JP2020187964A - 電圧計測回路及び電池パック - Google Patents

電圧計測回路及び電池パック Download PDF

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Junichi Hatano
順一 波多野
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Ryusuke Hase
隆介 長谷
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真一 会沢
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Yuki Muramatsu
祐希 村松
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Abstract

【課題】直列に接続される複数の電池の電圧を計測する際、異常を検出する前と異常を検出した後で電池の内部抵抗または充電率が変動しても、各電池の電圧を正しく計測する。【解決手段】検出部122により異常が検出されたときの電池B1の電圧と、検出部122により異常が検出される前の電池B1、B3の電圧の差とを用いて、検出部122により異常が検出されたときの電池B3の電圧を推定し、電池B3の電圧を推定したときの電池B1、B3の内部抵抗の差と、検出部122により異常が検出される前に電流計2により計測された電流と電池B3の電圧を推定したときに電流計2により計測された電流の差とを用いて、推定した電池B3の電圧を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、直列に接続された複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路に関する。
電圧計測回路として、電池の電圧が計測できない異常を検出した後の複数の電池の電圧のうちの二番目に小さい電圧V2´と、異常を検出する前の複数の電池の電圧のうちの最小の電圧V1と二番目に小さい電圧V2との差に電圧低下率(電圧V2´/電圧V2)を積算した結果とを加算し、その加算した値を、異常を検出した後の複数の電池の電圧のうちの最小の電圧V1´として推定するものがある。
関連する技術として、特許文献1がある。
特開2000−013917号公報
しかしながら、上記電圧計測回路では、各電池の内部抵抗または満充電容量が互いに異なっていると、各電池の充放電量が互いに同じであっても、各電池の電圧低下率が互いに異なる場合があるため、推定した電池の電圧が実際の電圧と異なっているおそれがある。
そこで、本発明の一側面に係る目的は、直列に接続された複数の電池の電圧を計測する際、各電池の内部抵抗または満充電容量が互いに異なっていても、各電池の電圧を正しく計測することである。
本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、直列に接続された複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路であって、複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態であり、かつ、複数の電池のうちの第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出されたときの第2の電池の電圧と、検出部により異常が検出される前の第1及び第2の電池の電圧の差とを用いて、検出部により異常が検出されたときの第1の電池の電圧を推定し、第1の電池の電圧を推定したときの第1及び第2の電池の内部抵抗の差と、検出部により異常が検出される前に電流計により計測された電流と第1の電池の電圧を推定したときに電流計により計測された電流の差とを用いて、推定した第1の電池の電圧を補正する。
このように、第1及び第2の電池の内部抵抗の差を考慮して、第2の電池の電圧に基づいて推定した第1の電池の電圧を補正する構成であるため、第1及び第2の電池の内部抵抗が互いに異なっていても、第1の電池を正しく計測することができる。
また、上記電圧計測回路は、電流計により計測される電流の積算値と、複数の電池の満充電容量とを用いて、複数の電池の充電率を推定する推定部を備え、計測部は、第1の電池の電圧を推定したときに推定部により推定された第1及び第2の電池の充電率の差を用いて、補正後の第1の電池の電圧をさらに補正するように構成してもよい。
このように、第1及び第2の電池の内部抵抗の差を考慮して、第2の電池の電圧に基づいて推定した第1の電池の電圧を補正する構成であるため、第1及び第2の電池の内部抵抗が互いに異なっていても、第1の電池を正しく計測することができる。
また、第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を考慮して、第2の電池の電圧に基づいて推定した第1の電池の電圧を補正する構成であるため、第1及び第2の電池の満充電容量が互いに異なっていても、第1の電池を正しく計測することができる。
本発明に係る一つの形態である電圧計測回路は、直列に接続された複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路であって、複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態であり、かつ、複数の電池のうちの第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、電流計により計測される電流の積算値と、複数の電池の満充電容量とを用いて、複数の電池の充電率を推定する推定部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出された後の第2の電池の電圧、並びに、検出部により異常が検出される前の第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を用いて、検出部により異常が検出された後の第1の電池の電圧を推定する。
このように、第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を考慮して、第1の電池の電圧を推定する構成であるため、第1及び第2の電池の満充電容量が互いに異なっていても、第1の電池の電圧を正しく計測することができる。
本発明に係る一つの形態である電池パックは、直列に接続される複数の電池と、複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態で、かつ、第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出された後の第2の電池の電圧、並びに、検出部により異常が検出される前の第1及び第2の電池の電圧の差を用いて、検出部により異常が検出された後の第1の電池の電圧を推定し、第1の電池の電圧の推定時の第1及び第2の電池の内部抵抗差、並びに、検出部により異常が検出される前に電流計により計測された電流と第1の電池の電圧の推定時に電流計により計測された電流との差を用いて、推定した第1の電池の電圧を補正する。
このように、第1及び第2の電池の内部抵抗の差を考慮して、第2の電池の電圧に基づいて推定した第1の電池の電圧を補正する構成であるため、第1及び第2の電池の内部抵抗が互いに異なっていても、第1の電池を正しく計測することができる。
本発明に係る一つの形態である電池パックは、直列に接続される複数の電池と、複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態で、かつ、第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、電流計により計測される電流の積算値と、複数の電池の満充電容量とを用いて、複数の電池の充電率を推定する推定部とを備える。計測部は、検出部により異常が検出された後の第2の電池の電圧、並びに、検出部により異常が検出される前の第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を用いて、検出部により異常が検出された後の第1の電池の電圧を推定する。
このように、第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を考慮して、第1の電池の電圧を推定する構成であるため、第1及び第2の電池の満充電容量が互いに異なっていても、第1の電池の電圧を正しく計測することができる。
本発明によれば、直列に接続される複数の電池の電圧を計測する際、各電池の内部抵抗または満充電容量が互いに異なっていても、各電池の電圧を正しく計測することができる。
第1実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。 第2実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。 実施形態の電圧計測回路を備える電池パックの一例を示す図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。
図1に示す電圧計測回路1は、直列に接続される複数の電池B(電池B1〜B5)の電圧を計測する。なお、電池B1〜B5は、それぞれ、1つ以上のリチウムイン電池またはニッケル水素電池などの二次電池により構成されるものとする。
また、電圧計測回路1は、複数の抵抗R(抵抗R1〜R5)と、参照抵抗Rre1と、複数のリレーRe(リレーRe1〜Re5)と、記憶部11と、制御部12とを備える。なお、電池B、抵抗R、リレーReのそれぞれの数は、互いに同じ数(3以上)であれば、特に限定されない。また、電流計2は、シャント抵抗や差動増幅回路などにより構成され、電池B1〜B5に流れる電流を検出し、その検出した電流を制御部12に送るものとする。また、温度計3は、サーミスタなどにより構成され、電池Bの温度を計測し、その計測した温度を電圧計測回路1に送るものとする。
抵抗R1〜R5は、電池B1〜B5に並列に接続されているとともに、互いに直列に接続されている。また、参照抵抗Rre1は、抵抗R5に直列に接続されている。すなわち、抵抗R5の一方端がリレーRe5を介して電池B5のプラス端子(電池B1〜B5の総プラス端子)に接続され、抵抗R5の他方端がリレーRe4を介して電池B5のマイナス端子と電池B4のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R4の一方端に接続されている。抵抗R4の他方端がリレーRe3を介して電池B4のマイナス端子と電池B3のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R3の一方端に接続されている。抵抗R3の他方端がリレーRe2を介して電池B3のマイナス端子と電池B2のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R2の一方端に接続されている。抵抗R2の他方端がリレーRe1を介して電池B2のマイナス端子と電池B1のプラス端子との接続点に接続されているとともに抵抗R1の一方端に接続されている。抵抗R1の他方端が参照抵抗Rre1の一方端に接続され、参照抵抗Rre1の他方端が電池B1のマイナス端子(電池B1〜B5の総マイナス端子)に接続されている。抵抗R1には、電池B1の電圧Vto1(総マイナス端子の電位を基準とする電池B1のプラス端子の電位である最低電圧)がかかり、抵抗R5には、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5(総マイナス端子の電位を基準とする電池B5のプラス端子の電位である最高電圧)がかかる。なお、参照抵抗Rre1にかかる電圧Va(総マイナス端子の電位を基準とする参照抵抗Rre1の一方端の電位)は制御部12に入力されるものとする。
リレーRe1〜Re5は、それぞれ、半導体リレー(例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor))または電磁式リレーなどにより構成され、抵抗R1〜R5の一方端と電池B1〜B5のプラス端子との間にそれぞれ1つずつ接続される。すなわち、リレーRe1の一方端が抵抗R1の一方端(抵抗R1の一方端と抵抗R2の他方端との接続点)に接続され、リレーRe1の他方端が電池B1のプラス端子(電池B1のプラス端子と電池B2のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe2の一方端が抵抗R2の一方端(抵抗R2の一方端と抵抗R3の他方端との接続点)に接続され、リレーRe2の他方端が電池B2のプラス端子(電池B2のプラス端子と電池B3のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe3の一方端が抵抗R3の一方端(抵抗R3の一方端と抵抗R4の他方端との接続点)に接続され、リレーRe3の他方端が電池B3のプラス端子(電池B3のプラス端子と電池B4のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe4の一方端が抵抗R4の一方端(抵抗R4の一方端と抵抗R5の他方端との接続点)に接続され、リレーRe4の他方端が電池B4のプラス端子(電池B4のプラス端子と電池B5のマイナス端子との接続点)に接続されている。リレーRe5の一方端が抵抗R5の一方端に接続され、リレーRe5の他方端が電池B5のプラス端子に接続されている。
リレーRe1が導通し、リレーRe2〜Re5が遮断すると、電池B1の電圧Vto1が抵抗R1及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式1を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto1×(参照抵抗Rre1の抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗R1の抵抗値r1)・・・式1
リレーRe2が導通し、リレーRe1、Re3〜Re5が遮断すると、電池B1、B2の電圧の合計値である電圧Vto2(総マイナス端子の電位を基準とする電池B2のプラス端子の電位)が抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式2を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto2×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗R2の抵抗値r2)・・・式2
リレーRe3が導通し、リレーRe1、Re2、Re4、Re5が遮断すると、電池B1〜B3の電圧の合計値である電圧Vto3(総マイナス端子の電位を基準とする電池B3のプラス端子の電位)が抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分圧される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式3を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto3×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値R3の抵抗値r3)・・・式3
リレーRe4が導通し、リレーRe1〜Re3、Re5が遮断すると、電池B1〜B4の電圧の合計値である電圧Vto4(総マイナス端子の電位を基準とする電池B4のプラス端子の電位)が抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分割される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式4を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto4×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗R4の抵抗値r4)・・・式4
リレーRe5が導通し、リレーRe1〜Re4が遮断すると、電池B1〜B5の電圧の合計値である電圧Vto5が抵抗R5、抵抗R4、抵抗R3、抵抗R2、抵抗R1、及び参照抵抗Rre1により分割される。このとき、参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaは下記式5を計算することにより求められる。
電圧Va=電圧Vto5×(抵抗値rre1/抵抗値rre1+抵抗値r1+抵抗値r2+抵抗値r3+抵抗値r4+抵抗R5の抵抗値r5)・・・式5
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成され、正常時の抵抗値r1〜r5及び抵抗値rre1などを記憶する。なお、正常時の抵抗値r1〜r5及び抵抗値rre1は、互いに同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
制御部12は、プロセッサなどにより構成され、計測部121と、検出部122とを備える。例えば、プロセッサが記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、計測部121及び検出部122が実現される。
計測部121は、リレーRe1〜Re5のうちの1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに参照抵抗Rre1にかかる電圧Vaを取得し、その取得した電圧Vaと、記憶部11に記憶されている抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを用いて、電池B1〜B5のプラス端子の各電圧を計測し、それら各電圧を用いて電池B1〜B5の電圧を計測する。
<正常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入することにより、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を、電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入することにより、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r3とを上記式3に代入することにより、電圧Vto3を求め、電圧Vto3から電圧Vto2を減算した値を、電池B3の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、及びリレーRe5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入することにより、電圧Vto4を求め、その求めた電圧Vto4から電圧Vto3を減算した値を、電池B4の電圧とする。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入することにより、電圧Vto5を求め、その求めた電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
なお、計測部121は、電圧計測タイミング毎に、電池B1〜B5の電圧を計測し、記憶部11に記憶させる。
検出部122は、電池B1〜B5のうちの第1の電池Bの電圧が計測できない状態であり、かつ、電池B1〜B5のうちの第1の電池B以外の第2の電池Bの電圧が計測できる状態である異常を検出する。なお、電池B5のプラス端子に接続されるリレーRe5が開固着している場合、または、電池B5のプラス端子と抵抗R5の一方端との間の電圧計測線が断線している場合、第1の電池Bは、電池B5とする。また、電池B5以外の電池Bのプラス端子に接続されるリレーReが開固着している場合、または、電池B5以外の電池Bのプラス端子と抵抗Rの一方端との間の電圧計測線が断線している場合、第1の電池Bは、開固着しているリレーReまたは断線している電圧計測線に接続される互いに隣接する2つの電池Bとする。
例えば、リレーRe5のみが開固着している場合を想定する。
この場合、検出部122は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであると、電池B5の電圧が計測できない状態であり、かつ、電池B1〜B4の電圧が計測できる状態である異常を検出する。すなわち、電池B5が第1の電池Bになり、電池B1〜B4が第2の電池Bになる。
また、例えば、リレーRe3のみが開固着している場合を想定する。
この場合、検出部122は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであると、電池B3、B4の電圧が計測できない状態であり、かつ、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態である異常を検出する。すなわち、電池B3、B4が第1の電池Bになり、電池B1、B2、B5が第2の電池Bになる。
このように、検出部122は、1つのリレーReを導通させているとともに残りのリレーReを遮断させているときに取得される電圧Vaがゼロであるか否かを判断することにより、電圧を計測できない電池Bを特定することができる。なお、電圧を計測できない電池Bを特定する方法は上述の方法に限定されない。
また、計測部121は、検出部122により異常が検出されたときの第2の電池Bの電圧と、検出部122により異常が検出される前の第1及び第2の電池Bの電圧の差とを用いて、検出部122により異常が検出されたときの第1の電池Bの電圧を推定する。
また、計測部121は、第1の電池Bの電圧を推定したときの第1及び第2の電池Bの内部抵抗の差と、検出部122により異常が検出される前に電流計2により計測された電流と第1の電池Bの電圧を推定したときに電流計2により計測された電流の差とを用いて、推定した第1の電池Bの電圧を補正する。なお、電池B1〜B5の内部抵抗は、記憶部11に予め記憶されていてもよいし、温度計3により検出される温度により求めてもよい。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
なお、前回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1〜B5の電圧が計測できる状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B3、B4(第1の電池B)の電圧が計測できない状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態を想定する。なお、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B3の電圧に最も近い電池B1の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。また、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B4の電圧に最も近い電池B2の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。なお、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B3、B4のそれぞれの電圧に最も近い電池Bを第2の電池Bとしたが、これに限られない。つまり、電池B3に対応する第2の電池Bとして、電池B2、あるいは電池B5を用いても良い。また、電池B4に対応する第2の電池Bとして、電池B1、あるいは電池B5を用いても良い。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに検出部122により電池B3、B4の電圧が計測できない状態であり、かつ、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態である異常が検出されると、「電池B3の電圧V3=今回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−(前回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−前回の電圧計測タイミングで計測した電池B3の電圧)」を計算することにより、電池B3の電圧を推定する。
次に、計測部121は、「補正後の電池B3の電圧V3´=電池B3の電圧V3+(前回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流−今回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流)×(今回の電圧計測タイミングで取得した電池B3の内部抵抗−今回の電圧計測タイミングで取得した電池B1の内部抵抗)」を計算することにより、電池B3の電圧を補正する。
次に、計測部121は、「電池B4の電圧V4=今回の電圧計測タイミングで計測した電池B2の電圧−(前回の電圧計測タイミングで計測した電池B2の電圧−前回の電圧計測タイミングで計測した電池B4の電圧)」を計算することにより、電池B4の電圧を推定する。
次に、計測部121は、「補正後の電池B4の電圧V4´=電池B4の電圧V4+(前回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流−今回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流)×(今回の電圧計測タイミングで取得した電池B4の内部抵抗−今回の電圧計測タイミングで取得した電池B2の内部抵抗)」を計算することにより、推定した電池B4の電圧を補正する。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4を求める。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5を求め、電圧Vta5から電圧Vta4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電池B1、B3の内部抵抗の差や電池B2、B4の内部抵抗の差を考慮して、電池B1の電圧に基づいて推定した電池B3の電圧や電池B2の電圧に基づいて推定した電池B4の電圧を補正する構成であるため、電池B1、B3の内部抵抗が互いに異なっていたり、電池B2、B4の内部抵抗が互いに異なっていたりしても、電池B3、B4の電圧を正しく計測することができる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態の電圧計測回路の一例を示す図である。なお、図2に示す電圧計測回路1において、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図2に示す電圧計測回路1において、図1に示す電圧計測回路1と異なる点は、推定部123をさらに備える点である。なお、プロセッサが記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、推定部123が実現される。
推定部123は、電流計2により計測される電流の積算値と、電池B1〜B5の満充電容量とを用いて、電池B1〜B5の充電率を推定する。なお、記憶部11は、電池B1〜B5の満充電容量を記憶しているものとする。
例えば、推定部123は、今回の電圧計測タイミングで推定した充電率=前回の電圧計測タイミングで推定した充電率+(前回の電圧計測タイミングから今回の電圧計測タイミングまでに電流計2により検出された電流の積算値/電池Bの満充電容量)×100を計算することにより、電池Bの充電率を求める。
また、計測部121は、記憶部11に記憶されている、電池Bの充電率と電池Bの電圧とが対応付けられている情報Dを参照して、電池Bの充電率に対応する電池Bの電圧を求める。
また、計測部121は、第1の電池Bの電圧を推定したときに推定部123により推定された第1及び第2の電池Bの充電率の差を用いて、補正後の第1の電池Bの電圧をさらに補正する。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
なお、前回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1〜B5の電圧が計測できる状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B3、B4(第1の電池B)の電圧が計測できない状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態を想定する。なお、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B3の電圧に最も近い電池B1の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。また、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B4の電圧に最も近い電池B2の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。なお、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B3、B4のそれぞれの電圧に最も近い電池Bを第2の電池Bとしたが、これに限られない。つまり、電池B3に対応する第2の電池Bとして、電池B2、あるいは電池B5を用いても良い。また、電池B4に対応する第2の電池Bとして、電池B1、あるいは電池B5を用いても良い。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe3を導通させているとともにリレーRe1、Re2、Re4、Re5を遮断させているときに検出部122により電池B3、B4の電圧が計測できない状態であり、かつ、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態である異常が検出されると、「電池B3の電圧V3=今回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−(前回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−前回の電圧計測タイミングで計測した電池B3の電圧)」を計算することにより、電池B3の電圧を推定する。
次に、計測部121は、「1回目の補正後の電池B3の電圧V3´=電池B3の電圧V3+(前回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流−今回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流)×(今回の電圧計測タイミングで取得した電池B3の内部抵抗−今回の電圧計測タイミングで取得した電池B1の内部抵抗)」を計算することにより、電池B3の電圧を補正する。
次に、計測部121は、「2回目の補正後の電池B3の電圧V3´´=1回目の補正後の電池B3の電圧V3´+(今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B3の充電率に対応する電池B3の電圧−今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B1の充電率に対応する電池B1の電圧)」を計算することにより、補正後の電池B3の電圧をさらに補正する。
次に、計測部121は、「電池B4の電圧V4=今回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−(前回の電圧計測タイミングで計測した電池B1の電圧−前回の電圧計測タイミングで計測した電池B4の電圧)」を計算することにより、電池B4の電圧を推定する。
次に、計測部121は、「1回目の補正後の電池B4の電圧V4´=電池B4の電圧V4+(前回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流−今回の電圧計測タイミングにおいて電流計2により計測された電流)×(今回の電圧計測タイミングで取得した電池B4の内部抵抗−今回の電圧計測タイミングで取得した電池B2の内部抵抗)」を計算することにより、推定した電池B4の電圧を補正する。
次に、計測部121は、「2回目の補正後の電池B4の電圧V4´´=1回目の補正後の電池B4の電圧V4´+(今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B4の充電率に対応する電池B4の電圧−今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B1の充電率に対応する電池B2の電圧)」を計算することにより、補正後の電池B4の電圧をさらに補正する。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4を求める。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5を求め、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電池B1、B3の内部抵抗の差や電池B2、B4の内部抵抗の差を考慮して、電池B1の電圧に基づいて推定した電池B3の電圧や電池B2の電圧に基づいて推定した電池B4の電圧を補正する構成であるため、第1実施形態の電圧計測回路1と同様に、電池B1、B3の内部抵抗が互いに異なっていたり、電池B2、B4の内部抵抗が互いに異なっていたりしても、電池B3、B4の電圧を正しく計測することができる。
また、電池B1、B3の充電率に対応する電圧の差や電池B2、B4の充電率に対応する電圧の差を考慮して、電池B1の電圧に基づいて推定した電池B3の電圧や電池B2の電圧に基づいて推定した電池B4の電圧を補正する構成であるため、電池B1、B3の満充電容量が互いに異なっていたり、電池B2、B4の満充電容量が互いに異なっていたりしても、電池B3、B4の電圧を正しく計測することができる。
すなわち、第2実施形態の電圧計測回路1は、内部抵抗の差だけでなく、充電率に対応する電圧の差も考慮して、第1の電池Bの電圧を補正しているため、第1実施形態の電圧計測回路1に比べて、第1の電池Bの電圧計測精度を高めることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態の電圧計測回路の構成は、図2に示す電圧計測回路1の構成と同様である。
第3実施形態の電圧計測回路1において、第2実施形態の電圧計測回路と異なる点は、計測部121が、検出部122により異常が検出された後の第2の電池Bの電圧、並びに、検出部122により異常が検出される前の第1及び第2の電池Bの充電率に対応する電圧の差を用いて、検出部122により異常が検出された後の第1の電池Bの電圧を推定する点である。
<異常時の電池B1〜B5の電圧の計測例>
なお、前回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1〜B5の電圧が計測できる状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B3、B4(第1の電池B)の電圧が計測できない状態であり、かつ、今回の電圧計測タイミングにおいて、電池B1、B2、B5の電圧が計測できる状態を想定する。なお、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B3の電圧に最も近い電池B1の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。また、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B1、B2、B5の電圧のうち、前回の電圧計測タイミングで計測された電池B4の電圧に最も近い電池B2の電圧を、第2の電池Bの電圧とする。
まず、計測部121は、リレーRe1を導通させているとともにリレーRe2〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1とを上記式1に代入して、電圧Vto1を求め、その求めた電圧Vto1を電池B1の電圧とする。
次に、計測部121は、リレーRe2を導通させているとともにリレーRe1、Re3〜Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1、r2とを上記式2に代入して、電圧Vto2を求め、その求めた電圧Vto2から電圧Vto1を減算した値を、電池B2の電圧とする。
次に、計測部121は、電池B3の電圧=今回の電圧計測タイミングにおいて計測した電池B1の電圧+(今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B1の充電率に対応する電池B1の電圧−今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B3の充電率に対応する電池B3の電圧)を計算することにより、電池B3の電圧を推定する。
次に、計測部121は、電池B4の電圧=今回の電圧計測タイミングにおいて計測した電池B2の電圧+(今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B2の充電率に対応する電池B2の電圧−今回の電圧計測タイミングにおいて推定部123により推定される電池B4の充電率に対応する電池B4の電圧)を計算することにより、電池B4の電圧を推定する。
次に、計測部121は、リレーRe4を導通させているとともにリレーRe1〜Re3、Re5を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r4とを上記式4に代入して、電圧Vto4を求める。
そして、計測部121は、リレーRe5を導通させているとともにリレーRe1〜Re4を遮断させているときに取得される電圧Vaと、抵抗値rre1及び抵抗値r1〜r5とを上記式5に代入して、電圧Vto5を求め、電圧Vto5から電圧Vto4を減算した値を、電池B5の電圧とする。
このように、電池B1、B3の充電率に対応する電圧の差や電池B1、B4の充電率に対応する電圧の差を考慮して、電池B3、B4の電圧を推定する構成であるため、電池B1、B3の満充電容量や電池B2、B4の満充電容量が互いに異なっていても、電池B3、B4の電圧を正しく計測することができる。
すなわち、第1〜第3実施形態の電圧計測回路1によれば、電池B3、B4の電圧を計測できない異常が発生しても、電池B3、B4の電圧を正しく計測することができるため、電池B1〜B5を継続して使用することができる。
図3は、実施形態の電圧計測回路1を備える電池パックの一例を示す図である。
図3に示す電池パックBPは、プラグインハイブリッド車または電気自動車などの車両Veに搭載され、電圧計測回路1(監視ECU(Electronic Control Unit))以外に、電池Bと、電流計2と、温度計3と、スイッチSW1、SW2と、電池ECU4とを備える。なお、電池Bは、図1または図2に示す電池B1〜B5により構成されているものとする。また、電流計2は、図1または図2に示す電流計2と同じものとする。また、温度計3は、図1または図2に示す温度計3と同じものとする。また、車両Veは、電池パックBP以外に、車両Veの走行用のモータMと、モータMを駆動するインバータ回路Invと、インバータ回路Invの動作を制御するとともに車両Veの外部に設けられる充電器Chと通信を行う車両ECU5とを備える。インバータ回路Invは、スイッチを備え、そのスイッチが繰り返しオン、オフすることにより、電池Bから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給する。また、インバータ回路Invは、スイッチが繰り返しオン、オフすることにより、モータMから供給される交流電力(回生電力)を直流電力に変換して電池Bに供給する。車両ECU5は、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を変化させることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制御する。なお、電池ECU4の機能を車両ECU5に含ませて電池ECU4と車両ECU5を統合し、その統合後のECUを車両Veに設けてもよい。
スイッチSW1、SW2は、それぞれ、半導体リレーまたは電磁式リレーなどにより構成される。スイッチSW1の一方端は電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW1の他方端はインバータ回路Invのマイナス入力端子に接続されている。スイッチSW2の一方端はスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総マイナス端子に接続され、スイッチSW2の他方端は充電器Chのマイナス出力端子に接続されている。なお、スイッチSW1の一方端が電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW1の他方端がインバータ回路Invのプラス入力端子に接続され、スイッチSW2の一方端がスイッチSW1及び電流計2を介して電池Bの総プラス端子に接続され、スイッチSW2の他方端が充電器Chのプラス出力端子に接続されていてもよい。
スイッチSW1が導通し、スイッチSW2が遮断すると、電池Bからインバータ回路Invに電力を供給することが可能な状態になるとともに、インバータ回路Invから電池Bに回生電力を供給することが可能な状態になる。また、スイッチSW1、SW2が導通すると、充電器Chから電池Bに電力が供給することが可能な状態になる。このとき、充電器Chからインバータ回路Invに電力が供給されないものとする。インバータ回路Invまたは充電器Chから電池Bに電力が供給されると、電池Bが充電され電池Bの電圧が上昇し、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されると、電池Bが放電され電池Bが下降する。
電池ECU4は、プロセッサや記憶部などを備えて構成され、スイッチSW1、SW2の動作を制御するとともに、CAN(Controller Area Network)通信などにより電圧計測回路1及び車両ECU5と通信を行う。
例えば、電池ECU4は、イグニッションスイッチがオンした旨を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1を導通させるとともにスイッチSW2を遮断させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率(電池B1〜B5の充電率の平均値など)を算出し、その算出した充電率に応じた出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winを車両ECUに送信する。また、電池ECU4は、充電率が第1の下限閾値以下になると、制限後の出力電力指令値Woutを車両ECU5に送信し、充電率が第1の上限閾値以上になると、制限後の入力電力指令値Winを車両ECU5に送信する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutに応じた電力が電池Bからインバータ回路Invに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御するとともに、入力電力指令値Winに応じた電力がインバータ回路Invから電池Bに供給されるようにインバータ回路Invの動作を制御する。車両ECU5は、出力電力指令値Woutまたは入力電力指令値Winが制限されると、インバータ回路Invのスイッチのオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を小さくすることにより、電池Bからインバータ回路Invに供給される電力またはインバータ回路Invから電池Bに供給される電力を制限する。また、電池ECU4は、電池Bの充電率が第1の下限閾値より小さい第2の下限閾値以下になると、または、電池Bの充電率が第1の上限閾値より大きい第2の上限閾値以上になると、スイッチSW1、SW2を遮断することにより、電池Bからインバータ回路Invに電力が供給されること、インバータ回路Invから電池Bに電力が供給されること、及び充電器Chから電池Bに電力が供給されることを禁止する。なお、第2の下限閾値は、電池Bが過放電状態になる直前の電池Bの充電率とし、第2の上限閾値は、電池Bが過充電状態になる直前の電池Bの充電率とする。これにより、電池Bが過充電状態または過放電状態になることを防止することができる。
また、例えば、電池ECU4は、スイッチSW1を導通させているとともにスイッチSW2を遮断させているとき、電圧計測回路1から送信される電圧が過電圧閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される電流が過電流閾値以上になると、または、電圧計測回路1から送信される温度が過温度閾値以上になると、電池Bに異常が発生したと判断し、その旨を車両ECU5に送信する。車両ECU5は、電池Bに異常が発生した旨を受信すると、インバータ回路Invを停止させ、電池Bの充電及び放電を禁止する。
また、例えば、電池ECU4は、充電器Chと車両Veとが充電ケーブルなどを介して電気的に接続された後、電池Bの充電開始指示を車両ECU5から受信すると、スイッチSW1、W2を導通させ、電圧計測回路1から送信される電圧、電流、及び温度を用いて電池Bの充電率を算出し、充電率に応じた電流指令値Co1を車両ECUに送信する。車両ECU5は、電流指令値Co1に応じた電流が充電器Chから電池Bに供給されるように電流指令値Co2を充電器Chに送信する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 電圧計測回路
2 電流計
3 温度計
4 電池ECU
5 車両ECU
11 記憶部
12 制御部
121 計測部
122 検出部
123 推定部
B1〜B5 電池
Re1〜Re5 リレー
R1〜R5 抵抗
Rre1 参照抵抗

Claims (5)

  1. 直列に接続された複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路であって、
    前記複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、
    前記複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、
    前記複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態であり、かつ、前記複数の電池のうちの前記第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、
    を備え、
    前記計測部は、
    前記検出部により異常が検出されたときの前記第2の電池の電圧と、前記検出部により異常が検出される前の前記第1及び第2の電池の電圧の差とを用いて、前記検出部により異常が検出されたときの前記第1の電池の電圧を推定し、
    前記第1の電池の電圧を推定したときの前記第1及び第2の電池の内部抵抗の差と、前記検出部により異常が検出される前に前記電流計により計測された電流と前記第1の電池の電圧を推定したときに前記電流計により計測された電流の差とを用いて、推定した前記第1の電池の電圧を補正する
    ことを特徴する電圧計測回路。
  2. 請求項1に記載の電圧計測回路であって、
    前記電流計により計測される電流の積算値と、前記複数の電池の満充電容量とを用いて、前記複数の電池の充電率を推定する推定部を備え、
    前記計測部は、前記第1の電池の電圧を推定したときに前記推定部により推定された前記第1及び第2の電池の充電率の差を用いて、補正後の前記第1の電池の電圧をさらに補正する
    ことを特徴とする電圧計測回路。
  3. 直列に接続された複数の電池の電圧を計測する電圧計測回路であって、
    前記複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、
    前記複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、
    前記複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態であり、かつ、前記複数の電池のうちの前記第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、
    前記電流計により計測される電流の積算値と、前記複数の電池の満充電容量とを用いて、前記複数の電池の充電率を推定する推定部と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出された後の前記第2の電池の電圧、並びに、前記検出部により異常が検出される前の前記第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を用いて、前記検出部により異常が検出された後の前記第1の電池の電圧を推定する
    ことを特徴とする電圧計測回路。
  4. 直列に接続される複数の電池と、
    前記複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、
    前記複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、
    前記複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態で、かつ、前記第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出された後の前記第2の電池の電圧、並びに、前記検出部により異常が検出される前の前記第1及び第2の電池の電圧の差を用いて、前記検出部により異常が検出された後の前記第1の電池の電圧を推定し、前記第1の電池の電圧の推定時の前記第1及び第2の電池の内部抵抗差、並びに、前記検出部により異常が検出される前に前記電流計により計測された電流と前記第1の電池の電圧の推定時に前記電流計により計測された電流との差を用いて、推定した前記第1の電池の電圧を補正する
    ことを特徴する電池パック。
  5. 直列に接続される複数の電池と、
    前記複数の電池に流れる電流を計測する電流計と、
    前記複数の電池のそれぞれの電圧を計測する計測部と、
    前記複数の電池のうちの第1の電池の電圧が計測できない状態で、かつ、前記第1の電池以外の第2の電池の電圧が計測できる状態である異常を検出する検出部と、
    前記電流計により計測される電流の積算値と、前記複数の電池の満充電容量とを用いて、前記複数の電池の充電率を推定する推定部と、
    を備え、
    前記計測部は、前記検出部により異常が検出された後の前記第2の電池の電圧、並びに、前記検出部により異常が検出される前の前記第1及び第2の電池の充電率に対応する電圧の差を用いて、前記検出部により異常が検出された後の前記第1の電池の電圧を推定する
    ことを特徴とする電池パック。
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