JP2020508315A - がんを治療するための薬剤組合せ - Google Patents

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Abstract

本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−DPro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−DPro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せと、対象におけるがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法におけるそれらの使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩とを含む薬剤組合せ、並びに対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法におけるそれらの使用に関する。
がん治療全般、特に併用がん治療の数は増え続けているが、がんは依然として心血管疾患や感染性/寄生虫性疾患についで世界で3番目に多い死因である;絶対数では、これは任意の年の760万人の死亡(全死亡の約13%)に相当する。WHOは、がんによる死亡は2030年までに1310万人に増加すると推定しているが、米国がん協会は、2016年に米国で1685210を超える新しいがん症例が診断され、595690のがん死亡が予測されている。
転移性乳がん(mBC)は依然として不治の病である。早期発見、補助療法、全身療法の改善にもかかわらず、米国だけで40000人を超える女性が今後12ヶ月で乳がんで死亡する。ホルモン療法は、エストロゲン受容体陽性である乳がんに対する最初の治療コースである。残念ながら、これらの患者の殆どはホルモン療法に抵抗性になり、ホルモン受容体陰性の患者と同様に、細胞傷害性化学療法に依存して自身の疾患を制御する必要がある。治療装備に最近追加された新しい標的療法と細胞傷害性剤にもかかわらず、転移性乳がんの殆どの患者が数ヶ月以内に耐性を発症し、全生存期間は低いままである。最も最近登録された新しい細胞減少剤の一つはエリブリン(Halaven(登録商標))である。第三次治療とそれ以降の再発mBC患者におけるエリブリンの使用に関して最近発表されたデータでは、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)がそれぞれ3.7ヶ月及び13.1ヶ月延長されたことが実証され、これらのデータがこの新規の化学療法剤の登録の基礎となった。新しい治療選択肢の最近の追加にもかかわらず、転移性乳がんの治療のための新しい治療法に対する明確なニーズがある。
今、予期せぬことに、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、例えばエリブリンメシル酸塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩とを含む組合せが、がん、特に乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんの予防、進行の遅延又は治療に有用であることが見出された。第I相の漸増試験とその後の拡大試験において、前記組合せによる治療が最大38%の客観的奏効率(ORR)の高い治療活性をもたらすことが予想外に見出された。
これらの知見に鑑みて、本発明がその次の態様でここに提供される。
第一の態様では、本発明は、
(a)化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オンを有する式I
Figure 2020508315
の化合物、又はその薬学的に許容される塩;
(b)Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩;及び場合によっては
(c)一又は複数の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体
を含む薬剤組合せを提供する。
第二の態様では、本発明は医薬として使用するためのここに記載の薬剤組合せを提供する。
第三の態様では、本発明は、対象におけるがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法において使用するための、ここに記載の薬剤組合せを提供する。
第四の態様では、本発明は、第一容器、第二容器、及び添付文書を含むパーツキットであって、第一容器は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は式Iaの化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含み、第二容器は、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む医薬の少なくとも1用量を含み、添付文書は、医薬を使用してがんについて対象を治療するための説明書を含み、がんは乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択される、パーツキットを提供する。
上で概説したように、本発明は、がんの予防、進行の遅延又は治療に有用である、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せを提供する。
よって、第一の態様では、本発明は、
(a)化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オンを有する式I
Figure 2020508315
の化合物又はその薬学的に許容される塩;
(b)Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩;及び場合によっては
(c)一又は複数の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体
を含む薬剤組合せを提供する。
この明細書を解釈するために、次の定義が適用され、適切な場合には、単数形で使用される用語には複数形がまた含まれ、逆もしかりである。ここで使用される用語は、特定の実施態様を説明するためだけのものであり、限定することを意図していないことを理解されたい。「含む(comprising)」、「有する(having)」、及び「含む(including)」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンドの用語(つまり、「含むが、それに限定されない」という意味)と解釈される。
本発明の特定の態様、実施態様又は実施例に関連して記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分又は基は、それと矛盾しない限り、ここに記載の任意の他の態様、実施態様又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示されている全ての特徴、及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスの工程の全ては、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも幾つかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組合せることができる。本発明は、前述の何れの実施態様の詳細にも限定されない。本発明は(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された特徴の、任意の新規なもの、又は任意の新規な組合せ、あるいはそのように開示されている任意の方法又はプロセスの工程の、任意の新規なもの、又は任意の新規な組合せに及ぶ。
「個体」、「対象」又は「患者」という用語は、ここでは互換的に使用される。所定の実施態様では、対象は哺乳動物である。哺乳動物には、限定されないが、(ヒト及び非ヒト霊長類を含む)霊長類が含まれる。好ましい実施態様では、対象はヒトである。
ここで使用される「約」という用語は、与えられた測定値の+/−10%を指す。
ここで使用される「用量」という用語は、対象(例えばヒト)が毎回摂取する活性成分(例えば、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩)の全量を指す。
ここで使用される「客観的奏効率」(ORR)という用語は、予め定まった量の腫瘍サイズの縮小を最小の期間にわたって示す患者の割合を指す。奏効期間は通常、最初の奏効から文書化された腫瘍進行まで測定される。一般に、FDAは、部分奏効と完全奏効の和としてORRを定義している。このように定義される場合、ORRは薬剤抗腫瘍活性の直接的な尺度であり、単アーム試験で評価されうる。
ORRは、完全奏効(CR)と部分奏効(PR)の和を指す。
ここで使用される「クリニカルベネフィット率」(CBR)という用語は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、及び6ヶ月以上の症状安定(SD)の和を指す。
標的病変に関連してここで使用される完全奏効(CR)という用語は、全ての標的病変の消失を指す。任意の病的リンパ節(標的又は非標的)は短軸が10mm未満に縮小していなければならない。非標的病変に関してここで使用される完全奏効(CR)という用語は、全ての非標的病変の消失と腫瘍マーカーレベルの正常化を指す。全てのリンパ節はサイズが非病的でなければならない(短軸<10mm)。
標的病変に関してここで使用される「部分奏効」(PR)という用語は、ベースライン長径和を基準として、標的病変の長径和が少なくとも30%減少することを指す。
標的病変に関連してここで使用される「進行性疾患」(PD)という用語は、治験での最小和(これは、それが治験で最小ならばベースライン和を含む)を基準として、標的病変の長径和が少なくとも20%増加することを指す。20%の相対的な増加に加えて、和は少なくとも5mmの絶対的な増加をまた示さなければならない。一又は複数の新しい病変の出現もまた進行とみなされる。非標的病変に関してここで使用される進行性疾患(PD)という用語は、一又は複数の新しい病変の出現及び/又は既存の非標的病変の明らかな増悪を指す。明らかな増悪は、通常、標的病変状態をしのぐべきではない。これは、単一の病変の増加ではなく、全体的な疾患状態の変化を代表するものでなければならない。
標的病変に関してここで使用される「症状安定」(SD)という用語は、治験中の最小長径和を基準として、PRに適格となるのに十分な縮小でもPDに適格となるのに十分な増加でもないことを指す。
式I
Figure 2020508315
の化合物は、化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オンを有し、また文献では(1S,3S,6S,9S,12S,14R,16R,18S,20R,21R,22S,26R,29S,31R,32S,35R,36S)−20−[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−21−メトキシ−14−メチル−8,15−ビス(メチレン)−2,19,30,34,37,39,40,41−オクタオキサノナシクロ[24.9.2.13,32.13,33.16,9.112,16.018,22.029,36.031,35]ヘンテトラコンタン−24−オン;11,15:18,21:24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ[3,2−i]フロ[2’,3’:5,6]ピラノ[4,3−b][1,4]ジオキサシクロペンタコシン−5(4H)−オン,2−[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)−,(2R,3R,3aS,7R,8aS,9S,10aR,11S,12R,13aR,13bS,15S,18S,21S,24S,26R,28R,29aS);又はエリブリン(CAS登録番号:253128−41−5)とも呼ばれる。
好ましい実施態様では、式Iの化合物は、式Ia
Figure 2020508315
の化合物である。
式Iaの化合物は、化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オン・メタンスルホン酸塩を有し、また文献では(1S,3S,6S,9S,12S,14R,16R,18S,20R,21R,22S,26R,29S,31R,32S,35R,36S)−20−[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]−21−メトキシ−14−メチル−8,15−ビス(メチレン)−2,19,30,34,37,39,40,41−オクタオキサノナシクロ[24.9.2.13,32.13,33.16,9.112,16.018,22.029,36.031,35]ヘンテトラコンタン−24−オン・メタンスルホン酸塩(1:1);11,15:18,21:24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ[3,2−i]フロ[2’,3’:5,6]ピラノ[4,3−b][1,4]ジオキサシクロペンタコシン−5(4H)−オン,2−[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)−,(2R,3R,3aS,7R,8aS,9S,10aR,11S,12R,13aR,13bS,15S,18S,21S,24S,26R,28R,29aS)−メタンスルホン酸塩;又はエリブリンメシル酸塩(CAS登録番号:441045−17−6)とも呼ばれる。
エリブリンメシル酸塩は、抗腫瘍薬のハリコンドリンクラスの微小管動態の非タキサン阻害剤である。これは、海綿Halichondria okadaiから単離された天然産物であるハリコンドリンBの構造的に修飾された合成アナログである。それは、他のチューブリンを標的とする薬剤とは異なる新しい作用機序を有する:短縮期に影響を与えずに微小管成長期を阻害し、非生産的な凝集体へのチューブリンの隔離をもたらす。この化合物は、転移性疾患の治療のために少なくとも二種の化学療法レジメンを過去に受けた転移性乳がん患者の治療に承認されている。エリブリンメシル酸塩は、Halaven(登録商標)という商品名で市販されている。
Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)は、ここではPOL6326又はバリキサフォルタイド(balixafortide)とも呼ばれる。POL6326は、16個のアミノ酸からなる環状合成ペプチドで、高度に保存されたケモカイン受容体CXCR4のアンタゴニストであり、白血病患者の化学療法と組合せたIV治療薬(自家移植)として開発されている。インビトロ受容体結合研究では、ヒトCXCR4受容体に対するPOL6326の有意な親和性、並びに他の潜在的な標的受容体への有意な結合の一般的な欠如が証明された。
化合物の「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。そのような塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成され;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンで置き換えられるか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位するときに形成される塩が含まれる。
式Iの化合物の特に適切な薬学的に許容される塩は、例えば、メタンスルホン酸塩又はエタンスルホン酸塩である。最も好ましいのは、式Iの化合物のメタンスルホン酸塩、すなわち式Iaの化合物である。
本発明の文脈において有用であるCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)の特に適切な薬学的に許容される塩には、酢酸塩、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸又はスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、ケイ皮酸、メタンスルホン酸塩もしくはエタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−もしくは4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−もしくはN−プロピル−スルファミン酸、又は他の有機プロトン酸、例えばアスコルビン酸が含まれる。適切な無機酸は、例えばハロゲン酸、例えば塩酸、硫酸、又はリン酸である。
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩は、本発明の薬剤組合せに含まれる。好ましくは、本発明の薬剤組合せは、式Iの化合物の薬学的に許容される塩を含む。より好ましくは、本発明の薬剤組合せは、式Iaの化合物(エリブリンメシル酸塩)を含む。
Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、本発明の薬剤組合せに含まれる。好ましくは、本発明の薬剤組合せは、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)を遊離形態で含む。より好ましくは、本発明の薬剤組合せは、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)を酢酸塩として含む。
[組合せ]
上に概説されたように、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩とを含む薬剤組合せに関する。本発明に係る薬剤組合せは、例えば、同時、別個又は逐次的使用のための組合せ製剤又は薬学的組成物である。
ここで使用される「組合せ製剤」という用語は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩とが、別個の形態で、又は区別される量の活性成分との異なる固定された組合せの使用によって、独立して投与されうるという意味で特に「パーツキット(キット・オブ・パーツ)」を定義する。好ましい実施態様では、本発明に係る薬剤組合せは組合せ製剤である。
より好ましい実施態様では、本発明に係る薬剤組合せは、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩とが、互いに独立して投与される、すなわち別個の形態で投与される組合せ製剤である。
組合せ製剤で投与される式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量の比率は、例えば治療される患者の亜集団のニーズ又は一人の患者のニーズに対処するために変わり得、そのニーズは患者の年齢、性別、体重などによって異なりうる。組合せ製剤(パーツキット)の個々のパーツは、同時に又は逐次的に、すなわち、時間をずらして、例えば異なった時点で、パーツキットの任意のパーツに対して等しい又は異なる時間間隔で、投与されうる。
「薬学的組成物」という用語は、それぞれの投薬量の予め決められた組合せを有する、単一の投薬形態に組合せられた、式Iの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を含む固定用量の組合せ(FDC)を指す。
薬剤組合せは、更にアドオン療法として使用されうる。ここで使用される場合、「アドオン」又は「アドオン療法」とは、治療に使用される試薬の集合体を意味し、治療を受ける対象は、治療で使用される必ずしも全ての試薬が同時に開始されるわけではないように、最初の治療レジメンに加えて、一又は複数の異なる試薬の第二治療レジメンを始める前に一又は複数の試薬の第一治療レジメンを開始する。本発明の好ましいアドオン療法は、既にシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)治療を受けている患者に式I化合物の治療を加えることを含む。
投与される式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量は、例えば投与経路、治療されている症状、治療されている標的領域、及び治療されている対象又は宿主を含む、症例を取り巻く特定の状況に応じて、特定の化合物、疾患状態及びその重症度などの因子に応じて変わるであろう。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が治療的有効量で存在する薬剤組合せを提供する。
ここで使用される「有効量」又は「治療的有効量」という表現は、本発明の組合せを受ける対象において次の効果の一又は複数を生じさせることができる量を指す:(i)客観的奏効率(ORR)の増加;(ii)腫瘍増殖速度の低下又は完全な増殖停止の誘発を含む、腫瘍増殖の阻害又は停止;(iii)腫瘍細胞数の減少;(iv)腫瘍サイズの縮小;(v)腫瘍数の減少;(vi)末梢器官への腫瘍細胞浸潤の転移の阻害(すなわち、減少、減速又は完全な停止);(vii)腫瘍の退縮又は消失をもたらすかもしれないが、もたらす必要はない抗腫瘍免疫応答の増強;(viii)がんに関連する一又は複数の症状のある程度の軽減;(ix)組合せを受ける対象の無増悪生存期間(PFS)及び/又は全生存期間(OS)の増加。
治療的有効量の決定は、特にここで提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内にある。幾つかの実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量は、(i)がん細胞の数を減少させ;(ii)腫瘍のサイズを縮小させ;(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を抑制し、遅延させ、ある程度遅くし、好ましくは停止させ;(iv)腫瘍の転移を阻害し(例えば、ある程度遅く、好ましくは停止させる);(v)腫瘍増殖を阻害し;(vi)腫瘍の発生及び/又は再発を遅らせ;及び/又は(vii)がんに関連する一又は複数の症状をある程度緩和しうる。様々な実施態様では、この量は、がんの症状の一又は複数を寛解させ、緩和し、軽減し、及び/又は遅延させるのに十分である。
治療的有効量は、対象、及び治療されている疾患又は症状、対象の体重及び年齢、疾患又は症状の重症度、及び投与方法に応じて変わり得、これは当業者によって容易に決定されうる。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が相加的な治療効果をもたらす量で存在する薬剤組合せを提供する。
ここで使用される場合、「相加的」という用語は、この発明の薬剤組合せで達成される効果が、抗がん剤、すなわち式Iの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を単剤療法として使用することから生じる効果のおよそ合計であることを意味する。有利なことには、相加効果により、同じ用量でより大きな効果がもたらされ、治療に対する奏効の持続時間が長くなる可能性がある。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が相乗的な治療効果をもたらす量で存在する薬剤組合せを提供する。
ここで使用される場合、「相乗的」という用語は、この発明の薬剤組合せで達成される効果が、抗がん剤、すなわち式Iの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を単剤療法として使用することから生じる効果の和よりもおよそ大きいことを意味する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg又は約1〜約2mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩の量が、約1mg、約1.2mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg又は約10mg、好ましくは約1.2mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg、又は約1〜約5.5mg、又は約4.5〜約8mg、又は約4.5〜約5.5mg、好ましくは約4.5〜約8mg又は約4.5〜約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約1mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5.5mg、約7.5mg又は約10mg、好ましくは約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg又は約1〜約2mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg、又は約1〜約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
好ましい実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩の量が、約1mg、約1.2mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg又は約10mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約1mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5.5mg、約7.5mg又は約10mgである薬剤組合せを提供する。
特に好ましい実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iの前記化合物又はその薬学的に許容される塩の量が約1.2mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約4.5〜約8mg、約4.5〜約5.5mg、好ましくは約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg又は約1〜約2mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約1mg、約1.2mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg又は約10mg、好ましくは約1.2mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg、又は約1〜約5.5mg、又は約4.5〜約8mg、又は約4.5〜約5.5mg、好ましくは約4.5〜約8mg又は約4.5〜約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約1mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5.5mg、約7.5mg又は約10mg、好ましくは約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg又は約1〜約2mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約0.1〜約50mg又は約0.1〜約20mg又は約0.1〜約10mg又は約0.5〜約8mg又は約0.5〜約6mg、又は約1〜約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
好ましい実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約1mg、約1.2mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg又は約10mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約1mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5.5mg、約7.5mg又は約10mgである薬剤組合せを提供する。
特に好ましい実施態様では、本発明は、式Iaの化合物と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩とを含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が約1.2mgであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約4.5〜約8mg、約4.5〜約5.5mg、好ましくは約5.5mgである薬剤組合せを提供する。
上に示したように、本発明はまた式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩と、場合によっては一又は複数の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体とを含む薬剤組合せに関する。
ここで使用される「薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体」という用語は、合理的なベネフィット/リスク比に釣り合った過度の有害な副作用(毒性、刺激、及びアレルギー反応など)のないヒト及び/又は動物での使用に適した担体又は賦形剤又は希釈剤を指す。それは、対象に本化合物を送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁剤又はビヒクルでありうる。
[製剤及び投与形態]
選択された製剤及び投与経路は、個々の対象、対象において治療される症状の性質、及び一般的には主治医の判断に合わせて仕立てられうる。
本発明の薬学的組成物又は組合せ製剤は、直腸、頬、鼻腔内、経粘膜、経皮を含み、動脈内注射により、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所、例えば肺投与による吸入として、又は含浸もしくはコーティングされたデバイス、例えばステント、又は動脈挿入の円筒形ポリマーにより、類似の有用性を有する薬剤の許容される投与形態の何れかにより、単一又は複数用量で投与されうる。
投与の一形態は、注射による投与、好ましくは注射による静脈内投与である。式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が注射による投与のために導入されうる形態には、ゴマ油、コーン油、綿実油、又は落花生油、並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロースを含む水性もしくは油性懸濁液、又は乳濁液、あるいは滅菌水溶液、及び同様の薬学的ビヒクルが含まれる。生理食塩水の水溶液もまた従来から注射に使用でき、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩水緩衝液などの生理学的に適合性のある緩衝液が水溶液として使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(及びそれらの適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、及び植物油もまた用いられうる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用により、維持されうる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされうる。
無菌の注射液は、上に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒中に本開示に係る化合物を必要な量で取り込み、必要に応じて、その後濾過滅菌することにより調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌された活性成分を、基本的な分散媒と上に列挙したものからの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中に取り込むことによって調製される。無菌の注射液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分と、その以前に滅菌濾過された溶液からの任意の追加の所望の成分の粉末を生成する真空乾燥及び凍結乾燥技術である。所定の実施態様では、非経口投与の場合、治療的有効量、例えば0.1〜1000mgの式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む滅菌注射液が調製される。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療される症状、選択された投与経路、投与される実際の化合物とその相対的活性、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む関連する状況に鑑みて、医師によって通常は決定されることが理解されるであろう。
本発明に係る薬剤組合せは、好ましくは、注射、例えば皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内又は腹腔内注射、より好ましくは静脈内注射に適しており、通常、治療的有効量の活性成分と一又は複数の適切な薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体を含む。従って、好ましい実施態様では、薬剤組合せは対象に静脈内投与され、すなわち、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、対象に静脈内投与される。
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む別個の形態の薬学的組成物又は組合せ製剤は、一般的な混合、溶解、造粒、コーティング錠剤の製造、すりつぶし、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスによって製造されうる。別個の形態の薬学的組成物又は組合せ製剤は、一又は複数の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又は活性成分の薬学的に使用可能な調製物への加工を促進する補助剤を使用して一般的な方法で製剤化されうる。適切な製剤は、選択された投与方法に依存する。
局所投与では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知のように、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液などとして製剤化されうる。
経粘膜投与では、当該技術分野で知られているように、浸透される障壁に適した浸透剤が製剤に使用される。
経口投与では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を、当該技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組合せることにより、容易に製剤化されうる。そのような担体は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を、治療される患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化することを可能にする。例えば、粉末、カプセル及び錠剤などの経口製剤の場合、適切な賦形剤には、糖などの充填剤、例えばラクトース、スクロース、マンニトール及びソルビトール;トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース製剤;造粒剤;及び結合剤が含まれる。所望されれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤が添加されうる。所望されれば、固体剤形は標準的な技術を使用して、糖衣又は腸溶コーティングされてもよい。
例えば、懸濁液、エリキシル剤及び液剤などの経口液体製剤の場合、適切な担体、賦形剤又は希釈剤には、水、グリコール、油、アルコールなどが含まれる。加えて、香味料、保存料、着色剤などを加えてもよい。
頬側投与の場合、組成物は、通常のように製剤化された錠剤、ロゼンジなどの形態をとりうる。
吸入による投与の場合、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、適切な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、二酸化炭素又はその他の適切なガスを使用して、加圧パック又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形で簡便に送達される。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量された量を送達するバルブを設けることにより、決定することができる。吸入器又は吹送器で使用するための例えばゼラチンのカプセルとカートリッジを、本発明の化合物とラクトース又は澱粉などの適切な粉末基剤の混合粉末を含めて製剤化することができる。
化合物は、カカオバター又は他のグリセリドなどの適切な坐剤基剤と一緒に、坐剤などの直腸又は膣組成物に製剤化することもできる。
前述の製剤に加えて、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩はまたデポ製剤として製剤化されてもよい。そのような長時間作用型製剤は、留置(例えば、皮下又は筋肉内)又は筋肉内注射により投与されうる。そのようなデポ製剤の製造の場合、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、適切な高分子又は疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)又はイオン交換樹脂、又は難溶性の塩として製剤化されうる。
加えて、当該技術分野で周知のリポソーム及びエマルジョンなどの他の薬剤送達システムを用いてもよい。ジメチルスルホキシドなどの所定の有機溶媒もまた用いられうる。加えて、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩は、治療剤を含む固体ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放性システムを使用して送達されうる。様々な徐放性材料が確立されており、当業者に周知である。徐放性カプセルは、その化学的性質に応じて、数週間から100日間以上化合物を放出しうる。治療剤の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のための追加の方策が採用されうる。
[がんを治療するための本発明の組合せの使用]
第二の態様によれば、本発明は、医薬として使用するための、ここに記載の薬剤組合せを提供する。
第三の態様によれば、本発明は、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法で使用するための、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための方法で使用するための、より好ましくは対象のがんの治療方法で使用するための、ここに記載の薬剤組合せを提供する。
また提供されるものは、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための医薬の製造のための、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための医薬の製造のための、より好ましくは対象のがんの治療のための医薬の製造のための、ここに記載の薬剤組合せの使用である。
また提供されるものは、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療、より好ましくは対象のがんの治療のための、ここに記載の薬剤組合せの使用である。
また提供されるものは、対象におけるがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための方法、より好ましくは対象のがんの治療のための方法であって、ここに記載の薬剤組合せを前記対象に投与すること、例えばここに記載の治療的有効量の薬剤組合せを前記対象に投与することを含む方法である。
ここで使用される場合、「予防(prevention)」/「予防する(preventing)」という用語、例えば予防的治療(preventive treatments)は、予防的治療(prophylactic treatments)を含む。予防的用途において、本発明の薬剤組合せは、がんを有することが疑われるか、又はがんを発症するリスクがある対象に投与される。
ここで使用される場合、「進行の遅延」/「進行の遅延化」という用語は、がんの症状又はがんに関連するマークの出現までの時間を延長するか、あるいはがんの症状の重症度の増加を遅らせることを意味する。更に、ここで使用される「進行の遅延」には、疾患進行の逆転又は阻害が含まれる。対象における疾患の進行又は疾患の合併症の「阻害」とは、対象における疾患の進行及び/又は疾患の合併症を予防し又は減少させることを意味する。
ここで使用される「治療」/「治療する」という用語には、(1)状態、障害、又は症状に苦しめられるか又は素因になりうるが、状態、障害、又は症状の臨床的又は不顕性症状をまだ被っていないか又は示していない動物、特に哺乳動物、特にヒトにおいて発症する状態、障害又は症状の臨床症状の出現を遅らせること;(2)状態、障害又は症状を阻害すること(例えば疾患の発現、又は少なくとも一つのその臨床又は不顕性症状の、維持療法の場合のその再発の、停止、軽減又は遅延);及び/又は(3)症状を緩和すること(すなわち、状態、障害又は症状又は少なくとも一つのその臨床又は不顕性症状の退縮を生じさせること)が含まれる。治療される患者にとってのベネフィットは、統計的に有意であるか、患者又は医師にとって少なくとも知覚できる。しかし、医薬を患者に投与して疾患を治療する場合、アウトカムは常に効果的な治療とは限らないことは理解されるであろう。
治療への適用では、薬剤組合せは、通常、既にがんを患っている患者などの対象に、疾患の症状を治癒し又は少なくとも部分的に抑止するのに十分な量で投与される。この使用のための効果的な量は、疾患の重症度と経過、以前の治療、対象の健康状態と薬物に対する反応、及び治療する医師の判断に依存するであろう。
対象の症状が改善しない場合、本発明の薬剤組合せは慢性的に投与され得、それは、対象の疾患又は症状の兆候を回復させるか又は制御もしくは制限等するために対象の人生の期間全体を含む、長期間である。
対象の状態が改善する場合、薬剤組合せを連続的に投与してもよい;あるいは、投与されている薬物の用量は、所定の期間(すなわち、「休薬期間」)の間、一時的に減少され又は一時的に中断されうる。
患者の症状の改善が生じたら、必要に応じて、維持用量の本発明の薬剤組合せが投与される。その後、投薬量又は投与頻度又はその両方が、症状に応じて、改善された疾患が保持されるレベルまで、任意に減らされる。
本発明の一実施態様では、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法における使用のための、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための方法における使用のための、より好ましくは対象のがんの治療のための方法における使用のための本発明に係る薬剤組合せであって、がんが、乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、好ましくは転移性乳がん及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、より好ましくはがんが再発性転移性乳がんである、薬剤組合せが提供される。通常、本発明のがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法によって治療されるがんは、CXCR4を発現する。がんのCXCR4発現の評価方法は科学文献において報告されており、当業者に知られている。がんのCXCR4発現は、例えば、腫瘍組織(アーカイブ原発腫瘍、転移組織、又は新鮮生検から)に対する免疫組織化学検査によって評価できる。本発明の方法によって治療されるがんの任意のレベルのCXCR4発現が、本発明の文脈においてCXCR4を発現するがんとみなされる。
また提供されるものは、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための医薬の製造のための、好ましくは、がんの進行の遅延又は治療のための医薬の製造のための、より好ましくは対象のがんの治療のための医薬の製造のための、ここに記載の薬剤組合せの使用であって、がんが、乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、好ましくは転移性乳がん及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、より好ましくはがんが再発性転移性乳がんである、使用である。
また提供されるものは、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための、より好ましくは対象のがんの治療のための、ここに記載の薬剤組合せの使用であって、がんが、乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、好ましくは転移性乳がん及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、より好ましくはがんが再発性転移性乳がんである、使用である。
また提供されるものは、対象のがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法、好ましくは対象のがんの進行の遅延又は治療のための方法、より好ましくは対象のがんの治療のための方法であって、ここに記載の薬剤組合せを前記対象に投与すること、例えばここに記載の治療的有効量の薬剤組合せを前記対象に投与することを含み、がんが、乳がん、転移性乳がん、再発性転移性乳がんからなる群から選択され、好ましくは転移性乳がん及び再発性転移性乳がんからなる群から選択され、より好ましくはがんが再発性転移性乳がんである、方法である。
好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2−陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)転移性乳がん、及びHER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
より好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)転移性乳がん、HER2−陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)転移性乳がん、及びHER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
更により好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)転移性乳がん、及びHER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
特定の好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)転移性乳がん、及びHER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
より特定の好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2+ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陽性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER−PR+)再発性転移性乳がん、及びHER2陽性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2+ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
更により特定の好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
最も特定の好ましい実施態様では、がんは、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん及びHER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択される。
よって、がんの予防、進行の遅延又は治療のための方法において使用するための、本発明に係る薬剤組合せであって、がんがHER2陰性の再発性転移性乳がんであり、より好ましくはがんが対象におけるHER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER−PR−)再発転移乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陰性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER−PR+)再発性転移性乳がん、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択されるHER2陰性再発性転移性乳がんであり、更により好ましくは、がんが、HER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陰性(HER2−ER+PR−)再発性転移性乳がん及びHER2陰性エストロゲン受容体陽性プロゲステロン受容体陽性(HER2−ER+PR+)再発性転移性乳がんからなる群から選択されるHER2陰性再発性転移性乳がんである、薬剤組合せが好ましくは提供される。
一実施態様では、がんを有する対象は、(i)少なくとも一種の化学療法治療に対して抵抗性であるか、又は(ii)化学療法での治療後に再発しているか、又はそれらの組合せである。
幾つかの実施態様では、対象は、少なくとも二種、少なくとも三種、又は少なくとも四種の抗がん療法(例えば、標準的又は実験的化学療法を含む)に対して抵抗性である。
上述のように、少なくとも一種の抗がん療法に抵抗性であり、及び/又は少なくとも一種の抗がん療法での治療後に再発している対象は、一又は複数の前の治療を受けていた場合がある。幾つかの実施態様では、そのような対象は、ここに記載の方法を使用する治療の前に(例えば、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩の投与前に)、1、2、3、又は4、又は5、又は少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、又は少なくとも5、又は1〜10、及び1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、又は1〜4、又は1〜3、4〜6、又は7〜10種の抗がん療法を受けていた場合がある。
[投与レジメン]
ここに提供された方法におけるCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩と組合せての、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の投与レジメンは、例えば、適応症、投与経路、及び症状の重症度に応じて変わりうる。投与経路に応じて、適切な用量は、体重、体表面積、又は器官サイズに応じて計算できる。最終の投与レジメンは、薬物の作用を変更する様々な要因、例えば化合物の比活性、疾患状態の同一性と重症度、患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別、及び食事、並びに感染の重症度を考慮して、優れた医療行為に鑑みて主治医が決定することができる。考慮されうる追加の要因には、投与の時間と頻度、薬物組合せ、反応感度、及び治療に対する耐性/反応が含まれる。ここで言及される製剤の何れかを含む治療に適切な用量の更なる改良は、特に開示された投与情報及びアッセイ、並びにヒト臨床試験で観察された薬物動態データに照らして、過度の実験をすることなく熟練した医師によって常套的になされる。適切な用量は、体液又は他のサンプル中の薬剤の濃度を用量反応データと共に決定するための確立されたアッセイの使用を通じて確認することができる。
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の量、例えば治療的有効量は、所望の治療エンドポイントを達成するために単回用量又は複数回用量で提供されうる。
投与の頻度は、投与される化合物の薬物動態パラメーター、投与経路、及び治療される特定の疾患に依存する。投与の用量及び頻度は、薬物動態及び薬力学、並びに毒性及び治療効果データにも依存しうる。例えば、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩に関する薬物動態及び薬力学的情報は、臨床試験の過程中にヒトで後に確認される前臨床インビトロ及びインビボ試験を通じて収集されうる。従って、ここに提供される方法において使用される、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩に対して、治療的有効量は生化学及び/又は細胞ベースアッセイから最初に推定されうる。次に、望ましい循環濃度範囲を達成するために、投薬量が動物モデルにおいて策定されうる。ヒト試験が行われると、様々な疾患及び状態に対する適切な投薬量レベルと治療期間に関し更なる情報が明らかになる。
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩の毒性及び治療効果は、例えば、LD50(集団の50%の致死量)及びED50(集団の50%で治療的に有効な用量)を決定するため、細胞培養又は実験動物での標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比は「治療指数」であり、これは典型的には比LD50/ED50として表される。大きな治療指数を示す化合物、すなわち毒性用量が有効用量よりも実質的に高い化合物が好ましい。そのような細胞培養アッセイ及び追加の動物実験から得られるデータが、ヒトでの使用のための用量範囲を策定する際に使用できる。そのような化合物の用量は、毒性が殆ど又は全くなくED50を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩は、数分又は数時間以内に対象(例えば、ヒト)に投与されうる。幾つかの実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩は、約1〜約240分、約1〜約180分、又は約5〜約150分、又は約5〜約120分、又は約1〜60分、又は約1〜10分、又は約5分以上にわたって対象(例えば、ヒト)に投与されうる。
一実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩は、通常、約1〜約60分、好ましくは約2〜約30分、より好ましくは約2〜約10分、最も好ましくは約5分かけて対象(例えばヒト)に投与される。
一実施態様では、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩は、通常、約1〜約240分、好ましくは約1〜約180分、より好ましくは約60〜約150分、最も好ましくは約120分にわたって対象(例えばヒト)に投与される。
一実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩は、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩の投与の終了後、対象(例えば、ヒト)に投与される。好ましい実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩は、通常、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の投与の終了後、約15〜約240分、約15〜約120分、好ましくは約20〜約60分、より好ましくは約20〜約30分、更により好ましくは約25分に投与される。
例示的な治療計画は、1日1回、1日2回、1日3回、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、週2回、週1回の投与を伴う。本発明の組合せは、通常複数回投与される。単一投与間の間隔は、例えば、1日未満、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は1週間でありうる。本発明の組合せは、連続的で中断のない治療として与えられうる。本発明の組合せはまた、休薬期間又は非治療期間によって中断される治療サイクル(投与サイクル)を対象が受ける計画で与えられうる。従って、本発明の組合せは、上記の選択された間隔に従って、1週間又はその一部の連続期間、2週間、3週間、4週間、5週間、又は6週間投与され、その後1週間又はその一部の期間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、又はそれ以上の週の間、停止されうる。治療間隔と非治療間隔の組合せはサイクルと呼ばれる。サイクルは一又は複数回繰り返されうる。治療を一又は複数回繰り返すために、2つ以上の異なるサイクルを組合せて使用してもよい。本発明の方法における好ましい投与サイクルは、3週間の期間、すなわち21日サイクルである。一実施態様では、サイクルは一又は複数回繰り返され、通常は1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21回、好ましくは少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20又は少なくとも21回、より好ましくは少なくとも2回繰り返される。特定の好ましい実施態様では、サイクルは少なくとも2回繰り返されるので、治療は少なくとも3回の21日サイクルを含む。
本発明に係る薬剤組合せの投与は、導入サイクルで開始され得、例えば導入サイクルで開始され、それに21日サイクルが続く。一実施態様では、本発明に係る薬剤組合せの投与は、導入サイクルで開始され、それに21日サイクルが続く。導入サイクルは28日間続き得、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が独立して対象に投与され、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が1日目と16日目に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が1日目と、15、16及び17日目に投与される。好ましい実施態様では、本発明に係る薬剤組合せの投与は、21日サイクルで始まる。この実施態様では、最初の21日サイクルの前に導入サイクルは投与されない。より好ましい実施態様では、本発明に係る薬剤組合せは、投与の21日サイクルの1、2及び3日目、並びに8、9及び10日目に投与される。
好ましい一実施態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が対象に独立して投与され、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が2日目と9日目に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が投与の21日サイクルの1、2及び3日目、並びに8、9及び10日目に投与される。
好ましい一実施態様では、本発明の薬剤組合せは21日サイクルで投与され、21日の投与サイクルの2及び9日目に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、約1〜約3時間にわたって投与されるCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の投与の終了から約15〜約120分後に約2〜約10分かけて対象に投与される。より好ましい実施態様では、本発明の薬剤組合せは21日サイクルで投与され、21日の投与サイクルの2及び9日目に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、約2時間にわたって投与されるCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の投与の終了から約25後に約5分かけて対象に投与される。
ヒト対象に対する式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の例示的な用量は、約0.1〜約50mg/m又は約0.1〜約20mg/m又は約0.1〜約10mg/m又は約0.5〜約8mg/m又は約0.5〜約6mg/m又は約1〜約2mg/m又は約1mg/m、約1.2mg/m、約1.5mg/m、約2mg/m、約3mg/m、約4mg/m、約5mg/m、約6mg/m、約7mg/m、約8mg/m、約9mg/m又は約10mg/mでありうる。
ヒト対象に対するCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の例示的な用量は、約0.1〜約50mg/kg又は約0.1〜約20mg/kg又は約0.1〜約10mg/kg又は約0.5〜約8mg/kg又は約0.5〜約6mg/kg、又は約1〜約5.5mg/kg、又は約4.5〜約8mg/kg、又は約4.5〜約5.5mg/kg、又は約1mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5.5mg/kg、約7.5mg/kg又は約10mg/kgでありうる。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の前記式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg/m又は約0.1〜約20mg/m又は約0.1〜約10mg/m又は約0.5〜約8mg/m又は約0.5〜約6mg/m又は約1〜約2mg/mであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約0.1〜約50mg/kg又は約0.1〜約20mg/kg又は約0.1〜約10mg/kg又は約0.5〜約8mg/kg、又は約0.5〜約6mg/kg又は約1〜約5.5mg/kg又は約4.5〜約8mg/kg又は約4.5〜約5.5mg/kgである薬剤組合せを提供する。
好ましい実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の前記式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩の量が約1mg/m、約1.2mg/m、約1.5mg/m、約2mg/m、約3mg/m、約4mg/m、約5mg/m、約6mg/m、約7mg/m、約8mg/m、約9mg/m又は約10mg/mであり、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の量が、約1mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5.5mg/kg、約7.5mg/kg又は約10mg/kgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が約0.1〜約10mg/m、好ましくは0.5〜約6mg/m、より好ましくは約1〜約2mg/m、更により好ましくは約1.2mg/mの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が、約0.1〜約10mg/kg、好ましくは約1〜約5.5mg/kg、より好ましくは約4.5〜約8mg/kg、更により好ましくは約4.5〜約5.5mg/kg、最も好ましくは約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、約0.1〜約10mg/m、好ましくは0.5〜約6mg/m、より好ましくは約1〜約2mg/m、更により好ましくは約1.2mg/mの用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が、約0.1〜約10mg/kg、好ましくは約1〜約5.5mg/kg、より好ましくは約4.5〜約8mg/kg、更により好ましくは約4.5〜約5.5mg/kg、最も好ましくは約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
特定の実施態様では、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せであって、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、約1.2mg/mの用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約0.1〜約50mg/m又は約0.1〜約20mg/m又は約0.1〜約10mg/m又は約0.5〜約8mg/m又は約0.5〜約6mg/m又は約1〜約2mg/mであり;組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約0.1〜約50mg/kg又は約0.1〜約20mg/kg又は約0.1〜約10mg/kg又は約0.5〜約8mg/kg、又は約0.5〜約6mg/kg又は約1〜約5.5mg/kg又は約4.5〜約8mg/kg又は約4.5〜約5.5mg/kgである薬剤組合せを提供する。
好ましい実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、組合せ中の式Iaの前記化合物の量が、約1mg/m、約1.2mg/m、約1.5mg/m、約2mg/m、約3mg/m、約4mg/m、約5mg/m、約6mg/m、約7mg/m、約8mg/m、約9mg/m又は約10mg/mであり、組合せ中のCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有する前記シクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩の量が、約1mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5.5mg/kg、約7.5mg/kg又は約10mg/kgである薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、式Iaの化合物が約0.1〜約10mg/m、好ましくは0.5〜約6mg/m、より好ましくは約1〜約2mg/m、更により好ましくは約1.2mg/mの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩が、約0.1〜約10mg/kg、好ましくは約1〜約5.5mg/kg、より好ましくは約4.5〜約8mg/kg、更により好ましくは約4.5〜約5.5mg/kg、最も好ましくは約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
一実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、式Iaの化合物が約0.1〜約10mg/m、好ましくは0.5〜約6mg/m、より好ましくは約1〜約2mg/m、更により好ましくは約1.2mg/mの用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩が、約0.1〜約10mg/kg、好ましくは約1〜約5.5mg/kg、より好ましくは約4.5〜約8mg/kg、更により好ましくは約4.5〜約5.5mg/kg、最も好ましくは約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
特定の実施態様では、本発明は、式Iaの化合物とCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩を含む薬剤組合せであって、式Iaの化合物が、約1.2mg/mの用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)酢酸塩が約5.5mg/kgの用量で対象に投与される薬剤組合せを提供する。
[追加の組合せ療法]
ここに提供されるものは、また、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩と組合せて、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、一又は複数の追加の療法との追加の組合せで対象(例えば、ヒト)に投与される治療方法である。従って、幾つかの実施態様では、対象(例えば、ヒト)のがんを治療する方法は、がんの治療に有用でありうる一又は複数の追加の療法と共に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の治療的有効量を対象に投与することを含む。一又は複数の追加の療法は、一又は複数の治療剤、好ましくは治療用抗がん剤の投与を伴いうる。
[パーツキット]
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を含む薬剤組合せ、例えば組合せ製剤(例えば、製剤及び単位投薬量を含む)を調製し、適切な容器に入れ、適応症状の治療のためにラベルを付すことができる。
パーツキットもまた考えられる。例えば、キットは、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩の単位投薬形態と、医学的状態の治療における組成物の使用説明書を含む添付文書を含みうる。幾つかの実施態様では、キットは、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び/又はCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩の単位投薬形態を含む。キット中の使用説明書は、がんの治療のためのものでありうる。
従って、第四の態様では、本発明は、第一容器、第二容器及び添付文書を含むパーツキットであって、第一容器が、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は式Iaの化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含み、第二容器が、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬の少なくとも1用量を含み、添付文書が、医薬を使用してがんについて対象を治療するための説明書を含み、がんが、乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択されるパーツキットを提供する。パーツキットにおいて使用される用量は、上に普通に記載された通りである。
本実施例は、本発明を、限定することなく例証することを意図している。
実施例1
この非盲検、単アーム、非ランダム化第I相、用量漸増試験に、組織学的に確認された浸潤性乳がん、ステージIV疾患(対がん米国合同委員会規準)、腫瘍組織の免疫組織化学検査による腫瘍細胞CXCR4発現のエビデンス(アーカイブ原発腫瘍、転移組織、又は新鮮生検から)、及び固形腫瘍効果判定規準(RECIST)1.1規準による少なくとも一つの測定可能な病変を伴う18歳以上のHER2陰性(任意のエストロゲン又はプロゲステロン受容体状態)の女性を登録した。患者は以前に転移性乳がん(MBC)に対して1〜3回の化学療法レジメンを受けていた。ホルモン受容体陽性状態の患者は、少なくとも一回の内分泌療法に失敗したか、内分泌療法には適さないと考えられなければならない。適格性規準には、0又は1のEastern Cooperative Oncology Groupの活動指標がまた含まれる。この第I相試験では、再発性転移性乳がんにおけるエリブリンとPOL6326の組合せを調べる。主目標は、この組合せ療法の安全性、忍容性、薬物動態(PK)、並びにエリブリンに追加された場合のPOL6326の最大耐用量(MTD)及び推奨第2相用量(RP2D)である。腫瘍反応によって測定される有効性を加えて評価した。
[治験デザイン]
各21日の治療サイクル。POL6326注入終了のおよそ25分後に開始して、2及び9日目におよそ5分間かけて、エリブリンを1.4mg/mの記載用量でIV投与し、POL6326は1、2、3、及び8、9及び10日目におよそ2時間かけて注入した(以下の表1の治療スキームを参照)。エリブリンはエリブリンメシル酸塩としてIV投与する一方、POL6326は酢酸塩としてIV投与した。
Figure 2020508315
[効果の測定]
[抗腫瘍効果−固形腫瘍]
この治験の目的に対して、CTスキャンにより各2サイクルの後に患者を奏効について再評価した。
この治験では、改訂された固形腫瘍効果判定規準(RECIST)ガイドライン(1.1版)[Eur J Ca 45:228-247, 2009]によって提案された新国際規準を使用して、奏効と増悪を評価した。腫瘍病変の最大径の変化(一次元測定)と悪性リンパ節の場合の最短径の変化がRECIST規準において使用される。
[疾患パラメーター]
測定可能な疾患:測定可能な病変は、少なくとも1次元(記録される最長径)で胸部X線で20mm以上、CTスキャンで10mm以上、又は臨床検査によるキャリパスで10mm以上として精確に測定できる病変と定義される。全ての腫瘍測定値はミリメートル(又はセンチメートルの小数部)で記録されなければならない。
以前に照射された領域に位置する腫瘍病変は、測定可能とみなされる場合とみなされない場合があることに留意すべきである。治験担当医師がそれらを含めることが適切であると考える場合、そのような病変が考慮されるべき条件がプロトコルで定義されなければならない。
悪性リンパ節:病理学的に拡大して測定可能とみなされるには、リンパ節はCTスキャンで評価された場合、短軸で15mm以上でなければならない(CTスキャンスライス厚は5mm以下であることが推奨される)。ベースライン及びフォローアップでは、短軸のみが測定され追跡される。
測定不能疾患:小さな病変(最長径<10mm又は短軸が≧10から<15mmの病的リンパ節)を含む全ての他の病変(又は疾患部位)が、測定不能疾患とみなされる。骨病変、軟膜疾患、腹水、胸水/心膜液、皮膚リンパ管炎/肺リンパ管炎、炎症性乳房疾患、及び腹部腫瘤(CT又はMRIで観察されない)は測定不能とみなされる。
X線検査で明らかになった単純嚢胞の規準を満たす嚢胞性病変は、定義上、単純嚢胞であるため、悪性病変(測定可能でも測定不能でもない)と見なされるべきではないことに留意すべきである。
嚢胞性転移を表すと考えられる「嚢胞性病変」は、上記の測定可能性の定義を満たす場合、測定可能な病変とみなすことができる。しかし、同じ患者に非嚢胞性病変が存在する場合、これらは標的病変として選択するのに好ましい。
標的病変:器官ごとに最大で2病変、合計5病変までの、全ての関与する器官を代表する測定可能な病変が、標的病変として特定され、ベースラインで記録され測定されるべきである。標的病変は、そのサイズ(最長径の病変)に基づいて選択され、関与する全ての器官を代表すべきであるが、加えて再現性のある反復測定に適しているものであるべきである。場合によっては、最大の病変が再現性のある測定に適しておらず、その場合、再現性のある測定が可能な次に大きな病変が選択されるべきである場合がある。全ての標的病変の長径の和(非結節病変の場合は最長、結節病変の場合は短軸)が計算され、ベースライン長径和として報告される。リンパ節が合計に含められるべき場合、短軸のみが合計に加えられる。ベースライン長径和は、疾患の測定可能な寸法における客観的腫瘍退縮を更に特徴付けるための参照として使用される。
非標的病変:5つの標的病変以上の任意の測定可能な病変を含む他の全ての病変(又は疾患部位)が、非標的病変として特定されるべきであり、ベースラインでまた記録されるべきである。これらの病変の測定は必須ではないが、それぞれの存在、不在、又は希な場合には明らかな増悪がフォローアップを通じて留意されるべきである。
[測定可能な疾患の評価方法]
全ての測定値は、定規又はキャリパスを使用してメートル表記で取得され記録されるべきである。全てのベースライン評価は、可能な限り治療開始と近接した時期に実施されるべきで、治療開始の4週間以上前には決して実施されるべきではない。
同じ評価方法と同じ手法を使用して、ベースライン及びフォローアップ中に特定され報告された各病変を特徴付けるべきである。追跡されている病変を画像化できないが、臨床検査で評価可能である場合を除いて、画像ベースの評価が、臨床検査による評価よりも好ましい。疾患評価と腫瘍評価は、RECIST1.1に従って実施されるべきである。
[奏効規準]
[標的病変の評価]
完全奏効(CR):全ての標的病変の消失。任意の病的リンパ節(標的又は非標的)が、短軸が10mm未満に縮小していなければならない。
部分奏効(PR):ベースライン長径和を基準として標的病変の長径和が少なくとも30%減少。
進行性疾患(PD):治験での最小和(これは、それが治験で最小の場合、ベースライン和を含む)を基準として、標的病変の長径和が少なくとも20%増加。20%の相対的な増加に加えて、和は少なくとも5mmの絶対的な増加も示さなければならない。(注:一又は複数の新病変の出現もまた進行とみなされる)。
症状安定(SD):治験中の最小長径和を基準として、PRを適格とするのに十分な縮小もPDを適格とするのに十分な増加もない。
[非標的病変の評価]
完全奏効(CR):全ての非標的病変の消失と腫瘍マーカーレベルの正常化。全てのリンパ節はサイズが非病理学的でなければならない(短軸<10mm)。
腫瘍マーカーが最初に正常な上限を超えている場合、患者が完全臨床奏効にあると見なされるためにはそれらが正常化しなければならないことに留意すべきである。
非CR/非PD:一又は複数の非標的病変の持続及び/又は腫瘍マーカーレベルの正常限界を超える維持。
進行性疾患(PD):一又は複数の新病変の出現及び/又は既存の非標的病変の明らかな増悪。明らかな増悪は、通常、標的病変状態に勝るべきではない。これは、単一病変の増加ではなく、全体的な疾患状態の変化を表すものでなければならない。
「非標的」病変のみの明らかな増悪は例外的であるが、そのような状況では治療している医師の意見が尊重されるべきであり、その増悪の状態は後日判定委員会(又は治験責任医師)により確定されるべきである。
[最良総合効果の評価]
最良総合効果は、(治療が開始されてから記録された最小の測定値を進行性疾患の規準として)治療の開始から増悪/再発までに記録された最良の効果のことである。患者の最良効果の判定は、測定値規準と確定規準の双方の達成度に依存する。
Figure 2020508315
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[奏効期間]
全奏効期間:全奏効期間は、(治療が開始されてから記録された最小の測定値を進行性疾患の規準として)CR又はPR(何れか最初に記録されたもの)の測定値規準が満たされた時から、再発又は疾患増悪が客観的に文書化される最初の日付まで測定される。
全CR期間は、CRの測定値規準が最初に満たされた時から疾患増悪が客観的に記録される最初の日付まで測定される。
症状安定の期間:症状安定は、ベースライン測定を含む治療開始から記録された最小測定値を基準として、治療開始から増悪の規準が満たされるまで測定される。
[無増悪生存期間]
PFSは、治療開始から進行又は死亡の何れか最初に生じる時までの期間として定義される。
Figure 2020508315
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Figure 2020508315
Figure 2020508315
[考察]
最高用量のバリキサフォルタイド(5.5mg/kg)の拡大コホートを含むこの第I相試験において、我々は、HER2陰性MBC患者におけるバリキサフォルタイド+エリブリンが忍容性が高く、励みになる活性の徴候があることを示している。乳がんにおけるCXCR4アンタゴニストを調査するこの最初の(我々の知る限り)治験において、バリキサフォルタイド+エリブリンの安全性と忍容性は、エリブリン又はバリキサフォルタイドの単剤療法に関する公開データに匹敵するようであった。この治験では、殆どの治験薬投与開始後に発現した有害事象(TEAE、バリキサフォルタイド5.5mg/kgでさえも)は、エリブリン単独に関する他の研究で報告されたものと類似していた:この治験におけるバリキサフォルタイド+エリブリンでG3/4好中球減少症41%(文献ではエリブリン単独で45〜64%と報告)、バリキサフォルタイド+エリブリンでG3/4白血球減少症9%(文献ではエリブリン単独で14〜18%と報告)、バリキサフォルタイド+エリブリンでG3/4末梢神経障害3.6%(文献ではエリブリン単独で5〜8%と報告)、バリキサフォルタイド+エリブリンで任意のグレードのニューロパシー39%(文献ではエリブリン単独で27〜35%と報告)で、これらがバリキサフォルタイドの用量増加に関連していたという証拠はない。この治験において数値的に高いものの、バリキサフォルタイド+エリブリンでの11%の発熱性好中球減少症の発生率(文献ではエリブリン単独で2〜6%と報告)は、用量に関連していないようであった。
バリキサフォルタイド関連の輸液関連反応(IRR)が予想された;大部分は低悪性度で、サイクル1の1日目で最も頻繁に発生した。このような反応はペプチド系薬物に典型的であり、注入速度を遅くし、Hアンタゴニストで予防することで良好に管理された。
重篤な有害事象(SAE)が報告されたが、個々のSAEの発生率は低く、傾向は観察されなかった。致命的なAEの割合(3.6%)は、以前に治療されたMBCの公開された研究においてエリブリン単剤療法で報告された割合(4〜4.8%)と同等であった。
数は少なかったが、バリキサフォルタイドとの既知のエリブリン毒性の重複する毒性又は強調はないように思われた。対照的に、他のCXCR4アンタゴニストは、単剤療法として及び化学療法との併用で血液学的リスクの増加を示している:LY2510924単剤療法では、DLTとして好中球数の異常が報告された;小細胞肺がんのLY2510924+カルボプラチン+エトポシドは、化学療法単独と比較して、好中球減少、白血球減少及び貧血を悪化させた(Galsky MD, Vogelzang NJ, Conkling P等 A phase I trial of LY2510924, a CXCR4 peptide antagonist, in patients with advanced cancer. Clin Cancer Res 2014; 20(13): 3581-8;Salgia R, Stille JR, Weaver RW等 A randomized phase II study of LY2510924 and carboplatin/etoposide versus carboplatin/etoposide in extensive-disease small cell lung cancer. Lung Cancer 2017; 105: 7-13)。調査された用量で有効性の証拠はまたなかった(Salgia R, Stille JR, Weaver RW等 A randomized phase II study of LY2510924 and carboplatin/etoposide versus carboplatin/etoposide in extensive-disease small cell lung cancer. Lung Cancer 2017; 105: 7-13)。
治験間比較に基づくが、拡大コホートにおいてバリキサフォルタイド+エリブリンに対して報告されたORR(38%)及びCBR(63%)は、同様のMBC集団におけるエリブリン単独に対して報告されたものよりも数値的にかなり高かった(Cortes J, O'Shaughnessy J, Loesch D等Eribulin monotherapy versus treatment of physician's choice in patients with metastatic breast cancer (EMBRACE): a phase 3 open-label randomised study. Lancet 2011; 377(9769): 914-23;Kaufman PA, Awada A, Twelves C等 Phase III open-label randomized study of eribulin mesylate versus capecitabine in patients with locally advanced or metastatic breast cancer previously treated with an anthracycline and a taxane. Journal of clinical oncology: official journal of the American Society of Clinical Oncology 2015; 33(6): 594-601;Cortes J, Vahdat L, Blum JL等 Phase II study of the halichondrin B anolog eribulin mesylate in patients with locally advanced or metastatic breast cancer previously treated with an anthracycline, a taxane and capecitabine. Journal of clinical oncology: official journal of the American Society of Clinical Oncology 2010; 28(25): 3922-8;Vahdat LT, Pruitt B, Fabian CJ等 Phase II study of eribulin mesylate, a halichondrin B anolog, in patients with metastatic breast cancer previously treated with an anthracycline and a taxane Journal of clinical oncology: official journal of the American Society of Clinical Oncology 2009; 27(18): 2954-61)。更に、抗腫瘍活性の全てのパラメーターが、用量反応を示唆する最高用量のバリキサフォルタイドが使用された拡大コホートにおいて増加していた。CXCR4発現レベル又はベースラインでのMBCの治療ラインに関係なく、奏効が観察され、HR陽性患者において数値的に高かった。エリブリン単独での2件の第II相試験(上記のVahdat等 2009及びCortes等 2010)では、ORRはそれぞれ11.5%及び9%、CBRは17.2%及び17.1%であった。2件のエリブリンベースのランダム化第III相試験では、エリブリンで治療された患者群のORRは12%及び11%であった(Cortes J, O'Shaughnessy J, Loesch D等Eribulin monotherapy versus treatment of physician's choice in patients with metastatic breast cancer (EMBRACE): a phase 3 open-label randomised study. Lancet 2011; 377(9769): 914-23;Kaufman PA, Awada A, Twelves C等 Phase III open-label randomized study of eribulin mesylate versus capecitabine in patients with locally advanced or metastatic breast cancer previously treated with an anthracycline and a taxane. Journal of clinical oncology: official journal of the American Society of Clinical Oncology 2015; 33(6): 594-601)。我々の治験の拡大コホートにおけるバリキサフォルタイド+エリブリンに対する6.2ヶ月のmPFSは、同様の患者を募集している任意の公開された治験においてエリブリン単独で報告されたものよりもまた高い(2.6〜4.1ヶ月)。拡大コホートの1年間のOS(75%)は有望であり、エリブリン単独の対応する結果は53.9%と報告されている。バリキサフォルタイド+エリブリンの忍容性プロファイルにより、この治験では長い治療期間が可能になった。
更に興味深い点は、拡大コホートにおいてPRを有していた9人の患者のうち4人において、奏効発現までの時間が119〜164日(3.9〜5.4ヶ月)であったことである。効果的な免疫療法は、腫瘍へのT細胞の補充が腫瘍サイズの一時的な増加を引き起こすため、客観的奏効の遅い発現と、場合によっては治療の早期段階における偽増悪と関連している(Seymour L, Bogaerts J, Perrone A等 iRECIST: guidelines for response criteria for use in trials testing immunotherapeut. Lancet Oncology 2017; 18(3): e143-e52)。新たなデータは、免疫細胞でのCXCR4発現が腫瘍浸潤リンパ球の分布に役割を果たす場合があり、CXCR4/SDF−1シグナル伝達の阻害が腫瘍における細胞傷害性T細胞機能に有利に作用しうることを示している。
患者は以前にMBCに対して高度に治療されていたため、この治験において観察された有望な安全性、忍容性及び抗腫瘍活性は、乳がん管理における将来の研究の方向性に重要な洞察を提供しうる。治験における患者数は限られていたが、拡大コホートのサンプルサイズは他のトランスレーショナル研究と同様であり、抗腫瘍効果の妥当な精度を提供する。
CXCR4発現の評価は公開された文献では一貫して報告されておらず、異なる検出方法がしばしば使用される。CXCR4染色の強度に対する明確で標準化された閾値は、治験が設定された時点では報告されておらず、よって、任意のレベルのCXCR4陽性発現が治験への適格性規準として受け入れられた。殆どの患者は弱いCXCR4発現を示したが、治験の全ての患者はCXCR4陽性であった。奏効は、染色のCXCR4強度に関係なく観察された;しかし、これは方法論の制約と、分析されたサンプルの大部分が登録の1年以上前に採取された(40/56)という事実に関連している可能性がある。

Claims (16)

  1. (a)化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オンを有する式I
    Figure 2020508315
    の化合物又はその薬学的に許容される塩;
    (b)Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩;及び場合によっては
    (c)一又は複数の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤又は担体
    を含む薬剤組合せ。
  2. Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩が、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−DPro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−DPro−Pro−)の酢酸塩である、請求項1に記載の薬剤組合せ。
  3. 式Iの前記化合物が、化学名2−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)11,15−18,21−24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ(3,2−i)フロ(2’,3’−5,6)ピラノ(4,3−b)(1,4)ジオキサシクロペンタコシン−5−(4H)−オン・メタンスルホン酸塩を有する式Ia
    Figure 2020508315
    の化合物である、請求項1又は2に記載の薬剤組合せ。
  4. 医薬として使用するための請求項1から3の何れか一項に記載の薬剤組合せ。
  5. 対象におけるがんの予防、進行の遅延又は治療のための方法において使用するための、請求項1から3の何れか一項に記載の薬剤組合せ。
  6. がんが、乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択される、請求項5に記載の使用のための薬剤組合せ。
  7. がんがHER2陰性再発性転移性乳がんである、請求項5に記載の使用のための薬剤組合せ。
  8. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩のそれぞれが対象に独立して投与され、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が21日サイクルの投与の2日目及び9日目に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が21日サイクルの投与の1、2及び3日目、並びに8、9及び10日目に投与される、請求項5から7の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  9. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の対象への投与が、少なくとも2回繰り返される21日サイクルで開始される、請求項5から8の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  10. 21日サイクルの投与の2及び9日目に式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の投与の終了から約15から約240分後に投与される、請求項8又は9に記載の使用のための薬剤組合せ。
  11. 21日サイクルの投与の2及び9日目に式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が、約1から約3時間かけて投与されるCys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩の投与の終了から約15から約120分後に約2から約10分かけて対象に投与される、請求項8又は9に記載の使用のための薬剤組合せ。
  12. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩と、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が対象に静脈内投与される、請求項5から11の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  13. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が約0.1から約10mg/mの間の用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)又はその薬学的に許容される塩が約0.1から約10mg/kgの間の用量で投与される、請求項5から12の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  14. 式Iaの化合物が約1から約2mg/mの間の用量で対象に投与され、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)が約4.5から約8mg/kgの間の用量で対象に投与される、請求項5から12の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  15. がんを有する対象が、(i)少なくとも一種の化学療法治療に抵抗性であり、又は(ii)化学療法での治療後に再発するか、又はその組合せである、請求項5から14の何れか一項に記載の使用のための薬剤組合せ。
  16. 第一容器、第二容器、及び添付文書を含むパーツキットであって、第一容器が、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は式Iaの化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含み、第二容器が、Cys4とCys11の間にジスルフィド結合を有するシクロ(−Tyr−His−Ala−Cys−Ser−Ala−Pro−Dab−Arg−Tyr−Cys−Tyr−Gln−Lys−Pro−Pro−)、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬の少なくとも1用量を含み、添付文書が、医薬を使用してがんについて対象を治療するための説明書を含み、がんが乳がん、転移性乳がん、及び再発性転移性乳がんからなる群から選択される、パーツキット。
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