JP2020200750A - 双アーチ形飛移り座屈板バネ装置及びそれを利用した板バネ式マグネットキャッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置を諸機械に適合し易いよう、構造を一層多様化させる。実施例として板バネ式マグネットキャッチを示し、スプリングハンマーへの利用構想も示す。【解決手段】板バネの中央に座体を備えて主体部を二つに分け、両端部は巻足台状にして軸受部とし、主体部に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成する。座体にはその移動を板バネの直角方向に制限するガイド手段を固定し、板バネ支持体と軸受部とに支持軸を挿通し連結して、板バネを揺動自在に両端支持し、板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備える選択も設けた。更に、表裏の変形の非対称化や、複数の板バネを組合せて多段化する形態及び補助板バネを利用する選択も設け、本装置を多様化した。【選択図】図3
Description
本発明は、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置と、それを利用した板バネ式マグネットキャッチに関する。
バネ材のスナップスルー現象(以下、「飛移り座屈」と記す)を応用した装置として、最近、片持ち式で板バネを支持する形式の「板バネ式マグネットキャッチ」(特許文献2)が発明され、続いて両端支持形式の「双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置とそれを応用したマグネットキャッチ」(特許文献1)が発明された。
図11は、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置に於ける、クッション手段の位置による分類を説明するための、概念図である。図11(A)は従来衆知の基本的な例として、クッション手段を備えない1枚の細長形板バネを、揺動自在(X)にその上下両端部を表裏対称の固定した蝶番で支持し、板バネの長手(Y)方向に一定の圧縮力を加えて表側へのアーチを形成させた場面を側面図の実線で示している。この板バネ中央部を一定以上の外力fで裏側へ押すと、長手方向に更に圧縮されて飛び移り座屈を生起し、強い瞬発力を伴って想像線で示す裏側へのアーチ形状となり、静止する。裏側から表側へはこれと逆の操作を行うことで、元の表側アーチ形状に戻る。
ところがこの操作中、何らかの要因があると、半分だけ反転して想像線で示すようなS字状となるなど不安定な変形が生ずることが、理論的にも衆知されている。それでも途中経路に拘わらず、常に元の形状と少なくとも平行を保った反転形状になって静止するなら、それなりに利用法も考えられるが、そうならない場合が往々にして経験される。
ところがこの操作中、何らかの要因があると、半分だけ反転して想像線で示すようなS字状となるなど不安定な変形が生ずることが、理論的にも衆知されている。それでも途中経路に拘わらず、常に元の形状と少なくとも平行を保った反転形状になって静止するなら、それなりに利用法も考えられるが、そうならない場合が往々にして経験される。
また、上記のように、板バネには長手方向に初めから圧縮力が加えられているところへ、更に板バネ長さより狭い軸間隔を通過させるため、板バネが両端の支持軸心を結ぶ中心線(以下、「側面中心線」と記す)を通過する時点で圧縮力が最大となり、大きな応力が板バネに発生するから、このような操作を繰り返すと、板バネ又はその周辺の構成部材の何れかの個所で疲労破壊が生じ易いという留意点がある。
文献1及び2の発明は、上記した飛び移り座屈の留意点に適切な策を講じつつ、マグネットキャッチ等に飛び移り座屈の特徴を活かした新規の構造を提案したものである。
マグネットキャッチは屋内器具であるから静粛性とソフト感が要求される。図11(C)は板バネの中央部に座体を固定して板バネ主体部を2つに分断した上、両端部近傍にクッション手段とその内側に揺動自在とする機能を備えさせた装置を示した概念図であるが、圧縮応力に対応した変形の一部をクッション手段で担うため、図11(A)に示した構造の場合より板バネの最大応力を緩和すると共に、飛び移り座屈に伴う瞬発力も縮小し、比較的穏やかな反転を得ることができる。
文献1の明細書と図面で示された実施例は、クッション手段に裏板バネを用いる手法を含め、全て(C)形式に属するものである。この発明により、上記した従来の問題点を、上記クッション手段に加え、板バネ中央部に座体を固定してそれに直角ガイドを備えさせるなどして、改善した。
尚、図11は概念図であって、細部の構造により、表裏反転形状が非対称となる場合がある。(B)、(D)及び(E)形式については、後述する。
マグネットキャッチは屋内器具であるから静粛性とソフト感が要求される。図11(C)は板バネの中央部に座体を固定して板バネ主体部を2つに分断した上、両端部近傍にクッション手段とその内側に揺動自在とする機能を備えさせた装置を示した概念図であるが、圧縮応力に対応した変形の一部をクッション手段で担うため、図11(A)に示した構造の場合より板バネの最大応力を緩和すると共に、飛び移り座屈に伴う瞬発力も縮小し、比較的穏やかな反転を得ることができる。
文献1の明細書と図面で示された実施例は、クッション手段に裏板バネを用いる手法を含め、全て(C)形式に属するものである。この発明により、上記した従来の問題点を、上記クッション手段に加え、板バネ中央部に座体を固定してそれに直角ガイドを備えさせるなどして、改善した。
尚、図11は概念図であって、細部の構造により、表裏反転形状が非対称となる場合がある。(B)、(D)及び(E)形式については、後述する。
上記のように、特に文献1の発明は、広範囲の機械装置内に実用化されるよう提案されたものであるが、未だにその普及を見ていない。その理由の一つは、該発明は基本的な技術内容に留まっていてその利用法の理解が得られていないためであり、従って、発明内容をより多様化して、具体的利用法を示す必要があると思われる。
そこで、本発明が解決しようとする課題の第一は、文献1の発明の原理を一部活かしつつも、諸機械に適合し易いよう双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の構造を一層多様化させ、具体例を示して多くの機械装置に対して利用し易くすることである。そのため、実施例としてマグネットキャッチを示すほか、スプリングハンマーへの利用構想を示す。
そこで、本発明が解決しようとする課題の第一は、文献1の発明の原理を一部活かしつつも、諸機械に適合し易いよう双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の構造を一層多様化させ、具体例を示して多くの機械装置に対して利用し易くすることである。そのため、実施例としてマグネットキャッチを示すほか、スプリングハンマーへの利用構想を示す。
従来の戸開閉用マグネットキャッチでは、戸開時に磁石から離脱するために一気に力が必要となる致命的な弱点があるため、その利用は殆ど軽い開き戸の分野に留まっている。本発明の課題の第二は、本発明の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置を利用した簡易な一応用例として、マグネットキャッチに適用する場合の具体的手法を示し、文献1の発明より一層ソフトな感触で確実に戸閉する装置を、安価に、かつ、手軽に装着できるようなものとして、提供することである。
請求項1に記載の発明は、
略細長形の板バネに於いて、
前記板バネの中央部分に一定寸法の座体を固定し、前記板バネの端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状とした一対の軸受部を備え、該軸受部と前記座体との間の部位たる一対の板バネ主体部に、長手方向に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、
表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成し、
前記座体の移動を前記板バネの直角方向に制限するガイド手段を備え、
板バネ支持体と前記軸受部とに前記支持軸を挿通し連結して、前記板バネを揺動自在に両端支持し、
表裏何れの方向へも前記座体への一定以上の負荷により、前記両板バネ主体部に略同時に同方向の飛移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
略細長形の板バネに於いて、
前記板バネの中央部分に一定寸法の座体を固定し、前記板バネの端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状とした一対の軸受部を備え、該軸受部と前記座体との間の部位たる一対の板バネ主体部に、長手方向に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、
表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成し、
前記座体の移動を前記板バネの直角方向に制限するガイド手段を備え、
板バネ支持体と前記軸受部とに前記支持軸を挿通し連結して、前記板バネを揺動自在に両端支持し、
表裏何れの方向へも前記座体への一定以上の負荷により、前記両板バネ主体部に略同時に同方向の飛移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
即ち、請求項1に記載の発明は、クッション手段を備えることを要件にしていないから、図11(B)の形式を想起させつつも、(C)乃至(E)の形式を除外していない。しかし、上記板バネの端部形状とそれを上記板バネ支持体で支持する構造等に独自の特徴があって表裏反転形状が非対称であり、座体を必ずしも剛体としないので、文献1の発明とは共に(C)形式の範疇に属する部分があっても、異なるものである。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備えた、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項1に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備えた、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
即ち、請求項2に記載の発明は、上記クッション手段を備えることを要件とし、上記クッション手段の位置が上記軸受部の外側の場合は図11(C)、内側の場合は(D)、上記板バネ中央部に隣接する場合は(E)の形式の範疇に夫々属する。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記両支持軸を結ぶ中心線に対する上記板バネの表裏への変形形状を、非対称とする手段を2つ以上備えた、
又は、上記板バネが、表裏何れかの側への反転後静止せず、前記座体への除荷後元に復帰するようにした、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項1又は2に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記両支持軸を結ぶ中心線に対する上記板バネの表裏への変形形状を、非対称とする手段を2つ以上備えた、
又は、上記板バネが、表裏何れかの側への反転後静止せず、前記座体への除荷後元に復帰するようにした、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項4に記載の発明は、
請求項2又は3に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの上記軸受部の内側にその断面を谷状に屈曲したクッション手段を備え、
上記板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で中央部を固定した補助板バネを設け、
該補助板バネの両端近傍には、上記クッション手段の谷部が上記支持軸周りに揺動するに伴い、該谷部に前記補助板バネの面圧下で滑動させることにより、板バネの変形を適度に制動しつつ補助する山形部を設けたことを特徴とする、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項2又は3に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの上記軸受部の内側にその断面を谷状に屈曲したクッション手段を備え、
上記板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で中央部を固定した補助板バネを設け、
該補助板バネの両端近傍には、上記クッション手段の谷部が上記支持軸周りに揺動するに伴い、該谷部に前記補助板バネの面圧下で滑動させることにより、板バネの変形を適度に制動しつつ補助する山形部を設けたことを特徴とする、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの中から組合せて複数並列させ、
上記各板バネに夫々独立した滑走体と上記板バネ支持体を設けて、最前列の上記座体に前記滑走体を固定し、上記板バネ支持体の後端に隣接する上記座体を夫々固定し、かつ、全ての上記板バネ支持体が順次嵌合しつつ往復動自在として上記ガイド手段ともなし、
又は、ガイドを備えた1つの上記板バネ支持体で全ての上記板バネを夫々支持し、1つの前記滑走体に全ての上記座体を夫々固定し、前記ガイドと前記滑走体とにより上記ガイド手段を構成することにより、
複数の上記板バネに、連動して飛び移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの中から組合せて複数並列させ、
上記各板バネに夫々独立した滑走体と上記板バネ支持体を設けて、最前列の上記座体に前記滑走体を固定し、上記板バネ支持体の後端に隣接する上記座体を夫々固定し、かつ、全ての上記板バネ支持体が順次嵌合しつつ往復動自在として上記ガイド手段ともなし、
又は、ガイドを備えた1つの上記板バネ支持体で全ての上記板バネを夫々支持し、1つの前記滑走体に全ての上記座体を夫々固定し、前記ガイドと前記滑走体とにより上記ガイド手段を構成することにより、
複数の上記板バネに、連動して飛び移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項6に記載の発明は、
請求項1乃至3及び5の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ主体部の長手方向最大圧縮力を一定範囲で変更できるよう、上記両支持軸の間隔を調整自在とする手段を備えた、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項1乃至3及び5の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ主体部の長手方向最大圧縮力を一定範囲で変更できるよう、上記両支持軸の間隔を調整自在とする手段を備えた、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項7に記載の発明は、
戸開閉装置に於いて、戸を戸口枠体の側壁、又は戸当りに対して直角に移動させる機構を上記ガイド手段とする、請求項1乃至5の何れかに記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設し、
上記板バネ中央部、又は上記座体に磁着受部を固定し、該磁着受部を固定した身箱状の内ケースを設け、該内ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出するか、
又は、前記磁石は磁石ケースにより一定の高さを有し、該磁石ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出できるようにし、
上記磁石の吸着力を、上記板バネの飛移り座屈を生起させる力以上とすることにより、
前記戸を開閉の都度、上記板バネに表裏両方向への飛移り座屈を順次生起させることを特徴とする、板バネ式マグネットキャッチ、である。
戸開閉装置に於いて、戸を戸口枠体の側壁、又は戸当りに対して直角に移動させる機構を上記ガイド手段とする、請求項1乃至5の何れかに記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設し、
上記板バネ中央部、又は上記座体に磁着受部を固定し、該磁着受部を固定した身箱状の内ケースを設け、該内ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出するか、
又は、前記磁石は磁石ケースにより一定の高さを有し、該磁石ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出できるようにし、
上記磁石の吸着力を、上記板バネの飛移り座屈を生起させる力以上とすることにより、
前記戸を開閉の都度、上記板バネに表裏両方向への飛移り座屈を順次生起させることを特徴とする、板バネ式マグネットキャッチ、である。
請求項1に記載の発明に依れば、板バネの両端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状(以下、「巻足台状」と記す)に軸受部を設けるから、板バネの両端部を比較的容易に円筒状に成形して軸受部とすることができ、コスト的に有利である。図12は、本発明に係る板バネにクッション手段を備えない構造例を示したものであるが、長手方向に圧縮力を掛けてアーチ状とする前の時点では、想像線で示すように、板バネ主体部1Aは軸受部1Cから略接線方向にあり、その接点Zと軸心との距離rは側面中心線より少なくとも軸の半径以上である。このことが、次の特徴を生む要因となっている。
この接点Zは板バネ長手方向に圧縮力pを掛けると、板バネが表側アーチの時にZ1、裏側アーチの時はZ2へ移動するが、想像線で示す裏側アーチの時のZ2が、実線で示す表側アーチの時のZ1よりhだけ内側に位置するから、当然裏側では表側より深いアーチとなり、両アーチは側面中心線に対して対称とはならない。hが僅かでもアーチ深さへの影響は大きく、これが板バネの表裏への変形を非対称とする第1の手段であり、この特徴は以下の全請求項に記載の発明に共通する。
この接点Zは板バネ長手方向に圧縮力pを掛けると、板バネが表側アーチの時にZ1、裏側アーチの時はZ2へ移動するが、想像線で示す裏側アーチの時のZ2が、実線で示す表側アーチの時のZ1よりhだけ内側に位置するから、当然裏側では表側より深いアーチとなり、両アーチは側面中心線に対して対称とはならない。hが僅かでもアーチ深さへの影響は大きく、これが板バネの表裏への変形を非対称とする第1の手段であり、この特徴は以下の全請求項に記載の発明に共通する。
請求項1に記載の発明に依れば、板バネに巻足台状に設けた一対の軸受に、板バネ支持体に備えた支持軸を挿通するから、文献1で示された屈曲したクッション手段の内側に揺動性を持たせる構造より高い揺動自在性を持つことができる。また、板バネの中央に固定した座体の移動を板バネの直角方向に制限するガイド手段を備えたから、座体への負荷時に板バネ主体部の片側のみが反転して板バネがS字状となる等の不安定な変形を、少なくとも反転後の静止時には解消することができる。
本装置がクッション手段を具備しない場合には、板バネの最大応力と反転に伴う瞬発力の緩和の効果を持たない。しかし、用途によっては、マグネットキャッチの場合とは逆にその方を好む場合もある。例えば、仮に本装置をスプリングハンマー等の鍛圧機械に利用する場合は、当然ハンマーを強く打ち下ろしたいのであるから、クッション手段を備えない構造が選択される可能性が高い。
本装置がクッション手段を具備しない場合には、板バネの最大応力と反転に伴う瞬発力の緩和の効果を持たない。しかし、用途によっては、マグネットキャッチの場合とは逆にその方を好む場合もある。例えば、仮に本装置をスプリングハンマー等の鍛圧機械に利用する場合は、当然ハンマーを強く打ち下ろしたいのであるから、クッション手段を備えない構造が選択される可能性が高い。
請求項1に記載の構造に於ける座体は、必ずしも剛体とは限らないことも文献1の発明と異なるが、これは、座体はその機能を果たすために必ずしも完全な剛体化を必要としないと判明したためであり、むしろ座体に一定の弾力性を持たせることにより、板バネ主体部との境界部での応力集中を軽減する利点がある。
請求項2に記載の発明に依れば、上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称な一対のクッション手段を設けたから、何れの場合も板バネへの圧縮応力と変形の一部をクッション手段が担って装置各構成部材への荷重負担を軽減し、飛び移り座屈に伴う瞬発力を緩和して作動のソフト感を創出することができる。
次に、請求項3について述べる。上記の通り全ての請求項に記載の発明に於いて、表裏の変形は軸受部の構造が1つの手段となって、側面中心線に対して非対称となる。しかし、請求項1及び2では、その差異は支持軸が小径である場合には限定的である。一方、実用上では表裏での変形や瞬発力の差をもっと拡大したい場合がある。例えば、マグネットキャッチでは表側のクッション効果より裏側の引付け効果の方が、スプリングハンマーの場合はハンマーを打ち下ろす方が、遥かに重要である。請求項3はその必要性に応えようとするものである。
上記板バネの表裏両側での変形を側面中心線に対して更に非対称とする手段は、少なくない。最も単純には、表裏何れかの側に板バネの飛び移り座屈を強制的に中途阻止する障害物を設ければ良い。その他、支持軸の径をこの目的で大きくしても良いし、請求項2に記載の発明に於けるクッション手段を谷状に屈曲したものとした上、その谷の両辺に段差を設けても良い。それらを2つ目以降の手段として、複数併用しても良い。
本発明に於いて、表裏何れか一方への座屈変形を適当な中途位置で停止させる手段を講じると、停止した板バネに正規の座屈を生起しようとする力を残留させる効果がある。例えばこれを戸開閉用マグネットキャッチに利用すると、戸閉後でも戸を一定の力で枠体に引付け続けるという重要な機能を持たせることができる。
上記板バネの表裏両側での変形を側面中心線に対して更に非対称とする手段は、少なくない。最も単純には、表裏何れかの側に板バネの飛び移り座屈を強制的に中途阻止する障害物を設ければ良い。その他、支持軸の径をこの目的で大きくしても良いし、請求項2に記載の発明に於けるクッション手段を谷状に屈曲したものとした上、その谷の両辺に段差を設けても良い。それらを2つ目以降の手段として、複数併用しても良い。
本発明に於いて、表裏何れか一方への座屈変形を適当な中途位置で停止させる手段を講じると、停止した板バネに正規の座屈を生起しようとする力を残留させる効果がある。例えばこれを戸開閉用マグネットキャッチに利用すると、戸閉後でも戸を一定の力で枠体に引付け続けるという重要な機能を持たせることができる。
端的に、表裏何れかの側への変形後停止せず、座体への除荷直後、元に復帰するようにすることもできる。その方法としては、板バネ変形の非対称性を拡大する上記方法を強化すれば良いが、瞬発力が弱くても良い場合は、板バネの両軸受部間距離と支持軸間距離の差を小さくして板バネ主体部への圧縮応力を小さくする方法もある。
請求項4に記載の発明に依れば、谷状に屈曲したクッション手段を備えた板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で両端近傍に山形部を備えた補助板バネを設けてその中央部を固定し、クッション手段の谷部が支持軸周りに揺動するに伴い、谷部がこの山形部を介して補助板バネからの面圧力を受けながらその面上を滑動させるようにしている。
即ち、裏側へ変形する時は谷部が補助板バネを押し下げながら山形部を上り、頂部を通過すると下って両谷部の間隔を押し広げるよう働き、従って裏側変形を支援する。表側へ変形する時はそれと逆の経路で同様に働くので、板バネの変形進行は適度に制動されつつ補助され、あたかも軌道上を滑るように安定的で確実なものとなり、かつ、板バネのヘタリや劣化を防止する。
即ち、裏側へ変形する時は谷部が補助板バネを押し下げながら山形部を上り、頂部を通過すると下って両谷部の間隔を押し広げるよう働き、従って裏側変形を支援する。表側へ変形する時はそれと逆の経路で同様に働くので、板バネの変形進行は適度に制動されつつ補助され、あたかも軌道上を滑るように安定的で確実なものとなり、かつ、板バネのヘタリや劣化を防止する。
請求項5に記載の発明に依れば、請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の何れかを組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることができるから、該装置の効果を複数倍とすることができる。
本発明には二つの選択肢があり、一つは各板バネに個別の支持体と滑走体があり、各板バネの変形に伴ってそれらが連動するものであり、従ってバネ変形の総振幅を長くし、よりソフトな動きとなる。
それに対して他の一つは、一つの支持体に全ての板バネが支持されるので、振幅は拡大されない代わりに瞬発力は複数倍となる。スプリングハンマーのように板バネが比較的厚板となる場合、加工容易な複数のより薄い板バネとする手法としての利用も考えられる。
本発明には二つの選択肢があり、一つは各板バネに個別の支持体と滑走体があり、各板バネの変形に伴ってそれらが連動するものであり、従ってバネ変形の総振幅を長くし、よりソフトな動きとなる。
それに対して他の一つは、一つの支持体に全ての板バネが支持されるので、振幅は拡大されない代わりに瞬発力は複数倍となる。スプリングハンマーのように板バネが比較的厚板となる場合、加工容易な複数のより薄い板バネとする手法としての利用も考えられる。
請求項6に記載の発明に依れば、請求項1乃至3の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置に対して、板バネの支持軸間隔を調整自在とする手段を具備したから、これにより板バネの反転に伴う変形量や瞬発力等を調整できる。例えば本発明をスプリングハンマーに利用すれば、ハンマーを打ち下ろす力や振幅を調整できるだけでなく、強力な板バネの組立作業を容易化することができる。
尚、本発明は構造がやや複雑となり、請求項7のマグネットキャッチには不適と思われるので、適用外とした。
尚、本発明は構造がやや複雑となり、請求項7のマグネットキャッチには不適と思われるので、適用外とした。
請求項7に記載のマグネットキャッチに依れば、請求項1乃至5に記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設したから、上記各請求項の特徴を有し、かつ、箱状ケースに装置を内包させることにより、外観を改善したマグネットキャッチとすることができる。
そして、屋内器具としてのマグネットキャッチにはソフト感のある機能が求められるから、クッション手段を備えた請求項2を基本とした利用法が好ましい。例えば請求項2及び5に記載の装置を用いた場合は、装置のコンパクト性を保ちつつ板バネで制御できる戸口の空間領域を拡大して、戸閉装置としての性能を著しく改善することができる。
本発明には2つの選択肢があり、1つは、磁着受部を収めた内ケースが箱状板バネ支持体に入出する方式、他の1つは、磁石ケースに高さを持たせ、それが箱状板バネ支持体に入出する方式である。後者の方が内ケースを不要とする分、安価とする利点がある。
そして、屋内器具としてのマグネットキャッチにはソフト感のある機能が求められるから、クッション手段を備えた請求項2を基本とした利用法が好ましい。例えば請求項2及び5に記載の装置を用いた場合は、装置のコンパクト性を保ちつつ板バネで制御できる戸口の空間領域を拡大して、戸閉装置としての性能を著しく改善することができる。
本発明には2つの選択肢があり、1つは、磁着受部を収めた内ケースが箱状板バネ支持体に入出する方式、他の1つは、磁石ケースに高さを持たせ、それが箱状板バネ支持体に入出する方式である。後者の方が内ケースを不要とする分、安価とする利点がある。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置及びそれを利用した戸開閉用マグネットキャッチについて説明する。
図1は、請求項2及び3に係る発明装置であって、軸受部1Cの内側に隣接して設けたクッション手段5を、断面を屈曲した内辺と外辺とで段差のある谷状とする実施例を示し、(A)は装置中心線での縦断面図、(B)は正面図である。板バネ1は、板バネ中央部1Bとその両側に夫々一対の板バネ主体部1A、クッション手段5、軸受部1Cとで構成し、1枚の板バネ材から成る。板バネ1の端部は巻足台状に成形されて軸受部1Cとし、支持軸2が挿通されるが、先ず一方の支持軸2のみを挿通した段階では板バネ主体部1Aは平板のまま、垂直な想像線で示すようになっている。この時、クッション手段5は略水平方向にあり、谷部5Aを挟む両側辺は適量の段差h0を有する。
両軸受部1C間の長さは両支持軸2間の距離より適当量長くしているので、板バネ1の長手方向に圧縮力を掛けないと他方の支持軸2を挿通して組立てることができない。この圧縮力を負荷すると、当然板バネ1は想像線で示すように裏側へのアーチ状になるが、座体3又はガイド用ロッド(板バネ支持体9に設けられた孔又は溝をガイドとする滑走体)7を一定量以上表側へ引くと、板バネ主体部1Aが飛び移り座屈を生起して反転し、実線で示す形状となる。
このような構造の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置は、クッション手段5に段差が無くても表裏非対称に変形するが、この段差を設けることにより偏向力を生じるから、表裏での変形を更に非対称とする第2の手段とすることができる。
両軸受部1C間の長さは両支持軸2間の距離より適当量長くしているので、板バネ1の長手方向に圧縮力を掛けないと他方の支持軸2を挿通して組立てることができない。この圧縮力を負荷すると、当然板バネ1は想像線で示すように裏側へのアーチ状になるが、座体3又はガイド用ロッド(板バネ支持体9に設けられた孔又は溝をガイドとする滑走体)7を一定量以上表側へ引くと、板バネ主体部1Aが飛び移り座屈を生起して反転し、実線で示す形状となる。
このような構造の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置は、クッション手段5に段差が無くても表裏非対称に変形するが、この段差を設けることにより偏向力を生じるから、表裏での変形を更に非対称とする第2の手段とすることができる。
図2は、請求項4に係る発明の実施例を示す、装置中心線での縦断面図である。板バネ1の構成、即ち、1A乃至1C及びクッション部5等は図1で示したものと同じであるが、座体3の表側には滑走体としての身箱状の内ケース8が固定されており、これが板バネ支持体9の四方側壁をガイドとして摺動し、強固なガイド手段を構成している。板バネ支持体9の側壁深さは板バネ1の本来の裏側変形量より浅くなっているため、板バネ1が裏側へ飛び移り座屈を生起すると、想像線で示すように内ケース8が板バネ支持体9の底に突き当たり、本来の裏側変形の中途で強制的に停止させるようになっている。この構造は請求項3に記載した、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
そして、板バネ1の裏側にはアーチ状の補助板バネ6が、その中央部でボルトまたはビス12により板バネ支持体9に固定されている。この補助板バネ6の両端近傍には一対の山形部6Aが設けられており、クッション手段5の谷部5Aは図の実線で示すように、板バネ1が表側へ変形している時には山形部6Aの内側傾斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の表側への変形を補助するよう働く。
一方、谷部5Aは図の想像線で示すように、板バネ1が裏側へ変形している時には、山形部6Aの外側斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の外側への変形を補助するよう働く。そして、谷部5Aは補助板バネ6の山形部面上を常にバネ圧力を受けつつ滑動するから、板バネ1の変形を適度に制動し軌道上を滑るように安定化させ、過大なリバウンドも抑制し、板バネの疲労やヘタリを防ぐ。
そして、板バネ1の裏側にはアーチ状の補助板バネ6が、その中央部でボルトまたはビス12により板バネ支持体9に固定されている。この補助板バネ6の両端近傍には一対の山形部6Aが設けられており、クッション手段5の谷部5Aは図の実線で示すように、板バネ1が表側へ変形している時には山形部6Aの内側傾斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の表側への変形を補助するよう働く。
一方、谷部5Aは図の想像線で示すように、板バネ1が裏側へ変形している時には、山形部6Aの外側斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の外側への変形を補助するよう働く。そして、谷部5Aは補助板バネ6の山形部面上を常にバネ圧力を受けつつ滑動するから、板バネ1の変形を適度に制動し軌道上を滑るように安定化させ、過大なリバウンドも抑制し、板バネの疲労やヘタリを防ぐ。
図3及び4は、請求項5及び7に係る発明の実施例として、引戸開閉用マグネットキャッチに利用した装置を示すものであり、図4は装置全体の外観を示す斜視図、図3は双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置側のみの中心線での縦断面図である。
図3に於いて、板バネ1の中央に鉄板製の磁着受部3A及び合成樹脂製の座体3をネジ12により固定し、磁着受部3Aには身箱状(但し、内ケース上下側板8Aは板バネ1との裏側反転中の接触を避けるため、一部切り欠いている)合成樹脂製の内ケース8を固着して、防音のためそれを挟んで磁石4に吸着するようにしている。身箱状の板バネ支持体9の表側板9Aには内ケース8が入出できるよう開口部が設けられており、前後両側面には一対の支持軸2を固定して、これにより板バネ1を支持している。
板バネ支持体9の裏側中央には幅(前後)方向の横梁10が固定され、これが座体を兼ね、第二段板バネ1’がその中央でネジ12により固定されている。第二段板バネ支持体9’は、蓋箱状に第一段の板バネ支持体9と嵌合しつつ往復動自在になっており、裏側面は2本のネジ12によりL字型固定金具11に固定されている。更に、そのL字型固定金具11は、2本のネジ12により戸13に固定されている。
このようにしたから、戸閉め時、磁着受部3Aは裏方向へ押され、内ケース8が板バネ支持体表側板9Aの開口部を通過しつつ、板バネ1の裏方向への変形が進行し、想像線に示すように裏側へ反転する。一段目の変形が終了した後、更に内ケース8を裏方向へ押すと、板バネ支持体9が滑走体、第二段板バネ支持体9’がガイドとして、四方側面摺動しつつ第二段板バネ1’を裏側へ変形させるが、磁石4の吸着力により第二段板バネ1’は第二段板バネ支持体9’内の想像線で示す位置で停止する。この時、横梁10の可動距離kは第二段板バネ1’の本来の裏側変形量より小さくしてあるので、次回戸を開く時まで戸13を戸口枠体14に引付け続ける。この手法も実施例2と同様であって、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
このようにして、請求項1乃至4に記載の発明装置を組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることにより、該装置の対応できる荷重と変形量を拡大し、そのことにより板バネで制御できる戸と枠体間距離を拡大して、ソフト感ある戸閉装置として改善することができる。
図3に於いて、板バネ1の中央に鉄板製の磁着受部3A及び合成樹脂製の座体3をネジ12により固定し、磁着受部3Aには身箱状(但し、内ケース上下側板8Aは板バネ1との裏側反転中の接触を避けるため、一部切り欠いている)合成樹脂製の内ケース8を固着して、防音のためそれを挟んで磁石4に吸着するようにしている。身箱状の板バネ支持体9の表側板9Aには内ケース8が入出できるよう開口部が設けられており、前後両側面には一対の支持軸2を固定して、これにより板バネ1を支持している。
板バネ支持体9の裏側中央には幅(前後)方向の横梁10が固定され、これが座体を兼ね、第二段板バネ1’がその中央でネジ12により固定されている。第二段板バネ支持体9’は、蓋箱状に第一段の板バネ支持体9と嵌合しつつ往復動自在になっており、裏側面は2本のネジ12によりL字型固定金具11に固定されている。更に、そのL字型固定金具11は、2本のネジ12により戸13に固定されている。
このようにしたから、戸閉め時、磁着受部3Aは裏方向へ押され、内ケース8が板バネ支持体表側板9Aの開口部を通過しつつ、板バネ1の裏方向への変形が進行し、想像線に示すように裏側へ反転する。一段目の変形が終了した後、更に内ケース8を裏方向へ押すと、板バネ支持体9が滑走体、第二段板バネ支持体9’がガイドとして、四方側面摺動しつつ第二段板バネ1’を裏側へ変形させるが、磁石4の吸着力により第二段板バネ1’は第二段板バネ支持体9’内の想像線で示す位置で停止する。この時、横梁10の可動距離kは第二段板バネ1’の本来の裏側変形量より小さくしてあるので、次回戸を開く時まで戸13を戸口枠体14に引付け続ける。この手法も実施例2と同様であって、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
このようにして、請求項1乃至4に記載の発明装置を組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることにより、該装置の対応できる荷重と変形量を拡大し、そのことにより板バネで制御できる戸と枠体間距離を拡大して、ソフト感ある戸閉装置として改善することができる。
図5は、請求項5及び7に係る発明の第2の実施例を示し、引戸開閉用マグネットキャッチに利用した装置の中心線での縦断面図である。実施例3では磁着受部を内包する内ケースが板バネ支持体内に入出する方式であったのに対し、本例では内ケースを設けず、磁石4に高さを持たせて磁石4自体が直接板バネ支持体9内に入出する構造としているため、比較的安価にできる。
即ち、磁石4は板バネ1を反転させるに十分な座高を持たせる磁石ケース4Aに固定し、図A−A視に示すようにその前側底部をL字型として2本のネジ12により戸口枠体14に固定している。一方、戸13側には磁石4と磁着受部3Aが対向するよう、上記双アーチ形飛移り座屈板バネ装置をL字型固定金具11により実施例3と同様に固定している。この例とは逆に磁石4を戸13側に固定しても良く、開き戸では板バネ装置に戸当たりを兼ねさせることができるので、その方が好ましい。
板バネ支持体9は組立前段階で身箱状であるが、板バネ1に長手方向圧縮力を負荷してアーチ状にしつつ両支持軸2を組込んだ後、磁着受部3Aと面一で、かつ、それが入出できる開口部を形成するよう、板バネ支持体表側板9Aを嵌め込んで固定し、箱状とする。
戸閉時、戸13が枠体14に接近するに従い、磁石4が磁着受部3Aを吸着した後、板バネ支持体9の内部に嵌入し、図中想像線で示す状態となって停止する。板バネ支持体表側板9Aの位置は戸13の端面と一致させても良いが、図のようにやや裏側に固定すれば、実施例3と同様、戸13が停止した時に一定の力で枠体14に引付けられる。
即ち、磁石4は板バネ1を反転させるに十分な座高を持たせる磁石ケース4Aに固定し、図A−A視に示すようにその前側底部をL字型として2本のネジ12により戸口枠体14に固定している。一方、戸13側には磁石4と磁着受部3Aが対向するよう、上記双アーチ形飛移り座屈板バネ装置をL字型固定金具11により実施例3と同様に固定している。この例とは逆に磁石4を戸13側に固定しても良く、開き戸では板バネ装置に戸当たりを兼ねさせることができるので、その方が好ましい。
板バネ支持体9は組立前段階で身箱状であるが、板バネ1に長手方向圧縮力を負荷してアーチ状にしつつ両支持軸2を組込んだ後、磁着受部3Aと面一で、かつ、それが入出できる開口部を形成するよう、板バネ支持体表側板9Aを嵌め込んで固定し、箱状とする。
戸閉時、戸13が枠体14に接近するに従い、磁石4が磁着受部3Aを吸着した後、板バネ支持体9の内部に嵌入し、図中想像線で示す状態となって停止する。板バネ支持体表側板9Aの位置は戸13の端面と一致させても良いが、図のようにやや裏側に固定すれば、実施例3と同様、戸13が停止した時に一定の力で枠体14に引付けられる。
従来スプリング又はベルトハンマーの基本構造は弓矢に例えられ、弓、矢、弦に相当するのが、夫々板バネ、ハンマー、弦棒又はベルトであり、ハンマーは一定運動を行うクランク機構から一定程度分離され、多様な材料厚さに対応できるよう柔軟で、かつ、加速的に上下運動する。これに対し図6は、それとはやや異なった構造のスプリングハンマーを提案しつつ、請求項5及び6の具体的利用法を説明するための構想図である。
図に於いて、板バネ1及び第二段板バネ1’が機体20の中間近傍に水平に設けられ、左右の支持軸2は夫々端部台22を介して共に板バネ支持体9に固定されている一方、夫々の座体3は共に下滑走体26Aに連結され、垂直なガイド21に沿って一体となって移動するようになっているから、本機は請求項5に記載の第2の構造となっている。
また、全端部台22には間隔調整ネジ23が設けられているから、左右の支持軸2の間隔は自在に調整可能であり、本機は請求項6に記載の構造ともなっている。
第二段板バネ1’の座体3の下側にハンマーヘッド27を、取付け台27Aを介して固定してそれらによる荷重は板バネ1と第二段板バネ1’とで支え、更に、下滑走体26Aとは別体の上滑走体26Bを設け、これにロッド24とクランク機構の連接棒25が連結されているから、ハンマー作業による衝撃は駆動系に直接伝わることがない。
図に於いて、板バネ1及び第二段板バネ1’が機体20の中間近傍に水平に設けられ、左右の支持軸2は夫々端部台22を介して共に板バネ支持体9に固定されている一方、夫々の座体3は共に下滑走体26Aに連結され、垂直なガイド21に沿って一体となって移動するようになっているから、本機は請求項5に記載の第2の構造となっている。
また、全端部台22には間隔調整ネジ23が設けられているから、左右の支持軸2の間隔は自在に調整可能であり、本機は請求項6に記載の構造ともなっている。
第二段板バネ1’の座体3の下側にハンマーヘッド27を、取付け台27Aを介して固定してそれらによる荷重は板バネ1と第二段板バネ1’とで支え、更に、下滑走体26Aとは別体の上滑走体26Bを設け、これにロッド24とクランク機構の連接棒25が連結されているから、ハンマー作業による衝撃は駆動系に直接伝わることがない。
ロッド24は座体3中央に設けられた孔を通過して上下動できるが、その下端には下ストッパー24Bを、板バネ1が下側への変形荷重を受け始める時の座体3上面に接する位置には上ストッパー24Aを備え、その時点では図6の実線で示す状態にある。
上ストッパー24Aにより座体3が押下げられると、板バネ1と第二段板バネ1’の下側への変形が同時に始まり、飛び移り座屈により反転してハンマーヘッド27を打ち下ろし、図6の想像線で示す状態となる。この時、下ストッパー24B下面は第二段板バネ1’の座体3下面よりhだけ突出している。打ち下し後は、下ストッパー24Bがhだけ引上げられて先ず第二段板バネ1’の座体3の下面に接触し、次いで第二段板バネ1’及び板バネ1を上側アーチ状に座屈させ、上滑走体26Bを上死点に至らしめる。
このようにしたから、座体3への負荷に応じて板バネ1及び第二段板バネ1’は同時に表裏方向に往復動し、単に飛び移り座屈による瞬発力を利用するだけでなく、板バネの振幅が従来機より著しく大きいから、ハンマーを加速して強力な打ち下ろしを可能とする。
尚、本例に示した基本構造は、1枚の板バネとしても利用できるし、又、構成部材の耐用年数向上のため、上記クッション手段を導入しても良い。その場合のクッション手段は、谷状に屈曲させたものとは限らず、軸受部1Cの外側に隣接してコイルバネを用いても良い。
上ストッパー24Aにより座体3が押下げられると、板バネ1と第二段板バネ1’の下側への変形が同時に始まり、飛び移り座屈により反転してハンマーヘッド27を打ち下ろし、図6の想像線で示す状態となる。この時、下ストッパー24B下面は第二段板バネ1’の座体3下面よりhだけ突出している。打ち下し後は、下ストッパー24Bがhだけ引上げられて先ず第二段板バネ1’の座体3の下面に接触し、次いで第二段板バネ1’及び板バネ1を上側アーチ状に座屈させ、上滑走体26Bを上死点に至らしめる。
このようにしたから、座体3への負荷に応じて板バネ1及び第二段板バネ1’は同時に表裏方向に往復動し、単に飛び移り座屈による瞬発力を利用するだけでなく、板バネの振幅が従来機より著しく大きいから、ハンマーを加速して強力な打ち下ろしを可能とする。
尚、本例に示した基本構造は、1枚の板バネとしても利用できるし、又、構成部材の耐用年数向上のため、上記クッション手段を導入しても良い。その場合のクッション手段は、谷状に屈曲させたものとは限らず、軸受部1Cの外側に隣接してコイルバネを用いても良い。
1 板バネ
1A 板バネ主体部
1B 板バネ中央部
1C 軸受部
1’ 第二段板バネ
2 支持軸
3 座体
3A 磁着受部
4 磁石
4A 磁石ケース
5 クッション手段
5A 谷部
6 補助板バネ
6A 山形部
7 ガイド用ロッド(滑走体)
8 内ケース
8A 内ケース上下側板
9 板バネ支持体
9A 板バネ支持体表側板
9’ 第二段板バネ支持体
10 横梁
11 L字型固定金具
12 ネジ(またはボルト)
13 戸
14 戸口枠体
20 機体
21 ガイド
22 端部台
23 間隔調整ネジ
24 ロッド
24A 上ストッパー
24B 下ストッパー
25 連接棒
26A 下滑走体
26B 上滑走体
27 ハンマーヘッド
27A 取付け台
Z 板バネ主体部と軸受部の接点
1A 板バネ主体部
1B 板バネ中央部
1C 軸受部
1’ 第二段板バネ
2 支持軸
3 座体
3A 磁着受部
4 磁石
4A 磁石ケース
5 クッション手段
5A 谷部
6 補助板バネ
6A 山形部
7 ガイド用ロッド(滑走体)
8 内ケース
8A 内ケース上下側板
9 板バネ支持体
9A 板バネ支持体表側板
9’ 第二段板バネ支持体
10 横梁
11 L字型固定金具
12 ネジ(またはボルト)
13 戸
14 戸口枠体
20 機体
21 ガイド
22 端部台
23 間隔調整ネジ
24 ロッド
24A 上ストッパー
24B 下ストッパー
25 連接棒
26A 下滑走体
26B 上滑走体
27 ハンマーヘッド
27A 取付け台
Z 板バネ主体部と軸受部の接点
本発明は、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置と、それを利用した板バネ式マグネットキャッチに関する。
バネ材のスナップスルー現象(以下、「飛移り座屈」と記す)を応用した装置として、最近、片持ち式で板バネを支持する形式の「板バネ式マグネットキャッチ」(特許文献2)が発明され、続いて両端支持形式の「双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置とそれを応用したマグネットキャッチ」(特許文献1)が発明された。
図7は、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置に於ける、クッション手段の位置による分類を説明するための、概念図である。図7(A)は従来衆知の基本的な例として、クッション手段を備えない1枚の細長形板バネを、揺動自在(X)にその上下両端部を表裏対称の固定した蝶番で支持し、板バネの長手(Y)方向に一定の圧縮力を加えて表側へのアーチを形成させた場面を側面図の実線で示している。この板バネ中央部を一定以上の外力fで裏側へ押すと、長手方向に更に圧縮されて飛び移り座屈を生起し、強い瞬発力を伴って想像線で示す裏側へのアーチ形状となり、静止する。裏側から表側へはこれと逆の操作を行うことで、元の表側アーチ形状に戻る。
ところがこの操作中、何らかの要因があると、半分だけ反転して想像線で示すようなS字状となるなど不安定な変形が生ずることが、理論的にも衆知されている。それでも途中経路に拘わらず、常に元の形状と少なくとも平行を保った反転形状になって静止するなら、それなりに利用法も考えられるが、そうならない場合が往々にして経験される。
ところがこの操作中、何らかの要因があると、半分だけ反転して想像線で示すようなS字状となるなど不安定な変形が生ずることが、理論的にも衆知されている。それでも途中経路に拘わらず、常に元の形状と少なくとも平行を保った反転形状になって静止するなら、それなりに利用法も考えられるが、そうならない場合が往々にして経験される。
また、上記のように、板バネには長手方向に初めから圧縮力が加えられているところへ、更に板バネ長さより狭い軸間隔を通過させるため、板バネが両端の支持軸心を結ぶ中心線(以下、「側面中心線」と記す)を通過する時点で圧縮力が最大となり、大きな応力が板バネに発生するから、このような操作を繰り返すと、板バネ又はその周辺の構成部材の何れかの個所で疲労破壊が生じ易いという留意点がある。
文献1及び2の発明は、上記した飛び移り座屈の留意点に適切な策を講じつつ、マグネットキャッチ等に飛び移り座屈の特徴を活かした新規の構造を提案したものである。
マグネットキャッチは屋内器具であるから静粛性とソフト感が要求される。図7(C)は板バネの中央部に座体を固定して板バネ主体部を2つに分断した上、両端部近傍にクッション手段とその内側に揺動自在とする機能を備えさせた装置を示した概念図であるが、圧縮応力に対応した変形の一部をクッション手段で担うため、図7(A)に示した構造の場合より板バネの最大応力を緩和すると共に、飛び移り座屈に伴う瞬発力も縮小し、比較的穏やかな反転を得ることができる。
文献1の明細書と図面で示された実施例は、クッション手段に裏板バネを用いる手法を含め、全て(C)形式に属するものである。この発明により、上記した従来の問題点を、上記クッション手段に加え、板バネ中央部に座体を固定してそれに直角ガイドを備えさせるなどして、改善した。
尚、図7は概念図であって、細部の構造により、表裏反転形状が非対称となる場合がある。(B)、(D)及び(E)形式については、後述する。
マグネットキャッチは屋内器具であるから静粛性とソフト感が要求される。図7(C)は板バネの中央部に座体を固定して板バネ主体部を2つに分断した上、両端部近傍にクッション手段とその内側に揺動自在とする機能を備えさせた装置を示した概念図であるが、圧縮応力に対応した変形の一部をクッション手段で担うため、図7(A)に示した構造の場合より板バネの最大応力を緩和すると共に、飛び移り座屈に伴う瞬発力も縮小し、比較的穏やかな反転を得ることができる。
文献1の明細書と図面で示された実施例は、クッション手段に裏板バネを用いる手法を含め、全て(C)形式に属するものである。この発明により、上記した従来の問題点を、上記クッション手段に加え、板バネ中央部に座体を固定してそれに直角ガイドを備えさせるなどして、改善した。
尚、図7は概念図であって、細部の構造により、表裏反転形状が非対称となる場合がある。(B)、(D)及び(E)形式については、後述する。
上記のように、特に文献1の発明は、広範囲の機械装置内に実用化されるよう提案されたものであるが、未だにその普及を見ていない。その理由の一つは、該発明は基本的な技術内容に留まっていてその利用法の理解が得られていないためであり、従って、発明内容をより多様化して、具体的利用法を示す必要があると思われる。
そこで、本発明が解決しようとする課題の第一は、文献1の発明の原理を一部活かしつつも、諸機械に適合し易いよう双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の構造を一層多様化させ、具体例を示して多くの機械装置に対して利用し易くすることである。そのため、実施例としてマグネットキャッチを示すほか、スプリングハンマーへの利用構想を示す。
そこで、本発明が解決しようとする課題の第一は、文献1の発明の原理を一部活かしつつも、諸機械に適合し易いよう双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の構造を一層多様化させ、具体例を示して多くの機械装置に対して利用し易くすることである。そのため、実施例としてマグネットキャッチを示すほか、スプリングハンマーへの利用構想を示す。
従来の戸開閉用マグネットキャッチでは、戸開時に磁石から離脱するために一気に力が必要となる致命的な弱点があるため、その利用は殆ど軽い開き戸の分野に留まっている。本発明の課題の第二は、本発明の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置を利用した簡易な一応用例として、マグネットキャッチに適用する場合の具体的手法を示し、文献1の発明より一層ソフトな感触で確実に戸閉する装置を、安価に、かつ、手軽に装着できるようなものとして、提供することである。
請求項1に記載の発明は、
略細長形の板バネに於いて、
前記板バネの中央部分に一定寸法の座体を固定し、前記板バネの端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状とした一対の軸受部を備え、
該軸受部と前記座体との間の部位たる一対の板バネ主体部に、長手方向に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成し、
前記座体の移動を前記板バネの直角方向に制限するガイド手段を備え、
板バネ支持体と前記軸受部とに前記支持軸を挿通し連結して、前記板バネを揺動自在に両端支持し、
表裏何れの方向へも前記座体への一定以上の負荷により、前記両板バネ主体部に略同時に同方向の飛移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
略細長形の板バネに於いて、
前記板バネの中央部分に一定寸法の座体を固定し、前記板バネの端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状とした一対の軸受部を備え、
該軸受部と前記座体との間の部位たる一対の板バネ主体部に、長手方向に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成し、
前記座体の移動を前記板バネの直角方向に制限するガイド手段を備え、
板バネ支持体と前記軸受部とに前記支持軸を挿通し連結して、前記板バネを揺動自在に両端支持し、
表裏何れの方向へも前記座体への一定以上の負荷により、前記両板バネ主体部に略同時に同方向の飛移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
即ち、請求項1に記載の発明は、クッション手段を備えることを要件にしていないから、図7(B)の形式を想起させつつも、(C)乃至(E)の形式を除外していない。しかし、上記板バネの端部形状とそれを上記板バネ支持体で支持する構造等に独自の特徴があって表裏反転形状が非対称であり、座体を必ずしも剛体としないので、文献1の発明とは共に(C)形式の範疇に属する部分があっても、異なるものである。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備えた、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項1に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備えた、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
即ち、請求項2に記載の発明は、上記クッション手段を備えることを要件とし、上記クッション手段の位置が上記軸受部の外側の場合は図7(C)、内側の場合は(D)、上記板バネ中央部に隣接する場合は(E)の形式の範疇に夫々属する。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記両支持軸を結ぶ中心線に対する上記板バネの表裏への変形形状を、非対称とする手段を2つ以上備えた、
又は、上記板バネが、表裏何れかの側への反転後静止せず、前記座体への除荷後元に復帰するようにした、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項1又は2に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記両支持軸を結ぶ中心線に対する上記板バネの表裏への変形形状を、非対称とする手段を2つ以上備えた、
又は、上記板バネが、表裏何れかの側への反転後静止せず、前記座体への除荷後元に復帰するようにした、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置、である。
請求項4に記載の発明は、
請求項2又は3に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの上記軸受部の内側にその断面を谷状に屈曲したクッション手段を備え、
上記板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で中央部を固定した補助板バネを設け、
該補助板バネの両端近傍には、上記クッション手段の谷部が上記支持軸周りに揺動するに伴い、該谷部に前記補助板バネの面圧下で滑動させることにより、板バネの変形を適度に制動しつつ補助する山形部を設けたことを特徴とする、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項2又は3に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの上記軸受部の内側にその断面を谷状に屈曲したクッション手段を備え、
上記板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で中央部を固定した補助板バネを設け、
該補助板バネの両端近傍には、上記クッション手段の谷部が上記支持軸周りに揺動するに伴い、該谷部に前記補助板バネの面圧下で滑動させることにより、板バネの変形を適度に制動しつつ補助する山形部を設けたことを特徴とする、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの中から組合せて複数並列させ、
上記各板バネに夫々独立した滑走体と上記板バネ支持体を設けて、最前列の上記座体に前記滑走体を固定し、上記板バネ支持体の後端に隣接する上記座体を夫々固定し、かつ、全ての上記板バネ支持体が順次嵌合しつつ往復動自在として上記ガイド手段ともなし、
又は、ガイドを備えた1つの上記板バネ支持体で全ての上記板バネを夫々支持し、1つの前記滑走体に全ての上記座体を夫々固定し、前記ガイドと前記滑走体とにより上記ガイド手段を構成することにより、
複数の上記板バネに、連動して飛び移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの中から組合せて複数並列させ、
上記各板バネに夫々独立した滑走体と上記板バネ支持体を設けて、最前列の上記座体に前記滑走体を固定し、上記板バネ支持体の後端に隣接する上記座体を夫々固定し、かつ、全ての上記板バネ支持体が順次嵌合しつつ往復動自在として上記ガイド手段ともなし、
又は、ガイドを備えた1つの上記板バネ支持体で全ての上記板バネを夫々支持し、1つの前記滑走体に全ての上記座体を夫々固定し、前記ガイドと前記滑走体とにより上記ガイド手段を構成することにより、
複数の上記板バネに、連動して飛び移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項6に記載の発明は、
請求項1乃至3及び5の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ主体部の長手方向最大圧縮力を一定範囲で変更できるよう、上記両支持軸の間隔を調整自在とする手段を備えた、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項1乃至3及び5の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ主体部の長手方向最大圧縮力を一定範囲で変更できるよう、上記両支持軸の間隔を調整自在とする手段を備えた、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置、である。
請求項7に記載の発明は、
戸開閉装置に於いて、戸を戸口枠体の側壁、又は戸当りに対して直角に移動させる機構を上記ガイド手段とする、請求項1乃至5の何れかに記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設し、
上記板バネ中央部、又は上記座体に磁着受部を固定し、該磁着受部を固定した身箱状の内ケースを設け、該内ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出するか、
又は、前記磁石は磁石ケースにより一定の高さを有し、該磁石ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出できるようにし、
上記磁石の吸着力を、上記板バネの飛移り座屈を生起させる力以上とすることにより、
前記戸を開閉の都度、上記板バネに表裏両方向への飛移り座屈を順次生起させることを特徴とする、板バネ式マグネットキャッチ、である。
戸開閉装置に於いて、戸を戸口枠体の側壁、又は戸当りに対して直角に移動させる機構を上記ガイド手段とする、請求項1乃至5の何れかに記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設し、
上記板バネ中央部、又は上記座体に磁着受部を固定し、該磁着受部を固定した身箱状の内ケースを設け、該内ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出するか、
又は、前記磁石は磁石ケースにより一定の高さを有し、該磁石ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出できるようにし、
上記磁石の吸着力を、上記板バネの飛移り座屈を生起させる力以上とすることにより、
前記戸を開閉の都度、上記板バネに表裏両方向への飛移り座屈を順次生起させることを特徴とする、板バネ式マグネットキャッチ、である。
請求項1に記載の発明に依れば、板バネの両端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状(以下、「巻足台状」と記す)に軸受部を設けるから、板バネの両端部を比較的容易に円筒状に成形して軸受部とすることができ、コスト的に有利である。図8は、本発明に係る板バネにクッション手段を備えない構造例を示したものであるが、長手方向に圧縮力を掛けてアーチ状とする前の時点では、想像線で示すように、板バネ主体部1Aは軸受部1Cから略接線方向にあり、その接点Zと軸心との距離rは側面中心線より軸の半径以上である。このことが、次の特徴を生む要因となっている。
この接点Zは板バネ長手方向に圧縮力pを掛けると、板バネが実線で示す表側アーチの時にZ 1 、想像線で示す裏側アーチの時はZ 2 へ移動するが、Z 2 がZ1よりhだけ内側に位置するから、当然裏側では表側より深いアーチとなり、両アーチは側面中心線に対して対称とはならない。hが僅かでもアーチ深さへの影響は大きく、これが板バネの表裏への変形を非対称とする第1の手段であり、この特徴は以下の全請求項に記載の発明に共通する。
この接点Zは板バネ長手方向に圧縮力pを掛けると、板バネが実線で示す表側アーチの時にZ 1 、想像線で示す裏側アーチの時はZ 2 へ移動するが、Z 2 がZ1よりhだけ内側に位置するから、当然裏側では表側より深いアーチとなり、両アーチは側面中心線に対して対称とはならない。hが僅かでもアーチ深さへの影響は大きく、これが板バネの表裏への変形を非対称とする第1の手段であり、この特徴は以下の全請求項に記載の発明に共通する。
請求項1に記載の発明に依れば、板バネに巻足台状に設けた一対の軸受に、板バネ支持体に備えた支持軸を挿通するから、文献1で示された屈曲したクッション手段の内側に揺動性を持たせる構造より高い揺動自在性を持つことができる。また、板バネの中央に固定した座体の移動を板バネの直角方向に制限するガイド手段を備えたから、座体への負荷時に板バネ主体部の片側のみが反転して板バネがS字状となる等の不安定な変形を、少なくとも反転後の静止時には解消することができる。
本装置がクッション手段を具備しない場合には、板バネの最大応力と反転に伴う瞬発力の緩和の効果を持たない。しかし、用途によっては、マグネットキャッチの場合とは逆にその方を好む場合もある。例えば、仮に本装置をスプリングハンマー等の鍛圧機械に利用する場合は、当然ハンマーを強く打ち下ろしたいのであるから、クッション手段を備えない構造が選択される可能性が高い。
本装置がクッション手段を具備しない場合には、板バネの最大応力と反転に伴う瞬発力の緩和の効果を持たない。しかし、用途によっては、マグネットキャッチの場合とは逆にその方を好む場合もある。例えば、仮に本装置をスプリングハンマー等の鍛圧機械に利用する場合は、当然ハンマーを強く打ち下ろしたいのであるから、クッション手段を備えない構造が選択される可能性が高い。
請求項1に記載の構造に於ける座体は、必ずしも剛体とは限らないことも文献1の発明と異なるが、これは、座体はその機能を果たすために必ずしも完全な剛体化を必要としないと判明したためであり、むしろ座体に一定の弾力性を持たせることにより、板バネ主体部との境界部での応力集中を軽減する利点がある。
請求項2に記載の発明に依れば、上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称な一対のクッション手段を設けたから、何れの場合も板バネへの圧縮応力と変形の一部をクッション手段が担って装置各構成部材への荷重負担を軽減し、飛び移り座屈に伴う瞬発力を緩和して作動のソフト感を創出することができる。
次に、請求項3について述べる。上記の通り全ての請求項に記載の発明に於いて、表裏の変形は軸受部の構造が1つの手段となって、側面中心線に対して非対称となる。しかし、その手段による差異は支持軸が小径である場合には限定的である。一方、実用上では表裏での変形や瞬発力の差をもっと拡大したい場合がある。例えば、マグネットキャッチでは表側のクッション効果より裏側の引付け効果の方が、スプリングハンマーの場合はハンマーを打ち下ろす方が、遥かに重要である。請求項3はその必要性に応えようとするものである。
上記板バネの表裏両側での変形を側面中心線に対して更に非対称とする手段は、少なくない。最も単純には、表裏何れかの側に板バネの飛び移り座屈を強制的に中途阻止する障害物を設ければ良い。その他、支持軸の径をこの目的で大きくしても良いし、請求項2に記載の発明に於けるクッション手段を谷状に屈曲したものとした上、その谷の両辺に段差を設けても良い。それらを2つ目以降の手段として、複数併用しても良い。
本発明に於いて、表裏何れか一方への座屈変形を適当な中途位置で停止させる手段を講じると、停止した板バネに正規の座屈を生起しようとする力を残留させる効果がある。例えばこれを戸開閉用マグネットキャッチに利用すると、戸閉後でも戸を一定の力で枠体に引付け続けるという重要な機能を持たせることができる。
上記板バネの表裏両側での変形を側面中心線に対して更に非対称とする手段は、少なくない。最も単純には、表裏何れかの側に板バネの飛び移り座屈を強制的に中途阻止する障害物を設ければ良い。その他、支持軸の径をこの目的で大きくしても良いし、請求項2に記載の発明に於けるクッション手段を谷状に屈曲したものとした上、その谷の両辺に段差を設けても良い。それらを2つ目以降の手段として、複数併用しても良い。
本発明に於いて、表裏何れか一方への座屈変形を適当な中途位置で停止させる手段を講じると、停止した板バネに正規の座屈を生起しようとする力を残留させる効果がある。例えばこれを戸開閉用マグネットキャッチに利用すると、戸閉後でも戸を一定の力で枠体に引付け続けるという重要な機能を持たせることができる。
端的に、表裏何れかの側への変形後停止せず、座体への除荷直後、元に復帰するようにすることもできる。その方法としては、板バネ変形の非対称性を拡大する上記方法を強化すれば良いが、瞬発力が弱くても良い場合は、板バネの両軸受部間距離と支持軸間距離の差を小さくして板バネ主体部への圧縮応力を一定以下とする方法もある。
請求項4に記載の発明に依れば、谷状に屈曲したクッション手段を備えた板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で両端近傍に山形部を備えた補助板バネを設けてその中央部を固定し、クッション手段の谷部が支持軸周りに揺動するに伴い、谷部がこの山形部を介して補助板バネからの面圧力を受けながらその面上を滑動させるようにしている。
即ち、裏側へ変形する時は谷部が補助板バネを押し下げながら山形部を上り、頂部を通過すると下って両谷部の間隔を押し広げるよう働き、従って裏側変形を支援する。表側へ変形する時はそれと逆の経路で同様に働くので、板バネの変形進行は適度に制動されつつ補助され、あたかも軌道上を滑るように安定的で確実なものとなり、かつ、板バネのヘタリや劣化を防止する。
即ち、裏側へ変形する時は谷部が補助板バネを押し下げながら山形部を上り、頂部を通過すると下って両谷部の間隔を押し広げるよう働き、従って裏側変形を支援する。表側へ変形する時はそれと逆の経路で同様に働くので、板バネの変形進行は適度に制動されつつ補助され、あたかも軌道上を滑るように安定的で確実なものとなり、かつ、板バネのヘタリや劣化を防止する。
請求項5に記載の発明に依れば、請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置の何れかを組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることができるから、該装置の効果を複数倍とすることができる。
本発明には二つの選択肢があり、一つは各板バネに個別の支持体と滑走体があり、各板バネの変形に伴ってそれらが連動するものであり、従ってバネ変形の総振幅を長くし、よりソフトな動きとなる。
それに対して他の一つは、一つの支持体に全ての板バネが支持されるので、振幅は拡大されない代わりに瞬発力は複数倍となる。スプリングハンマーのように板バネが比較的厚板となる場合、加工容易な複数のより薄い板バネとする手法としての利用も考えられる。
本発明には二つの選択肢があり、一つは各板バネに個別の支持体と滑走体があり、各板バネの変形に伴ってそれらが連動するものであり、従ってバネ変形の総振幅を長くし、よりソフトな動きとなる。
それに対して他の一つは、一つの支持体に全ての板バネが支持されるので、振幅は拡大されない代わりに瞬発力は複数倍となる。スプリングハンマーのように板バネが比較的厚板となる場合、加工容易な複数のより薄い板バネとする手法としての利用も考えられる。
請求項6に記載の発明に依れば、請求項1乃至3の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置に対して、板バネの支持軸間隔を調整自在とする手段を具備したから、これにより板バネの反転に伴う変形量や瞬発力等を調整できる。例えば本発明をスプリングハンマーに利用すれば、ハンマーを打ち下ろす力や振幅を調整できるだけでなく、強力な板バネの組立作業を容易化することができる。
尚、本発明は構造がやや複雑となり、請求項7のマグネットキャッチには不適と思われるので、適用外とした。
尚、本発明は構造がやや複雑となり、請求項7のマグネットキャッチには不適と思われるので、適用外とした。
請求項7に記載のマグネットキャッチに依れば、請求項1乃至5に記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設したから、上記各請求項の特徴を有し、かつ、箱状ケースに装置を内包させることにより、外観を改善したマグネットキャッチとすることができる。
そして、屋内器具としてのマグネットキャッチにはソフト感のある機能が求められるから、クッション手段を備えた請求項2を基本とした利用法が好ましい。例えば請求項2及び5に記載の装置を用いた場合は、装置のコンパクト性を保ちつつ板バネで制御できる戸口の空間領域を拡大して、戸閉装置としての性能を著しく改善することができる。
本発明には2つの選択肢があり、1つは、磁着受部を収めた内ケースが箱状板バネ支持体に入出する方式、他の1つは、磁石ケースに高さを持たせ、それが箱状板バネ支持体に入出する方式である。後者の方が内ケースを不要とする分、安価とする利点がある。
そして、屋内器具としてのマグネットキャッチにはソフト感のある機能が求められるから、クッション手段を備えた請求項2を基本とした利用法が好ましい。例えば請求項2及び5に記載の装置を用いた場合は、装置のコンパクト性を保ちつつ板バネで制御できる戸口の空間領域を拡大して、戸閉装置としての性能を著しく改善することができる。
本発明には2つの選択肢があり、1つは、磁着受部を収めた内ケースが箱状板バネ支持体に入出する方式、他の1つは、磁石ケースに高さを持たせ、それが箱状板バネ支持体に入出する方式である。後者の方が内ケースを不要とする分、安価とする利点がある。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置及びそれを利用した戸開閉用マグネットキャッチとスプリングハンマーについて説明する。
図1は、請求項2及び3に係る発明装置であって、軸受部1Cの内側に隣接して設けたクッション手段5を、断面を屈曲した内辺と外辺とで段差のある谷状とする実施例を示し、(A)は装置中心線での縦断面図、(B)は正面図である。板バネ1は、板バネ中央部1Bとその両側に夫々一対の板バネ主体部1A、クッション手段5、軸受部1Cとで構成し、1枚の板バネ材から成る。板バネ1の端部は巻足台状に成形されて軸受部1Cとし、支持軸2が挿通されるが、先ず一方の支持軸2のみを挿通した段階では板バネ主体部1Aは平板のまま、垂直な想像線で示すようになっている。この時、クッション手段5は略水平方向にあり、谷部5Aを挟む両側辺は適量の段差h0を有する。
両軸受部1C間の長さは両支持軸2間の距離より適当量長くしているので、板バネ1の長手方向に圧縮力を掛けないと他方の支持軸2を挿通して組立てることができない。この圧縮力を負荷すると、当然板バネ1は想像線で示すように裏側へのアーチ状になるが、座体3又はガイド用ロッド(板バネ支持体9に設けられた孔又は溝をガイドとする滑走体)7を一定量以上表側へ引くと、板バネ主体部1Aが飛び移り座屈を生起して反転し、実線で示す形状となる。
このような構造の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置は、クッション手段5に段差が無くても表裏非対称に変形するが、この段差を設けることにより偏向力を生じるから、表裏での変形を更に非対称とする第2の手段とすることができる。
両軸受部1C間の長さは両支持軸2間の距離より適当量長くしているので、板バネ1の長手方向に圧縮力を掛けないと他方の支持軸2を挿通して組立てることができない。この圧縮力を負荷すると、当然板バネ1は想像線で示すように裏側へのアーチ状になるが、座体3又はガイド用ロッド(板バネ支持体9に設けられた孔又は溝をガイドとする滑走体)7を一定量以上表側へ引くと、板バネ主体部1Aが飛び移り座屈を生起して反転し、実線で示す形状となる。
このような構造の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置は、クッション手段5に段差が無くても表裏非対称に変形するが、この段差を設けることにより偏向力を生じるから、表裏での変形を更に非対称とする第2の手段とすることができる。
図2は、請求項4に係る発明の実施例を示す、装置中心線での縦断面図である。板バネ1の構成、即ち、1A乃至1C及びクッション部5等は図1で示したものと同じであるが、座体3の表側には滑走体としての身箱状の内ケース8が固定されており、これが板バネ支持体9の四方側壁をガイドとして摺動し、強固なガイド手段を構成している。板バネ支持体9の側壁深さは板バネ1の本来の裏側変形量より浅くなっているため、板バネ1が裏側へ飛び移り座屈を生起すると、想像線で示すように内ケース8が板バネ支持体9の底に突き当たり、本来の裏側変形の中途で強制的に停止させるようになっている。この構造は請求項3に記載した、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
そして、板バネ1の裏側にはアーチ状の補助板バネ6が、その中央部でボルトまたはビス12により板バネ支持体9に固定されている。この補助板バネ6の両端近傍には一対の山形部6Aが設けられており、クッション手段5の谷部5Aは図の実線で示すように、板バネ1が表側へ変形している時には山形部6Aの内側傾斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の表側への変形を補助するよう働く。
一方、谷部5Aは図の想像線で示すように、板バネ1が裏側へ変形している時には、山形部6Aの外側斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の外側への変形を補助するよう働く。そして、谷部5Aは補助板バネ6の山形部面上を常にバネ圧力を受けつつ滑動するから、板バネ1の変形を適度に制動し軌道上を滑るように安定化させ、過大なリバウンドも抑制し、板バネの疲労やヘタリを防ぐ。
そして、板バネ1の裏側にはアーチ状の補助板バネ6が、その中央部でボルトまたはビス12により板バネ支持体9に固定されている。この補助板バネ6の両端近傍には一対の山形部6Aが設けられており、クッション手段5の谷部5Aは図の実線で示すように、板バネ1が表側へ変形している時には山形部6Aの内側傾斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の表側への変形を補助するよう働く。
一方、谷部5Aは図の想像線で示すように、板バネ1が裏側へ変形している時には、山形部6Aの外側斜面上にあるから、補助板バネ6のバネ力は板バネ1の外側への変形を補助するよう働く。そして、谷部5Aは補助板バネ6の山形部面上を常にバネ圧力を受けつつ滑動するから、板バネ1の変形を適度に制動し軌道上を滑るように安定化させ、過大なリバウンドも抑制し、板バネの疲労やヘタリを防ぐ。
図3及び4は、請求項5及び7に係る発明の実施例として、引戸開閉用マグネットキャッチに利用した装置を示すものであり、図4は装置全体の外観を示す斜視図、図3は双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置側のみの中心線での縦断面図である。
図3に於いて、板バネ1の中央に鉄板製の磁着受部3A及び合成樹脂製の座体3をネジ12により固定し、磁着受部3Aには身箱状(但し、内ケース上下側板8Aは板バネ1との裏側反転中の接触を避けるため、一部切り欠いている)合成樹脂製の内ケース8を固着して、防音のためそれを挟んで磁石4に吸着するようにしている。身箱状の板バネ支持体9の表側板9Aには内ケース8が入出できるよう開口部が設けられており、前後両側面には一対の支持軸2を固定して、これにより板バネ1を支持している。
板バネ支持体9の裏側中央には幅(前後)方向の横梁10が固定され、これが座体を兼ね、第二段板バネ1’がその中央でネジ12により固定されている。第二段板バネ支持体9’は、蓋箱状に第一段の板バネ支持体9と嵌合しつつ往復動自在になっており、裏側面は2本のネジ12によりL字型固定金具11に固定されている。更に、そのL字型固定金具11は、2本のネジ12により戸13に固定されている。
このようにしたから、戸閉め時、磁着受部3Aは裏方向へ押され、内ケース8が板バネ支持体表側板9Aの開口部を通過しつつ、板バネ1の裏方向への変形が進行し、想像線に示すように裏側へ反転する。一段目の変形が終了した後、更に内ケース8を裏方向へ押すと、板バネ支持体9が滑走体、第二段板バネ支持体9’がガイドとして、四方側面摺動しつつ第二段板バネ1’を裏側へ変形させるが、磁石4の吸着力により第二段板バネ1’は第二段板バネ支持体9’内の想像線で示す位置で停止する。この時、横梁10の可動距離kは第二段板バネ1’の本来の裏側変形量より小さくしてあるので、次回戸を開く時まで戸13を戸口枠体14に引付け続ける。この手法も実施例2と同様であって、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
このようにして、請求項1乃至4に記載の発明装置を組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることにより、該装置の対応できる荷重と変形量を拡大し、そのことにより板バネで制御できる戸と枠体間距離を拡大して、ソフト感ある戸閉装置として改善することができる。
図3に於いて、板バネ1の中央に鉄板製の磁着受部3A及び合成樹脂製の座体3をネジ12により固定し、磁着受部3Aには身箱状(但し、内ケース上下側板8Aは板バネ1との裏側反転中の接触を避けるため、一部切り欠いている)合成樹脂製の内ケース8を固着して、防音のためそれを挟んで磁石4に吸着するようにしている。身箱状の板バネ支持体9の表側板9Aには内ケース8が入出できるよう開口部が設けられており、前後両側面には一対の支持軸2を固定して、これにより板バネ1を支持している。
板バネ支持体9の裏側中央には幅(前後)方向の横梁10が固定され、これが座体を兼ね、第二段板バネ1’がその中央でネジ12により固定されている。第二段板バネ支持体9’は、蓋箱状に第一段の板バネ支持体9と嵌合しつつ往復動自在になっており、裏側面は2本のネジ12によりL字型固定金具11に固定されている。更に、そのL字型固定金具11は、2本のネジ12により戸13に固定されている。
このようにしたから、戸閉め時、磁着受部3Aは裏方向へ押され、内ケース8が板バネ支持体表側板9Aの開口部を通過しつつ、板バネ1の裏方向への変形が進行し、想像線に示すように裏側へ反転する。一段目の変形が終了した後、更に内ケース8を裏方向へ押すと、板バネ支持体9が滑走体、第二段板バネ支持体9’がガイドとして、四方側面摺動しつつ第二段板バネ1’を裏側へ変形させるが、磁石4の吸着力により第二段板バネ1’は第二段板バネ支持体9’内の想像線で示す位置で停止する。この時、横梁10の可動距離kは第二段板バネ1’の本来の裏側変形量より小さくしてあるので、次回戸を開く時まで戸13を戸口枠体14に引付け続ける。この手法も実施例2と同様であって、板バネの表裏への変形を非対称とする手段の一例である。
このようにして、請求項1乃至4に記載の発明装置を組合せて、板バネを複数並列させ、それらに連動して飛び移り座屈を生起させることにより、該装置の対応できる荷重と変形量を拡大し、そのことにより板バネで制御できる戸と枠体間距離を拡大して、ソフト感ある戸閉装置として改善することができる。
図5は、請求項5及び7に係る発明の第2の実施例を示し、引戸開閉用マグネットキャッチに利用した装置の中心線での縦断面図である。実施例3では磁着受部を内包する内ケースが板バネ支持体内に入出する方式であったのに対し、本例では内ケースを設けず、磁石4に高さを持たせて磁石4自体が直接板バネ支持体9内に入出する構造としているため、比較的安価にできる。
即ち、磁石4は板バネ1を反転させるに十分な座高を持たせる磁石ケース4Aに固定し、図A−A視に示すようにその前側底部をL字型として2本のネジ12により戸口枠体14に固定している。一方、戸13側には磁石4と磁着受部3Aが対向するよう、上記双アーチ形飛移り座屈板バネ装置をL字型固定金具11により実施例3と同様に固定している。この例とは逆に磁石4を戸13側に固定しても良く、開き戸では板バネ装置に戸当たりを兼ねさせることができるので、その方が好ましい。
板バネ支持体9は組立前段階で身箱状であるが、板バネ1に長手方向圧縮力を負荷してアーチ状にしつつ両支持軸2を組込んだ後、磁着受部3Aと面一で、かつ、それが入出できる開口部を形成するよう、板バネ支持体表側板9Aを嵌め込んで固定し、箱状とする。
戸閉時、戸13が枠体14に接近するに従い、磁石4が磁着受部3Aを吸着した後、板バネ支持体9の内部に嵌入し、図中想像線で示す状態となって停止する。板バネ支持体表側板9Aの位置は戸13の端面と一致させても良いが、図のようにやや裏側に固定すれば、実施例3と同様、戸13が停止した時に一定の力で枠体14に引付けられる。
即ち、磁石4は板バネ1を反転させるに十分な座高を持たせる磁石ケース4Aに固定し、図A−A視に示すようにその前側底部をL字型として2本のネジ12により戸口枠体14に固定している。一方、戸13側には磁石4と磁着受部3Aが対向するよう、上記双アーチ形飛移り座屈板バネ装置をL字型固定金具11により実施例3と同様に固定している。この例とは逆に磁石4を戸13側に固定しても良く、開き戸では板バネ装置に戸当たりを兼ねさせることができるので、その方が好ましい。
板バネ支持体9は組立前段階で身箱状であるが、板バネ1に長手方向圧縮力を負荷してアーチ状にしつつ両支持軸2を組込んだ後、磁着受部3Aと面一で、かつ、それが入出できる開口部を形成するよう、板バネ支持体表側板9Aを嵌め込んで固定し、箱状とする。
戸閉時、戸13が枠体14に接近するに従い、磁石4が磁着受部3Aを吸着した後、板バネ支持体9の内部に嵌入し、図中想像線で示す状態となって停止する。板バネ支持体表側板9Aの位置は戸13の端面と一致させても良いが、図のようにやや裏側に固定すれば、実施例3と同様、戸13が停止した時に一定の力で枠体14に引付けられる。
従来衆知のスプリング又はベルトハンマーの基本構造は弓矢に例えられ、弓、矢、弦に相当するのが、夫々板バネ、ハンマー、弦棒又はベルトであり、ハンマーは一定運動を行うクランク機構から一定程度分離され、多様な材料厚さに対応できるよう柔軟で、かつ、加速的に上下運動する。これに対し図6は、それとはやや異なった構造のスプリングハンマーを提案しつつ、請求項5及び6の具体的利用法を説明するための構想図である。
図6に於いて、板バネ1及び第二段板バネ1’が機体20の中間近傍に水平に設けられ、左右の支持軸2は夫々端部台22を介して共に板バネ支持体9に固定されている一方、夫々の座体3は共に下滑走体26Aに連結され、垂直なガイド21に沿って一体となって移動するようになっているから、本機は請求項5に記載の第2の構造となっている。
また、全端部台22には間隔調整ネジ23が設けられているから、左右の支持軸2の間隔は自在に調整可能であり、本機は請求項6に記載の構造ともなっている。
第二段板バネ1’の座体3の下側にハンマーヘッド27を、取付け台27Aを介して固定してそれらによる荷重は板バネ1と第二段板バネ1’とで支え、更に、下滑走体26Aとは別体の上滑走体26Bを設け、これにロッド24とクランク機構の連接棒25が連結されているから、ハンマー作業による衝撃は駆動系に直接伝わることがない。
図6に於いて、板バネ1及び第二段板バネ1’が機体20の中間近傍に水平に設けられ、左右の支持軸2は夫々端部台22を介して共に板バネ支持体9に固定されている一方、夫々の座体3は共に下滑走体26Aに連結され、垂直なガイド21に沿って一体となって移動するようになっているから、本機は請求項5に記載の第2の構造となっている。
また、全端部台22には間隔調整ネジ23が設けられているから、左右の支持軸2の間隔は自在に調整可能であり、本機は請求項6に記載の構造ともなっている。
第二段板バネ1’の座体3の下側にハンマーヘッド27を、取付け台27Aを介して固定してそれらによる荷重は板バネ1と第二段板バネ1’とで支え、更に、下滑走体26Aとは別体の上滑走体26Bを設け、これにロッド24とクランク機構の連接棒25が連結されているから、ハンマー作業による衝撃は駆動系に直接伝わることがない。
ロッド24は座体3中央に設けられた孔を通過して上下動できるが、その下端には下ストッパー24Bを、板バネ1が下側への変形荷重を受け始める時の座体3上面に接する位置には上ストッパー24Aを備え、その時点では図6の実線で示す状態にある。
上ストッパー24Aにより座体3が押下げられると、板バネ1と第二段板バネ1’の下側への変形が同時に始まり、飛び移り座屈により反転してハンマーヘッド27を打ち下ろし、図6の想像線で示す状態となる。この時、下ストッパー24B下面は第二段板バネ1’の座体3下面よりhだけ突出している。打ち下し後は、下ストッパー24Bがhだけ引上げられて先ず第二段板バネ1’の座体3の下面に接触し、次いで第二段板バネ1’及び板バネ1を上側アーチ状に座屈させ、上滑走体26Bを上死点に至らしめる。
このようにしたから、座体3への負荷に応じて板バネ1及び第二段板バネ1’は同時に表裏方向に往復動し、単に飛び移り座屈による瞬発力を利用するだけでなく、板バネの振幅が従来機より著しく大きいから、ハンマーを加速して強力な打ち下ろしを可能とする。
尚、本例に示した基本構造は、1枚の板バネとしても利用できるし、又、構成部材の耐用年数向上のため、上記クッション手段を導入しても良い。その場合のクッション手段は、谷状に屈曲させたものとは限らず、軸受部1Cの外側に隣接してコイルバネを用いても良い。
上ストッパー24Aにより座体3が押下げられると、板バネ1と第二段板バネ1’の下側への変形が同時に始まり、飛び移り座屈により反転してハンマーヘッド27を打ち下ろし、図6の想像線で示す状態となる。この時、下ストッパー24B下面は第二段板バネ1’の座体3下面よりhだけ突出している。打ち下し後は、下ストッパー24Bがhだけ引上げられて先ず第二段板バネ1’の座体3の下面に接触し、次いで第二段板バネ1’及び板バネ1を上側アーチ状に座屈させ、上滑走体26Bを上死点に至らしめる。
このようにしたから、座体3への負荷に応じて板バネ1及び第二段板バネ1’は同時に表裏方向に往復動し、単に飛び移り座屈による瞬発力を利用するだけでなく、板バネの振幅が従来機より著しく大きいから、ハンマーを加速して強力な打ち下ろしを可能とする。
尚、本例に示した基本構造は、1枚の板バネとしても利用できるし、又、構成部材の耐用年数向上のため、上記クッション手段を導入しても良い。その場合のクッション手段は、谷状に屈曲させたものとは限らず、軸受部1Cの外側に隣接してコイルバネを用いても良い。
1 板バネ
1A 板バネ主体部
1B 板バネ中央部
1C 軸受部
1’ 第二段板バネ
2 支持軸
3 座体
3A 磁着受部
4 磁石
4A 磁石ケース
5 クッション手段
5A 谷部
6 補助板バネ
6A 山形部
7 ガイド用ロッド(滑走体)
8 内ケース
8A 内ケース上下側板
9 板バネ支持体
9A 板バネ支持体表側板
9’ 第二段板バネ支持体
10 横梁
11 L字型固定金具
12 ネジ(またはボルト)
13 戸
14 戸口枠体
20 機体
21 ガイド
22 端部台
23 間隔調整ネジ
24 ロッド
24A 上ストッパー
24B 下ストッパー
25 連接棒
26A 下滑走体
26B 上滑走体
27 ハンマーヘッド
27A 取付け台
Z 板バネ主体部と軸受部の接点
1A 板バネ主体部
1B 板バネ中央部
1C 軸受部
1’ 第二段板バネ
2 支持軸
3 座体
3A 磁着受部
4 磁石
4A 磁石ケース
5 クッション手段
5A 谷部
6 補助板バネ
6A 山形部
7 ガイド用ロッド(滑走体)
8 内ケース
8A 内ケース上下側板
9 板バネ支持体
9A 板バネ支持体表側板
9’ 第二段板バネ支持体
10 横梁
11 L字型固定金具
12 ネジ(またはボルト)
13 戸
14 戸口枠体
20 機体
21 ガイド
22 端部台
23 間隔調整ネジ
24 ロッド
24A 上ストッパー
24B 下ストッパー
25 連接棒
26A 下滑走体
26B 上滑走体
27 ハンマーヘッド
27A 取付け台
Z 板バネ主体部と軸受部の接点
Claims (7)
- 略細長形の板バネに於いて、
前記板バネの中央部分に一定寸法の座体を固定し、前記板バネの端部に、該端部を延長して支持軸を巻き込む形状とした一対の軸受部を備え、該軸受部と前記座体との間の部位たる一対の板バネ主体部に、長手方向に圧縮力を加えてアーチ状とすることにより、
表裏両方向への飛び移り座屈を生起できるようにして成るアーチ形板バネを形成し、
前記座体の移動を前記板バネの直角方向に制限するガイド手段を備え、
板バネ支持体と前記軸受部とに前記支持軸を挿通し連結して、前記板バネを揺動自在に両端支持し、
表裏何れの方向へも前記座体への一定以上の負荷により、前記両板バネ主体部に略同時に同方向の飛移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置。 - 請求項1に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ又は板バネ支持体の何れかの個所に、幅方向中心線に対して対称にクッション手段を備えた、双アーチ形飛移り座屈板バネ装置。 - 請求項1又は2に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記両支持軸を結ぶ中心線に対する上記板バネの表裏への変形形状を、非対称とする手段を2つ以上備えた、
又は、上記板バネが、表裏何れかの側への反転後静止せず、前記座体への除荷後元に復帰するようにした、
双アーチ形飛移り座屈板バネ装置。 - 請求項2又は3に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの上記軸受部の内側にその断面を谷状に屈曲したクッション手段を備え、
上記板バネの裏側に、裏側へ略アーチ状で中央部を固定した補助板バネを設け、
該補助板バネの両端近傍には、上記クッション手段の谷部が上記支持軸周りに揺動するに伴い、該谷部に前記補助板バネの面圧下で滑動させることにより、板バネの変形を適度に制動しつつ補助する山形部を設けたことを特徴とする、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置。 - 請求項1乃至4に記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネの中から組合せて複数並列させ、
上記各板バネに夫々独立した滑走体と上記板バネ支持体を設けて、最前列の上記座体に前記滑走体を固定し、上記板バネ支持体の後端に隣接する上記座体を夫々固定し、かつ、全ての上記板バネ支持体が順次嵌合しつつ往復動自在として上記ガイド手段ともなし、
又は、ガイドを備えた1つの上記板バネ支持体で全ての上記板バネを夫々支持し、1つの前記滑走体に全ての上記座体を夫々固定し、前記ガイドと前記滑走体とにより上記ガイド手段を構成することにより、
複数の上記板バネに、連動して飛び移り座屈を生起させ得る、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置。 - 請求項1乃至3及び5の何れかに記載の双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置であって、
上記板バネ主体部の長手方向最大圧縮力を一定範囲で変更できるよう、上記両支持軸の間隔を調整自在とする手段を備えた、双アーチ形飛び移り座屈板バネ装置。 - 戸開閉装置に於いて、戸を戸口枠体の側壁、又は戸当りに対して直角に移動させる機構を上記ガイド手段とする、請求項1乃至5の何れかに記載の双アーチ形飛移り座屈板バネ装置を、戸又は戸口枠体の一方に固定し、それと対向して他の一方に磁石を配設し、
上記板バネ中央部、又は上記座体に磁着受部を固定し、該磁着受部を固定した身箱状の内ケースを設け、該内ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出するか、
又は、前記磁石は磁石ケースにより一定の高さを有し、該磁石ケースが表側面に開口部を有する箱状、又は身箱状の上記板バネ支持体内に入出できるようにし、
上記磁石の吸着力を、上記板バネの飛移り座屈を生起させる力以上とすることにより、
前記戸を開閉の都度、上記板バネに表裏両方向への飛移り座屈を順次生起させることを特徴とする、板バネ式マグネットキャッチ。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019106764 | 2019-06-07 | ||
JP2019106764 | 2019-06-07 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020200750A true JP2020200750A (ja) | 2020-12-17 |
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ID=73743901
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JP2020069150A Pending JP2020200750A (ja) | 2019-06-07 | 2020-04-07 | 双アーチ形飛移り座屈板バネ装置及びそれを利用した板バネ式マグネットキャッチ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020200750A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230028673A (ko) * | 2021-08-20 | 2023-03-02 | 한국생산기술연구원 | 수직 지향을 위한 제진 장치 및 이를 이용한 제진 방법 |
-
2020
- 2020-04-07 JP JP2020069150A patent/JP2020200750A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20230028673A (ko) * | 2021-08-20 | 2023-03-02 | 한국생산기술연구원 | 수직 지향을 위한 제진 장치 및 이를 이용한 제진 방법 |
KR102542587B1 (ko) * | 2021-08-20 | 2023-06-15 | 한국생산기술연구원 | 수직 지향을 위한 제진 장치 및 이를 이용한 제진 방법 |
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