JP2020204461A - 熱交換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】シェル&チューブ型熱交換器の性能を更に高めることができ、利便性の更なる向上を図ることが可能な熱交換システムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明にかかる熱交換システム100aの構成は、シェル106と、シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブ114とを備え、チューブ内を流れる流体とチューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器100を含む熱交換システムであって、多数本のチューブが貫通しシェルに対して摺動可能なバッフル板124を複数備え、バッフル板の縁には排水の経路を形成する切欠部が設けられていて、バッフル板はそれぞれの切欠部が隣接する他のバッフル板の切欠部とは反対側に位置するよう設置されていて、バッフル板は、外径がシェルの内径とほぼ等しく、外縁がテーパー状であることを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は、シェルと、シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、チューブ内を流れる流体とチューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムに関する。
近年、プラント等における燃料費削減および地球温暖化対策を目的として、排熱回収に関する研究・開発が盛んに行われている。排熱回収は、使い切れずに本来は捨てられていた熱を再利用する技術である。例えば、ボイラを有するプラントでは、熱が排水・排ガス・廃蒸気などを介して各所で排熱として失われている。これらの熱を回収し再利用すればボイラ燃料の利用効率の向上につながるため、排熱回収は注目を集めいている。また、プラント効率の向上を目的に、以前は空冷式であったプラントの海水や河川水を利用した水冷式への切り替えが求められる場合もある。これら排水等からの排熱回収や、海水冷却などを行う主な装置として、各種の熱交換器が利用されている。
一般的な熱交換器の一種として、シェル&チューブ型熱交換器が知られている。シェル&チューブ型熱交換器は、シェル(外装)の内部に多数本のチューブを収容した形式の熱交換器である。シェル&チューブ型熱交換器を開放式冷却塔における冷却水循環や海水冷却、その他排熱回収等に使用する際は、チューブ内に冷却水や海水や排水などの流体を通過させ、シェルの内部に水やフロンなどの熱媒体を流して熱交換を行うのが一般的である。これは汚れた冷却水や海水、排水や排ガスによって熱交換器が汚損した場合であっても、その汚損箇所が直管のチューブ内であればブラシ等を差し込んで機械的に容易に除去できるためである。
プラント等から排出される熱流体(排水・排ガス)、あるいは海水や河川水には多くの固形物が含まれている。これら固形物を含んだ流体は、上述したチューブ内に流す方式ではチューブの手前の集合部ですぐに閉塞してしまうため、使用できないおそれがある。そのため、空間の大きいシェル側に排水や排ガスを流す方式を採用する場合もある。しかしながら、シェル内に流体を通過させる際、固形物がチューブの外表面に付着してチューブの熱交換性能が低下するおそれがある。また隣接するチューブ同士の間に固形物が堆積し閉塞するおそれがある。ひとたびチューブに固形物が付着したり、また閉塞したりすると、チューブをシェルから引き出して清掃を行うことになるが、熱交換器は重量物であり、チューブの引出し作業等には精度が求められるため、規模の大きなメンテナンスが必要となる。このようなメンテナンスは、時間・費用の双方の点から損失が大きい。また、場所によっては熱交換器の搬出ルートを確保できないことも多い。
そこで、例えば特許文献1に記載の熱交換器では、パイプ(チューブ)の表面についた汚れを効率的に除去する手段が備えられている。特許文献1の熱交換器には、まず、ジャケット(シェル)の内部に、複数の貫通孔を有するバッフル板が備えられている。このバッフル板は、各貫通孔にチューブをそれぞれ挿入させた状態で、チューブに沿って移動できるように設置される。そして、各貫通孔にはブラシが装着されていて、バッフル板をチューブに沿って移動させることで、ブラシでチューブの表面のススや湯アカを清掃する構成となっている。
また例えば特許文献2には、樹脂製のシェルおよび多数本のチューブと、樹脂製かつ板状のバッフル板を備えた熱交換器が開示されている。特許文献2の熱交換器によれば、熱交換器の主要な部材が樹脂製であることにより、特許文献1の熱交換器に比して高い耐腐食性を得ることができ、また耐薬品性の向上を図ることができる。更に特許文献2の熱交換器によれば、樹脂を用いることにより軽量化を図ることができ、バッフル板が軽いため、摺動による清掃作業を容易に行うことが可能となる。
特許文献2の熱交換器によれば、特許文献1の熱交換器の耐腐食性や耐薬品性を向上し、且つ軽量化を図ることができる。このように、シェル&チューブ型熱交換器は日々改良が行われることにより性能が向上しているが、かかる熱交換器を普及するにあたり、更なる性能の向上が求められている。
本発明は、このような課題に鑑み、シェル&チューブ型熱交換器の性能を更に高めることができ、利便性の更なる向上を図ることが可能な熱交換システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる熱交換システムの代表的な構成は、シェルと、シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、チューブ内を流れる流体とチューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムであって、多数本のチューブが貫通しシェルに対して摺動可能なバッフル板を複数備え、バッフル板の縁には排水の経路を形成する切欠部が設けられていて、バッフル板はそれぞれの切欠部が隣接する他のバッフル板の切欠部とは反対側に位置するよう設置されていて、バッフル板は、外径がシェルの内径とほぼ等しく、外縁がテーパー状であることを特徴とする。
かかる構成によれば、バッフル板とシェルの内壁とが当接しつつも、その摺動抵抗を減らすことができる。したがってバッフル板を摺動させることにより、チューブに付着した汚れを除去しつつ、シェルの内面に付着した汚れも除去することができる。したがって、熱交換器の清掃性を高め、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる熱交換システムの他の構成は、シェルと、シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、チューブ内を流れる流体とチューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムであって、多数本のチューブが貫通し前記シェルに対して摺動可能なバッフル板と、バッフル板がチューブの端部に至ることを規制するストッパとを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、バッフル板を摺動した際におけるバッフル板とチューブの端部との接触を抑制することができる。これにより、チューブの端部の固定箇所の損傷を防ぎ、チューブ内と流れる流体とチューブ外を流れる流体との混合を好適に防止することが可能となる。
本発明によれば、シェル&チューブ型熱交換器の性能を更に高めることができ、利便性の更なる向上を図ることが可能な熱交換システムを提供することが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(熱交換器)
図1は、本実施形態の熱交換システムに含まれる熱交換器100を概略的に示す図である。図1に示す熱交換器100は、プラントの排水からの排熱回収や、海水や河川水を利用した冷却など、汚水または自然水との熱交換を目的としている。以下では、プラントの排水からの排熱回収に利用する場合を例に挙げて説明を行う。また以下の説明では、後述するチューブ内を流れる流体として熱媒体と例示し、チューブ外、すなわちシェルの内部であってチューブの外側を流れる流体として排水を例示する。
図1は、本実施形態の熱交換システムに含まれる熱交換器100を概略的に示す図である。図1に示す熱交換器100は、プラントの排水からの排熱回収や、海水や河川水を利用した冷却など、汚水または自然水との熱交換を目的としている。以下では、プラントの排水からの排熱回収に利用する場合を例に挙げて説明を行う。また以下の説明では、後述するチューブ内を流れる流体として熱媒体と例示し、チューブ外、すなわちシェルの内部であってチューブの外側を流れる流体として排水を例示する。
まず、排水は排水槽102からポンプ(図示省略)によって、給水口104を通じてシェル106の内部へと送られる。このシェル106の内部には、後述するチューブ114(図2(a)参照)が多数本配列されていて、それらチューブ内には熱媒体が流されている。そして、排水がシェル内を通過する過程で、排水の熱はチューブ内の熱媒体に吸収され回収される。その後、熱交換後の排水は、排水口108から処理槽110へと送られる手順となっている。
排水槽102に集められている排水は、酸・アルカリ廃液を含んでいる場合がある。また、排水槽102の排水は排水ピット(側溝)などを通って集められている。特に、屋外の排水ピットでは周囲に昆虫類が集まりやすく、排水中にそれらの死骸や幼虫などが混入するおそれがある。また、有機成分を含む排水中には苔や藻、細菌なども繁殖しやすい。そのため、熱交換器100のチューブ114には、細菌や水中微生物、苔や藻などが混在した有機汚泥136(図4(a)参照)が付着しやすく、短期間での定期的なメンテナンスが必要となる。
なお発明者らが確認したところ、チューブ114の付着物は髪の毛状に付着しており、チューブ114をシェル106から取り出して乾燥させると、ほうきによって個々の毛状の固まりごとに容易に落とすことができた。すなわち、チューブ114に付着した有機汚泥136は、表面に薄く付いているのではなく、個々に塊として付いていた。したがってシェル内においても、排水の流れで自然に離脱することはないものの、せん断方向(チューブの表面をすべるような方向)に若干の力を加えれば容易に除去することが可能であった。
図2は、図1の熱交換器100の内部構成を示す図である。図2(a)は熱交換器100の全体を示す斜視図である。図2(b)は熱交換器100の内部構成を示す概略図であって、図2(a)の縦断面に対応している。
図2(a)では、シェル106を透過させて示している。図2(a)に示すように、シェル106の内部には、樹脂製のチューブ114が多数本配列されている。このチューブ114の周囲の空間はシェル106によって密閉されている。シェル106には給水口104および排水口108が設けられていて、シェル内には給水口104から排水口108に向かって排水が通過する。シェル106の端部にはフランジ112a・112bが設けられていて、フランジ112a・112bを開放させてチューブ114等の内部構造を取り外すことが可能になっている。
図2(b)に示すように、チューブ114の両端は一対の集合部116・118に接続していて、これら集合部116・118によってチューブ114の内部には熱媒体が流される。集合部116は、内部が区画116aと区画116bに分けられている。区画116aには熱媒体の流入口120が設けられていて、この区画116aからチューブ114aなどへ熱媒体が流される。
チューブ114aの先に接続する集合部118は内部が区分けされておらず、熱媒体は集合部118からチューブ114bへと流れる。これらチューブ114a・114bを流れる過程において、熱媒体はシェル内の排水の熱を吸収する。そして、チューブ114bの先の区画116bには熱媒体の流出口122が設けられていて、流出口122を通じて熱媒体は所定の設備に運ばれ、その熱が再利用される。
再び図2(a)を参照する。本実施形態では、排水と共に有機汚泥136(図4(a)参照)がシェル内に取り込まれた場合、およびチューブ114の表面に生物的なスケール(堆積物)が発生した場合であっても、その有機汚泥136などはバッフル板124を利用して容易に除去できる構成となっている。バッフル板124は樹脂製かつ板状の部材であって、チューブ上の各所に複数備えられている。バッフル板124はチューブ114に沿って摺動でき、これによってチューブ114に付着した有機汚泥136を掻き取ることが可能になっている。
図3は、図2(a)の熱交換器100の内部構成の詳細を示す図である。図3(a)は、熱交換器100から取り出した内部ユニット125を示している。この内部ユニット125は、多数本のチューブ114、複数のバッフル板124、バッフル板124をつなぐ支持軸126、および一対の集合部116・118を組み合わせることで構成されている。
従来の金属性の熱交換器では、集合部等はシェルに溶接されていて取り外すことはできなかった。しかし、本実施形態では、集合部116等は内部ユニット125としてカートリッジ状になっていて、図2(a)のフランジ112a・112bを開放して取り出すことができる。この構成により、チューブ114等は容易に取り外して清掃し、または交換することが可能になっている。また、乾燥作業などの従来は規模の大きかったメンテナンスも容易に行うことが可能である。
図3(b)は、バッフル板124を明示するために、図3(a)の各チューブ114を省略した図である。図3(b)に示すように、各バッフル板同士は、その中心が支持軸126によって、また縁側が複数のフレーム128によってつながれている。
各バッフル板は複数の貫通孔130を有している。貫通孔130はチューブ114(図3(a)参照)の外径とほぼ等しい内径に形成されている。図3(a)に示したように、バッフル板124は、複数の貫通孔130のそれぞれにチューブ114を挿入させ設置される。
図3(c)は、図3(b)の貫通孔130の断面図である。特にこの図3(c)に示すように、本実施形態では、貫通孔130の内径はチューブ114の外径とほぼ等しいものの、チューブ114との間に僅か0.2mm〜1.0mmの隙間を形成するよう形成されている。この隙間は、チューブ114が内圧で膨張した場合であってもバッフル板124の摺動を可能にするための構成である。前述したが、有機汚泥136は、表面に薄く付いているのではなく、個々に塊として付いている。したがって、0.2mm〜1.0mmの隙間があっても、せん断方向に若干の力を加えれば容易に除去することが可能である。
また、図3(b)に示すように、バッフル板124にはその縁に排水の経路を形成する切欠部132が設けられている。各バッフル板は、それぞれの切欠部132が隣接する他のバッフル板124の切欠部132とは反対側に位置するよう設置される。本実施形態では、切欠部132が上下反対に位置するよう各バッフル板124を設置しているが、各バッフル板124は切欠部132が左右反対側に位置するよう設置してもよい。これらは、シェル106内における排水の管間流速を上げるための構成である。また、これによって排水がチューブ114(図3(a)参照)に直交するように流れるため、合わせて熱交換性能の向上を図ることができる。さらには、この構成によってシェル内の流れの淀み点を無くすことができるため、固体の閉塞や微生物の増殖が抑制できる。
図4は、バッフル板124を摺動させる過程を示す図である。図4(a)に示すように、支持軸126は一部が集合部116を貫通してシェル106の外部に露出し、把持部134が設けられている。各バッフル板は、把持部134を操作することで、支持軸126を介して手動によって容易に摺動させることができる。なお、支持軸126と集合部116との間には排水の漏洩を防止するためのパッキンが備えられている。
図4(b)は図4(a)の状態から支持軸126を引き出した図、図4(c)は図4(b)の状態から支持軸126を押し入れた図である。これら図4(b)・図4(c)に示すように、バッフル板124をチューブ114に沿って摺動させることで、チューブ114に付着した有機汚泥136を掻き取り、排水の流れにのせて排水口108から排出させることができる。
チューブ114およびバッフル板124の材質には様々な樹脂を用いることができる。そのため、チューブ114およびバッフル板124の耐薬品性を任意に高めること、またそれらの表面自由エネルギーを低下させて有機汚泥136の付着を抑えることができる。例えば、本実施形態において、チューブ114およびバッフル板124はポリプロピレン製である。ポリプロピレンは、耐薬品性に優れ、また表面自由エネルギーも低いために有機汚泥136等の汚れがつきにくい。したがって、チューブ114およびバッフル板124の材質として好適である。
以上説明したように、当該熱交換器100では、チューブ114およびバッフル板124がポリプロピレン製であること、またバッフル板124が摺動可能であることで、シェル内の有機汚泥136を容易に掻き取ることが可能になっている。さらには、樹脂を多く用いているため全体的に軽量であって、バッフル板124も軽いために容易に摺動させることが可能となっている。したがって、バッフル板124の摺動によるメンテナンスは、労力および費用などの負担が軽く日常的に行うことができ、これによって高い熱交換器性能が維持できる。
なお、各図面においてシェル106を透過させて表現したが、シェル106は実際に全体が透明であってもよく、また一部が透明であってもよい。例えば、材質に塩化ビニル樹脂などの透明材料を用いてもよく、この構成によればシェル内におけるチューブ114やバッフル板124の状態が視認可能になるため、熱交換器100のメンテナンスがさらに容易になる。
(第1実施形態)
図5は、第1実施形態にかかる熱交換システム100aの概略図である。図5(a)は連通管を説明する図であり、簡便のためバッフル板124を省略している。図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。なお、以下の実施形態では、上記説明した熱交換器100とこれに含まれる構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図5は、第1実施形態にかかる熱交換システム100aの概略図である。図5(a)は連通管を説明する図であり、簡便のためバッフル板124を省略している。図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。なお、以下の実施形態では、上記説明した熱交換器100とこれに含まれる構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図5(a)に示すように、第1実施形態の熱交換システム100aでは、連通管140およびガスケット144が設けられている。連通管140は、熱交換器100のチューブ内に熱媒体を供給する流入口120と、熱交換器のチューブ外、すなわちシェル106の内部に排水を供給する給水口104を連通する。連通管140にはシリンジ142が配置されていて、かかるシリンジ内にガスケット144が移動可能に配置されている。
上記構成によれば、チューブ内とチューブ外(シェル内)の一方に突発的に高い圧がかかった場合であっても、その差圧を緩和することができる。具体的には、シェル106の給水口104に高い圧力がかかるとガスケット144がチューブ114の流入口120側に移動する。逆も同様である。したがって、第1実施形態の熱交換システム100aによれば、チューブ内またはチューブ外の一方の圧力が急激に変動してもそれを緩和することができ、圧力の変動による熱交換器の損傷(特にチューブの損傷)を好適に防ぐことが可能である。
また図5(a)に示すように、第1実施形態の熱交換システム100aでは更に、シェル106の内部の光透過率を測定する光透過率計146を設けている。詳細には、図5(a)および(b)に示すように、シェル106の内部には、光を照射する光源148a(例えばLED)、および光源148aからの光を受光する受光器148b(例えばフォトカプラ)が配置されていて、それらは、シェル106の外部に配置された光透過率計146に接続されている。
上記構成によれば、光源148aから照射された光のうち、受光器148bにおいて受光された光の割合を算出することにより、チューブ外すなわちシェル内部の排水の光透過率を取得することができる。これにより、熱交換器100の分解作業や排水のサンプリングを行うことなくシェル106の内部の汚れの程度を把握することができ、熱交換器100の清掃タイミングを推定することが可能となる。
また図5に示すように熱交換器100を横置きに配置する場合には、給水口104および排水口108を上方に配置するとよい。排水や井戸水、海水は、溶存空気が析出し、熱交換器100に溜まりやすい傾向がある。このため、給水口104および排水口108を上方に設置することで、溶存空気を速やかに熱交換器の外部に排出することが可能となる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態にかかる熱交換システム100bの概略図である。図6に示すように、第2実施形態の熱交換システム100bでは、熱交換器100を縦置きにした場合を例示している。
図6は、第2実施形態にかかる熱交換システム100bの概略図である。図6に示すように、第2実施形態の熱交換システム100bでは、熱交換器100を縦置きにした場合を例示している。
図6に示すように、第2実施形態の熱交換システム100bでは、チューブ内を流れる流体の流出口122(熱媒体の出口)、およびチューブ外(シェル内)を流れる流体の排水口108(排水の出口)に導電率計150a・150bをそれぞれ配置している。これにより、チューブ内を流れる流体、およびチューブ外を流れる排水の導電率を監視することで、熱交換器内部の破損を早期に検出することができる。
想定される状況の一例として、熱媒体として河川水を使用した場合は導電率が低く、排水に有機溶媒を含んでいれば河川水よりも導電率が高い。そして排水が熱媒体に漏出すると、そのまま河川に戻すことができなくなってしまう。そこで熱媒体の流出口122(河川水)の導電率を観察することにより、導電率が上昇したら漏出が発生した(破損した)と判定することができる。
なお、熱交換システム100bでは、流出口122および排水口108の両方に導電率計を配置する構成を例示したが、これに限定するものではない。導電率計は、チューブ内を流れる流体の出口、またはチューブ外を流れる流体の出口の少なくとも一方に配置すればよく、そのような構成の場合、いずれに配置するかは流体の種類等に応じて適宜設定することが可能である。
また本実施形態では、図6に示すように、熱交換システム100bを縦置きに設置している。縦置きとは、チューブ114の流入口120および流出口122が配置された蓋体106a(シェル106の一端の端面)を上側に配置した状態である。
ここで、シェル106の給水口104および排水口108はシェル106の側面106bに配置されており、排水口108は集合部118よりも上側(チューブ114側)に配置されている。このため、熱交換システム100bを交換するときに排水口108から排水を抜いても、排水口108より下側に排水が残留する。
そこで、シェル106の下側の蓋体106c(シェル106の他端の端面)には、水抜き用のバルブ152が設置されている。これにより、図6に示すように熱交換器100を縦置きに配置した場合であっても、バルブ152を開くことにより、排水をシェル外に排出することができる。したがって、したがって、熱交換器100を縦置きに設置して運用することが可能となり、設置の自由度を高めることができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態にかかる熱交換システム100cの概略図である。図7(a)は熱交換器100の全体を示す斜視図であり、図7(b)、(c)は図7(a)の一点鎖線内の拡大断面図である。
図7は、第3実施形態にかかる熱交換システム100cの概略図である。図7(a)は熱交換器100の全体を示す斜視図であり、図7(b)、(c)は図7(a)の一点鎖線内の拡大断面図である。
上記したように、バッフル板124同士はフレーム128によって連結されている(図3(b)参照)。そして図7(a)、(c)に示すように、第3実施形態の熱交換システム100cでは、フレーム128が、シェル106の最も下流側に配置されるバッフル板124を突き抜けて挿入されている。この突き抜けた部分は、バッフル板124がチューブ114の端部に至ることを規制するストッパ128aとして機能する。
チューブ114および集合部118は樹脂で成形されることから、加工精度をある程度以上高くすることができないうえ、温度によって膨張・収縮する。したがってバッフル板124の貫通孔130の位置に対してチューブ114の固定箇所の位置がずれる可能性が高い。したがって、バッフル板124を集合部118に当接するほどに近づけると貫通孔130とチューブ114が強くこすれてしまい、チューブ114の破損を招くおそれがある。
これに対しストッパ128aを設けたことにより、バッフル板124をシェル106に対して摺動させた際に、バッフル板124がチューブ114の端部の集合部118との固定箇所に至ることを規制することができる。したがって、チューブ114の端部の固定箇所の損傷を防止することが可能となる。
ここで本実施形態では、上述したバッフル板124の外径をシェル106の内径とほぼ等しくしている。そして、図7(b)に示すように、バッフル板124の外縁124aはテーパー状となっている。したがって、バッフル板とシェルの内壁とが当接しつつも、その摺動抵抗を減らすことができる。これにより、バッフル板124を摺動させることにより、チューブ114の外面だけでなく、シェル106の内面に付着した汚れも除去することができる。したがって、熱交換器100の清掃性を高め、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
さらに外縁124aがテーパー状となっていることから、チューブやシェルから脱離させた固形物を一方向にかき集めることが可能である。図7(b)(c)に示すように右側にテーパーがつけられているとき、固形物は左側にかき集められる。すると図6に示す水抜き用のバルブ152に向かって固形物を誘導することができる。特に粒径が大きく密度の高い砂などについては流れだけでは除去しにくいため、バッフル板によって移動させることにより効率的に移動させることが可能となる。このように、本発明によればさらに汚れを除去しやすくなり、清掃性を高めることが可能となる。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態にかかる熱交換システム100dの概略図であり、全体構成を模式的に示している。図8に示すように、第4実施形態の熱交換システム100dでは、2台の熱交換器(複数の熱交換器100)を同時に接続している。なお、以下の説明では、便宜上、上述した熱交換器100を第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bと称する。
図8は、第4実施形態にかかる熱交換システム100dの概略図であり、全体構成を模式的に示している。図8に示すように、第4実施形態の熱交換システム100dでは、2台の熱交換器(複数の熱交換器100)を同時に接続している。なお、以下の説明では、便宜上、上述した熱交換器100を第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bと称する。
詳細には、第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bの給水口104には、給水弁212a・212bがそれぞれ配置されている。また第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bの排水口108には、排水弁214a・排水弁214bがそれぞれ配置されている。
一方、第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bの流入口120には、流入弁216a・216bがそれぞれ配置されている。また第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bの流出口122には、流出弁218a・218bがそれぞれ配置されている。
上記構成によれば、複数台の熱交換器を切り換えて運転可能となる。具体的には、第1熱交換器200aに接続される弁を開とし、第2熱交換器200bに接続される弁を閉とすることにより、第2熱交換器200bを停止し、第1熱交換器200aのみを運転することができる。逆に、第2熱交換器200bに接続される弁を開にし、第1熱交換器200aに接続される弁を閉とすれば、第1熱交換器200aを停止し、第2熱交換器200bのみを運転することもできる。これにより、複数台の熱交換器のうち、清掃を行う熱交換器のみを停止しつつ、他の熱交換器において熱交換処理を継続することが可能となる。
また熱交換システム100dでは、第1熱交換器200aおよび第2熱交換器200bに接続されている全ての弁を開にすることにより、2台の熱交換器において熱交換処理を行うことができる。したがって、通常時は1台の熱交換器を運転し、負荷が増えた場合には2台の熱交換器によって熱交換処理を行うといった運用も可能となる。なお、本実施形態では、2台の熱交換器を同時に接続する構成を例示したが、これに限定するものではなく、3台以上の熱交換器を同時に接続してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、シェルと、シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、チューブ内を流れる流体とチューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムに利用することができる。
100…熱交換器、100a…熱交換システム、100b…熱交換システム、100c…熱交換システム、100d…熱交換システム、102…排水槽、104…給水口、106…シェル、106a…蓋体、106b…側面、106c…蓋体、108…排水口、110…処理槽、112a…フランジ、112b…フランジ、114…チューブ、116…集合部、116a…区画、116b…区画、118…集合部、120…流入口、122…流出口、124…バッフル板、124a…外縁、125…内部ユニット、126…支持軸、128…フレーム、128a…ストッパ、130…貫通孔、132…切欠部、136…有機汚泥、140…連通管、142…シリンジ、144…ガスケット、146…光透過率計、148a…光源、148b…受光器、150a…導電率計、150b…導電率計、152…バルブ、200a…第1熱交換器、200b…第2熱交換器、212a…給水弁、212b…給水弁、214a…排水弁、214b…排水弁、216a…流入弁、216b…流入弁、218a…流出弁、218b…流出弁
Claims (2)
- シェルと、該シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、該チューブ内を流れる流体と該チューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムであって、
前記多数本のチューブが貫通し前記シェルに対して摺動可能なバッフル板を複数備え、
前記バッフル板の縁には排水の経路を形成する切欠部が設けられていて、
前記バッフル板はそれぞれの切欠部が隣接する他のバッフル板の切欠部とは反対側に位置するよう設置されていて、
前記バッフル板は、外径が前記シェルの内径とほぼ等しく、外縁がテーパー状であることを特徴とする熱交換システム。 - シェルと、該シェル内に収容された樹脂製の多数本のチューブとを備え、該チューブ内を流れる流体と該チューブ外を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器を含む熱交換システムであって、
前記多数本のチューブが貫通し前記シェルに対して摺動可能なバッフル板と、
前記バッフル板が前記チューブの端部に至ることを規制するストッパとを備えることを特徴とする請求項1に記載の熱交換システム。
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JP2012207813A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 熱交換器 |
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