JP2020511674A - 細胞老化バイオマーカー - Google Patents

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Abstract

本発明は、バイオマーカー及びその使用、特に、細胞が老化しているか否かについての有意な指標を提供するタンパク質又はmRNAのセットに関する。6以上のポリペプチド、又はそれらをコードするmRNAを含むバイオマーカーパネルの使用を提供し、ここで該パネルは、少なくともバイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、又はそれらの変異体若しくは断片を細胞老化のためのバイオマーカーセットとして含む。また、老化細胞を検出するための老化細胞検出キット、及び老化細胞を殺傷するための薬物複合体も提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、バイオマーカー及びその使用に関する。特に、本発明は、細胞が老化しているか否かについて有意な指標を提供するタンパク質又はmRNA(バイオマーカーアレイ)のセットに関する。また、老化細胞を殺傷するための薬物複合体、及び同薬物複合体を含む医薬組成物に関する。
細胞老化は、細胞状態における変化であり、それにより細胞は、それ以上複製できない。細胞老化は加齢 (ageing)に関連するが、より多くの細胞がテロメアの短縮により複製できないため、それのみにより調節されるわけではない。よって、加齢と混同すべきではない。細胞は、DNA損傷による癌遺伝子の活性化、細胞間融合を介して、及び/又は上昇した活性酸素種 (ROS)に応答して、加齢とは無関係にも、老化状態に誘発され得る。
老化細胞は、複製できないが、なお代謝的に活性があり、2型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症を含む多くの加齢性疾患に寄与する免疫原性形質を一般に採用する。これらの細胞老化関連分泌形質 (SASP)の有害な影響は、老化細胞を除去し、高齢者の健康を改善するための新規化合物の同定及び細胞老化を同定するための新規バイオマーカーの発見を含む細胞老化を取り巻く多くの活動を次々に活気づけてきた。
細胞が老化状態に入る際に、形態の変化、酵素の活性化、クロマチン再構成及び転写の変化を含む、多くの固有ではない特徴により特徴付けられる。老化細胞は、胚形成、腫瘍抑制、創傷治癒に影響を及ぼし、加齢性疾患に対して病理学的制御を有する。細胞老化の普遍的バイオマーカーは、多くの加齢性疾患の発症の可能性を同定するためのロバストなツールを提供し、その発症を予防するための早期介入戦略のための道筋を提供することができるであろう。現在の研究では、老化マウス中の老化細胞を薬理学的に除去すると、健康寿命及び寿命(health- and life-span)が有意に延長することが示されている。多くの最近設立された会社が、ヒトの治療に使用できる薬を現在開発している。ロバストなバイオマーカーは、患者が細胞老化の増加に関連する多くの加齢性疾患を発症するリスクがあるかどうかを医師が判断するのに役立つであろう。さらに、老化 (ageing)及び加齢性疾患を延期する等、薬理学的介入の基礎となる新たな標的を同定することが望まれるであろう。
しかしながら、このようなバイオマーカーを測定するための現在利用可能な方法/アッセイはいずれも、例えば、非特異的であり、他の多くの細胞摂動を同定することができ、及び/又は強い細胞型及びストレス依存性であるなど、重大な欠点を有する。
したがって、本発明者らは、さらなる特性決定及び検証を必要とすることなく、あらゆるタイプの老化細胞を同定することができる新規なバイオマーカーパネルの提供に着手した。
驚くべきことに、多くの異なるトランスクリプトーム全体のデータセットの広範な比較を通じて、老化細胞状態に対して高度に特異的な普遍的アレイを提供する37のトランスクリプトームマーカーのリストを同定した(表1参照)。
一態様において、本発明は、細胞老化バイオマーカーパネル(本明細書において、「コアシグネチャ」と称する場合がある)としてTSPAN13、GDNF、C2CD5、CNTLN、FAM214B、PATZ1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1、ZBTB7A、ARID2、B4GALT7、BCL2L2、CHMP5、CREBBP、DDA1、DYNLT3、EFNB3、ICE1、MEIS1、NOL3、PCIF1、PDLIM4、PDS5B、PLK3、RAI14、RHNO1、SCOC、SLC16A3、SMO、SPIN4、TAF13、TMEM87B、MTCYB、UFM1及びZNHIT1、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される、少なくとも5つのポリペプチド、又はそれらをコードするmRNAのセットの使用を提供する。
Figure 2020511674
Figure 2020511674
Figure 2020511674
老化細胞状態に高度に特異的なトランスクリプトームマーカー
より具体的には、本発明は、6つのポリペプチド、又はそれらをコードするmRNAを含むパネルの使用を提供するものであり、ここで該パネルは、細胞老化バイオマーカーセット(本明細書において「最小コアシグネチャ」と称する場合がある)として、バイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、又はそれらの変異体若しくは断片を含む。
必要に応じて、本明細書中で提供されるこの最小コアシグネチャは、1以上のさらなる細胞老化マーカーを補足されてもよい。例えば、バイオマーカーセットは、最小コアシグネチャの6のバイオマーカー、及びCTLN、FAM214B、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、TOLLIP、TRDMT1、ZBTB7A、ARID2、B4GALT7、CHMP5、CREBBP、DDA1、DYNLT3、EFNB3、ICE1、MEIS1、NOL3、PCIF1、PDLIM4、PDS5B、RAI14、RHNO1、SCOC、SLC16A3、SMO、SPIN4、TAF13、TMEM87B、UFM1及びZNHIT1からなる群から選択される1以上を含む、少なくとも7、より好ましくは少なくとも8又はそれ以上のポリペプチド又はmRNAを含む。
一実施形態において、該セットは、バイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、並びにDYNLT3及びPLXNA3の1つ又は両方を含む。
細胞老化バイオマーカーパネルとして、GDNF、C2CD5、CNTLN、FAM214B、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1及びZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される、少なくとも5つのポリペプチド、又はそれらをコードするmRNAを含むセットの使用が特に好ましい。好ましくは、少なくともマーカーGDNFが含まれる。より好ましくは、少なくともマーカーTSPAN13が含まれる。例えば、該セットは、TSPAN13、GDNF、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、及びSUSD6、又はTOLLIP、TRDMT1、ZBTB7A、C2CD5及びCNTLN、又はFAM214B、GDNF、PATZ 1、PLXNA3及びSTAG1を含む又はからなる。
一実施形態において、該セットは、老化細胞において上方調節される少なくとも1以上のバイオマーカーを含む。これらは、GDNF、FAM214B、PLXNA3、SUSD6、TOLLIP、ZBTB7A、B4GALT7、BCL2L2、CHMP5、DDA1、DYNLT3、NOL3、PDLIM4、PLK3、RAI14、SCOC、SLC16A3、TAF13、TMEM87B、TSPAN13、UFM1及びZNHIT1を含む。TSPAN13、GDNF、FAM214B、PLXNA3、SUSD6、TOLLIP及び/又はZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片が好ましい。TSPAN13、GDNF、BCL2L2、PLXNA3、SUSD6及びDYNLT3がより好ましい。
別の実施形態において、本発明は、単一バイオマーカーとして、又はマルチバイオマーカーパネルの一部としてのいずれかの、細胞老化バイオマーカーパネルとしてのTSPAN13ポリペプチド又はそれをコードするmRNA、又はそれらの変異体若しくは断片の使用を提供する。
本発明によれば、老化細胞状態に対して高度に特異的な分子バイオマーカーのセットは、例えば、発現されたmRNA又はタンパク質、スプライスバリアント、同時翻訳で修飾されたタンパク質及び翻訳後修飾タンパク質、多型変異体等、その変異体を含むこれらの遺伝子により発現される任意の産物を含むことができる。
一実施形態において、バイオマーカーパネルは、ポリペプチド、ポリペプチド変異体又はポリペプチド断片のセットを含む。
「ポリペプチド断片」又は「断片」という用語は、ポリペプチドを参照する際に使用される場合、その完全長ポリペプチドと比較してアミノ酸残基を欠くポリペプチドを指すが、残りのアミノ酸配列は、通常、参照ポリペプチドの対応する位置と同一である。このような欠失は、参照ポリペプチドのアミノ末端若しくはカルボキシ末端で、又はその両方で起こりうる。断片は、典型的には、少なくとも5個、6個、 8個若しくは10個のアミノ酸長、少なくとも14個のアミノ酸長、少なくとも20個、30個、40個若しくは50個のアミノ酸長、少なくとも75個のアミノ酸長、又は少なくとも100個、150個、200個、300個、500個若しくはそれ以上のアミノ酸長を有する。
断片は、参照ポリペプチドの1以上の生物学的活性を保持することができる。いくつかの実施形態において、断片は、ドメイン又は特徴、及び任意に該ドメイン又は特徴の片側または両側に追加のアミノ酸を含むことができ、追加のアミノ酸は、5個、10個、15個、20個、30個、40個、50個、又は最大100個又はそれ以上の残基から番号を付与することができる(選択することができる)。さらに、断片は、特定の領域のサブフラグメントを含むことができ、サブフラグメントは、そのサブフラグメントが由来する領域の機能を保持する。
別の実施形態において、バイオマーカーパネルは、mRNAのセットを含む。
本発明は、試験試料中の老化細胞を検出する方法も提供し、該方法は、少なくとも本発明による老化細胞バイオマーカーのセットの、該試料中の発現の(in vitro)検出を含み、ここで、参照試料中で検出された発現のレベルと比較したTSPAN13、C2CD5、GDNF、PLXNA3、SUSD6、BCL2L2、又はそれらの変異体若しくは断片の発現の増加レベルは、該試料中の老化細胞の存在の指標である。
特定の実施形態において、該方法は、少なくともTSPAN13の試料中の発現の(in vitro)検出を含み、ここで参照試料中で検出された発現のレベルと比較したTSPAN13の発現、又はそれらの変異体若しくは断片の増加レベルは、該試料中の老化細胞の存在の指標である。
好ましくは、1以上の老化バイオマーカー(ポリペプチド又はmRNA)の発現レベルは、チューブリン又はアクチン等の当技術分野で公知の、リファレンス遺伝子又は「ハウスキーピング」遺伝子(産物)に対して正規化される。
本明細書において使用される場合、「老化細胞」という用語は、少なくとも2倍増加したβガラクトシダーゼ活性を示し、例えば5-エチニル-2'-デオキシウリジン(EdU)のデノボDNAへの組み込みにより証明されるように、増殖が減少した細胞を指す。
被験体は、実験動物又はヒトであり得る。試験試料は、例えば被験体から採取された体試料である。好ましくは、試料は、血液、血漿、血清、髄液、尿、汗、唾液、涙、乳房吸引液、前立腺液、精液、膣液、糞便、子宮頸管掻爬、細胞、羊水、眼内液、粘液、息の水分、動物組織、細胞溶解物、腫瘍組織、髪、皮膚、口腔内粘膜(buccal scrapings)、爪、骨髄、軟骨、プリオン、骨粉末、耳垢、又はそれらの組み合わせを含む。試験試料は、ex vivo試料またはin vitro試料であり得る。
本発明において説明されるバイオマーカーの発現は、転写された核酸又はタンパク質の発現を検出するための任意の多様な公知の方法により評価されてもよい。このような方法の非限定的な例には、分泌タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞質タンパク質、又は核タンパク質の検出のための免疫学的方法、タンパク質精製法、タンパク質機能又は活性アッセイ、核酸ハイブリダイゼーション法、核酸逆転写法、及び核酸増幅法が含まれる。
一実施形態において、バイオマーカーセットの発現は、抗体(例えば、放射標識抗体、発色団標識(chromophore-labeled)抗体、蛍光体標識(fluorophore-labeled)抗体、又は酵素標識抗体)、抗体誘導体(例えば、基質若しくはタンパク質とコンジュゲートされた抗体又はタンパク質-リガンドペアのリガンド{例えば、ビオチン-ストレプトアビジン})、又は腫瘍細胞において通常受けている翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、メチル化等)の全部又は一部を受けたバイオマーカータンパク質を含む、バイオマーカータンパク質又はその断片と特異的に結合する抗体断片(例えば、単鎖抗体、単離抗体超可変ドメイン(hypervariable domain)等)を用いて評価される。
このように、多くの方法及び装置が、現在開示されている主題のバイオマーカーポリペプチドの検出及び分析のために当業者に周知である。被験体試験試料中のポリペプチド又はタンパク質に関して、質量分析及び/又は免疫測定の装置及び方法が使用され得るが、他の方法は当業者に周知である(例えば、マーカーRNAレベルの測定)。例えば、米国特許番号第 6,143,576号;第6,113,855号;第6,019,944号;第5,985,579号;第5,947,124号;第5,939,272号;第5,922,615号;第5,885,527号;第5,851,776号;第5,824,799号;第5,679,526号;第5,525,524号;及び第5,480,792号を参照されたい。これらの装置及び方法は、種々のサンドイッチ、競合又は非競合アッセイフォーマットにおいて標識された分子を利用して、対象となる分析物の存在又は量に関連するシグナルを生成することができる。さらに、バイオセンサー及び光学免疫測定(optical immunoassays)のようないくつかの方法及び装置を用いて、標識された分子を必要とすることなく、分析物の存在又は量を決定することができる。例えば、米国特許番号第5,631,171号; 及び第5,955,377号を参照されたい。
現在開示されている主題の特定の好ましい実施形態において、バイオマーカーペプチドは、免疫測定法を用いて分析される。ペプチドマーカーの存在又は量は、老化バイオマーカーパネルの各ポリペプチドに特異的な抗体又はそれらの断片を使用し、特異的結合を検出して決定することができる。例えば、いくつかの実施形態において、抗体は、完全長ペプチドにも結合する抗体を含む、表1のペプチドに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、抗体はモノクローナル抗体である。
例えば、酵素結合免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIAs)、競合結合実験等による任意の適切な免疫測定法を利用することができる。抗体のマーカーへの特異的な免疫学的結合は、直接又は間接的に検出することができる。直接標識には、抗体に結合した蛍光若しくは発光タグ、金属、染料、放射性核種等が含まれる。間接標識には、アルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等のような当技術分野において周知の種々の酵素が含まれる。
マーカーに特異的な固定化抗体又はそれらの断片の使用もまた、本主題により考慮される。抗体は、磁気又はクロマトグラフィーマトリックス粒子、アッセイプレートの表面(マイクロタイターウェル等)、固体基板物質の断片(プラスチック、ナイロン、紙等)等のような、様々な固体基質上に固定化することができる。アッセイストリップは、抗体又は複数の抗体を固体支持体上のアレイにコーティングすることによって作製することができる。その後、このストリップを試験生物学試料に浸漬した後、洗浄及び検出工程を通して迅速に処理して、例えば着色スポット等の測定可能なシグナルを生成することができる。
いくつかの実施形態において、質量分析(mass spectrometry (MS) analysis)は、単独で又は他の方法(例えば、免疫測定法)と組み合わせて使用して、生物学的試料中の対象となる1以上のポリペプチドバイオマーカーの存在及び/又は量を決定することができる。いくつかの実施形態において、MS分析は、例えば直接スポットMALDI-TOF又は液体クロマトグラフィーMALDI-TOF質量分析等の、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間型(TOF)MS分析を含む。いくつかの実施形態において、MS分析は、例えば液体クロマトグラフィー(LC)ESI-MSのようなエレクトロスプレーイオン化(ESI)MSを含む。質量分析は、例え三連四重極型質量分析計等の市販の分光器を使用して達成することができる。生物学的試料中のバイオマーカーペプチドの存在及び量を検出するためのMALDI-TOF MS及びESI-MSを含むMS分析を利用する方法は、当技術分野において公知である。さらなるガイダンスについては、例えば、米国特許第6,925,389号;第6,989,100号;及び第6,890,763号を参照されたい。 いくつかの実施形態において、MS分析は、特異的ポリペプチド配列及び対応するタンパク質及び対照と比較した量を同定するために利用することができる。しかしながら、MS分析はまた、ペプチドバイオマーカーの測定可能な特性、及び特にMS観測質量を決定するために、現在開示されている主題の方法と共に利用することができる。したがって、MS分析による表1の1以上のペプチドの「量の決定」は、MSによるペプチド断片分析から推測される完全長ポリペプチドの量、特異的に同定されたペプチド断片量、並びにMS観測質量ピーク分析を含む。
別の実施形態において、バイオマーカーパネルは、mRNAのセットを含み、バイオマーカーの発現は、患者試料中の細胞からmRNA/cDNA(すなわち、転写されたポリヌクレオチド)を調製することにより、及びmRNA/cDNAをバイオマーカー核酸の補体である参照ポリヌクレオチド、又はその断片とハイブリダイズさせることにより評価される。任意に、参照ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの前に、任意の種々のポリメラーゼ連鎖反応法を用いてcDNAを増幅することができる。1以上のバイオマーカーの発現は、同様に、定量PCR(qPCR)を用いて検出して、バイオマーカーの発現レベルを評価することができる。代替的に、本発明のバイオマーカーの突然変異又は変異体(例えば、一塩基多型、欠失等)を検出する任意の多くの公知の方法は、患者におけるバイオマーカーの出現を検出するために使用することができる。好ましくは、1以上の老化バイオマーカーの発現レベルは、チューブリン又はアクチン等の当技術分野で公知のリファレンス遺伝子又は「ハウスキーピング」遺伝子に対して正規化される。
関連する実施形態において、試料から得られた転写されたポリヌクレオチドの混合物を、細胞老化バイオマーカー核酸の少なくとも一部(例えば、少なくとも7個、10個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、100個、500個、又はそれ以上のヌクレオチド残基)と相補的又は相同なポリヌクレオチドに固定された基質と接触させる。相補的又は相同なポリヌクレオチドが基質上で示差的に検出可能である場合(例えば、異なる発色団又は蛍光体を用いて検出可能である場合、又は異なる選択された位置に固定された場合)、複数のバイオマーカーの発現レベルは、単一の基質を用いて同時に評価することができる(例えば、選択された位置に固定されたポリヌクレオチドの「遺伝子チップ」マイクロアレイ)。1つの核酸の別の核酸とのハイブリダイゼーションを含むバイオマーカー発現を評価する方法が用いられる場合、ハイブリダイゼーションはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で行われることが好ましい。
特定の実施形態において、バイオマーカーmRNAのレベルは、当技術分野において公知の方法を使用して、生物学的試料においてin situ及びin vitro形式の両方で決定することができる。「生物学的試料」という用語は、被験体から単離された組織、細胞、生物学的流体及びそれらの単離物、並びに被験体内に存在する組織、細胞及び体液を含むことを意図する。多くの発現検出法は、単離RNAを使用する。in vitro法については、mRNAの単離に対して選択しない任意のRNA単離技術を腫瘍細胞からのRNAの精製に利用することができる(例えば、 Ausubel et al., ed., Current Protocols in Molecular Biology, JohnWiley & Sons, New York 1987-1999を参照されたい)。さらに、多数の組織試料を、例えばChomczynski(1989年、米国特許第4,843,155号)の1段階RNA単離プロセスのような当業者に周知の技術を使用して容易に処理することができる。
単離mRNAは、サザン分析又はノーザン分析、ポリメラーゼ連鎖反応分析及びプローブアレイを含むハイブリダイゼーション又は増幅アッセイにおいて用いることができる。mRNAレベルの検出のための好ましい診断方法の1つは、単離mRNAを、検出された遺伝子によりコードされたmRNAとハイブリダイズすることができる核酸分子(プローブ)と接触させることを含む。核酸プローブは、例えば、完全長cDNA、又は少なくとも7個、15個、30個、50個、100個、250個又は500個のヌクレオチド長のオリゴヌクレオチド等のストリンジェント条件下で本発明のバイオマーカーをコードするmRNA若しくはゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするのに十分なその一部などであり得る。本発明の診断アッセイにおいて使用するための他の適当なプローブは、本明細書に記載される。mRNAのプローブとのハイブリダイゼーションは、当該バイオマーカーが発現されていることを示す。
1つの形式において、mRNAを固体表面上に固定化し、例えばアガロースゲル上で単離mRNAを泳動し、mRNAを該ゲルからニトロセルロース等の膜に転写することによりプローブと接触させる。代替的な形式において、プローブを固体表面上に固定化し、mRNAを例えばAffymetrix遺伝子チップアレイにおいてプローブと接触させる。当業者は、本発明のバイオマーカーによりコードされるmRNAのレベルの検出における使用のために、公知のmRNA検出方法を容易に適合させることができる。
試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する代替的な方法は、例えばRT-PCR、リガーゼ連鎖反応、自己持続配列複製、転写増幅システム、Q-Betaレプリカーゼ、ローリングサークル複製法(米国特許第5,854,033号) 又は任意の他の核酸増幅法による核酸増幅のプロセス、それに続く当業者に周知の技術を使用した増幅分子の検出を含む。これらの検出スキームは、そのような分子が非常に少ない数で存在する場合、核酸分子の検出に特に有用である。本明細書において使用される場合、増幅プライマーは、遺伝子の5'又は3'領域(それぞれ、プラス鎖及びマイナス鎖、又はその逆)にアニーリングし、その間に短い領域を含有する核酸分子の対であると定義される。一般に、増幅プライマーは約10〜30ヌクレオチド長であり、約50〜200ヌクレオチド長の範囲の領域を挟む(flank)。適当な条件下で及び適当な試薬を用いて、そのようなプライマーは、該プライマーにより挟まれるヌクレオチド配列を含む核酸分子の増幅を可能にする。
表1から選択される複数のマーカーの分析(ポリペプチド又はmRNAレベルでされる)は、1の試験試料と別々に又は同時に実行することができる。複数の試料を効率的に処理するために、いくつかのマーカーを1の試験に組み合わせることができる。さらに、当業者は、同一被験体由来の(例えば、連続した時点で)複数の試料を試験する値を認識するであろう。このような連続試料の試験により、経時的にバイオマーカーレベルの変化を同定することが可能になるであろう。マーカーレベルの増加又は減少、並びにマーカーレベルの変化の欠如は、疾患の発症からのおおよその時間を同定すること、機能している組織の存在及び量、薬剤療法の妥当性、様々な治療法の有効性、加齢性疾患の様々な型及び段階の識別、該疾患の重篤度の同定、並びに将来の発症(future events)のリスクを含む被験体の転帰(予後)の同定を含む、疾患の状態に関する有用な情報を提供することができる。
本発明のさらなる態様は、試料中の老化細胞を検出するための老化細胞検出キットに関するものであり、該キットは、試験被験体由来の試料中の、少なくとも本発明によるバイオマーカーのセットの存在を検出するための手段を含む。
例えば、該キットは、各々が生物学的試料中のバイオマーカータンパク質又は核酸を検出することができる標識された化合物又は試薬、及び該試料中の該タンパク質又はmRNAの量を決定する手段(例えば、該タンパク質又はその断片と結合する抗体、又は該タンパク質をコードするDNA若しくはmRNAと結合するオリゴヌクレオチドプローブ)を含むことができる。キットは、該キットを使用して得られた結果を解釈するための説明書も含むことができる。
TSPAN13、GDNF、C2CD5、CNTLN、FAM214B、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1、ZBTB7A、ARID2、B4GALT7、BCL2L2、CHMP5、CREBBP、DDA1、DYNLT3、EFNB3、 ICE1、MEIS1、NOL3、PCIF1、PDLIM4、PDS5B、PLK3、RAI14、RHNO1、SCOC、SLC16A3、SMO、SPIN4、TAF13、TMEM87B 、UFM及びZNHIT1、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される、少なくとも5個、好ましくは少なくとも6個、より好ましくは少なくとも7個の、ポリペプチド又はmRNAの存在を検出するための手段を含むキットを提供する。
特定の態様において、キットは、C2CD5、CNTLN、FAM214B、GDNF、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1及びZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される、少なくとも5個のポリペプチド又はmRNAの存在を検出する手段を含む。例えば、該キットは、C2CD5、CNTLN、FAM214B、GDNF、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1及びZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される少なくとも6個、好ましくは少なくとも7個、より好ましくは少なくとも8個のポリペプチドを含む、各抗体が該セットのポリペプチドと特異的に反応する(モノクローナル)抗体のセットを含む。
該キットは、ポリペプチドC2CD5、CNTLN、FAM214B、GDNF、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1及びZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片と反応する抗体を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるように、細胞老化に関連する1以上のポリペプチドバイオマーカーに対する特異性を有する抗体を含む、バイオマーカーパネルの分析のためのキットを提供する。本明細書に開示されるように、抗体は基質に結合することができる。このようなキットは、少なくとも1の試験試料を分析するための装置及び試薬を含むことができる。
別の実施形態において、該キットは、GDNF、C2CD5、CNTLN、FAM214B、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、SUSD6、TOLLIP、TRDMT1及びZBTB7A、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される少なくとも5個のmRNAの存在を検出するための手段を含む。例えば、該キットは、各々が本発明の細胞老化バイオマーカー核酸の少なくとも一部(例えば、少なくとも7個、10個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、100個、500個、又はそれ以上のヌクレオチド残基)に相補的又は相同な複数のオリゴヌクレオチドが固定された固体基板を含む。
抗体ベースキットのために、該キットは、例えば、以下のものを含むことができる:(1)バイオマーカータンパク質に結合する(例えば、固体支持体に結合する)第1の抗体;及び、任意に、(2)該タンパク質又は第1の抗体のどちらかと結合し、検出可能な標識とコンジュゲートされた第2の異なる抗体。
オリゴヌクレオチドベースのキットのために、該キットは、例えば、以下のものを含むことができる:(1)オリゴヌクレオチド、例えば、バイオマーカータンパク質をコードする核酸配列にハイブリダイズする、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド又は(2)バイオマーカー核酸分子の増幅に有用な一対のプライマー。該キットは、例えば、緩衝剤、保存剤又はタンパク質安定化剤も含むことができる。該キットは、検出可能な標識(例えば、酵素又は基質)を検出するために必要な構成要素をさらに含むことができる。該キットは、対照試料(a control sample)又はアッセイして試験試料と比較できる一連の対照試料(a series of control samples)を含むこともできる。
例えば、該キットは、少なくとも1の対照試料又は参照試料を含んでもよく、好ましくは、該キットは、陰性対照及び/又は陽性対照を含む。陰性対照は、本発明による上方調節された老化バイオマーカーをいずれも発現しない任意の非老化細胞、又は非常に低い若しくは検出可能でない老化バイオマーカー濃度であり得る。陽性対照は、上昇したレベルの1以上の上方調節された老化バイオマーカーを発現する、任意の老化細胞を含んでもよい。該キットの各構成要素は、個々の容器内に封入することができ、そして種々の容器の全てが、分析を実施し、該キットを使用して実施されたアッセイの結果を解釈するための説明書と共に、単一パッケージ内にあり得る。任意に、該キットは、マーカーレベルを被験体の診断又は予後に変換するための1以上の試薬又は装置を含むことができる。
老化細胞において上方調節されるポリペプチドの同定により、本発明は、それらの各々の薬物標的としての使用も提供する。したがって、本発明は、使用中に、TSPAN13、GDNF、FAM214B、PLXNA3、SUSD6、TOLLIP、ZBTB7A、B4GALT7、BCL2L2、CHMP5、DDA1、DYNLT3、NOL3、PDLIM4、PLK3、RAI14、SCOC、SLC16A3、TAF13、TMEM87B、UFM1 及びZNHIT1からなる群から選択される、老化細胞バイオマーカーを特異的に標的化及び結合するように構成された老化細胞標的化部分を含む、老化細胞を殺傷するための薬物複合体、及び結合した老化細胞を殺傷する細胞毒性剤を提供する。
好ましい態様において、該複合体は、使用中に、PLXNA3、SUSD6、FAM214B、GDNF、TOLLIP及びZBTB7Aからなる群から選択される老化細胞バイオマーカーを特異的に標的化及び結合するように構成された老化細胞標的化部分、及び結合した老化細胞を殺傷する細胞毒性剤を含む。
例えば、該標的化部分は、抗体又はその抗原結合断片、アプタマー、プラスチック抗体又は小分子である。
細胞毒性剤は、放射性同位元素、毒素又は毒性ペプチド又は老化細胞死誘導薬(senolytic drug)であり得る。一実施形態において、毒素は、ドキソルビシン、カリケアマイシン、アウリスタチン、メイタンシノイド、デュロカルマイシン、カンプトテシン、アントラサイクリン、アルカロイド、抗アポトーシス阻害剤、リソソーム阻害剤、グルコースアナログ、フラボノイド、及びそれらの毒性アナログからなる群から選択される。別の実施形態において、毒性ペプチドは、シュードモナス外毒素A、ジフテリア毒素、リシン、ゲロニン、サポリン又はヤマゴボウ、又は抗ウイルスタンパク質である。好ましい実施形態において、細胞毒性剤は、老化細胞に対して毒性である老化細胞抑制剤(senolytic agent)であるため、例えば血液細胞等の非老化細胞に対する毒性による標的効果を回避する。老化細胞抑制剤は、当技術分野において公知であり、例えば参照により本明細書に組込まれるWO2015/116740A1号公報を参照されたい。一実施形態において、本発明の薬物複合体は、(a)少なくともBcl-xLを阻害するBcl-2抗アポトーシスタンパク質ファミリーメンバーの阻害剤、(b)MMD2阻害剤、又は(c)Akt特異的阻害剤を含む。
下記の実施例3で示されるように、驚くべきことにTSPAN13のmRNAレベルが、異なる型の老化細胞において上昇することが見出された。フローサイトメトリーは、TSPAN13の高い又は低い細胞表面発現に基づいて、老化細胞集団をソーティングするために使用した。興味深いことに、TSPAN13陽性細胞は、既知の老化マーカーp16及びp21のレベルの上昇を示すことが明らかにされた。老化細胞の細胞膜上に発現するTSPAN13は、抗体-薬物複合体(ADCs)により標的化され得る。
したがって、好ましい態様において、該複合体は、使用時に、TSPAN13に特異的に標的化及び結合し、細胞毒性剤にコンジュゲートされる、老化細胞標的化部分を含む。一実施形態において、本発明は、合成切断可能なリンカー又は切断不可能なリンカーを介して細胞毒性剤(弾頭(warheads)とも呼ばれる)と共有結合した、好ましくはTSPAN13に対する、組換えモノクローナル抗体を提供する。特定の実施形態において、該薬物複合体は、1以上のBCL-2抗アポトーシスタンパク質ファミリーメンバーの阻害剤にコンジュゲートされるTSPAN13に対する抗体であり、ここで該阻害剤は、少なくともBcl-xLを阻害し、ABT-263、ABT-737、WEHI539、及びA1 155463から選択される。例えば、TSPAN13(YSPAN13)抗体は、ABT-263(Navitoclaxとしても知られている)又はABT-737にコンジュゲートされる。
別の態様において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む該複合体は、GDNFに特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
好ましい態様において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む該複合体は、PLXNA3に特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
別の好ましい態様において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む該複合体は、SUSD6に特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
別の態様において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む該複合体は、TOLLIPに特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
別の態様において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む該複合体は、ZBTB7Aに特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
好ましい実施形態において、抗体のような老化細胞標的化部分を含む複合体は、TSPAN13に特異的に標的化及び結合し、その標的化部分は細胞毒性剤にコンジュゲートされる。
用語「抗体」は、天然に存在する形態の抗体及び組換え抗体、例えば、単鎖抗体、キメラ抗体及びヒト化抗体及び多重特異性抗体など並びに前記のもの全ての断片及び誘導体を広く包含し、それらの断片及び誘導体は少なくとも抗原結合部位を有する。抗体誘導体は、該抗体にコンジュゲートされたタンパク質又は化学的部分を含んでもよい。
用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、完全に組み立てられた抗体(fully assembled antibodies)、抗原に結合できる抗体断片(例えば、Fab'、F'(ab)2、Fv、単鎖抗体、ダイアボディ)、及び前記のものを含む組換えペプチドを含む。
一実施形態において、標的化部分は、モノクローナル抗体であり、本明細書で使用されるように、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体、すなわち、該集団を含む個々の抗体が、少量で存在するかもしれない天然に存在する可能性のある突然変異を除いて同一であることを意味する。
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合領域又は可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab'、F(ab')2、及びFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体(linear antibodies);単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。断片抗体のパパイン消化は、各々が単一抗原結合部位を有する、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一抗原結合断片、及び名前が容易に結晶化する(crystallize 35 readily)その能力を反映する、残りの「Fc」断片を産生する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、なお抗原を架橋することができる、F(ab')2断片を得られる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小抗体フラグメントである。2本鎖Fv種(species)において、この領域は、非共有結合で緊密に結合している1個の重鎖可変ドメイン及び1個の軽鎖可変ドメインの二量体からなる。1本鎖Fv種において、1個の重鎖可変ドメイン及び1個の軽鎖可変ドメインは、該軽鎖及び該重鎖が2本鎖Fv種と類似した「二量体」構造で会合することができるように、フレキシブルペプチドリンカーによって共有結合され得る。この構成では、各可変ドメインの3個のCDRが相互作用してVH-VLダイマーの表面に抗原結合部位を定義する。まとめると、6個のCDRは抗体に抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3個のCDRのみを含むFvの半分)でさえも、結合部位全体より低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を有する。
Fab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域由来の1以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端において数個の残基を付加される点がFab'断片と異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab'の本明細書における呼称である。F(ab')2抗体断片は、当初、間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として産生された。
本明細書に記載の薬物複合体において使用するための(ヒト)老化細胞ポリペプチド標的に対する抗体、例えばTSPAN13は、市販の供給元から得ることができ、又は当技術分野で公知の方法により製造できる。
例えば、ポリクローナル抗体は、適切な被験体(例えば、ニワトリ、ウサギ、ヤギ、マウス、又は他の哺乳動物)を老化バイオマーカータンパク質免疫原で免疫化することによって作製することができる。免疫化された被験体における抗体価は、固定化されたバイオマーカータンパク質を用いたELISAなどの標準的な技術によって経時的にモニターすることができる。免疫後の適切な時点、例えば抗体価が最高のときに、抗体産生細胞は、被験体から得ることができ、例えば、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:495-497によって最初に記載されたハイブリドーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozboret al. (1983) Immunol. Today 4:72)、EBV-ハイブリドーマ法(Cole et al. (1985) in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, ed.Reisfeld and Sell (Alan R. Liss, Inc., New York, N.Y.), pp. 77-96)又はトリオーマ法などの標準技術によるモノクローナル抗体の作製に使用することができる。 ハイブリドーマの製造技術は、当技術分野において周知である。
モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを作製する代わりに、モノクローナル抗体は、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をバイオマーカータンパク質でスクリーニングすることにより同定及び単離することができ、これにより、バイオマーカータンパク質と結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離することができる。ファージディスプレイライブラリーを生成及びスクリーニングするためのキットは、市販されている(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27-9400-01; 及び StratageneSurfZAP θ Phage Display Kit、カタログ番号240612)。
本発明は、本発明による薬物複合体を含む医薬組成物、及び薬学的に許容される溶媒も提供する。該組成物は、本発明の複数の薬物標的を標的としてもよい。例えば、それはTSPAN13、PLXNA3、SUSD6、FAM214B、GDNF、TOLLIP及びZBTB7Aからなる群から選択される老化細胞バイオマーカーを特異的に標的化及び結合する複合体の群から選択される2種以上の薬物複合体と、結合した老化細胞を殺傷する細胞毒性剤とを含む。好ましくは、該医薬組成物は、標的化部分が細胞毒性剤にコンジュゲートされる抗体のような、TSPAN13標的化部分を含む薬物複合体を少なくとも含む。
医薬品として使用するための本発明による薬物複合体も提供される。例えば、該薬物複合体は、加齢性疾患の治療、遅延、予防又は改善に好適に使用される。
加齢に関連した病理は、被験体における細胞又は細胞の集団において、非増殖状態又は老化状態の誘発又は維持によって完全に又は部分的に媒介される任意の疾患又は状態を含んでもよい。例として、病理の目に見える徴候を欠いてもよく、又は変性疾患又は機能低下障害などの顕性の病理であってもよい、加齢に関連した組織又は臓器の衰退を含む。例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、白内障、黄斑変性、緑内障、アテローム性動脈硬化症、急性冠症候群、心筋梗塞、脳卒中、高血圧、特発性肺線維症(IPF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、変形性関節症、2型糖尿病、肥満、脂肪機能不全、 冠動脈疾患、脳血管疾患、歯周病、及び種々組織における萎縮症や線維症などの癌治療に関連する障害、脳損傷及び心臓損傷、及び治療に関連する骨髄異形成症候群がある。さらに、加齢に関連した病理には、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群、ウェルナー症候群、コケイン症候群、色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失調症、ファンコニー貧血、先天性角化異常症、再生不良性貧血、特発性肺線維症などの加速老化疾患(accelerated aging disease)が含まれてもよい。
好ましい加齢性疾患は、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患、癌、関節炎、緑内障、白内障、骨粗鬆症、2型糖尿病、高血圧、アルツハイマー病又は他のタイプの認知症を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、非老化細胞よりも老化細胞を選択的に殺傷する治療上有効な量の本発明による薬物複合体を含む医薬組成物を必要とする被験体に投与することを含む老化に関連した病理を治療する方法を提供する。
1以上の老化細胞を選択的に殺傷するとは、同一濃度において非老化細胞を感知できるほど殺傷しない本発明の組成物を意味する。したがって、非老化細胞における該組成物の半致死量又はLD50は、老化細胞における該組成物のLD50より約2〜約50倍高くてもよい。本明細書において使用される場合、LD50とは、細胞試料中の細胞の半分を殺傷するために必要な組成物の濃度である。例えば、非老化細胞における該組成物のLD50は、老化細胞における該組成物のLD50より約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10倍高くてもよい。代替的に、非老化細胞における該組成物のLD50は、老化細胞における該組成物のLD50の約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、又は約50倍より大きくてもよい。さらに、非老化細胞における該組成物のLD50は、老化細胞における該組成物のLD50の50倍より高くてもよい。特定の実施形態において、非老化細胞における該組成物のLD50は、老化細胞における該組成物のLD50より約2〜約10倍高い。例示的な実施形態において、非老化細胞における該組成物のLD50は、老化細胞における該組成物のLD50より約3〜約6倍高い。
老化に関連した病理は、被験体における細胞又は細胞集団における非増殖状態又は老化状態の誘発又は維持により完全に又は部分的に介在される任意の疾患又は状態を含んでもよい。非限定的な例は、狭心症、大動脈瘤、不整脈、脳動脈瘤、心臓拡張機能障害、心臓線維症、心臓ストレス耐性、心筋症、頸動脈疾患、冠動脈血栓症、心内膜炎、高コレステロール血症、高脂血症、僧帽弁逸脱、及び末梢血管疾患などの循環器疾患;椎間板ヘルニア、炎症性腸疾患、脊柱後弯、口腔粘膜炎、ループス、間質性膀胱炎、強皮症、及び脱毛症などの炎症性疾患又は自己免疫疾患;認知症、ハンチントン病、運動ニューロン機能障害、加齢性の記憶力低下、及びうつ/気分障害などの神経変性疾患;糖尿病性潰瘍やメタボリックシンドロームなどの代謝性疾患;加齢性の肺機能の喪失、喘息、気管支拡張症、嚢胞性線維症、肺気腫、及び加齢性の睡眠時無呼吸などの肺疾患;バレット食道などの胃腸疾患;肝線維症、筋疲労、口腔粘膜下線維症、膵線維症、前立腺肥大(BPH)、及び加齢性の睡眠障害などの加齢性疾患;更年期(男性及び女性)、卵の供給(女性)、精子の生存率(男性)、受精率(男性及び女性)、性欲、及び勃起機能と覚醒(男性及び女性)などの生殖障害;アトピー性皮膚炎、皮膚ループス、皮膚リンパ腫、感覚異常、湿疹、湿疹性発疹、好酸球性の皮膚病、皮膚の線維組織細胞増殖(fibrohistocytic proliferations)、色素増加症、免疫水疱性皮膚症(immunobullous dermatosis)、母斑症、類天疱瘡、天疱瘡、そう痒症、乾癬、発疹症、反応性好中球性皮膚症(reactive neutrophilic dermatosis)、ライタイド(rhytides)、及び蕁麻疹などの皮膚科学的疾患(dermatologicaldiseases);並びに糖尿病性創傷治癒、移植後腎線維症、頸動脈血栓症などの他の疾患を含む。
治療用途のために、治療上有効な量の本発明の薬物複合体を被験体に投与する。「治療上有効な量」とは、測定可能な反応(例えば、老化細胞の細胞死、抗老化反応、変性疾患に関連する症状の改善、又は機能低下障害(function-decreasing disorder)に関連する症状の改善)を生成するのに十分な治療用組成物の量である。治療用組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、特定の被験体に対する所望の治療反応を達成するために有効な活性化合物の量を投与するように変化させることができる。選択された投与量レベルは、治療用組成物の活性、処方、投与経路、他の薬物との組み合わせ若しくは他の治療との組み合わせ、年齢、加齢性疾患若しくは加齢性の状態、変性疾患、機能低下障害、症状、及び治療される被験体の健康状態及び治療される被験体の病歴を含む様々な要因に依存するであろう。いくつかの実施形態において、最小用量が投与され、用量制限毒性がない場合には用量が増加される。治療上有効な用量の決定及び調整並びにそのような調整を行う時期及び方法の評価は、医療の当業者に公知である。
投薬の頻度は、症状を効果的に治療するために必要に応じて毎日又は週1回、週2回、週3回以上又は月1回、月2回、月3回以上としてもよい。疾患自体に関連した治療の投与のタイミング及び治療期間は、症例を取り巻く状況により決定されるであろう。治療は、緊急医療スタッフにより投与されるように損傷の現場などで直ちに開始することができる。治療は、病院若しくは診療所自体において、又は退院後に、又は外来診療所において診察された後に開始することができる。治療期間は、1回での単回投与から生涯にわたる治療処置までの範囲に及び得る。典型的な用量レベルは、標準的な臨床技術を用いて決定及び最適化することができ、投与の様式に依存するであろう。
被験体は、齧歯類、ヒト、家畜動物、コンパニオンアニマル、又は動物園の動物(zoological animal)であってもよい。一実施形態において、該被験体は、齧歯類、例えばマウス、ラット、モルモットなどであってもよい。別の実施形態において、該被験体は家畜動物であってもよい。適切な家畜動物の非限定的な例は、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラマ及びアルパカを含んでもよい。さらに別の実施形態において、該被験体はコンパニオンアニマルであってもよい。コンパニオンアニマルの非限定的な例は、イヌ、ネコ、ウサギ、及び鳥類などのペットを含んでもよい。さらに別の実施形態において、該被験体は動物園の動物であってもよい。本明細書において使用される「動物園の動物」とは、動物園で見られる動物を意味する。そのような動物には、非ヒト霊長類、大型ネコ科動物、オオカミ、及びクマを含んでもよい。好ましい実施形態において、該被験体はヒトである。
ヒト被験体は、任意の年齢であってもよい。しかし、老化細胞は、通常加齢と関連しているので、ヒト被験体は、高齢のヒト被験体であってもよい。いくつかの実施形態において、該ヒト被験体は、約30歳以上、約35歳以上、約40歳以上、約45歳以上、約50歳以上、約55歳以上、約60歳以上、約65歳以上、約70歳以上、約75歳以上、約80歳以上、約85歳以上、約90歳以上、約95歳以上であってもよい。いくつかの好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、30歳以上である。他の好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、40歳以上である。他の好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、45歳以上である。他のより好ましい実施形態において、該ヒト被験体は50歳以上である。他のさらに好ましい実施形態において、該ヒト被験体は55歳以上である。他の好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、60歳以上である。他のより好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、65歳以上である。他のさらに好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、70歳以上である。他の好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、75歳以上である。他のさらに好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、80歳以上である。他のより好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、85歳以上である。他のさらに好ましい実施形態において、該ヒト被験体は、90歳以上である。
老化線維芽細胞トランスクリプトミクスのメタ解析。実験デザイン。刺激特異的シグネチャ及び刺激とは無関係な老化線維芽細胞の一般的なシグネチャを構築するために、3種類の老化及び6種類の線維芽細胞株を含む7つのRNA-seqデータセットを用いた。各シグネチャは次の3つの方法を使用して構築された:負の二項分布の一般化線形モデル(negative binomial generalized linear model)(GLM)、フィッシャーのp値及び逆正規のp値の組み合わせ(the Fisher- and the Inverse Normal-p-value combination)。前記3つの方法で計算されたp値が0.01以下で、発現が変化しない、又は静止期に反対方向に発現がみられた遺伝子のみが、各シグネチャに含まれた。電離放射線により誘発される老化(Ionizing radiation-induced senescence: IRIS)のシグネチャは、1つのデータセットのみが利用可能であったため、負の二項分布の (negative binomial) GLMのみを用いて構築した。各シグネチャを含む遺伝子の数は次のように表示される: 複製老化(Replicative Senescence: RS)シグネチャの1721遺伝子、癌遺伝子誘発性細胞老化(Oncogene-InducedSenescence: OIS)シグネチャの1586遺伝子、電離放射線により誘発される老化(IRIS)シグネチャの2688遺伝子及び刺激とは無関係な線維芽細胞の老化シグネチャの726遺伝子。 コア老化関連シグネチャの特徴。A.実験計画。メラノサイト、ケラチノサイト及び星状細胞の示された研究から得られたRNA-seqデータセットを、線維芽細胞の老化シグネチャと比較した。全てのデータセットにおいて異なる発現をした遺伝子の共通部分(p値<=0.01)をフラワープロット(flower plot)で示した。B.老化のコアシグネチャの37遺伝子のヒートマップ。当該図は、増殖性細胞に関する各細胞型の倍率変化 (fold change)の底を2とする対数を示したものである。C.コア老化シグネチャにおいてエンリッチされた遺伝子オントロジー(GO)ターム。各プロットは、該シグネチャの上方調節(赤)及び下方調節(青)された遺伝子においてエンリッチされたGOタームを示す。バーは、p値の底を10とする対数を示す。D.老化のコアシグネチャにおいてエンリッチされた経路。コア老化シグネチャ(B)内の遺伝子においてエンリッチされた経路が、対応するp値及びソースとともにリストされる。 老化トランスクリプトームの時間的力学。A.実験計画。線維芽細胞(HCA-2、黄色)、メラノサイト(赤)及びケラチノサイト(マゼンタ)は、4、10又は20日後に電離放射線(IR)に曝露され、RNAを採取された。異なる細胞型及び老化誘発後の間隔のトランスクリプトームがRNA-seqにより得られた。全3種類の細胞型において異なる発現をした遺伝子を用いたタイムポイントシグネチャ(p-value<=0.01)と、全ての細胞型及び時点により共有される遺伝子を用いた共有IRにより誘発される老化(IRIS)シグネチャ(p値<=0.01)とを作成した。B.各細胞型のSASPの力学を示すヒートマップ。各細胞型において少なくとも1時点で有意に異なる発現を示す既知のSASP因子が示されている。ヒートマップは、増殖性細胞に関する照射後の各時間の倍率変化の底を2とする対数を示す。静止状態は、線維芽細胞でのみ測定した。紫色の矢印は、全ての細胞型において10日目と20日目に共通に調節された唯一のSASP因子であるMMP1を強調する。 コア老化シグネチャにおける遺伝子発現の動的変化。各パネルは、照射前後の示された点での老化のコアシグネチャにおける37遺伝子のうちの1つを示す。全ての遺伝子は、試験された時点での動的時間的挙動を示す:照射後0日目(増殖)、4日目、10日目及び20日目。注目すべきことに、全ての遺伝子は、試験された3種類の細胞型において類似の傾向を示す:線維芽細胞(黄色)、メラノサイト(赤)及びケラチノサイト(マゼンタ)。赤色で示す遺伝子は、試験された全ての時点において、有意性に達した遺伝子(p値<=0.01)に対応するものである。 チューブリンに対して正規化した老化マーカーの遺伝子発現。老化は、全ての試料中のSA-bgal(データは示されていない)及び少なくとも1つの確立された老化のマーカーであるLMNB1の下方調節又はp21の上方調節により確認した。チューブリンをリファレンス遺伝子として用いてデルタCt値を計算した。A)増殖性(proliferating)(Ctrl)及び照射された(IR)BJ線維芽細胞におけるLMNB1及びp21発現。B)増殖性(Ctrl)及びドキソルビシン処理された(Doxo)ケラチノサイトにおけるLMNB1及びp21発現。C)HCA2線維芽細胞の増殖性(Ctrl)及び照射4日後又は10日後(それぞれd4及びd10)におけるLMNB1及びp21発現。D)増殖性(Ctrl)、照射された(IR)、及び複製老化(RS)メラノサイトにおけるLMNB1及びp21発現。 BJ線維芽細胞におけるチューブリンに対して正規化した老化シグネチャの予め選択された遺伝子の遺伝子発現。本発明の老化シグネチャ内の異なるバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及び照射(IR、照射後10日目)BJ線維芽細胞におけるリアルタイムPCRにより測定した。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、3つの生物学的反復(biological replicates)を含み、それぞれ技術的2回反復(technical duplicates)において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。 HCA2線維芽細胞におけるチューブリンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択されたバイオマーカーの遺伝子発現。老化シグネチャ内の異なるバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及び照射4日後又は10日後のいずれかの(それぞれd4及びd10)HCA2線維芽細胞におけるリアルタイムPCRにより測定した。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、3つの生物学的反復を含み、それぞれ技術的2回反復において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。 ケラチノサイトにおけるチューブリンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択されたバイオマーカーの遺伝子発現。老化シグネチャ内の異なるバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及びドキソルビシン処理された(Doxo)ケラチノサイトにおけるリアルタイムPCRにより測定した。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、2つの生物学的反復を含み、それぞれ技術的2回反復において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。 メラノサイトにおけるチューブリンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択されたバイオマーカーの遺伝子発現。老化シグネチャー内の異なるバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)、照射された(IR)又は複製老化(RS)メラノサイトにおけるリアルタイムPCRにより測定した。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、3つの生物学的反復を含み、それぞれ技術的2回反復において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。 アクチンに対して正規化した老化マーカーの遺伝子発現。老化は、全ての試料中のSA-bgal(データは示されていない)及び少なくとも老化の別のマーカーであるLMNB1の下方調節又はp21の上方調節により確認した。アクチンをリファレンス遺伝子として用いてデルタCt値を計算した。A)増殖性(Ctrl)及び照射された(IR)BJ線維芽細胞におけるLMNB1及びp21発現。B)増殖性(Ctrl)及びドキソルビシン処理された(Doxo)ケラチノサイトにおけるLMNB1及びp21発現。C)HCA2線維芽細胞の増殖性(Ctrl)及び照射4日後又は10日後(それぞれd4及びd10)におけるLMNB1及びp21発現。 BJ線維芽細胞におけるアクチンに対して正規化した老化シグネチャの予め選択された遺伝子の遺伝子発現。老化シグネチャ内の異なる遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及び照射された(IR、照射後10日目)BJ線維芽細胞のリアルタイムPCRにより測定した。 HCA2線維芽細胞におけるアクチンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択された遺伝子の遺伝子発現。老化シグネチャ内の異なる遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及び照射4日後又は10日後の(それぞれd4及びd10)HCA2線維芽細胞におけるリアルタイムPCRにより測定した。 ケラチノサイトにおけるアクチンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択された遺伝子の遺伝子発現。老化シグネチャ内の異なる遺伝子の遺伝子発現は、増殖性(Ctrl)及びドキソルビシン処理された(Doxo)ケラチノサイトにおけるリアルタイムPCRにより測定した。 予め選択された遺伝子のデルタCt値の主成分分析(PCA)は、増殖性細胞から老化細胞を識別することができる。これらの遺伝子は次のものが含まれる: BCL2L2、C2CD5(プライマー対増殖変異体1、2及び6(primer pair amplifying variants 1, 2 and 6))、DYNLT3、GDNF(プライマー対増殖変異体1)、MTCYB、PLK3、PLXNA3、SUSD6及びTSPAN13。A)選択された遺伝子を用いた増殖性(Ctrl)及び照射された(IR)BJ線維芽細胞のPCAプロット。B)選択された遺伝子を用いた増殖性(Ctrl)及びドキソルビシン処理された(Doxo)ケラチノサイトのPCAプロット。C)選択された遺伝子を用いた増殖性(Ctrl)及び照射後4日目及び10日目の(それぞれd4及びd10)HCA2線維芽細胞のPCAプロット。D)選択された遺伝子を用いた増殖性(Ctrl)、照射された(IR)及び複製老化(RS)メラノサイトのPCAプロット。 6個のバイオマーカーのみのパネル(「最小コアシグネチャ」)は、異なる細胞型において増殖性細胞から老化細胞を識別するために必要かつ十分である。A)各試料のセットごとに、図11の主成分1(X軸)上の試料分離に対する各バイオマーカー遺伝子の寄与を計算した。各細胞型(BJ=BJ線維芽細胞、HCA2=HCA2線維芽細胞、Ker=ケラチノサイト、Mel=メラノサイト)について、より寄与の高いバイオマーカーを「1」として採点し、最も寄与の低いバイオマーカーを「9」として採点した。全ての試料中でより寄与が高かったバイオマーカーを「1」とし、全ての試料中で最も寄与が低かったバイオマーカーを「9」として、各バイオマーカーの全体のスコアを算出した。パネルB)〜E)は、6個の最終遺伝子を用いて構築された新しいPCAプロットを示す:各試料について、GDNF(プライマー対増幅変異体1)、TSPAN13、BCL2L2、PLK3、SUSD6及びC2CD5(プライマー対増幅変異体1、2及び6)。B)増殖性(Ctrl)対(versus)照射された(IR)BJ線維芽細胞の老化のコア転写マーカーのPCAプロット。C)増殖性(Ctrl)対ドキソルビシン処理(Doxxo)ケラチノサイトの老化のコア転写マーカーのPCAプロット。D)増殖性(Ctrl)対照射後4日目又は10日目の(それぞれd4及びd10)HCA2線維芽細胞の老化のコア転写マーカーのPCAプロット。E)増殖性(Ctrl)、照射された(IR)及び複製老化(RS)メラノサイトの老化のコア転写マーカーのPCAプロット。 TSPAN13mRNA発現は、老化線維芽細胞において上方調節される。ヒト皮膚線維芽細胞BJは、ドキソルビシン(Doxo)、電離放射線(IRIS)、過酸化水素(OSIS)又は複製枯渇(replicative exhaustion)(RS)により老化を誘発された。増殖性(Prolif)又は静止した(Quiesc)細胞を対照として使用した。パネルA:老化関連β-ガラクトシダーゼ(SA-bgal)酵素の活性化を有する細胞の割合。パネルB:活発なDNA合成(EdU、増殖のためのレポーター)を有する細胞の割合。パネルC:チューブリンmRNAレベルの正規化後、qPCRにより測定されたTSPAN13 mRNAのレベル。N=3の独立した実験。*p<=0.05、**p<=0.01。 TSPAN13タンパク質発現は、老化線維芽細胞において上方調節される。ヒト皮膚線維芽細胞BJは、電離放射線(IR)により老化するように誘導された。9日後、対照(CTRL)又はIR細胞をTSPAN13に対する抗体で染色し、シグナル強度をフローサイトメーターを介して測定した。パネルA:2つの集団の蛍光強度のドットプロット。パネルB:パネルAのデータの定量化。 TSPAN13タンパク質発現は、老化線維芽細胞において上方調節される。ヒト皮膚線維芽細胞WI38は、ドキソルビシン又はパラボシクリブによって老化を誘導され、老化関連β-ガラクトシダーゼ酵素の活性化を有する細胞の割合(SA-bgal、パネルA)により確認された(対照細胞と比較した)老化の誘導が報告され、活発なDNA合成を有する細胞の割合(EdU、パネルB)により示される。細胞は、TSPAN13に対する抗体で染色し、シグナル強度をフローサイトメーターを介して測定した。パネルC:3つの集団の蛍光強度のドットプロット。パネルD:定量化。 TSPAN13陽性細胞は、他の老化マーカーの発現レベルの増加を示す。ヒト皮膚線維芽細胞BJは、電離放射線(IR)により老化を誘導し、TSPAN13に対する抗体で染色され、シグナル強度をフローサイトメーターを介して測定した。パネル(A)におけるプロットは、対照細胞(緑色ベル)と比較したIR細胞(赤色ベル)におけるTSPAN13発現のシフトを示す。パネル(B)は、2つの独立したチューブにソーティングされ、RNAが単離されたTSPAN13の高い(IR+ TSPAN13)又は低い発現(IR- TSPAN13)を有するIR細胞を示す。TSPAN13高発現細胞は、TSPAN13低発現細胞と比較した場合に、qPCRにより測定され、チューブリンに対して正規化された、他の老化マーカーp16及びp21の高いレベルを示す。
実験セクション
材料と方法
細胞株及び培養
ヒト包皮線維芽細胞HCA2は、O.Pereira-Smith氏(テキサス大学健康科学センター、サンアントニオ)の研究室から入手した。ヒト包皮線維芽細胞BJは、ATCC(Cat: CRL2522)から購入した。MEFは、公知の方法で13.5日胚から作製された(Demaria 2010)。マウス一次皮膚微小血管内皮細胞は、Cellbiologics(Cat: C57-6064)から購入した。
全ての細胞を使用前に少なくとも4倍加のために5%酸素中で培養した。繊維芽細胞を10%ウシ胎児血清(FBS、GE HealthcareLife Sciences)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Lonza)を強化した(enriched)DMEM(Thermo Fisher Scientific)中で培養した。内皮細胞を内皮細胞成長培地(ATCC)中で増殖した。
静止状態を0.2%FBSを添加したDMEM中で48時間細胞を培養することにより誘導した。複製老化のために、増殖が止まるまで(BJ細胞の〜65集団倍加)細胞を継代した(70〜80%の培養密度に達するまで、30〜40%の密度で再培養した)。酸化ストレス誘発性老化のために、細胞を200 μM過酸化水素(Sigma Aldrich)で2時間処理し、続いて薬物除去及び10%FBSを添加した新鮮なDMEM中での培養を行った。
処理を0日目、3日目及び6日目に繰り返し、該培地を2日ごとに新しく替え、細胞を最初の処理後10日目に回収した。ドキソルビシン(Tebu-bio)は、250 nMで24時間使用した。培地を10%FBSを添加したDMEMで置換し、2日ごとに新しく替えた。細胞を処理後7日目に回収した。照射誘発性老化のために、細胞を137セシウム源を用いて10Gy ガンマ-放射線に曝露し、培地を2日ごとに新しく替えた。
細胞をほとんどの実験及び検証のために照射後10日目に回収した。時系列について、細胞を照射後4日目、10日目及び20日目に回収した。
SA-ベータガラクトシダーゼアッセイ
細胞を24ウェルプレートに播種し、グルタルアルデヒド/ホルムアルデヒド(2%/2%)で10〜15分間固定し、市販のキット(Biovision)を使用してX-Gal溶液で一晩染色した。
細胞を1 μg/ml 4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI、Sigma-Aldrich、D9542)で20分間対比染色した。画像を100倍の倍率で取得し、細胞数をソフトウェアImageJ(www.rsbweb.nih.gov/ij/)によりカウントした。陽性細胞は、手動で採点した。試料は、各複製について少なくとも100個の細胞をカウントするtriplicateで行われた。
EdU染色
細胞をEdUの存在下で24時間培養し、市販のキット(Click-iTEdu Alexa Fluor 488 Imaging kit;Thermo Fisher Scientific)を使用して固定及び染色した。
画像を400倍の倍率で取得し、ImageJ(www.rsbweb.nih.gov/ij/)を使用して定量化した。試料は、各複製について少なくとも100個の細胞をカウントするtriplicateで行われた。
リアルタイムPCR
全RNAをIsolate II RnaMini Kit(Bioline)を用いて調製した。255〜500 ngのRNAをキット(Applied Biosystems)を用いて逆転写した。
qRT-PCR反応は、Universal Probe Libraryシステム(Roche)及びSENSIFast Probe kit(Bioline)を用いて[43]に記載の通りに実施した。チューブリンをCT値の正規化に使用した。全ての試料を、2〜3回の生物学的反復を用いて、技術的反復(technical replicate)で実行した。デルタ-CT値に基づいた統計的有意性を決定するために、unpaired two-tailed Student’s t-testを用いた。0.05以下のP値を有意であるとみなした。
RNA配列
細胞は、RNAeasy mini kit(Invitrogen)を用いてRNA抽出のために調製された。試料をQiasollysis緩衝液で処理し、全RNAを製造元の指示書(Invitrogen)に従ってQiacubeロボットを用いて単離した。NanoDropを用いてRNAを定量し、バイオアナライザチップ(Agilent)を用いてRNAの品質を測定した。精製したRNA試料を、ライブラリー調製(ポリAエンリッチメント(polyA-enrichment))及び製造元のプロトコル(Illumina)に従ったIllumina HiSeq RNA sequencingのためにミネソタ・バイオメディカル・ゲノミクス・センターに送付した。50 bpのpaired endシークエンシングのためのサイズ選抜を〜200bpの挿入サイズに対して行い、HiSeq2500フローセルのレーン当たり220 Mリード以上でシークエンシングを行った。全ての試料にわたる完了したランの平均品質スコアは>30であり、各プールされた試料のリード数の平均は>10,000,000リードであった。生データは、ArrayExpressデータベースに格納されている(https://www.ebi.ac.uk/arrayexpress/; access number: E-MTAB-5403)。
公開データセット
公開データセット及び使用された試料の概要は、表S1及び表S4の通りである。
公開データセットからの生データは、「GEOリポジトリ」から取得した。老化線維芽細胞のトランスクリプトームの以下の6個の公開データセットを含めた。1)Alspach et al, 2014 [16] (「GSE56293」)は、SASP誘導を研究するためにBJ細胞のRSを使用した。2)Dikovskayaet al, 2015 [17](「GSE70668」)は、(Rasによって誘導された)OISにおける多核形成を研究するためにIMR90細胞を使用し、そして有糸分裂において同期した細胞を使用した。3)Herranz et al, 2015 [18](「GSE61130」)は、IMR90細胞における(Rasにより誘導された)OISにおけるSASPを研究した。4)Marthandanet al, 2015 [20] (「GSE63577」)は、異なる集団倍加レベルでのロテノンの効果を研究するためにMRC-5細胞及びHFF細胞を使用し、及び本発明者らは、HFF細胞について最初(増殖)及び最後の時点のみを使用した。5)Marthandan et al, 2016 [19] (「GSE64553」)は、RSを研究するために5つの線維芽細胞株(BJ、WI-38、IMR90、HFF及びMRC-5)を使用した。6)Rai etal, 2014 [21] (“GSE53356”)は、RSのクロマチンランドスケープを研究するためにIMR90細胞を使用した。星状細胞におけるOSISを研究するCrowe et al, 2016 [30] (「GSE58910」)によって作成された1つの公開データセットは、異なる細胞型により共有される老化のコアシグネチャのために使用した。
トランスクリプトームデータセットの品質管理とアライメント
生データは、SRAToolkit 2.6.2を使用してfastqファイルとしてダウンロードした。本発明者らのものを含む全ての試料の品質管理をFastQCソフトウェアv0.11.5を使用して実行し、低品質のリード(平均品質:<20)を除去した。Trimmommatic 0.36を用いて必要に応じてエンドトリミングを行った。試料をSTAR-2.5.1b alignerを用いてGRCh38ゲノムにアライメントし、生リードカウントテーブルをSTAR出力から直接取得した。protein-codingとしてアノテートされた遺伝子のみを分析に含めた。
線維芽細胞のメタ解析
データの不均質性は、タンパク質コード遺伝子について対数変換され正規化されたカウントのPCAプロットで評価した。本発明者らは、特異的刺激及び線維芽細胞老化シグネチャのメタ解析のために3つの方法を用いた:負の二項分布の一般化線形モデル(negative-binomial generalized linear model)(GLM)、フィッシャーのp値の組み合わせ( Fisherp-value combination)及び逆正規のp値の組み合わせ(Inverse Normal p-value combination)。最初のアプローチは、主な変数として老化対増殖を用いた発現差異解析のためにR-package DESeq2を使用した。複数の細胞型を用いた場合、細胞型は共変数として含めた。
他の2つのアプローチは、R-package MetaRNAseqを使用した。まず、DESeq2 packageを用いた発現差異解析を各データセットごとに行い、p値を2つの方法、フィッシャー及び逆正規により組み合わせた。Benjamini-Hochberg法を用いて多重試験調整された(multiple-testing adjusted)、負の二項分布のGLMにおける0.01以下のp値と、他の2つの方法における0.01以下の組合わされたp値とを有する遺伝子が、対応するシグネチャに含まれた。静止状態の試料においても異なって調節された遺伝子(調整されたp値が0.01以下、及び老化と同じ方向における倍率変化の徴候)をメタ解析終了後に可能性のある老化マーカーとして除いた。線維芽細胞老化シグネチャにおける示差的に発現した遺伝子においてエンリッチされた経路及び遺伝子オントロジータームをConsensus Path DB-human(http://cpdb.molgen.mpg.de/)のオンラインツール「Over-Representationanalysis」を用いて評価した。
異なる細胞型により共有されるコア老化シグネチャ
発現差異解析は、各データセットについて別々にDESeq2を用いて実施し、示差的に発現した遺伝子のリストは、p値を組み合わせることなく、線維芽細胞の老化シグネチャと比較した。全てのデータセット及び線維芽細胞シグネチャ(負の二項GLM法)における多重試験調整された0.01以下のp値(multiple-testing adjusted p-value<=0.01)を有する遺伝子のみがコア老化シグネチャに含まれた。
プロット
全てのプロットは、以下のR-packagesを用いて作成された:「pheatmap」、「ggplot2」、「ggfortify」、「RColorBrewer」及び「VennDiagram」。
老化細胞を同定するための最小コアシグネチャ。
本実施例は、老化細胞を非老化細胞から識別するために必要かつ十分であるバイオマーカーのパネルからなる「最小のコア老化シグネチャ」を得るための老化シグネチャ内の異なるバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現の分析を説明する。
上記の説明のために、実施例1において同定された予め選択されたバイオマーカーのセットを老化している4種類の異なる細胞型においてリアルタイムPCRにより測定した。
HCA2線維芽細胞:対照vs照射後4日目及び10日目(Control vs day 4 and day 10 post-irradiation)
BJ線維芽細胞:対照vs照射(Control vs Irradiated)
メラノサイト:(triplicatesにおける)対照vs照射された及び複製老化(Controlvs Irradiated and replicative senescence (in triplicates))
ケラチノサイト:(duplicatesにおける)対照vsドキソルビシン処理(Controlvs Doxorubicin-treated (in duplicates))
材料と方法
細胞株と培養
ヒト包皮線維芽細胞BJ、ヒト新生児メラノサイト及びヒト新生児ケラチノサイトは、ATCCから購入した(それぞれ、Cat: CRL-2522、PCS-200-012及びPCS-200-010)。BJ繊維芽細胞を10%ウシ胎児血清(FBS、GE Healthcare Life Sciences)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Lonza)を強化したDMEM培地(Thermo FisherScientific)中で培養した。ケラチノサイトは、抗生物質を添加せずに、CnT-Prime, Epithelial Culture Medium(CellnTec, CnT-PR)中で培養した。メラノサイトは、10%ウシ胎児血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを強化し、200nM 12-O-テトラカンノイルホルボール 13-アセテート(TPA、Sigma-Aldrich)、200 nMコレラトキシン(Sigma-Aldrich)、10 nMエンドセリン1(Sigma-Aldrich)及び10 ng/mlヒト幹細胞因子(Peprotech)を添加したRPMI培地中で培養した。全ての細胞を5%酸素、5%CO2及び37℃において培養し、マイコプラズマ感染のために定期的に検査した。
試料調製
電離放射線誘発性老化(IRIS)のために、細胞を137セシウム線源を用いて10Gy線量のガンマ放射線に曝露し、培地を2日ごとに新しく替えた。細胞を照射後4日目及び/又は10日目に回収した。細胞は、複製老化(RS)のために、増殖を停止するまで(〜PD 65)(70-80%コンフルエンスに到達するたびに30-40%密度で再培養して)〜4ヶ月間培養液中で増殖させた。
ドキソルビシン(Tebu-bio)は、250 nMの濃度中で24時間使用した。細胞は、対応する培地で一度洗浄した後、新しい培地を添加し、2日ごとに新しく替えた。細胞を処理後7日目に回収した。ドキソルビシンの場合において処理した試料又は溶媒(PBS)で処理したものと同じPDを有する細胞を刺激し、各条件に対する増殖対照(Proliferating controls)作製した。
SA-βgalアッセイによる老化の確認。
細胞は、24ウェルプレート中に播種し、グルタルアルデヒド及びホルムアルデヒドの混合物(2%/2%)中に3〜5分固定して、市販キット(Biovision)を用いたX-Gal溶液で一晩染色した。細胞は、1 μg/mlの4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI、Sigma-Aldrich、D9542)溶液で20分間対比染色した。画像を100倍の倍率で取得し、細胞数をソフトウェアImageJ(www.rsbweb.nih.gov/ij/)によりカウントした。陽性細胞の数は、手動でカウントした。SA-bgal染色のデータは示されていない。
リアルタイムPCR。
全RNAは、Isolate II Rna Mini Kit(Bioline)を用いて調製した。100〜500 ngのRNAは、キット(AppliedBiosystems)を用いてcDNAに逆転写した。qRT-PCR反応は、Universal Probe Libraryシステム(Roche)及びSENSIFast Probe kit(Bioline)を用いて製造元の指示書に従って行った。チューブリン又はアクチンの発現は、CT値の発現を正規化するために用いた。試料は、技術的反復で2〜3回の生物学的反復において実行した。デルタ-CT値に基づいた統計的有意性を決定するために、unpaired two-tailed Student’s t-testを用いた。
主成分分析(PCA):
主成分分析に用いられる遺伝子は、qPCRの結果における増殖性細胞及び老化細胞の間の発現における変化の再現性に基づいて予め選択した。ほとんどの試料において(RNAseqの結果に基づいた)元の分析により予測されたものと同じ傾向に従った遺伝子をPCAプロットを構築するために用いた。これらの遺伝子は次のものを含む。BCL2L2、C2CD5(プライマー対増幅変異体1、2及び6)、DYNLT3、GDNF(プライマー対増殖変異体1)、MTCYB、PLK3、PLXNA3、SUSD6及びTSPAN13。主成分1(X軸)上の試料分離に対する各遺伝子の寄与を各試料のセットごとに計算した。より寄与の高い遺伝子を「1」として採点し、最も寄与の低い遺伝子を「9」として採点した。分析において使用した全ての試料のリストを構築し、全ての試料上の各遺伝子の全体のスコアを算出し、「1」は全ての試料においてより寄与の高い遺伝子であり、「9」は全ての試料において最も寄与の低い遺伝子であった。最後に、下位に採点された(scored last)3つの遺伝子(7、 8及び9)を除去した。次の6個の最終遺伝子を用いて新しいPCAプロットを構築した:GDNF(プライマー対増幅変異体1)、TSPAN13、BCL2L2、PLK3、SUSD6及びC2CD5(プライマー対増幅変異体1、2及び6)。
Figure 2020511674
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使用したプライマーのリスト:
Figure 2020511674
Figure 2020511674
材料:
結果
図6では、少なくとも確立された老化のマーカーであるチューブリンに対して正規化した LMNB1の下方調節又はp21の上方調節の解析により調査対象の各細胞試料の老化を確認するものである。
図7〜9は、リアルタイムPCRにより測定された、BJ線維芽細胞(図7)、HCA2線維芽細胞(図8)及びケラチノサイト(図9)においてチューブリンに対して正規化された老化シグネチャの予め選択されたバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現を示す。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、3つの生物学的反復を含み、それぞれ技術的2回反復において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。
図10は、少なくとも確立された老化のマーカーであるアクチンに対して正規化したLMNB1の下方調節又はp21の上方調節の解析により調査対象の各細胞試料の老化を確認するものである。
図11〜13は、リアルタイムPCRにより測定された、BJ線維芽細胞(図11)、HCA2線維芽細胞(図12)及びケラチノサイト(図13)においてアクチン対して正規化した老化シグネチャの予め選択されたバイオマーカー遺伝子の遺伝子発現を示す。デルタ-Ct値は、Livakらによって開発された方法に従ってチューブリンを用いて計算した(2001. Methods 25(4))。各条件は、3つの生物学的反復を含み、それぞれ技術的2回反復において実行する。エラーバーは平均の標準誤差を示す。注目すべきことに、結果は必ずしも統計的に有意ではなかった(データは示していない)。
その後、主成分分析に使用されるバイオマーカー遺伝子をqPCR結果における増殖性細胞及び老化細胞の間の発現における変化の再現性に基づいて予め選択した。ほとんどの試料において(RNAseq結果に基づいた)当初の分析により予測されたのと同じ傾向(統計的有意性にかかわらず、上方調節又は下方調節)に従う遺伝子は、チューブリンに対して正規化したデルタCt値のPCAプロットを構築するために使用された。これらのバイオマーカーには、BCL2L2、C2CD5(プライマー対増幅変異体1、2及び6)、DYNLT3、GDNF(プライマー対増殖変異体1)、MTCYB、PLK3、PLXNA3、SUSD6及びTSPAN13が含まれた。BJ線維芽細胞、ケラチノサイト、HCA線維芽細胞及びメラノサイトのPCAプロットを示す図14を参照されたい。
最後に、6個のバイオマーカー遺伝子のセット(最小コアシグネチャ)を、各試料のセットごとに計算された、図14の主成分1(X軸)上の試料分離に対する各遺伝子の寄与を解析することによって同定した。各細胞型(BJ=BJ線維芽細胞、HCA2=HCA2線維芽細胞、Ker=ケラチノサイト、Mel=メラノサイト)について最も寄与の高いバイオマーカー遺伝子を「1」と採点し、最も寄与の低い遺伝子を「9」と採点した。各遺伝子について全体のスコアを、全ての試料においてより寄与の高い遺伝子が「1」で、全ての試料において最も寄与の低い遺伝子が「9」で計算した。下位に採点された3つの遺伝子(赤色で示す)は除去された。この結果によりバイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2及びPLK3を含むセットが作成された(図15参照)。
TSPAN13発現は、老化細胞上で増加する。
TSPAN13は、機能が十分に解明されていない細胞表面タンパク質である。
本実施例では、TSPAN13と細胞の老化との関連性を説明する。
図16は、TSPAN13のmRNAレベルが異なる種類の老化細胞で増加することを示す。図17では、免疫蛍光を使用することによりTSPAN13タンパク質がより発現していることを示す。図18及び図19は、フローサイトメトリー及び追加の細胞/刺激分析を用いて、類似のTSPAN13上方調節を示す。図20において、TSPAN13の高発現又は低発現に基づいて老化細胞集団をソーティングするためにフローサイトメトリーを使用した。興味深いことに、TSPAN13レベルの増加は、他の老化マーカーp16及びp21のレベルの増加と相関することを見出した。
TSPAN13は、その細胞表面局在化に基づき、薬物標的化に理想的である。例えば、老化細胞を殺傷するための薬物複合体は、(i)使用時に、TSPAN13に特異的に標的化及び結合する、TSPAN13標的化剤、及び(ii)結合した老化細胞を殺傷する細胞毒性剤を含むように構成され得る。
実験条件
遺伝子発現TSPAN13(図16)
ヒト包皮線維芽細胞BJは、ATCCから購入した(Cat: CRL2522)。細胞は、5%酸素、5%CO2及び37℃において、10%ウシ胎児血清(FBS、GE Healthcare LifeSciences)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Lonza)を強化したDMEM培地(Thermo Fisher Scientific)を用いて培養した。細胞は、マイコプラズマ感染のために定期的に検査した。
試料調製
静止状態は、0.2%FBSを添加したDMEM中で48時間細胞を培養することにより誘導した。細胞は、電離放射線誘発性老化(IRIS)のために、137セシウム線源を用いて10Gy線量のガンマ放射線に曝露し、そして培地は2日ごとに新しく替えた。細胞は、照射後10日目に回収した。細胞は、複製老化(RS)のために、増殖を停止するまで(〜PD 65)(70-80%コンフルエンスに到達するたびに30-40%密度で再培養して)〜4ヶ月間培養液中で増殖させた。細胞は、酸化ストレス誘発性老化(OSIS)のために、200 μMの過酸化水素(Sigma Aldrich)で2時間処理した後、10%FBSを添加した新鮮なDMEM中で薬物除去及び培養した。処理は、2日ごとに新しく替えた培地を用いて、0日目、3日目及び6日目に繰り返し、細胞は、最初の処理後10日目に回収した。
ドキソルビシン(Tebu-bio)は、250 nMの濃度で24時間使用した。その後、培地を10%FBSを添加した通常のDMEMで置換し、2日ごとに新しく替えた。細胞は、処理後7日目に回収した。
対応する溶媒を用いて細胞を刺激し、及び/又は処理された試料の同じPDを検討して、各条件に対する増殖対照を作製した。複数の条件に対する対照が1つしか示されていない場合は、各条件に対する対照の平均が示される。
SA-βgalアッセイ。 細胞を24ウェルプレートに播種し、グルタルアルデヒド及びホルムアルデヒド(2%/2%)の混合物に10〜15分間固定し、市販キット(Biovision)を使用してX-Gal溶液で一晩染色した。細胞を1 μg/mlの4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI、Sigma-Aldrich、D9542)溶液で20分間対比染色した。画像を100倍の倍率で取得し、細胞数をソフトウェアImageJ(www.rsbweb.nih.gov/ij/)によりカウントした。陽性細胞の数は、手動でカウントした。
EdU染色。 細胞をEdUの存在下で24時間培養し、市販のキット(Click-iTEdu Alexa Fluor 488 Imaging kit、Thermo Fisher Scientific)を用いて固定及び染色した。画像を400倍の倍率で取得し、ImageJ(www.rsbweb.nih.gov/ij/)を用いて定量した。SA-βgalアッセイ及びEdU染色の両方の全ての場合において、試料をtriplicatesで行い、少なくとも100個の細胞を各複製においてカウントし、エラーバーが平均値の標準誤差(SEM)を示す対応するバープロットを作成した。
リアルタイムPCR 逆転写酵素PCRをHigh-Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems、カタログ番号4368813)を用いて行った。TSPAN13についてのqPCRをLC480 (Roche)及びSensiFastProbe Lo-Rox Kit (Bioline、カタログ番号84020)を用いて行った。チューブリンをリファレンス遺伝子として使用した。プライマー:TSPAN13、F-CCCTCAACCTGCTTTACACC、R-AATCAGCCCGAAGCCAAT、UPLプローブ#84; チューブリン、F-CTTCGTCTCCGCCATCAG、R-CGTGTTCCAGGCAGTAGAGC、UPLプローブ#40。デルタ-CT値に基づいた統計的有意性を決定するために、unpaired two-tailed Student’s t-testを用いた。0.05以下のP値を統計的に有意であるとみなした。
TSPAN13発現の免疫蛍光(IF)分析(図17)
9d IR及びctrl BJ細胞を、両方ともカバースリップ(Sarsteddt、カタログ番号83.1840.002)につき15,000細胞の密度で播種し、細胞培養インキュベーターで一晩インキュベートした(5%酸素)。翌日、細胞をPBSで洗浄し、4%PFA/PBS中で固定した。細胞は、IFまで4℃で保存した。
PBS中5wt%BSA (Sigma)をブロッキングバッファー及び抗体希釈液として使用した。1時間のブロッキングの後に、ウサギ抗ヒトTSPAN13抗体(Genetex、カタログ番号52155)を一次抗体(抗体希釈液中1:50希釈)として用いて4℃で一晩インキュベートした。使用した二次抗体は、ヤギ抗ウサギAlexaFluorl488(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号R37116)であった。穏やかに撹拌しながら暗所で90分間インキュベートした。PBSで3回洗浄し、MilliQ水で1回洗浄した後、ProLong Gold Antifade Mountant with DAPI(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号P36941)を用いてガラススライド上にカバースリップをマウントした。画像は、Leica DMI6000を用いて作成した。
TSPAN13発現のFACS分析(図18)
Ctrl BJ細胞及び8d IR BJ細胞を70%エタノール中で固定し、FACS分析まで4℃で保存した。以降の全てインキュベーションは、全て4℃で行った。使用したFACS緩衝液は、PBS中1%BSAである。全ての洗浄工程は、400 μlFACS緩衝液中、5分間、800x g、4℃である。FACS分析のために、1,000,000個のctrl BJ細胞及び600,000個の8d IR BJ細胞を用いた。使用した一次抗体は、ウサギ抗ヒトTSPAN13抗体(Genetex、カタログ番号52155、FACS緩衝液中1:20希釈)である。一次抗体で1時間インキュベートした。3回の洗浄工程を一次抗体及び二次抗体インキュベーションの間に行った。使用した二次抗体は、ヤギ抗ウサギAlexaFluor488(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号R37116)であった。暗所で30分間インキュベートした。細胞をセルストレーナーキャップを通してFACSチューブ(Corning、カタログ番号352235)に移す前に、3回の洗浄工程を行った。蛍光シグナルは、BD FACS CANTO IIを用いて測定した。FACSデータ分析は、Kaluzaソフトウェア (Beckman Coulter)を用いて行った。
TSPAN13−細胞膜発現(図19)
FACSを介して細胞膜上のTSPAN13発現を分析するために、ctrl WI-38細胞、(1 uMで毎日処理した後)7d パルボシクリブ及び7dドキソルビシン処理WI-38細胞を用いた。回収後、細胞をPBSで洗浄し、続いてFACS緩衝液(PBS中1%BSA及び0.1%NaN3)中で洗浄した。全ての洗浄工程は、400 μl FACS緩衝液中、3分間、800x g、4℃で行った。特に明記しない限り、以降の全てのインキュベーションは、4℃で行った。一次抗体は、ウサギ抗ヒトTSPAN13抗体(Genetex、カタログ番号52155、FACS緩衝液中1:50希釈)を使用して、30分間インキュベーションした。細胞をFACS緩衝液で洗浄し、PBS中4%パラホルムアルデヒド(ThermoFisher Scientific、カタログ番号28908)中で室温で15分間固定した。FACS緩衝液で3回洗浄した後、細胞をPBS中に4℃で保存した。二次抗体インキュベーションは、ヤギ抗ウサギAF633(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A21070)を用いて30分間行った。細胞をセルストレーナーキャップを通してFACSチューブ(Corning、カタログ番号352235)に移す前に、3回の洗浄工程を行った。蛍光シグナルは、BDFACS CANTO IIを用いて測定した。FACSデータ分析は、Kaluzaソフトウェア (Beckman Coulter)を用いて行った。
TSPAN13発現細胞のソーティング (図20)
TSPAN13発現細胞をソーティングするために、ctrl BJ細胞及び9d IR BJ細胞を使用して、陽性集団(TSPAN13の細胞膜染色)対TSPAN13陰性集団を示した。細胞は固定せず、細胞の回収と同じ日にTSPAN13発現についてソーティングした。FACS緩衝液は、PBS中1%BSAであり、洗浄工程は、FACS緩衝液中、3分間、800x g、4℃で行った 。全てのインキュベーションは、4℃で行った。一次抗体は、ウサギ抗ヒトTSPAN13抗体(Genetex、カタログ番号52155、FACS緩衝液中1:50希釈)を使用して、1時間インキュベーションした。ヤギ抗ウサギAlexaFluor488(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号R37116)を用いた二次抗体インキュベーションの前にFACS緩衝液で3回洗浄した。暗所で30分間インキュベートした。細胞をセルストレーナーキャップを通してFACSチューブ(Corning、カタログ番号352235)に移す前に、3回の洗浄工程を行った。BD FACS JAZZを使用して、蛍光シグナルを測定し、細胞をソーティングしてISOLATE II RNA Mini Kit(Bioline、カタログ番号52073)のRNA溶解緩衝液中に分取した。FACSデータ分析は、Kaluzaソフトウェア (BeckmanCoulter)を用いて行った。RNA単離は、マニュアルに従って行った。逆転写酵素PCRは、High-Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems、カタログ番号4368813)を用いて行った。2つの細胞周期停止遺伝子(p16及びp21)及びTSPAN13についてのqPCRは、LC480 (Roche)及びSensiFASTProbe Lo-ROX Kit (Bioline、カタログ番号84020)を用いて行った。チューブリンをリファレンス遺伝子として使用した。プライマー: p16、F-GAGCAGCATGGAGCCTTC、R-CGTAACTATTCGGTGCGTTG、UPLプローブ#67; p21、F-TCACTGTCTTGTACCCTTGTGC、R-GGCGTTTGGAGTGGTAGAAA、UPLプローブ#32; TSPAN13、F-CCCTCAACCTGCTTTACACC、R-AATCAGCCCGAAGCCAAT、UPLプローブ#84; チューブリン、F-CTTCGTCTCCGCCATCAG、R-CGTGTTCCAGGCAGTAGAGC、UPLプローブ#40;
図1
Datasets used 使用したデータセット
Hernandez Segura ヘルナンデス・セグラ
genes 遺伝子
Oncogene-Induced Senescence 癌遺伝子誘発性細胞老化
Ionizing Radiation- Induced Senescence 電離放射線により誘発される老化
Negative Binomial GLM 負の二項分布のGLM
Fisher p-val combination フィッシャーのp値の組み合わせ
Inverse Normal p-val combination 逆正規のp値の組み合わせ
Quiescence 静止状態
Senescence 老化
Signatures per stimulus 刺激によるシグネチャ
Signatures independent of stimulus 刺激と無関係なシグネチャ

図2A
Datasets used 使用したデータセット
Senescence Signature for Fibroblasts Meta-analysis different studies 線維芽細胞のメタ解析の様々な研究のための老化シグネチャ
Melanocytes メラノサイト
Hernandez Segura ヘルナンデス・セグラ
Keratinocytes ケラチノサイト
Astrocytes 星状細胞
Crowe クロウ
D.E. analysis D.E.分析
Gene List Comparison 遺伝子リスト比較
Methods 方法
Shared signature among Cell Types 細胞型間で共有されるシグネチャ
Universal Senescence Signature 普遍的老化シグネチャ

図2B
Astrocytes 星状細胞
Fibroblasts 線維芽細胞
Keratinocytes ケラチノサイト
Melanocytes メラノサイト

図2C
signal transduction in absence of ligand リガンドの非存在下でのシグナル伝達
Golgi stack ゴルジスタック
chromosome, centromeric region 染色体、動原体領域
regulation of smoothened signaling pathway 円滑化されたシグナル伝達経路の調節
positive regulation of nitrogen compound metabolic process 窒素化合物代謝プロセスの正の調節
positive regulation of biosynthetic process 生合成プロセスの正の調節
cellular response to light stimulus 光刺激に対する細胞応答
response to UV UVに対する反応
regulation of cellular protein localization 細胞タンパク質局在の調節
regulation of gene expression 遺伝子発現の調節
regulation of intracellular transport 細胞内輸送の調節

図2D
P-value P値
Pathway 経路
Source 情報源
Downregulated 下方調節
Cohesin Loading onto Chromatin クロマチンへのコヒーシンのローディング
Establishment of Sister Chromatid Cohesion 姉妹染色分体接着の確立
Mitonic Telophase/Cytokinesis 有糸分裂終期/細胞質分裂
Hedgehog signaling events mediated by Gli proteins Gliタンパク質により介在されるハリネズミシグナル伝達現象
Hedgehog ハリネズミ
S Phase S期
Androgen receptor signaling pathway アンドロゲン受容体シグナル伝達経路
Resolution of Sister Chromatid Cohesion 姉妹染色分体接着の消失
Mitotic Prometaphase 有糸分裂前中期
Separation of Sister Chromatids 姉妹染色文体の分離
Upregulated 上方調節
Apoptosis Modulation and Signaling アポトーシスの調節とシグナル伝達
Late Phase of HIV Life Cycle HIV生活環の後期
Direct p53 effectors 直接のp53エフェクター
HIV Life Cycle HIV生活環

図3A
Fibroblasts 線維芽細胞
Melanocytes メラノサイト
Keratinocytes ケラチノサイト
Day 0 0日目
Day 4 4日目
Day 10 10日目
Day 20 20日目
Signatures per time point 時点ごとのシグネチャ
Shared IRIS signature among all time points and cell types 全ての時点及び細胞型間で共有されたIRISシグネチャ

図3B
Fibroblasts 線維芽細胞
Melanocytes メラノサイト
Keratinocytes ケラチノサイト
Quiescence 静止状態
Day_20 20日目
Da_10 10日目
Day_4 4日目

図4
Fold Change 倍率変化
Day post irradiation 照射後日数
Fibroblasts 線維芽細胞
Melanocytes メラノサイト
Keratinocytes ケラチノサイト

図5
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図6
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図7
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図8
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図9
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図10
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図11
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図12
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図13
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図14
BJ, DeltaCt normalized to Tublin BJ、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Keratinocytes, DeltaCt normalized to Tublin ケラチノサイト、チューブリンに対して正規化したデルタCt
HCA2, DeltaCt normalized to Tublin HCA2、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Melanocytes, DeltaCt normalized to Tublin メラノサイト、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Condition 条件

図15
Score スコア
Overall Score 全体のスコア
BJ, DeltaCt normalized to Tublin BJ、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Keratinocytes, DeltaCt normalized to Tublin ケラチノサイト、チューブリンに対して正規化したデルタCt
HCA2, DeltaCt normalized to Tublin HCA2、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Melanocytes, DeltaCt normalized to Tublin メラノサイト、チューブリンに対して正規化したデルタCt
Condition 条件

図16
SA-bgal+ cells (%) SA-bgal+細胞 (%)
EdU+ cells (%) EdU+細胞 (%)
Normalized Fold Change 正規化した倍率変化

図18
TSPAN13 Intensity (A.U.) TSPAN13強度(A.U.)

図19
EdU+ cells EdU+細胞
CONTROL 対照
DOXORUBICIN ドキソルビシン
PALBOCICLIB パラボシクリブ
SA-bgal+ cells SA-bgal+細胞
TSPAN13 Intensity (A.U.) TSPAN13強度(A.U.)
Doxorubicin ドキソルビシン
Palbociclib パラボシクリブ

図20
Count カウント
Fold Change 倍率変化

Claims (20)

  1. 6個以上のポリペプチド、又はそれらをコードするmRNAを含むバイオマーカーパネルの使用であって、ここで該パネルが少なくともバイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、又はそれらの変異体若しくは断片を細胞老化のバイオマーカーセットとして含む、使用。
  2. 前記セットが、更にCTLN、FAM214B、PATZ 1、PLXNA3、STAG1、TOLLIP、TRDMT1、ZBTB7A、ARID2、B4GALT7、CHMP5、CREBBP、DDA1, DYNLT3、EFNB3、ICE1、MEIS1、NOL3、PCIF1、PDLIM4, PDS5B、RAI14、RHNO1、SCOC、SLC16A3、SMO、SPIN4、TAF13、TMEM87B、UFM1及びZNHIT1、又はそれらの変異体若しくは断片からなる群から選択される、1以上のバイオマーカーを含む、請求項1に記載の使用。
  3. 前記セットが、バイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、並びに、DYNLT3及びPLXNA3の1つ若しくは両方、又はそれらの変異体若しくは断片を含む、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記セットが、バイオマーカーTSPAN13、GDNF、C2CD5、SUSD6、BCL2L2、PLK3、DYNLT3及びPLXNA3、又はそれらの変異体若しくは断片を含む又はからなる、請求項3に記載の使用。
  5. TSPAN13ポリペプチド又はそれをコードするmRNA、又はそれらの変異体若しくは断片の細胞老化バイオマーカーとしての使用。
  6. 試験試料中の老化細胞を検出する方法であって、
    該方法は、該試料中で、少なくとも請求項1〜5のいずれか一項に記載の老化細胞バイオマーカーのセット又はバイオマーカーの発現を検出することを含み、ここで参照試料中で検出された発現レベルと比較した少なくとも1つの該バイオマーカーの発現レベルの変化が、該試料中に存在する老化細胞の指標である、方法。
  7. 参照試料中で検出された発現レベルと比較した、TSPAN13、GDNF、C2CD5、PLXNA3、SUSD6、BCL2L2及び/又はPLK3、又はそれらの変異体若しくは断片の発現レベルの上昇が、該試料中に存在する老化細胞の指標である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記試験試料が被験体から採取された体試料であり、好ましくは、ここで該試料が、血液、血漿、血清、髄液、尿、汗、唾液、涙、乳房吸引液、前立腺液、精液、膣液、糞便、子宮頸管掻爬、細胞、羊水、眼内液、粘液、息の水分、動物組織、細胞溶解物、腫瘍組織、髪、皮膚、腔内粘膜、爪、骨髄、軟骨、プリオン、骨粉末、耳垢、又はそれらの組み合わせを含む、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記被験体が、実験動物又はヒトである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。

  10. 試料中の老化細胞を検出するための老化細胞検出キットであって、
    該キットは、被験体由来の試料中の少なくとも請求項1〜4のいずれか一項に記載のバイオマーカーポリペプチド又はmRNAのセットの存在を検出するための手段を含む、キット。
  11. 少なくとも1つの対照試料又は参照試料を含み、好ましくは陰性対照及び/又は陽性対照を含む、請求項10に記載のキット。
  12. 老化細胞を殺傷するための薬物複合体であって、
    該複合体は、(i)使用中に、TSPAN13、GDNF、FAM214B、PLXNA3、SUSD6、TOLLIP、ZBTB7A、B4GALT7、BCL2L2、CHMP5、DDA1、DYNLT3、NOL3、PDLIM4、PLK3、RAI14、SCOC、SLC16A3、TAF13、TMEM87B、UFM1及びZNHIT1からなる群から選択される少なくとも1つの老化細胞バイオマーカーに特異的に標的化及び結合するように構成された老化細胞標的化剤と、好ましくはここで該標的化剤がTSPAN13、PLXNA3、SUSD6、GDNF、FAM214B、TOLLIP and ZBTB7Aからなる群から選択されるバイオマーカーに結合する、並びに (ii) 結合した老化細胞を殺傷する細胞毒性剤とを含む、薬物複合体。
  13. 使用時に、TSPAN13に特異的に標的化及び結合するように構成された標的化剤を含む、請求項12に記載の薬物複合体。
  14. 前記標的化剤が、抗体若しくはその抗原結合断片、アプタマー、プラスチック抗体又は小分子である、請求項12又は13に記載の薬物複合体。
  15. 前記細胞毒性剤が、老化細胞抑制剤、放射性同位元素、毒素又は毒性ペプチドであり、好ましくは老化細胞抑制剤である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の薬物複合体。
  16. 前記細胞毒性 (senolytic)が、(a)Bcl-2抗アポトーシスタンパク質ファミリーメンバーの阻害剤、(b)MMD2阻害剤、又は(c)Akt特異的阻害剤、好ましくは1以上のBCL-2抗アポトーシスタンパク質ファミリーメンバーの阻害剤であり、ここで該阻害剤が少なくともBcl-xLを阻害し、より好ましくはABT-263、ABT-737、WEHI-539、及びA-1 155463から選択される、請求項15に記載の薬物複合体。
  17. 医薬品として使用するための、請求項12〜16のいずれか一項に記載の薬物複合体。
  18. 加齢性疾患の治療、遅延、予防又は改善における使用のための、請求項12〜17のいずれか一項に記載の薬物複合体であって、好ましくはここで該加齢性疾患がアテローム性動脈硬化症、循環器疾患、癌、関節炎、緑内障、白内障、骨粗鬆症、2型糖尿病、高血圧症、アルツハイマー病又は他のタイプの認知症である、薬物複合体。
  19. 請求項12〜16のいずれか一項に記載の薬物複合体と、薬学的に許容される溶媒とを含む、医薬組成物。
  20. 治療上有効な量の、非老化細胞よりも老化細胞を選択的に殺傷する、請求項12〜16のいずれか一項に記載の薬物複合体を含む医薬組成物をそれを必要とする被験体に投与することを含む、老化関連疾患又は障害を治療する方法。
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