JP2020509196A - 難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法 - Google Patents

難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の一側面は、重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含み、Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、上記Mg−Al金属間化合物の平均粒径は20〜500nmである、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金に関するものである。

Description

本発明は、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法に関するものである。
マグネシウムは、実用金属の中で最も軽い金属に属するため、スマートフォン、タブレットPC、ノートPCのような携帯用電子製品や自動車、電車、航空機などの輸送手段の構造材として適用されることができ、マグネシウムに様々な元素が添加されたマグネシウム合金は、環境にやさしい軽量金属材料として注目されている。
マグネシウム合金は、鋳造性に優れるため、主に高圧鋳造、低圧鋳造、重力鋳造のような金型鋳造法によって製造される鋳造製品が主に実用製品に適用されてきた。最近では、圧延や押出のような加工工程を介して製造されることができる電信製品の開発及び市場の拡大も推進されている。
一般的に、鋳造用マグネシウム合金や電信材用マグネシウム合金に添加される合金元素の種類は類似しており、最も一般的に用いられているマグネシウム合金の種類としては、AlとZnが添加されたAZ系合金やAlとMnが添加されたAM系合金が挙げられる。上記二種類の合金は、マグネシウムの鋳造性と引張強度を向上させるためにAlを含有している点で共通している。
市販のマグネシウム合金のほとんどを占めているAZ、AM系マグネシウム合金は、Al添加による溶融金属の流動性の向上のため、各種金型鋳造製品の製造に適しており、また、電信材用ビレット鋳造や板材鋳造にも適しているという長所がある。しかし、降伏強度や引張強度は、競合素材であるアルミニウム合金に比べて顕著に低いため、製品の厚さを厚くしたり、製品の形状を変えたりして適用させなければならないという問題がある。
また、マグネシウム合金は、高い酸素親和性によって発火する可能性が高いため、使用条件が制限されているという問題がある。
したがって、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法に関する開発が求められているのが実情である。
韓国公開特許第10−2015−0077494号公報
本発明の一側面は、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法を提供することを目的とする。
一方、本発明の課題は、上述の内容に限定されない。本発明の課題は、本明細書の内容全体から理解することができるものであり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の付加的な課題を理解するのに何ら困難がない。
本発明の一側面は、重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含み、Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、上記Mg−Al金属間化合物の平均粒径は20〜500nmである、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金に関するものである。
また、本発明の他の一側面は、重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含む溶湯を準備する段階と、
上記溶湯を鋳造してマグネシウム合金鋳造材を得る段階と、
上記マグネシウム合金鋳造材を370〜490℃の温度範囲で2〜20時間溶体化処理してマグネシウム合金を得る段階と、
上記マグネシウム合金を100℃以下に冷却する段階と、
上記冷却されたマグネシウム合金を150〜250℃で2〜48時間時効処理する段階と、を含む、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法に関するものである。
なお、上述の課題の解決手段は、本発明の特徴をすべて列挙したものではない。本発明の様々な特徴とそれに伴う利点と効果は、以下の具体的な実施形態を参照して、より詳細に理解することができる。
本発明によると、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金及びその製造方法を提供することができるという効果がある。
比較材1(a)と発明材7(b)のマグネシウム合金鋳造材の微細組織を撮影した写真である。 比較材1の溶体化処理が完了した後の微細組織を示す写真である。 発明材7の溶体化処理が完了した後の微細組織を示す写真である。 200℃での比較材1(a)と発明材7(b)に対して、時効時間による硬度値を測定した結果を示すグラフである。 比較材1(a)、発明材7(b)、比較材5(c)を時効処理した後のマグネシウム合金の微細組織を観察した写真である。 発明材7の時効時間による硬度値の変化と、結晶粒内部のMg−Al金属間化合物サイズの変化を示すグラフである。 本発材7の時効時間によるMg−Al金属間化合物の体積分率を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
本発明者らは、マグネシウム合金の発火特性及び低強度の問題を解決するために鋭意研究した結果、B、Yを複合添加し、且つ時効処理を行うことにより、多量の金属間化合物を微細に分布させることができ、これにより、優れた難燃性と高強度を確保することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
難燃性に優れた高強度マグネシウム合金
以下、本発明の一側面による難燃性に優れた高強度マグネシウム合金について詳細に説明する。
本発明の一側面による難燃性に優れた高強度マグネシウム合金は、重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含み、Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、上記Mg−Al金属間化合物の平均粒径は20〜500nmである。
まず、本発明の合金組成について詳細に説明する。以下、各元素含量の単位は、特に記載しない限り、重量%を意味する。
Al:2.0〜13.0%
Alは、引張強度や降伏強度を上昇させ、且つ合金溶湯の流動性を向上させて鋳造性を向上させる役割を果たす元素である。
Al含量が2.0%未満であると、上述の効果が不十分となる。一方、Al含量が13.0%を超えると、脆性を増加させて加工性及び延性を低下させる恐れがある。したがって、Al含量は2.0〜13.0%であることが好ましい。
また、Al含量のより好ましい下限は2.5%であることができ、160MPa以上の引張強度を確保するためのさらに好ましい下限は6.5%であることができる。Al含量のより好ましい上限は12.0%であることができ、さらに好ましい上限は11.0%であることができる。
Mn:0.1〜0.5%
Mnは、Alと金属間化合物を形成することにより、結晶粒を微細化させて引張強度の上昇に寄与する元素である。また、金属間化合物の形成を介してマグネシウム合金に不要な代表的な不純物元素であるFeを減少させてマグネシウムの腐食速度を下げる役割を果たす。
Mn含量が0.1%未満であると、上述の効果が不十分となる。一方、Mn含量が0.5%を超えると、針状金属間化合物の過剰な形成によって脆性を引き起こす恐れがある。したがって、Mn含量は0.1〜0.5%であることが好ましい。
また、Mn含量のより好ましい下限は0.11%であることができ、より好ましい上限は0.45%であることができる。
B:0.0015〜0.025%
B(ボロン)は、融点も非常に高いだけでなく、マグネシウム固相や液相での溶解度がほぼゼロ(zero)に近いため、一般的なマグネシウム合金ではあまり用いられない元素として知られている。
しかし、本発明では、難燃性及び高強度を確保するために添加している。特にマグネシウム合金にB及びYを複合添加し、且つ時効処理を行うことにより、Mg−Al金属間化合物を多量に形成させて引張強度を向上させるのに寄与するだけでなく、Bを単独で添加した場合よりも、難燃性及び強度をさらに向上させることができる。また、Bは、溶湯の酸化防止に寄与して溶湯の酸化防止に用いられる高価なSFガスや環境汚染を誘発するSOガスの使用量を低減することができるため、生産コストの節減及び環境保護に寄与することができる。
B含量が0.0015%未満であると、上述の効果が不十分となる。一方、B含量が0.025%を超えると、Al−B化合物が結晶粒界に形成されて延性を低下させるという問題がある。したがって、B含量は0.0015〜0.025%であることが好ましい。
また、B含量のより好ましい下限は0.002%であることができ、より好ましい上限は0.02%であることができる。
Y:0.1〜1.0%
Yは、Alと結合して析出物を形成することにより強度向上に寄与し、酸素親和性が高いため、溶湯表面の保護膜を堅固にして溶湯の酸化を抑制するだけでなく、凝固後にも難燃性を向上させる役割を果たす元素である。
また、上述のように、Bと複合添加し、且つ時効処理を行うことにより、Mg−Al金属間化合物を多量に形成させて引張強度を向上させるのに寄与するだけでなく、単独で添加した場合よりも、難燃性をさらに向上させることができる。
Y含量が0.1%未満であると、上述の効果が不十分となる。一方、Y含量が1.0%を超えると、粗大なAl−Y化合物の形成によって延性が低下する恐れがある。したがって、Y含量は0.1〜1.0%であることが好ましい。
また、Y含量のより好ましい下限は0.11%であることができ、より好ましい上限は0.95%であることができる。
本発明の残りの成分は、マグネシウム(Mg)である。但し、通常の製造過程では、原料または周囲の環境から意図しない不純物が不可避に混入することがあるため、それを排除することはできない。これら不純物は、通常の製造過程における技術者であれば、誰でも分かるものであるため、そのすべての内容を具体的に本明細書に記載しないが、例えば、Fe、Cu、Ni、Ca、Na、Ba、F、S、Nなどがありうる。
このとき、上述の合金組成以外に重量%でZn:0.3〜3.0%をさらに含むことができる。
Zn:0.3〜3.0%
Znは、固溶強化元素であり、Mg17Al12相の形成を促進させたり、MgZnなどのZnが含まれた別途の金属間化合物を形成して引張強度を向上させる元素である。
Zn含量が0.3%未満であると、上述の効果が不十分となる。一方、Zn含量が3.0%を超えると、MgZnなどのZnが含まれた別途の金属間化合物を多量に形成して脆性を増加させるため、延性や靭性の低下をもたらす恐れがある。
したがって、Zn含量は0.3〜3.0%であることが好ましい。強度の向上と脆性の低減を考慮すると、より好ましい範囲は0.5〜1.5重量%の範囲である。
本発明の一側面による難燃性に優れた高強度マグネシウム合金は、上述の合金組成を満たすだけでなく、Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、上記Mg−Al金属間化合物の平均粒径は20〜500nmである。
マグネシウムに添加された主要合金元素がAlである場合、Mg−Al金属間化合物が形成され、代表的なMg−Al金属間化合物はMg17Al12相である。Mg−Al金属間化合物は、高強度を確保する役割を果たす。
マグネシウム合金に添加されるAlやその他の合金元素の最大添加量は、Mgに対する各合金元素の最大固溶量よりも小さいため、結晶粒内に金属間化合物の形成を誘発させず、AlのほとんどがMg基地内に固溶する。したがって、Mg−Al金属間化合物が形成されるのは一般的な現象ではないため、Mg−Al金属間化合物が多量に形成されることは困難である。本発明では、BとYを複合添加し、且つ時効処理を行うことによりMg−Al金属間化合物を多量に確保することができた。
Mg−Al金属間化合物の体積分率が6.5%未満であると、高強度を確保し難いという問題がある。したがって、Mg−Al金属間化合物の体積分率は6.5%以上であることが好ましく、より好ましくは7.0%以上、さらに好ましくは7.5%以上であることができる。
Mg−Al金属間化合物の体積分率の上限は、特に限定する必要はないが、30%を超えると、Mg−Al金属間化合物の粒径が粗大となり、脆性が増加する恐れがある。したがって、Mg−Al金属間化合物の体積分率は30%以下であることができ、より好ましくは25%以下であることができる。
Mg−Al金属間化合物の平均粒径が20nm未満であると、Mg−Al金属間化合物の分率が低くなって高強度を確保し難いという問題があり、500nmを超えると、脆性が増加するという問題がある。
このとき、Al−Mn金属間化合物、Al−Y金属間化合物のうち1以上をさらに含み、その合計は、体積分率で5%以下であることができる。5%を超えると、Mn及びY含量が多すぎて脆性が増加する恐れがある。
このとき、本発明のマグネシウム合金は、発火温度が700℃以上であることができる。
また、本発明のマグネシウム合金は、硬度が70Hv以上であることができる。
また、本発明のマグネシウム合金は、引張強度が130MPa以上であり、伸びが3%以上であることができる。また、Al含量などを制御することにより160MPa以上の引張強度を確保することができる。
難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法
以下、本発明の他の一側面である難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法について詳細に説明する。
本発明の他の一側面である難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法は、上述の合金組成を満たす溶湯を準備する段階と、上記溶湯を鋳造してマグネシウム合金鋳造材を得る段階と、上記マグネシウム合金鋳造材を370〜490℃の温度範囲で2〜20時間溶体化処理してマグネシウム合金を得る段階と、上記マグネシウム合金を100℃以下に冷却する段階と、上記冷却されたマグネシウム合金を150〜250℃で2〜48時間時効処理する段階と、を含む。
溶湯準備段階
上述の合金組成を満たす溶湯を準備する。特に限定する必要はないが、一般的なマグネシウム合金用溶湯を準備すればよい。
例えば、上述の合金元素を、提示された組成範囲に従って準備した後、それを溶解用るつぼに装入して溶解作業を行う。マグネシウム合金の融点は比較的低いため、ガス炉、電気炉、誘導溶解炉などいずれの方式を用いてもよい。
合金元素を準備するにあたり、各合金元素を純粋な形態で準備することもできるが、Mn、B、YがMgまたはAlと混合されている母合金の形態でるつぼに装入することができる。B、Y、Mnは融点が高いため、MgまたはAlと混合されている母合金の形態でるつぼに装入することが溶解において有利である。
また、準備された溶解材料をるつぼに装入する際には、融点の低い元素から順にるつぼに装入して行うことが溶解作業において有利である。
鋳造段階
上記溶湯を鋳造してマグネシウム合金鋳造材を得る。鋳造段階も上記溶湯の準備段階と同様に、特に限定する必要はない。
例えば、移動型金型を用いる方法と、固定金型を用いる方法を用いることができる。移動型金型を用いる方法としては、代表的に双ロールや双ベルトのような移動型金型を用いる双ロール鋳造やベルト鋳造が挙げられる。また、固定金型を用いる方法としては、代表的にビレット鋳造のような連続鋳造または半連続鋳造が挙げられ、また、高圧鋳造、低圧鋳造、重力鋳造のような金型鋳造が挙げられる。
鋳造工程としては、上述の様々な方法を用いることができるが、マグネシウムに対する固溶度が低いホウ素やイットリウムなどをアルミニウムと共に添加するため、冷却速度を増加させることができる鋳造工法を適用することが有利である。そのためには、冷却水で金型を冷却する必要があり、冷却水を適用する際には、まず鋳造前に金型表面の凝縮水が除去されるように金型表面を常温以上に維持し、凝縮水が除去された後には、金型表面を常温以下に維持する必要がある。
溶体化処理段階
上記マグネシウム合金鋳造材を370〜490℃の温度範囲で2〜20時間溶体化処理してマグネシウム合金を得る。マグネシウム合金鋳造材にもMg−Al金属間化合物が形成されるが、粗大な形態(Coarse Mg−Al)またはMg基地組織と混合された形態(Lamellar Mg−Al)で形成されるため、このような不定形のMg−Al金属間化合物を固溶させるために溶体化処理を行う。
溶体化温度が370℃未満であるか、または維持時間が2時間未満であると、Mg−Al金属間化合物が全量固溶し難しく、溶体化温度が490℃を超えるか、または維持時間が20時間を超えると、生産コストが増加し、且つ生産性が低下する恐れがある。また、B、Yが添加される前に酸化による発火現象が発生する可能性もある。したがって、より好ましくは400〜460℃の温度範囲で2〜20時間行うことができる。
冷却段階
時効処理前に発生し得る自然時効現象を最小限に抑えるために、上記マグネシウム合金を100℃以下に冷却する。
このとき、冷却中に発生し得る自然時効現象を最小限に抑え、且つ固溶したAl元素が任意に析出しないようにするために、冷却速度を1〜100℃/秒とすることができる。冷却は、例えば、強制送風、水冷、油冷などの方法で迅速に行うことが好ましい。
時効処理段階
上記冷却されたマグネシウム合金を150〜250℃で2〜48時間時効処理する。溶体化処理後に冷却されたマグネシウム合金の微細組織では、合金元素として添加されたAl元素のほとんどがMg基地組織に固溶したまま別途の金属間化合物を形成しないため、素材の強度を効率的に高めることができない。したがって、本発明では、時効処理を介してMg−Al金属間化合物を多量に析出させて強度を高め、優れた難燃性を確保することを目的とする。但し、B及びYが、本発明で提示した範囲で複合添加された場合には、上述の時効処理を介してMg−Al金属間化合物を多量に析出させることができる。
また、時効処理による析出は、固相で行われる固相反応であるため、強度及び難燃性の向上に有利な粒子形態、平均粒径、体積分率などを有するMg−Al金属間化合物を形成することができる。
時効処理温度が150℃未満であるか、または維持時間が2時間未満であると、Mg−Al金属間化合物を十分に確保し難い。一方、時効処理温度が250℃を超えるか、または維持時間が48時間を超えると、Mg−Al金属間化合物が固溶することがあり、生産コストが増加し、且つ生産性が低下する恐れがある。したがって、150〜250℃で2〜48時間時効処理することが好ましい。より好ましくは、Al添加量に応じて上記温度及び維持時間内で温度及び維持時間を増加させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。但し、下記の実施例は、本発明を例示してより詳細に説明するためのものであり、本発明の権利範囲を限定するためのものではないという点に留意する必要がある。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された事項と、それから合理的に類推される事項によって決定されるものである。
(実施例1)
下記表1に示した成分組成を有する溶湯を鋳造して10mmの厚さを有するマグネシウム合金鋳造材を鋳造した。上記マグネシウム合金鋳造材を420℃で4時間溶体化処理した後に20℃に冷却し、200℃で12時間時効処理してマグネシウム合金を製造した。
マグネシウム合金のMg−Al金属間化合物、機械的物性を測定して下記表1に記載した。Mg−Al金属間化合物のサイズは、円相当直径で測定した平均サイズを測定した。
表1に記載された合金元素の他にはマグネシウムであり、Mg−AlはMg−Al金属間化合物を意味する。
発火温度の測定は、大気雰囲気の炉内に10gの試料をチップ(chip)形態で置いたまま、炉体内部の温度を上昇させながら発火が起こる温度で確認した。
本発明で提示した合金組成及び製造条件を満たす発明材は、Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、上記Mg−Al金属間化合物の平均粒径が20〜500nmを満たしたことが確認できる。また、発火温度が700℃以上であり、難燃性に優れ、機械的物性も比較材に比べて優れていることが確認できる。
一方、比較材は、本発明で提示した製造条件は満足したものの、合金組成を満たさず、Mg−Al金属間化合物を十分に確保していないことが確認できる。また、難燃性に劣り、機械的物性も発明材に比べて劣ることが確認できる。
(実施例2)
製造段階過程における上記表1の比較材1と発明材7の変化をより綿密に観察した。
図1は比較材1(a)と発明材7(b)のマグネシウム合金鋳造材の微細組織を撮影した写真である。比較材1の鋳造組織は、Mg基地組織と粗大なMg−Al金属間化合物(Coarse Mg−Al)、Mg基地組織+Mg−Al金属間化合物の混合組織(Lamellar Mg−Al)、Al−Mn金属間化合物(Al−Mn)で構成されており、イットリウム及びホウ素が添加された発明材7の鋳造組織では、上記組織の他にもAl−Y金属間化合物(Al−Y)が観察され、ホウ素含有金属間化合物は、別に観察されなかった。
このような鋳造組織を有する比較材と発明材を溶体化処理すると、図2と図3のように、Al−MnやAl−Y金属間化合物を除いたほとんどのMg−Al金属間化合物は基地組織に固溶するため、観察されない。以上の鋳造組織と溶体化処理材の光学組織は、Al−Y金属間化合物の有無を除きほぼ類似するが、時効処理材においては大きな差異を示す。
このような差異は、時効時間による硬度測定結果からまず確認できる。図4のように、200℃での比較材1(a)と発明材7(b)に対して、時効時間による硬度値を測定した結果、発明材の硬度がはるかに高いことが確認できる。また、比較材1の硬度値は、時効時間による変化がほとんどないが、発明材の硬度値は、時効時間が1時間を超えると、大きく増加することが確認できる。特に、3時間経過後には、ピーク時効(Peak aging)に該当する最大硬度値を示し、このときの硬度値は、1時間以下で時効処理された鋳造材の平均硬度値に比べて60%以上上昇した97〜107Hv値を示している。また、発明材7の最大硬度値は、比較材の最大硬度値の約2倍の数値を示している。
図5は比較材1(a)、発明材7(b)、比較材5(c)を時効処理した後のマグネシウム合金の微細組織を観察した写真である。発明材7は、数十nmサイズのMg−Al金属間化合物が大量に析出していることが確認できる。これにより、発明材の硬度値が大きく増加していることが分かる。
図6は発明材7の時効時間による硬度値(菱形)の変化と、結晶粒内部のMg−Al金属間化合物のサイズ(四角)の変化を示しており、図7は時効時間によるMg−Al金属間化合物の体積分率を示している。図6と図7に示すように、発明材7を3時間以上時効処理した場合、Mg−Al金属間化合物の平均サイズ及び体積分率がそれぞれ20nm以上及び10vol%以上成長したことが分かる。
以上、実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができる。

Claims (11)

  1. 重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含み、
    Mg−Al金属間化合物を体積分率で6.5%以上含み、
    前記Mg−Al金属間化合物の平均粒径は20〜500nmである、
    難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  2. 前記マグネシウム合金は、重量%でZn:0.5〜1.5%をさらに含む、請求項1に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  3. 前記マグネシウム合金は、Al−Mn金属間化合物、Al−Y金属間化合物のうち1以上をさらに含み、その合計は、体積分率で5%以下である、請求項1に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  4. 前記マグネシウム合金は、発火温度が700℃以上である、請求項1に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  5. 前記マグネシウム合金は、硬度が70Hv以上である、請求項1に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  6. 前記マグネシウム合金は、引張強度が130MPa以上であり、伸びが3%以上である、請求項1に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金。
  7. 重量%で、Al:2.0〜13.0%、Mn:0.1〜0.5%、B:0.0015〜0.025%、Y:0.1〜1.0%、残りのMg及び不可避不純物を含む溶湯を準備する段階と、
    前記溶湯を鋳造してマグネシウム合金鋳造材を得る段階と、
    前記マグネシウム合金鋳造材を370〜490℃の温度範囲で2〜20時間溶体化処理してマグネシウム合金を得る段階と、
    前記マグネシウム合金を100℃以下に冷却する段階と、
    前記冷却されたマグネシウム合金を150〜250℃で2〜48時間時効処理する段階と、
    を含む、難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法。
  8. 前記溶湯は、重量%でZn:0.5〜1.5%をさらに含む、請求項7に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法。
  9. 前記溶湯を準備する段階は、Mn、B及びYがMgまたはAlと混合されている母合金の形態でるつぼに装入して行う、請求項7に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法。
  10. 前記溶湯を準備する段階は、融点の低い元素から順にるつぼに装入して行う、請求項7に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法。
  11. 前記冷却する段階は、1〜100℃/秒の冷却速度で行う、請求項7に記載の難燃性に優れた高強度マグネシウム合金の製造方法。
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