JP2020502155A - 心臓病変を改善するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)項1〜61のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲン、またはプラスミノーゲンを含む薬物組成物とを含む製品であって、
前記ラベルは、項1〜61のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンまたは組成物を前記被験者に投与することを指示する、製品に係る。
前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは全身または局所投与により投与され、好ましくは、静脈内、筋肉内、皮下という経路により投与される。前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは適切なポリペプチド担体または安定化剤と組み合わせて投与する。前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは毎日0.0001〜2000mg/kg、0.001〜800mg/kg、0.01〜600mg/kg、0.1〜400mg/kg、1〜200mg/kg、1〜100mg/kg、10〜100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001〜2000mg/cm2、0.001〜800mg/cm2、0.01〜600mg/cm2、0.1〜400mg/cm2、1〜200mg/cm2、1〜100mg/cm2、10〜100mg/cm2(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは少なくとも毎日投与する。
[発明の詳細な説明]
分数X/Y×100
プラスミノーゲンは治療の用途に用いられるために、自然界から分離及び精製されるものでもよく、標準的な化学ペプチド合成技術によって合成することでもよい。化学的手法によりポリペプチドを合成する際、液相または固相で合成を行うことができる。固相ポリペプチド合成(SPPS)(配列のC末端アミノ酸を不溶性支持体に附着させ、順番に配列中の残りのアミノ酸を添加する)はプラスミノーゲンの化学的合成に適したものである。各種形式のSPPS、例えばFmoc及びBocは、プラスミノーゲンの合成に用いることができる。固相合成に用いられる技術は以下に記載されている:Barany及びSolid−Phase Peptide Synthesis;3−284ページ、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.第二巻:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,Merrifield,tら J.Am.Chem.Soc.,85:2149−2156(1963);Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.(1984);及びGanesan A.2006Mini Rev.Med Chem.6:3−10及びCamarero JAら 2005Protein Pept Lett.12:723−8。簡単に言えば、その上にペプチド鎖が構築されている機能性ユニットにより不溶性の多孔ビーズを処理する。カップリング/脱保護の繰り返し循環後に、附着した固相の遊離N末端アミンと単一のN保護を受けているアミノ酸ユニットをカップリングさせる。それから、該ユニットを脱保護し、他のアミノ酸と接続する新しいN末端アミンを露出させる。ペプチドを固相上に固定したままにし、それからそれを切除する。
所望の純度のプラスミノーゲンと必要に応じた薬用担体、賦形剤、または安定化剤(Remington′s Pharmaceutical Sciences,第16版,Osol,A.ed.(1980))を混合して凍結乾燥製剤または水溶液を形成して治療用の配合剤を得る。許容可能な担体、賦形剤、安定化剤は所要の用量及び濃度下において被験者に対して毒性がなく、さらに例えばリン酸塩、クエン酸塩及びその他の有機酸などの緩衝剤を含む。抗酸化剤はアスコルビン酸和メチオニンを含む;防腐剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメチレンジアミン;塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブタノールまたはベンジルアルコール;アルキルパラヒドロキシ安息香酸エステル、例えばメチルまたはプロピルパラヒドロキシ安息香酸エステル;ピロカテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;m-クレゾール);低分子量ポリペプチド(少なくとも10個の残基を有するもの);タンパク質例えば血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性重合体、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン酸、ヒスチジン、アルギニンまたはリシンである;単糖、二糖及びその他の炭水化物はグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む;キレート剤は例えばEDTAである;糖類は例えばショ糖、マンニトール、フコースまたはソルビトールである;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば亜鉛−タンパク複合体);及び/または非イオン界面活性剤、例えばTWEENTM、PLURONICSTMまたはポリエチレングリコール(PEG)である。好ましくは凍結乾燥された抗−VEGF抗体配合剤であり、WO 97/04801に記載されているとおりであり、本明細書において参考とされるものである。
異なる方式、例えば静脈内、腹膜内、皮下、頭蓋骨内、髄腔内、動脈内(例えば頸動脈)、筋肉内投与により本発明の薬物組成物の投与を実現できる。
本発明の一つの実施形態は製品または薬物キットに係るものであり、糖尿病によって引き起こされる心血管疾患及びその関連疾患を治療するための本発明のプラスミノーゲンまたはプラスミンを含有する。前記製品は好ましくは一つの容器、ラベルまたはプロトコルを含む。適切な容器はボトル、バイアル、注射器などである。容器は各種材料例えばガラスまたはプラスチックから作られることができる。前記容器は組成物を含有し、前記組成物は本発明の疾患または症状を有効に治療し且つ無菌の入口を有する(例えば前記容器は静脈輸液用パックまたはバイアルであり、皮下注射針によって貫通される栓を含む)。前記組成物中の少なくとも一種類の活性化剤がプラスミノーゲン/プラスミンである。前記容器上にあるまたは添付されているラベルは前記組成物を本発明の前記糖尿病によって引き起こされる心血管疾患及びその関連疾患の治療に用いられると説明するものである。前記製品はさらに薬用緩衝液を含有する第二容器を含み、前記薬用緩衝液は例えばリン酸塩緩衝の塩水、リンガー溶液及びグルコース溶液を含む。さらには商業及び使用者の角度から見ると必要とされるその他の物質、即ちその他の緩衝液、希釈剤、濾過物、針及び注射器を含むことができる。また、前記製品は使用説明を有するプロトコルを含み、これは例えば前記組成物の使用者にプラスミノーゲン組成物及び疾患の治療に伴うその他の薬物を患者に投与することを指示するものである。
[実施例1]
実施例1は、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの心筋損傷に対する保護作用に関するものである。
糖尿病には通常心血管アテローム性動脈硬化症が伴われる[1,2]。心血管アテローム性動脈硬化症は、心筋細胞の虚血損傷を引き起こし得る。心筋トロポニンI(Cardiac troponin I,CTNI)は、心筋損傷の重要なマーカーであり、その血清における濃度は、心筋損傷の程度を反映することができる[3]。本実験は、心筋トロポニンIを検出することでプラスミノーゲンが心筋損傷に対する修復作用を観察する。
24〜25週齢のdb/dbオスマウス28匹を取ってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で12匹とプラスミノーゲン投与群で16匹とした。実験開示当日を0日として体重を測って群に分け、群分けした次の日からプラスミノーゲンまたはPBSを投与してその日を1日目とし、連続して31日間投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。32日目に眼球を摘出して採血し、3500r/分で15〜20分間遠心分離して上澄み液を取り、心筋トロポニンIの濃度測定を行った。その結果、プラスミノーゲン投与群の心筋トロポニンIの濃度は溶媒PBS投与対照群より明らかに低く、しかもその差が統計学的にとても有意である(図1)。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの心筋損傷の修復を有意に促進できることを示している。
実施例2は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの心臓の代償性肥大を改善することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。投与期間は30日間であり、投与期間中に引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投与した31日目に体重を測ってマウスを殺処分し、心臓を取って重量を測って、心係数を計算した。心係数(%)=心臓重量/体重×100。
その結果、プラスミノーゲン投与群マウスの心係数は溶媒PBS投与対照群(図2)より明らかに低い。これは、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症モデルマウスの心臓損傷による心臓の代償性肥大を軽減できることを示している。
実施例3は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの大動脈洞における脂質沈着を改善することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。それぞれ15%、30%スクロース中において4℃で終夜沈めさせ、OCTで包埋処理を行い、凍結切片の厚みは8μmであり、オイルレッドOで15分間染色し、75%アルコールで5秒間分別し、そしてヘマトキシリンで30秒間核を染色し、グリセリンゼラチンに封入させた。切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図3B)マウスの大動脈洞における脂肪沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図3A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンがアテローム性動脈硬化症の大動脈洞における脂質沈着を改善できることを示している。
実施例4は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの大動脈洞損傷を改善することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、投与期間中に引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。大動脈洞の組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせ、さらに浸水してヘマトキシリン及びエオシンで染色(HE染色)させ、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコールで段階的に脱水させて封入させ、切片を光学顕微鏡下で40倍(図4A、4B)、200倍(図4C、4D)にて観察した。
染色の結果、プラスミノーゲン投与群(図4B、4D)マウスの大動脈洞における脂質プラーク沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図4A、4C)より明らかに少なく、しかも大動脈弁の融合程度では前者は後者より小さい。これは、プラスミノーゲンがアテローム性動脈硬化症における大動脈弁膜の損傷を改善できることを示している。
実施例5は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの心臓損傷を改善することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、投与期間中に引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせてから1回水洗った。PAPマーカーで組織を丸で囲み、3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、ヤギ抗マウスIgM(HRP)抗体(Abcam)を滴加して室温で1時間インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。アルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。IgM抗体は、アポトーシス細胞及び壊死細胞の排除において重要な役割を果たし、損傷した組織器官の局所IgM抗体のレベルは、損傷の程度と正比例に相関している[6,7]。よって、検出した組織器官の局所IgM抗体のレベルは該組織器官の損傷状況を反映することができる。実験の結果、プラスミノーゲン投与群マウス(図5B)の心臓IgM陽性発現は、溶媒PBS投与対照群(図5A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンがApoEマウスの心筋損傷を明らかに改善できることを示している。
実施例6は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの心臓線維化レベルを低減することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、投与期間中に引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
シリウスレッド染色は、コラーゲンを長期的に染色することができ、病理学的切片の特殊染色法として、シリウスレッド染色はコラーゲン組織を特異的に表示することができる。
染色の結果、プラスミノーゲン投与群(図6B)の心臓動脈洞のアテローム性硬化部分のコラーゲン沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図6A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症モデルマウスの心臓組織におけるコラーゲンの沈着を低減し、心臓の線維化を低減できることを示している。
実施例7は、プラスミノーゲンが3%コレステロール高脂血症モデルマウスの心臓発症リスクを低めることに関するものである。
9週齢のオスC57マウス16匹に3%コレステロール高脂肪食(南通トロフィー)を4週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを3%コレステロール高脂血症モデルとし、モデル化後のマウスに引き続き3%コレステロール高脂肪食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取し、総コレステロール(T−CHO)を測定し、モデルマウスを総コレステロール濃度と体重によってランダムに二つの群に分け、各群で8匹ずつとした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。20日目に投与した後、マウスを16時間禁食し、21日目に眼窩静脈叢から50μL採血して遠心分離して上澄み液を取り、総コレステロール検出キット(南京建成生物工程研究所、品目番号A111−1)を用いて総コレステロール含有量を測定した。高密度リポタンパク質コレストロール検出キット(南京建成生物工程研究所、品目番号A112−1)を用いて高密度リポタンパク質コレストロール含有量を測定した。
心臓リスク指数(cardiac risk index,CRI)は、血脂障害によって心臓疾患が誘発されるリスクを評価するためのものである[10]。
心臓リスク指数=T−CHO/HDL−C。
その結果、プラスミノーゲン投与群のCRIは溶媒PBS投与対照群より明らかに小さく、しかもその差が統計学的にとても有意である(図7)。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの心臓疾患の発症リスクを効果的に低めることができることを示している。
実施例8は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの大動脈洞における脂質沈着を低減することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。それぞれ15%、30%スクロース中において4℃で終夜沈めさせ、OCTで包埋処理を行い、大動脈洞の凍結切片の厚みは8μmであり、オイルレッドOで15分間染色し、75%アルコールで5秒間分別し、そしてヘマトキシリンで30秒間核を染色し、グリセリンゼラチンに封入させた。切片を光学顕微鏡下で40倍(図8A、8B)、200倍(図8C、8D)にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図8B、8D)マウスの大動脈洞における脂肪沈着は溶媒PBS投与対照群(図8A、8C)より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(図8E)。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの大動脈洞における脂質沈着を低減できることを示している。
実施例9は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの大動脈洞損傷を改善することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。大動脈洞の組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせ、さらに浸水してヘマトキシリン及びエオシンで染色(HE染色)させ、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコールで段階的に脱水させて封入させ、切片を光学顕微鏡下で40倍(図9A、9B)、200倍(図9C、9D)にて観察した。
その結果、溶媒PBS投与対照群(図9A、9C)の大動脈洞内壁には泡沫細胞沈着があり(矢印に示される)、プラークの沈着が深刻である;プラスミノーゲン投与群(図9B、9D)の大動脈洞内壁には軽度の泡沫細胞沈着のみが見えられ、しかも内膜下には明らかなアテローム性プラーク沈着が見えられず、プラスミノーゲン投与群の大動脈洞内壁の損傷が軽い。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの大動脈洞内壁の損傷を改善できることを示している。
実施例10は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの心臓フィブリンの発現を低減することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水洗った。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、水で2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、PAPマーカーで組織を丸で囲んだ。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、水で2回洗い、毎回5分間であった。ウサギ抗マウスフィブリン抗体(Abcam)を滴加して4℃で終夜インキュベーションし、0.01M PBSで2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒複染色して、流水で5分間流した。アルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体であり、組織に損傷が存在する状況下において、生体の損傷に対する応答反応として、フィブリノーゲンはフィブリンに加水分解されて損傷部位に沈着する[11,12]。そのため、損傷局所のフィブリンのレベルを損傷程度の一つのマーカーとすることができる。
免疫組織化学染色の結果、プラスミノーゲン投与群マウス(図10B)の心臓フィブリンの陽性発現は溶媒PBS投与対照群(図10A)より明らかに少なく、しかもその差が統計学的に有意である(図10C)。これは、プラスミノーゲンが高脂血症による心筋損傷を減少させることができることを示している。
実施例11は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの心筋損傷を効果的に保護することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水洗った。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、水で2回洗い、毎回5分間であった。5%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で30分間ブロッキングした;時間になった後、ヒツジ血清液を廃棄し、PAPマーカーで組織を丸で囲んだ。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、水で2回洗い、毎回5分間であった。ヤギ抗マウスIgM(HRP)抗体(Abcam)を室温で1時間インキュベーションし、PBSで2回洗い、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで核を30秒染色して、流水で5分間流した。アルコールで段階的に脱水させてキシレンで透徹にし、中性ゴムに封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
IgM抗体は、アポトーシス細胞及び壊死細胞の排除において重要な役割を果たし、損傷した組織器官の局所IgM抗体のレベルは、損傷の程度と正比例に相関している[6,7]。よって、検出した組織器官の局所IgM抗体のレベルは該組織器官の損傷程度を反映することができる。
免疫染色の結果、プラスミノーゲン投与群マウス(図11B)の心臓IgM陽性発現は、溶媒PBS投与対照群(図11A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデル動物の心臓損傷を減少させることができることを示している。
実施例12は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの心臓線維化を軽減することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
シリウスレッド染色は、コラーゲンを長期的に染色することができ、病理学的切片の特殊染色法として、シリウスレッド染色はコラーゲン組織を特異的に表示することができる。
染色の結果、プラスミノーゲン投与群(図12B)のコラーゲン沈着は溶媒PBS投与対照群(図12A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの心臓組織におけるコラーゲンの沈着を低減し、心筋の線維化を軽減できることを示している。
実施例13は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの心筋損傷を修復することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、30日目に投与した後マウスを禁食し、マウスを16時間禁食し、31日目に眼球を摘出して採血し、遠心分離して上澄み液を取り、心筋トロポニン(Cardiac troponin I,CTNI)検出キット(南京建成)を用いて血清における心筋トロポニン濃度を測定した。
心筋トロポニンIは、心筋損傷の重要なマーカーであり、その血清における濃度は、心筋損傷の程度を反映することができる[3]。
測定した結果、溶媒PBS投与対照群の血清における心筋トロポニン濃度はプラスミノーゲン投与群より明らかに高く、しかもその差が統計学的に有意である(図13)。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの心臓損傷を有意に改善できることを示している。
実施例14は、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの心室における脂質沈着を低減することに関するものである。
26週齢のオスdb/dbマウス9匹を取ってランダムに群分けし、プラスミノーゲン投与群で4匹と溶媒PBS投与対照群で5匹とした。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与し、35日投与した。36日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。それぞれ15%、30%スクロース中において4℃で終夜沈めさせ、OCTで包埋処理を行い、凍結切片の厚みは8μmであり、オイルレッドOで15分間染色し、75%アルコールで5秒間分別し、そしてヘマトキシリンで30秒間核を染色し、グリセリンゼラチンに封入させた。切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群マウス(図14B)の心室における脂質沈着(矢印に示される)は溶媒PBS投与対照群(図14A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの心室における脂肪の沈着を低減し、心室損傷の修復を促進できることを示している。
実施例15は、プラスミノーゲンが16週齢の高脂血症モデルマウスの大動脈洞線維化を軽減することに関するものである。
6週齢のオスC57マウス11匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌して高脂血症を誘発し[8,9]、このモデルを16週齢高脂血症モデルとした。モデル化後のマウスに引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。投薬の3日前に各マウスから50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で6匹とプラスミノーゲン投与群で5匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。大動脈洞の組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で40倍(図15A、15B)、200倍(図15C、15D)にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図15B、15D)の大動脈洞血管内壁におけるコラーゲン沈着(矢印に示される)の面積は溶媒PBS投与対照群(図15A、15C)より明らかに小さい。これは、プラスミノーゲンが高脂血症モデルマウスの大動脈洞の線維化レベルを軽減できることを示している。
実施例16は、プラスミノーゲンが全身性硬化症モデルマウスの心臓線維化を減少させることに関するものである。
12週齢のC57オスマウス10匹を取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつとした。実験開始当日を0日目として体重をはかって群分けし、1日目からモデルを構築して投薬し、0.1mg/0.1mL/匹/日でブレオマイシンを皮下注射して全身性硬化症を誘発させ[13]、当日からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、21日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。22日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の心臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸アルコールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、ブレオマイシンにより誘発された全身性硬化症モデルマウスにおいて、溶媒PBS投与対照群(図16A)の心臓コラーゲン沈着がプラスミノーゲン投与群(図16B)より高いことは観察された。これは、プラスミノーゲンがブレオマイシンにより誘発された心臓線維化を効果的に減少させることができることを示している。
実施例17は、プラスミノーゲンが24〜25週齢の糖尿病マウスの心臓線維化を改善することに関するものである。
24〜25週齢のdb/dbオスマウス10匹を取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群5匹ずつとした。実験開始当日を0日目として体重を測ってから群分けし、1日目からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、31日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを投与した。プラスミノーゲンを31日間投与した後にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の心臓組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは4μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから重クロム酸カリウム溶液に終夜置いた。鉄ヘマトキシリンで3〜5分間染色して流水で流した。1%塩酸アルコールで分別させてアンモニア水で1秒処理してから水で洗った。ポンソー酸性マゼンタ溶液にて8分間染色し、水中で素早く濯いだ。1%リンモリブデン酸水溶液で約2分間処理し、アニリンブルー溶液にて6分間複染色した。1%氷酢酸で約1分間濯いだ。無水エタノールで脱水させてキシレンで透徹にしてから封入し、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
糖尿病の最も一般的な合併症は結合組織の過剰な蓄積(病理的線維化)であり、心筋間質の線維化は糖尿病の心筋病変の特徴性病理的変化であるかもしれない[14,15]。
マッソン(Masson)染色は組織の線維化を示すことができる。その結果、溶媒PBS投与対照群(図17A)の心筋繊維間に青色の増殖したコラーゲン繊維(矢印に表記される)が見えられ、軽度の心筋線維化が呈されている。プラスミノーゲン投与群(図17B)の心筋繊維間に少量の水色の増殖したコラーゲン繊維が見えられ、対照群と比べ、心筋線維化は明らかに軽減されている。これは、プラスミノーゲンが糖尿病マウスの心臓の線維化を改善することができることを示している。
実施例18は、プラスミノーゲンが17〜18週齢の糖尿病マウスの心臓のコラーゲン沈着を減少させることに関するものである。
17〜18週齢のdb/dbオスマウス8匹を取り、ランダムに二つの群に分け、それぞれ溶媒PBS投与対照群とプラスミノーゲン投与群で、各群4匹ずつとした。実験開始当日を0日目として体重をはかって群分けし、1日目からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、35日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを投与した。プラスミノーゲンを35日間投与した後にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の心臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸アルコールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図18B)マウスのコラーゲン繊維の沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図18A)より明らかに少ないことは示されている。これは、プラスミノーゲンが心臓組織のコラーゲン沈着を減少させることができることを示し、プラスミノーゲンが心臓組織のコラーゲン沈着を減少させることにより、比較的に若い(17〜18週齢)糖尿病マウスの心臓組織の線維化を減少させることができることを示唆している。
実施例19は、プラスミノーゲンが26〜27週齢の糖尿病マウスの心臓のコラーゲン沈着を減少させることに関するものである。
26〜27週齢のdb/dbオスマウス9匹を取り、ランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群に5匹とプラスミノーゲン投与群に4匹とした。実験開始当日を0日目として体重をはかって群分けし、1日目からプラスミノーゲンまたはPBSを投与し、35日間連続して投与した。プラスミノーゲン投与群マウスに2mg/0.2mL/匹/日でプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを投与した。プラスミノーゲンを35日間投与した後にマウスを殺処分して心臓組織を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24時間固定を行った。固定後の心臓をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水で洗い、0.1%シリウスレッドで60分間染色した後、流水で流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸アルコールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図19B)マウスのコラーゲン繊維の沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図19A)より明らかに少ないことは示されている。これは、プラスミノーゲンが心臓組織のコラーゲン沈着を減少させることができることを示し、プラスミノーゲンが心臓組織のコラーゲン沈着を減少させることにより、比較的に老齢(26〜27週齢)糖尿病マウスの心臓組織の線維化を減少させることができることを示唆している。
実施例20は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの心室における脂質沈着を改善することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。それぞれ15%、30%スクロース中において4℃で終夜沈めさせ、OCTで包埋処理を行い、心室の凍結切片の厚みは8μmであり、オイルレッドOで15分間染色し、75%アルコールで5秒間分別し、そしてヘマトキシリンで30秒間核を染色し、グリセリンゼラチンに封入させた。切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図20B)の心室における脂肪沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図20A)より明らかに少なく、しかもその差は統計学的に有意である(図20C)。これは、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症モデルマウスの心室における脂質沈着を改善し、脂質沈着による心室損傷の修復を促進できることを示している。
実施例21は、プラスミノーゲンがApoEアテローム性動脈硬化症マウスの心臓線維化レベルを低減することに関するものである。
6週齢のオスApoEマウス13匹に高脂肪高コレステロール食(南通トロフィー、TP2031)を16週間給餌してアテローム性動脈硬化症モデルを誘発した[4,5]。モデル化後の各マウスから、投薬の3日前に50μLの血液を採取して総コレステロール(T−CHO)含有量を測定し、モデルマウスをT−CHO含有量によってランダムに二つの群に分け、溶媒PBS投与対照群で7匹とプラスミノーゲン投与群で6匹とした。投薬し始めた日を1日目とし、プラスミノーゲン投与群マウスに1mg/0.1mL/匹/日でヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群にも同じ体積のPBSを尾静脈注射により投与した。30日間投与し、投与期間中に引き続き高脂肪高コレステロール食を与えた。31日目にマウスを殺処分して心臓を取り、4%パラホルムアルデヒド固定液において24〜48時間固定を行った。固定後の組織をアルコールで段階的に脱水させ及びキシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋処理を行った。組織切片の厚みは3μmであり、切片を脱パラフィンさせて浸水してから1回水で洗い、0.1%シリウスレッド飽和ピクリン酸で30分間染色した後、流水で2分間流し、ヘマトキシリンで1分間染色してから流水で流し、1%塩酸エタノールで分別させてアンモニア水でブルーイングさせ、流水で流した。乾燥した後に中性ゴムに封入させ、光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
シリウスレッド染色は、コラーゲンを長期的に染色することができ、病理学的切片の特殊染色法として、シリウスレッド染色はコラーゲン組織を特異的に表示することができる。
染色の結果、プラスミノーゲン投与群(図21B)のコラーゲン沈着(矢印に表記される)は溶媒PBS投与対照群(図21A)より明らかに少ない。これは、プラスミノーゲンがアテローム性動脈硬化症モデルマウスの心臓組織におけるコラーゲンの沈着を低減し、心筋の線維化を軽減できることを示している。
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Claims (69)
- 心筋損傷に罹患するリスクがあるか、心筋損傷に罹患した疑いがある、または心筋損傷に罹患している被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記心筋損傷は、虚血、炎症、アレルギー反応、自己免疫、血栓、微小循環性障害、外傷、放射線損傷、糖質代謝障害、脂肪代謝障害による心筋損傷を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記心筋損傷は、心筋炎と、心膜炎と、高血圧と、アテローム性動脈硬化症と、冠状動脈心臓病と、狭心症と、心筋梗塞と、不整脈と、心不全と、ショックと、汎発性血管内凝固と、微小循環性障害と、糖尿病と、高脂血症と、動脈、静脈血栓と、脂肪塞栓と、虚血再灌流と、全身性硬化症と、全身性エリテマトーデスと、冠状動脈狭窄と、リウマチ性心臓病と、僧帽弁狭窄/閉鎖不全症と、大動脈弁狭窄/閉鎖不全症とからなる群より選ばれる疾患による心筋損傷である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記心筋損傷は、虚血性心臓疾患による心筋損傷である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記虚血性心臓疾患は、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈心臓病、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、ショック、汎発性血管内凝固、微小循環性障害、虚血再灌流、冠状動脈狭窄、僧帽弁狭窄/閉鎖不全症、大動脈弁狭窄/閉鎖不全症である、請求項4に記載の方法。
- 前記心筋損傷は、動脈、静脈血栓または脂肪塞栓による心筋損傷である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記血栓または塞栓は、アテローム性動脈硬化によるものである、請求項6に記載の方法。
- 被験者に心筋組織を保護するために有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋細胞損傷による心筋細胞アポトーシスを軽減する、請求項8に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは損傷心筋の修復を促進する、請求項8または9に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは損傷心筋の線維化を軽減する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは心筋機能の回復を促進する、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋損傷後の拡張及び心臓の代償性肥大を軽減する、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者に心筋保護のために有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の脂質性心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記プラスミノーゲンは心臓組織における脂質沈着を軽減する、請求項14に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは損傷心筋の修復を促進する、請求項14または15に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋組織の線維化を軽減する、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋細胞のアポトーシスを軽減する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋機能の回復を促進する、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋損傷後の拡張及び心臓の代償性肥大を軽減する、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、血清のトリグリセリドを低下させることと、低密度リポタンパク質を低下させることと、超低密度リポタンパク質を低下させることと、血清のコレステロールを低下させることと、血清の高密度リポタンパク質を上昇させることとからなる群より選ばれる一つ以上によって血脂を軽減する、請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者に心筋保護のために有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の炎症性心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記炎症は、被験者の自己免疫による炎症である、請求項22に記載の方法。
- 前記炎症は、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、心筋炎、心膜炎である、請求項23に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋の修復を促進する、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋組織の線維化を軽減する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋細胞のアポトーシスを軽減する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋機能の回復を促進する、請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋損傷後の拡張及び心臓の代償性肥大を軽減する、請求項22〜28のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者に心筋保護のために有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者のアテローム性動脈硬化性心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記心筋損傷は、被験者の冠状動脈心臓病によるものである、請求項30に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋の修復を促進する、請求項31に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋組織の線維化を軽減する、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋細胞のアポトーシスを軽減する、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋機能の回復を促進する、請求項30〜34のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋損傷後の拡張及び心臓の代償性肥大を軽減する、請求項30〜35のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者に心筋保護のために有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の糖尿病によって引き起こされるか糖尿病と合併した心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋の修復を促進する、請求項37に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋組織の線維化を軽減する、請求項37または38に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、損傷心筋細胞のアポトーシスを軽減する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋機能の回復を促進する、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、心筋損傷後の拡張及び心臓の代償性肥大を軽減する、請求項37〜41のいずれか1項に記載の方法。
- 被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の脂質沈着による心筋損傷を予防または治療するための方法。
- 前記脂質沈着は、被験者の脂肪代謝異常または糖質代謝異常による高脂血症によるものである、請求項43に記載の方法。
- 被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の高脂血症によって引き起こされるまたは高脂血症に伴われる腎組織損傷を予防または治療するための方法。
- 被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、被験者の虚血再灌流性心筋組織損傷を予防または治療するための方法。
- 前記プラスミノーゲンは一種以上のその他の薬物または治療方法と併用することができる、請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法。
- 前記一種以上のその他の薬物は、高血圧の治療薬、糖尿病の治療薬、アテローム性動脈硬化症の治療薬、慢性糸球体腎炎の治療薬、慢性腎盂腎炎の治療薬、腎病症候群の治療薬、腎機能不全の治療薬、尿毒症の治療薬、腎移植の治療薬、脂肪肝の治療薬、肝硬変の治療薬、肥満症の治療薬を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記その他の薬物は、脂質低下薬、抗血小板薬、血圧降下薬、血管拡張薬、血糖降下薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、肝臓保護薬、抗不整脈薬、強心薬、利尿薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、免疫調節薬、炎症調節薬、抗腫瘍薬、ホルモン薬、チロキシンを含む、請求項48に記載の方法。
- 前記薬物は、スタチン系、フィブラート系、ニコチン酸、コレスチラミン、クロフィブラート、益壽寧や血脂平や心脈楽のような不飽和脂肪酸、硫酸多糖類のような脂質低下薬;アスピリン、ペルサンチン、クロピドグレル、シロスタのような抗血小板薬;ヒドララジン、ニトログリセリンと硝酸イソソルビド、ニトロプルシドナトリウム、プラゾシンのようなα1受容体遮断薬、フェントラミンのようなα受容体遮断薬、サルブタモールのようなβ2受容体刺激薬、カプトプリル、エナラプリル、ニフェジピンやジルチアゼム、サルブタモール酸、ミノキシジル、プロスタグランジン、カルジオナトリンのような血管拡張薬;ウロキナーゼとストレプトキナーゼ、組織型プラスミノーゲン活性化剤、単鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤、TNK−組織型プラスミノーゲン活性化剤のような血栓溶解薬;ヘパリン、エノキサパリン、ナドロパリン、ビバリルジンのような抗凝固薬を含む、請求項49に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するものである、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは配列2、6、8、10または12において、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を添加、削除及び/または置換したものであり、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンはプラスミノーゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然プラスミノーゲン活性を有するタンパク質である、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、Glu−プラスミノーゲン、Lys−プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、δ−プラスミノーゲンまたはそれらのプラスミノーゲン活性を保持した変異体である、請求項1〜53のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、天然または合成のヒトプラスミノーゲン、またはその依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、請求項1〜54のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するヒトプラスミノーゲンのオルソログ、またはその依然プラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはフラグメントである、請求項1〜54のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プラスミノーゲンは、ヒト由来の天然プラスミノーゲンである、請求項1〜57のいずれか1項に記載の方法。
- 前記被験者はヒトである、請求項1〜58のいずれか1項に記載の方法。
- 前記被験者はプラスミノーゲンが不足、または欠乏している、請求項1〜59のいずれか1項に記載の方法。
- 前記不足または欠乏は、先天的、継発的及び/または局所的である、請求項60に記載の方法。
- 請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲン。
- 薬学的に許容される担体及び請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンを含む薬物組成物。
- (i)請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲンと、(ii)前記プラスミノーゲンを前記被験者に送達するための手段(means)とを含む、予防性または治療性キット。
- 前記手段はシリンジまたはバイアルである、請求項64に記載のキット。
- 請求項1〜46のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンを前記被験者に投与することを指示するラベルまたはプロトコルをさらに含む、請求項64または65に記載のキット。
- ラベルを含む容器と、
(i)請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法に使用されるプラスミノーゲン、またはプラスミノーゲンを含む薬物組成物とを含む製品であって、
前記ラベルは、請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法を実施するように前記プラスミノーゲンまたは組成物を前記被験者に投与することを指示する、製品。 - その他の薬物を含む、もう一つ以上の部材または容器をさらに含む、請求項64〜66のいずれか1項に記載のキット、または請求項67に記載の製品。
- 前記その他の薬物は、脂質低下薬、抗血小板薬、血圧降下薬、血管拡張薬、血糖降下薬、抗凝固薬、血栓溶解薬、肝臓保護薬、抗不整脈薬、強心薬、利尿薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、免疫調節薬、炎症調節薬、抗腫瘍薬、ホルモン薬、チロキシンからなる群より選ばれる、請求項68に記載のキットまたは製品。
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