JP2020193822A - 電圧計測回路及び電池パック - Google Patents

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隆介 長谷
順一 波多野
Junichi Hatano
順一 波多野
真一 会沢
Shinichi Aizawa
真一 会沢
祐希 村松
Yuki Muramatsu
祐希 村松
悟士 山本
Satoshi Yamamoto
悟士 山本
洋明 加藤
Hiroaki Kato
洋明 加藤
伊藤 智之
Tomoyuki Ito
智之 伊藤
卓矢 山本
Takuya Yamamoto
卓矢 山本
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Hiroto Sato
裕人 佐藤
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Abstract

【課題】互いに直列に接続される複数の電池の電圧を、各電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗を用いて算出する際、1つの抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく算出する。【解決手段】検出部121により抵抗R3の抵抗値r3が正常時と異なる異常が検出されると、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに参照抵抗Rre1にかかる電圧Va及び参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbを計測し、電圧Va、Vbと抵抗値r3を除く抵抗値r1、r2、r4、r5のそれぞれの抵抗値とにより抵抗R3の抵抗値r3´を推定し、その推定した抵抗値r3´を用いて電池B3〜B5の電圧を計測する。【選択図】図1

Description

本発明は、互いに直列に接続される複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路に関する。
電圧計測回路として、互いに直列に接続される複数の電池の電圧を、各電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗の抵抗値を用いて計測するものがある。
関連する技術として、特許文献1がある。
特開2010−008227号公報
しかしながら、上記電圧計測回路では、1つの抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていると、各電池の電圧を正しく算出することができないという懸念がある。
そこで、本発明の一側面に係る目的は、互いに直列に接続される複数の電池の電圧を、各電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗の抵抗値を用いて計測する際、1つの抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく算出することである。
本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、互いに直列に接続される複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、一方端が複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、複数の抵抗の一方端と複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、第1の参照抵抗にかかる電圧と、複数の抵抗の抵抗値と、第1の参照抵抗の抵抗値とにより複数の電池の電圧を計測する計測部と、複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、一方端が複数の抵抗のうちの最高電圧がかかる抵抗の一方端に接続される補助抵抗と、一方端が補助抵抗の他方端に接続され、他方端が複数の電池の総マイナス端子に接続される第2の参照抵抗とを備える。計測部は、検出部により異常が検出されると、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる第1の電圧及び第2の参照抵抗にかかる第2の電圧を計測し、第1及び第2の電圧と第1の抵抗を除く複数の抵抗の抵抗値とにより第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて複数の電池の電圧を計測する。
このように、第1及び第2の電圧を用いて第1の抵抗の抵抗値を推定することができるため、第1の抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく算出することができる。
また、計測部は、第1の抵抗より高い電圧がかかる第2の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているとき、第2の電圧と、少なくとも補助抵抗の抵抗値及び第2の参照抵抗の抵抗値とを用いて、第2の抵抗にかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、第1の電圧と、第1の参照抵抗の抵抗値と、第1の抵抗より低い電圧がかかる第3の抵抗の抵抗値とを用いて、第1の抵抗の抵抗値を推定し、第3の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているとき、第1の電圧と、第1の参照抵抗の抵抗値と、第3の抵抗の抵抗値とを用いて、第3の抵抗にかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、第2の電圧と、少なくとも補助抵抗の抵抗値及び第2の参照抵抗の抵抗値とを用いて、第1の抵抗の抵抗値を推定するように構成してもよい。
また、本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、互いに直列に接続される複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、一方端が複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、複数の抵抗の一方端と複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、第1の参照抵抗にかかる電圧と、複数の抵抗の抵抗値と、第1の参照抵抗の抵抗値とにより複数の電池の電圧を計測する計測部と、複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、複数の電池の総プラス端子に接続され、複数の電池の電圧の合計値である電圧を降圧して出力する総電圧計測回路と を備える。計測部は、検出部により異常が検出されると、第1の抵抗より高い電圧がかかる第2の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる第1の電圧を計測するとともに、総電圧計測回路から出力される第3の電圧を取得し、第1及び第3の電圧と第1の抵抗を除く複数の抵抗の抵抗値とにより第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて複数の電池の電圧を計測する。
このように、第1及び第3の電圧を用いて第1の抵抗の抵抗値を推定することができるため、第1の抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく算出することができる。
また、本発明にかかる一つの形態である電池パックは、互いに直列に接続される複数の電池と、複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、一方端が複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、複数の抵抗の一方端と複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、第1の参照抵抗にかかる電圧と、複数の抵抗の抵抗値と、第1の参照抵抗の抵抗値とにより複数の電池の電圧を計測する計測部と、複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、一方端が複数の抵抗のうちの最高電圧がかかる抵抗の一方端に接続される補助抵抗と、一方端が補助抵抗の他方端に接続され、他方端が複数の電池の総マイナス端子に接続される第2の参照抵抗とを備える。計測部は、検出部により異常が検出されると、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに第1の参照抵抗にかかる第1の電圧及び第2の参照抵抗にかかる第2の電圧を計測し、第1及び第2の電圧と第1の抵抗を除く複数の抵抗の抵抗値とにより第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて複数の電池の電圧を計測する。
このように、第1及び第2の電圧を用いて第1の抵抗の抵抗値を推定することができるため、第1の抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく算出することができる。
本発明によれば、互いに直列に接続される複数の電池の電圧を、各電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗の抵抗値を用いて計測する際、1つの抵抗の抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、各電池の電圧を正しく計測することができる。
実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。 実施形態の電圧計測回路の変形例を示す図である。 実施形態の電圧計測回路を備える電池パックの一例を示す図である。
図1は、実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。
図1に示す電圧計測回路1は、直列に接続される複数の電池B(電池B1〜B5)の電圧を計測する。なお、電池B1〜B5は、それぞれ、1つ以上のリチウムイン電池またはニッケル水素電池などの二次電池により構成されるものとする。
また、電圧計測回路1は、複数の抵抗R(抵抗R1〜R5)と、参照抵抗Rre1(第1の参照抵抗)と、補助抵抗Rauと、参照抵抗Rre2(第2の参照抵抗)と、複数のリレーRe(リレーRe1〜Re5)と、記憶部11と、制御部12とを備える。なお、電池B、抵抗R、リレーReのそれぞれの数は、互いに同じ数(3以上)であれば、特に限定されない。
抵抗R1〜R5は、電池B1〜B5に並列に接続されているとともに、互いに直列に接続されている。また、参照抵抗Rre1は、抵抗R5に直列に接続されている。すなわち、抵抗R5の一方端がリレーRe5を介して電池B5のプラス端子(電池B1〜B5の総プラス端子)に接続され、抵抗R5の他方端がリレーRe4を介して電池B5のマイナス端子と電池B4のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R4の一方端に接続されている。抵抗R4の他方端がリレーRe3を介して電池B4のマイナス端子と電池B3のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R3の一方端に接続されている。抵抗R3の他方端がリレーRe2を介して電池B3のマイナス端子と電池B2のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R2の一方端に接続されている。抵抗R2の他方端がリレーRe1を介して電池B2のマイナス端子と電池B1のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R1の一方端に接続されている。抵抗R1の他方端が参照抵抗Rre1の一方端に接続され、参照抵抗Rre1の他方端が電池B1のマイナス端子(電池B1〜B5の総マイナス端子)に接続されている。抵抗R1には、電池B1の電圧Vto1(総マイナス端子の電位を基準とする電池B1のプラス端子の電位である最低電圧)がかかり、抵抗R5には、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5(総マイナス端子の電位を基準とする電池B5のプラス端子の電位である最高電圧)がかかる。なお、参照抵抗Rre1にかかる第1の電圧としての電圧Va(総マイナス端子の電位を基準とする参照抵抗Rre1の一方端の電位)は制御部12に入力されるものとする。
補助抵抗Rauは、抵抗R5の一方端に接続され、参照抵抗Rre2は、補助抵抗Rauに直列接続されている。すなわち、補助抵抗Rauの一方端が抵抗R5の一方端に接続され、補助抵抗Rauの他方端が参照抵抗Rre2の一方端に接続され、参照抵抗Rre2の他方端が参照抵抗Rre1の他方端に接続されている。なお、参照抵抗Rre2にかかる第2の電圧としての電圧Vb(総マイナス端子の電位を基準とする参照抵抗Rre2の一方端の電位)は制御部12に入力されるものとする。
リレーRe1〜Re5は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成され、抵抗R1〜R5の一方端と電池B1〜B5のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される。すなわち、リレーRe1の一方端が抵抗R1の一方端(抵抗R1の一方端と抵抗R2の他方端との接続点)に接続され、リレーRe1の他方端が電池B1のプラス端子(電池B1のプラス端子と電池B2のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe2の一方端が抵抗R2の一方端(抵抗R2の一方端と抵抗R3の他方端との接続点)に接続され、リレーRe2の他方端が電池B2のプラス端子(電池B2のプラス端子と電池B3のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe3の一方端が抵抗R3の一方端(抵抗R3の一方端と抵抗R4の他方端との接続点)に接続され、リレーRe3の他方端が電池B3のプラス端子(電池B3のプラス端子と電池B4のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe4の一方端が抵抗R4の一方端(抵抗R4の一方端と抵抗R5の他方端との接続点)に接続され、リレーRe4の他方端が電池B4のプラス端子(電池B4のプラス端子と電池B5のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe5の一方端が抵抗R5の一方端(抵抗R5の一方端と補助抵抗Rauの一方端との接続点)に接続され、リレーRe5の他方端が電池B5のプラス端子に接続されている。
リレーRe1が導通し、リレーRe2〜Re5が遮断すると、電池B1の電圧Vto1が抵抗R1及び参照抵抗Rre1により分圧されるとともに、抵抗R2〜R5、補助抵抗Rau、及び参照抵抗Rre2により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式1を計算することにより求められ、参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbは下記式2を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto1×(参照抵抗Rre1の抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗R1の抵抗値r1)・・・式1
電圧Vb=電圧Vto1×(参照抵抗Rre2の抵抗値rre2/抵抗値rre2+補助抵抗Rauの抵抗値rau+抵抗R5の抵抗値r5+抵抗R4の抵抗値r4+抵抗R3の抵抗値r3+抵抗R2の抵抗値r2)・・・式2
リレーRe2が導通し、リレーRe1、Re3〜Re5が遮断すると、電池B1、B2の電圧の合計値である電圧Vto2(総マイナス端子の電位を基準とする電池B2のプラス端子の電位)が抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧されるとともに、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、補助抵抗Rau、及び参照抵抗Rre2により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式3を計算することにより求められ、参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbは下記式4を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto2×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2)・・・式3
電圧Vb=電圧Vto2×(抵抗値rre2/抵抗値rre2+抵抗値rau+抵抗値r5+抵抗値r4+抵抗値r3)・・・式4
リレーRe3が導通し、リレーRe1、Re2、Re4、Re5が遮断すると、電池B1〜B3の電圧の合計値である電圧Vto3(総マイナス端子の電位を基準とする電池B3のプラス端子の電位)が抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧されるとともに、抵抗R4、抵抗R5、補助抵抗Rau、及び参照抵抗Rre2により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式5を計算することにより求められ、参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbは下記式6を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto3×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3)・・・式5
電圧Vb=電圧Vto3×(抵抗値rre2/抵抗値rre2+抵抗値rau+抵抗値r4+抵抗値r5)・・・式6
リレーRe4が導通し、リレーRe1〜Re3、Re5が遮断すると、電池B1〜B4の電圧の合計値である電圧Vto4(総マイナス端子の電位を基準とする電池B4のプラス端子の電位)が抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧されるとともに、抵抗R5、補助抵抗Rau、及び参照抵抗Rre2により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式7を計算することにより求められ、参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbは下記式8を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto4×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗値r4)・・・式7
電圧Vb=電圧Vto4×(抵抗値rre2/抵抗値rre2+抵抗値rau+抵抗値r5)・・・式8
リレーRe5が導通し、リレーRe1〜Re4が遮断すると、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5が抵抗R5、抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧されるとともに、補助抵抗Rau及び参照抵抗Rre2により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式9を計算することにより求められ、参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbは下記式10を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto5×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗値r4+抵抗値r5)・・・式9
電圧Vb=電圧Vto5×(抵抗値rre2/抵抗値rre2+抵抗値rau)・・・式10
このように、抵抗R1〜R5及び参照抵抗Rre1の他に、補助抵抗Rau及び参照抵抗Rre2を備えているため、抵抗R1〜R5のうちの少なくとも1つの抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なる異常が検出されても、その抵抗Rにかかる電圧を補助抵抗Rau及び参照抵抗Rre2などを用いて正しく求めることができる。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成され、正常時の抵抗値r1〜r5、抵抗値rre1、抵抗値rre2、及び抵抗値rauなどを記憶する。なお、正常時の抵抗値r1〜r5、抵抗値rre1、抵抗値rre2、及び抵抗値rauは、互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
制御部12は、プロセッサなどにより構成され、計測部121と、検出部122とを備える。例えば、プロセッサが記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、計測部121及び検出部122が実現される。
計測部121は、リレーRe1〜Re5のうちの1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaを取得し、その取得した電圧Vaと、記憶部11に記憶されている抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを用いて、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて電池B1〜B5の電圧を計測する。なお、リレーReは計測部121によって制御されてもよいし、制御部12によって制御されてもよい。
<抵抗値rre1を用いた電池B1〜B5の電圧の計測例>
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を、電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式3に代入することにより、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r3とを上記式5に代入することにより、電圧Vto3を求め、電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、及びリレーRe5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式7に代入することにより、電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式9に代入することにより、電圧Vto5を求め、その求めた電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
また、計測部121は、リレーRe1〜Re5の何れか1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbを計測し、その計測した電圧Vbと、記憶部11に記憶されている抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r2〜r5とを用いて、電圧Vto1〜Vto5の電圧を算出する。
<抵抗値rre2を用いた電圧Vto1の算出例>
計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r2〜r5とを上記式2に代入することにより、電圧Vto1を求める。
<抵抗値rre2を用いた電圧Vto2の算出例>
計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r3〜r5とを上記式4に代入することにより、電圧Vto2を求める。
<抵抗値rre2を用いた電圧Vto3の算出例>
計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r4、r5とを上記式6に代入することにより、電圧Vto3を求める。
<抵抗値rre2を用いた電圧Vto4の算出例>
計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r5とを上記式8に代入することにより、電圧Vto4を求める。
<抵抗値rre2を用いた電圧Vto5の算出例>
計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに参照抵抗Rre2にかかる電圧Vbと、抵抗値rre2及び抵抗値rauとを上記式10に代入することにより、電圧Vto5を求める。
検出部122は、抵抗R1〜R5のうちの第1の抵抗Rの抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する。
例えば、リレーRe1を導通させるとともにリレーRe2〜Re5を遮断させるときの電圧Va、Vbの比ra(電圧Va/電圧Vb)を比ra1とする。また、リレーRe2を導通させるとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させるときの電圧Va、Vbの比raを比ra2とする。また、リレーRe3を導通させるとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させるときの電圧Va、Vbの比raを比ra3とする。また、リレーRe4を導通させるとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させるときの電圧Va、Vbの比raを比ra4とする。また、リレーRe5を導通させるとともにリレーRe1〜Re4を遮断させるときの電圧Va、Vbの比raを比ra5とする。また、検出部122は、電圧計測タイミング毎に、比ra1〜ra5を求めるものとする。また、抵抗値r1〜r5、抵抗値rre1、抵抗値rre2、及び抵抗値rauが正常時の抵抗値であるときの比ra1〜ra5を比ra1´〜ra5´とする。また、比ra1´〜ra5´は、記憶部11に予め記憶されているものとする。また、比ra1´〜ra5´を特に区別しない場合、比ra´とする。
ここで、今回の電圧計測タイミングにおいて、抵抗値r1、r2、r4、r5が正常時の抵抗値r1´、r2´、r4´、r5´と同じであり、抵抗値r3が正常時の抵抗値r3´より大きい場合を想定する。この場合、比ra1が比ra1´より大きくなり、比ra2が比ra2´より大きくなり、比ra3が比ra3´より小さくなり、比ra4が比ra4´より小さくなり、比ra5が比ra5´より小さくなる。そのため、検出部122は、リレーRe1〜Re5を1つずつ順番に導通させるとともに残りのリレーReを遮断させる場合において、比raと比ra´との大小関係が逆になったときに導通させているリレーReに対応する抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なる異常が発生していると判断することができる。
このように、検出部122は、電圧Va、Vbの比raと、記憶部11に予め記憶されている比ra´との大小関係に基づいて、正常時の抵抗値と異なる抵抗値の抵抗Rを特定することができる。なお、正常時の抵抗値と異なる抵抗値の抵抗Rを特定する方法は上述の例に限定されない。
また、計測部121は、検出部122により異常が検出されると、リレーRe1〜Re5のうちの1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに取得される電圧Va、Vbと、第1の抵抗Rを除く抵抗Rの抵抗値とにより第1の抵抗Rの抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて電池B1〜B5の電圧を計測する。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
なお、抵抗R3を第1の抵抗Rとする。
まず、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vbと、抵抗値rre2及び抵抗値rauとを上記式10に代入することにより抵抗Rau及び抵抗Rre2にかかる電圧Vto5を求める。
次に、計測部121は、その求めた電圧Vto5と、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r4、r5とを上記式9に代入することにより抵抗値r3を求める。
次に、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式3に代入して、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3を上記式5に代入して、電圧Vto3を求め、その求めた電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3、r4とを上記式7に代入して、電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3、r4、r5とを上記式9に代入して、電圧Vto5を求め、その求めた電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
なお、第1の抵抗Rである抵抗R3の抵抗値r3を推定する際に導通させるリレーReは、リレーRe5に限らず、リレーRe1〜Re4の何れか1つのリレーReであってもよい。
例えば、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1と、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r2、r4、r5とを上記式2に代入することにより抵抗値r3を求める。
または、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式3に代入することにより電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2と、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r4、r5とを上記式4に代入することにより抵抗値r3を求める。
または、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r4、r5とを上記式6に代入することにより電圧Vto3を求め、その求めた電圧Vto3と、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式5に代入することにより抵抗値r3を求める。
または、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vbと、抵抗値rre2、抵抗値rau、及び抵抗値r5とを上記式8に代入することにより電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4と、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r4とを上記式7に代入することにより抵抗値r3を求める。
すなわち、計測部121は、第1の抵抗Rより高い電圧がかかる第2の抵抗Rの一方端に接続されるリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているとき、電圧Vbと、少なくとも補助抵抗Rauの抵抗値rau及び参照抵抗Rre2の抵抗値rre2とを用いて、第2の抵抗Rにかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、電圧Vaと、参照抵抗Rre1の抵抗値rre1と、第1の抵抗Rより低い電圧がかかる第3の抵抗Rの抵抗値とを用いて、第1の抵抗Rの抵抗値を推定する。または、計測部121は、第3の抵抗Rの一方端に接続されるリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているとき、電圧Vaと、参照抵抗Rre1の抵抗値rre1と、第3の抵抗Rの抵抗値とを用いて、第3の抵抗Rにかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、電圧Vbと、少なくとも補助抵抗Rauの抵抗値rau、参照抵抗Rre2の抵抗値rre2、及び第2の抵抗Rの抵抗値とを用いて、前記第1の抵抗の抵抗値を推定する。
このように、実施形態の電圧計測回路1は、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なる異常が検出された場合、電圧Vaまたは電圧Vbを用いて正常時の抵抗値と異なる抵抗値の抵抗Rにかかる電圧を求め、その求めた電圧と異常の抵抗R以外の抵抗Rの抵抗値とを用いて異常の抵抗Rの抵抗値を求めている。これにより、異常の抵抗Rの抵抗値を用いて電池B1〜B5の電圧を算出することができるため、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、電池B1〜B5の電圧を正しく算出することができる。そのため、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、電池B1〜B5を継続して使用することができる。
<変形例>
図2は、実施形態の電圧計測回路の変形例を示す図である。なお、図2に示す電圧計測回路1´において、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図2に示す電圧計測回路1´において、図1に示す電圧計測回路1と異なる点は、補助抵抗Rau及び参照抵抗Re2に代えて、電池B5のプラス端子(電池B1〜B5の総プラス端子)に接続され、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5(総マイナス端子の電位を基準とする電池B5のプラス端子の電位である最高電圧)を降圧して出力する総電圧計測回路13を備えている点である。なお、総電圧計測回路13において、例えば、分圧抵抗により電圧Vto5が電圧Vcに降圧されるものとする。また、総電圧計測回路13から出力される電圧Vcは、制御部12へ第3の電圧として入力されるものとする。
また、図2に示す電圧計測回路1´において、図1に示す電圧計測回路1と異なる他の点は、計測部121が、検出部122により異常が検出されると、第1の抵抗Rより高い電圧がかかる第2の抵抗Rの一方端に接続されるリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに取得される電圧Vaと、電圧Vcと、第1の抵抗Rを除く抵抗Rの抵抗値とにより第1の抵抗Rの抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて電池B1〜B5の電圧を測定する点である。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
なお、抵抗R3を第1の抵抗Rとする。
まず、計測部121は、総電圧計測回路13から出力された電圧Vcに基づいて電圧Vto5を求める。例えば、計測部121は、総電圧計測回路13の分圧抵抗の抵抗値と電圧Vcとにより、電圧Vto5を求める。
次に、計測部121は、その求めた電圧Vto5と、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r4、r5とを上記式9に代入することにより抵抗値r3を求める。
次に、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式3に代入して、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3を上記式5に代入して、電圧Vto3を求め、その求めた電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3、r4とを上記式7に代入して、電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2、r3、r4、r5とを上記式9に代入して、電圧Vto5を求め、その求めた電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、変形例の電圧計測回路1´は、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なる異常が検出された場合、電圧Vaと、電圧Vcと、異常の抵抗R以外の抵抗Rの抵抗値とを用いて異常の抵抗Rの抵抗値を求めている。これにより、異常の抵抗Rの抵抗値を用いて電池B1〜B5の電圧を算出することができるため、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、電池B1〜B5の電圧を正しく算出することができる。そのため、抵抗Rの抵抗値が正常時の抵抗値と異なっていても、電池B1〜B5を継続して使用することができる。
図3は、実施形態の電圧計測回路1または電圧計測回路1´を備える電池パックの一例を示す図である。
図3に示す電池パックBPは、プラグインハイブリッド車または電気自動車などの車両Veに搭載され、電圧計測回路1(監視ECU(Electronic Control Unit))以外に、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2と、電池ECU4とを備える。なお、電池Bは、図1または図2に示す電池B1〜B5により構成されているものとする。また、車両Veは、電池パックBP以外に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制御する。なお、電池ECU4の機能を車両ECU5に含ませて電池ECU4と車両ECU5を統合し、その統合後のECUを車両Veに設けてもよい。
電流計2は、シャント抵抗またはホール素子などにより構成され、電池Bに流れる電流を計測し、その計測した電流を電圧計測回路1に送る。
温度計3は、サーミスタなどにより構成され、電池Bの温度を計測し、その計測した温度を電圧計測回路1に送る。
スイッチSW1、SW2は、それぞれ、半導体リレーまたは電磁式リレーなどにより構成される。スイッチSW1の一方端は電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW1の他方端はインバータ回路Invのマイナス入力端子に接続されている。スイッチSW2の一方端はスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW2の他方端は充電器Chのマイナス出力端子に接続されている。なお、スイッチSW1の一方端が電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW1の他方端がインバータ回路Invのプラス入力端子に接続され、スイッチSW2の一方端がスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW2の他方端が充電器Chのプラス出力端子に接続されていてもよい。
スイッチSW1が導通し、スイッチSW2が遮断すると、電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるとともに、インバータ回路Invから電池Bに回生電力を供給することが可能な状態になる。また、スイッチSW1、SW2が導通すると、充電器Chから電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。このとき、充電器Chからインバータ回路Invに電力が供給されないものとする。インバータ回路Invまたは充電器Chから電池Bに電力が供給されると、電池Bが充電され電池Bの電圧が上昇し、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、電池Bが放電され電池Bの電圧が下降する。
電池ECU4は、プロセッサや記憶部などを備えて構成され、スイッチSW1、SW2の動作を制御するとともに、CAN(Controller Area Network)通信などにより電圧計測回路1及び車両ECU5と通信を行う。
例えば、電池ECU4は、イグニッションスイッチがオンした旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1を導通させるとともにスイッチSW2を遮断させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率(電池B1〜B5の充電率の平均値など)を算出し、その算出した充電率に応じた出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winを車両ECUに送信する。また、電池ECU4は、充電率が第1の下限閾値以下になると、制限後の出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信し、充電率が第1の上限閾値以上になると、制限後の入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutに応じた電力が電池Bからインバータ回路Invに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御するとともに、入力電力指令値Winに応じた電力がインバータ回路Invから電池Bに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winが制限されると、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を小さくすることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制限する。また、電池ECU4は、電池Bの充電率が第1の下限閾値より小さい第2の下限閾値以下になると、または、電池Bの充電率が第1の上限閾値より大きい第2の上限閾値以上になると、スイッチSW1、SW2を遮断することにより、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電器Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。なお、第2の下限閾値は、電池Bが過放電状態になる直前の電池Bの充電率とし、第2の上限閾値は、電池Bが過充電状態になる直前の電池Bの充電率とする。これにより、電池Bが過充電状態または過放電状態になることを防止することができる。
また、例えば、電池ECU4は、スイッチSW1を導通させているとともにスイッチSW2を遮断させているとき、電圧計測回路1から送信される電圧が過電圧閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される電流が過電流閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される温度が過温度閾値以上になると、電池Bに異常が発生したと判断し、その旨を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電池Bに異常が発生した旨を受信すると、インバータ回路Invを停止させ、電池Bの充電及び放電を禁止する。
また、例えば、電池ECU4は、充電器Chと車両Veとが充電ケーブルなどを介して電気的に接続された後、電池Bの充電開始指示を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、W2を導通させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率を算出し、充電率に応じた電流指令値Co1を車両ECUに送信する。車両ECU5は、電流指令値Co1に応じた電流が充電器Chから電池Bに供給されるように電流指令値Co2を充電器Chに送信する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 電圧計測回路
2 電流計
3 温度計
4 電池ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 制御部
121 計測部
122 検出部
B1〜B5 電池
Re1〜Re5 リレー
R1〜R5 抵抗
Rre1、Rre2 参照抵抗
Rau 補助抵抗

Claims (4)

  1. 互いに直列に接続される複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、
    一方端が前記複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が前記複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、
    前記複数の抵抗の一方端と前記複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、
    前記複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、前記第1の参照抵抗にかかる電圧と、前記複数の抵抗の抵抗値と、前記第1の参照抵抗の抵抗値とにより前記複数の電池の電圧を計測する計測部と、
    前記複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、
    一方端が前記複数の抵抗のうちの最高電圧がかかる抵抗の一方端に接続される補助抵抗と、
    一方端が前記補助抵抗の他方端に接続され、他方端が前記複数の電池の総マイナス端子に接続される第2の参照抵抗と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出されると、前記複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる第1の電圧及び前記第2の参照抵抗にかかる第2の電圧を計測し、前記第1及び第2の電圧と前記第1の抵抗を除く前記複数の抵抗の抵抗値とにより前記第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて前記複数の電池の電圧を計測する
    ことを特徴とする電圧計測回路。
  2. 請求項1に記載の電圧計測回路であって、
    前記計測部は、
    前記第1の抵抗より高い電圧がかかる第2の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているとき、前記第2の電圧と、少なくとも前記補助抵抗の抵抗値及び前記第2の参照抵抗の抵抗値とを用いて、前記第2の抵抗にかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、前記第1の電圧と、前記第1の参照抵抗の抵抗値と、前記第1の抵抗より低い電圧がかかる第3の抵抗の抵抗値とを用いて、前記第1の抵抗の抵抗値を推定し、
    前記第3の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているとき、前記第1の電圧と、前記第1の参照抵抗の抵抗値と、前記第3の抵抗の抵抗値とを用いて、前記第3の抵抗にかかる電圧を推定し、その推定した電圧と、前記第2の電圧と、少なくとも前記補助抵抗の抵抗値、前記第2の参照抵抗の抵抗値、及び前記第2の抵抗の抵抗値とを用いて、前記第1の抵抗の抵抗値を推定する
    ことを特徴とする電圧計測回路。
  3. 互いに直列に接続される複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、
    一方端が前記複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が前記複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、
    前記複数の抵抗の一方端と前記複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、
    前記複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、前記第1の参照抵抗にかかる電圧と、前記複数の抵抗の抵抗値と、前記第1の参照抵抗の抵抗値とにより前記複数の電池の電圧を計測する計測部と、
    前記複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、
    前記複数の電池の総プラス端子に接続され、前記複数の電池の電圧の合計値である電圧を降圧して出力する総電圧計測回路と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出されると、前記第1の抵抗より高い電圧がかかる第2の抵抗の一方端に接続されるリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる第1の電圧を計測するとともに、前記総電圧計測回路から出力される第3の電圧を取得し、前記第1及び第3の電圧と前記第1の抵抗を除く前記複数の抵抗の抵抗値とにより前記第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて前記複数の電池の電圧を計測する
    ことを特徴とする電圧計測回路。
  4. 互いに直列に接続される複数の電池と、
    前記複数の電池に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続される複数の抵抗と、
    一方端が前記複数の抵抗のうちの最低電圧がかかる抵抗に接続され、他方端が前記複数の電池の総マイナス端子に接続される第1の参照抵抗と、
    前記複数の抵抗の一方端と前記複数の電池のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される複数のリレーと、
    前記複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる電圧を取得し、前記第1の参照抵抗にかかる電圧と、前記複数の抵抗の抵抗値と、前記第1の参照抵抗の抵抗値とにより前記複数の電池の電圧を計測する計測部と、
    前記複数の抵抗のうちの第1の抵抗の抵抗値が正常時と異なる抵抗値になる異常を検出する検出部と、
    一方端が前記複数の抵抗のうちの最高電圧がかかる抵抗の一方端に接続される補助抵抗と、
    一方端が前記補助抵抗の他方端に接続され、他方端が前記複数の電池の総マイナス端子に接続される第2の参照抵抗と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出されると、前記複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに前記第1の参照抵抗にかかる第1の電圧及び前記第2の参照抵抗にかかる第2の電圧を計測し、前記第1及び第2の電圧と前記第1の抵抗を除く前記複数の抵抗の抵抗値とにより前記第1の抵抗の抵抗値を推定し、その推定した抵抗値を用いて前記複数の電池の電圧を計測する
    ことを特徴とする電池パック。
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