JP2020200927A - ライナ構成部材、該ライナ構成部材からなる樹脂ライナ及び該樹脂ライナの製造方法 - Google Patents

ライナ構成部材、該ライナ構成部材からなる樹脂ライナ及び該樹脂ライナの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つのライナ構成部材を接合して得られるライナにおいて、接合前のフランジ部の径方向外側への拡径量を接合時に生じる熱収縮量よりも大きくすることで、接合時における陥没を抑制し、且つ、フランジ部の外周壁からの突出量を低減する。【解決手段】樹脂材からなる第1及び第2ライナ構成部材12、14には、その一端となる開口端16近傍にそれぞれ径方向外側に突出した第1及び第2フランジ部20、22をそれぞれ備えると共に、閉塞端18から開口端16側へと延在する第1拡径部36と、該第1拡径部36から第1及び第2フランジ部20、22まで延在し第1拡径部36の第1角度θ1に対して大きな第2角度θ2で傾斜した第2拡径部38とを有している。そして、第1及び第2ライナ構成部材12、14の開口端16同士が当接した状態で接合された後、接合部位に生じた熱が冷えて熱収縮した際、第2拡径部38が第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34に対して径方向内側へと陥没することがない。【選択図】図7

Description

本発明は、樹脂材からなるライナ構成部材、2つの前記ライナ構成部材を接合することで形成される樹脂ライナ、該樹脂ライナを製造するための製造方法に関する。
本出願人は、樹脂材からなる第1及び第2ライナ構成部材の開口端同士を接合して樹脂ライナである高圧タンク用ライナ及びその製造方法を提案している。
この高圧タンク用ライナは、内部が中空である半筒形状体に形成された第1及び第2ライナ構成部材を有し、その一端には開口端が形成されると共に、該開口端近傍には、径方向外側へと突出したフランジ部がそれぞれ形成されている。
そして、第1ライナ構成部材のフランジ部と第2ライナ構成部材のフランジ部とを振動溶着用治具によってそれぞれ軸方向へ押圧することで当接させた状態とし、前記第1及び第2ライナ構成部材を振動させることで、フランジ部の当接部位を溶融又は軟化させて接合している。
この接合工程が完了した後、第1及び第2ライナ構成部材の外周面から突出したフランジ部は必要最小限な部位を残して切除され、前記外周面に対して繊維強化樹脂からなる補強層が巻回され被覆される。
特願2017−249324号
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、接合前のフランジ部の径方向外側への拡径量を接合時に生じる熱収縮量よりも大きくすることで、接合時における陥没を抑制し、且つ、フランジ部の外周壁からの突出量を低減することが可能なライナ構成部材、該ライナ構成部材からなる樹脂ライナ及び該樹脂ライナの製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の態様は、樹脂材から形成され端部に開口部を有した筒状のライナ構成部を有すると共に、開口部の端部にライナ構成部同士を接続する接続面が設けられ、接続面同士を同軸状で接合することで樹脂ライナを構成するライナ構成部材であって、
ライナ構成部には、接続面の近傍において径方向外側へと突出したフランジ部と、
開口部とは反対側となる端部から開口部側に向かって拡径した第1拡径部と、
第1拡径部に接続され第1拡径部から接続面側に向かって漸次的に拡径し、且つ、第1拡径部よりも拡径度合いの大きく形成された第2拡径部とを有し、前記フランジ部が第2拡径部に形成される。
本発明によれば、樹脂材からなるライナ構成部材は、その端部に開口部を有した筒状のライナ構成部を有し、この開口部の端部にライナ構成部同士を接続する接続面が設けられ、接続面同士を同軸状で接合することで樹脂ライナを構成可能に設けられ、ライナ構成部には、接続面の近傍において径方向外側へと突出したフランジ部と、開口部とは反対側となる端部から開口部側へ向かって拡径する第1拡径部と、第1拡径部に対して接続面側に向かって漸次的に拡径し、且つ、第1拡径部よりも拡径度合いが大きく形成された第2拡径部とを有している。
従って、ライナ構成部材における開口部同士を当接させ接合する際、接合時において当接部位に生じた熱に起因して熱収縮が生じた場合でも、当接部位近傍となる第2拡径部が第1拡径部に対して予め拡径度合いが大きくなるように形成されているため、熱収縮によるライナ構成部の陥没を回避することができる。
その結果、第2拡径部に設けられたフランジ部の陥没も回避され、それに伴って、接合後においてフランジ部を切断する際にライナ構成部に対して最小限のクリアランスまで切断用治具を接近させて切断することができるため、熱収縮による陥没の生じてしまうライナ構成部材と比較し、フランジ部の突出量を低減することができ、ライナ構成部材における段差(フランジ部)を抑制して補強層による被覆をより確実且つ安定的に行うことが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、樹脂材からなり端部に開口部を有し筒状のライナ構成部を備えたライナ構成部材において、接続面の近傍で径方向外側へと突出したフランジ部と、開口部側に向かって拡径する第1拡径部と、第1拡径部に対して接続面側に向かって漸次的に拡径し、且つ、第1拡径部よりも拡径度合いが大きく形成された第2拡径部とを備え、ライナ構成部材における開口部同士を当接させ接合する際、当接部位に生じた熱に起因して熱収縮が生じた場合でも、第1拡径部に対して予め拡径度合いの大きく形成された第2拡径部によってライナ構成部が第1拡径部に対して陥没してしまうことを回避することができる。
その結果、第2拡径部に設けられたフランジ部の陥没が好適に回避され、それに伴って、ライナ構成部に対して最小限のクリアランスまで切断用治具を接近させてフランジ部を切断することができ、第2拡径部を設けずに熱収縮に起因した陥没が生じてしまうライナ構成部材と比較し、フランジ部の突出量を低減することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る樹脂ライナである高圧用タンクの全体平面図である。 図1に示す樹脂ライナを構成する第1及び第2ライナ構成部材を接合する前の状態を示す分解平面図である。 図3Aは、第1ライナ構成部材における第1フランジ部近傍の拡大断面図であり、図3Bは、第2ライナ構成部材における第2フランジ部近傍の拡大断面図である。 図3A及び図3Bに示される第1及び第2ライナ構成部材の開口端を向かい合わせ、環状凹部にそれぞれ振動溶着用治具を挿入した状態を示す拡大断面図である。 図4における第1及び第2ライナ構成部材の開口端同士を当接させた当接工程を示す拡大断面図である。 図5における第1及び第2ライナ構成部材を互いに接近させる方向に圧縮して接合した接合工程を示す拡大断面図である。 図6に示される樹脂ライナの第1及び第2フランジ部の切除を行う前の状態を示す拡大断面図(熱収縮が完了した状態)である。 接合された第1及び第2フランジ部を切削用カッタによって切除してランド部を形成して樹脂ライナの製造が完了した状態を示す拡大断面図である。 図9Aは、第1変形例に係る第2拡径部を有した第1及び第2ライナ構成部材の拡大断面図であり、図9Bは、第2変形例に係る第2拡径部を有した第1及び第2ライナ構成部材の拡大断面図である。
本発明に係るライナ構成部材、該ライナ構成部材からなる樹脂ライナ10につき、その製造方法との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、ここでは、ライナ構成部材である第1及び第2ライナ構成部材12、14が接合されることで樹脂ライナ10である高圧用タンクを構成する場合について説明する。
先ず、樹脂ライナ10を構成する第1及び第2ライナ構成部材12、14について図1及び図2を参照しながら説明する。
この第1及び第2ライナ構成部材12、14は、例えば、図示しない射出成形装置にて溶融樹脂材を用いた射出成形を行うことで略同一形状にそれぞれ形成され、内部が中空となる半円筒形状体に形成される。そして、第1及び第2ライナ構成部材12、14の一端には開口した開口端(開口部、接続面)16が形成され、他端は漸次的に縮径するように閉塞した閉塞端18が形成される。すなわち、第1及び第2ライナ構成部材12、14は、一端側が開口した有底筒状に形成される。なお、第1及び第2ライナ構成部材12、14は、上述したように円筒状に形成される場合に限定されるものではなく、例えば、断面多角形状の筒体であってもよい。
また、図1〜図3Bに示されるように、第1及び第2ライナ構成部材12、14には、その開口端16の近傍に外周壁(ライナ構成部)34から径方向外側へと初期突出量H1(図3A及び図3B参照)で突出した第1及び第2フランジ部(フランジ部)20、22がそれぞれ形成される。
この第1及び第2フランジ部20、22は、開口端16の端面から若干だけ閉塞端18側(矢印A1、B1方向)となる位置に環状に形成され、外周壁34から径方向外側へと延在する底部24と、該底部24の外周端に対して閉塞端18側(矢印A1、B1方向)へと略直交するように延在した側部26と、前記外周壁34、底部24及び側部26によって囲まれた環状凹部28とを備える。底部24は、第1及び第2ライナ構成部材12、14の軸線C(図1及び図2参照)と略直交し、且つ、開口端16と略平行となるように形成される。
側部26は、外周壁34と略平行に形成され、その内面には、図3A及び図3Bに示されるように、底部24から離間する方向(矢印A1、B1方向)に向かって徐々に径方向外側へと傾斜したテーパ面30が形成され、該テーパ面30によって環状凹部28に対する振動溶着用治具44a、44b(図4〜図6参照)の挿入及び離脱が容易となる。
また、側部26には、図2に示されるように、閉塞端18側(矢印A1、B1方向)となる端部の一部を切り欠くように切欠部32が形成され、この切欠部32には、例えば、振動溶着を行う際に回り止め用治具が係合することで回り止めが営まれる。
環状凹部28は、図3A〜図3Bに示されるように、第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34と第1及び第2フランジ部20、22の側部26との間にそれぞれ画成される空間であり、第1ライナ構成部材12と第2ライナ構成部材14を振動溶着によって接合する場合、その内部に後述する振動溶着用治具44a、44bの先端部46(図4参照)がそれぞれ挿入される。そのため、環状凹部28の幅寸法及び深さは、振動溶着用治具44a、44bの先端部46を挿入可能な寸法に設定される。
また、第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34は、略一定の板厚で形成され、閉塞端18から開口端16に向けて径方向外側に徐々に拡径するように形成され、該閉塞端18から開口端16側(矢印A2、B2方向)に向かって第1角度θ1で延在する第1拡径部36と、該第1拡径部36の他端36aから開口端16側(矢印A2、B2方向)に向かって第2角度θ2で延在する第2拡径部38とから構成される。
第1拡径部36は、例えば、閉塞端18から第1及び第2フランジ部20、22に対して所定距離だけ閉塞端18側(矢印A1、B1方向)となる位置まで延在し、その第1角度θ1は、第1及び第2ライナ構成部材12、14の軸線Cと略平行な仮想線C1に対し、例えば、1〜2°以下に設定される。
この第1角度θ1は、成形時において第1及び第2ライナ構成部材12、14を金型から型抜きする際に必要とされる抜き勾配である。これにより、第1拡径部36は、第2拡径部38側(矢印A2、B2方向)となる他端36aの外周径及び内周径が最も大きくなるように、一端から他端に向けて拡径している。
第2拡径部38は、第1拡径部36の他端36a側から第1及び第2フランジ部20、22における底部24の底面(平面)24aまで延在し、その第2角度θ2は、該第1拡径部36の他端36aを基点とし第1及び第2ライナ構成部材12、14の軸線Cと略平行な仮想線C1に対して規定され、且つ、第1角度θ1より大きな角度で設定される(θ1<θ2)。換言すれば、第2拡径部38の拡径率(拡径度合い)が、第1拡径部36の拡径率(拡径度合い)に対して大きくなるように形成されている。
このように第2拡径部38は、第1及び第2フランジ部20、22側の外周径及び内周径が最も大きくなるように、一端から他端に向けて拡径するように形成されている。
また、第2角度θ2は、第1及び第2ライナ構成部材12、14を振動溶着によって接合した後、第2拡径部38が熱収縮によって径方向内側へと変形した際に、第1拡径部36の他端36aに対して径方向内側へ陥没しない角度に設定される。
具体的には、図3A及び図3Bに示される第1及び第2ライナ構成部材12、14の直径D、外周壁34の厚さT、第1及び第2フランジ部20、22の剛性によって熱収縮時における径方向内側への陥没量が異なるため、前記直径D、外周壁34の厚さT、第1及び第2フランジ部20、22の剛性に基づいて第2角度θ2、第2拡径部38の軸方向長さが設定される。
例えば、第1及び第2ライナ構成部材12、14の直径Dが大きかったり、外周壁34の厚さTが薄かったり、第1及び第2フランジ部20、22の剛性が低い場合には、第2拡径部38の熱収縮による変形量(陥没量)が大きくなるため、第2角度θ2を大きく設定し、一方、前記直径Dが小さかったり、前記厚さTが厚かったり、前記剛性が高い場合には、前記第2拡径部38の熱収縮による変形量(陥没量)が小さくなるため、前記第2角度θ2を小さく設定することで対応可能である。
さらに、換言すれば、図3A及び図3Bに示されるように、第2拡径部38と開口端16とがなす角度θ3が、90°以上となるように設定されている(θ3≧90°)。
これにより、第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34は、互いに接合される前の状態において、第1拡径部36の他端36aと第2拡径部38の一端とが接続され、傾斜角度の異なる両者の境界部位が段付状に形成されている。
一方、閉塞端18には、図1及び図2に示されるように、その頂部に開口端16側(矢印A2、B2方向)に向かって窪んだ窪み部40が形成され、その底部中央には開口端16から離間する側(矢印A1、B1方向)へ突出したボス部42が設けられる。そして、ボス部42は、閉塞端18の頂部よりも軸方向外側へ突出し、図示しない弁部が取り付けられることで樹脂ライナ10である高圧用タンクが製造される。
次に、このように構成される第1及び第2ライナ構成部材12、14から樹脂ライナ10を製造する場合について説明する。
先ず、図4に示されるように、第1ライナ構成部材12の開口端16と第2ライナ構成部材14の開口端16とを向かい合わせ、且つ、軸方向に互いに所定距離離間し、且つ、同軸状となるように配置する。そして、一組の振動溶着用治具44a、44bの先端部46を第1及び第2ライナ構成部材12、14の環状凹部28へとそれぞれ挿入する。この先端部46は、開口端16と略平行に形成された底部24の底面24aに対して面接触して当接している。
また、必要に応じて第1及び第2フランジ部20、22の切欠部32(図2参照)に対し、図示しない回り止め用治具を係合させることで第1及び第2ライナ構成部材12、14の回転方向への相対移動を規制する。
次に、一組の振動溶着用治具44a、44bを軸方向へと付勢して第1ライナ構成部材12の第1フランジ部20と第2ライナ構成部材14の第2フランジ部22を互いに接近する方向へと軸方向(矢印X方向)に押圧することで、第1ライナ構成部材12と第2ライナ構成部材14とを互いに接近させる。これにより、図5に示されるように、第1ライナ構成部材12の開口端16と第2ライナ構成部材14の開口端16とが当接する当接工程が営まれる。
この際、振動溶着用治具44a、44bの先端部46が底部24の底面24aを押圧することで、第1及び第2ライナ構成部材12、14を確実に軸方向(矢印X方向)へと押圧することが可能となり、互いの開口端16に対して均等に押圧力を付与した状態で当接させることが可能となる。
次に、図5に示される振動溶着用治具44a、44bによって第1ライナ構成部材12と第2ライナ構成部材14とが互いに接近する方向に押圧された状態で、前記第1ライナ構成部材12に挿入された一方の振動溶着用治具44aを、該第1ライナ構成部材12の径方向(矢印Y方向)に沿って振動させる。
これにより、図6に示されるように、第1ライナ構成部材12と第2ライナ構成部材14との当接部位に摩擦熱が生じ、該当接部位が軟化又は溶融し、互いに接近するように押圧された第1及び第2ライナ構成部材12、14の開口端16が圧縮される。すなわち、第1及び第2ライナ構成部材12、14の当接部位を加熱する加熱工程が営まれる。
この際、軟化又は溶融した樹脂材の一部は、この圧縮に伴って外周壁34の内周側及び外周側へと流動する。
また、上述したように一方の振動溶着用治具44aを振動させる代わりに、第2ライナ構成部材14に挿入された他方の振動溶着用治具44bを該第2ライナ構成部材14の直径方向に沿って振動させるようにしてもよい。
そして、図6及び図7に示されるように、振動溶着用治具44a、44bによる振動開始から所定時間が経過した後、振動を停止させて前記振動溶着用治具44a、44bを環状凹部28から離脱させるように軸方向に移動させると共に、軟化又は溶融した接合部位における樹脂材が冷却されて固化することで、第1ライナ構成部材12と第2ライナ構成部材14の当接部位(開口端16)が接合され、接合部48の得られた接合工程が完了する。
この際、第1及び第2ライナ構成部材12、14の接合部48近傍には、振動溶着がなされる際に生じた摩擦熱が冷却されることで熱収縮が生じ、径方向内側への変形が生じることになるが(図7中、二点鎖線形状参照)、前記接合部48近傍となる第1及び第2フランジ部20、22から閉塞端18側となる所定の範囲に予め傾斜角度(第2角度θ2)の大きな第2拡径部38を有しているため、熱収縮によって径方向内側へ変形しても、最大外周径となる第1拡径部36の他端36aに対して小径となって陥没してしまうことが回避される。
次に、図7に示されるように、第1及び第2ライナ構成部材12、14の接合された樹脂ライナ10の外周側から切削用カッタ50を接近させ、第1及び第2フランジ部20、22の一部を切除する。この切削用カッタ50は、第1及び第2フランジ部20、22を覆うように樹脂ライナ10の軸方向に沿って所定幅で形成され、そのカッタ面50aが略平面状に形成される。
そして、カッタ面50aが第1及び第2フランジ部20、22に臨み、且つ、樹脂ライナ10の軸線Cと略平行となるように切削用カッタ50を配置し、前記第1及び第2フランジ部20、22へと接近させて切断線CLの位置で切断する。この切断線CLは、カッタ面50aが樹脂ライナ10の外周壁34に対して所定のクリアランスを維持可能な位置に基づいて設定されている。
この切断に伴って、図8に示されるように、第1及び第2フランジ部20、22における側部26及び底部24の大部分が切除され、該第1及び第2フランジ部20、22、外周壁34の外周側に流動して突出した接合部48が一体化し、外周壁34に対して残留突出量(突出高さ)H2で突出したランド部52となり、図1に示される樹脂ライナ10が得られる。
そして、この樹脂ライナ10は、例えば、高圧用タンク(高圧容器)として用いられ、第1及び第2フランジ部20、22の残留したランド部52の隅部に対して加工を行うことで断面円弧状のR部54が形成されると共に、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の繊維強化樹脂からなる補強層(図示せず)が巻回され被覆される。なお、上述したR部54の代わりに、例えば、隅部を約45°で面取りしたC部を設けるようにしてもよい。
この際、図8に示されるように、ランド部52(第1及び第2フランジ部20、22)の外周壁34に対する残留突出量H2が、例えば、第2拡径部38を有していない樹脂ライナ10´の残留突出量H3と比較して抑制されるため(H2<H3)、該ランド部52に対する補強層の引っ掛かりが抑制されると共に、R部54によっても前記補強層の損傷が防止される。
また、第1及び第2ライナ構成部材12、14は上述したように同一形状で形成される場合に限定されるものではなく、別形状として形成して接合するようにしてもよい。
さらに、樹脂ライナ10を構成する第1及び第2ライナ構成部材12、14は、振動溶着によって接合される場合に限定されるものではなく、例えば、赤外線加熱溶着を行うようにしてもよいし、振動溶着と赤外線溶着を組み合わせるようにしてもよい。また、第1及び第2ライナ構成部材12、14を熱板溶着によって接合するようにしてもよい。
さらにまた、第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34に設けられる第2拡径部38は、軸線Cと略平行な仮想線C1に対して第2角度θ2で傾斜したテーパ状に形成されるものではなく、例えば、開口端16側(矢印A2、B2方向)に向かって徐々に拡径する断面円弧状であってもよい。すなわち、開口端16側(矢印A2、B2方向)に向かって徐々に拡径する形状であれば、特にその断面形状は限定されるものではない。
またさらに、第2拡径部38は、上述したように第1拡径部36の他端36aから第1及び第2フランジ部20、22の底部24まで延在するように形成される場合に限定されるものではなく、例えば、図9Aに示される第2拡径部60のように、その他端が環状凹部28内において底部24の底面24aに対して手前側(矢印A1、B1方向)となる位置まで延在するように形成してもよいし、図9Bに示される第2拡径部70のように、その他端が開口端16まで延在するように形成してもよい。
すなわち、第1及び第2ライナ構成部材12、14の直径D、外周壁34の厚さT、第1及び第2フランジ部20、22の剛性に基づいて第2拡径部38、60、70の長さを適宜設定すればよい。
以上のように、本実施の形態では、第1及び第2ライナ構成部材12、14の開口端16同士を接合して構成される樹脂ライナ10において、前記第1及び第2ライナ構成部材12、14の外周壁34には、閉塞端18側(矢印A1、B1方向)に形成された第1拡径部36と、該第1拡径部36の他端36aに接続され開口端16側(矢印A2、B2方向)へと延在する第2拡径部38とを有し、前記第2拡径部38の第2角度θ2が、前記第1拡径部36の第1角度θ1よりも大きく形成されると共に、該第2拡径部38における開口端16近傍には、径方向外側へ突出した第1及び第2フランジ部20、22をそれぞれ備えている。
従って、第1及び第2ライナ構成部材12、14の開口端16同士を当接させ振動溶着によって接合する際、溶着によって生じる摩擦熱によって加熱された当接部位が冷却されて熱収縮が生じた場合でも、該当接部位近傍となる第2拡径部38の傾斜角度を予め大きく拡径させておくことで、該熱収縮によって径方向内側へと変形した場合でも外周壁34の陥没を回避することができる。
これにより、第1及び第2ライナ構成部材12、14が接合された後に、開口端16近傍に設けられた第1及び第2フランジ部20、22を切削用カッタ50によって切断する際、第1拡径部36に対して径方向内側に陥没しておらず樹脂ライナ10の軸線Cと略平行に維持された第2拡径部38(外周壁34)に対して最小限のクリアランスで前記切削用カッタ50を接近させて切断することができる。
その結果、第1及び第2ライナ構成部材12、14の接合時における陥没を抑制することで、従来の樹脂ライナ10´と比較して第1及び第2フランジ部20、22(ランド部52)の外周壁34に対する段差(ランド部52)を抑制することで補強層による被覆をより確実且つ安定的に行うことができる。
また、樹脂ライナ10における外周壁34の陥没を抑制することで、例えば、前記樹脂ライナ10を高圧用タンクに適用した場合に、その内部容積が減少してしまうことがなく十分に確保することができる。
なお、本発明に係るライナ構成部材、該ライナ構成部材からなる樹脂ライナ10及び該樹脂ライナ10の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…樹脂ライナ 12…第1ライナ構成部材
14…第2ライナ構成部材 16…開口端
20…第1フランジ部 22…第2フランジ部
24…底部 26…側部
28…環状凹部 34…外周壁
36…第1拡径部 38、60、70…第2拡径部
48…接合部 52…ランド部

Claims (6)

  1. 樹脂材から形成され端部に開口部を有した筒状のライナ構成部を有すると共に、前記開口部の端部に前記ライナ構成部同士を接続する接続面が設けられ、前記接続面同士を同軸状で接合することで樹脂ライナを構成するライナ構成部材であって、
    前記ライナ構成部には、前記接続面の近傍において径方向外側へと突出したフランジ部と、
    前記開口部とは反対側となる端部から該開口部側に向かって拡径した第1拡径部と、
    前記第1拡径部に接続され該第1拡径部から前記接続面側に向かって漸次的に拡径し、且つ、該第1拡径部よりも拡径度合いの大きく形成された第2拡径部とを有し、前記フランジ部が前記第2拡径部に形成される、ライナ構成部材。
  2. 請求項1記載のライナ構成部材において、
    前記第2拡径部と前記接続面とがなす角度は90°以上に設定される、ライナ構成部材。
  3. 請求項1又は2記載のライナ構成部材において、
    前記フランジ部は、前記ライナ構成部の径方向外方に向かって突出した底部と、該底部に連なり前記接続面から離間する方向に延在する側部と、前記底部及び前記側部に囲まれた環状凹部とを備え、前記底部には、前記接続面と略平行な平面を有する、ライナ構成部材。
  4. 樹脂材から形成され端部に開口部を有した2つのライナ構成部材同士を接合して構成される樹脂ライナであって、
    前記開口部の端部には、前記ライナ構成部材のライナ構成部同士を接続する接続面が設けられ、
    前記開口部の近傍には、前記接続面に向かって漸次的に拡径する拡径部を有し、前記拡径部と前記接続面とがなす角度が90°以上に設定される、樹脂ライナ。
  5. 樹脂材から形成され端部に開口部を有した2つのライナ構成部材同士を接合することで樹脂ライナを得る樹脂ライナの製造方法であって、
    前記開口部の端部には、前記ライナ構成部材同士を接続する接続面が設けられ、
    前記開口部近傍には、前記接続面に向かって漸次的に拡径する拡径部を備えており、
    前記接続面を加熱する加熱工程と、
    一方の接続面と他方の接続面とを当接する当接工程と、
    加熱された接続面同士を当接させた状態で接合する接合工程と、
    を有し、
    前記拡径部と前記接続面とがなす角度が熱によって小さくなる、樹脂ライナの製造方法。
  6. 請求項1記載のライナ構成部材において、
    前記ライナ構成部に対して繊維強化樹脂からなる被覆補強層が巻回されることで高圧容器を構成する、ライナ構成部材。
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