JP2020197324A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力が効率的に供給することができる空調システムを提供する。【解決手段】空調システム100は、冷媒サイクルRCと、給電ユニット40と、コントローラ60とを備える。冷媒サイクルは、室外ユニット10、及び、複数の室内ユニット30を有する。給電ユニットは、複数の室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された場合に、電源が遮断された室内ユニットに補助電源の供給を行う。コントローラは、補助電源の供給が行われないときにおける、冷媒サイクルに含まれる機器の制御である第1制御、又は、補助電源の供給が行われるときにおける機器の制御である第2制御を行う。コントローラは、電源が遮断された室内ユニットの台数及び合計容量の少なくとも一方に応じて、第2制御が行われる機器、及び、第2制御の制御内容の少なくとも一方を設定する。【選択図】図3

Description

空調システム
従来、特許文献1(特開2013−40698号公報)に開示されるように、一部の室内ユニットの電源が遮断されても空調運転を継続することができる空調システムが知られている。
一部の室内ユニットの電源が遮断され、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニット等から電力が供給される際に、優先されるべき制御に関する検討が十分でないため電力供給の効果が小さくなる課題がある。
第1観点の空調システムは、冷媒サイクルと、給電ユニットと、コントローラとを備える。冷媒サイクルは、室外ユニット、及び、複数の室内ユニットを有する。給電ユニットは、複数の室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された場合に、電源が遮断された室内ユニットに補助電源の供給を行う。コントローラは、冷媒サイクルに含まれる機器を制御する。コントローラは、補助電源の供給が行われないときにおける機器の制御である第1制御、又は、補助電源の供給が行われるときにおける機器の制御である第2制御を行う。コントローラは、複数の室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された時における、電源が遮断された室内ユニットの台数及び合計容量の少なくとも一方に応じて、第2制御が行われる機器、及び、第2制御の制御内容の少なくとも一方を設定する。
第1観点の空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
第2観点の空調システムは、第1観点の空調システムであって、複数の室内ユニットのそれぞれは、膨張弁及びドレンポンプを有する。第2制御が行われる機器は、膨張弁及びドレンポンプの少なくとも一部を含む。
第2観点の空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
第3観点の空調システムは、第2観点の空調システムであって、複数の室内ユニットのそれぞれは、ドレン水位の異常を検知するための検知ユニットをさらに有する。コントローラは、検知ユニットによってドレン水位の異常が検知された室内ユニットが有する機器を優先して、第2制御を行う。
第3観点の空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
第4観点の空調システムは、第3観点の空調システムであって、コントローラは、検知ユニットによってドレン水位の異常が検知された室内ユニットが複数ある場合において、それぞれの室内ユニットが有する機器の第2制御を所定の順で行う。
第4観点の空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
第5観点の空調システムは、第1乃至第4観点のいずれか1つの空調システムであって、コントローラは、複数の室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された時における、電源が遮断された室内ユニットの状態に応じて第2制御を行う。
第5観点の空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
第1実施形態の空調システム100の概略構成図である。 コントローラ60が電源遮断時に第2制御を行う時における処理のフローチャートである。 リスクレベルを決定する基準の一例である。 冷房運転中においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。 デフロスト運転中においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。 油戻し運転中においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。 空調システム100全体の運転の制御フローを表す図である。 第2実施形態の空調システム100の概略構成図である。 変形例Jに係る空調システム100の概略構成図である。
―第1実施形態―
第1実施形態に係る空調システム100について、図面を参照しながら説明する。
(1)空調システム100の構成
図1は、本実施形態の空調システム100の概略構成図である。空調システム100は、家屋、ビル、工場又は公共施設等の建物内に含まれる対象空間において冷房及び暖房等の空気調和を実現するシステムである。
空調システム100は、冷媒が循環する冷媒回路RCを含む。空調システム100は、冷媒回路RCにおいて冷媒を循環させて蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行うことにより、対象空間の冷房又は暖房を行う。冷媒回路RCには、R410A、R32又はアンモニア等の冷媒が封入されている。
空調システム100は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外ユニット10と、利用ユニットとしての複数台(図1では3台)の室内ユニット30(30a,30b,30c)と、1台の給電ユニット40と、複数台(図1では3台)のリモコン50と、コントローラ60とを備えている。空調システム100の冷媒回路RCは、室外ユニット10と各室内ユニット30とがガス連絡配管GP及び液連絡配管LPによって接続されることで構成されている。言い換えると、空調システム100は、同一冷媒系統に複数の室内ユニット30が接続された、マルチタイプ(マルチテナント)の空調システムである。
(1−1)室外ユニット10
室外ユニット10は、室外(対象空間外)に設置される室外機である。室外ユニット10は、主として、複数の冷媒配管(第1配管P1〜第5配管P5)と、圧縮機11と、四路切換弁12と、室外熱交換器13と、室外ファン15と、室外ユニット制御部17とを有している。
第1配管P1は、ガス連絡配管GPと四路切換弁12とを接続する冷媒配管である。第2配管P2は、四路切換弁12と圧縮機11の吸入ポート(図示省略)とを接続する吸入配管である。第3配管P3は、圧縮機11の吐出ポート(図示省略)と四路切換弁12とを接続する吐出配管である。第4配管P4は、四路切換弁12と室外熱交換器13のガス側とを接続する冷媒配管である。第5配管P5は、室外熱交換器13の液側と液連絡配管LPとを接続する冷媒配管である。
圧縮機11は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して吐出する機構である。圧縮機11は、圧縮機モータ11aが内蔵された密閉式の構造を有している。圧縮機11では、圧縮機ケーシング(図示省略)内に収容されたロータリ式又はスクロール式等の圧縮要素(図示省略)が、圧縮機モータ11aを駆動源として駆動される。圧縮機モータ11aは、運転中、インバータ制御され、状況に応じて回転数が調整される。圧縮機11は、駆動時に、吸入ポートから冷媒を吸入し、圧縮し、吐出ポートから吐出する。
四路切換弁12は、冷媒回路RCにおいて冷媒の流れる方向を切り換えるための弁である。四路切換弁12は、第1配管P1、第2配管P2、第3配管P3及び第4配管P4と個別に接続されている。四路切換弁12は、冷房運転時には、第1配管P1と第2配管P2とが接続されるとともに、第3配管P3と第4配管P4とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁12の実線を参照)。四路切換弁12は、暖房運転時には、第1配管P1と第3配管P3とが接続されるとともに、第2配管P2と第4配管P4とが接続されるように、流路を切り換える(図1の四路切換弁12の破線を参照)。
室外熱交換器13は、冷房運転時には冷媒の凝縮器又は放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器13は、冷媒が流れる伝熱管(図示省略)と、伝熱面積を増大する伝熱フィン(図示省略)とを含む。室外熱交換器13は、運転時において、伝熱管内の冷媒と、室外ファン15によって生成される空気流とが熱交換可能なように配置されている。
室外ファン15は、例えばプロペラファンである。室外ファン15は、室外ファンモータ15aの出力軸に接続されており、室外ファンモータ15aに連動して駆動する。室外ファン15は、駆動すると、外部から室外ユニット10内に流入し室外熱交換器13を通過してから室外ユニット10外へ流出する空気流を生成する。
室外ユニット制御部17は、CPU及びメモリ等から構成されるマイクロコンピュータである。室外ユニット制御部17は、室外ユニット10の各アクチュエータの動作を制御する。室外ユニット制御部17は、各室内ユニット30の室内ユニット制御部34(後述)と、通信線cb1,cb2及び給電ユニット40を介して接続されており、相互に信号の送受信を行う。
(1−2)室内ユニット30
室内ユニット30(30a,30b,30c)は、対象空間に設置される室内機である。室内ユニット30は、室外ユニット10とともに冷媒回路RCを構成している。室内ユニット30は、主として、室内熱交換器31と、膨張弁32(32a,32b,32c)と、室内ファン33と、室内ユニット制御部34とを有している。
室内熱交換器31は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の凝縮器又は放熱器として機能する熱交換器である。室内熱交換器31は、例えばクロスフィンチューブ熱交換器である。室内熱交換器31の液側は、膨張弁32(32a,32b,32c)まで延びる冷媒配管に接続されている。室内熱交換器31のガス側は、ガス連絡配管GPまで延びる冷媒配管に接続されている。室内熱交換器31は、運転時において、伝熱管(図示省略)内の冷媒と、室内ファン33によって生成される空気流とが熱交換可能なように配置されている。
膨張弁32(32a,32b,32c)は、開度調整が可能な電動弁である。膨張弁32は、運転時において、状況に応じて開度が適宜調整され、開度に応じて冷媒を減圧する。各室内ユニット30は、1つの膨張弁32を有している。具体的には、室内ユニット30aは、膨張弁32aを有し、室内ユニット30bは、膨張弁32bを有し、室内ユニット30cは、膨張弁32cを有している。膨張弁32a,32b,32cは、それぞれ、対応する室内ユニット30a,30b,30cの運転状況に応じて開度が適宜調整される。
膨張弁32は、室内熱交換器31の液側まで延びる冷媒配管、及び、液連絡配管LPまで延びる冷媒配管に接続されている。液連絡配管LPは、室外ユニット10の第5配管P5と、各膨張弁32とを接続する。液連絡配管LPの一端は、第5配管P5と接続され、液連絡配管LPの他端は、膨張弁32の数に応じて分岐して各膨張弁32と個別に接続されている。
室内ファン33は、例えばターボファン、シロッコファン、クロスフローファン又はプロペラファン等の送風機である。室内ファン33は、室内ファンモータ33aの出力軸に接続されている。室内ファン33は、室内ファンモータ33aに連動して駆動する。室内ファン33は、駆動すると、室内ユニット30内に吸い込まれて室内熱交換器31を通過した後に対象空間へと吹き出される空気流を生成する。
室内ユニット制御部34は、CPU及びメモリ等から構成されるマイクロコンピュータである。室内ユニット制御部34は、室内ユニット30の各アクチュエータの動作を制御する。各室内ユニット制御部34は、室外ユニット制御部17と、通信線cb1,cb2及び給電ユニット40を介して接続されており、相互に信号の送受信を行う。室内ユニット制御部34は、リモコン50と無線通信を行う。
室内ユニット30の室内ユニット制御部34は、当該室内ユニット30の膨張弁32と通信線(図示省略)を介して接続されており、当該膨張弁32の開度を調整することができる。
(1−3)給電ユニット40
給電ユニット40は、室外ユニット制御部17及び各室内ユニット制御部34と、通信線cb1,cb2を介して接続されている。具体的には、通信線cb1は、給電ユニット40と室外ユニット制御部17とを接続しており、通信線cb2は、室内ユニット制御部34の数に応じて分岐し、給電ユニット40と各室内ユニット制御部34とを接続している。通信線cb1は、給電ユニット40を介して通信線cb2に接続されている。
各室内ユニット30は、建物に設置されている外部の商用電源(図示省略)に接続されている。室内ユニット30は、正常運転時には商用電源から供給された電力によって稼動している。給電ユニット40は、複数の室内ユニット30の少なくとも一部への商用電源が遮断された場合、言い換えると、少なくとも1つの室内ユニット30への商用電源からの電力供給が停止した場合に、商用電源(以下、単に「電源」と呼ぶ。)が遮断された室内ユニット30に電力を供給するための補助電源である。通信線cb2は、室外ユニット制御部17と各室内ユニット制御部34との間で送受信される信号の他に、給電ユニット40から各室内ユニット30に供給される電力を伝送する。
(1−4)リモコン50
リモコン50は、CPU及びメモリ等から構成されるマイクロコンピュータを含むリモコン制御部(図示省略)と、空調システム100へ各種コマンドを入力するための入力キーを含むリモコン入力部(図示省略)とを有するデバイスである。
空調システム100は、室内ユニット30と同数のリモコン50を有している。リモコン50は、いずれかの室内ユニット30と一対一で対応づけられている。リモコン50は、対応する室内ユニット30の室内ユニット制御部34と、赤外線及び電波等を用いて無線通信を行う。リモコン50は、ユーザ及び管理者等によってリモコン入力部へコマンドが入力されると、入力されたコマンドに応じて、所定の信号を室内ユニット制御部34に送信する。
(1−5)コントローラ60
空調システム100では、室外ユニット10の室外ユニット制御部17と、各室内ユニット30(30a,30b,30c)の室内ユニット制御部34とが通信線cb1,cb2及び給電ユニット40を介して接続されることで、コントローラ60が構成されている。コントローラ60は、空調システム100の動作を制御する。
(2)空調システム100の運転
いずれかのリモコン50に運転開始コマンドが入力され、コントローラ60によって冷房運転又は暖房運転に係る制御が実行されると、四路切換弁12が所定の状態に切り換えられ、圧縮機11及び室外ファン15が起動する。その後、運転開始コマンドが入力されたリモコン50に対応する室内ユニット30が運転状態(室内ファン33が稼動している状態)となる。
(2−1)冷房運転
冷房運転時には、四路切換弁12が冷房サイクル状態(図1の四路切換弁12の実線で示された状態)に切り換えられる。この状態で各アクチュエータが起動すると、冷媒が、第2配管P2を介して圧縮機11に吸入され、圧縮される。圧縮機11から吐出された冷媒は、第3配管P3、四路切換弁12、及び第4配管P4を通過して室外熱交換器13に流入する。
室外熱交換器13に流入した冷媒は、室外ファン15が生成する空気流と熱交換して凝縮する。室外熱交換器13から流出した冷媒は、第5配管P5及び液連絡配管LPを通過して、各室内ユニット30に流入する。
室内ユニット30に流入した冷媒は、膨張弁32に流入する。膨張弁32に流入した冷媒は、膨張弁32の開度に応じて減圧される。膨張弁32から流出した冷媒は、室内熱交換器31に流入し、室内ファン33によって生成される空気流と熱交換して蒸発する。室内熱交換器31から流出した冷媒は、ガス連絡配管GPを通過して室外ユニット10に流入する。
室外ユニット10に流入した冷媒は、第1配管P1、四路切換弁12、及び第2配管P2を通過して、再び圧縮機11に吸入されて圧縮される。
(2−2)暖房運転
暖房運転時には、四路切換弁12が暖房サイクル状態(図1の四路切換弁12の破線で示された状態)に切り換えられる。この状態で各アクチュエータが起動すると、冷媒が、第2配管P2を介して圧縮機11に吸入され、圧縮される。圧縮機11から吐出された冷媒は、第3配管P3、四路切換弁12、第1配管P1及びガス連絡配管GPを通過して各室内ユニット30に流入する。
室内ユニット30に流入した冷媒は、室内熱交換器31に流入し、室内ファン33が生成する空気流と熱交換して凝縮する。室内熱交換器31から流出した冷媒は、膨張弁32に流入し、膨張弁32の開度に応じて減圧される。膨張弁32から流出した冷媒は、液連絡配管LPを通過して室外ユニット10に流入する。
室外ユニット10に流入した冷媒は、第5配管P5を通過して室外熱交換器13に流入する。室外熱交換器13に流入した冷媒は、室外ファン15によって生成される空気流と熱交換して蒸発する。室外熱交換器13から流出した冷媒は、第4配管P4、四路切換弁12、及び第2配管P2を通過して、再び圧縮機11に吸入されて圧縮される。
(3)コントローラ60の詳細
次に、複数の室内ユニット30の少なくとも一部への電源が遮断された時(以下、「電源遮断時」と呼ぶ。)における、コントローラ60による空調システム100の動作の制御について説明する。
コントローラ60は、空調システム100の状態に応じて、冷媒回路RCに含まれる機器(以下、「対象機器」と呼ぶ。)の制御である、第1制御又は第2制御を行う。第1制御とは、補助電源である給電ユニット40から全ての室内ユニット30への電力の供給が行われないときにおける対象機器の制御である。第2制御とは、補助電源である給電ユニット40から少なくとも1台の室内ユニット30への電力の供給が行われるときにおける対象機器の制御である。言い換えると、第1制御は、全ての室内ユニット30の電力が遮断されていない時(電源遮断時以外の時)に行われ、第2制御は、少なくとも1台の室内ユニット30の電力が遮断されている時(電源遮断時)に行われる。コントローラ60は、電源遮断時において電源が遮断された室内ユニット30(以下、「電源遮断室内ユニット30」と呼ぶ。)の台数及び合計容量の少なくとも1つに応じて、第2制御が行われる対象機器、及び、第2制御の制御内容の少なくとも一方を設定する。本実施形態では、対象機器は、膨張弁32及び圧縮機11を含む。
本実施形態では、電源遮断時に行われる第2制御は、開度変更制御及びシステム停止制御の少なくとも一方を含む。開度変更制御とは、電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度を変更する制御である。システム停止制御とは、室外ユニット10の圧縮機11の駆動を停止させて空調システム100を停止させる制御である。
図2は、コントローラ60が電源遮断時に第2制御を行う時における処理のフローチャートである。図2には、ステップS11〜S13が示されている。ステップS11では、電源遮断時におけるリスクレベルが決定される。リスクレベルとは、例えば、室外ユニット10の吸入配管(第1配管P1)に液冷媒が流入する湿りリスク、及び、電源遮断室内ユニット30の室内熱交換器31でドレン水が発生することによる水漏れリスクである。リスクレベルは、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数及び合計容量の少なくとも1つに応じて決定される。ステップS12では、ステップS11で決定されたリスクレベルに応じて、第2制御が行われる対象機器、及び、第2制御の制御内容の少なくとも一方が設定される。ステップS12で設定される内容は、電源遮断時における空調システム100の状態に応じて異なる。ステップS13では、ステップS12で設定された内容に応じて、第2制御が行われる。
(3−1)冷房運転中における第2制御
電源遮断時において空調システム100が冷房運転を行っている場合の第2制御について説明する。
コントローラ60は、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数、及び、電源遮断時における全ての電源遮断室内ユニット30の合計容量に応じて、図2のステップS11のリスクレベルを決定する。
図3は、図2のステップS11においてリスクレベルを決定する基準の一例である。図3において、リスクレベルは、「大」、「中」及び「小」の三段階で示されている。図3に示されるように、リスクレベルを決定する要因は、給電ユニット40に接続される室内ユニット30の台数、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数、及び、電源遮断時における全ての電源遮断室内ユニット30の合計容量である。
図3に示される、リスクレベルを決定する基準の一部について説明する。給電ユニット40に32台の室内ユニット30が接続されており、32台全ての室内ユニット30の電源が遮断された場合、リスクレベルは「大」に決定される。給電ユニット40に32台の室内ユニット30が接続されており、その内の5台の室内ユニット30の電源が遮断された場合、電源遮断室内ユニット30の合計容量に応じてリスクレベルが決定される。この場合、5台の電源遮断室内ユニット30の合計容量が32台全ての室内ユニット30の合計容量に占める割合(以下、「合計容量割合」と呼ぶ。図3においても同様。)が50%を超える場合、リスクレベルは「大」に決定される。合計容量割合が10%を超え50%以下である場合、リスクレベルは「中」に決定される。合計容量割合が10%以下である場合、リスクレベルは「小」に決定される。
図3では、コントローラ60は、給電ユニット40に接続される室内ユニット30の台数が多いほど、又は、電源遮断時の電源遮断室内ユニット30の台数が多いほど、高いリスクレベルを設定する。また、コントローラ60は、電源遮断時の電源遮断室内ユニット30の台数が少なくても、電源遮断時の電源遮断室内ユニット30の合計容量が大きいほど、高いリスクレベルを設定する。
図4は、図2のステップS12においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。図4において、リスクレベルが「大」である場合、コントローラ60は、第2制御が行われる対象機器として圧縮機11を設定し、第2制御の制御内容としてシステム停止制御を設定する。リスクレベルが「中」又は「小」である場合、コントローラ60は、第2制御が行われる対象機器として各電源遮断室内ユニット30の膨張弁32を設定し、第2制御の制御内容として開度変更制御を設定する。リスクレベルが「中」又は「小」である場合、コントローラ60は、第2制御の制御内容としてシステム停止制御を設定しない。
また、コントローラ60は、第2制御の制御内容として開度変更制御を設定した場合に、リスクレベルに応じて、開度変更制御の完了後の膨張弁32の開度(以下、「目標開度」と呼ぶ。図4においても同様。)を設定する。具体的には、コントローラ60は、リスクレベルが「中」である場合の目標開度(図4では「目標開度:小」)が、リスクレベルが「小」である場合の目標開度(図4では「目標開度:大」)よりも小さくなるように、目標開度を設定する。言い換えると、コントローラ60は、リスクレベルが高いほど目標開度を小さく設定する。
電源遮断時において空調システム100が通常の冷房運転を行っている場合の開度変更制御は、各電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度を低減して、膨張弁32を絞る、又は、膨張弁32を閉じる制御である。このような開度変更制御を行うことにより、室外ユニット10の吸入配管(第1配管P1)に流れ込む液冷媒の量が低減し、かつ、電源遮断室内ユニット30で発生するドレン水の発生量が低減する。
図2のステップS13において、コントローラ60は、電源遮断時においてリスクレベルに応じた第2制御(システム停止制御又は開度変更制御)を行うことで、湿りリスク及び水漏れリスクを低減することができる。
(3−2)デフロスト運転中における第2制御
電源遮断時において空調システム100が暖房運転終了後のデフロスト運転を行っている場合の第2制御について説明する。
コントローラ60は、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数、及び、電源遮断時における全ての電源遮断室内ユニット30の合計容量に応じて、図2のステップS11のリスクレベルを決定する。例えば、コントローラ60は、図3に示される基準に従って、リスクレベルを決定する。
コントローラ60は、デフロスト運転を行っている間、各電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度を変更する開度変更制御を行う。そのため、コントローラ60は、第2制御が行われる対象機器として膨張弁32を設定し、第2制御の制御内容として開度変更制御を設定する。
コントローラ60は、電源遮断時においてデフロスト運転が開始されていない場合、膨張弁32の開度を所定の第1開度まで低下させる。第1開度は、膨張弁32に対応する電源遮断室内ユニット30の容量、及び、膨張弁32の現在の開度等に基づいて設定される。第1開度は、ゼロであってもよい。コントローラ60は、膨張弁32の開度を第1開度まで低下させた後、四路切換弁12を暖房サイクル状態から冷房サイクル状態に切り替える。以上で、デフロスト運転の開始前の準備が完了する。
コントローラ60は、膨張弁32の開度を第1開度から所定の第2開度まで増加させて、室外熱交換器13のデフロスト運転を開始する。図5は、図2のステップS12においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。図5では、リスクレベルの高さと、第2開度の大きさとの関係が示されている。図5に示されるように、コントローラ60は、リスクレベルが高いほど第2開度を小さく設定する。
コントローラ60は、デフロスト運転が完了した後、膨張弁32の開度を第2開度からゼロまで低下させ、四路切換弁12を冷房サイクル状態から暖房サイクル状態に切り替える。その後、コントローラ60は、膨張弁32の開度をゼロから所定の第3開度まで増加させる。第3開度は、空調システム100が停止している時の開度等に基づいて設定される。
コントローラ60は、電源遮断時においてリスクレベルに応じた第2制御(開度変更制御)を行うことで、湿りリスクを低減することができる。
(3−3)油戻し運転中における第2制御
電源遮断時において空調システム100が油戻し運転を行っている場合の第2制御について説明する。
コントローラ60は、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数、及び、電源遮断時における全ての電源遮断室内ユニット30の合計容量に応じて、図2のステップS11のリスクレベルを決定する。例えば、コントローラ60は、図3に示される基準に従って、リスクレベルを決定する。
コントローラ60は、油戻し運転を行っている間、各電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度を変更する開度変更制御を行う。そのため、コントローラ60は、第2制御が行われる対象機器として膨張弁32を設定し、第2制御の制御内容として開度変更制御を設定する。油戻し運転の開始時には、膨張弁32の開度はゼロである。
コントローラ60は、膨張弁32の開度をゼロから所定の第4開度まで増加させて、油戻し運転を開始する。図6は、図2のステップS12においてリスクレベルに応じて第2制御の制御内容を設定する基準の一例である。図6では、リスクレベルの高さと、第4開度の大きさとの関係が示されている。図6に示されるように、コントローラ60は、リスクレベルが高いほど第4開度を小さく設定する。コントローラ60は、油戻し運転が完了した後、膨張弁32の開度を第4開度からゼロまで低下させる。
コントローラ60は、電源遮断時においてリスクレベルに応じた第2制御(開度変更制御)を行うことで、湿りリスクを低減することができる。
(4)効果
本実施形態の空調システム100では、1台の室外ユニット10と、複数台の室内ユニット30とが、給電ユニット40を介して同一冷媒系統内で接続されている。このようなマルチタイプ(マルチテナント)の空調システムでは、複数の室内ユニット30の一部の電源が遮断された場合に、電源が遮断されていない他の室内ユニット30の運転に極力影響が及ばないようにシステム全体の運転を維持することが重要である。
図7は、空調システム100全体の運転の制御フローを表す。図7に示されるように、空調システム100全体は、通常制御モード、又は、マルチテナント制御モード(以下、「M/T制御モード」と呼ぶ。)で運転する。通常制御モードでは、上記の第1制御が行われ、M/T制御モードでは、上記の第2制御が行われる。
通常制御とは、1台の室外ユニットと1台の室内ユニットとからなる従来のシステムでも採用されている、通常時における運転制御である。通常制御モードでは、空調システム100の全ての室内ユニット30の電源は遮断されておらず、外部の電源から電力の供給を受けている。通常制御モードでは、空調システム100は、リモコン50の操作等によって、空調運転を開始して停止状態から定常状態(通常時における運転制御が行われている状態)に移行したり、空調運転を停止して定常状態から停止状態に移行したりする。定常状態から停止状態に移行する際には、必要に応じて、油戻し運転及びデフロスト運転等が行われる。
通常制御モードで運転している空調システム100は、室内ユニット30の少なくとも一部の電源が遮断された場合、M/T制御モードに移行する(図7の実線の矢印を参照)。M/T制御モードでは、少なくとも1台の室内ユニット30は、電源が遮断されて運転停止状態となっている。M/T制御モードでは、電源が遮断された室内ユニット30(電源遮断室内ユニット30)は、給電ユニット40から電力の供給を受ける。
通常制御モードからM/T制御モードへの移行時には、リスクレベルに応じて第2制御が行われる。具体的には、コントローラ60は、湿りリスク及び水漏れリスクの大きさに応じて、開度変更制御及びシステム停止制御の少なくとも一方を行う。開度変更制御では、コントローラ60は、給電ユニット40から供給された電力を用いて、各電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度を変更する制御を行う。コントローラ60は、電源遮断時におけるリスクレベルに応じて、開度変更制御完了後の膨張弁32の開度を設定する。システム停止制御では、コントローラ60は、室外ユニット10の室外機11を停止させて、空調システム100全体を停止させる制御を行う。このように、空調システム100は、リスクレベルに応じて第2制御を行うことで、湿りリスク及び水漏れリスクを低減させることができる。
M/T制御モードでは、電源遮断室内ユニット30の電源の遮断が停止した場合、当該電源遮断室内ユニット30の膨張弁32は、開度変更制御の対象から外される。「電源の遮断が停止した場合」とは、例えば、外部の電源からの電力供給が回復して運転が再開された場合である。M/T制御モードで運転している空調システム100は、全ての電源遮断室内ユニット30の電源の遮断が停止した場合、通常制御モードに移行する(図7の点線の矢印を参照)。M/T制御モードでは、電源遮断室内ユニット30以外の室内ユニット30は、通常制御モード時と同じ運転制御が行われる。
通常制御モードからM/T制御モードに移行する際に、電源遮断室内ユニット30の膨張弁32が開いたままの状態では、室外ユニット10の吸入配管(第1配管P1)に液冷媒が流入したり、電源遮断室内ユニット30の室内熱交換器31でドレン水が発生したりする。室外ユニット10の吸入配管への液冷媒の流入は、圧縮機11による液冷媒の吸入を招き、圧縮機11の不具合の原因となるおそれがある。室内熱交換器31でのドレン水の発生は、ドレンパンの水位上昇による水漏れの原因となるおそれがある。空調システム100は、電源遮断時において開度変更制御又はシステム停止制御を行うことで、室外ユニット10の吸入配管への液冷媒の流入、及び、室内熱交換器31でのドレン水の発生を抑制する効果を奏する。
コントローラ60は、開度変更制御の対象である膨張弁32が複数ある場合、各膨張弁32の開度変更制御を所定の順番で行うことで、上記の効果がより高くなるように、給電ユニット40から供給される電力を各電源遮断室内ユニット30に割り当てることができる。具体的には、コントローラ60は、室外ユニット10の吸入配管への液冷媒の流入を引き起こしやすい室内ユニット30の膨張弁32の開度が優先的に変更されるように、開度変更制御を行う。一般的に、マルチタイプ(マルチテナント)の空調システムでは、可能な限り通常制御モードと同じとなるように、室内ユニット30の運転状態が維持されることが好ましい。そのため、空調システム100は、湿りリスク及び水漏れリスクが高い電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度変更制御を優先的に行うことで、通常制御モードでの運転状態を長時間維持することができる。
また、空調システム100では、全ての室内ユニット30は、通信線cb2を介して、給電ユニット40と接続されている。全ての室内ユニット30は、電源が遮断された場合に、通信線cb2を介して、給電ユニット40から電力の供給を受けることができる。そのため、空調システム100では、必要に応じて室内ユニット30を付け加えたり取り除いたりすることが容易である。
―第2実施形態―
第2実施形態に係る空調システム100について、第1実施形態に係る空調システム100との差異を中心に説明する。
図8は、本実施形態の空調システム100の概略構成図である。図8に示されるように、各室内ユニット30は、ドレンポンプ35及びフロートスイッチ36をさらに有する。ドレンポンプ35は、冷房運転時において室内熱交換器31で発生したドレン水を貯めるためのドレンパンからドレン水を排水するために用いられる。フロートスイッチ36は、ドレンパン内のドレン水の水位(以下、「ドレン水位」と呼ぶ。)の異常を検知するための検知ユニットである。フロートスイッチ36は、ドレンパン内のドレン水位が所定の高さに達した場合に、ドレン水位の異常が検知されたことに関する信号(以下、「ドレン水位異常信号」と呼ぶ。)を出力する。
コントローラ60は、第1実施形態と同様に、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数及び合計容量の少なくとも1つに応じて、第2制御が行われる対象機器、及び、第2制御の制御内容の少なくとも一方を設定する。本実施形態では、対象機器は、膨張弁32、ドレンポンプ35及び圧縮機11を含む。本実施形態では、電源遮断時に行われる第2制御は、開度変更制御、ドレンポンプ駆動制御及びシステム停止制御の少なくとも1つを含む。ドレンポンプ駆動制御とは、ドレンポンプ35を駆動してドレンパン内のドレン水を排出することで水漏れリスクを低減させる制御である。
コントローラ60は、フロートスイッチ36によってドレン水位の異常が検知された電源遮断室内ユニット30のドレンポンプ35を優先して、ドレンポンプ駆動制御を行う。また、コントローラ60は、フロートスイッチ36によってドレン水位の異常が検知された電源遮断室内ユニット30が複数ある場合、各電源遮断室内ユニット30のドレンポンプ35のドレンポンプ駆動制御を所定の順番で行ってもよい。例えば、コントローラ60は、図2のステップS11において、フロート出力機台数及びフロート出力継続時間等に応じて水漏れリスクのリスクレベルを決定し、リスクレベルの高い順にドレンポンプ駆動制御を行ってもよい。フロート出力機台数とは、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している室内ユニット30の数である。フロート出力継続時間とは、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力し続けている時間の合計である。
本実施形態では、コントローラ60は、第2制御として開度変更制御及びドレンポンプ駆動制御の両方を行う場合、基本的に、最初に全ての膨張弁32の開度変更制御を行い、その次にドレンポンプ駆動制御を行う。しかし、コントローラ60は、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している電源遮断室内ユニット30がある場合、当該電源遮断室内ユニット30の膨張弁32の開度変更制御、及び、当該電源遮断室内ユニット30のドレンポンプ35のドレンポンプ駆動制御を優先的に行ってもよい。また、コントローラ60は、給電ユニット40に接続されている室内ユニット30の数が少ない場合、開度変更制御のみを行い、ドレンポンプ駆動制御を行わなくてもよい。室内ユニット30の数が少ない場合とは、ドレンポンプ35を駆動しなくても室内ユニット30の水漏れリスクが小さい場合であり、例えば、給電ユニット40に接続されている室内ユニット30が5台以下である場合である。さらに、コントローラ60は、M/T制御モードに移行した後の通常運転時、及び、システム停止時等、膨張弁32の駆動が不要なタイミングで、ドレンポンプ残留運転を行ってもよい。ドレンポンプ残留運転とは、室内ユニット30のドレンパンに残留しているドレン水を排出するために、所定の時間ドレンポンプ35を駆動する運転である。
本実施形態の空調システム100は、コントローラ60が開度変更制御を行う際に、必要に応じてドレンポンプ駆動制御も行うことで、水漏れリスクを効果的に低減することができる。
―変形例―
(1)変形例A
第2実施形態では、コントローラ60は、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している電源遮断室内ユニット30がある場合でも、基本的に、最初に開度変更制御を行い、その次にドレンポンプ駆動制御を行う。
しかし、冷房運転時において室内ユニット30の電源が遮断されると、当該室内ユニット30の室内ファン33は停止する。室内ファン33が停止した室内ユニット30の冷房能力は非常に低く、新たに発生するドレン水の量も非常に少ない。そのため、当該室内ユニット30の膨張弁32の開度が変更(低減)されず、膨張弁32が開いたままの状態であっても、水漏れリスクの観点からは、開度変更制御を行わずにドレンポンプ駆動制御を行ってもよい。
また、水漏れリスクをより効果的に低減するための方法として、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している電源遮断室内ユニット30の膨張弁32を閉じ、その後の油戻し運転中も閉じておく制御がある。しかし、このような制御が許されるのは、膨張弁32を閉じても油戻し運転に影響が出ない場合のみである。影響が出るか否かは、圧縮機11の外部に排出された油の量と、圧縮機11内部の油の量との関係で決まる。圧縮機11の摺動部の潤滑に影響が出ない場合、上記の制御を行っても問題ない。
(2)変形例B
コントローラ60は、図2のステップS11において、通常の油戻し運転中に室内ユニット30の電源が遮断された場合、リスクレベルを「大」に設定してもよい。
(3)変形例C
実施形態では、コントローラ60は、図3に示されるように、給電ユニット40に接続される室内ユニット30の台数、電源遮断時における電源遮断室内ユニット30の台数、及び、電源遮断時における全ての電源遮断室内ユニット30の合計容量からなる3つの要因の少なくとも1つに応じてリスクレベルを決定する。
しかし、コントローラ60は、これらの要因ごとにリスクレベルを関数化して、リスクレベルを決定してもよい。例えば、コントローラ60は、給電ユニット40に接続される室内ユニット30の台数が多いほどリスクレベルが高くなるような関数を生成して、当該関数に基づいてリスクレベルを決定してもよい。この場合、リスクレベルは、所定の範囲内の数値で表されてもよい。
さらに、コントローラ60は、第2制御として開度変更制御を行う場合において、リスクレベルから、図4に示される目標開度を算出するための関数を生成して、当該関数に基づいて目標開度を設定してもよい。
上記の方法では、コントローラ60が生成する関数のモデルとして、線形モデル及び非線形モデル等の任意のモデルを採用してもよい。
(4)変形例D
コントローラ60は、冷房運転時において、電源遮断時における第2制御の実行が完了するまで、油戻し運転を遅延させてもよい。この場合、コントローラ60は、第2制御としてシステム停止制御を行う場合、システム再起動後に油戻し運転を実行してもよい。
また、コントローラ60は、暖房運転時において、電源遮断時における第2制御の実行が完了するまで、デフロスト運転を遅延させてもよい。
(5)変形例E
コントローラ60は、電源遮断時において、電源遮断室内ユニット30の状態に応じて第2制御を行ってもよい。例えば、第2実施形態において、電源遮断時に電源遮断室内ユニット30が強冷房モードで運転している場合、コントローラ60は、フロートスイッチ36によるドレン水位異常信号の有無に関わらず、ドレンポンプ駆動制御よりも開度変更制御を優先的に行ってもよい。強冷房モード時は通常冷房モード時よりもドレン水の発生量が多いため、最初に開度変更制御を行ってドレン水の発生を抑制することで、水漏れリスクを低減することができる。
(6)変形例F
実施形態では、電源遮断室内ユニット30が複数ある場合、コントローラ60は、複数の膨張弁32の開度変更制御を所定の順番で行う。この場合、コントローラ60は、複数の膨張弁32の開度変更制御を順繰りで行ってもよい。具体的には、コントローラ60は、所定の時間が経過するごとに、開度変更制御の対象である膨張弁32を所定の順番に従って変更しながら、複数の膨張弁32の開度変更制御を行ってもよい。この場合、電源遮断室内ユニット30の状態は常に変動しているため、コントローラ60は、開度変更制御が完了する度に、開度変更制御の順番を更新してもよい。開度変更制御の順番は、例えば、膨張弁32の開度、及び、当該膨張弁32に対応する室内ユニット30の容量に基づいて設定されてもよい。
(7)変形例G
第2実施形態において、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している電源遮断室内ユニット30が複数あり、かつ、ドレンポンプ35の同時駆動可能台数が1台である場合、コントローラ60は、同一のドレンポンプ35を連続で駆動しないように、複数のドレンポンプ35を順繰りで駆動してもよい。例えば、コントローラ60は、所定の時間が経過するごとに、ドレンポンプ35を所定の順番に従って駆動させながら、ドレンポンプ駆動制御を行ってもよい。この場合、電源遮断室内ユニット30の状態は常に変動しているため、コントローラ60は、ドレンポンプ駆動制御が完了する度に、ドレンポンプ駆動制御の順番を更新してもよい。ドレンポンプ駆動制御の順番は、例えば、室内ユニット30の容量、及び、上述のフロート出力継続時間等に基づいて設定されてもよい。
(8)変形例H
第2実施形態において、コントローラ60が第2制御としてシステム停止制御を行う場合、室内ユニット30でのドレン水の発生が停止するため、コントローラ60は、ドレンポンプ駆動制御を行う必要はない。しかし、コントローラ60は、システム停止制御を行う際、フロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力している室内ユニット30がある場合に、当該室内ユニット30に対してドレンポンプ駆動制御をさらに行ってもよい。
(9)変形例I
マルチテナントシステムである空調システム100では、基本的にフロートスイッチ36がドレン水位異常信号を出力するまでは、ドレンポンプ35の駆動は不要である。しかし、例えば、電源が遮断される直前の室内ユニット30の冷房運転出力が最大である場合、電源が遮断された後にドレン水位異常信号が出力されていなくても、ある程度のドレン水がドレンパンに溜まっているおそれがある。そのため、電源遮断後の水漏れリスクを低減するために、膨張弁32の駆動が不要なタイミング(通常制御モードにおける定常状態及び停止状態等)で、コントローラ60は、ドレンポンプ35を駆動してもよい。
なお、この場合、複数の電源遮断室内ユニット30からドレンポンプ35の駆動要求がある場合、ドレンポンプ35の駆動制御を順繰りで行ってもよい。具体的には、コントローラ60は、所定の時間が経過するごとに、駆動制御の対象であるドレンポンプ35を所定の順番に従って変更しながら、複数のドレンポンプ35の駆動制御を行ってもよい。ドレンポンプ35を駆動する順番は、例えば、室内ユニット30の容量、及び、上述のフロート出力継続時間等に基づいて設定されてもよい。
(10)変形例J
室外ユニット10は、図1に示されていない他の構成要素をさらに有してもよい。図9は、本変形例における空調システム100の概略構成図である。図9において、室外ユニット10は、オイルセパレータ14、膨張弁16、レシーバ18及びアキュームレータ19をさらに有する。
オイルセパレータ14は、第3配管P3に取り付けられる。オイルセパレータ14は、圧縮機11から吐出された高圧のガス冷媒から、冷媒の中に混入している潤滑油を除去する。
膨張弁16は、第5配管P5に取り付けられる。膨張弁16は、開度調整が可能な電動弁である。膨張弁16は、空調システム100の運転時において、状況に応じて開度が適宜調整され、開度に応じて冷媒を減圧する。
レシーバ18は、第5配管P5に取り付けられる。レシーバ18は、膨張弁16と液連絡配管LPとの間に取り付けられる。レシーバ18は、空調システム100の運転状況に応じて、室外熱交換器13及び室内熱交換器31内の冷媒量の変化を吸収するために、冷媒を一時的に貯留する。レシーバ18は、冷媒回路RCを循環する冷媒に含まれる水分及び異物を除去するための機構を有してもよい。
アキュームレータ19は、第2配管P2に取り付けられる。アキュームレータ19は、冷媒回路RCを流れる気液混合冷媒を、ガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを圧縮機11の吸入ポートに送る。
なお、図9において、室外ユニット10は、レシーバ18又はアキュームレータ19を有していなくてもよい。
実施形態及び変形例A〜Iにおいて説明した内容は、図9に示される空調システム100においても適用可能である。
―むすび―
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
空調システムは、電源が遮断された室内ユニットに給電ユニットから電力を効率的に供給することができる。
10 室外ユニット
30 室内ユニット
32 膨張弁
35 ドレンポンプ
36 フロートスイッチ(検知ユニット)
40 給電ユニット
60 コントローラ
100 空調システム
RC 冷媒回路(冷媒サイクル)
特開2013−40698号公報

Claims (5)

  1. 室外ユニット(10)、及び、複数の室内ユニット(30)を有する冷媒サイクル(RC)と、
    複数の前記室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された場合に、電源が遮断された前記室内ユニットに補助電源の供給を行う給電ユニット(40)と、
    前記冷媒サイクルに含まれる機器を制御するコントローラ(60)と、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記補助電源の供給が行われないときにおける前記機器の制御である第1制御、又は、前記補助電源の供給が行われるときにおける前記機器の制御である第2制御を行い、
    複数の前記室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された時における、電源が遮断された前記室内ユニットの台数及び合計容量の少なくとも一方に応じて、前記第2制御が行われる前記機器、及び、前記第2制御の制御内容の少なくとも一方を設定する、
    空調システム(100)。
  2. 複数の前記室内ユニットのそれぞれは、膨張弁(32)及びドレンポンプ(35)を有し、
    前記機器は、前記膨張弁及び前記ドレンポンプの少なくとも一部を含む、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 複数の前記室内ユニットのそれぞれは、ドレン水位の異常を検知するための検知ユニット(36)をさらに有し、
    前記コントローラは、前記検知ユニットによってドレン水位の異常が検知された前記室内ユニットが有する前記機器を優先して、前記第2制御を行う、
    請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記コントローラは、前記検知ユニットによってドレン水位の異常が検知された前記室内ユニットが複数ある場合において、それぞれの前記室内ユニットが有する前記機器の前記第2制御を所定の順で行う、
    請求項3に記載の空調システム。
  5. 前記コントローラは、複数の前記室内ユニットの少なくとも一部への電源が遮断された時における、電源が遮断された前記室内ユニットの状態に応じて前記第2制御を行う、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の空調システム。
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