JP2020505021A - 豚サーコウイルス3型ウイルス株、そのワクチン組成物、調製方法及び用途 - Google Patents

豚サーコウイルス3型ウイルス株、そのワクチン組成物、調製方法及び用途 Download PDF

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Abstract

豚サーコウイルス3型ウイルス株及び当該ウイルス株の免疫原性物質で調製されたワクチン組成物が提供される。当該豚サーコウイルス3型ウイルス株は、免疫原性が良好で、それで調製されたワクチン組成物は、異なる由来の豚サーコウイルス3型ウイルスに対して完全に防御することができる。

Description

本発明は、ウイルス株、それで調製されたワクチン組成物、調製方法及び用途に関し、動物ウイルス学分野に属する。
豚サーコウイルス(Porcine circoviruses、PCV)は、環状1本鎖DNAウイルスであって、ゲノム長さが約1.7kbであり、最も小さい動物DNAウイルスの一つである。既に二種類のPCV、即ち、豚サーコウイルス1型(PCV1)及び豚サーコウイルス2型(PCV2)が存在することが確定されている。PCV1は、1974年初めにPK細胞培養物の中に一種の汚染物質として鑑定されて発見されたが、豚に対して病原性がない。PCV2は、1998年初めに報道されたが、臨床条件下で豚の豚サーコウイルス関連疾患(Porcine circovirus associated diseases、PCVAD)を引き起こすことが可能であり、主に仔豚の多臓器性発育不良症候群、肺炎、豚皮膚炎、腎症症候群及び繁殖障害を引き起こし、主に呼吸、泌尿、腸管、リンパ、心血管、神経、繁殖システム及び皮膚の機能障害として現れ、全世界の生豚の養殖に深刻な経済的損失をもたらしている。
然しながら、一つの豚の繁殖障害症例において、病原性病原を分離してウイルス株ウイルスゲノムが2.0kbであるサーコウイルスであることが確認され、後続的な試験の結果、既知のサーコウイルスとのホモロジーがヌクレオチド配列であれ、アミノ酸配列であれ、いずれも50%より小さいことが実証された。国際ウイルス分類委員会の標準によると、サーコウイルスのうち同一種類に属するウイルスは75%より大きいゲノムヌクレオチド配列のホモロジー、及びCapタンパク質70%より大きいアミノ酸配列のホモロジーを有するべきであるので、これは新しい豚サーコウイルスであることに違いない。当該ウイルスは、豚の皮膚炎腎症症候群、繁殖障害、心臓及び多臓器系炎症性反応を引き起こすことが可能であるので、当該新しいウイルスに対して新しいワクチンを調製するのは養豚場疾患防除に対して、非常に重要である。
先行技術の不足を解決するために、本発明は、新型豚サーコウイルス感染を予防及び/又は治療するワクチン組成物を提供する。当該ワクチン組成物は、新型豚サーコウイルスに対して効果的に防御することができ、著しい免疫特性を表している。
このため、本発明の一目的は、豚サーコウイルス3型ウイルス株SG株を提供することにある。当該豚サーコウイルス3型ウイルス株SG株で調製されたワクチン組成物は、流行株からの攻撃を効果的に防御し、異なる由来の豚サーコウイルス3型に対して完全に防御することができる。
本発明の別の一目的は、新型豚サーコウイルス感染を予防及び/又は治療するワクチン組成物を提供することにある。前記ワクチン組成物は、免疫量の豚サーコウイルス3型SG株及びその培養物の不活化抗原、並びに担体を含む。
本発明の別の一目的は、豚サーコウイルス3型不活化ワクチンの調製方法を提供することにある。前記方法は、豚サーコウイルス3型SG株を増殖培養させる工程(1)と、前記工程(1)で増殖培養された豚サーコウイルス3型SG株を不活化し、アジュバントを加えて、乳化させる工程(2)とを含む。
本発明の別の一目的は、上記のワクチン組成物の豚サーコウイルス3型関連疾患を予防及び/又は治療する医薬の調製における用途を提供することにある。
(1)本発明に係るウイルス株SG株は、良好な免疫原性を有し、有機体が急速に免疫力を生じるように刺激することができ、流行株からの攻撃を効果的に防御し、かなり良い防御する役割を有する。
(2)本発明は、初めて現在新しい豚サーコウイルス3型流行株より調製したワクチン組成物を用いる調製ものであり、比較的に低い抗原含有量で比較的に良い免疫防御の役割を達成することができ、調製コストをさらに削減する。
(3)本発明のワクチンは、異なる地域由来の豚サーコウイルス3型ウイルス株に対して完全に防御することができ、幅広く防御することができる。
(4)本発明のワクチンは、既に豚サーコウイルス3型ウイルスに感染するとともに初期臨床症状が現れる豚に対して治療する役割を働くことができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
豚サーコウイルス3型は、ゲノム2.0kbのサーコウイルスであって、既知のサーコウイルスとのホモロジーがヌクレオチド配列であれ、アミノ酸配列であれ、いずれも50%より小さく、新しい豚サーコウイルスである。当該豚サーコウイルス3型は、豚の皮膚炎腎症症候群、繁殖障害、心臓及び多臓器系炎症性反応を引き起こすことが可能である。
本発明の一目的は、豚サーコウイルス3型SG株(Porcine Circovirus type 3、strain SG)を提供することにある。当該豚サーコウイルス3型SG株は、中国典型培養物保蔵センターに寄託され、寄託番号はCCTCC NO.V201712であり、寄託日付は2017年3月23日であり、寄託住所は中国武漢・武漢大学である。
豚サーコウイルス3型に対して調製されたワクチン組成物は、免疫量の豚サーコウイルス3型又はその培養物の不活化抗原、弱毒全粒子ウイルス抗原、サブユニット抗原又は合成ポリペプチド抗原、コーディングサブユニット抗原タンパク質の遺伝子を含有する自律複製可能な担体及び薬学的に許容可能な担体を含むことがきる。
「培養物」とは、ウイルスの異なる世代目の継代培養物であり、異なる世代の間の遺伝子配列には僅かにごく小さい変異が発生し得ることが当業者に自明である。
「ワクチン組成物」は、豚サーコウイルス3型免疫原性を含有する医薬組成物を指す。当該医薬組成物は、豚の豚サーコウイルス3型に対する免疫反応を誘発、刺激又は強化することができる。
「不活化抗原」は、失活ワクチンとも称され、免疫力を生じるように抗原として用いられる不活化ウイルスの懸濁液を指す。不活化ワクチンの例は、全粒子ウイルスワクチンと、スプリットワクチンとを含む。既知の方法により不活化ワクチンを容易に生成することができる。例えば、ウイルスをホルムアルデヒド水溶液で処理することで、全粒子ウイルス不活化ワクチンを取得することができる。スプリットワクチンは、エーテルで処理を行った後、ウイルスのエンベロープにより調製して得ることができる。
「弱毒全粒子ウイルス抗原」は、毒力が既に弱まったが、依然として宿主体内又は細胞上で複製され得るウイルスを指す。本発明で使用される用語「弱毒」は、病原に病原性をなくさせるが免疫原性を保持するように遺伝子に対して突然変異を行って、病原体の毒性を人工的に低下させることを指す。通常、UV放射線、化学処理又は体外連続高次継代培養により弱毒を図る。或いは、人工的な遺伝子変更により、例えば、毒力を弱めるように既知の配列における特定ヌクレオチドを欠失させる。
「サブユニット抗原」は、遺伝子工程方法を利用して病原体の防御性抗原遺伝子を原核又は真核発現系にクローンし、高い効率で発現させることによりかならる抗原を指す。サブユニット抗原は、全粒子ウイルス抗原により、副反応を引き起こす可能性が低い。
「合成ポリペプチド抗原」は、免疫決定基成分のみを含む小ペプチド、即ち、人工的な方法により天然タンパク質のアミノ酸配列順に従って防御性オリゴペプチドを合成し、担体に結合させた後、アジュバントを加えることによりかならる抗原を指す。
「コーディングサブユニット抗原タンパク質の遺伝子を含有する自律複製可能な担体」は、遺伝子工程の方法により非病原性微生物に一種の抗原又は抗原決定基の遺伝子を含有して発現させて、免疫原性を持たせることを指す。予防及び治療の目的を達成するために、一種の抗原タンパク質の外来タンパク質をコーディングした外来遺伝子を直接動物体内に導入し、宿主細胞の発現系により抗原タンパク質を合成し、宿主を当該抗原タンパク質に対する免疫応答が生じるように誘導しても良い。
コーディングサブユニット抗原タンパク質の遺伝子を含有する自律複製可能な担体は、生担体又はプラスミドであって良い。
「生担体」は、遺伝子工程の方法により非病原性微生物に一種の抗原又は抗原決定基の遺伝子を含有して発現させて、免疫原性を持たせることを指す。非病原性微生物は、細菌及びウイルスであって良い。ウイルス生担体の通常担体として用いられるウイルスとして、痘苗ウイルス、禽痘ウイルス、七面鳥ヘルペスウイルス、アデノウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルスがある。細菌生担体は、弱毒サルモネラ、バシラス・カルメット・ゲラン、弱毒リステリア・モノサイトゲネス、弱毒コレラ菌、弱毒シゲラ、乳酸球菌、ラクトバチルス・プランタラム、ゴルドニ・ストレプトコッカスであることが可能である。
「プラスミド」は、外来抗原コーディング遺伝子を含有する真核発現担体を指す。プラスミドは、外来遺伝子が動物体内に高レベルで発現するように開始する特定のプロモーターを有し、その種類は多様であるが、大部分はPUC又はpBR322を基本骨格とする。これらの担体は、いずれもエンハンサー、プロモーター、担体の選択マーカー、コザック配列、転写終結配列及びPolyA等のエレメントを有し、それにおける外来抗原遺伝子は、有機体が防御性免疫を生じるように誘発することができる。
本発明は、ワクチン組成物に関する。前記ワクチン組成物は、免疫量の前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化抗原、弱毒全粒子ウイルス抗原、サブユニット抗原又は合成ポリペプチド抗原、及びコーディングサブユニット抗原タンパク質の遺伝子を含有する自律複製可能な担体及び薬学的に許容可能な担体を含む。
本発明は、ワクチン組成物に関する。前記ワクチン組成物は、免疫量の前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化抗原と、薬学的に許容可能な担体とを含む。
本発明の一実施形態として、本発明のワクチン組成物において、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化抗原は、豚サーコウイルス3型ウイルスSG株の不活化全粒子ウイルス抗原である。
本発明の組成物の組成又は成分の量は、治療有効量であることが好ましい。前記治療有効量は、過度な副作用を起こすことがなく、組成物が施用される宿主の中でそれらの免疫学上の効果が得られる必要的な量であることを指す。用いられる成分及び施用されるべき組成物の正確な量は、例えば、治療する疾患の類型、治療されるべき動物の類型及び年齢、施用される方式、及び組成物における他の成分のような因子によって変わる。
本発明の一実施形態として、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原含有量は、不活化前が105.0TCID50/ml以上である。
豚サーコウイルス3型が105.0TCID50より少ない量で使用される場合、ワクチンは抗体を産生するように効果的に刺激することができない。一方、超える量は経済的でない可能性がある。
本発明の好ましい一実施形態として、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原含有量は、不活化前が105.0〜107.0TCID 50/mlである。
本発明のより好ましい一実施形態として、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原含有量は、不活化前が106.0TCID50/mlである。
本発明ワクチン組成物において、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原含有量の範囲は、105.0〜106.0TCID50/ml、又は106.0〜107.0TCID50/mlから選択されることも可能である。
本発明の一実施形態として、前記ワクチン組成物において、前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、1世代目以上の培養物である。
本発明の好ましい一実施形態として、前記ワクチン組成物において、前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、5世代目以上の培養物である。
本発明のより好ましい一実施形態として、前記ワクチン組成物において、前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、5〜55世代目の培養物である。
本発明の一実施形態として、本発明に係る前記ワクチン組成物において、前記薬学的に許容可能な担体は、アジュバントを含む。前記アジュバントは、(1)水酸化アルミニウム、サポニン、アブリジン、DDA、(2)アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸とアルケニル誘導体の重合体、(3)水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン又は水中油中水型エマルジョン、又は(4)MontanideTMGelを含む。
本発明の好ましい一実施形態として、本発明に係る前記ワクチン組成物において、前記アジュバントは、(1)サポニンQuilA、(2)アクリル酸又はメタクリル酸重合体と糖又は多価アルコールのポリアルケニルエーテル架橋物であるカルボマーを含み、(3)前記アジュバントは、軽質流動パラフィンオイル、イソプレノイドオイルに基づいたエマルジョン、例えば、スクワラン又はスクアレンを含み、オレフィン、特に、イソブチレン又はデセンがオリゴマー化されて生成されたオイル、直鎖型アルキル付きの酸又はアルコールにより形成されたエステル、より特に、植物油、オレイン酸エチルエステル、プロピレングリコールジ(オクタン酸エステル/カプリン酸エステル)、グリセリントリ(オクタン酸エステル/カプリン酸エステル)、プロピレングリコールジオレイン酸エステルを含み、分岐脂肪酸エステル又はアルコールのエステル、特に、イソステアリン酸エステルを含み、オイルと乳化剤とを共に使用して乳剤を形成し、乳化剤は非イオン界面活性剤であることが好ましく、特に、ポリオキシエチル化脂肪酸(例えば、オレイン酸)、ソルビタン、マンニトール(例えば、無水マンニトールオレイン酸エステル)、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、及び選択可能的なエトキシ化されたオレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、ヒドロキシオクタデカン酸により形成されたエステル、脂肪族アルコールと多価アルコール(例えば、オレイルアルコール)のエーテル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロック共重合体、特に、PluronicR、より特に、L121であることが好ましい、又は(4)MontanideTMGelを含む。
好ましくは、前記アジュバントは、MontanideTMGelであり、前記アジュバントの使用量は体積比で5〜20%である。より好ましくは、前記アジュバントの使用量は、体積比で10%である。
前記アジュバントは、ホワイトオイル、ドレイクオイル、及び動物油、植物油又はミネラルオイル、或いは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び金属塩、或いは、MontanideTMGel、カルボマー、スクワラン又はスクアレン、ISA206アジュバント、サポニン、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョンを含む。
好ましくは、前記アジュバントは、MontanideTMGelであり、前記アジュバントの使用量は体積比で5〜20%である。より好ましくは、前記アジュバントの使用量は、体積比で10%である。
本発明に係る前記ワクチン組成物における前記担体は、アジュバントであり、前記アジュバントは、ホワイトオイル、ドレイクオイル(Drakeoil)、及び他の動物油、植物油又はミネラルオイル、或いは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び他の金属塩、或いは、MontanideTMGel、カルボマー、スクワラン又はスクアレン、ISA206アジュバント、サポニン、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョンを含む。
本発明のワクチン組成物は、利用可能な技術を採用して配合することができ、獣医学的に許容可能な担体と共に配合することが好ましい。例えば、オイルは、配合物を安定させるのに寄与するだけでなく、ワクチンアジュバントにもなる。オイルアジュバントは、自然由来であっても良いし、人工合成により得られたものであっても良い。用語「アジュバント」は、組成物の免疫原性を高めるように、本発明の組成物の中に加えられる物質を指す。既知のアジュバントは、(1)水酸化アルミニウム、サポニン(Saponine)(例えば、QuilA)、アブリジン、DDA、(2)アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸とアルケニル誘導体の重合体、(3)ワクチンが水中油、油中水又は水中油中水型のエマルジョンの形で調製することができ、或いは、(4)MontanideTMGelを含むがこれらに限定されない。
特に、エマルジョンは、軽質流動パラフィンオイル、イソプレノイドオイル、例えば、スクワラン又はスクアレン、オレフィン、特に、イソブチレン又はデセンオリゴマー化されて生成されたオイル、直鎖型アルキル付きの酸又はアルコールにより形成されたエステル、より特に、植物油、オレイン酸エチル、プロピレングリコールジ(オクタン酸エステル/カプリン酸エステル)、グリセリントリ(オクタン酸エステル/カプリン酸エステル)、プロピレングリコールジオレイン酸エステル、分岐脂肪酸エステル又はアルコールのエステル、特に、イソステアリン酸エステルに基づくことが可能である。オイルと乳化剤とを共に使用してエマルジョンを形成する。乳化剤は、非イオン界面活性剤、特に、ポリオキシエチル化脂肪酸(例えば、オレイン酸)、ソルビタン、マンニトール(例えば、無水マンニトールオレイン酸エステル)、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、及び選択可能なエトキシ化されたオレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、ヒドロキシオクタデカン酸により形成されたエステル、脂肪族アルコールと多価アルコール(例えば、オレイルアルコール)のエーテル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロック共重合体、特に、PluronicR、より特に、L121(Hunter等、1995、「The Theory and Practical Application of Adjuvants」(Steward−Tull、D.E.S監修)John Wiley and Sons、NY、51−94、Todd等、Vaccine、1997、15、564−570を参照)であることが好ましい。
特に、アクリル酸又はメタクリル酸重合体は、糖又は多価アルコールのポリアルケニルエーテルにより架橋される。これらの化合物は、カルボマーと称される。
本発明は、MontanideTMGelであるアジュバントを用いることが好ましい。
本発明の組成物に適用されるアジュバントの量は、有効量であることが好ましい。前記「有効量」は、アジュバントが本発明の抗原と併用される際、過度な副作用を起こすことがなく、宿主の中でそれらの免疫学上の効果が得られることに対して、必要的な、或いは十分的な量であることを指す。施用されるべきアジュバントの正確な量は、例えば、用いられる成分、治療する疾患の類型、治療すべき動物の類型と年齢、施用される方式、及び組成物における他の成分のような因子によって変わる。
本発明は、前記ワクチン組成物造を調製する方法にも関する。前記方法は、前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物を増殖培養する工程(1)と、前記工程(1)で増殖培養された豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物を不活化し、前記不活化後の豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の中にアジュバントを加えて、乳化させる工程(2)とを含む。
本発明のワクチン組成物は、さらに、他の試薬を本発明の組成物の中に加えることもできる。例えば、本発明の組成物は、例えば、医薬、免疫賦活剤(例えば、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)及びインターロイキン2(IL2))、抗酸化剤、界面活性剤、着色剤、揮発性油、緩衝剤、分散剤、プロペラント和防腐剤のような試薬を更に含むことができる。このような組成物を調製するためには、本分野において周知である方法を使用することができる。
本発明のワクチン組成物に基づいて経口剤型又は非経口剤型に調製されることができる。
皮内、筋肉、腹膜内、静脈内、皮下、鼻内或硬脳膜外経路を経て投与可能な非経口剤型であることが好ましい。
本発明は、上記のワクチン組成物の豚サーコウイルス3型関連疾患を予防及び/又は治療する医薬の調製における用途にも関する。
本発明で使用される用語「豚サーコウイルス3型関連疾患」は、豚サーコウイルス3型感染に起因する疾患を指すためのものである。豚皮膚炎腎症症候群、繁殖障害、心臓及び多臓器系炎症性反応を非網羅的に含むがこれらに限定されない。
本発明で使用される用語「予防」は、本発明に係るワクチン組成物を投与することで、豚サーコウイルス3型感染を抑制するか又は疾患の発症を遅延させる全ての行動を指す。用語「治療」は、本発明に係るワクチン組成物を投与することで、豚サーコウイルス3型感染に起因する症状を軽減させるか又は緩和させる全ての行動を指す。
実施例1 豚サーコウイルス3型の分離・同定
1.病理材料の由来
中国国内の一商品化養豚場で、従来の平均値に比べ、母豚の死亡率が9.4%増加し、受胎率が1.2%低下し、ミイラ変性胎子が8.2%増加する現象が現れた。臨床表現的に、影響を受けた母豚は、拒食現象を現し、多巣状丘疹、斑点及び表面皮膚炎の症状を現した。流産した巣の中に、異なる在胎月齢のミイラ変性胎子を含有し、PCV2関連流産の症状と一致する。母豚から観察された臨床表現及び流産症状全体として、豚サーコウイルス2型による繁殖障害疾患と一致するが、全ての母豚の腎臓、リンパ節、肺、皮膚及び死胎を含む異なる組織を免疫組織化学及び定量PCRによりPCV2、PRRSV、PPV、CSFV、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ検査を行った結果、いずれも陰性である。さらに原因を究明するために、各組織の病理材料を選び取って病原分離を行う。
2.ウイルス株の分離及び培養
病理材料を1:10(体積比)でDMEM培養液に加え、研磨して、組織懸濁液を調製し、組織懸濁液を繰り返して3回にかけて凍結融解させた後、12000r/min下で15min遠心して、上清液を集め、上清液を0.22μm膜フィルターを経て濾過し、ろ液をPK15細胞上で継代させて、37℃下で1h培養し、2%仔ウシ血清を含むDMEM培養液を入れ替えるように加え、37℃下で5日培養する。ウイルスを含む培養液を収穫し、2回にかけて凍結融解させた後、ウイルスを収穫する。
3.PCR及びシークエンシング解析によるウイルス種の同定
上記の工程のウイルス培養物を取って、核酸抽出キットを用いてウイルスサンプルの核酸を抽出し、サーコウイルス種の特異的プライマーを使ってPCR増幅同定を行ったが、その結果、2000bpターゲットバンドをPCR増幅したことを示した。PCR生成物をシークエンシング社に送って、ヌクレオチド配列決定を行い、配列決定結果に対して遺伝進化解析を行った。その結果、当該ウイルス株の全ゲノム配列及びアミノ酸配列は、既に報道された他のサーコウイルスとのホモロジーがいずれも50%より小さいことが示された。然しながら、国際ウイルス分類委員会の標準によると、サーコウイルスのうち同一種類に属するウイルスは、75%より大きいゲノムヌクレオチド配列のホモロジー及びCapタンパク質70%より大きいアミノ酸配列のホモロジーを有するべきである。従って、これは新しい豚サーコウイルスであることに違いなく、現在豚の体で発見された第3の種類のサーコウイルスでもある。
実施例2 豚サーコウイルス3型ワクチンウイルス株の選別
上記の分離された豚サーコウイルス3型に基づいて特異的プライマーを設計し、定量PCR解析により、中国全国各地から235部の疑似PCV3陽性サンプルを採集し、選別して121ウイルス株のPCV3ウイルスを分離した。この121ウイルス株において、そのゲノムヌクレオチド配列のホモロジーは、最大98.9〜99.6%であり、Capタンパク質アミノ酸配列のホモロジーは、最大97.7〜99.5%である。本動物病原性試験及び免疫原性試験を行った結果、最終的に、1ウイルス株の病原性が強く、免疫原性が良好で、且つ広範囲性の高いPCV3ウイルス株が選別された。当該豚サーコウイルス3型ウイルスは、豚サーコウイルス3型SG株と命名され、寄託に提出された。
実施例3 豚サーコウイルス3型SG株の病原性試験
28〜30日齢のELISA検査を行った結果、PCV2、PCV3抗原、抗体が陰性である健康な仔豚10匹を5匹/群になるようにランダムに2つの群に分け、第1の群はPCV3SG株(105.0TCID50/匹を含む)で筋肉注射によりウイルスチャレンジし、ブランクである比較群はDMEM培養基を接種し、各群の仔豚を隔離して飼育する。ウイルスチャレンジ後、各群の仔豚を連続して観察し、その臨床症状、病理変化及びウイルス検査結果に基づいて判定を行う。その具体的な結果は、表1を参照することにする。
Figure 2020505021
結果が示したように、ウイルスチャレンジ群の全ての豚でいずれも3〜5日間持続的な40.5℃以上の高温、食欲減退し、気分沈み、被毛乱雑で、痩せ細って、生長速度減速の現象が現れ、剖検でいずれも異なる程度の肺硬変、リンパ腫大、腎臓に壊死箇所有りの現象が現れたことである。各臓器組織に対してPCR検査を行うことで、再び豚サーコウイルス3型ウイルスを分離できた一方、ブランクである比較群は異常がなかった。これは、本発明の豚サーコウイルス3型SG株を仔豚に接種すると、仔豚を罹患させるおそれがあることを示している。
実施例4 豚サーコウイルス3型SG株抗原の調製
実施例2で選別された豚サーコウイルス3型SG株の異なる世代目の培養物をウイルス培養液量の1%(V/V)にしたがって単一層のPK15継代細胞の中に取り込み、37℃に置いて30分間吸着した後、細胞維持液を加え、37℃に置いて培養する。毎日1〜2回観察された結果、細胞生長状態が良好であり、36〜37℃に置いて4〜7日培養した後、細胞培養物を収穫し、収穫された細胞培養物を2〜3回凍結融解した後、ウイルス液を収穫し、ウイルス力価を測定する。細胞破片を除去するように、ウイルス液をホローファイバー(0.5μm〜2μm)濾過カラムで濾過して、また0.1%〜0.2%のホルムアルデヒド水溶液を加え、37℃下で24h不活化させ、完全に不活化した後のウイルス抗原をワクチンを調製するために用いる。
実施例5 豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンの調製
実施例4で調製された豚サーコウイルス3型SG株不活化抗原を水溶性アジュバントであるGelアジュバント(フランスSEPPIC社)に徐々に加え、加える過程で常に回転数が800rpmである乳化機で12min攪拌して均一に混ぜ合わせる。ワクチンの具体的な配合は、表2を参照することにする。
Figure 2020505021
実施例6 豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンの免疫原性試験
28〜30日齢のELISA検査を行った結果、PCV2、PCV3抗原、抗体が陰性である健康な仔豚25匹を5匹/群になるようにランダムに5つの群に分け、実施例5で調製された豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンに免疫させる。第3〜6の群はそれぞれワクチン1〜4に免疫させ、第7の群は免疫せずに比較群とする。各々の免疫群にワクチン2ml/匹を注射し、比較群にDMEM培養基2ml/匹を接種する。免疫してから28日後にウイルスチャレンジを行い、ウイルスチャレンジの分量はSG株豚サーコウイルス105.0TCID50/匹である。ウイルスチャレンジ後、各々の仔豚を連続して観察し、各々の仔豚の臨床症状、病理変化及びウイルス検査結果に基づいて判定を行う。その具体的な結果は、表3を参照することにする。
Figure 2020505021
結果が示したように、豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンが仔豚に免疫させた後、仔豚に100%(5/5)の防御を行うことができる一方、比較仔豚はウイルスチャレンジ後、全て罹患したことである。これは、本発明が提供する豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンは、かなり良い防御能力を有することを示している。
実施例7 豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンの広範囲性防御試験
28〜30日齢のELISA検査を行った結果、PCV2、PCV3抗原、抗体が陰性である健康な仔豚50匹を5匹/群になるようにランダムに10個の群に分け、第8〜12の群を実施例5で調製された豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチン1に免疫させ、第13〜17の群は免疫せずに比較群とする。各々の免疫群にワクチン2ml/匹を注射し、比較群にDMEM培養基2ml/匹を接種する。免疫してから28日後にウイルスチャレンジを行い、第8の群及び第13の群は、最近中国河南省から分離した豚サーコウイルス3型HN12ウイルス株の強毒性のウイルス株でウイルスチャレンジし、第9の群及び第14の群は、最近中国江蘇省から分離した豚サーコウイルス3型JS08ウイルス株の強毒性のウイルス株でウイルスチャレンジし、第10の群及び第15の群は、最近中国吉林省から分離した豚サーコウイルス3型JL11ウイルス株の強毒性のウイルス株でウイルスチャレンジし、第11の群及び第16の群は、最近中国重慶市から分離した豚サーコウイルス3型CQ04ウイルス株の強毒性のウイルス株でウイルスチャレンジし、第12の群及び第17の群は、最近中国広東省から分離した豚サーコウイルス3型GD05ウイルス株の強毒性のウイルス株でウイルスチャレンジし、ウイルスチャレンジの分量は105.0TCID50/匹である。ウイルスチャレンジ後、各々の仔豚を連続して観察し、各々の仔豚の臨床症状、病理変化及びウイルス検査に基づいて判定を行う。その具体的な結果は、表4を参照することにする。
Figure 2020505021
Figure 2020505021
結果が示したように、比較群である第13〜17の群は、ウイルスチャレンジ後、いずれも異なる程度で体温が40.5℃以上に上昇し、3〜5日間持続し、食欲が減退し、気分が沈み、被毛が乱雑で、痩せ細って、生長速度が減速する等の臨床症状が現れ、剖検でいずれも異なる程度の肺硬変、リンパ腫大、腎臓に壊死箇所がある病理変化が現れたことである。各臓器組織に対してPCR検査を行うことで、再び豚サーコウイルス3型ウイルスを分離できた一方、免疫群である第8〜12の群は、ウイルスチャレンジ後に異常臨床症状がなく、各組織器官の剖検でも異常がなく、各臓器組織に対してPCR検査を行った結果、いずれもPCV3陰性を現した。
上記の結果は、本発明が提供する豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンは、豚に対して異なる地域由来の豚サーコウイルス3型ウイルスからの攻撃を効果的で完全な免疫防御を行うことができ、各臓器組織からウイルスチャレンジしたPCV3ウイルス株を検出できないことを示している。本発明のワクチン組成物は、幅広く免疫原性を有し、異なる地域由来の豚サーコウイルス3型に対していずれも完全に防御することができる。
実施例8 豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチン応用試験
中国国内の一商品化養豚場で、従来の平均値に比べ、母豚の死亡率が9.4%増加し、受胎率が1.2%低下し、ミイラ変性胎子が8.2%増加する現象が現れた。臨床表現的に、影響を受けた母豚は、拒食現象を現し、多巣状丘疹、斑点及び表面皮膚炎の症状を現した。流産した巣の中に異なる在胎月齢のミイラ変性胎子を含有している。臨床表現症状のある母豚から40匹の妊娠した母豚を選らんで、20匹/群になるようにランダムにA群、B群の2つの群に分ける。A群は、ワクチン接種群であり、A群は実施例5で調製された豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチン1に免疫させ、B群はブランクとして比較群である。免疫群にワクチン2ml/匹を注射し、ブランクである比較群にDMEM培養基2ml/匹を接種する。そして、2つの群の母豚の仔豚生産状況を統計する。その結果は、表5を参照することにする。
Figure 2020505021
Figure 2020505021
結果が示したように、免疫群の母豚の仔豚生産に異常がなく、健康な仔豚を生産し、平均的に11.85匹/巣生産し、健康率は最大99.6%である一方、比較群は、明らかなミイラ変性胎子及び虚弱仔豚の状況が現れ、健康な仔豚を平均的に7.7匹/巣生産し、健康率は66.1%であり、そのうち、2匹の母豚は、流産、巣全体ミイラ変性胎子である状況も現れ、免疫群と比較群の差異は顕著である。
表5の結果は、本発明の豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンは、豚サーコウイルス3型に感染した母豚に対して良好な免疫防御する役割を有し、既にPCV3ウイルスに感染した母豚に対して防御を行うことができることを説明している。
一方、比較群であるB群が産んだ仔豚をそれぞれ隔離して巣毎に飼育し、18巣をB1群(B−1巣内至B−17巣を含み、B−5巣及びB−13巣が巣全体ミイラ変性胎子であるので計算に入れない以外、合計15巣の仔豚)、B2群(B−18乃至B−20巣を含み、合計3巣の仔豚)の2つの群に分ける。B1群は母乳を飲む前に実施例5で調製された豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチン1に免疫させ、B2群はブランクとして比較群である。免疫群にワクチン2ml/匹を注射し、ブランクである比較群にDMEM培養基2ml/匹を接種する。各々の仔豚を連続して観察し、各々の仔豚の臨床症状、病理変化及びウイルス検査に基づいて判定を行う。その具体的な結果は、表6を参照することにする。
Figure 2020505021
Figure 2020505021
Figure 2020505021
結果が示したように、免疫群の仔豚は、異常臨床症状がなく、各組織器官をランダムに剖検した結果、同様に異常がなく、豚の各臓器組織を剖検してPCR検査を行った結果、いずれもPCV3陰性を現した。これに対して、比較群の仔豚はいずれも異なる程度で体温が40.5℃以上に上昇し、3〜5日間持続し、食欲が減退し、気分が沈み、被毛が乱雑で、痩せ細って、生長速度が減速する等の臨床症状が現れ、一部の豚は死亡し、剖検でいずれも異なる程度の肺硬変、リンパ腫大、腎臓に壊死の箇所有りの病理変化が現れた。各臓器組織に対してPCR検査を行うことで、再び豚サーコウイルス3型を分離することができた。
PCV3は豚の群の中で垂直感染されることが可能であるため、表6の結果は、本発明の豚サーコウイルス3型SG株の不活化ワクチンは、豚サーコウイルス3型に感染した仔豚に対して良好な免疫防御する役割を有し、既にPCV3ウイルスに感染した仔豚に対して防御を行うことができ、防御率は100%であることを説明している。
以上の記載はただ本発明の好ましい実施例であり、本発明に対するいかなる形式的な制限を行うものでもない。好ましい実施例として本発明を以上のように開示したが、本発明を限定するものではなく、本分野における当業者であれば、本発明の技術方案を逸脱しない範囲で、以上開示された技術内容を利用して変更又は修飾を同等変化とする若干の等価実施例を実施することができるが、本発明の技術方案を逸脱せず、本発明の技術実質によって上記実施例に対して行ういかなる簡単な修正、同等変化及び修飾であれば、全て依然として本発明の技術方案の範囲内に落ちる。

Claims (14)

  1. 豚サーコウイルス3型SG株であって、
    中国典型培養物保蔵センターに寄託され、寄託番号はCCTCC NO.V201712であり、寄託日付は2017年3月23日であり、寄託住所は中国武漢・武漢大学である豚サーコウイルス3型SG株。
  2. ワクチン組成物であって、
    前記ワクチン組成物は、免疫量の前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化抗原と、薬学的に許容可能な担体とを含むワクチン組成物。
  3. 前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化抗原は、豚サーコウイルス3型ウイルスSG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原である請求項2に記載のワクチン組成物。
  4. 前記豚サーコウイルス3型SG株不活化全粒子ウイルス抗原又はその培養物の含有量は、不活化前が105.0TCID50/ml以上である請求項3に記載のワクチン組成物。
  5. 前記豚サーコ3型ウイルスSG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原の含有量は、不活化前が105.0〜107.0TCID50/mlである請求項3に記載のワクチン組成物。
  6. 前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の不活化全粒子ウイルス抗原の含有量は、不活化前が106.0TCID50/mlである請求項3に記載のワクチン組成物。
  7. 前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、1世代目以上の培養物である請求項2又は3に記載のワクチン組成物。
  8. 前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、5世代目以上の培養物である請求項7に記載のワクチン組成物である請求項7に記載のワクチン組成物。
  9. 前記豚サーコウイルス3型SG株の培養物は、5〜55世代目の培養物である請求項8に記載のワクチン組成物。
  10. 前記薬学的に許容可能な担体は、アジュバントを含み、前記アジュバントは、ホワイトオイル、ドレイクオイル、及び動物油、植物油又はミネラルオイル、或いは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び金属塩、或いは、MontanideTMGel、カルボマー、スクワラン又はスクアレン、ISA206アジュバント、サポニン、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョンを含む請求項2又は3に記載のワクチン組成物。
  11. 好ましくは、前記アジュバントは、MontanideTMGelであり、前記アジュバントの使用量は体積比で5〜20%である請求項10に記載のワクチン組成物。
  12. 前記アジュバントの使用量は、体積比で10%である請求項11に記載のワクチン組成物。
  13. 前記豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物を増殖培養する工程(1)と、
    前記工程(1)で増殖培養された豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物を不活化し、前記不活化後の豚サーコウイルス3型SG株又はその培養物の中にアジュバントを加えて、乳化させる工程(2)と、
    を含む請求項2又は3に記載のワクチン組成物の調製方法。
  14. 請求項2至12に記載のワクチン組成物の豚サーコウイルス3型関連疾患を予防及び/又は治療する医薬の調製における用途。
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