JP2020514329A - 環状ジエステルまたは環状ジアミドを製造する、ゼオライト触媒による方法 - Google Patents

環状ジエステルまたは環状ジアミドを製造する、ゼオライト触媒による方法 Download PDF

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Abstract

環状ジエステルまたは環状ジアミドを製造する方法であって、出発材料を含む混合物を、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む触媒と接触させる工程を含み、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、ゼオライト材料の中位酸点の量が、ゼオライト材料の酸点の合計量の少なくとも40%である、方法。

Description

本発明は、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む触媒を使用して、環状エステルおよび環状アミドを製造する方法に関する。
環状エステルは、プラスチック材料などのプラスチック材料の製造において有用なポリマー材料に重合することができる化合物である。環状エステルはまた、可塑剤および中間体として界面活性剤および可塑剤の生産に使用することができる。
国際公開第2014/122294号は、ヒドロキシカルボン酸を酸性ゼオライトと接触させることによる環状エステルの製造を開示している。
国際公開第2014/122294号
経済的に有利で、高い選択性、高い転化率および高い収率で行うことができる、環状のエステルおよびアミドを製造する方法に対してニーズがある。
したがって、本発明は、式(II)の環状エステルおよび環状アミドを製造する方法であって、
Figure 2020514329
(i)式(I)の化合物またはその塩を含む混合物を準備する工程と、
Figure 2020514329
(ii)(i)において準備された前記混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物を含む(ii)の混合物を得る工程と
[式中、
はOまたはNHであり;
およびRは、互いに独立して、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換されており;
は、OH、OR、NH、Cl、BrまたはIであり;
は、C−C10アルキルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換されている]
を含み、
(ii)の前記ゼオライト材料が骨格型BEAを有し、前記ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、O、およびHを含み、
前記ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の合計量の酸点を有し、酸点の合計量が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
前記ゼオライト材料が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%である、
方法に関する。
本発明の文脈において使用される用語「C−C10アルキル」は、鎖中に1〜10炭素原子を有するアルキル残基を指す。アルキル残基は、例えば、鎖中に1、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子(C−Cアルキル)、または、鎖中に1、2、3もしくは4個の炭素原子(C−Cアルキル)を有していてもよい。アルキル残基は、直鎖状または分岐アルキル残基であってもよい。アルキル残基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル,2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチルおよびn−オクチルを含むがこれらに限定されない。アルキル残基は任意に置換することができる。
本発明の文脈において使用される用語「C−C10アルケニル」は、鎖中に2〜10炭素原子を有するアルケニル残基を指す。アルケニル残基は、例えば、鎖中に、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子(C−Cアルケニル)、または鎖中に2、3もしくは4個の炭素原子(C−Cアルケニル)を有していてもよい。アルケニル残基は直鎖状または分岐アルケニル残基であってもよい。アルケニル残基は、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその鎖異性体、2−ヘキセニルおよび2,4−ペンタジエニルを含むがこれらに限定されない。アルケニル残基は任意に置換することができる。
本発明の文脈において使用される用語「C−C10アルキニル」は、鎖中に2〜10炭素原子を有するアルキニル残基を指す。アルキニル残基は、例えば、鎖中に2、3、4もしくは6個の炭素原子(C−Cアルキニル)、または、鎖中に2、3もしくは4個の炭素原子(C−Cアルキニル)を有していてもよい。アルキニル残基は直鎖状または分岐アルキニル残基であってもよい。アルキニル残基は任意に置換することができる。
本発明の文脈において使用される用語「C−Cアルキルオキシ」は、鎖中に1〜6炭素原子を有するアルキルオキシ残基を指す。アルキルオキシは、例えば、鎖中に、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子(C−Cアルキルオキシ)、または、鎖中に2、3もしくは4個の炭素原子(C−Cアルキルオキシ)を有していてもよい。アルキルオキシ残基は直鎖状または分岐アルキルオキシ残基であってもよい。アルキルオキシ残基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ter−ブトキシ、ペンチロキシおよびヘキシロキシを含むがこれらに限定されない。アルキルオキシ残基は任意に置換することができる。
本発明の文脈において使用される用語「C−C12アリール」は、6〜12炭素原子を有する芳香族残基を指す。アリール残基は、フェニル、ナフチル、インダニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチルを含むがこれらに限定されない。
本発明の文脈において使用される用語「任意に置換されている」は、当業者にとって、本方法による式(II)の化合物の形成を妨害しない式(I)の化合物に含まれると考えられるいかなる適切な置換基も含むと理解されるべきである。
本発明によると、Xは好ましくはOである。
好ましくは、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはエテニルであり、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはエテニルである。より好ましくは、RはHであり、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはエテニルである。より好ましくは、RはHであり、RはHまたはCHであり、XはOであり、QはHである。より好ましくは、RはHであり、RはCHであり、XはOであり、QはHである。
式(I)の化合物において、RがRと異なることを条件にして、RおよびRを有する炭素は立体中心である。立体中心は、Cahn IngoldおよびPrelog(CIP)命名法に従って配置SまたはRを有することができる。
本発明の方法において、式(I)の化合物が
Figure 2020514329
[式中、(I)はS鏡像体であり、(I)はR鏡像体であり、(ISR)はラセミ体である]
の1種または複数であることがさらに好ましい。化合物は、立体化学に対する特別の言及がなくても、乳酸として公知である。式(I)の化合物は乳酸のS鏡像体であり、また、L−乳酸としても公知である。好ましくは、式(I)の化合物は式(I)の化合物である。式(II)の化合物は、好ましくは、
Figure 2020514329
の1つまたは複数、ならびに(IIS,S)および(IIR,R)のラセミ体である。立体化学に対する特別の言及なしで、この化合物は3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンとして公知である。
本発明の方法において、式(II)の化合物が式(IIS,S)の化合物であることがより好ましい。
Figure 2020514329
したがって、本発明は、好ましくは、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法であって、
(i)2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された混合物をゼオライト材料を含む触媒と接触させ、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)の前記ゼオライト材料が骨格型BEAを有し、前記ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、
前記ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の合計量の酸点を有し、酸点の合計量が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
前記ゼオライト材料が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%である、
方法を対象とする。
本発明の方法において、XがNHである場合、式(I)の化合物は、好ましくはアラニン、グリシン、ロイシン、バリンなどのアミノ酸である。アミノ酸は、純粋な鏡像異性体形SまたはR、好ましくはS形、またはラセミ形である。
本発明の触媒が縮合反応に使用される場合、有利には、立体中心のラセミ化は起こらない。したがって、本反応が、高いエナンチオ選択性を伴って起こり、または言い換えれば少なくとも90%の鏡像体の過剰を伴うことが分かった。鏡像体過剰率%eeは、本明細書において%ee=([E1)−(E2)/(E1)+(E2)]x100[式中、E1およびE2は、2種の鏡像体のモル量を指す]として定義される。
工程(i)
本発明による方法の工程(i)において、式(I)の化合物を含む混合物が準備される。
好ましくは、式(I)の化合物を含む混合物は水を含む。混合物中の式(I)の化合物の、水の量に対する量に関して、特別の制約は存在しない。好ましくは、(i)で準備される混合物において、水に対する式(I)の化合物の質量比は、95:5〜45:55の範囲、より好ましくは95:5〜85:15の範囲、または45:55〜55:45の範囲である。
少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも85質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%の(i)の混合物は、式(I)の化合物、および水からなることがさらに好ましく、質量%は混合物の合計質量に対する。
一般に、本発明による反応は、バッチモード、準連続モードまたは連続モードにおいて実行されると考えられる。反応は連続モードにおいて実行されることが好ましい。反応は液相または気相において実行することができる。反応は液相において実行されることが好ましい。反応は、連続モードかつ液相において実行されることがさらに好ましい。
反応が液相中で実行される場合、反応は溶媒中で実行されると考えられる。さらに、(ii)の触媒は溶媒中に含まれること、ならびに(i)で準備された混合物および溶媒中に含まれる(ii)の触媒は合わせられることが考えられる。例えば、バッチモードにおいて、(i)の混合物、および溶媒中に含まれる触媒は、反応器中で合わせられる。連続モードによると、液相中の(i)の混合物、好ましくは液体形態の溶媒が、適切な反応帯域に通過することが可能である。(i)の混合物および溶媒を反応帯域へ通過する前に、すなわち(ii)の前に、(i)の混合物および溶媒は互いに混合することができる。
式(II)の化合物が形成される限り、溶媒に関して特別の制約は存在しない。溶媒はまた、反応の温度に依存して選ばれる。さらに好ましくは、溶媒は、水と共沸混合物を形成するか、または水と混和しない。水は(i)の混合物から生じてもよく、水は反応時に形成される。水は、(ii)の反応から除去する必要がある。したがって、溶媒は、反応から水を容易に除去するのに適切な有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒は、芳香族溶媒、脂肪族(開環鎖状)溶媒、環状炭化水素溶媒、エーテルの1種または複数であることがさらに好ましい。より好ましくは、溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリルの1種または複数を含み、より好ましくはそれらからなる。より好ましくは、溶媒は、芳香族溶媒であり、より好ましくは芳香族溶媒は、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの1種または複数を含み、より好ましくはそれらからなる。
有機溶媒に対する式(I)の化合物の量に関して特別の制約は存在しない。好ましくは(i)で準備される混合物において、有機溶媒に対する式(I)の化合物のモル比は、0.01:1〜3:1の範囲、より好ましくは0.05:1〜2:1の範囲、より好ましくは0.1:1〜1:1の範囲である。
したがって、本発明によると、(i)の混合物は、式(I)の化合物、有機溶媒および水を含む。(i)で準備され、(ii)に供される混合物の好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%は、式(I)の化合物、有機溶媒および水からなる。
水は、好ましくは、工程(ii)の反応条件下に除去される。好ましくは、(i)で準備され(ii)に供される混合物の含水率は、最大5質量%、より好ましくは最大1質量%、より好ましくは最大0.1質量%である。
したがって、本発明によると、好ましくは、式(II)の化合物を製造する、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法であって、
(i)上記に定義される式(I)の化合物を含む混合物を準備する工程、好ましくは2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)で準備された混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)のゼオライト材料が骨格型BEAを有し、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、O、およびHを含み、
ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の合計量の酸点を有し、酸点の合計量が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
ゼオライト材料が、本明細書中の参考例1.1に記載されている、アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量は、酸点の合計量の少なくとも40%であり、
(ii)の接触が、有機溶媒の存在下で実行され、有機溶媒が、好ましくは芳香族溶媒の1種または複数であり、好ましくは、芳香族溶媒は、ベンゼン、トルエンまたはキシレンの1種または複数である、方法が提供される。有機溶媒は、(ii)の接触前に(i)の混合物に添加することができ、または、ゼオライト材料は有機溶媒中に含むことができ、(i)の混合物は、ゼオライト材料を含む有機溶媒に添加される。
反応はまた、ガス状形態の式(I)の化合物、およびガス状形態の希釈剤、任意にガス状形態の担体ガスを、本発明による触媒と接触させる気相中で実行することができる。
希釈剤の化学的性質に関して、特殊な制限は存在しない。希釈剤は有機溶媒であることが好ましい。好ましくは、有機溶媒は、芳香族溶媒、脂肪族(開環鎖状)溶媒、環状炭化水素溶媒、エーテルの1種または複数である。より好ましくは、溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリルの1種または複数を含み、より好ましくはそれらからなる。より好ましくは、溶媒は、芳香族溶媒であり、より好ましくは芳香族溶媒は、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの1種または複数を含み、より好ましくはそれらからなる。より好ましくは、溶媒は水を含まない。
担体ガスの化学的性質に関して、特殊な制限は存在しない。好ましくは、担体ガスは、反応に関して不活性のガスまたは2種以上のガスの混合物である。本発明のこの文脈中に使用される用語「不活性」は、反応に負の影響がないガスまたは2種以上のガスの混合物に関係する。好ましくは、担体ガスは、ヘリウム、アルゴン、窒素の1種または複数、より好ましくは窒素を含む。より好ましくは、担体ガスは、窒素、より好ましくは少なくとも99.5体積%の窒素含有率および最大0.5体積%の酸素含有率を有する工業用窒素である。
使用される担体ガスの量に関して、特殊な制限は存在しない。式(I)の化合物に対する担体ガスの体積比は、広い範囲で変えることができる。好ましくは、式(I)の化合物を触媒と接触する前に、ガス状形態の式(I)の化合物に対する担体ガスの体積比は、1:1〜20:1の範囲、より好ましくは2:1〜15:1の範囲、より好ましくは5:1〜10:1の範囲にある。
工程(ii)
ゼオライト材料
本発明の方法に使用されるゼオライト材料は、BEA型の骨格構造を有するゼオライト材料である。好ましくは、本発明によるゼオライト材料は、BEA型の骨格構造を有する、有機鋳型を含まないゼオライト材料である。本発明による表現「BEA型の骨格構造を有する、有機鋳型を含まないゼオライト材料」は、前記ゼオライトの製造のための方法において、BEA型骨格構造、特に、テトラエチルアンモニウム塩および/またはジベンジルメチルアンモニウム塩などの特殊なテトラアルキルアンモニウム塩、ならびに、ジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンおよび/または関連する有機鋳型を有する、ゼオライト材料の合成にとりわけ使用される、有機構造の配向剤が、不純物より多量は存在しないことを意味する。そのような不純物は、例えば、本発明の方法に使用される種結晶中になお存在する有機構造の配向剤によってもたらされ得る。しかし、種結晶材料中に含まれる有機鋳型は、それらが種結晶骨格内に捕らえられ、そのため、構造配向剤として働き得ないので、晶析過程に関与することはない。
通常、ゼオライト材料は、ブレンステッド酸点である酸点を有する。特に、本発明のゼオライト材料は、ブレンステッド酸点を有する。ゼオライト材料に存在する酸点は、異なる酸強度を有することができる。したがって、酸強度に関して、酸点は、中位酸点または強酸点として命名される。酸点の合計量は、本明細書の参考例1.1に開示されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)手法に従って求められるか焼されたゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義される。本発明のゼオライト材料は、一定量の中位酸点、または一定量の中位酸点と一定量の強酸点をさらに含む。本明細書において定義される中位酸点の量は、250〜500℃の温度範囲のアンモニアの温度プログラムによる脱着手法に従って測定されるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量である。本明細書において定義される強酸点の量は、500℃を超える温度でアンモニアの温度プログラムによる脱着手法に従って測定されるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量である。
中位酸点および強酸点の量に関して、式(II)の化合物が形成される限り、特別の制約はない。本発明によると、中位酸点の量は、酸点の合計量の好ましくは40〜70%の範囲、より好ましくは50〜70%の範囲、より好ましくは60〜70%の範囲にある。中位酸点のモル量の観点で、本発明による式(II)の化合物が形成される限り、特別の制約は存在しない。本発明のゼオライト材料の中位酸点のモル量は、0.10〜0.60mmol/gの範囲にあることが好ましい。より好ましくは、本発明のゼオライト材料の中位酸点のモル量は、0.20〜0.50mmol/gの範囲にある。本発明のゼオライト材料の酸点の量は、参考例1.1で開示されるアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)手法に従って求められる。
強酸点の量の観点で、上記に挙げられた量の中位酸が満たされ、本発明による式(II)の化合物が形成される限り、特別の制約は存在しない。ゼオライト材料の強酸点の量は、500℃を超える温度範囲において本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される。好ましくは、強酸点の量は、0〜0.10mmol/gの範囲、より好ましくは、0〜0.07mmol/gの範囲、より好ましくは0〜0.04mmol/gの範囲にある。
全酸点の量の観点において、本発明による式(II)の化合物が形成される限り、特別の制約は存在しない。本発明によるゼオライト材料の酸点の合計量に関して、参考例1.1で開示されるアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)手法に従って量が求められ、0.25〜1.0mmol/gの範囲にあること、好ましくは、酸点の合計量は0.40〜0.60mmol/gの範囲にあることが好ましい。
本発明に従って、さらに、強酸点の量に対する中位酸点の量の比が定義される。好ましくは、強酸点の量に対する中位酸点の量の比は、0を超え、より好ましくは前記比は少なくとも10:1であり、より好ましくは前記比は少なくとも20:1である。
したがって、本発明は、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法、好ましくは実施形態1から46のいずれか一項に記載の方法であって、
(i)2−ヒドロキシプロパン酸を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)のゼオライト材料が骨格型BEAを有し、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、
ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%であり、中位酸点の量が、0.10〜0.60mmol/gの範囲、好ましくは0.20〜0.50mmol/gの範囲にある、
方法を対象とする。好ましくは、本発明によれば化合物3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンは、(3S,6S)3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンである。
ゼオライト材料の骨格構造に関して、それは、Si、Al、OおよびHを含む。本発明によると、式(II)の化合物が形成される限り、モル比Si:Alに関して制約はない。好ましくは、本発明によると、ゼオライト材料の骨格構造は、15:1〜30:1の範囲、より好ましくは20:1〜25:1の範囲のモル比Si:Alを有する。
本発明のゼオライト材料は、粉末の形態で、すなわちそのままで使用することができ、または、それは結合剤と配合することができる。したがって、(ii)の触媒は、ゼオライト材料に加えて、1種または複数の結合剤をさら含んでもよい。本発明のゼオライト材料は、結合剤の添加がない粉末の形態で使用されることが好ましい。結合剤が使用される場合、結合剤は、黒鉛、シリカ、チタニア、ジルコニアの1種または複数、Si、TiおよびZrの2種以上の酸化物の混合物、ならびにSi、TiおよびZrの2種以上の混合酸化物であることが好ましい。
結合材料に対するゼオライト材料の質量比が10:1〜3:1の範囲にあるとさらに好ましい。より好ましくは、結合材料に対するゼオライト材料の質量比は、9:1〜4:1の範囲にある。
本発明によると、本発明の触媒の形態に関して制約はない。好ましくは、(ii)の触媒は、粉末の形態または成形体の形態をしている。ここで、成形体は、好ましくは、長方形、三角形、六角形、正方形、卵形もしくは円形の断面を有し、および/または、星、錠剤、球体もしくは中空円筒の形態をしている。より好ましくは、(ii)の触媒は、粉末の形態をしている。
工程(i)において上記に挙げるように、一般に、式(I)の化合物の触媒との接触はバッチモード、準連続モードまたは連続モードにおいて行われることが考えられる。接触は連続モードにおいて実行されることが好ましい。反応は液相または気相中で実行することができる。反応が液相中で実行されることが好ましい。反応が連続モードかつ液相中で実行されることがより好ましい。
したがって、(ii)の接触は、好ましくは溶媒の存在下で実行される。上記に挙げられるように、溶媒は、(i)の混合物で準備することができるか、または、溶媒は、本発明のゼオライト材料を含み、(i)の混合物と接触させることができる。溶媒は「工程(i)」において上記に定義された通りである。
上記に挙げられるように、水は(i)の混合物中に含まれていてもよい。さらに水は反応時に形成される。最適に反応が実行されるためには、反応溶媒から水を除去する必要がある。反応が水の量に依存する平衡反応であるので、水の存在が反応転化率を低下させることが見られた。したがって、上記に開示される方法は、好ましくは水分除去の条件下で実行される。水は、共沸蒸留、蒸発、モレキュラーシーブ、シリカまたは多糖類または無水材料などの水を吸収する材料の1種または複数によって除去することができる。好ましくは、水は共沸蒸留によって除去される。本発明によると、(i)において準備され、(ii)に供された混合物の含水率は、最大5質量%、より好ましくは最大1質量%、より好ましくは最大0.1質量%であることが好ましい。
したがって、式(I)の化合物の触媒との接触は、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは100〜250℃の範囲、より好ましくは120〜200℃の範囲、より好ましくは130〜170℃の範囲である液相の温度で好ましくは実行される。前記接触が実行される液相の絶対圧は、好ましくは2〜10バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.5〜5バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.75〜2バール(絶対)の範囲にある。したがって、好ましくは、式(II)の化合物の触媒との接触は、少なくとも100℃の範囲、好ましくは100〜250℃の範囲、より好ましくは120〜200℃の範囲、より好ましくは130〜170℃の範囲の液相の温度で、および2〜10バール(絶対)の範囲、好ましくは0.5〜5バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.75〜2バール(絶対)の範囲の気相の絶対圧で実行される。したがって、式(II)の化合物の触媒との接触は、130〜170℃の範囲の液相の温度および0.75〜2バール(絶対)の範囲の気相の絶対圧で実行されることがより好ましい。
本発明による方法の(ii)での接触に関する空間速度(単位時間当りの質量空間速度、WHSV)に関して、好ましくは、転化率、選択性、収率、反応器幾何形状、反応器寸法および方法方式の有利なバランスが得られるように選ばれる。本発明の文脈においては、単位時間当りの質量空間速度は、(i)で準備され(ii)に供される混合物中に含まれる式(I)の化合物(kg/h)の、(i)で準備された混合物が(ii)で接触させられる触媒中に含まれるゼオライト材料の質量(kg)で除した質量流動として定義される。したがって、空間速度は単位(1/時間)を有する。好ましくは、本方法においてWHSVは、0.5〜10h−1の範囲、より好ましくは1.5〜5h−1の範囲にある。
さらなる工程
(ii)において得られた式(II)の価値のある生成物は、抽出、蒸留、結晶化またはクロマトグラフィーの単離を含む一般に公知の手法に従って(ii)の混合物から分離することができる。そのため、本発明は、また(ii)の混合物から式(II)の化合物を分離する工程をさらに含む上記の方法に関する。
さらに本発明による方法は、(ii)で使用された触媒の再生をさらに含んでもよい。この文脈において、室温に比べて高い温度で適切なガス雰囲気中に適切な期間、触媒を再生することが考えられてもよい。さらに本発明による方法は、(ii)から得られた混合物の転化されなかった形態で存在し得る式(I)の化合物の再循環をさらに含んでもよい。好ましくは、式(I)の化合物は、本発明による方法に再循環される。
さらに、(ii)において得られた混合物が有機溶媒をさらに含む本発明による方法は、有機溶媒の循環、好ましくは有機溶媒を本発明の方法に再循環する工程をさらに含んでもよい。
本発明のゼオライト材料を製造する方法
上記に挙げられるように、本発明の好ましいゼオライト材料は、BEA型の骨格構造を有する、有機鋳型を含まないゼオライト材料である。BEA型の骨格構造を有する有機鋳型を含まないゼオライト材料を製造する方法は、当業界で公知である。したがって、本発明は、(ii)による触媒中に含まれるゼオライト材料が、有機鋳型を含まない合成手法によって得ることができるかまたは得られる式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。
したがって、本発明は、有機鋳型を含まない合成手法によって(ii)による触媒中に含まれるゼオライト材料を製造する工程をさらに含む、式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。
BEA型の骨格構造を有する有機鋳型を含まないゼオライト材料を製造する手法は、例えば特許出願国際公開第2010/146156号において開示されている。この方法は、
(1)SiO用の1種または複数の供給源、Al用の1種または複数の供給源、および骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む種結晶を含む混合物を準備する工程、
(2)工程(1)において得られた混合物の結晶化、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む混合物を得る工程、および
(3)(2)から得られた混合物から骨格型BEAを有するゼオライト材料を単離する工程、および
(4)好ましくは、骨格型BEAを有するゼオライト材料を乾燥およびか焼する工程
を含む。
有機鋳型を含まないゼオライト材料を製造するこの方法によれば、SiOは、SiOを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料が工程(2)において結晶化することができる限り、任意の考えられる形態の工程(1)において、準備することができる。好ましくは、SiOは、そのままで、および/または、(部分的にまたは完全に)がプロセス中でSiOに化学的に変形される化学的部分としておよび/または化合物としてSiOを含む化合物として準備される。工程(1)において準備されたSiO用の供給源は任意の考えられる供給源にすることができる。したがって、例えば、すべての種類のシリカおよびケイ酸塩、好ましくはフュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質の固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩もしくは二ケイ酸塩、コロイダルシリカ、火成性シリカ、ケイ酸エステル、もしくはテトラアルコキシシラン、または少なくともこれらの化合物の2種の混合物を使用することができる。SiOの供給源は、好ましくはシリカおよびケイ酸塩、好ましくはケイ酸塩、より好ましくはアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。好ましいアルカリ金属ケイ酸塩のうち、その少なくとも1つの供給源は、好ましくは水ガラス、より好ましくはケイ酸ナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはケイ酸ナトリウムを含む。特に、SiO用の供給源は、好ましくはケイ酸ナトリウムである。特に、SiO用の少なくとも1つの供給源が水ガラスを含む場合、結晶化が加速される。水ガラスが本発明のゼオライト材料を製造する方法において使用されるSiO用の唯一の供給源である場合、これは特に当てはまる。
工程(1)において準備されるAl用の供給源は、考えられる供給源にすることができる。例えば、任意の種類のアルミナおよびアルミン酸塩、例えば、アルカリ金属アルミン酸塩などのアルミニウム塩、例えば、アルミニウムトリイソプロピラートなどのアルミニウムアルコラート、もしくは、例えば、酸化アルミニウム三水和物などのアルミナ水和物、またはそれらの混合物を使用することができる。好ましくは、Al用の供給源は、アルミナおよびアルミン酸塩、好ましくはアルミン酸塩、より好ましくはアルカリ金属アルミン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。好ましいアルカリ金属アルミン酸塩のうち、少なくとも1つの供給源は、好ましくはアルミン酸ナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはアルミン酸ナトリウムを含む。
本発明による好ましいゼオライト材料は、工程(1)〜(3)を含む上記の方法に従って、好ましくは工程(1)〜(4)を含む上記の方法に従って製造される。したがって、本発明は、好ましくは、ゼオライト材料が、工程(1)〜(3)を含む上記に開示される方法に従って、好ましくは工程(1)〜(4)を含む上記に開示される方法に従って得られるかまたは得ることができる上記に開示される式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。
したがって、本発明によれば、好ましくは、式(II)の化合物を製造する、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法であって、
(i)上記に定義される式(I)の化合物を含む、好ましくは2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)のゼオライト材料が有機鋳型を含まないゼオライト材料であり、骨格型BEAを有し、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、
ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
前記ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%である、
方法が提供される。
したがって、本発明によれば、さらに、好ましくは、式(II)の化合物を製造する、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法であって、
(i)上記に定義される式(I)の化合物を含む、好ましくは2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)のゼオライト材料が、有機鋳型を含まないゼオライト材料であり、骨格型BEAを有し、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、
ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%であり、
前記方法が、
(1)SiO用の1種または複数の供給源、Al用の1種または複数の供給源、および骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む種結晶を含む混合物を準備する工程、
(2)工程(1)で得られた混合物を結晶化し、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む混合物を得る工程、および
(3)(2)から得られた混合物から骨格型BEAを有するゼオライト材料を単離する工程、および
(4)好ましくは骨格型BEAを有するゼオライト材料を乾燥およびか焼する工程
を含む方法に従って(ii)の有機鋳型を含まないゼオライト材料を製造することを含む、
方法が提供される。
工程(1)〜(4)は、好ましくは特許出願国際公開第2010146156号に開示されている条件に従って行われる。
したがって、本発明による好ましいゼオライト材料は、工程(1)〜(3)、好ましくは工程(1)〜(4)を含む方法に従って製造されたゼオライト材料である。したがって、本発明は、好ましくはゼオライト材料が、工程(1)〜(3)、好ましくは工程(1)〜(4)を含む上記に開示される方法に従って得られるかまたは得ることができる、上記に開示される式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。したがって、本発明は、好ましくは上記に開示される式(II)の化合物を製造する方法を対象とし、工程(1)〜(3)、好ましくは工程(1)〜(4)を含む上記に開示された方法をさらに含む。
本発明のゼオライト材料、好ましくは上記方法に従って得られた有機鋳型を含まないゼオライトは、さらに、酸処理および流れ処理またはそれらの組み合わせなどの後処理に供することができる。本発明による好ましいゼオライト材料は、後処理に供され、好ましくは、特許出願国際公開第2014/060260号に開示されている後処理に供されている。本方法は、最大5のpHを有する水溶液を用いる少なくとも1つの処理に、および少なくとも75℃の高い温度で5.5〜8の範囲のpHを有する液体水性システムを用いる少なくとも1つ処理にゼオライト材料を供することを伴う。その処理はAl元素を除去するか、または部分的に除去する。しかし、Al元素は前記後処理プロセス中にゼオライト材料から部分的に除去されるが、結果として得られるゼオライト材料は高い結晶性を示し、内部欠陥の濃度が低下さえする。したがって、上記に開示されるゼオライト材料を製造する方法は、
(5)(3)または(4)から、好ましくは(4)から得られたゼオライト材料を、
(5.1)最大5のpHを有する水溶液を用いてゼオライト材料を処理することと、
(5.2)5.5〜8の範囲のpHおよび少なくとも75℃の温度を有する液体水性システムを用いて(5.1)から得られたゼオライト材料を処理することと
を含む手法に供する工程であり、
(5.2)の後、ゼオライト材料は、任意に(5.1)による少なくとも1つのさらなる処理および/または(5.2)による少なくとも1つのさらなる処理に供され、(5.1)による水溶液のpHおよび(5.2)による液体水性システムのpHが、pH感受性のガラス電極を使用して求められる、工程によるゼオライト材料の後処理をさらに含む。
したがって、本発明による好ましいゼオライト材料は、上記に開示される後処理に、好ましくは工程(5.1)および(5.2)を含む方法による後処理に供されたゼオライト材料である。したがって、本発明は、好ましくは、ゼオライト材料が、工程(1)〜(5)を含む、上記に開示される方法に従って得られるかまたは得ることができる、上記に開示される式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。したがって、本発明は、好ましくは工程(1)〜(5)を含む上記に開示される方法をさらに含む、上記に開示される式(II)の化合物を製造する方法を対象とする。
したがって、本発明によれば、好ましくは、式(II)の化合物を製造する、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法であって、
(i)上記に定義される式(I)の化合物を含む、好ましくは2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物、好ましくは3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)のゼオライト材料が、有機鋳型を含まないゼオライト材料であり、骨格型BEAを有し、ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、
ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められるゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%であり、
前記方法が、
(1)SiO用の1種または複数の供給源、Al用の1種または複数の供給源、および骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む種結晶を含む混合物を準備する工程、
(2)工程(1)で得られた混合物を結晶化し、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む混合物を得る工程、および
(3)(2)から得られた混合物から骨格型BEAを有するゼオライト材料を単離する工程、
(4)好ましくは、骨格型BEAを有するゼオライト材料を乾燥およびか焼する工程、
(5)(3)または(4)から、好ましくは(4)から得られたゼオライト材料を、
(5.1)最大5のpHを有する水溶液を用いてゼオライト材料を処理することと、
(5.2)5.5〜8の範囲のpHおよび少なくとも75℃の温度を有する液体水性システムで、(5.1)から得られた前記ゼオライト材料を処理することと
を含む手法であり、(5.2)の後、ゼオライト材料が、任意に(5.1)による少なくとも1つのさらなる処理および/または(5.2)による少なくとも1つのさらなる処理に供され、(a)による水溶液のpHおよび(b)による液体水性システムのpHが、pH感受性のガラス電極を使用して求められる、手法に供する工程
を含む、方法に従って(ii)のゼオライト材料を製造することを含む、方法が提供される。
本発明は、式(II)の化合物、
Figure 2020514329
好ましくは式(IIS,S)の化合物
Figure 2020514329
を含む混合物であって、本明細書において上記に開示される方法のいずれか1つによって得ることができるかまたは得られる、混合物をさらに対象とする。
本発明は、エステル化および/またはアミド化反応において触媒活性物質として上記に定義されるゼオライト材料の使用をさらに対象とする。エステル化および/またはアミド化反応の出発材料は、好ましくは上記に開示される式(I)の化合物である。エステル化および/またはアミド化反応の生成物は、好ましくは上記に開示される式(II)の化合物である。
本発明は、エステルおよび/またはアミドを製造する手法をさらに対象とし、前記手法の生成物は、好ましくは上記に開示される式(II)の化合物である。本発明による手法は、本明細書において開示されるBEA型骨格構造を有する有機鋳型を含まないゼオライト材料を使用する。
本発明は、任意にオリゴマーまたはポリマーを製造するための環状二量体出発材料として(ii)で得られた混合物中に含まれる、上記に定義される式(II)の化合物の使用をさらに対象とする。
本発明は、それぞれの従属事項および後述の参考文献に示す以下の実施形態および実施形態の組み合わせによってさらに説明される。特に、ある範囲の実施形態が、例えば「実施形態1〜4のいずれか1つの方法」などの用語の文脈において言及される場合、この範囲のすべての実施形態が、当業者に対して開示されるよう意図することが留意される。すなわち、この語句表現は、「実施形態1、2、3および4のいずれか1つの方法」と同意語として当業者は理解するはずである。
1.式(II)の化合物を製造する方法であって、
Figure 2020514329
(i)式(I)の化合物またはその塩を含む混合物を準備する工程と、
Figure 2020514329
(ii)(i)において準備された前記混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物を含む(ii)の混合物を得る工程と
[式中、
はOまたはNHであり;
およびRは、互いに独立して、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換され;
は、OH、OR、NH、Cl、BrまたはIであり;
は、C−C10アルキルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換されている]
を含み、
(ii)の前記ゼオライト材料が骨格型BEAを有し、前記ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、O、およびHを含み、
前記ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量は、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
前記ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%である、
方法。
2.中位酸点の量が、酸点の合計量の40〜70%の範囲、好ましくは50〜70%の範囲、より好ましくは60〜70%の範囲にある、実施形態1に記載の方法。
3.中位酸点の量が0.10〜0.60mmol/gの範囲にある、実施形態1または2のいずれかに記載の方法。
4.中位酸点の量が0.20〜0.50mmol/gの範囲にある、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
5.500℃を超える温度範囲において本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される前記ゼオライト材料の強酸点の量が、0〜0.10mmol/gの範囲にある、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
6.強酸点の量が、0〜0.07mmol/gの範囲、好ましくは0〜0.04mmol/gの範囲にある、実施形態5に記載の方法。
7.強酸点の量に対する中位酸点の量の比が0を超える、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
8.強酸点の量に対する中位酸点の量の比が少なくとも10:1、好ましくは少なくとも20:1である、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
9.前記ゼオライト材料の骨格構造が、15:1〜30:1の範囲、好ましくは20:1〜25:1の範囲のモル比のSi:Alを有する、実施形態1から8のいずれか一項に記載の方法。
10.(ii)による触媒中に含まれる前記ゼオライト材料が、有機鋳型を含まない合成手法によって得ることができるかまたは得られる、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
11.有機鋳型を含まない合成手法によって(ii)による前記触媒中に含まれる前記ゼオライト材料を製造する工程をさらに含む、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
12.前記有機鋳型を含まない合成手法が、
(1)SiO用の1種または複数の供給源、Al用の1種または複数の供給源、および骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む種結晶を含む混合物を準備する工程、
(2)工程(1)において得られた前記混合物を結晶化し、骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を含む混合物を得る工程、および
(3)(2)から得られた前記混合物から骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を単離する工程、
(4)好ましくは骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を乾燥し、か焼する工程
を含む、実施形態10または11に記載の方法。
13.前記手法が、
(5)(3)または(4)から、好ましくは(4)から得られた前記ゼオライト材料を、
(5.1)最大5のpHを有する水溶液で前記ゼオライト材料を処理することと、
(5.2)5.5〜8の範囲のpH、および少なくとも75℃の温度を有する液体水性システムを用いて(5.1)から得られた前記ゼオライト材料を処理すること
を含む手法に供する工程を含み、(5.2)の後、前記ゼオライト材料が、任意に(5.1)による少なくとも1つのさらなる処理、および/または(5.2)による少なくとも1つのさらなる処理に供される、実施形態12に記載の方法。
14.(ii)の前記触媒が粉末の形態または成形体の形態であり、前記成形体が、好ましくは、長方形、三角形、六角形、正方形、卵形または円形の断面を有し、および/または、星、錠剤、球体または中空の円筒の形態をしている、実施形態1から13のいずれか一項に記載の方法。
15.(ii)の前記触媒が粉末の形態をしている、実施形態14に記載の方法。
16.(ii)の前記触媒が、成形体の形態をしており、前記ゼオライト材料に加えて、好ましくは黒鉛、シリカ、チタニア、ジルコニア、Si、TiおよびZrの2種以上の酸化物の混合物、およびSi、TiおよびZrの2種以上の混合酸化物の1種または複数である結合材料を含む、実施形態1から14のいずれか一項に記載の方法。
17.前記結合材料に対する前記ゼオライト材料の質量比が、10:1〜3:1の範囲、好ましくは9:1〜4:1の範囲にある、実施形態16に記載の方法。
18.(i)において準備される前記混合物が水をさらに含む、実施形態1から17のいずれか一項に記載の方法。
19.(i)で準備される前記混合物において、水に対する式(I)の化合物の質量比が、95:5〜45:55の範囲、好ましくは95:5〜85:15の範囲または45:55〜55:45の範囲にある、実施形態18に記載の方法。
20.(i)において準備される前記混合物が有機溶媒をさらに含む、実施形態1から19のいずれか一項に、好ましくは実施形態19に記載の方法。
21.前記有機溶媒が水と共沸混合物を形成する、実施形態20に記載の方法。
22.前記有機溶媒が水と混和しない、実施形態21に記載の方法。
23.前記有機溶媒が、芳香族溶媒、脂肪族(開環鎖状)溶媒、環状の炭化水素溶媒、エーテルの1種または複数、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルおよびプロピオニトリルの1種または複数であり、より好ましくは前記有機溶媒が、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの1種または複数である、実施形態20から22のいずれか一項に記載の方法。
24.(i)で準備される前記混合物において、前記有機溶媒に対する式(I)の化合物のモル比が、0.01:1〜3:1の範囲、好ましくは0.05:1〜2:1の範囲、より好ましくは0.1:1〜1:1の範囲である、実施形態20から23のいずれか一項に記載の方法。
25.(i)で準備され、(ii)に供される前記混合物の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、式(I)の化合物、前記有機溶媒および水からなる、実施形態20から24のいずれか一項に記載の方法。
26.(i)で準備され、(ii)に供される前記混合物の含水率が最大5質量%、好ましくは最大1質量%、より好ましくは最大0.1質量%である、実施形態25に記載の方法。
27.(i)で準備される前記混合物が、液相中で準備される、実施形態1から26のいずれか一項に記載の方法。
28.(ii)に従って、(i)で準備された前記混合物が、液相または気相中で、好ましくは液相中で前記触媒と接触させられる、実施形態1から27のいずれか一項に記載の方法。
29.(ii)の前記接触が、好ましくは共沸蒸留を含む水分除去条件下に実行される、実施形態19または20に従属する限りにおいて、実施形態1から28のいずれか一項に記載の方法。
30.(ii)での前記接触が、少なくとも100℃、好ましくは100〜250℃の範囲、より好ましくは120〜200℃の範囲、より好ましくは130〜170℃の範囲の前記触媒に接してもたらされる前記混合物の温度で実行される、実施形態1から29のいずれか一項に記載の方法。
31.(ii)での前記接触が、2〜10バール(絶対)の範囲、好ましくは0.5〜5バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.75〜2バール(絶対)の範囲の前記触媒に接してもたらされる前記混合物の圧力で実行される、実施形態1から30のいずれか一項に記載の方法。
32.(ii)での前記接触が、0.5〜10h−1の範囲、好ましくは1.5〜5h−1の範囲の単位時間当りの質量空間速度で実行され、前記単位時間当りの質量空間速度は、(i)で準備され(ii)に供される前記混合物中に含まれる式(I)の化合物(kg/h)の、(i)で準備された前記混合物が(ii)で接触させられる前記触媒中に含まれる前記ゼオライト材料の質量(kg)で除した質量流速として定義される、実施形態1から31のいずれか一項に記載の方法。
33.(ii)での前記接触が、バッチモード、準連続モードまたは連続モードにおいて、好ましくは連続モードにおいて実行される、実施形態1から32のいずれか一項に記載の方法。
34.(ii)から得られた前記混合物から式(II)の化合物を分離する工程をさらに含む、実施形態1から33のいずれか一項に記載の方法。
35.(ii)において得られた前記混合物が式(I)の化合物をさらに含み、前記方法が、式(I)の化合物を再循環する工程、好ましくは実施形態1から34のいずれか一項に記載の方法に式(I)の化合物を再循環する工程をさらに含む、実施形態1から34のいずれか一項に記載の方法。
36.(ii)で得られた前記混合物が前記有機溶媒をさらに含み、前記方法が、前記有機溶媒を再循環する工程、好ましくは実施形態1から35のいずれか一項に記載の方法に前記有機溶媒を再循環する工程をさらに含む、実施形態20に従属する限りにおいて、実施形態1から35のいずれか一項に記載の方法。
37.前記触媒を再生する工程をさらに含む、実施形態1から36のいずれか一項に記載の方法。
38.C−C10−アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチルまたはn−オクチルである、実施形態1から37のいずれか一項に記載の方法。
39.C−Cアルケニルが、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその鎖異性体、2−ヘキセニルまたは2,4−ペンタジエニルである、実施形態1から38のいずれか一項に記載の方法。
40.C−Cアルキニルが、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニルまたは2−ヘキシニルである、実施形態1から39のいずれか一項に記載の方法。
41.C−C12アリールが、フェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフチルである、実施形態1から40のいずれか一項に記載の方法。
42.C−Cアルキルオキシが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチロキシまたはヘキシロキシである、実施形態1から41のいずれか一項に記載の方法。
43.RがHであり、RがHであり、XがOであり、QがOHである、実施形態1から42のいずれか一項に記載の方法。
44.RがHであり、RがCHであり、XがOであり、QがHである、実施形態1から42のいずれか一項に記載の方法。
45.式(I)の化合物が
Figure 2020514329
の1種または複数、好ましくは式(I)の化合物であり、式(II)の化合物が好ましくは
Figure 2020514329
ならびに(IIS,S)および(IIR,R)のラセミ体の1つまたは複数である、実施形態1から44のいずれか一項に記載の方法。
46.式(II)の化合物が式(IIS,S)の化合物である、実施形態44または45のいずれかに記載の方法。
Figure 2020514329
47.3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを製造する方法、好ましくは実施形態1から46のいずれか一項に記載の方法であって、
(i)2−ヒドロキシプロパン酸を含む混合物を準備する工程と、
(ii)(i)において準備された前記混合物をゼオライト材料を含む触媒と接触させ、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを含む(ii)の混合物を得る工程と
を含み、
(ii)の前記ゼオライト材料が骨格型BEAを有し、前記ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、OおよびHを含み、前記ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の酸点の合計量を有し、酸点の合計量が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
前記ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.1に記載されているアンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)に従って、250〜500℃の温度範囲において求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
中位酸点の量が、0.10〜0.60mmol/gの範囲、好ましくは0.20〜0.50mmol/gの範囲である、
方法。
48.化合物3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンが(3S,6S)3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンである、実施形態47に記載の方法。
49.式(II)の化合物
Figure 2020514329
好ましくは式(IIS,S)の化合物を含む混合物であって、
Figure 2020514329
実施形態1から48のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるかまたは得られる混合物。
50.エステル化および/またはアミド化反応において触媒活性物質としての、実施形態1から13のいずれか一項において定義されるゼオライト材料の使用であって、前記反応の生成物は、実施形態1から48のいずれか一項において定義される式(II)の化合物である使用。
51.エステルおよび/またはアミドを製造する方法であって、前記エステルが、好ましくは実施形態1から48のいずれか一項において定義される式(II)の化合物であり、実施形態1から13のいずれか一項において触媒活性物質として定義されるゼオライト材料を用いる工程を含む、方法。
本発明は、以下の参考例、実施例および比較例によってさらに説明される。
[参考例1]
分析法
[参考例1.1]
酸点の測定:アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH3−TPD)
アンモニアの温度プログラムによる脱着(NH−TPD)を、熱伝導度検出器を有する自動化学吸着分析設備(Micromeritics AutoChem II 2920)で遂行した。脱着種の連続分析は、オンライン質量分光計(Pfeiffer VacuumからのOmniStar QMG200)を使用して達成した。試料(0.1g)を石英管に導入し、下記のプログラムを使用して分析した。温度は、石英管中の試料直上のNi/Cr/Ni熱電対によって測定した。分析には、純度5.0のHeを使用した。どの測定の前にも、ブランク試料を較正のために分析した。
1. 製造:記録の開始;毎秒1回の測定。25℃および30cm/分のHeの流速で10分間待つ。(室温(約25℃)および1気圧);20K/分の加熱速度で600℃まで加熱;10分間保持。He流動(30cm/分)下、20K/分(炉傾斜温度)の冷却速度で100℃に冷却する;He流動(30cm/分)下、3K/分(試料傾斜温度)の冷却速度で100℃に冷却する。
2. NHでの飽和:記録の開始;毎秒1回の測定。He中10%NHの混合物(75cm/分;100℃および1気圧)にガス流動を100℃で変える;30分間保持する。
3. 過剰物の除去:記録の開始;毎秒1回の測定。75cm/分(100℃および1気圧)のHe流動にガス流動を100℃で変える;60分間保持する。
4. NH−TPD:記録の開始;毎秒1回の測定。He流動(流速:30cm/分)下に10K/分の加熱速度で600℃に加熱する;30分間保持する。
5. 測定終了。
脱着したアンモニアをオンライン質量分光計によって測定し、熱伝導度検出器からのシグナルが脱着したアンモニアによって引き起こされることを実証した。これには、アンモニアの脱着をモニターするためにアンモニアからのm/z=16のシグナルを利用することが含まれていた。吸着されたアンモニアの量(試料のmmol/g)は、TPDシグナルの水平な基線を含む積分によるMicromeriticsソフトウェアによって確認された。
[参考例1.2]
(ii)で得られた混合物の分析
乳酸転化率およびラクチド収率は、Dusselierら、バイオプラスチック生産のための形状選択的なゼオライト触媒作用に対する補足資料、とりわけセクション「反応分析」3−6ページに記載されているDMSO−d中のH−NMR分析によって計算した。
[参考例2]
ゼオライト材料の製造
[参考例2.1]
骨格型BEA、Si:Alモル比24:1、および0.41mmol/gの合計量の酸点を有するゼオライト材料の製造
a)BEA骨格構造(H−ベータゼオライト)を有するゼオライトの製造
a1)335.1gのNaAlOを撹拌しながら7314gのHOに溶解し、続いて74.5gのゼオライトベータシード(商品名CP814Cの下にZeolyst International, Valley Forge, PA 19482, USAから市販、CAS登録番号1318−02−1)を添加した。混合物を20Lのオートクレーブに装入し、7340gのナトリウム水ガラスおよび1436gのLudox(登録商標)AS40を添加した。得られたアルミノケイ酸塩ゲルの結晶化を120℃で117時間行った。反応混合物を室温に冷却した後、固形物を濾過によって分離し、繰り返し蒸留水で洗浄し、次いで、120℃で16時間乾燥した。
a2)a1)に従って製造した1000gのゼオライト材料を硝酸アンモニウムの10質量%溶液10gに添加した。懸濁液を80℃に加熱し、2時間連続撹拌しながらこの温度で維持した。固体をフィルタープレスで高温で(追加冷却なしで)濾過した。次いで、洗浄水の伝導度が200マイクロジーメンス/cm未満になるまで、フィルターケーキを蒸留水(室温の洗浄水)で洗浄した。フィルターケーキは120℃で16時間乾燥した。この手順を繰り返すと、イオン交換された、アンモニウム形態の結晶性生成物BEAを与えた。以下の500℃で5時間のか焼工程(加熱傾斜1K/分)によって、イオン交換された、H形態の結晶質の生成物BEAを与えた。
b)第1の酸性脱アルミニウム
使用した材料:
17.15kg a)によるH−ベータゼオライト:Si=34%;Al=6.3%;Na=0.07%。
51.45kg HNO(水溶性;4質量%)
撹拌した容器に、HNOの溶液(4質量%)51.45kgを装填した。17.15kgのH−ベータゼオライトを添加した。得られた懸濁液は60℃で2時間撹拌した。50℃に冷却した後、懸濁液をフィルタープレスに移し、3.2バールの圧力で濾過し、5,484Lの蒸留水で9時間洗浄した。ゼオライトは120℃で20時間乾燥した。15.912kgのゼオライトが得られた。このゼオライトを、5時間にわたって再循環マッフル炉で1K/分の速度で温度を600℃に上昇させることによってか焼した。15.889kgの白色固形物が得られた。元素分析:Si=35.5%;Al=4.9%;Na=0.05%。
c)水での処理
使用した材料:
15.889kg 酸処理したH−ベータゼオライト
127kg 蒸留H
ゼオライトを蒸留水に容器中で懸濁した。懸濁液を90℃に加熱し、9時間撹拌した。懸濁液をフィルタープレスで濾別し乾燥した。乾燥は120℃で68時間行った。15.547kgのH−ベータゼオライトが得られた。
d)第2の酸性脱アルミニウム
使用した材料:
15.538kg c)のH−ベータゼオライト
46.614kg HNO(水溶性:4質量%)
容器に、HNO溶液(4質量%)46.614kgを装填した。15.538kgのH−ベータゼオライトを添加した。得られた懸濁液は、60℃で2時間撹拌した。50℃に冷却した後に、懸濁液をフィルタープレスに移し、3.2バールの圧力で濾過し、2,114Lの蒸留水で3.5時間洗浄した。ゼオライトは120℃で48時間乾燥した。14.14kgのゼオライトが得られた。このゼオライトを、5時間にわたって再循環マッフル炉で1K/分の速度で温度を600℃に上昇させることによってか焼した。14.479kgの白色固体(H−ベータゼオライト)が得られた。元素分析:Si=37.5%;Al=3.8%;Na=0.03%。
e)水での処理
使用した材料:
14.479kg d)のH−ベータゼオライト
116kg 蒸留HO−dest.
14.479kgのH−ベータゼオライトを容器中で蒸留水に懸濁した。溶液を90℃に加熱し、9時間撹拌した。懸濁液をフィルタープレスで濾別し乾燥した。乾燥は120℃で22時間行った。14.65kgのH−ベータゼオライトが得られた。
f)第3の酸性脱アルミニウム
使用した材料:
13.65kg e)のH−ベータゼオライト
40.95kg HNO(水溶性、4質量%)
容器にHNO溶液(4質量%)40.95kgを装填した。e)のH−ベータゼオライト13.65kgを添加した。得られた懸濁液は、60℃で2時間撹拌した。50℃に冷却した後、懸濁液をフィルタープレスに移し、3.2バールの圧力で濾過し、1,442Lの蒸留水で16.5時間洗浄した。ゼオライトを120℃で68時間乾燥した。12.658kgのゼオライトが得られた。このゼオライトを、5時間にわたって再循環マッフル炉で1K/分の速度で温度を600℃に上昇させることによってか焼した。12.83kgの白色固形分が得られた。元素分析:Si=37.5%;Al=3.8%;Na=0.03%。
g)水での処理
使用した材料:
12.82kg f)のH−ベータゼオライト
103kg 蒸留したH
f)のH−ベータゼオライト12.82kgを容器中で蒸留水に懸濁した。懸濁液を90℃に加熱し、9時間撹拌した。懸濁液をフィルタープレスで濾別し乾燥した。乾燥は120℃で22時間行った。12.73kgのH−ベータゼオライトが得られた。
h)第4の酸性脱アルミニウム
使用した材料:
12.72kg g)のH−ベータゼオライト
38.16kg HNO(水溶性、8質量%)
容器に、HNO水溶液(8%)38.16kgを装填した。g)のH−ベータゼオライト12.72kgを添加した。得られた懸濁液を60℃で2時間撹拌した。50℃に冷却した後、懸濁液は、フィルタープレスに移し、3.2バールの圧力で濾過し、蒸留水1,055Lで5時間洗浄した。ゼオライトは120℃で25時間乾燥した。11.802kgのゼオライトが得られた。このゼオライトを、5時間にわたって再循環マッフル炉で1K/分の速度で温度を600℃に上昇させることによってか焼した。11.852kgの白色固体が得られた。元素分析:Si=42.0%;Al=1.8%;Na<0.01%。
i)水での処理
使用した材料:
11.842kg h)のH−ベータゼオライト
95kg 蒸留したH
h)のH−ベータゼオライト11.842kgを容器中で蒸留水に懸濁した。懸濁液を90℃に加熱し、9時間撹拌した。懸濁液をフィルタープレスで濾別し乾燥した。乾燥は120℃で22時間行った。11.512kgのH−ベータゼオライトが得られた。
j)第5の酸性脱アルミニウム
使用した材料:
11.502kg i)のH−ベータゼオライト
34.506kg HNO(水溶性、15質量%)
容器に、HNO水溶液(15質量%)34.506kgを装填した。i)のH−ベータゼオライト11.502kgを添加した。得られた懸濁液は、60℃で2時間撹拌した。50℃に冷却した後、懸濁液をフィルタープレスに移し、3.2バールの圧力で濾過し、1,114Lの蒸留水で2.25時間洗浄した。ゼオライトを120℃で24時間乾燥した。このゼオライトを、5時間にわたって再循環マッフル炉で1K/分の速度で温度を600℃に上昇させることによってか焼した。11.097kgの白色固体が得られた。得られたゼオライト材料は73%の結晶化度を有する。元素分析:Si=43.5%;Al=1.7%;Na<0.01%。
参考例1.1で開示されるNH−TPD分析をj)のゼオライトについて行った。それぞれのNH−TPDプロットを図1に示す:ピークは500℃を超える温度では観察されず、強酸点がゼオライト中に存在しないことを示す。ゼオライトの中位酸点の存在を示す328.9℃でピークが観察された。177.8℃の温度で観察されたピークは、弱酸点に関係する。100℃から550℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。
酸点の合計量:0.41mmol/g、参考例1.1に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
中位酸点の合計量:0.23mmol/g、参考例1.1に記載されているNH−TPD法に従って求めた。
強酸点の合計量:参考例1.1中に記載されているNH−TPD法に従って検出されず。
[参考例2.2]
骨格型BEA、22:1のSi:Alモル比、および0.994mmol/gの酸点の合計量を有するゼオライト材料の製造
a)Alベータゼオライトの製造
使用した材料:
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)(水溶性、35質量%) 905.70g
NaOH(小板) 19.80g
硫酸アルミニウム(Al(SO 18HO) 78.60g
コロイダルシリカ、Ludox(登録商標)AS 40(40の質量%シリカ) 760.80g
300r.p.m.で撹拌しながら、905.7gのTEAOHおよび19.8gのNaOHの溶液を容器中で製造した。20分後、硫酸アルミニウム78.6gをそこに懸濁し、続いて14時間撹拌した。撹拌しながら、得られた溶液に、760.8gのLudox(登録商標)を添加し、続いて300r.p.m.で30分間撹拌した。次いで、pH>14を有する液体ゲルをオートクレーブに移し、内因性の圧力の下に170℃の温度に加熱し、150r.p.m.で撹拌しながらその温度で24時間維持した。次いで、得られた材料は、濾過によってその母液と分離して、次いで、洗浄に供した。このようにして得られたゼオライト材料は、真空オーブン中で95℃30時間大気下に乾燥した(収量:536g)。次いで、大気下に500℃で5時間か焼した(加熱傾斜:2K/分)。得られた材料の解析:Al 1.9質量%;TOC<0.1質量%;Na 3.3質量%;BET比表面積(DIN 66131による)562m/g。
b)硝酸アンモニウムの処理
使用した材料:
蒸留水 (3x) 1350.0g
硝酸アンモニウム(NHNO)99% (3x) 150.0g
a)からのAlベータゼオライト(粉末) 150.0g
Na形態からH形態にイオン交換することによってゼオライトを製造した。1,500gの硝酸アンモニウム水溶液(10質量%)を蒸留水および硝酸アンモニウムから製造した。撹拌しながら、150gのAlベータゼオライトを2.5のpHで添加し、80℃に2時間加熱した。冷却した後に、溶液を濾別し、4Lの蒸留水で中性のpHに洗浄した。その場合、イオン交換方法全体を2度繰り返した。最終的に得られたゼオライトは、120℃で5時間乾燥し、500℃で5時間か焼した。H形態のか焼されたベータゼオライト123gが得られた。元素分析:Al=1.9%;Si=43%;Na=0.01%。
参考例1.1で開示されているNH−TPD分析を行った。NH−TPDプロットを図2に示す。弱いピークが594.3℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在することを示す。374.1℃にピークが観察され、ゼオライト中の中位酸点の存在を示す。223.8℃の温度で観察されたピークは、弱酸点に関係する。100℃から600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。
酸点の合計量:0.99mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
中位酸点の合計量:0.46mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
強酸点の合計量:0.02mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
[参考例2.3]
骨格型BEA、12.5:1のSi:Alモル比、および1.019mmol/gの酸点の合計量を有するゼオライト材料の準備(比較)
この参考例2.3によるゼオライト材料は、Zeolyst Internationalから得られるゼオライト材料CP814Eである。ゼオライト材料CP814Eは12.5:1のSi:Alモル比を有する。使用前に、この材料を550℃の温度で5時間大気中でか焼した。この温度を達成する加熱速度は2K/分であった。
参考例1.1で開示されるNH−TPD分析を行った。NH−TPDプロットは図3中に示される:弱いピークが590.2℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在することを示す。中位酸点のピークは観察されず、ゼオライト中の中位酸点の欠如を示す。207.0℃の温度で観察されたピークは、弱酸点に関係する。100℃から600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与えた。
酸点の合計量:1.02mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
中位酸点の合計量:参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って検出されなかった。
強酸点の合計量:0.02mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
[参考例2.4]
骨格型BEA、2.5:1のSi:Alモル比、および1.972mmol/gの酸点の合計量を有するゼオライト材料の製造(比較)
a)Alベータゼオライトの製造
335.1gのNaAlOを7314gのHOに撹拌しながら溶解し、続いて74.5gのゼオライトベータシード(Zeolyst International, Valley Forge, PA 19482, USAから商品名CP814Cの下に市販、CAS登録番号1318−02−1)を添加した。混合物を20Lのオートクレーブに装入し、7340gのナトリウム水ガラスおよび1436gのLudox(登録商標)AS40を添加した。得られたアルミノケイ酸塩ゲルの結晶化を120℃で117時間行った。反応混合物を室温に冷却した後、固形分は濾過によって分離し、蒸留水で繰り返し洗浄し、次いで、120℃で16時間乾燥した。結果として得られる材料は12質量%の水の取り込みがあった。
b)硝酸アンモニウムの処理
使用した材料:
蒸留水 (2x) 1,6110g
硝酸アンモニウム(NHNO)10% (2x) 179.0g
a)のNaゼオライト(粉末) 179.0g
Na形態からH形態にイオン交換することによってゼオライトを製造した。10%の硝酸アンモニウム溶液1,790gを蒸留水および硝酸アンモニウムから製造した。撹拌しながら、179gのNaゼオライトを2.6のpHで添加し、80℃に2時間加熱した。冷却した後に、懸濁液を濾別し、12Lの蒸留水で中性のpHに洗浄した。フィルターケーキを、10%の硝酸アンモニウム溶液1,790gと一緒に80℃で2時間撹拌した。懸濁液を濾別し、もう一度12Lの蒸留水で中性のpHに洗浄した。次いで、イオン交換方法全体をもう一度繰り返した。ゼオライトは120℃で5時間乾燥し、500℃で5時間か焼した。142gのか焼されたH形態のベータゼオライトが得られた。元素分析:Al=7.1%;Si=38%;Na=0.07%。
参考例1.1で開示されるNH−TPD分析を行った。NH−TPDプロットを図4に報告する:弱いピークが572.1℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在したことを示す。中位酸点のピークは観察されず、ゼオライトの中位酸点の欠如を示す。229.9℃の温度で観察されたピークは、弱酸点に関係する。100℃および600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与えた。
酸点の合計量:1.97mmol/g、参考例1.1に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
中位酸点の合計量:参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って検出されなかった。
強酸点の合計量:0.02mmol/g、参考例1.1中に記載されているNH−TPD手法に従って求めた。
[実施例1]
ラクチド(式(II)の化合物)の製造のための基本手順
ラクチドの製造は、下記表1によるE1.1からCE3と明示された、一連の個別の実験で実行した。
a)連続モード
乳酸(50質量%)の水溶液は、トルエン中の本発明による式(II)のラクチドに少なくとも部分的に転化された。第1工程において混合物は
− 50gのトルエン、
− 2.5gのそれぞれのゼオライト材料を
100mLの3首丸底部フラスコに充填することによって製造した。これは、還流温度で水を除去しながら、連続的なトルエン再循環のための凝縮器および相分離器を備え連続的な流動撹拌槽型反応器(CSTR)として働く。第2の工程において、ガラス反応器の内部の混合物を撹拌しながら還流温度に加熱した。対応する反応温度に到達した後、乳酸(50−90質量%)の水溶液の特定の一定流量を添加した。加熱したガラス反応器の内部の反応混合物を撹拌し続けながら、流量および反応温度を3時間維持した(下記表1を参照)。
b)バッチモード
乳酸(50質量%)の水溶液は、トルエン中の本発明による式(II)のラクチドに少なくとも部分的に転化された。
第1の工程において、混合物は
−10gのトルエン、
−0.5gのそれぞれのゼオライト材料、および
−1.67gの乳酸(50質量%)の水溶液を
25mLの3首丸底部フラスコに充填することによって製造した。これは、連続的なトルエン再循環のための凝縮器および相分離器を用いて還流温度で水を除去しながら、働く。第2の工程において、ガラス反応器の内部の混合物を撹拌しながら還流温度に加熱した。加熱したガラス反応器の内部の反応混合物を撹拌し続けながら、反応温度を3時間維持した(下記表1を参照)。
[実施例1.1]
参考例2.1のゼオライト材料の使用:46.39マイクロリットル/分(E1.1)の流速
上記開示の基本手順に従って、式(II)の化合物を、46.39マイクロリットル/分の流速で参考例2.1で製造したゼオライト材料を使用して製造した。
[実施例1.2]
参考例2.1によるゼオライト材料の使用:23マイクロリットル/分(E1.2)の流速
上記開示の基本手順に従って、ラクチドを、23マイクロリットル/分の流速で参考例2.1で製造したゼオライト材料を使用して製造した。
[実施例1.3]
参考例2.1に従ってゼオライト材料を使用すること:バッチ実験(E1.3)
上記開示の基本手順に従って、ラクチドを、参考例2.1で製造したゼオライト材料を使用して製造した。実験はバッチモードにおいて行った。
[実施例1.4]
参考例2.2によるゼオライト材料の使用:46.39マイクロリットル/分(E1.4)の流速
ラクチドを、46.39マイクロリットル/分の流速で参考例2.2で製造したゼオライト材料を使用して上記開示の基本手順に従って製造した。
[実施例1.5]
参考例2.2によるゼオライト材料の使用:バッチ実験(E1.5)
上記開示の基本手順に従って、ラクチドを、参考例2.2で製造したゼオライト材料を使用して製造した。実験はバッチモードにおいて行った。
[比較例1]
参考例2.3に従ってゼオライト材料を使用するラクチドの製造:46.39マイクロリットル/分(CE1)の流速
実施例1の上記開示の基本手順に従って、参考例2.3で製造したゼオライト材料を使用して、46.39マイクロリットル/分の流速でラクチドを製造した。
[比較例2]
参考例2.4に従ってゼオライト材料を使用するラクチドの製造:バッチ実験(CE2)
実施例1の上記開示の基本手順に従って、ラクチドを、参考例2.4で製造したゼオライト材料を使用して製造した。実験はバッチモードにおいて行った。実施例および比較例の結果は、下記表1に示す。
Figure 2020514329
(1)Y1:2時間の(ii)の接触時間での化合物(II)の収率
(2)Y2:3時間の(ii)の接触時間での化合物(II)の収率
(3)C1:2時間の(ii)の接触時間での化合物(I)の転化率
(4)C2:3時間の(ii)の接触時間での化合物(I)の転化率
(5)S1:2時間の(ii)の接触時間での化合物(II)の選択性
(6)S2:3時間の(ii)の接触時間での(II)の選択性
(7)収率Y/%は[(ii)から得られた化合物(II)のmmol/(i)に供した化合物(I)のmmol]*100として定義される
転化率C/%は[(ii)から得られた化合物(I)のmmol/(i)に供した化合物(I)のmmol]*100として定義される
選択性S/%は(Y/C)*100として定義される。
(8)求めず
上記表1による結果からわかるように、実施例E1.1〜E1.5のゼオライト材料の本発明の使用は、比較例CE1およびCE2のゼオライト材料の使用と比較して高い収率をもたらす。さらに、実施例E1.1〜E1.5のゼオライト材料の本発明の使用によって、比較例CE1〜CE2のゼオライト材料の使用と比較して、高い転化率をもたらす。したがって、E.1.4のゼオライト材料の特別の事例においてであるが、わずかに低い選択性がCE1のゼオライト材料と比較して観察され、実施例E1.1〜E1.5のゼオライト材料はすべて、比較例CE1およびCE2のゼオライト材料より活性があり、時間当たりより多くの生成物が製造されるので、このようにして、より高い生産性をもたらすことを示す。
参考例1.1に従って測定した参考例2.1のゼオライト材料のNH−TPDプロットを示す:500℃を超える温度でピークは観察されず、強酸点がゼオライト中に存在しないことを示す。ピークが328.9℃で観察され、ゼオライト中に中位酸点の存在を示す。177.8℃の温度で観察されたピークは弱酸点に関係する。100℃から550℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。 参考例1.1に従って測定した参考例2.2のゼオライト材料のNH−TPDプロットを示す:弱いピークが594.3の℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在することを示す。ピークが374.1℃で観察され、ゼオライトの中位酸点の存在を示す。223.8℃の温度で観察されたピークは弱酸点に関係する。100℃から600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。 参考例1.1に従って測定した参考例2.3のゼオライト材料のNH−TPDプロットを示す:弱いピークが590.2℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在することを示す。中位酸点のピークは観察されず、ゼオライト中の中位酸点の欠如を示す。207.0℃の温度で観察されたピークは弱酸点に関係する。100℃から600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。 参考例1.1に従って測定した参考例2.4のゼオライト材料のNH−TPDプロットを示す:弱いピークが572.1℃の温度で観察され、少量の強酸点がゼオライト中に存在することを示す。中位酸点のピークは観察されず、ゼオライト中の中位酸点の欠如を示す。229.9℃の温度で観察されたピークは弱酸点に関係する。100℃から600℃の温度間の曲線の積分は、全酸点の量を与える。
引用した先行技術
− 国際公開第2014/122294号
− 国際公開第2010146156号
− 国際公開第2014/060260号
− Dusselierら「Shape−selective zeolite catalysis for bioplastics production」に対する補足資料、www.sciencemag.org/content/349/6243/78/suppl/DC1
2015年7月3日公開Science , 349, 78 (2015)DOI:10.1126/science.aaa7169

Claims (15)

  1. 式(II)の化合物を製造する方法であって、
    Figure 2020514329
    (i)式(I)の化合物またはその塩を含む混合物を準備する工程と、
    Figure 2020514329
    (ii)(i)において準備された前記混合物を、ゼオライト材料を含む触媒と接触させ、式(II)の化合物を含む(ii)の混合物を得る工程と
    [式中、
    はOまたはNHであり;
    およびRは、互いに独立して、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換されており;
    は、OH、OR、NH、Cl、BrまたはIであり;
    は、C−C10アルキルまたはC−C12アリールであり、それぞれ任意に、1個または複数のC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニル、C−CアルキニルおよびC−C12アリールで置換されている]
    を含み、
    (ii)の前記ゼオライト材料が骨格型BEAを有し、前記ゼオライト材料の骨格構造がSi、Al、O、およびHを含み、
    前記ゼオライト材料が、0.25〜1.0mmol/gの範囲の合計量の酸点を有し、酸点の合計量が、アンモニアの温度プログラムによる脱着に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの合計モル量として定義され、
    前記ゼオライト材料が、アンモニアの温度プログラムによる脱着に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される量の中位酸点を有し、
    中位酸点の量が、酸点の合計量の少なくとも40%である、
    方法。
  2. 中位酸点の量が、酸点の合計量の40〜70%の範囲、好ましくは50〜70%の範囲、より好ましくは60〜70%の範囲にあり、中位酸点の量が、好ましくは0.10〜0.60mmol/gの範囲、より好ましくは0.20〜0.50mmol/gの範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 500℃を超える温度範囲においてアンモニアの温度プログラムによる脱着に従って求められる前記ゼオライト材料の質量当たりの脱着されたアンモニアの量として定義される前記ゼオライト材料の強酸点の量が、0〜0.10mmol/gの範囲、好ましくは0〜0.07mmol/gの範囲、より好ましくは0〜0.04mmol/gの範囲にある、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ゼオライト材料の骨格構造が、15:1〜30:1の範囲、好ましくは20:1〜25:1の範囲のモル比Si:Alを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (ii)による前記触媒中に含まれる前記ゼオライト材料が、有機鋳型を含まない合成手法によって得ることができるかまたは得られ、前記有機鋳型を含まない合成手法が、好ましくは
    (1)SiO用の1種または複数の供給源、Al用の1種または複数の供給源、および骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む種結晶を含む混合物を準備する工程、
    (2)工程(1)において得られた前記混合物を結晶化し、骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を含む混合物を得る工程、および
    (3)(2)から得られた前記混合物から骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を単離する工程、
    (4)好ましくは、骨格型BEAを有する前記ゼオライト材料を乾燥し、か焼する工程、
    (5)好ましくは、(3)または(4)から、好ましくは(4)から得られた前記ゼオライト材料を、
    (5.1)最大5のpHを有する水溶液で前記ゼオライト材料を処理すること、
    (5.2)5.5〜8の範囲のpHおよび少なくとも75℃の温度を有する液体水性システムで、(5.1)から得られた前記ゼオライト材料を処理する工程を含む手法に供すること
    を含む手法であり、(5.2)の後、前記ゼオライト材料が、任意に、(5.1)による少なくとも1つのさらなる処理および/または(5.2)による少なくとも1つのさらなる処理に供される、手法に供する工程
    を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (i)において準備される前記混合物が水をさらに含み、(i)で準備される前記混合物において、水に対する式(I)の化合物の質量比が、好ましくは95:5〜45:55の範囲、より好ましくは95:5〜85:15の範囲、または45:55〜55:45の範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (i)において準備される前記混合物が有機溶媒をさらに含み、前記有機溶媒が、好ましくは芳香族溶媒、脂肪族(開環鎖状)溶媒、環状炭化水素溶媒、エーテルの1種または複数、より好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルおよびプロピオニトリルの1種または複数であり、より好ましくは前記有機溶媒が、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの1種または複数であり、(i)で準備される前記混合物において、前記有機溶媒に対する式(I)の化合物のモル比が、好ましくは0.01:1〜3:1の範囲、より好ましくは0.05:1〜2:1の範囲、より好ましくは0.1:1〜1:1の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. (i)において準備される前記混合物が液相中に準備され、(ii)に従って、(i)において準備される前記混合物が、液相または気相、好ましくは液相中の前記触媒と接触させられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (ii)の接触が水分除去条件下に実行され、(ii)での接触が、好ましくは少なくとも100℃の前記触媒、より好ましくは100〜250℃の範囲、より好ましくは120〜200℃の範囲、より好ましくは130〜170℃の範囲の前記触媒と接してもたらされる前記混合物の温度で行われ、(ii)での接触が、好ましくは2〜10バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.5〜5バール(絶対)の範囲、より好ましくは0.75〜2バール(絶対)の範囲の前記触媒と接してもたらされる前記混合物の圧力で実行される、請求項6に従属する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. (ii)での接触が、連続モードにおいて、好ましくは0.5〜10h−1の範囲、より好ましくは1.5〜5h−1の範囲の単位時間当りの質量空間速度で実行され、前記単位時間当りの質量空間速が、(i)で準備され(ii)に供される前記混合物中に含まれる式(I)の化合物(kg/h)の、(i)で準備された前記混合物が(ii)で接触させられる前記触媒中に含まれる前記ゼオライト材料の質量(kg)で除した質量流速として定義される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (ii)で得られた前記混合物からの式(II)の化合物を分離する工程をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (ii)において得られた前記混合物が式(I)の化合物をさらに含み、前記方法が、式(I)の化合物を再循環する工程、好ましくは請求項1から10のいずれか一項に記載の方法に式(I)の化合物を再循環する工程をさらに含み、および/または、(ii)で得られた前記混合物が請求項7に定義される前記有機溶媒をさらに含み、前記方法が前記有機溶媒を再循環する工程、好ましくは前記有機溶媒を、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法に再循環する工程をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. −C10−アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル,2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチルまたはn−オクチルであり、好ましくは、RがHであり、RがHであり、XがOであり、QがOHであり、より好ましくは、RがHであり、RがCHであり、XがOであり、QがHである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 式(I)の化合物が
    Figure 2020514329
    の1種または複数、好ましくは式(I)の化合物であり、式(II)の化合物が好ましくは
    Figure 2020514329
    の1種または複数ならびに(IIS,S)および(IIR,R)のラセミ体であり、式(II)の化合物は好ましくは式(IIS,S)の化合物である、
    Figure 2020514329
    請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 式(II)の化合物、好ましくは式(IIS,S)の化合物を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるまたは得られる混合物。
    Figure 2020514329
JP2019546325A 2017-03-15 2018-03-14 環状ジエステルまたは環状ジアミドを製造する、ゼオライト触媒による方法 Pending JP2020514329A (ja)

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