[A]管理併用防火シャッター(第1実施形態)
図1を参照しつつ、機械式危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。第1実施形態に係る管理併用防火シャッターは、機械式危害防止装置を備えている。
図1に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、手動閉鎖装置3Bと、電動開閉操作部3Aからの信号が入力される制御装置4と、電動開閉操作部3Aからの信号が制御装置4を介して入力されるシャッター制御盤5と、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは手動閉鎖装置3Bからの操作によってシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6と、自重下降するシャッターカーテン1が障害物に当たった時に障害物を検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段を用いた機械式危害防止装置と、を備えている。
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素となっている。
シャッター装置は、火災時にシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6及び作動部7(ブレーキ解放・復帰装置)を備えている。本実施形態では、自動閉鎖装置6と作動部7は物理的に離間してワイヤW1で伝動連結されているが、自動閉鎖装置6に作動部7の機能を搭載してもよい。
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって作動して、ワイヤW1、作動部7を介してブレーキを解放させる。図示の態様では、自動閉鎖装置6と作動部7は離間しており、自動閉鎖装置6と作動部7がワイヤW1を介して機械的に接続されており、火災信号が入力されると自動閉鎖装置6が作動してワイヤW1を引っ張ることで、作動部7がブレーキ解放姿勢となって電動開閉機Mのブレーキが解放される。本実施形態では、自動閉鎖装置6には、復旧機構6´が一体化されている。このような自動閉鎖装置6、作動部7、復旧機構6´は当業者に知られており、これらの具体的な構成については、本発明の構成を限定するものではないが、例えば、特開2017−96073を参照することができる。
開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号によって自動閉鎖装置6が作動して、ワイヤW1を介して作動部7がブレーキ解放姿勢となって、電動開閉機Mのブレーキを解放する。ブレーキが解放されると、シャッターカーテン1は、幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重で下降し、座板1Aが着床することで開口部を全閉する。
シャッター装置は、いわゆる危害防止装置を備えており、降下中のシャッターカーテン1の下端の座板1Aが障害物に当たって当該障害物を検知すると、復帰ワイヤを介して電動開閉機Mのブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させるようになっている。復帰ワイヤは、第1ワイヤW2と第2ワイヤW3とから構成されている。開口部上方部位には、開口幅方向の電動開閉機Mが設置された側に寄って、中継装置10が設けてあり、座板1Aには、中継装置10の下方に位置するように開口幅方向の一側に寄って、ロック装置11が設けてある。
第1ワイヤW2と第2ワイヤW3は中継装置10を介して接続されている。第1ワイヤW2の一端は作動部7のブレーキ解放体(図示せず)をブレーキ復帰方向に移動させるように作動部7(ブレーキ解放体)に連結されており、他端は中継装置10に連結されている。第2ワイヤW3の一端は中継装置10に連結されており、他端は座板1Aに設けたロック装置11に連結されている。第2ワイヤW3は、シャッターカーテン1の降下に伴ってシャッターカーテン1の面部に沿って延びるように引き出される。
ロック装置11は、上座板に設けられ、降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動することで、復帰用ワイヤ(第2ワイヤW3)の引き出しを機械的に規制し、当該引き出しが規制された復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰方向に引っ張るようになっている。
自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰位置に移動させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によるブレーキ解放体の移動に連動して、作動部7の障害物検知用のマイクロスイッチ(図示せず)がON状態からOFF状態となることで(OFF状態からON状態となることで障害物検知を行うように設計してもよい)、制御装置4に障害物検知信号が送信され、制御装置4からシャッター制御盤に信号が送信されて、電動降下中のシャッターカーテン1を停止させる。
シャッター装置は、停止したシャッターカーテン1を再降下させる再降下手段(自重再降下手段)を備えている。自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、ブレーキ解放体がブレーキ解放方向に移動して、シャッターカーテン1が自重再降下する。また、障害物除去後において、シャッターカーテン1が自重で再降下するタイミングを遅延させるようにしてもよい。
電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引っ張り力が無くなり、作動体が定常位置に復帰して、作動部7のマイクロスイッチはOFFからONとなり、電動開閉操作部3Aからの操作によってシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。このような危害防止装置(例えば、障害物検知機構、中継装置10、ロック装置11等を含む)の具体的な構成については、本発明を限定するものではないものの、例えば、特開2017−96073を参照することができる。
シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置3Bが設けてある。手動閉鎖装置3Bは、縦長直方体の箱体からなる操作ボックスであり、手動閉鎖用の操作部、及び、自動閉鎖装置6の復旧用の操作部が設けられる。手動閉鎖用の操作部は、操作ボックスの前面部に設けた非常時閉鎖スイッチ(蓋に隠れており、図示せず)である。
手動閉鎖装置の操作部(非常時閉鎖スイッチ、回動レバー3a)は、作動部7のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作を行えるように手動操作用のワイヤW4の一端に機械的に連結されている。ワイヤW4の他端は、作動部7に連結されている。手動閉鎖装置の操作部は、ブレーキ解放作動前の状態から第1の操作(非常時閉鎖スイッチの押し操作)によってブレーキを解放するように作動し、ブレーキ解放作動後の状態から第2の操作(非常閉鎖スイッチの押操作によって突出した回動レバー3aの操作)によってブレーキを復帰させるように作動する。操作ボックス内の前面部には自動閉鎖装置復旧ワイヤW5を巻き掛けするプーリ(図示せず)が設けてあり、復旧用レバー(図示せず)は、自動閉鎖装置の復旧ワイヤW5によって復旧機構6´と接続されており、復旧機構6´と共に、自動閉鎖装置6の復旧装置を構成する。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給されるが、停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開放が可能となっている。図1に示すように、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、臨時電源としての発電機Gと接続可能な接続部としてのコネクタC1と、を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電動開放操作部(開スイッチ9A)と接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。電源接続装置9の前面部90には、開スイッチ9A、コネクタC1に加えてLED表示部Lが設けてある。LED表示部Lは、電動開閉機Mに対して臨時電源から供給される電力が逆相であることを表示する表示手段である。逆相の場合には、逆相変換手段(例えば、電線EW2に付加される逆相変換用電線)を用いて、逆相から正相への変換が行われる。
コネクタC1には臨時電源としての発電機Gが接続可能となっている。より具体的には、コネクタC1には、外部から電線EW2の先端の接続部(コネクタC2)が接続可能となっており、電線EW2の基端には臨時電源としての発電機Gが接続可能あるいは予め接続されている。
電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。図1、図2に示すように、本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、電源切替装置8を備えており、通常時には電動開閉機Mの電源として商用電源を選択し、停電時等には電動開閉機Mの電源として臨時電源を選択するように構成されている。
図2に示すように、通常時には、電源切替装置8によって電動開閉機Mの電源として商用電源が選択されており、商用電源からの入力は第1路と第2路に分岐され、第1路を通って電動開閉機Mに電力が供給され、第2路を通って制御装置4に電力が供給される。より具体的には、第1路に商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部S(図5、図6参照)が設けてあり、第1路の電源として商用電源が選択されている時には、商用電源からの電力が電動開閉機Mに供給され、制御装置4へは第2路を通って商用電源の電力が供給され、第1路の電源として臨時電源が選択されている時には、臨時電源からの電力は第3路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されないように構成されている。電源切替装置8の具体的な構成については後述する。
臨時電源を使用する場合の電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´´と、からなる。臨時電源を使用する場合の信号線は、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´からなる。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
[B]管理併用防火シャッター(第2実施形態)
図3を参照しつつ、危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。図3に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部と手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)を備えた操作ボックス3と、制御装置(危害防止連動中継器)4と、自動閉鎖装置6と、煙感知器6aと、防災盤6bと、電動開閉機M及び制御装置4に電力を供給する商用電源と、を備えている。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素である座板スイッチを備えている。シャッターカーテン1の最下端に設けた座板1Aは、座板スイッチを有しており、下降中のシャッターカーテン1の下方に障害物が存在する場合に、これを座板スイッチで検出し、障害物検知信号を信号線1Bによって制御装置(危害防止連動中継器)4に出力する。座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装される。
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、操作ボックス3の電動開閉操作部から開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部から閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部から停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
管理併用防火シャッターにおいて、開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号に基づく自動閉鎖装置6の作動によって、シャッターカーテン1が、その幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重降下し、シャッターカーテン1の最下端の座板1Aが着床して開口部を全閉する。
本実施形態に係る自動閉鎖装置6は、電動開閉機Mに隣接して設けられ、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは非常作動スイッチ31(手動閉鎖装置)からの手動閉鎖信号の入力によってシャッターカーテン1を自重降下させる。本実施形態では、火災検知信号、手動閉鎖信号は制御装置(危害防止連動中継器)4に入力され、火災検知信号あるいは手動閉鎖信号の入力に応じて、制御装置(危害防止連動中継器)4からブレーキ解放信号が自動閉鎖装置6に出力され、自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6の作動によって電動開閉機Mのブレーキを解放して、シャッターカーテン1を自重降下させる。
図3に示すように、防災盤6b、自動閉鎖装置6、有線式の障害物検知手段は、例えば天井裏に配設された制御装置(危害防止連動中継器)4にケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている。制御装置(危害防止連動中継器)4は、火災時に煙検知器6aの検知に基づく防災盤6bからの信号を受信すると、自動閉鎖装置6にブレーキ解放信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6を作動させて電動開閉機Mのブレーキを解放してシャッターカーテン1を自重降下させる。一方、制御装置(危害防止連動中継器)4は、自重降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、自動閉鎖装置6にブレーキ復帰信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ復帰機構)6を作動させて、電動開閉機Mのブレーキを復帰させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
自動閉鎖装置6の作動について説明する。防災盤6bからの火災信号を制御装置(危害防止連動中継器)4が受信すると、制御装置4からの通電によって自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6が作動して、電動開閉機Mのブレーキ部を解放させてシャッター2を自重降下させて防火区画を形成する。自重降下するシャッターカーテン1の下端の座板1Aに障害物が当接した時には、座板スイッチから障害物検知信号が制御装置4に送信され、障害物検知信号を受信した制御装置4からの指令で、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。
座板スイッチから検知信号が制御装置(危害防止連動中継器)4に送信されると、検知信号を受信した制御装置4から自動閉鎖装置6に所定時間、例えば、0.5秒から1秒程度、DC24Vが通電(ブレーキ復帰信号)されて、ブレーキ復帰機構が作動して、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。障害物が除去されると、制御装置4は、障害物が除去されたことを、座板スイッチを介して検知する。障害物が除去されたことを検知した後、所定時間、例えば、10秒から20秒後に、制御装置4から自動閉鎖装置6に起動信号(DC24)が通電され、電動開閉機Mのブレーキが解放され、シャッターカーテン1は自重降下を再開する。
制御装置(危害防止連動中継器)4は、電動降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、シャッター制御盤5に信号を送信して電動開閉機Mの駆動を停止させてシャッターカーテン1の電動降下を停止させる。
本実施形態に係る障害物検知手段は有線式であり、座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装されており、シャッターカーテン1の昇降駆動に伴って、信号線1BがコードリールCに巻き取られ、あるいは、繰り出されるようになっている。座板スイッチの具体的な構成としては、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで上座板と下座板との間に設けたスイッチが入力されるもの、座板の下面にテープスイッチを設けたもの、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで座板の端部に設けたリンク機構によってガイドレール内のテープスイッチが入力されるもの、等が例示される。また、障害物検知は無線方式(赤外線や電波)であってもよい。
操作ボックス3は、シャッター装置の近傍の壁面において、操作し易い高さに設けてある。操作ボックス3は蓋を備えており、蓋を開けることで露出する前面部30には、電動開閉操作部、及び、手動閉鎖装置を構成する非常作動スイッチ31(蓋を開けずに押し操作可能)が設けてある。本実施形態に係る手動閉鎖装置は電気式手動閉鎖装置であって、例えば、非常作動スイッチ31を押すことで、無電圧接点信号が生成されて、制御装置4からブレーキ解放信号を出力する。非常作動スイッチ31は、例えば、火災信号入力による制御作動に先立ってシャッターカーテン1を直ちに自重降下させたいような場合に用いられる。操作ボックス3の前面部30には、復旧ボタン(図示せず)が設けてあり、復旧ボタンを押し操作することで、制御装置4が火災モードから通常モードに復旧する。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターの制御システムでは、制御装置(危害防止連動中継器)4を経由して制御が行われている。制御装置(危害防止連動中継器)4には、通常時の商用電源とは別に停電時の制御動作を確保するために小容量のバッテリ(図示せず)が内蔵されており、火災時に、停電で商用電源が遮断されるような緊急状態であっても、バッテリによって、火災検知信号に基づいて信号を出力して、自動閉鎖装置6を作動させて、シャッターカーテン1の自重降下を行えるようになっている。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給されるが、停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開閉が可能となっている。図3に示すように、躯体には、電動開閉操作部及び手動閉鎖装置を提供する操作ボックス3に隣接して、電動開放操作部(開スイッチ9A)と、臨時電源としての発電機Gと接続可能な接続部としてのコネクタC1と、を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電動開放操作部(開スイッチ9A)と接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して設けてある。電源接続装置9の前面部90には、開スイッチ9A、コネクタC1に加えてLED表示部Lが設けてある。LED表示部Lは、電動開閉機Mに対して臨時電源から供給される電力が逆相であることを表示する表示手段である。逆相の場合には、逆相変換手段(例えば、電線EW2に付加される逆相変換用電線)を用いて、逆相から正相への変換が行われる。
コネクタC1には臨時電源としての発電機Gが接続可能となっている。より具体的には、コネクタC1には、外部から電線EW2の先端の接続部(コネクタC2)が接続可能となっており、電線EW2の基端には臨時電源としての発電機Gが接続可能あるいは予め接続されている。
電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。図3、図4に示すように、本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、電源切替装置8を備えており、通常時には電動開閉機Mの電源として商用電源を選択し、停電時等には電動開閉機Mの電源として臨時電源を選択するように構成されている。
通常時には、電源切替装置8によって電動開閉機Mの電源として商用電源が選択されており、商用電源からの入力は第1路と第2路に分岐され、第1路を通って電動開閉機Mに電力が供給され、第2路を通って制御装置(危害防止連動中継器)4に電力が供給される。より具体的には、第1路に商用電源と臨時電源を切り替える電源切替部S(図5、図6参照)が設けてあり、第1路の電源として商用電源が選択されている時には、商用電源からの電力が電動開閉機Mに供給され、制御装置(危害防止連動中継器)4へは第2路を通って商用電源の電力が供給され、第1路の電源として臨時電源が選択されている時には、臨時電源からの電力は第3路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置(危害防止連動中継器)4には供給されないように構成されている。電源切替装置8の構成については後述する。
臨時電源を使用する場合の電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´´と、からなる。臨時電源を使用する場合の信号線は、電源接続装置9と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW1´からなる。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な接続部としてのコネクタC1を設けてもよい。
[C]臨時電源
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1に設けた接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、前記接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等において、シャッターの電動駆動が必要となった時にのみ一時的に前記接続部(コネクタC1)に接続される電源である。
本実施形態では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gであり、通常時には、適所に格納されている。
このように、電動開放操作部としての開スイッチ9Aを備えた操作ボックス内に外部から臨時電源としての発電機Gが接続可能なコネクタC1を設けることで、シャッターの開スイッチ9Aと同じ箇所で発電機Gの接続を行うことができ、発電機Gの接続、開スイッチ9Aからの操作をスムーズに行うことができる。
発電機Gに代えて、壁体に露出した電源コンセント(図示せず)を臨時電源として、電線EW2を用いて、電源コンセントと電線EW1の端部のコネクタC1を接続してもよい。電源コンセントを臨時電源とする場合には、必要に応じて(例えば、開閉機が200Vで動作する場合であって、電源コンセントの電圧が200Vでない場合)、適宜、変圧器を設けて電圧を変換する。
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリ(例えば、移動台車に搭載されたバッテリ)であるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
シャッター装置は、通常時は、商用電源によって動作し、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機あるいは電源コンセントは接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、発電機Gを用意して、発電機Gから延びる電線EW2のコネクタC2をコネクタC1に接続することで、発電機Gを臨時電源として電動開閉機Mに電気を供給することで、電動開閉機Mが駆動可能となり、例えば、開スイッチ9Aを押すことでシャッターカーテン1が上昇する。
1つの態様では、開スイッチ9Aの押し切り動作(開スイッチ9Aの押し操作を継続している間だけシャッターカーテン1が上昇する)によってシャッターカーテン1を上昇させる。あるいは、押し切り動作ではなく自己保持回路を用いて、開スイッチ9Aの押圧パターンによって、停止操作を行ってもよく、例えば、開スイッチ9Aの1回目の押圧によって、シャッターカーテン1が上昇を開始し、2回目の押圧によって上昇中のシャッターカーテン1を停止させるようにしてもよい。あるいは、開スイッチ9Aに加えて、停止スイッチを設けてもよい。
[D]電源切替装置
電源切替装置8は、商用電源からの電力が入力する第1接続ポートP1と、第1接続ポートP1からの入力を第1路と第2路に分岐する分岐部Bと、第2路から制御装置4へ出力する第2接続ポートP2と、第1路から電動開閉機Mへ出力する第3接続ポートP3と、臨時電源(発電機G)からの電力が第3路を通って入力する第4接続ポートP4を備えている。分岐部Bと第3接続ポートP3との間に電源切替部(電源選択スイッチ)Sがあり、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続することで商用電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mに供給され、第2路を通って制御装置4に供給される第1形態と、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続することで臨時電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されない第2形態を選択的にとるように構成されている。
図1、図3、図5、図6、図7、図8を参照しつつ、電源切替装置8の第1形態、第2形態について説明する。商用電源と電源切替装置8の第1接続ポートP1は電線EW3によって接続されており、電線EW3には回路遮断器Brが設けてある。本実施形態では、電源切替装置8において、第1接続ポートP1からの入力は分岐部Bにおいて、第1路と第2路に分岐されている。第1路は電動開閉機Mに電気的に接続可能となっており、第2路は制御装置4に電気的に接続されている。
電源切替装置8の第2接続ポートP2と制御装置4は、電線EW4によって接続されており、第2路の出力側は第2接続ポートP2となっている。電源切替装置8の第3接続ポートP3と電動開閉機Mは、電線EW1´´によって接続されており、第1路の出力側は第3接続ポートP3となっている。電源切替装置8の第4接続ポートP4と電源接続装置9のコネクタC1は、電線EW1(第3路)によって接続されている。電源切替装置8において、分岐部Bと第3接続ポートP3との間に電源切替部(電源選択スイッチ)Sがある。
図5、図7では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sは第1の位置にあり、第1接続ポートP1と第3接続ポートP3を接続しており、商用電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mに供給される。また、商用電源からの電力は第2路を通って制御装置4に供給される。
図6、図8では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sは第2の位置にあり、第4接続ポートP4と第3接続ポートP3を接続しており、臨時電源(発電機G)からの電力が電線EW1(第3路)を通って電源切替装置8に入力され、第1路を通って電動開閉機Mに供給される。電源切替部Sが第2の位置にある時には、制御装置4の電源回路(第2路)は、電動開閉機Mの電源回路(第3路、第1路)から遮断されているので、臨時電源(発電機G)からの電力が制御装置4に供給されることがない。
電源切替部(電源選択スイッチ)Sの切替については、幾つかの態様があり得る。1つの態様では、電源切替部Sは、停電時または臨時電源接続時に第2の位置となって臨時電源を選択し、前記臨時電源からの電力が電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されない。1つの態様では、電源切替部Sは、停電の検出に応じて第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。1つの態様では、電源切替部Sは、前記臨時電源の接続の検出に応じて第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。1つの態様では、電源切替装置8は検出回路(図5、図6参照)を備え、前記検出回路によって前記第3路を通る電流を検出することで、電源切替部Sが第2の位置となって臨時電源を自動的に選択する。電源切替部Sは、手動によって第1の位置と第2の位置を切り替えるものでもよい。
[E]電動開閉操作部からの操作の無効化
管理併用防火シャッターは、通常時には、電動開閉操作部3Aからの操作(開操作、閉操作、停止操作)によって、制御装置4を介して、シャッター制御盤5に所定の信号を送信し、電動開閉機Mが商用電源を用いて駆動することで、シャッターを電動開閉させる。したがって、臨時電源が用いられる場合は、典型的には停電時であるが、商用電源が有効な通常時において、臨時電源が接続される場合もあり得る。電源切替装置8は、商用電源と臨時電源のいずれかの電源を選択的に用いることを担保するものであり、両方の電源が有効な場合であっても、いずれかの電源のみから電動開閉機Mに電力を供給し、また、臨時電源からは制御装置4に電力が供給されないようにしている。
ここで、商用電源が有効な場合であっても、臨時電源が電動開閉機Mに電気的に接続されて、臨時電源が電源として選択される場合もあり得る。この時、商用電源が有効な場合には、電動開閉操作部3Aは商用電源を用いて信号を出力することが可能であり、制御装置4も商用電源を用いて動作するので、電動開閉操作部3Aから受信した信号に基づいて、電動開閉機M(シャッター制御盤5)に所定の信号を出力することが可能である。したがって、電動開閉機Mには臨時電源から電力が供給される一方、電動開放操作部(開スイッチ9A)は臨時電源を用いて電動開閉機Mに開信号を出力可能な状態にあり、電動開閉操作部3Aは商用電源を用いて電動開閉機Mに開閉信号を出力可能な状態にあることが起こり得る。
電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号によってシャッターの電動開放させたい時に、誤って電動開閉操作部3Aから停止信号や閉信号が送信されると、指令系統の混線を招いて所望の開操作ができなかったり、場合によってはデバイス(例えば、制御装置4)にダメージを与えてしまうおそれもある。なお、停電時においても、電動開閉操作部3A、制御装置4がバッテリで動作可能な場合には、同様のことが起こり得る。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターは、少なくとも電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作時に、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する無効化手段を備えている。無効化のタイミングは限定されないものの、例えば、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作が行われたことを検知して電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する場合、電源接続装置9のコネクタC1に臨時電源(発電機G)が接続されたことを検知して電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する場合等を例示することができる。また、この無効化手段は、臨時電源と商用電源が共に有効な場合に、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作を、電動開閉操作部3Aからの操作に優先させる手段であると言うこともできる。
無効化手段の実施形態について、図7、図8に基づいて説明する。管理併用防火シャッターおいて、図7に示す態様では、電源切替装置8の電源切替部Sによって、電源として商用電源が選択されており、図8に示す態様では、電源切替装置8の電源切替部Sによって、電源として発電機G(臨時電源)が選択されている。典型的には、通常時には電源切替装置8は図7の状態にあり、停電時等には電源切替装置8は図8の状態にあるが、電源切替の条件やタイミングは限定されない。図7、図8は第2実施形態に係る管理併用防火シャッターを示すものであるが、無効化手段は、第1実施形態に係る管理併用防火シャッターにも適用される。
図7に示す態様では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sによって、電源切替装置8の第1接続ポートP1と第3接続ポートP3が電気的に接続されており(図5参照)、商用電源からの電力が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力されるようになっている。また、商用電源からの電力は電線EW4を通って制御装置4に出力される。第4接続ポートP4と第3接続ポートP3との間は開放しており、電源切替装置8と電源接続装置9とは電気的に接続されていない。また、電源接続装置9のコネクタC1には発電機Gは接続されていない。
電動開閉操作部3Aからの操作信号は、信号線EW4´によって制御装置4に送信され、制御装置4から信号線EW4´´によって電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力される。本実施形態では、信号線EW4´´上にスイッチS1が設けてあり、スイッチS1が閉状態にあることで、電動開閉操作部3Aからの操作信号は制御装置4を経由して信号線EW4´´を通ってシャッター制御盤5に送信される。電源接続装置9から電動開閉機Mのシャッター制御盤5に開信号を送信するための信号線EW1´上にはスイッチS2が設けてあり、スイッチS2は開状態にある。
図8に示す態様では、電源切替部(電源選択スイッチ)Sによって、電源切替装置8の第4接続ポートP4と第3接続ポートP3が電気的に接続され(図6参照)、電源切替装置8と電源接続装置9とは電気的に接続されている。電源接続装置9のコネクタC1には発電機GのコネクタC2が接続されており、発電機Gからの電力が電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力されるようになっている。第1接続ポートP1と第3接続ポートP3との間は開放しており、商用電源(有効な場合)からの電力は電線EW4を通って制御装置4には出力可能であるが、電動開閉機Mには出力されない。
電源接続装置9から電動開閉機Mのシャッター制御盤5に開信号を送信するための信号線EW1´上のスイッチS2は閉状態にあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、信号線EW1´を通って電動開閉機Mのシャッター制御盤5に出力される。一方、信号線EW4´´上のスイッチS1は開状態にあり、電動開閉操作部3Aからの操作信号はシャッター制御盤5には送信されない。したがって、商用電源が有効であり、制御装置4、電動開閉操作部3Aが商用電源を用いて動作可能な状態であっても、電動開閉操作部3Aからの操作信号に基づいてシャッター制御盤5が電動開閉機Mを駆動させることはない。
本実施形態では、電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2は、電源切替装置8に備わっており、電源切替装置8には、信号線EW1´、信号線EW4´´の接続ポート(図示せず)が設けてある。電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2は、同時に切り替わるように制御してもよく、この場合、電源切替部(電源選択スイッチ)Sが第1の位置をとる時、スイッチS1は閉状態、スイッチS2は開状態となり、電源切替部(電源選択スイッチ)Sが第2の位置をとる時、スイッチS1は開状態、スイッチS2は閉状態となる。本実施形態に係る電源切替装置8には、電線EW1の電流を検出する検知手段(検知回路)が設けてあり、発電機Gから電線EW1を通る電流の検出に応じて、スイッチS1、スイッチS2を切り替えて電動開閉操作部3Aからの操作を無効化する。電源切替部(電源選択スイッチ)S、スイッチS1、スイッチS2の切替のタイミングは、上記電線EW1を通る電流の検出時の他、例えば、停電時を検出することでスイッチを切り替えること、臨時電源が接続されたこと(例えば、発電機Gが電源接続装置9のコネクタC1に接続したこと)の検出時に実行することができる。
図8に示した態様では、無効化手段は、制御装置4からの信号を電動開閉機Mへ送信する回路(信号線EW4´´)を遮断することで、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化するものであるが、無効化手段はこれに限定されるものではない。例えば、無効化手段は、電動開閉操作部3Aからの信号を制御装置4へ送信する回路(信号線EW4´)を遮断することで、電動開閉操作部3Aからの操作を無効化するものでもよい。あるいは、無効化手段は、制御装置4に無効化信号を送信し、無効化信号を受信した制御装置4が電動開閉操作部3Aからの操作を無効とするものでもよい。
[F]電源切替装置(他の実施形態)
図9を参照しつつ、電源切替装置8の他の実施形態について説明する。図5、図6等に示す電源切替装置8の実施形態では、電源切替部Sは、1つの電源選択スイッチを備え、この電源選択スイッチが、商用電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mに供給され、第2路を通って制御装置4に供給される第1形態と、臨時電源からの電力が第1路を通って電動開閉機Mのみに供給され、制御装置4には供給されない第2形態を選択的にとるように構成されている。電源切替装置8と電動開閉機Mとの間は、商用電源及び臨時電源の共通の電力供給路となっている。
電源切替装置8の他の実施形態では、商用電源が選択された時には、商用電源からの電力が第1スイッチSW1を備えた第1電力供給路(電線EW3)を通って電動開閉機Mに供給され、臨時電源が選択された時には、臨時電源からの電力が第2スイッチSW2を備えた第2電力供給路(電線EW1)を通って電動開閉機Mに供給されるようになっている。電源切替装置8と電動開閉機Mとの間は、商用電源及び臨時電源の共通の電力供給路(電線EW1´´)となっている。
図9に示すように、商用電源から電動開閉機M(シャッター制御盤5)への第1電力供給路には第1スイッチSW1(MC-R)が設けてあり、第1電力供給路は、第1スイッチSW1(MC-R)の上流側の第1部分と第1スイッチSW1の下流側の第2部分(共通路)とからなる。
臨時電源からの第2電力供給路には第2スイッチSW2(MC-G)が設けてあり、第2電力供給路は、第2スイッチSW2(MC-G)の上流側の第1部分と第2スイッチSW2の下流側の第2部分とからなる。
第2電力供給路の第2部分の下流側は、第1電力供給路の第2部分に電気的に接続されている。すなわち、第1電力供給路の第2部分は、商用電源からの電力供給、臨時電源からの電力供給の共通路となっている。図5、図6に示す電源切替装置の電源切替部(電源選択スイッチ)Sは、第1電力供給路と第2電力供給路の接続部に配置されているのに対して、図9に示す電源切替装置8の第1スイッチSW1、第2スイッチSW1はそれぞれ、第1電力供給路、第2電力供給路において、第1電力供給路と第2電力供給路の接続部の上流側に配置されている。
第1電力供給路の第1部分から第3電力供給路(電線EW4)が分岐しており、第3電力供給路の下流側は制御装置(危害防止連動中継器)4に接続されている。臨時電源からの第2電力供給路は、第1電力供給路の第2部分(第1部分よりも下流側)に接続されているので、臨時電源からの電力が制御装置(危害防止連動中継器)4に供給されることがない。
第1電力供給路の第1部分には、第1制御回路が形成されている。第2電力供給路の第1部分には、第2制御回路が形成されている。第1制御回路と第2制御回路は、協働ないし連動して、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2の開閉制御を行う。
第1制御回路は、接点(CR)、タイマ(TM-R)、接点(TM-R)、接点(MC-G)、電磁接触器(MC-R SET)、電磁接触器(MC-G RESET)を備えている。第2制御回路は、リレー(CR)、タイマ(TM-G)、接点(TM-G)、接点(MC-R)、電磁接触器(MC-G SET)、電磁接触器(MC-R RESET)を備えている。第1制御回路と第2制御回路は連動しており、例えば、第2制御回路のリレー(CR)に電流が流れると、第1制御回路の接点(CR)がONからOFFとなる。
本実施形態において、タイマはオン・ディレー・タイマであり、当該タイマに電力が印加されると、設定した所定時間経過後に出力がONとなるタイマである。第1制御回路の(TM-R)に電流が流れると、所定時間経過後に、第1制御回路の接点(TM-R)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-R SET)が通電して、第1スイッチSW1がOFFからONとなる。第2制御回路の(TM-G)に電流が流れると、所定時間経過後に、第1制御回路の接点(TM-G)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-G SET)が通電して、第2スイッチSW2がOFFからONとなる。オン・ディレー・タイマを用いることで、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2のいずれか一方のスイッチがONからOFFとなった時に、所定時間経過後に他方のスイッチがOFFからONとなるようにしている。
本実施形態において、電磁接触器は、機械ラッチ形電磁接触器であり、電磁コイルの励磁が無くなっても、機械ラッチ機構によって第1スイッチSW1、第2スイッチSW2の投入状態を保持するようになっている。具体的には、第1制御回路の電磁接触器(MC-R SET)が通電すると、第1スイッチSW1がOFFからONとなり、第2制御回路の電磁接触器(MC-G SET)が通電すると、第2スイッチSW2がOFFからONとなる。第1制御回路の電磁接触器(MC-G RESET)が通電すると、第2スイッチSW2がONからOFFとなり、第2制御回路の電磁接触器(MC-R RESET)が通電すると、第1スイッチSW1がONからOFFとなる。すなわち、第1スイッチSW1は、第1制御回路の電磁接触器(MC-R SET)が通電してから第2制御回路の電磁接触器(MC-R RESET)が通電するまでON状態を維持し、第2スイッチSW2は、第2制御回路の電磁接触器(MC-G SET)が通電してから第1制御回路の電磁接触器(MC-G RESET)が通電するまでON状態を維持する。
電源切替装置8の動作の態様例について説明する。
(0)図9に示す状態では、電動開閉機Mは、商用電源、臨時電源のいずれの電源にも接続されておらず、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2は共にOFF状態にある。第2制御回路のリレー(CR)は非通電状態にあるので、第1制御回路の接点(CR)はON状態を維持している。
(1)商用電源のみが接続されており、かつ、非停電時には、第1制御回路第1制御回路の(TM-R)に電流が流れ、所定時間経過後に、第1制御回路の接点(TM-R)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-R SET)が通電して、第1スイッチSW1がOFFからONとなる。すなわち、商用電源側の第1スイッチSW1がON状態、臨時電源側の第2スイッチSW2がOFF状態にある(第1状態)。電動開閉機Mには、商用電源からの電力が供給される。
(2)商用電源のみ接続時(非停電時)において、停電になった場合は、商用電源側の第1スイッチSW1のON状態、臨時電源側の第2スイッチSW2のOFF状態が維持される(第2状態)。第2制御回路には電流は供給されないので、第2スイッチSW2はOFF状態を維持し、第2制御回路の電磁接触器(MC-R RESET)は非通電状態にあり、第1スイッチSW1はON状態を維持する。
(3)第1状態あるいは第2状態において、臨時電源が接続された場合には、第2制御回路に電流が流れ、第2制御回路の電磁接触器(MC-R RESET)が通電して、第1スイッチSW1はONからOFFとなる。第2制御回路の(TM-G)に電流が流れ、所定時間経過後に、第2制御回路の接点(TM-G)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-G SET)が通電して、第2スイッチSW2がOFFからONとなる。また、第2制御回路に電流が流れることで、第2制御回路のリレー(CR)が通電して、第1制御回路の接点(CR)はONからOFFとなる。すなわち、商用電源側の第1スイッチSW1がONからOFFになった後、所定時間経過後に臨時電源側の第2スイッチSW2がOFFからONとなる(第3状態)。
(4)第3状態(停電時)において、停電が復旧した場合であっても、第3状態が維持される。臨時電源が有効な時には、第2制御回路のリレー(CR)が通電状態にあり、第1制御回路の接点(CR)はOFF状態を維持するので、商用電源からの電力が第1制御回路のタイマ(TM-R)、電磁接触器(MC-G RESET)に供給されない。
(5)第3状態(非停電時)において、臨時電源を外すと、臨時電源から第2制御回路への電力供給が無くなり、第2制御回路のリレー(CR)が非通電状態となり、第1制御回路の接点(CR)がOFFからONとなり、商用電源からの電流が第1制御回路のタイマ(TM-R)、電磁接触器(MC-G RESET)に供給される。第1制御回路に電流が流れると、第1制御回路の電磁接触器(MC-G RESET)が通電して、第2スイッチSW2はONからOFFとなる。第1制御回路の(TM-R)に電流が流れ、所定時間経過後に、第2制御回路の接点(TM-R)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-R SET)が通電して、第1スイッチSW1がOFFからONとなる。すなわち、臨時電源側の第2スイッチSW2がONからOFFとなった後、所定時間経過後に商用電源側の第1スイッチSW1がONとなる。
(6)第3状態(停電時)において、臨時電源を外すと、第2制御回路のリレー(CR)が非通電状態となって、第1制御回路の接点(CR)がON状態となるが、停電時には第1制御回路には電流が流れないため、第1制御回路のタイマ(TM-R)、電磁接触器(MC-G RESET)が通電することがなく、第1スイッチSW1のOFF状態、第2スイッチSW2のON状態が維持される。
(7)上記の状態から停電が復旧すると、商用電源からの電流が第1制御回路のタイマ(TM-R)、電磁接触器(MC-G RESET)に供給される。第1制御回路に電流が流れると、第1制御回路の電磁接触器(MC-G RESET)が通電して、第2スイッチSW2はONからOFFとなる。第1制御回路の(TM-R)に電流が流れ、所定時間経過後に、第2制御回路の接点(TM-R)がOFFからONとなり、電磁接触器(MC-R SET)が通電して、第1スイッチSW1がOFFからONとなる。
図9に示すように、シャッター制御盤5と電動開放操作部(開スイッチ9A)、制御装置4を接続する回路において、電動開放操作部(開スイッチ9A)とシャッター制御盤5を接続する回路にはa接点(MC-G)、制御装置(連動中継器)4とシャッター制御盤5を接続する回路にはb接点(MC-G)が設けてある。臨時電源が接続されて、第2スイッチSW2がON状態にある時には、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号がシャッター制御盤5に送信され、制御装置(連動中継器)4を介する信号はシャッター制御盤5に送信されないようになっている。すなわち、臨時電源が有効な時には、臨時電源を電力とする電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開操作が優先されるようになっている。