JP2020513057A - ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(p)を製造する方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(p)を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を製造する方法、およびポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)そのものに関する。

Description

本発明は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を製造する方法、およびポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)自体に関する。
高性能エンジニアリング熱可塑性樹脂は、強度、剛性、耐衝撃性および長期寸法安定性などの特性のバランスを示し、自動車および電子産業の構造材料として特に魅力的なポリマーのグループであり、そのような熱可塑性樹脂は、多くの場合、軽量化を実現することができるため、金属の代替品として適している。
特定の用途では、単一の熱可塑性樹脂がすべての要求特性を提供するわけではないため、この欠陥を修正する手段が重要である。特に興味をそそる1つの経路が、所望の特性の組合せを有する材料を生ずるように特性を個別に有する2種以上のポリマーの共重合によるものである。
ポリアリーレンスルホンポリマーは、高性能熱可塑性樹脂のグループに属し、高い耐熱変形性、良好な機械的特性および固有の難燃性を特徴としているが、ポリアリーレンスルホンポリマーは、典型的にはアモルファスであり、高い結晶化度と加工性を備えたポリアリーレンスルホンポリマーが現時点では不足している。さらに、アモルファスポリアリーレンスルホンポリマーの使用は、多くの場合、それらの貧弱な耐溶剤性のために妨げられる。
これらの欠陥に対処するために、ポリアリーレンスルホンポリマーを、たとえばポリエステルと共重合させることができる。半結晶性ポリエステルは、アモルファスポリアリーレンスルホンと比較して優れた耐溶剤性を示し、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルコポリマーの結晶化可能なセグメントを提供し、ポリアリーレンスルホンポリマーのセグメントはアモルファスのままである。しかしながら、ポリアリーレンスルホンポリマーをより多量にポリアリーレンスルホン/ポリエステルコポリマーに組み込むと、コポリマーの結晶化が妨げられる。したがって、結晶化度を維持するために、ポリアリーレンスルホンポリマーは少ない量で組み込まれる必要があり、得られるコポリマーの特性は選択されたポリエステルにより似通っている。
ポリアリーレンスルホンポリマーとポリエステルの標的コポリマーの合成には、アルコールによるポリアリーレンスルホンポリマーの官能化が必要である。そのような官能化を達成する手順は、従来技術において知られている。
Turner et al.「New semicrystalline block copolymers of poly(arylene ether sulfone)s and poly(1,4−cyclohexylenedimethylene terephthalate),Polymer,2015,74,86−93」は、ポリアリーレンスルホン単位とポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)単位とから誘導された単位を含むコポリマーの製造を開示している。共重合の前に、ポリアリーレンスルホン単位は、エチレンカーボネートを介して二酸化炭素の発生下で導入されるヒドロキシエチル末端基で官能化される。開示されたコポリマーは、観察可能な結晶化度を得るために少なくとも50重量%のポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)単位を含まなければならない。
同様に、Long et alは、「Synthesis and Characterization of Polysulfone−Containing Poly(butylene terephthalate)Segmented Block Copolymers,Macromolecules,2014,47,8171−8177」の中で、ポリアリーレンスルホンポリマーとエチレンカーボネートとの反応を介して導入されるヒドロキシルエチル末端基を有するポリアリーレンスルホンポリマーの官能化を開示している。ヒドロキシエチル官能化ポリアリーレンスルホンは、1,4−ブタンジオールおよびジメチルテレフタレートとさらに反応して、それぞれのポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマーを形成する。
先行技術に記載されているエチレンカーボネートを介したポリアリーレンスルホンへのヒドロキシエチル末端基の導入は定量的反応であるが、この反応には官能化の前にポリアリーレンスルホンオリゴマーの単離が必要であり、その結果、反応時間が長くなり、副生成物として二酸化炭素が生成する。ポリアリーレンスルホン/ポリエステルコポリマーは、十分に結晶化するために多量のポリエステル成分を必要とし、これは全体の特性に深刻な影響を及ぼす。
したがって、本発明の目的は、先行技術に記載された方法の欠点を有していないか、またはごく限られた欠点を有するのみの、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマーを製造する方法を提供することである。この方法は、実施が簡単で、可能な限りエラーが発生しにくいことが望ましく、安価であることが望ましい。本発明による方法は、より効率的に行われ、得られるコポリマーは、ブロックコポリマー中に組み込まれたポリアリーレンスルホンセグメントの量がより多い場合であっても結晶化度を示すことが望ましい。
この目的は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を製造する方法であって、
ai)以下の成分
(A1)フェノール性ヒドロキシ基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)と、
(A2)ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールと
を含む反応混合物(RM1)を、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒の存在下で変換して、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒とを含む反応混合物(RM2)を得るステップと、
aii)少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を反応混合物(RM2)から分離するステップと、
b)以下
(B1)ステップaii)で得られた少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と、
(B2)少なくとも1種の芳香族ジカルボキシ化合物と、
(B3)少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物と
を含む反応混合物(RM3)を変換して、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含む反応混合物(RM4)を得るステップと
を含む方法により達成された。
驚くべきことに、エチレンカーボネートなどの有機カーボネートの代わりにハロゲン置換基(A2)を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールの使用が、末端ヒドロキシアルキル基を有する官能化ポリアリーレンスルホンの形成に適していることが見出された。したがって、本発明の方法は、ガス状副生成物の形成を回避し、反応容器内での望ましくない圧力上昇を回避する。
本発明の方法はまた、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)出発原料の製造およびポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマーを形成する中間生成物として機能する官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)の製造中に使用される成分の残留量の影響を受けにくく、さらに、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を分離するために通常必要とされる任意の追加の後処理ステップなしのワンポット合成で行うことができる。そのようなワンポット合成が行われる場合、生成される廃棄物はかなり少なく、従来技術と比較して改善された原子効率が確立される。
官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)の製造にハロゲン化物塩が使用される場合、反応時間の大幅な短縮を伴って、非常に高い収率と非常に高い変換率で官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を得ることができる。
さらに驚くべきことに、本発明の方法により得られたポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、溶融均一性を維持しながら、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリアリーレンスルホン単位の含有量が高い場合であっても結晶性を示すことが見出された。したがって、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)も高いガラス転移温度を示す。
さらに、先行技術の観察とは対照的に、高い数平均分子量(M)を有するポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を使用すると、得られるポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)のポリエステルセグメント、特に、高い数平均分子量(M)を有するポリエステルセグメントの結晶化特性が促進される。したがって、ポリアリーレンスルホンおよびポリエステルセグメントの数平均分子量(M)の変動により、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の物理的特性の調整が可能になる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
ステップai)
ステップai)では、反応混合物(RM1)が、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒の存在下で変換されて、反応混合物(RM2)が得られる。反応混合物(RM1)は、成分(A1)としてフェノール性ヒドロキシ基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)と、成分(A2)としてハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールとを含む。成分(A1)と(A2)は置換反応で変換される。
反応混合物(RM1)は、少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を製造するために本発明のステップai)で使用される混合物を意味すると理解される。したがって、この場合、反応混合物(RM1)に関して与えられるすべての詳細は、置換反応の前に存在する混合物に関する。置換反応は、反応混合物(RM1)が(A1)と(A2)の置換反応により反応し、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を生ずる、本発明による方法のステップai)の間に行われる。
成分(A1)
反応混合物(RM1)は、成分(A1)としてフェノール性ヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を含む。「ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)」および「成分(A1)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー」という用語は、この場合、正確には1種のポリアリーレンスルホンポリマーおよび2種以上のポリアリーレンスルホンポリマーの混合物も意味すると理解される。
原則として、任意のポリアリーレンスルホンポリマーを、本発明による方法における成分(A1)として使用することができる。適切なポリアリーレンスルホンポリマーおよびそれらの製造方法は、当業者に知られている。
好ましいポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、一般式(I)
Figure 2020513057
[式中、
t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルコキシまたはC〜C18−アリールであり、ここで、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含む。
したがって、本発明はまた、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)が、一般式(I)
Figure 2020513057
[式中、
t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルコキシまたはC〜C18−アリールであり、ここで、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含む方法を提供する。
Q、TまたはYが、上記の前提条件で化学結合である場合、これは、左側の隣接する基と右側の隣接する基とが化学結合によって相互に直接結合していることを意味すると理解される。
Q、TまたはYが−CR−のとき、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C〜C10−アルキル、C〜C12−アルコキシまたはC〜C18−アリールである。
およびRの好ましいC〜C10−アルキル基には、1〜10個の炭素原子の線状および分岐状の飽和アルキル基が含まれる。以下の部分が特に適切である:C〜C−アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−もしくは3−メチルペンチル、または比較的長鎖の部分、たとえばヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリルおよびそれらの分岐類似体。さらに好ましいC〜C10−アルキル基には、C〜C10−シクロアルキル部分、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロペンチルブチル、シクロペンチルペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルジメチルまたはシクロヘキシルトリメチルも含まれる。
およびRのC〜C10−アルコキシ基中のアルキル部分には、1〜10個の炭素原子の上記で定義されるアルキル基が含まれる。
ArおよびArは、それぞれ独立して、C〜C18−アリールである。下記の出発材料から進行して、Arは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、特に2,7−ジヒドロキシナフタレンおよび4,4’−ビスフェノールからなる群から好ましくは選択される、求電子部分への攻撃力が高い電子豊富な芳香族物質に由来する。
一般式(I)の好ましい実施形態におけるArおよびArは、それぞれ好ましくは、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、ナフチレンおよび4,4’−ビスフェニレンからなる群から独立して選択される。
ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、好ましくは、以下の構造単位(Ia)〜(Io)のうちの少なくとも1つを含むものである:
Figure 2020513057
Figure 2020513057
単位Ia〜Ioに加えて、1個以上の1,4−フェニレン単位がレゾルシノールまたはジヒドロキシナフタレンから誘導された単位で置き換えられている単位も好ましい。
構造単位(Ia)、(Ib)、(Ig)および(Ik)またはそれらのコポリマーは、一般式(I)の繰り返し単位として好ましく使用される。
好ましくは、少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の一般式(Ik):
Figure 2020513057
の単位を含む。
少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、より好ましくは、そのつど少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%、特により好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%の一般式(Ik)の単位を含む。
特に好ましい一実施形態では、少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、一般式(Ik)の単位からなる。そのようなポリアリーレンスルホンは、ポリエーテルスルホン(PESU)と呼ばれる。
言及された繰り返し単位とは別に、末端基の構造は、本発明にとって不可欠である。ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、本発明によれば、フェノール性ヒドロキシ基を含む。本発明の文脈において、「フェノール性ヒドロキシ基」は、芳香族環に結合したヒドロキシ基を意味すると理解される。上述の芳香族環は、好ましくは1,4−フェニレン基である。
ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)中のフェノール性ヒドロキシ基の割合は、電位差滴定によってヒドロキシ基を決定し、原子分光法によって有機結合ハロゲン基を決定し、それぞれの数値割合を重量%またはmol%で続けて計算することにより決定される。適切な方法は、当業者に知られている。
ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、好ましくは、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)中のヒドロキシ基と有機結合ハロゲン基との総モル量に基づいて、好ましくは少なくとも50mol%、より好ましくは少なくとも70mol%、特に好ましくは少なくとも90mol%のフェノール性ヒドロキシ基を含む。
フェノール性ヒドロキシ基は、好ましくは、少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の末端基(end groups)である。「末端基(end groups)」という用語は、この場合、線状ポリマーの鎖の末端、すなわち少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の鎖の末端の官能基を意味すると理解される。
ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の数平均分子量(M)は、一般的に3,000〜20,000g/molの範囲、好ましくは5,000〜18,000g/molの範囲、より好ましくは8,000〜15,000g/molの範囲である。重量平均分子量(M)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。
ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の重量平均分子量(M)は、一般的に3,000〜40,000g/molの範囲、好ましくは10,000〜30,000g/molの範囲である。重量平均分子量(M)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。
多分散性(Q)は、重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)との商として定義される。ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)の多分散性(Q)は、好ましくは1.5〜3.0の範囲、より好ましくは1.8〜2.5の範囲、特に好ましくは2.0〜2.3の範囲である。多分散性は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定される。
本発明による方法において使用されるポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、特に好ましくは、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の金属炭酸塩との存在下で成分(C1)と(C2)を変換することにより形成される。成分(C1)は、成分(C2)と重縮合反応で反応させられる。
成分(C1)
本発明の文脈において、「芳香族ジハロゲン化合物」および「成分(C1)」という用語は同義的に使用される。「少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物」という用語は、この場合、正確には1種の芳香族ジハロゲン化合物および2種以上の芳香族ジハロゲン化合物の混合物も意味すると理解される。
成分(C1)は、好ましくは、プレポリマーとしてではなくモノマーとして使用される。
好ましい芳香族ジハロゲン化合物は、4,4’−ジハロジフェニルスルホンである。成分(C1)として4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジブロモジフェニルスルホンが特に好ましい。4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンが特に好ましく、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンが最も好ましい。
好ましくは、成分(C1)は、成分(C1)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含む。
したがって、本発明はまた、成分(C1)が、成分(C1)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含む方法を提供する。
特に好ましい実施形態では、成分(C1)は、成分(C1)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも98重量%の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含む。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(C1)は、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物から本質的になる。
「〜から本質的になる」という用語は、この場合、成分(C1)が、そのつど成分(C1)の総重量に基づいて、99重量%超、好ましくは99.5重量%超、特に好ましくは99.9重量%超の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含むことを意味すると理解される。これらの実施形態では、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンが成分(C1)として特に好ましい。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(C1)は、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンからなる。
成分(C2)
本発明の文脈において、「少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物」および「成分(C2)」という用語は同義的に使用される。「少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物」という用語は、この場合、正確には1種の芳香族ジヒドロキシ化合物および2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物の混合物も意味すると理解される。
使用される芳香族ジヒドロキシ化合物は、典型的には2個のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物である。成分(C1)と(C2)との変換は少なくとも1種の金属炭酸塩の存在下で行われるため、成分(C2)のヒドロキシル基は、重縮合中に脱プロトン化された形で部分的に存在する可能性がある。
成分(C2)は、好ましくは、プレポリマーとしてではなくモノマーとして使用される。
成分(C2)として適切な芳香族ジヒドロキシ化合物は当業者に知られており、任意の芳香族ジヒドロキシ化合物とすることができる。
好ましい芳香族ジヒドロキシ化合物は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが特に好ましく、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが最も好ましい。
好ましくは、成分(C2)は、成分(C2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む。
したがって、本発明はまた、成分(C2)が、成分(C2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む方法を提供する。
特に好ましい実施形態では、成分(C2)は、成分(C2)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは98重量%の4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(C2)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物から本質的になる。
「〜から本質的になる」という用語は、この場合、成分(C2)の総重量に基づいて、99重量%超、好ましくは99.5重量%超、特に好ましくは99.9重量%超の4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含むことを意味すると理解される。これらの実施形態では、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが成分(C2)として特に好ましい。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(C2)は、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからなる。
成分(C1)と(C2)との変換は、モル過剰の成分(C2)を用いて行うことが好ましい。好ましくは、(C2)対(C1)のモル比は、1.005〜1.2の範囲、より好ましくは1.01〜1.15の範囲、最も好ましくは1.02〜1.1の範囲である。
成分(C1)と(C2)との変換はさらに、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の金属炭酸塩との存在下で行われる。
「少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒」という用語は、この場合、正確には1種の非プロトン性極性溶媒および2種以上の非プロトン性極性溶媒の混合物も意味すると理解される。同様に、「少なくとも1種の金属炭酸塩」という用語は、この場合、正確には1種の金属炭酸塩および2種以上の金属炭酸塩の混合物も意味すると理解される。
成分(C1)と(C2)との変換に適した非プロトン性極性溶媒は、当業者に知られている。適切な溶媒は、一般的に、80〜320℃、特に100〜280℃、好ましくは150〜250℃の範囲の沸点を有する。適切な非プロトン性極性溶媒は、たとえば、高沸点のエーテル、エステル、ケトン、非対称ハロゲン化炭化水素、アニソール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびそれらの混合物である。特に好ましい溶媒は、N−メチルピロリドンおよび/またはN,N−ジメチルアセトアミドである。
成分(C1)と(C2)との変換は、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の更なる溶媒とを含む溶媒混合物の存在下で任意に行うことができる。少なくとも1種の更なる溶媒は、好ましくは少なくとも1種の芳香族溶媒である。適切な芳香族溶媒は当業者に知られており、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびそれらの混合物が含まれる。
少なくとも1種の金属炭酸塩は、好ましくは無水である。適切な金属炭酸塩は、特に無水アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムまたはそれらの混合物である。炭酸カリウム、特に、N−メチルピロリドンの懸濁液中で粒径測定器を用いて測定した体積加重平均粒径が100μm未満の炭酸カリウムが好ましい。
少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、成分(C1)と(C2)との変換後に反応混合物から単離し、次いで本発明によるステップai)で使用することができる。
あるいはポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、成分(C1)と(C2)との重縮合後に反応混合物から単離されず、ステップai)が、成分(C1)と(C2)との変換直後に行われ、すなわち、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒ならびに任意に残留量の成分(C1)、(C2)および少なくとも1種の金属炭酸塩を含む反応混合物が、本発明による方法のステップai)で直接使用され、ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコール(成分(A2))の添加後に反応混合物(RM1)を形成する。
好ましくは、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)は、重縮合反応後に反応混合物から単離されず、ステップai)が、成分(C1)と(C2)との変換直後に行われる。
したがって、本発明はまた、ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)が、以下の成分
(C1)少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物と、
(C2)少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物と
を、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の金属炭酸塩との存在下でモル過剰の成分(C2)を用いて変換することにより得られ、ステップai)が、成分(C1)と(C2)との変換直後に行われる方法を提供する。
成分(C1)と(C2)との変換が、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の更なる溶媒とを含む溶媒混合物の存在下で行われる場合、少なくとも1種の更なる溶媒は、好ましくは、ステップai)の前に反応混合物から分離される。少なくとも1種の更なる溶媒を分離するための適切な方法は、当業者に一般的に知られており、たとえば、蒸留が含まれる。
反応混合物(RM1)は、好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、特に好ましくは少なくとも20重量%の少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を含む。
反応混合物(RM1)は、さらに好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下の少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM1)は、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、5〜60重量%、より好ましくは10〜40重量%以下、特に好ましくは20〜30重量%の少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を含む。
成分(A2)
反応混合物(RM1)は、成分(A2)としてハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む。「ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコール」および「成分(A2)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコール」という用語は、この場合、ハロゲン置換基を有する正確には1種の脂肪族アルコールおよびハロゲン置換基を有する2種以上の脂肪族アルコールの混合物も意味すると理解される。
原則として、ハロゲン置換基を有する任意の脂肪族アルコールを、本発明による方法における成分(A2)として使用することができる。ハロゲン置換基を有する適切な脂肪族アルコール」およびそれらの製造方法は、当業者に知られている。
ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールは、1個以上のハロゲン置換基を有することができるが、正確には1個のハロゲン原子を有するアルコールが好ましい。
ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールは、好ましくは、一般式(II)
−CH−R−CH−OH (II)
[式中、
は、化学結合またはC〜C10−アルカンジイルであり、
は、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される]を有する。
したがって、本発明はまた、成分(A2)が、ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールであり、一般式(II)
−CH−R−CH−OH (II)
[式中、
は、化学結合またはC〜C10−アルカンジイルであり、
は、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される]を有する方法を提供する。
が化学結合である場合、これは、Rに隣接する2個のCH基が化学結合によって相互に直接結合していることを意味すると理解される。
「C〜C10−アルカンジイル」という用語は、この場合、1〜10個の炭素原子を有する二価脂肪族炭化水素基を意味すると理解される。C〜C10−アルカンジイル基は、線状または分岐状であってよく、好ましくは線状である。Rの特に好ましいC〜C10−アルカンジイル基には、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレンまたはそれらの分岐類似体が含まれる。
ハロゲン置換基を有する好ましい脂肪族アルコールには、たとえば、2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、3−クロロ−2−メチル−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノール、3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−ブロモ−1−エタノール、3−ブロモ−1−プロパノール、4−ブロモ−1−ブタノール、3−ブロモ−2−メチル−1−ブタノール、5−ブロモ−1−ペンタノール、4−ブロモ−2−メチル−1−ブタノール、3−ブロモ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−ヨード−1−エタノール、3−ヨード−1−プロパノール、4−ヨード−1−ブタノール、3−ヨード−2−メチル−1−ブタノール、5−ヨード−1−ペンタノール、4−ヨード−2−メチル−1−ブタノールおよび3−ヨード−2,2−ジメチル−1−プロパノールが含まれる。
好ましくは、成分(A2)は、成分(A2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む。
したがって、本発明はまた、成分(A2)が、成分(A2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む方法を提供する。
特に好ましい実施形態では、成分(A2)は、反応混合物(RM1)中の成分(A2)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは98重量%の2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む方法を提供する。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(A2)は、2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールから本質的になる。
「〜から本質的になる」という用語は、この場合、成分(A2)が、反応混合物(RM1)中の成分(A2)の総重量に基づいて、99重量%超、好ましくは99.5重量%超、特に好ましくは99.9重量%超の2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含むことを意味すると理解される。これらの実施形態では、2−クロロ−1−エタノールが、成分(A2)として特に好ましい。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(A2)は、2−クロロ−1−エタノールからなる。
反応混合物(RM1)は、好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、少なくとも0.001重量%、より好ましくは少なくとも0.005重量%、特に好ましくは少なくとも0.008重量%のハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む。
反応混合物(RM1)は、さらに好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下のハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM1)は、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、0.001〜0.1重量%、より好ましくは0.005〜0.05重量%、特に好ましくは0.008〜0.01重量%のハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む。
成分(A3)
反応混合物(RM1)の変換は、好ましくは、成分(A3)として少なくとも1種のハロゲン化物塩の存在下で行うことができる。「少なくとも1種のハロゲン化物塩」という用語は、この場合、正確には1種のハロゲン化物塩および2種以上のハロゲン化物塩も意味すると理解される。「少なくとも1種のハロゲン化物塩」および「成分(A3)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。
少なくとも1種のハロゲン化物塩は、当業者に知られている任意のハロゲン化物塩とすることができる。好ましいハロゲン化物塩は、金属ハロゲン化物塩である。少なくとも1種のハロゲン化物塩は、より好ましくは、アルカリ金属ハロゲン化物塩、アルカリ土類金属ハロゲン化物塩またはそれらの混合物である。
より好ましくは、反応混合物(RM1)はさらに、成分(A3)として、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む。
したがって、本発明はまた、反応混合物(RM1)がさらに、成分(A3)として、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む方法を提供する。
特に好ましくは、少なくとも1種のハロゲン化物塩は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウムおよびヨウ化カルシウムからなる群から選択される。最も好ましくは、少なくとも1種のハロゲン化物塩は、ヨウ化カリウムである。
反応混合物(RM1)が少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む場合、反応混合物(RM1)は、好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、少なくとも0.001重量%、より好ましくは少なくとも0.005重量%、特に好ましくは少なくとも0.008重量%の成分(A3)を含む。
反応混合物(RM1)が少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む場合、反応混合物(RM1)は、好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下の成分(A3)を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM1)が少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む場合、反応混合物(RM1)は、好ましくは、反応混合物(RM1)の総重量に基づいて、0.001〜0.1重量%、より好ましくは0.005〜0.05重量%、最も好ましくは0.008〜0.1重量%の成分(A3)を含む。
本発明による方法では、反応混合物(RM1)の個々の成分は、一般的に同時に反応させる。個々の成分は、上流のステップで混合し、続けて反応させてもよい。個々の成分を反応器中に供給して、それらを混合し、次いで反応させてもよい。
反応混合物(RM1)の変換は、一般的に、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒は当業者に知られている。原則として、当業者に知られている非プロトン性極性溶媒を使用することが可能である。適切な非プロトン性極性溶媒は、特に、少なくともポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)を得るための成分(C1)と(C2)との変換に関連して上述したものである。特に好ましい溶媒は、N−メチルピロリドンおよび/またはN,N−ジメチルアセトアミドである。
成分(A1)および(A2)は、好ましくは、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒に少なくとも部分的に溶解される。好ましくは、反応混合物(RM1)中の成分(A1)と(A2)との総重量に基づいて、少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%の成分(A1)および(A2)が少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒に溶解される。特に好ましくは、成分(A1)および(A2)は、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒に完全に溶解される。
「完全に溶解」という用語は、この場合、反応混合物(RM1)中の成分(A1)と(A2)との総重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下の成分(A1)および(A2)が固体粒子として反応混合物(RM1)中に存在することを意味すると理解される。最も好ましくは、反応混合物(RM1)は、成分(A1)および(A2)の固体粒子を含まない。結果として、成分(A1)および(A2)は、好ましくは、濾過によって反応混合物(RM1)から分離することができない。
少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒への成分(A1)および(A2)の溶解は、当業者に知られている任意の方法で行うことができる。好ましくは、成分(A1)および(A2)は、撹拌しながら少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒に溶解される。少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒への成分(A1)および(A2)の溶解は、同時にまたは続けて進行してよい。
少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒への成分(A1)および(A2)の溶解は、好ましくは、温度を上げて、好ましくは20〜160℃の範囲で、特に好ましくは40〜140℃の範囲で行われる。
反応混合物(RM1)の変換は、一般的に、任意の温度で行うことができる。好ましくは、反応混合物(RM1)の変換は、50〜300℃の範囲、好ましくは60〜200℃の範囲、特に好ましくは70〜140℃の範囲の温度で行われる。
ステップa)の継続時間は、広い範囲で異なる可能性がある。ステップa)の継続時間は、好ましくは0.2〜24時間の範囲、より好ましくは0.5〜12時間の範囲、特に1〜6時間の範囲である。
少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む反応混合物(RM1)の変換後に得られる混合物は、反応混合物(RM2)とも呼ばれる。したがって、反応混合物(RM2)に関して与えられるすべての詳細は、ステップai)での反応混合物(RM1)の変換後に存在する混合物に関する。
反応混合物(RM2)は、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒とを含む。
反応混合物(RM2)は、好ましくは、反応混合物(RM2)の総重量に基づいて、5〜60重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%の末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む。
ステップaii)
ステップaii)では、少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)が、反応混合物(RM2)から分離される。
好ましくは、反応混合物(RM2)は、少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマーがステップaii)で分離される前に濾過される。反応混合物(RM2)は、成分(A3)がステップai)の間に反応混合物(RM1)中に存在する場合、ステップaii)の前に特に好ましくは濾過される。
反応混合物(RM2)からの少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)の分離は、反応混合物(RM2)中に存在する少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒から少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を分離するのに適した、当業者に知られている任意の方法で実施することができる。
たとえば、少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)は、適切な沈殿剤の添加により反応混合物(RM2)から沈殿させることができる。
適切な沈殿剤は当業者に知られており、好ましくは、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、エチレングリコールまたはそれらの混合物などのプロトン性極性溶媒が含まれる。
したがって、本発明はまた、官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を製造する方法であって、
ai)以下の成分
(A1)フェノール性ヒドロキシ基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)と、
(A2)ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールと、
(A3)少なくとも1種のハロゲン化物塩と
を含む反応混合物(RM1)を、少なくとも1種の非プロトン極性溶媒の存在下で変換して、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒とを含む反応混合物(RM2)を得るステップと、
aii)少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を反応混合物(RM2)から分離するステップと
を含む方法を提供する。
ステップb)
ステップb)では、成分(B1)としてステップaii)で得られた少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と、成分(B2)として少なくとも1種のジカルボキシ化合物と、成分(B3)として少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物とを含む反応混合物(RM3)が変換されて、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含む反応混合物(RM4)が得られる。成分(B1)、(B2)および(B3)は重縮合反応で変換される。
反応混合物(RM3)は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を製造するための本発明による方法のステップb)で使用される混合物を意味すると理解される。したがって、この場合、反応混合物(RM3)に関して与えられるすべての詳細は、重縮合反応の前に存在する混合物に関する。重縮合反応は、反応混合物(RM3)が成分(B1)、(B2)および(B3)の重縮合反応により反応して、標的生成物であるポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を生ずる、本発明による方法のステップb)の間に行われる。
当業者は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)のポリアリーレンスルホンセグメントが成分(B1)から誘導され、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリエステルセグメントが成分(B2)および(B3)から誘導されることを認識するであろう。
成分(B1)
反応混合物(RM3)は、成分(B1)として本発明による方法のステップaii)で得られた少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む。「少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)」、「末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)」および「成分(B1)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)」という用語は、この場合、正確には1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)および2種以上の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)の混合物も意味すると理解される。
本発明による方法のステップaii)で得られた少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)は、末端ヒドロキシアルキル基を有する。「末端ヒドロキシアルキル基」という用語は、この場合、線状ポリマーの鎖の末端の官能基、すなわち、ヒドロキシ基を有するアルキル部分を含む少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)の鎖の末端の官能基を意味すると理解される。ヒドロキシ基を有するアルキル部分は、ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコール(成分(A2))から誘導される。
反応混合物(RM3)は、好ましくは、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも35重量%、特に好ましくは少なくとも55重量%の少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む。
反応混合物(RM3)は、さらに好ましくは、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、98.9重量%以下、より好ましくは89重量%以下、特に好ましくは80重量%以下の少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM3)は、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、15〜98.9重量%、より好ましくは35〜89重量%、特に好ましくは55〜80重量%の少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を含む。
成分(B2)
反応混合物(RM3)は、成分(B2)として少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。「少なくとも1種のジカルボキシ化合物」および「成分(B2)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「少なくとも1種のジカルボキシ化合物」という用語は、この場合、正確には1種のジカルボキシ化合物および2種以上のジカルボキシ化合物の混合物も意味すると理解される。
原則として、当業者に知られている任意のジカルボキシ化合物を使用することが可能である。
好ましくは、成分(B2)は、一般式(III)
Figure 2020513057
[式中、
は、非置換または少なくとも一置換のC〜C10−アルカンジイル、フェニレン、ナフタリンジイル、ビフェニルジイルおよびフランジイルからなる群から選択され、ここで、置換基はC〜C10−アルキルであり、
、Xは、それぞれ独立して、OR、F、ClおよびBrからなる群から選択され、ここで、Rは、H、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルケニルである]の少なくとも1種のジカルボキシ化合物である。
したがって、本発明はまた、成分(B2)が、一般式(III)
Figure 2020513057
[式中、
は、非置換または少なくとも一置換のC〜C10−アルカンジイル、フェニレン、ナフタリンジイル、ビフェニルジイルおよびフランジイルからなる群から選択され、ここで、置換基はC〜C10−アルキルであり、
、Xは、それぞれ独立して、OR、F、ClおよびBrからなる群から選択され、ここで、Rは、H、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルケニルである]の少なくとも1種のジカルボキシ化合物である方法を提供する。
一般式(III)の少なくとも1種のジカルボキシ化合物は2個の官能基を含み、これらの官能基は、それぞれ独立して、カルボン酸基(−COH)、カルボン酸フッ化物(−COF)、カルボン酸塩化物(−COCl)、カルボン酸臭化物(−COBr)、カルボン酸エステル(−CO;Rは、C〜C10−アルキル)からなる群から選択される。
は、非置換または少なくとも一置換のC〜C10−アルカンジイル、フェニレン、ナフタリンジイル、アントラセンジイル、ビフェニルジイル、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルスルホンジイルおよびフランジイルからなる群から選択される。それぞれのジカルボキシ化合物は、一般的に当業者に知られている。
適切な非置換または少なくとも一置換のC〜C10−アルカンジイル基は、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレンおよびデカメチレン、好ましくはプロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレンからなる群から選択される。C〜C10−アルカンジイル基は、好ましくは非置換である。RとしてC〜C10−アルカンジイル基を有する好ましいジカルボキシ化合物には、たとえば、グルタル酸、フッ化グルタリル、塩化グルタリル、臭化グルタリル、グルタル酸のC〜C10−アルキルエステル、アジピン酸、フッ化アジポイル、塩化アジポイル、臭化アジポイル、アジピン酸のC〜C10−アルキルエステル、ピメリン酸、塩化ピメロイル、臭化ピメロイル、ピメリン酸のC〜C10−アルキルエステル、スベリン酸、フッ化スベロイル、塩化スベロイル、臭化スベロイルおよびスベリン酸のC〜C10−アルキルエステルが含まれる。
適切な非置換または少なくとも一置換のフェニレン基は、1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレンからなる群から選択され、好ましくは1,4−フェニレンである。フェニレン基は、好ましくは非置換である。Rとしてフェニレン基を有する好ましいジカルボキシ化合物には、たとえば、イソフタル酸、フッ化イソフタロイル、塩化イソフタロイル、臭化イソフタロイル、イソフタル酸のC〜C10−アルキルエステル、テレフタル酸、フッ化テレフタロイル、塩化テレフタロイル、臭化テレフタロイルおよびC〜C10−テレフタル酸のアルキルエステルが含まれる。
適切な非置換または少なくとも一置換のナフタリンジイル基は、ナフタリン−1,4−ジイル、ナフタリン−1,5−ジイル、ナフタリン−2,6−ジイルおよびナフタリン−2,7−ジイル、好ましくはナフタリン−2,6−ジイルからなる群から選択される。ナフタリンジイル基は、好ましくは非置換である。Rとしてナフタリンジイル基を有する好ましいジカルボキシ化合物には、たとえば、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸フッ化物、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸塩化物、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸臭化物、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸のC〜C10−アルキルエステル、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸フッ化物、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸塩化物、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸臭化物およびナフタリン−2,6−ジカルボン酸のC〜C10−アルキルエステルが含まれる。
適切な非置換または少なくとも一置換のビフェニルジイル基は、ビフェニル−3,3’−ジイルおよびビフェニル−4,4’−ジイル、好ましくはビフェニル−4,4’−ジイルからなる群から選択される。ビフェニルジイル基は、好ましくは非置換である。Rとしてビフェニルジイル基を有する好ましいジカルボキシ化合物には、たとえば、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸フッ化物、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸塩化物、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸臭化物およびビフェニル−4,4’−ジカルボン酸のC〜C10−アルキルエステルが含まれる。
適切な非置換または少なくとも一置換のフランジイル基は、フラン−2,5−ジイルからなる群から選択される。フランジイル基は、好ましくは非置換である。Rとしてフランジイル基を有する好ましいジカルボキシ化合物には、たとえば、フラン−2,5−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸フッ化物、フラン−2,5−ジカルボン酸塩化物、フラン−2,5−ジカルボン酸臭化物およびフラン−2,5−ジカルボン酸のC〜C10−アルキルエステルが含まれる。
好ましくは、Rは、非置換または少なくとも一置換のプロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタリン−1,4−ジイル、ナフタリン−2,6−ジイル、ビフェニル−4,4’−ジイルおよびフラン−2,5−ジイルからなる群から選択される。これらの基は、好ましくは非置換である。
「非置換」という用語は、この場合、Rが、一般式(III)に示される基−COXおよび−COXならびに水素を除く更なる置換基を含まないことを意味すると理解される。
「少なくとも一置換」という用語は、この場合、Rが、一般式(III)に示される基−COXおよび−COXに加えて正確には1個、2個、または3個以上の置換基を含むことを意味すると理解される。
好ましいC〜C10−アルキル基には、1〜10個の炭素原子の直鎖状および分岐状の飽和アルキル基が含まれる。以下の部分が特に適切である:C〜C−アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−もしくは3−メチルペンチル、または比較的長鎖の部分、たとえばヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリルおよびそれらの分岐類似体。更なる好ましいC〜C10−アルキル基には、C〜C10−シクロアルキル部分、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロペンチルブチル、シクロペンチルペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルジメチルまたはシクロヘキシルトリメチルも含まれる。
好ましいC〜C10−アルケニル基には、1〜10個の炭素原子の直鎖状および分岐状の少なくとも一不飽和アルキル基が含まれる。特に好ましいC〜C10−アルケニル基には、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、クロチル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、または比較的長鎖の部分、たとえばペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプテニル、ヘプタジエニル、ヘプタトリエニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタトリエニル、オクタテトラエニル、ノネニル、ノナジエニル、ノナトリエニル、ノナテトラジエニル、デセニル、デカジエニル、デカトリエニル、デカテトラエニルまたはデカペンタエニルおよびそれらの分岐類似体が含まれる。
好ましくは、成分(B2)は、成分(B2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。
したがって、本発明はまた、成分(B2)が、成分(B2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む方法を提供する。
特に好ましい実施形態では、成分(B2)は、反応混合物(RM3)中の成分(B2)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは90重量%、特に好ましくは少なくとも98重量%のテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(B2)は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物から本質的になる。
「〜から本質的になる」という用語は、この場合、そのつど反応混合物(RM3)中の成分(B2)の総重量に基づいて、99重量%超、好ましくは99.5重量%超、特に好ましくは99.9重量%超のテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含むことを意味すると理解される。これらの実施形態では、ジメチルテレフタレートが成分(B2)として特に好ましい。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(B2)はジメチルテレフタレートからなる。
反応混合物(RM3)は、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、特に好ましくは少なくとも15重量%の少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。
反応混合物(RM3)は、さらに好ましくは、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、45重量%以下、より好ましくは35重量%以下、特に好ましくは25重量%以下の少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM3)は、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、1〜45重量%、より好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは15〜25重量%の少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む。
成分(B3)
反応混合物(RM3)は、成分(B3)として少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む。「少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物」および「成分(B3)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物」という用語は、この場合、正確には1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物および2種以上の脂肪族ジヒドロキシ化合物の混合物を意味すると理解される。少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物は、正確には2個のヒドロキシ基を含む。
原則として、当業者に知られている任意の脂肪族ジヒドロキシ化合物を使用することが可能である。
適切な脂肪族ジヒドロキシ化合物には、1〜10個の炭素原子および2個のヒドロキシ基を有するアルコールが含まれる。特に好ましい脂肪族ジヒドロキシ化合物には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールが含まれる。
好ましくは、成分(B3)は、成分(B3)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む。
したがって、本発明はまた、成分(B3)が、成分(B3)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む方法を提供する。
特に好ましい実施形態では、成分(B3)は、反応混合物(RM3)中の成分(B3)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは98重量%のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種のジヒドロキシ化合物を含む。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(B3)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物から本質的になる。
「〜から本質的になる」という用語は、この場合、成分(B3)が、そのつど反応混合物(RM3)中の成分(B3)の総重量に基づいて、99重量%超、好ましくは99.5重量%超、特に好ましくは99.9重量%超のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含むことを意味すると理解される。これらの実施形態では、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、4−ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールが成分(B3)として特に好ましく、1,4−ブタンジオールが最も好ましい。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(B3)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物からなる。
特に好ましい更なる実施形態では、成分(B3)は1,4−ブタンジオールからなる。
反応混合物(RM3)は、好ましくは、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、特に好ましくは少なくとも5重量%の少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む。
反応混合物(RM3)は、さらに好ましくは、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下の少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM3)は、反応混合物(RM3)の総重量に基づいて、0.1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%の少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む。
反応混合物(RM3)の変換は、好ましくは溶媒の非存在下で行われ、好ましくは溶融縮合重合として行われる。したがって、反応条件は、好ましくは、溶融条件下で成分(B1)、(B2)および(B3)間の重縮合反応をもたらすために選択される。
成分(B1)、(B2)および(B3)の溶融は、好ましくは撹拌下で行われ、同時にまたは連続して行うことができる。
反応混合物(RM3)の変換は、任意の反応容器でバッチ式に、あるいは高粘度材料の混合に適しており、ガス状縮合生成物の除去を可能にし、また成分(B1)、(B2)および(B3)をそれらの融点よりも高く加熱することができる反応器でバッチ式もしくは連続的に行うことができる。好ましい反応器は、押出機または混合ニーダーであり、混合ニーダーが特に好ましい。一軸または二軸ニーダーも好ましく、二軸ニーダーが特に好ましい。
さらに好ましくは、反応容器または反応器には、反応温度で蒸発した可能性のある成分(B2)および/または(B3)を反応容器または反応器中に再循環させるために、還流冷却器が追加で備わっている。
典型的には、反応混合物(RM3)の変換は、成分(B1)、(B2)および(B3)の分解温度よりも低い温度で行われる。好ましくは、縮合反応中の温度は、反応混合物(RM3)中の成分の中で最も分解温度が低い成分の分解温度よりも少なくとも1℃、好ましくは少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも10℃低い。
一般に、反応混合物(RM3)の変換は、160〜400℃の範囲、好ましくは200〜350℃の範囲の温度で行われる。
ステップb)の継続時間は、広い範囲で異なる可能性がある。ステップb)の継続時間は、好ましくは0.5〜8時間の範囲、より好ましくは1〜6時間の範囲、特に2〜5時間の範囲である。
ステップb)での反応混合物(RM3)の変換は、一般的に、任意の圧力で行うことができる。好ましくは、ステップb)での反応混合物(RM3)の変換は、減圧下で、より好ましくは0.01〜0.5mbarの範囲、特に好ましくは0.05〜0.3mbarの範囲、最も好ましくは0.1〜0.2mbarで行われる。
好ましい実施形態では、ステップb)での反応混合物(RM3)の変換は、160〜400℃の範囲の温度および0.01〜0.5mbarの範囲の圧力で、より好ましくは200〜350℃の範囲の温度および0.05〜0.3mbarの範囲の圧力で行われる。
特に好ましい実施形態では、ステップb)での反応混合物(RM3)の変換は、異なる温度および圧力で行われる。その場合、ステップb)での反応混合物(RM3)の変換は、最初に160〜250℃の範囲の温度および0.9〜1.2barの範囲の圧力で行われ、ステップb)の全反応時間の少なくとも1%、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも30%が経過した後に、温度を250〜270℃の範囲に調整し、圧力を0.01〜0.5mbarの範囲に調整する。
本発明による方法のステップb)での反応混合物(RM3)の変換中に、揮発性副生成物が形成することがあり、これは、好ましくはステップb)での変換中に反応混合物(RM3)から分離される。
「揮発性副生成物」という用語は、この場合、180℃未満、好ましくは160℃未満、特に好ましくは140℃未満の沸点を有する反応混合物(RM3)の変換中に形成された成分を意味すると理解される。好ましい揮発性副生成物には、たとえば、水(反応水)、アルコールまたはハロゲン化水素が含まれる。揮発性副生成物の分離は、当業者に知られているすべての方法に従って行うことができる。好ましい実施形態では、揮発性副生成物は、任意に連続窒素流下と任意に減圧下とで、蒸留により、ステップb)の間に反応混合物(RM3)から除去される。
反応混合物(RM3)はさらに、成分(B4)として少なくとも1種のエステル化触媒を含むことができる。「少なくとも1種のエステル化触媒」および「成分(B4)」という用語は、本発明の文脈において同義的に使用される。「少なくとも1種のエステル化触媒」という用語は、この場合、正確には1種のエステル化触媒および2種以上のエステル化触媒の混合物も意味すると理解される。
少なくとも1種のエステル化触媒は、好ましくは、チタン(IV)水酸化物、チタン(IV)カルボキシレート、チタン(IV)アルコキシド、チタン(IV)ヒドロキシアルコキシド、チタン(IV)アミノアルコキシド、チタン(IV)ハロゲン化物、アルミニウム(III)水酸化物、アルミニウム(III)カルボキシレート、アルミニウム(III)アルコキシド、アルミニウム(III)ヒドロキシアルコキシド、アルミニウム(III)アミノアルコキシド、アルミニウム(III)ハロゲン化物、ケイ素(IV)水酸化物、ケイ素(IV)カルボキシレート、ケイ素(IV)アルコキシド、ケイ素(IV)ヒドロキシアルコキシド、ケイ素(IV)アミノアルコキシド、ケイ素(IV)ハロゲン化物、ゲルマニウム(IV)水酸化物、ゲルマニウム(IV)カルボキシレート、ゲルマニウム(IV)アルコキシド、ゲルマニウム(IV)ヒドロキシアルコキシド、ゲルマニウム(IV)アミノアルコキシド、ゲルマニウム(IV)ハロゲン化物、スズ(IV)水酸化物、スズ(IV)カルボキシレート、スズ(IV)アルコキシド、スズ(IV)ヒドロキシアルコキシド、スズ(IV)アミノアルコキシド、スズ(IV)ハロゲン化物、鉛(IV)水酸化物、鉛(IV)カルボキシレート、鉛(IV)アルコキシド、鉛(IV)ヒドロキシアルコキシド、鉛(IV)アミノアルコキシド、鉛(IV)ハロゲン化物、ヒ素(III)水酸化物、ヒ素(III)カルボキシレート、ヒ素(III)アルコキシド、ヒ素(III)ヒドロキシアルコキシド、ヒ素(III)アミノアルコキシド、ヒ素(III)ハロゲン化物、アンチモン(III)水酸化物、アンチモン(III)カルボキシレート、アンチモン(III)アルコキシド、アンチモン(III)ヒドロキシアルコキシド、アンチモン(III)アミノアルコキシド、アンチモン(III)ハロゲン化物、ビスマス(III)水酸化物、ビスマス(III)カルボキシレート、ビスマス(III)アルコキシド、ビスマス(III)ヒドロキシアルコキシド、ビスマス(III)アミノアルコキシドおよびビスマス(III)ハロゲン化物からなる群から選択される。
したがって、本発明はまた、反応混合物がさらに、成分(B4)として、チタン(IV)水酸化物、チタン(IV)カルボキシレート、チタン(IV)アルコキシド、チタン(IV)ヒドロキシアルコキシド、チタン(IV)アミノアルコキシド、チタン(IV)ハロゲン化物、アルミニウム(III)水酸化物、アルミニウム(III)カルボキシレート、アルミニウム(III)アルコキシド、アルミニウム(III)ヒドロキシアルコキシド、アルミニウム(III)アミノアルコキシド、アルミニウム(III)ハロゲン化物、ケイ素(IV)水酸化物、ケイ素(IV)カルボキシレート、ケイ素(IV)アルコキシド、ケイ素(IV)ヒドロキシアルコキシド、ケイ素(IV)アミノアルコキシド、ケイ素(IV)ハロゲン化物、ゲルマニウム(IV)水酸化物、ゲルマニウム(IV)カルボキシレート、ゲルマニウム(IV)アルコキシド、ゲルマニウム(IV)ヒドロキシアルコキシド、ゲルマニウム(IV)アミノアルコキシド、ゲルマニウム(IV)ハロゲン化物、スズ(IV)水酸化物、スズ(IV)カルボキシレート、スズ(IV)アルコキシド、スズ(IV)ヒドロキシアルコキシド、スズ(IV)アミノアルコキシド、スズ(IV)ハロゲン化物、鉛(IV)水酸化物、鉛(IV)カルボキシレート、鉛(IV)アルコキシド、鉛(IV)ヒドロキシアルコキシド、鉛(IV)アミノアルコキシド、鉛(IV)ハロゲン化物、ヒ素(III)水酸化物、ヒ素(III)カルボキシレート、ヒ素(III)アルコキシド、ヒ素(III)ヒドロキシアルコキシド、ヒ素(III)アミノアルコキシド、ヒ素(III)ハロゲン化物、アンチモン(III)水酸化物、アンチモン(III)カルボキシレート、アンチモン(III)アルコキシド、アンチモン(III)ヒドロキシアルコキシド、アンチモン(III)アミノアルコキシド、アンチモン(III)ハロゲン化物、ビスマス(III)水酸化物、ビスマス(III)カルボキシレート、ビスマス(III)アルコキシド、ビスマス(III)ヒドロキシアルコキシド、ビスマス(III)アミノアルコキシドおよびビスマス(III)ハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1種のエステル化触媒を含む方法を提供する。
成分(B4)として特に好ましい化合物は、チタン(IV)水酸化物、チタン(IV)アルコキシド、チタン(IV)ヒドロキシアルコキシド、チタン(IV)アミノアルコキシドおよびチタン(IV)ハロゲン化物からなる群から選択される。
反応混合物(RM3)が成分(B4)として少なくとも1種のエステル化触媒を含む場合、反応混合物(RM3)は、反応混合物(RM3)中の成分(B1)、(B2)および(B3)の総モル量に基づいて、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは10〜500ppm、特に好ましくは50〜100ppmの成分(B4)を含む。
反応混合物(RM4)は、ステップb)で反応混合物(RM3)を変換した後に得られる混合物であり、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含む。したがって、反応混合物(RM4)に関する本明細書のすべての詳細は、重縮合反応後に存在する混合物に関する。
反応混合物(RM4)は、好ましくは、反応混合物(RM4)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に好ましくは少なくとも99重量%のポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含む。
好ましい実施形態では、反応混合物(RM4)は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)から本質的になる。「〜から本質的になる」という用語は、この場合、反応混合物(RM4)が、そのつど反応混合物(RM4)の総重量に基づいて、少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、特に好ましくは少なくとも99.9重量%のポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含むことを意味すると理解される。
所望される場合、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、当業者に知られているすべての方法に従って反応混合物(RM4)から分離することができる。しかしながら、好ましくは、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、反応混合物(RM4)から分離されず、更なる精製を必要としない。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、本発明の方法により得られる。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、好ましくは、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて少なくとも30重量%の一般式(I)
Figure 2020513057
[式中、
t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはC〜C10−アルキル基、C〜C10−アルコキシ基またはC〜C18−アリール基であり、ここで、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含む。
本発明はさらに、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて少なくとも30重量%の一般式(I)
Figure 2020513057
[式中、
t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはC〜C10−アルキル基、C〜C10−アルコキシ基またはC〜C18−アリール基であり、ここで、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含むポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を提供する。
より好ましくは、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の一般式(I)の単位を含む。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて、90重量%以下、より好ましくは80重量%以下の一般式(I)の単位を含む。
同様に、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、好ましくは、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%のポリエステルセグメントを含む。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、好ましくは、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて、70重量%以下、より好ましくは50重量%以下のポリエステルセグメントを含む。
好ましい実施形態では、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、そのつどポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて、30〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%の一般式(I)の単位と、10〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%のポリエステルセグメントとを含む。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中の一般式(I)の単位は、好ましくは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定して、少なくとも3,000g/mol、より好ましくは少なくとも5,000g/mol、特に少なくとも8,000g/mol、最も好ましくは少なくとも10,000g/molの数平均分子量(M)を有する。
したがって、本発明はまた、一般式(I)の単位が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定して、少なくとも8,000g/molの数平均分子量(M)を有するポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を提供する。
好ましい実施形態では、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリアリーレンスルホンセグメントの総重量に基づいて、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも98重量%のポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)のポリアリーレンスルホンセグメントが、式(Ik):
Figure 2020513057
の単位を含む。
好ましい更なる実施形態では、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリアリーレンスルホンセグメントは、式(Ik)の単位から本質的になる。「〜から本質的になる」という用語は、この場合、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリアリーレンスルホンセグメントが、少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、特に好ましくは少なくとも99.9重量%の式(Ik)の単位を含むことを意味すると理解される。
特に好ましい更なる実施形態では、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中のポリアリーレンスルホンセグメントは、式(Ik)の単位からなる。
これらの実施形態では、式(Ik)の単位は、好ましくは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定して、少なくとも3,000g/mol、より好ましくは少なくとも5,000g/mol、特に少なくとも8,000g/mol、最も好ましくは少なくとも10,000g/molの数平均分子量(M)を有する。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)中の式(I)の単位についての前述の選好は、一般的に、式(Ik)の単位にも当てはまる。
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、平均して1〜2個のポリエステルブロックと1個のポリアリーレンスルホンブロックとを含む。ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、好ましくは、平均して2個のポリエステルブロックと1個のポリアリーレンスルホンブロックとを含む。
本発明により得られたポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)は、高いガラス転移温度(T)を有する。ガラス転移温度(T)を測定する方法を以下に説明する。
本発明は、以下の実施例により特に説明されるが、それらに限定されるものではない。
使用される成分:
DCDPS:4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(成分(C1))
DHDPS:4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(成分(C2))
2−クロロエタノール:(成分(A2))
DMT:ジメチルテレフタレート(成分(B2))
1,4−BD:1,4−ブタンジオール(成分(B3))
炭酸カリウム:KCO、無水
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド、無水
ヨウ化カリウム:KI(成分(A3))
チタンテトライソプロポキシド:Ti(OiPr)(成分(B4))
少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)およびポリアリーレンスルホン/ポリエステルコポリマー(P)の特性評価は、H NMR分光法、示差走査熱量測定(DSC)および動的機械分析(DMA)によって行った。
H NMR測定では、重水素化されたCDClまたはCDClとCFCOODの9:1(v:v)混合物中で、400MHzおよび23℃で動作するVarian Unity 400分光計を使用した。化学シフトδはテトラメチルシランに対して参照し、ppm単位で示す。H NMRスペクトルで観測されるシグナルの種類は、一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、四重線(q)、多重線(m)および幅広いシグナルである。
DSCによるガラス転移温度(T)の測定は、DSC Q2000において、それぞれ10℃/分、100℃/分および10℃/分の加熱/冷却/加熱サイクルで窒素雰囲気下に行った。各測定のために、約5mgの物質をアルミニウムるつぼに密封した。1回目の昇温では、サンプルを250℃に加熱し、次いで急速に−100℃に冷却し、次いで2回目の昇温では250℃に加熱した。それぞれのT値は、2回目の昇温から測定する。
動的機械分析(DMA)は、1Hzおよび3℃/分の振動張力モードでDMA Q800を使用して、温度対弾性率の関係を明らかにした。
実施例1
官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2);ヒドロキシエチル末端ポリエーテルスルホンの合成
DCDPS(57.012g、0.198mol)、DHDPS(53.879g、0.2153mol)、炭酸カリウム(89.26g、0.646mol)、トルエン(230mL)および無水DMAc(475mL)を1000mLの三ツ口丸底フラスコに投入する。160℃に加熱する前にNで30分間フラスコをパージすることにより、不活性雰囲気を確保する。トルエン還流下のディーン・スターク・トラップでの水の収集は、重縮合の進行を監視する。水の収集が止まったら、トルエンを除去しながら反応温度をゆっくりと185℃に上げ、これらの条件下で12時間反応が進行する。次いで、得られた緑色の不均一な溶液を130℃に冷却し、2−クロロエタノール(5.032g、0.0625mol)およびヨウ化カリウム(1.04g、0.00625mol)を反応フラスコ内に直接加えて、反応混合物(RM1)を形成する。反応混合物(RM1)を130℃で1時間維持することで、反応混合物(RM2)の淡黄色の溶液が得られる。次いで、反応混合物(RM2)を室温に冷却し、濾過して望ましくない塩を除去する。反応混合物(RM2)を4Lの水/メタノール溶液に滴加すると、官能化されたポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)が固体沈殿物として生じ、これを濾過し、180℃で一晩真空乾燥した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.95および7.24(m,−O−Ar−SO−),4.87(t,−OH),4.02(t,HO−CH−),3.67(q,HO−CH−CH−).
Tg=202℃
実施例2
一連の実験を実施例1に従って行ったが、ただし、様々な反応温度と、ヨウ化カリウム(成分(A3))の添加有りと添加無しで行った。これらの実験の結果を表1に示す。表1の「Y」という用語は、特定の成分が反応混合物(RM1)または反応混合物(RM2)中に存在することを意味すると理解され、「N」という用語は、特定の成分がそれぞれの反応混合物中に存在しないことを示す。
Figure 2020513057
表1の例は、反応温度が低いと変換率が低いことを明確に示している。反応混合物(RM1)にヨウ化カリウムが存在すると、必要な反応時間が大幅に短縮され、副生成物の形成が減少し、99%を上回る非常に高い変換率が得られることになる。
実施例3
ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P);ポリエーテルスルホン−ポリ(ブチレンテレフタレート)ブロックコポリマーの合成
実施例1に従って得られた13.2gの官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)、1,4−ブタンジオール(1.6g、0.018mol)およびジメチルテレフタレート(2.91g、0.015mol)を含む反応混合物(RM3)を、乾燥した100mLの丸底フラスコに投入する。チタンテトライソプロポキシド(100ppm)を加えて縮合反応を促進する。フラスコには、オーバーヘッド撹拌棒、窒素注入口、凝縮器が備わっている。真空下での3サイクルの連続脱気とそれに続く窒素パージにより、重合のための不活性雰囲気を確保する。一定の窒素パージ下で、反応は2.5時間にわたって220〜250℃の連続した温度ステップで進行する。次いで、圧力を下げ(>0.1mmHg)、温度をさらに2時間で270℃に上げる。得られたポリアリーレンスルホン/ポリエステルコポリマー(P)は、さらに精製することなく直接単離し、約80重量%のポリエーテルスルホンセグメントおよび20重量%のポリ(ブチレンテレフタレート)セグメントを含む。
H NMR(400MHz,CDClとCFCOODの9:1(v:v)混合物):
ポリ(ブチレンテレフタレート)セグメント:δ=8.11(s,HC−OC−Ar−CO−CH),4.49(broad,−O−CH−CH−CH−CH−O−),2.02(broad,−O−CH−CH−CH−CH−O−);
ポリエーテルスルホンセグメント:δ=7.95ppmおよび7.15ppm(m,−O−Ar−SO−)
=177℃
実施例4
表4は、実施例3に従って製造された異なるポリアリーレン/ポリエステルブロックコポリマーの熱特性を示しているが、ポリエーテルスルホンセグメント(PESu)対ポリ(ブチレンテレフタレート)セグメント(PBT)の数平均分子量および重量比は異なる。コポリマーの命名は、xPESu−zPBTに従い、ここで、xおよびzは、それぞれポリエーテルスルホンセグメントとポリ(ブチレンテレフタレート)セグメントの重量パーセントを報告し、yは、ポリエーテルスルホンセグメントの数平均分子量(M)をg/mol単位で表す。たとえば、80PESu3,000−20PBTは、3,000g/molの数平均分子量を有する80重量%のポリエーテルスルホンセグメントおよび20重量%のポリ(ブチレンテレフタレート)セグメントを含むポリマーを指す。
Figure 2020513057
DSC:加熱/冷却/加熱、2回目の昇温;N、10℃/分。Tはステップ遷移の変曲点として報告し、Tは吸熱イベントの最大ピークとして報告した。
DMA:張力モード、1Hz、3℃/分。Tはタンデルタ曲線の最大ピークとして報告し、Tは不整合データの直前の温度として報告した。
バルク重合中に観察される溶融不均一性
融解吸熱下の面積から測定し、ΔHf°=142J/gを使用
表2に示すデータから、ポリエーテルスルホン/ポリ(ブチレンテレフタレート)ブロックコポリマー(P)は、ブロックコポリマー中の一般的に多量のポリ(ブチレンテレフタレート)セグメントで高い結晶化度を示すが、得られるガラス転移温度(T)は比較的低いことが明らかである。一方、ブロックコポリマー中のポリエーテルスルホンセグメントの負荷量が高いと、ガラス転移温度(T)は高くなるが、結晶化度はほとんどなくなる。
ポリエーテルスルホンセグメントの数平均分子量が8,000g/mol以上であるポリエーテルスルホン/ポリ(ブチレンテレフタレート)ブロックコポリマー(P)は、ポリエーテルスルホンセグメントが高負荷であっても高いガラス転移温度と改善された結晶化度を示す。

Claims (15)

  1. ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を製造する方法であって、
    ai)以下の成分
    (A1)フェノール性ヒドロキシ基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)と、
    (A2)ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールと
    を含む反応混合物(RM1)を、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒の存在下で変換して、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と前記少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒とを含む反応混合物(RM2)を得るステップと、
    aii)前記少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を前記反応混合物(RM2)から分離するステップと、
    b)以下
    (B1)ステップaii)で得られた前記少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と、
    (B2)少なくとも1種の芳香族ジカルボキシ化合物と、
    (B3)少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物と
    を含む反応混合物(RM3)を変換して、ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)を含む反応混合物(RM4)を得るステップと
    を含む方法。
  2. 前記ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)が、一般式(I)
    Figure 2020513057
    [式中、
    t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
    Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルコキシまたはC〜C18−アリールであり、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
    Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含む、請求項1記載の方法。
  3. 成分(A2)が、ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールであり、一般式(II)
    −CH−R−CH−OH (II)
    [式中、
    は、化学結合またはC〜C10−アルカンジイルであり、
    は、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される]を有する、請求項1または2記載の方法。
  4. 成分(A2)は、前記成分(A2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の2−クロロ−1−エタノール、3−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペンタノール、4−クロロ−2−メチル−1−ブタノールおよび3−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノールからなる群から選択されるハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールを含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 成分(B2)は、一般式(III)
    Figure 2020513057
    [式中、
    は、非置換または少なくとも一置換のC〜C10−アルカンジイル、フェニレン、ナフタリンジイル、ビフェニルジイルおよびフランジイルからなる群から選択され、置換基はC〜C10−アルキルであり、
    、Xは、それぞれ独立して、OR、F、ClおよびBrからなる群から選択され、Rは、H、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルケニルである]の少なくとも1種のジカルボキシ化合物である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 成分(B2)が、前記成分(B2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のテレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、二塩化テレフタロイルおよび二臭化テレフタロイルからなる群から選択される少なくとも1種のジカルボキシ化合物を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 成分(B3)は、前記成分(B3)の総重量に基づいて少なくとも50重量%のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種の脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)が、以下の成分
    (C1)少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物と、
    (C2)少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物と
    を、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒と少なくとも1種の金属炭酸塩との存在下でモル過剰の成分(C2)を用いて変換することにより得られ、ステップai)が、成分(C1)と(C2)との変換直後に行われる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 成分(C1)が、成分(C1)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジクロロジフェニルスルホンおよび4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジハロゲン化合物を含む、請求項8記載の方法。
  10. 成分(C2)が、成分(C2)の総重量に基づいて少なくとも50重量%の4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキノンからなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物を含む、請求項8または9記載の方法。
  11. 前記反応混合物(RM1)がさらに、成分(A3)として、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウムおよびヨウ化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン化物塩を含む、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記反応混合物(RM3)がさらに、成分(B4)として、チタン(IV)水酸化物、チタン(IV)カルボキシレート、チタン(IV)アルコキシド、チタン(IV)ヒドロキシアルコキシド、チタン(IV)アミノアルコキシド、チタン(IV)ハロゲン化物、アルミニウム(III)水酸化物、アルミニウム(III)カルボキシレート、アルミニウム(III)アルコキシド、アルミニウム(III)ヒドロキシアルコキシド、アルミニウム(III)アミノアルコキシド、アルミニウム(III)ハロゲン化物、ケイ素(IV)水酸化物、ケイ素(IV)カルボキシレート、ケイ素(IV)アルコキシド、ケイ素(IV)ヒドロキシアルコキシド、ケイ素(IV)アミノアルコキシド、ケイ素(IV)ハロゲン化物、ゲルマニウム(IV)水酸化物、ゲルマニウム(IV)カルボキシレート、ゲルマニウム(IV)アルコキシド、ゲルマニウム(IV)ヒドロキシアルコキシド、ゲルマニウム(IV)アミノアルコキシド、ゲルマニウム(IV)ハロゲン化物、スズ(IV)水酸化物、スズ(IV)カルボキシレート、スズ(IV)アルコキシド、スズ(IV)ヒドロキシアルコキシド、スズ(IV)アミノアルコキシド、スズ(IV)ハロゲン化物、鉛(IV)水酸化物、鉛(IV)カルボキシレート、鉛(IV)アルコキシド、鉛(IV)ヒドロキシアルコキシド、鉛(IV)アミノアルコキシド、鉛(IV)ハロゲン化物、ヒ素(III)水酸化物、ヒ素(III)カルボキシレート、ヒ素(III)アルコキシド、ヒ素(III)ヒドロキシアルコキシド、ヒ素(III)アミノアルコキシド、ヒ素(III)ハロゲン化物、アンチモン(III)水酸化物、アンチモン(III)カルボキシレート、アンチモン(III)アルコキシド、アンチモン(III)ヒドロキシアルコキシド、アンチモン(III)アミノアルコキシド、アンチモン(III)ハロゲン化物、ビスマス(III)水酸化物、ビスマス(III)カルボキシレート、ビスマス(III)アルコキシド、ビスマス(III)ヒドロキシアルコキシド、ビスマス(III)アミノアルコキシドおよびビスマス(III)ハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1種のエステル化触媒を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を製造する方法であって、
    ai)以下の成分
    (A1)フェノール性ヒドロキシ基を含む少なくとも1種のポリアリーレンスルホンポリマー(PS1)と、
    (A2)ハロゲン置換基を有する少なくとも1種の脂肪族アルコールと、
    (A3)少なくとも1種のハロゲン化物塩と
    を含む反応混合物(RM1)を、少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒の存在下で変換して、末端ヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)と少なくとも1種の非プロトン性極性溶媒とを含む反応混合物(RM2)を得るステップと、
    aii)少なくとも1種の官能化ポリアリーレンスルホンポリマー(PS2)を反応混合物(RM2)から分離するステップと
    を含む、方法。
  14. 前記ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)が、前記ポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)の総重量に基づいて少なくとも30重量%の一般式(I)
    Figure 2020513057
    [式中、
    t、qは、それぞれ独立して、0、1、2または3であり、
    Q、T、Yは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−SO−、S=O、C=O、−N=N−、−CR−から選択される化学結合または基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子もしくはC〜C10−アルキル基、C〜C10−アルコキシ基またはC〜C18−アリール基であり、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−O−ではなく、Q、TおよびYのうちの少なくとも1つは−SO−であり、
    Ar、Arは、それぞれ独立して、6〜18個の炭素原子を有するアリーレン基である]の単位を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法により得られたポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)。
  15. 前記一般式(I)の単位が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定して、少なくとも8,000g/molの数平均分子量(M)を有する、請求項14記載のポリアリーレンスルホン/ポリエステルブロックコポリマー(P)。
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