(詳細な説明)
本明細書では、セレンテラジンアナログが開示される。本開示の化合物は、セレンテラジンアナログコア、共有結合鎖リンカー、及び極性基を含む。セレンテラジンアナログコアは、酵素の結合部位でルシフェラーゼに結合することができる。共有結合鎖は、極性基がセレンテラジンアナログの細胞膜透過性を減少させるように、酵素の結合ポケットの外に拡張することができる。したがって、本開示の化合物は、ルシフェラーゼ基質コアが極性基に対し共有結合的に繋留している点において、従来のルシフェラーゼ基質とは構造的に異なる。本開示の化合物は、予想外にも、細胞発光を発するルシフェラーゼ基質活性を維持し、同時にセレンテラジンアナログの細胞膜透過性の低減を可能にする。
セレンテラジンアナログは、式(I)の化合物であり、セレンテラジンを利用して発光を産生する有用なタンパク質基質であり得る。発光としては、以下に限定されないが、ルシフェラーゼ及び発光タンパク質が挙げられ、これらは様々な海洋生物に見いだされ、例えば、刺胞動物(例えば、Renillaルシフェラーゼ)、クラゲ(例えば、Aequoreaクラゲからのエクオリン)、及び十脚類ルシフェラーゼ(例えば、Oplophorus gracilirostrisのルシフェラーゼ複合体)がある。本開示のセレンテラジンアナログは、安定したリンカーにより、様々な極性基に繋留され得る。極性基は、セレンテラジンアナログの細胞膜透過性を減少させることが可能であり、そのため、細胞外及び細胞表面の事象の生物発光イメージングを可能にすると考えられる。
本明細書では、本開示の化合物を作製する方法も開示される。記載の方法論により、様々な極性基に繋留されたセレンテラジンへのアクセスが可能となり、またこの方法論は、幅広い種類のすぐに利用可能な出発材料を利用して、穏やかな条件下で実施することができる。本開示の合成方法は、予想外にも、セレンテラジンアナログに基づいた生物発光技術における様々な新規の用途や前進をもたらす。
1.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。矛盾が生じる場合は、定義を含め、本文書が優先される。好ましい方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載されている方法及び材料と同様または同等であるものも、本発明の実施及び試験で使用することができる。本明細書で言及されている全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。本明細書で開示されている材料、方法、及び実施例は、例示的なものに過ぎず、限定的であるようには意図されていない。
本明細書で使用される「〜を含む(comprise)」、「〜を含む(include)」、「〜を有する(having)」、「〜を有する(has)」、「〜することができる(can)」、「〜を含有する(contain)」という用語、及びこれらの変形は、追加的な行為または構造の可能性を排除しないオープンエンドな移行句、用語、または単語であるように意図されている。文脈による別段の明確な定めがない限り、単数形「a」、「an、及び「the」には複数の指示対象が含まれる。また、本開示は、明示的に示されているか否かにかかわらず、本明細書で提示されている実施形態または要素「を含む」または「から本質的になる」他の実施形態も企図している。
量に関連して使用される「約」という修飾語は、記載された値を含み、文脈により定められた意味を有する(例えば、「約」は、少なくとも、特定の量の測定に関連した誤差の程度を含む)。また、「約」という修飾語は、2つの終点の絶対値により定義された範囲を開示するものとしてみなされるべきである。例えば、「約2〜約4」という表現は、「2〜4」という範囲も開示している。「約」という用語は、示された数字のプラスマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は9%〜11%の範囲を示すことができ、「約1」は0.9〜1.1を意味することができる。「約」の他の意味は、四捨五入のように文脈から明らかになる場合があり、そのため、例えば「約1」は0.5〜1.4を意味する場合もある。
特定の官能基及び化学用語の定義を、下記でさらに詳細に記載する。本開示の目的において、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.(表紙裏)に従って同定され、特定の官能基は、概して、当該文献に記載されている通りに定義されている。さらに、有機化学の一般的原理や、特定の機能部分及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されており、これらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、本明細書で定義されているアルキル基であって、酸素原子を介して親分子部分に付加されているアルキル基を指す。アルコキシの代表例としては、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、及びtert−ブトキシが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を含有する、直鎖状または分枝状の飽和した炭化水素鎖を意味する。「低級アルキル」または「C1−C6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖状鎖または分枝状鎖の炭化水素を意味する。「C1−C3アルキル」という用語は、1〜3個の炭素原子を含有する直鎖状鎖または分枝状鎖の炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、以下に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルが挙げられる。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素間二重結合を伴った、2〜10個の炭素原子を含有する炭化水素鎖を意味する。アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。例えば、アルケニル基は、フェニルのようなアリール基で置換されていてもよい。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素間三重結合を伴った、2〜10個の炭素原子を含有する炭化水素鎖を意味する。アルキニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。例えば、アルキニル基は、フェニルのようなアリール基で置換されていてもよい。
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書で定義されているアルコキシ基であって、本明細書で定義されているアルキル基を介して親分子部分に付加されているアルコキシ基を指す。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、1〜10個の炭素原子の、例えば2〜5個の炭素原子の、直鎖状鎖または分枝状鎖の炭化水素に由来する、二価の基を指す。アルキレンの代表例としては、以下に限定されないが、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、及び−CH2CH2CH2CH2CH2−が挙げられる。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、フェニル基、または二環式アリールもしくは三環式アリールの縮合環系を指す。二環式縮合環系の適例は、親分子部分に付加され、フェニル基に縮合しているフェニル基である。三環式縮合環系の適例は、親分子部分に付加され、他の2個のフェニル基に縮合しているフェニル基である。二環式アリールの代表例としては、以下に限定されないが、ナフチルが挙げられる。三環式アリールの代表例としては、以下に限定されないが、アントラセニルが挙げられる。単環式、二環式、及び三環式のアリールは、環内に含まれる任意の炭素原子を介して親分子部分に接続しており、置換されていなくても置換されていてもよい。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子及び0個のヘテロ原子を含有し、任意選択により1つまたは2つの二重結合を含有する炭素環式環系を指す。シクロアルキルの代表例としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、及びシクロデシルが挙げられる。
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素間二重結合を含有し、好ましくは環当たり5〜10個の炭素原子を有する、非芳香族の単環式環系または多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、またはシクロへプテニルが挙げられる。
本明細書で使用される「フルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義されているアルキル基であって、1、2、3、4、5、6、7、または8個の水素原子がフッ素により置き換えられているアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表例としては、以下に限定されないが、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び3,3,3−トリフルオロプロピルのようなトリフルオロプロピルが挙げられる。
本明細書で使用される「アルコキシフルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義されているアルコキシ基であって、フルオロアルキル基を介して親分子部分に付加されているアルコキシ基を指す。
本明細書で使用される「フルオロアルコキシ」という用語は、少なくとも1個の、本明細書で定義されているフルオロアルキル基が、酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。フルオロアルキルオキシの代表例としては、以下に限定されないが、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、及び2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。
本明細書で使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、Cl、Br、I、またはFを意味する。
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義されているアルキル基であって、1、2、3、4、5、6、7、または8個の水素原子がハロゲンにより置き換えられているアルキル基を意味する。
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」という用語は、少なくとも1個の、本明細書で定義されているハロアルキル基が、酸素原子を介して親分子部分に付加されていることを意味する。
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で定義されているアルキル基であって、炭素原子のうちの1個以上が、S、Si、O、P、及びNから選択されるヘテロ原子により置き換えられているアルキル基を意味する。このヘテロ原子は、酸化されていてもよい。ヘテロアルキルの代表例としては、以下に限定されないが、アルキルエーテル、2級及び3級アルキルアミン、アミド、ならびにアルキルスルフィドが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、芳香族の単環式環、または芳香族の二環式環系、または芳香族の三環式環系を指す。芳香族の単環式環は、N、O、及びSからなる群から独立的に選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、及びNから独立的に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子)を含有する、5員または6員の環である。5員の芳香族の単環式環は、2つの二重結合を有し、6員の芳香族の単環式環は、3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基の適例は、親分子部分に付加され、かつ本明細書で定義されている単環式シクロアルキル基、本明細書で定義されている単環式アリール基、本明細書で定義されている単環式へテロアリール基、または本明細書で定義されている単環式複素環に縮合している、単環式へテロアリール環である。三環式ヘテロアリール基の適例は、親分子部分に付加され、かつ本明細書で定義されている単環式シクロアルキル基、本明細書で定義されている単環式アリール基、本明細書で定義されている単環式へテロアリール基、または本明細書で定義されている単環式複素環のうちの2つに縮合している、単環式へテロアリール環である。単環式へテロアリールの代表例としては、以下に限定されないが、ピリジニル(ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イルを含む)、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、及び2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジニルが挙げられる。二環式へテロアリールの代表例としては、以下に限定されないが、クロメニル、ベンゾチエニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、チエノピロリル、チエノチエニル、イミダゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、イミダゾピリジン、ベンゾオキサジアゾリル、及びベンゾピラゾリルが挙げられる。三環式ヘテロアリールの代表例としては、以下に限定されないが、ジベンゾフラニル及びジベンゾチエニルが挙げられる。単環式、二環式、及び三環式のヘテロアリールは、環内に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親分子部分に接続しており、置換されていなくても置換されていてもよい。
本明細書で使用される「複素環」または「複素環式」という用語は、単環式複素環、二環式複素環、または三環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、N、及びSからなる群から独立的に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3員、4員、5員、6員、7員、または8員の環である。3員または4員の環は、ゼロまたは1つの二重結合と、O、N、及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含有する。5員の環は、ゼロまたは1つの二重結合と、O、N、及びSからなる群から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子とを含有する。6員の環は、ゼロ、1つ、または2つの二重結合と、O、N、及びSからなる群から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子とを含有する。7員及び8員の環は、ゼロ、1つ、2つ、または3つの二重結合と、O、N、及びSからなる群から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子とを含有する。単環式複素環の代表例としては、以下に限定されないが、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、1,3−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2−チアジナニル、1,3−チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、及びトリチアニルが挙げられる。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、または単環式複素環に縮合した単環式複素環、またはスピロ複素環基、あるいは、環における隣接していない2個の原子が、1、2、3、もしくは4個の炭素原子のアルキレン架橋により、または2、3、もしくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋により連結している、架橋した単環式複素環環系である。二環式複素環の代表例としては、以下に限定されないが、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロイソキノリン、2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルを含む)、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。三環式複素環の適例は、フェニル基に縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、または単環式複素環に縮合した二環式複素環、あるいは、二環式環における隣接していない2個の原子が、1、2、3、もしくは4個の炭素原子のアルキレン架橋により、または2、3、もしくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋により連結している、二環式複素環である。三環式複素環の例としては、以下に限定されないが、オクタヒドロ−2,5−エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ−2H−2,5−メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ−1H−1,4−メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ−アダマンタン(1−アザトリシクロ[3.3.1.13.7]デカン)、及びオキサ−アダマンタン(2−オキサトリシクロ[3.3.1.13.7]デカン)が挙げられる。単環式、二環式、及び三環式の複素環は、環内に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親分子部分に接続しており、置換されていなくても置換されていてもよい。
本明細書で使用される「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を意味する。
一部の場合において、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキルまたはシクロアルキル)における炭素原子の数は、プレフィックス「Cx−Cy−」(式中、xは、置換基における炭素原子の最小数であり、yは、置換基における炭素原子の最大数である)により示される。したがって、例えば、「C1−C3−アルキル」とは、2〜3個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。
「置換基」という用語は、アリール、ヘテロアリール、フェニル、またはピリジニル基上でその基における任意の原子が「置換された」基を指す。任意の原子が置換され得る。
「置換された」という用語は、1個以上の非水素置換基でさらに置換され得る基を指す。置換基としては、以下に限定されないが、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート、及びアシルが挙げられる。
本明細書に記載されている化合物について、その基及び置換基は、許容される原子価及び置換基に従って選択することができ、この選択及び置換により、安定した化合物、例えば、転位、環化、脱離などによるような変換を自発的に起こさない化合物がもたらされるようにする。
「生物発光」または「発光」という用語は、酵素と光を産生する基質との反応の結果として生成された光を指すことができる。このような酵素(生物発光酵素)の例としては、Oplophorusルシフェラーゼ(例えば、Oplophorus gracilirostris)、ホタルルシフェラーゼ(例えば、Photinus pyralisまたはPhoturis pennsylvanica)、コメツキムシルシフェラーゼ、Renillaルシフェラーゼ、cypridinaルシフェラーゼ、エクオリン発光タンパク質、オベリン発光タンパク質などが挙げられる。
「セレンテラジン基質」という用語は、ルシフェラーゼ(例えば、海洋生物ルシフェラーゼ)のような幅広い種類の生物発光タンパク質の作用を受けると発光する、レポーター分子のクラスを指す。セレンテラジン基質には、セレンテラジンに加えて、そのアナログ及び誘導体が含まれる。
本明細書で使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードラジカルを指す。
本明細書で互換的に使用される「発光酵素」、「生物発光酵素」、または「ルシフェラーゼ」という用語は、生物発光で使用される酸化的酵素のクラスを指し、当該酵素は、基質を与えられると、光を生成し光を発する。ルシフェラーゼは、ルシフェラーゼ基質を使用する天然存在の、組換えの、または変異体のルシフェラーゼであり得る。ルシフェラーゼ基質は、ルシフェリン、ルシフェリンの誘導体もしくはアナログ、プレルシフェリンの誘導体もしくはアナログ、セレンテラジン、またはセレンテラジンの誘導体もしくはアナログであり得る。発光酵素は、天然存在の場合、当業者により生物から容易に取得することができる。発光酵素が、天然に存在する酵素である、または組換えもしくは変異体の酵素である場合、例えば、天然存在の発光酵素のルシフェラーゼ−セレンテラジン反応またはルシフェラーゼ−ルシフェリン反応において活性を保持する酵素である場合、発光酵素は、細菌、酵母、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞などの培養物から容易に取得することができる。さらに、組換えまたは変異体の発光酵素は、ルシフェラーゼをコードする核酸を用いたin vitroの無細胞系に由来していてもよい。好適な発光酵素としては、生物発光十脚類に由来するルシフェラーゼ、例えば、Oplophoroideaからのもの(例えば、Oplophorus由来ルシフェラーゼ)、コメツキムシルシフェラーゼ(例えば、Photinus pyralis、Photuris pennsylvanicaなど)、刺胞動物のような海洋生物(例えば、Renillaルシフェラーゼ)、Aristeidae、Solenoceridae、Luciferidae、Sergestidae、Pasipheidae、及びThalassocarididaeの十脚類ファミリー、カイアシ類ルシフェラーゼ、例えば、Gaussiaルシフェラーゼ、例えば、Gaussia princepsルシフェラーゼ、Metridiaルシフェラーゼ、例えば、Metridia longaルシフェラーゼ及びMetridia pacificaルシフェラーゼ、Vargulaルシフェラーゼ、例えば、Vargula hilgendorfiiルシフェラーゼ、Pleuromamma xiphiasルシフェラーゼ、ならびに発光タンパク質、例えば、エクオリン、ならびにこれらのバリアント、組換え体、及び変異体が挙げられる。
「発光反応混合物」は、発光酵素が光シグナル、すなわち発光を産生するのを可能にする材料を含有する。この混合物は、酵素、例えば、ルシフェラーゼ酵素またはルシフェラーゼも含有することができる。発光シグナルの産生に必要な材料、ならびに特定の濃度及び/または量は、使用する発光酵素や実施するアッセイのタイプに応じて変動することになる。しばしば、以下を含めた他の材料も溶液に添加されることになる:適正なpHで反応を維持するための緩衝液、酵素活性を維持する一助とするためのPRIONEXまたはウシ血清アルブミン(BSA)のような添加物、還元剤、洗浄剤など。
本明細書で使用される「Oplophorusルシフェラーゼ」及び「Oplophorus由来ルシフェラーゼ」という用語は互換的に使用され、深海エビOplophorus gracilirostris(例えば、配列番号1)(その野生型、バリアント、及び変異体を含む)から分泌されるルシフェラーゼを指す。例えば、好適なOplophorusルシフェラーゼバリアントは、米国特許第8,557,970号及び第8,669,103号で説明されており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。例示的なOplophorus由来ルシフェラーゼとしては、例えば、配列番号2のもの(本明細書では、互換的に「NanoLuc」、「Nluc」、「Nlucルシフェラーゼ」、及び「Nluc酵素」とも称される)が挙げられる。
本明細書で使用される「レポーター部分」という用語は、適切な条件下で検出可能なシグナルを直接的または間接的に産生する部分を指すことができる。例示的なレポーター部分としては、以下に限定されないが、フルオロフォア、発光分子、色素、放射標識、及びルシフェラーゼのような酵素用の基質が挙げられる。一部の実施形態において、レポーター部分は、例えば、レポーター部分が酵素用の基質であるとき、検出可能なシグナルを間接的に産生することができる。酵素と基質との反応は、次に、蛍光または発光のような検出可能なシグナルを産生する。本明細書で使用される「生物発光レポーター部分」という用語は、ルシフェラーゼ用の基質である部分を指すことができる。例えば、生物発光タンパク質は、ルシフェリン、ルシフェリン誘導体、例えば、プレ−ルシフェリン、アミノルシフェリン、キノリル−ルシフェリン、ナフチルルシフェリン、フルオロルシフェリン、クロロルシフェリン、ルシフェリン誘導体の前駆体、セレンテラジン、またはセレンテラジンの誘導体もしくはアナログ、例えば、フリマジンであり得る。産生された発光シグナルは、ルミノメーターを用いて検出することができる。本明細書で使用される「蛍光レポーター部分」という用語は、蛍光発光する部分を指すことができる。例えば、蛍光レポーター部分は、フルオロフォア、例えば、クマリン、R110、フルオレセイン、DDAO、レゾルフィン、クレシルバイオレット、シリルキサンテン、またはカーボピロニンであり得る。蛍光は、フルオロメーターを用いて検出することができる。
本明細書における数値範囲の列挙については、同じ精度を伴った、その範囲の間に介在する各々の数が明示的に企図されている。例えば、6〜9という範囲については、6と9に加えて7と8という数が企図されており、6.0〜7.0という範囲については、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0という数が明示的に企図されている。
2.化合物
一態様において、式(I)の化合物:
(I)
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩が開示される。
[式中、
X及びYは、独立的に、不在、ヒドロキシ、アミノ、−COOR2、−SO2−OR3、−PO(OR4)(OR5)、または−O−(CR1aR1b)m−Zであり、
R1は、任意選択により置換されたアリール、任意選択により置換されたヘテロアリール、任意選択により置換された複素環、または任意選択により置換されたシクロアルキルであり、ただし、X及びYの両方が不在である場合、R1が少なくとも−Q−L−Zで置換されていることを条件とし、
各出現におけるZは、独立的に、−COOR2、−SO2−OR3、−PO(OR4)(OR5)、ハロゲン、−NR6R7、または−NR8−CO−R9であり、
Qは、−O−、−NRQ−、−NRQ−CO−、−CO−NRQ−、−O−CO−NRQ−、または−NRQ−CO−O−であり、
Lは、−(CR1aR1b)m−または−(CR1xR1y−CR1xR1y−O)t1−(CR1xR1y)t2−Q1−であり、式中、Q1は、不在、−O−、または−NRQ1−であり、
各出現におけるR2、R3、R4、R5、R8、及びR9は、独立的に、水素、任意選択により置換されたC1−C8アルキル、任意選択により置換されたアリール、任意選択により置換されたシクロアルキル、任意選択により置換されたヘテロアリール、または任意選択により置換された複素環であり、
各出現におけるR6及びR7は、独立的に、水素、任意選択により置換されたC1−C8アルキル、任意選択により置換されたアリール、任意選択により置換されたシクロアルキル、任意選択により置換されたヘテロアリール、または任意選択により置換された複素環であり、あるいはR6及びR7は、R6及びR7が付着している窒素原子と一緒になって、任意選択により置換された環を一緒に形成し、
各出現におけるR1a、R1b、RQ、RQ1、R1x、及びR1yは、独立的に、水素、C1−C4アルキル、またはC1−C4ハロアルキルであり、
qは、0、1、または2であり、
各出現におけるmは、独立的に、1〜12であり、
t1は、1〜10であり、
t2は、0〜5である]
ある特定の実施形態において、R1は、少なくとも−Q−L−Zで置換されており、式中、Qは、−O−、−NH−、−NH−CO−、−CO−NH−、−O−CO−NH−、または−NH−CO−O−であり、Lは、−(CR1aR1b)m−である。
ある特定の実施形態において、R1は、少なくとも−Q−L−Zで置換されており、式中、Qは、−O−であり、Lは、−(CR1aR1b)m−である。例えば、−Q−L−Zは、式−O−(CR1aR1b)m−Zを有することができる。
ある特定の実施形態において、R1は、少なくとも−Q−L−Zで置換されており、式中、Lは、−(CR1xR1y−CR1xR1y−O)t1−(CR1xR1y)t2−Q1−である。これらの実施形態において、Q1は、不在であっても存在していてもよい。例えば、Q1は、存在する場合、−O−または−NH−であり得る。
ある特定の実施形態において、R1は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の置換基で置換されたアリール、ヘテロアリール、複素環、またはシクロアルキルであり、置換基の各々は独立的に、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換されたシリル、t−ブチルジメチルシリル、アルキルスルファニル、スルファニル、アシル、及び−Q−L−Zからなる群から選択される。例えば、R1は、0個または少なくとも1個の−O−(CR1aR1b)m−Zで置換されたアリール、ヘテロアリール、複素環、またはシクロアルキルであり得る。
ある特定の実施形態において、R1は、任意選択により置換されたフェニルである。例えば、ある特定の実施形態において、R1は、0、1、2、3、または4個の置換基で置換されたフェニルであり、置換基の各々は独立的に、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換されたシリル、t−ブチルジメチルシリル、アルキルスルファニル、スルファニル、アシル、及び−Q−L−Zからなる群から選択される。例えば、R1は、0個または少なくとも1個の−O−(CR1aR1b)m−Zで置換されたフェニルであり得る。
ある特定の実施形態において、R1は、任意選択により置換されたフリルである。例えば、ある特定の実施形態において、R1は、0、1、2、または3個の置換基で置換されたフリルであり、置換基の各々は独立的に、ハロゲン、=O、=S、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート、シリル、置換されたシリル、t−ブチルジメチルシリル、アルキルスルファニル、スルファニル、アシル、−Q−L−Zからなる群から選択される。R1については、0個または少なくとも1個の−O−(CR1aR1b)m−Zで置換されたフェニルであり得る。
ある特定の実施形態において、R1は、0個または少なくとも1個の−Q−L−Zで置換されたフェニルまたはフリルであり、式中、Qは、−O−であり、Lは、−(CR1aR1b)m−である。例えば、R1は、0個または少なくとも1個の−O−(CR1aR1b)m−Zで置換されたフェニルまたはフリルであり得る。−Q−L−Zに加えて、R1は、アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、及び−COOHからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
ある特定の実施形態において、R1は、下記からなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、−O−(CR1aR1b)m−Zは、下記からなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、qは1である。
ある特定の実施形態において、Xは、不在、ヒドロキシ、−C(O)−OH、または−C(O)−O−C1−C6−アルキルであり、Yは不在である。ある特定の実施形態において、Xは不在であり、Yは不在である。
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−a):
(I−a)
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を有する。
[式中、
R1cは、アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、及び−COOHからなる群から選択され、
nは、0、1、2、3、または4であり、
X、Y、R1a、R1b、m、及びZは、上記で定義されている通りである]
ある特定の実施形態において、化合物は式(I)または式(I−a)を有し、式中、X及びYのうちの少なくとも1つは不在である。例えば、ある特定の実施形態において、化合物は式(I−a)を有し、式中、Xは不在である、またはYは不在である、またはX及びYの両方が不在である。
ある特定の実施形態において、化合物は式(I)または式(I−a)を有し、式中、R1cはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。
ある特定の実施形態において、化合物は式(I)または式(I−a)を有し、式中、mは、3、4、5、6、7、8、9、または10である。例えば、mは、4、6、8、または10であり得る。
ある特定の実施形態において、化合物は、式(I)または式(I−a)(式中、Zは、−COOR2、−SO2−OR3、もしくは−PO(OR4)(OR5)である)、またはその薬学的に許容される塩を有する。例えば、ある特定の実施形態において、化合物は式(I−a)を有し、Zは、カルボキシレート基(−COOHを含む)、カルボン酸エステル(例えば、t−ブチルエステル)、またはその塩である。他の実施形態において、化合物は式(I−a)を有し、Zは、スルホネート基(例えば、−SO3H)、スルホン酸エステル(例えば、2,2,2−トリクロロエチルエステル)、またはその塩(例えば、ナトリウム塩)である。他の実施形態において、化合物は式(I−a)を有し、Zは、ホスホネート基(−PO(OH)2を含む)、そのモノエステルもしくはジエステルまたは塩である。
ある特定の実施形態において、化合物は式(I)または式(I−a)を有し、Zは、−NR6R7、またはその薬学的に許容される塩である。例えば、Zは、各出現におけるR6及びR7が、独立的に、水素または任意選択により置換されたC1−C8アルキルである−NR6R7であってもよい。
ある特定の実施形態において、化合物は、式(I)または式(I−a)を有し、Zは、−NR8−CO−R9、またはその薬学的に許容される塩である。
[式中、
R9は、−(CR9aR9b−NH−CO)u−R10であり、
各出現におけるR9a及びR9bは、独立的に、水素、または任意選択により−COOR9cで置換されたC1−C4アルキルであり、
各出現におけるR9cは、独立的に、水素またはC1−C4アルキルであり、
R10は、任意選択により置換されたC1−C8アルキルであり、
uは、0〜10である]
ある特定の実施形態において、化合物は、式(I)または式(I−a)を有し、Zは、−NR8−CO−R9、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R8は水素であり、R9は、
である。
例えば、Zは、
であってもよい。
ある特定の実施形態において、Zは、−NR8−CO−R9またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R9は、電子的に荷電した側鎖を有するアミノ酸、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸、ならびにこのようなアミノ酸を含有するペプチドを含めた、1つ以上のアミノ酸またはペプチドの残基を含む。
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−b):
(I−b)
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を有する。
[式中、
R1dは、水素、アルキル、ハロゲン、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、及び−COOHからなる群から選択され、
vは、0、1、2、または3であり、
X及びYは、各々が独立的に、不在、−COOR2、−SO2−OR3、−PO(OR4)(OR5)、または−O−(CR1aR1b)m−Zであり、
X及びYのうちの少なくとも1つが存在し、
R2、R3、R4、R5、R1a、R1b、m、及びZは、上記で定義されている通りである]
ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、式中、Xは存在し、Yは不在である。ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、式中、Xは不在であり、Yは存在する。
ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、式中、Xは、−COOR2、−SO2−OR3、−PO(OR4)(OR5)、または−O−(CR1aR1b)m−Zであり、Yは不在である。例えば、ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、Xは存在し、このときXは、カルボキシレート基(−COOHを含む)、カルボン酸エステル(例えば、t−ブチルエステル)、またはその塩を含有する。他の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、Xは存在し、このときXは、スルホネート基(例えば、−SO3H)、スルホン酸エステル(例えば、2,2,2−トリクロロエチルエステル)、またはその塩(例えば、ナトリウム塩)を含有する。他の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、Xは存在し、このときXは、ホスホネート基(−PO(OH)2を含む)、そのモノエステルもしくはジエステルまたは塩を含有する。
ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、式中、Xは不在であり、Yは、−COOR2、−SO2−OR3、−PO(OR4)(OR5)、または−O−(CR1aR1b)m−Zである。例えば、ある特定の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、Yは存在し、このときYは、カルボキシレート基(−COOHを含む)、カルボン酸エステル(例えば、t−ブチルエステル)、またはその塩を含有する。他の実施形態において、化合物は式(I−b)を有し、Yは存在し、このときYは、スルホネート基(例えば、−SO3H)、スルホン酸エステル(例えば、2,2,2−トリクロロエチルエステル)、またはその塩(例えば、ナトリウム塩)を含有する。他の実施形態において、化合物は式(I−b)を有Aは、Yは存在し、このときYは、ホスホネート基(−PO(OH)2を含む)、そのモノエステルもしくはジエステルまたは塩を含有する。
好適な化合物には、下記のものが含まれる:
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル、
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル、
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸、
8−ベンジル−2−(3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン、
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、
4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル、
3−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム、
4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸、
8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル、
8−ベンジル−2−(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン、
8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸、
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル、
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸、
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、
(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸、
8−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、
10−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム、
6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、
2−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン、
6−(4−((8−ベンジル−6−(3−ヒドロキシフェニル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸、
(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸、
3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル、
3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸、
4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸、及び
6−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)フェニル)−8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン。
化合物名は、CHEMDRAW(登録商標)ULTRA v.12.0の一部としてのStruct=Name命名アルゴリズムを使用することにより、割り当てられている。
本明細書に記載されている化合物は、塩の形態をとることができる。化合物の中性形態は、塩を塩基または酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することにより再生することができる。化合物の親形態は、様々な塩形態に対し、ある特定の物理的特性(例えば、極性溶媒における溶解性)が相違するが、それ以外では、これらの塩は、本開示の目的において、化合物の親形態と同等である。
例えば、化合物がアニオン性である、またはアニオン性になり得る官能基を有する場合(例えば、−COOHは−COO-になり得る)、塩は、好適なカチオンを用いて形成することができる。好適な無機カチオンの例としては、以下に限定されないが、Na+及びK+のようなアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+のようなアルカリ土類カチオン、及びその他のカチオンが挙げられる。好適な有機カチオンの例としては、以下に限定されないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)及び置換されたアンモニウムイオン(例えば、NH3R1 +、NH2R2 +、NHR3 +、NR4 +)が挙げられる。一部の好適な置換されたアンモニウムイオンの例は、以下に由来するものである:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、ならびにリジン及びアルギニンのようなアミノ酸。
化合物がカチオン性である、またはカチオン性になり得る官能基を有する場合(例えば、−NH2は−NH3 +になり得る)、塩は、好適なアニオンを用いて形成することができる。好適な無機アニオンの例としては、以下に限定されないが、次の無機酸に由来するものが挙げられる:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸。
好適な有機アニオンの例としては、以下に限定されないが、次の有機酸に由来するものが挙げられる:2−アセチルオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び吉草酸。好適な高分子有機アニオンの例としては、以下に限定されないが、次の高分子酸に由来するものが挙げられる:タンニン酸、カルボキシメチルセルロース。
別段の指定がない限り、本明細書において特定の化合物に対し言及するときには、その塩形態も含まれる。
化合物は、不斉中心またはキラル中心が存在する立体異性体として存在してもよい。立体異性体は、キラル炭素原子の周囲の置換基の構成に応じて「R」または「S」である。本明細書で使用されている「R」及び「S」という用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry,in Pure Appl.Chem.,1976,45:13−30で定義されている構成である。本開示は、様々な立体異性体及びその混合物を企図しており、それらは、本発明の範囲内に明確に含まれる。立体異性体には、エナンチオマーと、ジアステレオマーと、エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物とが含まれる。化合物の個々の立体異性体は、好ましくは、不斉中心もしくはキラル中心を含有する市販の出発材料から合成して、またはラセミ混合物を調製した後に当業者に周知の分割法を用いることにより、調製することができる。このような分割法の適例は、(1)エナンチオマーの混合物をキラル補助剤に付着させ、得られたジアステレオマー混合物を再結晶もしくはクロマトグラフィーにより分離し、補助剤から光学的に純粋な生成物を任意選択により遊離させる方法(Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,“Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry”,5th edition(1989),Longman Scientific & Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載)、または(2)キラルクロマトグラフィーカラム上で光学エナンチオマーの混合物を直接分離する方法、または(3)分別再結晶法である。
一部の実施形態において、本明細書で開示されている化合物の調製物に対し、選択された立体中心に対応する選択された立体化学(例えば、RまたはS)を有する化合物の異性体が濃縮される。例えば、化合物は、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の選択された立体中心の選択された立体化学を有する化合物に対応する純度を有する。
化合物は、互変異性形態、さらに幾何異性体も有する可能性があり、これらも本発明の一態様を構成することを理解されたい。
また、本開示は、1個以上の原子が、通常自然界で見いだされる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられている事実以外は、式(I)に挙げられている化合物と同一である、同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に含めるのに好適な同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素であり、例えば、以下に限定されないが、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clである。より重い同位体(例えば、重水素、すなわち2H)による置換は、より大きい代謝安定性(例えば、in vivoの半減期増加または投薬要件の低減)に起因するある特定の治療的利点をもたらす場合があるため、一部の状況において好まれ得る。化合物は、受容体の分布を定量するための医用画像及び陽電子放出断層撮影(PET)の研究のために、陽電子を放出する同位体を組み入れることができる。式(I)の化合物に組み入れることができる好適な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O、及び18Fである。概して、式(I)の同位体標識化合物は、当業者に公知の従来的技法により、または、適切な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いた、付属の実施例に記載されているプロセスに類似するプロセスにより、調製することができる。
式(I)の化合物の特性
式(I)の化合物は、発光を生成するためのルシフェラーゼの基質であり得る。「発光」とは、適切な条件下での、例えば、セレンテラジンアナログのような好適な基質が存在する場合におけるルシフェラーゼの光出力を指す。光出力は、発光反応の開始時における瞬時またはほぼ瞬時の光出力(「T=0」発光または「フラッシュ」と称されることがある)の測定として測定することができ、この発光反応は、セレンテラジン基質の添加時に開始され得る。様々な実施形態において、発光反応は、溶液中で行われる。他の実施形態において、発光反応は、固体支持体上で行われる。溶液は、ライセート(例えば、原核生物または真核生物の発現系における細胞からのライセート)を含有することができる。他の実施形態において、発現は無細胞系で生じ、またはルシフェラーゼタンパク質は細胞外の媒体に分泌され、後者の場合は、ライセートを生成する必要がない。一部の実施形態において、反応は、適切な材料(例えば、セレンテラジンアナログ、緩衝液など)を、発光タンパク質を含有する反応チャンバー(例えば、96ウェルプレートのようなマルチウェルプレートのウェル)に注入することにより、開始される。さらに他の実施形態において、ルシフェラーゼ及び/またはセレンテラジンのアナログ(例えば、式(I)の化合物)は宿主に導入され、発光の測定は、宿主またはその一部において行われる。宿主には、生物全体、またはその細胞、組織、外植片、もしくは抽出物が含まれ得る。ある特定の実施形態において、発光の測定は、宿主の表面、例えば、細胞表面で行われる。さらに他の実施形態において、ルシフェラーゼ及び/またはセレンテラジンのアナログ(例えば、式(I)の化合物)は宿主に導入され、発光の測定は、細胞外空間で行われる。反応チャンバーは、例えば、ルミノメーターまたは光電子増倍管を用いて光出力を測定することができる読取りデバイス内に位置し得る。また、光出力または発光は、例えば、同じ反応チャンバー内で、秒単位、分単位、時単位などの期間の間、経時的に計測することもできる。光出力または発光は、時間平均、シグナル減衰の半減期、ある時間期間にわたるシグナルの和、またはピーク出力として報告することができる。発光は、相対発光単位(RLU)で測定することができる。
式(I)の化合物は、セレンテラジンまたは公知のセレンテラジンアナログ(例えば、フリマジン)に対し、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、または100以上のRLUを有し得る。
本明細書で互換的に使用される「細胞透過性」、「細胞膜透過性」、または「膜透過性」とは、化合物が細胞膜を透過する能力を指す。この語は、化合物が細胞膜内に部分的に埋め込まれる能力を指す場合がある。この語は、化合物が細胞膜を完全に通過して細胞内空間に到達する能力を指す場合がある。本明細書で開示されているセレンテラジンアナログは、細胞透過性の低下を示すことができる。
「生体適合性」とは、セレンテラジンアナログ(例えば、式(I)の化合物)に対する細胞(例えば、原核細胞または真核細胞)の認容性を指す。セレンテラジンアナログの生体適合性は、セレンテラジンアナログが宿主細胞上で引き起こすストレスに関係する。
セレンテラジンアナログ(例えば、式(I)の化合物)の生体適合性の強化は、細胞生存率及び/または細胞の成長率を測定することにより、定量することができる。例えば、セレンテラジンアナログの生体適合性の強化は、セレンテラジンアナログに曝露された細胞のルシフェラーゼ発現の不在下での細胞生存率を、天然のまたは公知のセレンテラジンと比較して測定して、セレンテラジンアナログが細胞に対しどの程度適合性及び/または毒性であるかを定量することにより、定量することができる。
特に、生体適合性の強化は、細胞生存率解析(例えば、CELLTITER−GLO(登録商標)発光細胞生存率アッセイ)、アポトーシスアッセイ(例えば、CASPASE−GLO(登録商標)アッセイ技術)、または当技術分野で公知の別の方法を用いて定量することができる。式(I)の化合物が細胞生存率またはアポトーシスに及ぼす効果は、天然のまたは公知のセレンテラジンアナログが細胞生存率またはアポトーシスに及ぼす効果と比較することができる。
また、生体適合性の強化は、セレンテラジンアナログ(例えば、式(I)の化合物)が細胞成長または遺伝子発現に及ぼす効果を測定することによっても定量することができる。例えば、式(I)の化合物における生体適合性の強化は、天然のまたは公知のセレンテラジンに曝露されているまたはセレンテラジンに曝露されていない細胞との比較で、式(I)の化合物に曝露されている細胞の試料中における、ある時間期間後の細胞数を測定することにより、またはストレス応答遺伝子の発現を定量することにより、定量することができる。式(I)の化合物が細胞成長または遺伝子発現に及ぼす効果は、天然のまたは公知のセレンテラジンと比較することができる。
B.式(I)の化合物の合成
式(I)の化合物は、合成プロセスにより、または代謝プロセスにより、調製することができる。代謝プロセスによる化合物の調製は、ヒトもしくは動物の体内(in vivo)で生じるプロセス、またはin vitroで生じるプロセスを含む。
式(I)の化合物(R1基及びqは、別段の記載がない限り、発明の概要の項に示されている意味を有する)は、スキーム1〜4及び一般手順A〜Hに示されるように合成することができる。また、好適な合成方法としては、例えば、2016年2月15日に出願されたShakhmin et al.に対する米国特許出願第62/295,363号“COELENTERAZINE ANALOGUES”(代理人整理番号016026−9574)に開示されている合成方法も挙げることができ、当該出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
次のスキームの説明で使用されている略語を挙げると、Ac2Oは無水酢酸、CDIはカルボニルジイミダゾール、MeOHはメタノール、TMGは1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、そしてTFAはトリフルオロ酢酸を表す。
スキーム1.カルボキシル基を含有するセレンテラジンアナログの合成(一般手順A、B、C、D、E、F)
スキーム2.アミン基を含有するセレンテラジンアナログ(一般手順A、D、E、F)
スキーム3.スルホネート基を含有するセレンテラジンアナログ(一般手順A、G、H、I)
スキーム4.6位の修飾を含有するセレンテラジンアナログまたはフリマジンアナログ(一般手順D、E、F)
一般手順
一般手順A(ヒドロキシルベンズアルデヒドのアルキル化):ヒドロキシルベンズアルデヒド(1当量)のアセトニトリル中溶液に、臭化アルキル(1.5当量)及び炭酸セシウム(1.2当量)を添加した。混合物を4〜18時間60℃に加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチル及び水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順B(鹸化):メチルエステルまたはエチルエステル(1当量)のメタノール中溶液に、水酸化ナトリウム(2M、1.3当量)を添加した。溶液を室温にて18時間撹拌した。溶液をHCl(2M)で酸性化し、酢酸エチル及び水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物として次のステップで使用した。
一般手順C(t−ブチルエステル形成):カルボキシレート(1当量)のトルエン中懸濁液に、1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(2当量)を添加した。混合物を18時間85℃に加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチル及び水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順D(HWE反応):アルデヒド(1当量)及び2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(1当量)のメタノール中溶液に、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(3当量)を添加した。溶液を室温にて0.5〜2時間撹拌した。混合物をジクロロメタン及び約0.1MのHClで希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順E(還元):デヒドロセレンテラジン(1当量)のジクロロメタン及びメタノール(1:1)中懸濁液を、氷浴で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(5当量)を添加し、混合物を0.5〜2時間撹拌した。混合物をジクロロメタン及び約0.1MのHClで希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順F(TFA脱保護):セレンテラジンアナログのジクロロメタン(10mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。溶液を2〜6時間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、濃縮し、トルエンに再懸濁させ、濃縮した。これを2回繰り返した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順G(スルホン化):臭化アルキル(1当量)のエタノール中溶液を75℃に加熱した。亜硫酸ナトリウム(5当量)の水性溶液を添加し、混合物を75℃にて18時間撹拌した。混合物をエタノールで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順H(スルホネートによるHWE反応):スルホン化アルデヒド(1当量)及び2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(1当量)のメタノール中溶液に、水酸化ナトリウム(2M、3当量)を添加した。溶液を室温にて0.5〜2時間撹拌した。混合物をエタノールで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
一般手順I(スルホネートによる還元):デヒドロセレンテラジン(1当量)のジクロロメタン及びメタノール(1:1)中懸濁液を、氷浴で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(5当量)を添加し、混合物を0.5〜2時間撹拌した。混合物をエタノールで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
各個々のステップにおける最適な反応条件や反応時間は、用いる特定の反応物質や反応物質中に存在する使用置換基に応じて変動し得る。具体的な手順を実施例の項で示す。反応は、従来の様式でワークアップすることができ、例えば、当技術分野で一般に知られている方法論(例えば、以下に限定されないが、結晶化、蒸留、抽出、粉砕、及びクロマトグラフィー)に従って、残渣から溶媒を除去し、さらに精製することにより行われる。別途記載がない限り、出発材料及び試薬は、市販のものであるか、または当業者により、化学文献に記載されている方法を用いて市販の材料から調製することができる。出発材料が市販のものでない場合、出発材料は、標準的な有機化学的手法か、構造的に同様な公知の化合物の合成に類似する技法か、または上述されたスキームもしくは合成例の項に記載されている手順に類似する技法から選択される手順により、調製することができる。
通例的な実験作業は、反応条件、試薬、及び合成経路の順序の適切な操作、反応条件に適合性でない恐れのある任意の化学官能性の保護、ならびに本方法の反応順序における好適なポイントでの脱保護を含めて、本発明の範囲に含まれる。好適な保護基、ならびにこのような好適な保護基を用いて種々の置換基を保護及び脱保護する方法は、当業者に周知されており、このような方法の例は、PGM Wuts及びTW GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis(4th ed.)という表題のGreeneの書籍(John Wiley & Sons,NY(2006))に見いだすことができ、当該文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本発明の化合物の合成は、上述された合成スキームまたは具体的な実施例に記載の方法に類似する方法により、遂行することができる。
開示化合物の光学的活性形態が必要とされる場合、当該形態は、光学的に活性の出発材料(例えば、好適な反応ステップの不斉誘導により調製)を用いて、本明細書に記載されている手順のうちの1つを行うことにより、または標準的な手順(例えば、クロマトグラフィー分離、再結晶、もしくは酵素的分割)を用いて、化合物もしくは中間体の立体異性体混合物を分割することにより、取得することができる。
同様に、化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、当該異性体は、純粋な幾何異性体を出発材料として用いて、上記手順のうちの1つを行うことにより、またはクロマトグラフィー分離のような標準的な手順を用いて、化合物もしくは中間体の幾何異性体混合物を分割することにより、取得することができる。
塩基付加塩は、本開示の化合物を最終的に単離及び精製する間に、カルボキシル基を、金属カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、もしくはアルミニウム)の好適な塩基(例えば、水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩)、または有機1級、2級、もしくは3級アミンと反応させることにより、調製することができる。4級アミン塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,N′−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに由来するものを調製することができる。
記載されている合成スキーム及び具体的な実施例は、例示的なものであり、付属の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を限定するように解釈すべきではないことが理解され得る。合成方法及び具体的な実施例における全ての代替方法、変更、及び等価物は、特許請求の範囲内に含まれる。
3.使用方法及びキット
本開示の化合物は、ルシフェラーゼ基質(例えば、セレンテラジンまたはセレンテラジンアナログ)が使用されている任意の方法で使用することができる。例えば、本開示の化合物は、セレンテラジンのアナログを用いて、試料中の1つ以上の分子(例えば、酵素、酵素反応のための補因子、酵素基質、酵素阻害物質、酵素活性化物質、もしくはOHラジカル)、または1つ以上の条件(例えば、レドックス条件)を検出する、生体発光法で使用することができる。試料としては、動物(例えば、脊椎動物)、植物、真菌、生理的液体(例えば、血液、血漿、尿、粘液分泌物)、細胞、細胞ライセート、細胞上清、または精製された細胞画分(例えば、細胞内画分)を挙げることができる。このような分子の存在、量、スペクトル分布、放出動態、または特定の活性は、検出または定量化することができる。分子は、多相溶液(例えば、エマルションもしくは懸濁液)を含めた溶液中で、または固体支持体(例えば、粒子、キャピラリー、もしくはアッセイ容器)上で、検出または定量化することができる。
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、低分子を定量化するために使用することができる。一部の実施形態において、セレンテラジン(例えば、天然のもしくは公知のセレンテラジンまたは式(I)の化合物)は、特定の生化学活性(例えば、アポトーシスまたは薬物代謝)のプローブとして使用することができる。一部の実施形態において、セレンテラジン濃度は、目的の特定の酵素が作用し得る「プロセレンテラジン」または「プロ基質」により、その特定の酵素の活性に結び付けられる。一部の実施形態において、プロセレンテラジンは、ルシフェラーゼと合わせたときに直接的に発光を支持することはできないが、目的の特定の酵素による触媒処理を通じてセレンテラジンに変換され得る分子である。一部の実施形態において、このアプローチは、酵素、例えば、薬物代謝で使用されている酵素(例えば、シトクロムP450酵素、モノアミンオキシダーゼ、及びグルタチオンS−トランスフェラーゼ)や、アポトーシス(例えば、カスパーゼ)で使用されている酵素に対し使用することができる。例えば、セレンテラジン(例えば、天然のもしくは公知のセレンテラジン、または式(I)の化合物)は、6′−O−メチルのような切断可能な基を含有するように修飾することができる。一部の実施形態において、6′O−メチルは、特定のシトクロムP450酵素と共にインキュベーションすると切断され、プロセレンテラジンはセレンテラジンに変換され、ルシフェラーゼで検出することができる。一部の実施形態において、プロセレンテラジンは、発光(例えば、ルシフェラーゼのような発光タンパク質)を支持するために必要な他の構成成分と合わせて、単一の試薬及び均一アッセイをもたらすことができる。例えば、この試薬が試料に添加されると、プロセレンテラジンがセレンテラジンに変換されるに伴って発光が産生される。様々な実施形態において、同様のアッセイを、他の酵素、低分子、またはプロセレンテラジンからのセレンテラジン産生に関連付けられ得る他の細胞プロセスに対し、開発することができる。
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、生細胞内の発光を検出するために使用することができる。ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、細胞外事象を測定するための生体発光法で使用することができる。他の実施形態において、式(I)の化合物は、細胞表面事象を測定するための生体発光法で使用することができる。一部の実施形態において、式(I)の化合物は、細胞死を測定するための生体発光法で使用することができる。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、試料中の細胞死を検出する方法であって、(a)試料を、細胞死を誘導する化合物に接触させることと、(b)当該試料を上述された化合物に接触させることと、(c)当該試料中の発光を検出することとを含み、当該試料が、セレンテラジン利用ルシフェラーゼを発現する細胞を含む、方法で使用することができる。例えば、標的細胞としては、NanoLucを発現する細胞を挙げることができ、この標的細胞に目的化合物を添加して、細胞死を誘導することができる。標的細胞としては、HEK293細胞、または他の好適な細胞系もしくは細胞培養物を挙げることができる。
一部の実施形態において、NanoLucを発現する標的細胞は、エフェクター細胞と共に混合することができ、エフェクター細胞としては、以下に限定されないが、初代T細胞、NK細胞、CAR−T細胞、またはTALL−104細胞が挙げられる。目的化合物は、エフェクター細胞を活性化するために細胞に添加することができる。次に続く細胞死の誘導は、本開示の化合物を用いて検出することができると考えられる。
一部の実施形態において、標的細胞は、腫瘍細胞である。本開示の化合物は、細胞死をモニターするために使用することができ、そのため、抗腫瘍処置の有効性を定量するために使用することができる。例えば、目的化合物は、腫瘍細胞を殺すように設計された抗体であり得る。抗体は、腫瘍細胞を殺す任意の作用様式を有することができ、この作用様式としては、以下に限定されないが、ADCC、ADCP、CDC、ADC、BiTE、または腫瘍細胞を殺す免疫腫瘍学的薬物が挙げられる。抗体に誘導される腫瘍細胞死は、細胞内のNanoLucを腫瘍細胞から解放し、そのため本開示の細胞不透過性化合物による検出を可能にすると考えられる。
一部の実施形態において、式(I)の化合物は、安定した共有結合リンカーにより、細胞透過性を減少させる極性基に繋留され得る。式(I)の化合物は、細胞不透過性であることに加えて、細胞生存率の観点において天然のセレンテラジンに匹敵する生体適合性を示す。一部の実施形態において、培地中の天然のセレンテラジンの安定性を増加することが知られている化学修飾を含有する式(I)の化合物は、より堅牢な生細胞ルシフェラーゼベースのレポーターアッセイのために合成及び使用することができる。さらに他の実施形態において、ルシフェラーゼ及び式(I)の化合物を含有する試料(細胞、組織、動物などを含む)は、様々な顕微鏡及びイメージングの技法を用いてアッセイすることができる。さらに他の実施形態において、分泌可能なルシフェラーゼを、生細胞レポーター系の一部として細胞内で発現させることができ、ルシフェラーゼの分泌は、式(I)の化合物により検出することができる。特定の実施形態において、本発明化合物は、試料中の生物発光酵素の分泌を検出する方法であって、(a)試料を、上述された化合物に接触させることと、(b)当該試料中の発光を検出することとを含み、当該試料が、分泌可能な生物発光酵素を発現する細胞を含む、方法で使用することができる。このような方法における試料としては、HEK293細胞のような細胞、または他の好適な細胞系もしくは細胞培養物を挙げることができる。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示されている式(I)の化合物は、キットの一部として提供されてもよい。一部の実施形態において、キットは、使用者が本明細書で開示されているようなアッセイを実施できるように、1つ以上のルシフェラーゼ(ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または両方の形態)及びセレンテラジンと共に好適な試薬及び使用説明書を含むことができる。セレンテラジンは、天然の化合物、公知の化合物、または本明細書で開示されている式(I)の化合物のうちのいずれであってもよい。また、キットは、本明細書で開示されている緩衝液のような1つ以上の緩衝液を含んでもよい。
4.実施例
実施例1
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル(JRW−0665)
ステップ1.4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンズアルデヒド(JRW−0651)
一般手順Aの後に、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g、16.4mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(8.0g、32.8mmol)と反応させて、所望の生成物(3.1g、66%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.87 − 10.46 (m, 1H), 8.87 − 8.48 (m, 2H), 7.85 − 7.78 (m, 2H), 5.01 − 4.67 (m, 2H), 4.41 − 4.07 (m, 2H), 2.83 − 2.52 (m, 4H), 2.45 − 2.25 (m, 4H);ESI MS m/z 285 [M + H]+.
スキーム5.中間体JRW−0656の合成
ステップ2.S−(6−(4−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)エタンチオエート(JRW−0653)
4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンズアルデヒド(3.00g、10.5mmol)のDMF(30mL)中溶液に、テトラエチルアンモニウムヨージド(0.27g、1.1mmol)を添加した。混合物を氷浴で冷却し、チオ酢酸カリウム(1.32g、11.6mmol)を添加した。混合物を1時間室温に加温し、酢酸エチル及び水で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(2.45g、83%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.87 (s, 1H), 7.85 − 7.77 (m, 2H), 7.02 − 6.94 (m, 2H), 4.02 (t, J = 6.4, 2H), 2.93 − 2.82 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.92 − 1.34 (m, 8H);ESI MS m/z 281 [M + H]+.
ステップ3.6−(4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル及び6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル
N−クロロスクシンアミド(1.81g、13.6mmol)のアセトニトリル(8mL)及びHCl(2M、2mL)中溶液に、アセトニトリル(5mL)中S−(6−(4−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)エタンチオエート(1.0g、3.6mmol)を5分にわたり滴下添加した。混合物を室温にて30分間撹拌し、エーテルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を濃縮し、THF(20mL)に再溶解した。トリクロロエタノール(3.5mL)及び2,6−ルチデン(2,6−lutidene)(1.53g、14.3mmol)を添加し、混合物を85℃にて2日間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、HCl(1M)及びブラインで洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、生成物の混合物(0.54g、36%)を淡い褐色の固体として得た。ESI MS m/z 417, 451 [M + H]+.
ステップ4.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル(JRW−0663)
一般手順Dの後に、6−(4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル及び6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチルの混合物(92mg、0.22mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸ベンジル(100mg、0.18mmol)と反応させて、所望の粗生成物(86mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 734 [M + H]+.注:6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチルのみが、これらの反応条件下で反応した。
ステップ5.6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル(JRW−0665)
一般手順Eの後に、(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸2,2,2−トリクロロエチル(86mg、0.12mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(13mg、0.35mmol)と反応させて、所望の生成物(73mg、2ステップにわたり55%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.50 − 7.15 (m, 13H), 6.92 − 6.75 (m, 2H), 4.73 (s, 2H), 4.56 (s, 2H), 4.00 − 3.93 (m, 2H), 3.35 − 3.23 (m, 2H), 1.87 − 1.74 (m, 2H), 1.70 − 1.49 (m, 6H);ESI MS m/z 738 [M + H]+;HPLC 88.7 % (AUC), TR 6.26分;UV (MeOH) λ 428 nm, ε 6238.
実施例2
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0682)
ステップ1.6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸エチル(JRW−0669)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g、16.4mmol)を6−ブロモヘキサン酸エチル(7.3g、32.8mmol)と反応させて、所望の生成物(4.2g、97%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.96 (s, 1H), 7.46 − 7.42 (m, 2H), 7.37 − 7.35 (m, 1H), 7.18 − 7.12 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.1, 2H), 4.01 (t, J = 6.4, 2H), 2.33 (t, J = 7.4, 2H), 1.91 − 1.42 (m, 6H), 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 3H);ESI MS m/z 265 [M + H]+.
ステップ2.6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸(JRW−0672)
一般手順Bの後に、6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸エチル(4.0g、15.1mmol)を水酸化ナトリウム(19.7mL、1M、19.7mmol)と反応させて、所望の生成物(3.6g、定量的)を白色の固体として得た。ESI MS m/z 237 [M + H]+.
ステップ3.6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0675)
一般手順Cの後に、6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸(3.6g、15.2mmol)を1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(4.65g、22.8mmol)と反応させて、所望の生成物(1.47g、33%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.96 (s, 1H), 7.47 − 7.33 (m, 3H), 7.21 − 7.09 (m, 1H), 4.01 (t, J = 6.4, 2H), 2.25 (t, J = 7.3, 2H), 1.88 − 1.74 (m, 2H), 1.74 − 1.58 (m, 2H), 1.57 − 1.38 (m, 11H). ESI MS m/z 293 [M + H]+.
ステップ4.(Z)−6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0678)
一般手順Dの後に、6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(80mg、0.27mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸ベンジル(100mg、0.18mmol)と反応させて、所望の粗生成物(89mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 684 [M + H]+.
ステップ5.6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0682)
一般手順Eの後に、(Z)−6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(89mg、0.15mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(29mg、0.77mmol)と反応させて、所望の生成物(88mg、2ステップにわたり84%)を橙色の泡沫として得た。注:単離された材料は純粋ではなく、不純物が存在した。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2) δ 7.50 − 7.21 (m, 13H), 6.92 − 6.75 (m, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.10 (s, 2H), 3.93 − 3.81 (m, 2H), 2.27 − 2.15 (m, 2H), 1.87 − 1.40 (m, 12H);ESI MS m/z 578 [M + H]+;HPLC 89.6 % (AUC), TR 6.14分;UV (MeOH) λ 433 nm, ε 3462.
実施例3
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸(JRW−0684)
一般手順Fの後に、6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(80mg、0.14mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(32mg、44%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2) δ 7.76 − 7.12 (m, 12H), 6.96 − 6.88 (m, 2H), 6.75 − 6.68 (m, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.12 (s, 2H), 3.92 (t, J = 6.4, 2H), 2.28 (t, J = 7.3, 2H), 1.82 − 1.39 (m, 6H);ESI MS m/z 522 [M + H]+;HPLC 97.6 % (AUC), TR 4.52分;UV (MeOH) λ 431 nm, ε 8435.
実施例4
8−ベンジル−2−(3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0692)
ステップ1.3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンズアルデヒド(JRW−0690)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g、16.4mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(8.0g、32.8mmol)と反応させて、所望の生成物(3.4g、73%)を無色の油として得た。ESI MS m/z 285 [M + H]+.
ステップ2.(Z)−8−ベンジル−2−(3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンジリデン)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(2H)−オン(JRW−0691)
一般手順Dの後に、3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンズアルデヒド(78mg、0.27mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸ベンジル(100mg、0.18mmol)と反応させて、所望の粗生成物(93mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 568 [M + H]+.
ステップ3.8−ベンジル−2−(3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0692)
一般手順Eの後に、(Z)−8−ベンジル−2−(3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンジリデン)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(2H)−オン(93mg、0.16mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(31mg、0.82mmol)と反応させて、所望の生成物(57mg、2ステップにわたり56%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2) δ 7.52 − 70.3 (m, 12H), 6.98 − 6.80 (m, 2H), 6.72 − 6.62 (m, 1H), 4.39 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.92 − 3.78 (m, 2H), 3.41 (t, J = 6.8, 2H), 1.96 − 1.65 (m, 4H), 1.52 − 1.38 (s, 4H);ESI MS m/z 570 [M + H]+;HPLC 97.3 % (AUC), TR 6.11分;UV (MeOH) λ 425 nm, ε 7250.
実施例5
6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0703)
ステップ1.6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0698)
一般手順Gの後に、3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)ベンズアルデヒド(200mg、0.70mmol)を亜硫酸ナトリウム(442mg、3.5mmol)と反応させて、粗生成物(375mg)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.93 (s, 1H), 7.52 − 7.40 (m, 3H), 7.28 − 7.20 (m, 1H), 4.06 (t, J = 6.4, 2H), 2.88 − 2.78 (m, 2H), 1.89 − 1.75 (m, 4H), 1.60 − 1.45 (m, 4H);ESI MS m/z 285 [M − H − Na]−.
ステップ2.(Z)−6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0702)
一般手順Hの後に、6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(84mg、0.28mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸ベンジル(100mg、0.18mmol)と反応させて、粗生成物(66mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ3.6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0703)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(66mg、0.11mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(21mg、0.56mmol)と反応させて、所望の生成物(17mg、2ステップにわたり16%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.57 (m, 2H), 7.50 − 7.36 (m, 5H), 7.33 − 7.11 (m, 5H), 6.92 − 6.85 (s, 2H), 6.75 − 6.67 (m, 1H), 4.41 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.99 − 3.87 (s, 2H), 2.83 − 2.73 (m, 2H), 1.89 − 1.68 (m, 4H), 1.54 − 1.41 (m, 4H);ESI MS m/z 572 [M + H − Na]+;HPLC 96.9 % (AUC), TR 4.78分;UV (MeOH) λ 430 nm, ε 5824.
実施例6
4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(JRW−0714)
ステップ1.4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸メチル(JRW−0688)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g、16.4mmol)を4−ブロモブタン酸メチル(3.56g、19.7mmol)と反応させて、所望の生成物(3.52g、96%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.65 − 10.62 (m, 1H), 8.17 − 8.02 (m, 3H), 7.87 − 7.79 (m, 1H), 4.80 − 7.69 (m, 2H), 4.37 (s, 3H), 3.26 − 3.15 (m, 2H), 2.88 − 2.72 (m, 2H).
ステップ2.4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸(JRW−0689)
一般手順Bの後に、4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸メチル(3.5g、15.8mmol)を水酸化ナトリウム(20.5mL、1M、20.5mmol)と反応させて、所望の生成物(2.64g、80%)を白色の固体として得た。ESI MS m/z 209 [M + H]+.
ステップ3.4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(JRW−709)
一般手順Cの後に、4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸(0.5g、2.40mmol)を1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(0.98g、4.80mmol)と反応させて、所望の生成物(0.16g、25%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.96 (s, 1H), 7.54 − 7.32 (m, 3H), 7.23 − 7.11 (m, 1H), 4.05 (t, J = 6.2, 2H), 2.43 (t, J = 7.3, 2H), 2.21 − 2.01 (m, 2H), 1.45 (s, 9H);ESI MS m/z 265 [M + H]+.
ステップ4.(Z)−4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(JRW−0712)
一般手順Dの後に、4−(3−ホルミルフェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(148mg、0.60mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(175mg、0.37mmol)と反応させて、所望の粗生成物(180mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 580 [M + H]+
ステップ5.4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(JRW−0714)
一般手順Eの後に、(Z)−4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(180mg、0.33mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(62mg、1.64mmol)と反応させて、所望の生成物(110mg、2ステップにわたり54%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.75 − 7.56 (m, 3H), 7.51 − 7.36 (m, 5H), 7.32 − 7.10 (m, 4H), 6.93 − 6.88 (m, 2H), 6.75 − 6.69 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.93 (t, J = 6.2, 2H), 2.36 (t, J = 7.3, 2H), 2.03 − 1.92 (m, 2H), 1.39 (s, 9H);ESI MS m/z 550 [M + H]+;HPLC 99.9 % (AUC), TR 5.80分;UV (MeOH) λ 433 nm, ε 9872.
実施例7
3−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0713)
ステップ1.3−(3−ホルミルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸(JRW−0671)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、8.2mmol)を1,2−オキサチオラン2,2−ジオキシド(2.0g、16.4mmol)と反応させて、所望の生成物(3.2g)を白色の固体として得た。注:単離された材料は純粋ではなく、不純物が存在した。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.94 (s, 1H), 7.58 − 7.40 (m, 3H), 7.34 − 7.20 (m, 1H), 4.19 (t, J = 6.3, 2H), 3.34 − 3.28 (m, 2H), 3.04 − 2.95 (m, 2H), 2.34 − 2.21 (m, 2H);ESI MS m/z 245 [M + H]+.
ステップ2.(Z)−3−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0711)
一般手順Hの後に、3−(3−ホルミルフェノキシ)プロパン−1−スルホン酸(179mg、0.73mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸ベンジル(200mg、0.36mmol)と反応させて、粗生成物(410mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ3.3−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0713)
一般手順Iの後に、(Z)−3−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム(0.36mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(69mg、1.83mmol)と反応させて、所望の生成物(46mg、2ステップにわたり23%)を橙褐色の固体として得た。注:単離された材料は純粋ではなく、不純物が存在した。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.81 − 7.60 (s, 2H), 7.51 − 7.37 (m, 5H), 7.37 − 7.09 (m, 5H), 6.96 − 6.85 (m, 2H), 6.84 − 6.73 (m, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.20 − 3.97 (m, 2H), 3.03 − 2.90 (m, 2H), 2.30 − 2.16 (m, 2H);ESI MS m/z 530 [M + H − Na]+;HPLC 96.5 % (AUC), TR 3.35分;UV (MeOH) λ 431 nm, ε 4746.
実施例8
4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸(JRW−0716)
一般手順Fの後に、4−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ブタン酸tert−ブチル(100mg、0.18mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(82mg、91%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.58 (m, 3H), 7.51 − 7.37 (m, 5H), 7.35 − 7.12 (m, 4H), 6.95 − 6.87 (m, 2H), 6.78 − 6.70 (m, 1H), 4.41 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.96 (t, J = 6.2, 2H), 2.44 (t, J = 7.3, 2H), 2.10 − 1.93 (m, 2H);ESI MS m/z 494 [M + H]+;HPLC 98.4 % (AUC), TR 4.99分;UV (MeOH) λ 431 nm, ε 14786.
実施例9
8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(JRW−0719)
ステップ1.8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸エチル(JRW−0697)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、8.2mmol)を8−ブロモオクタン酸エチル(2.47g、9.8mmol)と反応させて、所望の生成物(2.07g、87%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.97 (s, 1H), 7.47 − 7.36 (m, 3H), 7.20 − 7.13 (m, 1H), 4.12 (q, J = 7.1, 2H), 4.01 (t, J = 6.5, 2H), 2.29 (t, J = 7.5, 2H), 1.87 − 1.72 (m, 2H), 1.71 − 1.55 (m, 2H), 1.54 − 1.30 (m, 6H), 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ2.8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸(JRW−0699)
一般手順Bの後に、8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸エチル(2.07g、7.1mmol)を水酸化ナトリウム(9.2mL、1M、9.2mmol)と反応させて、所望の生成物(1.8g、96%)を白色の固体として得た。ESI MS m/z 265 [M + H]+.
ステップ3.8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(JRW−710)
一般手順Cの後に、8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸(0.5g、1.9mmol)を1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(0.77g、3.8mmol)と反応させて、所望の生成物(0.15g、25%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.97 (s, 1H), 7.47 − 7.35 (m, 3H), 7.21 − 7.12 (m, 1H), 4.01 (t, J = 6.5, 2H), 2.21 (t, J = 7.4, 2H), 1.88 − 1.72 (m, 2H), 1.71 − 1.25 (m, 17H);ESI MS m/z 321 [M + H]+.
ステップ4.(Z)−8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(JRW−0717)
一般手順Dの後に、8−(3−ホルミルフェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(141mg、0.44mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(200mg、0.37mmol)と反応させて、所望の粗生成物(145mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ5.8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(JRW−0719)
一般手順Eの後に、(Z)−8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(145mg、0.24mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(45mg、1.20mmol)と反応させて、所望の生成物(94mg、2ステップにわたり42%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.75 − 7.59 (m, 3H), 7.50 − 7.35 (m, 5H), 7.33 − 7.11 (m, 4H), 6.93 − 6.86 (m, 2H), 6.74 − 6.68 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.90 (t, J = 6.4, 2H), 2.18 (t, J = 7.3, 2H), 1.80 − 1.24 (m, 19H);ESI MS m/z 606 [M + H]+;HPLC >99 % (AUC), TR 7.82分;UV (MeOH) λ 430 nm, ε 8272.
実施例10
8−ベンジル−2−(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0720)
ステップ1.4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(JRW−0704)
一般手順Aの後に、3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、6.4mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(2.34g、9.6mmol)と反応させて、所望の生成物(1.2g、59%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.86 (s, 1H), 7.90 (d, J = 2.0, 1H), 7.75 (dd, J = 2.0, 8.5, 1H), 7.01 (t, J = 8.5, 1H), 4.13 (t, J = 6.3, 3H), 3.43 (t, J = 6.7, 3H), 2.00 − 1.80 (m, 4H), 1.66 − 1.48 (m, 4H);ESI MS m/z 319 [M + H]+.
ステップ2.(Z)−8−ベンジル−2−(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンジリデン)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(2H)−オン(JRW−0718)
一般手順Dの後に、4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(53mg、0.16mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(75mg、0.14mmol)と反応させて、所望の粗生成物(63mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 602 [M + H]+.
ステップ3.8−ベンジル−2−(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンジル)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0720)
一般手順Eの後に、(Z)−8−ベンジル−2−(4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンジリデン)−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(2H)−オン(63mg、0.10mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.52mmol)と反応させて、所望の生成物(25mg、2ステップにわたり30%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.78 − 7.58 (m, 3H), 7.54 − 7.15 (m, 10H), 6.97 − 6.91 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.99 (t, J = 6.2, 2H), 3.42 (t, J = 6.7, 2H), 1.91 − 1.70 (m, 4H), 1.60 − 1.43 (m, 4H);ESI MS m/z 606 [M + 2 + H]+;HPLC 98.1 % (AUC), TR 7.63分;UV (MeOH) λ 433 nm, ε 9173.
実施例11
8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸(JRW−0722)
一般手順Fの後に、8−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)オクタン酸tert−ブチル(85mg、0.14mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(75mg、97%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.55 (m, 3H), 7.54 − 7.34 (m, 5H), 7.34 − 7.07 (m, 4H), 6.95 − 6.86 (m, 2H), 6.74 − 6.68 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.90 (t, J = 6.3, 2H), 2.25 (t, J = 7.2, 2H), 1.81 − 1.24 (m, 10H);ESI MS m/z 550 [M + H]+;HPLC 99.5 % (AUC), TR 5.96分;UV (MeOH) λ 432 nm, ε 9798.
実施例12
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0725)
ステップ1.6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸エチル(JRW−0705)
一般手順Aの後に、3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、6.4mmol)を6−ブロモヘキサン酸エチル(2.14g、9.6mmol)と反応させて、所望の生成物(0.55g、29%)を無色の油として得た。
ステップ2.6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸(JRW−0707)
一般手順Bの後に、6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸エチル(0.55g、1.8mmol)を水酸化ナトリウム(1.2mL、2M、2.4mmol)と反応させて、所望の生成物(0.43g)を白色の固体として得た。ESI MS m/z 271 [M + H]+.
ステップ3.6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0721)
一般手順Cの後に、6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸(0.43g、1.6mmol)を1,1−ジ−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(0.65g、3.2mmol)と反応させて、所望の生成物(95mg、18%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.84 (s, 1H), 7.92 − 7.87 (m, 1H), 7.77 − 7.71 (m, 1H), 7.04 − 6.97 (m, 1H), 4.12 (t, J = 5.3, 2H), 2.26 (t, J = 6.3, 2H), 1.96 − 1.84 (m, 2H), 1.79 − 1.37 (m, 13H).
ステップ4.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0724)
一般手順Dの後に、6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(104mg、0.32mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(150mg、0.32mmol)と反応させて、所望の粗生成物(180mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ5.6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(JRW−0725)
一般手順Eの後に、(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(180mg、0.29mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(55mg、1.5mmol)と反応させて、所望の生成物(83mg、2ステップにわたり42%)を橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.82 − 7.58 (m, 3H), 7.57 − 7.14 (m, 9H), 6.96 (d, J = 8.5, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.10 (s, 2H), 4.00 (t, J = 6.0, 2H), 2.23 (t, J = 7.2, 2H), 1.85 − 1.40 (m, 15H);ESI MS m/z 610 [M − H]−;HPLC 98.8 % (AUC), TR 7.63分;UV (MeOH) λ 434 nm, ε 9028.
実施例13
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸(JRW−0726)
一般手順Fの後に、6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン酸tert−ブチル(75mg、0.12mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(63mg、92%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.60 (s, 1H), 8.00 − 7.90 (m, 2H), 7.56 − 7.41 (m, 5H), 7.40 − 7.16 (m, 5H), 7.05 − 6.97 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.25 (s, 2H), 4.02 (t, J = 6.2, 2H), 2.34 (t, J = 7.3, 2H), 1.86 − 1.45 (m, 6H);ESI MS m/z 557 [M + H]+;HPLC 99.5 % (AUC), TR 5.67分;UV (MeOH) λ 426 nm, ε 5509.
実施例14
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0728)
ステップ1.6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0723)
一般手順Gの後に、4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(280mg、0.88mmol)を亜硫酸ナトリウム(552mg、4.4mmol)と反応させて、粗生成物(310mg)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.81 (s, 1H), 7.92 − 7.80 (m, 2H), 7.23 (d, J = 8.5, 1H), 4.18 (t, J = 6.3, 2H), 2.85 − 2.76 (m, 2H), 1.97 − 1.73 (m, 4H), 1.63 − 1.48 (m, 4H).
ステップ2.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0727)
一般手順Hの後に、6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(292mg、0.85mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(200mg、0.42mmol)と反応させて、粗生成物(370mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ3.6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0728)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(0.42mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(80mg、2.1mmol)と反応させて、所望の生成物(198mg、2ステップにわたり73%)を橙色の固体として得た。注:単離された材料は純粋ではなく、不純物が存在した。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.55 (m, 3H), 7.52 − 7.16 (m, 10H), 7.03 − 6.93 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.10 (s, 2H), 4.07 − 3.95 (m, 2H), 2.84 − 2.76 (m, 2H), 1.93 − 1.72 (m, 4H), 1.65 − 1.44 (m, 4H);ESI MS m/z 605 [M − H]−;HPLC 97.9 % (AUC), TR 4.64分;UV (MeOH) λ 433 nm, ε 4777.
実施例15
(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸(JRW−0741)
ステップ1.(6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0730)
一般手順Aの後に、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.5g、4.1mmol)を(6−ブロモヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(1.15g、4.1mmol)と反応させて、所望の粗生成物(1.02g)を無色の油として得た。
ステップ2.(Z)−(6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0733)
一般手順Dの後に、(6−(3−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(164mg、0.51mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(200mg、0.43mmol)と反応させて、所望の粗生成物(109mg)を赤黒色の固体として得た。ESI MS m/z 605 [M + H]+.
ステップ3.(6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0734)
一般手順Eの後に、(Z)−(6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(109mg、0.18mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(34mg、0.90mmol)と反応させて、所望の生成物(75mg、2ステップにわたり29%)を橙色の泡沫として得た。ESI MS m/z 607 [M + H]+.
ステップ4.2−(3−((6−アミノヘキシル)オキシ)ベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0737またはTAK−0039)
一般手順Fの後に、(6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(75mg、0.12mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(62mg、定量的)を橙色の油として得た。ESI MS m/z 507 [M + H]+.
ステップ5.(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸tert−ブチル(JRW−0739)
2−(3−((6−アミノヘキシル)オキシ)ベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(62mg、0.12mmol)のDCM(10mL)及びメタノール(0.5mL)中溶液に、4−(tert−ブチル) 1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル) ((S)−2−((S)−2−アセトアミド−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタンアミド)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタノイル)−L−アスパルテート(165mg、0.25mmol)及び2,6−ルチジン(75mg、0.62mmol)を添加した。混合物を室温にて1.5時間撹拌し、ジクロロメタン及び水で希釈した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、粗生成物(89mg)を橙色の泡沫として得た。ESI MS m/z 1062 [M + H]+.
ステップ6.(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸(JRW−0741)
一般手順Fの後に、(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(3−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)フェノキシ)ヘキシル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸tert−ブチル(89mg、0.084mmol)をTFA(1mL)と反応させて、所望の生成物(78mg、定量的)を橙赤色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.63 (s, 1H), 8.02 − 7.93 (s, 2H), 7.58 − 7.40 (m, 5H), 7.39 − 7.13 (m, 4H), 6.93 − 6.77 (m, 3H), 4.73 − 4.48 (s, 5H), 4.30 (s, 2H), 4.01 − 3.88 (m, 2H), 3.25 − 3.08 (m, 2H), 3.00 − 2.65 (m, 7H), 1.98 (s, 3H), 1.85 − 1.68 (m, 2H), 1.60 − 1.25 (s, 6H);ESI MS m/z 894 [M + H]+;HPLC 95.3 % (AUC), TR 4.53分;UV (MeOH) λ 256 nm, ε 14007.
実施例16
8−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0761)
ステップ1.4−((8−ブロモオクチル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(JRW−0745)
一般手順Aの後に、3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(620mg、3.9mmol)を1,8−ジブロモオクタン(1.62g、5.9mmol)と反応させて、所望の生成物(715mg、52%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.84 (s, 1H), 7.90 (d, J = 2.0, 1H), 7.74 (dd, J = 2.0, 8.5, 1H), 7.01 (d, J = 8.4, 1H), 4.11 (t, J = 6.4, 2H), 3.41 (t, J = 6.8, 2H), 1.95 − 1.78 (m, 4H), 1.60 − 1.28 (m, 8H);ESI MS m/z 347 [M + H]+.
ステップ2.8−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0747)
一般手順Gの後に、4−((8−ブロモオクチル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(715mg、2.1mmol)を亜硫酸ナトリウム(1.3g、10.3mmol)と反応させて、粗生成物(810mg)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.81 (s, 1H), 7.94 − 7.80 (m, 2H), 7.23 (d, J = 8.5, 1H), 4.17 (t, J = 6.3, 2H), 2.87 − 2.70 (m, 2H), 1.96 − 1.74 (m, 4H), 1.62 − 1.35 (m, 8H).
ステップ3.(Z)−8−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0760)
一般手順Hの後に、8−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(94mg、0.25mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(120mg、0.25mmol)と反応させて、粗生成物(150mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.8−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0761)
一般手順Iの後に、(Z)−8−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム(150mg、0.23mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(43mg、1.15mmol)と反応させて、所望の生成物(30mg、2ステップにわたり18%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.10 (s, 1H), 7.92 − 7.80 (m, 2H), 7.52 − 7.09 (m, 10H), 6.95 − 6.87 (m, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.13 − 3.92 (m, 4H), 2.86 − 2.75 (m, 2H), 1.92 − 1.70 (m, 4H), 1.61 − 1.33 (m, 8H);ESI MS m/z 634 [M + H − Na]+;HPLC 87.9 % (AUC), TR 3.69分;UV (MeOH) λ 402 nm, ε 6345.
実施例17
10−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0765)
JRW−0765
ステップ1.4−((10−ブロモデシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(JRW−0746)
一般手順Aの後に、3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(640mg、4.1mmol)を1,10−ジブロモデカン(1.84g、6.1mmol)と反応させて、所望の生成物(780mg、50%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.84 (s, 1H), 7.90 (d, J = 2.0, 1H), 7.75 (dd, J = 2.0, 8.5, 1H), 7.01 (d, J = 8.4, 1H), 4.12 (t, J = 6.5, 2H), 3.41 (t, J = 6.8, 2H), 1.93 − 1.76 (m, 4H), 1.52 − 1.23 (m, 12H);ESI MS m/z 347 [M + H]+.
ステップ2.10−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0748)
一般手順Gの後に、4−((10−ブロモデシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(780mg、2.1mmol)を亜硫酸ナトリウム(1.3g、10.3mmol)と反応させて、粗生成物(910mg)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.81 (s, 1H), 7.90 (d, J = 2.0, 1H), 7.85 − 7.80 (m, 1H), 7.23 (d, J = 8.5, 1H), 4.17 (t, J = 6.3, 2H), 2.85 − 2.70 (m, 2H), 1.93 − 1.71 (m, 4H), 1.60 − 1.30 (m, 12H).
ステップ3.(Z)−10−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0763)
一般手順Hの後に、4−((10−ブロモデシル)オキシ)−3−クロロベンズアルデヒド(102mg、0.25mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(120mg、0.25mmol)と反応させて、粗生成物(120mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.10−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0765)
一般手順Iの後に、(Z)−10−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)デカン−1−スルホン酸ナトリウム(120mg、0.18mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(33mg、0.88mmol)と反応させて、所望の生成物(50mg、2ステップにわたり29%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.81 − 7.58 (m, 3H), 7.56 − 7.18 (m, 10H), 7.00 − 6.91 (m, 1H), 4.41 (s, 2H), 4.15 − 3.90 (m, 4H), 2.83 − 2.73 (m, 2H), 1.90 − 1.68 (m, 4H), 1.58 − 1.25 (m, 12H);ESI MS m/z 662 [M + H − Na]+;HPLC 94.8 % (AUC), TR 4.41分;UV (MeOH) λ 430 nm, ε 7156.
実施例18
6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0766)
ステップ1.3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−4−クロロベンズアルデヒド(JRW−0752)
一般手順Aの後に、4−クロロ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、6.4mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(2.34g、9.6mmol)と反応させて、所望の生成物(1.05g、51%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.93 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.9, 1H), 7.45 − 7.35 (m, 2H), 4.11 (t, J = 6.3, 2H), 3.43 (t, J = 6.8, 2H), 2.01 − 1.80 (m, 4H), 1.65 − 1.47 (m, 4H);ESI MS m/z 319 [M + H]+.
ステップ2.6−(2−クロロ−5−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0758)
一般手順Gの後に、3−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−4−クロロベンズアルデヒド(1.0g、3.1mmol)を亜硫酸ナトリウム(2.0g、15.6mmol)と反応させて、粗生成物(210mg)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.34 (d, J = 8.1, 1H), 7.09 (d, J = 1.8, 1H), 6.97 (dd, J = 1.8, 8.1, 1H), 5.35 (s, 1H), 4.05 (t, J = 6.3, 2H), 2.91 − 2.77 (m, 2H), 1.93 − 1.72 (m, 4H), 1.65 − 1.42 (m, 4H).
ステップ3.(Z)−6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0764)
一般手順Hの後に、6−(2−クロロ−5−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(87mg、0.25mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(120mg、0.25mmol)と反応させて、粗生成物(90mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0766)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(90mg、0.14mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(27mg、0.72mmol)と反応させて、所望の生成物(30mg、2ステップにわたり19%)を橙赤色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.60 (m, 3H), 7.58 − 7.15 (m, 9H), 7.06 (s, 1H), 6.96 − 6.80 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.14 (s, 2H), 4.02 − 3.96 (m, 2H), 2.90 − 2.68 (m, 2H), 1.90 − 1.70 (m, 4H), 1.60 − 1.40 (m, 4H);ESI MS m/z 606 [M + H − Na]+;HPLC 94.9 % (AUC), TR 3.31分;UV (MeOH) λ 432 nm, ε 7869.
実施例19
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0769)
ステップ1.4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンズアルデヒド(JRW−0757)
一般手順Aの後に、3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、7.3mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(2.66g、10.9mmol)と反応させて、所望の生成物(1.42g、64%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.85 (s, 1H), 7.67 − 7.56 (m, 2H), 7.10 − 7.02 (m, 1H), 4.12 (t, J = 6.4, 2H), 3.43 (t, J = 6.7, 2H), 1.97 − 1.80 (m, 4H), 1.73 − 1.41 (m, 4H);ESI MS m/z 303 [M + H]+.
ステップ2.6−(2−フルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0762)
一般手順Gの後に、4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンズアルデヒド(1.38g、4.55mmol)を亜硫酸ナトリウム(2.9g、22.7mmol)と反応させて、粗生成物(1.5g)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 9.84 (s, 1H), 7.80 − 7.70 (m, 1H), 7.66 (dd, J = 1.9, 11.4, 1H), 7.37 (t, J = 8.3, 1H), 4.15 (t, J = 6.6, 2H), 2.42 − 2.34 (m, 2H), 1.80 − 1.65 (m, 2H), 1.64 − 1.49 (m, 2H), 1.47 − 1.29 (m, 4H).
ステップ3.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0767)
一般手順Hの後に、6−(2−フルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(83mg、0.25mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(120mg、0.25mmol)と反応させて、粗生成物(155mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0769)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(5−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(0.25mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(29mg、0.76mmol)と反応させて、所望の生成物(72mg、2ステップにわたり47%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.58 (m, 3H), 7.50 − 7.37 (m, 5H), 7.35 − 7.16 (m, 3H), 7.13 − 6.93 (m, 3H), 4.41 (s, 2H), 4.10 (s, 2H), 4.00 (t, J = 6.5, 2H), 2.86 − 2.72 (m, 2H), 1.91 − 1.71 (m, 4H), 1.60 − 1.45 (m, 4H);ESI MS m/z 590 [M + H − Na]+;HPLC 96.1 % (AUC), TR 2.94分;UV (MeOH) λ 432 nm, ε 7831.
実施例20
6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0771)
ステップ1.4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3,5−ジフルオロベンズアルデヒド(JRW−0753)
一般手順Aの後に、3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、6.3mmol)を1,6−ジブロモヘキサン(2.31g、9.5mmol)と反応させて、所望の生成物(0.54g、27%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.83 (t, J = 1.8, 1H), 7.50 − 7.38 (m, 2H), 4.29 (t, J = 6.4, 2H), 3.47 − 3.36 (m, 2H), 1.95 − 1.75 (m, 4H), 1.60− 1.39 (m, 4H).
ステップ2.6−(2,6−ジフルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0759)
一般手順Gの後に、4−((6−ブロモヘキシル)オキシ)−3,5−ジフルオロベンズアルデヒド(500mg、1.6mmol)を亜硫酸ナトリウム(980mg、7.8mmol)と反応させて、粗生成物(530mg)を淡いピンク色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.09 − 6.97 (m, 2H), 5.33 (s, 1H), 4.11 (t, J = 6.3, 2H), 2.90 − 2.77 (m, 2H), 1.89 − 1.66 (m, 4H), 1.64 − 1.31 (m, 4H).
ステップ3.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0770)
一般手順Hの後に、6−(2,6−ジフルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(80mg、0.23mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(110mg、0.23mmol)と反応させて、粗生成物を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0771)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2,6−ジフルオロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(0.23mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(26mg、0.69mmol)と反応させて、所望の生成物(8mg、2ステップにわたり5%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.81 − 7.59 (m, 3H), 7.55 − 7.38 (m, 5H), 7.35 − 7.18 (m, 3H), 7.05 − 6.93 (m, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.15 − 4.01 (m, 4H), 2.86 − 2.71 (m, 2H), 1.90 − 1.67 (m, 4H), 1.58 − 1.40 (m, 4H);ESI MS m/z 606 [M − H − Na]−;HPLC 97.3 % (AUC), TR 3.12分;UV (MeOH) λ 434 nm, ε 7456.
実施例21
2−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0801)
ステップ1.(6−(2−フルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0797)
一般手順Aの後に、3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(200mg、1.4mmol)を(6−ブロモヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(400mg、1.4mmol)と反応させて、所望の生成物(470mg、97%)を無色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.85 (s, 1H), 7.70 − 7.55 (m, 2H), 7.10 − 7.00 (m, 1H), 4.50 (br s, 1H), 4.10 (t, J = 6.5, 2H), 3.20 − 3.02 (m, 2H), 1.95 − 1.79 (m, 2H), 1.71 − 1.17 (m, 15H);ESI MS m/z 240 [M + H − Boc]+.
ステップ2.(Z)−(6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0798)
一般手順Dの後に、(6−(2−フルオロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(216mg、0.64mmol)を2−((3−ベンジル−5−フェニルピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(200mg、0.43mmol)と反応させて、所望の粗生成物(250mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ3.(6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0799)
一般手順Eの後に、(Z)−(6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(250mg、0.40mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(76mg、2.0mmol)と反応させて、所望の生成物(108mg、2ステップにわたり40%)を得た。
ステップ4.2−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0801)
一般手順Fの後に、(6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(108mg、0.12mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(110mg、定量的)を赤橙色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.80 − 7.58 (m, 3H), 7.58 − 7.17 (m, 8H), 7.15 − 6.93 (m, 3H), 4.42 (s, 2H), 4.16 − 3.97 (m, 4H), 3.01 − 2.83 (m, 2H), 1.90 − 1.39 (m, 9H);ESI MS m/z 525 [M + H]+;HPLC 99.8 % (AUC), TR 4.12分;UV (MeOH) λ 433 nm, ε 6091.
実施例22
6−(4−((8−ベンジル−6−(3−ヒドロキシフェニル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸(JRW−0805)
ステップ1.(Z)−6−(4−((8−ベンジル−6−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−3−オキソイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(JRW−0802)
一般手順Hの後に、6−(2−クロロ−4−ホルミルフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(100mg、0.29mmol)を2−((3−ベンジル−5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(175mg、0.29mmol)と反応させて、粗生成物(120mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ2.6−(4−((8−ベンジル−6−(3−ヒドロキシフェニル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸(JRW−0805)
一般手順Iの後に、(Z)−6−(4−((8−ベンジル−6−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−3−オキソイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2(3H)−イリデン)メチル)−2−クロロフェノキシ)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム(120mg、0.16mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.79mmol)と反応させて、所望の生成物(16mg、2ステップにわたり13%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.01 (s, 1H), 7.55 − 7.40 (s, 2H), 7.40 − 6.99 (m, 7H), 6.98 − 6.85 (m, 2H), 6.73 − 6.52 (m, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.11 − 3.90 (m, 4H), 2.92 − 2.75 (m, 2H), 1.95 − 1.72 (m, 4H), 1.65 − 1.45 (m, 4H);ESI MS m/z 620 [M − H]−;HPLC 89.6 % (AUC), TR 4.09分;UV (MeOH) λ 352 nm, ε 6835.
実施例23
(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸(JRW−0806)
ステップ1.(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸tert−ブチル(JRW−0803)
2−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)−3−フルオロベンジル)−8−ベンジル−6−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(40mg、0.076mmol)のDCM(10mL)及びメタノール(0.5mL)中溶液に、4−(tert−ブチル) 1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル) ((S)−2−((S)−2−アセトアミド−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタンアミド)−4−(tert−ブトキシ)−4−オキソブタノイル)−L−アスパルテート(76mg、0.11mmol)及び2,6−ルチジン(46mg、0.38mmol)を添加した。混合物を室温にて3時間撹拌し、次にジクロロメタン及び水で希釈した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、粗生成物(110mg)を橙色の泡沫として得た。ESI MS m/z 1080 [M + H]+.
ステップ2.(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−3−カルボキシ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸(JRW−0806)
一般手順Fの後に、(S)−3−アセトアミド−4−(((S)−1−(((S)−1−((6−(4−((8−ベンジル−3−オキソ−6−フェニル−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−2−イル)メチル)−2−フルオロフェノキシ)ヘキシル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−(tert−ブトキシ)−1,4−ジオキソブタン−2−イル)アミノ)−4−オキソブタン酸tert−ブチル(110mg、0.10mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(49mg、2ステップにわたり70%)を赤色の固体として得た。注:単離された材料は純粋ではなく、不純物が存在した。ESI MS m/z 913 [M + H]+;HPLC 87.8 % (AUC), TR 4.40分;UV (MeOH) λ 432 nm, ε 2860.
実施例24
3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0755)
ステップ1.3−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0750)
3−ベンジル−5−ブロモピラジン−2−アミン(190mg、0.72mmol)、(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(191mg、0.86mmol)、及び[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(58mg、0.072mmol)のジオキサン(5mL)中脱気懸濁液に、炭酸セシウム(2.2mL、1M、2.2mmol)を添加した。混合物を30分間75℃に加熱し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(205mg、79%)を淡い黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.62 − 8.45 (m, 2H), 8.19 − 7.90 (m, 2H), 7.60 − 7.22 (m, 6H), 4.57 (s, 2H), 4.20 (s, 2H), 1.82 − 1.47 (m, 9H);ESI MS m/z 362 [M + H]+.
ステップ2.3−(6−ベンジル−5−((1−(ジエトキシホスホリル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)ピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0751)
3−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(205mg、0.56mmol)のクロロベンゼン(5mL)中溶液に、2−ジアゾ−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(401mg、1.7mmol)及び酢酸ロジウム(12mg、0.028mmol)を添加した。混合物を24時間100℃に加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の粗生成物(442mg)を濃い褐色の油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.60 − 8.52 (m, 1H), 8.44, (s, 1H), 8.15 − 8.08 (m, 1H), 8.01 − 7.95 (m, 1H), 7.50 (t, J = 7.8, 1H), 7.40 − 7.20 (m, 5H), 5.43 − 5.12 (m, 2H), 4.33 − 4.13 (m, 4H), 3.74 (s, 3H), 1.61 (s, 9H), 1.28 − 1.13 (m, 6H);ESI MS m/z 570 [M + H]+.
ステップ3.(Z)−3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0754)
一般手順Dの後に、フルフラール(111mg、1.2mmol)を3−(6−ベンジル−5−((1−(ジエトキシホスホリル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)ピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(440mg、0.77mmol)と反応させて、所望の粗生成物(369mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0755)
一般手順Eの後に、(Z)−3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(0.77mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(87mg、2.3mmol)と反応させて、所望の生成物(130mg、2ステップにわたり35%)を黄色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.28 (br s, 1H), 8.12 − 7.80 (m, 3H), 7.64 − 7.17 (m, 7H), 6.41 − 6.00 (m, 2H), 4.44 (s, 2H), 4.19 (s, 2H), 1.60 (s, 9H);ESI MS m/z 480 [M − H]−;HPLC 90.0 % (AUC), TR 5.52分;UV (MeOH) λ 306 nm, ε 21203.
実施例25
3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸(JRW−0756)
一般手順Fの後に、3−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(115mg、0.24mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(64mg、63%)を褐色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.73 (s, 1H), 8.64 (t, J = 1.6, 1H), 8.27 − 8.15 (m, 1H), 8.15 − 8.02 (m, 1H), 7.60 (t, J = 7.8, 1H), 7.54 − 7.39 (m, 3H), 7.39 − 7.18 (m, 3H), 6.38 − 6.24 (m, 2H), 4.63 (s, 2H), 4.37 (s, 2H);ESI MS m/z 425 [M + H]+;HPLC 91.3 % (AUC), TR 3.63分;UV (MeOH) λ 306 nm, ε 19518.
実施例26
4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸(JRW−0790)
ステップ1.4−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0781)
3−ベンジル−5−ブロモピラジン−2−アミン(190mg、0.72mmol)、(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(191mg、0.86mmol)、及び[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(58mg、0.072mmol)のジオキサン(5mL)中脱気懸濁液に、炭酸セシウム(2.2mL、1M、2.2mmol)を添加した。混合物を30分間75℃に加熱し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物(240mg、92%)を淡い黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.45 (s, 1H), 8.08 − 7.97 (m, 4H), 7.38 − 7.19 (m, 5H), 4.55 (s, 2H), 4.20 (s, 2H), 1.62 (s, 9H);ESI MS m/z 362 [M + H]+.
ステップ2.4−(6−ベンジル−5−((1−(ジエトキシホスホリル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)ピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0783)
4−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(240mg、0.66mmol)のクロロベンゼン(5mL)中溶液に、2−ジアゾ−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(470mg、2.0mmol)及び酢酸ロジウム(15mg、0.033mmol)を添加した。混合物を24時間100℃に加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の粗生成物(620mg)を濃い褐色の油として得た。ESI MS m/z 570 [M + H]+.
ステップ3.(Z)−4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0787)
一般手順Dの後に、フルフラール(95mg、1.0mmol)を3−(6−ベンジル−5−((1−(ジエトキシホスホリル)−2−メトキシ−2−オキソエチル)アミノ)ピラジン−2−イル)安息香酸tert−ブチル(0.66mmol)と反応させて、所望の粗生成物(590mg)を赤黒色の固体として得た。
ステップ4.4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(JRW−0788)
一般手順Eの後に、(Z)−4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(0.66mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(75mg、2.0mmol)と反応させて、所望の生成物(72mg、3ステップにわたり22%)を橙赤色の泡沫として得た。
ステップ5.4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸(JRW−0790)
一般手順Fの後に、4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)安息香酸tert−ブチル(72mg、0.15mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(45mg、71%)を橙色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.21 − 7.78 (m, 5H), 7.55 − 7.19 (m, 6H), 6.35 − 6.28 (m, 1H), 6.15 − 6.07 (m, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.18 (s, 2H);ESI MS m/z 426 [M + H]+;HPLC 97.9 % (AUC), TR 4.31分;UV (MeOH) λ 396 nm, ε 4554.
実施例27
6−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)フェニル)−8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0817)
ステップ1.(6−(4−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0807)
一般手順Aの後に、4−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)フェノール(250mg、0.90mmol)を(6−ブロモヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(252mg、0.90mmol)と反応させて、所望の生成物(350mg、81%)を褐色の泡沫として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.32 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8.8, 2H), 7.39 − 7.20 (m, 5H), 6.97 (d, J = 8.8, 2H), 4.58 − 4.43 (m, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.17 (s, 2H), 4.00 (t, J = 6.5, 2H), 3.20 − 3.03 (m, 2H), 1.87 − 1.75 (m, 2H), 1.61 − 1.34 (m, 15H);ESI MS m/z 477 [M + H]+.
ステップ2.2−((3−ベンジル−5−(4−((6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキシル)オキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(JRW−0809)
(6−(4−(5−アミノ−6−ベンジルピラジン−2−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(350mg、0.73mmol)のクロロベンゼン(5mL)中溶液に、2−ジアゾ−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(520mg、2.2mmol)及び酢酸ロジウム(16mg、0.036mmol)を添加した。混合物を24時間100℃に加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトに添加し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、所望の粗生成物(170mg、33%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.33 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.6, 2H), 7.36 − 7.19 (m, 5H), 6.96 (d, J = 8.7, 2H), 5.33 − 5.09 (m, 2H), 4.60 − 4.40 (m, 1H), 4.23 (s, 2H), 4.15 − 3.88 (m, 6H), 3.73 (s, 3H), 3.18 − 3.03 (m, 2H), 1.88 − 1.74 (m, 2H), 1.57 − 1.30 (m, 15H), 1.29 − 1.14 (m, 6H);ESI MS m/z 685 [M + H]+.
ステップ3.(Z)−6−(4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0814)
一般手順Dの後に、フルフラール(33mg、0.33mmol)を2−((3−ベンジル−5−(4−((6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキシル)オキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)アミノ)−2−(ジエトキシホスホリル)酢酸メチル(160mg、0.23mmol)と反応させて、所望の粗生成物を黒色の固体として得た。
ステップ4.(6−(4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(JRW−0815)
一般手順Eの後に、(Z)−(6−(4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチレン)−3−オキソ−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(0.23mmol)を水素化ホウ素ナトリウム(44mg、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(20mg、2ステップにわたり14%)を黄色の固体として得た。ESI MS m/z 597 [M + H]+.
ステップ5.6−(4−((6−アミノヘキシル)オキシ)フェニル)−8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−3(7H)−オン(JRW−0817)
一般手順Fの後に、(6−(4−(8−ベンジル−2−(フラン−2−イルメチル)−3−オキソ−3,7−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)フェノキシ)ヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(20mg、0.033mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)と反応させて、所望の生成物(18mg、定量的)を褐色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.75 − 7.53 (m, 3H), 7.45 − 7.35 (m, 3H), 7.34 − 7.19 (m, 3H), 7.00 (d, J = 8.5, 2H), 6.33 − 6.29 (m, 1H), 6.12 − 6.08 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.18 (s, 2H), 4.07 − 3.98 (m, 2H), 3.02 − 2.84 (m, 2H), 1.92 − 1.38 (m, 8H);ESI MS m/z 497 [M + H]+;HPLC 98.6 % (AUC), TR 3.93分;UV (MeOH) λ 428 nm, ε 4535.
実施例28
発光特性
発光アッセイ手順:スクリーニング対象の各化合物をDMSO(5mM)に溶解し、次にNANO−GLO(登録商標)ルシフェラーゼアッセイ緩衝液中でさらに100uMに希釈した。次に、希釈した各基質を、精製したNANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼと等体積で合わせてCO2非依存培地+10%のFBS中に希釈した。各基質の初期光出力をGloMax(登録商標)−Multi+ルミノメーターにおいて基質を添加してから3分後に測定し、次に、シグナル半減期を定量する手段として5分間隔で測定した。例示化合物の生物発光活性を図1A−Cに示す。Kmは、GraphPad Prismを用いてミカエリス・メンテン非線形回帰により算出した。光出力、シグナル半減期、及びKm値を表1に概括する。
表1
表1のデータは、本開示の化合物が、様々な官能基を有するにもかかわらず、NanoLuc用の基質であることを示すものである。値は、各カテゴリーにおいてフリマジンを1とした場合(2.5ng/mLのNanoLucにおいて約1.0×107RLU)の相対値として表されている。
実施例29
細胞透過性及び生物発光活性
細胞培養物:HEK293細胞を、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、及び10%ウシ胎児血清を含有するDMEM中で、37℃にて5%CO2で維持した。ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、Opti−MEM、ペニシリン/ストレプトマイシン、及びトリプシン−EDTAは、Life Technologies(Carlsbad)から購入した。ウシ胎児血清(FBS)は、HyClone(GE Healthcare)から購入した。マイクロタイタープレートは、Corningから購入した。
細胞ベースルシフェラーゼアッセイ:HEK293細胞に対し、以下の2つの異なる複合膜NanoLuc融合タンパク質を一時的にトランスフェクションした:1)NanoLuc:KDR(細胞表面上にNanoLucを提示);2)KDR:NanoLuc(細胞の内側でNanoLucを提示)。24時間後、トランスフェクションした細胞を収集し、OptiMに200,000細胞/mlにて再懸濁させ、白色の96プレートのウェルに100μL/ウェルにてプレーティングした。発光測定のため、20μMの細胞不透過性NanoLuc阻害物質JRW−0344の存在下または不在下において、細胞を10μMまたは20μMの最終濃度の指示基質で処置した。基質添加から3分後に、GLOMAX(登録商標)Discoverマルチモード検出プレートリーダー(Promega)を用いて、発光シグナルを解析した。
JRW−0344が存在する場合または不在である場合における発光シグナルの差を、図2A〜Dに示す。これらのデータは、細胞外阻害物質によって不透過性基質が顕著に阻害されていることを示している。これに対し、細胞膜の内側及び外側でNanoLucにアクセスすることができる透過性基質は、細胞外阻害物質による顕著な影響を受けていない。図2Aは、10μMの基質±20μMのPBI 6096で処置された、NanoLuc:KDRを発現する細胞からの発光を示している。スルホネート基を含有する基質(JRW−0703、JRW−0728、JRW−0769)で処置された細胞については、阻害物質が存在する場合と不在である場合とで、より大きなRLUの差が観察された。アミンを含有する基質(TAK−0039)、カルボキシレートを含有する基質(JRW−0684)、またはブロミドを含有する基質(JRW−0720)で処置された細胞については、阻害物質が存在する場合と不在である場合とで、小さなRLUの差が観察された。図2Bは、NanoLuc阻害物質JRW−0344による10μM及び20μMの基質で処置された細胞において、阻害パーセントに顕著な差がなかったことを示している。図2Cは、10μMの基質及び±20μMのJRW−0344で処置された、KDR:Nlucを発現する細胞についてのRLUデータを示している。結果は、スルホン化された不透過性基質(JRW−0703、JRW−0728、JRW−0769)がはるかに暗く、これらの基質が、細胞外阻害物質によってバックグラウンドレベル付近にまで阻害されている可能性があることを示している。しかし、細胞透過性基質(TAK−0039、JRW−0684、JRW−0720)からのRLUは、細胞外阻害物質による影響を受けていない。図2Dは、NanoLuc阻害物質JRW−0344による10μM及び20μMの基質で処置された細胞において、阻害パーセントに顕著な差がなかったことを示している。
溶解形式及び生細胞形式:HEK293細胞に対し、膜の内側で膜結合NanoLucを提示する融合タンパク質KDR:NanoLucをトランスフェクションした(1:100のキャリアDNA)。次に、細胞を、ジギトニンで処置して細胞膜を溶解し(溶解形式)、またはJRW−0344で処置して(生細胞形式)、細胞透過性基質の活性と細胞透過性でない基質の活性とを比較した。両方のセットを様々な基質濃度で処置して、ミカエリス・メンテン型プロットを得た。細胞透過性である基質(TAK−0039、JRW−0726、JRW−0720、JRW−0806)は、図3A及び3Bに見られるような同様の用量反応曲線を有する。しかし、細胞不透過性(またはほとんど不透過性)である基質は、生細胞形式と溶解細胞形式との間で大きな差を示している(図3C)。スルホネートJRW−0703、JRW−0728、及びJRW−0769は、生細胞形式において100倍低い活性をもたらした。このことは、これらの基質における細胞内NanoLucへのアクセスが限定されていることを示すものである。図3Dは、化合物ごとに「生」形式及び「溶解」形式によりプロットされた各基質における3つの濃度のうちで最も高いものを示している。
細胞生存率アッセイ:発光を測定した後に、MultiTox−Fluorマルチプレックス細胞毒性アッセイ試薬(Promega Corporation)をプレートに添加し、プレートを37℃、5%のCO2で30分間インキュベーションすることができる。次に蛍光を測定することができる。
仮想例30
細胞死の検出
NanoLucを発現する標的細胞をアッセイで使用して、細胞死を検出することができる。HEK293細胞は、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、及び10%ウシ胎児血清を含有するDMEM中で、37℃にて5% CO2で維持され得る。HEK293細胞に対し、膜の内側で膜結合NanoLucを提示する融合タンパク質KDR:NanoLucをトランスフェクションすることができる(1:100のキャリアDNA)。本開示の化合物を細胞に添加することができ、ベースライン発光シグナルは、GLOMAX(登録商標)Discoverマルチモード検出プレートリーダー(Promega)を用いて解析することができる。ベースライン測定の後に、目的化合物を標的細胞に添加して細胞死を誘導することができる。発光シグナルは、目的化合物の添加から3分後に、GLOMAX(登録商標)Discoverマルチモード検出プレートリーダー(Promega)を用いて解析することができる。目的化合物が存在する場合及び不在である場合における発光シグナルの差を算出し、これを細胞死の定量化に使用することができる。RLUの差が大きい場合、死に瀕した標的細胞からKDR:NanoLuc融合タンパク質が解放され、本開示の細胞不透過性化合物による検出が可能になったことを示すと考えられる。
仮想例31
ルシフェラーゼ分泌の検出
分泌可能なルシフェラーゼを発現する細胞は、生細胞からのルシフェラーゼ分泌を測定する方法で使用することができる。HEK293細胞は、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、及び10%ウシ胎児血清を含有するDMEM中で、37℃にて5%CO2で維持され得る。HEK293細胞に対し、分泌可能なルシフェラーゼをトランスフェクションすることができる(1:100のキャリアDNA)。本開示の化合物を細胞に添加することができ、発光シグナルは、GLOMAX(登録商標)Discoverマルチモード検出プレートリーダー(Promega)を用いて解析することができる。例えば、野生型ルシフェラーゼの配列は、タンパク質に細胞からの分泌を指示するシグナルペプチドを含有するように修飾することができる。分泌の際にシグナルペプチドを切断することができると考えられ、得られる野生型ルシフェラーゼは、本開示の細胞不透過性化合物により検出することができる。
実施例32
HeLa細胞におけるNluc−B2ARのイメージング(フリマジン及びJRW−0769)
HeLa細胞に対し、Nluc−b2アドレナリン受容体(B2AR)の発現コンストラクトをリバーストランスフェクションし、LabTEKIIカバーグラスチェンバー(400uLの培地中ウェル当たり50,000細胞)にプレーティングし、一晩インキュベーションした。イメージングのために培地を除去し、CO2非依存培地で置き換えた。試料をイメージング装置に設置する直前に、フリマジンまたはJRW−0769を10uMの最終濃度にて細胞に添加した。画像収集をOlympus LV200生物発光イメージャー上で実施した(40×/0.95NAの対物レンズを使用し、電気増大ゲインを400に設定、収集時間は0.5秒(フリマジン)及び2.5秒(JRW−0769))。
以上の発明を実施するための形態及び付随する実施例は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義される。
本開示の実施形態に対する様々な変更及び修正は、当業者には明白であると考えられる。このような変更及び修正(以下に限定されないが、本発明における化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、製剤、または使用方法に関する変更及び修正を含む)は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。