはオルガネラ(たとえば細胞を溶解し、遠心分離もしくは他の方法によりそれらの成分を分離することにより得られるサンプル)を含むいずれかのサンプルを表す。生体サンプルの他の例として、血液、血清、尿、精液、糞便物質、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿汁、生検組織(たとえば直視下生検もしくは針生検により得られる)、乳頭液、母乳、膣液、唾液、スワブ(口内スワブなど)、または第1の生体サンプルに由来する生体分子を含むいずれかの物質が挙げられる。
用語「目的の組織」は、本発明の化合物、粒子、および/または組成物が送達される対象である、対象のいずれかの生体組織(細胞、身体の一部、もしくは臓器の一群を含む)またはその一部を表し、これには、血液および/もしくはリンパ液が含まれる。目的の組織は、処置される必要があり得る、異常または健常ではない組織であり得る。また目的の組織は、予防される必要があり得る、異常または健常ではない状態となるリスクが通常よりも高い状態にある正常または健常な組織であり得る。特定の実施形態では、目的の組織は肝臓である。特定の実施形態では、目的の組織は肺である。「非目的の組織」は、目的の組織ではない、対象のいずれかの生体組織(細胞、身体の一部、もしくは臓器の一群を含む)またはその一部であり、これには、血液および/もしくはリンパ液が含まれる。
用語「〜を投与する」、「〜を投与している(administering)」、または「投与(administration)」は、対象の内部または表面への本明細書中記載の化合物またはその組成物の埋め込み、吸収、摂取、注射、吸入または他の方法での導入を表す。
用語「処置(treatment)」、「処置する(treat)」、および「〜を処置している(treating)」は、本明細書中記載される疾患の発症を逆行、軽減、遅延すること、または当該疾患の進行を阻害することを表す。一部の実施形態では、処置は、疾患の1つ以上の兆候または症状が発症したかまたは観察された後に、行われ得る。他の実施形態では、処置は、疾患の兆候または症状が存在しない場合に行われ得る。たとえば処置は、(たとえば症状の病歴の観点から)症状の発症より前に疑わしい対象に投与され得る。また処置は、たとえば再発を遅延または予防するために、症状が回復した後に続行され得る。
用語「病態」、「疾患」、および「障害」は、互換可能に使用される。
本明細書中記載の化合物の「有効量」は、望ましい生体応答を誘発するために十分な量を表す。本明細書中記載の化合物の有効量は、望ましい生物学的なエンドポイント、化合物の薬物動態、処置される病態、投与形式、ならびに対象の年齢および健康状態などの要因に応じて変動し得る。特定の実施形態では、有効量は、治療有効量である。特定の実施形態では、有効量は、予防的な処置である。特定の実施形態では、有効量は、単回投与における本明細書中記載の化合物の量である。特定の実施形態では、有効量は、複数回投与における本明細書中記載の化合物の総量である。
本明細書中記載の化合物の「治療有効量」は、病態の処置に治療上の有益性を提供するか、または病態に関連する1つ以上の症状を遅延もしくは最小限にするために十分な量である。化合物の治療有効量は、病態の処置に治療上の有益性を提供する、単独または他の療法と組み合わせた場合の治療上作用物質の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善するか、病態の症状、徴候、もしくは原因を低減もしくは回避するか、および/または別の治療上作用物質の治療上の有効性を高める量を包有し得る。特定の実施形態では、治療有効量は、pKal阻害にとって十分な量である。特定の実施形態では、治療有効量は、浮腫(たとえばHAEまたはDME)の処置にとって十分な量である。特定の実施形態では、治療有効量は、pKalの阻害および浮腫(たとえばHAEまたはDME)の処置にとって十分な量である。
本明細書中記載の化合物の「予防有効量」は、病態もしくは病態に関連する1つ以上の兆候もしくは症状を予防するか、またはその再発を予防するために十分な量である。化合物の予防有効量は、病態の予防に予防上の有益性を提供する、単独または他の作用物質と組み合わせた場合の治療上作用物質の量を意味する。用語「予防有効量」は、全般的な予防を改善するかまたは別の予防上の作用物質の予防上の有効性を高める量を包有し得る。特定の実施形態では、予防有効量は、pKal阻害にとって十分な量である。特定の実施形態では、予防有効量は、浮腫(たとえばHAE)の処置にとって十分な量である。特定の実施形態では、予防有効量は、pKalの阻害および浮腫(たとえばHAE)の処置にとって十分な量である。
本明細書中使用される場合、たとえばpKalの文脈において、酵素に関連した用語「〜を阻害する」または「阻害」は、酵素の活性の低下を表す。一部の実施形態では、この用語は、酵素活性、たとえばpKalの活性のレベルの、たとえば酵素活性のベースラインのレベルであり得る最初のレベルよりも統計的に有意に低いレベルまでの低下を表す。一部の実施形態では、この用語は、酵素活性、たとえばpKalの活性のレベルの、たとえば酵素活性のベースラインのレベルであり得る最初のレベルの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、または0.0001%未満であるレベルへまでの低下を表す。
用語「生物学的物質(biologic)」「生物学的薬剤」、および「生物学的産物」は、ワクチン、血液および血液の成分、アレルゲン性物質(allergenics)、体細胞、遺伝子療法、組織、核酸、およびタンパク質などの幅広い範囲の産物を表す。生物学的物質は、糖、タンパク質、もしくは核酸、もしくはこれら物質の複合的な組み合わせを含んでもよく、または細胞および組織などの生きている実体であり得る。生物学的物質は、様々な天然の供給源(たとえばヒト、動物、微生物)から単離されてもよく、生物工学的な方法および他の技術により産生されてもよい。
用語「小分子」または「小分子治療用物質(small molecule therapeutic)」は、天然に存在するかまたは(たとえば化学合成を介して)人工的に作製されたかどうかに関わらず、比較的低い分子量を有する分子を表す。通常小分子は、有機化合物である(すなわち炭素を含む)。小分子は、複数の炭素間結合、立体中心、および他の官能基(たとえばアミン、ヒドロキシル、カルボニル、および複素環など)を含み得る。特定の実施形態では、小分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol以下、または約100g/mol以下である。特定の実施形態では、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上記の範囲の組み合わせ(たとえば少なくとも約200g/molかつ約500g/mol以下)も可能である。特定の実施形態では、小分子は、医薬などの治療上有効な作用物質である(たとえば、連邦規則集(C.F.R.)に提供されるような、米国の食品医薬品局により承認されている分子)。また小分子は、1つ以上の金属原子および/または金属イオンと錯体形成され得る。この例では、小分子はまた、「有機金属の小分子」とも呼ばれる。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトに生物学的な作用をもたらす点で生物学的に有効である。小分子として、限定するものではないが、放射性核種および造影剤が挙げられる。特定の実施形態では、小分子は医薬である。好ましくは、必ずしも必要ではないが、この医薬は、適切な政府の機関または規制機関によりヒトまたは動物での使用に安全かつ有効であるとすでにみなされている医薬である。たとえば、ヒトでの使用で承認されている医薬は、本明細書中参照により組み込まれている、C.F.R.21の§§330.5,331〜361および440〜460にFDAによって列挙されており;獣医学的な使用に関する医薬は、本明細書中参照により組み込まれているC.F.R.21の§§500〜589にFDAによって列挙されている。列挙されている全ての医薬は、本発明に係る使用に容認可能であるとみなされている。
用語「治療上作用物質」は、望ましい、通常有用な効果をもたらす治療上の特性を有するいずれかの物質を表す。たとえば、治療上作用物質は、疾患を処置、軽減、および/または予防し得る。本明細書中開示される場合、治療上作用物質は、生物学的物質または小分子治療用物質であり得る。
特定の実施形態の詳細な説明
血漿カリクレイン関連の炎症を急性的および予防的に処置するために、C1エステラーゼ阻害剤の置き換え(ヒトおよび組み換え)、pKalのペプチドおよび抗体の阻害剤、ならびにブラジキニンのアンタゴニストを含むいくつかの生物学的療法が開発されている。しかしながら、経口で生物学的に利用可能なpKalの小分子阻害剤は未だ実現されていない。本開示は、小分子療法を介してpKal活性を標的化することにより、pKalおよびpKalの過剰なブラジキニン産生の役割の阻害、ならびにそれによる関連する疾患(たとえばHAEまたはDMEなどの浮腫)の処置に有用である新規の化合物、組成物、および方法が提供されるとの認識に端を発する。
本明細書において、たとえば活性型の血漿カリクレインの阻害剤といった、血漿カリクレインの阻害剤が提供される。一態様では、本開示は、式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識した誘導体、プロドラッグ、および医薬組成物を提供する。これら化合物は、対象のpKalの活性を阻害に有用であり、よって浮腫などのpKalが介在する疾患の処置に有用である。
化合物
本明細書中記載の化合物は、pKalと相互作用する。本明細書中記載される場合、治療効果は、本明細書中記載の化合物によるpKalの阻害、調節、結合、および/または修飾の結果であり得る。特定の実施形態では、本化合物は、pKalの活性部位への結合により、pKalを阻害、調節、および/または修飾する。本化合物は、その薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、またはプロドラッグとして、本明細書中記載されるいずれかの組成での使用、キット、または方法で提供され得る。
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、またはプロドラッグが提供される:
(式中、
Aは、置換されているか置換されていないヘテロアリーレン、または置換されているか置換されていないヘテロシクリレン(heterocyclylene)であり;
R
1は、−N(R
A)
2であり;
R
2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、−OR
A、または−N(R
A)
2であり;
R
3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
3のいずれかの炭素は、任意選択で−O−、−NR
A−、−C(O)−、−C(=NR
A)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)
2−と置き換わってもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、酸素原子に結合している場合の酸素保護基、もしくは硫黄原子が結合している場合の硫黄保護基であるか、または2つのR
A基が、結合して、置換されているか置換されていない複素環を形成する)。
A基
特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていないヘテロアリーレン、または置換されているか置換されていないヘテロシクリレン(heterocyclylene)である。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていないヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない6員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されていない6員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない5員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されていない5員のヘテロアリーレンである。
特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない3〜14員のヘテロシクリレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない3〜8員の単環式ヘテロシクリレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない6〜14員の二環式ヘテロシクリレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない6〜14員の三環式ヘテロシクリレンである。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜10員のヘテロシクリレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜8員のヘテロシクリレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロシクリレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜3つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロシクリレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜2つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロシクリレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロシクリレンである。
特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていないアジリジニレン、オキシラニレン(oxiranylene)、チイラニレン(thiiranylene)、アゼチジニレン、オキセタニレン、チエタニレン、テトラヒドロフラニレン、ジヒドロフラニレン、テトラヒドロチオフェニレン、ジヒドロチオフェニレン、ピロリジニレン、ジヒドロピロリレン、ピロリレン−2,5−ジオン、ジオキソラニレン、オキサチオラニレン、ジチオラニレン、トリアゾリニレン、オキサジアゾリニレン(oxadiazolinylene)、チアジアゾリニレン(thiadiazolinylene)、ピペリジニレン、テトラヒドロピラニレン、ジヒドロピリジニレン、チアニレン、ピペラジニレン、モルフォリニレン、ジチアニレン、ジオキサニレン、トリアジニレン、アゼパニレン、オキセパニレン、チエパニレン、アゾカニレン(azocanylene)、オキセカニレン、チオカニレン(thiocanylene)、インドリニレン、イソインドリニレン、ジヒドロベンゾフラニレン、ジヒドロベンゾチエニレン、テトラヒドロベンゾチエニレン、テトラヒドロベンゾフラニレン、テトラヒドロインドリレン、テトラヒドロキノリニレン、テトラヒドロイソキノリニレン、デカヒドロキノリニレン、デカヒドロイソキノリニレン、オクタヒドロクロメニレン、オクタヒドロイソクロメニレン、デカヒドロナフチリジニレン、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニレン、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニレン、フタルイミジレン、ナフタルイミジレン、クロマニレン、クロメニレン、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニレン、1,4,5,7−テトラ−ヒドロピラノ[3,4−b]ピロリレン、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリレン、6,7−ジヒドロ−5H−フロ−[3,2−b]ピラニレン、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニレン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニレン、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニレン、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニレン、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニレン、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニレン、または1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニレンである。
特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない5〜14員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない5〜8員の単環式ヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない8〜14員の二環式ヘテロアリーレン(たとえば縮合した二環式ヘテロアリーレン)である。特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていない10〜14員の三環式ヘテロアリーレン(たとえば縮合した三環式ヘテロアリーレン)である。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜10員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜8員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜4つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜3つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜3つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜2つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、1〜2つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5員のヘテロアリーレンである(各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、Aは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5〜6員のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、Aは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を含む置換されているか置換されていない5員のヘテロアリーレンである。
特定の実施形態では、Aは、置換されているか置換されていないピロリレン、フラニレン、チオフェニレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、オキサゾリレン、イソオキサゾリレン、チアゾリレン、イソチアゾリレン、トリアゾリレン、オキサジアゾリレン(oxadiazolylene)、チアジアゾリレン、テトラゾリレン、ピリジニレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ピラジニレン、トリアジニレン、テトラジニレン(tetrazinylene)、アゼピニレン(azepinylene)、オキセピニレン(oxepinylene)、チエピニレン(thiepinylene)、インドリレン、イソインドリレン、インダゾリレン、ベンゾトリアゾリレン、ベンゾチオフェニレン、イソベンゾチオフェニレン、ベンゾフラニレン、ベンゾイソフラニレン、ベンゾイミダゾリレン、ベンゾオキサゾリレン、ベンゾイソオキサゾリレン、ベンゾキサジアゾリレン、ベンゾチアゾリレン、ベンゾイソチアゾリレン、ベンゾチアジアゾリレン、イミダゾピリジニレン、インドリジニレン、プリニレン、ナフチリジニレン、プテリジニレン、キノリニレン、イソキノリニレン、シンノリニレン、キノキサリニレン、フタラジニレン、キナゾリニレン、フェナントリジニレン、ジベンゾフラニレン、カルバゾリレン、アクリジニレン、フェノチアジニレン、フェノキサジニレン、またはフェナジニレンである。
特定の実施形態では、Aは、式:
(式中、
Xは、NまたはCR
yであり、
Yは、O、S、またはNR
xであり;
R
xおよびR
yは、独立して、水素、または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、Aは、式:
(式中、
Xは、CR
yであり;
Yは、O、S、またはNR
xであり;
R
xおよびR
yは、独立して、水素、または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、Aは、式:
(式中、
XはNであり;
Yは、O、S、またはNR
xであり;
R
xは、水素、または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、Aは、式:
(式中、
XはNであり;
Yは、OまたはSである)
である。
特定の実施形態では、Aは、式:
(式中、
XはNであり;
YはSである)
である。
R1基
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2である。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、もしくは窒素保護基であるか、または2つのRA基が結合して置換されているか置換されていない複素環を形成する。特定の実施形態では、R1は、−NHRAであり、RAは、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または窒素保護基である。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。特定の実施形態では、R1は、−NHRAであり、RAは、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。特定の実施形態では、R1は、−NHRAであり、RAは水素、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、または置換されているか置換されていないアルキルである。特定の実施形態では、R1は、−NHRAであり、RAは、水素、置換されているか置換されていないアシル、または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、水素、または置換されているか置換されていないアルキルである。特定の実施形態では、R1は、−NHRAであり、RAは、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して置換されているか置換されていないアルキルである。特定の実施形態では、R1は、−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R1は、−NH2である。
R2基
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、−ORA、または−N(RA)2である。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2であり、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、もしくは酸素原子に結合している場合の酸素保護基であるか、または2つのRA基が結合して置換されているか置換されていない複素環を形成する。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、または−ORAであり;RAは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または酸素保護基である。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または−ORAであり;、RAは、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアラルキル、または酸素保護基である。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない6〜14員のアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない単環式アリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない二環式アリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない三環式アリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないフェニル、ナフチル、またはアントラセニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないフェニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているフェニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されていないフェニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないナフチルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているナフチルである。特定の実施形態では、R2は、置換されていないナフチルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアントラセニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているアントラセニルである。特定の実施形態では、R2は、置換されていないアントラセニルである。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない5〜14員のヘテロアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない5〜8員の単環式ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない8〜14員の二環式ヘテロアリール(たとえば縮合した二環式ヘテロアリール)である。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない10〜14員の三環式ヘテロアリール(たとえば縮合した三環式ヘテロアリール)である。特定の実施形態では、R2は、1〜4つの環ヘテロ原子を含む、置換されているか置換されていない8〜14員の二環式ヘテロアリールである(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、R2は、1〜4つの環ヘテロ原子を含む、置換されているか置換されていない8〜10員の二環式ヘテロアリールである(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、R2は、1〜4つの環ヘテロ原子を含む、置換されているか置換されていない縮合した8〜10員の二環式ヘテロアリールである(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、R2は、1〜3つの環ヘテロ原子を含む、置換されているか置換されていない8〜10員の縮合した二環式ヘテロアリールである(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。特定の実施形態では、R2は、1〜2つの環ヘテロ原子を含む、置換されているか置換されていない8〜10員の縮合した二環式ヘテロアリールである(各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される)。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル(oxadiazolyl)、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、アゼピニル、オキセピニル(oxepinyl)、チエピニル(thiepinyl)、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル(benzoxadiazolyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、キナゾリニル、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、またはフェナジニルである。
特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないイミダゾピリジニル、キノリニル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾチアゾリルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているイミダゾピリジニル、キノリニル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾチアゾリルである。特定の実施形態では、R2は、置換されているイミダゾピリジニルである。
特定の実施形態では、R
2は、式:
(式中、R
wは、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
2は、式:
(式中、R
wは、ハロゲン、アルコキシ、またはハロアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
2は、式:
(式中、R
wは、ハロゲンまたはハロアルキルである)
である。
R3基
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよい。特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−と置き換えられていてもよく、RAの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり;原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
dは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、−C(O)N(R
A)
2、または−C(O)OR
Aであり;
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
dは、水素、−C(O)N(R
A)
2、または−C(O)OR
Aであり;
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないヘテロアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
であり、
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
特定の実施形態では、R
3は、式:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)
である。
RA基
特定の実施形態では、RAは、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアルケニル、置換されているか置換されていないアルキニル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないカルボシクリル、置換されているか置換されていないヘテロシクリル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、もしくは酸素原子に結合している場合の酸素保護基であるか、または2つのRA基が結合して置換されているか置換されていない複素環を形成する。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、または酸素原子に結合している場合の酸素保護基である。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素、置換されているか置換されていないC1−6アルキル、または窒素保護基である。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素または置換されているか置換されていないC1−6アルキルである。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素または置換されていないC1−6アルキルである。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素または置換されていないC1−4アルキルである。特定の実施形態では、RAは、独立して、水素または置換されていないC1−2アルキルである。特定の実施形態では、RAは、水素である。特定の実施形態では、RAは、置換されていないC1−2アルキルである。
式Iの実施形態
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−aの化合物またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
Xは、NまたはCR
yであり、
Yは、O、S、またはNR
xであり、
R
xおよびR
yは、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−aの特定の実施形態では、XはNであり、Yは、O、S、またはNRxである。
式I−aの特定の実施形態では、Yは、OまたはSである。
式I−aの特定の実施形態では、XはNであり、YはOまたはSである。
式I−aの特定の実施形態では、YはSである。
式I−aの特定の実施形態では、XはNであり、YはSである。
式I−aの特定の実施形態では、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、または酸素原子に結合している場合の酸素保護基である。式I−aの特定の実施形態では、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。
式I−aの特定の実施形態では、R1は−NH2である。
式I−aの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−aの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−aの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−aの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
式I−aの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。
式I−aの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−aの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
特定の実施形態では、式I−aの化合物は、式I−a−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−bの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
式I−bの特定の実施形態では、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアルキル、窒素原子に結合している場合の窒素保護基、または酸素原子に結合している場合の酸素保護基である。式I−bの特定の実施形態では、RAの各出現は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアルキル、または窒素保護基である。
式I−bの特定の実施形態では、R1は、−NH2である。
式I−bの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−bの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−bの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−bの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
式I−bの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。
式I−bの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−bの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
特定の実施形態では、式I−bの化合物は、式I−b−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−cの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
式I−cの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。
式I−cの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−cの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールであり;R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−cの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールであり;R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
特定の実施形態では、式I−cの化合物は、式I−c−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−dの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、R
wは、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである)。
式I−dの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。
式I−dの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。
式I−dの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンまたはハロアルキルである。
式I−dの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンである。
式I−dの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。
式I−dの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−dの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−dの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
特定の実施形態では、式I−dの化合物は、式I−d−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−eの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
cは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
dは、水素、−C(O)N(R
A)
2、または−C(O)OR
Aであり;
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−eの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−eの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−eの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−eの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、式I−eの化合物は、式I−e−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−fの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−fの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−fの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−fの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−fの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、式I−fの化合物は、式I−f−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式I−fの化合物は、式I−f−2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−gの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
式I−gの特定の実施形態では、RAは、水素、または置換されているか置換されていないアルキルである。式I−gの特定の実施形態では、RAは水素である。式I−gの特定の実施形態では、RAは置換されていないアルキルである。
式I−gの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−gの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−gの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−gの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、式I−gの化合物は、式I−g−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式I−gの化合物は、式I−g−2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−hの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−hの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアルキル、−ORA、または−N(RA)2である。
式I−hの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないアリール、または置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−hの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていないヘテロアリールである。
式I−hの特定の実施形態では、R2は、置換されているか置換されていない縮合した二環式ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、式I−hの化合物は、式I−h−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
wは、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルキルであり;
R
cは、水素、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり;原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく;
R
dは、水素、−C(O)N(R
A)
2、または−C(O)OR
Aであり、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンまたはハロアルキルである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、クロロである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ブロモである。式I−iの特定の実施形態では、Rwは、ヨードである。
式I−iの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアシル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、−C(=NRA)−、−S−、−S(O)−、または−S(O)2−で置き換えられていてもよい。
式I−iの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないヘテロアルキル、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−iの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
式I−iの特定の実施形態では、R3は、置換されているか置換されていないアルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアルキルであり、原子価が許容する限り、R3のいずれかの炭素は、任意選択で、−O−、−NRA−、−C(O)−、または−C(=NRA)−で置き換えられていてもよい。
特定の実施形態では、式I−iの化合物は、式I−i−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−jの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
wは、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルキルであり;
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンまたはハロアルキルである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、クロロである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ブロモである。式I−jの特定の実施形態では、Rwは、ヨードである。
式I−jの特定の実施形態では、RAは、水素である。式I−jの特定の実施形態では、RAは、置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、式I−jの化合物は、式I−j−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式I−jの化合物は、式I−j−2の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式I−kの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである:
(式中、
R
wは、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、またはハロアルキルであり;
R
cは、置換されているか置換されていないアルキル、置換されているか置換されていないアリール、置換されているか置換されていないヘテロアリール、置換されているか置換されていないアラルキル、または置換されているか置換されていないヘテロアラルキルであり、原子価が許容する限り、R
cのいずれかの炭素は、任意選択で、−NR
A−、−C(O)−、または−C(=NR
A)−と置き換えられていてもよく、
R
Aの各出現は、独立して、水素または置換されているか置換されていないアルキルである)。
式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲン、ハロアルコキシ、またはハロアルキルである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンまたはハロアルキルである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ハロゲンである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、クロロ、ブロモ、またはヨードである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、クロロである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ブロモである。式I−kの特定の実施形態では、Rwは、ヨードである。
式I−kの特定の実施形態では、RAは、水素である。式I−kの特定の実施形態では、RAは、置換されていないアルキルである。
特定の実施形態では、式I−kの化合物は、式I−k−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグのうちの1つである:
特定の実施形態では、式Iの化合物は、100,000nM未満、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のEC50でpKalを阻害する。
医薬組成物、キット、および投与
また本開示は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグと、任意選択で薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本明細書中記載される医薬組成物は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される添加剤とを含む。
特定の実施形態では、式Iの化合物は、本医薬組成物に有効量で提供されている。特定の実施形態では、この有効量は治療有効量である。特定の実施形態では、有効量は予防有効量である。特定の実施形態では、有効量は、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患の処置に有効な量である。特定の実施形態では、有効量は、その必要がある対象のpKal介在性疾患に関するリスクの予防または低減に有効な量である。特定の実施形態では、有効量は、浮腫(たとえばHAEもしくはDME)の1つ以上の症状の軽減、または処置の必要がある対象の浮腫の発作のリスクの低下に有効な量である。特定の実施形態では、有効量は、HAEまたはDMEなどの浮腫の発症の予防に有効な量である。特定の実施形態では、有効量は、対象または細胞におけるpKalの活性の阻害に有効な量である。
特定の実施形態では、対象は動物である。動物は、いずれかの性別であり得、任意の発達段階であり得る。特定の実施形態では、本明細書中記載の対象はヒトである。特定の実施形態では、対象は非ヒトの動物である。特定の実施形態では、対象は、哺乳類である。特定の実施形態では、対象は、非ヒトの哺乳類である。特定の実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの飼いならした動物(domesticated animal)である。特定の実施形態では、対象は、イヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルである。特定の実施形態では、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜である。特定の実施形態では、対象は、動物園の動物である。別の実施形態では、対象は、げっ歯類(たとえばマウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒトの霊長類などの研究動物である。特定の実施形態では、動物は遺伝子操作された動物である。特定の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物である(たとえばトランスジェニックマウスおよびトランスジェニックなブタ)。特定の実施形態では、対象は、魚または爬虫類である。
特定の実施形態では、有効量は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%、pKalの活性を阻害するために有効な量である。特定の実施形態では、有効量は、この段落に記載されるあるパーセンテージとこの段落に記載される別のパーセンテージとの間の範囲だけ、pKalの活性を阻害するために有効な量である。
本開示は、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患または障害の処置に使用するための、pKalと相互作用する化合物を含む医薬組成物を提供する。
本明細書中記載の化合物または組成物は、1つ以上の追加的な薬学的作用物質(たとえば治療上有効な作用物質および/または予防上有効な作用物質)と組み合わせて投与され得る。本化合物または組成物は、対象または細胞において、それらの活性(たとえば、その必要がある対象における疾患の処置、その必要がある対象における疾患の予防、および/またはその必要がある対象における疾患を発症するリスクの低下の活性(たとえば効力および/または有効性))を改善し、バイオアベイラビリティを改善し、安全性を改善し、薬物耐性を低減し、代謝を低減および/もしくは改変し、排泄を阻害し、ならびに/または分布を改変する追加的な薬学的作用物質と併用して、投与され得る。また、使用される療法が、同じ障害にとって望ましい効果を獲得し得ることおよび/またはこの療法が異なる効果を獲得し得ることを理解されたい。特定の実施形態では、本明細書中記載の化合物と追加的な薬学的作用物質とを含む本明細書中記載の医薬組成物は、本化合物および追加的な薬学的作用物質のうちの1つを含む医薬組成物には存在しないが両方を含む場合には存在する、相乗効果を呈する。
本化合物または組成物は、たとえば併用療法として有用であり得る1つ以上の追加的な薬学的作用物質と同時、これより前または後に、投与され得る。薬学的作用物質は、治療上有効な作用物質を含む。薬学的作用物質はまた、予防上有効な作用物質を含む。薬学的作用物質として、有機小分子、たとえば薬物の化合物(たとえば連邦規則集(CFR)に提供されるような米国食品医薬品局によりヒトでの使用または獣医学的な使用に関して認可されている化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成のポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞が挙げられる。特定の実施形態では、追加的な薬学的作用物質は、浮腫などのpKal介在性疾患の処置および/または予防に有用な薬学的作用物質である。それぞれの追加的な薬学的作用物質は、当該薬学的作用物質に関して決定されている用量および/またはタイムスケジュールで、投与され得る。また追加的な薬学的作用物質は、単回用量において、互いにまとまってかつ/もしくは本明細書中記載の化合物もしくは組成物と共に投与されてもよく、または異なる用量で別々に投与されてもよい。レジメンに使用するための特定の組み合わせは、追加的な薬学的作用物質(複数可)と本明細書中記載の化合物の適合性、ならびに/または、達成されるべき望ましい治療効果および/もしくは予防効果を考慮するものである。全般的に、組み合わせられた追加的な薬学的作用物質(複数可)は、個別に利用される際のレベルを超えないレベルで利用されることが予測される。一部の実施形態では、併用して利用されるレベルは、個別に使用されるレベルよりも少ない。
特定の実施形態では、本化合物または医薬組成物は、固体である。特定の実施形態では、本化合物または医薬組成物は散剤である。特定の実施形態では、本化合物または医薬組成物は、液剤を作製するために液体に溶解することができる。特定の実施形態では、本化合物または医薬組成物は、水性の液剤を作製するために水に溶解される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、非経口注射(parental injection)用の液剤である。特定の実施形態では、本医薬組成物は、経口投与(たとえば摂取)のための液剤である。特定の実施形態では、本医薬組成物は、静脈内注射用の液剤(たとえば水性の液剤)である。特定の実施形態では、本医薬組成物は、皮下注射用の液剤(たとえば水性の液剤)である。
望ましい用量で適切な薬学的に許容される添加剤を用いて製剤化した後に、本開示の医薬組成物は、処置される疾患または病態に応じて、経口投与、非経口投与、嚢内投与、腹腔内投与、局所投与、頬側投与などにより、ヒトおよび他の動物に投与され得る。
特定の実施形態では、式Iの化合物を含む医薬組成物は、(投与形式に応じて)、1日または数日間の間の1回以上の投与において約0.001mg/kg〜約200mg/kgを送達するために十分である、各医薬組成物の用量レベルで、経口投与または非経口投与される。特定の実施形態では、投与あたりの有効量は、所望の治療効果および/または予防効果を得るために、1日あたり1回以上で、1日につき被検体の体重1kgあたり約0.001mg/kg〜約200mg/kg、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg〜約40mg/kg、好ましくは約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kgで、変動する。特定の実施形態では、本明細書中記載の化合物は、所望の治療効果および/または予防効果を得るために、1日あたり1回以上で、1日につき被検体の体重1kgあたり約0.001mg/kg〜約200mg/kg、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg〜約40mg/kg、好ましくは約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、より好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgを送達するために十分な用量レベルであり得る。望ましい用量が、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日おき、3日ごと、1週間ごと、2週間ごと、3週間ごと、または4週間ごとに、送達され得る。特定の実施形態では、望ましい用量は、複数回の投与(たとえば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の回数の投与)を使用して送達され得る。特定の実施形態では、本明細書中記載の組成物は、作用物質が非特異的な効果をもたらす用量を下回る用量で、投与される。
特定の実施形態では、本医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.001mg〜約1000mgの用量で投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.01mg〜約200mgの用量で投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.01mg〜約100mgの用量で投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.01mg〜約50mgの用量で投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.01mg〜約10mgの用量で投与される。特定の実施形態では、本医薬組成物は、ユニットドーズあたり約0.1mg〜約10mgの用量で投与される。
本明細書中記載の医薬組成物は、薬理学の分野で知られているいずれかの方法により調製され得る。全般的に、このような調製方法は、式Iの化合物を含む組成物を、担体および/または1つ以上の他の付属の成分と結合させるステップと、その後、必要に応じておよび/または望ましい場合に、生成物を、望ましい単回投与または複数回投与のユニットに成形および/またはパッケージングするステップとを含む。
医薬組成物は、単回のユニットドーズおよび/または複数の単回ユニットドーズとして、バルクで調製、パッケージング、および/または販売され得る。本明細書中使用される場合、「ユニットドーズ」は、所定の量の有効成分を含む医薬組成物の個別の量である。有効成分の量は、全般的に、対象に投与される有効成分の用量、および/または都合の良い当該用量の一部、たとえば当該用量の1/2または1/3などに相当する。
本発明の医薬組成物における有効成分、薬学的に許容される添加剤、および/またはいずれかの追加的な成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、大きさ、および/または状態に応じて、ならびにさらには組成物が投与される経路に応じて、変動する。例として、本組成物は、0.1〜100(w/w)%の有効成分を含み得る。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容される添加剤として、不活性な希釈剤、分散剤および/または顆粒化剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑沢剤、および/または油が挙げられる。ココアバターおよび坐薬のワックス、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料、ならびに香料などの添加剤もまた、本組成物に存在し得る。
例示的な希釈剤として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示的な顆粒化剤および/または分散剤として、ポテトスターチ、コーンスターチ、タピオカスターチ、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、柑橘系の果肉、カンテン、ベントナイト、セルロース、および木質の製品、天然のスポンジ、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋したポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、α化デンプン(starch 1500)、結晶性スターチ、水不溶性のスターチ、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤として、天然の乳化剤(たとえばアカシア、カンテン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状粘土(たとえばベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(たとえばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(たとえばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラゲナン、セルロース誘導体(たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉状のセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミタート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアラート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(たとえばポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(たとえばCremophor(商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(たとえばポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチルエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、エチルオレアート、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F−68、Poloxamer−188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、ならびに/またはそれらの混合物が挙げられる。
例示的な結合剤として、スターチ(たとえばコーンスターチおよびスターチペースト)、ゼラチン、糖類(たとえばスクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成のガム(たとえばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワーガム(panwar gum)、インドガム(ghatti gum)、サイリウム(isapol husks)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、セルロースアセタート、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、およびカラマツのアラボガラクタン(larch arabogalactan))、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物が挙げられる。
例示的な保存剤として、抗酸化剤、キレート剤、抗細菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール性保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が挙げられる。特定の実施形態では、保存剤は抗酸化剤である。他の実施形態では、保存剤はキレート剤である。
例示的な抗酸化剤として、α−トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル(acorbyl palmitate)、ブチルヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、二亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
例示的なキレート剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩および水和物(たとえばエデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸およびその塩および水和物(たとえばクエン酸一水和物)、フマル酸およびその塩および水和物、リンゴ酸およびその塩および水和物、リン酸およびその塩および水和物、ならびに酒石酸およびその塩および水和物が挙げられる。例示的な抗細菌性保存剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。
例示的な抗真菌性保存剤として、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。
例示的なアルコール性保存剤として、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示的な酸性保存剤として、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。
他の保存剤として、トコフェロール、トコフェロールアセタート、デテロキシム(deteroxime)メシラート、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、二亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylが挙げられる。
例示的な緩衝剤として、クエン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基リン酸ナトリウム、一塩基リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリーな水、等張食塩水液、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示的な滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル(glyceryl behanate)、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。
例示的な天然の油として、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカラントの種、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、トウゴマ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ゴード(gourd)、グレープシード、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイの実、ラバンディン、ラベンダー、レモン、リツィア・クベバ(litsea cubeba)、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴーの種、メドウフォームの種、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシノミ、カボチャの種、ナタネ、米糠、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サザンカ(sasquana)、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ、およびコムギ胚芽の油が挙げられる。例示的な合成油として、限定するものではないが、ブチルステアラート、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、ジエチルセバカート、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物が挙げられる。
経口投与および非経口投与用の液体の剤形として、限定するものではないが、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。有効な作用物質に加えて、液体の剤形は、当該分野で一般に使用されている不活性な希釈剤、たとえば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボナート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。不活性な希釈剤に加え、経口用の組成物はまた、アジュバント、たとえば湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味料、香味料、および香料をも含み得る。非経口投与に関する特定の実施形態では、本発明の作用物質は、可溶化剤、たとえばCREMOPHOR EL(登録商標)(ポリエトキシル化ヒマシ油)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの組み合わせと、混合される。
注射可能な製剤、たとえば無菌性の注射可能な水性または油性の懸濁剤が、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用する既知の技術によって製剤化され得る。無菌性の注射可能な製剤はまた、たとえば1,3−ブタンジオールにおける溶液としての、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒における無菌性の注射可能な液剤、懸濁剤、またはエマルジョンであり得る。使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒として、特に、水、リンゲル液(U.S.P)、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、無菌性の固定油が、溶媒または懸濁化媒体として、従来より使用されている。この目的のため、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌性の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能な製剤に使用される。
注射可能な製剤は、たとえば、細菌を保持するフィルターを介したろ過によるか、または使用する前に滅菌水もしくは他の無菌性の注射可能な媒体に溶解もしくは分散され得る無菌性の固体の組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、滅菌され得る。
経口投与用の固体の剤形として、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体の剤形では、有効な作用物質は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される添加剤または担体、たとえばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/または、a)賦形剤もしくは増量剤、たとえばスターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、たとえばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなど、c)保水剤、たとえばグリセロール、d)崩壊剤、たとえばカンテン、炭酸カルシウム、ポテトスターチもしくはタピオカスターチ、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤(solution retarding agent)、たとえばパラフィン、f)吸収促進剤、たとえば四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、たとえばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなど、h)吸収剤、たとえばカオリンおよびベントナイトクレイ、ならびにi)滑沢剤、たとえばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形はまた、緩衝剤をも含み得る。
同様の種類の固体の組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量のポリエチレングリコールなどの添加剤を使用して、軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤における賦形剤として、使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体の剤形は、薬学的な製剤化の分野においてよく知られている腸溶コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて、調製され得る。これらは、任意選択で乳白剤を含んでもよく、また、有効成分(複数可)を、任意選択で遅延させる方法において、腸管の特定の部分に、それのみをまたは優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み型の組成物(embedding composition)の例として、重合体の物質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体の組成物はまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量のポリエチレングリコールなどの添加剤を使用する軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤に、賦形剤として使用され得る。
有効な成分はまた、上述の1つ以上の添加剤を伴うマイクロカプセル化した形態にあり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体の剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および薬学的な製剤化の分野でよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルで、調製され得る。このような固体の剤形では、有効な作用物質は、少なくとも1つの不活性な希釈剤、たとえばスクロース、ラクトース、またはスターチと共に混合され得る。このような剤形はまた、正常な実務の通り、不活性な希釈剤以外の追加的な物質、たとえば、錠剤化滑沢剤および他の錠剤化助剤、たとえばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤をも含み得る。これらは、任意選択で乳白剤を含んでもよく、また、有効成分(複数可)を、任意選択で遅延させる方法において、腸管の特定の部分にそれのみをまたは優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み型の組成物(embedding composition)の例として、重合体の物質およびワックスが挙げられる。
局所投与に適切な製剤として、液体または半液体の製剤、たとえばリニメント剤、ローション、ゲル、アプリカント(applicant)、水中油型または油中水型のエマルジョン、たとえばクリーム、軟膏、もしくはペースト;または点滴剤などの液剤もしくは懸濁剤が挙げられる。皮膚の表面に対する局所投与用の製剤は、ローション、クリーム、軟膏、または石鹸などの皮膚科学的に許容される担体で薬物を分散させることにより、調製することができる。有用な担体は、適用を局在化し、除去を阻害するためのフィルムまたは層を皮膚の上に形成することができる。内部の組織の表面に対する局所投与では、作用物質は、液体の組織接着剤または組織の表面への吸収を高めることが知られている他の物質に分散させることができる。たとえば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液が、有効に使用するために使用され得る。あるいは、ペクチン含有製剤などの組織コーティング液剤が、使用され得る。眼用製剤、点耳薬、および点眼薬もまた、本発明の範囲内にと企図されている。さらに本開示は、身体への作用物質の制御された送達を提供するさらなる利点を有する、経皮パッチの使用を企図している。このような剤形は、適切な媒体に作用物質を溶解または分散させることにより、作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を通る作用物質の流れを増大させるために使用され得る。この速度は、速度を制御する膜を提供するかまたはポリマーマトリックスもしくはゲルに作用物質を分散させることにより、制御され得る。
さらに、局所製剤用の担体は、水アルコール系(たとえば液体およびゲル)、無水物の油もしくはシリコーンベースの系、または限定するものではないが、水中油型、油中水型、水中油中水型、およびシリコーン中水中油型のエマルジョンを含むエマルジョンの系の形態であり得る。エマルジョンは、希薄なローション(噴霧またはエアロゾル送達にも適切であり得る)、クリーム状のローション、軽いクリーム(light cream)、重いクリーム(heavy cream)などを含む幅広い粘度をカバーし得る。またエマルジョンは、マイクロエマルジョンの系を含み得る。他の適切な局所用の担体として、無水物の固体および半固体(ゲルおよびスティックなど);ならびに水系ベースのムースの系が挙げられる。
またキット(たとえば薬学的なパック)が、本開示により包有されている。提供されるキットは、本明細書中記載の医薬組成物または化合物と、容器(たとえばバイアル、アンプル、ビン、シリンジ、および/またはディスペンサ−パッケージ、または他の適切な容器)とを含み得る。一部の実施形態では、提供されるキットは、任意選択で、本明細書中記載の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための薬学的な添加剤を含む第2の容器をさらに含み得る。一部の実施形態では、第1の容器に提供される本明細書中記載の医薬組成物または化合物と、第2の容器とが、1つの単位剤形を形成するために組み合わせられる。
よって、一態様では、本明細書中記載の化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含むキットが提供される。特定の実施形態では、本キットは、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患の処置に有用である。特定の実施形態では、本キットは、その必要がある対象におけるpKal関連疾患の予防に有用である。特定の実施形態では、本キットは、その必要がある対象におけるpKal関連疾患を発症するリスクの低下に有用である。特定の実施形態では、本キットは、対象または細胞におけるpKalの活性の阻害に有用である。
特定の実施形態では、本明細書中記載のキットはさらに、キットを使用するための説明書を含む。本明細書中記載のキットはまた、米国の食品医薬品局(FDA)などの規制機関が要求する情報を含み得る。特定の実施形態では、本キットに含まれる情報は、処方の情報である。特定の実施形態では、キットおよび説明書は、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患の処置を提供する。特定の実施形態では、キットおよび説明書は、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患の予防を提供する。特定の実施形態では、キットおよび説明書は、その必要がある対象におけるpKal介在性疾患を発症するリスクの低下を提供する。特定の実施形態では、キットおよび説明書は、対象または細胞におけるpKalの活性の阻害を提供する。本明細書中記載のキットは、別々の組成物として、本明細書中記載の1つ以上の追加的な薬学的作用物質を含み得る。
処置の方法
本開示は、pKal介在性の疾患および病態の処置に有用である、pKalの活性を阻害するための、本明細書中記載されるpKal阻害性化合物のいずれかの使用を提供する。例示的なpKal介在性障害として、微小血管が漏れやすくなり近くの組織の中へと体液を放出する際の炎症または損傷による対象の身体の全体またはその一部の腫脹を表す、浮腫が挙げられる。一部の例では、浮腫は、HAEである。他の例では、浮腫は、たとえば糖尿病黄斑浮腫(DME)のように、眼で発症する。
一部の実施形態では、本明細書中記載のpKal介在性疾患は、眼の障害、たとえばpKalの活性の異常によりもたらされる血管の漏出に関連する障害である。例として、限定するものではないが、DME、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)およびドライ型加齢黄斑変性(dAMD)、ならびに糖尿病網膜症が挙げられる。他の実施形態では、pKal介在性疾患は、外科的な手法に関連し得る、虚血再灌流障害または全身性炎症反応である。
また、本明細書中記載されるpKal阻害性化合物のいずれかは、対象、たとえば外科的な手法に供されたヒトの患者の血液喪失を低減させるために、使用され得る。pKal阻害性化合物は、抗血栓溶解剤(anti−thrombolytic agent)または抗線維溶解剤(anti−fibrinolytic agent)と共に同時使用され得る。場合により、pKal阻害性化合物は、in vitroで臓器を保存するために使用され得る。
本開示は、pKalの活性を阻害する方法を提供する。特定の実施形態では、本出願は、生体サンプルなどのサンプル中のpKal分子と、本明細書中記載のpKal阻害性化合物のいずれかを接触させることを介して、in vitroでpKalの活性を阻害する方法を提供する。特定の実施形態では、本願は、適切な経路を介して、処置する必要がある対象へ本明細書中記載のpKal阻害性化合物のいずれかの有効量を送達することを介して、in vivoでpKalの活性を阻害する方法を提供する。
特定の実施形態では、本方法は、本明細書中記載のpKal阻害性化合物のいずれかまたはその薬学的に許容される塩を、その必要のある対象(たとえば浮腫を有するヒトの患者などの対象)へ投与するステップを含む。特定の実施形態では、本方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグ、または組成物を、その必要がある対象へ投与するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグ、または組成物を含む医薬組成物を、その必要がある対象へ投与するステップを含む。
特定の実施形態では、本明細書中記載される方法のいずれかにより処置される対象は、浮腫、たとえばHAEまたは糖尿病黄斑浮腫(DME)を有するか、有する疑いがあるか、またはそのリスクがあるヒトの患者である。浮腫を有する対象は、規定の医学検査、たとえば臨床試験により、同定され得る。浮腫を有する疑いのある対象は、この疾患/障害の1つ以上の症状を示し得る。浮腫のリスクがある対象は、疾患に関連する1つ以上のリスク因子を有する対象、たとえばHAEではC1−INHが欠乏している対象であり得る。
特定の実施形態では、本明細書において、HAEの発作を罹患しているヒトの患者におけるHAEの1つ以上の症状を軽減する方法が、提供される。このような患者は、規定の医学的手法により同定され得る。有効量の1つ以上のpKal阻害性化合物が、適切な経路、たとえば本明細書に記載される経路を介して、ヒトの患者に提供され得る。本明細書中記載のpKal阻害性化合物は、単独で使用されてもよく、または他の抗HAE作用物質、たとえばC1エステラーゼ阻害剤(たとえばCinryze(登録商標)もしくはBerinert(登録商標))、pKal阻害剤(たとえばエカランチドもしくはlanadelumab)、もしくはブラジキニンB2受容体アンタゴニスト(たとえばFirazyr(登録商標)と併用して使用されてもよい。
他の実施形態では、本明細書において、静止期にあるヒトのHAE患者のHAEの発作のリスクを低下させる方法が、提供される。このような患者は、HAEの発作の病歴を含む様々な要因に基づき同定され得る。有効量の1つ以上のpKal阻害性化合物が、適切な経路、たとえば本明細書に記載される経路を介して、ヒトの患者に提供され得る。本明細書中記載のpKal阻害性化合物は、単独で使用されてもよく、または他の抗HAE作用物質、たとえばC1エステラーゼ阻害剤(たとえばCinryze(登録商標)もしくはBerinert(登録商標))、pKal阻害剤(たとえばエカランチドもしくはlanadelumab)、もしくはブラジキニンB2受容体アンタゴニスト(たとえばFirazyr(登録商標))と併用して使用されてもよい。
さらなる他の実施形態では、本明細書において、本明細書中記載の1つ以上のpKal阻害性化合物で、HAEの発作に対するリスクを有するヒトの患者におけるHAEの予防的な処置が提供される。このような予防的な処置に適切な患者は、HAE発作の病歴を有するヒトの対象(たとえば1ケ月に2回超の発作を経験したヒトの対象)であり得る。あるいは、予防的な処置に適切な患者は、HAE発作の病歴を有さないが、HAEに関する1つ以上のリスク因子(たとえば家族歴、C1−INH遺伝子の遺伝的欠失など)を有するヒトの対象であり得る。このような予防的な処置は、唯一の有効な作用物質として本明細書中記載のpKal阻害性化合物を含んでもよく、または本明細書中記載されるものなどの追加的な抗HAE作用物質を含んでもよい。
特定の実施形態では、本明細書において、対象(たとえばヒトの患者)の眼の浮腫を予防または低減するための方法が提供される。一部の例では、ヒトの患者は、糖尿病黄斑浮腫(DME)を有するか、有する疑いがあるか、またはそのリスクがある糖尿病患者である。DMEは、網膜黄斑の中の血管からの体液の漏出による、真性糖尿病における網膜層の腫脹、血管新生、血管の漏出、および網膜の肥厚を特徴とする、増殖型の糖尿病網膜症である。この方法を行うために、本明細書中記載の1つ以上のpKal阻害性化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量が、処置を必要とする対象の眼に送達され得る。たとえば、本化合物は、眼内注射または硝子体内注射により送達され得る。対象は、唯一の有効な作用物質としてかまたは別のDMEの処置と併用した、本明細書中記載のpKal阻害剤化合物を用いて処置され得る。DMEに関する処置の非限定的な例として、レーザー凝固、ステロイド、VEGF経路を標的とする作用物質(たとえばLucentis(登録商標)(ラニビズマブ)またはEylea(登録商標)(アフリベルセプト))および/または抗PDGF作用物質が挙げられる。
特定の実施形態では、本明細書中開示される方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体を多く含む誘導体、もしくはプロドラッグ、または組成物の有効量を対象に投与するステップを含む。一部の実施形態では、有効量は、治療有効量である。一部の実施形態では、有効量は、予防有効量である。
特定の実施形態では、処置される対象は動物である。この動物は、いずれかの性別であり得、いずれかの発達段階にあり得る。特定の実施形態では、対象は、哺乳類である。特定の実施形態では、処置される対象はヒトである。特定の実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの飼いならした動物である。特定の実施形態では、対象は、イヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルである。特定の実施形態では、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜である。特定の実施形態では、対象は動物園の動物である。別の実施形態では、対象は、げっ歯類(たとえばマウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒトの霊長類などの研究動物である。特定の実施形態では、動物は、遺伝子操作された動物である。特定の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物である。
本明細書中記載される特定の方法は、本明細書中記載の化合物と併用して1つ以上の追加的な薬学的作用物質を投与するステップを含み得る。追加的な薬学的作用物質(複数可)は、式Iの化合物と同じ時間または式Iの化合物とは異なる時間に、投与され得る。たとえば、式Iの化合物およびいずれかの追加的な薬学的作用物質は、同じ投与スケジュールまたは異なる投与スケジュールにあり得る。式Iの化合物の全てまたは一部の投与は、追加的な薬学的作用物質の全てまたは一部の投与の前もしくは追加的な薬学的作用物質の全てまたは一部の投与の後に行われてもよく、追加的な薬学的作用物質の投与スケジュールの範囲内で行われてもよく、またはこれらを組み合わせて行ってもよい。式Iの化合物および追加的な薬学的作用物質の投与のタイミングは、異なる追加的な薬学的作用物質で、異なっていてもよい。
特定の実施形態では、追加的な薬学的作用物質は、HAEまたはDMEなどの浮腫の処置に有用な作用物質を含む。このような作用物質の例は、本明細書中に提供されている。
実施例
本明細書中記載の発明がより完全に理解され得るために、以下の実施例を提供する。本願で記載される実施形態は、本明細書中提供される化合物、医薬組成物、および方法を例示するために提供されており、いかなる方法でもこれらの範囲を限定するように解釈するべきではない。
実施例1:例示的な式Iの化合物を合成するための例示的な合成スキームおよび手法
全ての反応は、特段他の記載がない限り、乾燥窒素の大気下で行われた。TLCプレートは、紫外線光で視覚化した。フラッシュクロマトグラフィーは、ガラスのカラムを使用したシリカゲル(40〜60μm)の上でのカラムクロマトグラフィーを表す。あるいは、自動化したクロマトグラフィーを、220nmまたは254nmで紫外線検出を伴うBiotage SP1またはBiotage Isoleraのシステムを使用し、Biotageの順相および逆相のシリカカートリッジを使用して行った。さらなる詳細は、関連する実験の手法で見出すことができる。
以下の系を、LCMSに使用した:Agilent 6120(Binary Gradient Module pump)、XBridge解析カラム C18、5μm、4.6×50mm、25℃、5μLの注入量、2mL/min。以下のタイミングにより、0.1%の酢酸アンモニウム水溶液におけるアセトニトリルの勾配を用いる。
以下の系を、HPLC(質量分析法ではない)に使用した:Waters 2767(Binary Gradient Module pump)、XBridge prep C18カラム、5μm、19×150mm、15mL/min、25℃;9.5分間にわたる0.1%の炭酸水素アンモニウム(ammonium bicarbobate)水溶液中30〜80%のアセトニトリルの勾配;または9.5分間にわたる0.1%の水酸化アンモニウム水溶液中30〜80%のアセトニトリルの勾配;または9.5分間にわたる0.1%の2,2,2−トリフルオロ酢酸水溶液中30〜80%のアセトニトリルの勾配。
NMRスペクトルは、400MHz(
1H)、376MHz(
19F)または75MHz(
13C)で作動するVarian Mercuryの分光器で測定した。サンプルに使用される溶媒は、各化合物の実験手法で特定される。
2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(1)
ステップ1:(2R,4S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシラートの合成
メタノール(50mL)における(2R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(3.0g、13.0mmol)を、0℃に冷却した。炭酸セシウム水溶液(32mLの水において2.12g)を添加した。この溶液を濃縮し、十分なN,N−ジメチルホルムアミドを添加して、水と共沸混合させ、白色の固体を残し、N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)に溶解した。臭化ベンジル(1.5mL、13.0mmol)を0℃で添加し、混合物を、室温で20時間、勢いをつけて攪拌した。反応混合物を真空内で濃縮し、得られた残渣を、酢酸エチル(40mL)に溶解し、水(2×40mL)およびブライン(2×40mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空内で濃縮して残渣を生成し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:50)により精製して、(2R,4S)−2−ベンジル1−tert−ブチル4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4.18g)を、無色の油として得た。1H NMR (400Hz, CDCl3) δ 7.35−7.34 (m, 5 H), 5.23−5.07 (m, 2 H), 4.51−4.41 (m, 2 H), 3.65−3.46 (m, 2 H), 2.33−2.23 (m, 1 H), 2.09−2.03 (m, 1 H), 1.45−1.35 (s, 9 H)
ステップ2:(2R,4R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−アジドピロリジン−1,2−ジカルボキシラートの合成
テトラヒドロフラン(15mL)におけるジエチルアゾジカルボキシラート(トルエンにおける40%の溶液6.78g、39.0mmol)およびジフェニルホスホリルアジド(10.2g、39.0mmol)の溶液を、0℃で、テトラヒドロフラン(50mL)における(2R,4S)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4.18g、13mmol)およびトリフェニルホスフィン(10.2g、39.0mmol)の溶液に、30分間滴下した。得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。エタノール(20mL)を添加した後、溶媒を、乾燥するまで真空内で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80:20〜70:30)により精製して、(2R,4R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−アジドピロリジン−1,2−ジカルボキシラートを、帯黄色の油として得た。MS(ESI) m/z 291.1 [M+H−56]+
ステップ3:(2R,4R)−4−アミノ−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸の合成。メタノール(30mL)における(2R,4R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−アジドピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(4.49g、12.9mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、449mg)を添加した。反応容器を、アスピレーターにより排除し、水素を用いて完全にパージし(3回)、得られた不均一な混合物を、水素の風船(hydrogen balloon)下で、室温で24時間攪拌した。この混合物を、Celiteのパッドを介してろ過し、このパッドをメタノールで洗浄した。ろ過物を、真空内で濃縮して、(2R,4R)−4−アミノ−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(3g)を入手し、精製することなく次のステップに使用した。MS (ESI) m/z 175.1 [M+H−56]+
ステップ4:(2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸の合成。テトラヒドロフラン(30mL)における(2R,4R)−4−アミノ−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(3g、粗製物、12.9mmol)の溶液に、10%の炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)を添加した。この溶液を、0℃にあらかじめ冷却した後、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解したN−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(4.37g、13mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、真空内で濃縮して、残渣を残し、酢酸エチル(100mL)に溶解し、飽和塩化アンモニウム水溶液で処理した。この混合物を、酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、粗製残渣を入手し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=70:30)により精製して、(2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(4g)を、白色の固体として得た。1H NMR (400Hz, CDCl3) δ 7.73−7.71(m, 2 H), 7.58−7.48 (m, 2 H), 7.37−7.33 (m, 2 H), 7.29−7.26 (m, 2 H), 4.29−4.16 (m, 5 H), 3.69−3.44 (m, 2 H), 2.45 (s, 1 H), 2.31−2.14 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H)
ステップ5:(2R,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。 25℃のジオキサン(30mL)における(2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(4g、8.83mmol)の溶液に、ピリジン(1.06g、13.24mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(2.86g、13.24mmol)、次いで重炭酸アンモニウム(1.06g、13.24mmol)を添加した。添加後に得られる混合物を、25℃で16時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水(200mL×3)、1Nの塩酸(hydrochloride acid)(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、粗製残渣を入手し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、(2R,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(2.7g)を、白色の固体として得た。MS (ESI) m/z: 452.1[M+H]+
ステップ6:(2R,4R)−tert−ブチル4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。25℃のテトラヒドロフラン(50mL)における(2R,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(2.7g、6mmol)の溶液に、ローソン試薬(1.21g、3mmol)を添加した。得られた混合物を、55℃で16時間攪拌した。溶媒を除去した後に、残渣を水で希釈して、酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、(2R,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(2.3g)を、白色の固体として得た。MS(ESI) m/z: 468.2 [M + H]+
ステップ7:エチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。25℃のエタノール(60mL)における(2R,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(2.3g、4.9mmol)の溶液に、エチル 3−ブロモ−2−オキソプロパノアート(1.15g、5.9mmol)および炭酸カルシウム(1.47g、14.7mmol)を添加した。得られた混合物を、70℃で5時間攪拌した。反応が完了した後、混合物を濃縮し、残渣を水で希釈し、酢酸エチル(40mL×4)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、エチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(1.6g)を黄色の油として得た。MS(ESI) m/z: 464.2 [M + H]+
ステップ8:エチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。25℃のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)における7−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(0.71g、3.6mmol)の溶液に、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、1.19g、9mmol)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、1.72g、4.5mmol)を添加した。エチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(1.4g、3.0mmol)を添加した後、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応が完了した後に、溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、1Nの塩化リチウム(30mL×3)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸=1:1)により精製して、エチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(800mg)を白色の固体として得た。MS(ESI) m/z: 642.2[M + H]+
ステップ9:2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成。室温の、メタノール(20mL)、テトラヒドロフラン(30mL)、および水(30mL)におけるエチル 2−((2R,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(800mg、1.25mmol)の溶液に、水酸化リチウム(102mg、2.5mmol)を添加した。添加後に、得られた混合物を室温で16時間攪拌した。混合物から有機溶媒を除去して、2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸を、水溶液として得た。MS(ESI) m/z 392.2 [M + H]+
ステップ10:2−((2R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成。水(約20mL)およびメタノール(30mL)における2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(粗製物、1.25mmol)の溶液に、トリエチルアミン(252mg、2.5mmol)を添加した。ジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc2O、269mg、1.25mmol)を添加した後に、得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。この混合物を濃縮して、逆相LC(水中のアセトニトリル:10〜95%)により精製して、2−((2R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(300mg)を、白色の固体として得た。MS(ESI) m/z 492.2 [M + H]+
ステップ11:2−((2R,4R)−(4−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。室温のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)における2−((2R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(150mg、0.3mmol)の溶液に、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(122mg、0.3mmol)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、200mg、1.5mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、117mg、0.61mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、41mg、0.3mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、組み合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。得られた残渣を、Prep−TLC(メタノール:ジクロロメタン=1:15)により精製して、2−((2R,4R)−(4−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(160mg)を白色の固体として得た。MS(ESI) m/z 875.2 [M + H]+
ステップ12:2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(1)の合成。室温のジクロロメタン(5mL)における2−((2R,4R)−(4−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(160mg、0.25mmol)の溶液に、塩酸/酢酸エチル(3N、10mL)を添加した。得られた混合物を、25℃で6時間攪拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、逆相HPLC(ACN/0.1%のTFAの水溶液)により精製して、2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(50mg)を、白色の固体として得た。MS(ESI) m/z 575.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.03 (s, 1H), 8.80 (br, 2H), 8.76 (br, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.23−8.14 (m, 1H), 7.85−7.80 (m, 1H), 7.79 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.03 (br, 4H), 5.67 (t, J = 7.2 Hz ,1H), 4.62−4.57 (m, 1H), 4.47−4.30 (m, 1H), 4.27−4.22 (m, 1H), 4.07−4.00 (m, 1H), 3.12−3.08 (m, 2H), 2.89−2.85 (m, 1H), 2.70−2.65 (m, 1H), 2.61 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.80−1.73 (m, 2H), 1.50−1.44 (m, 2 H), 1.36−1.23(m, 2H)
2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(2)
化合物2を、化合物1の合成に関する方法によってではあるが、ステップ11で(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用して合成した。MS(ESI) m/z 575.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.01(s, 1 H), 8.81 (br, 3H), 8.56(s, 1H), 8.37(d, J = 8.4 Hz ,1H), 8.26 (s, 1 H), 8.18−8.16(m, 1H), 7.88−7.80(m, 1H), 7.79(d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 9.6 Hz ,1H), 7.53−6.8 (m, 4H), 5.68(t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.79−4.74 (m, 1H), 4.47−4.34 (m, 1H), 4.26−4.21 (m, 1H), 4.08−4.00 (m, 1H), 3.14−3.09 (m, 2H), 2.89−2.80 (m, 1H), 2.70−2.63(m, 1H), 2.59(d, J = 4.4 Hz, 3H), 1.85−1.74 (m, 2H), 1.53−1.43 (m, 2H), 1.41−1.22(m, 2H)
2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(3)
ステップ1:(R)−ベンジル 2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。ジオキサン(200mL)における(R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(15g、60.2mmol)の溶液に、ピリジン(6.19g、78.26mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(16.9g、78.26mmol)、次いで重炭酸アンモニウム(6.19g、78.26mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、150mLの酢酸エチルで希釈し、水(200mL×3)、1Nの塩酸(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、(R)−ベンジル 2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(16.15g)を、黄色の油として得た。MS(ESI) m/z 249.1[M + H]+
ステップ2:(R)−ベンジル 2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。テトラヒドロフラン(120mL)における(R)−ベンジル 2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(5.4g、21.8mmol)の溶液に、ローソン試薬(4.84g、11.98mmol)を添加した。得られた混合物を、55℃で16時間攪拌した。溶媒を除去した後に、残渣を、200mLの水で希釈し、酢酸エチル(40mL×4)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗製生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、(R)−ベンジル 2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(4.97)を、黄色の油として得た。MS(ESI) m/z 265.1[M + H]+
ステップ3:(R)−エチル2−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。エタノール(60mL)における(R)−ベンジル2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(4.67g、17.69mmol)の溶液に、エチル3−ブロモ−2−オキソプロパノアート(5.18g、26.54mmol)および炭酸カルシウム(5.30g、53.07mmol)を添加した。得られた混合物を、70℃で5時間攪拌した。この混合物を濃縮し、残渣を100mLの水で希釈し、酢酸エチル(40mL×4)で希釈した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、(R)−エチル 2−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(4.9g)を黄色の油として得た。MS(ESI) m/z 361.1 [M + H]+
ステップ4:(R)−エチル 2−(ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。(R)−エチル 2−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(1.0g、2.78mmol)を、酢酸における臭化水素酸の溶液(30%、60mL)に添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去した後、(R)−エチル 2−(ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート ハイドロブロミド(853.5mg)を、さらなる精製を行うことなく次のステップに使用した。MS(ESI) m/z 227.1 [M + H]+
ステップ5:(R)−エチル 2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。室温のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)における6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(454.1mg、2.31mmol)の溶液に、(R)−エチル 2−(ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート ハイドロブロミド(853.5mg、2.78mmol)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、1.49g、11.55mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、662.8mg、3.47mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、626.6mg、4.62mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を30mLの水で希釈し、クロロホルム:イソプロパノール(v:v=3:1、30mL×4)で抽出し、1Nの塩酸(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、(R)−エチル 2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(321mg)を白色の固体として得た。MS(ESI) m/z 405.1 [M + H]+
ステップ6:(R)−2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成。メタノール(20mL)、テトラヒドロフラン(30mL)、および水(30mL)における(R)−エチル 2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(321.0mg、0.80mmol)の溶液に、水酸化リチウム(166.8mg、3.98mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮し、残渣を20mLの水で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。水層のpHを、1Nのハイドロクロライドで2〜3に調節し、濃縮した。この残渣を、メタノール:ジクロロメタン(v:v=1:10、20mL)で希釈し、有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、(R)−2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(487mg)を白色の固体として得た。MS(ESI) m/z 377.1 [M + H]+
ステップ7:2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)における(R)−2−(1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(200mg、0.53mmol)の溶液に、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(187.7mg、0.47mmol)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、343.1g、2.66mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、252.7mg、1.32mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、193.8mg、1.43mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を、50mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。この残渣を、Prep−TLC(メタノール:ジクロロメタン=1:10)により精製して、2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(220mg)を、黄色の固体として得た。MS(ESI) m/z 760.3 [M + H]+
ステップ8:2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(3)の合成。ジクロロメタン(5mL)における2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(220mg、0.29mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で6時間攪拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、RP−HPLC(ACN/H
2O中0.1%のNH
3)により精製して、2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(71.2mg)を白色の固体として得た。MS (ESI) m/z 560.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO,回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 0.7H), 8.83 (s, 0.3 H), 8.40 (s, 0.7H), 8.36 (s, 0.3H), 8.17 (s, 1.4H), 8.09 (s, 0.6H),7.74−7.69 (m, 1H), 7.55−7.50 (m, 0.7H), 7.43−7.39 (m, 1H), 7.33−7.29 (m, 0.3H), 6.77−6.74 (m, 0.3H), 5.59−5.55 (m, 0.7H), 4.44−4.35 (m, 2H), 4.18−4.11 (m, 1H), 3.78−3.72 (m, 1H), 3.05 (s, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.46−2.32 (m, 2H), 2.17−1.97 (m, 3H), 1.80−1.63 (m, 3H), 1.51−1.42 (m, 2H), 1.35−1.23 (m, 3H)
2−((R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(4)
化合物4を、化合物3の合成に関する方法によってではあるが、ステップ7では(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用して合成した。MS(ESI) m/z 560.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO、回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 0.7H), 8.83 (s, 0.3H), 8.40 (s, 0.7H), 8.38 (s, 0.3H), 8.17 (s, 1.4H), 8.09 (s, 0.6H), 7.74−7.71 (m, 1H), 7.55−7.50 (m, 0.7H), 7.43−7.39 (m, 1H), 7.35−7.32 (m, 0.3H), 6.77−6.75 (m, 0.3H), 5.59−5.55 (m, 0.7H), 4.47−4.37 (m, 2H), 4.19−4.11 (m, 1H), 3.77−3.74 (m, 1H), 3.03 (s, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.44−2.33 (m, 2H), 2.16−1.96 (m, 3H), 1.82−1.64 (m, 3H), 1.47−1.45 (m, 2H), 1.33−1.23 (m, 3H)
2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(5)
ステップ1:2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成。水(約20mL)およびメタノール(30mL)における2−((2R,4R)−4−アミノ−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(180mg)の溶液に、トリエチルアミン(137mg、1.35mmol)を添加した。酢酸無水物(46mg、0.45mmol)を添加した後、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。この混合物を濃縮し、逆相−LC(アセトニトリル水溶液:10〜95%)により精製して、白色の固体として2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(110mg)を得た。MS(ESI) m/z 434.1 [M+H]+
ステップ2:2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)における2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(110mg、0.253mmol)の溶液に、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(102mg、0.253mmol)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、166mg、1.26mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、97mg、0.507mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、35mg、0.253mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を50mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、Prep−TLC(メタノール:ジクロロメタン=1:15)により精製し、白色の固体として2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(140mg)を得た。MS(ESI) m/z 817.3 [M + H]+
ステップ3:2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。ジクロロメタン(5mL)における2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(140mg、0.17mmol)の溶液に、塩酸/酢酸エチル(10mL、3N)を添加した。得られた混合物を室温で6時間攪拌した。反応が完了した後に、混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLC(ACN/H
2O中0.1%のTFA)により精製して、白色の固体として2−((2R,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドハイドロクロライド塩(40mg)を得た。MS(ESI) m/z 617.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.08(s, 1 H),8.75 (s, 1H), 8.50(d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.27(s, 1H), 8.14(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.89−7.78(m, 3H), 5.61(t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.53−4.36 (m, 3 H), 3.90−3.78 (m, 1H), 3.10−3.05 (m, 2H), 2.77−2.65 (m, 1H), 2.61(d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.36−2.26 (m, 1H), 1.83 (s, 3H), 1.80−1.67 (m, 2H), 1.51−1.44 (m, 2H), 1.36−1.23(m, 2 H)
2−((2R,4S)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(6)
化合物6を、化合物1の合成に関する方法に従い、ステップ1において(2R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸で開始して、合成した。MS(ESI) m/z 575.0[M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.01 (s, 1H), 8.72 (br, 3H), 8.59 (s, 1H), 8.24−8.23 (m, 2H), 8.16−8.11 (m, 1H), 7.84−7.77 (m, 2H), 7.64−7.57 (m, 1 H), 7.55−6.86 (m, 5H), 5.79 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.55−4.41 (m, 3H), 4.10−4.00 (m, 1H), 3.09−3.08 (m, 2H), 2.77−2.65 (m, 2H), 2.62 (2s, 3H), 1.80−1.69 (m, 2 H), 1.49−1.46 (m, 2 H), 1.36−1.23 (m, 2 H)
2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(7)
ステップ1:(2R,4S)−tert−ブチル 2−カルバモイル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラートの合成。ジオキサン(60mL)における(2R,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(6.0g、26mmol)の溶液に、ピリジン(3.0mL、37mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(7.3g、34mmol)を、次いで重炭酸アンモニウム(2.7g、34mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を200mLの酢酸エチルで希釈し、水(30mL×3)、1Nの塩酸(30mL)、およびブライン(30mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗製残渣を入手し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=8:1)により精製して、白色の固体として(2R,4S)−tert−ブチル 2−カルバモイル−4−ヒドロキシルピロリジン−1−カルボキシラート(5.8g)を得た。MS(ESI) m/z 231.1 [M + H]+
ステップ2:(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。ジクロロメタン(120mL)における(2R,4S)−tert−ブチル 2−カルバモイル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート(5.8g、25mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(4.3g、31mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(3.7g、31mmol)を0℃で添加した。この混合物を、0℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を水(100mL)で希釈し、ジクロロホルム(120mL×3)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、無色の油として(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(7.1g)を得た。MS(ESI) m/z 335.2 [M + H]+
ステップ3:(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成。25℃のテトラヒドロフラン(120mL)における(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(7.2g、22mmol)の溶液に、ローソン試薬(4.8g、12mmol)を添加した。得られた混合物を、55℃で16時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、50mLの水で希釈し、酢酸エチル(50mL×4)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、緑色の固体として(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(4.9g)を得た。MS(ESI) m/z 351.1[M + H]+
ステップ4:エチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。エタノール(110mL)における(2R,4S)−tert−ブチル 4−(ベンゾイルオキシ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(4.9g、14mmol)の溶液に、エチル 3−ブロモ−2−オキソプロパノアート(4.1g、21mmol)および炭酸カルシウム(4.0g、40mmol)を添加した。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌した。固体をろ過し、ろ液を濃縮し、粗製生成物を入手し、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製し、黄色の油としてエチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(4.2g)を得た。MS(ESI) m/z 447.2 [M + H]+
ステップ5:エチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。塩酸/酢酸エチル(3M、20mL)におけるエチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(2.7g、6.1mmol)の溶液を、室温で1時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、水酸化ナトリウム(水溶液)でpHを約8に中和した後、酢酸エチル(40mL×4)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、黄色の油としてエチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(2.0gの粗製物)を得た。これを、さらに精製することなく次のステップに使用した。MS(ESI) m/z 347.1 [M + H]+
ステップ6:エチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成。N,N−ジメチルホルムアミド(35mL)における6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(1.4g、6.9mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、3.3g、8.7mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(3.7g、29mmol)を添加した。混合物を、室温で20分間攪拌した。その後、エチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(2.0g、5.8mmol)を添加した。この混合物を、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を、30mLの水で希釈し、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、1Nの塩化リチウム(30mL×3)で洗浄した。この有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、黄色の固体としてエチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(2.1g)を得た。MS(ESI) m/z 525.1[M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO,回転異性体の混合物) δ 8.85 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.74−7.61 (m, 2H), 7.59−7.49 (m, 2H), 7.41 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 5.80 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.66 (s, 1H), 4.73 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 13.2, 4.0 Hz, 1H), 4.34−4.27 (m, 2H), 2.81−2.76 (m, 1H), 2.68−2.61 (m, 1H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
ステップ7:2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成。メタノール(30mL)およびテトラヒドロフラン(30mL)におけるエチル 2−((2R,4S)−4−(ベンゾイルオキシ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(600mg、1.1mmol)の溶液に、水酸化リチウム(2M、2.0mL、4.0mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間攪拌した。この混合物を、塩酸(2N)でクエンチし、pHを6に調節した。溶媒を除去した後、粗製生成物を、RP−LC(アセトニトリル水溶液:10〜95%)により精製して、白色の固体として2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(329mg)を得た。MS(ESI) m/z 393.0 [M + H]+
ステップ8:2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)における2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(119mg、0.3mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、171mg、0.5mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(193mg、1.5mmol)を添加した。この混合物を、室温で20分間攪拌した。次に、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(122mg、0.3mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を、10mLの水で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、1Nの塩化リチウム(10mL×3)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=12:1)により精製し、無色の油として2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(179mg)を得た。MS(ESI) m/z 776.3 [M + H]+
ステップ9:2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成。塩酸/酢酸エチル(3N、5mL)における2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(141mg、0.2mmol)を、室温で1時間攪拌した。溶媒を除去し、粗製生成物を、RP−HPLC(ACN/H
2O中0.1%のNH
3)により精製し、白色の固体として2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(45mg)を得た。MS(ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.86 (s, 0.84 H), 8.81 (s, 0.16 H), 8.41 (s, 0.84 H), 8.34 (s, 0.16 H), 8.18 (s, 0.84 H), 8.05 (s, 0.16 H), 7.72 (d, J = 9.6 Hz, 0.84 H), 7.55 (d, J = 9.6 Hz, 0.16 H), 7.41 (dd, J = 1.6, 10.0 Hz, 0.84 H), 7.32 (dd, J = 1.6, 10.0 Hz, 0.16 H), 6.77−6.75 (m, 0.16 H), 5.59 (t, J = 8.0 Hz, 0.84 H), 4.46−4.41 (m, 2.0 H), 4.29−4.18 (m, 2.0 H), 3.01 (t, J = 6.4 Hz, 2.0 H), 2.66 (s, 3.0 H), 2.40−2.38 (m, 1.0 H), 2.31−2.28 (m, 1H), 1.77−1.67 (m, 2 H), 1.48−1.44 (m, 2 H), 1.30−1.26 (m, 2 H)
2−((2R,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(8)
化合物8を、化合物7の合成で使用した方法と同様の方法ではあるが、ステップ8では(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用して、合成した。MS(ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.91 (d, J = 1.2 Hz, 0.84 H), 8.85 (s, 0.14 H), 8.46 (s, 0.86 H), 8.38 (s, 0.14 H), 8.23 (s, 0.86 H), 8.10 (s, 0.14 H), 7.77 (d, J = 9.6 Hz, 0.86 H), 7.59 (d, J = 9.6 Hz, 0.14 H), 7.46 (dd, J = 2.0, 9.6 Hz, 0.86 H), 7.39 (dd, J = 1.6, 9.6 Hz, 0.14H), 6.81−6.77 (m, 0.14H), 5.64 (t, J = 8.0 Hz, 0.86H), 4.50−4.47 (m, 2H), 4.34−4.24 (m, 2H), 3.08 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.45−2.42 (m, 1H), 2.34−2.31 (m, 1H), 1.82−1.74 (m, 2H), 1.54−1.49 (m, 2H), 1.38−1.33 (m, 2H)
2−((2R,4R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(9)
化合物9を、(2R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸から、化合物7の合成で使用された方法と類似の方法で合成した。MS(ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.80 (s, 1 H), 8.41 (s, 1 H), 8.15 (s, 2 H), 7.72 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 7.50 − 7.44 (m,1 H), 5.63 − 5.60 (m, 1 H), 4.51 − 4.49 (m, 2 H), 4.46 − 4.40 (m, 2 H), 3.64 (br, 3 H), 3.06 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.66 − 2.65 (m, 3 H), 2.26 − 2.20 (m, 1 H), 1.84 − 1.66 (m, 2 H), 1.56 − 1.46 (m, 2 H), 1.48 − 1.44 (m, 2 H), 1.34 − 1.26 (m,4 H)
2−((2R,4R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(10)
化合物10を、化合物9の合成で使用した方法と同様の方法において、ステップ8では(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用して合成した。MS(ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO+D2O) δ 8.82 (s, 1H), 8.42 (s, 1 H), 8.14 (s, 2 H), 7.73 (d, J = 9.6 Hz, 1 H), 7.49 −7.43 (m,1 H), 5.62 −5.58 (m, 1 H), 4.48 − 4.40 (m, 3 H), 4.39 − 4.31(m, 1 H), 4.29 − 4.21 (m, 1 H), 3.64 (br, 3 H), 3.06 (t, J = 6.4 Hz, 2 H), 2.64 (s, 3 H), 2.24 − 2.20 (m, 2 H), 1.82 − 1.67 (m, 2 H), 1.50 −1.39 (m, 2 H), 1.33−1.22 (m, 4 H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(11)
ステップ1:(2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸の合成
テトラヒドロフラン(600mL)における(2S,4R)−4−アミノ−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(30g、0.13mol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム水溶液(Na2CO3、40g、240mLのH2O中0.377mol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、次に、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解したN−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(12.3g、36.45mmol)の溶液を、添加した。反応混合物を、室温で2時間攪拌し、真空内で濃縮し、テトラヒドロフランを除去した。この水層を、塩酸(1N)によりpHを6に調節し、酢酸エチルで抽出し、有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗製残渣の(2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(59g)を、白色の固体として入手し、さらに精製することなく次のステップに使用した。MS(ESI) m/z 353.1 [M−Boc]+
ステップ2:(2S,4R)−tert−ブチル4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成
ジオキサン(600mL)における(2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(59gの粗製物、0.13mol、1当量)、ピリジン(56.6mL、0.52mol、4当量)、およびジ−tert−ブチルジカルボナート(59.3mL、0.26mol、2当量)の混合物に、重炭酸アンモニウム(21g、0.26mol、2当量)を添加した。この混合物を、室温で16時間攪拌した。TLCは、出発物質が消失したことを示した。この混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1(酢酸エチルに対して))により精製し、白色の固体として(2S,4R)−tert−ブチル−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイル ピロリジン−1−カルボキシラート(58g)を得た。MS (ESI) m/z 452.2[M + H]+; 352.2 [M+H−Boc]+
ステップ3:(2S,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラートの合成
テトラヒドロフラン(500mL)における(2S,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシラート(59g、0.13mol、1当量)の溶液に、ローソン試薬(28.4g、71.5mmol、0.55当量)を添加した。得られた混合物を、55℃で12時間攪拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。この混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1〜1:1)により精製して、白色の固体として(2S,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(49.8g)を得た。MS(ESI) m/z 468.2 [M + H]+
ステップ4:エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
エタノール(60mL)における(2S,4R)−tert−ブチル 4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシラート(49.8g、106.6mmol、1当量)の溶液に、エチル 3−ブロモ−2−オキソプロパノアート(20mL、31g、160mmol、1.5当量)および炭酸カルシウム(32g、320mmol、3当量)を添加した。得られた混合物を、70℃で5時間攪拌した。TLCは、出発物質が完全に消失したことを示した。この混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣を、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して、溶液5(solution of 5)およびde−Boc生成物6を入手し、これに、トリエチルアミン(44.4mL、32.3g、320mmol、3当量)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(36.4mL、34.58g、160mmol、1.5当量)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌し、濃縮した。この残渣を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜2:1)により精製し、褐色の固体としてエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(26g)を得た。MS (ESI) m/z 564.2 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.09 (s, 1 H), 7.74−7.76 (m, 2 H), 7.57−7.56 (m, 2 H), 7.42−7.39 (m, 2 H), 7.33−7.26 (m, 2 H), 5.35−5.24 (m, 1 H), 4.89 (s, 1 H), 4.43−4.39 (m, 4 H), 4.33−4.30 (m, 1 H), 4.21−4.18 (m, 1 H), 3.93−3.85 (m, 1 H), 3.47−3.26 (m, 1 H), 2.69−2.24 (m, 2 H), 1.46−1.32 (m, 12 H)
ステップ5:エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
塩酸/酢酸エチル(3N、500mL)におけるエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(26g、46.2mmol)の溶液を、室温で4時間攪拌した。この混合物を、濃縮し、水で希釈し、pHを飽和炭酸水素ナトリウム溶液で8に調節し、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、褐色の固体としてエチル2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(22g)を得た。MS (ESI) m/z 464.2 [M + H]+
ステップ6:エチル 2−(2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)における7−クロロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(1.65g、8.41mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、3.7mg、9.71mmol)、エチルジイソプロピルアミン(4.2g、32.4mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で30分間攪拌した。エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(3.0g、6.47mmol)を添加した。この混合物を室温で2時時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜1:1)により精製し、黄色の固体としてエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(3.0g)を得た。MS(ESI) m/z 642.2 [M + H]+
ステップ7:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
メタノール(10mL)およびテトラヒドロフラン(10mL)におけるエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(2.0g、3.11mmol)の溶液に、水酸化リチウム水溶液(2N、4mL、8.0mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で12時間攪拌した。この混合物を濃縮して、水溶液として2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸を入手し、さらに精製することなく次のステップに直接使用した。MS (ESI) m/z 392.1 [M + H]+
ステップ8:2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
水(10mL)、メタノール(10mL)、およびテトラヒドロフラン(10mL)における2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(3.11mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.80g、18.5mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(1.6g、7.4mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で3時間攪拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、RP−LC(アセトニトリル水溶液:10%〜95%)により精製し、白色の固体として2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(700mg)を得た。MS (ESI) m/z 492.1 [M + H]+
ステップ9:2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)における2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(90mg、0.2mmol)の溶液に、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、200mg、1.5mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、117mg、0.61mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、41mg、0.3mmol)および(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(853.5mg、2.78mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣を50mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、RP−HPLC(ACN/H2O中0.1%のNH3)により精製して、白色の固体として2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(80mg)を得た。MS (ESI) m/z 875.4 [M + H]+
ステップ10:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(11)の合成
塩酸/酢酸エチル(3N、10mL)における2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(80mg、0.09mmol)の溶液を、室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を凍結乾燥して、黄色の固体として2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(40mg)を得た。MS (ESI) m/z 575.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.97 (d, J = 1.2 Hz, 0.75 H), 8.91 (s, 0.25 H), 8.57 (s, 0.75 H), 8.48 (s, 0.25 H), 8.24 (s, 0.75 H), 8.16 (s, 0.25 H), 7.76 (d, J = 10.0 Hz, 0.75 H), 7.62 (d, J = 10.0 Hz, 0.25 H), 7.55 (dd, J = 1.6; 9.6 Hz, 0.75 H), 7.45 (dd, J = 1.6; 9.6 Hz, 0.25 H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 0.25 H), 5.79 (t, J = 6.8 Hz, 0.75 H), 4.57−3.99 (m, 4.0 H), 3.09 (t, J = 7.2 Hz, 2.0 H), 2.78−2.64 (m, 2.0 H), 2.61 (s, 3H), 1.78−1.67 (m, 2 H), 1.52−1.43 (m, 2 H), 1.35−1.23 (m, 2 H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(12)
化合物12を、ステップ9において出発物質として(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 575.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.03 (s, 1H), 8.79−8.76 (br, 3H), 8.63 (s, 1H), 8.25−8.22 (m, 2H), 8.17−8.13 (m, 1H), 7.88−7.78 (m, 2H), 7.66−7.58 (m, 1H), 7.49−7.00 (br, 3H), 5.80 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.57−4.53 (m, 1H), 4.49−4.43 (m, 2H), 4.11−4.00 (m, 1H), 3.10−3.16 (m, 2H), 2.67−2.66 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 1.79−1.72 (m, 2H), 1.49−1.46 (m, 2H), 1.34−1.28 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(13)
ステップ1:エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)におけるイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(262mg、1.62mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、616mg、1.62mmol)、エチルジイソプロピルアミン(697mg、5.40mmol)を添加した。得られた混合物を室温で30分間攪拌した。エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(500mg、1.08mmol)を添加した。この混合物を、室温で12時間攪拌した。混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解し、1Nの塩化リチウムで洗浄した。有機層を濃縮して、褐色の固体としてエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートを得た。MS(ESI) m/z 608.2 [M + H]+
ステップ2:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
メタノール(4mL)およびテトラヒドロフラン(4mL)におけるエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(655mg、1.08mmol)の溶液に、水酸化リチウム(2N、2.16mL、4.32mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で12時間攪拌した。この混合物を濃縮して、2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(385mgの粗製物)を入手し、次のステップに直接使用した。MS (ESI) m/z 358.0 [M + H]+
ステップ3:2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
メタノール(4mL)およびテトラヒドロフラン(4mL)における2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(385mg、1.08mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.3mL、2.16mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc2O、0.5mL、2.16mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。この混合物を濃縮し、水に溶解し、ヘキサンを添加し、水で抽出した。水層のpHを、1Nの塩酸で約4に調節し、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を濃縮し、RP−LC(アセトニトリル水溶液:10%〜95%)により精製して、白色の固体として2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(280mg)を得た。MS(ESI) m/z 458.1 [M + H]+
ステップ4:2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成
N,N−ジメチル−ホルムアミド(3mL)における2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(140mg、0.306mmol)の溶液に、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、151mg、1.53mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、147mg、0.765mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、50mg、0.368mmol)を添加した。室温で0.5時間攪拌した後、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(148mg、0.368mmol)を添加し、混合物を、室温で12時間攪拌した。混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解し、1Nの塩化リチウムで洗浄した。有機層を、濃縮し、RP−HPLC(ACN/H2O中0.1%のNH3)により精製して、白色の固体として2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(110mg)を得た。MS (ESI) m/z 841.4 [M + H]+
ステップ5:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(13)の合成
塩酸/酢酸エチル(3N、20mL)における2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(110mg、0.131mmol)の溶液を、室温で24時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を凍結乾燥して、ピンク色の固体として2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド塩(60mg)を得た。MS (ESI) m/z 541.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.89−8.74 (m, 5H), 8.29−8.10 (m, 3H), 7.87−7.63 (m, 3H), 7.56−6.94 (br, 4H), 5.82 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.65−4.36 (m, 4H), 4.15−4.02 (m, 2H), 3.11−3.06 (m, 2H), 2.74−2.63 (m, 2H), 2.60 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 1.78−1.67 (m, 2 H), 1.52−1.43 (m, 2 H), 1.35−1.23 (m, 2 H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(14)
ステップ1:エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
25℃のN,N−ジメチル−ホルムアミド(5mL)における1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(200mg、1.4mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、814mg、2.1mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(553mg、4.3mmol)を添加した。この混合物を室温で20分間攪拌し、次に、エチル2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(500g、1.1mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌し、濃縮した。残渣を、20mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、1Nの塩化リチウム(20mL×3)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、褐色の油としてエチル2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(837mg)を入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 586.1 [M + H]+
ステップ2:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
25℃のメタノール(5mL)、テトラヒドロフラン(5mL)、および水(1mL)におけるエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(900mg、0.6mmol)の溶液に、水酸化リチウム(1.3mL、2.6mmol)を添加した。添加後得られた混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮して、水溶液として2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸を入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 336.2 [M + H]+
ステップ3:2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸の合成
25℃の水(2mL)およびメタノール(8mL)における2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(0.6mmol)の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(117mg、1.0mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(Boc2O、207mg、1.0mmol)を添加した。得られた混合物を室温で4時間攪拌し、濃縮し、水(40mL)で希釈し、混合物を石油エーテル(40mL×3)で抽出した。水層のpHを、ハイドロクロライド(2N)で約6に調節し、濃縮した。残渣を、RP−LC(アセトニトリル水溶液:10%〜95%)により精製して、白色の固体として2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(140mg)を得た。MS (ESI) m/z 436.2 [M + H]+
ステップ4:2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成
25℃のN,N−ジメチル−ホルムアミド(3mL)における2−((2S,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(8,100mg、0.2mmol)の溶液に、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU、131mg、0.4mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(89mg、0.7mmol)を添加した。この混合物を、室温で20分間攪拌した。次に、(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミド(100mg、0.3mmol)を添加し、混合物を25℃で2時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をRP−HPLC(ACN/H2O中0.1%のNH3)により精製して、白色の固体として2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(130mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 11.49 (s, 1H), 8.29−8.26 (m, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.09−8.02 (m, 2H), 7.65−7.62 (m, 1H), 7.33−7.23 (m, 1H), 5.58 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.44−3.92 (m, 4H), 3.59−3.53 (m, 3H), 3.28−3.23 (m, 2H), 2.60 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 2.32−2.16 (m, 5H), 1.78−1.65 (m, 2H), 1.52−1.24 (m, 31H)
ステップ5:2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(14)の合成
塩酸/酢酸エチル(3N、10mL)における2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(130mg、0.16mmol)の溶液を、25℃で4時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を凍結乾燥して、黄色の固体として2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミドハイドロクロライド塩(65mg)を得た。MS (ESI) m/z 519.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.85 (s, 3H), 8.40 (s, 1H), 8.26−8.22 (m, 2H), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.49−7.05 (br, 2H), 5.77 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.46−4.11 (m, 4H), 3.99−3.91 (br, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.12−3.07 (m, 2H), 2.77−2.60 (m, 8H), 1.80−1.72 (m, 2H), 1.49−1.46 (m, 2H), 1.33−1.29 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−ベンゾイルピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(15)
化合物15を、ステップ1で安息香酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 501.0. [M + H]
+ 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.71−8.45 (m, 3H), 8.25−8.11 (m, 3H), 7.85−7.29 (m, 10H), 5.76−6.65 (m, 1H), 4.48−4.39 (m, 1H), 4.15−4.11 (m, 1H), 3.95−3.94 (m, 1H), 3.71−3.63 (m, 2H), 3.08 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.75−2.69 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.77−1.66 (m, 2 H), 1.50−1.41 (m, 2 H), 1.37−1.24 (m, 2 H)
(2S,4R)−3−クロロベンジル4−アミノ−2−(4−(((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバモイル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシラート(16)
化合物16を、ステップ2で開始し、エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(((3−クロロベンジル)オキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートを使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 565.0 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.73 (s, 3H), 8.25−8.06 (m, 3H), 7.81−7.79 (m, 1H), 7.49−6.97 (br, 9H), 5.53−5.42 (m, 1H), 5.13−4.97 (m, 2H), 4.44−4.42 (m,1H), 3.93−3.79 (m, 3H), 3.08 (s, 2H), 2.68−2.37(m, 5H), 1.76−1.71 (m, 2H), 1.49−1.46 (m, 2H), 1.36−1.21 (m, 2H)
エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(((3−クロロベンジル)オキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラートの合成
ジクロロメタン(4mL)における(3−クロロ−フェニル)−メタノール(149mg、1.04mmol)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI、169mg、1.04mmol)を添加した。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。次に、エチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(400mg、0.864mmol)を添加した。この混合物を室温で24時間攪拌した。この混合物を濃縮し、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、白色の固体としてエチル 2−((2S,4R)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−1−(((3−クロロベンジル)オキシ)カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキシラート(356mg)を提供した。MS (ESI) m/z 632.1 [M + H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(シクロヘキサンカルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(17)
化合物17を、ステップ1でシクロヘキサンカルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 507.3 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.85−8.07 (m, 8H), 7.82−6.97 (m, 4H), 5.82−5.47 (m, 1H), 4.44 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.04−3.76 (m, 3H), 3.11−3.08 (m, 2H), 2.61 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.57−2.34 (m, 3H), 1.78−1.63 (m, 6H), 1.49−1.45 (m, 2H), 1.40−1.16(m, 8H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−イソブチリルピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(18)
化合物18を、ステップ1でイソ酪酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 467.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.63 (br, 3H), 8.21 (s, 1H), 8.11−8.05 (m, 1H), 7.75−7.69 (m, 1H), 7.50−7.20 (br, 2H), 5.51−5.48 (m, 1H), 4.47−4.42 (m, 1H), 4.02−3.72 (m, 7H), 3.10−3.05 (m, 2H), 2.76−2.71 (m, 1H), 2.61 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.57−2.53 (m, 2H), 1.82−1.62 (m, 2H), 1.50−1.45 (m, 2H), 1.33−1.23 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(19)
化合物19を、ステップ1で6−トリフルオロメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 609.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.35−9.30 (m, 1H), 8.71−8.59 (m, 4H), 8.23−8.07 (m, 3H), 7.90−7.74 (m, 2H), 7.66−7.56 (m, 2H), 7.55−6.78 (m, 4H), 5.80 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.60−4.40 (m, 3H), 4.17−4.15 (m, 1H), 3.17−3.07 (m, 2H), 2.76−2.60 (m, 5H), 1.78−1.70 (m, 2H), 1.50−1.45 (m, 2H), 1.36−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(20)
化合物20を、ステップ1で6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 571.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.80 (br, 4H), 8.60 − 8.52 (m, 1H), 8.26 − 8.10 (m, 3H), 7.90 − 7.74 (m, 2H), 7.65 − 7.56 (m, 1H), 7.42 (br, 3H), 5.82 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.53 − 4.35 (m, 4H), 4.17 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.14 − 3.06 (m, 2H), 2.80 − 2.65 (m, 2H), 2.61 − 2.59 (m, 3H), 1.82 − 1.68 (m, 2H), 1.52 − 1.42 (m, 2H), 1.38 − 1.26 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(21)
化合物21を、ステップ1で6−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸を使用する、14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS(ESI) m/z 666.9. [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.14 (s, 1H), 8.78 (br, 3H), 8.61 (s, 1H), 8.24 (s, 2H), 8.20 − 8.09 (m, 1H), 7.90 − 7.74 (m, 2H), 7.70 − 7.56 (m, 1H), 7.52 − 6.72 (m, 3H), 5.80 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.60 − 4.50 (m, 2H), 4.48 − 4.40 (m, 4H), 4.03 (s, 1H), 3.15 − 3.05 (m, 2H), 2.80 − 2.62 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.85 − 1.65 (m, 2H), 1.52 − 1.40 (m, 2H), 1.38 − 1.26 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−1−アミノ−6−グアニジノ−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(22)の合成
化合物22を、ステップ9で(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−ヘキサンアミドを使用する、14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 561.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.06 (s ,1H), 8.80−8.76 (m, 3H), 8.66 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.17−8.12 (m, 1H), 7.86−7.80 (m,2H), 7.37 (br, 1H), 7.66−7.62 (m,1H), 7.54−6.80 (br,6H), 5.80 (t, J =7.2 Hz,1H), 4.55−4.42 (m, 3H), 4.12−4.11 (m, 1H), 3.13−3.08 (m, 2H), 2.74−2.62 (m, 2H), 1.83−1.73 (m, 2H), 1.50−1.47 (m, 2H),1.34−1.23 (m, 2H)
(S)−2−(2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−グアニジノヘキサン酸(23)
ステップ1:(S)−メチル 2−(2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジン−ヘキサノアートの合成
25℃のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)における2−((2R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸(150mg、0.305mmol)の溶液に、(S)−メチル 2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)ヘキサノアート((S)−2、122mg、0.305mmol)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、179mg、0.915mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI、146mg、0.762mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、42mg、0.305mmol)を添加した。得られた混合物を一晩攪拌した。溶媒を除去し、残渣を50mLの水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を、Prep−TLC(メタノール:ジクロロメタン=1:15)により精製して、白色の固体として(S)−メチル 2−(2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノヘキサノアート(70mg)を得た。MS (ESI) m/z 876.4 [M + H]+
ステップ2:(S)−2−(2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−グアニジノヘキサン酸(23)の合成
5mLのメタノールおよび5mLのテトラヒドロフランにおける(S)−メチル 2−(2−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノヘキサノアート(70mg、0.080mmol)の溶液に、5mLの水酸化リチウム(13mg、0.024mmol)水溶液を添加した。1時間後に、LCMSは、反応が完了したことを示し、混合物は濃縮された。この残渣を、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸/酢酸エチル(3N、10mL)を添加した。得られた混合物を、6時間攪拌し、濃縮した。残渣を、RP−HPLC(ACN/H
2O中0.1%のTFA)により精製して、白色の固体として(S)−2−(2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−6−グアニジノヘキサン酸ハイドロクロライド塩(30mg)を得た。MS (ESI) m/z 561.9 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.01 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.52−8.45 (m, 1H), 8.22 (br, 2H), 8.09−8.07 (m, 1H), 7.83−7.81 (m, 2H), 7.65−7.62 (m, 1H), 7.55−6.80 (m, 5H), 5.72 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.80−4.44 (m, 3H), 4.03−4.01 (m, 1H), 3.10−3.08 (m, 2H), 2.61(s, 3H), 2.45−2.41 (m, 2H), 1.82 (s, 3H), 1.81−1.72 (m, 2H), 1.49−1.46 (m, 2H), 1.33−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−1−(ジメチルアミノ)−6−グアニジノ−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(24)
化合物24を、ステップ9では(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−N,N−ジメチルヘキサンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 589.0 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.04 (s, 1H), 8.80−8.76 (m, 3H), 8.63 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.18−8.17 (m, 1H), 7.93−7.86 (m, 1H), 7.80 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.63−7.53 (m, 1H), 7.54−6.80 (br, 4H), 5.79 (t, J =7.2 Hz, 1H), 4.93−4.88 (m, 1H), 4.56−4.36 (m, 2H), 4.10−4.08 (m, 1H), 3.12−3.04 (m, 2H), 3.08 (s, 3H), 2.86 (s, 3H), 2.73−2.59 (m, 2H), 1.77−1.67 (m, 2H), 1.51−1.44 (m, 2H), 1.37−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(25)
化合物25を、ステップ9でtert−ブチル(S)−(5−アミノ−6−(メチルアミノ)−6−オキソヘキシル)カルバマートを使用する、化合物11と同じ反応順序により、合成した。MS (ESI) m/z 533.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.04 (s, 1H), 8.80 (br, 3H), 8.63 (s, 1H), 8.24−8.20 (m, 2H), 8.16−8.08(m, 3H), 7.81−7.79(m, 1H), 7.62−7.60 (m, 1H), 5.80(t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.56−4.53 (m, 1H), 4.45−4.42(m, 2H), 4.13−4.02 (m, 1H), 2.74−2.60 (m, 7H), 1.81−1.72 (m, 2H), 1.59−1.58(m, 2H), 1.36−1.32(m, 2H)
N−((S)−6−アセトアミド−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)−2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(26)
化合物26を、ステップ9で(S)−6−アセトアミド−2−アミノ−N−メチルヘキサンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 575.0 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.97 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.74−8.67 (m, 3H), 8.55 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 8.16−8.08 (m, 2H), 7.93 (br, 1H), 7.77 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.56−7.53 (m, 1H), 5.80−5.65 (m, 1H), 4.69−4.00 (m, 4H), 3.00−2.97 (m, 2H), 2.86−2.59 (m, 5H), 1.78−1.70 (m, 5H), 1.41−1.23 (m, 4H)
ステップ1:(S)−ベンジル(6−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマートの合成
25℃の酢酸エチル(5mL)における(S)−ベンジル tert−ブチル(6−(メチルアミノ)−6−オキソヘキサン−1,5−ジイルジカルバマート(1.0g、2.5mmol)の溶液に、塩酸/酢酸エチル(3N、20mL)を添加した。添加後に、得られた混合物を、25℃で2時間攪拌した。混合物を濃縮して、白色の固体として(S)−ベンジル(6−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマート(800mg、粗製物)を入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 294.2 [M + H]+
ステップ2:(S)−ベンジル(6−アセトアミド−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマートの合成
ジクロロメタン(20mL)における(S)−ベンジル(6−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマート(400mg、1.21mmol)およびトリエチルアミン(1.38g、13.7mmol)の溶液を、25℃で10分間攪拌し、0℃に冷却した。塩化アセチル(129mg、1.64mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間攪拌した。水(25mL)およびジクロロメタン(25mL)を添加し、有機層を乾燥させ、濃縮して、白色の固体として(S)−ベンジル(6−アセトアミド−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマート(265mg)を入手し、さらに精製することなく次のステップに使用した。MS (ESI) m/z 336.2 [M + H]+
ステップ3:(S)−6−アセトアミド−2−アミノ−N−メチルヘキサンアミドの合成
臭化水素(酢酸中3N、1mL)における(S)−ベンジル(6−アセトアミド−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマート(50mg、0.15mmol)の溶液を2時間攪拌し、濃縮して、黄色の油として(S)−6−アセトアミド−2−アミノ−N−メチルヘキサンアミド(30mg、粗製物)を入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 202.2 [M + H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−1−(メチルアミノ)−1−オキソ−6−ウレイドヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(27)
化合物27を、ステップ9で(S)−2−アミノ−N−メチル−6−ウレイドヘキサンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と同様の方法で、合成した。MS (ESI) m/z 576.0 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.98 (s, 1H), 8.65 (s, 3H), 8.56 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.16−8.08 (m, 2H), 7.77 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 5.79 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 5.30−5.29 (br, 4H), 4.55−4.00 (m, 4H), 2.99 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.68−2.60 (m, 5H), 1.77−1.69 (m, 2H), 1.42−1.24 (m, 4H)
ステップ1:(S)−ベンジル(1−(メチルアミノ)−1−オキソ−6−ウレイドヘキサン−2−イル)カルバマートの合成
ハイドロクロライド(0.5mL)および水(1mL)における(S)−ベンジル(6−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)カルバマート(157mg、0.54mmol)の混合物に、シアン酸カリウム(437mg、0.5mLのH2O中5.4mmol)を添加した。この混合物を90℃で4時間攪拌し、水(10mL)で希釈した。水層を、NaOH(2N)水溶液で、pH約8に中和した。固体を沈殿させ、ろ過して、(S)−ベンジル(1−(メチルアミノ)−1−オキソ−6−ウレイドヘキサン−2−イル)カルバマート(310mg)を、白色の固体として入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 337.2 [M + H]+
ステップ2:(S)−2−アミノ−N−メチル−6−ウレイドヘキサンアミドの合成
臭化水素(酢酸中3N、1mL)における(S)−ベンジル(1−(メチルアミノ)−1−オキソ−6−ウレイドヘキサン−2−イル)カルバマート(40mg、0.12mmol)の混合物を、25℃で2時間攪拌し、濃縮して、黄色の油として(S)−2−アミノ−N−メチル−6−ウレイドヘキサンアミド(59mg、粗製物)を入手し、さらに精製することなく使用した。MS (ESI) m/z 203.1 [M + H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−5−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(28)
化合物28を、ステップ9で(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルペンタンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 561.0 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.93 (s, 1H), 8.60−8.58 (br, 3H), 8.49(s, 1H), 8.23(s ,1H), 8.21−8.13(m, 1H), 7.86−7.72(m, 2H), 7.58−6.8 (m, 4H), 5.78(t, J = 8.4 Hz, 1H), 4.59−4.43 (m, 3H), 4.10−4.00 (m, 1H), 3.14−3.09 (m, 2H), 2.67−2.55 (m, 5H), 1.82−1.70 (m, 2H), 1.47−1.44 (m, 2H)
ステップ1:(S)−2−ベンジルカルバマート−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−ペンタンアミドの合成
25℃のジクロロメタン(10mL)における(S)−ベンジル(5−アミノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソペンタン−2−イル)カルバマート(粗製物、2.1mmol)および1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオプソイド尿素(0.915g、3.15mmol)の溶液に、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、1.34g、10.5mmol)を添加した。添加後に、得られた混合物を、25℃で一晩攪拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、無色の油として(S)−2−ベンジルカルバマート−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−ペンタンアミド(560mg)を得た。MS (ESI) m/z 522.1 [M + H]+
ステップ2:(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルペンタンアミドの合成
25℃のメタノール(20mL)における(S)−2−ベンジルカルバマート−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−ペンタンアミド(560mg、1.07mmol)の溶液に、Pd/C(56mg、10%)を添加した。得られた混合物を、水素雰囲気下、室温で一晩攪拌した。Celiteのパッドを介してろ過した後、ろ液を濃縮して、無色の油として(S)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルペンタンアミド(300mg)を得た。MS (ESI) m/z 380.4 [M + H]
+
(S)−2−(2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド)−N1−メチルペンタンジアミド(29)
化合物29を、ステップ9で(S)−2−アミノ−N1−メチルペンタンジアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 532.9 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.92−8.88 (m, 1H), 8.56−8.35 (m, 5H), 8.20−8.06 (m, 2H), 7.74−7.62 (m, 1H), 7.48−7.39 (m, 2H), 6.97−6.86 (m, 1H), 5.77 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.57−4.53 (m, 1H), 4.49−4.44 (m, 1H),4.39−4.30 (m, 1H), 4.25−4.23 (m, 1H), 2.60−2.58 (m, 5H), 2.14−2.10 (m, 2H), 2.02−1.88 (m, 2H)
N−((S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−(メチルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(30)
化合物30を、ステップ9で(S)−2−アミノ−N−メチル−3−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 541.9 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 14.66 (br, 1H), 14.44 (br,1H), 9.03−8.94 (m, 2H), 8.80−8.74 (m, 3H), 8.56−8.40 (m, 2H), 8.29−8.13 (m, 2H), 7.76 (d, J = 9.6 Hz,1H), 7.59−7.39 (m, 2H), 5.78 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.78−4.76 (m, 1H), 4.60−4.55 (m, 1H), 4.49−4.42 (m, 1H), 4.15−4.08 (m,1H), 3.30−3.23 (m, 2H), 2.64−2.62 (m, 2H), 2.61 (s, 3H)
N−((S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(メチルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(31)
化合物31を、ステップ9で(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−メチルプロパンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.2 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 10.83 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.11−7.94 (m, 3H), 7.71 (d, J = 4.0 Hz, 1H),7.57 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.42−7.31 (m, 2H), 7.14−6.96 (m, 3H), 5.63−5.57 (m, 1H), 4.68−4.64 (m, 1H), 4.40−4.35 (m, 1H), 3.98−3.70 (m, 2H), 3.57−3.43 (m, 4H), 3.20−3.18 (m, 2H), 2.58 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 2.31−2.11 (m, 2H)
(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−メチルプロパンアミド
エタノール(5mL)における(S)−メチル2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノアート(254mg、1.0mmol)およびメチルアミン(5mL、10mmol)の溶液を、48時間にわたり40℃で加熱した。この混合物を真空内で濃縮して、黄色の固体として(S)−2−アミノ−3−(1H−インドール−3−イル)−N−メチルプロパンアミド(130mg)を得た。MS (ESI) m/z 218.1 [M + H]
+
N−((S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(メチルアミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(32)
化合物32を、ステップ9で(S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メチルプロパンアミドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 568.1 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.88 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.05−7.96 (m, 3H), 7.73 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.43−7.40 (m, 1H), 7.00 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 6.66 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.63−5.60 (m, 1H), 4.58−4.55 (m, 1H), 4.42−4.37(m, 1H), 3.92−3.88 (m, 1H), 3.72−3.69 (m, 1H), 2.99−2.89 (m, 2H), 2.60−2.51 (m, 3H), 2.27−2.15 (m, 2H)
(S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メチルプロパンアミド
エタノール(5mL)における(S)−メチル2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノアート(231mg、1.0mmol)およびメチルアミン(2N、5mL、10mmol)の溶液を、密閉したチューブの中で、40℃で48時間加熱した。冷却後に、この混合物を真空内で濃縮して、表題の化合物(S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メチルプロパンアミド(120mg)を黄色の固体として得た。MS (ESI) m/z 195.1 [M + H]
+
2−((S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(33)
化合物33を、ステップ1で(S)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物3の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 560.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.9 (br, 2H), 7.72 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 10, 1.6 Hz, 1H), 5.57(m, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 4.44−4.34 (m, 2H), 4.18−4.11 (m, 1H), 3.78−3.72 (m, 1H), 3.05−3.01 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.46−2.32 (m, 2H), 2.17−2.06(m, 2H), 1.80−1.63 (m, 2H), 1.51−1.42 (m, 2H), 1.36−1.20(m, 2H)
2−((S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(34)
化合物34を、ステップ1で(S)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物4の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 560.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.9 (br, 2H), 7.72 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 10, 1.6 Hz, 1H), 5.57(m, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 4.44−4.34 (m, 2H), 4.18−4.11 (m, 1H), 3.78−3.72 (m, 1H), 3.05−3.01 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.46−2.32 (m, 2H), 2.17−2.06(m, 2H), 1.80−1.63 (m, 2H), 1.51−1.42 (m, 2H), 1.36−1.20 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アセトアミド−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(35)
化合物35を、ステップ1で2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−カルボン酸を使用する、化合物5の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 617.0 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.01 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.52−8.45 (m, 1H), 8.22 (br, 2H), 8.09−8.07 (m, 1H), 7.83−7.81 (m, 2H), 7.65−7.62(m, 1H), 7.55−6.80(m, 5H), 5.72 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.80−4.44 (m, 3H), 4.03−4.01 (m, 1H), 3.10−3.08 (m, 2H), 2.61(s, 3H), 2.45−2.41(m, 2H), 1.82 (s, 3H), 1.81−1.72 (m, 2H), 1.49−1.46 (m, 2H), 1.33−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4S)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(36)
化合物36を、化合物1の合成で使用した方法と同様の方法ではあるが、ステップ4で(2S,4S)−4−アミノ−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸を使用して開始することにより、合成した。MS (ESI) m/z 575.2 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.99 (s, 1H), 8.81 (br, 3H), 8.54 (s, 1H), 8.35 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.25−8.15 (m, 2H), 7.83−7.76 (m, 2H), 7.53−7.51 (m, 3H), 7.41−6.81 (m, 3H), 5.68−5.65 (m, 1H), 4.70−4.66 (m, 1H), 4.34−4.28 (m, 2H), 4.00 (s, 1H), 3.13−3.10 (m, 2H), 2.82−2.76 (m, 1H), 2.68−2.56(m, 4H), 1.80−1.78 (m, 2H), 1.48−1.46 (m, 2H), 1.36−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4S)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(37)
化合物37を、ステップ1で(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物7の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.86 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.81 − 8.75 (m, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.26 − 8.18 (m, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.82 − 7.60 (m, 4H), 7.42 − 7.39 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 5.60 − 5.54 (m, 1H), 4.50 − 4.24 (m, 4H), 3.54 − 3.52 (m, 1H), 3.08 − 2.98 (m, 2H), 2.65 − 2.60 (m, 3H), 2.18 − 2.14 (m, 1H), 2.03 − 1.95 (m, 1H), 1.70 − 1.64 (m, 2H), 1.52 − 1.42 (m, 2H), 1.38 − 1.28 (m, 2H)
2−((2S,4R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(38)
化合物38を、ステップ1で(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸を使用する、化合物7の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 576.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO、回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.73 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 5.59 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.46−4.42 (m, 2H), 4.30−4.19 (m, 2H), 3.77−3.18 (m, 4H), 3.03−3.02 (m, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.38−2.36 (m, 1H), 2.28−2.25(m, 1H), 1.75−1.68 (m, 2H), 1.46−1.45 (m, 2H), 1.32−1.27(m, 2H)
2−((2S,4R)−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(39)
化合物39を、ステップ1で(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸およびステップ8で(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用する、化合物7の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 776.3 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 11.50 (s, 1H), 8.87 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.31−8.26 (m, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.08−8.03 (m, 2H), 7.72 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 9.6, 2.4 Hz, 1H), 5.59 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.45−4.18 (m, 4H), 3.26−3.23 (m, 2H), 2.62 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.42−2.24 (m, 2H), 1.76−1.64 (m, 2H), 1.50−1.38 (m, 2H)
2−((2S,4R)−1−(2−ナフトイル)−4−アミノピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(40)
化合物40を、ステップ1で2−ナフトエ酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 551.2 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.81 (br, 1H), 8.56 (s, 3H), 8.28−8.00 (m, 7H), 7.75−7.62 (m, 4H), 5.81 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.50−4.45 (m, 1H), 4.26−4.21 (m, 1H), 4.14 (br, 4H), 4.05−3.97 (m, 1H), 3.73 (d, J =12.0 Hz, 1H), 3.12−3.07 (m, 2H), 2.78−2.63 (m, 5H), 1.81−1.71 (m, 2H), 1.48−1.47 (m, 2H), 1.33−1.31 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(3−クロロキノリン−6−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(41)
化合物41を、ステップ1で3−クロロキノリン−6−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 586.0 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.04 (br, 2H), 8.95 − 8.75 (m, 3H), 8.55 − 8.15 (m, 4H), 8.04 − 7.90 (m, 2H), 7.68 − 6.88 (m, 3H), 5.85 (br, 1H), 4.91 − 4.40(m, 4H), 4.38 − 4.18 (m, 1H), 4.15 − 3.98 (m, 1H), 3.78 (d, J = 9.2 Hz ,1H), 3.13 (s, 2H), 2.88 − 2.68 (m, 2H),, 2.65 (s, 3H), 1.88 − 1.71 (m, 2H), 1.50 (br, 2H), 1.35 (br, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロキノリン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(42)
化合物42を、ステップ1で6−クロロキノリン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 568.1 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.78 (s, 2H), 8.62−8.46 (m, 3H), 8.27−8.18 (m, 4H), 8.16−7.91 (m, 2H), 7.90−6.40 (m, 4H), 6.43−5.81 (m, 1H), 4.71−4.68 (m, 2H), 4.49−4.40 (m, 2H), 4.18−4.07 (m, 2H), 3.12−3.08 (m, 2H), 2.75−2.71 (m, 2H), 2.69−2.62 (m, 3H), 1.81−1.67 (m, 2H), 1.48−1.45 (m, 2H), 1.35−1.29 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(3−クロロベンゾ[b]チオフェン−6−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(43)
化合物43を、ステップ1で3−クロロベンゾ[b]チオフェン−6−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.1 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.80−8.79 (br, 1H), 8.56 (br, 3H), 8.41 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.20−8.19 (m, 1H), 8.17−8.15 (m, 1H), 8.12 (s, 1H),7.93−7.91 (m, 1H), 7.75−7.30(m, 2H), 7.60−6.80(br, 3H), 5.79 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.21−4.17 (m, 1H), 4.03−3.96 (m, 1H), 3.70−3.67 (m, 1H), 3.11−3.06(m, 2H), 2.66(s, 3H), 1.80−1.71(m, 2H), 1.50−1.46 (m, 2H), 1.34−1.23 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(44)
化合物44を、ステップ1で3−クロロベンゾ[b]チオフェン−6−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.1 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.41 (br, 1H), 8.74−8.60 (m, 4 H), 8.25−8.05 (m, 6 H), 7.73 (d, J = 4.8 Hz, 1 H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.39−6.99 (br, 3H), 5.78 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.46−4.42 (m, 2H), 4.21−4.04 (m, 2H), 3.11−3.07 (m, 2H), 2.77−2.61 (m, 5H), 1.80−1.68 (m, 2H), 1.50−1.46 (m, 2H), 1.32−1.30 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(5−クロロベンゾ[d]チアゾール−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(45)
化合物45を、ステップ1で5−クロロベンゾ[d]チアゾール−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS(ESI) m/z 592.1 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.62−8.55 (m, 3H), 8.29−8.26 (m, 2H), 8.19−8.11 (m, 2H), 8.01−7.97 (m, 1H), 7.70−7.64 (m, 2H), 7.44−6.99 (m, 5H), 5.82−5.32 (m, 1H),4.55−4.50 (m, 1H), 4.47−4.42 (m, 1H), 4.18−4.10 (m, 2H), 3.11−3.05 (m, 2H), 2.88−2.84 (m, 1H), 2.72−2.67 (m, 1H), 2.62−2.60 (m, 3H), 2.03−1.96 (m, 2H), 1.79−1.69 (m, 2H), 1.49−1.45 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(5−グアニジノペンチル)チアゾール−4−カルボキサミド(46)
化合物46を、ステップ9で5−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジン−ペンチルアミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 518.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.00 (s, 1H), 8.74 (br, 3H), 8.44 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.85 (br, 1H), 7.78 − 7.75 (m, 1H), 7.64 − 7.44 (m, 2H), 7.40 − 6.80 (m, 2H), 5.77 (t, J = 6.4 Hz ,1H), 4.57− 4.52 (m, 1H), 4.45 − 4.38 (m, 3H), 4.16 (br, 1H), 3.31 − 3.23 (m, 2H), 3.15 − 3.05 (m, 2H), 2.78 − 2.64 (m, 2H), 1.60 − 1.47 (m, 4H), 1.41 − 1.25 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(4−カルバムイミドイルベンジル)チアゾール−4−カルボキサミド(47)
化合物47を、ステップ9で4−(アミノメチル)ベンズイミドアミドジヒドロハイドロクロライドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 523.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.41 (s, 2H), 9.18 (s, 3H), 8.97 (s, 1H), 8.69 (s, 3H), 8.54 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.82−7.73 (m, 3H), 7.63−7.33 (m, 3H), 5.78 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.58−4.53 (m, 3H), 4.51−4.46 (m, 1H), 4.17−4.16 (m, 1H), 2.68−2.63 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((6−アミノ−2,4−ジメチルピリジン−3−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(48)
化合物48を、ステップ9でtert−ブチル(5−(アミノメチル)−4,6−ジメチルピリジン−2−イル)カルバマートを使用する、化合物11の方法で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 525.0 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 14.23 (br, 1H), 9.06 − 8.95 (m, 1H), 8.76 (br, 5H), 8.20 (s, 1H), 7.84 − 7.42 (m, 4H), 6.66 (s, 1H), 5.76 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.56 − 4.49 (m, 1H), 4.32 (br, 2H), 4.09 (br, 2H), 2.72 − 2.58 (m, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.38 (s, 3H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((1−アミノイソキノリン−6−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(49)
化合物49を、ステップ9で6−(アミノメチル)イソキノリン−1−アミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 546.9 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 13.41(s, 1H), 9.25−9.17 (m, 3H), 8.92 (s, 1H), 8.62 (br, 2H), 8.60 (s, 1H), 8.58(s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.81 (s,1H), 7.73−7.59 (m, 3H), 7.47−7.43(m, 1H), 7.24−7.22(m, 1H), 5.79 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.67−4.65 (m, 2H), 4.55−4.52 (m, 2H), 4.15−4.10(m, 2H), 2.68−2.64 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(4−(アミノメチル)ベンジル)チアゾール−4−カルボキサミド(50)
化合物50を、ステップ9でtert−ブチル4−(アミノメチル)ベンジルカルバマートを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 510.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.06−9.02 (m, 1H), 8.97 (d, J =1.2 Hz, 1H), 8.71 (s, 3H), 8.52−8.45 (m, 4H), 8.19 (s, 1H), 7.74 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.52−7.43 (m, 3H), 7.36−7.34 (m, 2H), 5.77 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.57−4.44 (m, 4H), 4.16−4.12 (m, 1H), 3.99−3.96 (m, 2H), 2.63 (t, J = 6.4 Hz, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(4−カルバムイミドイルフェネチル)チアゾール−4−カルボキサミド(51)
化合物51を、ステップ9でtert−ブチル((4−(2−アミノエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマートを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 537.2 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.35 − 9.20 (m, 4 H), 8.90 (s, 1 H), 8.60 − 8.30 (m, 5 H), 8.15 (s, 1 H), 7.77 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.71 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 7.53 − 7.48 (m, 2 H), 7.47 − 7.40 (m, 1 H), 5.80 − 5.70 (m, 1 H), 4.61 − 4.50 (m, 1 H), 4.17 (br, 1 H), 3.98 (br, 1 H), 3.57− 3.52 (m, 2 H), 3.04 − 2.95 (m, 2 H), 2.70 − 2.56 (m, 2 H)
ステップ1:4−(2−ヒドロキシエチル)ベンズイミドアミドの合成
塩化アセチル(40mL)およびエタノール(80mL)の混合物に、4−(2−ヒドロキシエチル)ベンゾニトリル(4g、27.2mmol)を添加した。この混合物を、室温で16時間攪拌し、濃縮した。残渣を、アンモニア(メタノール中7N、150mL)で希釈し、室温で12時間攪拌した。この混合物を濃縮し、黄色の油として4−(2−ヒドロキシエチル)ベンズイミドアミド(4.5g)を入手し、次のステップに直接使用した。MS (ESI) m/z 165.1 [M+H]+
ステップ2:tert−ブチル((4−(2 ヒドロキシエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマートの合成
テトラヒドロフラン(100mL)および水(20mL)における4−(2−ヒドロキシエチル)ベンズイミドアミド(粗製物、27.2mmol)の溶液に、トリエチルアミン(18.8mL、136.0mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(12.4mL、54.4mmol)を添加した。この混合物を室温で3時間攪拌した。この混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。有機層を濃縮し、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、黄色の固体としてtert−ブチル((4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマート(5g)を得た。MS (ESI) m/z 265.1 [M+H]+
ステップ3:tert−ブチル((4−(2−アジドエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマートの合成
テトラヒドロフラン(40mL)におけるtert−ブチル((4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマート(2g、7.58mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(3.98g、15.2mmol)およびジエチルアゾジカルボキシラート(2.4mL、15.2mmol)を添加した。この混合物を室温で0.5時間攪拌した。ジフェニルホスホリルアジドを添加し、混合物を室温で12時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製し、黄色の油としてtert−ブチル((4−(2−アジドエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマート(2.1g)を得た。MS (ESI) m/z 290.2 [M+H]+
ステップ4:tert−ブチル((4−(2−アミノエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマートの合成
酢酸エチル(30mL)におけるtert−ブチル((4−(2−アジドエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマート(2.0g、6.9mmol)の懸濁液に、10%のPd/C(250mg)を添加し、混合物を25℃で2時間攪拌した。ろ過し、濃縮し、残渣を、20mLの酢酸エチルで希釈し、水(10mL×3)で抽出した。組み合わせた水層を濃縮して、白色の固体としてtert−ブチル((4−(2−アミノエチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバマート(180mg)を入手し、さらに精製することなく使用した。残りの有機層を濃縮して、黄色の油として粗製生成物(2.0g)を得た。MS (ESI) m/z 264.2 [M + H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(2−(6−アミノ−2,4−ジメチルピリジン−3−イル)エチル)チアゾール−4−カルボキサミド(52)
化合物52を、ステップ9で5−(2−アミノエチル)−4,6−ジメチルピリジン−2−アミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 539.1 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 14.05 (br, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.70−8.66(br, 4H), 8.50(s,1H), 8.15 (s, 1H), 7.73 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.59−7.56 (br, 2H), 7.47 (d, J =9.6 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H), 5.70 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.52−4.51 (m, 1H), 4.00−3.89 (m, 2H), 3.35−3.31 (m, 2H), 2.73 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.66 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.37 (s, 3H)
ステップ1:(E)−4,6−ジメチル−5−(2−ニトロビニル)ピリジン−2−アミンの合成
60mlの酢酸/ニトロメタン(V/V=1/1)における6−アミノ−2,4−ジメチルニコチンアルデヒド(1.3g、8.6mmol)の溶液に、酢酸アンモニア(1.98g、25.8mmol)を添加した。この混合物を90℃で24時間攪拌した。Celiteのパッドを介してろ過した後、ろ液を濃縮して、真空内で乾燥させた。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=40:10)により精製して、赤色の固体として(E)−4,6−ジメチル−5−(2−ニトロビニル)ピリジン−2−アミン(600mg)を得た。MS (ESI) m/z 194.0 [M + H]+
ステップ2:5−(2−アミノエチル)−4,6−ジメチルピリジン−2−アミンの合成
60mlのエタノールにおける(E)−4,6−ジメチル−5−(2−ニトロビニル)ピリジン−2−アミン(200mg、0.96mmol)の溶液に、Pd/C(20mg、10%)、1Nの塩化水素1mLを添加した。この混合物を、室温で24時間攪拌した。celiteのパッドを介してろ過した後、ろ液を濃縮して真空内で乾燥させ、青色の固体として5−(2−アミノエチル)−4,6−ジメチルピリジン−2−アミン(200mg、粗製物)を得た。MS (ESI) m/z 166.1 [M + H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(2−(1−アミノイソキノリン−6−イル)エチル)チアゾール−4−カルボキサミド(53)
化合物53を、ステップ9で6−(2−アミノエチル)−N,N−(ビス−tert−ブトキシカルボニル)−イソキノリン−1−アミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 561.1 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.87 (s, 1H), 8.43 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.11(d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.75 − 7.70 (m, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.42 − 7.39 (m, 1H), 7.36−7.32 (m, 1H), 6.84 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 6.68 (br, 2H), 5.61−5.58(m, 1H), 4.41−4.37 (dd, J = 2.4 Hz, 5.2 Hz, 1H), 3.92−3.85 (dd, J = 2.4 Hz, 5.2 Hz, 1H) 3.71 (t, J = 0.8 Hz, 1H), 3.52 − 3.50 (m, 2H), 2.99 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.27− 2.22 (m, 1H), 2.16−2.11 (m, 1H)
ステップ1:1−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノイソキノリン−6−カルボニトリルの合成
あらかじめ冷却した(0℃)ジクロロメタン(300mL)における1−アミノイソキノリン−6−カルボニトリル(2.0g、11.7mmol)の溶液に、トリエチルアミン(3.56g、35mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(143mg、1.16mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(5.08g、23mmol)を添加した。混合物を、大気温度で一晩攪拌し、真空内で濃縮して残渣を入手し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50:10)により精製し、白色の固体として1−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノイソキノリン−6−カルボニトリル(4g)を得た。MS (ESI) m/z 370.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.58 (d, J = 6.0 Hz,1H), 8.20 (s, 1H), 8.08 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.80−7.78 (m, 1H), 7.73 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 1.33 (s, 18H)
ステップ2:tert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−ホルミルイソキノリン−1−イル)ビカルバマートの合成
60mlのAcOH/ピリジン/H2O(V/V/V=1/2/1)における1−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノイソキノリン−6−カルボニトリル(2g、5.4mmol)の溶液に、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2、3.72g、43.5mmol)、Raney−Ni(200mg、10%)を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。混合物をろ過し、ろ液を、酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を濃縮して、粗製生成物を入手し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 40:10)により精製して、白色の固体としてtert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−ホルミルイソキノリン−1−イル)カルバマート(760mg)を得た。MS (ESI) m/z 373.2 [M+H]+
ステップ3:(E)−tert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−(2−ニトロビニル)イソキノリン−1−イル)カルバマートの合成
60mlのMeCN/ニトロメタン(V/V=1/2)におけるtert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−ホルミルイソキノリン−1−イル)カルバマート(660mg、1.77mmol)の溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(217mg、1.77mmol)を添加した。混合物を、室温で一晩攪拌した後、0℃に冷却し、酢酸無水物(270mg、2.66mmol)を添加した。0℃で0.5時間攪拌した後、混合物を濃縮した。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 40:10)により精製し、白色の固体として(E)−tert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−(2−ニトロビニル)イソキノリン−1−イル)カルバマート(400mg)を得た。MS (ESI) m/z 416.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.53 (d, J = 5.2 Hz,1H), 8.16 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.03(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.76−7.71 (m, 3H), 1.34 (m, 18H)
ステップ4:tert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−(2−アミノエチル)イソキノリン−1−イル)カルバマートの合成
60mlのエタノールにおける(E)−tert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−(2−ニトロビニル)イソキノリン−1−イル)カルバマート(400mg、0.96mmol)の溶液に、Pd/C(66mg、10%)、1NのHCl1mLを添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。Celiteでろ過した後、ろ液を真空内で濃縮して、赤色の固体としてtert−ブチル tert−ブトキシカルボニル(6−(2−アミノエチル)イソキノリン−1−イル)カルバマート(51mg)を得た。MS (ESI) m/z 388.1 [M+H]
+
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−(4−(アミノメチル)フェネチル)チアゾール−4−カルボキサミド(54)
化合物54を、ステップ9で4−(2−アミノエチル)ベンジルカルバマートを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 523.8 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.00 (s, 1H), 8.80 (br, 3H), 8.59 − 8.44 (m, 4H), 8.15 (s, 1H), 7.78 − 7.50 (m, 1H), 7.48 − 7.40 (m, 3H), 7.29 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.77 (t, J = 6.4 Hz ,1H), 4.58 − 4.40 (m, 2H), 4.14 (br, 1H), 4.05 (s, 2H), 3.98 (br, 1H), 3.54 − 3.40 (m, 2H), 2.90 − 2.84 (m, 2H), 2.74 − 2.60 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((7−クロロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(55)
化合物55を、ステップ9で(7−クロロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル)メタンアミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS(ESI) m/z 555.2 [M + H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.52−9.50 (m, 1H), 9.22−9.18 (m, 1H), 8.98−8.93 (m, 1H), 8.73 (br, 3H), 8.58−8.45 (m, 2H), 8.24−8.15 (m, 2H), 7.76−7.41 (m, 2H), 7.13−6.87 (m, 1H), 5.77−5.33 (m, 1H), 4.82−4.81 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.58−3.98 (m, 3H), 2.74−2.62 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((6−クロロナフタレン−2−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(56)
化合物56を、ステップ9で(6−クロロナフタレン−2−イル)メタンアミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.08 − 8.98 (m, 1 H), 8.86 (s, 1 H), 8.39 (s, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 8.01 (s, 1 H), 7.96 − 7.91 (m, 1 H), 7.90 − 7.85 (m, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 7.71 (d, J = 9.6 Hz, 1 H), 7.60 − 7.54 (m, 1 H), 7.52 − 7.45 (m, 1 H), 7.43 − 7.37(m, 1 H), 5.65 − 5.59 (m, 1 H), 4.65 − 4.59 (m, 2 H), 4.45 − 4.36 (m, 1 H), 3.94 − 3.85 (m, 1 H), 3.75 − 3.66 (m, 1 H), 3.60 (br, 1 H), 2.34 − 2.24 (m, 1 H), 2.20 − 2.10 (m, 1 H), 2.08 −1.90 (m, 1H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((R)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(57)
化合物57を、ステップ1で3−クロロベンゾ[b]チオフェン−6−カルボン酸およびステップ4で(R)−2−アミノ−6−(2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル))グアニジノ−N−メチルヘキサンアミドを使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.94 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.12−8.07 (m, 3H), 7.96−7.92 (m, 2H), 7.52−7.49 (m, 1H), 6.95 (s, 1H), 5.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.94−4.88 (m, 1H), 4.42−4.38 (m, 1H), 4.16 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.60−3.45 (m, 1H), 3.08−2.95 (m, 2H), 2.82−2.78 (m, 1H), 2.60 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.07−1.99 (m, 1H), 1.84−1.76 (m, 1H), 1.71−1.65 (m, 1H), 1.52−1.43 (m, 4H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((5−クロロ−1H−インダゾール−3−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(58)
化合物58を、ステップ9で(5−クロロ−1H−インダゾール−3−イル)メタンアミンハイドロクロライドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 555.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 9.01(t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.50 (br, 3H), 8.48 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.98−7.97 (m, 1H), 7.71 (d, J =10.0 Hz, 1H), 7.58 − 7.46 (m, 2H), 7.34−7.31(m, 1H), 5.78−5.75 (m, 1H), 4.78 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.51 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.99−3.97(m, 1H), 2.68−2.56 (m, 3H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((6−クロロ−1H−インダゾール−3−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(59)
化合物59を、ステップ9で(6−クロロ−1H−インダゾール−3−イル)メタンアミンハイドロクロライドを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 555.0 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.97−8.86 (m, 2H), 8.53−8.52 (m, 4H), 8.23 (s, 1H),7.88 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.46−7.44 (m, 1H), 7.07 (dd, J = 8.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 5.77−5.74 (m, 1H), 4.79 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 4.51 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.11−3.96(m, 2H), 2.75−2.59 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((1−アミノ−5,7−ジメチルイソキノリン−6−イル)メチル)チアゾール−4−カルボキサミド(60)
化合物60を、ステップ9で6−(アミノメチル)−5,7−ジメチルイソキノリン−1−アミンを使用する、化合物11の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 575.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.85 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.27 − 8.20 (m, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.80 − 7.69 (m, 2H), 7.39 (dd, J = 9.6, 2.0 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 6.60(br, 2H), 5.55 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.40 − 4.34 (m, 1H), 3.88 − 3.82 (m, 1H), 3.65 − 3.61 (m, 1H), 2.55(s, 3H), 2.54(s, 3H), 2.23 − 2.15(m, 1H), 2.12 − 2.05 (m, 1H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(5,6−ジクロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(61)
化合物61を、ステップ1で5,6−ジクロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 625.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.88−8.64 (br, 4H), 8.48 (s, 1H), 8.35−8.14 (m, 5H), 7.75−7.31 (m, 1H), 7.56−6.92 (m, 3H), 5.78 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.48−4.42 (m, 2H), 4.21−4.12 (m, 2H), 3.10−3.09 (m, 2H), 2.74−2.66 (m, 2H), 2.62 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 1.78−1.71 (m, 2H), 1.50−1.49 (m, 2H), 1.36−1.29 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(62)
化合物62を、ステップ1で6−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.51(br, 3H), 8.25 (s, 2H), 8.19−8.10 (m, 3H), 8.02 (d, J = 8.8 Hz,1 H), 7.70−7.63 (m, 1H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.27 (br, 3H), 5.78 (t, J = 7.6 Hz, 1H),4.46−4.43(m, 2H), 4.4.21−4.11 (m, 2 H), 3.11−3.06 (m, 2H), 2.74−2.64 ( m, 2H), 2.52 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.80−1.69 (m, 2H), 1.51−1.44 (m, 2H), 1.33−1.23 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(4−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(63)
化合物63を、ステップ1で4−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 591.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.63(br, 3H), 8.26 (s,1H), 8.21 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.97 (br, 1H), 7.60−7.58 (m, 1H), 7.52 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.46−6.88 (br, 4H), 5.80 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.58−4.54 (m, 1H), 4.46−4.43(m, 1H), 4.23−4.14 (m, 2H), 3.10−3.09 (m, 2H), 2.74−2.61(m, 2H), 2.51 (d, J = 0.8 Hz, 3H), 1.77−1.71 (m, 2H), 1.52−1.45 (m, 2H), 1.34−1.27 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(64)
化合物64を、ステップ1で5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 625.1 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.55 (br, 3H), 8.44 (s, 1H), 8.33 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.26−8.23 (m, 2H), 8.20−8.19 (m, 1H), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70−7.69 (m, 1H), 7.35 (br, 3H), 5.79 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.46−4.41(m, 2H), 4.4.21−4.11 (m, 2 H),3.11−3.06 (m, 2 H), 2.74−2.64 ( m, 2H), 2.52 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.80−1.69 (m, 2H), 1.51−1.44 (m, 2H), 1.33−1.23 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(65)
化合物65を、ステップ1で6−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 571.2 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.63 (br, 3H), 8.24−8.13 (m, 3H), 8.02 (s, 1H), 7.90−7.74 (m, 3H), 7.57−6.89 (m, 4H), 5.78 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.48−4.42 (m, 2H), 4.21 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 3.11−3.07 (m, 2H), 2.76−2.59 (m, 5H), 2.45 (s, 3H), 1.81−1.68 (m, 2H), 1.52−1.44 (m, 2H), 1.36−1.28 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(6−クロロキノリン−3−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(66)
化合物66を、ステップ1で6−クロロキノリン−3−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と類似の方法で合成した。MS (ESI) m/z 586.3 [M + H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6, 回転異性体の混合物) δ 9.11 (s, 1H), 8.98−8.85 (m, 1H), 8.77−8.75 (m, 1H), 8.64−8.58 (m, 2H), 8.37 (s, 1H), 8.31−8.14 (m, 3H), 8.08−7.92 (m, 1H), 7.86−7.73 (m, 1H), 7.43−6.99 (m, 3H), 5.82 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 4.50−4.44 (m, 4H), 4.28−4.23 (m, 1H), 4.08−4.03 (m, 1H), 3.82−3.79 (m, 1H), 3.12−3.07 (m, 2H), 2.82−2.68 (m, 2H), 2.64−2.61 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 1.84−1.69 (m, 2H), 1.51−1.45 (m, 2H), 1.36−1.27 (m, 2H)
2−((2S,4R)−4−アミノ−1−(2−クロロキノリン−6−カルボニル)ピロリジン−2−イル)−N−((S)−6−グアニジノ−1−(メチルアミノ)−1−オキソヘキサン−2−イル)チアゾール−4−カルボキサミド(67)
化合物67を、ステップ1で2−クロロキノリン−6−カルボン酸を使用する、化合物14の合成で使用した方法と同様の方法で合成した。MS(ESI) m/z 586.3 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体の混合物) δ 8.83 (br, 1H), 8.79−8.63 (m, 2H), 8.56 (s, 2H), 8.50−8.14 (m, 4H), 8.13−7.89 (m, 2H), 7.83−7.60 (m, 2H), 7.45−6.91 (m, 2H), 5.81 (t, J = 8 Hz, 1H), 4.50−4.45 (m, 1H), 4.32−4.19 (m, 1H), 4.01−3.99 (m, 2H), 3.75−3.72 (m, 1H), 3.12−3.06 (m, 2H), 2.79−2.59 (m, 5H), 1.82−1.68 (m, 2H), 1.52−1.45 (m, 2H), 1.36−1.27 (m, 2H)
実施例2:血漿カリクレインに対する例示的な式Iの化合物の阻害活性
これら例となる化合物を、蛍光発生ペプチド基質を使用する2つのアッセイ形式において、ヒトの活性化したカリクレイン酵素の阻害について評価した。1つのアッセイ形式では、試薬の濃度は、以下の通りであった:20mMのトリス(pH7.5)、1mMのEDTA、150mMの塩化ナトリウム、0.1%のPEG−400、0.1%のTriton X−100、500pMの活性化したカリクレイン酵素、300μMのPro−Phe−Arg−7−アミド−4−メチルクマリン基質。基質と反応を開始する前に、酵素および阻害剤を、室温で30分間プレインキュベートした。基質を用いて開始した後、反応物を、室温で10分間インキュベーションし、380nmの励起から460nmでの蛍光放射を、マイクロプレートリーダーを用いて測定した。別のアッセイ形式では、試薬の濃度は以下の通りであった:20mMのトリス(pH7.5)、1mMのEDTA、150mMの塩化ナトリウム、0.1%のPEG−400、0.1%のTriton X−100、5pMの活性化したカリクレイン酵素、300μMのPro−Phe−Arg−7−アミド−4−メチルクマリン基質。基質との反応を開始する前に、酵素および阻害剤を、室温で30分間プレインキュベートした。基質を用いて開始した後、反応物を、室温で18時間インキュベーションし、380nmの励起から460nmでの蛍光放射を、マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
表2は、アッセイの結果を提供する。表2に列挙した化合物では、EC
50値は、以下の範囲で報告されている:A≦0.1μM;0.1μM<B≦1.0μM;1.0μM<C≦5.0μM;5.0μM<D≦9.9μM;E>9.9μM
選択性
化合物11、33、および53を、セリンプロテアーゼの選択性のスクリーニングにおいて評価した。3つの化合物の全てはどれも、評価した化合物が選択された抗標的プロテアーゼの阻害活性を全く示さなかったため、pKalの選択的な阻害剤であった(表2)。またこれら結果は、pKalに対する活性の選択性が、式IのR
1位に対応するアミノ基の存在に依存していないことを示している。
均等物および範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、反対の意味が記載されているかまたは他の意味が文脈から明らかである場合を除き、1つまたは1超を意味し得る。あるグループの1つ以上のメンバーの間に「または(or)」を含む特許請求の範囲または説明は、反対の意味が記載されているかまたは他の意味が文脈から明らかである場合を除き、当該グループのメンバーのうちの1つ、1超、または全てが、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、または所定の生成物もしくはプロセスに関連する場合を満たすとみなされている。本発明は、グループのメンバーのうちの正確に1つが、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、または所定の生成物もしくはプロセスに関連する実施形態を含む。本発明は、グループのメンバーのうちの1超または全てが、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、または所定の生成物もしくはプロセスに関連する実施形態を含む。
さらに本発明は、列挙される特許請求の範囲の1つ以上からの1つ以上の限定、構成要素、付記項、および記述用語が別の特許請求項の範囲に導入されている、全てのバリエーション、組み合わせ、および並べ替えを包有する。たとえば、別の特許請求の範囲に従属している全ての特許請求の範囲は、同じベースの特許請求の範囲に従属している他のいずれかの特許請求の範囲で見いだされる1つ以上の限定を含むように変更され得る。構成要素が、リスト、たとえばマーカッシュグループの形式に提示される場合、構成要素の各下位群もまた開示されており、あらゆる構成要素が、このグループから除外され得る。全般的に、本発明または本発明の態様が特定の構成要素および/または特性を含むと表される場合、本発明または本発明の態様の特定の実施形態は、当該構成要素および/または特性からなるか、またはから本質的になることを理解されたい。簡素化する目的のために、これらの実施形態は、本明細書においてこれらの言葉では具体的に記載されていない。また、用語「〜を含む(comprisingおよびcontaining)」は、オープンであることが意図されており、追加的な構成要素またはステップの包有を許容することに留意されたい。範囲が提供されている場合、エンドポイントは含まれる。さらに、特段他が記載されていないかまたは文脈および当業者の理解から明らかではない限り、範囲として表されている値は、本発明の異なる実施形態において記載された範囲内の全ての特定の値または下位範囲を、文脈が他の意味を明記しない限り当該範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得る。
本出願は、全てが本明細書中参照により組み込まれている、様々な発行済みの特許、公開済みの特許出願、雑誌の論文、および他の刊行物を表す。組み込まれた参照文献のいずれかと本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が統制する。さらに、従来技術の範囲内にある本発明の特定の実施形態のいずれもが、特許請求の範囲のいずれかの1つ以上から明確に除外され得る。このような実施形態は当業者に知られているとみなされるため、これらは、この除外が本明細書中明記されていない場合であっても除外され得る。本発明の特定の実施形態はいずれも、従来技術の存在に関連するかどうかに関わらず、何らかの理由のため、いずれかの特許請求の範囲から除外され得る。
当業者は、単なる規定の実験を用いて、本明細書中記載の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または到達することができる。本明細書中記載の本発明の実施形態の範囲は、上記説明に限定されるように意図されてはおらず、むしろ添付の特許請求の範囲に記載される通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義される限り、この説明に対する様々な変更および修正が、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するものである。