JP2020198397A - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ素子と蛍光体の混合光を発光する発光装置において、温度変化に伴う色度変化量のばらつきを低減させる。【解決手段】発光装置の製造方法であって以下を含む。同色の範囲内の発振波長の半導体レーザ素子を複数準備し、各素子の発振波長を測定する。同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、飽和出力値又は飽和電流値を特定する。半導体レーザ素子を、短波長グループと長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類する。蛍光体含有部材を、飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類する。半導体レーザ素子と蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(a)短波長グループの半導体レーザ素子と、低飽和グループの蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b)長波長グループの半導体レーザ素子と、高飽和グループの蛍光体含有部材とを組み合わせる。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置の製造方法に関する。
従来から、種々の光源として、半導体レーザと、蛍光体とを組み合わせて用いた発光装置が利用されている(例えば、特許文献1等)。
特開2012−109400号公報
しかし、半導体レーザであるレーザ素子は、駆動による発熱によって温度が高くなると、レーザ素子が発光する光が長波長側にシフトし、一方、温度が低くなると短波長側にシフトする。これに対して、蛍光体は、温度変化が生じても、励起スペクトルの励起ピークは、レーザ素子ほど変動しないか、実質的に変動しない。このようなことから、レーザ素子と蛍光体とを組み合わせて得られた混合光は、温度によって色度が変化しやすい。発光ダイオード(LED)の発光と比較してレーザ素子のレーザ光は発光スペクトルの半値全幅が狭いため、温度変化による混合光の色度の変化量はLEDを光源とする場合よりもレーザ素子を光源とする場合の方がより顕著である。
本発明の一実施形態は、上記課題を解決するためになされたものであり、駆動時における温度変化に伴う色度変化量のバラツキを低減させることができる、レーザ素子と蛍光体とを組み合わせて混合光を発光させる発光装置を製造することを目的とする。
本願は以下の発明を含む。
同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子を複数準備し、各半導体レーザ素子の発振波長を測定し、
同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、前記同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を前記蛍光体含有部材に照射することにより、前記測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する前記蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、前記蛍光体含有部材の光束が最高値となる前記測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定し、
前記半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた前記発振波長によって、短波長側の短波長グループと長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類し、
前記蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた前記飽和出力値又は飽和電流値によって、前記飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと前記飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類し、
前記半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(a)前記短波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b)前記長波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせることを含む発光装置の製造方法。
同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子を複数準備し、各半導体レーザ素子の所定の電流値AXにおける出力及び発振波長を測定し、
同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、前記同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を前記蛍光体含有部材に照射することにより、前記測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する前記蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、前記蛍光体含有部材の光束が最高値となる前記測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定し、
前記半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた前記発振波長によって、所定の発振波長λXを含む中央波長グループと、前記中央波長グループよりも短波長である短波長グループと、前記中央波長グループよりも長波長である長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類し、
前記中央波長グループの前記半導体レーザ素子を、得られた前記所定の電流値AXにおける出力によって、所定の基準出力WXを境界として区分される高出力サブグループと低出力サブグループとに分類し、
前記蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた前記飽和出力値又は飽和電流値によって、前記飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと前記飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類し、
前記半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(d)前記短波長グループ又は前記低出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、前記低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(e)前記長波長グループ又は前記高出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、前記高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせることを含む発光装置の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、使用時における温度変化に伴う色度変化量のばらつきを低減させることができる、レーザ素子と蛍光体とを組み合わせて混合光を発光させる発光装置を製造することができる。
本発明の実施形態1の発光装置の製造方法を示すフローチャートである。 蛍光体含有部材の光束と測定用光源の駆動電流との関係を示すグラフである。 本発明によって製造する発光装置の構造を説明するための概略断面図である。 本発明によって製造する発光装置の別の構造を説明するための概略斜視図である。 本発明の実施形態2の発光装置の製造方法を説明するための図である。
以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明を以下に限定するものではない。また、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。さらに、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1の発光装置の製造方法は、以下の工程を含む。
同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子(以下「レーザ素子」ということがある)を複数準備し、各半導体レーザ素子の発振波長を測定する工程(S1)。
同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、前記同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を前記蛍光体含有部材に照射することにより、前記測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する前記蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、前記蛍光体含有部材の光束が最高値となる前記測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定する工程(S2)。
前記半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた前記発振波長によって、短波長側の短波長グループと長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類する工程(S3)。
前記蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた前記飽和出力値又は飽和電流値によって、前記飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと前記飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類する工程(S4)。
前記半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(a)前記短波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b)前記長波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせる工程。
このように、上述した(a)又は(b)の組合せを行うことにより、色度変化量が小さい蛍光体含有部材と色度変化量が大きいレーザ素子とを組み合わせるか、その逆で組み合わせる、つまり、色度変化量が大きい蛍光体含有部材と色度変化量が小さいレーザ素子とを組み合わせる。これによって、発光装置の使用時、つまり、レーザ素子の駆動によって温度変化が発生した際の色度変化量のバラツキを低減させることができる。その結果、各半導体レーザ素子及び蛍光体含有部材に対して事前に特性を測定するという簡便な手法によって、複数の発光装置においてそれぞれのバラツキが小さい、一定か一定に近い性能を有する複数の発光装置を、容易にかつ確実に、再現性よく製造することが可能となる。
このような効果について、以下の実験により検証した。
まず、青色レーザ光を発する青色レーザ素子と、YAG蛍光体とを組み合わせて白色光を得る発光装置であって、発光装置に組み込む前の青色レーザ素子の発振波長(ピーク波長)及び蛍光体含有部材の飽和電流値が少しずつ異なる複数の発光装置を準備した。それら複数の発光装置について、それぞれパルス駆動時の色度と連続駆動時の色度とを測定し、その色度の差を求めた。パルス駆動時の色度と連続駆動時の色度とを比較したのは、発光装置の駆動時の温度がパルス駆動時よりも連続駆動時の方で高いためであり、すなわち、パルス駆動時と連続駆動時の色度の差とは、温度上昇による色度の変化量であるといえる。
このような色度の変化量について、発振波長及び飽和電流値に対する相関をみたところ、組み込む前の発振波長が短い方が色度変化量が小さいという傾向と、組み込む前の飽和電流値が低いほど色度変化量が大きいという傾向があることがわかった。
前者の傾向については、発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークよりも短い波長である場合には、温度上昇による発振波長の長波長化によって発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークに近づくこと、逆に、発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークよりも長い波長である場合には、温度上昇による発振波長の長波長化によって発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークから遠ざかることから説明できる。すなわち、温度上昇により蛍光体の発光効率が低下するが、発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークよりも短い波長である場合には、発振波長が蛍光体の励起スペクトルの励起ピークに近づくため、レーザ素子と蛍光体含有部材を組み合わせた際の蛍光体の発光効率の低下の影響が緩和されると考えられる。
後者の傾向については、飽和電流値が低いということは発光効率が低下し始める温度が低いと言い換えることができることから、飽和電流値が低い蛍光体含有部材ほど温度上昇による発光効率低下の度合が大きくなったためと考えられる。
したがって、色度変化量が大きくなりやすい半導体レーザ素子と、色度変化量が小さくなりやすい蛍光体含有部材とを組み合わせる等の、複数の発光装置において色度変化量が平均化されるような組み合わせで複数の発光装置を製造することにより、複数の発光装置における温度変化時の色度変化量のバラツキを低減することが可能である。
(レーザ素子の準備及びその発振波長の測定:S1)
まず、図1のS1に示すように、複数のレーザ素子を準備し、各レーザ素子の発振波長をそれぞれ測定する。
準備するレーザ素子としては、窒化物半導体、例えば、式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される半導体層等の積層構造を備える素子が挙げられる。本実施形態において準備する複数のレーザ素子は、半導体層の積層構造(各半導体層の組成、積層順序、膜厚、不純物のドープ量等の設定値)等を実質的に同じにしたものであることが好ましい。半導体層の積層構造等が異なると温度特性が異なり、温度による波長シフトの度合いが変動するためである。例えば、同様の設定値で複数のレーザ素子を作製する場合、通常、発振波長にばらつきが生じるため、このように、同様の設定値で作製されたレーザ素子を用いてよい。
準備する複数のレーザ素子は、同色の範囲内の発振波長を有するレーザ素子である。同色の範囲としては可視光領域の波長の範囲が挙げられる。ここで同色の範囲としては、目視により、同じ色の光と見なせる波長範囲内の光を意味する。例えば、青色であれば、435nm〜480nmの波長範囲の光を意味し、緑色光であれば、500nm〜560nmの波長範囲の光を意味し、赤色光であれば、610nm〜750nmの波長範囲の光を意味する。ただし、この波長範囲は一例であり、用途に応じて、その他の任意の波長範囲を設定することができる。また、同色の範囲は、特定波長を発振するレーザ素子を意図して製造された範囲とすることができる。このような範囲としては、特定波長±20nmの範囲とすることができ、特定波長±10nmの範囲であってもよく、さらには特定波長±5nmの範囲とすることができる。別の観点からは、同色の範囲の幅は、40nm以下とすることができ、20nm以下であってもよく、さらには10nm以下とすることができる。後述するYAG蛍光体と組み合わせるレーザ素子としては、青色のレーザ光を発するレーザ素子が挙げられ、その波長範囲としては445nm〜455nmが挙げられる。また、ここで発振波長とは、ピーク波長を意味する。
レーザ光の半値全幅は、例えば、10nm以下とすることができ、5nm以下であってもよい。
レーザ素子の発振波長の測定は、各レーザ素子において同じ環境であればよく、当該分野で公知の方法、例えば、分光器を用いて行うことができる。例えば、レーザ素子を、閾値以上の実際に使用する任意電流値(例えば、2.3A等)に設定し、室温で連続駆動してレーザ素子の発振波長の測定を行うことができる。なお、電流印加から500ms(ミリ秒)経過した時点の発振波長を、これ以降の工程で用いる発振波長の数値とする。
ここでの複数のレーザ素子は、2以上であればよいが、例えば、数十〜数百程度が挙げられる。
(レーザ素子の波長による分類:S3)
上述したレーザ素子の発振波長の測定によって得られた結果から、レーザ素子を波長に基づいて分類する。ここでの分類は、例えば、短波長側の短波長グループと長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループに分類することを含む。グループは、後述する測定用光源の発振波長を境界として、短波長グループと長波長グループとに区分することができる。あるいは、後述する測定用光源の発振波長を含む中央波長グループと、中央波長グループよりも短波長である短波長グループと、中央波長グループよりも長波長である長波長グループとを含む3以上のグループに区分してもよい。いずれの形態においても、これらの各グループは、それぞれのグループにおいて、さらに2以上の短波長グループ、中央波長グループ及び/又は長波長グループに分類してもよい。また、上述のグループ分けでは測定用光源の発振波長を基準として用いたが、これに替えて、蛍光体含有部材が有する蛍光体の励起スペクトルの励起ピークの波長を用いてもよい。あるいは、測定用光源の発振波長が、蛍光体含有部材が有する蛍光体の励起ピークの波長と実質的に一致していてもよい。ここでの「実質的に一致」とは、1nm未満の誤差を含む。なお、各グループの境界の発振波長と同一の発振波長を有するレーザ素子は、隣接する2つのグループのいずれかに属するように設定する。例えば、各グループの境界の発振波長と同一の発振波長のレーザ素子は、隣接する2つのグループのうち波長が短い側のグループに分類する。
具体的には、準備したレーザ素子の発振波長の範囲が、445nm〜455nmであり、後述する測定用光源におけるレーザ素子の発振波長が450nmである場合、短波長グループは445nm以上450nm以下のグループとし、長波長グループは450nmより大きく455nm以下のグループとして2分することができる。また、準備したレーザ素子の発振波長の範囲が、445nm〜455nmであり、後述する測定用光源におけるレーザ素子の発振波長が450nmである場合、短波長グループは445nm以上448nm以下のグループとし、中央波長グループは448nmよりも大きく452nm以下のグループとし、長波長グループは452nmよりも大きく455nm以下のグループとして3分することができる。このように、発振波長の全域を実質的に均等に各グループに分けることができる。各グループは不均等であってもよい。各グループの上限値と下限値との差は、例えば、2nm〜10nmとすることができる。また、上述の例示では準備した複数のレーザ素子の全てを各グループに分けたが、複数のレーザ素子の一部のみを各グループに分けてもよい。好ましくは準備したレーザ素子の全てを各グループに分類する。
(蛍光体含有部材の飽和出力値又は飽和電流値の特定:S2)
まず、複数の蛍光体含有部材を準備する。ここで準備する蛍光体含有部材は、そこに含有される蛍光体が、上記で準備したレーザ素子から出射されるレーザ光の少なくとも一部を波長変換するために利用される部材である。よって、蛍光体は、励起スペクトルにおいて励起ピークを有するものを用いる。なお、蛍光体の励起スペクトルには複数の励起ピークが存在する場合があるが、特に説明がない場合、本明細書では「励起ピーク」とは複数の励起ピークのうち励起光、つまり、上記で準備したレーザ素子から出射されるレーザ光の波長に最も近い励起ピークを指す。
蛍光体含有部材は、1種類の蛍光体を含有するものが好ましいが、複数種類の蛍光体を含有していてもよく、2種以上の蛍光体を1つの蛍光体含有部材内に含めてもよい。蛍光体として、複数種類を用いる場合は、励起光に対する発光強度が最も強い1つの蛍光体の励起ピークを基準とすることが好ましい。
蛍光体含有部材は、励起ピークを有する励起スペクトルの半値全幅が110nm以下であるものが好ましい。ここで、励起ピークを有する励起スペクトルの半値全幅は、励起ピークから半値になったところの幅を意味する。
(蛍光体含有部材)
蛍光体含有部材は、蛍光体のみで構成されていてもよいし、蛍光体と蛍光体を保持するための保持体とを含んで構成されていてもよい。
蛍光体含有部材が蛍光体のみによって形成されている場合、保持体を含む場合よりも散乱が少なく透過率の高い蛍光体含有部材とすることができる。
蛍光体含有部材が保持体を含む場合、保持体は、無機材料によって形成されていることが好ましい。これにより、レーザ素子から出射される光に起因する保持体の劣化、変色等を抑制することができる。また、蛍光体含有部材は、高出力の光が照射されても変質等が発生しにくい耐光性及び耐熱性の良好な材料によって形成されているものが好ましい。例えば、融点が1000℃〜3000℃のものが挙げられ、融点が1300℃〜2500℃のものが好ましい。無機材料としては、例えば、セラミックスが挙げられる。なかでも、透光性が良好であり、融点及び熱伝導性も良好であることから、酸化アルミニウムを含むアルミナセラミックスが好ましい。蛍光体含有部材が蛍光体とセラミックス等の保持体との混合体によって形成される場合には、蛍光体の割合が蛍光体含有部材の全重量に対して1重量%以上とすることができ、10重量%以上とすることができ、50重量%以上であってもよい。蛍光体含有部材の全重量に対する蛍光体の割合は、例えば95重量%以下とすることができ、80重量%以下であってもよい。蛍光体含有部材の全重量に対する蛍光体の割合は、適宜調整することができる。
蛍光体としては、当該分野で使用されているものを用いることができる。用いる蛍光体の種類は、例えば、組み合わせようとするレーザ素子の出射光の波長、得ようとする光の色などを考慮して選択することができる。具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)蛍光体、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CASN)蛍光体などが挙げられる。なかでも、耐熱性に優れたYAG蛍光体を用いることが好ましい。複数の種類の蛍光体を組み合わせる場合は、発光色の異なる蛍光体を所望の色調に適した組み合わせや配合比で用いて、演色性や色再現性を調整することができる。また、単層構造の中に複数の種類の蛍光体を含有させてもよいし、積層構造で異なる層それぞれに異なる蛍光体を含有させてもよい。
次いで、図1のS2に示すように、準備した蛍光体含有部材の飽和出力値又は飽和電流値を特定する。つまり、各蛍光体含有部材において、同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を蛍光体含有部材に照射し、測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する蛍光体含有部材の光束の変化を観察する。そして、蛍光体含有部材の光束が最高値となる測定用光源の出力、つまり飽和出力値か、蛍光体含有部材の光束が最高値となる測定用光源の駆動電流、つまり飽和電流値のいずれかを特定する。ここで、測定用光源は半導体レーザ素子を用いる。測定用光源における半導体レーザ素子は、上述したように、蛍光体含有部材に組み合わせて用いるために準備したレーザ素子の発振波長の測定によって得られた結果から、適宜選択することができる。例えば、組み合わせて用いるために準備したレーザ素子と同色の範囲内にある発振波長を有するものであり、組み合わせて用いるために準備した複数のレーザ素子の最大発振波長と最小発振波長の中央の発振波長を有するものが好ましい。言い換えると、測定用光源における半導体レーザ素子は、組み合わせて用いる同色の範囲の複数のレーザ素子の発振波長の上限値と下限値との平均値を示す発振波長であるものが好ましい。具体的には、例えば、準備した複数のレーザ素子が445nm〜455nmの範囲の発振波長を示す場合、測定用光源におけるレーザ素子の発振波長は、その測定された発振波長の最大値と最小値の中間値、例えば、450nmに設定することが好ましい。このような値とすることにより、後述する蛍光体含有部材との適切な組み合わせが容易となる。その結果、発光装置の使用時(温度変化した時)の個々の発光装置における色度変化量のバラツキの低減を図ることが可能となる。
蛍光体含有部材は、測定用光源におけるレーザ素子を定格駆動電流よりも高い電流値(例えば、徐々に電流を定格駆動電流よりも高い電流値に上げる)にて連続駆動させたレーザ光が照射された場合、蛍光体含有部材から出射される光の光束が徐々に増加し、熱飽和に達すると、光束が低下する。従って、飽和出力値とは、蛍光体含有部材が光束低下直前に最大光束を示したときの、測定用光源におけるレーザ素子の出力値を指す。飽和出力値の単位は、例えば、W(ワット)で表される。また、飽和電流値とは、蛍光体含有部材が光束低下直前に最大光束を示したときの、測定用光源におけるレーザ素子の駆動電流値を指す。飽和電流値の単位は、例えば、mA(ミリアンペア)で表される。例えば、図2に示すように、発振波長450nmのレーザ素子からなる測定用光源に、定格駆動電流よりも高い電流値、数百mAから数千mAを駆動電流として印可しながら連続駆動させ、出射される光を、蛍光体としてYAG蛍光体を含有したアルミナセラミックスからなる蛍光体含有部材に連続駆動によるレーザ光を照射した場合、測定用光源のレーザ素子の駆動電流が3000mAを超えるまでは、蛍光体含有部材から出射される光の光束は徐々に増加する。そして、3000mAを超えた後、蛍光体含有部材が熱飽和に達し、その直後から光束は低下し始める。従って、図2においては、飽和電流値は、約3200mAを示す値となる。この際の飽和出力値は、4.5Wとなる。なお、レーザ素子を連続駆動させる場合、定格駆動電流よりも、電流値の幅を狭くして徐々に上げることにより、分類の精度を向上させることができる。ここでの上げ幅は、10mAから数百mAの範囲が挙げられ、例えば、100mAが挙げられる。
(蛍光体含有部材の飽和出力値又は飽和電流値による分類:S4)
蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた飽和出力値又は飽和電流値に基づいて分類する。ここでの分類は、例えば、飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループに分類することが挙げられる。グループは、所定の飽和出力値又は飽和電流値を境界として、低飽和グループと高飽和グループとに区分することができる。あるいは、所定の飽和出力値又は飽和電流値を含む中央飽和グループと、中央飽和グループよりも低い低飽和グループと、中央飽和グループよりも高いである高飽和グループとを含む3以上のグループに区分してもよい。いずれの形態においても、これらの各グループは、それぞれのグループにおいて、さらに2以上の低飽和グループ、中央飽和グループ及び/又は高飽和グループに分類してもよい。なお、各グループの境界の飽和出力値又は飽和電流値と同一の飽和出力値又は飽和電流値を有する蛍光体含有部材は、隣接する2つのグループのいずれかに属するように設定する。例えば、飽和出力値又は飽和電流値が各グループの境界と同一の蛍光体含有部材は、隣接する2つのグループのうち値が低い側のグループに分類する。
上述したように、測定用光源におけるレーザ素子の発振波長が450nmであり、図2に示すような光束と飽和電流との関係を示す場合、所定の飽和電流値は、例えば、2700mAに設定することができる。このような値とすることにより、後述する蛍光体含有部材との適切な組み合わせが容易となる。その結果、発光装置の実使用時(温度変化した時)の個々の発光装置における色度変化量のバラツキの低減を図ることが可能となる。このような所定の値は、飽和電流値の25%〜10%程度小さい電流値に設定することが挙げられる。また、所定の値を飽和出力値とする場合、例えば、3.85Wに設定することができる。このような所定の値は、飽和出力値の10%〜25%程度小さい出力値に設定することが挙げられる。
別の観点から、測定用光源におけるレーザ素子の発振波長が450nmであり、図2に示すような光束と飽和電流との関係を示す場合、所定の飽和電流値は、例えば、2600mAと、2900mAとに設定してもよい。これによって、蛍光体含有部材を3つに区分することができる。このような所定の値は、飽和電流値の25%〜10%の範囲の電流値に設定することが挙げられる。また、所定の値を飽和出力値とする場合、例えば、3.7Wに設定することができる。このような所定の値は、飽和出力値の10%〜25%の範囲の出力値に設定することが挙げられる。蛍光体含有部材を分類する各グループは、測定した飽和電流値が分布する全域を実質的に均等に分けるものであってもよく、不均等に分けるものであってもよい。各グループの上限値と下限値との差は、例えば、200mA〜500mAとすることができる。また、準備した複数の蛍光体含有部材の一部のみを各グループに分けてもよい。好ましくは準備した蛍光体含有部材の全てを各グループに分類する。
(レーザ素子と蛍光体含有部材との組み合わせ:S5)
半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる。なお、上述したステップS1からステップS4は、ステップS1及びS3の順序、ステップS2及びS4の順序で行われる限り任意の順序で実行することができる。例えば、ステップS2、ステップS1、ステップS4、ステップS3の順序が挙げられる。そして、半導体レーザ素子と蛍光体含有部材との組み合わせは、上述したステップS1からステップS4を行った後、ステップS5として行う。
半導体レーザ素子と蛍光体含有部材との組み合わせは、(a)短波長グループに分類された半導体レーザ素子と、低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b)長波長グループに分類された半導体レーザ素子と、高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるかを含むことが好ましい。言い換えると、少なくとも(a)及び(b)のいずれかの組み合わせを行えばよく、双方の組み合わせを行うことが好ましい。特に、半導体レーザ素子を2グループに分類し、蛍光体含有部材を2グループに分類した場合に、(a)及び(b)の双方の組み合わせを行うことがより好ましい。
(a)及び/又は(b)の組み合わせは、つまり、色度変化量が小さいレーザ素子と色度変化量が大きい蛍光体含有部材とを組み合わせるか、色度変化量が小さい蛍光体含有部材と色度変化量が大きいレーザ素子とを組み合わせることを意味する。このような組み合わせにより、発光装置の実使用時、つまり、蛍光体含有部材が温度変化したときの色度変化量のバラツキ、つまり、個々の発光装置バラツキを低減することができる。
また、上述したように、レーザ素子及び蛍光体含有部材をそれぞれ3グループに分類した場合、(a’)最短波長グループに分類された半導体レーザ素子と、最低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b’)最長波長グループに分類された半導体レーザ素子と、最高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(c’)中央波長グループに分類された半導体レーザ素子と、中央飽和グループに分類された蛍光体含有部材とに組み合わせることを含むことが好ましい。このような組み合わせを選択することにより、色度変化量が大きい蛍光体含有部材と色度変化量が小さいレーザ素子とを組み合わせることによって、発光装置の使用時、つまり、レーザ素子の駆動によって温度変化が発生した際の色度変化量のバラツキを低減させることができる。その結果、各半導体レーザ素子及び蛍光体含有部材に対して事前に特性を測定するという簡便な手法によって、複数の発光装置においてそれぞれのバラツキが小さい、一定か一定に近い性能を有する複数の発光装置を、容易にかつ確実に、再現性よく製造することが可能となる。
レーザ素子と蛍光体含有部材との組み合わせは、1つのレーザ素子に、1つの蛍光体含有部材を組み合わせであってもよく、複数のレーザ素子と1つの蛍光体含有部材との組み合わせ及び1つのレーザ素子と複数の蛍光体含有部材との組み合わせであってもよい。1つのレーザ素子に1つの蛍光体含有部材を組み合わせることが好ましく、これによって、より確実に得られる発光装置のバラツキを小さくすることができる。
このような製造方法により、特定のレーザ素子と特定の蛍光体含有部材とを組み合わせることができ、それぞれ得られた発光装置において、レーザ素子の温度変化に伴う蛍光の色度変化量のバラツキを低減させることができる。これにより、発光する光の色度の変化量を低減可能な、安定した特性を有する発光装置を再現性よく製造することが可能となる。
(発光装置)
例えば、図3に示すように、製造された発光装置10は、蛍光体を含む蛍光体含有部材13及びレーザ素子11を備えて構成される。
蛍光体含有部材13と、レーザ素子11は、パッケージ部材15内に気密封止されている。これによりレーザ素子が出射するレーザ光による集塵を抑制することができる。パッケージ部材15は、例えば、銅、銅合金又は鉄合金等を含む金属、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウム等を含むセラミックス等によって形成することができる。パッケージ部材15のうちレーザ素子11が実装される部分等の放熱経路になり得る部分には、銅、銅合金、窒化アルミニウムセラミックス等の放熱性が良好な材料を用いることが好ましい。パッケージ部材15は、例えば、キャップ17とベース18とから構成され、両者は、金属接着剤等を用いて又は溶接によって接合される。パッケージ部材15を構成するベース18及び/又はキャップ17の形状は、例えば、平面形状として、略円形、略楕円形、略多角形等の種々の形状であるものが挙げられる。パッケージ部材15の上面の一部又は全部に光を取り出す光取り出し窓が設けられている。光取り出し窓は、例えば、上面視において長方形であって、材料はガラス又はサファイアとすることができる。
蛍光体含有部材13は、板状の部材であり、YAG蛍光体(励起ピーク:450nm、励起ピークを有する励起スペクトルの半値全幅:100nm)と酸化アルミニウムとの焼結体により形成されている。YAG蛍光体は、蛍光体含有部材13の全重量に対して、50重量%含有されている。蛍光体含有部材13は、レーザ素子11から出射されるレーザ光の主要な経路に対して、蛍光体含有部材13の表面が45度の角度で交差する向きで配置されている。図3に示す蛍光体含有部材13は、励起光(レーザ光)入射面と光取り出し面とが同じ面である反射型の構造である。この場合、蛍光体含有部材13の励起光入射面とは反対側の面には、光反射部材14が配置されていてもよい。この光反射部材14により、蛍光体含有部材13の内部の光を励起光入射面から取り出されるように反射させることで、蛍光体含有部材13からの光取り出し効率を向上させることができる。蛍光体含有部材は、励起光入射面と光取り出し面が異なる面である透過型の構造であってもよい。
なお、蛍光体含有部材は、その励起光入射面及び/又は光取り出し面側に、接触して又は非接触で、機能層が付加されていてもよい。例えば、蛍光体含有部材の励起光入射面及び光取り出し面の少なくともいずれかに、レーザ光等の反射を抑える反射防止膜、励起光を透過し蛍光を反射する短波長パスフィルター、励起光を反射し蛍光を透過する長波長パスフィルター等が配置されていてもよい。長波長パスフィルターは、例えば励起光に対する反射率を50%未満とし、蛍光体含有部材に入射する励起光の強さを調整することで色度を調整するために用いることができる。また、蛍光体含有部材の励起光入射面及び光取り出し面以外の面に、接触して又は非接触で、光反射膜及び/又は光反射部材を設けてもよい。例えば、反射型の場合は、蛍光体含有部材13の励起光が入射し且つ光が取り出される面とは反対側の面に、光反射膜及び/又は光反射部材を配置することができる。光反射膜及び/又は光反射部材は、照射されるレーザ光に対する反射率が60%以上であることが好ましい。さらに、蛍光体含有部材のいずれかの面に、透光性部材を配置してもよい。透光性部材としては、レーザ光の60%以上を透過するものが挙げられる。
レーザ素子11は、ピーク波長が450nmの設定である。レーザ素子11は、例えば、窒化アルミニウムを主材料とするサブマウント16上に設置されている。サブマウント16は、放熱性が良好な材料を主材料として用いることにより放熱性を向上させることができる。サブマウント16の主材料としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化珪素等が挙げられる。
このような発光装置10は、特に、車載用途のように使用温度域が広い用途に有利となる。車載用途では、例えば、−数十℃から100℃程度までの温度変化の環境下で用いられることが想定される。
また、図4に示すように、発光装置20は、レーザ素子11と、レーザ素子11の光路上に蛍光体含有部材23が配置されたキャップ(外側キャップ27B)とを備えて構成されていてもよい。図4は、内側キャップ27A及び外側キャップ27Bをレーザ素子11の光路に沿って切断した状態の発光装置20を示す斜視図である。
発光装置20は、図4に示すように、ステム28Aと、ステム28Aを貫通する2本のリード端子28Bと、ステム28Aが有する凸部の側面に固定されたサブマウント26と、サブマウント26に固定されたレーザ素子11と、レーザ素子11とリード端子28Bのそれぞれとを電気的に接続するワイヤ29と、を有する。発光装置20は、さらに、内側キャップ27Aと外側キャップ27Bを有する。内側キャップ27Aは、ステム28Aに固定された内側キャップ本体271と、内側キャップ本体271に設けられた貫通孔に固定されたレンズ272とを有する。外側キャップ27Bは、外側キャップ本体273と、下側押さえ部274と、上側押さえ部275と、光反射部276と、蛍光体含有部材23と、を有する。蛍光体含有部材23は光反射部276に固定されており、光反射部276は下側押さえ部274と上側押さえ部275に挟まれることで固定されている。図4に破線で示すように、レーザ素子11から出射したレーザ光は、レンズ272で集光され、蛍光体含有部材23の手前で焦点を結び、蛍光体含有部材23に入射する。ステム28Aと内側キャップ27Aにより、レーザ素子11が気密封止されている。なお、内側キャップ27Aと外側キャップ27Bとステム28Aはパッケージ部材を構成する。図4に示す発光装置20では内側キャップ27Aと外側キャップ27Bが別部材であるが、これらは一体的に形成されていてもよい。
<実施形態2>
本発明の実施形態2の発光装置の製造方法は、以下の工程を含む。
同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子を複数準備し、各半導体レーザ素子の所定の電流値AXにおける出力及び発振波長を測定する。
同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を蛍光体含有部材に照射することにより、測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、蛍光体含有部材の光束が最高値となる測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定する。
半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた発振波長によって、所定の発振波長λXを含む中央波長グループと、中央波長グループよりも短波長である短波長グループと、中央波長グループよりも長波長である長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類する。
中央波長グループの半導体レーザ素子を、得られた所定の電流値AXにおける出力によって、所定の基準出力WXを境界として区分される高出力サブグループと低出力サブグループとに分類する。
蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた飽和出力値又は飽和電流値によって、飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類する。
半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(d)短波長グループ又は低出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(e)長波長グループ又は高出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせる。
また、所定の基準出力WXは、測定用光源の所定の電流値AXにおける出力とすることができる。
以下、実施形態2の発光装置の製造方法について詳述するが、特に説明するもの以外は実施形態1と同様の手法や材料等を用いることができる。
図5は、実施形態2の発光装置の製造方法を説明するための図である。図5に示すように、中央波長グループのレーザ素子を、所定の基準出力WXを境界としてさらに分類することができる。図5において、「中央-高」は中央波長グループの中の高出力サブグループを示し、「中央-低」は中央波長グループの中の低出力サブグループを示す。レーザ素子の出力が高いほど、組み合わせた蛍光体含有部材の発熱量が大きくなりやすい、すなわち色度変化量が大きくなりやすい。このため、図5においてパターンで塗り分けたとおり、高出力サブグループは色度変化量が大きい傾向がある長波長グループと同じカテゴリとし、低出力サブグループは短波長グループと同じカテゴリとする。そして、それぞれ蛍光体含有部材と組み合わせる。このように、出力(光出力)でも色度変化量を変わり得ることから、出力をレーザ素子のグループ分けの基準に加えてもよい。なお、実施形態1と同様に、各グループの境界の値と同一の値を有するレーザ素子は、隣接する2つのグループのいずれかに属するように設定する。例えば、各グループの境界の発振波長と同一の発振波長を有するレーザ素子は、隣接する2つのグループのうち波長が短い側のグループに分類する。
複数のレーザ素子のほとんどは発振波長のみでグループ分けをすることが好ましいため、実施形態2の中央波長グループの上限値と下限値との差は、短波長グループの上限値と下限値との差、及び、長波長グループの上限値と下限値との差よりも小さいことが好ましい。中央波長グループの上限値と下限値との差は、数nm程度が挙げられ、例えば2nmとすることができる。準備する複数の半導体レーザ素子がいずれも所定の発振波長λXを狙って製造されたものであるときに、中央波長グループは、その所定の発振波長λXを含む波長帯のグループとすることができる。例えば、中央波長グループは発振波長λX±1nmの範囲のグループとすることができる。また、中央波長グループは、蛍光体含有部材が有する蛍光体の励起ピークを含む波長帯のグループであってもよい。所定の発振波長λXが、蛍光体含有部材が有する蛍光体の励起ピークの波長と実質的に一致していてもよい。ここでの「実質的に一致」とは、1nm未満の誤差を含む。
10、20 発光装置
11 レーザ素子
13、23 蛍光体含有部材
14 光反射部材
15 パッケージ部材
16、26 サブマウント
17 キャップ
18 ベース
27A 内側キャップ
27B 外側キャップ
271 内側キャップ本体
272 レンズ
273 外側キャップ本体
274 下側押さえ部
275 上側押さえ部
276 光反射部
28A ステム
28B リード端子
29 ワイヤ

Claims (11)

  1. 同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子を複数準備し、各半導体レーザ素子の発振波長を測定し、
    同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、前記同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を前記蛍光体含有部材に照射することにより、前記測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する前記蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、前記蛍光体含有部材の光束が最高値となる前記測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定し、
    前記半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた前記発振波長によって、短波長側の短波長グループと長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類し、
    前記蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた前記飽和出力値又は飽和電流値によって、前記飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと前記飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類し、
    前記半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(a)前記短波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(b)前記長波長グループに分類された半導体レーザ素子と、前記高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせることを含む発光装置の製造方法。
  2. 前記測定用光源の発振波長は、前記同色の範囲の上限値と下限値との平均値の発振波長である請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記複数の波長グループは、前記測定用光源の発振波長を境界として、前記短波長グループと前記長波長グループとに区分されている請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記複数の波長グループは、前記測定用光源の発振波長を含む中央波長グループと、前記中央波長グループよりも短波長である前記短波長グループと、前記中央波長グループよりも長波長である前記長波長グループとを含む3以上のグループに区分されている請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記同色の範囲は、可視光領域の波長の範囲であり、
    前記同色の範囲の幅は、20nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記測定用光源は、445nm〜455nmの範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子である請求項5に記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記蛍光体含有部材は、励起ピークを有する励起スペクトルの半値全幅が110nm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記蛍光体含有部材は、YAG蛍光体を含む部材である請求項7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 1つの前記半導体レーザ素子と、1つの前記蛍光体含有部材とを組み合わせて、1つのパッケージ内に設けられた発光装置を製造する請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  10. 同色の範囲内の発振波長を有する半導体レーザ素子を複数準備し、各半導体レーザ素子の所定の電流値AXにおける出力及び発振波長を測定し、
    同じ蛍光体を含有する蛍光体含有部材を複数準備し、各蛍光体含有部材において、前記同色の範囲内の発振波長を有する測定用光源を前記蛍光体含有部材に照射することにより、前記測定用光源の出力又は駆動電流の変化に対する前記蛍光体含有部材の光束の変化を観察し、前記蛍光体含有部材の光束が最高値となる前記測定用光源の出力又は駆動電流である飽和出力値又は飽和電流値を特定し、
    前記半導体レーザ素子を、それぞれ、得られた前記発振波長によって、所定の発振波長λXを含む中央波長グループと、前記中央波長グループよりも短波長である短波長グループと、前記中央波長グループよりも長波長である長波長側の長波長グループとを含む複数の波長グループのいずれかに分類し、
    前記中央波長グループの前記半導体レーザ素子を、得られた前記所定の電流値AXにおける出力によって、所定の基準出力WXを境界として区分される高出力サブグループと低出力サブグループとに分類し、
    前記蛍光体含有部材を、それぞれ、得られた前記飽和出力値又は飽和電流値によって、前記飽和出力値又は飽和電流値が低い側の低飽和グループと前記飽和出力値又は飽和電流値が高い側の高飽和グループを含む複数の飽和グループのいずれかに分類し、
    前記半導体レーザ素子と、蛍光体含有部材とを組み合わせる際、(d)前記短波長グループ又は前記低出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、前記低飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせるか、(e)前記長波長グループ又は前記高出力サブグループに分類された半導体レーザ素子と、前記高飽和グループに分類された蛍光体含有部材とを組み合わせることを含む発光装置の製造方法。
  11. 前記所定の基準出力WXは、前記測定用光源の前記所定の電流値AXにおける出力である請求項10に記載の発光装置の製造方法。
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