JP6250971B2 - プレート式熱交換器の洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
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Description
また、この発明の移動式ブロー洗浄機構は、ブロー洗浄水を供給するブロー洗浄水供給配管の先端に、通路において一定距離離れた2箇所の伝熱プレートの開口部をシールする仕切板を備えるので、プレート式熱交換器の限定された一定幅の供給範囲の流路に対してブロー洗浄水を局所的に注水することができ、当該部分における実効流量が飛躍的に高められ、汚れを剥ぎ取る流速が生まれる。また、各伝熱プレートの流路に対して流路に沿った直接的なブロー流が供給されるので、流路の入口側付近に詰まっている汚れを効果的に排出することができる。このような移動式ブロー洗浄機構を順次移動させながらブロー洗浄を繰り返すことで、プレート式熱交換器の全流路にわたってブロー洗浄水の高い実効流量を確保することができ、伝熱プレート間の一部の流路に多量の汚れが堆積している場合においても当該汚れを的確に排出することができ、流路全体に対して高い洗浄効果を得ることができる。
このように、この発明によれば、従来の方法では困難であったプレート式熱交換器を分解することなく伝熱プレートが取り付けられた状態で高い洗浄効果を得ることができるので、伝熱プレートの取り外しによるガスケットの劣化を防止してガスケットの長寿命化を図ることができ、メンテナンスコストを低減することができる。
また、薬液洗浄に続けてブロー洗浄を行うに際して、改めてブロー洗浄水を準備する必要がなく、短時間で薬液洗浄とブロー洗浄を連続的に行うことができ、作業工程を短縮することができる。
また、薬液洗浄を行った薬液は、中和処理を行ってブロー洗浄水として使用するので、処理が必要な廃液の量を低減することができる。
また、この発明によれば、薬液洗浄においては、薬液を対象流路の入口側から供給して出口側に排出する薬液洗浄循環ラインが設定されるので、入口側の伝熱プレートに付着しやすい汚れに対して薬液洗浄を効果的に行うことができ、ブロー洗浄においては、ブロー洗浄水を対象流路の出口側から供給して入口側に排出するブロー洗浄循環ラインが設定されるので、薬液洗浄により分解された多量の汚れや薬液洗浄により分解されない異物を効果的に排出することができ、高い洗浄効果が得られる。
また、一部の流路に多量の汚れが堆積している場合においても、当該流路を含む一定幅の供給範囲の流路におけるブロー洗浄水の供給圧力の回復があるまでブロー洗浄が継続されるので、全ての流路に対して必要十分な洗浄効果を確保することができる。
なお、ここでいう供給圧力の回復は、所定の時間間隔における圧力の変化を監視し、圧力の減少が一定値以下となったことをもって供給圧力が回復したと判断してもよく、現在の圧力が一定値以下のとなったことをもって供給圧力が回復したと判断してもよい。
また、発明者による試験により、リン酸は軟質スケール以外に硬質スケールも分解するのに対して、次亜塩素酸ナトリウムは硬質スケールを分解しないことが確認されており、伝熱プレートの汚れが軟質スケールに加えて硬質スケールを含む場合には、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄する前洗浄を行った上で、リン酸溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄することで、高価なリン酸の使用量を抑制することができ、薬剤コストの低減を図ることができる。
このように、洗浄を行う季節や海生生物の生成状況等に対応して洗浄条件を変更させることで、全体として工期の短縮とメンテナンスコストの低減を図ることができる。
また、発明者による試験により、薬液として界面活性剤を加えたリン酸溶液を用い、薬液濃度10%以上、薬液温度50〜70℃として、4時間以上経過することで硬質スケールを有効に分解できることが確認されており、また前述の条件で次亜塩素酸ナトリウム溶液による薬液洗浄とブロー洗浄を行った後であれば、薬液濃度5%、薬液温度70℃で、4時間以上の薬液洗浄とブロー洗浄を行うことでも十分な洗浄効果が得られることが確認されており、伝熱プレートの汚れが軟質スケールに加えて硬質スケールを含む場合は、前述の条件で次亜塩素酸ナトリウム溶液による薬液洗浄とブロー洗浄を行った上で、この条件でリン酸溶液による薬液洗浄とブロー洗浄を行うことで、必要な洗浄効果を得ることができる。
なお、このような薬液濃度や薬液温度の設定は、発明者による試験において設定された代表値であり、これらの代表値に対してある程度の幅を持って同等の効果が得られるものであって、同等の効果が得られる範囲はこれらの代表値に含まれるものと解される。
また、この発明の移動式ブロー洗浄機構は、プレート式熱交換器の限定された一定幅の供給範囲の流路に対してブロー洗浄水を局所的に注水することができるので、当該部分における実効流量が飛躍的に高められ、汚れを剥ぎ取る流速が生まれる。また、各伝熱プレートの流路に対して流路に沿った直接的なブロー流が供給されるので、流路の入口側付近に詰まっている汚れを効果的に排出することができる。このような移動式ブロー洗浄機構を順次移動させながらブロー洗浄を繰り返すことで、プレート式熱交換器の全流路にわたってブロー洗浄水の高い実効流量を確保することができ、伝熱プレート間の一部の流路に多量の汚れが堆積している場合においても当該汚れを的確に排出することができ、流路全体に対して高い洗浄効果を得ることができる。
このように、この発明によれば、従来の方法では困難であったプレート式熱交換器を分解することなく伝熱プレートが取り付けられた状態で高い洗浄効果を得ることができるので、伝熱プレートの取り外しによるガスケットの劣化を防止してガスケットの長寿命化を図ることができ、メンテナンスコストを低減することができる。
また、薬液洗浄に続けてブロー洗浄を行うに際して、改めてブロー洗浄水を準備する必要がなく、短時間で薬液洗浄とブロー洗浄を連続的に行うことができ、作業工程を短縮することができる。
また、薬液洗浄を行った薬液は、中和処理を行ってブロー洗浄水として使用するので、処理が必要な廃液の量を低減することができる。
また、この発明によれば、薬液洗浄においては、薬液を対象流路の入口側から供給して出口側に排出する薬液洗浄循環ラインが設定されるので、入口側の伝熱プレートに付着しやすい汚れに対して薬液洗浄を効果的に行うことができ、ブロー洗浄においては、ブロー洗浄水を対象流路の出口側から供給して入口側に排出するブロー洗浄循環ラインが設定されるので、薬液洗浄により分解された多量の汚れや薬液洗浄により分解されない異物を効果的に排出することができ、高い洗浄効果が得られる。
また、一部の流路に多量の汚れが堆積している場合においても、当該流路を含む一定幅の供給範囲の流路におけるブロー洗浄水の供給圧力の回復があるまでブロー洗浄が継続されるので、全ての流路に対して必要十分な洗浄効果を確保することができる。
なお、ここでいう供給圧力の回復は、所定の時間間隔における圧力の変化を監視し、圧力の減少が一定値以下となったことをもって供給圧力が回復したと判断してもよく、現在の圧力が一定値以下のとなったことをもって供給圧力が回復したと判断してもよい。
また、発明者による試験により、リン酸のような酸剤は軟質スケール以外に硬質スケールも分解するのに対して、次亜塩素酸ナトリウムのようなアルカリ剤は硬質スケールを分解しないことが確認されており、伝熱プレートの汚れが軟質スケールに加えて硬質スケールを含む場合には、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄する前洗浄を行った上で、リン酸溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄することで、高価なリン酸の使用量を抑制することができ、薬剤コストの低減を図ることができる。
このように、洗浄を行う季節や海生生物の発生状況等に対応して洗浄条件を変更させることで、全体として工期の短縮とメンテナンスコストの低減を図ることができる。
また、プレート式熱交換器10の海水入口側配管18bが接続されている通路の反対側に備えられた海水入口側点検ホール19bは、薬液洗浄を行う際の薬液を供給し、ブロー洗浄を行う際のブロー洗浄水を排水する開口52を有する下部洗浄用フランジ50によって隔離される。
また、海水入口側配管18bも、洗浄を行う際には切り離され、流路内の海水を排出するための海水入口側排水弁VSinを備えた海水入口側配管隔離フランジ60bによって隔離される。
また、上部洗浄用フランジ40の薬液排出口46は、薬液排出弁VCoutを介して洗浄液貯留タンク22に接続され、薬液排出弁VCoutを開とすることで薬液回収流FCoutが形成され、下部洗浄用フランジ50の開口52は、ブロー洗浄水排出弁VBoutを介して洗浄液貯留タンク22への還流ラインに接続され、ブロー洗浄水排出弁VBoutを開とすることでブロー洗浄水回収流FBoutが形成される。
そして、洗浄液貯留タンク22に淡水を張り、洗浄液循環ポンプ24を起動して洗浄液をプレート式熱交換器の流路内を循環させながらヒーター23で加温し、洗浄液貯留タンク22に薬液洗浄に使用する薬液を投入して、所定濃度・所定温度の薬液を生成する(S110)。この状態で、流量調節弁VFCにより洗浄液の流量を調節し、生成された薬液を流速0.01m/秒程度で1〜4時間循環させて薬液洗浄を行う(S112)。
そして、ブロー洗浄水供給弁VBinとブロー洗浄水排出弁VBoutを開とし、薬液供給弁VCinと薬液排出弁VCoutを閉とすることで、ブロー洗浄循環ラインに切換え(S116)、移動式ブロー洗浄機構30の仕切板34を初期供給範囲にセットする(S118)。
使用する薬剤は、海生生物を分解するために有効と考えられるものとして、酸剤としてはリン酸を、アルカリ剤としては水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウム(以下、単に「次亜塩素酸」と称する)を用い、それらに対して促進剤として界面活性剤を加えた場合とを含めて比較検討することとし、リン酸、リン酸+界面活性剤、水酸化ナトリウム+界面活性剤、次亜塩素酸、次亜塩素酸+界面活性剤の5種類の薬剤を準備した。
ビーカー試験は、軟質スケールと硬質スケールのそれぞれについて、使用可能な薬剤、最適な薬液濃度、最適な薬液温度、薬液洗浄に要する時間を確認するため、軟質スケールを収容した容器と、硬質スケールを収容した容器とを所要数準備し、各薬剤について3段階の濃度に調整した薬液を各容器に加え、各容器を3段階の温度(30℃、50℃、70℃)に設定したウォータバスに入れ、1時間後、4時間後、8時間後の状態を観察した。
リン酸は、軟質スケールと硬質スケールの両方について、薬液濃度20%、薬液温度70℃、経過時間8時間で良好に分解されることが確認され、薬液濃度10%、薬液温度50℃でも、ある程度は良好に分解されることが確認された。
リン酸+界面活性剤は、リン酸と同様であるが、界面活性剤を加えることで低濃度での効果が改善されるとともに分解に要する時間も短縮され、軟質スケールと硬質スケールの両方について、メーカー推奨濃度である薬液濃度10%以上で、薬液温度50℃〜70℃、経過時間4時間で、またはメーカー推奨濃度以下の薬液濃度5%でも、薬液温度70℃、経過時間8時間で、ほぼ良好に分解されることが確認された。
水酸化ナトリウム+界面活性剤は、軟質スケールと硬質スケールの両方について、いずれの条件でも良好に分解することができないことが確認された。
次亜塩素酸は、硬質スケールに対しては全く効果がなかったが、軟質スケールについては、薬液濃度をメーカー推奨濃度である5000ppm、薬液温度30℃、経過時間1時間で、良好に分解されることが確認された。
次亜塩素酸+界面活性剤は、市販品を用いたものであり薬液濃度の単純比較はできないが、効果的には次亜塩素酸と同等であることが確認された。
この場合に、リン酸は軟質スケールと硬質スケールの両方に反応するので、軟質スケールがある状態でリン酸を使用すると、軟質スケールの分解にリン酸が消費され、後に硬質スケールを分解するために余分なリン酸が必要となる。したがって、リン酸による薬液洗浄と次亜塩素酸による薬液洗浄の順序は、次亜塩素酸による薬液洗浄を行った後にリン酸による薬液洗浄を行うことが好ましく、これにより使用するリン酸の量を抑制することができ、薬剤コストの低減を図ることができる。
また、次亜塩素酸5000ppm溶液を30℃で4時間の薬液洗浄後に、リン酸5%溶液(界面活性剤添加)を70℃で8時間の薬液洗浄を行い、水道水によるリンスと水道水によるブローを行ったところ、リン酸10%溶液のみによる薬液洗浄よりも良好な洗浄結果が得られた。
したがって、実機での洗浄条件としては、薬剤コスト低減のため、次亜塩素酸5000ppm溶液を30℃で1時間の薬液洗浄を行った後に、リン酸5%溶液(界面活性剤添加)を70℃で1時間の薬液洗浄を行うことが好ましいと考えられた。
なお、実機試験に先立って、モデル試験で使用した薬液について、プレート式熱交換器に使用されている各部品(チタン(伝熱プレート)、ステンレス304(配管材料)、NBR(ガスケット)、ポリエチレン(配管ライニング))に対する影響を確認する試験を行ったが、いずれの薬液条件においても、変色・錆などの異常はなく、感触・硬さにおいても変化は生じず、実機に適用しても問題がないことが確認された。
(1)次亜塩素酸による薬液洗浄の際にブローをしなかったこと
リン酸による薬液洗浄の際に、伝熱プレート上に次亜塩素酸のよる薬液洗浄によって分解された堆積物が多量に残っているためにリン酸による薬液洗浄の効果が十分に得られなかった可能性がある。
(2)ブローの流量が不足していること
伝熱プレート間の流路は狭く、薬液洗浄によって分解された堆積物を洗い流すために必要な流速が出ない箇所が生じていると考えられる。
(3)流路内に松葉や繊維などの異物が含まれていた
このような異物は、通常の薬液洗浄で分解することが困難であることがビーカー試験で確認されており、海水入口側にこれらに異物の混入を防止するストレーナを設けることが推奨されるが、ストレーナによって除去できないものは薬液洗浄後のブローにより排出できるようにすることが望ましい。
なお、冷却性能が十分に回復しない問題は、所内冷却水側の流路における汚れの問題もあったが、ここでは説明を省略する。
次に、再び洗浄液循環ラインを薬液洗浄循環ラインに繋ぎ換え、リン酸による後洗浄として、洗浄液貯留タンクに淡水を張り、洗浄液循環ポンプで循環させながらヒーターで70℃に加温し、リン酸(界面活性剤添加)を加えて5%のリン酸溶液を作り、4時間の薬液洗浄を行った後、水酸化ナトリウムを加えてpH4.0を超えたところで排水して廃液タンクに回収し、熱交換器内に残った洗浄液を淡水で洗い流すリンスを行い、このリンス水を用いて上記のブロー洗浄を行い、所内の排水処理装置で排水可能なレベルまで希釈して処理した。
尚、本願発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を奏する限り、各実施形態で述べた構成要素を適宜入れ替えたり、新たな構成要素を追加したり、一部の構成要素を削除したりしてもよいことはいうまでもない。
11 伝熱プレート
12 ガスケット
13a 海水出口側通路の開口部
13b 海水入口側通路の開口部
13c 所内冷却水入口側通路の開口部
13d 所内冷却水出口側通路の開口部
14 固定フレーム
15 支持フレーム
16a 上部ガイドバー
16b 下部ガイドバー
17 移動フレーム
18a 海水出口側配管
18b 海水入口側配管
19a 海水出口側点検ホール
19b 海水入口側点検ホール
20 洗浄液循環システム
22 洗浄液貯留タンク
23 ヒーター
24 洗浄液循環ポンプ
26 流量計
28 圧力計
30 移動式ブロー洗浄機構
32 ブロー洗浄水供給配管
34 仕切板
34a、34b 仕切板
36 支持板
40 上部洗浄用フランジ
42 ブロー洗浄水供給配管ガイド機構
43 配管シール部材
44 配管シール部材固定板
46 薬液排出口
50 下部洗浄用フランジ
52 薬液の供給とブロー洗浄水の排出のための開口
60a 海水出口側配管隔離用フランジ
60b 海水入口側配管隔離用フランジ
70 流量・圧力監視用パソコン
Claims (14)
- 熱交換を行う流体を通す開口部を有する複数の伝熱プレートをガスケットを介して積層することによって隣り合う伝熱プレート間に流路が形成され、隣り合う流路に対して異なる流体が流れるように構成されたプレート式熱交換器を、分解することなく前記伝熱プレートが取り付けられた状態で洗浄する装置であって、
前記プレート式熱交換器の流路を洗浄する洗浄液を貯留する、洗浄液貯留タンクと、
前記洗浄液を所定の温度に加温する、ヒーターと、
前記洗浄液を前記プレート式熱交換器の流路に循環させる、洗浄液循環ポンプと、
前記積層された伝熱プレートの開口部が連通して形成される通路の一端側より挿入され、前記通路にブロー洗浄水を供給するブロー洗浄水供給配管と、前記ブロー洗浄水供給配管の先端部に固定され、前記通路において一定距離離れた2箇所の伝熱プレートの開口部をシールする仕切板とを有し、前記ブロー洗浄水供給配管により供給されるブロー洗浄水を前記プレート式熱交換器の流路における一定幅の供給範囲に局所的に供給するように形成され、前記ブロー洗浄水の供給範囲を前記通路に沿って移動させることができる、移動式ブロー洗浄機構と、
を備え、
前記洗浄液貯留タンクにおいて前記ヒーターにより所定温度に加温された薬液を生成し、前記生成された薬液を前記洗浄液循環ポンプにより前記プレート式熱交換器の流路を所定時間循環させることによって薬液洗浄した後に、前記移動式ブロー洗浄機構により前記プレート式熱交換器の一定幅の供給範囲の流路にブロー洗浄水を循環させることを、前記移動式ブロー洗浄機構を順次移動させながら繰り返すことによって前記プレート式熱交換器の全ての流路をブロー洗浄するようにしたことを特徴とする、プレート式熱交換器の洗浄装置。 - 前記薬液洗浄に使用された薬液を前記洗浄液貯留タンクにおいて中和処理してブロー洗浄水を生成し、前記生成されたブロー洗浄水を前記洗浄液循環ポンプによって前記移動式ブロー洗浄機構のブロー洗浄水供給配管に供給することによって前記ブロー洗浄を行うようにしたことを特徴とする、請求項1に記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。
- 前記プレート式熱交換器の一方側の通路の一端側を隔離するフランジであって、前記移動式ブロー洗浄機構の仕切板が前記通路の全範囲を移動可能なように前記ブロー洗浄水供給配管をシール可能にガイドするブロー洗浄水供給配管ガイド機構と、前記プレート式熱交換器の流路を薬液洗浄する際の薬液を排出する薬液排出口とを有する、一方側洗浄用フランジと、
前記プレート式熱交換器の他方側の通路の一端側を隔離するフランジであって、前記プレート式熱交換器の流路を薬液洗浄する際の薬液を供給し、前記プレート式熱交換器の流路をブロー洗浄する際のブロー洗浄水を排出する開口を有する、他方側洗浄用フランジと、
を更に備え、
前記プレート式熱交換器の洗浄対象流路の出口側配管に対して前記通路の反対側に備えられた出口側点検ホールを開放して前記一方側洗浄用フランジを設置し、前記プレート式熱交換器の洗浄対象流路の入口側配管に対して前記通路の反対側に備えられた入口側点検ホールを開放して前記他方側洗浄用フランジを設置するようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。 - 前記移動式ブロー洗浄機構のブロー洗浄水供給配管より前記プレート式熱交換器の流路に供給されるブロー洗浄水の供給圧力を監視する圧力計を備え、前記移動式ブロー洗浄機構による現在の供給範囲の流路におけるブロー洗浄水の供給圧力の回復が一定値以下となったときに、前記移動式ブロー洗浄機構を次の供給範囲の流路に移動させることによって前記プレート式熱交換器の全ての流路を洗浄するようにしたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。
- 前記プレート式熱交換器の伝熱プレートの汚れが主として軟質スケールのみを含む場合は、前記薬液として次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄することのみを行い、
前記プレート式熱交換器の伝熱プレートの汚れが軟質スケールに加えて硬質スケールを含む場合は、前記薬液として次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄する前洗浄を行った上で、前記薬液としてリン酸溶液を用いて薬液洗浄した後にブロー洗浄するようにしたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。 - 前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた薬液洗浄は、薬液濃度5000ppm、薬液温度30℃で、1時間以上の薬液洗浄を行い、
前記リン酸溶液を用いた薬液洗浄は、前記薬液として界面活性剤を加えたリン酸溶液を用い、薬液濃度10%以上、薬液温度50℃〜70℃で、4時間以上の薬液洗浄を行うか、または薬液濃度5%、薬液温度70℃として、4時間以上の薬液洗浄を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項5に記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。 - 前記ブロー洗浄は、前記ブロー洗浄水の流速を0.2m/秒以上とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。
- 前記洗浄液貯留タンクは、前記ブロー洗浄により排出された固形物を回収するネットを有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄装置。
- 熱交換を行う流体を通す開口部を有する複数の伝熱プレートをガスケットを介して積層することによって隣り合う伝熱プレート間に流路が形成され、隣り合う流路に対して異なる流体が流れるように構成されたプレート式熱交換器を、分解することなく前記伝熱プレートが取り付けられた状態で洗浄する方法であって、
所定温度に加温された薬液を前記プレート式熱交換器の流路を所定時間循環させることによって前記プレート式熱交換器の流路を薬液洗浄する工程と、
前記積層された伝熱プレートの開口部が連通して形成される通路の一端側より挿入され、前記プレート式熱交換器の流路をブロー洗浄するブロー洗浄水を前記プレート式熱交換器の流路における一定幅の供給範囲に局所的に供給するように形成され、前記ブロー洗浄水の供給範囲を前記通路に沿って移動させることができる移動式ブロー洗浄機構を用いて、前記プレート式熱交換器の一定幅の供給範囲の流路にブロー洗浄水を循環させることを、前記移動式ブロー洗浄機構を順次移動させながら繰り返すことによって前記プレート式熱交換器の全ての流路をブロー洗浄する工程と、
を少なくとも備えたことを特徴とする、プレート式熱交換器の洗浄方法。 - 前記ブロー洗浄する工程は、前記薬液洗浄する工程において使用された薬液を中和処理してブロー洗浄水を生成する工程を含み、前記生成されたブロー洗浄水を用いて前記移動式ブロー洗浄機構によりブロー洗浄するようにしたことを特徴とする、請求項9に記載のプレート式熱交換器の洗浄方法。
- 前記プレート式熱交換器の洗浄対象流路の入口側配管と出口側配管をそれぞれ隔離し、前記プレート式熱交換器の流路内の流体を排水する工程と、
前記プレート式熱交換器の洗浄対象流路の出口側配管に対して前記通路の反対側に備えられた出口側点検ホールを開放し、前記移動式ブロー洗浄機構が前記通路の全ての流路を洗浄できるように、前記通路内にブロー洗浄水を供給するブロー洗浄水供給配管をシール可能にガイドするブロー洗浄水供給配管ガイド機構と、前記薬液洗浄する際の薬液を排出する薬液排出口とを有する一方側洗浄用フランジにより隔離する工程と、
前記プレート式熱交換器の洗浄対象流路の入口側配管に対して前記通路の反対側に備えられた入口側点検ホールを開放し、前記薬液洗浄する際の薬液を供給し、前記ブロー洗浄する際のブロー洗浄水を排出する開口を有する他方側洗浄用フランジにより隔離する工程と、
を更に備え、
前記薬液洗浄する工程は、前記薬液を前記他方側洗浄用フランジの開口から供給し、前記一方側洗浄用フランジの薬液排出口から排出して循環させる薬液洗浄循環ラインを設定する工程を有し、
前記ブロー洗浄する工程は、前記ブロー洗浄水を前記移動式ブロー洗浄機構のブロー洗浄水供給配管から供給し、前記他方側洗浄用フランジのブロー洗浄水排出口から排出して循環させるブロー洗浄水循環ラインを設定する工程を有する、
ことを特徴とする、請求項9または10に記載のプレート式熱交換器の洗浄方法。 - 前記ブロー洗浄する工程は、前記移動式ブロー洗浄機構により前記プレート式熱交換器の流路に供給されるブロー洗浄水の供給圧力を監視し、前記移動式ブロー洗浄機構による現在の供給範囲の流路におけるブロー洗浄水の供給圧力の回復が一定値以下となったときに、前記移動式ブロー洗浄機構を次の供給範囲の流路に移動させることによって前記プレート式熱交換器の全ての流路をブロー洗浄するように制御する工程を含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄方法。
- 前記プレート式熱交換器の伝熱プレートの汚れが主として軟質スケールのみを含む場合は、前記薬液洗浄する工程により前記薬液として次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後に前記ブロー洗浄する工程によりブロー洗浄することのみを行い、
前記プレート式熱交換器の伝熱プレートの汚れが軟質スケールに加えて硬質スケールを含む場合は、前記薬液洗浄する工程により前記薬液として次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて薬液洗浄した後に前記ブロー洗浄する工程によりブロー洗浄する前洗浄を行った上で、前記薬液洗浄する工程により前記薬液としてリン酸溶液を用いて薬液洗浄した後に前記ブロー洗浄する工程によりブロー洗浄するようにしたことを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄方法。 - 前記ブロー洗浄する工程において使用されたブロー洗浄水を廃液タンクに回収し、凝集剤を用いて凝集し、固形分を回収する工程を更に有することを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載のプレート式熱交換器の洗浄方法。
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