JP2020193821A - 電圧計測回路及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップを伴うこと無く、直列に接続される複数の電池のうち、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定する。【解決手段】計測部121は、検出部122により異常が検出されると、電池B3より高電位側の電池B4のプラス端子の第1の電位と、電池B3より低電位側の電池B2のプラス端子の第2の電位との差を、電池B2のプラス端子から電池B4のプラス端子までに介在する電池Bの数「2」で除算し、その除算した値を、電池B3の電圧及び電池B4の電圧として推定する。【選択図】図1
Description
本発明は、直列に接続される複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路に関する。
電圧計測回路として、マルチプレクサにより各電池のそれぞれの両側端子をコンデンサの両側端子に選択的に接続するとともに、コンデンサの両側端子にかかる電圧を検出することで各電池の電圧を計測するものがある。
また、上記電圧計測回路は、ある電池の電圧を正しく計測することができない場合、電圧を正しく計測できない電池を含む複数の電池の電圧の積算値をそれら電池の個数で除算し、その除算した値を、電圧を正しく計測できない電池の電圧として推定する。
関連する技術として、特許文献1がある。
しかしながら、上記電圧計測回路では、ある電池の電圧を正しく計測することができない場合、複数の電池の電圧の積算値がコンデンサの両側端子にかかるため、複数の電池の電圧の積算値に耐えうる冗長な性能のコンデンサを備える必要があり、その分コストアップしてしまうという懸念がある。
そこで、本発明の一側面に係る目的は、コストアップを伴うこと無く、直列に接続される複数の電池のうち、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定することである。
本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、直列に接続される複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて複数の電池の電圧を算出する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池のプラス端子の電位を正しく計測できない状態である異常を検出する検出部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出されると、第1の電池より高電位側の第2の電池のプラス端子の第1の電位と、第1の電池より低電位側の第3の電池のプラス端子の第2の電位との差を、第3の電池のプラス端子から第2の電池のプラス端子までに介在する電池の数で除算し、その除算した値を、第1の電池の電圧及び第1の電池の高電位側に隣接する第4の電池の電圧として推定する。
これにより、第3の電池のプラス端子から第2の電池のプラス端子までに介在する電池の電圧の平均値を、電圧を正しく計測できない電池の電圧として推定することができる。また、コンデンサの両側端子にかかる電圧ではなく電池のプラス端子の電位を用いて、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定する構成であり、冗長な性能のコンデンサを備える必要がない分、コストを低減することができる。すなわち、コストアップを伴うこと無く、直列に接続される複数の電池のうち、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定することができる。
また、本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、直列に接続された参照抵抗および複数の電池に並列接続される複数の抵抗から構成される抵抗分圧回路と、複数の電池のプラス端子と複数の抵抗の一方端との間にそれぞれ設けられる複数のリレーとを備え、計測部は、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに参照抵抗にかかる電圧を取得し、参照抵抗にかかる電圧と、参照抵抗の抵抗値及び複数の抵抗の抵抗値とを用いて、複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて複数の電池の電圧を算出するように構成してもよい。
このように、電池のプラス端子の電位を用いて、各電池の電圧を算出する場合、冗長な性能のコンデンサを備える必要がない分、コストを低減することができる。
また、計測部は、複数の電池のプラス端子の各電位を、複数の電池のプラス端子の最低電位から最高電位まで順に計測しているとき、検出部により異常が検出されると、第2の電位、第1の電位の順に計測した各電位を用いて、第1及び第4の電池の電圧を推定し、または、複数の電池のプラス端子の各電位を、複数の電池のプラス端子の最高電位から最低電位まで順に計測しているとき、検出部により異常が検出されると、第1の電位、第2の電位の順に計測した各電位を用いて、第1及び第4の電池の電圧を推定するように構成してもよい。
これにより、異常が検出されても、計測済みの電位を再度計測しないため、各電池の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
また、計測部は、第4の電池の状態を示す値に対する第1の電池の状態を示す値の第1の比率に基づいて、推定した第1の電池の電圧を補正する、または、第1の電池の状態を示す値に対する第4の電池の状態を示す値の第2の比率に基づいて、推定した第4の電池の電圧を補正するように構成してもよい。
これにより、第1の電池の状態と第4の電池の状態のバラツキ度合いに応じて、推定した第1の電池の電圧と第4の電池の電圧のバラツキ度合いを補正することができるため、第1及び第4の電池の電圧を精度よく計測することができる。
また、計測部は、第1及び第4の電池の温度または充電率に応じて、第1の比率または第2の比率を変化させるように構成してもよい。
これにより、第1及び第4の電池の温度または充電率に応じて、第1の比率または第2の比率を変化させることができるため、第1及び第4の電池の電圧をさらに精度よく計測することができる。
また、本発明に係る一つの形態である電池パックは、直列に接続される複数の電池と、複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて複数の電池の電圧を算出する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池のプラス端子の電位を計測できない状態である異常を検出する検出部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出されると、第1の電池より高電位側の第2の電池のプラス端子の第1の電位と、第1の電池より低電位側の第3の電池のプラス端子の第2の電位との差を、第3の電池のプラス端子から第2の電池のプラス端子までに介在する電池の数で除算した値を、第1の電池の電圧及び第1の電池の高電位側に隣接する第4の電池の電圧として推定する。
これにより、第3の電池のプラス端子から第2の電池のプラス端子までに介在する電池の電圧の平均値を、電圧を正しく計測できない電池の電圧として推定することができる。また、コンデンサの両側端子にかかる電圧ではなく電池のプラス端子の電位を用いて、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定する構成であり、冗長な性能のコンデンサを備える必要がない分、コストを低減することができる。すなわち、コストアップを伴うこと無く、直列に接続される複数の電池のうち、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定することができる。
また、本発明に係る一つの形態である電池パックは、直列に接続された参照抵抗および複数の電池に並列接続される複数の抵抗から構成される抵抗分圧回路と、複数の電池のプラス端子と複数の抵抗の一方端との間にそれぞれ設けられる複数のリレーとを備え、計測部は、複数のリレーのうちの1つのリレーを導通させているとともに残りのリレーを遮断させているときに参照抵抗にかかる電圧を取得し、参照抵抗にかかる電圧と、参照抵抗の抵抗値及び複数の抵抗の抵抗値とを用いて、複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて複数の電池の電圧を算出するように構成してもよい。
このように、電池のプラス端子の電位を用いて、各電池の電圧を算出する場合、冗長な性能のコンデンサを備える必要がない分、コストを低減することができる。
本発明によれば、コストアップを伴うこと無く、直列に接続される複数の電池のうち、電圧を正しく計測できない電池の電圧を推定することができる。
図1は、実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。
図1に示す電圧計測回路1は、直列に接続される複数の電池B(電池B1〜B5)の電圧を算出する。なお、電池B1〜B5は、それぞれ、1つ以上のリチウムイン電池またはニッケル水素電池などの二次電池により構成されるものとする。
図1に示す電圧計測回路1は、直列に接続される複数の電池B(電池B1〜B5)の電圧を算出する。なお、電池B1〜B5は、それぞれ、1つ以上のリチウムイン電池またはニッケル水素電池などの二次電池により構成されるものとする。
また、電圧計測回路1は、複数の抵抗R(抵抗R1〜R5)及び参照抵抗Rre1から構成される抵抗分圧回路と、複数のリレーRe(リレーRe1〜Re5)と、記憶部11と、制御部12とを備える。なお、電池B、抵抗R、リレーReのそれぞれの数は、互いに同じ数(3以上)であれば、特に限定されない。
抵抗R1〜R5は、電池B1〜B5に並列に接続されるとともに、互いに直列に接続されている。また、参照抵抗Rre1は、抵抗R5に直列に接続されている。すなわち、抵抗R5の一方端がリレーRe5を介して電池B5のプラス端子(電池B1〜B5の総プラス端子)に接続され、抵抗R5の他方端がリレーRe4を介して電池B5のマイナス端子と電池B4のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R4の一方端に接続されている。抵抗R4の他方端がリレーRe3を介して電池B4のマイナス端子と電池B3のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R3の一方端に接続されている。抵抗R3の他方端がリレーRe2を介して電池B3のマイナス端子と電池B2のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R2の一方端に接続されている。抵抗R2の他方端がリレーRe1を介して電池B2のマイナス端子と電池B1のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R1の一方端に接続されている。抵抗R1の他方端が参照抵抗Rre1の一方端に接続され、参照抵抗Rre1の他方端が電池B1のマイナス端子(電池B1〜B5の総マイナス端子)に接続されている。抵抗R1には、電池B1の電圧Vto1(総マイナス端子の電位を基準とする電池B1のプラス端子の電位である最低電圧)がかかり、抵抗R5には、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5(総マイナス端子の電位を基準とする電池B5のプラス端子の電位である最高電圧)がかかる。なお、参照抵抗Rre1にかかる電圧Va(総マイナス端子の電位を基準とする参照抵抗Rre1の一方端の電位)は制御部12に入力されるものとする。
リレーRe1〜Re5は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成され、抵抗R1〜R5の一方端と電池B1〜B5のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される。すなわち、リレーRe1の一方端が抵抗R1の一方端(抵抗R1の一方端と抵抗R2の他方端との接続点)に接続され、リレーRe1の他方端が電池B1のプラス端子(電池B1のプラス端子と電池B2のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe2の一方端が抵抗R2の一方端(抵抗R2の一方端と抵抗R3の他方端との接続点)に接続され、リレーRe2の他方端が電池B2のプラス端子(電池B2のプラス端子と電池B3のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe3の一方端が抵抗R3の一方端(抵抗R3の一方端と抵抗R4の他方端との接続点)に接続され、リレーRe3の他方端が電池B3のプラス端子(電池B3のプラス端子と電池B4のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe4の一方端が抵抗R4の一方端(抵抗R4の一方端と抵抗R5の他方端との接続点)に接続され、リレーRe4の他方端が電池B4のプラス端子(電池B4のプラス端子と電池B5のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe5の一方端が抵抗R5の一方端に接続され、リレーRe5の他方端が電池B5のプラス端子に接続されている。
リレーRe1が導通し、リレーRe2〜Re5が遮断すると、電池B1の電圧Vto1が抵抗R1及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式1を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto1×(参照抵抗Rre1の抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗R1の抵抗値r1)・・・式1
電圧Va=電圧Vto1×(参照抵抗Rre1の抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗R1の抵抗値r1)・・・式1
リレーRe2が導通し、リレーRe1、Re3〜Re5が遮断すると、電池B1、B2の電圧の合計値である電圧Vto2(総マイナス端子の電位を基準とする電池B2のプラス端子の電位)が抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式2を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto2×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗R2の抵抗値r2)・・・式2
電圧Va=電圧Vto2×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗R2の抵抗値r2)・・・式2
リレーRe3が導通し、リレーRe1、Re2、Re4、Re5が遮断すると、電池B1〜B3の電圧の合計値である電圧Vto3(総マイナス端子の電位を基準とする電池B3のプラス端子の電位)が抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式3を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto3×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値R3の抵抗値r3)・・・式3
電圧Va=電圧Vto3×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値R3の抵抗値r3)・・・式3
リレーRe4が導通し、リレーRe1〜Re3、Re5が遮断すると、電池B1〜B4の電圧の合計値である電圧Vto4(総マイナス端子の電位を基準とする電池B4のプラス端子の電位)が抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分割される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式4を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto4×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗R4の抵抗値r4)・・・式4
電圧Va=電圧Vto4×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗R4の抵抗値r4)・・・式4
リレーRe5が導通し、リレーRe1〜Re4が遮断すると、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5が抵抗R5、抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分割される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式5を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto5×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗値r4+抵抗R5の抵抗値r5)・・・式5
電圧Va=電圧Vto5×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗値r4+抵抗R5の抵抗値r5)・・・式5
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成され、正常時の抵抗値r1〜r5及び抵抗値rre1などを記憶する。なお、正常時の抵抗値r1〜r5及び抵抗値rre1は、互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
制御部12は、プロセッサなどにより構成され、計測部121と、検出部122とを備える。例えば、プロセッサが記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、計測部121及び検出部122が実現される。
計測部121は、リレーRe1〜Re5のうちの1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaを取得し、その取得した電圧Vaと、記憶部11に記憶されている抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを用いて、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて電池B1〜B5の電圧を算出する。なお、リレーReは計測部121によって制御されてもよいし、制御部12によって制御されてもよい。
<正常時の電池B1〜B5の電圧の算出例(その1)>
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を、電池B1の電圧とする。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を、電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入することにより、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r3とを上記式3に代入することにより、電圧Vto3を求め、電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、及びリレーRe5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入することにより、電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入することにより、電圧Vto5を求め、その求めた電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
<正常時の電池B1〜B5の電圧の算出例(その2)>
まず、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入することにより、電圧Vto5を求める。
まず、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入することにより、電圧Vto5を求める。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値r1〜r4及び抵抗値rre1とを上記式4に代入することにより、電圧Vto4を求め、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r3とを上記式3に代入することにより、電圧Vto3を求め、電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入することにより、電圧Vto2を求め、電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより、電圧Vto1を求め、電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を電池B2の電圧とし、電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
検出部122は、電池B1〜B5のうちの1つの電池B(第1の電池B)のプラス端子の電位を正しく計測できない状態である異常を検出する。なお、第1の電池Bのプラス端子の電位が正しく計測できない状態とは、第1の電池Bのプラス端子に接続されるリレーReが開固着している状態または第1の電池Bのプラス端子と抵抗Rの一方端との間の電圧計測線が断線している状態とする。
例えば、リレーR3のみが開固着している場合を想定する。
この場合、検出部122は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであると、電池B3のプラス端子の電位を正しく計測できない状態である異常を検出する。
この場合、検出部122は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであると、電池B3のプラス端子の電位を正しく計測できない状態である異常を検出する。
このように、検出部122は、1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであるか否かを判断することにより、プラス端子の電位を正しく計測できない第1の電池Bを特定することができる。なお、プラス端子の電位を正しく測定できない第1の電池Bを特定する方法は上述の例に限定されない。
また、計測部121は、検出部122により異常が検出されると、プラス端子の電位が正しく計測できない第1の電池Bより高電位側の第2の電池Bのプラス端子の第1の電位と、第1の電池Bより低電位側の第3の電池Bのプラス端子の第2の電位との差を、第3の電池Bのプラス端子から第2の電池Bのプラス端子までに介在する電池Bの数で除算し、その除算した値を、第1の電池Bの電圧及び第1の電池Bの高電位側に隣接する第4の電池Bの電圧として推定する。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の算出例(その1)>
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B5とし、第3の電池Bを電池B2とし、第4の電池Bを電池B4とする。
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B5とし、第3の電池Bを電池B2とし、第4の電池Bを電池B4とする。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1(電池B1のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2(電池B2のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電圧Vto3を求めない。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4(電池B4のプラス端子の電位)を求める。
次に、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5(電池B5のプラス端子の電位)を求め、電圧Vto5と電圧Vto2との差を、電池B2のプラス端子から電池B5のプラス端子までに介在する電池B3〜B5の数「3」で除算した値を、電池B3、B4の電圧として推定する。
そして、計測部121は、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電圧Vto2(電池B3のマイナス端子の電位)を用いて、電池B3の電圧を推定する構成であるため、電池B3のマイナス端子の電位を用いずに、電池B3の電圧を推定する構成、例えば、電池B1〜B5の全体の電圧を電池B1〜B5の数「5」で除算した値を電池B3の電圧とする構成に比べて、電池B3の電圧を精度よく推定することができる。
また、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最低電位から最高電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B2のプラス端子の電位、電池B5のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定している。これにより、異常が検出されても、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
なお、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最高電位から最低電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B5のプラス端子の電位、電池B2のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定するように構成してもよい。このように構成しても、異常が検出されたとき、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の算出例(その2)>
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B4とし、第3の電池Bを電池B1とし、第4の電池Bを電池B4とする。
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B4とし、第3の電池Bを電池B1とし、第4の電池Bを電池B4とする。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1(電池B1のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2(電池B2のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電圧Vta3を求めない。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4(電池B4のプラス端子の電位)を求め、電圧Vto4と電圧Vto1との差を、電池B1のプラス端子から電池B4のプラス端子までに介在する電池B2〜B4の数「3」で除算した値を、電池B3、B4の電圧として推定する。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5(電池B5のプラス端子の電位)を求め、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電圧Vto4(電池B4のプラス端子の電位)を用いて、電池B4の電圧を推定する構成であるため、電池B4のプラス端子の電位を用いずに、電池B4の電圧を推定する構成、例えば、電池B1〜B5の全体の電圧を電池B1〜B5の数「5」で除算した値を電池B4の電圧とする構成に比べて、電池B4の電圧を精度よく推定することができる。
また、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最低電位から最高電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B1のプラス端子の電位、電池B4のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定している。これにより、異常が検出されても、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
なお、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最高電位から最低電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B4のプラス端子の電位、電池B1のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定するように構成してもよい。このように構成しても、異常が検出されたとき、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の算出例(その3)>
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B4とし、第3の電池Bを電池B2とし、第4の電池Bを電池B4とする。
なお、第1の電池Bを電池B3とし、第2の電池Bを電池B4とし、第3の電池Bを電池B2とし、第4の電池Bを電池B4とする。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1(電池B1のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vta1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2(電池B2のプラス端子の電位)を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電圧Vto3を求めない。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4(電池B4のプラス端子の電位)を求め、電圧Vto4と電圧Vto2との差を、電池B2のプラス端子から電池B4のプラス端子までに介在する電池B3、B4の数「2」で除算した値を、電池B3、B4の電圧として推定する。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5(電池B5のプラス端子の電位)を求め、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電圧Vta2、Vta4(電池B3のマイナス端子の電位及び電池B4のプラス端子の電位)を用いて、電池B3、B4の電圧を推定する構成であるため、電池B3のマイナス端子の電位及び電池B4のプラス端子の電位を用いずに、電池B3、B4の電圧を推定する構成、例えば、電池B1〜B5の全体の電圧を電池B1〜B5の数「5」で除算した値を電池B3、B4の電圧とする構成に比べて、電池B3、B4の電圧を精度よく推定することができる。
また、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最低電位から最高電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B2のプラス端子の電位、電池B4のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定している。これにより、異常が検出されても、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
なお、計測部121は、電池B1〜B5のプラス端子の各電位を、電池B1〜B5のプラス端子の最高電位から最低電位まで順に計測しているとき、検出部122により電池B3のプラス端子の電圧が正しく計測できない状態である異常が検出されると、電池B4のプラス端子の電位、電池B2のプラス端子の電位の順に計測した各電位を用いて、電池B3、B4の電圧を推定するように構成してもよい。このように構成しても、異常が検出されたとき、計測済みの電位を再度計測しないため、電池B1〜B5の電圧の計測時間が増大することを抑制することができる。
実施形態の電圧計測回路1は、検出部122により異常が検出されると、第2の電池Bのプラス端子の第1の電位と第3の電池Bのプラス端子の第2の電位との差を、第3の電池Bのプラス端子から第2の電池Bのプラス端子までに介在する電池Bの数で除算し、その除算した値を、第1及び第4の電池Bの電圧として推定する構成であるため、その除算した値、すなわち、第3の電池Bのプラス端子から第2の電池Bのプラス端子までに介在する電池Bの電圧の平均値を、電圧を正しく計測できない電池Bの電圧として推定することができる。
また、実施形態の電圧計測回路1は、コンデンサの両側端子にかかる電圧ではなく電池Bのプラス端子の電位を用いて、電圧を正しく計測できない電池Bの電圧を算出する構成であり、冗長な性能のコンデンサを備える必要がない分、コストを低減することができる。
すなわち、実施形態の電圧計測回路1によれば、コストアップを伴うこと無く、直列に接続される電池B1〜B5のうち、電圧を正しく計測できない電池Bの電圧を推定することができる。これにより、電池B1〜B5のうちの1つの電池Bの電圧を正しく計測できない異常が生じても、電池B1〜B5を継続して使用することができる。
<変形例1>
計測部121は、第4の電池Bの状態を示す値に対する第1の電池Bの状態を示す値の第1の比率に基づいて、推定した第1の電池Bの電圧を補正するように構成してもよい。
計測部121は、第4の電池Bの状態を示す値に対する第1の電池Bの状態を示す値の第1の比率に基づいて、推定した第1の電池Bの電圧を補正するように構成してもよい。
例えば、計測部121は、「第1の比率×推定した第1の電池Bの電圧」の計算結果を、補正後の第1の電池Bの電圧とする。
なお、第1の比率とは、「正常時の第1の電池Bの電圧/正常時の第4の電池Bの電圧」、「第1の電池Bの充電率(SOC(State Of Charge))/第4の電池Bの充電率」、「第1の電池Bの内部抵抗/第4の電池Bの内部抵抗」、または、「第1の電池Bの満充電容量/第4の電池Bの満充電容量」とする。
例えば、計測部121は、検出部122により異常が検出される前に算出して記憶部11に記憶させておいた第1及び第4の電池Bの電圧を用いて、第1の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている、電池Bの充電率と電池Bの電圧とが対応付けられている情報を参照して、異常が検出される前の第1の電池Bの電圧に対応する充電率を、第1の電池Bの充電率として取得するとともに、異常が検出される前の第4の電池Bの電圧に対応する充電率を、第4の電池Bの充電率として取得し、それら取得した第1及び第4の電池Bの充電率を用いて、第1の比率を求める。あるいは、図示しない電流計によって計測される複数の電池Bに流れる充放電電流の積算値及び記憶部11に記憶されている第1の電池Bの満充電容量を用いて第1の電池Bの充電率を取得するとともに、複数の電池Bに流れる充放電電流の積算値及び記憶部11に記憶されている第4の電池Bの満充電容量を用いて第4の電池Bの充電率を取得し、それら取得した第1及び第4の電池Bの充電率を用いて、第1の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている第1及び第4の電池Bの内部抵抗を用いて、第1の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている第1及び第4の電池Bの満充電容量を用いて、第1の比率を求める。
または、計測部121は、第1の電池Bの状態を示す値に対する第4の電池Bの状態を示す値の第2の比率に基づいて、推定した第4の電池Bの電圧を補正するように構成してもよい。
例えば、計測部121は、「第2の比率×推定した第4の電池Bの電圧」の計算結果を、補正後の第4の電池Bの電圧とする。
なお、第2の比率とは、「正常時の第4の電池Bの電圧/正常時の第1の電池Bの電圧」、「第4の電池Bの充電率(SOC(State Of Charge))/第1の電池Bの充電率」、「第1の電池Bの内部抵抗/第4の電池Bの内部抵抗」、または、「第4の電池Bの満充電容量/第1の電池Bの満充電容量」とする。
例えば、計測部121は、検出部122により異常が検出される前に算出して記憶部11に記憶させておいた第1及び第4の電池Bの電圧を用いて、第2の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている、電池Bの充電率と電池Bの電圧とが対応付けられている情報を参照して、異常が検出される前の第1の電池Bの電圧に対応する充電率を、第1の電池Bの充電率として取得するとともに、異常が検出される前の第4の電池Bの電圧に対応する充電率を、第4の電池Bの充電率として取得し、それら取得した第1及び第4の電池Bの充電率を用いて、第2の比率を求める。あるいは、図示しない電流計によって計測される複数の電池Bに流れる充放電電流の積算値及び記憶部11に記憶されている第1の電池Bの満充電容量を用いて第1の電池Bの充電率を取得するとともに、複数の電池Bに流れる充放電電流の積算値及び記憶部11に記憶されている第4の電池Bの満充電容量を用いて第4の電池Bの充電率を取得し、それら取得した第1及び第4の電池Bの充電率を用いて、第2の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている第1及び第4の電池Bの内部抵抗を用いて、第2の比率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている第1及び第4の電池Bの満充電容量を用いて、第2の比率を求める。
これにより、第1の電池Bの状態と第4の電池Bの状態のバラツキ度合いに応じて、推定した第1の電池Bの電圧と第4の電池Bの電圧のバラツキ度合いを補正することができるため、第1及び第4の電池Bの電圧を精度よく計測することができる。
<変形例2>
計測部121は、第1及び第4の電池Bの温度または充電率に応じて、第1の比率または第2の比率を変化させるように構成してもよい。例えば、計測部121は、電池B1〜B5の温度または充電率が小さくなるほど、第1の比率または第2の比率を大きくする。言い換えると、計測部121は、電池B1〜B5の温度または充電率が第1の閾値以下であると、第1の比率または第2の比率を第2の閾値以上にし、電池B1〜B5の温度または充電率が第1の閾値より大きいと、第1の比率または第2の比率を第2の閾値より小さくする。
計測部121は、第1及び第4の電池Bの温度または充電率に応じて、第1の比率または第2の比率を変化させるように構成してもよい。例えば、計測部121は、電池B1〜B5の温度または充電率が小さくなるほど、第1の比率または第2の比率を大きくする。言い換えると、計測部121は、電池B1〜B5の温度または充電率が第1の閾値以下であると、第1の比率または第2の比率を第2の閾値以上にし、電池B1〜B5の温度または充電率が第1の閾値より大きいと、第1の比率または第2の比率を第2の閾値より小さくする。
これにより、第1及び第4の電池Bの温度または充電率に応じて、第1の比率または第2の比率を補正することができるため、第1及び第4の電池Bの電圧をさらに精度よく計測することができる。
図2は、実施形態の電圧計測回路1を備える電池パックの一例を示す図である。
図2に示す電池パックBPは、プラグインハイブリッド車または電気自動車などの車両Veに搭載され、電圧計測回路1(監視ECU(Electronic Control Unit))以外に、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2と、電池ECU4とを備える。なお、電池Bは、図1に示す電池B1〜B5により構成されているものとする。また、車両Veは、電池パックBP以外に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制御する。なお、電池ECU4の機能を車両ECU5に含ませて電池ECU4と車両ECU5を統合し、その統合後のECUを車両Veに設けてもよい。
図2に示す電池パックBPは、プラグインハイブリッド車または電気自動車などの車両Veに搭載され、電圧計測回路1(監視ECU(Electronic Control Unit))以外に、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2と、電池ECU4とを備える。なお、電池Bは、図1に示す電池B1〜B5により構成されているものとする。また、車両Veは、電池パックBP以外に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制御する。なお、電池ECU4の機能を車両ECU5に含ませて電池ECU4と車両ECU5を統合し、その統合後のECUを車両Veに設けてもよい。
電流計2は、シャント抵抗またはホール素子などにより構成され、電池Bに流れる電流を計測し、その計測した電流を電圧計測回路1に送る。
温度計3は、サーミスタなどにより構成され、電池Bの温度を計測し、その計測した温度を電圧計測回路1に送る。
スイッチSW1、SW2は、それぞれ、半導体リレーまたは電磁式リレーなどにより構成される。スイッチSW1の一方端は電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW1の他方端はインバータ回路Invのマイナス入力端子に接続されている。スイッチSW2の一方端はスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW2の他方端は充電器Chのマイナス出力端子に接続されている。なお、スイッチSW1の一方端が電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW1の他方端がインバータ回路Invのプラス入力端子に接続され、スイッチSW2の一方端がスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW2の他方端が充電器Chのプラス出力端子に接続されていてもよい。
スイッチSW1が導通し、スイッチSW2が遮断すると、電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるとともに、インバータ回路Invから電池Bに回生電力を供給することが可能な状態になる。また、スイッチSW1、SW2が導通すると、充電器Chから電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。このとき、充電器Chからインバータ回路Invに電力が供給されないものとする。インバータ回路Invまたは充電器Chから電池Bに電力が供給されると、電池Bが充電され電池Bの電圧が上昇し、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、電池Bが放電され電池Bが下降する。
電池ECU4は、プロセッサや記憶部などを備えて構成され、スイッチSW1、SW2の動作を制御するとともに、CAN(Controller Area Network)通信などにより電圧計測回路1及び車両ECU5と通信を行う。
例えば、電池ECU4は、イグニッションスイッチがオンした旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1を導通させるとともにスイッチSW2を遮断させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率(電池B1〜B5の充電率の平均値など)を算出し、その算出した充電率に応じた出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winを車両ECUに送信する。また、電池ECU4は、充電率が第1の下限閾値以下になると、制限後の出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信し、充電率が第1の上限閾値以上になると、制限後の入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutに応じた電力が電池Bからインバータ回路Invに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御するとともに、入力電力指令値Winに応じた電力がインバータ回路Invから電池Bに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winが制限されると、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を小さくすることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制限する。また、電池ECU4は、電池Bの充電率が第1の下限閾値より小さい第2の下限閾値以下になると、または、電池Bの充電率が第1の上限閾値より大きい第2の上限閾値以上になると、スイッチSW1、SW2を遮断することにより、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電器Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。なお、第2の下限閾値は、電池Bが過放電状態になる直前の電池Bの充電率とし、第2の上限閾値は、電池Bが過充電状態になる直前の電池Bの充電率とする。これにより、電池Bが過充電状態または過放電状態になることを防止することができる。
また、例えば、電池ECU4は、スイッチSW1を導通させているとともにスイッチSW2を遮断させているとき、電圧計測回路1から送信される電圧が過電圧閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される電流が過電流閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される温度が過温度閾値以上になると、電池Bに異常が発生したと判断し、その旨を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電池Bに異常が発生した旨を受信すると、インバータ回路Invを停止させ、電池Bの充電及び放電を禁止する。
また、例えば、電池ECU4は、充電器Chと車両Veとが充電ケーブルなどを介して電気的に接続された後、電池Bの充電開始指示を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、W2を導通させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率を算出し、充電率に応じた電流指令値Co1を車両ECUに送信する。車両ECU5は、電流指令値Co1に応じた電流が充電器Chから電池Bに供給されるように電流指令値Co2を充電器Chに送信する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 電圧計測回路
2 電流計
3 温度計
4 電池ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 制御部
121 計測部
122 検出部
B1〜B5 電池
Re1〜Re5 リレー
R1〜R5 抵抗
Rre1 参照抵抗
2 電流計
3 温度計
4 電池ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 制御部
121 計測部
122 検出部
B1〜B5 電池
Re1〜Re5 リレー
R1〜R5 抵抗
Rre1 参照抵抗
Claims (7)
- 直列に接続される複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて前記複数の電池の電圧を算出する計測部と、
前記複数の電池のうちの第1の電池のプラス端子の電位を計測できない状態である異常を検出する検出部と、
を備え、
前記計測部は、前記検出部により異常が検出されると、前記第1の電池より高電位側の第2の電池のプラス端子の第1の電位と、前記第1の電池より低電位側の第3の電池のプラス端子の第2の電位との差を、前記第3の電池のプラス端子から前記第2の電池のプラス端子までに介在する電池の数で除算し、その除算した値を、前記第1の電池の電圧及び前記第1の電池の高電位側に隣接する第4の電池の電圧として推定する
ことを特徴とする電圧計測回路。 - 請求項1に記載の電圧計測回路であって、
直列に接続された参照抵抗および前記複数の電池に並列接続される複数の抵抗から構成される抵抗分圧回路と、
前記複数の電池のプラス端子と前記複数の抵抗の一方端との間にそれぞれ設けられる複数のリレーと、を備え、
前記計測部は、前記複数のリレーのうちの1つの前記リレーを導通させているとともに残りの前記リレーを遮断させているときに前記参照抵抗にかかる電圧を取得し、前記参照抵抗にかかる電圧と、前記参照抵抗の抵抗値及び前記複数の抵抗の抵抗値とを用いて、前記複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて前記複数の電池の電圧を算出する
ことを特徴とする電圧計測回路。 - 請求項1または請求項2に記載の電圧計測回路であって、
前記計測部は、前記複数の電池のプラス端子の各電位を、前記複数の電池のプラス端子の最低電位から最高電位まで順に計測しているとき、前記検出部により異常が検出されると、前記第2の電位、前記第1の電位の順に計測した各電位を用いて、前記第1及び第4の電池の電圧を推定する、または、前記複数の電池のプラス端子の各電位を、前記複数の電池のプラス端子の最高電位から最低電位まで順に計測しているとき、前記検出部により異常が検出されると、前記第1の電位、前記第2の電位の順に計測した各電位を用いて、前記第1及び第4の電池の電圧を推定する
ことを特徴とする電圧計測回路。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電圧計測回路であって、
前記計測部は、前記第4の電池の状態を示す値に対する前記第1の電池の状態を示す値の第1の比率に基づいて、推定した前記第1の電池の電圧を補正する、または、前記第1の電池の状態を示す値に対する前記第4の電池の状態を示す値の第2の比率に基づいて、推定した前記第4の電池の電圧を補正する
ことを特徴とする電圧計測回路。 - 請求項4に記載の電圧計測回路であって、
前記計測部は、前記第1及び第4の電池の温度または充電率に応じて、前記第1の比率または前記第2の比率を変化させる
ことを特徴とする電圧計測回路。 - 直列に接続される複数の電池と、
前記複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて前記複数の電池の電圧を算出する計測部と、
前記複数の電池のうちの第1の電池のプラス端子の電位を計測できない状態である異常を検出する検出部と、
を備え、
前記計測部は、前記検出部により異常が検出されると、前記第1の電池より高電位側の第2の電池のプラス端子の第1の電位と、前記第1の電池より低電位側の第3の電池のプラス端子の第2の電位との差を、前記第3の電池のプラス端子から前記第2の電池のプラス端子までに介在する電池の数で除算した値を、前記第1の電池の電圧及び前記第1の電池の高電位側に隣接する第4の電池の電圧として推定する
ことを特徴とする電池パック。 - 請求項6に記載の電池パックであって、
直列に接続された参照抵抗および前記複数の電池に並列接続される複数の抵抗から構成される抵抗分圧回路と、
前記複数の電池のプラス端子と前記複数の抵抗の一方端との間にそれぞれ設けられる複数のリレーと、を備え、
前記計測部は、前記複数のリレーのうちの1つの前記リレーを導通させているとともに残りの前記リレーを遮断させているときに前記参照抵抗にかかる電圧を取得し、前記参照抵抗にかかる電圧と、前記参照抵抗の抵抗値及び前記複数の抵抗の抵抗値とを用いて、前記複数の電池のプラス端子の各電位を計測し、それら各電位を用いて前記複数の電池の電圧を算出する
ことを特徴とする電池パック。
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---|---|---|---|
JP2019097944A Pending JP2020193821A (ja) | 2019-05-24 | 2019-05-24 | 電圧計測回路及び電池パック |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020193821A (ja) |
-
2019
- 2019-05-24 JP JP2019097944A patent/JP2020193821A/ja active Pending
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