JP2020510090A - 3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドの調製のための方法 - Google Patents

3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドの調製のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを調製するためのプロセスと、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドに変換する方法と、報告された以下の式Iの薬学的に許容される3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(メチルチオニニウムクロリド、メチレンブルー、MTC)をもたらす、塩酸の水溶液からの結晶化による7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドの精製とに関する。【化1】

Description

本発明は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを調製するためのプロセスと、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドに変換する方法と、以下の式Iの薬学的に許容される3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(メチルチオニニウムクロリド、メチレンブルー、MTC)をもたらす、塩酸の水溶液からの結晶化による7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドの精製とに関する。
Figure 2020510090
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(メチルチオニニウムクロリド、メチレンブルー、MTC、C.I.Basic Blue、9−メチルチオニニウムクロリド、Swiss Blue、C.I.52015、C.I.Solvent Blue 8、Urolene Blueとしても公知)は、毛、革およびセルロース系繊維のための周知のフェノチアジン色素、酸化還元指示薬、一重項酸素発生のための光増感剤、固定された組織および生きている組織のための酸化防止剤ならびに防腐性染色剤(antiseptic stain)、腎機能検査における診断薬である。
MTCは、薬剤としても、例えば、一酸化窒素シンターゼおよびグアニル酸シクラーゼの阻害剤としても使用される。MTCは、様々な臨床状態に関連する低血圧を改善することが明らかになっている。MTCは、肝硬変および重篤な肝肺症候群における低酸素ならびに循環亢進(hyper dynamic circulation)を改善する。MTCは、敗血症性ショックにおける血圧および心機能の一時的な改善ならびに再現性のある改善においても作用する。過去において、MTCは、マラリアを治療するために(非特許文献1);メトヘモグロビン血症のための治療法として使用されてきた。最近では、がんの光線力学的治療のために調査された。MTCは、アルツハイマー病の治療のための後期臨床開発において評価中であり(Wischikらの特許文献1)、がん患者(例えば、乳がん患者)におけるセンチネルリンパ節生検、GERDまたはバレット食道を有する患者における病変の内視鏡的評価、尿道損傷または腎盂損傷を有する患者における泌尿器科的評価および肺小結節を有する患者における胸腔鏡手技を含む様々な手技における可視化色素の形態の診断マーカーとして最近記載された。
光と組み合わせたメチレンブルーが、抵抗性尋常性乾癬、エイズ関連カポジ肉腫、西ナイルウイルスを治療するために、かつ黄色ブドウ球菌(staphylococcus aureus)、HIV−1、アヒルB型肝炎ウイルス、アデノウイルスベクターおよびC型肝炎を不活性化するために使用されてきた。フェノチアジン色素と光は、殺ウイルス特性を有することが70年以上にわたって公知である。しかし、ある状況下では、フェノチアジン色素と光との組合せは、がんにつながる恐れがあるDNA損傷の原因になる可能性がある。
MTCは、錠剤の形態で、または注入形態で使用されてきた。医薬としてのMTCの幅広い使用には、化学的純度が高い生成物の合成をもたらし得る合成法が必要である。
MTCの合成、精製および生物学的活性は、多数の特許および刊行物に記載されている。
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)は、1876年にドイツの化学者H.Caroによって最初に合成され、1876年のBASFによるその最初の生産以来市販されてきた(特許文献2、Badishe Anilin−und Soda Fabrik、1877)。BASFの特許によれば、MTCは、ジメチルアニリンのニトロシル化と、N,N−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼンを生成するその後の還元と、硫化水素および塩化鉄(III)を使用するその後の酸化的カップリングとによって合成された。その後、多くの著者が、MTCの合成のための同様の方法を記載した。原則として方法は同じであり、使用される試薬のみが異なる。スキーム1に示したジメチルアニリンからのMTCの調製が公表された(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。類似の方法が非特許文献4に記載されている。
スキーム1によれば、ステップiにおいて出発材料ジメチルアニリンは、塩酸水溶液中の亜硝酸ナトリウムとの反応によりニトロシル化される。ステップiiにおいて、ニトロソ化合物は、亜鉛末と追加の塩酸とを使用してジメチルアミノアニリンに還元される。ジメチルアミノアニリンは、塩化亜鉛の存在下、硫酸中のチオスルホン酸で酸化(ステップiii)され、p−アミノジメチルアミンのチオスルホン酸誘導体を与え、ステップivにおいて、チオスルホン酸p−アミノジメチルアミンは、ビンドシェドラーグリーンのチオスルホン酸(化学名N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)−2−(スルホチオ)フェニル]イミノ]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−メチルメタンアミニウム)に酸化される。MTCを生成する閉環(ステップv)は、二酸化マンガンまたは硫酸銅の存在下で行われる。
Figure 2020510090
Wista Laboratories(特許文献3)は、アルカリ金属過硫酸塩および過硫酸アンモニウムを酸化剤としての重クロム酸ナトリウムと共に使用することにより、合成経路から重金属を排除しようと試みた。一部改善したスキーム1と同じステップを使用して、それらは、3ポット法(3つの反応器)における調製を記載し、この方法では、合成調製の大部分がPOT1において行われ(第1の反応器)、その後、POT2環化(第2の反応器)およびMTCの再結晶であるPOT3(第3の反応器)が続いた。さらに、それらは2ポット法を記載し、この方法では、再結晶化が第2の反応器内で行われた。
MTCの精製は、例えば、溶媒抽出とその後の結晶化によるものが非特許文献5により、非特許文献6により、塩化亜鉛複塩の生成によるものが非特許文献7により記載されている。スキーム1に示した、上で引用した方法にしたがって調製されたMTCは、欧州の保健機関により設定された安全性限界を超える大量の金属不純物、例えば、Cu、Fe、Cr、Mn、Al、Znを含む。
異なる手法がC.M.Wischikらにより公表され、この手法では、純度95%未満の工業グレードの市販MTCが使用された(特許文献4)。これは、水素化ホウ素ナトリウムにより(または、あるいは、ヒドラジン、メチルヒドラジンにより)白色(無色)の還元型(ロイコ型)にまず還元され、続いて、無水酢酸でアシル化された。アセチル誘導体の結晶化により、金属を含まない精製された生成物が得られた。アセチル誘導体は、加水分解されてMTCの白色の還元型に戻り、最終ステップにおいてMTC(青色)に酸化され、これは、出発材料として使用された工業グレードMTCと比べてはるかに高い純度を有していた。酸化反応のために、塩化鉄(III)、亜硝酸イソアミル、亜硝酸t−ブチルアミルおよびアンバーライトが使用された(スキーム2参照)。同じ国際特許出願において同じく記載されているのは、一連の反応による1−アセチル−3,7−ジメチルアミノフェノチアジン中間体の調製であり、それらの反応は、亜硝酸ナトリウムによるフェノチアジンのニトロ化と、無水酢酸を使用して3,7−ジニトロ−10−アセチルフェノチアジンを与えるN−アセチル化とを含み、これが、活性炭上のパラジウムを触媒として使用して水素雰囲気中で還元され、最後にp−ホルムアルデヒドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応した。
Figure 2020510090
M.Feraudらは新しい合成経路を見出し、医薬グレードメチレンブルーの製造につながるその化学プロセスを開発した(特許文献5)。この特許には、粗製MCTのベンゾイル化を含む一連のステップによる粗製MTCの精製が記載されており、これは、対応するベンゾイル還元型の生成につながり、その後、結晶化、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)による酸化ならびにイオン交換クロマトグラフィーおよび水性媒体からの生成物の結晶化により順次実施される最終精製が続く(スキーム3参照)。
Figure 2020510090
E.Malvinは、特許文献6において、アスコルビン酸を使用してロイコメチレンブルーを生成し、その後、p−ベンゾキノンを使用して酸化する工業グレードMTCの精製を記載している(スキーム4参照)。
Figure 2020510090
MTCは、ニトロ化反応を使用してフェノチアジンから調製することもできる。このプロセスをわずかに変更したものは、第1のステップにおいて、フェノチアジンの3位および7位を臭素化すると共に、3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを同時に調製するために臭素を使用し、その後、ジメチルアミンとの反応が続き、MTCの臭化物型を得る(スキーム5参照)。文献において、MTCのこの調製方法は、Kehrmannの合成として公知であり(例えば、非特許文献8、非特許文献9参照)、MTCの製造のために現在使用されている。
Figure 2020510090
Kehrmannの合成法をわずかに変更したものが、フェノチアジンから出発するMTC類似体の調製のために使用された(例えば、非特許文献10参照)。Leventisらは2ステッププロセスを記載した。これは、酢酸中の臭素による反応によるフェノチアジンから3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドへの変換から出発し、その後、溶媒としてのエタノール中またはクロロホルム中の二置換アミンと3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドとを反応させる芳香族求核置換が続き、MTC類似体の臭化物塩が生成する。上述のプロセスは、メチレンブルーのジビニル類似体が調製されたとき収率が低かった(27〜63%)が、メチレンブルー(臭化物塩)の調製においては収率は良好(70〜85%)であった。しかし、このプロセスは、以下のいくつかの不利な点を有していた:このプロセスは、フェノチアジンから3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドに完全に変換するために、ステップ1において大量の臭素(20モル過剰の臭素)を必要とした。その理由は、より少ない量を使用すると、3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミド(酸化型)と3,7−ジブロモフェノチアジン(還元型、副生成物)との混合物が得られたためである;3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを単離および精製しなければならなかった。その理由は、この物質が、特に溶液中であまり安定ではないためである;さらに、第2のステップにおいて、選択された溶媒(エタノール)が求核置換において二置換アミンと競合し、副生成物が生成した。
米国特許第7737138号明細書 独国特許第1886号明細書 国際公開第2010/130977号パンフレット 国際公開第2008/007074号パンフレット 国際公開第2008/006979号パンフレット 国際公開第2015/021500号パンフレット
P. Guttmann and P. Ehrlich, 1981 A. Bernthsen (1885a, 1885band 1889) H. E. Fierz−David and L. Blangley (1949) Colour Index (Vol.4 3rd Edition, 1971) P. N. Marshall and S. M. Lewis Stain Technol. 1975a, 1975b; 50(6), 375−81 and 143−147 W. Lohr et al. (The azure dyes: their purification and physicochemical properties. I. Purification of Azure B, Stain Technologies (1974) 49(6), 359−366 H. E. Fierz−David (Fundamental Processes of Dye Chemistry (1949), Interscience deel, Oxazine and Thiazine Dyes) Kehrmann F. Ber., 1916, 49, 53 Kehrmann F.: Diserens L. Ber., 1915, 48, 318 N. Leventis et al. Tetrahedron Vol. 53 N°29, pp 10083−10092 (1997) ICH guideline Q3(R5) US and European pharmacopoeia monographs
引用した合成法に共通する不利な点は生成物の低収率であり、その原因は、反応の位置選択性の低さ、次の反応ステップの前に3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを単離する必要性;長い反応時間;反応および中間体の分離のための膨大な量の溶媒の使用;ならびに大きくモル過剰な臭素を使用する必要性である。
さらに、医薬としてのMTCの幅広い使用には、微量の金属しか含まない非常に純粋な物質が必要である。
本発明の1つの目的は、医薬としての使用に適した、米国および欧州の保健機関により設定された品質基準内の3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを生成するための改善されたプロセスを提供することである。1つの実施形態において、本発明は、米国およびEUの保健機関に適合する品質特性を有する3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを生成するプロセスであり、これは、速くかつ経済的に有利に行うことができる。特に、本発明のプロセスは、プロセスの2つの化学的ステップ、すなわち、フェノチアジンから対応する3,7−ジハロゲノフェノチアジン−5−イウムハロゲン化物への変換と、この3,7−ジハロゲノフェノチアジン−5−イウムハロゲン化物から3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドへのその後の転換とのワンポット反応としての実施を可能にし、これは、同じ反応容器内で、両方の反応ステップに共通の1つの溶媒系を使用して行われる。
有利に、本発明の特定のプロセスは、フェノチアジンを適したハロゲンと反応させた後、その後のプロセスステップを続ける前に、どのような反応中間体の単離および/または精製も使用しない。本発明のプロセスは、中間体の単離および精製に必要な時間の排除、生産廃棄物の低減、不安定な中間体が単離/精製ステップの間に分解するリスクの排除、ならびに非毒性溶媒の使用を可能にする。したがって、本発明のプロセスは、先行技術と比べて大幅な改善となる。
本発明の1つの目的は、医薬使用に適した、米国および欧州の保健機関により設定された基準内の3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを生成するための改善された方法を提供することである。
本発明は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドまたはクロリドを生成するためのプロセス(スキーム6およびスキーム7)であって、
(a)塩素または臭素を、任意選択で、適した金属触媒の存在下、フェノチアジンと反応させて、それぞれ3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと、
(b)ステップ(a)の反応混合物にジメチルアミンを添加して、それぞれ3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと、
(c)任意選択で、ステップ(b)において得られた3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを、好ましくは、これらの化合物を適した溶媒中または溶媒混合物中でスラリーにすることにより、精製するステップと、
(d)任意選択で、ステップ(b)または(c)の臭化物材料をイオン交換カラム内に溶出し、臭化物を塩化物と交換するステップと、
(e)任意選択で、ステップ(b)もしくは(c)の3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを塩酸の水溶液に溶解し、生成物を精製するステップと、
(f)任意選択で、ステップb)、c)もしくはd)の3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを結晶化するステップと
を含むプロセスを提供する。
第1のステップ(a)および第2のステップ(b)は、ステップ(a)において形成された中間体(3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミド)の単離および/または精製なしで行われる。
本発明によれば、プロセスのステップ(a)および(b)はワンポット反応であり、これは、同じ反応容器内で、両方の反応ステップに共通の1つの溶媒系を使用して行われる。臭化物型から塩化物型への変換であるステップ(d)は、任意選択であり、ステップ(c)において得られた材料が3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドであるとき行われる。
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)を得るため、ステップ(c)の材料をイオン交換カラム内に溶出し、臭化物を塩化物と交換するステップ(d)は、ステップ(c)において得られた材料が3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドであるとき必要である。
Figure 2020510090
Figure 2020510090
有利に、本発明のプロセスは、2つの反応ステップ(a)および(b)においてMTCを生成し、これらは、同じ反応容器内で、これらのステップ間で中間体の分離および精製を必要とせずに行われ、中間体の単離および精製に必要な時間の排除を可能にし、反応器の空時収率の向上を可能にする。さらに、反応ステップ(a)および(b)のいずれも同じ溶媒系を使用するため、本発明のプロセスは、ステップ(b)を行うための別の溶媒と交換するためにステップ(a)の後に溶媒交換するプロセスを必要としない。さらに、本発明のプロセスは、先行技術において報告されているものと比べて、反応ステップ(a)においてフェノチアジンに対してモル過剰の塩素または臭素の低減を可能にする。ステップ(a)における臭化物または塩素のモル当量の低減ならびにステップ(a)および(b)に特有の溶媒系は、溶媒廃棄物の大幅な削減を可能にし、これは、工業的規模で行うとき、莫大なコスト削減となる。本発明のプロセスの別の利点は、ステップ(a)の後に3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドまたは3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドを単離および精製する必要性を排除すると、特に溶液中でかなり不安定であることが公知であるそれらの物質が単離および/または精製ステップの間に分解するリスクを低減できることである。本発明のプロセスの別の利点は、低毒性の溶媒、例えば、酢酸エチルの使用が可能になることである。本発明のこの最後の態様は、化学プロセスの生成物が、EMEAおよびFDAのような主な保健機関のガイドライン(非特許文献11参照)によって低毒性の溶媒の使用が強く推奨されている医薬有効成分であるとき特に有利である。本プロセスでは、副生成物および金属の含有量が非常に低いMTCを与える最終生成物の安価な精製手順を使用しているため、生成物は医薬用途に適している。
1つの実施形態において、本発明は、スキーム6のステップ(a)から得られた「単離されていない」中間体、すなわち、3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドである。この化合物は、分析のみを目的として本発明者らによって単離され、特徴づけられた。
本発明の1つの実施形態は3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドである。
本発明の1つの実施形態は、中間体として使用するための3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドである。
1つの実施形態において、本発明は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)またはブロミドを生成するためのプロセスであって、
a)塩素または臭素をフェノチアジンと反応させて、それぞれ3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと、
b)ステップa)の反応混合物にジメチルアミンを添加して、それぞれ3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと
を含み、
ステップa)およびb)は、ステップa)において形成された中間体の単離および/または精製なしで行われるプロセスである。1つの実施形態において、本発明のプロセスのステップ(a)において、フェノチアジンを溶媒系に溶解し、これを塩素または臭素と接触させ、3,7−ジクロロフェノチアジンクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジンブロミド中間体を得る。1:1より高い塩素または臭素:フェノチアジンのすべてのモル比が、本発明のプロセスのステップ(a)に適している。ただし、3,7−ジクロロフェノチアジンクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジンブロミドが中間体として得られるものとする。ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンの適したモル比は、典型的には、臭素または塩素:フェノチアジン約1:1から約4:1の、好ましくは臭素または塩素:フェノチアジン約2.2:1から約2.8:1の範囲内である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンのモル比は、臭素または塩素:フェノチアジン約2:1である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンのモル比は、臭素または塩素:フェノチアジン約2.5:1である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンのモル比は、臭素または塩素:フェノチアジン約3:1である。好ましい実施形態において、ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンのモル比は、臭素または塩素:フェノチアジン約2.5:1である。さらに好ましい実施形態において、ステップ(a)における塩素または臭素対フェノチアジンのモル比は、臭素または塩素:フェノチアジン約3:1である。
本発明のプロセスのステップ(a)は、いくつかの実施形態において、不活性溶媒の存在下で行うことができる。
「不活性」という用語は、溶媒が、試薬および生成物に対して非反応性であり、本発明のプロセスを妨げないことを意味する。所期の可溶化が実現される限り、かつ3,7−ジクロロフェノチアジンクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジンブロミドが中間体として得られる限り、任意の不活性溶媒が適している。
ステップ(a)に適した不活性溶媒には、極性プロトン性および非プロトン性有機溶媒、例えば、ジクロロメタン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルムまたはそれらの混合物が含まれる。1つの実施形態において、溶媒はジクロロメタンである。1つの実施形態において、溶媒は酢酸メチルである。1つの実施形態において、溶媒は酢酸ブチルである。好ましい実施形態において、溶媒は酢酸エチルである。いくつかの実施形態において、臭素または塩素は、不活性溶媒中の溶液の形態でステップ(a)の反応混合物に添加される。他の実施形態において、臭素または塩素は、純粋な物質として、すなわち、それぞれ液体状または気体状でステップ(a)の反応混合物中に直接添加される。一般的に、溶媒とフェノチアジンとの間の体積/質量比は、約1から約40の間であり、好ましくは約2.5から約25の間である。1つの実施形態において、ステップ(a)における臭素または塩素とのフェノチアジンの反応は、触媒なしで行われる。1つの実施形態において、ステップ(a)における臭素または塩素とのフェノチアジンの反応は、金属触媒の存在下で起こる。金属触媒は、その無水形態で、またはそのすべての水和状態で使用され得る。反応のステップ(a)において使用される金属触媒は、所望の中間体を生成する任意のものであり得る。いくつかの実施形態において、金属触媒は、周期表の第VIII族金属、例えば、鉄、コバルト、ニッケルから選択される。他の実施形態において、金属触媒は、周期表の第IB族金属、例えば、銅および/または銀において選択される。他の実施形態において、金属触媒は、例として、アルミニウムなど、周期表の第IIIB族金属において選択される。いくつかの実施形態において、金属触媒は、ステップ(a)において元素の形態で反応混合物に添加される。他の実施形態において、金属触媒は、ステップ(a)において塩の形態で反応混合物に添加される。後者の実施形態によれば、上述の金属の適した塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩を含むがこれらに限定されない群から選択されてもよい。他の実施形態において、金属触媒は酸化物の形態である。1つの実施形態において、ステップ(a)の金属触媒は鉄である。好ましい実施形態において、ステップ(a)の金属触媒は鉄塩である。後者の実施形態によれば、鉄塩は、鉄(II)塩または鉄(III)塩、好ましくは鉄(III)塩であり得る。鉄(III)塩は、その無水形態で、または水和形態のそのすべての状態で使用され得る。さらに好ましい実施形態において、塩化鉄(III)は、その六水和物形態で使用される。いくつかの実施形態において、鉄(II)塩は、以下を含むがこれらに限定されない群から選択することができる:塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、フッ化鉄(II)、炭酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、酢酸鉄(II)、マレイン酸鉄(II)。いくつかの実施形態において、鉄(III)塩は、以下を含むがこれらに限定されない群から選択することができる:塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、フッ化鉄(III)、炭酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、リン酸鉄(III)、酢酸鉄(III)、マレイン酸鉄(III)。好ましい実施形態において、鉄(II)塩は硫酸鉄(II)である。好ましい実施形態において、鉄(III)塩は塩化鉄(III)である。
当分野における知識にも関わらず、上述の金属触媒作用は、鉄(II)塩、好ましくは硫酸鉄(II)を使用しても有用に得ることができることが本発明者らによって実際驚くべきことに見出された。
上述の鉄塩の任意の水和物形態が、本発明にしたがって使用され得る。
任意の操作可能なプロセス条件を本発明のプロセスにおいて使用することができ、ただし、所望の中間生成物が形成されるものとする。本発明のプロセスによれば、ステップ(a)のプロセス温度範囲は、約−35℃から約45℃、好ましくは約−30℃から約35℃、より好ましくは約−20℃から約15℃、さらにより好ましくは約−20℃から約−10℃である。1つの好ましい実施形態において、ステップ(a)の温度は、約−15℃の温度である。1つの実施形態において、ステップ(a)の温度は、約−25℃から約0℃の間の範囲内に保持される。別の実施形態において、ステップ(a)の温度は、約−20℃から約−5℃の間の範囲内に保持される。好ましい実施形態において、ステップ(a)の温度は、約−20℃から約−10℃の間の範囲内に保持される。1つの好ましい実施形態において、ステップ(a)の温度は約−15℃に保持される。1つの実施形態において、ステップ(a)は、約45℃、35℃、25℃、15℃、10℃、5℃、0℃、−5℃、−10℃、−15℃、−20℃または−25℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(a)は、約25℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(a)は、約0℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(a)は、約−10℃未満の温度で実施される。1つの好ましい実施形態において、ステップ(a)は、約−20℃から約−10℃の間の温度で実施される。1つのより好ましい実施形態において、ステップ(a)は、約−15℃の温度で実施される。
ステップ(a)の反応時間は、反応ゾーン内の反応温度、反応物の混合速度および反応物の濃度に依存する。1つの実施形態において、任意選択でバッチ反応器内で、ステップ(a)の反応時間は約6時間以下である。1つの実施形態において、ステップ(a)の反応時間は約5時間である。1つの実施形態において、ステップ(a)の反応時間は約4時間である。1つの実施形態において、ステップ(a)の反応時間は約3時間である。1つの実施形態において、ステップ(a)の反応時間は約2時間である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)の反応時間は、約3時間、好ましくは約2時間、より好ましくは約1時間である。好ましい実施形態において、ステップ(a)の反応時間は約1時間である。反応時間は、反応容器およびプロセス規模(例えば、パイロット規模から工業的規模への移行)に基づいて適切に適合させることができる。
本発明の1つの実施形態において、本方法のプロセスのステップ(b)は、中間体精製ステップまたは単離ステップなしで、ステップ(a)において形成された3,7−ジクロロフェノチアジンクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジンブロミドに富む反応混合物中にジメチルアミンを添加することにより行うことができる。1つの実施形態において、ジメチルアミンは、純粋なジメチルアミンとしてステップ(b)の反応混合物に添加される。そのような実施形態によれば、純粋なジメチルアミンは、気体状または液体状であり得る。別の実施形態によれば、ジメチルアミンは、適した溶媒中の溶液の形態でステップ(b)の反応混合物に添加される。そのような実施形態によれば、適した溶媒は、不活性であるべきであり、以下を含むがこれらに限定されない群から選択することができる:メタノール、水、酢酸ブチルおよび酢酸エチルならびにそれらの混合物。好ましい実施形態によれば、ジメチルアミンは、酢酸エチル中の溶液の形態でステップ(b)の反応混合物に添加される。好ましい実施形態によれば、ジメチルアミンは、メタノール中の溶液の形態でステップ(b)の反応混合物に添加される。ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンの適したモル比は、臭素または塩素:ジメチルアミン約1:1から約1:5の範囲内、好ましくは約1:1.5から約1:4.5の範囲内、より好ましくは約1:2.0から約1:4.0の範囲内である。1つの実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:2である。別の実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:2.6である。別の実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:3.0である。別の実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:3.4である。別の実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:4.0である。好ましい実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:3.0である。好ましい実施形態において、ステップ(a)において使用される塩素または臭素対ステップ(b)において使用されるジメチルアミンのモル比は約1:3.1である。
本発明のプロセスによれば、ステップ(b)の反応は、約−35℃から約45℃の温度で、好ましくは約−30℃から約35℃の温度で、より好ましくは約−25℃から約20℃の温度で、さらにより好ましくは約−20℃から約10℃の温度で行うことができる。1つの好ましい実施形態において、ステップ(b)は、約−15℃の温度で行われる。
1つの実施形態において、ステップ(b)の温度は、約−25℃から約25℃の間の範囲内に保持される。別の実施形態において、ステップ(b)の温度は、約−20℃から約20℃の間の範囲内に保持される。別の実施形態において、ステップ(b)の温度は、約−20℃から約15℃の間の範囲内に保持される。好ましい実施形態において、ステップ(b)の温度は、約−20℃から約10℃の間の範囲内に保持される。1つの好ましい実施形態において、ステップ(b)の温度は約−15℃に保持される。
1つの実施形態において、ステップ(b)は、約45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、15℃または10℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(b)は、約25℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(b)は、約20℃未満の温度で実施される。1つの実施形態において、ステップ(b)は、約10℃未満の温度で実施される。1つの好ましい実施形態において、ステップ(b)は、約−15℃から約10℃の間の温度で実施される。
1つの実施形態において、ステップ(a)は、約0℃未満の、好ましくは約−10℃未満の、より好ましくは約−20℃から約−10℃の間の温度で実施され、ステップ(b)は、約20℃未満の、好ましくは約10℃未満の、より好ましくは約−20℃から約10℃の間の温度で実施される。1つの好ましい実施形態において、ステップ(a)は、約−15℃の温度で実施され、ステップ(b)は、約−15℃の温度で実施される。
ステップ(b)の反応時間は、反応ゾーン内の反応温度、反応物の混合速度および反応物の濃度に依存する。1つの実施形態において、任意選択でバッチ反応器内で、ステップ(b)の反応時間は約6時間以下である。1つの実施形態において、ステップ(b)の反応時間は約5時間である。1つの実施形態において、ステップ(b)の反応時間は約4時間である。1つの実施形態において、ステップ(b)の反応時間は約3時間である。1つの実施形態において、ステップ(b)の反応時間は約2時間である。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の反応時間は、約3時間、好ましくは約2時間、より好ましくは約1時間である。好ましい実施形態において、ステップ(b)の反応時間は約2時間である。
反応時間は、反応容器およびプロセス規模(例えば、パイロット規模から工業的規模への移行)に基づいて適切に適合させることができる。
本発明の1つの実施形態において、ステップ(a)および(b)は、同じ反応容器内で、同じ溶媒系中で行われる。プロセスのステップ(a)における反応の位置選択性は高いため、ステップ(a)において生成された主な中間体の分離および精製は必要ない。理論によって制限されることは望まないが、ステップ(a)の高い位置選択性は、選択された温度範囲または温度範囲と選択された溶媒との組合せに少なくとも部分的に起因すると考えられる。ステップ(a)からの反応混合物は、ジメチルアミンとの反応に直接使用される。
本発明のプロセスにおいて、ステップ(b)の最終反応生成物3,7−ビス(ジメチルアミン)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドは、ステップ(a)および(b)の両方の反応に使用される不活性溶媒にごくわずかに溶ける固体である。反応生成物は、例として濾過または沈降または遠心分離などの当技術分野において周知の一般的な固液分離法を使用することにより、反応混合物から分離することができる。
1つの実施形態において、ステップ(a)および(b)の後に得られた粗生成物を一般的な固液分離法を使用することにより反応混合物から分離後、固体粗生成物は、使用された不活性溶媒系で洗浄され、続いて、塩酸の希釈された水溶液で洗浄される。塩酸の濃度は、約0.05Mから約2.0Mの、好ましくは約0.1Mから約1.0Mの、より好ましくは約0.1Mから約0.4Mの範囲内である。洗浄後、プロセスにおいて発生したジメチルアミン臭化水素酸塩または塩酸塩は、所望の生成物から除去される。
本発明によれば、ステップ(a)および(b)から得られた生成物のさらなる精製を行い、非常に低濃度の副生成物および金属(非特許文献12の規格内)を得ることができる。そのような精製(ステップ(c))は、撹拌下、異なる温度で、適した溶媒で3,7−ビス(ジメチルアミン)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドをスラリーにする異なるステップを含んでもよい。1つの実施形態において、精製は以下のステップを含む:
1)ステップ(a)および(b)からの生成物を約2℃から約35℃の、好ましくは約5℃から約30℃の、より好ましくは約20℃から約25℃の範囲内の温度で溶媒または溶媒混合物でスラリーにするステップ;
ステップ(a)および(b)からの生成物を約25℃から約75℃の、好ましくは約30℃から約65℃の、より好ましくは約40℃から約60℃の範囲内の温度で溶媒または溶媒混合物でスラリーにするステップ;および、任意選択で、
2)ステップ(a)および(b)からの生成物を約−5℃から約20℃の、好ましくは約0℃から約15℃の、より好ましくは約5℃から約10℃の範囲内の温度で溶媒または溶媒混合物で再びスラリーにするステップ。
上述のステップのいずれかを、非常に低濃度の副生成物および金属(非特許文献12内)を有する所望の品質の生成物を得るために、数回繰り返してもよい。各ステップの後、固体材料は、例として濾過または沈降または遠心分離などの当技術分野において周知の一般的な固液分離法により、洗浄溶媒から分離することができる。有利に、液相からの固体の分離の何らかのステップの前に、濾別される混合物は、固体の収率を最大にするために約30℃以下の温度でなければならない。分離ステップは、約30℃以下の、好ましくは約−5℃から約25℃の、より好ましくは約0℃から約15℃の、さらにより好ましくは約5℃から約10℃の範囲内の温度で行われる。
精製に適した溶媒または溶媒混合物には、極性非プロトン性および/またはプロトン性溶媒が含まれる。極性プロトン性および非プロトン性溶媒には以下が含まれるが、これらに限定されない:ジクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、塩酸、水またはそれらの混合物。好ましくは、純粋なアルコールまたは1/4から5/1の範囲の相対v/v比を有する水性アルコール混合物が溶媒として使用される。いくつかの実施形態において、洗浄用の溶媒は、アルコール、好ましくはメタノール、エタノールまたは2−プロパノールである。いくつかの実施形態において、アルコールは純粋である。他の実施形態において、アルコールは、ある百分率の水、好ましくは約5%から約80%の、より好ましくは約10%から約40%の、さらにより好ましくは約10%から約30%の範囲内の水を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、水中の塩酸の溶液である。そのような実施形態によれば、水中の塩酸の濃度は、好ましくは約0.05Mから約2.0Mの、より好ましくは約0.1Mから約0.4Mの範囲内である。いくつかの実施形態において、精製は、上述の溶媒の混合物を使用して行われる。
精製段階は、数回繰り返すことができて、単一の溶媒または溶媒混合物系を使用することができる。
1つの実施形態において、ステップ(b)、(c)または(d)から得られた3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドの精製は、結晶化により行うことができる。
結晶化に適した溶媒または溶媒混合物には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、塩酸、水またはそれらの混合物が含まれる。
結晶化は、数回繰り返すことができて、単一の溶媒または溶媒混合物系を使用することができる。
1つの実施形態において、ステップ(a)、(b)および任意選択でステップ(c)の後に得られた生成物が3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドであるとき、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)を得るために、生成物をイオン交換カラム内に溶出し、臭化物イオンを塩化物イオンと交換しなければならない。そのような実施形態によれば、任意選択の精製ステップ(c)の後、ステップ(a)から(b)から得られた生成物は、適した溶媒に溶解され、活性化された塩化物型のマクロポーラス陰イオン交換樹脂を含むカラムを通じて溶出され、生成物に対して陰イオン交換が実施される(ステップ(d))。
生成物の溶解に適した溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、水またはそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態において、エタノールと水との混合物が使用され、この混合物は、約1%から約40%の、より好ましくは約5%から約35%の、より好ましくは約8%から約25%の、さらにより好ましくは約9%から約20%の範囲の水のv/v百分率を有する。いくつかの実施形態において、メタノールと水との混合物が使用され、この混合物は、約1%から約40%の、より好ましくは約5%から約35%の、より好ましくは約8%から約25%の、さらにより好ましくは約9%から約20%の範囲の水のv/v百分率を有する。いくつかの実施形態において、2−プロパノールと水との混合物が使用され、この混合物は、約1%から約40%の、より好ましくは約5%から約35%の、より好ましくは約8%から約25%の、さらにより好ましくは約9%から約20%の範囲の水のv/v百分率を有する。次いで、この溶液は、活性化された塩化物型の陰イオン交換樹脂で満たされたカラムで溶出される。
1つの実施形態において、マクロポーラス陰イオン交換樹脂は、四級アンモニウム基を含むジビニルベンゼンで架橋されたマクロポーラスポリスチレンである。
1つの実施形態において、マクロポーラス陰イオン交換樹脂は、塩化物型のPurolite A500(登録商標)である。
1つの実施形態において、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドの最終結晶化ステップは、好ましくは約0.05Mから約2.0Mの、より好ましくは約0.1Mから約0.4Mの濃度範囲内の塩酸の水溶液中で行うことができる(ステップ(e)および(f))
1つの実施形態において、得られた生成物(3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドおよび3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC))の純度は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)の非特許文献12に記載の基準の現在の草案およびその後の更新版の範囲に入る。
1つの実施形態において、本発明の生成物は、非常に低い金属含有量、例えば、約1ppm未満のヒ素、約2ppm未満の銅および/または約2ppm未満の亜鉛を有する。
したがって、1つの実施形態において、本発明は、約97%より高い純度および約1ppm未満のヒ素を有する3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドも提供する。
別の実施形態において、本発明は、約97%より高い純度ならびに約2ppm未満の銅および約2ppm未満の亜鉛を有する3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドも提供する。
別の実施形態において、本発明は、約97%より高い純度、約1ppm未満のヒ素、約2ppm未満の銅および約2ppm未満の亜鉛を有する3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドも提供する。
1つの別の実施形態において、本発明は、上に開示の通り3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドを生成するためのプロセスから得られる、または得ることができる3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドも提供する。
1つの別の実施形態において、本発明は、スキーム6のステップ(a)から得られた化合物、すなわち、3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリド自体を提供する。
1つの別の実施形態において、本発明は、スキーム6のステップ(a)から得られた化合物、すなわち、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドの生成のためのプロセスの中間体としての3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドを提供する。
1つの別の実施形態において、本発明は、純度/金属に関して上に開示の特徴を有し、および/または上に開示の通り3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドもしくはブロミドを生成するためのプロセスから得られる、もしくは得ることができる、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを含む医薬組成物を提供する。
1つの別の実施形態において、本発明は、診断分野における使用のための、好ましくは胃腸管の炎症性の、潰瘍性の、新生物発生前の、新生物性の、形成異常の病態および/または病変の胃腸内視鏡評価における使用のための上に開示の3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)もしくはブロミドまたは上に開示の医薬組成物を提供する。そのような実施形態によれば、本発明は、例えば、がん性形態、前がん性形態、中間期がん、腺腫、癌腫、鋸歯状病変、上皮内新生物、形成異常、ポリープ、偽ポリープ、プレポリープ(pre−polyp)または異なる炎症性病態、固着した、平坦の、もしくは有茎状の病変のような腸粘膜病変の検出を確実に向上させることができる。
[実施例1]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド
冷却された反応容器(10℃未満)中に、フェノチアジン(10.86kg)、酢酸エチル(216リットル)および触媒、塩化鉄(III)(30g)を添加した。反応混合物を冷却(10℃未満)し、次いで、酢酸エチル(21,0リットル)中の臭素(21.84kg、7.0リットル)を添加した。反応温度を範囲−10℃から−15℃内に保った。すべての臭素を添加した後、反応混合物を−10℃から−15℃の温度でさらに1時間撹拌した。
次いで、酢酸エチル(77リットル)中のジメチルアミン(19.0kg)を添加し、反応温度を−15℃から+10℃の範囲内に保った。すべてのジメチルアミンを添加した後、反応混合物を−15℃から+10℃の温度でさらに2時間撹拌した。
粗生成物を濾別し、冷却された酢酸エチルおよび0.1M塩酸で洗浄した。次いで、単離された生成物を下記の方法を使用して精製した。
[実施例1(繰り返し)]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド
冷却された反応容器(10℃未満)中に、フェノチアジン(10.86kg)、酢酸エチル(216リットル)および触媒、塩化鉄(III)(30g)を添加した。反応混合物を冷却(10℃未満)し、次いで、酢酸エチル(21.0リットル)中の臭素(21.84kg、7.0リットル)を添加した。反応温度を範囲−10℃から−15℃内に保った。すべての臭素を添加した後、反応混合物を−10℃から−15℃の温度でさらに1時間撹拌した。
次いで、メタノール(77リットル)中のジメチルアミン(19.0kg)を添加し、反応温度を−15℃から+10℃の範囲内に保った。すべてのジメチルアミンを添加した後、反応混合物を−15℃から+10℃の温度でさらに2時間撹拌した。
粗生成物を濾別し、冷却された酢酸エチルおよび0.1M塩酸で洗浄した。次いで、単離された生成物を下記の方法を使用して精製した。
[実施例2]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド
冷却された反応容器(10℃未満)に、フェノチアジン(10.86g)、酢酸エチル(250ml)および触媒、塩化鉄(III)(30mg)を添加した。反応混合物を冷却(10℃未満)し、気体塩素(9.66g、−30℃で凝縮)を添加した。反応温度を範囲−10℃から−15℃内に保った。すべての塩素を添加した後、反応混合物を範囲−10℃から−15℃内の温度でさらに1時間撹拌した。
次いで、酢酸エチル(77ml)中のジメチルアミン(19.0g)を添加し、反応温度を範囲−15℃から+10℃内に保った。すべてのジメチルアミンを添加した後、反応混合物を範囲−15℃から+10℃内の温度でさらに2時間撹拌した。
粗生成物を濾別し、冷却された酢酸エチルおよび0.1M塩酸で洗浄した。次いで、単離された生成物を下記の方法を使用して一定分量の溶媒で精製した。
[実施例3]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドから精製された3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド
実施例1からの単離された生成物(3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド)を、2−プロパノール(60リットル)中、撹拌下、室温で1時間洗浄し、濾別した。2−プロパノールを添加し、撹拌下の洗浄を約50℃の温度で繰り返し、混合物を室温まで冷却し、濾別した。
最後に、2−プロパノール(12リットル)と0.5M塩酸(48リットル)との混合物を添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
生成物を2−プロパノール(100リットル)と水(20リットル)との混合物に60℃で溶解し、陰イオン交換樹脂カラム(45リットルのPurolite A500、塩化物型)を通じて溶出し、次いで、溶出液を蒸発により濃縮した。乾燥生成物を0.4M塩酸(100リットル)に60℃で溶解し、次いで、10℃で冷却し、溶液をこの温度で2時間撹拌し、生成物を濾別および乾燥した。収量9.6kg。
この生成物の13Cおよび1H−NMRスペクトル((CD32SO;600MHz)により、化合物の構造が確認される。1H−NMRスペクトル(ppm単位の値):3.34(s,12H,2xN(CH32)、7.43(m,4H,芳香族;2、4、6および8CH)、7,83(d,2H,芳香族;1および9CH)。13C NMRスペクトル(ppm単位の値):41.1(N(CH32)、106.8(4および6CH)、119.0(2および8CH)、133.5(12および13+)、134.9(11および14N)、137.8(1および9CH)および153.8(3および7−N(CH32)。
[実施例4]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドから精製された3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド
実施例1からの単離された生成物(3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド)をエタノール(60リットル)中、室温で1時間スラリーにし、濾別した。エタノールを添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
最後に、エタノール(12リットル)と0.5M塩酸(48リットル)との混合物を添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
生成物をエタノール(100リットル)と水(20リットル)との混合物に60℃で溶解し、陰イオン交換樹脂(45リットルのPurolite A500、塩化物型)で充填されたカラムを通じて溶出し、次いで、溶出された分画を真空下で蒸発させて乾固した。乾燥生成物を0.4M塩酸(100リットル)に60℃で溶解し、10℃未満に冷却し、溶液をこの温度で2時間撹拌し、生成物を濾別および乾燥した。収量10.8kg。
記録された13Cおよび1H−NMRスペクトル((CD32SO;600MHz)により、調べた化合物の構造が確認される:NMR信号は、実施例3により単離されたサンプルの解析により得られたNMR信号にほぼ重なる。
[実施例5]
粗製3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドから精製された3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド
実施例1からの単離された生成物(3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド)をメタノール(60リットル)中、室温で1時間スラリーにし、濾別した。メタノールを添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
最後に、メタノール(12リットル)と0.5M塩酸(48リットル)との混合物を添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
生成物をメタノール(100リットル)と水(20リットル)との混合物に60℃で溶解し、陰イオン性交換樹脂(45リットルのPurolite A500、塩化物型)で満たされたカラムを通じて溶出し、次いで、収集した溶出液を蒸発により濃縮した。乾燥生成物を0.2M塩酸(100リットル)に60℃で溶解し、10℃未満に冷却した。溶液をこの温度で2時間撹拌し、生成物を濾別および乾燥した。収量12,4kg。
この生成物に対して記録された13Cおよび1H−NMRスペクトル((CD32SO;600MHz)により、化合物の構造が確認される:NMR信号は、実施例3および4により単離されたサンプルの解析により得られたNMR信号にほぼ重なる。
[実施例6]
比較例:FeCl3を使用しない精製された3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドの調製
冷却された反応容器(10℃未満)中に、フェノチアジン(10.86kg)および酢酸エチル(216リットル)を添加した。反応混合物を冷却(10℃未満)し、次いで、酢酸エチル(21,0リットル)中の臭素(21.84kg、7.0リットル)を添加した。反応温度を範囲−10℃から−15℃内に保った。すべての臭素を添加した後、反応混合物を−10℃から−15℃の温度でさらに2時間撹拌した。
次いで、酢酸エチル(77リットル)中のジメチルアミン(19.0kg)を添加し、反応温度を−15℃から+10℃の範囲内に保った。すべてのジメチルアミンを添加した後、反応混合物を−15℃から+10℃の温度でさらに2時間撹拌した。
粗生成物を濾別し、冷却された酢酸エチルおよび0.1M塩酸で洗浄した。
単離された粗生成物(3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド)をメタノール(60リットル)中、室温で1時間スラリーにし、濾別した。メタノールを添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
最後に、メタノール(12リットル)と0.5M塩酸(48リットル)との混合物を添加し、スラリー手順を約50℃の温度で繰り返した。混合物を室温まで冷却し、濾別した。
生成物をメタノール(100リットル)と水(20リットル)との混合物に60℃で溶解し、陰イオン性交換樹脂(45リットルのPurolite A500、塩化物型)で満たされたカラムを通じて溶出し、次いで、収集した溶出液を蒸発により濃縮した。乾燥生成物を0.2M塩酸(100リットル)に60℃で溶解し、10℃未満に冷却した。溶液をこの温度で2時間撹拌し、生成物を濾別および乾燥した。収量11,1kg。
この生成物に対して記録された13Cおよび1H−NMRスペクトル((CD32SO;600MHz)により、化合物の構造が確認される:NMR信号は、実施例3、4および5により単離されたサンプルの解析により得られたNMR信号にほぼ重なる。
Figure 2020510090

Claims (15)

  1. 3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたはブロミドを生成するためのプロセスであって、
    a)塩素または臭素をフェノチアジンと反応させて、それぞれ3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ジブロモフェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと、
    b)ステップa)の反応混合物にジメチルアミンを添加して、それぞれ3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを生成するステップと
    を含み、
    ステップa)およびb)は、ステップa)において形成された中間体の単離および/または精製なしで行われる、プロセス。
  2. ステップa)は、約10℃未満の、好ましくは約5℃未満の温度で行われ、任意選択で、ステップa)は、約0℃未満の、好ましくは約−10℃未満の、より好ましくは約−20℃から約−10℃の間の、さらにより好ましくは約−15℃の温度で行われ、さらに任意選択で、ステップb)は、約20℃未満の、好ましくは約10℃未満の、より好ましくは約−20℃から約10℃の間の、さらにより好ましくは約−15℃の温度で行われる請求項1に記載のプロセス。
  3. ステップa)は、ジクロロメタン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルムまたはそれらの混合物の群から選択される、好ましくは酢酸エチルである、適した溶媒系中で行われ、任意選択で、ステップb)は、選択される適した溶媒系、メタノール、水、酢酸エチル、酢酸ブチルまたはそれらの混合物、好ましくはメタノールまたは酢酸エチル中で行われる請求項1または2に記載のプロセス。
  4. ステップa)は、約−20℃から約−10℃の間の温度で行われ、ステップb)は、約−20℃から約10℃の間の温度で行われる請求項1から3のいずれかに記載のプロセス。
  5. ステップa)は、金属触媒、好ましくは、鉄塩の存在下で行われ、より好ましくは、前記金属触媒は塩化鉄(III)であり、さらにより好ましくは、前記金属触媒は硫酸鉄(II)である請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
  6. ステップc):
    ステップb)において得られた3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを精製するステップであって、任意選択で、ステップb)において得られた前記3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドをジクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、塩酸水溶液、水またはそれらの混合物でスラリーにするステップをさらに含む、ステップc)
    をさらに含む請求項1から5のいずれかに記載のプロセス。
  7. ステップd):
    ステップb)またはc)において得られた前記3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドをイオン交換カラムを通じて溶出し、臭化物を塩化物と交換する、ステップd)
    をさらに含む請求項1から6のいずれかに記載のプロセス。
  8. ステップe):
    ステップb)において得られた前記3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを塩酸の水溶液に溶解し、精製された前記3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを濾過するステップであって、好ましくは、塩酸は、約0.05モルから約2.0モル溶液の濃度であり、好ましくは、精製ステップc)は、約−5℃から約60℃の温度で実施される、ステップe)
    をさらに含む請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
  9. ステップf)
    ステップb)、c)またはd)において得られた3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドまたは3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドを結晶化するステップであって、メタノール、エタノール、2−プロパノール、塩酸水溶液、水またはそれらの混合物中で、好ましくは約0.05モルから約2.0モル水溶液の濃度の塩酸中で行われる、ステップf)
    をさらに含む請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
  10. 約97%より高い純度および約1ppm未満のヒ素を有する、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド。
  11. 約97%より高い純度ならびに約2ppm未満の銅および約2ppm未満の亜鉛を有する、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド。
  12. 約97%より高い純度、約1ppm未満のヒ素、約2ppm未満の銅および約2ppm未満の亜鉛を有する、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセスから得られる、または得ることができる、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミド。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセスから得られる、または得ることができる、前記3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド(MTC)または3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムブロミドと、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
  15. 3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリドの生成のためのプロセスの中間体としての3,7−ジクロロフェノチアジン−5−イウムクロリド。
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