[0033]ワクチン、例えばインフルエンザワクチンを形成するための方法および組成物を、本明細書中に提供する。該方法は、例えば、1以上のインフルエンザエピトープ、例えば1以上のA型インフルエンザエピトープ、例えば1以上のA型インフルエンザペプチドエピトープをコードする配列を使用して、組換えウイルスワクチン、例えば組換えアデノウイルスワクチンを作製することを含むことができる。1以上のエピトープは、“不変”配列、例えば、変異に対する忍容性が低い配列を含むことができる。1以上のエピトープは、実験的に確認されたヒトCD8 T細胞A型インフルエンザウイルスエピトープを含むことができる。組換えアデノウイルスは、少なくとも1、5、8、10、25、50、100、または1000のペプチドエピトープを発現することができる。いくつかの場合において、発現されたエピトープは、例えば、共有結合を介して、例えば、単一のポリペプチドにおいて連結されている。いくつかの場合において、発現されたエピトープは連結されておらず、例えば、各エピトープは、別個のプロモーター、別個の核酸、または別個のウイルスから発現されることができる。いくつかの場合において、1以上のエピトープは、Immune Epitope Database and Analysis Resource(worldwideweb.iedb.org)に記載されている。1以上のエピトープを含む単一のポリペプチドは、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザ由来の全長ウイルスタンパク(または全長ウイルスタンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%、またはそのようなタンパク質に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは100%の配列同一性を有する配列)の1つ、2つ、またはそれより多くのコピーに連結していることができる。
[0034]定義
[0035]本明細書中で使用される専門用語は、特定の場合を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形“1つの(a)”、“1つの(an)”および“その”は、文脈が明確にそわないことを示していない限り、複数形も包含することができる。さらに、用語“含有する(contains)”、“含有している(containing)”、“包含している(including)”、“包含する(includes)”、“有している(having)”、“有する(has)”、“伴う(with)”、またはそれらの変形が詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかで使用されている範囲において、そのような用語は、“含んでいる(comprising)”という用語と同様に包括的であることができる。
[0036]用語“約”または“およそ”は、当業者によって決定されるような特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味することができ、これは、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの限界に部分的に依存することができる。例えば、“約”は、所与の値における実施につき、1または1を超える標準偏差内を意味することができる。特定の値が出願および特許請求の範囲に記載されている場合、特記しない限り、“約”という用語は、“約”という用語によって修飾された値の±10%など、特定の値に対する許容可能な誤差範囲を意味することができる。
[0037]用語“ポリペプチド”およびその文法的等価物は、本明細書中で使用される場合、ペプチド(アミド)結合によって連結されたアミノ酸モノマーの連続的および非分枝状の鎖をさすことができ、該結合は、1つのアミノ酸のカルボキシル基が他のアミノ酸のアミノ基と反応するときに形成される共有化学結合であることができる。特記しない限り、用語“ポリペプチド”および“ペプチド”は、本明細書中で使用される場合、互換可能である。もっとも短いポリペプチドは、単一のペプチド結合によって結び付けられた2つのアミノ酸のみを有するジペプチドであることができる。本開示の目的に関し、これらの用語は、長さの上限に関して限定するものとして解釈されるべきではない。この用語はまた、天然アミノ酸の類似体、ならびに側鎖、キラリティー、または特性において修飾されているアミノ酸を包含することができる。
[0038]用語“核酸”、“ポリヌクレオチド”、“ポリ核酸”、および“オリゴヌクレオチド”およびそれらの文法的等価物は互換的に使用することができ、線状または環状コンフォメーションにあり、一本鎖または二本鎖形態のいずれかにある、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーをさすことができる。本開示の目的に関し、これらの用語は、長さの上限に関して限定するものとして解釈されるべきではない。この用語はまた、天然ヌクレオチドの類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート骨格)において修飾されているヌクレオチドを包含することができる。用語の修飾はまた、脱メチル化、CpGメチル化の付加、細菌メチル化の除去、および/または哺乳類メチル化の付加を包含することができる。一般に、特定のヌクレオチドの類似体は同じ塩基対合特異性を有することができる、すなわち、Aの類似体はTと塩基対合することができる。
[0039]本明細書で使用される用語“抗原”およびその文法的等価物は、1以上の受容体によって結合されることができる1以上のエピトープを含有する分子をさすことができる。例えば、抗原は、宿主の免疫系を刺激して、抗原が示された場合の細胞抗原特異的免疫応答、または体液性抗体応答をもたらすことができる。抗原はまた、単独で、または他の分子と組み合わせて存在する場合、細胞性および/または体液性応答を誘発する能力を有することができる。例えば、A型インフルエンザウイルスタンパク質は、TCRによって認識することができる。
[0040]本明細書で使用される用語“エピトープ”およびその文法的等価物は、抗体、B細胞、T細胞または人工細胞によって認識することができる抗原の一部をさすことができる。例えば、エピトープは、TCRによって認識されるA型インフルエンザウイルスエピトープであることができる。抗原内の複数のエピトープを認識することもできる。エピトープはまた、変異していることができる。
[0041]用語“変異”およびその文法的等価物は、本明細書で使用される場合、当技術分野で一般に理解されているようなオープンリーディングフレームを除去する変異を含む、欠失、異種核酸の挿入、逆位または置換をさすことができる。
[0042]用語“遺伝子”およびその文法的等価物は、本明細書中で使用される場合、個々のポリペプチド、タンパク質またはRNA(“コード配列”または“コード領域”ともよばれる)をコードする核酸のセグメントであって、コード配列の上流または下流に位置することができる関連する調節領域、例えば、プロモーター、オペレーター、ターミネーターなどと一緒であってもよいセグメントをさすことができる。
[0043]用語“天然に存在する”およびその文法的等価物は、本明細書においてウイルスに関して使用される場合、ウイルスを天然に見いだすことができる、すなわち、天然の供給源から単離することができ、そしてこれが意図的に改変されていないことを示すことができる。
[0044]本明細書で言及される用語“阻害する”、“低減する”、または“防止する”、またはこれらの用語の任意の変形は、所望の結果を達成するための任意の測定可能な減少または完全な阻害を包含することができる。
[0045]本明細書で使用される“プロモーター”およびその文法的等価物は、転写の開始および速度を制御する核酸配列の領域である制御配列であることができる。プロモーターは、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子などの調節タンパク質および調節分子が結合することができる遺伝的要素を含有することができる。用語“作動可能なように位置決めされた”、“作動可能なように連結された”、“制御下にある”および“転写制御下にある”は、プロモーターが、その配列の転写開始および/または発現を制御するように、核酸配列に対して正しい機能的位置および/または配向にあることを意味することができる。いくつかの場合において、プロモーターは、核酸配列の転写活性化に関与するシス作用性調節配列をさすことができる“エンハンサー”と共に使用してもよく、または使用しなくてもよい。
[0046]用語“対象”およびその文法的等価物は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、またはマウスを包含するがこれらに限定されない動物をさすことができる。用語“対象”および“患者”は、例えば、ヒト対象などの哺乳類対象に関して本明細書中で互換可能に使用することができる。
[0047]ワクチンに使用するためのエピトープの同定方法
[0048]本開示の一観点は、ワクチンに使用するためのエピトープの同定方法を提供する。該方法は、病原体、例えばウイルス、例えばRNAウイルス、例えばインフルエンザウイルス、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザウイルスのエピトープ配列の同定に使用することができる。いくつかの場合において、本明細書中に提供される方法は、ワクチンに使用のための、病原体、例えばウイルス、例えばRNAウイルス、例えばインフルエンザウイルス、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザウイルスのエピトープ配列の同定に関連して使用される。エピトープ配列は、PB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1、またはNEP/NS2のうちの1以上に由来することができ、またはこれらのうちの1以上に相同性を有することができる。
[0049]不変性または不変ペプチド領域は、例えば、2015年4月6日に出願された国際PCT出願公開WO/2015/157189に記載されているように決定することができる。該国際PCT出願公開を全体として本明細書中で参考として援用する。不変性は、病原体の適応度との関連でアミノ酸残基の機能的重要性を説明することができる。不変性は、病原体の適応度の程度であることができる。アミノ酸残基レベルにおいて、不変性は、変異に対するアミノ酸残基の忍容性、および、病原体の増殖能力、すなわち病原体の適応度に対するこの変異の有害性に、関連付けることができる。不変性は、病原体の生存におけるアミノ酸残基の役割と相関することができる。例えば、病原体の増殖に有害な影響を及ぼす病原体における変異は、破壊的変異とみなすことができ、病原体集団内での増殖が起こらないであろう。有害な変異と相関する関連するアミノ酸位置は、その変異が忍容されないので、不変であると特徴付けることができる。
[0050]該方法は、核酸ライブラリーの生成を含むことができる。いくつかの場合において、核酸ライブラリーは、特定の病原体株において生じることができるすべての考えうる変異のシミュレーションを、例えば、変異体A型インフルエンザウイルスまたはB型インフルエンザウイルスのプールを生成することによって、可能にすることができる。いくつかの場合において、該方法はさらに、病原体、例えばA型インフルエンザウイルスのプールの産生を支持するために、ライブラリーを細胞に導入することを含むことができる。場合によっては、該方法はさらに、細胞を病原体のプールで数回(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上)感染させ、結果として生じる病原体のプール、例えば、A型インフルエンザウイルスを得、そして第2のシークエンシングライブラリーを生成することを含むことができる。該方法はさらに、第2のシークエンシングライブラリーの核酸配列を得ることを含むことができる。いくつかの場合において、該方法はさらに、配列を比較して(例えば、ライブラリー由来の配列を、第2のライブラリー由来の配列、または最後の回の感染に由来するライブラリーと比較して)、不変配列領域、例えば不変ペプチド領域を得ることを、含むことができる。不変配列領域は、ストレッチ(stretch)におけるすべての考えうる変異の中で、<0.05、<0.08、<0.1、<0.2、<0.3、または<0.4の平均不変比(最終集団における変異体の頻度/初期集団における頻度)を有することができる。該方法はさらに、不変配列領域を評価することを含むことができる。いくつかの場合において、該方法はさらに、不変配列領域のHLA親和性結合分析、ワクチン開発および患者の処置のためのいくつかの追加的な免疫原性分析、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。用語“免疫原性”は、本明細書中で使用される場合、免疫応答を誘導する特定の物質、例えば、抗原またはエピトープの能力をさすことができる。いくつかの場合において、ワクチンに使用するためのエピトープ配列についての第1のスクリーニングは、免疫原性ペプチド配列を同定した後、配列不変性についてエピトープ配列を評価することを含む。
[0051]HLA親和性結合分析は、Technical University of DenmarkのCenter for Biological Sequences Analysis(CBS)からのNetMHCpan4.0、National Institute of HealthからのHLAペプチド結合予測サーバー、Immune Epitope Database(IEDB)からのMHC−1結合予測サーバーなどの分析プログラムを用いて実施することができる。
[0052]いくつかの場合において、本明細書中に提供される方法によって同定される不変配列候補を、さらに分析することができる。例えば、不変配列候補を、インフルエンザウイルスエピトープの実験的に試験した免疫原性データ、例えばInfluenza Research Database(https://www.fludb.org)のようなさまざまなデータベースにおけるものと比較することができる。比較により、免疫原性が実験的に証明されている(例えば、https://fludb.orgに寄託されているもの)不変配列候補を同定し、さらなる解析またはワクチン開発のいずれかに付すことができる。例えば、このような不変配列候補、またはその多様体は、本明細書中に記載するような導入遺伝子から発現する可能性がある、本明細書中に記載するようなポリペプチドの構成エピトープ配列の1つになるように選択することができ、該導入遺伝子は、ウイルスベースのワクチン、例えばアデノウイルスベースのワクチンを産生するためのベクター、例えばウイルスベクターの一部であることができる。
[0053]追加的分析
[0054]ワクチン開発のため、およびインフルエンザなどの状態を処置または予防するために患者へワクチンを投与するための候補の不変配列またはペプチドを選択するために、追加的な分析を実施することができる。これらの追加的な分析またはスクリーニングは、免疫学的アッセイに基づく免疫応答の分析を包含することができる。いくつかの場合において、試験動物は最初に免疫化され(プライム)、プライムの数週間後に第2の免疫化(ブースト)を行っても行わなくてもよく、そして血液または組織試料を、例えば、最後の免疫化の2〜4週間後に収集する。これらの試験は、抗原または抗原のプールが防御免疫をもたらすか否かの決定に加え、防御免疫に相関する免疫パラメーター、例えば、特異抗体(例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgM)の誘導および特異的Tリンパ球応答の誘導の測定を、可能にすることができる。
[0055]脾臓細胞、肺細胞、縦隔リンパ節由来の細胞、または末梢血単核細胞を、免疫化された試験動物から単離し、抗原特異的T細胞の存在およびサイトカイン合成の誘導について測定することができる。ELISA、ELISPOT、または細胞質サイトカイン染色は、単独で、またはフローサイトメトリーと組み合わせて、単一細胞レベルについての前記情報を提供することができる。
[0056]免疫化の有効性を同定するために使用することができる免疫学的試験としては、抗体測定、中和アッセイ、および抗原または病原体に特異的な抗原提示細胞またはリンパ球の活性化レベルまたは頻度の分析が挙げられる。このような試験に使用することができる試験動物としては、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、サル、またはヒトが挙げられる。
[0057]サルは、例えばサルとヒトのMHC分子は類似しているため、有用な試験動物であることができる。ウイルス中和アッセイは、病原体に特異的に結合するだけでなく、病原体(例えばウイルス)の機能を中和する抗体の検出に有用であることができる。これらは、免疫化された動物の血清中の抗体の検出、および組織培養細胞中の病原体(例えばウイルス)増殖を阻害するこれらの抗体の能力についての分析に基づくことができる。このようなアッセイは、当業者に公知である。ウイルス中和アッセイを用いて、防御免疫も提供する抗原をスクリーニングすることができる。
[0058]ポリペプチド
[0059]本開示の一観点は、1以上のインフルエンザウイルスエピトープ配列、例えばA型インフルエンザウイルスエピトープ配列を含むか、これからなるか、または本質的にこれからなるポリペプチドを提供する。
[0060]本明細書中で使用される場合、特定の配列または式に従った配列を“含む”ペプチドまたはポリペプチドは、N末端、C末端、またはその両方に追加的なアミノ酸残基、アミノ酸異性体、および/またはアミノ酸類似体を包含することができるペプチドまたはポリペプチドであることができる。追加的残基は、ペプチドまたはポリペプチドの活性または機能を変化させてもさせなくてもよく、例えば、特定の配列または式のみからなるペプチドの活性と比較して、ペプチドの活性を上昇または低下させる。本明細書中で使用される場合、特定の配列または式“から本質的になる”ペプチドは、その活性または機能を追加的残基が実質的に変化させない限り、例えば、特定の配列または式のみからなるペプチドの活性と比較してペプチドの活性を上昇または低下させない限り、ペプチドがN末端、C末端、またはその両方に追加的なアミノ酸残基、アミノ酸異性体、および/またはアミノ酸類似体を包含することができることを意味することができる。本明細書中で使用される場合、特定の配列または式“からなる”ペプチドは、ペプチドがそのN末端およびC末端の両方において、追加的なアミノ酸残基、アミノ酸異性体、および/またはアミノ酸類似体を包含しないことを意味することができる。
[0061]ポリペプチドは、本開示により提供される代表的方法によって同定されるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。例えば、ポリペプチドは、配列番号1〜94からなる群より選択される1以上のエピトープ配列、または表1、表2、または表3から選択される1以上のエピトープ配列を含むか、それらからなるか、または本質的にそれらからなることができる。以下の表1、2、および3に、エピトープ配列、および該エピトープ配列が由来するウイルスタンパク、またはそのバリエーションを列挙する。本明細書中に記載されるポリペプチドのそれぞれは、化学的に合成することができ、またはin vivoもしくはin vitroで発現させることができる。ポリペプチドは核酸によってコードされていることができ、そして核酸は、ベクター、例えばウイルスベクター、例えばアデノウイルスベクター内にあることができる。ベクター、例えばアデノウイルスベクターは、組換えウイルス、例えば組換えアデノウイルスを生成するために使用することができる。本明細書中のポリペプチドはいずれも、全長ウイルスタンパクとは異なっていることができる。本明細書中に提供されるポリペプチドは、天然に存在しないものであることができる。“天然に存在しないポリペプチド”という用語は、本明細書中で使用される場合、その一次配列が天然に存在しない、例えば、天然の単一分子中に見出すことができないポリペプチドをさすことができる。
[0062]本明細書中に記載されるポリペプチドは、1以上のエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。場合によっては、本明細書中に記載されるポリペプチドは、1より多くのエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、そのうちのいくつかのエピトープ配列は同じであるが、残りのエピトープ配列は異なるか、またはすべてのエピトープ配列が同じであるか、またはすべてのエピトープ配列が異なっている。いくつかの場合において、1以上のエピトープ配列は、ポリペプチドにおいて、例えば、約、少なくとも、または最大2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、もしくは20回繰り返される。場合によっては、ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。ポリペプチドは1つのエピトープ配列のみを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、その1つのエピトープ配列は、ポリペプチド中に、約、少なくとも、または最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20回存在することができる。
[0063]いくつかの場合において、ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなり、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94からなる群から選択される配列の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも25の連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94からなる群より選択される配列の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも25の連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を含む。
[0064]いくつかの場合において、ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表1、表2、表3、またはそれらの任意の組み合わせから選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表1、表2、表3、またはそれらの任意の組み合わせから選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を含む。該ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表1、表2、表3、またはそれらの任意の組み合わせから選択される配列の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも25の連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。ポリペプチドは、1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該1以上の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表1、表2、表3、またはそれらの任意の組み合わせから選択される配列の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも25の連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を含む。
[0065]ポリペプチドは、少なくとも2つの異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該少なくとも2つの異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94からなる群より選択される配列、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。該ポリペプチドは、少なくとも3つの異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該少なくとも3つの異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。該ポリペプチドは、少なくとも4つの異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該少なくとも4つの異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。該ポリペプチドは、少なくとも5つの異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該少なくとも5つの異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。該ポリペプチドは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、または少なくとも51の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該異なるエピトープ配列のそれぞれは、配列番号1〜94、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%の配列同一性を含む。
[0066]非限定的な一例は、少なくとも51の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなるポリペプチドに関し、該51の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表3から選択される異なる配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも70%の配列同一性を含む。場合によっては、ポリペプチドは、少なくとも51の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、該51の異なるエピトープ配列のそれぞれは、表3から選択される異なる配列の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24、または少なくとも25の連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を含む。いくつかの場合において、ポリペプチドは、表3からの各配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
[0067]いくつかの場合において、ポリペプチドは、少なくとも8つのアミノ酸を含む。ポリペプチドは、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも120、少なくとも140、少なくとも160、少なくとも180、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも5000、またはそれより多くのアミノ酸を含むことができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは、最大20、最大30、最大40、最大50、最大60、最大70、最大80、最大90、最大100、最大150、最大200、最大250、最大300、最大500、最大800、最大1000、最大1500、最大2000、最大2500、最大3000、最大4000、または最大5000のアミノ酸を含むか、またはそれからなる。ポリペプチドは、約8〜約5000のアミノ酸、約8〜約4000のアミノ酸、約8〜約3000のアミノ酸、約8〜約2000のアミノ酸、約8〜約1000のアミノ酸、約8〜約500のアミノ酸、約100〜約5000のアミノ酸、約100〜約2500のアミノ酸、約100〜約1000のアミノ酸、約1500〜約3000のアミノ酸、約1000〜約3000のアミノ酸、または約1000〜約2500のアミノ酸を含むか、それからなるか、本質的にそれからなることができる。ポリペプチドは、例えば、合成された場合、または例えば細胞において最初に発現された場合、5000、4000、3000、2900、2800、2700、2600、2500、2400、2300、2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、750、500、250、または100未満のアミノ酸からなることができる。
[0068]ウイルスタンパク、例えばインフルエンザウイルスタンパク、例えばA型インフルエンザウイルスタンパク質の少なくとも一部から誘導することができるか、その変形物であるか、またはそのフラグメントであるかことができる1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる人工ポリペプチドを、本明細書中に提供する。いくつかの態様において、A型インフルエンザウイルスタンパク質は、PB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、Ml、M2、NS1またはNEP/NS2であることができる。PB2はRNA依存性RNAポリメラーゼ複合体の一部であることができ、これは、宿主mRNA前駆体分子からの“キャップ−スナッチング(cap-snatching)”を促進して転写を開始させることができ、複製を誘導することができる。特定の状況において、PB1は、転写および複製の開始のためにvRNAおよびcRNAの末端に結合することができ、これは、RNA鎖伸長中にヌクレオチドの逐次付加を触媒することができる、RNA依存性RNAポリメラーゼであることができる。PAはウイルスの転写および複製に使用することができ、エンドヌクレアーゼ活性を有することができる。いくつかの場合において、PAはポリメラーゼ活性と相関しない。HAは付着のために細胞表面上のシアル酸に結合することができ、低pHで立体構造変化を経て、エンドソーム膜と相互作用することができる融合ペプチドを暴露し、ウイルスRNPが細胞質中に放出されることを可能にする孔を形成することができる。NPはウイルスRNAをコートして、ウイルスリボ核タンパク質(vRNP)複合体を形成することができ、これは、vRNPの核への輸送に重要であることができる。NAは、ウイルスを細胞膜に固定することができるHA−シアル酸結合の開裂によるウイルスの最終放出に、必要とされる可能性がある。NAはまた、ウイルス粒子の凝集を妨げることができる。M1は、ビリオンの中間コアを形成してNP w/vRNPを拘束することができ、細胞膜からのウイルスの出芽を促進することができる。M2はイオンチャネル活性を有することができ、酸性化エンドソームからのプロトンをウイルス粒子に誘導して、残りのウイルス成分からのvRNPのpH依存性解離をもたらすことができる。NS1は細胞性抗ウイルス1型インターフェロン応答を阻害することができ、dsRNAへの結合に依存することができる。NEP/NS2は、細胞外搬出機構の補強によるvRNPの核外搬出に必要である可能性がある。A型インフルエンザウイルスタンパク質は、NP、PB1、またはPAであることができる。
[0069]本明細書中に提供されるポリペプチドの非限定的な一例は、PB1タンパク質に由来する配列またはPB1タンパク質の多様体、例えば、限定されるものではないが、配列番号1〜7、43、51、52、および63〜66からなる群より選択される配列、または配列番号2、3、43、51、および52からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの場合において、ポリペプチドはさらに、配列番号8〜42、44〜50、53〜62、67〜80、および82〜94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含む。ポリペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20〜22、24、26、29〜34、40、41、43〜45、49、51〜53、58〜62、70、73〜78、および82〜94を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは全長PB1配列を含まない。
[0070]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、PAタンパク質に由来する配列またはPAタンパク質の多様体、例えば、限定されるものではないが、配列番号8〜12、40、41、58、59、61、62、84、および92からなる群より選択される配列、または配列番号8、11、12、40、41、58、59、61、62、84、および92からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも70%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。場合によっては、ポリペプチドはさらに、配列番号1〜7、13〜39、42〜57、60、63〜80、82、83、85〜91、および94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも70%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むことができる。ポリペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20〜22、24、26、29〜34、40、41、43〜45、49、51〜53、58〜62、70、73〜78、および82〜94を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは全長PA配列を含まない。
[0071]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、NPタンパク質に由来する配列またはNPタンパク質の多様体、例えば、限定されるものではないが、配列番号13〜34、37、39、42、44〜50、53〜57、60、67〜80、82、83、85〜91、93、および94からなる群から選択される配列、または配列番号17、20〜22、24、26、29〜34、44、45、49、53、60、70、73〜78、82、83、85〜91、93、および94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。場合によっては、ポリペプチドはさらに、配列番号1〜12、35、36、38、43、51、52、58、59、61〜66、84、および92からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むことができる。ポリペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20〜22、24、26、29〜34、40、41、43〜45、49、51〜53、58〜62、70、73〜78、および82〜94を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは全長NP配列を含まない。
[0072]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、NAタンパク質に由来する配列またはNAタンパク質の多様体、例えば、限定されるものではないが、配列番号35および38から選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。場合によっては、ポリペプチドはさらに、配列番号1〜34、36、37、39〜80、および82〜94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むことができる。ポリペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20〜22、24、26、29〜34、40、41、43〜45、49、51〜53、58〜62、70、73〜78、および82〜94を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。場合によっては、ポリペプチドは全長NA配列を含まない。
[0073]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、M1タンパク質に由来する配列またはM1タンパク質の多様体、例えば、限定されるものではないが、配列番号36の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。場合によっては、ポリペプチドはさらに、配列番号1〜35、37〜80、および82〜94からなる群より選択される配列の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または100%の配列同一性を有する1以上の異なるエピトープ配列を含む。ポリペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20〜22、24、26、29〜34、40、41、43〜45、49、51〜53、58〜62、70、73〜78、および82〜94を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。場合によっては、ポリペプチドは全長M1配列を含まない。
[0074]本明細書中に提供されるポリペプチドの非限定的な一例は、配列番号2、3、8、11、12、40、41、43、51、52、58、59、61、62、84、および92からなる群より選択される第1の配列;ならびに配列番号17、20、21、22、24、26、29、30、32、33、34、44、45、49、53、60、70、73、74、75、76、77、78、82、83、85、86、87、88、89、90、91、93、および94からなる群より選択される第2の配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。
[0075]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、配列番号2、8、11、12、40、41、43、52、58、59、61、62、84、および92からなる群より選択される第1の配列;ならびに配列番号17、20、21、22、24、26、29、30、31、32、33、34、44、45、49、53、60、70、73、74、75、76、77、78、82、83、85、86、87、88、89、90、91、93、および94からなる群より選択される第2の配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。
[0076]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、以下を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる:(a)配列番号8、11、12、40、41、58、59、61、62、84、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号2、3、17、20、21、22、24、26、29、30、31、32、33、34、43、44、45、49、51、52、53、60、70、73、74、75、76、77、78、82、83、85、86、87、88、89、90、91、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(b)配列番号2または43の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号8、11、12、17、20、21、22、24、26、29、30、31、32、33、34、40、41、44、45、49、53、58、59、60、61、62、70、73、74、75、76、77、78、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(c)配列番号21、22、24、26、30、32、49、53、60、70、85、86、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号2、3、8、11、12、40、41、43、51、52、58、59、61、62、84、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(d)配列番号17、20、29、31、33、34、44、45、73、74、75、76、77、78、82、83、87、88、89、90、または91の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号2、8、11、12、40、41、43、58、59、61、62、84、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(e)配列番号2または43の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号8、11、12、21、22、24、26、30、32、40、41、49、53、58、59、60、61、62、70、84、85、86、92、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(f)配列番号3、51、または52の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号8、11、12、21、22、24、26、30、32、40、41、49、53、58、59、60、61、62、70、84、85、86、92、93、94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(g)配列番号2、8、11、12、40、41、43、58、59、61、62、84、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号21、22、24、26、30、32、49、53、60、70、85、86、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の配列;または(h)配列番号2、8、11、12、21、22、24、26、30、32、40、41、43、49、53、58、59、60、61、62、70、84、85、86、92、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第1の配列、および配列番号2、3、8、11、12、17、20、21、22、24、26、29、30、31、32、33、34、40、41、43、44、45、49、51、52、53、58、59、60、61、62、70、73、74、75、76、77、78、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、または94の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む第2の異なる配列、これに関し、第1の配列および第2の異なる配列を含む連続する配列は、PB1、PA、またはNPには見いだされない。
[0077]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、以下の群のうち少なくとも2つから選択される配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる:(a)配列番号8、40、41、または84の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(b)配列番号11、58または59の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(c)配列番号12、61、62、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(d)配列番号2または43の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(e)配列番号3、51、または52の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(f)配列番号32、93、94、または70の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(g)配列番号21、22、または85の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(h)配列番号24、49、または86の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(i)配列番号26、53、30、または60の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(j)配列番号17、82、または83の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(k)配列番号20、44、または45の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(l)配列番号29、87、88、89、90、または91の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;(m)配列番号31の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;および(n)配列番号33、34、73、74、75、76、77、または78の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列;これに関し、少なくとも1つの配列は(a)〜(d)群から選択され、少なくとも1つの配列は(f)〜(n)群から選択される。
[0078]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、以下を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる:(o)配列番号8、40、41、または84のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3または4つの配列、あるいは配列番号8、40、41、または84のいずれかに対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3または4つの配列;(p)配列番号11、58、または59のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列、あるいは配列番号11、58、または59のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、または17の連続するアミノ酸に対して少なくとも52%、少なくとも58%、少なくとも64%、少なくとも70%、および少なくとも76%、少なくとも82%、少なくとも88%、少なくとも94%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列;(q)配列番号12、61、62、または92の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列、あるいは配列番号12、61、62、または92のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、または17の連続するアミノ酸に対して少なくとも52%、少なくとも58%、少なくとも64%、少なくとも70%、および少なくとも76%、少なくとも82%、少なくとも88%、少なくとも94%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列;(r)配列番号2または43のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1または2つの配列、あるいは配列番号2または43のいずれかの少なくとも9または10の連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1または2つの配列;(s)配列番号3、51、または52のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列、あるいは配列番号3、51、または52のいずれかの少なくとも9または10の連続するアミノ酸に対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列;(t)配列番号32、93、94、または70のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列、あるいは配列番号32、93、94、または70のいずれかの9または10の連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列;(u)配列番号21、22、または85のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列、あるいは配列番号21、22、または85のいずれかの9つの連続するアミノ酸に対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列;(v)配列番号24、49、または86のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性、あるいは配列番号24、49、または86のいずれかの9つの連続するアミノ酸に対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2または3つの配列;(w)配列番号26、53、30、または60のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列、あるいは配列番号26、53、30、もしくは60のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、もしくは16の連続するアミノ酸、または配列番号30もしくは60のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、もしくは17の連続するアミノ酸に対して、少なくとも50%、少なくとも56%、少なくとも62%、少なくとも68%、少なくとも75%、少なくとも81%、少なくとも87%、少なくとも93%、または少なくとも100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、または4つの配列;(x)配列番号17、82、または83のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列、あるいは配列番号17、82、または83のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、または14の連続するアミノ酸に対して少なくとも50%、少なくとも57%、少なくとも60%、少なくとも71%、少なくとも78%、少なくとも85%、少なくとも92%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列;(y)配列番号20、44、または45のいずれかの少なくとも8つの連続アミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列、あるいは配列番号20、44、または45のいずれかの9つの連続するアミノ酸に対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、または3つの配列;(z)配列番号29、87、88、89、90、または91のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、4、5、または6つの配列、あるいは配列番号29、87、88、89、90、または91のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18の連続するアミノ酸に対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも61%、少なくとも66%、少なくとも72%、少なくとも83%、少なくとも88%、少なくとも94%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、4、5、または6つの配列;(aa)配列番号31の少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性を含む配列、あるいは配列番号31の9つの連続するアミノ酸に対して少なくとも55%、少なくとも66%、少なくとも77%、少なくとも88%、または100%の配列同一性を含む配列;(bb)配列番号33、34、73、74、75、76、77、または78のいずれかの少なくとも8つの連続するアミノ酸に対して少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8つの配列、あるいは配列番号33、34、73、74、75、76、77、または78のいずれかの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25の連続するアミノ酸に対して少なくとも52%、少なくとも56%、少なくとも60%、少なくとも64%、少なくとも68%、少なくとも72%、少なくとも76%、少なくとも80%、少なくとも84%、少なくとも88%、少なくとも92%、少なくとも96%、または100%の配列同一性をそれぞれ含む、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8つの配列;あるいは(o)〜(bb)の任意の組み合わせ。
[0079]本明細書中に提供されるポリペプチドの他の非限定的な例は、以下を含むか、それからなるか、本質的にそれからなることができる:(cc)配列番号8、40、41、および84からなる群からの少なくとも2つの配列;(dd)配列番号11、58、および59からなる群からの少なくとも2つの配列;(ee)配列番号12、61、62、および92からなる群からの少なくとも2つの配列;(ff)配列番号2および43からなる群からの少なくとも2つの配列;(gg)配列番号3、51、および52からなる群からの少なくとも3つの配列;(hh)配列番号32、93、94、および70からなる群からの少なくとも2つの配列;(ii)配列番号21、22、および85からなる群からの少なくとも2つの配列;(jj)配列番号24、49、および86からなる群からの少なくとも2つの配列;(kk)配列番号26、53、30、および60からなる群からの少なくとも2つの配列;(ll)配列番号17、82、および83からなる群からの少なくとも2つの配列;(mm)配列番号20、44、および45からなる群からの少なくとも2つの配列;(nn)配列番号29、87、88、89、90、および91からなる群からの少なくとも2つの配列;または(oo)配列番号33、34、73、74、75、76、77、および78からなる群からの少なくとも2つの配列。
[0080]いくつかの場合において、本明細書中に提供されるポリペプチドはさらに、1以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のウイルスタンパク、例えば、1以上のインフルエンザウイルスタンパク、例えば、1以上のA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザウイルスタンパク、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザからのPB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1またはNEP/NS2の全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)を含むことができる。いくつかの場合において、本明細書中に提供するワクチンは、1以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のウイルスタンパク、例えば、1以上のインフルエンザウイルスタンパク、例えば、1以上のA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザウイルスタンパク、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザに由来するPB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1またはNE/NS2の全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)を含むポリペプチドを含み、例えば、または、ポリペプチドは、別個の核酸またはワクチン中のウイルス、例えばアデノウイルスから発現される。本明細書中に提供されるポリペプチドは、ウイルスタンパク質の全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%)の配列の1、2、3、4、または5またはそれより多くのコピーを含むことができる。全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)は、ポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、ポリペプチドの内部、または、例えば、多重コピーが存在する場合、ポリペプチドのN末端およびC末端に存在することができる。例えば、ポリペプチドは、表1、表2、または表3に由来する少なくとも5、10、20、30、40、50、または51の配列(例えば、各配列は、表1、表2、または表3の1つに由来する)、これに関し、各配列は、リンカーによって分離されているか、または分離されていない;ならびに、1以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のウイルスタンパク、例えば、1以上のインフルエンザウイルスタンパク、例えば、1以上のA型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザウイルスタンパク、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザに由来するPB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1、またはNEP/NS2の全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)の1、2、または3つのコピーを、含むことができる。
[0081]いくつかの場合において、本明細書中に提供されるポリペプチドはさらに、インフルエンザ、例えば、A型インフルエンザ、またはB型インフルエンザ、C型インフルエンザのNPタンパク質の全長アミノ酸配列(または全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)を含むことができる。いくつかの場合において、NPタンパク質配列(またはNPの全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)は、B型インフルエンザの任意の適切な株に由来することができる。例えば、配列は、インフルエンザシーズンの流行株または流行が予想される株に基づき選択することができる。NP配列を選択するB型インフルエンザ株は、無作為に選択することができる。例えば、ポリペプチドは、B/ビクトリア系統に属するB/Brisbane/60/2008様またはB/山形系統に属するB/Phuket/3073/2013様もしくはB/Pennsylvania/49/2015のような特定のB型インフルエンザ株に由来するNPタンパク質配列のアミノ酸配列(またはNPの全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)を含むことができる。B型インフルエンザのNPタンパク質の全長アミノ酸配列の誘導体(またはフラグメント)は、B型インフルエンザのNPタンパク質の全長アミノ酸配列(またはNPの全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)に対して少なくとも60%の同一性、少なくとも75%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも96%の同一性、少なくとも97%の同一性、少なくとも98%の同一性、少なくとも99%の同一性、少なくとも99.5%の同一性、少なくとも99.8%の同一性、少なくとも99.9%の同一性、少なくとも99.99%の同一性を含むことができる。B型インフルエンザのNPタンパク質の全長アミノ酸配列の誘導体(またはフラグメント)は、B型インフルエンザのNPタンパク質の全長アミノ酸配列とは異なる最大100のアミノ酸、最大80のアミノ酸、最大60のアミノ酸、最大50のアミノ酸、最大40のアミノ酸、最大30のアミノ酸、最大20のアミノ酸、最大15のアミノ酸、最大10のアミノ酸、最大9のアミノ酸、最大8のアミノ酸、最大7のアミノ酸、最大6のアミノ酸、最大5のアミノ酸、最大4のアミノ酸、最大3のアミノ酸、最大2のアミノ酸、または1アミノ酸のみを含むか、それからなることができる。ポリペプチドは、各配列間のリンカーの有無にかかわらず、表1の配列のすべてと、全長タンパク質(またはタンパク質の全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)、例えば、B型インフルエンザ株に由来するNPタンパク質の1または2つのコピーとを含むことができる。ポリペプチドは、各配列間のリンカーの有無にかかわらず、表2の配列のすべてと、全長タンパク質(またはタンパク質の全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)、例えば、B型インフルエンザ株に由来するNPタンパク質の1または2つのコピーとを含むことができる。ポリペプチドは、各配列間のリンカーの有無にかかわらず、表3の配列のすべてと、全長タンパク質(またはタンパク質の全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%)、例えば、B型インフルエンザ株に由来するNPタンパク質の1または2つのコピーとを含むことができる。
[0082]いくつかの場合において、ポリペプチドは、B/ビクトリア系統に属するウイルス由来のNPタンパク質のアミノ酸配列(全長またはフラグメント)を含むことができる。例えば、ポリペプチドは、B型インフルエンザ/Brisbane/60/2008に由来するNPタンパク質(受託番号:AGK63064.1、配列番号116)の全長、または、例えば、1〜560、38〜557、50〜500、100〜500、200〜400、1〜100、100〜200、200〜300、300〜400、または500〜560のアミノ酸を含むフラグメントに対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは、B/山形系統に属するウイルス由来のNPタンパク質のアミノ酸配列(全長またはフラグメント)を含むことができる。例えば、ポリペプチドは、B型インフルエンザ/山形/16/1988に由来するNPタンパク質(受託番号:ABL77260.1、配列番号:117)またはB型インフルエンザ/Pennsylvania/49/2015に由来するNPタンパク質(受託番号:AOZ82278.1、配列番号:118)の全長、または、例えば、1〜560、2〜560、50〜500、100〜500、200〜400、1〜100、2〜100、100〜200、200〜300、300〜400、または500〜560のアミノ酸を含むフラグメントに対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの場合において、ポリペプチドは、B/ビクトリア系統に属するウイルス由来のNPタンパク質のアミノ酸配列(全長またはフラグメント)またはその誘導体、およびB/山形系統に属するウイルス由来のNPタンパク質のアミノ酸配列(全長またはフラグメント)またはその誘導体の両方を含むことができる。
[0083]本明細書中で提供されるポリペプチドは、順番に配置された1以上のエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。いくつかの場合において、エピトープ配列は、免疫原性の増進、発現の増加、ポリペプチド安定性の促進、ポリペプチド溶解性の上昇、ポリペプチド鎖のin vivo開裂の促進、またはワクチン性能に影響を及ぼし得る任意の他の因子、またはそれらの任意の組み合わせを考慮して、特定の順序で配置される。当業者が達成することができるように1以上の特定のパラメーターをアップレギュレートまたはダウンレギュレートするかのいずれかで、ポリペプチド中のエピトープ配列の順序を操作して、ワクチンの特定の観点を微調整することも可能である。
[0084]いくつかの態様において、ポリペプチドは、直接的に例えば“背中合わせに”一緒に連結されている1より多くのエピトープ配列を含む。あるいは、ポリペプチドは、少なくとも2つの隣接するエピトープ配列がリンカー配列で連結されている1より多くのエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。ポリペプチドは、全体にわたって単一タイプのリンカー配列を含むことができる。ポリペプチドは、1より多くの異なるタイプのリンカー配列を含むことができる。リンカー配列の選択は、ペプチド配列の選択、いくつかの異なるパラメーター、例えば、限定されるものではないが、発現レベル、フォールディングおよび安定性、溶解性、細胞および細胞内標的化、免疫原性、in vitroおよびin vivoでの半減期に対する特定の要件に応じて変動する可能性がある。
[0085]リンカーは、単一のポリペプチド中の複数のドメインを分離するための短いアミノ酸配列であることができる。いくつかの場合において、リンカー配列は、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くのアミノ酸を含むことができる。リンカー配列は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも50のアミノ酸を含むことができる。リンカー配列は、最大4、最大5、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大11、最大12、最大15、最大20、最大30、最大40、最大50、または最大100のアミノ酸を含むことができる。
[0086]リンカー配列は、天然のマルチドメインタンパク質中に存在し、その中のドメインを連結する配列を含むことができる。リンカー配列は、人工的に作製されたリンカーを含むことができる。リンカーはまた、天然のリンカータンパク質と人工的に作製された配列の両方の接合産物であることができる。いくつかの場合において、特異的リンカー配列は、ポリペプチドのin vivo開裂性のために選択することができる。例えば、特定のエピトープ配列間で開裂させて、抗原提示細胞に提示されるポリペプチドの分離された2以上の部分を別々にすることが望ましい可能性がある。リンカーは、複数のグリシン、アラニン、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。リンカーは、複数のアルギニン、バリン、リジン、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。このような典型的な状況下では、LEAGCKNFFPRSFTSCGSLE(配列番号95)、CRRRRRREAEAC(配列番号96)などのリンカー配列を選ぶことができる。場合によっては、軟質リンカー配列、例えば、限定されるものではないが、(GGGGS)n(n=1〜10)(配列番号107)、(Gly)8(配列番号97)、GSAGSAAGSGEF(配列番号98)、(GGGGS)4(配列番号99)のようなGlyおよびSer残基のストレッチ(“GS”リンカー)を使用することが望ましい可能性がある。いくつかの場合では、剛性リンカー配列、例えば、限定されるものではないが、(EAAAK)n(配列番号108)、任意のアミノ酸を示すXを用いることができる(XP)n(n=1〜20)(配列番号109)のようなプロリッチ(Pro-rich)配列を使用することが望ましい可能性がある。いくつかの場合では、リンカー配列RVKR(配列番号110)を選ぶことができる。リンカー配列RVKR(配列番号110)は、いくつかの状況において免疫刺激性であることができる。ポリペプチドは、表1、表2、または表3に由来する各配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、これに関し、各配列はリンカーによって分離されている。ポリペプチドは、表1、表2、または表3に由来する各配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、これに関し、各配列はリンカーによって分離されていない。ポリペプチドは、表1、表2、または表3に由来する各配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができ、これに関し、配列のいくつかはリンカーによって分離されており、配列のいくつかはリンカーによって分離されていない。
[0087]本開示の特定の観点において、本明細書中に提供されるポリペプチドはさらに、上記エピトープ配列の1以上に接続されているCD4+(ヘルパー)T細胞エピトープを含む。“接続”は、例えば、直接的もしくは間接的な共有結合、または直接的もしくは間接的な非共有結合であることができる。CD4+(ヘルパー)T細胞エピトープは、ISQAVHAAHAEINEAGR (配列番号100)であることができる。いくつかの場合において、CD4+(ヘルパー)T細胞エピトープは、AKFVAAWTLKAAA(HLA DR結合エピトープ、PADRE)(配列番号101)、またはPADRE配列の非天然アミノ酸誘導体、AKXVAAWTLKAAAZC(配列番号102)であり、これに関し、XはL−シクロヘキシルアラニンであり、Zはアミノカプロン酸である。いくつかの場合において、CD4+(ヘルパー)T細胞エピトープは、GALNNRFQIKGVELKSK(配列番号103)であることができる。いくつかの態様において、本明細書中に提供されるポリペプチド、例えば、配列番号1〜94から選択される配列または表1、表2もしくは表3から選択される配列を含むポリペプチドのC末端は、リジンに付着しており、該リジンはCD4+ T細胞エピトープのN末端に付着している。CD4+(ヘルパー)T細胞エピトープのC末端がリジンに付着していてもよく、該リジンが、配列番号1〜94から選択される配列または表1、表2、もしくは表3から選択される配列を含むペプチドのN末端に付着していてもよい。
[0088]ポリペプチドは、全長ウイルスタンパク、例えば、全長PB1、PB1−F2、PB2、PA、HA、NP、NA、M1、M2、NS1、またはNEP/NS2タンパク質に連結していることができ、または、該ポリペプチドは、例えば、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、またはC型インフルエンザに由来するこれらのタンパク質のいずれかの全長配列の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%に対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列同一性を有するタンパク質に、例えば本明細書中に記載するリンカーを介して連結していることができ、または接続はリンカーなしであることができる。
[0089]本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上の天然アミノ酸、非天然アミノ酸、またはそれらの組み合わせを含むことができる。アミノ酸残基は、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子であることができる。記載するペプチドに使用するのに適したアミノ酸としては、限定なしで、天然に存在するアミノ酸のD−およびL−異性体(アミノ酸異性体)の両方、ならびに有機合成または他の代謝経路によって調製される天然に存在しないアミノ酸が挙げられる。アミノ酸は、α−アミノ酸、β−アミノ酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、またはアミノ酸類似体であることができる。α−アミノ酸は、α−炭素とよばれる炭素に結合しているアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子であることができる。β−アミノ酸は、アミノ基およびカルボキシル基の両方をβ配置で含む分子であることができる。天然に存在するアミノ酸は、天然で合成されるペプチドに一般に見いだされる20のアミノ酸のいずれか1つであることができ、1文字の略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって知られる。
[0090]本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上の疎水性、親水性、極性、または荷電アミノ酸を含むことができる。疎水性アミノ酸は、小さな疎水性アミノ酸および大きな疎水性アミノ酸を包含することができる。小さな疎水性アミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、ならびにそれらの類似体および異性体であることができる。大きな疎水性アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、ならびにそれらの類似体および異性体であることができる。極性アミノ酸は、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、チロシン、ならびにそれらの類似体および異性体であることができる。荷電アミノ酸は、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、またはそれらの類似体であることができる。
[0091]本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上のアミノ酸類似体を含むことができる。アミノ酸類似体は、構造的にアミノ酸に類似し、ペプチド模倣大環状分子の形成においてアミノ酸を置換することができる分子であることができる。アミノ酸類似体としては、β−アミノ酸およびアミノ酸であって、アミノまたはカルボキシル基が同様の反応性基によって置換されている(例えば、第二級もしくは第三級アミンでの第一級アミンの置換、またはエステルでのカルボキシル群の置換)ものが挙げられる。
[0092]本明細書中に提供されるポリペプチドは、1以上の非天然アミノ酸を含むことができる。非天然アミノ酸は、天然で合成されるペプチドに一般に見いだされる20のアミノ酸のうちの1つではなく、1文字の略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって知られるアミノ酸であることができる。
[0093]アミノ酸類似体は、β−アミノ酸類似体を含むことができる。アミノ酸類似体としては、アラニン、バリン、グリシン、ロイシン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、セリン、トレオニン、および/またはトリプトファンの類似体を挙げることができる。
[0094]アミノ酸類似体は、ラセミ体であることができる。いくつかの態様では、アミノ酸類似体のD異性体を用いる。いくつかの場合では、アミノ酸類似体のL異性体を用いる。いくつかの態様において、アミノ酸類似体は、RまたはS配置にあるキラル中心を含む。場合によっては、β−アミノ酸類似体のアミノ基(1以上)は、保護基、例えば、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、トシルなどで置換されている。場合によっては、β−アミノ酸類似体のカルボン酸官能基は、例えば、そのエステル誘導体として保護されている。いくつかの場合では、アミノ酸類似体の塩が使用される。
[0095]本明細書中に提供されるポリペプチドは、非必須アミノ酸を含むことができる。非必須アミノ酸残基は、その本質的な生物学的または生化学的活性(例えば、受容体の結合または活性化)を消失または実質的に改変させることなく、ペプチドの野生型配列から改変させることができる残基であることができる。本明細書中に提供されるペプチドは、必須アミノ酸を含むことができる。必須アミノ酸残基は、ペプチドの野生型配列から改変された場合、ペプチドの本質的な生物学的または生化学的活性の消失または実質A的消失をもたらす残基であることができる。
[0096]本明細書中に提供されるポリペプチドは、保存的アミノ酸置換を含むことができる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものであることができる。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、K、R、H)、酸性側鎖(例えば、D、E)、非荷電極性側鎖(例えば、G、N、Q、S、T、Y、C)、非極性側鎖(例えば、A、V、L、I、P、F、M、W)、ベータ分枝状側鎖(例えば、T、V、I)、および芳香族側鎖(例えば、Y、F、W、H)を有するアミノ酸を挙げることができる。したがって、例えば、ペプチド中の予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーに由来する他のアミノ酸残基で置換されていることができる。許容しうる置換の他の例は、等配電子的考慮(例えば、メチオニンをノルロイシンで)または他の特性(例えば、フェニルアラニンを2−チエニルアラニンで、またはトリプトファンを6−C1−トリプトファンで)に基づく置換であることができる。
[0097]ワクチン組成物
[0098]本明細書中に提供される個々のエピトープ配列、本明細書中に提供されるように個々のエピトープ配列が連結されているポリペプチド、本明細書中に提供される個々のエピトープ配列またはポリペプチドを発現する核酸、本明細書中に提供される個々のエピトープ配列またはポリペプチドを発現する核酸を含むベクター、またはそのような核酸もしくはベクターを含むウイルスは、ワクチンとして製剤化することができる。本明細書中に提供されるワクチンは、抗体の産生を刺激し、1以上の疾患、例えばインフルエンザに対する免疫を提供するために使用される、任意の物質であることができる。ワクチンは、生きた病原体、生きた弱毒化病原体、または、例えば、化学薬品、熱、または放射線によって不活性化されている不活性化病原体から調製することができる。ワクチンは病原体のサブユニットまたは部分を含有することができ、これらのサブユニットは、所望によりコンジュゲートしていることができる。ワクチンはまた、ペプチドに基づくワクチン、核酸に基づくワクチン、ウイルスベクターに基づくワクチン、抗体に基づくワクチン、または抗原提示細胞に基づくワクチンとして調製することができる。
[0099]ワクチンは、例えば病原体に対して保護することができる。病原体は、細菌、真菌、ウイルス、原生動物などを含む任意の感染性生物であることができる。ワクチンはまた、腫瘍または癌ワクチンを包含することができる。本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、対象の体、例えば人体に投与されると、全身性免疫応答を誘発することができる。本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、対象の体、例えば人体に投与されると、全身性免疫応答に加えて、例えば気道において粘膜免疫応答を誘発することができる。
[0100]ワクチンは、伝統的なワクチンまたは万能ワクチンであることができる。伝統的なワクチンは、特定の病原体を標的とすることができるワクチンであることができる。麻疹ワクチンは伝統的なワクチンの一例である。それは、50年間にわたって保存されたままである麻疹ウイルスの赤血球凝集素(H)タンパク質上に存在するエピトープを標的とすることができる。
[00101]季節性ワクチンは、他のタイプの伝統的なワクチンであることができる。例えば、インフルエンザワクチンは、毎年修正されることができ、所定の年に存在するインフルエンザウイルスの集団に適合される。いくつかの場合において、インフルエンザワクチンは3価ワクチンとして生成され、これはA型インフルエンザウイルスの2つのサブタイプ、H1N1およびH3N2、ならびにB型インフルエンザウイルスの1つの株を包含することができる。場合によっては、インフルエンザワクチンは、A型インフルエンザウイルスの2つのサブタイプおよびB型インフルエンザウイルスの2つの株を包含することができる。A型およびB型インフルエンザウイルスの特定の株はサーベイランスに基づく予想に基づいて選ぶことができ、サーベイランスに基づく予想は、毎年循環株の病原性を予測することができ、国によって異なる可能性がある。
[00102]万能ワクチンは、病原体の複数の株に対し、および/または同じファミリー内の複数の病原体に対し、広範な保護を提供するワクチンであることができる。代表的な万能ワクチンとしては、Inovio PharmaceuticalsからのSynCon(登録商標)インフルエンザワクチン、BiondVaxからのM−001、およびImmune Targeting SystemsからのFP−01が挙げられる。これらの万能ワクチンは、インフルエンザウイルスタンパク内に存在する保存された領域またはエピトープを標的とすることができる。保存された領域またはエピトープは、少なくとも70%、80%、90%、95%、99%の配列相同性または配列同一性を示すことができる。
[00103]ワクチン組成物は、1以上の活性剤、例えば、1以上のペプチド、核酸、タンパク質(例えば、抗体またはそのフラグメント)、APC、または本明細書中に記載されるウイルスの、医薬的に用いることができる調製物への加工を容易にする賦形剤および助剤を包含する、1以上の生理学的に許容しうるキャリヤーを使用して製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存することができる。
[00104]いくつかの場合において、ワクチン組成物は、ペプチドベースのワクチン、核酸ベースのワクチン、抗体ベースのワクチン、細胞ベースのワクチン、またはウイルスベースのワクチンとして製剤化される。例えば、ワクチン組成物は、カチオン性脂質製剤中の裸のcDNA;リポペプチド(例えば、Vitiello,A.et al,J.Clin.Invest.95:341,1995参照);例えば、ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)(“PLG”)微小球状体中に封入されている裸のcDNAまたはペプチド(例えば、Eldridge,et al,Molec. Immunol. 28:287−294,1991:Alonso et al,Vaccine 12:299−306,1994;Jones et al.,Vaccine 13:675−681,1995);免疫刺激性複合体(ISCOMS)に含有されるペプチド組成物(例えば、Takahashi et al,Nature 344:873−875,1990;Hu et al,Clin Exp Immunol.113:235−243,1998);または、複数の抗原ペプチド系(MAP)(例えば、Tarn,J.P.,Proc.Natl Acad.Sci.U.S.A.85:5409−5413,1988;Tarn,J.P.,J.Immunol.Methods 196:17−32,1996参照)を包含することができる。場合によっては、ワクチンは、ペプチドベースのワクチン、または核酸がペプチドをコードする核酸ベースのワクチンとして製剤化される。場合によっては、ワクチンは、抗体ベースのワクチンとして製剤化される。場合によっては、ワクチンは、細胞ベースのワクチンとして製剤化される。
[00105]ワクチン組成物は、1以上の活性剤、例えば、1以上のペプチド、核酸、タンパク質(例えば、抗体またはそのフラグメント)、APC、または本明細書中に記載されるウイルスの、医薬的に用いることができる調製物への加工を容易にする賦形剤および助剤を包含する、1以上の生理学的に許容しうるキャリヤーを使用して製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存することができる。
[00106]ペプチドベースのワクチン
[00107]本明細書中に記載される1以上のエピトープ配列または1以上のポリペプチドを含むペプチドベースのワクチンを、本明細書中で提供する。例えば、ポリペプチドは、配列番号1〜94からなる群より選択される1以上のエピトープ配列、または表1、表2、もしくは表3から選択される1以上のエピトープ配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなることができる。ペプチドベースのワクチンは、1つのポリペプチドを含むことができる。ペプチドベースのワクチンは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、51、またはそれより多くの異なるペプチド配列を含むことができ、例えば、各ペプチドは、配列番号2、3、8、11、12、17、20、21、22、24、26、29、30、31、32、33、34、40、41、43、44、45、49、51、52、53、58、59、60、61、62、70、73、74、75、76、77、78、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、または94の少なくとも8、9、10、14、16、17、18、または25のアミノ酸に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の配列同一性を有することができる。ペプチドベースのワクチンは、インフルエンザ感染の処置または防止に用いることができる。
[00108]いくつかの態様において、組成物は、本明細書に記載されるような精製ペプチドまたはポリペプチドであってもなくてもよい、1以上のペプチドまたはポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載されるような1以上のペプチドまたはポリペプチドを“含む”組成物は、該組成物が、本明細書中に記載されていない1以上のタンパク質を含む他の化合物を含有することができることを意味することができる。本明細書で使用される場合、1以上のペプチドまたはポリペプチド“から本質的になる”組成物は、組成物に含有される1以上のペプチドまたはポリペプチドの活性または機能を追加的化合物が実質的に変化させない限り、組成物が、本明細書中に記載されるペプチドまたはポリペプチドに加えて他の化合物を含むことができることを意味することができる。本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載されるような1以上のペプチドまたはポリペプチド“からなる”組成物は、該組成物が、本明細書中に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチドに加えて、他のタンパク質を含有しないことを意味することができる。本明細書中に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチドからなる組成物は、タンパク質以外の成分、例えば、医薬的に許容しうるキャリヤー、界面活性剤、防腐剤などを含むことができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチドからなる組成物は微量の混在物を含有することができ、該混在物は、ペプチドまたはポリペプチド混在物、例えば、例えば本明細書中に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチドの合成、これに続く加工、貯蔵条件、および/またはタンパク質分解から生じる可能性がある本明細書中に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチドのより小さなフラグメントを包含することができる。
[00109]ペプチドベースのワクチンは、適切な技術、キャリヤー、および賦形剤を使用して製剤化することができる。ペプチドベースのワクチンは、それらの生物学的半減期、安定性、効力、バイオアベイラビリティ、生物活性、またはそれらの組み合わせを改善するように製剤化することができる。
[00110]場合によっては、ワクチンは、同じ配列を含有する本明細書中に記載する複数のポリペプチドのカクテル、または本明細書中に記載する異なるポリペプチドの複数のコピーのカクテルを含むことができる。ポリペプチドは、脂質化、またはキャリヤータンパク質への付着などによって修飾することができる。脂質化は、ポリペプチドへの脂質基の共有結合であることができる。脂質化ポリペプチドは、構造を安定化することができ、ワクチン処置の効力を増強することができる。
[00111]脂質化は、N−ミリストイル化、パルミトイル化、GPIアンカー付加、プレニル化、およびいくつかの追加的タイプの修飾など、いくつかの異なるタイプに分類することができる。N−ミリストイル化は、C14飽和酸であるミリスチン酸塩のグリシン残基への共有結合であることができる。パルミトイル化は、システイン残基への長鎖脂肪酸(CI6)のチオエステル連結であることができる。GPIアンカー付加は、アミド結合を介したグリコシル−ホスファチジルイノシトール(GPI)連結であることができる。プレニル化は、システイン残基へのイソプレノイド脂質(例えば、ファルネシル(C−15)、ゲラニルゲラニル(C−20))のチオエーテル連結であることができる。追加的タイプの修飾としては、システインの硫黄原子によるS−ジアシルグリセロールの付着、セリンまたはトレオニン残基を介したO−オクタノイルコンジュゲーション、システイン残基へのS−古細菌コンジュゲーション、およびコレステロール付着を挙げることができる。
[00112]脂質化ポリペプチドを生成するための脂肪酸としては、C2〜C30飽和、一不飽和、または多不飽和脂肪アシル基を挙げることができる。代表的な脂肪酸としては、パルミトイル、ミリストイル、ステアロイル、およびデカノイル基を挙げることができる。
[00113]いくつかの態様では、外因性アジュバントの非存在下で免疫原性を誘導または増強するために、アジュバント特性を有する脂質部分を目的のペプチドに付着させる。脂質化ペプチドまたはリポペプチドは、自己アジュバントリポペプチドと称することができる。
[00114]上記および本明細書中の他の箇所に記載される脂肪酸はいずれも、目的のペプチドの免疫原性を誘導または増強することができる。免疫原性を誘導または増強することができる脂肪酸は、パルミトイル、ミリストイル、ステアロイル、ラウロイル、オクタノイル、およびデカノイル基を包含することができる。いくつかの場合において、免疫原性を誘導または増強することができる脂肪酸は、パルミトイル基を包含することができる。パルミトイル基の非限定的な例としては、Pam2Cys、Pam3Cys、またはPam3OHが挙げられる。
[00115]Pam2Cysは、ジパルミトイル−S−グリセリル−システインまたはS−[2,3ビス(パルミトイルオキシ)プロピル]システインとしても知られ、Mycoplasma fermentansから単離されたマクロファージ活性化リポペプチドであるMALP−2の脂質部分に相当する。
[00116] Pam3Cysは、Pam3OHまたはN−パルミトイル−S−[2,3−ビス(パルミトイルオキシ)プロピル]システインとしても知られ、グラム陰性菌の内膜および外膜におよぶブラウンリポタンパク質のN末端部分の合成型である。
[00117]使用が意図される他の脂肪酸基としては、Set2Cys(S−(2,3−ビス(ステアロイルオキシ)プロピルとしても知られる)システインまたはジステアロイル−5−グリセリル−システイン)、Lau2Cys(S−[2,3−ビス(ラウロイルオキシ)プロピル]システインまたはジラウロイル−S−グリセリル−システインとしても知られる);およびOct2Cys(S−[2,3−ビス(オクタノイルオキシ)プロピル]システインまたはジオクタノイル−S−グリセリル−システインとしても知られる)が挙げられる。
[00118]追加的な適した脂肪酸基としては、合成トリアシル化およびジアシル化リポペプチド、FSL−I(Mycoplasma salivarium I由来の合成リポタンパク質)、Pam3Cys(トリパルミトイル(tripaltnitoyl)−S−グリセリルシステイン)およびS−[2,3−ビス(パルミトイルオキシ)−(2RS)−プロピル]−N−パルミトイル−(R)−システインが挙げられ、これに関し、“Pam3”は、“トリパルミトイル−S−グリセリル”である。Pam3Cysの誘導体も使用に適しており、これに関し、誘導体としては、S−[2,3−ビス(パルミトイルオキシ)−(2−R,S)−プロピル]−N−パルミトイル−(R)−Cys−(S)−Ser−(Lys)4−ヒドロキシトリヒドロクロリド(配列番号111として開示している“(R)−Cys−(S)−Ser−(Lys)4”;Pam3Cys−Ser−Ser−Asn−Ala(配列番号112);PaM3Cys−Ser−(Lys)4(配列番号113);Pam3Cys−Ala−Gly;PamsCys−Ser−Gly;Pam3Cys−Ser;PaM3CyS−OMe;Pam3Cys−OH;PamCAG、パルミトイル−Cys((RS)−2,3−ジ(パルミトイルオキシ)−プロピル)−Ala−Gly−OH;などが挙げられる。他の非限定的な例としては、Pam2CSK4(配列番号114)(ジパルミトイル−S−グリセリルシステイン−セリン−(リジン)4;またはPam2Cys−Ser−(Lys)4(配列番号114))が挙げられる。
[00119]裸のペプチドまたは脂質化ペプチドなどのペプチドは、リポソームに組み込まれていてもよい。例えば、脂質化ペプチドの脂質部分は、リポソームの脂質二重層に自発的に組み込まれていることができる。したがって、リポペプチドはリポソームの“表面”に存在することができる。脂質化ペプチドは、リポソーム内に封入されたペプチドであることができる。
[00120]製剤への組み込みに適した代表的なリポソームとしては、限定されるものではないが、多重ラメラ(multilamellar)小胞(MLV)、オリゴラメラ小胞(OLV)、単ラメラ小胞(UV)、小型単ラメラ小胞(SUV)、中型単ラメラ小胞(MUV)、大型単ラメラ小胞(LUV)、巨大単ラメラ小胞(GUV)、多小胞性小胞(multivesicular vesicle)(MVV)、逆相蒸発法(REV)によって作製される単一小胞またはオリゴラメラ小胞、逆相蒸発法によって作製される多重ラメラ小胞(MLV−REV)、安定な多ラメラ(plurilamellar)小胞(SPLV)、凍結融解MLV(FATMLV)、押出法によって調製される小胞(VET)、フレンチプレスによって調製される小胞(FPV)、融合によって調製される小胞(FUV)、脱水−再水和小胞(DRV)、およびバブルソーム(bubblesome)(BSV)が挙げられる。
[00121]調製方法に応じて、リポソームは、単ラメラまたは多重ラメラ状であることができ、直径が約0.02μm〜約10μm超の範囲のさまざまなサイズであることができる。場合によっては、リポソームは、小型単ラメラ小胞(25〜50nm)、大型単ラメラ小胞(100〜200nm)、巨大単ラメラ小胞(1〜2μm)、および多重ラメラ小胞(MLV;1μm〜2μm)であることができる。送達されるペプチドは、リポソーム中に封入されるか、または表面上に吸着されることができる。リポソームのサイズおよび表面特性は、望ましい結果に合わせて最適化することができる。例えば、単ラメラおよび多重ラメラリポソームは、血管内投与の数時間から数日後までの持続放出を提供する。延長された薬物放出は、DepoFoam(登録商標)技術としても知られる多小胞リポソームによって達成することができる。ULVおよびMLVとは異なり、多小胞リポソームは、上昇した安定性レベルおよび薬物放出のより長い持続時間を付与する脂質層の網状構造によって包囲されている、非同心性の複数の水性小室から構成される。さらに、リポソームは、望ましい結果を達成するため修飾することができる。例えば、リポソームは、細網内皮系による認識および取り込みを妨害し、増加した循環時間を提供するために、PEG化され得るか、または他の表面修飾を有することができる。
[00122]リポソームは多くのタイプの細胞を吸着した後、取り込まれた薬剤(例えば、本明細書中に記載されているポリペプチド)を放出することができる。いくつかの場合において、リポソームは標的細胞と融合し、それによって、続いてリポソームの内容物は標的細胞中に流入する。リポソームは、食作用を示す細胞によってエンドサイトーシスされることができる。エンドサイトーシスに続いて、リポソーム脂質のリソソーム内分解および封入薬剤の放出が起こる可能性がある。
[00123]本明細書中に提供されるリポソームは、キャリヤー脂質を含むこともできる。いくつかの態様において、キャリヤー脂質はリン脂質である。リポソームを形成することができるキャリヤー脂質としては、限定されるものではないが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholme)(DPPC)、ホスファチジルコリン(PC;レシチン)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)が挙げられる。他の適したリン脂質としては、さらに、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(dipalmitoylphosphatidyglycerol)(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(distearoylphosphatidyglycerol)(DSPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA);ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(dipalmitoylphosphatidyethanolamine)(DPPE)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)など、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの態様において、リポソームはさらに、リポソーム形成を調節するステロール(例えば、コレステロール)を含む。キャリヤー脂質は、任意の公知の非リン酸極性脂質であることができる。
[00124]本明細書中に記載されるポリペプチドは、ワクチンとしての送達のためにキャリヤータンパク質に付着していることができる。キャリヤータンパク質は、免疫原性キャリヤー要素であることができ、任意の組換え技術によって付着させることができる。代表的なキャリヤータンパク質としては、Mariculture keyhole limpet hemocyanin(mcKLH)、PEG化mcKLH、Blue Carrier* Proteins、ウシ血清アルブミン(BSA)、カチオン化BSA、オボアルブミン、および破傷風トキソイド(TT)などの細菌タンパク質が挙げられる。
[00125]本明細書中に記載されるポリペプチドは、多抗原ペプチド(MAP)として調製することもできる。ポリペプチドは、小さな非免疫原性コアにN末端またはC末端で付着することができる。このコア上に蓄積されたポリペプチドは、高度に局在化されたペプチド密度を提供することができる。コアは、二官能性単位から構成される樹枝状コア残基またはマトリックスであることができる。MAPの構築に適したコア分子としては、アンモニア、エチレンジアミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびリジンを挙げることができる。例えば、リジンコア分子は、そのアミノ基のそれぞれを通じ、ペプチド結合を介して、2つの追加的なリジンに付着していることができる。この第2世代分子は4つの遊離アミノ基を有し、そのそれぞれは、追加的なリジンに共有結合して、8つの遊離アミノ基を有する第3世代分子を形成することができる。ポリペプチドは、そのC末端を介してこれらの遊離基のそれぞれに付着して、八価の多抗原ペプチド(“MAP8”構造ともよばれる)を形成することができる。4つの遊離アミノ基を有する第2世代分子を用いて、四価または四量体MAP、例えば、コアに共有結合している4つのペプチドを有するMAP(“MAP4”構造とも呼ばれる)を形成することができる。第1のリジン残基のカルボキシル基は、遊離のままであっても、アミド化されていても、またはβ−アラニンもしくは他の遮断化合物にカップリングしていてもよい。本明細書中で用いる場合、MAP系構造の“線状部分または分子”は、コアマトリックスに連結された抗原ペプチドをさすことができる。したがって、抗原エピトープのクラスターはMAPの表面を形成することができ、小さなマトリックスがそのコアを形成する。樹枝状コア、およびMAP全体は、古典的なMerrifield合成手順を用いて固体樹脂上で合成することができる。
[00126]MAP調製に使用されるポリペプチドは、同一であることができ、または複数の異なる配列および長さを含むことができる。ポリペプチドは、細菌、ウイルス、または真菌から誘導することができる。ペプチドは、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、またはHIVなどのウイルスから誘導することができる。
[00127]場合によっては、本明細書中に記載するようなポリペプチドを環化に付して、タンパク質分解に耐性を示す環状ペプチドをもたらすことができる。環化は、当分野で公知の方法を用いて、ジスルフィド結合、ランチオニン、ジカルバ、ヒドラジン、またはラクタム架橋を介して、ペプチド配列の側鎖または末端の間で実施することができる。
[00128]いくつかの態様において、本明細書中に記載するポリペプチドは、ビタミンB12、脂質、またはエチレンオキシド化合物、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、およびポリオキシエチレン(POE)、メトキシポリエチレングリコール(MPEG)、モノメトキシPEG(mPEG)などの分子にコンジュゲートしている。エチレンオキシド化合物はさらに、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドカーボネート、および脂肪族アルデヒドなどのアミン結合末端官能基、またはマレイミド、ピリジルジスルフィド、およびビニルスルホネートなどのチオール結合基で、官能化することができる。アミノ基(a−アミノおよびε−リジンアミノ)およびシステイン残基はコンジュゲーションによく適しているので、本明細書中に提供されるペプチドはさらに、エチレンオキシド分子または当分野で公知のキャリヤー化合物へのコンジュゲーションのための1以上のアミノ酸残基を包含することができる。コンジュゲートペプチドの薬物動態学的および薬力学的特性はさらに、特定のリンカーの使用によって修正することができる。例えば、プロピルリンカーおよびアミルリンカーを使用すると、緩いコンフォメーションを有するコンジュゲートを提供することができるが、フェニルリンカーを使用すると、より密なコンフォメーションを提供し、ならびにC末端に隣接するドメインを保護することができる。いくつかの場合、密なコンフォメーションは、緩いコンフォメーションと比較して、生物活性の維持、血漿半減期の延長、タンパク質分解感受性の低下、および免疫原性において、より効率的であることができる。
[00129]いくつかの態様において、本明細書中に記載されるポリペプチドは、当分野で公知の方法、例えば、In situ化学反応または部位特異的突然変異誘発法を使用して、高グリコシル化することができる。高グリコシル化は、N連結またはO連結タンパク質グリコシル化のいずれかを生じることができる。所与のペプチドのクリアランス率は、特定の糖の選択によって最適化することができる。例えば、ポリシアル酸(PSA)はさまざまなサイズで入手可能であり、そのクリアランスは、ポリマーのタイプおよび分子サイズに依存する。したがって、例えば、高分子量を有するPSAは低分子量ペプチドの送達に好適であることができ、低分子量を有するPSAは高分子量を有するペプチドの送達に好適であることができる。糖のタイプは、ペプチドを特定の組織または細胞に標的化するために使用することができる。例えば、マンノースとコンジュゲートしたポリペプチドは、マンノース特異的レクチン、例えば、マンノース受容体およびマンノース結合タンパク質によって認識されることができ、肝臓に取り込まれる。いくつかの態様では、ポリペプチドを高グリコシル化して、異なる環境条件下でのそれらの物理的および化学的安定性を改善する、例えば、応力条件下での不活性化を阻害し、産生および貯蔵条件に起因する凝集を低減することができる。
[00130]いくつかの態様では、感受性タンパク質の保護、放出の延長、投与頻度の減少、患者のコンプライアンスの改善、および血漿レベルの制御をもたらすために、薬物送達システム、例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子(10〜1000nmの範囲のサイズを有する粒子)、ナノエマルション、リポソームなどを用いることができる。生分解性および/または生体適合性ポリマーであることができるさまざまな天然または合成マイクロ粒子およびナノ粒子を使用することができる。マイクロ粒子およびナノ粒子は、脂質、ポリマー、および/または金属から製作することができる。ポリマーマイクロ粒子およびナノ粒子は、デンプン、アルギン酸塩、コラーゲン、キトサン、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)などの天然または合成ポリマーから製作することができる。いくつかの態様において、ナノ粒子は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、カーボンナノチューブ、ナノスフェア、ナノカプルなどである。いくつかの態様において、ポリマーは親水性である。いくつかの態様において、ポリマーはチオール化ポリマーである。
[00131]マイクロ粒子およびナノ粒子からの薬物放出の速度および程度はポリマーの組成および製作方法に依存する可能性があるので、望ましい薬物放出プロフィールを付与するために、所与の組成および製作方法、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、マイクロ押出、および二重エマルションを選択することができる。マイクロ粒子またはナノ粒子の中またはその上に組み込まれたペプチドは、製剤開発中に水性有機界面で変性する傾向があり得るので、凝集および変性を防止するために、さまざまな安定化賦形剤および組成物を使用することができる。例えば、PEGおよび糖、例えば、PEG(分子量5000)およびa−キモトリプシンを含むマルトースを組成物に添加して、凝集および変性を低減することができる。さらに、化学的に修飾されたペプチド、例えば、本明細書中に記載するような共役ペプチドおよび高グリコシル化ペプチドを、採用することができる。
[00132]タンパク質安定性は、選択された製作方法によって達成することもできる。例えば、水性有機界面での分解を防止するために、ProLease(登録商標)技術とよばれる非水性方法論を使用することができる。固体状態のペプチドは、水中油中固体(s/o/w)法を用いて封入することができ、例えば、噴霧乾燥または噴霧凍結乾燥ペプチドまたはペプチド担持固体ナノ粒子を、s/o/w法を用いてマイクロスフェア中に封入することができる。
[00133]疎水性イオン対形成(HIP)複合体形成を用いて、タンパク質安定性を向上させ、マイクロ粒子およびナノ粒子中への封入効率を高めることができる。疎水性イオン対形成(HIP)複合体形成では、ペプチドのイオン化可能な官能基を、逆帯電した官能基を含有するイオン対形成剤(例えば、界面活性剤またはポリマー)と複合体形成させて、親水性タンパク質分子が疎水性複合体形態で存在するHIP複合体の形成をもたらす。
[00134]本明細書中に記載されるポリペプチドは、化学的に合成するか、または細胞系もしくは無細胞系において組換え技術によって発現させることができる。ポリペプチドは、液相合成、固相合成、またはマイクロ波支援(microwave assisted)ペプチド合成などによって合成することができる。本明細書中に記載されるポリペプチドは、アシル化、アルキル化、アミド化、アルギニル化、ポリグルタミル化、ポリグリシル化、ブチリル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、マロニル化、ヒドロキシル化、ヨード化、ヌクレオチド付加(例えば、ADP−リボシル化)、酸化、リン酸化、アデニル化、プロピオニル化、S−グルタチオニル化、S−ニトロシル化、スクシニル化、硫酸化、糖化、パルミトイル化、ミリストイル化、イソプレニル化またはプレニル化(例えば、ファルネシル化またはゲラニルゲラニル化)、グリピエーション(glypiation)、リポイル化、フラビン部分(例えば、FMNまたはFAD)の付着、ヘムCの付着、ホスホパンテテイニル化、レチニリデンシッフ塩基形成、ジフタミド形成、エタノールアミンホスホグリセロール付着、ヒプシン形成、ビオチン化、ペグ化、ISG化、SUMO化、ユビキチン化、Nedd化(Neddylation)、Pup化(Pupylation)、シトルリン化、脱アミド化、エリミニル化(eliminylation)、カルバミル化、またはこれらの組み合わせなどによって、修飾することができる。
[00135]ポリペプチドの生成後、ポリペプチドを1回以上の精製段階に付して、不純物を除去することができる。精製段階は、親和性ベース、サイズ排除ベース、イオン交換ベースなどの分離方法を利用するクロマトグラフ段階であることができる。いくつかの場合において、ペプチドは最大30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、または100%純粋であるか、または不純物が存在しない。いくつかの場合において、ペプチドは少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、または100%純粋であるか、または不純物が存在しない。いくつかの場合において、ペプチド組成物中のペプチドの量は、重量に基づき全組成物の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%、または100%である。本明細書中で使用される場合、ポリペプチドの“精製された”ペプチドは、該ペプチドに天然に付随しているある量の高分子成分が、ペプチドから除去されていることを意味することができる。本明細書中で使用される場合、本発明の1以上の精製ペプチドを含む、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物は、該組成物が、1以上のペプチドもしくはポリペプチドに天然に付随しているある量の高分子成分、および/または該ペプチドもしくはポリペプチドの合成に用いられる試薬を、含有しないことを意味することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載される組成物は、本明細書中に記載される1以上のペプチドまたはポリペプチド、例えば、固体または結晶化形態の1以上のペプチドまたはポリペプチドのみからなる。
[00136]いくつかの態様において、本明細書中に記載のペプチドまたはポリペプチドまたは核酸分子は、単離することができる。本明細書中で使用される場合、“単離された”化合物(例えば、ペプチド、ポリペプチド、核酸分子)は、その天然環境から単離された化合物をさすことができる。例えば、単離されたペプチドまたはポリペプチドは、全長ポリペプチドに対応し、N末端、C末端、またはその両方に隣接する、その天然アミノ酸を有さないものであることができる。他の例として、単離ペプチドは、ペプチドに天然に付随していない基質に固定化されたものであることができる。さらなる例として、単離されたペプチドまたはポリペプチドは、ペプチドに天然に付随していない他の分子、例えば、PEG化合物に連結しているものであることができる。同様に、“単離された”核酸分子は、全長核酸分子に対応し、その5’末端、3’末端、または両方に隣接する、その天然の核酸塩基を有さないものであることができる。他の例として、単離核酸分子は、核酸分子に天然に付随していない基質または化合物、例えば、蛍光タグのような標識に結合したものであることができる。さらなる例として、核酸分子に関して、単離されるという用語は、それが、天然に存在する核酸および細胞から分離されることを意味することができる。
[00137]ペプチドベースのワクチンは、約、少なくとも、または最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、51、55、60、65、70または75の異なるペプチド配列を含むことができる。異なるペプチド配列は、本明細書中に記載される任意のポリペプチドを包含することができる。
[00138]核酸ベースのワクチン
[00139]本明細書中に記載される約、少なくとも、または最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、51、55、60、65、70または75のポリペプチドをコードする核酸ベースのワクチンを、本明細書中で提供する。核酸ベースのワクチンは、インフルエンザ感染の処置または予防に用いることができる。
[00140]核酸ベースのワクチンは、適切な技術、キャリヤー、および賦形剤を使用して製剤化することができる。核酸は、ゲノムDNAおよびcDNAの両方のDNA、RNA、またはハイブリッドであることができ、これに関し、核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの組み合わせ、ならびに、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシンおよびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含有することができる。核酸は、化学合成法によって、または組換え法によって得ることができる。ワクチンは、DNAベースのワクチン、RNAベースのワクチン、ハイブリッドDNA/RNAベースのワクチン、またはハイブリッド核酸/ペプチドベースのワクチンであることができる。ペプチドは、配列番号1〜94または表1、表2もしくは表3から選択される配列からなる群より選択されるペプチドに対して、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列相同性または同一性を有する配列を有するポリペプチドであることができる。ペプチドは、配列番号1〜94または表1、表2もしくは表3から選択される配列からなる群より選択されるペプチドに対して、最大40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列相同性または同一性を有する配列を有するポリペプチドであることができる。
[00141]核酸分子は、一緒に共有結合している少なくとも2つのヌクレオチドをさすことができる。本明細書中に記載される核酸はホスホジエステル結合を含有することができるが、いくつかの場合において、以下(例えば、プライマーおよびプローブ、例えば標識プローブの構築において)に概説するように、例えば、ホスホルアミド、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、O−メチルホスホロアミダイト連結、およびペプチド核酸(本明細書中で“PNA”ともよぶ)骨格および連結を含む、交互骨格(alternate backbone)を有することができる核酸類似体が包含される。他の類似の核酸としては、ロックド核酸(locked nucleic acid)(本明細書中では“LNA”ともよぶ);陽性骨格;非イオン性骨格および非リボース骨格を含む、二環式構造を有するものが挙げられる。1以上の炭素環式糖を含有する核酸も、核酸の定義内に包含される(例えば、Jenkins et al,Chem.Soc.Rev.1995)pp 169 176参照)。いくつかの核酸類似体は、例えば、Rawls,C&E News 1997年6月2日、35頁に記載されている。“ロックド核酸”も、核酸類似体の定義内に包含される。LNAは、リボース環が2’−O原子を4’−C原子と接続するメチレン架橋によって“ロック”されている核酸類似体のクラスである。これらの参考文献のすべてを、本明細書中で参考として明確に援用する。リボース−リン酸塩骨格のこれらの修飾は、生理学的環境におけるそのような分子の安定性および半減期を増大させるために行うことができる。例えば、PNA:DNAおよびLNA−DNAハイブリッドは、より高い安定性を示すことができ、したがって、いくつかの態様において使用することができる。標的核酸は、特定されるように、一本鎖または二本鎖であることができ、または二本鎖または一本鎖配列の両方の部分を含有することができる。用途に応じて、核酸はDNA(例えば、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA、およびcDNAを含む)、RNA(例えば、mRNAおよびrRNAを含む)またはハイブリッドであることができ、これに関し、核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの任意の組合せ、ならびに、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサタニン、ヒポキサタニン、イソシトシン、イソグアニンなどを含む塩基の任意の組合せを含有する。
[00142]本明細書中に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを、本明細書中で提供する。いくつかの場合、該ベクターを用いて、インフルエンザ感染を治療または予防することができる。いくつかの場合、該ベクターを用いて、本明細書中に記載されるポリペプチドの1以上を産生することができる。
[00143]本明細書中に提供されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヒト、マウス、ブタ、またはイヌなどの標的対象について最適化されたコドンであることができる。例えば、本明細書中に提供されるポリヌクレオチドは、前臨床動物実験のためのマウスについて最適化されたコドンであることができる。いくつかの場合において、対象物質は、農業のためのインフルエンザの予防、例えば、豚インフルエンザまたは鳥インフルエンザの予防において用途を見いだすことができる。このタイプの最適化は、同じタンパク質をコードしている間に、意図した宿主生物または宿主細胞のコドン優先傾向を模倣するために、異物由来の(例えば、組換え型)DNAの変異を必要とすることができる。
[00144]ベクターは、環状プラスミドまたは線状核酸であることができる。環状プラスミドまたは線状核酸は、適切な対象細胞において特定のヌクレオチド配列の発現を指令することができる。ベクターは、終結シグナルに作動可能に連結することができる、ペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを有することができる。ベクターは、ヌクレオチド配列の適切な翻訳に必要な配列を含有することもできる。目的のヌクレオチド配列を含むベクターはキメラであることができ、これは、その成分の少なくとも1つが、その他の成分の少なくとも1つに関して異種であることを意味する。発現カセットにおけるヌクレオチド配列の発現は、宿主細胞がいくつかの特定の外部刺激に暴露された場合にのみ転写を開始することができる、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下にあることができる。
[00145]ベクターはプラスミドであってもよい。プラスミドは、ペプチドをコードする核酸で細胞をトランスフェクトするのに有用であることができ、形質転換された宿主細胞は、ペプチドの発現が起こる条件下で培養および維持することができる。
[00146]プラスミドは、本明細書中に開示されるさまざまなポリペプチドの1以上をコードする核酸配列を含むことができる。単一のプラスミドは、単一のポリペプチドのコード配列、または1より多くのポリペプチドのコード配列を含有することができる。場合によっては、プラスミドはさらに、サイトカインのような免疫刺激分子などのアジュバントをコードするコード配列を含むことができる。
[00147]プラスミドはさらに、コード配列の上流にあることができる開始コドン、および、コード配列の下流にあることができる終止コドンを含むことができる。開始コドンおよび終止コドンは、コード配列とインフレームであることができる。プラスミドはまた、コード配列に作動可能に連結されたプロモーター、およびコード配列の上流のエンハンサーを含むことができる。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、または、CMV、FMDV、RSV、もしくはEBV由来のものなどのウイルスエンハンサーであることができる。
[00148]プラスミドはまた、プラスミドを染色体外に維持し、細胞中でプラスミドの複数のコピーを産生するために、哺乳動物の複製起点を含むことができる。プラスミドは、Invitrogen(San Diego,CA)からのpVAXI、pCEP4、またはpREP4であることができる。
[00149]プラスミドはまた、プラスミドが投与される細胞における遺伝子発現によく適していることができる調節配列を含むことができる。コード配列は、宿主細胞におけるコード配列のより効率的な転写を可能にすることができるコドンを含むことができる。
[00150]プラスミドは、pSE420(Invitrogen,San Diego,CA)、pYES2(Invitrogen,San Diego,CA)、MAXBACTM完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen,San Diego,CA)、pcDNA IまたはpcDNA3(Invitrogen,San Diego,CA)であることができる。
[00151]ベクターは、細胞ゲノムへの組み込みによって標的細胞を形質転換することができるか、または染色体外に存在することができる(例えば、複製起点を有する自律複製プラスミド)、環状プラスミドであることができる。代表的なベクターとしては、pVAX、pcDNA3.0、またはprovax、または、抗原をコードするDNAを発現し、細胞がその配列を免疫系によって認識される抗原に翻訳することを可能にすることができる任意の他の発現ベクターが挙げられる。
[00152]核酸ベースのワクチンはまた、線状核酸ワクチン、または線状発現カセット(“LEC”)であることができ、これは、エレクトロポレーションを介して対象に効率的に送達することができ、本明細書中に開示される1以上のペプチドを発現することができる。LECは、リン酸骨格を欠く任意の線状DNAであることができる。DNAは、本明細書中に開示される1以上のペプチドをコードすることができる。LECは、プロモーター、イントロン、終止コドン、および/またはポリアデニル化シグナルを含有することができる。ペプチドの発現は、プロモーターによって制御することができる。LECが抗生物質抵抗性遺伝子および/またはリン酸骨格を含有しないことも可能である。LECは、ポリペプチド発現に関連しない他の核酸配列を含有することができない。
[00153]LECは、線状化されることができる任意のプラスミドから誘導することができる。プラスミドはペプチドを発現することができる。代表的なプラスミドとしては、pNP(Puerto Rico/34)、pM2(New Caledonia/99)、WLV009、pVAX、pcDNA3.0、provax、または、抗原をコードするDNAを発現し、細胞がその配列を免疫系によって認識される抗原に翻訳することを可能にすることができる任意の他の発現ベクターが挙げられる。
[00154]核酸ベースのワクチンは、非経口的送達方法によって対象に送達することができる。非経口送達は、静脈内、経皮、経口、胆管内、実質内、肝内動脈、門脈内静脈、腫瘍内、または経静脈送達を包含することができる。場合によっては、非経口送達は、核酸ベースのワクチンの送達のために針(例えば、皮下注射針)を利用することができる。核酸ベースのワクチンは、水溶液、例えば、生理食塩水中で製剤化することができる。送達はさらに、エレクトロポレーションによって補助することができる。場合によっては、非経口送達は、送達方法として遺伝子銃を利用することができる。核酸ベースのワクチンは、DNAでコーティングされたマイクロ粒子、例えば、DNAでコーティングされた金またはタングステンビーズとして、製剤化することができる。遺伝子銃送達方法は、標的細胞への核酸を加速するために弾道送達方法を使用することができる。場合によっては、非経口送達は、送達方法として空気注入を利用することができる。核酸ベースのワクチンは、水溶液として製剤化することができる。
[00155]核酸ベースのワクチンはまた、局所送達方法によって対象に送達することができる。局所性の核酸ベースのワクチンは、粘膜表面、例えば、鼻粘膜および肺粘膜、眼投与、または膣粘膜上に送達される裸のDNAのエアロゾル点滴として製剤化することができる。
[00156]核酸ベースのワクチンはさらに、脂質媒介送達方法によって対象に送達することができる。場合によっては、脂質媒介送達方法は、サイトフェクチン媒介送達方法であることができる。サイトフェクチンは、細胞膜を横切って核酸分子に結合し、これを輸送することができるカチオン性脂質であることができる。核酸は、サイトフェクチンベースのリポソームによって組み込むことができる。場合によっては、脂質媒介送達方法は、中性脂質媒介送達方法であることができる。
[00157]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、少なくとも5、10、25、50、100、または1000の異なる核酸を含むことができる。
[00158]組換えウイルスベースのワクチン
[00159]組換えウイルスベースのワクチンを、本明細書中で提供する。
[00160]上記ベクターは、ウイルスベクター、例えば、組換えウイルスベクターであることができる。いくつかの場合において、上記のような核酸ベースのワクチンは、組換えウイルスの形態にあることができる。組換えウイルスは、典型的にはウイルスベクターおよびインフルエンザウイルス以外のウイルス起源に由来するキャプシドタンパク質によって封入されている、本明細書中に記載される組換えウイルスベクターを含むことができる。
[00161]ウイルスベクターは、さまざまなウイルス、例えば、限定されるものではないが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アルファウイルス、バキュロウイルス、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、ポックスウイルスに基づくことができる。パラインフルエンザウイルス5(PIV5)および小胞性口内炎ウイルス(VSV)。いくつかの場合において、ベクターは、本明細書中に記載するポリペプチドの1以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)をコードするポリヌクレオチド、およびインフルエンザウイルス以外のウイルス由来のウイルスタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む、組換えウイルスベクターであることができる。ワクチンは、1以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の異なるウイルスベクターを含むことができ、各ベクターは、異なる配列を有するポリペプチドを発現する。
[00162]アデノウイルスベースのワクチンは、広範囲の宿主に感染することができる。いくつかの場合において、アデノウイルスワクチンは、ウイルス遺伝子が宿主ゲノムに組み込まれる可能性なしで、高レベルの導入遺伝子発現を誘導することができる。細胞培養において高力価で増殖するそれらの能力に起因して、本明細書中に記載されるアデノウイルスワクチンは、安全かつ安価に製造することができる。いくつかの場合において、本明細書中に提供されるワクチンに使用されるアデノウイルスベクターは、Toll様受容体依存性経路およびToll様受容体非依存性経路を介して先天性免疫応答を本質的に刺激することができる。いくつかの場合において、アデノウイルスワクチンはまた、樹状細胞(DC)に感染することができ、それによって、例えば、共刺激分子のアップレギュレーション、感染したDCによるサイトカインおよびケモカイン産生の増加、またはその両方を介して、免疫細胞へのより有効な抗原提示をもたらす。
[00163]本明細書中に記載されるアデノウイルスベクターは、2つの異なる形態:複製欠損型または複製可能型で生成することができる。複製欠損型アデノウイルスベクターは、複製に必須であることができるE1遺伝子の欠失によってもたらされることができる。場合によっては、外来遺伝子挿入のためのより多くの空間を作り出すために、複製欠損型アデノウイルスベクターは、E3遺伝子を欠くようにすることもできる。所望の導入遺伝子、例えば、本明細書中に記載される1以上のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する発現カセットを、挿入することができる。複製可能型アデノウイルスベクターは、E3遺伝子の欠失を用いて提供することができる。場合によっては、複製可能型Adベクターは天然のウイルス感染を模倣することができ、それによって、先天性および適応免疫のさまざまな要素の固有の刺激に起因して、強力なアジュバント効果を発揮することができる。
[00164]本開示のいくつかの態様において、ベクターはアデノウイルスベクターであることができる。いくつかの場合において、ベクターは非ヒトアデノウイルスベクターである。いくつかの場合において、ベクターは、非ヒト霊長類アデノウイルスベクターであることができる。いくつかの場合において、ベクターはチンパンジーアデノウイルスベクターであることができる。
[00165]特定の態様において、チンパンジーアデノウイルスベクターは、1以上のポリペプチド、例えば、C68(AdC68)(配列番号104)、例えば、米国特許第6083716号、C7(AdC7)に開示されているもの、例えば、Tatsis et al.,“Chimpanzee−origin adenovirus vectors as vaccine carriers,” Gene Therapy 13: 421−429(2006)に開示されているもの、Haut et al.,“A Partial E3 Deletion in Replication−Defective Adenoviral Vectors Allows for Stable Expression of Potentially Toxic Transgene Products”,Human Gene Therapy Methods DOI:10.1089/hgtb.2016.044(2016)に開示されているC6(AdC6)(配列番号105)、どちらもRoy,et al.,“Rescue of chimeric adenoviral vectors to expand the serotype repertoire,”J Virol Methods 141(a):14−21(2007)に開示されているPan7およびPan9の発現に用いることができる。
[00166]あるいは、ベクターはAAVに基づいていることができる。組換えAAVは、さまざまな宿主、組織、ならびに増殖性および非増殖性細胞タイプに感染する広範な親和性を有することができる。本開示に関連して使用することができるAAVとしては、限定されるものではないが、AAV血清型2(AAV2)、AAV5、AAV7、AAV1、およびAAV6を挙げることができる。
[00167]ベクターはまた、バキュロウイルスに基づいていることができる。本明細書中に提供されるワクチン、例えばインフルエンザワクチンのためのベクターとして使用することができるバキュロウイルスとしては、限定されるものではないが、アルファバキュロウイルス、ベータバキュロウイルス、ガンマバキュロウイルス、およびデルタバキュロウイルスを挙げることができる。
[00168]あるいは、ベクターはポックスウイルスに基づいていることができる。ポックスウイルスは、二本鎖DNAウイルスであることができる。ポックスウイルスゲノムは非常に大きい可能性があり、哺乳類ポックスウイルスは約130kbのゲノムを持つことができ、鳥類ポックスウイルスゲノムは約300kbでさらに大きい。このような大きなゲノムサイズは、感染力または他の必須のウイルス機能を損なうことなく、10kbを超える外来DNAの挿入を可能にすることができる。ポックスウイルスはそれ自体の転写機構、ウイルスDNA依存性RNAポリメラーゼ、および転写後修飾酵素を有することができ、これにより、自己充分な細胞質複製が可能になる。結果として、挿入された導入遺伝子産物は、高レベルで発現させることができ、強力な細胞性免疫応答を生じる。
[00169]組換えワクシニアウイルスは、本明細書中に記載されるように、ポリペプチドを発現するように作製されることができる。本開示に関連して使用することができる非複製ポックスウイルスベクターとしては、限定されるものではないが、改変ワクシニアウイルスアンカラ(MVA)、NYVAC、およびALVAC株が挙げられる。MVAは、ニワトリ胚線維芽細胞における反復継代に起因するその元のゲノムの約15%の損失によって複製欠損にされた。ワクシニアのコペンハーゲン株に由来するNYVAC株は、元のウイルスゲノムから18の異なるオープンリーディングフレームを欠失させることによって複製欠損性にした。ALVACは、ヒト細胞において複製しないカナリポックスウイルスベクターであり、さらなる弱毒化が、ニワトリ胚線維芽細胞における200を超える継代を介して誘導されている。
[00170]あるいは、ベクターはアルファウイルスに基づいていることができる。アルファウイルスは、感染細胞の細胞質において複製することができる一本鎖プラスセンスRNAウイルスであることができる。本開示に関連して使用することができるアルファウイルスにとしては、限定されるものではないが、ベネズエラ馬脳炎ウイルス(VEE)、シンドビスウイルス(SIN)、セムリキ森林ウイルス(SFV)、およびVEE−SINキメラが挙げられる。
[00171]アルファウイルスベクターは、構造タンパク質をコードする遺伝子を欠失させて設計することができる。このようなアルファウイルスベクターは、“レプリコン”として知られる。アルファウイルスベクターは、流入領域リンパ節(draining lymph node)において樹状細胞のような抗原提示細胞を潜在的に標的化することができ、これは、抗原特異的免疫応答の効率的な生成をもたらすことができる。また、アルファウイルスベクターは、いくつかの細胞においてアポトーシスを誘導することによって、ワクチン抗原のクロスプライミングに適した環境を作り出すことができる。ワクチン免疫はまた、アルファウイルスベクター自体によってさらに増強することができる。
[00172]VEEはヒトにおいて病原性であることができるが、SINはそうではない。VEE/SINキメラは、ヒトがワクチン接種対象である場合の安全性の懸念を回避するために使用することができる。VEE/SINキメラにおいて、VEEはレプリコン成分として機能することができ、SINは構造およびパッケージング成分として機能することができる。
[00173]本明細書中に記載されるようなワクチンを産生するためのベクターとして使用することができる他のRNAウイルスとしては、限定されるものではないが、NDV、PIV5、およびVSVを挙げることができる。
[00174]本明細書中に記載されるようなアデノウイルスベクターまたはアデノウイルスベースのワクチンは、例えば、図5に示される手順に従って、本明細書中に提供される方法によって生産することができる。
[00175]アデノウイルスベースのワクチンの生産方法は、プラスミドDNAの調製および精製を含むことができる。本明細書中のプラスミドDNAは、本明細書中に記載されるような1以上のエピトープ配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えアデノウイルスベクターDNAであることができる。上記のように、組換えアデノウイルスベクターは、E領域遺伝子、例えば、E1、E3、E5、またはそれらの組み合わせを欠いている可能性がある。内因性ウイルス遺伝子の欠失は、目的の遺伝子、例えば、本明細書中に記載されるポリペプチドを発現するポリヌクレオチドの挿入のためのゲノム空間を提供することができる。一例として、E1欠失組換えアデノウイルスベクターは、in vitro連結法または相同組換え法のいずれかによって構築することができる。
[00176]in vitro連結法は、全アデノウイルスDNAゲノム、ならびに右逆方向末端反復(ITR)を有するAdの左末端、パッケージングシグナルおよびE1Aエンハンサー配列を含有するプラスミドを使用することができる。目的の遺伝子、例えば、本明細書中に記載するようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、プラスミドのウイルス配列の下流に挿入することができた後、ウイルス配列および目的の遺伝子を含有するフラグメントを切除し、制限部位に連結し、ウイルスE1領域の一部を置換し、それによって組換えアデノウイルスDNAベクターを生産することができる。
[00177]あるいは、組換えアデノウイルスベクターは、相同組換え法を使用することによって作製することもできる。in vivoで組換える重複フラグメントを有する2以上のプラスミドを使用することができる。代表的な第1のプラスミドは、DNAパッケージング領域およびE1領域の欠失を有するアデノウイルスゲノム全体を含有することができる。代表的な第2のプラスミド(シャトルベクター)は、右ITR、パッケージングシグナル、第1のプラスミドと重複する配列を含有することができる。目的の遺伝子、例えば、本明細書中に記載するポリペプチドを発現するポリヌクレオチドを、第2のプラスミドに導入することができた後、2つのプラスミドを組換え細胞中に同時トランスフェクトすることができる。細胞において、相同組換えは、第1のプラスミドと第2のプラスミドとの間で行い、それによって、組換えアデノウイルスベクターを生産することができる。相同組換えのための細胞の非限定的な例としては、酵母、細菌、および哺乳動物細胞株、例えば、293細胞、293T細胞、Hela細胞を挙げることができる。いくつかの場合において、組換えアデノウイルスベクターは、組換え細胞から精製することができる。あるいは、組換えプロセスをin vitroで行うことができる。
[00178]アデノウイルスベースのワクチンの生産方法はさらに、宿主細胞を精製DNAプラスミドでトランスフェクションすることを含むことができる。いくつかの態様において、DNAプラスミド、例えば、組換えアデノウイルスベクターは、トランスフェクションの前に線状化される。いくつかの場合において、トランスフェクションは、アデノウイルスプラーク(adenoviral plaque)を生成することができる。
[00179]いくつかの場合において、組換えアデノウイルスベクターは、アデノウイルスの複製を媒介することができるE1遺伝子を欠く。したがって、場合によっては、組換えアデノウイルスが複製するためにE1遺伝子を補充することが必要である。場合によっては、アデノウイルス感染を用いて生成されていて、ゲノム中にE1遺伝子を有する293細胞株を用いることができる。E1遺伝子産物を産生するように操作されている他の細胞株も、この目的のために使用することができる。いくつかの場合において、他のウイルスゲノム要素または1以上のヘルパーウイルスを含有するDNAフラグメントも、組換えアデノウイルスの産生のために使用することができる。例えば、ヘルパーウイルスは、ウイルスパッケージングのためのパッケージングシグナルを提供することができるが、組換えウイルスベクターはパッケージングシグナルを欠く可能性がある。あるいは、パッケージングシグナルを含有するDNAフラグメントは、組換えアデノウイルスの生産のために宿主細胞に同時トランスフェクトすることができる。組換えアデノウイルスベクターの生産のためのゲノム材料に寄与する、本明細書中で使用される1以上のプラスミドベクターまたはヘルパーウイルスは、レポーター遺伝子、選択マーカー、またはウイルス産生に有用であり得る任意の他の遺伝子を含むことができる。
[00180]細胞トランスフェクションは、当業者が利用可能な任意のトランスフェクションアプローチを用いて行うことができる。トランスフェクションアプローチとしては、限定されるものではないが、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リン酸カルシウム沈殿、カチオン性ポリマー、デンドリマー、リポソーム、マイクロプロジェクタイル衝撃(midroprojectile bombardment)、fugene、直接音波負荷、細胞圧搾、光学トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペールフェクション(impalefection)、マグネトフェクション(magnetofection)、ヌクレオフェクション、またはこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
[00181]アデノウイルスベースのワクチンの生産方法はさらに、ウイルスの単離および増幅を含むことができる。ウイルスの単離は、アデノウイルスプラークの単離を含むことができ、これに続いてプラークのスクリーニングを行うことができる。いくつかの場合において、スクリーニングは、ウイルス核酸の配列決定によって行うことができる。いくつかの場合において、プラークは、完全な、改変されていない導入遺伝子配列についてスクリーニングすることができる。正確なプラークはさらに、連続的により多数の細胞を感染させることによって増幅させることができる。方法はさらに、感染細胞の単離、および所望により溶解を含むことができ、続いてウイルス粒子を精製することができる。精製は、さまざまなアプローチ、例えば、限定されるものではないが、超遠心分離および透析を介して実施することができる。方法はさらに、例えばプラークアッセイによって、感染力価を決定することを含むことができる。方法はさらに、例えば紫外線吸光度測定によって、ウイルス粒子濃度を決定することを含むことができる。
[00182]組換えウイルスベースのワクチンは、非経口送達法によって対象に送達されることができる。非経口送達は、静脈内、経皮、経口、胆管内、実質内、肝内動脈、門脈内、腫瘍内、または経静脈送達を包含することができる。場合によっては、非経口送達は、組換えウイルスベースのワクチンの送達のために針(例えば、皮下注射針)を利用することができる。組換えウイルスベースのワクチンは、水溶液、例えば生理食塩水中で製剤化することができる。場合によっては、非経口送達は、送達方法として空気注入を利用することができる。核酸ベースのワクチンは、水溶液として製剤化することができる。
[00183]組換えウイルスベースのワクチンは、局所送達法によって対象に送達することもできる。ワクチンは、感染領域、例えば鼻腔に直接施用することができる。
[00184]抗体ベースのワクチン
[00185]本明細書中に記載されるペプチドまたはポリペプチド配列に結合する実体(entity)を含むことができる抗体ベースのワクチンを、本明細書中で提供する。抗体ベースのワクチンは、インフルエンザ感染に対して使用することができる。実体は抗体であることができる。
[00186]抗体ベースのワクチンは、適した任意の技術、キャリヤー、および賦形剤を使用して製剤化することができる。抗体は、天然抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体であってもよく、または抗体フラグメントであってもよい。抗体は、本明細書中に記載されるエピトープ配列の1以上を認識することができる。抗体は、配列番号1〜94から選択される1以上の配列、または表1、表2、もしくは表3から選択される配列を、認識することができる。抗体は、配列番号1〜94からなる群より選択される配列または表1、表2、もしくは表3から選択される配列に対して、最大40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列相同性または同一性を有する配列を認識することができる。抗体は、配列番号1〜94からなる群より選択される配列または表1、表2、もしくは表3から選択される配列に対して、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列相同性または同一性を有する配列を認識することができる。抗体は、配列番号1〜94からなる群より選択される配列または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の配列長の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%、またはそれを超える配列長を認識することができる。抗体は、配列番号1〜94からなる群より選択される配列または表1、表2、もしくは表3から選択される配列の配列長の最大30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の配列長を認識することができる。いくつかの態様において、抗体は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスなどのインフルエンザウイルスの複数の株からのエピトープを認識する。
[00187]抗体は、完全に組み立てられた抗体、抗原に結合することができる抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体など)、および前述のものを含む組換えペプチドを包含することができる。
[00188]抗体は、モノクローナル抗体であることができる。モノクローナル抗体の調製は当分野で公知であり、公知の技術に従って、抗原に対して感作された宿主由来の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させることによって、または脾臓細胞を適切な形質転換ベクターで形質転換して細胞を不死化することによって、達成することができる。細胞を選択培地中で培養し、クローニングし、スクリーニングして、指定された抗原に結合するモノクローナル抗体を選択することができる。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の調製に関して、多数の参考文献を見いだすことができる。
[00189]天然抗体(天然免疫グロブリン)は、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖から構成される、約150000ダルトンのヘテロテトラマー糖タンパク質であることができる。各軽鎖は1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されることができるが、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖によって多様であることができる。各重鎖および軽鎖はまた、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋を有することができる。各重鎖は一端に可変ドメイン(VH)を有し、続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は一端に可変ドメイン(VL)を、他端に定常ドメインを有することができ、軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインと整列させることができ、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列させることができる。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖の可変ドメインの間の界面を形成することができる。
[00190]可変領域は、抗原結合特異性を付与することができる。いくつかの場合において、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたって均一に分布していない。可変性は、ともに軽鎖および重鎖の可変ドメインにある相補性決定領域(CDR)または超可変領域とよばれる3つのセグメントに集中していることができる。可変ドメインのより高度に保存されている部分は、フレームワーク(FR)領域に位置することができる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインはそれぞれ、βプリーツシート構造を接続し、場合によってはその一部を形成するループを形成する3つのCDRによって接続されていて、おもにβプリーツシート配置を採用している、4つのFR領域を含むことができる。各鎖中のCDRはFR領域によって近接して一緒に保持されることができ、他の鎖由来のCDRと一緒に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。いくつかの場合において、定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与することができないが、Fc受容体(FcR)結合、抗体依存性細胞毒性への抗体の関与、補体依存性細胞毒性の開始、および肥満細胞脱顆粒など、さまざまなエフェクター機能を示すことができる。
[00191]超可変領域は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基をさすことができる。超可変領域は、相補的に決定する領域またはCDRからのアミノ酸残基および/または“超可変ループ”からのアミノ酸残基を含むことができる。フレームワークまたはFR残基は、本明細書中で考慮されるように、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基であることができる。
[00192]抗体フラグメントは、無傷抗体の部分、例えば、無傷抗体の抗原結合領域または可変領域を含むことができる。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディ;ミニボディ(minibody);線状抗体;一本鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化は、それぞれが単一の抗原結合部位を有しFabフラグメントとよばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、容易に結晶化する能力を名前が反映している残りのFcフラグメントとをもたらすことができる。ペプシン処理によって、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原を架橋することができる、F(ab’)2フラグメントが生じる。
[00193]Fvは、完全な抗原認識および結合部位を含有する最小抗体フラグメントであることができる。この領域は、緊密で非共有結合的な関連にある1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなることができる。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定することができるのは、この配置である。集合的に、6つのCDRは、抗体に抗原結合特異性を付与することができる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識および結合する能力を有することができる。
[00194]Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CHI)を含有することができる。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域由来の1以上のシステインを含む重鎖CHIドメインのカルボキシ末端に数個の残基を付加することによって、Fab’フラグメントとは異なることができる。Fab’−SHは、本明細書中で、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’に使用することができる。Fab’フラグメントは、F(ab’)2フラグメントの重鎖ジスルフィド架橋を還元することによって生産することができる。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られている。
[00195]任意の脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)とよばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
[00196]重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラスには、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが包含され、これらのいくつかはさらに、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分けることができる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューとよばれる。さまざまなクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および3次元配置が周知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有することができる。例えば、ヒトIgG1およびIgG3アイソタイプは、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞毒性)活性を有する。
[00197]モノクローナル抗体は、任意の適切な種、例えば、ネズミ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、またはヒトモノクローナル抗体から得ることができる。
[00198]組成物、例えばワクチンは、約、または少なくとも、または最大で5、10、25、50または100の異なる抗体を含むことができる。
[00199]抗原提示細胞(APC)ベースのワクチン
[00200]本明細書中に記載されるポリペプチドを提示するAPCベースのワクチンを、本明細書中に提供する。APCベースのワクチンは、インフルエンザ感染に対して使用することができる。APCベースのワクチンは、適切に、当分野で理解されているように、任意の公知の技術、キャリヤー、および賦形剤を使用して製剤化することができる。APCは、単球、単球由来細胞、マクロファージ、および樹状細胞を包含することができる。場合によっては、APCベースのワクチンは、樹状細胞ベースのワクチンであることができる。
[00201]樹状細胞(DC)ベースのワクチンは、当分野で公知の任意の方法によって調製することができる。いくつかの場合において、樹状細胞ベースのワクチンは、ex vivoまたはin vivo法によって調製することができる。ex vivo法は、患者に投与する前にDCを活性化または負荷するために、本明細書中に記載するポリペプチドでex vivoでパルス化された自己DCの使用を含むことができる。in vivo法は、本明細書中に記載するペプチドと結び付いた抗体を用いて、特異的DC受容体を標的化することを含むことができる。DCベースのワクチンはさらに、TLR3、TLR−7−8、およびCD40アゴニストなどのDCアクチベーターを含むことができる。DCベースのワクチンはさらに、アジュバント、および医薬的に許容しうるキャリヤーを含むことができる。
[00202]ウイルスベースのワクチン
[00203]ウイルスベースのワクチンは、生ウイルスまたは不活化ウイルスに基づき作製することができる。ウイルスは、本明細書中に記載される配列のいずれかを含む1以上のタンパク質を発現するように操作することができる。生ウイルスに基づくワクチンは、弱毒化ウイルス、または低温に適応可能なウイルスを使用することができる。不活化ウイルスに基づくワクチンは、全ビリオン(whole virion)、スプリットビリオン(split virion)、または精製表面抗原(例えば、A型インフルエンザウイルス由来のHAおよび/またはN)を含むことができる。ウイルスを不活性化するための化学的手段は、有効量の以下の薬剤の1以上での処置を包含することができる:デタージェント(detergent)、ホルムアルデヒド、β−プロピオラクトン、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)、二成分エチルアミン、アセチルエチレンイミン、またはそれらの組み合わせる。ウイルス不活性化の非化学的方法、例えば、紫外線、熱不活性化、またはガンマ線照射は、当技術分野で知られている。
[00204]スプリットビリオンは、さまざまな方法によってウイルス含有流体から収集することができる。例えば、精製プロセスは、ビリオンを破壊するためのデタージェントを包含する直鎖状スクロース勾配溶液を用いるゾーン遠心分離を包含することができる。抗原は、所望による希釈の後、ダイアフィルトレーションによって精製することができる。
[00205]スプリットビリオンは、精製ビリオンを、“Tween−エーテル”分割プロセスなど、デタージェント(例えば、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコール酸塩、リン酸トリ−N−ブチル、Triton X−100、Triton N101、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、Tergitol NP9など)で処理してサブビリオン調製物を生産することにより、得ることができる。インフルエンザウイルスを分割する方法は、当分野で周知である。ウイルスの分割は、分割剤の破壊濃度で感染性であろうと非感染性であろうと、ウイルス全体を破壊または断片化することによって行うことができる。破壊は、ウイルスタンパク質の完全または部分的な可溶化をもたらすことができ、ウイルスの完全性を変化させる。分割剤は非イオン性またはイオン性(例えば、カチオン性)界面活性剤、例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、Ν,Ν−ジアルキル−グルカミド、Hecameg、アルキルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、第四級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、リン酸トリ−N−ブチル、Cetavlon、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、およびDOT−MA、オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100またはTriton N101などのTriton界面活性剤)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどであることができる。代表的的な分割手順の1つでは、デオキシコール酸ナトリウムとホルムアルデヒドの連続効果を使用することができ、分割は最初のビリオン精製中に(例えば、スクロース密度勾配溶液中で)行うことができる。したがって、分割プロセスは、ビリオン含有材料の清澄化(非ビリオン材料を除去するため)、収集されたビリオンの濃縮(例えば、CaHP04吸着などの吸着方法を使用する)、非ビリオン材料からの全ビリオンの分離、密度勾配遠心分離段階において分割剤を使用するビリオンの分割(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどの分割剤を含有するスクロース勾配を使用する)、次いで望ましくない材料を除去するための濾過(例えば、限外濾過)を包含することができる。スプリットビリオンは、リン酸ナトリウム緩衝生理食塩水中に有用に再懸濁することができる。BEGRIVACTM、FLUARIXTM、FLUZONETM、およびFLUSHIELDTM製品は、分割ワクチンである。
[00206]精製表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原、ヘマグルチニン、および典型的にはノイラミニダーゼも含むことができる。精製された形態でこれらのタンパク質を調製するためのプロセスは、当分野で周知である。FLUVIRINTM、AGRIPPALTM、およびINFLUVACTM製品が例である。
[00207]不活化ウイルスに基づくワクチンは、ビロソーム(核酸を含まないウイルス様リポソーム粒子)を包含することができる。ビロソームは、デタージェントでインフルエンザウイルスを可溶化した後、ヌクレオカプシドを除去し、ウイルス糖タンパク質を含有する膜を再構成することによって調製することができる。また、ビロソームは、ウイルス膜糖タンパク質を過剰量のリン脂質に添加して、その膜にウイルスタンパク質を有するリポソームを生成することによって調製することもできる。
[00208]医薬組成物および投与
[00209]インフルエンザウイルス感染に対する免疫を提供するために使用することができる医薬組成物を、本明細書中に提供する。本開示の特定の観点において、医薬組成物はワクチンであることができる。
[00210]組成物は、1以上のポリペプチド、核酸、タンパク質(例えば、抗体またはそのフラグメント)、APC、または本明細書中に記載されるウイルス、またはそれらの組み合わせ、および医薬的に許容しうる賦形剤を含むことができる。いくつかの態様において、組成物はさらに、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはベクターのためのキャリヤーを含むことができる。組成物はさらに、防腐剤を含むことができる。場合によっては、組成物はさらに、適切な物理的または化学的特性、例えば、限定されるものではないが、塩濃度、重量モル浸透圧濃度、pH、疎水性/疎水性、および溶解度を維持するための他の試薬を含むことができる。組成物はさらに、増強された送達のための適切な浸透増強剤を含むことができる。組成物はさらに、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはベクターの免疫原性を増強することができる適切なアジュバント(1以上)を含むことができる。
[00211]製剤
[00212]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、組成物の意図される投与経路に部分的に基づいて製剤化することができる。組成物、例えばワクチンは、1以上の活性剤、例えば、1以上のペプチド、核酸、タンパク質(例えば、抗体またはそのフラグメント)、APC、本明細書中に記載されるウイルス、またはそれらの組み合わせを含むことができる。1以上の活性薬剤を1以上のアジュバントと組み合わせて含む組成物は、賦形剤、希釈剤、および/または助剤を含む、1以上の生理学的に許容しうるキャリヤーを使用して、従来法で製剤化することができる。これに関し、助剤は、例えば、投与することができる調製物中への1以上の活性薬剤の加工を容易にするものである。本明細書中に記載される1以上の活性薬剤は、本明細書中に記載されるいくつかの投与経路または投与法、例えば、経口、口腔内、局所、直腸内、経皮、経粘膜、皮下、静脈内、および筋肉内施用、ならびに吸入を使用して、対象に送達することができる。
[00213]本明細書に記載される組成物、例えばワクチンは、懸濁液、シロップ、またはエリキシルなどの液体調製物であることができる。組成物、例えばワクチンはまた、非経口、皮下、皮内、筋肉内、または静脈内投与(例えば、注射可能な投与)のための調製物、例えば、滅菌懸濁液またはエマルションであることができる。いくつかの場合において、水溶液は、そのまま使用するために包装するか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌溶液と組み合わせられる。組成物、例えばワクチンは、溶液または懸濁液として送達することができる。一般に、ゼリー、クリーム、ローション、坐剤および軟膏などの製剤は、ある領域に1以上の活性薬剤へのより長期の暴露を提供することができ、溶液中の製剤、例えばスプレーは、より即時の短期暴露を提供することができる。
[00214]吸入用製剤(例えば、経鼻投与または経口投与)
[00215]本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンは、対象の鼻腔を介した投与のために製剤化することができる。キャリヤーが固体であり、経鼻投与に適した製剤は、例えば、約10〜約500ミクロンの範囲の粒子サイズを有する粗粉末を包含することができ、これは、例えば、鼻の近くに保持された粉末の容器からの鼻腔を介した迅速な吸入によって嗅剤を摂取する方法で、投与することができる。製剤は、鼻スプレー、点鼻薬、またはネブライザーによるエアロゾル投与であることができる。製剤は、ワクチンの水性または油性溶液を包含することができる。
[00216]本明細書で提供される組成物、例えばワクチンは、エアロゾル製剤として製剤化することができる。エアロゾル製剤は、例えば、エアロゾル溶液、懸濁液または乾燥粉末であることができる。エアロゾルは、呼吸器系または鼻腔を通して投与することができる。例えば、組成物は、適切なキャリヤー、例えば医薬的に許容しうる噴射剤に懸濁化または溶解することができ、鼻スプレーまたは吸入剤を使用して肺に直接投与することができる。例えば、1以上の活性薬剤を含むエアロゾル製剤は、例えば、鼻スプレーまたは吸入剤として投与するために、噴射剤または溶媒と噴射剤との混合物中に溶解、懸濁化または乳化することができる。エアロゾル製剤は、化粧用または皮膚科学的または医薬的に許容しうる噴射剤のような、加圧下の任意の許容しうる噴射剤を含有することができる。
[00217]経鼻投与のためのエアロゾル製剤は、点滴またはスプレーで鼻腔に投与するように設計された水溶液であることができる。点鼻液は、等張性で、約5.5〜約6.5のpHを維持するためにわずかに緩衝化することができるという点で、鼻分泌物と同様であることができる。場合によっては、この範囲外のpH値を使用することができる。抗菌剤または防腐剤が製剤に包含されることもできる。
[00218]吸入のためのエアロゾル製剤は、経鼻または経口呼吸経路によって投与されたときに、1以上の活性薬剤が対象の呼吸器系に運ばれるように設計することができる。吸入溶液は、例えばネブライザーによって投与することができる。微細粉末薬または液剤を含む吸入剤または吹入剤は、例えば分配を補助するために、噴射剤中の薬剤または薬剤の組み合わせの溶液または懸濁液の医薬エアロゾルとして、呼吸器系に送達することができる。噴射剤は、ハロカーボン、例えば、フッ素化塩素化炭化水素、ヒドロクロロフルオロカーボン、およびヒドロクロロカーボンなどのフルオロカーボン、ならびに炭化水素および炭化水素エーテルを含む液化ガスであることができる。
[00219]ハロカーボン噴射剤としては、すべての水素がフッ素で置換されているフルオロカーボン噴射剤、すべての水素が塩素および少なくとも1つのフッ素で置換されているクロロフルオロカーボン噴射剤、水素含有フルオロカーボン噴射剤、および水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤を挙げることができる。炭化水素噴射剤としては、例えば、プロパン、イソブタン、n−ブタン、ペンタン、イソペンタン、およびネオペンタンを挙げることができる。炭化水素のブレンドも噴射剤として使用することができる。エーテル噴射剤としては、例えば、ジメチルエーテルおよびエーテル類が挙げられる。エアロゾル製剤はまた、1より多くの噴射剤を含むことができる。例えば、エアロゾル製剤は、2以上のフルオロカーボンなど、同じクラスからの1より多くの噴射剤;または、フルオロ炭化水素および炭化水素など異なるクラスからの1より多く、2より多く、3より多くの噴射剤を含むことができる。本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンは、圧縮ガス、例えば、二酸化炭素、亜酸化窒素、または窒素などの不活性ガスと一緒に、分配することもできる。
[00220]エアロゾル製剤は、他の成分、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ならびに界面活性剤または他の成分、例えば、油およびデタージェントを包含することもできる。これらの成分は製剤を安定化し、および/または弁成分を円滑にするのに役立つことができる。
[00221]エアロゾル製剤は加圧下で包装することができ、溶液、懸濁液、エマルション、粉末、および半固体調製物を使用してエアロゾルとして製剤化することができる。例えば、溶液エアロゾル製剤は、(実質的に)純粋な噴射剤中、または噴射剤と溶媒との混合物中などの活性薬剤の溶液を含むことができる。溶媒は、1以上の活性薬剤を溶解するために、および/または噴射剤の蒸発を遅らせるために、使用することができる。溶媒としては、例えば、水、エタノール、およびグリコールを挙げることができる。適切な溶媒の任意の組み合わせを使用することができ、所望により、防腐剤、酸化防止剤、および/または他のエアロゾル成分と組み合わせることができる。
[00222]エアロゾル製剤は、分散液または懸濁液であることができる。懸濁エアロゾル製剤は、1以上の活性薬剤、例えばペプチドと、分散剤との懸濁液を含むことができる。分散剤としては、例えば、ソルビタントリオレエート、オレイルアルコール、オレイン酸、レシチン、およびトウモロコシ油を挙げることができる。懸濁エアロゾル製剤は、潤滑剤、防腐剤、酸化防止剤、および/または他のエアロゾル成分を包含することもできる。
[00223]エアロゾル製剤は、同様に、エマルションとして製剤化することができる。エマルションエアロゾル製剤は、例えば、エタノールなどのアルコール、界面活性剤、水、および噴射剤のほか、活性薬剤または活性薬剤の組合せ、例えば1以上のペプチドを包含することができる。使用される界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であることができる。エマルションエアロゾル製剤の一例は、例えば、エタノール、界面活性剤、水、および噴射剤を含む。エマルションエアロゾル製剤の他の例は、例えば、植物油、モノステアリン酸グリセリル、およびプロパンを含む。
[00224]非経口投与用製剤
[00225]1以上の活性薬剤を含む組成物、例えばワクチンは、非経口投与用に製剤化することができ、アンプル、予め充填されたシリンジ、小容量注入液、または防腐剤が添加されている複数用量容器において、単位剤形で提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルション、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液などの形態をとることができる。
[00226]注射可能な製剤の場合、ビヒクルは、適切であることが当分野で知られているもの、例えば、水溶液または油懸濁液、または、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油もしくは落花生油を含むエマルション、ならびに、エリキシル、マンニトール、デキストロース、または滅菌水溶液、および同様の医薬ビヒクルから、選択することができる。製剤は、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)のような、生体適合性で生分解性であるポリマー組成物を含むこともできる。これらの材料をミクロまたはナノスフェアにし、薬物を担持させ、さらにコーティングまたは誘導体化して、優れた持続放出性能をもたらすことができる。眼周囲または眼内注射に適したビヒクルとしては、例えば、注射グレードの水中の活性薬剤の懸濁液、リポソーム、および親油性物質に適したビヒクル、および当分野で公知のものが挙げられる。
[00227]非経口注射は、皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内、および心臓内投与を包含することができる。皮下投与は、皮下にボーラスとして投与することができる。ヒト対象の皮下注射部位は、上腕の外側領域、腹部、大腿前面、上背部、臀部の上部領域を包含することができる。筋肉内投与は、筋肉への直接注射であることができる。筋肉内注射部位としては、三角筋、背臀筋(dorsogluteal)、大腿直筋、外側広筋および腹臀筋(ventrogluteal muscle)を挙げることができる。静脈内投与は、静脈内への液体製剤の直接送達であることができる。静脈内投与は、末梢静脈(例えば、腕、手、脚、および足部の静脈)または中心静脈(例えば、心臓の上大静脈、下大静脈、および右心房)に施用することができる。腹腔内投与は、腹膜への注射であることができる。心臓内投与は、心筋または心室への直接注射であることができる。
[00228]場合によっては、組成物、例えばワクチンは、ヒトのような哺乳類対象への静脈内投与のために製剤化することができる。静脈内投与のための組成物、例えばワクチンは、滅菌等張水性緩衝液中の溶液であることができる。いくつかの場合において、組成物、例えばワクチンは、可溶化剤および注射部位の痛みを緩和するためのリドカインなどの局所麻酔薬を包含することができる。構成成分は、別個に供給されるか、または、例えば、活性薬剤の量を示しているアンプルまたはサシェット(sachet)のような密閉容器中の乾燥凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として、単位剤形で一緒に混合することができる。組成物を注入によって投与する場合、滅菌した医薬用の水または生理食塩水を含有する注入ボトルで調剤してもよい。組成物を注射によって投与する場合、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルは、構成成分を投与前に混合することができるように提供することができる。
[00229]投与が注射による場合、1以上の活性薬剤を含む組成物、例えばワクチンは、水溶液中、特に、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理食塩水緩衝液のような生理学的に適合性の緩衝液中で製剤化することができる。溶液は、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤を含有することができる。あるいは、1以上の活性薬剤は、使用前に適切なビヒクル、例えば無菌で発熱物質を含まない水と一緒に構成するように、粉末形態にあることができる。他の態様において、組成物、例えば、ワクチンは、活性薬剤によって刺激される免疫応答を増強するために添加されるアジュバントまたは任意の他の物質を含まない。他の態様において、組成物、例えばワクチンは、1以上の活性薬剤に対する免疫応答を阻害する物質を含むことができる。
[00230]いくつかの態様において、1以上の活性薬剤は、デポー調製物として製剤化することができる。このような長期作用性製剤は、埋め込みまたは経皮送達(例えば、皮下または筋肉内)、筋肉内注射、または経皮パッチの使用によって投与することができる。したがって、例えば、1以上の活性薬剤を、適切なポリマーまたは疎水性材料(例えば、許容しうる油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂と一緒に、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として、製剤化することができる。
[00231]局所投与用製剤
[00232]本開示の特定の観点において、本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、局所的に投与するか、または特定の感染部位またはその近くに注射したときに、局部的(local)および部位的(regional)な効果を発揮する1以上の薬剤を含むことができる。例えば、粘性液体、溶液、懸濁液、ジメチルスルホキシド(DMSO)ベースの溶液、リポソーム製剤、ゲル、ゼリー、クリーム、ローション、軟膏、坐剤、フォーム、またはエアロゾルスプレーの直接局所施用を局部的投与のために使用して、例えば局部的および/または部位的効果を生じさせることができる。このような製剤のための医薬的に適したビヒクルとしては、例えば、低級脂肪族アルコール、ポリグリコール(例えば、グリセロールまたはポリエチレングリコール)、脂肪酸のエステル、油、脂肪、シリコーンなどが挙げられる。このような調製物は、防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル)および/または酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸およびトコフェロール)を包含することもできる。いくつかの態様において、1以上の活性薬剤を含む局部/局所製剤は、表皮または粘膜のウイルス感染を処置するために使用される。
[00233]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、皮膚科学的に許容しうるキャリヤーを含有することができる。このようなキャリヤーは、皮膚、爪、粘膜、組織、および/または毛髪と適合し、これらの要件を満たす任意の皮膚科学的キャリヤーを包含することができる。このようなキャリヤーは、当業者なら容易に選択することができる。皮膚軟膏の製剤化では、1以上の薬剤を、油性炭化水素基剤、無水吸収基剤、油中水型吸収基剤、水中油型水除去性基剤および/または水溶性基剤中に製剤化することができる。このようなキャリヤーおよび賦形剤の例としては、保湿剤(例えば、尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アルコール(例えば、エタノール)、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、グリセロールモノラウレート、スルホキシド、テルペン(例えば、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられる。
[00234]軟膏およびクリームは、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して、水性または油性基剤と一緒に製剤化することができる。ローションは水性または油性基剤と一緒に製剤化することができ、一般に、1以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または着色剤も含有する。薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当分野で公知である。このようなパッチは、薬剤の連続的、脈動的、またはオンデマンド送達のために構築することができる。
[00235]組成物および剤形を形成するために使用することができる潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、またはそれらの混合物が挙げられる。追加的な潤滑剤としては、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、またはそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は、所望により、組成物の約1重量パーセント未満の量で添加することができる。
[00236]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、局所施用に適した任意の形態、例えば、水性、水性−アルコール性もしくは油性溶液、ローションもしくは血清分散液(serum dispersion)、水性、無水もしくは油性ゲル、水性相中の脂肪相の分散によって得られるエマルション(O/Wもしくは水中油型)もしくはその逆(W/Oもしくは油中水型)、マイクロエマルション、または、代替的にイオン性および/もしくは非イオン性タイプのマイクロカプセル、マイクロ粒子もしくは脂質小胞分散液の形態にあることができる。1以上の活性薬剤以外に、本明細書中で提供される組成物のさまざまな構成要素の量は、当分野で使用されているものであることができる。これらの組成物は、顔、手、身体および/もしくは粘膜用、または皮膚の洗浄用の、保護、処置またはケアクリーム、ミルク、ローション、ゲルまたはフォームを構成することができる。組成物は、石鹸またはクレンジングバーを構成する固体調製物からなることもできる。
[00237]局部/局所施用のための、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、第四級アンモニウム化合物、有機水銀、p−ヒドロキシ安息香酸塩、芳香族アルコール、クロロブタノールなどの1以上の抗菌性防腐剤を包含することができる。
[00238]経口投与用製剤
[00239]場合によっては、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、経口投与のために製剤化することができる。
[00240]経口投与の場合、本明細書中に提供される組成物は、1以上の活性薬剤を、当分野で公知の医薬的に許容しうるキャリヤーと組み合わせることによって、容易に製剤化することができる。そのようなキャリヤーにより、活性薬剤を、処置される患者による経口摂取のための、チュアブル錠を含む錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、トローチ剤、ハードキャンディ、液体、ゲル、シロップ、スラリー、粉末、懸濁液、エリキシル、カシェ剤などとして製剤化することが可能になる。このような製剤は、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体、およびさまざまな非毒性有機溶媒を含む、医薬的に許容しうるキャリヤーを含むことができる。固体キャリヤーは、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、バインダー、防腐剤、錠剤崩壊剤、または封入用材料として作用することもできる1以上の物質であることができる。粉末において、キャリヤーは、微粉化した活性成分との混合物である微粉化固体であることができる。錠剤において、活性成分は一般に、望ましい結合能力を有するキャリヤーと適切な割合で混合され、望ましい形状およびサイズに圧縮される。粉末および錠剤は、約一(1)%〜約七十(70)%の1以上の活性薬剤を含有することができる。適切なキャリヤーとしては、限定されるものではないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが挙げられる。一般に、1以上の活性薬剤は、経口剤形の全組成物の約0.5重量%、約5重量%、約10重量%、約20重量%、または約30重量%〜約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、または約90重量%の範囲の濃度レベルにおいて、望ましい用量単位を提供するのに十分な量で包含されることができる。
[00241]経口使用のための水性懸濁液は、1以上の活性薬剤を、懸濁剤(例えば、メチルセルロース)、湿潤剤(例えば、レシチン、リゾレシチンおよび/または長鎖脂肪族アルコール)、ならびに着色剤、防腐剤、香味剤などのような医薬的に許容しうる賦形剤と一緒に、含有することができる。
[00242]油または非水性溶媒は、例えば、大きな親油性部分の存在に起因して、1以上の活性薬剤を溶液にするために必要とされることがある。あるいは、エマルション、懸濁液、または他の調製物、例えばリポソーム調製物を、使用することができる。リポソーム調製物に関し、状態の処置用のリポソームを調製するための任意の公知の方法を使用することができる。リガンドをリポソームに付着させて、これらの組成物を特定の作用部位に向けることもできる。
[00243]経口使用のための医薬調製物は、固体賦形剤として得ることができ、所望により、得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。適切な賦形剤は、とりわけ、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖のような充填剤;香味要素、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などである。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩のような崩壊剤を添加することができる。これらの薬剤は、持続放出性調製物として製剤化することもできる。
[00244]糖衣錠コアには、適切なコーティングを施すことができる。この目的のために、所望によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる濃縮糖溶液を使用することができる。同定のために、または活性薬剤の異なる組合せを特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
[00245]経口的に使用できる医薬調製物は、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤から作製される軟質密封カプセルを包含する。プッシュフィットカプセルは、活性構成成分を、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどのバインダー、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および所望により安定剤と混合して、含有することができる。軟カプセルにおいて、活性薬剤は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁させることができる。さらに、安定剤を添加することができる。経口投与のための全ての製剤は、投与に適した用量にあることができる。
[00246]経口投与に適した他の形態としては、エマルション、シロップ、エリキシル、水溶液、水性懸濁液、または使用直前に液体形態の調製物に転化することが意図される固体形態の調製物を含む、液体形態の調製物が挙げられる。エマルションは、溶液中、例えば、プロピレングリコール水溶液中で調製することができ、または、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート、もしくはアラビアゴムを含有することができる。水溶液は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、香味料、安定剤、および増粘剤を添加することによって調製することができる。水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、粘性材料、例えば、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁剤を含む水中に分散させることによって、調製することができる。組成物を投与することができる適切な充填剤またはキャリヤーとしては、寒天、アルコール、脂肪、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、多糖類、ポリビニルピロリドン、シリカ、滅菌生理食塩水など、または適切な量で使用されるそれらの混合物が挙げられる。固体形態の調製物としては、溶液、懸濁液、およびエマルションが挙げられ、活性成分に加えて、着色剤、香味料、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有することができる。
[00247]シロップまたは懸濁液は、活性化合物を、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液に添加することによって作製することができ、これには、任意の補足成分を添加することもできる。そのような補足成分は、香味料、糖の結晶化を遅らせるための薬剤、または他の任意の成分の溶解度を増大させるための薬剤、例えば、多価アルコール、例えば、グリセロールまたはソルビトールを、包含することができる。
[00248]経口投与用の化合物を製剤化する場合、胃腸(GI)管からの吸収を増強するために、胃内滞留性(gastroretentive)製剤を利用することが望ましい場合がある。胃内に数時間保持される製剤は活性薬剤をゆっくりと放出し、本明細書中で使用することができる持続放出をもたらすことができる。活性薬剤の吸収を最大にするために、膨張性、浮遊性、および生体接着性の技術を利用することができる。
[00249]眼投与用製剤
[00250]いくつかの場合において、本明細書中で提供される組成物は、眼を通して投与することができ、例えば、点眼剤で送達することができる。点眼剤は、生理食塩水、緩衝液などの滅菌水溶液中に1以上の活性薬剤を溶解することによって、または溶解する粉末組成物を使用前に組み合わせることによって、調製することができる。当分野で公知の他のビヒクル、例えば、限定されるものではないが、平衡塩類溶液、生理食塩水、ポリエチレングリコールなどの水溶性ポリエーテル、ポリビニルアルコールおよびポビドンなどのポリビニル、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、鉱油および白色ワセリンなどの石油誘導体、ラノリンなどの動物性脂肪、カルボキシポリメチレンゲルなどのアクリル酸のポリマー、落花生油などの植物性脂肪、およびデキストランなどの多糖類、ならびにヒアルロン酸ナトリウムなどのグリコサミノグリカンを選択することができる。望ましい場合、点眼剤に通常使用される添加剤を加えることができる。このような添加剤としては、等張化剤(例えば、塩化ナトリウムなど)、緩衝剤(例えば、ホウ酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノールなど)、増粘剤(例えば、ラクトース、マンニトール、マルトースなどの糖質;例えば、ヒアルロン酸、またはヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウムなどのその塩;例えば、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖;例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、架橋ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または当業者に公知の他の薬剤)が挙げられる。
[00251]他の製剤
[00252]いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物は、耳用の溶液、懸濁液、軟膏、または挿入物で投与される。いくつかの態様において、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、坐剤として投与するために製剤化される。例えば、トリグリセリド、脂肪酸グリセリド、Witepsol S55(Dynamite Nobel Chemical,ドイツの商標)、またはカカオバターの混合物などの低融点ワックスを最初に溶融させ、活性成分を、例えば撹拌によって均質に分散させることができる。その後、溶融した均質な混合物を、好都合なサイズの型に注ぎ入れ、そのまま冷却し、凝固させることができる。いくつかの態様では、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、膣内投与のために製剤化される。場合によっては、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレーは、1つまたは組成物、例えば本明細書中に記載のワクチンを含有する。
[00253]構成成分、例えば、キャリヤー、賦形剤
[00254]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上のキャリヤーおよび賦形剤(緩衝剤、炭水化物、マンニトール、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸、例えばグリシン、酸化防止剤、静菌薬、キレート化剤、懸濁剤、増粘剤および/または防腐剤を含むが、これらに限定されない)、水、油、例えば、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油など、食塩水、水性デキストロースおよびグリセロール溶液、香味剤、着色剤、脱粘着剤および他の許容しうる添加剤、アジュバント、またはバインダー、生理学的条件に近づけるために必要とされる他の医薬的に許容しうる補助物質、例えば、pH緩衝剤、張性調整剤、乳化剤、湿潤剤などを包含することができる。賦形剤の例としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。他の例において、組成物は実質的に防腐剤を含まない。他の態様において、組成物、例えばワクチンは、少なくとも1つの防腐剤を含有する。医薬剤形に関する一般的な方法論は、Ansel et ah, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(Lippencott Williams & Wilkins,Baltimore Md(1999))に見いだすことができる。当業者に公知の任意の適切なキャリヤーを、本明細書中に記載される医薬組成物の投与に採用することができるが、キャリヤーのタイプは投与方法に応じて多様であることができることは、認識されるであろう。適切な製剤および追加的なキャリヤーは、Remington“The Science and Practice of Pharmacy”(第20版,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore Md)に記載されており、その教示を全体として本明細書中で参考として援用する。
[00255]リポソームおよびミクロスフェア
[00256]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、リポソーム内に封入されていることができる。生分解性ミクロスフェアも、組成物のためのキャリヤーとして採用することができる。
[00257]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、リポソームまたはミクロスフェア(または微粒子)で投与することができる。患者に投与するためのリポソームおよびミクロスフェアの調製方法は、当業者に公知である。例えば、内容を本明細書で参考として援用する米国特許公報第4789734号には、生物材料をリポソーム中に封入するための方法が記載されている。材料を水溶液に溶解し、適したリン脂質および脂質を必要に応じて界面活性剤と一緒に添加し、材料を要望に応じて透析または超音波処理することができる。ポリマーまたはタンパク質で形成されたミクロスフェアは当業者に公知であり、胃腸管を通って血流に直接通過するように適応させることができる。あるいは、化合物を組み込み、ミクロスフェア、またはミクロスフェアの複合体を、数日から数ヶ月の範囲の期間にわたり徐放するように埋め込むことができる。
[00258]防腐剤/滅菌
[00259]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、単回投与(例えば、免疫化)のための材料を包含することができ、または複数回投与(例えば、免疫化)のための材料(例えば、“複数回用量”キット)を含むことができる。組成物、例えばワクチンは、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールのような1以上の防腐剤を包含することができる。いくつかの態様において、ワクチンは、水銀物質を実質的に含まず(例えば、<10μg/mL)、例えばチオメルサルを含まない。いくつかの態様において、コハク酸a−トコフェロールは、水銀化合物の代替物として使用される。防腐剤は、使用中の微生物混入を防止するために使用することができる。適切な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、Onamer M、または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。眼科用製品では、例えば、そのような防腐剤は0.004%〜0.02%のレベルで使用することができる。本出願の組成物において、防腐剤、例えば塩化ベンザルコニウムは、0.001重量%〜0.01重量%未満、例えば、0.001重量%〜0.008重量%、好ましくは約0.005重量%のレベルで採用することができる。0.005%の塩化ベンザルコニウム濃度は、本明細書中に提供される組成物を微生物攻撃から保護するのに十分であることができる。
[00260]複数回用量の組成物に防腐剤を包含させる代わりに(または、これに加えて)、組成物、例えばワクチンは、材料を除去するための無菌アダプターを有する容器に入れることができる。
[00261]いくつかの場合において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、無菌であることができる。組成物、例えばワクチンは、非発熱性で、例えば、用量あたり<1EU(エンドトキシン単位、標準尺度)を含有することができ、用量あたり<0.1EUであることもできる。組成物、例えばワクチンは、当分野で公知の適切なビヒクル中で、滅菌溶液または懸濁液として製剤化することができる。組成物、例えばワクチンは、従来の公知の滅菌技術によって滅菌することができ、例えば、組成物は滅菌濾過することができる。
[00262]塩/重量モル浸透圧濃度
[00263]いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上の塩を含む。張性を制御するために、ナトリウム塩などの生理学的塩を、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンに包含させることができる。他の塩としては、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二ナトリウム、および/または塩化マグネシウムなどを挙げることができる。いくつかの態様において、組成物、例えばワクチンは、1以上の医薬的に許容しうる塩と一緒に製剤化される。1以上の医薬的に許容しうる塩としては、無機イオン、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムイオンなどの塩を挙げることができる。このような塩としては、無機または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、またはマレイン酸との塩を挙げることができる。活性薬剤(例えば、ポリペプチド)がカルボキシ基または他の酸性基を含有する場合、それは、無機または有機塩基を有する医薬的に許容しうる付加塩に転化することができる。適切な塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
[00264]組成物、例えばワクチンは、200mOsm/kg〜400mOsm/kg、240〜360mOsm/kg、または290〜310mOsm/kgの範囲内の重量モル浸透圧濃度を有することができる。
[00265]緩衝液/pH
[00266]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上の緩衝液、例えば、Tris緩衝液;ホウ酸緩衝液;コハク酸緩衝液;ヒスチジン緩衝液(例えば、水酸化アルミニウムアジュバントを含む);またはクエン酸緩衝液を含むことができる。緩衝液は、場合によっては5〜20mMの範囲で包含される。
[00267]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、約5.0〜約8.5、約6.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、または約7.0〜約7.8のpHを有する。
[00268]デタージェント/界面活性剤
[00269]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上のデタージェントおよび/または界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般に“Tween”とよばれる)、例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80;DOWFAXTMの商標名で販売されているエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば、線状EO/POブロックコポリマー;繰り返しエトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が多様であることができるオクトキシノール、例えば、オクトキシノール−9(Triton X−100、またはt−オクチルフェノキシエトキシエタノール);(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);ホスファチジルコリン(レシチン)などのリン脂質;TergitolTM NPシリーズなどのノニルフェノールエトキシレート;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールから誘導されるポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として知られる)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30);およびソルビタンエステル(一般に“Span”として知られる)、例えば、ソルビタントリオレエート(Span 85)およびソルビタンモノラウレート、オクトキシノール(オクトキシノール−9(Triton X−100)またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(“CTAB”)、または、とりわけスプリットまたは表面抗原ワクチン用にはデオキシコール酸ナトリウムを包含する。1以上のデタージェントおよび/または界面活性剤は、微量でのみ存在することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、それぞれ1mg/mL未満のオクトキシノール−10およびポリソルベート80を包含することができる。本明細書では非イオン性界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、それらの“HLB”(親水性/親油性バランス)によって分類することができる。場合によっては、界面活性剤は、少なくとも10、少なくとも15、および/または少なくとも16のHLBを有する。
[00270]いくつかの態様において、界面活性剤の混合物、例えばTween 80/Span 85の混合物を、組成物、例えばワクチンに使用する。ポリオキシエチレンソルビタンエステルとオクトキシノールとの組み合わせも、適切であることができる。ほかの組合せは、ラウレス9+ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含むことができる。界面活性剤の量(重量%)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween 80など)0.01〜1%、特に約0.1%;オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(Triton X−100、またはTritonシリーズの他のデタージェントなど)0.001〜0.1%、特に0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、特に0.1〜1%または約0.5%であることができる。
[00271]アジュバント
[00272]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、1以上のアジュバントを含むことができる。アジュバントは、ワクチンを受ける対象に誘発される免疫応答(体液性および/または細胞性)を増強するために使用することができる。場合によっては、アジュバントはTh1型応答を誘発することができる。場合によっては、アジュバントはTh2型応答を誘発することができる。Th1型応答は、IL−4、IL−5、およびIL−10のようなサイトカインの産生によって特徴づけることができるTh2型応答とは対照的に、IFN−γのようなサイトカインの産生によって特徴づけることができる。
[00273]MPLおよびMDPなどの脂質ベースのアジュバントは、本明細書に開示される組成物、例えばワクチンと一緒に使用することができる。例えば、モノホスホリル脂質A(MPL)は、特定のTリンパ球に対するリポソーム抗原の提示の増加を引き起こすことができるアジュバントである。さらに、ムラミルジペプチド(MDP)も、本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンと併せて、適切なアジュバントとして使用することができる。
[00274]アジュバントは、サイトカインのような刺激性分子も含むことができる。サイトカインの非限定的な例としては、CCL20、a−インターフェロン(IFNa)、β−インターフェロン(IFN−β)、γ−インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNFa、TNFp、GM−CSF、表皮成長因子(EGF)、皮膚T細胞誘引ケモカイン(CTACK)、上皮胸腺発現ケモカイン(TECK)、粘膜関連上皮ケモカイン(MEC)、IL−12、IL−28、MHC、CD80、CD86、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−18、MCP−1、MIP−1a、MIP−1−、IL−8、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、p150.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−18の変異体形態、CD40、CD40L、血管増殖因子、線維芽細胞増殖因子、IL−7、神経成長因子、血管内皮増殖因子、Fas、TNF受容体、Fit、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DRS、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP−I、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAPI、およびTAP2が挙げられる。
[00275]追加的なアジュバントとしては、MCP−1、MIP−1a、MIP−1p、IL−8、RANTES、L−セレクチン、P−セレクチン、E−セレクチン、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、LFA−1、VLA−1、Mac−1、pl50.95、PECAM、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、CD2、LFA−3、M−CSF、G−CSF、IL−4、IL−18の変異体形態、CD40、CD40L、血管増殖因子、線維芽細胞増殖因子、IL−7、IL−22、神経成長因子、血管内皮増殖因子、Fas、TNF受容体、Fit、Apo−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL−2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c−jun、Sp−1、Ap−1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP−1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAPI、TAP2、およびそれらの機能的フラグメントを挙げることができる。
[00276]いくつかの場合において、1以上のアジュバントは、toll様受容体のモジュレーターであることができる。toll様受容体のモジュレーターの例は、TLR−9アゴニストおよびTLR−2アゴニストを包含し、Imiquimod(R837)などのtoll様受容体の小分子モジュレーターに限定されない。本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンを使用することができるアジュバントの他の例としては、サポニン、CpG ODNなどが挙げられる。
[00277]いくつかの場合において、1以上のアジュバントは、細菌トキソイド、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックポリマー、アルミニウム塩、リポソーム、CpGポリマー、水中油型エマルション、またはそれらの組み合わせから選択される。
[00278]場合によっては、1以上のアジュバントは、アルミニウム塩(ミョウバン)またはその誘導体に基づいていることができる。代表的なミョウバンは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムセシウム、またはアルミニウムおよびマグネシウムの水酸化物の混合物を含むことができる。ミョウバンは、結晶質オキシ水酸化アルミニウム(AIOOH)を含むこともできる。場合によっては、AIOOHアジュバントは、材料中の機能的サブユニットを表す凝集体を形成するナノ長スケールの板状一次粒子を構成することができる。これらの凝集体は、多孔質であることができ、直径約1〜約20μmの範囲の不規則な形状を有することができる。抗原と混合すると、凝集体は、吸収された抗原をワクチン全体に分布させるために再凝集することができるより小さなフラグメントに分解することができる。いくつかの態様において、アジュバントは、規則正しい棒状のAIO(OH)ナノ粒子を含む。
[00279]いくつかの態様において、1以上のアジュバントは、水中油型エマルションである。水中油型エマルションは、少なくとも1つの油および少なくとも1つの界面活性剤を包含することができ、この油(1以上)および界面活性剤(1以上)は、生分解性および生体適合性である。エマルション中の油滴は直径が5μm未満であることができ、さらにサブミクロン直径を有していてもよく、これらの小さなサイズは、安定なエマルションを提供するためのマイクロフルイダイザーを用いて達成される。220nm未満のサイズを有する液滴は、濾過滅菌に付すことができるので、好ましいことがある。
[00280]使用される油は、動物(魚など)または植物源由来のものなどを包含することができる。植物油の供給源としては、堅果、種子、および穀物を挙げることができる。堅果油の典型例は、落花生油、大豆油、ココナッツ油、およびもっとも一般的に入手可能なオリーブ油である。例えばホホバ豆から得られるホホバ油を使用してもよい。種子油としては、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油などが挙げられる。穀物群としては、トウモロコシ油、ならびに、コムギ、オートムギ、ライムギ、イネ、テフ、トリチカレ(triticale)など他のシリアル穀物の油を挙げることができる。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールのの炭素数6〜10の脂肪酸エステルは、種子油中に天然には存在しないが、落花生油および種子油から出発する適切な材料の加水分解、分離およびエステル化によって調製することができる。哺乳類の乳汁からの脂肪および油は代謝可能であることができ、本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンと一緒に使用することができる。動物源から純粋な油を得るための分離、精製、けん化、および他の手段のための手順は、当分野で公知である。サカナは、容易に回収することができる代謝可能な油を含有することができる。例えば、タラ肝油、サメ肝油、および鯨ろうなどの鯨油は、本明細書中で使用することができる魚油のいくつかを例示することができる。いくつかの分枝鎖油は、炭素数5のイソプレン単位で生化学的に合成することができ、一般にテルペノイドとよぶことができる。サメ肝油は、スクアレンとして知られる分枝状不飽和テルペノイド、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエンを含有する。スクアレンに対する飽和類似体であるスクアランも使用することができる。スクアレンおよびスクアランを含む魚油は、商業的供給源から容易に入手可能であることができ、または当分野で公知の方法によって得ることができる。
[00281]他の有用な油としてはトコフェロールが挙げられ、これは、ビタミンEが高齢対象群における免疫応答に対して正の効果を有することができるので、高齢患者(例えば、60歳以上)に使用するために、本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンに包含されることができる。さらに、トコフェロールは、エマルションの安定化を助けることができる抗酸化特性を有することができる。さまざまなトコフェロールが存在し(α、β、γ、δ、εまたはξ);場合によっては、aが使用される。a−トコフェロールの例は、DL−a−トコフェロールである。コハク酸a−トコフェロールは、本明細書中で提供される組成物、例えばインフルエンザワクチンと適合性であることができ、水銀化合物の代替物として有用な防腐剤であることができる。いくつかの態様では、油の混合物、例えば、スクアレンおよびa−トコフェロールを使用することができる。2〜20%(体積基準)の範囲の油含有量を使用することができる。
[00282]特定の水中油型エマルションアジュバントとしては、例えば、スクアレン、ポリソルベート80、およびソルビタントリオレエートのサブミクロンエマルションが挙げられる。体積に基づくエマルションの組成は、約5%のスクアレン、約0.5%のポリソルベート80および約0.5%のSpan 85であることができる。重量換算で、これらの比は、4.3%のスクアレン、0.5%のポリソルベート80および0.48%のSpan 85となる。このアジュバントは“MF59”として知られている。MF59エマルションは、有利には、クエン酸イオン、例えば、10mMクエン酸ナトリウム緩衝液を包含する。
[00283]水中油型エマルションは、スクアレン、トコフェロール、およびポリソルベート80のサブミクロンエマルションであることができる。これらのエマルションは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のトコフェロール、および0.3〜3%のポリソルベート80を有することができ、スクアレン:トコフェロールの重量比は、より安定なエマルションを提供することができるので、好ましくは≦1(例えば、0.90)であることができる。スクアレンおよびポリソルベート80は、約5:2の体積比で、または約11 :5の重量比で存在することができる。このようなエマルションの1つは、Tween 80をPBSに溶解して2%溶液を得た後、この溶液90mLを(5gのDL−a−トコフェロールと5mLのスクアレン)の混合物と混合し、次いでこの混合物をマイクロ流動化することによって作製することができる。得られたエマルションは、例えば、100〜250nm、好ましくは約180nmの平均直径を有するサブミクロンの油滴を有する。エマルションはまた、3−デ−O−アシル化モノホスホリル脂質A(3d−MPL)を包含することができる。このタイプの他の有用なエマルションは、ヒト用量あたり、0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロール、および0.1〜4mgのポリソルベート80を含むことができる。
[00284]水中油型エマルションは、スクアレン、トコフェロール、およびTritonデタージェント(例えば、Triton X−100)のエマルションであることができる。エマルションはまた、3d−MPL(以下を参照)を包含することができる。エマルションは、リン酸緩衝液を含有することができる。
[00285]水中油型エマルションは、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、Tritonデタージェント(例えば、Triton X−100)およびトコフェロール(例えば、コハク酸a−トコフェロール)を含むエマルションであることができる。エマルションは、約75:11:10の質量比でこれら3つの成分を包含することができ(例えば、750μ/mLのポリソルベート80、110u/mLのTriton X−100および100μ/mLのコハク酸α−トコフェロール)、これらの濃度は、抗原からのこれらの成分の寄与を包含すべきである。エマルションは、スクアレンを包含することもできる。エマルションはまた、3d−MPLを包含することができる。水相は、リン酸緩衝液を含有することができる。
[00286]水中油型エマルションは、スクアラン、ポリソルベート80、およびポロキサマー401(“PluronicTM L121”)のエマルションであることができる。エマルションは、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水中で製剤化することができる。このエマルションは、ムラミルジペプチドのための有用な送達ビヒクルであることができ、“SAF−1”アジュバント(0.05〜1%のThr−MDP、5%のスクアラン、2.5%のPluronic L121および0.2%のポリソルベート80)中でトレオニル−MDPと一緒に用いることができる。これは、“AF”アジュバント(5%のスクアラン、1.25%のPluronic L121および0.2%のポリソルベート80)中でのように、Thr−MDPなしで使用することもできる。
[00287]水中油型エマルションは、スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)および疎水性非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンモノオレエートまたは“Span 80”などのソルビタンエステルまたはマンニドエステル)を含むエマルションであることができる。エマルションは熱可逆性であることができ、および/または、油滴の少なくとも90%(体積基準)は200nm未満のサイズを有する。エマルションはまた、アルジトール;細胞保護剤(例えば、糖、例えば、ドデシルマルトシドおよび/またはスクロース);および/またはアルキルポリグリコシドのうちの1以上を包含することができる。エマルションは、TLR4アゴニストを包含することができる。このようなエマルションは凍結乾燥することができる。
[00288]水中油型エマルションは、スクアレン、ポロキサマー105およびAbil−Careのエマルションであることができる。アジュバント添加ワクチン中のこれらの成分の最終濃度(重量)は、5%のスクアレン、4%のポロキサマー105(プルロニックポリオール)および2%のAbil−Care 85(Bis−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン;トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)であることができる。
[00289]水中油型エマルションは、0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、および0.05〜5%の非イオン性界面活性剤を有するエマルションであることができる。リン脂質成分としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、およびカルジオリピンを挙げることができる。サブミクロンの液滴サイズが有利であることができる。
[00290]水中油型エマルションは、非代謝性油(軽質鉱油など)および少なくとも1つの界面活性剤(レシチン、Tween 80またはSpan 80など)のサブミクロン水中油型エマルションであることができる。添加剤としては、QuilAサポニン、コレステロール、サポニン−親油性コンジュゲート(例えば、グルクロン酸のカルボキシル基を介してデスアシルサポニンに脂肪族アミンを付加することによって生成されるGPI−OlOO)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、および/またはN,N−ジオクタデシル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミンを挙げることができる。
[00291]いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性活性薬剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、芳香剤、充填剤、日焼け止め剤、臭気吸収剤、および染料などのアジュバントを含有する。これらさまざまなアジュバントの量は、考慮される分野で使用されているものであることができ、例えば、組成物の全重量の約0.01%〜約20%である。それらの性質に応じて、これらのアジュバントは、脂肪相、水相および/または脂質小胞に導入することができる。
[00292]1以上のアジュバントと組み合わせて、ペプチド、核酸分子、抗体もしくはそのフラグメントなどの1以上の活性薬剤、APC、および/または本明細書に記載されるウイルスを含む、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、特定のモル比を含むように製剤化することができる。例えば、約99:1〜約1:99のモル比で活性薬剤を1以上のアジュバントと組み合わせて、使用することができる。いくつかの態様において、1以上のアジュバントと組み合わせた活性薬剤のモル比の範囲は、約80:20〜約20:80;約75:25〜約25:75;約70:30〜約30:70;約66:33〜約33:66;約60:40〜約40:60;約50:50;および約90:10〜約10:90から選択することができる。1以上のアジュバントと組み合わせた活性薬剤のモル比は、約1:9であることができ、場合によっては約1:1であることができる。ペプチドまたはポリペプチド、核酸分子、抗体もしくはそのフラグメント、APC、および/または本明細書に記載されるウイルスなどの活性薬剤は、1以上のアジュバントと組み合わせて、同じ用量単位、例えば、1つのバイアル、坐剤、錠剤、カプセル、およびエアロゾルスプレーで一緒に製剤化することができ;あるいは、各薬剤、形態、および/または化合物は、別個の単位、例えば、2つのバイアル、坐剤、錠剤、2つのカプセル、錠剤およびバイアル、エアロゾルスプレーなどで、製剤化することができる。
[00293]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、ミョウバン、モノホスホリル脂質A(MPL)、イミキモド(R837)(小さな合成抗ウイルス分子−TLR7リガンド)、Pam2Cys、および規則正しい棒状AIO(OH)ナノ粒子(Rod)のリストから選択される1以上のアジュバントを含むことができる。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、ミョウバンを含む。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、Rodを含む。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、Rod、MPL、およびR837を含む。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、MPLおよびR837を含む。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、ミョウバン、MPL、およびR837を含む。いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、Pam2Cysを含む。
[00294]追加的薬剤
[00295]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、追加的活性薬剤と一緒に投与することができる。追加的活性薬剤の選択は、少なくとも部分的に、処置される状態に依存することができる。追加的活性薬剤としては、例えば、病原体感染(例えばウイルス感染)に対する治療効果を有する任意の活性薬剤、例えば、炎症性状態を処置するために使用されるNSAIDのような薬物、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、ケトプロフェン、またはアスピリンなどを挙げることができる。いくつかの態様において、インフルエンザ感染を処置または防止するための製剤は、1以上の従来のインフルエンザ抗ウイルス薬、例えば、ビタミンD、アマンタジン、アルビドール、ラニナミビル、リマンタジン、ザナミビル、ペラミビル、およびオセルタミビルを含有することができる。HIVのようなレトロウイルス感染の処置において、製剤は、1以上の従来の抗ウイルス薬、例えば、プロテアーゼ阻害剤(ロピナビル/リトナビル(Kaletra(登録商標))、インジナビル(Crixivan(登録商標))、リトナビル(Norvir(登録商標))、ネルフマビル(Viracept(登録商標))、サキナビル硬質ゲルカプセル(Invirase(登録商標))、アタザナビル(Reyataz(登録商標))、アンプレナビル(Agenerase(登録商標))、ホスアンプレナビル(Telzir(登録商標))、チプラナビル(Aptivus(登録商標)))、逆転写酵素阻害薬、例えば、非ヌクレオシドおよびヌクレオシド/ヌクレオチド阻害薬(AZT(ジドブジン、Retrovir (登録商標))、ddl(ジダノシン、Videx(登録商標))、3TC(ラミブジン、Epivir(登録商標))、d4T(スタブジン、Zerit(登録商標))、アバカビル(Ziagen(登録商標))、FTC(エムトリシタビン、Emtriva(登録商標))、テノホビル(Viread(登録商標))、エファビレンツ(Sustiva(登録商標))およびネビラピン(Viramune(登録商標))、融合阻害剤T20(エンフビルチド、Fuzeon(登録商標))、インテグラーゼ阻害剤(MK−0518およびGS−9137)、および成熟阻害剤(PA−457(Bevirimat(登録商標)))を含有することができる。他の
例として、製剤は、ビタミンC、ビタミンE、ならびに他のビタミンおよび酸化防止剤などの1以上のサプリメントをさらに含有することができる。
[00296]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上の抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)を包含することができる。
[00297]いくつかの態様において、組成物、例えばワクチンは、グルテンを含まないことができる。
[00298]共溶媒
[00299]本明細書中で提供される組成物の成分の溶解度は、組成物中の共溶媒によって高めることができる。このような共溶媒としては、ポリソルベート20、60、および80、Pluronic F68、F−84、およびP−103、シクロデキストリン、または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。このような共溶媒は、約0.01重量%〜2重量%のレベルで採用することができる。
[00300]浸透増強剤
[00301]いくつかの態様において、本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、1以上の浸透増強剤を包含することができる。例えば、組成物は、浸透性バリヤー、例えば皮膚を横切る薬剤または薬剤の組み合わせの浸透を増加させるか、または送達を助ける、適切な固体またはゲル相キャリヤーまたは賦形剤を含むことができる。浸透増強化合物の例としては、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールのようなテルペン)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、テトラデシルメチルスルホキシド)、ピロリドン(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン)、ラウロカプラム、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフルフリルアルコール、L−a−アミノ酸、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、脂肪酸、脂肪アルコール(例えば、オレイン酸)、アミン、アミド、クロフィブリン酸アミド、ヘキサメチレンラウラミド、タンパク質分解酵素、a−ビサボロール、d−リモネン、尿素およびN,N−ジエチル−m−トルアミドなどが挙げられる。さらなる例としては、保湿剤(例えば、尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、グリセロールモノラウレート、アルカン、アルカノール、ORGELASE、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、および/または他のポリマーが挙げられる。いくつかの態様において、組成物は、1以上のそのような浸透増強剤を包含する。
[00302]持続放出性製剤用添加剤
[00303]いくつかの態様において、1以上の活性薬剤は、局所、眼内、眼周囲、または全身投与のための挿入物(insert)上にあるか、その中にあるか、またはそれに付着している、持続放出性製剤で使用するための生体適合性ポリマーに、放出可能に付着させることができる。生体適合性ポリマーからの制御放出を水溶性ポリマーと一緒に利用して、点滴可能な製剤を形成することができる。PLGAミクロスフェアまたはナノスフェアなどの生体適合性ポリマーからの制御放出は、眼内移植または持続放出投与のための注射に適した製剤に利用することができる。任意の適切な生分解性および生体適合性ポリマーを使用することができる。
[00304]投与経路
[00305]本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンは、さまざまな経路を介して対象、例えばヒトに送達することができる。送達経路としては、経口(口腔内および舌下を含む)、直腸内、経鼻、局所、経皮、経粘膜、肺内、膣内、坐剤、または非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮内、腹腔内、皮下および静脈内を含む)投与、あるいは、エアロゾル化、吸入または吹送による投与に適した形態を挙げることができる。組成物、例えばワクチンは、筋肉に投与することができ、あるいは、皮内もしくは皮下注射を介して、または経皮的に、例えばイオン導入によって、投与することができる。組成物、例えばワクチンは、表皮投与によって対象に送達してもよい。
[00306]治療方法
[00307]本明細書中で提供される組成物、例えばワクチンは、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0mL、またはそれより多くの用量体積で、対象に投与することができる。半用量、例えば約0.25mLを小児に投与することができる。場合によっては、ワクチンを、より高い用量、例えば約1mLで投与することができる。
[00308]組成物、例えばワクチンは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回、またはそれより多くの用量経過レジメンとして投与することができる。場合によっては、ワクチンを、2、3、または4回の用量経過レジメンとして投与することができる。場合によっては、ワクチンを2回の用量経過レジメンとして投与することができる。
[00309]2回の用量経過レジメンの第1の用量および第2の用量の投与は、約0日、1日、2日、5日、7日、14日、21日、30日、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、10年、20年、またはそれを超えて、分離することができる。本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、対象に、1年に1回、1年に2回、1年に3回、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年ごと、またはそれを超える年ごとに投与することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、対象に、2、3、4、5、6、7年ごと、またはそれを超える年ごとに投与することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、4、5、6、7年ごと、またはそれを超える年ごとに投与することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、対象に1回投与することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、ある期間にわたって複数回用量のワクチンとして対象によって摂取されることができ、例えば、第2の用量が第1の用量の4〜5年後に摂取されることができる2回用量ワクチンである。いくつかの場合において、組成物、例えばワクチンは、例えば北半球の領域において、8月〜3月、9月〜2月、10月〜1月、11月〜12月の期間に投与される。いくつかの場合において、組成物、例えばワクチンは、例えば南半球の領域において、3月〜10月、4月〜9月、5月〜8月、6月〜7月の期間に投与される。
[00310]投与量の例は限定的ではなく、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンを投与するための特定の投与レジメンを例示するためにのみ使用される。いくつかの態様において、ヒトで使用するための“治療的有効量”は、動物モデルから決定することができる。例えば、ヒトに対する用量は、動物において治療的に有効であることが見いだされている循環器、肝臓、局所、および/または胃腸の濃度を達成するように製剤化することができる。動物データおよび他のタイプの同様のデータに基づいて、当業者はヒトへの投与に適した組成物、例えばワクチンの治療的有効量を決定することができる。
[00311]本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、季節性インフルエンザまたは汎発性インフルエンザを処置または防止するために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載の方法および組成物は、インフルエンザウイルスのサブタイプを標的とすることができる。A型インフルエンザウイルスは、ウイルスエンベロープの表面に発現される2つのタンパク質であるヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(N)に基づいてサブタイプ化することができる。A型インフルエンザウイルスは、約18のHAサブタイプ:HI、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17、およびH18;ならびに約11のNサブタイプ:N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、N10、およびN11を示すことができる。一緒に、HAおよびNサブタイプは、任意の組み合わせで組み合わせることができる。観察されたHAおよびNサブタイプの組み合わせの非限定的な例としては、H1N1、H1N2、H1N7、H2N2、H3N2、H3N8、H4N8、H5N1、H5N2、H5N8、H5N9、H6N5、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N7、H7N9、H8N4、H9N2、H10N7、HI1N6、H12N5、H13N6、およびH14N5が挙げられる。いくつかの態様では、本明細書中に記載されるワクチンは、本明細書中に開示されるHAおよびNサブタイプの組合せを有するA型インフルエンザウイルスを標的とすることができる。いくつかの場合において、この組み合わせはHxNyによって表すことができ、これに関し、xは任意のHI〜HI8サブタイプを表し、yは任意のN1〜N11サブタイプを表す。例えば、いくつかの態様において、本明細書中に開示されるワクチンは、本明細書中に記載される任意のNサブタイプとの組み合わせにあるHIであるH1Nyとして表されるサブタイプ、またはH2Nyとして表されるサブタイプなどを標的とすることができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載のワクチンは、HAおよびNサブタイプの組合せH1N1、H1N2、H1N7、H2N2、H3N2、H3N8、H4N8、H5N1、H5N2、H5N8、H5N9、H6N5、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N7、H7N9、H8N4、H9N2、H10N7、H11N6、H12N5、H13N6、またはH14N5を有するA型インフルエンザウイルスを標的とすることができる。
[00312]いくつかの態様において、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、B型インフルエンザウイルスを標的とすることができる。B型インフルエンザウイルスは、系統および株に分類することができる。B型インフルエンザウイルスは、B/山形またはB/ビクトリア系統のいずれかに属することができる。代表的なB型インフルエンザウイルス株としては、Brisbane/60/2008、Massachusetts/2/2012、およびWisconsin/1/2010が挙げられる。
[00313]いくつかの態様において、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、および/またはC型インフルエンザウイルスを標的とすることができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、またはそれらの組み合わせの株を標的とすることができる。
[00314]いくつかの態様では、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンを用いて、A型インフルエンザウイルス感染、B型インフルエンザウイルス感染、またはC型インフルエンザウイルス感染などのインフルエンザ感染を有する患者を処置することができる。場合によっては、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンを、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、またはC型インフルエンザウイルスの感染に対するワクチン接種方法として使用することができる。場合によっては、本明細書中に記載の組成物、例えばワクチンは、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、および/またはC型インフルエンザウイルスに関連する異なる株に対する交差防御を提供する。
[00315]本明細書中で使用される“治療的有効量”という用語は、処置される疾患または状態の症状または徴候を軽減、改善、または防止するのに有効な量を意味することができる。例えば、いくつかの態様において、治療的有効量は、ウイルス感染、例えばインフルエンザ感染、例えば、A型インフルエンザ感染の徴候および/または症状を有する対象において有益な効果を有する量であることができる。いくつかの態様において、治療的有効量は、対照と比較して、ウイルス感染、例えばインフルエンザ感染、例えばA型インフルエンザ感染の徴候および/または症状を阻害または低減する量であることができる。インフルエンザ感染、例えばA型インフルエンザ感染の徴候および症状は当分野で周知であり、発熱、咳、咽頭痛、鼻水、鼻詰まり、頭痛、筋肉痛、悪寒、倦怠(疲労)、悪心、嘔吐、下痢、疼痛(例えば、腹痛)、結膜炎、息切れ、呼吸困難、肺炎、急性呼吸窮迫、ウイルス性肺炎、呼吸不全、神経学的変化(例えば、精神状態の変化、発作)、またはそれらの組合せを包含することができる。いくつかの態様において、治療的有効量は、対照と比較して、対象における徴候および/または症状のいずれかを、約、または少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%減少させるのに十分な量であることができる。
[00316]治療的有効量は、1以上の活性薬剤に関する場合、医療または医薬分野のさまざまな規制機関または助言機関(例えば、FDA、AMA)のいずれかによって、または製造業者もしくは供給業者によって推奨または承認されている用量範囲、投与様式、製剤などであることができる。
[00317]本開示のいくつかの観点において、組成物はペプチドベースの製剤を含むことができる。本明細書中に記載されるポリペプチドを含む組成物は、対象に、約1nmol/用量〜約1000μmol/用量で投与することができる。いくつかの態様において、組成物は、対象に、約1nmol/用量、約5nmol/用量、約10nmol/用量、約20nmol/用量、約30nmol/用量、約40nmol/用量、約50nmol/用量、約60nmol/用量、約70nmol/用量、約80nmol/用量、約90nmol/用量、約100nmol/用量、約200nmol/用量、約300nmol/用量、約400nmol/用量、約500nmol/用量、約600nmol/用量、約700nmol/用量、約800nmol/用量、約900nmol/用量、約1μmol/用量、約1μmol/用量、約2μmol/用量、約3μmol/用量、約4μmol/用量、約5μmol/用量、約6μmol/用量、約7μmol/用量、約8μmol/用量、約9μmol/用量、約10μmol/用量、約20μmol/用量、約50μmol/用量、約100μmol/用量、約200μmol/用量、約300μmol/用量、約400μmol/用量、約500μmol/用量、約750μmol/用量、約1000μmol/用量、またはこのうち任意の2つの間の任意の用量の用量で、投与することができる。場合によっては、組成物は、約50nmol/用量で対象に投与することができる。
[00318]本開示のいくつかの観点において、組成物は、本明細書中に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことができる。対象に投与される組成物は、約1pmol/用量〜約1000μmol/用量の用量でポリヌクレオチドを含むことができる。いくつかの態様において、対象に投与される組成物は、約1pmol/用量、約5pmol/用量、約10pmol/用量、約20pmol/用量、約30pmol/用量、約40pmol/用量、約50pmol/用量、約60pmol/用量、約70pmol/用量、約80pmol/用量、約90pmol/用量、約100pmol/用量、約200pmol/用量、約300pmol/用量、約400pmol/用量、約500pmol/用量、約600pmol/用量、約700pmol/用量、約800pmol/用量、約900pmol/用量、1nmol/用量、約5nmol/用量、約10nmol/用量、約20nmol/用量、約30nmol/用量、約40nmol/用量、約50nmol/用量、約60nmol/用量、約70nmol/用量、約80nmol/用量、約90nmol/用量、約100nmol/用量、約200nmol/用量、約300nmol/用量、約400nmol/用量、約500nmol/用量、約600nmol/用量、約700nmol/用量、約800nmol/用量、約900nmol/用量、約1μmol/用量、約1μmol/用量、約2μmol/用量、約3μmol/用量、約4μmol/用量、約5μmol/用量、約6μmol/用量、約7μmol/用量、約8μmol/用量、約9μmol/用量、約10μmol/用量、約20μmol/用量、約50μmol/用量、約100μmol/用量、約200μmol/用量、約300μmol/用量、約400μmol/用量、約500μmol/用量、約750μmol/用量、約1000μmol/用量、またはこのうち任意の2つの間の任意の用量の用量で、ポリヌクレオチドを含むことができる。
[00319]本開示のいくつかの観点において、組成物は、本明細書中に記載されるようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する組換えウイルスを含むことができる。組換えウイルスを含む組成物は、対象に、約103〜1012のウイルス粒子またはプラーク形成単位(PFU)、または約105〜1010PFU、または約105〜108PFU、または約108〜1010PFUで投与することができる。いくつかの態様において、対象に投与される本開示のウイルスワクチンの量は、約103〜1012のウイルス粒子またはプラーク形成単位(PFU)、または約105〜1010PFU、または約105〜108PFU、または約108〜1010PFUであることができる。場合によっては、対象に投与される本開示のウイルスワクチンは、約103PFU/用量〜約104PFU/用量、約104PFU/用量〜約105PFU/用量、約105PFU/用量〜約106PFU/用量、約107PFU/用量〜約108PFU/用量、約109PFU/用量〜約1010PFU/用量、約1010PFU/用量〜約1011PFU/用量、約1011PFU/用量〜約1012PFU/用量、約1012PFU/用量〜約1013PFU/用量、約1013PFU/用量〜約1014PFU/用量、または約1014PFU/用量〜約1015PFU/用量の用量で投与することができる。対象に投与される本開示のウイルスワクチンは、約2×103PFU/用量、3×103PFU/用量、4×103PFU/用量、5×103PFU/用量、6×103PFU/用量、7×103PFU/用量、8×103PFU/用量、9×103PFU/用量、約104PFU/用量、約2×104PFU/用量、約3×104PFU/用量、約4×104PFU/用量、約5×104PFU/用量、約6×104PFU/用量、約7×104PFU/用量、約8×104PFU/用量、約9×104PFU/用量、約105PFU/用量、2×105PFU/用量、3×105PFU/用量、4×105PFU/用量、5×105PFU/用量、6×105PFU/用量、7×105PFU/用量、8×105PFU/用量、9×105PFU/用量、約106PFU/用量、約2×106PFU/用量、約3×106PFU/用量、約4×106PFU/用量、約5×106PFU/用量、約6×106PFU/用量、約7×106PFU/用量、約8×106PFU/用量、約9×106PFU/用量、約107PFU/用量、約2×107PFU/用量、約3×107PFU/用量、約4×107PFU/用量、約5×107PFU/用量、約6×107PFU/用量、約7×107PFU/用量、約8×107PFU/用量、約9×107PFU/用量、約108PFU/用量、約2×108PFU/用量、約3×108PFU/用量、約4×108PFU/用量、約5×108PFU/用量、約6×108PFU/用量、約7×108PFU/用量、約8×108PFU/用量、約9×108PFU/用量、約109PFU/用量、約2×109PFU/用量、約3×109PFU/用量、約4×109PFU/用量、約5×109PFU/用量、約6×109PFU/用量、約7×109PFU/用量、約8×109PFU/用量、約9×109PFU/用量、約1010PFU/用量、約2×1010PFU/用量、約3×1010PFU/用量、約4×1010PFU/用量、約5×1010PFU/用量、約6×1010PFU/用量、約7×1010PFU/用量、約8×1010PFU/用量、約9×1010PFU/用量、約1010PFU/用量、約2×1010PFU/用量、約3×1010PFU/用量、約4×1010PFU/用量、約5×1010PFU/用量、約6×1010PFU/用量、約7×1010PFU/用量、約8×1010PFU/用量、約9×1010PFU/用量、約1011PFU/用量、約2×1011PFU/用量、約3×1011PFU/用量、約4×1011PFU/用量、約5×1011PFU/用量、約6×1011PFU/用量、約7×1011PFU/用量、約8×1011PFU/用量、約9×1011PFU/用量、または約1012PFU/用量、約1012PFU/用量〜約1013PFU/用量、約1013PFU/用量〜約1014PFU/用量、または約1014PFU/用量〜約1015PFU/用量、またはこのうち任意の2つの間の任意の用量を、構成することができる。
[00320]場合によっては、対象に投与される本開示のウイルスワクチンは、約104ウイルス粒子/用量、約104ウイルス粒子/用量〜約105ウイルス粒子/用量、約105ウイルス粒子/用量〜約106ウイルス粒子/用量、約107ウイルス粒子/用量〜約108ウイルス粒子/用量、約109ウイルス粒子/用量〜約1010ウイルス粒子/用量、約1010ウイルス粒子/用量〜約1011ウイルス粒子/用量、約1011ウイルス粒子/用量〜約1012ウイルス粒子/用量、約1012ウイルス粒子/用量〜約1013ウイルス粒子/用量、約1013ウイルス粒子/用量〜約1014ウイルス粒子/用量、または約1014ウイルス粒子/用量〜約1015ウイルス粒子/用量の用量で投与することができる。いくつかの態様において、対象に投与される本開示のウイルスワクチンは、約1×109ウイルス粒子/用量、約1.5×109ウイルス粒子/用量、約2×109ウイルス粒子/用量、約2.5×109ウイルス粒子/用量、約3×109ウイルス粒子/用量、約3.5×109ウイルス粒子/用量、約4×109ウイルス粒子/用量、約4.5×109ウイルス粒子/用量、約5×109ウイルス粒子/用量、約5.5×109ウイルス粒子/用量、約6×109ウイルス粒子/用量、約6.5×109ウイルス粒子/用量、約7×109ウイルス粒子/用量、約7.5×109ウイルス粒子/用量、約8×109ウイルス粒子/用量、約8.5×109ウイルス粒子/用量、約9×109ウイルス粒子/用量、約1×1010ウイルス粒子/用量、約2×1010ウイルス粒子/用量、約3×1010ウイルス粒子/用量、約4×1010ウイルス粒子/用量、約5×1010ウイルス粒子/用量、約6×1010ウイルス粒子/用量、約7×1010ウイルス粒子/用量、約8×1010ウイルス粒子/用量、約9×1010ウイルス粒子/用量、またはこのうち任意の2つの間の任意の用量の用量で、投与することができる。いくつかの態様において、対象に投与される本開示のウイルスワクチンは、約7.5×109ウイルス粒子/用量の用量で投与することができる。
[00321]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンは、病原体感染、例えば、A型インフルエンザ感染に関連する症状の発症前、発症中、または発症後に投与することができる。代表的な症状としては、発熱、咳、咽頭痛、鼻水、鼻詰まり、頭痛、筋肉痛、悪寒、倦怠、悪心、嘔吐、下痢、疼痛(例えば、腹痛)、結膜炎、息切れ、呼吸困難、肺炎、急性呼吸窮迫、ウイルス性肺炎、呼吸不全、神経学的変化(例えば、精神状態の変化、発作)、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの場合において、組成物、例えばワクチンは、病原体感染、例えばインフルエンザ感染、例えば、A型インフルエンザ感染を処置するために、対象に投与することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは、病原体感染、例えばインフルエンザ感染、例えばA型インフルエンザ感染の予防的処置のような予防目的のために、対象に投与することができる。組成物、例えばワクチンは、対象からの免疫応答を生じさせる(illicit)ために、対象に投与することができる。組成物、例えばワクチンは、病原体感染の前、病原体感染の間、または病原体感染に対する予防手段として、対象からの免疫応答を生じさせるために、対象に投与することができる。本明細書中に提供される組成物、例えばワクチンの投与後、病原体に関連する症状は、約、少なくとも、または最長1日、5日、1週間、2週間、3週間、または1ヶ月で、約、少なくとも、または最大5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%低減される可能性がある。
[00322]インフルエンザ感染、例えばA型インフルエンザ感染による合併症は、例えば、肺炎、気管支炎、副鼻腔感染、または耳感染であることができる。場合によっては、インフルエンザ感染、例えばA型インフルエンザ感染は、慢性的な健康問題を悪化させることがあり、例えば、喘息を有する人は、インフルエンザ感染を有する間に喘息発作を経験することがあり、または慢性うっ血性心不全を有する人は、インフルエンザ感染を有する間に、この状態の悪化を経験することがある。いくつかの態様において、治療的有効量の本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンは、インフルエンザ感染による合併症を有する対象に投与することができる。いくつかの態様において、治療的有効量の本明細書中に記載される組成物、例えばワクチンは、インフルエンザ感染(例えば、A型インフルエンザ感染)および1以上の慢性的健康問題を有する対象に投与することができる。
[00323]本明細書中に提供される組成物、例えばワクチン、または本明細書中に記載されるキットは、2℃〜8℃で保管することができる。場合によっては、組成物、例えばワクチンは室温で保管してもよい。いくつかの態様において、組成物、例えばワクチンは、凍結保存しなくてもよい。いくつかの態様では、組成物、例えばワクチンを、−20℃または−80℃などの温度で保管することができる。いくつかの態様において、組成物、例えばワクチンは、日光から離して保管することができる。
[00324]実施例
[00325]以下の実施例を、制限のためではなく例示のために提供する。
[00326]実施例1
[00327]ペプチド配列TYQRTRALV(配列番号37)を、1)worldwideweb.fludb.orgにおける実験的に確認されたBALB/C A型インフルエンザウイルスCD8 T細胞エピトープであること、および2)ストレッチにおけるすべての考えうる変異の中で<0.08の平均不変比率(最終集団における変異頻度/初期集団における頻度)を有すること(一般に、各残基は、コドン内の単一ヌクレオチドの変化により6〜7の変異を有する可能性がある)に基づいて選択した。ペプチドをPam2Cys(TLR2を活性化し、ペプチドに共有結合しているリポソームアジュバント)およびHAからのCD4 T細胞エピトープ(GALNNRFQIKGVELKS(配列番号115))にコンジュゲートさせた(エピトープは中心リジンを介して接続し、Pam2Cysは2つのセリンを介して中心リジンにコンジュゲートさせた)。(CS Bio,Menlo Park,CAはリポペプチドを合成した)製剤を、20μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(2.5μM)あたり、配列TYQRTRALV(配列番号37)を有する50nmolのPam2Cys−ペプチドを用いて作製した。20μLの容量の製剤を、10匹のBALB/Cマウス(“群2”)のそれぞれに鼻腔内投与した。20μlの容量のPBSを、10匹の対照BALB/Cマウス(“群1”)のそれぞれに鼻腔内投与した。投与の4週間後、両群のマウスに、100 TCID50 PR8 A型インフルエンザウイルスをチャレンジ投与した。ワクチン群(群2)のマウスの60%(10匹中6匹)は、対照群(群1)の0%(10匹中0匹)と比較して、A型インフルエンザウイルスの致死的チャレンジ投与から9日後に生存しており、ワクチンによる統計的に有意な保護が示された(図2参照)。
[00328]実施例2
[00329]この実施例では、4つのインフルエンザウイルスエピトープを含むワクチンでのワクチン接種について記載する。4つのインフルエンザウイルスエピトープ:ELRSRYWAIRTRSG(NP)(配列番号17)、FYIQMCTEL(NP)(配列番号79)、TYNAELLVLL(HA)(配列番号80)、およびTYQRTRALV(NP)(配列番号37)を有する組換えアデノウイルスを作製した。組換えアデノウイルスは、タンデムにコードされ、リンカーRVKR(配列番号110)によって分離された4つのペプチドを有する単一の導入遺伝子を含有していた。導入遺伝子産物の配列は、GALNNRFQIKGVELKSKTYQRTRALVRVKRELRSRYWAIRTRSGRVKRFYIQMCTELRVKRTYNAELLVLL(配列番号81)である。組換えアデノウイルスベクターを作製するために、導入遺伝子をマウス細胞で発現させるためにコドン最適化した。組換えアデノウイルスを、群1のマウス(10匹のBALB/Cマウス)の皮下および鼻腔内に同時に、20μL中に2×107pfu(プラーク形成単位)の用量で投与した(皮下および鼻腔内それぞれに7.5×109ウイルス粒子)。28日後、致死量5〜10 LD50(50%致死量)(約100 TCID50または組織培養感染量50)のH1N1インフルエンザをマウスにチャレンジ投与した。この群の10匹のマウスすべてが生存した。10匹のマウスのうち9匹は最初に体重を減少させたが、チャレンジ投与後12日目までに体重の大部分を回復させた。図3Aおよび図4参照。
[00330]対照群(群2、非ワクチン接種、生理食塩水の皮下および鼻腔内注射)では、10匹のBALB/Cマウスに致死量5〜10 LD50(50%致死量)(約100 TCID50または組織培養感染量50)のH1N1インフルエンザをチャレンジ投与した。10匹中0匹のマウスが生存し、すべてのマウスがチャレンジ投与後9日目までに死に至った。図3Bおよび図4参照。
[00331]他のセットの実験では、AdCre注射マウスを、Adベクターの対照群(図3Cの群1)として使用した。AdCreは組換えアデノウイルスワクチンと同じアデノウイルスベクターを用いて産生されるが、4つのエピトープを発現するヌクレオチド配列の代わりにCreリコンビナーゼ遺伝子を挿入されたアデノウイルスである。図3Cに示すように、対照群の5匹のマウスのうち3匹は死に至り、5匹のうちの他の2匹のマウスは実質的な体重を失った。対照的に、ワクチン接種群(図3Dの群2)では、5匹のマウスのうち0匹が>10%の体重を失った。AdCreの5匹のマウスはすべて3以上の症状スコアを有していたが(示していない)、ワクチン群の5匹のマウスはすべて1以下であった。
[00332]実施例3
[00333]この実施例では、9つのインフルエンザウイルスエピトープを含むワクチンによるワクチン接種について記載する。9つのインフルエンザウイルスエピトープを持つ組換えアデノウイルスを生成する。9つのインフルエンザウイルスエピトープを含むペプチドのワクチンカクテルを使用することもできる。インフルエンザウイルスエピトープは、表1に列挙されるエピトープの任意の組み合わせを含むことができる。
[00334]ワクチン接種は、HLA−B44トランスジェニックマウスを用いて行うことができる。プライムブーストレジメンを採用することができる。プライミングは、9つのPam2Cysアジュバント化ペプチドを用いて行うことができる。ブースティングは、9つのインフルエンザウイルスエピトープを持つ組換えアデノウイルスか、または普遍的ヘルパーT細胞エピトープで行うことができる。ワクチン接種後、マウスにインフルエンザウイルスのPR8株をチャレンジ投与する。ワクチン接種によって付与される防御を評価するために、マウスの健康、体重、および生存をモニタリングする。
[00335]実施例4
[00336]この実施例では、インフルエンザウイルスのヘテロサブタイプ防御試験のための実験手順および材料について記載する。
[00337]死滅曲線
[00338]死滅曲線実験(致死量曲線)を行って、LD50(対象動物の50%が死に至る用量)を決定することができ、その結果、5〜10 LD50のチャレンジ用量を防御実験に使用することができる。
[00339]1日目:各群3匹のマウス、25uLを鼻腔内投与
Vict 1dはH3N2であり、3.2×107TCID50/mLである
1)群A:10 TCID50 Vict 1d(H3N2)(これを第5にする:希釈#5:50uL 希釈#4+450ul PBS)
2)群B:100 TCID50 Vict 1d(これを第4にする:希釈#4:50uL 希釈#3+450ul PBS)
3)群C:1000 TCID50 Vict 1d(これを第3にする:希釈#3:50uL 希釈#2+450ul PBS)
4)群D:10000 TCID50 Vict 1d(これを第2にする:希釈#2:50uL 希釈#1+450ul PBS)
5)群E:100000 TCID50 Vict 1d(これを第1にする:希釈#1:100uL ウイルスストック+700ul PBS)
[00340]ヘテロサブタイプ防御
[00341]1日目:マウスを免疫化する:
1)群1:10匹のマウスに生理食塩水20uLをi.n.(鼻腔内)投与および生理食塩水20uLをs.c.(皮下)投与
2)群2:20uL AdBALBにおける2×107pfuを10匹のマウスにi.n.投与および同じものをs.c.投与
2×107pfu AdBALABの場合:3つのバイアルのAdBALBに、それぞれ115uLのPBSを加える。バイアルを一緒に混合し(合計420uL、ちょうど十分になるべきでありる;群6のバイアルからのいくつかを使用することもできる)、上記を投与する。
3)群3:20uL AdBALB5−pepにおける2×107pfuを5匹のマウスにi.n.投与および同じものをs.c.投与
2×107pfu AdBALAB5−pepの場合:1つのバイアルのAdBALB5−pepに、230uLのPBSを加え、上記を投与する。
4)群4:20uLにおける7.5×109ウイルス粒子を5匹のマウスにi.n.投与および同じものをs.c.投与
10×109pfu AdBALAB5−pepの場合:1つのバイアルのAdBALB5−pepに、722uLのPBSを加え、上記を投与する。
5)群5:20uL AdCreを5匹のマウスにi.m.(筋肉内)投与
20uL AdCreの場合:1つのバイアルのAdCreに、653uLのPBSを加え、上記を投与する。
6)群6:20uL AdBALABを5匹のマウスにi.m.投与
20uL AdBALABの場合:1つのバイアルのAdBALABに、115uLのPBSを加え、上記を投与する。
[00342]2〜15日目:体重、生存、および臨床スコアをモニタリングする
[00343]29日目:マウスにチャレンジ投与する:すべて20uLで鼻腔内投与
1)群1〜4:5〜10 LD50(死滅曲線に基づき選択)Vict 1d
2)群5〜6:100 TCID50 PR8(ウイルスストックを1/10000に希釈:ウイルスストック10uL+990ul PBS;この希釈液10uL+ワーキングストック用PBS 990uL)
[00344]30〜43日目:体重、生存、および臨床スコアをモニタリングする
[00345]試薬
[00346]合計55匹の6〜12週齢のBALB/C雌マウス。
[00347]アデノウイルス:AdBALB(エピトープ配列を有さない対照ウイルス);AdBALB5−pep(5つの異なるインフルエンザエピトープ配列を持つワクチン);AdCre(エピトープ配列を有さないがCre導入遺伝子を有する対照ウイルス)。インフルエンザウイルス:PR8;Vict 1d(H3N2)。
[00348]実施例5
[00349]この実施例では、51の異なるインフルエンザウイルスエピトープを有する組換えアデノウイルスベースのワクチン(AdFlu51pep)について記載する。組換えアデノウイルスは、表3の51のエピトープ配列すべてを発現する単一の導入遺伝子を用いて操作される。これに関し、該エピトープ配列はタンデムにコードされ、リンカーRVKR(配列番号110)によって分離されている。51のエピトープ配列の順序はランダムであることができ、それによって、さまざまな異なる導入遺伝子配列を生成する。導入遺伝子産物の一例の配列、または導入遺伝子産物の一部は、表4に列挙されるとおりである。
導入遺伝子は、B型インフルエンザウイルスNPタンパク、例えば、配列番号116、117または118の1以上(例えば、2、3、4または5)のコピー、またはB型インフルエンザウイルスNPタンパク質のフラグメント(例えば、配列番号116、117または118のアミノ酸2〜560)に連結しているポリペプチドを発現することができる。場合によっては、ワクチンは、B型インフルエンザウイルスNPタンパク、例えば、配列番号116、117もしくは118、またはB型インフルエンザウイルスNPタンパク質のフラグメントの1以上(例えば、2、3、4、5)のコピーを含むポリペプチドを発現することができる第2の導入遺伝子を有する第2のアデノウイルスを含む。いくつかの場合において、アデノウイルスは、配列番号106を含むポリペプチド、およびB型インフルエンザウイルスNPタンパク、例えば、配列番号116、117もしくは118、またはB型インフルエンザウイルスNPタンパク質のフラグメントの1以上(例えば、2、3、4または5)のコピーを含む第2のポリペプチドを、発現することができる導入遺伝子を含むことができる。
[00350]実施例6
[00351]この実施例では、実施例5に記載したようなアデノウイルスベースのインフルエンザワクチンの産生について記載する。
[00352]最初に、配列番号106を発現する導入遺伝子を含有するシャトルベクター(Add2)を、従来の分子クローニング技術を用いて構築することができる。導入遺伝子は、CMVプロモーターによって駆動される。導入遺伝子の発現は、293T細胞へのトランスフェクションによってこの時点で確認することができる。トランスフェクトされた293T細胞においてポリペプチド発現を観察することができない場合、ベクター構築物は最適化される。
[00353]その後、Maxiprep pAdFlu51pepを線状化し、アデノウイルスプラークの生成のために293細胞にトランスフェクトする。複製欠損型C68ヘルパーウイルスまたはC6ウイルスを、アデノウイルスパッケージングのためにトランスフェクトされた293細胞に補充する。ウイルスプラークは、プレーティングの7〜10日後に形成する。その後、プラークを採取し、後の使用のために凍結し、またはウイルスの増殖に供することができる。pAdFlu51pepウイルスの実験室規模での増殖は、サブコンフルエントな293細胞を、T25、T75、またはさらにはT150のような異なるサイズの細胞培養フラスコにより連続的に継代することによって行うことができる。
[00354]細胞培養培地および溶解細胞を、ウイルスストックのための遠心分離に付す。力価測定は、日常的なウイルス力価測定手順に従って行う。
[00355]実施例7
[00356]この実施例では、実施例5に記載されるようなアデノウイルスベースのワクチンのヒト対象における臨床試験について記載する。
[00357]表3の51の異なるエピトープ配列を含有するアデノウイルスベースのワクチン(AdFlu51pepワクチン)を、健康成人において評価するために、制御されていない非盲検第1相試験を実施する。
[00358]目的:18〜55歳の両性の健康成人ボランティアにおいて、AdFlu51pepワクチンの安全性、忍容性および免疫原性を評価する。
[00359]用量
[00360]AdFlu51pepワクチンの開始用量は、三角筋への1回の筋肉内注射により、3×105〜1×109PFUの範囲、例えば、3×105PFU、3×106 PFU、3×107PFU、3×108PFU、および1×109PFUの用量レベルである。
[00361]各用量レベルについて、6〜12人の評価可能な健康成人を登録する。
[00362]安全性モニタリング
[00363]注射部位および全身の反応原性(reactogenicity)および薬物使用を、注射後7日間および追跡調査時(14日目および28日目)に記録することができる。臨床的および実験室的評価は、各治験来院の間に行うことができる。実験室分析は、全血球計算、ならびにクレアチニン、C反応性タンパク質、および肝機能の測定を包含することができる。参加者ごとに有害事象をリストアップする。
[00364]免疫原性
[00365]参加者の血清試料をアッセイすることにより、免疫原性を評価することができる。T細胞免疫原性をアッセイするためのIFN−γELISPOTを、ベースライン(ワクチン接種前)および注射後28および180日目に収集した参加者の血清試料を用いて実施する。
本発明の好ましい態様を本明細書中で示し、記載してきたが、そのような態様は例示のために提供されたに過ぎないことは、当業者には明らかである。当業者なら、ここで、本発明から逸脱することなく、数々の変動、変更、および置き換えに思い当たるであろう。本明細書に記載される本発明の態様に対するさまざまな代替物を、本発明を実施する際に採用することができることを、理解すべきである。以下の請求項が本発明の範囲を定義し、これによって、これらの請求項およびその等価物の範囲内の方法および構造が対象となることを、目的としている。