JP2020204414A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
Description
<空気調和機の構成>
図1は、実施形態に係る空気調和機100の構成図である。
なお、図1の実線矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。
一方、図1の破線矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。
空気調和機100は、暖房運転や冷房運転等の空調を行う機器である。図1に示すように、空気調和機100は、圧縮機11と、室外熱交換器12と、室外ファン13と、膨張弁14と、を備えている。また、空気調和機100は、前記した構成の他に、室内熱交換器15(熱交換器)と、貫流ファン20と、四方弁Vと、を備えている。
室外熱交換器12は、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファン13から送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
膨張弁14は、「凝縮器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15の一方)で凝縮した冷媒を減圧する弁である。なお、膨張弁14で減圧された冷媒は、「蒸発器」(室外熱交換器12及び室内熱交換器15の他方)に導かれる。
貫流ファン20(クロスフローファンや横流ファンともいう)は、室内熱交換器15に室内空気を送り込むファンであり、室内熱交換器15の付近に配置されている。
室内機Uiは、前記した室内熱交換器15や貫流ファン20の他に、筐体ベース16と、フィルタ17a,17bと、前面パネル18と、左右風向板19aと、上下風向板19bと、を備えている。
フロントノーズ16aは、空気の流れの吸込側・吹出側を仕切るものであり、筐体ベース16において、前側室内熱交換器15aの下部付近で貫流ファン20に近接している部分に設けられている。
バックノーズ16bは、空気の流れの吸込側・吹出側を仕切るものであり、筐体ベース16において、後側室内熱交換器15bの下部付近で貫流ファン20に近接している部分に設けられている。
前面パネル18は、前側のフィルタ17aを覆うように設置されるパネルであり、下端を軸として前側に回動可能になっている。なお、前面パネル18が回動しない構成であってもよい。
室内機Uiに取り込まれた空気は、室内熱交換器15の伝熱管gを通流する冷媒と熱交換し、熱交換した空気が吹出風路h1に導かれる。そして、吹出風路h1を通流する空気は、左右風向板19a及び上下風向板19bによって所定方向に導かれて、室内に吹き出される。
貫流ファン20は、前記した複数の翼wkや仕切板rの他に、ファンモータ21と、一対の端板tp,tqと、軸受22と、を備えている。
ファンモータ21は、貫流ファン20の駆動源であり、その駆動に伴って回転するモータ軸21aを備えている。
一対の端板tp,tqは、複数の翼の軸方向両端に設置される円板状の板である。一対の端板tp,tqのうち、貫流ファン20の軸方向一端(つまり、軸方向一方側の端部)に設置される端板tpは、ボス部tpaを備えている。
なお、図4では、仕切板r(図3参照)の図示を省略している。
ファンブロックBk(図3参照)に含まれる翼wkは、図4に示すように、縦断面視で円弧状に湾曲し、その曲率中心(図示せず)が翼wkの回転方向の前方に位置している。このような翼wkにおいて、前記した曲率中心(図示せず)に臨んでいる面を「圧力面」といい、この圧力面とは反対側の面を「負圧面」という。
図4に示す仮想線moは、貫流ファン20の回転に伴って移動する翼wk,wpの外周側端部の軌跡である。この仮想線moは、円環状の仕切板r(図4では図示せず、図2参照)の外周縁よりも径方向で若干内側を通るような円形の曲線になっている。
同様に、第2所定範囲Sq(図3参照)における翼wqの外周角θoは、第2所定範囲Sqよりも軸方向内側における翼wkの外周角θoに等しくなっている。
また、翼wk,wpの外周側端部の位置は、縦断面視において略一致している。さらに、翼wkの内周側端部・外周側端部を通る弦dkよりも、翼wpの弦dpの方が、回転方向後側に傾いている。なお、翼wk,wq(図3参照)の位置関係についても同様のことがいえる。
次に、比較例(図6〜図9参照)について説明した後、本実施形態(図5参照)の作用・効果について説明する。
図6は、比較例に係る空気調和機において、空調運転時の断面II−II(図3参照)における貫流ファン20の内部の気流の相対流れを模式的に示す説明図である。
なお、図6の比較例では、軸方向に連結された複数のファンブロック(図示せず)の全てにおいて、翼wkの内周角(=θk)が等しいものとする。
また、貫流ファン20のフロントノーズ16aの先端と、バックノーズ16bの先端と、を通る直線uの上側(吸込側)に位置する複数の翼wkを「吸込側翼列wir」という。一方、前記した直線uの下側(吹出側)に位置する複数の翼wkを「吹出側翼列wor」という。図6に示すように、吸込側翼列wirを介して流入した空気は、貫流ファン20の内部を通過し、吹出側翼列worを介して吹出風路h1に導かれる。
なお、貫流ファン20の周方向(仕切板rの内周縁の接線方向)と、吹出側翼列worの付近における気流の相対流れと、のなす角を角度θFと定義する。図7に示すように、貫流ファン20の軸方向の中央付近における断面II−II(図3参照)では、吹出側翼列worに空気が流れ込む際の角度θFと、吹出側翼列worの翼wkの内周角θkと、の差が比較的小さい。したがって、気流は、吹出側翼列worの翼wkの圧力面wkaに沿うように流れる。その結果、断面II−IIの付近では、気流の不安定現象が生ずることはほとんどない。
図8に示すように、断面III−IIIでは、端板tp(図3参照)の中心付近にボス部tpaが設けられている。したがって、吸込側翼列wirを介して貫流ファン20の内部に流れ込んだ空気は、ボス部tpaを回り込むように流れた後、急勾配で吹出側翼列worに向かう。
前記したように、比較例では、貫流ファン20の各ファンブロック(図示せず)の全てにおいて、翼wkの内周角(=θk)が等しくなっている。つまり、断面III−III(図3参照)や断面IV−IV(図3参照)においても、断面II−II(図3参照)と同様に、翼wkの内周角がθkになっている。
図5は、実施形態に係る空気調和機において、空調運転時の断面III−IIIにおける貫流ファン20の内部の気流の相対流れを模式的に示す部分拡大図である。
なお、本実施形態において、断面II−II(図3参照)での気流の相対流れは、図6・図7と同様であるから、説明を省略する。
前記したように、断面III−III(図3参照)では、吹出側翼列worに空気が流れ込む際の角度θFaが、ボス部tpa(図3参照)の影響で、断面II−II(図3参照)における角度θF(図7参照)よりも小さくなっている。
なお、通風抵抗が増大した場合には、角度θFaがさらに小さくなるが、前記したように、翼wpの内周角θpが比較的小さいため、翼wpの圧力面wpaで剥離が生じるまでには十分な余裕がある。
例えば、貫流ファン20の直径D1に対して、ボス部tpaの直径D2が占める割合ε(=D2/D1)が、0.07以上かつ0.13以下である場合、第1所定範囲Sp(図3参照)における翼wpの内周角θp(図5参照)は、70°以上かつ90°以下であることが好ましい。なお、貫流ファン20の直径D1とは、翼wpの外周側端部の移動軌跡が描く円の直径を意味している。
なお、前記した割合εが大きいほど、吹出側翼列wor(図5参照)に急勾配で気流が流れ込み、その結果的として、前記した角度Faが小さくなる。したがって、割合εの大きさは、ボス部tpaの存在が気流に及ぼす影響の度合いを示しているともいえる。この割合εの大きさに基づいて、貫流ファン20の設計段階で翼wpの内周角θpを適宜に調整することで、翼wpの圧力面wpaにおける気流の剥離を効果的に抑制できる。
図10は、別の比較例に係る空気調和機の貫流ファン20Eを含む正面図である。
図10に示す比較例は、貫流ファン20EのファンブロックBk,Bk,…,Bkの全てにおいて、翼wkの内周角(=θk)が等しくなっている。また、筐体ベース16(図2参照)の側壁16pの付近には衝突壁zpが設けられ、他方の側壁16qの付近には衝突壁zqが設けられている点が、実施形態(図3参照)とは異なっている。なお、その他については、実施形態と同様である。
以上、本発明に係る空気調和機100について実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、実施形態では、軸方向両端のファンブロックBp,Bq(図3参照)において、その翼wp,wqの内周角を、軸方向内側のファンブロックBkの翼wkの内周角θkよりも小さくする構成について説明したが、これに限らない。
すなわち、軸方向一端のファンブロックBpについては、翼wpの内周角θpを小さくし(θk>θp)、軸方向他端のファンブロックBqについては、翼wqの内周角θqをファンブロックBkの翼wkの内周角θkと略同一にしてもよい。このような構成でも、全てのファンブロックの翼の内周角がθkである場合に比べて、サージングを抑制できる。
ちなみに、軸部tqa(図3参照)よりもボス部tpa(図3参照)の方が径が大きいため、ボス部tpaを含むファンブロックBpの翼wpの内周角θpを小さくことが、サージングの抑制において特に効果的である。
なお、軸方向他端のファンブロックBqと第2所定範囲Sq(図3参照)との関係についても同様のことがいえる。
また、実施形態では、貫流ファン20の軸方向一方側にボス部tpa(図3参照)が設けられる構成について説明したが、、これに限らない。すなわち、貫流ファン20の軸方向両側にボス部(図示せず)が設けられていてもよい。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
11 圧縮機
12 室外熱交換器
13 室外ファン
14 膨張弁
15 室内熱交換器(熱交換器)
16 筐体ベース
20 貫流ファン
21 ファンモータ
21a モータ軸
22 軸受
Bk,Bp,Bq ファンブロック
h1 吹出風路
r 仕切板
Sp 第1所定範囲
Sq 第2所定範囲
tp,tq 端板
tpa ボス部
tqa 軸部
Uo 室外機
Ui 室内機
V 四方弁
x1,x2 所定位置
wk,wp,wq 翼
zp,zq 衝突壁
θk,θp,θq 内周角
θo 外周角
Claims (11)
- 周方向で所定間隔を有するように配置される複数の翼と、
複数の前記翼を軸方向で仕切る複数の仕切板と、
複数の前記翼の軸方向両端に設置される一対の端板と、
駆動源であるファンモータと、を有する貫流ファンを備えるとともに、
前記貫流ファンの付近に設置される熱交換器を備え、
一対の前記端板のうち、前記貫流ファンの軸方向一端に設置される前記端板は、前記ファンモータのモータ軸が設置されるボス部を含み、
前記ボス部よりも軸方向内側の所定位置から、前記ボス部を含む前記端板までの第1所定範囲における前記翼の内周角は、前記第1所定範囲よりもさらに軸方向内側における前記翼の内周角よりも小さい空気調和機。 - 一対の前記端板のうち、前記貫流ファンの軸方向他端に設置される前記端板は、軸受によって軸支される軸部を含み、
前記軸部よりも軸方向内側の所定位置から、前記軸部を含む前記端板までの第2所定範囲における前記翼の内周角は、前記第2所定範囲よりもさらに軸方向内側における前記翼の内周角よりも小さいこと
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンは、前記仕切板を介して軸方向に連結される複数のファンブロックを備え、
複数の前記ファンブロックのうち、前記貫流ファンの軸方向一端に設置される前記ファンブロックの前記翼は、前記第1所定範囲に亘って延びていること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンの軸方向一端に設置される前記ファンブロックの前記翼は、前記第1所定範囲を超える範囲には設けられていないこと
を特徴とする請求項3に記載の空気調和機。 - 前記第1所定範囲における前記翼の外周角は、前記第1所定範囲よりも軸方向内側における前記翼の外周角に等しいこと
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンの直径に対して、前記ボス部の直径が占める割合が、0.07以上かつ0.13以下である場合、前記第1所定範囲における前記翼の前記内周角は、70°以上かつ90°以下であること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンの直径に対して、前記ボス部の直径が占める割合が、0.13よりも大きく、かつ、0.20よりも小さい場合、前記第1所定範囲における前記翼の前記内周角は、50°よりも大きく、かつ、70°よりも小さいこと
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンの直径に対して、前記軸部の直径が占める割合が、0.07以上かつ0.13以下である場合、前記第2所定範囲における前記翼の前記内周角は、70°以上かつ90°以下であること
を特徴とする請求項2に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファンの直径に対して、前記軸部の直径が占める割合が、0.13よりも大きく、かつ、0.20よりも小さい場合、前記第2所定範囲における前記翼の前記内周角は、50°よりも大きく、かつ、70°よりも小さいこと
を特徴とする請求項2に記載の空気調和機。 - 前記貫流ファン及び前記熱交換器を収容する筐体ベースを備え、
前記筐体ベースは、前記ボス部よりも軸方向内側の範囲において、前記貫流ファンから吹き出される空気を自身に衝突させる衝突壁を有しないこと
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 仕切板を介して軸方向に連結される複数のファンブロックを備える貫流ファンと、
前記貫流ファンの付近に設置される熱交換器と、を含んで構成され、
複数のファンブロックは、それぞれ、周方向で所定間隔を有するように配置される複数の翼を有し、
前記貫流ファンの前記軸方向の端部には、ボス部又は軸部を有する端板が設置され、
複数の前記ファンブロックのうち、前記端板で端部を仕切られるファンブロックの前記翼の内周角は、他のファンブロックの前記翼の内周角よりも小さい空気調和機。
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